JP7310923B2 - X線撮影用被検体固定具およびx線撮影システム - Google Patents

X線撮影用被検体固定具およびx線撮影システム Download PDF

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Description

本発明は、X線撮影の対象となる被検体の位置を固定させるX線撮影用被検体固定具、および当該X線撮影用被検体固定具を備えるX線撮影システムに関する。
被検体にX線を照射してX線画像を取得するX線撮影システムを用いて診断等を行う場合、X線を照射している間において被検体の位置を固定させる。被検体の位置が十分に固定されない場合、被検体の体動に起因するボケまたはアーティファクトがX線画像に発生するので、X線画像による診断の精度が大きく低下する。
従来、被検体の体動を防止すべく被検体を固定するための固定具としては、以下のようなものが挙げられる。第1の従来例として、被検体の所定部位に砂嚢を例とする重り部材を搭載する方法、または被検体の所定部位に柔軟なクッション材を当接させ、さらに当該クッション材に対して重り部材を搭載する方法が挙げられる。第2の従来例として、テープまたはバンドなどを例とする締結固定具を用いて、被検体の所定部位を固定部材に締結させる方法が挙げられる(例えば、特許文献1)。第3の従来例として、被検体の所定部位の周囲に陰圧式固定具を配置し、吸引ポンプなどを用いて当該陰圧式固定具の内部を陰圧にさせることにより、陰圧式固定具を所定部位に応じた形状に固めて当該所定部位を拘束する方法が挙げられる。
国際公開第2017/026046号
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
重り部材を固定具として用いる第1の従来例では、被検体を精度良く固定することが困難である。すなわち、重り部材を用いる固定方法について共通のプロトコルが確立されていないことが一般的であるので、固定の精度は術者のノウハウに依存する点が多い。特にクッション材を用いる場合、クッション材の変形に起因して被検体の位置が想定される位置から外れるという問題が懸念される。
締結固定具を用いる第2の従来例では、被検体の所定部位を締結固定具によって直接圧迫するため、被検体の苦痛が増大する。第2の従来例に係る固定具は、骨密度測定を例とする長時間の検査に用いられることが多いため、X線撮影の長期化によって被検体の苦痛はさらに大きくなる。また、締結固定具によって固定できる部位が足部など特定の部位に限定されているので、汎用性が低い。
そして、第3の従来例に係る陰圧式固定具および吸引ポンプは大型の装置であり、かつ操作に手間を要する。そのため第3の従来例では、当該装置を使用する術者の負担が大きい。また、陰圧式固定具は被検体の全身または半身といった広い範囲を固定する。すなわち、陰圧式固定具が適用できる状況も限られるので汎用性が低い。
さらに各々の従来例では、固定の対象となる被検体の所定部位がX線撮影対象である関心部位とは異なる。すなわち、重り部材または締結固定具がX線画像に影響を及ぼすことを防止するため、一例として股関節を関心部位としてX線撮影を行う場合、一般的には足部に対して固定具が用いられる。他の例として被検体の肘部を撮影する場合、手の部分に対して固定具を用いることが一般的である。このように関心部位と異なる所定部位を固定してX線撮影を行う従来の方法では、肝心の関心部位における体動を確実に防止することが困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、術者の熟練性に左右されることなく、単純な構成によって被検体の関心部位の位置を確実に固定できるX線撮影用被検体固定具およびX線撮影システムを提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち本発明に係るX線撮影用被検体固定具は、X線撮影の対象となる被検体の四肢を固定するX線撮影用被検体固定具であって、前記被検体の四肢を挟んで互いに対向配置される一対の枠体と、前記枠体同士の位置関係が維持されるように前記枠体の各々を支持する上面を有する平板状の支持部材と、X線透過性を有する素材で構成され、前記被検体の四肢が一対の前記枠体の間に配置された状態で、前記枠体と前記被検体の四肢と前記支持部材の上面もしくは該上面に配置される補助板と間に画定される間隙部に挿抜可能に充填されて前記被検体の四肢を拘束する充填部材と、を備え、前記枠体は前記支持部材に固定されるものである。また、上述した発明において、前記充填部材は複数設けられ、複数の前記充填部材のうち、一の前記充填部材の形状は他の前記充填部材の形状と異なることが好ましい。また、上述した発明において、前記被検体の四肢の種別に応じて、前記支持部材に対して前記枠体が配置される位置および前記枠体の形状のうち少なくとも一方が異なることが好ましい。
当該構成において、被検体の一部(例えば関心部位)を挟んで対向配置される一対の枠体と当該関心部位との間隙部に対し、充填部材を挿入するという単純な操作によって関心部位の位置を固定できる。そのため、術者の熟練性に左右されることなく被検体の一部を確実に固定できる。また、枠体は当該被検体の一部の近傍に配設される部材であるので、X線撮影用被検体固定具のサイズは被検体の一部の近傍領域の広さ程度に限定できる。よって、X線撮影用被検体固定具を小型化することが容易となる。
