JP7311137B2 - 動物保定具 - Google Patents

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本発明は、マウス、ラットなどの動物を保定するための動物保定具に関するものである。
マウスやラットなど小型の動物を検体として用いる場合、注射などの処置を施しやすいように動物を保定しておく必要がある。このような動物保定具として、特許文献1~5には、円筒形状の筒体の中に小動物を頭から挿入して保定する保定具が開示されている。
例えば、特許文献1には、筒体内にマウス等の小動物を容易に挿入でき、しかも尾を動きにくくして容易に尾に注射することができる保定器が開示される。また、特許文献2には、周壁部に多数の孔を有する実験動物収容用内筒体と、実験動物の鼻部のみの露出が可能なエアロゾル遮閉弁を有する内筒体封入用外筒体とから成る実験動物固定装置が開示される。
特許文献3には、小動物の測定解析対象となる肢部が自由な状態で、肢部以外の部位をしっかり固定する本体と、本体に固定された小動物の肢部が接地しない高さで本体を支持する支台と、を備えた高架型小動物固定器が開示される。特許文献4には、計測を受けている動物に計測を受けている間、吸入麻酔薬を投与することができる計測動物保持具が開示される。
また、特許文献5には、先端部が閉塞した半釣鐘状の形状をした筐体を有し、この半釣鐘状の筐体の先端部分が遮光されている動物固定台が開示される。
他の形態の動物保定具として、特許文献6~9には、袋型の本体に小動物を収容する保定具が開示される。例えば、特許文献6には、金属製格子状の円筒体と、この円筒体の一部を除いて全体を包囲する織布部材とを備えた保持装置が開示される。また、特許文献7には、猫等の小動物を頭部が露出した状態で収容することができるとともに、小動物の背中に沿った部分を開閉できる袋状の保定用具が開示される。特許文献8には、少なくとも内径が、一方の大径開口部から他方の小径開口部に向って徐々に小径となっている筒状体から成る小動物用静止固定具が開示される。また、特許文献9には、織編物からなる筒状の動物保定具が開示される。
特開平8-047502号公報 特開平8-131465号公報 特開2004-147966号公報 特開2010-233649号公報 特開2005-261460号公報 特開平4-071553号公報 特開2017-000574号公報 特開2009-034039号公報 国際公開WO2014/014085号公報
このように、動物保定具には、硬質な筒体の中に小動物を挿入して保定するものと、柔らかい袋状の本体に小動物を挿入して保定するものとがある。しかしながら、硬い筒体に動物を頭から挿入し、尻側を押さえて固定する保定具では、動物にストレスを与えやすく、落ち着いて処置を施せない場合もある。また、保定のための機構が複雑になるとともに、使用後の洗浄や消毒などのメンテナンスに手間がかかる。
一方、柔らかい袋状のものは、保定の際に動物にストレスを与えにくい。しかし、柔らかいことで十分な保定ができず、動物を袋内に収容した状態でファスナやベルト等で止める作業が必要になる。
本発明は、動物にストレスを与えないように保定でき、取り扱い容易な動物保定具を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、動物を袋内に入れて保定するための動物保定具であって、外形視で略台形の袋型であって、略台形の上底側および下底側のそれぞれが開口し、下底側の開口から上底側の開口に向けて内寸が徐々に狭くなる袋本体を備え、袋本体が、帆布によって構成されたものである。
このような構成によれば、帆布によって構成された袋本体によって、動物にストレスを与えずに収容できるようになる。また、帆布による袋本体では、滅菌処理の際の熱に耐えることができる。また、帆布によって構成された袋本体を外形視で略台形の袋型にすることで、動物を収容した際に余った部分を折り曲げ、この折り曲げた部分を動物の自重で押さえておくことができるようになる。
