JP7310874B2 - マイクロ流路チップ及びマイクロ流路チップの製造方法 - Google Patents

マイクロ流路チップ及びマイクロ流路チップの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、マイクロ流路チップ及びその製造方法に関するものである。
近年、リソプロセスや厚膜プロセス技術を応用して、微細な反応場を形成し、数μLから数nL単位での検査を可能とする技術が提案されている。このような微細な反応場を利用した技術をμ-TAS(Micro Total Analysis system)という。
μ-TASは、遺伝子検査、染色体検査、細胞検査、医薬品開発などの領域や、バイオ技術、環境中の微量な物質検査、農作物等の飼育環境の調査、農作物の遺伝子検査などに応用される。μ-TAS技術の導入により、自動化、高速化、高精度化、低コスト、迅速性、環境インパクトの低減など、大きな効果を得られる。
μ-TASでは、多くの場合、基板上に形成されたマイクロメートルサイズの流路(マイクロ流路、マイクロチャンネル)が利用され、このような基板はチップ、マイクロチップ、マイクロ流路チップなどと呼ばれる。
従来、こうしたマイクロ流路チップは、射出成形、モールド成形、切削加工、エッチングなどの技術を用いて作製されていた。またマイクロ流路チップの基板としては、製造が容易であり、光学的な検出も可能であることから、主にガラス基板が用いられている。一方で、軽量でありながらガラス基板に比べて破損しにくく、且つ、安価な樹脂材料を用いたマイクロ流路チップの開発も進められている。樹脂材料を用いたマイクロ流路チップの製造方法としては、主にフォトリソグラフィーにより流路用樹脂パターンを成形し、そこに蓋材を接合してマイクロ流路チップを作製する方法がある。この方法によれば、従来技術では困難な側面もあった微細な流路パターンの形成も可能である。
こうしたマイクロ流路チップは、複数の部材同士を接合させて作製される。例えば、特許文献1には、接着剤を介して接合する方法からなるマイクロ流路チップについて開示されている。また、例えば特許文献2に記載のように、大気圧またはその近傍下においてプロセスガスをプラズマ化し、基板表面を改質し、接着剤を使うことなく部材同士を接合する方法も提案されている(例えば、特許文献2)
特開2007-240461号公報 特開2011-104886号公報
近年の流路パターン構造の複雑化に伴ってマイクロ流路チップにおいて流路部分(空間部分)の表面積が増えており、これにより壁部と蓋材(カバー部)とを接合するための領域(接合領域)も必然的に小さくなっている。しかしながら、複雑化した流路パターンを有するマイクロ流路チップにおいても、使用時における液漏れや破損などを抑制する観点から、壁部と蓋材との密着性を向上することが求められている。
そこで、本開示は上記課題に鑑み、壁部と蓋材との密着性を向上することができるマイクロ流路チップ、およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係るマイクロ流路チップは、基板と、樹脂材料で構成され、前記基板上に設けられて流路を形成する隔壁部と、前記隔壁の前記基板とは反対側の面に設けられて流路を覆うカバー部と、を備え、前記隔壁部は、単層であって、断面視で前記カバー部に向かって幅が広くなっており、前記流路を形成する側面に設けられ前記カバー部に対して傾斜する斜面、及び該側面において該斜面と接続する平坦面を有し、前記斜面を含む一の領域と前記平坦面を含む他の領域とが一体形成されており、前記斜面は、前記隔壁部の前記側面の一部に形成され断面視で凹形状に湾曲しており、前記斜面の一の端部が前記カバー部に接している
ことを特徴とする。
また、本開示の一態様に係るマイクロ流路チップの製造方法は、基板上に、樹脂を塗工する工程と、塗工した前記樹脂を露光する工程と、露光した前記樹脂を現像及び洗浄し、前記基板上において流路を画定する隔壁部を形成する工程と、前記隔壁部をポストベーク処理する工程と、前記隔壁部の前記基板とは反対側の面にカバー部を接合する工程と、を含み、前記樹脂を露光する工程において、感光性樹脂を、紫外光領域のうち250nm以上350nm以下の波長の光に感光させ、前記現像により前記基板上の余分な樹脂を除去することで、前記隔壁部を断面視で前記カバー部に向かって幅が広くなる形状とすることを特徴とする。
本開示の態様によれば壁部と蓋材との密着性を向上することができるマイクロ流路チップを提供することができる。
本開示の第一実施形態に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す概略図であって、(a)は本開示の第一実施形態に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す平面模式図であり、(b)は本開示の第一実施形態に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す断面模式図である。 本開示の第一実施形態に係るマイクロ流路チップの製造方法の一例を示すフローチャートである。 感光性樹脂層における光透過率の一例を示す線グラフである。 本開示の第一実施形態の第一変形例に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す断面模式図である。 本開示の第一実施形態の第二変形例に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す断面模式図である。 本開示の第二実施形態に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す断面模式図である。 本開示の第二実施形態の第一変形例に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す断面模式図である。 本開示の第二実施形態の第二変形例に係るマイクロ流路チップの一構成例を示す断面模式図である。
以下、実施形態を通じて本開示を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面は特許請求の範囲にかかる発明を模式的に示すものであり、各部の幅、厚さ等の寸法は現実のものとは異なり、これらの比率も現実のものとは異なる。
本開示の第一実施形態に係るマイクロ流路チップについて説明する。なお、以下の説明では、マイクロ流路チップの基板側を「下」、マイクロ流路チップの基板側と反対側(蓋材側)を「上」として説明する場合がある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、マイクロ流路チップにおいて、壁部を特定の形状とすることにより、壁部と蓋材とを接合するための接合領域の面積を拡大することが可能となることを見出した。これにより、本発明者らは、壁部と蓋材との接着強度を向上することができるマイクロ流路チップ及びその製造方法を発明するに至った。
以下、図面を参照して本開示の各実施形態の各態様について説明する。
1.第一実施形態
(1.1)マイクロ流路チップの基本構成
図1は、本開示の第一実施形態(以下、「本実施形態」という)に係るマイクロ流路チップ1の一構成例を説明するための概略図である。具体的には、図1(a)は本実施形態のマイクロ流路チップ1の平面概略図である。また、図1(b)は、図1(a)に示すA-A線でマイクロ流路チップ1を切断した断面を示す概略断面図である。
図1(a)に示すように、マイクロ流路チップ1は、流体(例えば液体)を導入するための入力部4と、入力部4から導入された流体が流れる流路部13と、流路部13から流体を排出するための出力部5とを備えている。マイクロ流路チップ1において、流路部13は、カバー層12に覆われており、入力部4および出力部5は、カバー層12に設けられた貫通孔である。カバー層12の詳細は後述する。
図1(a)では、透明性を有するカバー層12を介して視認される流路部13を図示している。
マイクロ流路チップ1において、入力部4及び出力部5は、少なくとも1つ以上設けられていればよく、それぞれ複数個設けられていてもよい。またマイクロ流路チップ1において、流路部13は、複数設けられてもよいし、入力部4から導入された流体の合流や分離が可能な設計であってもよい。
ここで、マイクロ流路チップ1において、流路部13を構成する部材の詳細について説明する。図1(b)に示すように、マイクロ流路チップ1は、基板10と、基板10上に設けられて流路を形成する隔壁層(隔壁部の一例)11と、隔壁層11の基板10とは反対側の面に設けられて流路部13を覆うカバー層(カバー部の一例)12と、を備えている。入力部4から導入された流体が流れる流路部13は、基板10と隔壁層11とカバー層12とに囲まれた領域である。流路部13は、基板10上に対向して設けられた一対の隔壁層11によって画定され、基板10とは反対側を蓋材となるカバー層12に覆われている。上述のように、流路部13には、カバー層12に設けられた入力部4(図1(a)参照)から流体が導入され、流路部13を流れた流体は出力部5から排出される。
詳しくは後述するが、本実施形態において隔壁層11は、断面視でカバー層12に向かって幅W1が広くなっている。つまり、断面視において隔壁層11は、カバー層12に向かうにつれて幅W1が大きくなる。これにより、マイクロ流路チップ1において壁部(隔壁層11)と蓋材(カバー層12)とを接合するための接合領域の面積が拡大し、隔壁層11とカバー層12との密着性を向上することができる。
(1.1.1)基板
基板10は、マイクロ流路チップ1の基礎となる部材であり、基板10上に設けられた隔壁層11によって流路部13が構成される。つまり、基板10および隔壁層11は、マイクロ流路チップ1の本体部といえる。
基板10は、透光性材料又は非透光性材料のいずれかによって形成することができる。例えば、流路部13内の状態(流体の状態)を光によって検出、観察する場合は、該光に対して透明性に優れる材料を用いることができる。透光性材料としては、樹脂又はガラス等を用いることができる。基板10を形成する透光性材料に用いる樹脂としては、マイクロ流路チップ1の本体部の形成に適しているという観点から、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
また例えば、流路部13内の状態(流体の状態)を光によって検出、観察する必要がない場合は、非透光性材料を用いてもよい。非透光性材料としては、シリコンウエハ、銅板等が挙げられる。基板10の厚みは特に限定されないが、流路形成工程においてはある程度の剛性は必要となることから、10μm(0.01mm)以上10mm以下の範囲内が好ましい。
(1.1.2)隔壁層
隔壁層11は、基板上に設けられて、流路部13を形成する構成である。隔壁層11は、樹脂材料で形成することができる。隔壁層11の樹脂材料としては、例えば感光性樹脂を用いることができる。
