JP2005348971A - 乳房圧迫保形器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乳房に沿って当接させ、該乳房を圧迫保形するための器具であって、細長薄板状プレートの長手方向をほぼ円弧状に湾曲形成してなり、該プレート1のほぼ円弧状の湾曲は、自在に変形可能として構成し、好ましくは、該プレート1長手方向の両端に把持部2を設け、短手方向は、該短手方向の幅の適当な位置を頂点として、乳房当接面側に突出するよう湾曲して形成した。また、必要に応じて、該プレート1の乳房当接面に、接着テープ3などの乳房への固定手段を設けて構成した。
【選択図】 図5
Description
このステレオガイド下のマンモトーム(登録商標)生検は、ステレオマンモグラフィの画像をもとに乳房内の病変を確認しながら、針を刺入し、疑わしい組織を部分的に採取して顕微鏡で調べる検査であるが、該生検の際は、正確なターゲットへの針穿刺が必要となり、0.1mm単位での精密さが要求されるため、施術中、乳房が針穿刺による衝撃や体動により動かないように、乳房をステレオマンモグラフィ装置に取り付けられた圧迫板で挟み、乳房を圧迫保持した状態で固定しておく必要があり、このポジションの保持が検査の成否を左右する重要なものとされている。(図7参照)
また、乳房に厚みがある場合でも、採取しようとする組織(ターゲット)が皮膚の辺縁に位置するような場合には、圧迫保持したさいターゲットとバックプレート間に、生検針穿刺に必要な距離が確保できないことから前記同様な問題が生じており、このような場合には、針生検を断念しなければならず、本手技において一番の大きな問題となっている。
1.前記プレートの長手方向の両端部に把持部を設ける。
2.前記把持部の例として、プレートの両端部を前記円弧状の湾曲と反対方向に湾曲して形成する。
3.前記プレートの短手方向の中央部、あるいは中央部から偏よる位置を頂部として、乳房当接面側に突出するよう湾曲させて形成する。
4.前記プレートの乳房当接面には、接着テープなどの乳房への固定手段を設ける。
また、このプレートの装着による乳房厚増加の効果は、圧迫板とバックプレートの距離を増加させるばかりでなく、ターゲットとバックプレートとの距離も増加させる結果となった。これは、バックプレート側の皮膚に近接した病変を含む乳腺において、前記プレートの圧迫により、乳腺が移動し、乳腺と皮膚の距離が大きくなったことが考えられ、結果的に乳腺組織内のターゲットと皮膚との距離が引き離されたことが実際の症例で認められており、このことにより、ターゲットが皮膚辺縁に位置する場合であっても、適切な生検を可能とすることができた。尚、この効果は、プレートの装着位置を、該プレートの一辺側をバックプレートに密着させたり、バックプレート寄りに設定するなど圧迫板とバックプレートの間の範囲で適切な部位に設けること、あるいは、後記するプレート短手方向の湾曲を中心部より偏らせることにより、高い効果が期待できる。
前記作用効果により、プレートの装着が必要とされた症例において、プレート装着前後で、乳房厚が平均25.3mmから35.6mmに、ターゲットとバックプレートの距離が、平均3.4mmから10.7mmとすることができた。
また、プレートが自在に湾曲を変えられることにより、個々の乳房に適切に適合させることが可能であると同時に、湾曲を強くして圧迫を強めることにより厚く成形した乳房の保形効果を高めることができる。
更に、あらかじめ、ほぼ円弧状に湾曲しておくことにより、乳房に適合させて湾曲を形成するさい、プレートの意図しない変形が抑えられ、容易に乳房にフィットさせることができる。
更に、該把持部を、プレートの両端部を前記円弧状の湾曲と反対方向に湾曲させ、プレートと一体に形成するものとすると、該両端部の切辺と乳房との接触が避けられることにより装着の違和感を緩和することができ、またプレート両端を湾曲するだけで形成可能であることにより、加工が容易で別部材を必要としないことと合わせて低コストで形成することができる。
また、当接部が曲面であるため、平面の場合と比べ、接触部による乳房への食い込みが強くなるため、乳房厚の増加に効果があり、より強固に圧迫保持することができることで保形効果を高めることができる。
更に、ターゲットが乳房中央部から大きく偏っている場合には、湾曲の頂部を偏った位置に設定したプレートを用いると、該プレートの偏った頂部の圧迫により柔らかな乳房が頂部を挟んで一方側に偏って集められることで、ターゲットの位置をずらすことができることも考えられ、乳房内部の病巣部を穿刺針開口部中心へ移動することも可能で、前記したターゲットとバックプレートとの距離を大きくするための手段ともなっている。
本器具は、ステレオガイド下の針生検のさいに、乳房を適切な形状に成形し、圧迫保持しておくため、乳房に沿って当接させて用いる器具で、細長薄板状(本例においては、長さ160mm、幅20mm、厚さ0.8mm)のプレート1を、あらかじめ乳房の湾曲に沿ってフィットさせ易いように、ほぼ円弧状となるように任意の曲率で湾曲させて形成し、該プレート1の長手方向の両端部(本例においては、両側約15mm程度)を母指及び示指により把持しやすいように、前記円弧状の湾曲と反対側に適当な曲率で反らせ湾曲させて把持部2を形成して構成している。また、前記プレート1は、乳房装着時の違和感の緩和や、乳房への食い込みを強くして保形効果を高めるため、更にはターゲットを所望位置に移動するなどの目的で、短手方向を、該短手方向の幅の任意の部位(本例においては、ほぼ中央部)を頂部11として、乳房当接面側に突出するように湾曲して構成している。