上記動物保定具において、袋本体は、3号以上7号以下の綿帆布によって構成されていることが好ましい。これにより、綿の耐熱性および耐久性を得られるとともに、袋本体の適度な柔らかさ、容易な折り曲げ性、および適度な硬さ(保形性)を得られる。
上記動物保定部において、袋本体における略台形の一組の脚側の少なくとも一方を縫製するアラミド繊維を含む縫製糸をさらに備えていてもよい。これにより、一枚の帆布を裁断および縫製することでシンプルな袋本体を構成できるとともに、アラミド繊維を含むことで縫製糸の耐熱性を得ることができる。
上記動物保定具において、袋本体における略台形の一組の脚のうち一方である第1脚部は、上底および下底と略直交し、山折りに設けられ、袋本体における略台形の一組の脚のうち他方である第2脚部は、縫製糸で縫製されていてもよい。これにより、一枚の帆布を折り曲げて縫製することでシンプルな袋本体を構成することができる。
上記動物保定具において、袋本体は、未使用時には袋の表裏が平坦に重なるよう構成され、使用時には略台形の第1脚部および第2脚部を互いの方向に押圧することで袋の表裏が拡がって袋型になるよう構成されていることが好ましい。これにより、使用しない時には複数の動物保定具を積み重ねておくことができる。一方、使用する際には手で押圧すれば袋型になって動物を容易に収容することができる。
本発明によれば、動物にストレスを与えないように保定でき、取り扱い容易な動物保定具を提供することが可能になる。
(a)および(b)は、本実施形態に係る動物保定具の構成を例示する模式図である。 (a)および(b)は、本実施形態に係る動物保定具の構成を例示する模式斜視図である。 (a)および(b)は、本実施形態に係る動物保定具の使用方法を例示する模式図である。 (a)および(b)は、本実施形態に係る動物保定具の使用方法を例示する模式図である。 (a)から(c)は、本実施形態に係る動物保定具の他の使用例を説明する模式図である。 (a)から(c)は、本実施形態に係る動物保定具の製造方法を例示する模式図である。 (a)から(c)は、本実施形態に係る動物保定具の製造方法を例示する模式図である。 (a)および(b)は、ラットモデルによる使用状態を例示する写真である。 (a)および(b)は、ラットモデルによる使用状態を例示する写真である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
(動物保定具の構成)
図1(a)および(b)は、本実施形態に係る動物保定具の構成を例示する模式図である。図1(a)には動物保定具1の平面図が示され、図1(b)には動物保定具1の概略サイズが示される。
図2(a)および(b)は、本実施形態に係る動物保定具の構成を例示する模式斜視図である。図2(a)には先端側からみた斜視図が示され、図2(b)には後端側からみた斜視図が示される。
本実施形態に係る動物保定具1は、検体となるマウスやラットなどの動物(小動物)を袋内に収容して固定する保定具である。動物保定具1は、外形視で略台形の袋型を有する袋本体10を備える。袋本体10は、それぞれ略台形の2枚の表面片11および裏面片12を重ねて袋状にしたものである。袋本体10は、略台形における上底101の側および下底102の側のそれぞれに開口101aおよび開口102aを有している。袋本体10の内寸は、下底102側の開口102aから上底101側の開口101aにかけて徐々に狭くなる。
本実施形態に係る動物保定具1において、袋本体10は帆布(キャンバス生地)によって構成される。ここで、帆布とは、縦糸および横糸に太番手のより糸または引きそろえ糸を使用して密に織った平織物のことをいう。袋本体10として帆布を用いることで、袋本体10に適度な柔らかさ、容易な折り曲げ性、および適度な硬さ(保形性)を持たせることができ、取り扱いが容易となる。また、帆布を用いることで袋本体10に遮光性を持たせることもできる。このような適度な硬さ(柔らかさ)と遮光性とによって、動物にストレスを与えることなく袋本体10内に収容して、的確に保定できるようになる。