さらに、充填部材はX線透過性を有する素材で構成されているので、充填部材が関心部位に当接して当該関心部位を拘束固定している状態であっても、関心部位に照射されるX線が充填部材によって影響を受けることを回避できる。よって、X線撮影用被検体固定具を用いて関心部位を直接固定できるとともに、X線画像の診断能が充填部材などによって低下するという事態を回避できる。
また、上述した発明において、前記充填部材は、一端から他端に向けて厚みが薄くなるように構成されている板状部材であることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影用被検体固定具によれば、充填部材は一端から他端に向けて厚みが薄くなるように構成されている。そのため、楔と同様の形状を有する当該充填部材を間隙部へ挿入することによって、被検体を枠体へ押しつける方向に作用する力が発生する。その結果、被検体をより確実に固定することが可能となる。また、充填部材を挿入する深さを変えることによって隙間部の広狭に対応できるので、充填部材の汎用性を向上できる。
また、上述した発明において、前記枠体のうち少なくとも一方は、前記被検体の四肢に対向する面がX線の照射方向に対して傾斜するように構成されることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影用被検体固定具によれば、手関節または股関節を例とする、X線照射方向に対して傾斜した状態で固定することが好ましい部分を関心部位とする場合において、傾斜している面に沿って当該関心部位を当接させることにより、関心部位を傾斜姿勢としつつ当該姿勢をより安定化できる。従って、傾斜姿勢の関心部位について、ボケまたはアーティファクトがより低減されたX線画像を取得できる。
また、上述した発明において、前記枠体は、前記支持部材に対して着脱可能に構成されることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影用被検体固定具によれば、所定の関心部位に適応する枠体を支持部材に装着してX線撮影を行った後、当該枠体を支持部材から外し、さらに別の関心部位に適応する枠体を支持部材に装着してX線撮影を実行できる。すなわち、複数の支持部材を用いることなく、複数箇所の関心部位に対するX線撮影について、各々の関心部位を適切に固定できるX線撮影用被検体固定具を実現できる。また、枠体を支持部材から外すことにより、X線撮影用被検体固定具の収納スペースを低減できる。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとってもよい。
すなわち、本発明に係るX線撮影システムは、被検体にX線を照射するX線管と、前記X線管から照射されて前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線検出器が出力する検出信号に基づいてX線画像を生成する画像生成部と、上述した本発明に係るX線撮影用被検体固定具と、を備えるものである。
[作用・効果]本発明に係るX線撮影システムによれば、X線撮影用被検体固定具を備えている。そのため、関心部位を挟んで対向配置される枠体と当該関心部位との間隙部に対して充填部材を挿入するという単純な操作によって、関心部位の位置を固定できる。よって、術者の熟練性に左右されることなく関心部位を確実に固定できるので、X線画像に発生するボケまたはアーティファクトを確実に低減できるX線撮影システムの実現が可能となる。
本発明に係るX線撮影用被検体固定具およびX線撮影システムによれば、被検体の一部を挟んで対向配置される一対の枠体と当該関心部位との間隙部に対し、充填部材を挿入するという単純な操作によって被検体の一部の位置を固定できる。そのため、術者の熟練性に左右されることなく被検体の一部を確実に固定できる。また、枠体は被検体の一部の近傍に配設される部材であるので、X線撮影用被検体固定具のサイズは被検体の一部の近傍領域の広さ程度に限定できる。よって、X線撮影用被検体固定具を小型化することが容易となる。
さらに、充填部材はX線透過性を有する素材で構成されているので、充填部材が関心部位に当接して当該関心部位を拘束固定している状態であっても、関心部位に照射されるX線が充填部材によって影響を受けることを回避できる。よって、X線撮影用被検体固定具を用いて関心部位を直接固定できるとともに、X線画像の診断能が充填部材などによって低下するという事態を回避できる。
実施例1に係るX線撮影システムの概略構成を説明する正面図である。 実施例1に係るX線撮影用被検体固定具の全体構成を説明する斜視図である。 実施例1に係るX線撮影用被検体固定具の構成を説明する平面図である。 実施例1において、枠体同士の間隙部に関心部位を載置させた状態を示す平面図である。 実施例1において、関心部位と枠体との間に充填部材を挿入させた状態を示す平面図である。 実施例2に係るX線撮影用被検体固定具の全体構成を説明する斜視図である。 実施例2において、枠体同士の間隙部に関心部位を載置させた状態を示す斜視図である。 実施例2において、枠体同士の間隙部に関心部位を載置させた状態を示す正面図である。 実施例2において、関心部位と枠体との間に充填部材を挿入させた状態を示す正面図である。 実施例3に係るX線撮影用被検体固定具の全体構成を説明する斜視図である。 実施例3に係るX線撮影用被検体固定具の構成を説明する平面図である。 実施例3において、関心部位と枠体との間に充填部材を挿入させた状態を示す正面図である。 