隔壁層11を形成する感光性樹脂は、紫外光領域である190nm以上400nm以下の波長の光に対して感光性を有することが望ましい。当該感光性樹脂としては、液体レジスト又はドライフィルムレジスト等のフォトレジストを用いることができる。これらの感光性樹脂は、感光領域が溶解するポジ型、又は感光領域が不溶化するネガ型のいずれであってもよい。マイクロ流路チップ1における隔壁層11の形成に適する感光性樹脂組成物としては、アルカリ可溶性高分子と付加重合性モノマーと光重合開始剤とを含むラジカルネガ型の感光性樹脂を挙げることができる。例えば、感光性樹脂材料としては、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂(ウレタンアクリレート系樹脂)、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、フェノールノボラック系樹脂、その他の感光性を有する樹脂を単独で又は複数混合あるいは共重合して用いることができる。
なお本実施形態においては、隔壁層11の樹脂材料は感光性樹脂に限定されるものではなく、例えば、シリコーンゴム(PDMS:ポリジメチルシロキサン)や、合成樹脂を用いてもよい。合成樹脂としては、例えばポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリプロピレン(PP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)などを用いることができる。隔壁層11の樹脂材料は、用途に応じて適宜選択されることが望ましい。
また、基板10上における隔壁層11の厚み、すなわち流路部13の高さは特に限定されないが、流路部13に導入される流体に含まれる解析・検査対象の物質(例えば、薬剤、菌、細胞、赤血球、白血球等)よりは流路部13の高さを大きくする必要がある。このため、隔壁層11の厚み、すなわち流路部13の高さは、5μm以上100μm以下の範囲内が好ましい。
また同様に、解析・検査対象の物質よりは流路部13の幅を大きくする必要から、隔壁層11によって画定される流路部13の幅は、5μm以上100μm以下の範囲内が好ましい。
また、隔壁層11により確定される流路長は、反応溶液の十分な反応時間を確保する必要から、10mm以上100mm以下の範囲内が好ましく、30mm以上70mm以下の範囲内がより好ましく、40mm以上60mm以下の範囲内がさらに好ましい。
(1.1.3)カバー層
本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、カバー層12は、図1(b)に示すように流路部13を覆う蓋材である。上述のように、カバー層12は、隔壁層11の基板10とは反対側の面に設けられており、隔壁層11を挟んで基板10と対向している。より具体的には、図1(b)に示すように、断面視においてカバー層12は側端部が隔壁層11に支持され、中央領域が基板10と対向しており、該中央領域が流路部13の上部を画定している
カバー層12は、透光性材料又は非透光性材料のいずれかによって形成することができる。例えば、流路内の状態を光によって検出、観察する場合は、該光に対して透明性に優れる材料を用いることができる。透光性材料としては、樹脂又はガラス等を用いることができる。カバー層12を形成する樹脂としては、マイクロ流路チップ1の本体部の形成に適しているという観点から、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。カバー層12の厚みは特に限定されないが、カバー層12に対して入力部4および出力部5それぞれに該当する貫通孔を設けることを鑑みると、10μm以上10mm以下の範囲内が好ましい。またカバー層12には、隔壁層11との接合前に、流体(液体)を導入する入力部4、流体を排出する出力部5のそれぞれに相当する孔を予め開けておくことが望ましい。
(1.1.4)隔壁層の形状と流路の構成
ここで、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1における隔壁層11の形状、および流路部13の構成について、詳細に説明する。まず、流路部13を形成する隔壁層11の形状について説明する。
(1.1.4.1)隔壁層の形状
図1(b)に示すように、マイクロ流路チップ1の隔壁層11は、断面視で幅W1がカバー層12に向かって広がっている。ここで、「断面視」における「断面」は、例えばマイクロ流路チップ1を厚み方向(流路部13の長手方向と直交する方向)に切断した断面であって、少なくとも隔壁層11とカバー層12と流路部13とを含む断面である。
隔壁層11の幅W1がカバー層12に向かって広くなることにより、マイクロ流路チップ1において隔壁層11とカバー層12とを接合するための接合領域の面積が拡大し、隔壁層11とカバー層12との密着性を向上することができる。このため、マイクロ流路チップ1の使用時における液漏れや破損等の発生を抑制することができる。以下、隔壁層11の形状についてより詳細に説明する。
マイクロ流路チップ1の隔壁層11は、流路部13を形成する側面110を有している。側面110は、カバー層12側の端部である上端部110aにおいてカバー層12と接続している。また、側面110は、基板10側の端部である下端部110bにおいて基板10と接続している。図1(b)に示すように、側面110には、カバー層12に対して傾斜する斜面111が設けられている。
ここで、斜面111について具体的に説明する。図1(b)に示すように、斜面111は平面状に形成されている。また、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の隔壁層11において、斜面111は、側面110全体に形成されている。より具体的には、斜面111は、側面110の上端部110aから下端部110bに亘って形成されており、側面110の上端部110aにおいてカバー層12と接続し、下端部110bにおいて基板10と接続している。つまり、上端部110aは側面110および斜面111の上端部であり、下端部110bは、側面110および斜面111の下端部である。
図1(b)に示すように、隔壁層11において、側面110の上端部110a(斜面111の上端部)は下端部110bよりも流路部13の中央寄りに位置している。すなわち、側面110の上端部110a(斜面111の上端部)は、下端部110bよりも対向する隔壁層11の近くに位置している。言い換えれば、隔壁層11において、側面110の下端部110b(斜面111の下端部)は上端部110aよりも流路部13の中央から離れて位置している。すなわち、側面110の下端部110b(斜面111の下端部)は、上端部110aよりも対向する隔壁層11から離れて位置している。
斜面111は、カバー層12と接続する下端部110bから上端部110aに向かって立ち上がるように傾斜してカバー層12と接続している。これにより、断面視において隔壁層11の幅W1は、カバー層12に近づくに従って、流路部13の中央へ向かう方向、すなわち対向する隔壁層11に向かって流路部13の横断方向に伸長することとなる。したがって、断面視において隔壁層11は、基板10側からカバー層12側に向かうにつれて幅W1が広がる形状となる。
また上述のように、斜面111は平面状であって、隔壁層11の側面110全体に形成されている。これにより、隔壁層11の幅W1は、カバー層12に近づくに従って連続的に拡大する。具体的には、隔壁層11の幅W1は、カバー層12に近づくに従って連続的に流路部13の中央側(横断方向)に伸長して拡大する。ここで「連続的に拡大(伸長)する」とは、斜面111と基板10とが接続する下端部110baから斜面111とカバー層12基板10とが接続する上端部110aに向かうにつれて、隔壁層11の幅W1が減少(短縮)することなく継続的に拡大(伸長)することを示す。これにより、マイクロ流路チップ1において隔壁層11とカバー層12とを接合するための接合領域の面積が確実に拡大し、隔壁層11とカバー層12との密着性をより確実に向上することができる。
(1.1.4.2)流路部の構成
次に、基板10、隔壁層11およびカバー層12で形成される流路部13の構成について説明する。
流路部13の流路幅W2は、対向する一対の隔壁層11間の幅、すなわち側面110間の幅として画定される。なお、本実施形態において、側面110の全体に斜面111が形成されていることから、流路幅W2は斜面111の幅として画定されるともいえる。上述のように、断面視において隔壁層11は、カバー層12に向かうにつれて幅W1が広がる形状である。このため、図1(b)に示すように、一対の隔壁層11における斜面111間の幅は、基板10側よりもカバー層12側の方が狭くなっている。したがって、流路部13の流路幅W2は、基板10側からカバー層12側に向かって狭くなっている。より具体的には、流路幅W2は、基板10の表面10aが露出する流路部13の最下部(底部)、すなわち一対の隔壁層11における下端部110b間が最も広くなっている。また流路幅W2は、カバー層12(具体的には、カバー層12の裏面12a)が露出する流路部13の最上部、すなわち一対の隔壁層11における上端部110a間が最も狭くなっている。
また上述のように、隔壁層11の側面110全体に形成される斜面111は平面状であることから、隔壁層11の幅W1はカバー層12に近づくに従って連続的に拡大する。つまり、対向する一対の隔壁層11は、カバー層12に向かうにつれて、互いに近づくように幅W1が流路部13の横断方向に伸長している。
このため、一対の隔壁層11における斜面111間の幅は、カバー層12に近づくに従って連続的に狭くなる(縮小する)。したがって、流路部13における流路幅W2は、カバー層12に近づくに従って連続的に狭くなる(縮小する)。より具体的には、流路幅W2は、基板10が露出する流路部13の最下部(底部)からカバー層12(具体的には、裏面12a)が露出する流路部13の最上部に向かって連続的に縮小する。
ここで、「連続的に縮小する」とは、流路部13の流路幅W2が、流路部13の底部から流路部13の最上部に向かうにつれて、増大することなく継続的に縮小することを示す。これにより、図1(b)に示すように、流路部13は、断面視で台形形状を有している。ここでの「断面視」における「断面」は、マイクロ流路チップ1を厚み方向(流路部13の長手方向と直交する方向)に切断した断面であって、基板10、隔壁層11、カバー層12および流路部13を含む断面である。
隔壁層11の幅W1がカバー層12に向かって連続的に増大することに伴って、流路部13の流路幅W2がカバー層12に向かって連続的に縮小する。これにより、マイクロ流路チップ1において隔壁層11とカバー層12とを接合するための接合領域の面積が確実に拡大し、隔壁層11とカバー層12との密着性をより確実に向上することができる。
(1.1.4.3)気泡退避領域
また本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、流路部13には流路部13内に生じる気泡を退避させる気泡退避領域130が設けられている。図1(b)に示すように、気泡退避領域130は、隔壁層11の斜面111と基板10の流路部13側の面である表面10aとで形成されている。