ここで、帆布製の袋本体10としては、3号以上7号以下の綿帆布によって構成されていることが好ましい。帆布の号数は、原糸の番手、縦糸および横糸の撚り合わせ数、縦糸および横糸の密度、重さ、縦および横の引っ張り強さ、縦および横の伸び率によって、1号から11号まで決められている。この号数による規格は、旧JISで決められていたものであり、現在も製織業で標準的に使用されている規格である。
本実施形態では、袋本体10として、この規格における3号以上7号以下の綿帆布を用いることが好ましい。すなわち、3号未満では柔軟性が乏しくなり、動物を収容した際に動物に加わる圧力によってストレスが生じやすくなるとともに、使用者の取り扱い性が低下する。一方、7号を超えると柔らかすぎて動物を収容した際に十分な保定性を得られない。
また、袋本体10として綿帆布(綿糸を用いた帆布)を用いることで、滅菌処理の際の熱に耐えることができる。動物保定具1の滅菌処理としては、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)、乾熱滅菌、煮沸消毒が挙げられる。高圧蒸気滅菌では、例えば115℃で30分間、134℃で10分間などの条件で処理される。また、乾熱滅菌では、135℃から145℃で3時間から5時間、180℃から200℃で0.5時間から1時間などの条件で処理される。また、煮沸消毒の温度は100℃以下である。
綿糸の耐熱温度は、235℃で分解し、約275℃から456℃で燃焼する。したがって、綿糸の耐熱温度は、上記の滅菌処理の温度よりも高い。袋本体10として綿帆布を用いれば、滅菌処理で加熱されても十分に耐えることができる。
袋本体10において、それぞれ略台形の2枚の表面片11および裏面片12を重ねて袋状にする際、略台形の一組の脚(第1脚部103および第2脚部104)側の少なくとも一方が縫製糸20で縫製される。図1および図2に示す例では、第2脚部104側を縫製糸20で縫製している。この縫製糸20には、アラミド繊維が含まれる。アラミド繊維の耐熱温度は約370℃である。したがって、アラミド繊維を含む縫製糸20で縫製することで、上記の滅菌処理で加熱されても縫製糸20が溶解することはない。
袋本体10における略台形の一組の脚(第1脚部103および第2脚部104)のうち一方である第1脚部103は、上底101および下底102と略直交し、第2脚部104は、上底101および下底102と非直交となる。このような形状において、表面片11と裏面片12とは、第1脚部103において山折りになっており、第2脚部104の側で縫製糸20により縫製されていてもよい。これにより、一枚の帆布を折り曲げて縫製することでシンプルな袋本体10を構成することができる。
本実施形態に係る動物保定具1において、袋本体10は、未使用時には袋の表裏(表面片11と裏面片12)が平坦に重なるよう構成される。これにより、使用しない時には複数の動物保定具1を積み重ねておくことができ、保管が容易となる。一方、使用時には、略台形の第1脚部103および第2脚部104を互いの方向に押圧することで袋の表裏が拡がって袋型になる。これにより、使用する際には手で押圧すれば簡単に袋型になって、動物を容易に収容することができるようになる。
(サイズの一例)
本実施形態に係る動物保定具1のサイズは、収容する動物の大きさに合わせて設定される。袋本体10における上底101側の開口101aの大きさは、収容する動物の頭が抜けない程度(例えば、動物の鼻先が出る程度)の大きさである。袋本体10における下底102側の開口102aの大きさは、収容する動物の胴直径の2倍から2.5倍程度である。袋本体10における第1脚部103の長さは、収容する動物の頭胴長と同程度である。
一例として、ラットを対象とした動物保定具1のサイズは以下の通りである(図1(b)参照)。
ここで、ラットは、頭胴長20~25cm、尾長15~20cmを想定している。
・袋本体10における開口101aの大きさL1…約4cm