実施例4に係るX線撮影用被検体固定具の全体構成を説明する斜視図である。 実施例4において、枠体同士の間隙部に関心部位を載置させた状態を示す側面図である。 実施例4において、関心部位と枠体との間に充填部材を挿入させた状態を示す正面図である。 変形例に係るX線撮影用被検体固定具の構成を説明する斜視図である。 変形例に係るX線撮影用被検体固定具の構成を説明する底面側斜視図である。 変形例に係るX線撮影用被検体固定具の構成を説明する正面図である。 変形例に係るX線撮影用被検体固定具の構成を説明する正面図である。 変形例に係るX線撮影用被検体固定具において、被検体の一部を固定している状態を説明する平面図である。 変形例に係るX線撮影用被検体固定具において、充填部材を枠体に合わせて収納している状態を説明する平面図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。図1は実施例1に係る被検体固定具11を備えるX線撮影システム1の全体構成を示す正面図である。
<全体構成の説明>
実施例に係るX線撮影システム1は、天板3と、X線管5と、コリメータ6と、X線検出器7と、画像生成部9と、画像表示部10と、被検体固定具11とを備えている。
天板3は、各種姿勢をとる被検体Mを載置させる。X線管5は被検体Mに対してX線を照射する。コリメータ6はX線管5に設けられており、X線管5から照射されるX線を例えば角錐となっているコーン状に制限する。
X線検出器7はX線を検出する検出面を備えており、X線管5から照射されたX線を検出して電気信号に変換する。X線検出器7の検出面にはX線検出素子である画素が二次元マトリクス状に配列されている。実施例では、X線検出器7としてフラットパネル型検出器(FPD)を用いることとする。X線管5とX線検出器7は、被検体Mを挟んで対向配置されている。
画像生成部9はX線検出器7に接続されており、X線検出器7から出力されたX線検出信号に基づいて各種画像処理を行うことにより、X線画像を生成する。画像表示部10は、画像生成部9によって生成されたX線画像を表示する。画像表示部10の一例として、液晶モニタなどが挙げられる。
被検体固定具11は、被検体Mの関心部位Maを固定する。関心部位Maは、被検体MのうちX線撮影の対象となる部分である。被検体固定具11は、本発明におけるX線撮影用被検体固定具に相当する。実施例1において、被検体固定具11は被検体Mの肘部を関心部位Maとして固定するものとする。また実施例1において、被検体Mの肘部は本発明に係る被検体の一部に相当する。
なお、図1においてX線検出器7は天板3の下方に配設されている構成を例示しているが、X線検出器7の配置はこれに限られず、無線式のFPDであるX線検出器7を天板3に載置させてもよい。この場合、X線検出器7の上に被検体固定具11をさらに載置させることができる。
被検体固定具11は図2に示すように、ベース部13と、枠体15と、充填部材17とを備えている。ベース部13は平板状の部材であり、ベース部13の上面に枠体15が配設されている。
枠体15は、一対の部材によって構成されている。説明の便宜上、一対の枠体15のうち、一方を枠体15aとし、他方を枠体15bとして両者を区別する。枠体15aおよび枠体15bは、間隙部16を空けて配置されている。間隙部16は、被検体Mの関心部位Maを確実に配置できる広さとなるように構成される。すなわち枠体15aおよび枠体15bは、被検体Mの関心部位Maを挟んで互いに対向配置される。
枠体15の各々は、接着剤などによってベース板13に接着固定されている。すなわちベース板13は、枠体15aと枠体15bとの位置関係が維持されるように、枠体15の各々を支持する。枠体15の各々には、配置される関心部位Maおよび関心部位Maとの位置関係を示唆するマーカWMが付されている。術者はマーカWMを視認することにより、被検体固定具11の固定対象となる関心部位Maに関する情報、および間隙部16に配置される関心部位Maの向きに関する情報を速やかに把握できる。
肘部を関心部位Maとする実施例1において、枠体15aのうち間隙部16に近い側の面は、X線撮影用の姿勢をとる肘部の内側に沿った形状となっている。この場合、間隙部16に近い側の面に肘部を当接させることによって、肘部をX線撮影用の姿勢をとった状態で安定に固定できる。
充填部材17は、間隙部16に配置された関心部位Maと枠体15との間に形成される空間を充填する。ベース部13、枠体15、および充填部材17の各々は、X線透過性を有する素材で構成されている。X線透過性を有する素材の例として、ウレタンなどが挙げられる。
充填部材17は、全体として板状となっている1または2以上の部材である。充填部材17の好ましい構成として、一端側から他端側に向けて厚みが薄くなるように構成されている板状の部材である。本実施例では充填部材17としてそれぞれ形状が異なる5種類の部材、すなわち充填部材17a~17eを備えているものとする。充填部材17の数、種類の数、および厚みは適宜変更してもよい。
充填部材17a~17cは、一端側から他端側に向けて厚みが薄くなるように構成されている板状の部材である。すなわち、充填部材17a~17cは楔に似た形状を備えている。充填部材17aおよび充填部材17bは底面が台形の柱状部材であり、充填部材17cは三角柱状の部材である。充填部材17aは、充填部材17bより厚みが大きい部材である。