流路部13内の気泡は、例えばマイクロ流路チップ1に反応溶液等の流体を注液する際の気泡の巻き込みや、反応溶液の加熱による沸騰、マイクロ流路内の流れの不均一による泡噛み、又は、反応溶液自身からの発泡等によって発生する。
図1(b)に示すように、マイクロ流路チップ1では、流路部13の流路幅W2がカバー層12に向かって縮小している。このため、上述のような気泡が流路部13内、特に中央付近の領域である流路部13の中央領域E1を漂っていると、送液が不安定になったり、カバー層12や基板10を介しての流路部13内を観察する際の視認性が低減したりする場合がある。
本実施形態に係るマイクロ流路チップ1では、流路部13に気泡退避領域130を設けることにより、流路部13内の特定の領域(中央領域E1以外の領域)に気泡を留めることができる。これにより、送液を安定させ且つ流路部13内を観察する際の視認性を向上することができる。
図1(b)に示すように、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1において、気泡退避領域130は、隔壁層11の斜面111(側面110)と基板10の表面10aとで形成された凹部であって斜面111の下端部110bが最奥部となる。より具体的には、気泡退避領域130は、隔壁層11の斜面111と基板10の表面10aとが斜面111の下端部110bで接続されてなる角部である。つまり、気泡退避領域130は、流路部13において流路幅W2が最も広い流路最下部(底部)の左右両端に形成されている。このため、気泡退避領域130に気泡を退避させることで、流路部13の中央領域E1から離れた領域に気泡を留めることができる。これにより、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1は、送液をより安定させ且つ流路部13内を観察する際の視認性をさらに向上することができる。
流路部13内に発生した気泡は、例えば送液時の圧力等によって中央領域E1から流路部13の左右両端に向かって流体(例えば反応溶液)中を移動し、気泡退避領域130に集約される。本例において、角部として形成される気泡退避領域130の内角は、鋭角(90度未満)である。これにより、気泡退避領域130に集まった気泡が気泡退避領域130に滞留し易くなり、流路部13の中央領域E1方向へ離脱する(戻る)ことを抑制することができる。
このように、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1は、基板10と、樹脂材料で構成され、基板10上に設けられて流路部13を形成する隔壁層11と、隔壁層11の基板10とは反対側の面に設けられて流路部13を覆うカバー層12と、を備え、隔壁層11は、断面視でカバー層12に向かって幅が広くなっている。これにより、マイクロ流路チップ1は、壁部(隔壁層11)と蓋材(カバー層12)との密着性を向上することができる。
また、マイクロ流路チップ1において、流路部13には、流路部13内に生じる気泡を退避させる気泡退避領域130が設けられ、気泡退避領域130は、隔壁層11の斜面111と基板10の流路部13側の面(表面10a)とで形成されている。これにより、マイクロ流路チップ1は、送液を安定させ且つ流路部13内を観察する際の視認性を向上することができる。
(1.2)マイクロ流路チップの製造方法
次に、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法について説明する。図2は、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法の一例を示すフローチャートである。
ここでは、隔壁層11を感光性樹脂で形成する場合を例にとって説明する。
(ステップS1)
本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法では、まず基板10上へ樹脂を塗工する工程を行う。これにより、基板10上に隔壁層11を形成するための樹脂層を設ける。本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法では、例えば基板10上に感光性樹
脂による樹脂層(感光性樹脂層)を形成する。
基板10上への感光性樹脂層の形成方法は、例えば、基板10への感光性樹脂の塗工により行われる。塗工は、例えば、スピンコーティング、スプレーコーティング、バーコーティングなどにより行われることができ、中でも膜厚制御性の観点からはスピンコーティングが好ましい。基板10上には、例えば液状、固体状、ゲル状、フィルム状など種々の形態の感光性樹脂を塗工することができる。中でも、液体レジストによって感光性樹脂層を形成することが好ましい。
また、基板10上には、樹脂層(例えば、感光性樹脂層)の厚み、すなわち隔壁層11の厚みが5μm以上100μm以下の範囲内となるように樹脂(例えば、感光性樹脂)を塗工すればよい。
(ステップS2)
基板10上に感光性樹脂を形成すると、次に、基板10上に塗工した樹脂(例えば、感光性樹脂)内に含まれる溶媒(溶剤)を除去する目的で加熱処理(プリベーク処理)する工程を行う。なお、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法において、プリベーク処理は必須の工程ではなく、適宜、樹脂の特性に合わせて最適な温度、時間で実施すればよい。例えば、基板10上の樹脂層が感光性樹脂である場合は、プリベーク温度、時間は感光性樹脂の特性に応じて、適宜、最適な条件で行う。
(ステップS3)
次に、基板10上に塗工した樹脂(例えば感光性樹脂)を露光する工程を行う。具体的には、基板10上に塗工した感光性樹脂には、露光により流路パターンが描画される。露光は、例えば、紫外線を光源とした露光装置、レーザー描画装置により行うことができる。中でも、紫外線を光源としたプロキシミティ露光やコンタクト露光装置を用いた露光が好ましい。プロキシミティ露光装置の場合、マイクロ流路チップ1における流路パターン配列を有するフォトマスクを介して露光が行われる。フォトマスクはクロム及び酸化クロムの二層構造を遮光膜とするフォトマスクなどを使用すればよい。
また上述のように、隔壁層11には、紫外光領域である190nm以上400nm以下の波長の光に対して感光性を有する感光性樹脂が用いられる。したがって、本工程(露光工程)では、基板10上に塗工される感光性樹脂を、190nm以上400nm以下の波長の光に感光させればよい。
なお、基板10上における樹脂層の形成に化学増幅型レジストなどを用いる場合には、露光により発生した酸の触媒反応を促すために、露光後にさらに加熱処理(ポストエクスポージャーベーク:PEB)を行うとよい。
(ステップS4)
次に、露光した感光性樹脂に対して現像を行い、流路パターンを形成する工程を行う。
現像は、例えば、スプレー、ディップ、パドル形式などの現像装置にて感光性樹脂と現像液の反応により行われる。現像液は、例えば炭酸ナトリウム水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カリウム、有機溶剤などを用いることができる。現像液は感光性樹脂の特性に応じた最適なものを適宜使用すればよく、これらに限定されるものではない。また、濃度や現像処理時間は、感光性樹脂の特性に合わせて適宜最適な条件に調整することができる。
(ステップS5)
次に、洗浄により基板10上の樹脂層(感光性樹脂層)から現像に用いた現像液を完全に除去する工程を行う。洗浄は、例えば、スプレー、シャワー、浸漬形式などの洗浄装置によって行うことができる。洗浄水としては、例えば純水、イソプロピルアルコールなどから、現像処理に用いた現像液を除去するために最適な洗浄水を適宜使用すればよい。洗浄後はスピンドライヤ、IPAベーパドライヤ、自然乾燥などにより乾燥を行う。
(ステップS6)
次に、流路パターン、すなわち流路部13を形成する隔壁層11に対して加熱処理(ポストベーク)する工程を行う。このポストベーク処理により、現像や洗浄時の残留水分を除去する。ポストベーク処理は、例えば、ホットプレート、オーブン、などを用いて行われる。上記ステップS5の洗浄工程での乾燥が不十分な場合、現像液や洗浄時の水分が隔壁層11に残留している場合がある。また、プリベーク処理において除去されなかった溶剤も隔壁層11に残留している場合がある。ポストベーク処理を行うことで、それらを除去することができる。
(ステップS8)
次に、ポストベーク処理後の隔壁層11にカバー層12を接合する工程を行う。本工程では、図1(b)に示すように、隔壁層11の基板10とは反対側の面にカバー層12を接合する。これにより、流路部13がカバー層12に覆われ、図1(a)、図1(b)に示すマイクロ流路チップ1が形成される。
隔壁層11とカバー層12との接合方法としては、隔壁層11とカバー層12との接合面に表面改質処理を施した上での熱圧着による方法や、接着剤を用いる方法、隔壁層11とカバー層12との接合面の表面改質処理により接合する方法を実施してもよい。
例えば、上記熱圧着による方法では、ポストベーク処理後に、隔壁層11、及び隔壁層11との接合前のカバー層12(蓋材)に対して表面改質処理する工程を実施すればよい。表面改質処理の一例としては、例えばプラズマ処理がある。
表面改質処理を行った基板同士を熱圧着で接合させる場合、例えば熱プレス機や熱ロール機を用いた熱圧着を用いることが好ましい。カバー層12には、隔壁層11との接合前に、予め流体の入力部4、出力部5(図1(a)参照)に相当する孔をおくことが望ましい。これにより、隔壁層11との接合後に孔を開ける場合よりも、ゴミやコンタミネーションの問題が生じることを抑制することができる。
また、隔壁層11とカバー層12との接合方法として接着剤を用いて接合する場合、接着剤は隔壁層11およびカバー層12を構成する材料との親和性などに基づいて決定することができる。接着剤は、隔壁層11とカバー層12とを接合できるものであれば、特に限定されない。例えば、本実施形態における接着剤としては、アクリル樹脂系接着剤や、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等を用いることができる。
また、表面改質処理によって接合する方法としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、エキシマレーザー処理などがある。この場合、隔壁層11の表面の反応性を向上させ、隔壁層11とカバー層12との親和性及び接着の相性に応じて、適宜最適な処理方法を選択すればよい。
このように、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法では、フォトリソグラフィーを用いて基板10上に流路部13を構成する隔壁層11を形成することができる。
例えば基板10上に塗工された感光性樹脂がポジ型レジストの場合、露光領域が現像時に溶解されて流路部13となり、未露光領域に残存する感光性樹脂が隔壁層11となる。また、基板10上に塗工された感光性樹脂がネガ型レジストの場合、露光領域に残存する感光性樹脂が隔壁層11となり、未露光領域が現像時に溶解されて流路部13となる。