尚、プレート両端の切辺部12は、エッジがないような、例えば、半円形としておくと、エッジ部への皮膚の接触などによる擦過や不快感を防止する上で好ましく、また、プレート1周囲の切り口もエッジがないように面取りを施すと、前記同様に擦過や不快感を防止する上で好ましい。更に、短手方向の湾曲の頂部が中央部に位置するものと、中央より偏ったものを共に備えていることが好ましい。
また、プレート1の材質としては、人体への刺激や悪影響の少ないものであって、乳房に装着した状態で確実に形状を保持可能な剛性と、人の手指により無理なく自在に湾曲可能な適度な柔軟性を兼ね揃えた金属あるいは樹脂が選択される必要があり、本例においては、この条件を満たすものとしてアルミニウムプレートを用いたが、上記の条件を満たすものであれば、いかなる金属、樹脂も利用することができる。
また、状況(後記する)によっては、該プレート1の材質として、あらかじめ湾曲形状に癖付けされた剛性を備える弾性金属、あるいは樹脂が選択されると都合の良い場合も考えられる。
本例の器具は、前記形態と使用前のはじめの形状が異なる例で、前例のものと比較してあらかじめ湾曲を絞り、円弧をより円形に近いΩ形状としたもので、該形状に形成しておくことにより、乳房への装着時、該乳房に適合させて湾曲を形成するさいに、例えば、プレート1の一部に強い折れが生じて、乳房と器具との間に隙間を生じてしまうような意図しない変形が発生する可能性が低減され、はじめに形成されているきれいな円弧状の湾曲形状になりやすいため、より乳房にフィットさせることができる。
尚、この形状が選択される場合には、前記したようにプレート1を弾性材料により形成し、あらかじめΩ形状に癖付けしておくことで、弾性復元力により、乳房に沿って湾曲形状を形成する操作無しに、乳房を強く圧迫することができる場合も考えられる。
本実施例は、前記第一の形態の器具の乳房当接面に、乳房と器具との圧迫保持を確実にするための固定手段が備えられた器具を示しており、該固定手段は、必要に応じて設ければよい。
乳房への固定手段としては、本例においては、プレート1の乳房当接面に両面接着テープ3を貼付して設けている。尚、この場合、当然、この接着テープ3は、医療用の皮膚へのトラブルの少ないものが選択される。
図7は、腹臥位式ステレオガイド下のマンモトーム(登録商標)による針生検を示す概略図を示し、図8は、これに本発明の乳房圧迫保形器具を装着した状態の概略図を示している。
前記したとおり、この針生検を腹臥位式の装置で行う場合、検査台のテーブル中央の穴から乳房4が下垂するような体位をとり、体軸の左右方向から圧迫板5とバックプレート6の間に、圧迫板5をスライドさせ、乳房を強く挟んで固定し、ターゲット8に向けて精密にセットされたマンモトーム(登録商標)針7により、圧迫板5に設けられた穿刺窓51を通して針を穿刺し、ターゲット8の組織を採取するものである。しかし、この生検手技のためには、穿刺針との関係で、圧迫板5とバックプレート6との距離a(圧迫された乳房の厚さ)は、27mm以上、ターゲット8からバックプレート6との距離bは、7mm以上が必要であり、この条件を満たない場合は、前記した、穿刺針の先端が乳房を貫通し外部にはみ出したりバックプレートに衝突しまったりといった問題が発生することで、生検を断念しなければいけない場合もある。
本発明の乳房圧迫保形器具は、このような、圧迫板5とバックプレート6との距離aが27mm以下、ターゲット8からバックプレート6との距離bが7mm以下といった、従来困難であった症例が適用となるもので、図8のようにおおよそ乳房の湾曲に合わせてプレート1を曲げ、圧迫板5とバックプレート6の間に挟まれつつある乳房を両側及び下方向(圧迫方向と垂直に交わる方向)から包み込むように乳房に密着させつつ、圧迫板5をスライドさせ、適度な乳房の弾力が得られる位置で固定した。尚、このさいプレート1は、前記バックプレート6に一方側面を接して装着すると、ターゲット8からバックプレート6との距離bを得るためなどに有効と考えられることから好ましい。これにより、これまで全ての症例において、圧迫板5とバックプレート6との距離aを27mm以上、ターゲット8からバックプレート6との距離bを7mm以上とすることができ、引き続いてのマンモトーム(登録商標)生検を可能としている。
2. 把持部
3. 接着テープ
4. 乳房
5. 圧迫板
51.穿刺窓
6. バックプレート
7. マンモトーム(登録商標)針
8. ターゲット
Claims (5)
- ステレオマンモグラフィをガイドとした穿刺針による組織生検のさいに、乳房に当接させ、該乳房を圧迫保形するための器具であって、細長薄板状プレートの長手方向をほぼ円弧状に湾曲形成してなり、該プレートのほぼ円弧状の湾曲は、自在に変形可能とすることを特徴とする乳房圧迫保形器具。
- 前記プレートの長手方向の両端部に把持部を備える請求項1の乳房圧迫保形器具。
- 前記プレートの把持部は、プレートと一体的に形成され、両端部を前記円弧状の湾曲と反対方向に湾曲して形成する請求項2の乳房圧迫保形器具。
- 前記プレートの短手方向は、該短手方向の中央部、あるいは中央部から偏よる位置を頂部として、乳房当接面側に突出するよう湾曲してなる請求項1乃至3の乳房圧迫保形器具。
- 前記プレートの乳房当接面には、乳房への固定手段を備えた請求項1乃至4の乳房圧迫保形器具。
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