充填部材17dおよび充填部材17eは、厚みが一様となっている板状部材である。充填部材17dは、充填部材17eより厚みが大きい部材である。なお、充填部材17a~17eの各々には、部材の形状および大きさを示唆するマーカPMが付されている。術者はマーカPMを視認することにより、充填部材17a~17eの形状および大きさに関する情報を速やかに把握できる。
被検体固定具11を用いて被検体Mの関心部位Maを固定し、さらに被検体Mに対してX線撮影を行う一連の操作について、図2ないし図4を用いて説明する。まず、被検体Mに所定の姿勢をとらせ、当該被検体Mを天板3に載置させる。本実施例では、座位姿勢をよる被検体Mの腕部を天板3に載置させるものとする。
次に、枠体15が上向きの状態で被検体固定具11を天板3に載置させる。このとき、ベース部13がX線検出器7の上方または上面に配置されるように、被検体固定具11の位置を適宜調整する。ベース部13の位置を調整した状態の被検体固定具11は、図2に示される通りである。
被検体固定具11を天板3に載置させた後、術者は一対の枠体15の間に形成されている間隙部16に、被検体Mの関心部位Maを配置させる。関心部位Maを間隙部16に配置させる場合、図3に示すように、関心部位Maを枠体15の一方に当接させるように配置することが好ましい。本実施例では枠体15aに関心部位Maを当接させることで、関心部位Maの姿勢をより安定にさせる。
間隙部16は関心部位Maを確実に配置できる程度に広くなるように設計されている。そのため、被検体Mの関心部位Maを間隙部16に配置させた状態において、少なくとも枠体15の一方と関心部位Maとの間に間隙Faが形成されている。
関心部位Maを間隙部16に配置させた後、図4に示すように、枠体15と関心部位Maとの間隙Faに充填部材17を挿入する。充填部材17を挿入することによって、枠体15と関心部位Maとの間に形成される空間が充填部材17によって充填される。その結果、関心部位Maは枠体15と充填部材17とによって拘束された状態となる。すなわち、板状の充填部材17を挿入するという単純な操作によって、関心部位Maの位置を精度良く固定できる。
ここで、間隙Faの大きさは被検体Mの体格に応じて変わる。そのため、間隙Faを充填部材17で充填する場合、術者は形状および厚みがそれぞれ異なる充填部材17a~17eを適宜組み合わせて間隙Faに挿入することによって、間隙Faの大きさに応じた充填を行う。
例えば、被検体Mの体格が大きい場合は間隙Faが小さくなるので、比較的厚みが小さい充填部材17cまたは充填部材17eなどを用いて間隙Faを充填させる。一方、被検体Mの体格が小さい場合は間隙Faが大きくなるので、比較的厚みが小さい充填部材17aまたは充填部材17dなどを用いて間隙Faを充填させる。
また、充填部材17a~17cのように一端側から他端側に向けて厚みが小さくなる形状の部材を間隙Faに挿入する場合、挿入の深さを変えることによって隙間部16の広狭に対応できる。一例として充填部材17aを用いる際において、間隙Faが比較的大きい場合は充填部材17aを比較的深く挿入する。楔と同様の形状を有する充填部材17aを間隙部16に挿入することによって、充填部材17の外側に向かって押しつける方向に作用する力が発生する。すなわち、関心部位Maを枠体15へ押しつける方向に作用する力が発生する。その結果、被検体Mの関心部位Maをより確実に固定することが可能となる。
一方、間隙Faが比較的小さい場合は充填部材17aを比較的浅く挿入する。このように間隙Faの大きさに応じて、挿入させる充填部材17の種類および挿入の深さを適宜選択することにより、関心部位Maに対する無用な圧迫を回避しつつ、間隙Faを確実に充填させて関心部位Maの位置を精度よく固定できる。また、枠体15および充填部材17は弾力性を有するウレタンで構成されているので、関心部位Maが拘束状態であっても、被検体Mが圧迫感を受けることを回避できる。
充填部材17の挿入によって間隙Faを充填させた後、X線撮影を開始する。すなわち術者は図示しない入力部を適宜操作することによってX線管5からX線を関心部位Maに照射させる。被検体固定具11が備えるベース部13、枠体15、充填部材17の各々はX線透過性の材料で構成されているので、関心部位Maを透過するX線が被検体固定具11の構成部材によって減衰することを回避できる。
関心部位Maを透過したX線はX線検出器7に検出され、関心部位Maを映し出すX線画像が画像生成部9によって生成される。生成されたX線画像は画像表示部10に表示され、術者はX線画像を視認しつつ適宜処置を行う。充填部材17の挿入によって関心部位Maは精度よく位置が固定されているので、X線撮影の際にX線画像にボケまたはアーティファクトが発生することを回避できる。
X線撮影が終了した場合、術者は間隙Faに挿入されていた充填部材17を抜き取ることによって、関心部位Maの拘束状態を解除する。そしてベース部13に載置されていた関心部位Maを間隙部16から除き、さらに被検体Mを天板3から降ろすことによって、一連の動作は完了する。
次に、本発明の実施例2を説明する。実施例1では肘部を関心部位Maとする場合に用いられる被検体固定具11について説明したが、実施例2では手関節の側面を関心部位Maとする場合において、関心部位Maの固定に用いられる被検体固定具11について説明する。実施例2において、被検体Mの手関節は本発明に係る被検体の一部に相当する。