また本実施形態では、露光工程(ステップS3)における露光時の紫外光領域の調整と、現像工程(ステップS4)における感光性樹脂層の余分な樹脂の除去により、隔壁層11を断面視でカバー層12に向かって幅が広くなる形状に形成することができる。
一例として、隔壁層11を形成するための感光性樹脂層を、ネガ型レジストで形成する場合について、図3を用いて説明する。図3は、ネガ型レジストで形成された感光性樹脂層における光透過率(ここでは、紫外光の透過率)、および露光装置が照射する露光光(本例では紫外光)のスペクトル(透過スペクトル)の一例を併せて示す線グラフである。図3では、感光性樹脂層の光透過率を膜厚ごと(20~100μm)に示している。
図3に示すように、本例では点線枠で示す特定の波長領域に、露光光のスペクトルのピークが存在している。さらに本例では、上記特定の波長領域の光について、膜厚に応じて光透過率が異なっている。このような場合、露光工程での感光性樹脂層における露光量は、感光性樹脂層の表面から内部に向かって相対的に減少していく。具体的には、図3において点線枠で示す特定の波長領域の光(紫外光)について、感光性樹脂層の内部に進むほど露光量が減少する。
ここで特定の波長領域の光とは、例えば紫外光領域のうち250nm以上350nm以下の範囲内の波長の紫外光に相当する。例えば図3は、感光性樹脂層において、膜厚が厚くなるに従って、特定の波長領域の紫外光の透過率が減少していくことを示している。言い換えれば、膜厚が薄い部分、すなわち感光性樹脂層の表層部(上部)の光透過率は、膜厚の厚い部分、すなわち感光性樹脂層の内部(下部)よりも露光量が多いことを示している。
感光性樹脂層の上側ほど露光量が多いということは、すなわち感光性樹脂層の上側(カバー層12を接合する側)ほど樹脂(ネガ型レジスト)の硬化が進み易いことを示す。このため、現像時にも感光性樹脂層の上部では、溶解されずに残存する樹脂量が多くなる。つまり、基板10上の感光性樹脂を上記特定の波長領域の光(紫外光領域のうち250nm以上350nm以下の波長の光)に感光させ、現像により基板10上の余分な樹脂を除去することで、隔壁層11の幅W1をカバー層12に向かって拡大させることができる。すなわち、隔壁層11を断面視でカバー層12に向かって幅が広くなる形状に形成することができる。
また現像により、感光性樹脂層において硬化した樹脂の下側を溶解させて余分な樹脂を除去することで、隔壁層11の側面110に斜面111を形成することができる。
例えば、現像時における現像時間や現像液の濃度等の調整により、隔壁層11の側面110の形状を所望の形状に形成することができる。一例として、現像時間を長くするほど、感光性樹脂層において露光による硬化が進んでいない部分の樹脂、すなわち基板10側の樹脂を多く溶解させることができる。つまり、マイクロ流路チップ1の製造方法において、現像により、隔壁層11の側面110にカバー層12に対して傾斜する斜面111を形成することができる。より具体的には、現像により、隔壁層11の側面110の全体に平面状の斜面111を形成することができる。これにより、隔壁層11の幅W1をカバー層12に向かって拡大させ、さらに流路部13の流路幅W2を、隔壁層11におけるカバー層12がわから基板10側に向かって広くすることができる。
なお、本開示はこれに限られず、感光性樹脂層をポジ型レストで形成してもよい。例えば、露光時において、紫外光の露光方向の調整や、露光装置から放射された光を集光することにより、感光性樹脂層(ポジ型レジストの層)の上部の露光量を下部(基板10側)よりも少なくしてもよい。これにより、露光量の少ない感光性樹脂層の上部において樹脂(ポジ型レジスト)の硬化が進み、現像時にも感光性樹脂層の上部において溶解されずに残存する樹脂量が多くなる。これにより、ポジ型レジストを用いる場合も、ネガ型レジストを用いる場合と同様に、隔壁層11の上側領域11aにおいて隔壁層11の幅W1をカバー層12に向かって拡大させることができる。
またこの場合も、現像により、感光性樹脂層において硬化した樹脂の下側を溶解させて余分な樹脂を除去することで、隔壁層11の上側領域11aの側面110に斜面111を形成することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法は、基板10上に、樹脂を塗工する工程(上記ステップS1)と、塗工した樹脂を露光する工程(上記ステップS3)と、露光した樹脂を現像及び洗浄し基板10上に流路部13を画定する隔壁層11を形成する工程(上記ステップS4および上記ステップS5)と、隔壁層11をポストベーク処理する工程(上記ステップS6)と、隔壁層11の基板10とは反対側の面にカバー層12を接合する工程(上記ステップS8)と、を含んでいる。さらに、露光工程(ステップS3)において、感光性樹脂(本例では、ネガ型レジストの層)を、紫外光領域のうち250nm以上350nm以下の波長の光に感光させ、現像工程(ステップS4)において 基板10上の余分な樹脂(ここでは感光性樹脂)を除去することで、隔壁層11を断面視でカバー層12に向かって幅が広くなる形状に形成する。
これにより、隔壁層11とカバー層12とを接合するための接合領域の面積を拡大し、壁部(隔壁層11)と蓋材(カバー層12)との密着性を向上することができるマイクロ流路チップを得ることができる。
(1.3)変形例
以下、本実施形態の変形例に係るマイクロ流路チップについて、図4および図5を用いて説明する。まず、図4を用いて、本実施形態の第一変形例に係るマイクロ流路チップ2の構成について説明する。
(1.3.1)第一変形例
図4は、本実施形態の第一変形例に係るマイクロ流路チップ2の一構成例を説明するための断面図である。
マイクロ流路チップ2は、基板10と、基板10上に流路部23を形成する隔壁層21と、カバー層12と、を備えている。図4に示すように、マイクロ流路チップ2は、隔壁層21の側面210の一部に斜面211を備える点で、上記実施形態に係るマイクロ流路チップ1と相違する。
以下、隔壁層21および隔壁層21で画定される流路部23について説明する。なお、隔壁層21および流路部23以外の各構成(基板10およびカバー層12)については、マイクロ流路チップ1の基板10およびカバー層12と同様の構成であるため説明を省略する。
(1.3.1.1)隔壁層の形状と流路の構成
本変形例に係るマイクロ流路チップ2における隔壁層21の形状、および流路部23の構成について、詳細に説明する。まず、流路部23を形成する隔壁層21の形状について説明する。
図4に示すように、マイクロ流路チップ2の隔壁層21は、断面視で幅W11がカバー層12に向かって広がっている。ここで、「断面視」における「断面」は、例えばマイクロ流路チップ2を厚み方向(流路部23の長手方向と直交する方向)に切断した断面であって、少なくとも隔壁層21とカバー層12と流路部23とを含む断面である。
隔壁層21の幅W11がカバー層12に向かって広くなることにより、上記第一実施形態に係るマイクロ流路チップ1と同様にマイクロ流路チップ2においても壁部(ここでは隔壁層21)と蓋材(ここではカバー層12)とを接合するための接合領域の面積が拡大し、壁部と蓋材との密着性を向上することができる。このためマイクロ流路チップ2の使用時における液漏れや破損等の発生を抑制することができる。以下、隔壁層21の形状についてより詳細に説明する。
本変形例において、マイクロ流路チップ2の隔壁層21は、流路部23を形成する側面210を有している。側面210は、カバー層12側の端部である上端部210aにおいてカバー層12と接続し、側面210の基板10側の端部である下端部210bにおいて基板10と接続している。
図4に示すように、側面210の一の端部側には斜面211が設けられている。具体的には、側面210の上端部210a側に斜面211が形成されている。
一方、側面210の他の端部(下端部210b)側には斜面は設けられていない。つまり、側面210において、斜面211は下端部210bを含まずに形成されている。側面210において、斜面211が設けられていない領域には、平坦面212が形成されている。
平坦面212は、下端部210bにおいて基板10と接続し、上端部210aと下端部210bとの間に位置する中間端部210cにおいて斜面211と接続している。
つまり、側面210の下端部210bは平坦面212の下端部に相当し、中間端部210cは平坦面212の上端部に相当する。また側面210の中間端部210cは斜面211の下端部に相当し、側面210の上端部210aは斜面211の上端部に相当する。
ここで、隔壁層21において斜面211を含む領域を上側領域21aとし、平坦面212を含む領域を下側領域21bとする。理解を容易にするため、図4では隔壁層21の上側領域21aと下側領域21bとを仮想点線によって区切っている。なお、隔壁層21において上側領域21aと下側領域21bとは一体形成されていることが好ましいが、別体として形成されてもよい。つまり、隔壁層21は複層(例えば2層)構造であってもよい。
隔壁層21の幅W11は、平坦面212を含む下側領域21bにおいて一定であり、斜面211を含む上側領域21aにおいてカバー層12に向かって拡大している。これにより、マイクロ流路チップ2において隔壁層21で形成される流路の幅(流路幅W12)の広さを保持しつつ、隔壁層21とカバー層12とを接合するための接合領域の面積を拡大することができる。
次いで、隔壁層21の側面210に設けられる斜面211について具体的に説明する。
本変形例に係るマイクロ流路チップ2の隔壁層21において、斜面211は、側面210の一部に形成されており、断面視で凹形状に湾曲している。
上述のように、隔壁層21において斜面211は、側面210の一の端部である上端部210aを含んで形成されており、上端部210aにおいてカバー層12に接続している。つまり、上端部210aは、斜面211の一の端部(上側端部)でもある。すなわち、隔壁層21において斜面211の一の端部(下端部210b)はカバー層12に接している。
より具体的には、斜面211は、平坦面212における基板10と反対側の端部に相当する中間端部210cから上端部210aに亘って形成されており、中間端部210cにおいて側面210の平坦面212と接続し、上端部210aにおいてカバー層12と接続している。
斜面211は、隔壁層21の上側領域21aにおける側面210、すなわち側面210のカバー層12側の領域に形成されている。
図4に示すように、隔壁層21の上側領域21aにおいて、側面210の上端部210a(斜面211の上側端部)は中間端部210c(斜面211の下側端部)よりも流路部23の中央寄りに位置している。すなわち、側面210の上端部210a(斜面211の上端部)は、中間端部210cよりも対向する隔壁層21の近くに位置している。言い換えれば、隔壁層21において、側面210の中間端部210c(斜面211の下端部)は上端部210a(斜面211の上端部)よりも流路部23の中央から離れて位置している。すなわち、側面210の中間端部210c(斜面211の下端部)は、上端部210aよりも対向する隔壁層21から離れて位置している。
