JP7309963B2 - 機器制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、機器制御システムに関する。
電力の固定価格買取制度の終了に伴い、余剰電力を売電するよりも、自宅で消費して買電に要する費用を抑える方が、経済的に有利となる場合が出てくるようになった。そこで、従来、余剰電力を建物内で活用するための各種技術が提案されている。
例えば特許文献1には、予報された気象情報に基づいて決定した太陽光発電装置の発電電力予測値を用いて、特定期間における余剰電力予測値を決定する余剰電力予測手段と、特定期間における、貯湯式給湯装置の消費する装置消費電力予測値を決定する装置消費電力予測手段と、特定期間における、余剰電力予測値が装置消費電力予測値以上となる期間の累積値に基づき、太陽光発電装置からの電力により沸上運転を行うように加熱手段を制御する制御手段と、を有する太陽光発電装置連携貯湯式給湯システムについて記載されている。
特開2018-165596号公報
ところで、実際の気象(天気や気温等)は、予め取得しておいた気象情報が示す通りにならないことがある。しかしながら、特許文献1に記載されたシステムは、こうした気象の変化が生じても、変化前に取得した気象情報に基づいて余剰電力予測値を決定するようになっている。このため、気象情報が示すよりも日照時間が短くなった、単位時間当たりの日照量が少なくなった、あるいは日照のピークがずれた等の場合に、少なくとも一部時間帯で余剰電力が不足してしまう可能性がある。余剰電力が不足すると、必要な時にお湯を使用することができなくなったり、夜間よりも料金の高い昼間の電力を使って貯湯式給湯装置の沸上運転を行わなければならなくなってしまったりすることになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、当日の気象が前日の予報と異なった場合に、電気機器で使用する余剰電力が不足する状態を起こりにくくすることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1~4に示すように、
建物に設置された発電手段1と、
過去の各日における過去気象情報と、過去の各日における日付、曜日及び休日該当性に関するカレンダー情報とを説明変数とし、前記建物Bにおいて過去の各日に消費した電力量である消費電力量を目的変数として機械学習させた学習済モデルM1と、
日に予報された翌日の予報気象情報と、前記翌日の日付、曜日及び休日該当性に関するカレンダー情報とを前記学習済モデルM1に力し、前記建物Bにおいて前記翌日に消費することが予想される電力量である予測消費電力量を前記学習済モデルM1から出力する出力手段21と、
前記出力手段21が出力した前記翌日の前記予測消費電力量に基づいて、前記翌日に前記発電手段1が発電することにより、前記翌日に余剰となることが予想される電力量である予測余剰電力量を算出する算出手段21と、
前記算出手段21が算出した前記翌日の前記予測余剰電力量に基づいて、電気機器3の制御日を前記当日にするか、前記翌日にするかを判断する判断手段21と、
前記判断手段21が判断した前記制御日に前記電気機器3を制御する又は制御情報を前記電気機器3へ送信する機器制御手段21と、を備えることを特徴とする機器制御システム100である。
請求項2に記載の発明は、例えば図1に示すように、
請求項1に記載の機器制御システム100において、
前記電気機器3は、電気給湯機及び蓄電池のうちの少なくとも一方であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、例えば図4に示すように、
請求項1又は請求項2に記載の機器制御システム100において、
予報された前記翌日の日照時間又は日射量に基づいて、前記発電手段1が前記翌日に発電することが予想される電力量である予測発電量を算出する第二算出手段21と、を備え、
前記算出手段21は、前記第二算出手段21が算出した前記予測発電量から前記出力手段21が出力した前記消費電力量を差し引くことにより、前記予測余剰電力量を算出することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の機器制御システム100において、