図5は、実施例2に係る被検体固定具11を示す斜視図である。ベース部13および充填部材17については、実施例2の構成と実施例1の構成とは共通するので説明を省略する。実施例2において、枠体15を構成する一対の枠体15aおよび15bの各々は板状の部材である。枠体15aおよび15bは、各々が平行となるようにベース部13の上に立設される。間隙部16は、被検体Mの手および手首の部分を確実に載置できる程度の広さになるように設計される。
実施例2において、一方の枠体15aは、内側の面がz方向に対して傾斜している傾斜面Gとなるように構成されている。すなわち枠体15aの内側の面は側面視において傾斜するように構成されている。
具体的にはX線管5からX線が照射される方向(本実施例ではz方向)に対して、枠体15aの傾斜面Gが傾斜している。枠体15aの内側の面を傾斜させることにより、図7に示すように、関心部位Maすなわち被検体Mの手関節を枠体15aに当接させた場合において、各々の指がz方向に重なることを回避できる。すなわち、手関節のX線画像において、上側の指の骨が重なることによって下側の指の骨が見えなくなる、等の事態を回避できる。
実施例2に係る被検体固定具11を用いてX線撮影を行う場合、まずは実施例1と同様に、被検体Mに座位姿勢をとらせた状態で当該被検体Mの腕部を天板3に載置させる。次に、枠体15が上向きの状態で被検体固定具11を天板3に載置させる。被検体固定具11を天板3に載置させた後、図7または図8に示すように、術者は枠体15同士の間に形成されている間隙部16に、被検体Mの関心部位Maである手関節部位を配置させる。
このとき、枠体15aの内側の傾斜面Gに手の甲を当接させるように配置する。内側の面Gはz方向に対して傾斜しているので、傾斜面Gに手の甲を沿わせて当接することにより、平面視において手の指が全て視認できる状態となる。枠体15aに関心部位Maを当接させることによって、枠体15bと関心部位Maとの間に間隙Faが形成される。
関心部位Maを間隙部16に配置させた後、図9に示すように、間隙Faに充填部材17を挿入して間隙Faを充填させる。間隙Faが充填部材17によって充填されることにより、関心部位Maは拘束状態となって位置が固定される。本実施例では充填部材17b、17c、および17dを組み合わせて間隙Faを充填している。
充填部材17を挿入して間隙Faを充填させた後、図9に示すようにX線管5からX線Pxを関心部位Maに照射させてX線撮影を開始する。関心部位Maである手関節部位は、枠体15aの傾斜面Gと充填部材17によって、z方向に対して傾斜した状態で位置が固定されている。そのため、X線Pxは手の平の全面に対して入射される。よって、取得されるX線画像には手関節を構成する全ての骨が、他の骨に隠れることなく好適に映し出される。
所定のX線画像を取得してX線撮影が完了すると、術者は間隙Faに挿入されていた充填部材17を抜き取り、関心部位Maの拘束状態を解除する。そして関心部位Maを間隙部16から除いて天板3から降ろすことによって、一連の動作を完了させる。
次に、本発明の実施例3を説明する。実施例3では膝部の側面を関心部位MaとしてX線撮影を行う場合に用いられる被検体固定具11ついて説明する。なお、実施例1および2において、被検体Mは座位姿勢でX線撮影を行ったが、実施例3では横臥姿勢の被検体Mに対してX線撮影を行う。
図10は、実施例3に係る被検体固定具11を示す斜視図である。ベース部13および充填部材17については、実施例3の構成は実施例2と共通するので説明を省略する。実施例3において、枠体15を構成する一対の枠体15aおよび15bは、x方向に延びる直方体状の部材であり、各々が平行となるようにベース部13の上に立設されている。
図10は、実施例3に係る被検体固定具11を示す斜視図である。ベース部13および充填部材17については、実施例3の構成は実施例2と共通するので説明を省略する。実施例3において、一対の枠体15を構成する枠体15aおよび枠体15bは、V字状の間隙部16を空けるように配設されている。X線撮影の際には、横臥姿勢の膝部を所定の角度に折り曲げた状態で、当該V字状の間隙部16に載置させる。
本実施例において、一方の枠体15aは略三角柱状の部材であり、内側の面は膝部の裏面側に応じた形状を有している。他方の枠体15bは、直方体状の部材の内側にV字状の切り欠きが形成された形状を有している。当該切り欠きの部分は、膝部の正面側の形状に応じた形状となっている。また実施例3において、被検体Mの膝部は本発明に係る被検体の一部に相当する。
実施例3に係る被検体固定具11を用いて膝部のX線撮影を行う場合、まずは横臥姿勢をとらせた被検体Mを天板3に載置させる。次に図11に示すように、枠体15が上向きの状態で被検体固定具11を天板3に載置させる。被検体固定具11を天板3に載置させた後、図12に示すように、被検体Mの関心部位Maである膝部を所定の角度に曲げた状態で間隙部16に載置させ、さらに関心部位Maと枠体15との間隙Faを充填部材17で充填する。
実施例3における好ましい形態として図12に示すように、関心部位Ma(膝部)の正面側を枠体15bに当接させた状態で間隙部16に載置させることにより、関心部位Maの姿勢をより安定にしている。この場合は枠体15aと関心部位Maとの間に間隙Faが形成され、当該間隙Faを充填部材17で充填する。なお別の好ましい形態として、関心部位Maの裏面側を枠体15aに当接させた状態で、枠体15aと関心部位Maとの間隙Faを充填部材17で充填させてもよい。