・袋本体10における開口102aの大きさL2…約20cm
・袋本体10における第1脚部103の長さL3…約25cm
・袋本体10における第2脚部104の長さL4…約30cm
・第1脚部103と第2脚部104とのなす角θ…約30度以上35度以下
また、ラットを対象とする場合、袋本体10における綿帆布の規格は3号以上7号以下程度が好ましい。
他の一例として、マウスを対象とした動物保定具1のサイズは以下の通りである。
ここで、マウスは、頭胴長7cm程度、尾長7cm程度を想定している。
・袋本体10における開口101aの大きさL1…約2cm
・袋本体10における開口102aの大きさL2…約9cm
・袋本体10における第1脚部103の長さL3…約9cm
・袋本体10における第2脚部104の長さL4…約10cm
・第1脚部103と第2脚部104とのなす角θ…約30度以上40度以下
また、マウスを対象とする場合、袋本体10における綿帆布の規格は5号以上9号以下程度が好ましい。
(使用方法)
次に、本実施形態に係る動物保定具1の使用方法について説明する。
図3(a)から図4(b)は、本実施形態に係る動物保定具の使用方法を例示する模式図である。
本実施形態に係る動物保定具1は、未使用時には袋本体10が平坦になっており、重ねて収納できるようになっている。使用する際には、図3(a)に示すように、手で袋本体10を持って第1脚部103および第2脚部104を互いの方向に軽く押圧する。これにより、重なって閉じていた表面片11および裏面片12が拡がって袋型になり、下底102側の開口102aが開く状態になる。本実施形態では、袋本体10が帆布で構成されているため、繊維の柔軟性と張りとの適度なバランスによって、手で軽く握るようにすることで簡単に袋状にすることができる。
そして、袋本体10を袋状に拡げた状態で、もう一方の手で動物Aを持って開口102aから袋本体10内に入れる。袋本体10は遮光性があり、開口102aから開口101aに向けて内寸が徐々に狭くなる構造のため、動物Aは狭く暗い袋本体10の上底101側に向かって自ら好んで進んで行く(図3(b)参照)。動物Aは、鼻先が開口101aから出る場合もあるが、胴まで抜けてしまうことはない。また、上底101側の開口101aが通気孔となって動物Aの呼吸を妨げることはない。
次に、図4(a)に示すように、袋本体10に動物Aを収容した状態で、袋本体10の第2脚部104側の余った部分Sを折り曲げる。これにより、下底102側の開口102aの半分程度が折り返される。図4(b)に示すように、折り返した部分Sは動物Aの下側に巻き付けるようにして、テーブルT上に載置する。袋本体10の折り返した部分Sは動物Aの自重によって押さえられる。
すなわち、本実施形態では、袋本体10が帆布で構成されるため、袋本体10の余った部分Sを折り返して動物Aの下側に巻き付けた際、動物Aの自重程度でも帆布同士の摩擦によって折り返した部分Sが戻ってしまうことはない。つまり、ベルトやファスナなどで固定しなくても、袋本体10で動物Aを包む状態を維持することができる。この状態により、動物Aは真横を向いてテーブルT上に保定されることになる。
動物Aは、暗く狭い袋本体10の中で柔らかく包み込まれるようになるため、ストレスを受けることなく、落ち着いた状態で横向きに保定されることになる。動物Aの尾は、下底102側の開口102aから外に延出する状態となる。実験者は、テーブルTの上で落ち着いた状態で保定された動物Aに対して所定の処置(例えば、動物Aの尾に注射)を施すことができる。
特に、本実施形態では動物Aを横向きに保定できるため、動物Aの尾の左右側面に近位な尾静脈が上側に向く状態となる。このため、実験者にとって動物Aの尾静脈に注射しやすい体勢を維持できることになる。また、開口101aから動物Aの鼻先が見えるため、ここから経口投与を行うこともできる。