斜面211は、下端部210bを含んで形成される平坦面212と接続する中間端部210cから、上端部210aに向かって立ち上がるように傾斜してカバー層12と接続している。これにより、断面視において隔壁層21の幅W11は、カバー層12に近づくに従って、流路部23の中央方向、すなわち対向する隔壁層21の方向(流路部23の横断方向)に伸長することとなる。したがって、断面視において隔壁層21は、カバー層12に向かうにつれて幅W11が広がる形状となる。
隔壁層21の幅W11は、カバー層12に近づくに従って連続的に拡大する。より具体的には、隔壁層21の上側領域21aにおける幅W11は、カバー層12に近づくに従って連続的に流路部23の中央方向、すなわち横断方向に伸長して拡大する。
ここで「連続的に拡大(伸長)する」とは、斜面211と平坦面212とが接続する中間端部210cから斜面211とカバー層12とが接続する上側領域21aに向かうにつれて、隔壁層21の幅W11が減少(短縮)することなく継続的に拡大(伸長)することを示す。
図4に示すように、凹形状に湾曲した斜面211において、最奥部211aは斜面211の下端部である中間端部210c(平坦面212の上端部)よりも、流路部23の中央寄りに位置している。したがって、隔壁層21の幅W11は、斜面211の最奥部211aにおいても減少することなく継続的に拡大している。これにより、マイクロ流路チップ2において隔壁層21とカバー層12とを接合するための接合領域の面積が確実に拡大し、隔壁層21とカバー層12との密着性をより確実に向上することができる。
また図4に示すように、隔壁層21は、湾曲した斜面211を含みカバー層12の流路部23側の表面(裏面12a)に沿って流路部23の横断方向に延在する延在部215を有している。つまり、延在部215は、流路部23の中央方向、すなわち対向する隔壁層21方向に延在している。また、延在部215は、流路部23の横断方向に向かって厚みが縮小する形状を有する。すなわち、延在部215は裾引き形状を有している。これにより、マイクロ流路チップ2は、隔壁層21とカバー層12との接合面積を拡大しつつ、斜面211が平面状である場合と比べて隔壁層21の幅W11の拡大に伴う流路部23の幅(流路幅W12)の縮小を低減することができる。
次に、基板10、隔壁層21およびカバー層12で形成される流路部23の構成について説明する。流路部23の流路幅W12は、対向する一対の隔壁層21間の幅、すなわち側面210間の幅として画定される。
上述のように、断面視において隔壁層21は、カバー層12に向かうにつれて幅W11が広がる形状である。このため、図4に示すように、一対の隔壁層21における側面210間の幅は、基板10側よりもカバー層12側の方が狭くなっている。したがって、流路部23の流路幅W12は、基板10側からカバー層12側に向かって狭くなっている。
具体的には、流路幅W12は、基板10の表面10aが露出する流路部23の最下部(底部)の領域、すなわち一対の隔壁層11における下端部210b間が最も広くなっている。上述のように、隔壁層21の幅W11は、側面210の下端部210bから中間端部210cにかけて形成される平坦面212を含む下側領域21bにおいて、一定である。このため、一対の隔壁層21の下側領域21b間の流路幅W12、すなわち一対の隔壁層21の平坦面212間の流路幅W12は、一定となる。つまり、流路部23における平坦面212間の領域は、流路幅W12が最も広い領域となる。
また、流路幅W12は、カバー層12の裏面12aが露出する流路部23の最上部、すなわち一対の隔壁層21における上端部210a間が最も狭くなっている。
上述のように、隔壁層21の幅W11は、側面210の中間端部210cから上端部210aにかけて形成される斜面211を含む上側領域21aにおいて、カバー層12に向かって連続的に拡大している。具体的には、対向する一対の隔壁層21において、上側領域21aに設けられ斜面211を含む延在部215は、互いに近づくようにして流路部23の横断方向に延在している。このため、一対の隔壁層21の上側領域21a間の流路幅W12、すなわち一対の隔壁層21の斜面211間の流路幅W12は、カバー層12に近づくに従って連続的に狭くなる(縮小する)。つまり、流路部23における斜面211間の領域は、流路幅W12がカバー層12に近づくに従って連続的に狭くなる(縮小する)領域となる。
ここで、「連続的に縮小する」とは、流路部23の流路幅W12が、流路部23の中間部(一対の隔壁層21の中間端部210c間)から流路部23の最上部(一対の隔壁層21の上端部210a間)に向かうにつれて、増大することなく継続的に縮小することを示す。
このように、流路部23の幅は、隔壁層21の側面210のうち湾曲した斜面211で形成される領域においてカバー層12に近づくに従って連続的に縮小し、側面210のうち斜面211以外の面、すなわち平坦面212で形成される領域において一定である。これにより、流路幅W12が縮小される領域を流路部23の最上部側(カバー層12側)、つまり斜面211間に限定することができる。このため、マイクロ流路チップ2は、一対の隔壁層21の平坦面212間の領域において流路部23の流路幅W12の広さを維持しつつ、隔壁層21とカバー層12とを接合するための接合領域の面積を確実に拡大することができる。したがって、マイクロ流路チップ2は、流路部23内の流体(反応溶液など)の送液性および流路部23内を観察する際の視認性を向上しつつ、隔壁層21とカバー層12との密着性をより確実に向上することができる。
また図4に示すように、流路部23は、一対の隔壁層21の上側領域21a間の領域、すなわち湾曲した斜面211間の領域において、断面視で角丸形状を有している。ここでの「断面視」における「断面」は、マイクロ流路チップ2を厚み方向(流路部23の長手方向と直交する方向)に切断した断面であって、基板10、隔壁層11、カバー層12および流路部23を含む断面である。斜面211間の領域において、流路部23が断面視で角丸形状であることにより、流路部23における流体(例えば反応溶液)の送液速度や流量を安定させることができる。
以上、本変形例に係るマイクロ流路チップ2の隔壁層21の形状、流路部23の構成について説明した。なお、隔壁層21の形状以外の材料等の基本構成や、厚み(流路高さ)、流路部23の幅や流路長は、第一実施形態に係るマイクロ流路チップ1の隔壁層11や流路部13と同等であるため、説明は省略する。
(1.3.1.2)マイクロ流路チップの製造方法
本変形例に係るマイクロ流路チップ2の基本的な製造方法は、上記第一実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法(図2参照)と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本変形例においても、上記露光工程(ステップS3)において、感光性樹脂を紫外光領域のうち特定の波長領域(250nm以上350nm以下)の光に感光させ、現像工程(ステップS4)において基板10上の余分な樹脂(ここでは感光性樹脂)を除去することで、隔壁層21を断面視でカバー層12に向かって幅が広くなる形状に形成することができる。
具体的には、上記第一実施形態と同様に、露光工程(ステップS3)において感光性樹脂層の上側の樹脂(ここでは、ネガ型レジスト)の硬化を進め、現像時に溶解されずに残存する樹脂量を多くすることで、隔壁層21の上側領域21aにおいて隔壁層21の幅W11をカバー層12に向かって拡大させればよい。
例えば感光性樹脂層において硬化した樹脂の下側の一部を溶解させて余分な樹脂を除去することで、隔壁層21の上側領域21aの側面210の一部に斜面211を形成することができる。このとき、例えば現像時間の現像時間や現像液の濃度等を調整することで、斜面211を断面視で湾曲した形状とすることができる。
したがって、現像により、隔壁層21の下側領域21bにおける側面210の一部(隔壁層21の上側領域21aの側面210)に、断面視で凹形状に湾曲しており一の端部(上端部210a)がカバー層12に接する斜面211を形成することができる。
また本変形例では、現像時における現像時間や現像液の濃度等の調整により、隔壁層21の側面210の残余部(斜面211以外の領域)に平坦面212を形成すればよい。
例えば本変形例では、上記特定の波長領域の紫外光による露光工程後の現像により、感光性樹脂層の下側(基板10と接合する側)から上側に向かう一部領域(隔壁層21の下側領域21bを形成する領域)において一定量の樹脂を溶解させて除去し、残存する樹脂の量を一定とすればよい。これにより、隔壁層21の下側領域21bにおいて隔壁層21の幅W11を一定とすることができ、下側領域21bにおける側面210に平坦面212を形成することができる。つまり、本変形例では、露光条件および現像条件の双方の調整により、平坦面212が形成される。
このようにして、隔壁層21の上側領域21aを、図4に示す裾引き形状に形成することができる。これにより、隔壁層21とカバー層12とを接合するための接合領域の面積を拡大し、隔壁層21とカバー層12との密着性が向上されたマイクロ流路チップ2を得ることができる。
また、本変形例においても、感光性樹脂層をポジ型レジストで形成してもよい。この場合、上記第一実施形態において感光性樹脂層をポジ型レジストで形成する場合と同様に、感光性樹脂層(ポジ型レジストの層)の上部の露光量を下部(基板10側)よりも少なくすることで、露光量の少ない感光性樹脂層の上部において樹脂(ポジ型レジスト)の硬化を進めればよい。さらに、上述のように現像時において残存する樹脂の量を一定とすることで、隔壁層21の下側領域21bにおける側面210に、平坦面212を形成すればよい。
(1.3.2)第二変形例
図5は、本実施形態の第二変形例に係るマイクロ流路チップ3一構成例を説明するための断面図である。
マイクロ流路チップ3は、基板10と、基板10上に流路部33を形成する隔壁層31と、カバー層12と、を備えている。図5に示すように、マイクロ流路チップ3は、隔壁層31の側面310において、複数の斜面(後述する斜面311,313)を有する点で、上記第一変形例に係るマイクロ流路チップ2と相違する。
以下、隔壁層31および隔壁層31で画定される流路部33について説明する。なお、隔壁層31および流路部33以外の各構成(基板10およびカバー層12)については、マイクロ流路チップ1の基板10およびカバー層12と同様の構成であるため説明を省略する。
(1.3.2.1)隔壁層の形状と流路の構成
本変形例に係るマイクロ流路チップ3における隔壁層31の形状、および流路部33の構成について、詳細に説明する。まず、流路部33を形成する隔壁層31の形状について説明する。図5に示すように、マイクロ流路チップ3の隔壁層31は、断面視で幅W21が基板10およびカバー層12の双方に向かって拡大する形状を有している。