充填部材17の充填によって関心部位Maの位置を固定させた後、X線管5からX線を照射させてX線撮影を開始する。X線はz方向から関心部位Maに照射されるので、膝関節などを側面から撮影したX線画像が取得される。
次に、本発明の実施例4を説明する。実施例4では、股関節を関心部位Maとして骨密度測定を目的とするX線撮影を行う場合に用いられる被検体固定具11について説明する。図13は、実施例4に係る被検体固定具11を示す斜視図である。ベース部13および充填部材17については、他の実施例と共通するので説明を省略する。
実施例4において、一対の枠体15を構成する枠体15aおよび枠体15bは、各々が平行となるようにベース部13の上に立設される。間隙部16は、被検体Mの脚部を確実に載置できる程度の広さになるように設計される。枠体15aの内側は実施例2と同様に、z方向に対して傾斜している傾斜面Gとなっている。
実施例4に係る被検体固定具11は、補助板19を備えているという点で他の実施例に係る被検体固定具11と相違する。補助板19は、ベース部13の上部に配設されており、ベース板13に接着固定されている。保持板19の上面は、膝関節を前方に屈曲させた脚部の裏面に沿う形状となるように構成されている。すなわち補助板19は、端部Teから頂部Tpに向かうにつれて厚みが大きくなるように構成されている。よって、実施例4において間隙部16の床面は全体として隆起した形状となっている。
実施例4に係る被検体固定具11を用いて股関節部位のX線撮影を行う場合、まずは仰臥姿勢をとらせた被検体Mを天板3に載置させる。次に枠体15が上向きの状態で被検体固定具11を天板3に載置させる。被検体固定具11を天板3に載置させた後、図14に示すように、骨密度測定に適した所定の角度に膝関節を屈曲させた状態で、被検体Mの脚部および関心部位Ma(股関節部位)を間隙部16に載置させる。なお説明の便宜上、図14に係る側面図において枠体15bの表示を省略している。
実施例4において、補助板19を備えることにより間隙部16の床面は当該関心部位Maおよび脚部の裏面に沿って隆起した形状となっている。そのため、関心部位Maは脚部とともに、補助板19によって安定した体勢で支持される。
関心部位Maを間隙部16に載置させるとき、図15に示すように、枠体15aの内側の傾斜面Gに関心部位Maおよび脚部の内側を当接させることが好ましい。当該当接により、膝部および関心部位Maである股関節は、適度に内旋された状態で枠体15aによって安定に支持される。すなわち、関心部位Maの内旋角度を骨密度測定に適した角度に維持しつつ、関心部位Maの姿勢を安定化できる。
関心部位Maを間隙部16に載置させた後、膝部と枠体15bとの間隙Faを充填部材17で充填することによって関心部位Maを固定する。本実施例では図15に示すように、充填部材17aおよび17dを挿入することによって間隙Faを充填している。間隙Faを充填部材17で充填することにより、関心部位Maおよび膝部は適切な内旋角度をとった状態で固定される。実施例4において、被検体Mの膝部は本発明に係る被検体の一部に相当する。
関心部位Maの固定が完了した後、X線撮影を開始して骨密度測定用のX線画像を取得する。X線撮影の完了後、充填部材17を間隙Faから抜き出して関心部位Maの固定を解除し、被検体Mを天板3から降ろす。以上で一連の操作は完了し、術者はX線画像を用いて股関節部位の骨密度測定を行う。
<実施形態の構成による効果>
本実施形態に係る被検体固定具11は、X線撮影の対象となる関心部位Maを挟んで互いに対向配置される、枠体15aおよび枠体15bを有する一対の枠体15と、枠体15aと枠体15bとの位置関係が維持されるように、枠体15aおよび15bの各々を支持するベース部13と、X線透過性を有する素材で構成され、枠体15と関心部位Maとの間隙部16に挿抜可能に充填されて関心部位Maを拘束する充填部材17と、を備える。
当該構成では、関心部位Maを挟んで対向配置される枠体15と当該関心部位Maとの間隙部16に対し、充填部材17を挿入するという単純な操作によって関心部位Maの位置を固定できる。そのため、術者の熟練性に左右されることなく関心部位Maを確実に固定できる。また、枠体15は関心部位Maの近傍に配設される部材であるので、被検体固定具11のサイズは関心部位Maの近傍領域の広さ程度に限定できる。よって、関心部位Maの固定に必要な被検体固定具11を小型化することが容易となる。
さらに、充填部材17はX線透過性を有する素材で構成されているので、充填部材17が関心部位Maに当接している状態であっても関心部位Maに照射されるX線が充填部材17によって影響を受けることを回避できる。よって、被検体固定具11を用いて関心部位Maを直接固定できるとともに、X線画像の診断能が充填部材17などによって低下することを回避できる。
そして各実施例において示した通り、被検体Mにおける関心部位Maの場所に応じて枠体15の形状および配設位置を変更することによって、多様な関心部位Maに対応可能な被検体固定具11が実現される。すなわち固定可能な関心部位が限定される従来構成と異なり、本実施形態に係る被検体固定具11は汎用性が大きく向上される。
また本実施形態において、充填部材17のうち充填部材17a~17cは、一端から他端に向けて厚みが薄くなるように構成されている板状部材である。当該構成により、楔と同様の形状を有する充填部材17を間隙部16へ挿入することによって、被検体Mの関心部位Maを枠体15へ押しつける方向に作用する力が発生する。その結果、被検体Mの関心部位Maをより確実に固定することが可能となる。また、充填部材17を挿入する深さを変えることによって隙間部16の広狭に対応できるので、充填部材17の汎用性を向上できる。