前記第二算出手段21は、過去の各日におけるカレンダー情報と、過去の各日における発電量の実測データと、過去の各日における日射量の実測データ若しくは推定データ又は日照時間とを説明変数として、過去の各日に消費した電力量を目的変数として機械学習させた第二学習済モデルM2に対して、予報された前記翌日の日照時間又は日照量を入力することによって、前記第二学習済モデルM2から前記予測発電量を出力する。
請求項3に記載の発明によれば、簡単な演算で予想余剰電力量を比較的正確に算出することができる。
本発明によれば、当日の気象が前日の予報と異なった場合に、電気機器で使用する余剰電力が不足する状態を起こりにくくすることができる。
本発明の実施形態に係る機器制御システムを示すブロック図である。 図1の機器制御システムが備える中継装置を示すブロック図である。 図1の機器制御システムが備える制御装置を示すブロック図である。 図3の制御装置が実行する電力管理処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
<1.機器制御システム>
まず、本実施形態に係る機器制御システム(以下、システム100)の概略構成について説明する。
図1は、システム100を示すブロック図である。
システム100は、例えば図1に示すように、発電手段1と、制御装置2と、電気機器3と、を備えている。
また、本実施形態に係るシステム100は、中継装置4を更に備えている。
これらは、通信ネットワークNを介して互いに通信可能となっている。
また、本実施形態に係るシステム100は、通信ネットワークNを介して、気象情報を扱う機関A(例えば、気象情報会社等)とも通信可能となっている。
なお、通信相手となる気象情報を扱う機関A(例えば、気象庁等)は、追加可能となっていてもよい。
発電手段1は、電気を発生させるためのもので、建物Bに設置されている。
本実施形態に係る発電手段1は、建物Bの屋根に設置されたソーラーパネルとなっている。
また、本実施形態に係る発電手段1は、発電量測定部1aを備えている。
発電力測定部1aは、所定時間(例えば30分又は一時間)が経過する毎に、時間発電量を繰り返し測定するようになっている。
「時間発電量」は、過去の所定時間(例えば、測定時の1時間30分前から30分前までの一時間)に発電手段1が実際に発電した電力量である。
なお、発電手段1は、ソーラーパネル以外のもの(例えば、ガス発電機、風力発電機等)であってもよい。
制御装置2は、各種予測値を算出したり、必要に応じて電気機器3を制御したりするためのもので、PCや専用の装置等で構成されている。
また、制御装置2は、データベース2aと接続されている、又はデータベース2aを格納している。
データベース2aには、取得した各種測定値及び算出した各種予測値を含む各種情報が蓄積されている。
この制御装置2の詳細については後述する。
電気機器3は、建物Bに少なくとも一つ設置されている。
電気機器3には、制御装置2の制御対象となる電気機器3と、制御対象外の他の電気機器3と、が含まれる。
本実施形態に係る制御対象の電気機器3は、電気給湯機となっている。
電気給湯器は、ヒートポンプ方式又はハイブリッド(電気とガスを併用する)方式の給湯器となっている。
本実施形態に係る電気給湯器は、後述する予測余剰電力量のデータを取得すると、その予測余剰電力量に基づいて自動的に湯を沸かすように構成されている。
また、本実施形態に係る電気機器3は、消費電力量測定部3aを備えている。
消費電力量測定部3aは、所定時間(例えば30分又は一時間)が経過する毎に、時間消費電力量を測定するようになっている。
「機器時間消費電力量」は、過去の所定時間(例えば、測定時の1時間30分前から30分前までの一時間)に一つの電気機器3が消費した電力量である。
なお、消費電力測定部3aは、少なくとも他の電気機器3に備えられていればよい。
また、消費電力測定部3aは、各電気機器3に備えられるのではなく、建物Bの分電盤や中継装置4に備えられていてもよい。
また、電気機器3は、発電手段1が発生させた電気や電力会社から供給された電気を蓄えておくことが可能であり、必要に応じて電気機器3へ電力を供給することが可能な蓄電池であってもよいし、電気給湯器及び蓄電池であってもよい。
蓄電池における機器時間消費電力量は、過去の所定時間に蓄電した時間電力量ということになる。