これにより、マイクロ流路チップ3において隔壁層31とカバー層12とを接合するための接合領域の面積、および隔壁層31と基板10とを接合するための接合領域の面積が拡大する。このため、隔壁層31とカバー層12との密着性に加え、隔壁層31と基板10との密着性を向上することができる。したがって、マイクロ流路チップ3の使用時における液漏れや破損等の発生をより確実に抑制することができる。
ここで、「断面視」における「断面」は、例えばマイクロ流路チップ3を厚み方向(流路部33の長手方向と直交する方向)に切断した断面であって、基板10、隔壁層31、カバー層12および流路部33を含む断面である。以下、隔壁層31の形状についてより詳細に説明する。
マイクロ流路チップ3の隔壁層31は、流路部33を形成する側面310を有している。側面310は、カバー層12側の端部である上端部310aにおいてカバー層12と接続している。また、側面310は、基板10側の端部である下端部310bにおいて基板10と接続している。図5に示すように、側面310には、カバー層12に対して傾斜する斜面311および基板10に対して傾斜する斜面313が設けられている。隔壁層31の側面310が斜面311と反対側に斜面313を備える点で、マイクロ流路チップ3の隔壁層31は、上記第一変形例に係るマイクロ流路チップ2の隔壁層21と異なる。
図5に示すように、側面310の一の端部側には斜面311が設けられている。具体的には、側面310の上端部310a側に斜面311が形成されている。
一方、側面310の他の端部側には斜面313が設けられている。具体的には、側面310の下端部310b側に斜面313が形成されている。さらに、側面310において斜面(斜面311,313)が設けられていない領域、すなわち斜面311と斜面313との間の領域には、平坦面312が形成されている。
平坦面312は、第一中間端部310cにおいて斜面311と接続し、第二中間端部311dにおいて斜面313と接続している。つまり、平坦面312は側面310の第一中間端部310cから第二中間端部310dに亘って形成されており、第一中間端部310cが平坦面312の上端部に相当し、第二中間端部310dは平坦面312の下端部に相当する。
また、斜面311は、側面310の上端部310aにおいてカバー層12と接続し、側面310の第一中間端部310cにおいて平坦面312と接続している。つまり、斜面311は側面310の上端部310aから第一中間端部311cに亘って形成されており、側面310の上端部310aが斜面311の上端部に相当し、側面310の第一中間端部311cが斜面311の下端部に相当する。
また、斜面313は、側面310の第二中間端部310dにおいて平坦面312と接続し、側面310の下端部310bにおいて基板10と接続している。つまり、斜面313は側面310の第二中間端部310dから下端部310bに亘って形成されており、側面310の第二中間端部310dが斜面313の上端部に相当し、側面310の下端部310bが斜面311の下端部に相当する。
ここで、隔壁層31において、斜面311を含む領域を上側領域31aとし、斜面313を含む領域を下側領域31bとし、平坦面312を含む領域を中間領域31cとする。理解を容易にするため、図5では隔壁層31の上側領域31a、下側領域31bおよび中間領域31cを仮想点線によって区切っている。なお、隔壁層31において上側領域31a、下側領域31bおよび中間領域31cは一体形成されていることが好ましいが、別体として形成されてもよい。つまり、隔壁層31は複層(例えば3層)構造であってもよい。
隔壁層31の幅W21は、斜面311を含む上側領域31aにおいてカバー層12に向かって拡大し、斜面313を含む下側領域31bにおいて基板10に向かって拡大し、平坦面212を含む中間領域31cにおいて一定である。また、隔壁層31の幅W21は、中間領域31cにおいて、他の領域(上側領域31a、下側領域31b)よりも小さい。これにより、マイクロ流路チップ3において隔壁層31で形成される流路の幅(流路幅W22)の広さを保持しつつ、隔壁層31とカバー層12とを接合するための接合領域、および隔壁層31と基板10とを接合するための接合領域の面積を拡大することができる。
次いで、隔壁層31の側面310に設けられる斜面311について具体的に説明する。
本変形例に係るマイクロ流路チップ3の隔壁層31において、斜面311は、側面310の一部(隔壁層31の上側領域31aにおける側面310)に形成されており、断面視で凹形状に湾曲している。隔壁層31の側面310に設けられる斜面311は、上記第一変形例によるマイクロ流路チップ2において隔壁層21の側面210に設けられる斜面211と同等の構成であるが、隔壁層21と隔壁層31とでは構成が異なるため、以下、斜面311に関して説明を行う。
湾曲した斜面311は、隔壁層31における側面310、すなわち側面310のカバー層12側の領域に形成されている。
図5に示すように、隔壁層31の上側領域31aにおいて、側面310の上端部310a(斜面311の上端部)は第一中間端部310c(斜面311の下端部)よりも流路部33の中央寄りに位置している。すなわち、側面310の上端部310a(斜面311の上端部)は、第一中間端部310cよりも対向する隔壁層31の近くに位置している。
言い換えれば、隔壁層31において、側面310の第一中間端部310c(斜面311の下端部)は上端部310a(斜面311の上端部)よりも流路部33の中央から離れて位置している。すなわち、側面310の第一中間端部310c(斜面311の下端部)は、上端部310aよりも対向する隔壁層31から離れて位置している。
斜面311は、平坦面312と接続する第一中間端部310cから、上端部310aに向かって立ち上がるように傾斜してカバー層12と接続している。これにより、隔壁層31の幅W21は、カバー層12に近づくに従って、流路部33の中央方向、すなわち対向する隔壁層31の方向(流路部33の横断方向)に伸長することとなる。したがって、断面視において隔壁層31は、カバー層12に向かうにつれて幅W21が広がる形状となる。
隔壁層31の上側領域31aにおける幅W21は、カバー層12に近づくに従って連続的に拡大する。より具体的には、上側領域31aにおける幅W21は、カバー層12に近づくに従って連続的に流路部33の中央方向、すなわち横断方向に伸長して拡大する。
ここで「連続的に拡大(伸長)する」とは、斜面311と平坦面312とが接続する第一中間端部310cから斜面311とカバー層12とが接続する上端部310aに向かうにつれて、隔壁層31の幅W21が減少(短縮)することなく継続的に拡大(伸長)することを示す。
図5に示すように、凹形状に湾曲した斜面311において、最奥部311aは斜面311の下端部である第一中間端部310c(平坦面312の上端部)よりも、流路部33の中央寄りに位置している。したがって、隔壁層31の幅W21は、斜面311の最奥部311aにおいても減少することなく継続的に拡大している。これにより、マイクロ流路チップ3において隔壁層31とカバー層12とを接合するための接合領域の面積が確実に拡大し、隔壁層31とカバー層12との密着性をより確実に向上することができる。
また図5に示すように、隔壁層31は、上側領域31aにおいて湾曲した斜面311を含みカバー層12の流路部33側の表面(裏面12a)に沿って流路部33の横断方向に延在する延在部315を有している。つまり、延在部315は、流路部33の中央方向、すなわち対向する隔壁層31方向に延在している。また、延在部315は、流路部33の横断方向に向かって厚みが縮小する形状を有する。すなわち、延在部315は裾引き形状を有している。これにより、マイクロ流路チップ3は、隔壁層31とカバー層12との接合面積を拡大しつつ、斜面311が平面状である場合と比べて隔壁層31の幅W21の拡大に伴う流路部33の幅(流路幅W22)の縮小を低減することができる。
次いで、隔壁層31の側面310に設けられる斜面313について説明する。本変形例に係るマイクロ流路チップ3の隔壁層31において、斜面313は、側面310の残余の一部(隔壁層31の下側領域31bにおける側面310)に形成されており、断面視で凹形状に湾曲している。
湾曲した斜面313は、隔壁層31の下側領域31bにおける側面310、すなわち側面310の基板10側の領域に形成されている。
図5に示すように、隔壁層21の下側領域31bにおいて、側面310の下端部310b(斜面313の下端部)は第二中間端部310d(斜面313の上端部)よりも流路部33の中央寄りに位置している。すなわち、側面310の下端部310b(斜面313の下端部)は、第二中間端部310dよりも対向する隔壁層31の近くに位置している。
言い換えれば、隔壁層31において、側面310の第二中間端部310d(斜面313の上端部)は下端部310b(斜面313の下端部)よりも流路部33の中央から離れて位置している。すなわち、側面310の第二中間端部310d(斜面313の上端部)は、下端部310bよりも対向する隔壁層31から離れて位置している。
斜面313は、平坦面312と接続する第二中間端部310dから、下端部310bに向かって下るように傾斜して基板10と接続している。これにより、隔壁層31の幅W21は、基板10に近づくに従って、流路部33の中央方向、すなわち対向する隔壁層31の方向(流路部33の横断方向)に伸長することとなる。したがって、断面視において隔壁層31は、基板10に向かうにつれて幅W21が広がる形状となる。
隔壁層31の下側領域31bにおける幅W21は、基板10に近づくに従って連続的に拡大する。より具体的には、隔壁層21の下側領域31bにおける幅W21は、基板10に近づくに従って連続的に流路部33の中央方向、すなわち横断方向に伸長して拡大する。
ここで「連続的に拡大(伸長)する」とは、斜面313と平坦面312とが接続する第二中間端部310dから斜面313と基板10とが接続する下端部310bに向かうにつれて、隔壁層31の幅W21が減少(短縮)することなく継続的に拡大(伸長)することを示す。
図5に示すように、凹形状に湾曲した斜面313において、最奥部313aは斜面313の上端部である第二中間端部310d(平坦面312の下端部)よりも、流路部33の中央寄りに位置している。したがって、隔壁層31の幅W21は、斜面313の最奥部313aにおいても減少することなく継続的に拡大している。これにより、マイクロ流路チップ3において隔壁層31と基板10とを接合するための接合領域の面積が確実に拡大し、隔壁層31と基板10との密着性をより確実に向上することができる。
また図5に示すように、隔壁層31は、下側領域31bにおいて湾曲した斜面313を含み基板10の表面10aに沿って流路部33の横断方向に延在する延在部317を有している。つまり、延在部317は、流路部33の中央方向、すなわち対向する隔壁層31方向に延在している。また、延在部317は、流路部33の横断方向に向かって厚みが縮小する形状を有する。すなわち、延在部317は裾引き形状を有している。これにより、マイクロ流路チップ3は、隔壁層31と基板10との接合面積を拡大しつつ、斜面313が平面状である場合と比べて隔壁層31の幅W21の拡大に伴う流路部33の幅(流路幅W22)の縮小を低減することができる。