本実施形態に係る動物保定具1のように、ベルトやファスナなど別な要素を用いることなく、袋本体10の余った部分Sを折り返すだけで簡単に保定できる構造では、実験者は素早い動作(単に余った部分Sを折り曲げるだけ)で保定を済ませることができる。すなわち、ベルトやファスナなど別な要素を用いる場合には、予め用意したり、固定に手間取ったりするが、本実施形態ではそのような手間がかからず、簡単かつ素早く保定を完了することができる。また、動物Aに対して少ない刺激で包むように保定するため動物Aは落ち着いており、保定状態で実験者は両手を安心して使うことができる。このような本実施形態の動物保定具1はシンプルな構造ではあるものの、動物Aに対する処置を行う上で非常に有効なツールとなる。
(他の使用例)
次に、本実施形態に係る動物保定具1の他の使用例について説明する。
図5(a)から(c)は、本実施形態に係る動物保定具の他の使用例を説明する模式図である。
この使用例では、動物保定具1の袋本体10内に合成樹脂製の袋Bを挿入し、この合成樹脂製の袋内に動物Aを収容する。すなわち、本実施形態に係る動物保定具1を合成樹脂製の袋Bのカバーとして利用するものである。
図5(a)に示すように、動物Aを収容する前に、本実施形態に係る動物保定具1の袋本体10内に合成樹脂製の袋Bを入れる。これにより、図5(b)に示すように、動物保定具1と合成樹脂製の袋Bとが一体となる。
図5(c)に示すように、動物Aを収容する際には動物保定具1の開口102aとともに合成樹脂製の袋Bの開口を拡げる。動物Aは合成樹脂製の袋Bの開口から袋内に収容される。合成樹脂製の袋Bが内挿されていることで、動物Aはスムーズに袋B内に収容される。
また、合成樹脂製の袋Bだけでは薄く、表面が滑りやすいため、動物Aを収容した状態で袋Bを折り曲げて保持しておくことは難しい。しかし、本実施形態に係る動物保定具1によって合成樹脂製の袋Bをカバーしているため、帆布による袋本体10の硬さ(保形性)を利用して、袋本体10の余った部分Sを動物Aの下側に折り返して巻き込むようにすれば、保定した状態を維持することができる。また、合成樹脂製の袋Bが透光性を有する場合、袋Bのみでは動物Aは落ち着かない。本実施形態に係る動物保定具1によって袋Bをカバーすることで、遮光性を持たせることができ、動物Aは落ち着いて保定されることになる。
実験が完了した後は、動物Aを取り出す。この際、動物Aを取り出した後、合成樹脂製の袋Bを抜いてもよいし、袋Bと一緒に動物Aを抜き出すようにしてもよい。このような袋Bを用いる使用例では、使用済みの袋Bのみを取り替えるようにすれば、動物保定具1を毎回滅菌処理する必要はなく使い回すことが可能となる。
(製造方法)
次に、本実施形態に係る動物保定具1の製造方法について説明する。
図6(a)から図7(c)は、本実施形態に係る動物保定具の製造方法を例示する模式図である。
先ず、図6(a)に示すように、四角形の帆布Cを用意する。次に、図6(b)に示すように、帆布Cを半分に折りたたむ。次いで、図6(c)に示すように、半分に折りたたんだ帆布Cを斜めに裁断する。
斜めに裁断すると、図7(a)に示すように、二等辺三角形の帆布C1が1つ、直角三角形の帆布C2が2つ、取り出される。帆布C1およびC2を取り出した後、帆布C1およびC2のそれぞれの縁をかがり縫いなどで補強しておくことが好ましい。
次に、図7(b)に示すように、二等辺三角形の帆布C1を半分に折って、重なった辺を縫製糸20で縫製する。その後、先端部分を切り落とす。これにより、動物保定具1が完成する。
一方、図7(c)に示すように、2つの直角三角形の帆布C2は重ね合わせた状態で、2辺を縫製糸20で縫製する。その後、先端部分を切り落とす。これにより、動物保定具1が完成する。
(使用状態)
次に、本実施形態に係る動物保定具1の実際の使用状態について説明する。
図8(a)~図9(b)は、ラットモデルを用いた使用状態を例示する写真である。
図8(a)に示すように、ラットモデルRは動物実験手技訓練用のモデルであり、実際のラットと同様な大きさ(体長、体重、胴回り、尾長など)、および軟らかさになっている。図8および図9に示す使用例では、図5に示すように、本実施形態の動物保定具1の袋本体10内に合成樹脂製の袋Bを挿入し、この袋Bの中にラットモデルRを入れている。