中継装置4は、発電手段1及び電気機器3と、制御装置2と、の間でやり取りされる各種情報や各種信号を中継するものである。
この中継装置4の詳細については後述する。
<2.中継装置>
次に、システム100が備える中継装置4について具体的に説明する。
図2は中継装置4を示すブロック図である。
〔中継装置の構成〕
中継装置4は、図2に示すように、第一制御部41と、第一通信部42と、第一記憶部43と、を備えている。
第一制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。
そして、第一制御部41のCPUは、第一記憶部43に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、中継装置4各部の動作を集中制御するようになっている。
第一通信部42は、通信モジュール等で構成されている。
そして、第一通信部42は、通信ネットワークNを介して接続された他の装置(例えば、発電手段1、制御装置2、電気機器3等)との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
第一記憶部43は、不揮発性の半動態メモリーやハードディスク等により構成されている。
また、第一記憶部43は、第一制御部41が実行する各種プログラム等を記憶している。
〔中継装置の動作〕
このように構成された中継装置4の第一制御部41は、以下のような機能を有している。
第一制御部41は、発電手段1から時間発電量を、第一通信部42を介して取得する機能を有している。
また、第一制御部41は、電気機器3のうち少なくとも他の電気機器3から機器時間消費電力量を、第一通信部42を介して取得する機能を有している。
本実施形態に係る第一制御部41は、所定時間(例えば30分)が経過する度(例えば各時の00分,30分)に、これらの値を取得するようになっている。
また、第一制御部41は、建物Bに発電手段1が複数備えられている場合、第一制御部41は、各発電手段1の時間発電量をそれぞれ取得し、その合計値を算出し、その合計値を時間発電量とする。
また、第一制御部41は、建物Bに他の電気機器3が複数備えられている場合、第一制御部41は、各他の電気機器3の機器時間消費電力量をそれぞれ取得し、その合計値を時間消費電力量として算出する。
また、第一制御部41は、制御装置2からの要求に応じて、取得した値や算出した値(時間発電量、時間消費電力量)を、第一通信部42を介して制御装置2へ送信する機能を有している。
また、第一制御部41は、制御装置2から受信した制御信号を、第一通信部42を介して電気機器3へ送信する機能を有している。
<3.制御装置>
次に、システム100が備える制御装置2について具体的に説明する。
図3は制御装置2を示すブロック図、図4は制御装置2が実行する電力管理処理の流れを示すフローチャートである。
〔制御装置の構成〕
制御装置2は、図3に示したように、第二制御部21と、第二通信部22と、第二記憶部23と、を備えている。
第二制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。
そして、第二制御部21のCPUは、第二記憶部23に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、制御装置2各部の動作を集中制御するようになっている。
第二通信部22は、通信モジュール等で構成されている。
そして、第二通信部22は、通信ネットワークNを介して接続された他の装置(例えば、電気機器3等)との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
第二記憶部23は、不揮発性の半動態メモリーやハードディスク等により構成されている。
また、第二記憶部23は、第二制御部21が実行する各種プログラム(後述する電力管理処理を含む)を記憶している。
また、第二記憶部23は、後述する電力管理処理において使用する学習済モデルM1を記憶している。
学習済モデルM1は、過去の一日の過去気象情報及びその日のカレンダー情報を入力とし、建物Bにおいてその日24時間に消費した電力量である消費電力量を出力として機械学習させたものとなっている。
機械学習の具体的手法については後述する。
この「過去気象情報」には、過去の一日の最高気温及び最低気温が含まれる。