以上説明したように、本変形例によるマイクロ流路チップ3において、隔壁層31は、側面310の一部に設けられ湾曲した斜面(第一斜面の一例)である斜面311と、側面310の残余部(斜面311が設けられていない部分)に設けられた斜面(第二斜面の一例)313とを有している。斜面313は、断面視で凹形状に湾曲しており斜面313の一の端部は基板10に接している。また、側面310において、斜面311と斜面313との間には平坦面312が形成されている。
つまり、隔壁層31は、基板10側およびカバー層12側が裾引き形状となっている。これにより、隔壁層31は、幅W21が基板10およびカバー層12の双方に向かって拡大する形状となる。このため、マイクロ流路チップ3は、隔壁層31とカバー層12とを接合するための接合領域および隔壁層31と基板10とを接合するための接合領域の面積も拡大する。したがって、マイクロ流路チップ3は、隔壁層31とカバー層12との密着性および隔壁層31と基板10との密着性が向上され、マイクロ流路チップ3の使用時における液漏れや破損等の発生をより確実に抑制することができる。
なお、隔壁層31において斜面311と斜面313とは同形状でもよいし、異なる形状でもよい。例えば斜面311の方が斜面313よりも深く湾曲していてもよいし、逆に斜面313の方が斜面311よりも深く湾曲していてもよい。例えば、斜面311の最奥部311aの方が斜面313の最奥部313aよりも流路部33の中央から離れた位置でもよいし、斜面313の最奥部313aの方が斜面311の最奥部311aよりも流路部33の中央から離れた位置でもよい。
次に、基板10、隔壁層31およびカバー層12で形成される流路部33の構成について説明する。流路部33の流路幅W22は、対向する一対の隔壁層31間の幅、すなわち側面310間の幅として画定される。
上述のように、断面視において隔壁層31は、基板10、カバー層12のそれぞれに向かって幅W21が広がる形状である。このため、図5に示すように、一対の隔壁層21における側面310間の幅は、平坦面312間よりも、基板10側およびカバー層12側の方が狭くなっている。したがって、流路部33の流路幅W22は、流路部33の高さ(隔壁層31の厚み)の中央領域から、基板10、カバー層12のそれぞれに向かって狭くなっている。
具体的には、流路幅W22は、一対の隔壁層31の側面310における第一中間端部310c間および第二中間端部310d間が最も広くなっている。
上述のように、隔壁層31の幅W21は、側面310の第一中間端部310cから第二中間端部310dにかけて形成される平坦面312を含む中間領域31cにおいて、一定である。このため、一対の隔壁層31における平坦面312間の幅は、一定である。つまり、一対の隔壁層31における平坦面312間(中間領域31c間)の流路幅W22は、一定となる。したがって、流路部33の流路幅W22は、一対の隔壁層31の側面310における平坦面312間が最も広くなっている。つまり、流路部33における平坦面312間の領域は、流路幅W22が最も広い領域となる。
また、流路幅W22は、基板10の表面10aが露出する流路部33の底部、すなわち一対の隔壁層31における下端部310b間および、カバー層12の裏面12aが露出する流路部33の最上部、すなわち一対の隔壁層31における上端部310a間が最も狭くなっている。
上述のように、隔壁層31の幅W21は、側面310の第一中間端部310cから上端部310aにかけて形成される斜面311を含む上側領域31aにおいて、カバー層12に向かって連続的に拡大している。つまり、対向する一対の隔壁層31において、斜面311を含む延在部315は、互いに近づくようにして流路部33の横断方向に延在している。このため、一対の隔壁層31における斜面311間の幅は、カバー層12に近づくに従って連続的に狭くなる(縮小する)。つまり、一対の隔壁層31における斜面311間(上側領域31a間)の流路幅W22は、カバー層12に近づくに従って連続的に狭くなる(縮小する)。
ここで、「連続的に縮小する」とは、流路部33の流路幅W22が、平坦面312の上端部間の領域(一対の隔壁層31の第一中間端部310c間の領域)から流路部33の最上部(一対の隔壁層31の上端部310a間)に向かうにつれて、増大することなく継続的に縮小することを示す。
また、上述のように、隔壁層31の幅W21は、側面310の第二中間端部310dから下端部310bにかけて形成される斜面313を含む下側領域31bにおいて、基板10に向かって連続的に拡大している。つまり、対向する一対の隔壁層31において、斜面313を含む延在部317は、互いに近づくようにして流路部33の横断方向に延在している。このため、一対の隔壁層31における斜面313間の幅は、基板10に近づくに従って連続的に狭くなる(縮小する)。つまり、一対の隔壁層31における斜面313間(下側領域31b間)の流路幅W22は、基板10に近づくに従って連続的に狭くなる(縮小する)。
ここで、「連続的に縮小する」とは、流路部33の流路幅W22が、平坦面312の下端部間の領域(一対の隔壁層31の第二中間端部310d間の領域)から流路部33の底部(一対の隔壁層31の下端部310b間)に向かうにつれて、増大することなく継続的に縮小することを示す。
このように、流路部33の幅(流路幅W22)は、隔壁層31の側面310のうち湾曲した斜面311を含む領域(斜面311で形成される領域)においてカバー層12に近づくに従って連続的に縮小する。また、流路幅W22は、隔壁層31の側面310のうち斜面313を含む領域(斜面313で形成される領域)において基板10に近づくに従って連続的に縮小する。さらに、隔壁層31の側面310のうち斜面311および斜面313以外の面、すなわち平坦面312で形成される領域において一定である。
これにより、流路幅W22が縮小される領域を流路部33の最上部側(カバー層12側)である斜面311間と、流路部33の底部側(基板10側)である斜面313間とに限定することができる。このため、マイクロ流路チップ3は、一対の隔壁層21の平坦面212間の領域において流路部33の流路幅W22の広さを維持しつつ、隔壁層31とカバー層12とを接合するための接合領域、および隔壁層31と基板10との接合領域面積を確実に拡大することができる。したがって、マイクロ流路チップ2は、流路部33内の流体(反応溶液など)の送液性および流路部33内を観察する際の視認性を向上しつつ、隔壁層31とカバー層12および基板10との密着性をより確実に向上することができる。
また図5に示すように、流路部33は、断面視で角丸形状を有している。ここでの「断面視」における「断面」は、マイクロ流路チップ3を厚み方向(流路部33の長手方向と直交する方向)に切断した断面であって、基板10、隔壁層31、カバー層12および流路部33を含む断面である。流路部33が断面視で角丸形状であることにより、流路部33における流体(例えば反応溶液)の送液速度や流量を安定させることができる。
以上、本変形例に係るマイクロ流路チップ3の隔壁層31の形状、流路部33の構成について説明した。なお、隔壁層31の形状以外の材料等の基本構成や、厚み(流路高さ)、流路部33の幅や流路長は、第一実施形態に係るマイクロ流路チップ1の隔壁層11や流路部3と同等であるため、説明は省略する。
(1.3.2.2)マイクロ流路チップの製造方法
本変形例に係るマイクロ流路チップ3の基本的な製造方法は、上記第一実施形態に係るマイクロ流路チップ1の製造方法(図2参照)と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本変形例においては、露光工程(ステップS3)における露光時の紫外光領域の調整(感光性樹脂を感光させる露光光を、紫外光領域のうち上記特定の波長領域とすること)と、現像工程(ステップS4)における感光性樹脂層の余分な樹脂の除去により、隔壁層31の上下に裾引き形状を形成することができる。これにより、隔壁層31を、基板10、カバー層12のそれぞれに向かって幅が広くなる形状とすることができる。
具体的には、上記第一変形例に係るマイクロ流路チップ2における斜面211の形成と同様にして、本変形例に係るマイクロ流路チップ3における斜面311を形成すればよい。つまり、露光工程(ステップS3)において感光性樹脂層の上側の樹脂(ここでは、ネガ型レジスト)の硬化を進め、現像時に溶解されずに残存する樹脂量を多くすることで、隔壁層31の上側領域31aにおいて隔壁層31の幅W21をカバー層12に向かって拡大させればよい。さらに現像により、断面視で凹形状に湾曲しており一の端部(上端部310a)がカバー層12に接する斜面311を形成すればよい。
また、露光時において、紫外光の露光方向の調整や、露光装置から放射された光を集光することにより、感光性樹脂層(ネガ型レジストの層)の上部と下部(基板10側)の露光量を同等としてもよい。これにより、現像時において、感光性樹脂層の上部及び下部において溶解されずに残存する樹脂量が多くなる。一方、露光量が少ない感光性樹脂層の中間部分は、現像時において上部及び下部に比べて多くの樹脂が溶解され、残存する樹脂量が少なくなる。
これにより、隔壁層31の上側領域31aの幅W21をカバー層12に向かって拡大させ、且つ隔壁層31の下側領域31bの幅W21を基板10に向かって拡大させることができる。また、隔壁層31の中間領域31cにおける、隔壁層31の幅W21を、上側領域31a、下側領域31bよりも小さくすることができる。
また、現像により、感光性樹脂層の上部において硬化した樹脂の下側の一部を溶解させて余分な樹脂を除去することで、隔壁層31の上側領域31aの側面310に斜面311を形成することができる。また、現像により、感光性樹脂層の下部(基板10側)において硬化した樹脂の上側の一部を溶解させて余分な樹脂を除去することで、隔壁層31の下側領域31bの側面310に斜面313を形成することができる。また例えば、現像時間の現像時間や現像液の濃度等の調整によって斜面311,313を断面視で湾曲した形状とすることができる。
また現像により、感光性樹脂層の高さ方向の中間部分において露光量が少なく硬化が進んでいない部分を溶解させて余分な樹脂を一定量で除去することで、隔壁層31の中間領域31cの側面310に平坦面312を形成することができる。
なお、本開示はこれに限られず、感光性樹脂層による隔壁層をポジ型レストとネガ型レジストとの2層構造としてもよい。具体的には、まず基板10側にポジ型レジストを塗工して露光し、現像によって下側の裾引き形状(下側領域31b)を形成する。その後に下側の裾引き形状の上にネガ型レジストを塗工して露光し、現像によって上側の裾引き形状(上側領域31a)を形成する。このようにして、隔壁層31を2層構造としてもよい。
下側領域31bを形成する際には、感光性樹脂層の基板10側のポジ型レジストで形成された領域では基板10に向かうほど露光量が少ないため溶解しにくく、基板10に向かうほど現像時に残存する樹脂量が多くなる。また、上側領域31aを形成する際には、感光性樹脂層のカバー層12側のネガ型レジストで形成された領域では上述のように上部ほど露光量が多いため硬化が進み、カバー層12が接合される上部ほど残存する樹脂量が多くなる。これにより、隔壁層31のカバー層12側の上側領域31aの幅W21をカバー層12に向かって拡大させ、且つ隔壁層31の基板10側の下側領域31bの幅W21を基板10に向かって拡大させる(隔壁層の上下を裾引き形状とする)ことができる。