また、本実施形態では、枠体15aおよび15bのうち少なくとも一方は、関心部位Maに対向する面GがX線Pxの照射方向に対して傾斜するように構成される。当該構成により、手関節または股関節を例とする、X線照射方向に対して傾斜した状態で固定することが好ましい部分を関心部位Maとする場合において、傾斜している面Gに沿って当該関心部位Maを当接させることにより、関心部位Maを傾斜姿勢としつつ当該姿勢をより安定化できる。従って、傾斜姿勢の関心部位Maについて、ボケまたはアーティファクトがより低減されたX線画像を取得できる。
また本実施形態において、枠体15はベース部13に対して着脱可能に構成される。この場合、所定の関心部位Maに適応する枠体15をベース部13に装着してX線撮影を行った後、当該枠体15をベース部13から外し、さらに別の関心部位Maに適応する枠体15をベース部13に装着してX線撮影を実行できる。すなわち、複数のベース部13を用いることなく、複数箇所の関心部位Maに対するX線撮影について、各々の関心部位Maを適切に固定できる被検体固定具11を実現できる。また、枠体15をベース部13から外すことにより、被検体固定具11の収納スペースを低減できる。
また本実施形態に係るX線撮影システム1は、被検体MにX線を照射するX線管5と、X線管5から照射されて被検体Mを透過したX線を検出するX線検出器7と、X線検出器7が出力する検出信号に基づいてX線画像を生成する画像生成部9と、本実施形態に係る被検体固定具11と、を備える。
当該構成では、本実施形態に係る被検体固定具11を備えている。そのため、関心部位Maを挟んで対向配置される枠体15と当該関心部位Maとの間隙部16に対し、充填部材17を挿入するという単純な操作によって関心部位Maの位置を固定できる。よって、術者の熟練性に左右されることなく関心部位Maを確実に固定できるので、X線画像に発生するボケまたはアーティファクトを確実に低減できるX線撮影システムの実現が可能となる。
<他の実施形態>
なお、今回開示された実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲、並びに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。例として、本発明は下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例において、一対の枠体15の各々はベース部13に接着固定されている構成を例示したが、これに限られない。すなわち枠体15aおよび枠体15bの少なくとも一方がベース部13に着脱可能に構成されていてもよい。着脱可能な構成の例として、枠体15およびベース部13が係合部Keを設けており、当該係合部Keを介して枠体15およびベース部13が互いに係合することによって、枠体15がベース部13に固定される構成などが挙げられる。
枠体15がベース部13に着脱可能に構成されることにより、複数のベース部13を用いることなく、複数箇所の関心部位Maに対するX線撮影について、各々の関心部位Maを適切に固定できる被検体固定具11を実現できる。一例として、実施例1のように肘部を関心部位Maとする場合に用いられる枠体15をベース部13に装着して肘部のX線撮影を行った後、当該枠体15をベース部13から外す。そして、実施例2のように手関節を関心部位Maとする場合に用いられる、別の枠体15をベース部13に装着してX線撮影を実行できる。
このように、枠体15がベース部13に着脱可能に構成されることによって、被検体固定具11の汎用性をさらに向上できる。また、枠体15をベース部13から外すことにより、使用後の被検体固定具11を収納するために要するスペースを低減できる。
さらに当該変形例の構成を実施例2または実施例4などの構成に適用することにより、被検体固定具11の適応性を向上できる。すなわち図16に示すように、傾斜面Gの傾斜角度がθ1である枠体15aをベース部13から脱着させ、傾斜面Gの傾斜角度がθ2である別の枠体15cをベース部13に装着させることができる。このような枠体15の換装により、関心部位Maを安定に固定できる傾斜角度をθ1からθ2に変更できる。よって、一例として骨密度測定において股関節の内旋角度を変更させる必要が生じた場合などにおいて、傾斜面Gを有する枠体15を換装することによって、多様な内旋角度に適応した被検体固定具11を実現できる。
(2)上述した実施例において、被検体固定具11はX線検出器7との位置関係を固定できる位置合わせ部を設けてもよい。位置合わせ部の具体例として、図17に示すようにベース部13の底面側に凹部21が設けられている構成が挙げられる。凹部21の大きさおよび深さはX線検出器7の大きさおよび厚みに応じて設計される。すなわち凹部21にX線検出器7を嵌合させることにより、被検体固定具11とX線検出器7との位置合わせ(ポジショニング)を精度良く実行できる。
当該変形例に係る被検体固定具11を用いてX線撮影を行う場合、図18に示すようにX線検出器7が凹部21に嵌合された状態で、X線検出器7を内包する被検体固定具11を天板3に載置させる。そして被検体Mの関心部位Maを間隙部16に載置させて充填部材17を充填することにより、関心部位Maは確実にX線検出器7の上方に配置された状態で固定される。