本実施形態に係る過去気象情報には、過去の一日の日照時間、日射量、天候(例えば快晴、曇り等)、風向、風速等も含まれる。
また、「カレンダー情報」には、本日の日付、本日の曜日、本日が平日であるか休日であるかの情報等が含まれる。
また、ここでの「消費電力量」は、その日の各時間消費電力量をまとめたものである。
上述したように、時間消費電力量は、他の電気機器3が一時間の間に消費した電力量(合計値)であるため、本実施形態に係る消費電力量は、他の電気機器3がその日24時間に消費した電力量の合計となる。
また、本実施形態に係る第二記憶部23は、第二学習済モデルM2を記憶している。
第二学習済モデルM2は、過去の一日のカレンダー情報、発電量の実測値、及び日射量を入力とし、発電量を出力として機械学習させたものとなっている。
ここでの「発電量」は、その日の各時間発電量をまとめたものである。
〔制御装置の動作〕
このように構成された制御装置2の第二制御部21は、図4に示すような電力管理処理を実行する機能を有している。
本実施形態に係る第二制御部21は、この電力管理処理を、所定時刻(例えば毎夜20~0時の任意のタイミング)になったことを契機として毎日繰り返し実行するようになっている。
この電力管理処理において、第二制御部21は、まず、取得処理を実行する(ステップS1)。
この取得処理において、第二制御部21は、当日に予報された翌日の予報気象情報を取得する。
本実施形態に係る取得処理において、第二制御部21は、気象情報を扱う機関Aから、予報気象情報を、第二通信部22を介して受信する。
この「予報気象情報」には、予報された当日又は翌日の最高気温及び最低気温が含まれる。
本実施形態に係る予報気象情報には、予報された当日又は翌日の日照時間、日射量、天候(例えば、快晴、曇り等)、風向、風速等も含まれる。
また、この取得処理において、第二制御部21は、翌日のカレンダー情報を取得する。
また、本実施形態に係る取得処理において、第二制御部21は、建物Bに備えられた中継装置4から、各種測定値を取得する。
本実施形態に係る取得処理において、第二制御部21は、発電量、消費電力量を取得するようになっている。
各種情報を取得した後、第二制御部21は、出力処理を実行する(ステップS2)。
この出力処理において、第二制御部21は、予測消費電力量を出力する。
この「予測消費電力量」は、翌日の各予測時間消費電力量をまとめたものである。
「予測時間消費電力量」は、翌日の所定時間(例えばn時からの一時間)に電気機器3以外の他の電気機器3が消費することが予想される電力量である。
本実施形態に係る出力処理において、第二制御部21は、予測消費電力量の計算に、機械学習の手法を用いる。
具体的には、第二記憶部23に記憶されている学習済モデルM1を用い、取得処理において取得した、翌日の予報気象情報及び翌日のカレンダー情報を入力として、予測消費電力量を出力する。
学習済モデルM1を得るための機械学習には、大きく分けて回帰と分類があるが、今回のような発電量や消費電力量のような時系列データの予測には回帰を用いる。
回帰でよく用いられる機械学習アルゴリズムとしては、例えばリッジ回帰やラッソ回帰といった線形回帰手法、サポートベクトルマシン、ランダムフォレスト、勾配ブースティング決定木、ニューラルネットワーク、ARIMAモデル、状態空間モデル等がある。
以下、勾配ブースティング決定木を機械学習アルゴリズムとして用いた場合について説明するが、特にこのアルゴリズムに限定するわけではない。
具体的な計算の流れは以下の通りである。
まず、所定期間(過去最大1年)分の過去気象情報、カレンダー情報、発電量、消費電力量の実測データを用いて、所定期間(過去最大1年間)の各日における、過去気象情報、カレンダー情報、当日までの発電量、消費電力量を説明変数、翌日の発電量、消費電力量を目的変数として上記アルゴリズムで機械学習させる。これにより、記憶部23に記憶されている学習済モデルM1が生成される。
そして、予測する時刻以降24時間分の予報気象情報、カレンダー情報、予測する時刻までの発電量、消費電力量を適用データとして学習済モデルM1に読み込ませると、第二制御部21は、予測消費電力量を出力する。
第二制御部21は、このような出力処理を実行することにより出力手段をなす。
各種測定値を取得した後、第二制御部21は、算出処理を実行する(ステップS3)。