図8(b)に示すように、動物保定具1にラットモデルRを頭から挿入し、袋本体10の余った部分Sを折り返す。ラットモデルRの胴部分は帆布によって形成された袋本体10によって柔らかく包まれ、尾Rtは袋本体10の開口102aから外に延出する状態となる。帆布による袋本体10では、動物の大きさの違いによる対応範囲が広い。
図9(a)および(b)に示すように、袋本体10の折り返した部分Sを下にしてテーブルTに置くことで、ラットモデルRの自重によって折り返した部分Sを押さえることができ、ラットモデルRを袋本体10で包んだ状態を維持することができる。
なお、上記ではラットモデルRを用いた使用例を示したが、実際のラットを用いた実験も行っている。その結果、ラットを袋本体10内に挿入し、折り返した部分Sを下にして自重によって保定状態を維持できることが分かった。挿入の際には広い開口102aによって簡単にラットを袋本体10に入れることができ、余った部分Sは帆布による柔軟性によって簡単に折り曲げることができる。この折り曲げによって開口102aはラットの尾が出る程度のサイズに閉じられるとともに、ラットは袋本体10内に優しく包まれる状態になる。テーブルTに置いて両手を離してもラットは落ち着いた状態で横向きに保定され、開口102aから延出する尾に対して実験者は両手を使って注射等の処置を行うことができた。
以上説明したように、本実施形態によれば、動物Aにストレスを与えないように保定することができ、取り扱い容易な動物保定具1を提供することが可能になる。
なお、上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、袋本体10の材料として綿帆布を用いる例を示したが、綿帆布以外の帆布(麻、亜麻など)であっても適用可能である。また、帆布以外であっても、滅菌消毒の熱に耐えられる布素材を用いるようにしてもよい。また、上記の実施形態では、袋本体10を縫製する縫製糸20を備えた動物保定具1を示したが、縫製糸20を用いることなくシームレスな袋本体10で構成してもよい。また、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
本発明に係る動物保定具1は、マウスやラットのほか、モルモット、うさぎなど他の動物の保定用としても好適に利用可能である。
1…動物保定具
10…袋本体
11…表面片
12…裏面片
20…縫製糸
101…上底
101a…開口
102…下底
102a…開口
103…第1脚部
104…第2脚部
A…動物
B…袋
C,C1,C2…帆布
R…ラットモデル
Rt…尾
S…余った部分
T…テーブル

Claims (4)

  1. 動物を袋内に入れて保定するための動物保定具であって、
    外形視で略台形の袋型であって、前記略台形の上底側および下底側のそれぞれが開口し、前記下底側の開口から前記上底側の開口に向けて内寸が徐々に狭くなる袋本体を備え、
    前記袋本体は、帆布によって構成され、未使用時には袋の表面片および裏面片が平坦に重なるよう構成され、使用時には前記略台形の第1脚部および第2脚部を互いの方向に押圧することで袋の表裏が拡がって袋型になるよう構成された、動物保定具。
  2. 前記袋本体は、3号以上7号以下の綿帆布によって構成された、請求項1記載の動物保定具。
  3. 前記袋本体における略台形の一組の脚側の少なくとも一方を縫製するアラミド繊維を含む縫製糸をさらに備えた、請求項1または2に記載の動物保定具。
  4. 前記袋本体における略台形の一組の脚のうち一方である前記第1脚部は、前記上底および前記下底と略直交し、山折りに設けられ、
    前記袋本体における略台形の一組の脚のうち他方である前記第2脚部は、前記縫製糸で縫製された、請求項3記載の動物保定具。
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