なお、位置合わせ部の他の例として、X線検出器7のサイズに応じた大きさのスリット部をベース部13または枠体15の側面に設け、当該スリット部にX線検出器7を挿入する構成が挙げられる。
(3)上述した実施例において、枠体15aおよび枠体15bの位置関係を維持できる限りにおいて、ベース部13を省略してもよい。ベース部13が省略された被検体固定具11の一例について、図19を用いて説明する。図19は、実施例2に係る被検体固定具11をベースとする、変形例の構成を示している。
当該変形例に係る被検体固定具11は、接続部23を備えている。接続部23はX線透過性素材で構成された平板状の部材であり、枠体15aの上部および枠体15bの上部に接している。枠体15aおよび枠体15bは、接続部23を介して互いに接続されている。そのため、接続部23のサイズに応じて枠体15aおよび枠体15bの位置関係が定められ、当該位置関係が維持される。
接続部23は枠体15aおよび枠体15bの上部同士を接続する構成に限ることはなく、枠体15aおよび枠体15bの側部同士を接続してもよい。また、枠体15a、枠体15b、および接続部23からなる枠体15は、各々が一体となった単一の部材であってもよいし、それぞれ独立した部材を接着固定させた構成であってもよい。
(4)上述した実施例において、枠体15の内側の面の形状に応じて充填部材17の外形を定めてもよい。当該変形例では図20に示すように、関心部位Ma(被検体Mの手の部分)を、充填部材17を構成する充填部材17a~17eのうち、充填部材17aおよび充填部材17eを用いて固定している。
図21は、充填部材17を枠体15の内部に収納している図である。充填部材17を構成する充填部材17a~17eは、組み合わせることによって枠体15の内側の面と一致する形状となる。すなわち、充填部材17a~17eの各々の外形は、枠体15の内側の面の一部とそれぞれ一致するように構成されている。充填部材17a~17dを組み合わせた状態で、当該充填部材17を枠体15の内側に嵌合させることにより、充填部材17を確実に保持できる。また、非使用状態における被検体固定具11の収納スペースを低減できる。
(5)上述した実施例において、X線検出器7はフラットパネル型検出器(FPD)に限ることはなく、イメージインテンシファイア(I.I)を例とするX線を検出可能な構成を適宜用いてよい。
1 …X線撮影システム
3 …天板
5 …X線管
7 …X線検出器
9 …画像生成部
10 …画像表示部
11 …被検体固定具(X線撮影用被検体固定具)
13 …ベース部
15 …枠体
16 …間隙部
17 …充填部材
19 …補助板
21 …凹部
23 …接続部
Fa …間隙
WM …マーカ
PM …マーカ

Claims (7)

  1. X線撮影の対象となる被検体の四肢を固定するX線撮影用被検体固定具であって、
    前記被検体の四肢を挟んで互いに対向配置される一対の枠体と、
    前記枠体同士の位置関係が維持されるように前記枠体の各々を支持する上面を有する平板状の支持部材と、
    X線透過性を有する素材で構成され、前記被検体の四肢が一対の前記枠体の間に配置された状態で、前記枠体と前記被検体の四肢と前記支持部材の上面もしくは該上面に配置される補助板と間に画定される間隙部に挿抜可能に充填されて前記被検体の四肢を拘束する充填部材と、
    を備え、
    前記枠体は前記支持部材に固定されるX線撮影用被検体固定具。
  2. 請求項1に記載のX線撮影用被検体固定具において、
    前記充填部材は、一端から他端に向けて厚みが薄くなるように構成されている板状部材であるX線撮影用被検体固定具。
  3. 請求項1または請求項2に記載のX線撮影用被検体固定具において、
    前記枠体のうち少なくとも一方は、前記被検体の四肢に対向する面がX線の照射方向に対して傾斜するように構成されるX線撮影用被検体固定具。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のX線撮影用被検体固定具において、
    前記枠体は、前記支持部材に対して着脱可能に構成されるX線撮影用被検体固定具。
  5. 被検体にX線を照射するX線管と、
    前記X線管から照射されて前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、
    前記X線検出器が出力する検出信号に基づいてX線画像を生成する画像生成部と、
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のX線撮影用被検体固定具と、
    を備えるX線撮影システム。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のX線撮影用被検体固定具において、
    前記充填部材は複数設けられ、
    複数の前記充填部材のうち、一の前記充填部材の形状は他の前記充填部材の形状と異なるX線撮影用被検体固定具。
  7. 請求項6に記載のX線撮影用被検体固定具において、
    前記被検体の四肢の種別に応じて、前記支持部材に対して前記枠体が配置される位置および前記枠体の形状のうち少なくとも一方が異なるX線撮影用被検体固定具。
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