この算出処理において、第二制御部21は、出力処理において出力した翌日の予測消費電力量に基づいて、予測余剰電力量を算出する。
この「予測余剰電力量」は、翌日の各予測時間余剰電力量をまとめたものである。
「予測時間余剰電力量」は、翌日の所定時間(例えばn時からの一時間)に発電手段1が発電することにより、翌日に余剰となることが予想される電力量である。
本実施形態に係る算出処理において、第二制御部21は、まず、取得処理において取得した翌日の日照時間又は日照量に基づいて、予測発電量を算出する。
この「予測発電量」は、翌日の各予測時間発電量をまとめたものである。
「予測時間発電量」は、翌日の所定時間(例えばn時からの一時間)に発電手段1が発電していると予想される電力量である。
上述したように、本実施形態に係る発電手段1は、ソーラーパネルである。このため、本実施形態に係る算出処理において、第二制御部21は、予測発電量を算出するようになっている。
本実施形態に係る算出処理において、第二制御部21は、予測発電量の算出を、上記予測消費電力量の場合と同様に機械学習の手法を用いて行う。
具体的な計算の流れは以下の通りである。
まず、所定期間(過去最大1年)分の各日における、カレンダー情報、発電量の実測データ、日射量の実測データまたは推定データを説明変数、翌日の発電量を目的変数として上記アルゴリズムで機械学習させる。これにより、記憶部23に記憶されている第二学習済モデルM2が生成される。
日射量の推定データは、実測の発電量と過去の一日に予報されていた日射量から推定することができる。
そして、予測する日のカレンダー情報、予測する時刻以降24時間の日射量を適用データとして第二学習済モデルM2に読み込ませると、第二制御部21は、予測発電量を出力する。
なお、第二学習済モデルM2の生成や予測消費電力量の生成には、日射量ではなく日照時間を使用してもよい。
予測発電量を算出した後、第二制御部21は、算出した予測発電量から、出力処理において出力した予測消費電力量を差し引くことにより、予測余剰電力量を算出する。
こうすることで、簡単な演算で予想余剰電力量を比較的正確に算出することができる。
本実施形態に係る算出処理において、第二制御部21は、予想余剰電力量を算出した後、予想余剰電力量に基づいて、予測時間余剰電力量が最大となる時間(1時間)を特定し、その時間及びこの特定した時間の前後1時間を含めた3時間分の予測時間余剰電力量を取り出し、制御情報とする。
算出処理において算出した予測余剰電力量(予測時間余剰電力量の推移)の一例を下表1に示す。
この場合、予測時間余剰電力量は14時台が最大値となる。そこで、このような場合には、その前後1時間を含めた3時間分(13時から15時まで)の予測時間余剰電力量を制御情報とする。
Figure 0007309963000001

なお、取り出す予測時間余剰電力量は3時間分に限られず、前後2時間以上の予測時間余剰電力量を取り出してもよい。
例えば、予測時間余剰電力量が最大となる時間を中央にする必要はなく、予測時間余剰電力量が最大となる時間の始まりの時刻(例えば00分)を特定し、特定した時刻を起点とする3時間としてもよい。
第二制御部21は、上述した制御情報の生成を、一日2回行うようになっている。
1回目は、上記算出処理のときであり、夜間の電力単価の安い時間帯が到来するまでに行う。これは、制御対象の電気機器3が電力単価の安い時間帯にお湯の沸き上げ又は蓄電を行うため、これらの動作を電力単価の安い時間帯に全て行うのか、一部または全部を翌日の昼間の余剰電力が発生する時間帯に行うかを事前に判断するためである。
なお、2回目の制御情報の生成については後述する。
第二制御部21は、このような算出処理を実行することにより算出手段をなす。
予測余剰電力量を算出した後、第二制御部21は、判断処理を実行する(ステップS4)。
この判断処理において、第二制御部21は、算出処理において算出した翌日の予測余剰電力量に基づいて、電気機器3の制御日を、当日にするか、翌日にするかを判断する。
本実施形態に係る判断処理において、第二制御部21は、算出した翌日の予測余剰電力量(制御情報)が所定の閾値以上となるか(翌日の余剰電力量が沸き上げや蓄電を行うのに十分な量であるか)否かを判断する。
第二制御部21は、この判断処理を実行することにより判断手段をなす。