またこの場合も上述のように、現像により、隔壁層31の上側領域31aに湾曲した斜面313を形成し、下側領域31bに湾曲した斜面313を形成することができる。
また現像により、隔壁層31の中間領域31cの側面310に平坦面312を形成することができる。
以上説明したように、本変形例によるマイクロ流路チップ3の製造方法においては、樹脂を露光する工程(ステップS3)において、感光性樹脂を、紫外光領域のうち250nm以上350nm以下の波長の光に感光させる。さらに、現像により、隔壁層31の側面310の一部(下側領域31bの側面310)に断面視で凹形状に湾曲しており、一の端部(下端部310b)が基板10に接する斜面311を形成する。また、現像により、隔壁層31の側面310の残余部(上側領域31aの側面310)に、断面視で凹形状に湾曲しており一の端部(上端部310a)がカバー層12に接する第二斜面を形成する。
これにより、隔壁層31と基板10とを接合するための接合領域、および隔壁層31とカバー層12とを接合するための接合領域の面積を拡大し、隔壁層31と基板10との密着性および隔壁層31とカバー層12との密着性が向上されたマイクロ流路チップ3を得ることができる。
2.第二実施形態
(2.1)マイクロ流路チップ100の概要
以下、本開示の第二実施形態に係るマイクロ流路チップについて、図6を用いて説明する。図6は、本開示の第二実施形態に係るマイクロ流路チップ100の一構成例を説明するための断面図である。
マイクロ流路チップ100は、基板10と、基板10上に配置された密着層15と、基板10上に流路部13を形成する隔壁層11と、カバー層12と、を備えている。すなわち、マイクロ流路チップ100は、隔壁層11と基板10との間に密着層15を備える点で、第一実施形態に係るマイクロ流路チップ1と相違する。
(2.2)密着層の構成
以下、密着層15について説明する。なお、密着層15以外の各構成(基板10、隔壁層11、カバー層12及び流路部13)については、マイクロ流路チップ1と同様の構成であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
マイクロ流路チップ100には、基板10と樹脂層(例えば感光性樹脂層)、すなわち隔壁層11との密着性を向上する目的で、基板10上に疎水化表面処理(HMDS処理)を施したり、薄膜の樹脂をコートしてもよい。特に基板10にガラスを用いる場合などは、図6に示すように基板10と隔壁層11(感光性樹脂層)との間に薄膜による密着層15を設けてもよい。この場合、流路部13を流れる流体(例えば液体)は、基板10ではなく密着層15と接することになる。このため、密着層15は、流路部13に導入される流体への耐性を有していればよい。基板10上に密着層15を設けることで、感光性樹脂による流路パターンの解像性向上などへも寄与することができる。
(2.3)変形例
以下、本実施形態の変形例に係るマイクロ流路チップについて、図7および図8を用いて説明する。
(2.3.1)第一変形例
まず、図7を用いて、本実施形態の第一変形例に係るマイクロ流路チップ200の構成について説明する。図7は、本変形例に係るマイクロ流路チップ200の構成例を示す断面模式図である。マイクロ流路チップ200は、上記第一実施形態の第一変形に係るマイクロ流路チップ2に、密着層を追加した構成である。
マイクロ流路チップ200は、基板10と、基板10上に配置された密着層15と、基板10上に流路部23を形成する隔壁層21と、カバー層12と、を備えている。すなわち、マイクロ流路チップ200は、隔壁層21と基板10との間に密着層15を備える点で、第一実施形態の第一変形例に係るマイクロ流路チップ2と相違する。
本変形例における密着層15は、上記第二実施形態に係るマイクロ流路チップ100における密着層15と同等であるため、説明は省略する。密着層15を設けることで、マイクロ流路チップ200において、基板10と樹脂層(例えば感光性樹脂層)、すなわち隔壁層21との密着性を向上することができる。
(2.3.2)第二変形例
次に、図8を用いて、本実施形態の第二変形例に係るマイクロ流路チップ300の構成について説明する。図8は、本変形例に係るマイクロ流路チップ300の構成例を示す断面模式図である。マイクロ流路チップ300は、上記第一実施形態の第二変形に係るマイクロ流路チップ3に、密着層を追加した構成である。
マイクロ流路チップ300は、基板10と、基板10上に配置された密着層15と、基板10上に流路部33を形成する隔壁層31と、カバー層12と、を備えている。すなわち、マイクロ流路チップ300は、隔壁層31と基板10との間に密着層15を備える点で、第一実施形態の第二変形例に係るマイクロ流路チップ2と相違する。
本変形例における密着層15は、上記第二実施形態に係るマイクロ流路チップ100における密着層15と同等であるため、説明は省略する。密着層15を設けることで、マイクロ流路チップ300において、基板10と樹脂層(例えば感光性樹脂層)、すなわち隔壁層31との密着性を向上することができる。
本開示は、研究用途、診断用途、検査、分析、培養などを目的としたマイクロ流路チップにおいて、複雑な製造工程が必要なく上蓋を形成できるマイクロ流路チップ及びその製造方法として好適に使用することができる。
1、2、3、100、200、300 … マイクロ流路チップ
4 … 入力部
5 … 出力部
10 … 基板
11、21、31 … 隔壁層(隔壁部の一例)
11 … 隔壁層
12 … カバー層
13、23、33 … 流路部
15 … 密着層
110、210、310 … 側面
111、211、311、313 … 斜面
130 … 気泡退避領域
212、312 … 平坦面
215、315、317 … 延在部

Claims (12)

  1. 基板と、
    樹脂材料で構成され、前記基板上に設けられて流路を形成する隔壁部と、
    前記隔壁部の前記基板とは反対側の面に設けられて流路を覆うカバー部と、を備え、
    前記隔壁部は、
    単層であって、断面視で前記カバー部に向かって幅が広くなっており、前記流路を形成する側面に設けられ前記カバー部に対して傾斜する斜面、及び該側面において該斜面と接続する平坦面を有し、前記斜面を含む一の領域と前記平坦面を含む他の領域とが一体形成されており、
    前記斜面は、前記隔壁部の前記側面の一部に形成され断面視で凹形状に湾曲しており、
    前記斜面の一の端部が前記カバー部に接している
    ことを特徴とするマイクロ流路チップ。
  2. 前記隔壁部は、前記平坦面を含む前記他の領域において幅が一定である
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
  3. 前記隔壁部は、湾曲した前記斜面を含み前記カバー部の表面に沿って前記流路の横断方向に延在する延在部を有し、
    前記延在部は、前記流路の横断方向に向かって厚みが縮小する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ流路チップ。
  4. 前記流路の幅は、
    前記隔壁部の前記側面のうち湾曲した前記斜面で形成される領域において前記カバー部に近づくに従って連続的に縮小し、前記側面のうち前記平坦面で形成される領域において一定である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロ流路チップ。
  5. 前記隔壁部は、
    湾曲した前記斜面である第一斜面を含む一の領域と、前記平坦面を含む前記他の領域と、前記側面の残余部に設けられた第二斜面を含む残余の領域とを有し、前記平坦面は、前記側面において前記第一斜面と前記第二斜面との間に設けられ、
    前記第二斜面は、断面視で凹形状に湾曲しており、
    前記第二斜面の一の端部は前記基板に接しており、
    前記流路の幅は、
    前記隔壁部の前記側面のうち前記第一斜面を含む前記一の領域において前記カバー部に近づくに従って連続的に縮小し、前記側面のうち前記第二斜面を含む前記残余の領域において前記基板に近づくに従って連続的に縮小し、前記側面のうち前記平坦面で形成される前記他の領域において一定である
    ことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のマイクロ流路チップ。
  6. 前記隔壁部と前記基板との間に密着層が設けられている
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のマイクロ流路チップ。
  7. 前記隔壁部を形成する樹脂材料は、紫外光領域である190nm以上400nm以下の波長の光に対して感光性を有する感光性樹脂である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のマイクロ流路チップ。
  8. 基板上に、樹脂を塗工する工程と、
    塗工した前記樹脂を露光する工程と、
    露光した前記樹脂を現像及び洗浄し、前記基板上において流路を画定する隔壁部を形成する工程と、
    前記隔壁部をポストベーク処理する工程と、
    前記隔壁部の前記基板とは反対側の面にカバー部を接合する工程と、
    を含み、
    前記樹脂を露光する工程において、感光性樹脂を、紫外光領域のうち250nm以上350nm以下の波長の光に感光させ、前記現像により前記基板上の余分な樹脂を除去することで、前記隔壁部を断面視で前記カバー部に向かって幅が広くなる形状とする
    ことを特徴とするマイクロ流路チップの製造方法。
  9. 前記現像により、前記流路を形成する前記隔壁部の側面に、前記カバー部に対して傾斜する斜面を形成する
    ことを特徴とする請求項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  10. 前記現像により、前記隔壁部の前記側面の全体に、平面状の前記斜面を形成する
    ことを特徴とする請求項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  11. 前記現像により前記隔壁部の前記側面の一部に、断面視で凹形状に湾曲しており一の端部が前記カバー部に接する前記斜面を形成する
    ことを特徴とする請求項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  12. 前現像により、湾曲した前記斜面である第一斜面を形成し、さらに前記隔壁部の前記側面の残余部に、断面視で凹形状に湾曲しており一の端部が前記基板に接する第二斜面を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
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