この判断処理において、電気機器3の制御日を当日にすると判断した場合(ステップS4:Yes)、第二制御部21は、機器制御処理を実行する(ステップS5)。
この機器制御処理において、第二制御部21は、電気機器3を制御する又は制御情報を前記電気機器3へ送信する。
具体的には、第二通信部22及び中継装置4を介して、電気機器3に予測余剰電力量のデータ(制御情報)を送信する。
すると、電気機器3は、予測余剰電力量に基づいて自動的にお湯を沸かし始める。
また、本実施形態に係る電力管理処理において、第二制御部21は、電気機器3を制御した後、保存処理を実行する(ステップS6)。
この保存処理において、第二制御部21は、取得した各種測定値(発電量、日照時間、消費電力量)、出力・算出した各種予測値(予測発電量、予測消費電力量、予測余剰電力量)及び予測値を算出した日時をデータベースに蓄積させる。
一方、上記判断処理において、電気機器3の制御日を当日にしない、すなわち制御日を翌日にすると判断した場合(ステップS4:No)、第二制御部21は、翌日の所定時刻(例えば朝の6時)になるまで、後述する第二取得処理の実行を待つ。
本実施形態に係る電力管理処理においては、翌日の所定時刻(例えば朝の6時)になるまで、所定時刻になったか否かの判断(ステップS7)を繰り返すようになっている。
なお、上記判断処理において、電気機器3の制御日を翌日にすると判断した後、翌日の所定時刻に所定のトリガーを発するタイマーを起動させ、トリガーを検知するまで電力管理処理を停止するようになっていてもよい。
ステップS6の処理において、翌日の所定時刻になったと判断した場合(ステップS76:Yes)、第二制御部21は、第二取得処理を実行する(ステップS8)。
この第二取得処理において、第二制御部21は、その日に新たに予報されたその日の予報気象情報を取得する。
また、本実施形態に係る第二取得処理において、第二制御部21は、日照時間を併せて取得する。
その日の予報気象情報を取得した後、第二制御部21は、補正処理を実行する(ステップS9)。
この補正処理において、第二制御部21は、前記学習済モデルM1を用い、その日に新たに予報されたその日の予報気象情報を入力として、その日の補正後の予測消費電力量を出力する。
このとき、その日に取得した予報気象情報が前日に取得したものと異なっていれば、出力される補正後の予測消費電力量が前日に出力された値とは異なったものになる。
これにより、第二制御部21は、翌日になってから、出力処理において前日に出力した予測消費電力量を補正したことになる。
このように、本実施形態に係る制御装置2は、翌日に新たに予報されたその日の予報気象情報と学習済モデルM1とによって、より実際の気象を反映させた補正後の予測消費電力量を出力する(予測消費電力量をより正確に補正する)ことができる。
なお、上記取得処理において、取得した予報気象情報や日照時間が、前日に取得したものと同じ又は差異が小さい場合、この補正処理において出力される予測消費電力量が前日に出力されたものと同様になることが予想される。その場合、第二制御部21は、この補正処理、後述する第二算出処理及び決定処理をスキップし、前日に算出した予測余剰電力量に基づいて後述する第二機器制御処理(ステップS12)を実行するようになっていてもよい。
補正処理を実行した後、第二制御部21は、第二算出処理を実行する(ステップS10)。
この第二算出処理において、第二制御部21は、補正後の予測消費電力量に基づいて、補正後の予測余剰電力量を算出する。
補正後の余剰電力量は、予測発電量から補正後の予測消費電力量を差し引くことにより算出する。
本実施形態に係る補正処理において、第二制御部21は、予測発電量を、翌日になってから新たに取得した日照時間又は日照量に基づいて算出する。
また、第二算出処理において、第二制御部21は、2回目の制御情報の生成を行う。
2回目は、昼間の蓄熱または蓄電が行われるまでに行う。
通常は、日射量が多くなる前の朝(例えば9時頃)に行う。これは、前日の判断の結果、昼間のある時間帯に蓄熱または蓄電することになった場合に、気象予報が前日と異なることによってその時間帯に蓄熱または蓄電することが適切でなくなったときに稼働時間をずらすためである。
第二算出処理において算出した予測余剰電力量(予測時間余剰電力量の推移)の一例を下表2に示す。
この場合、翌日の9時時点で気象予報が変わり、午後の天候が悪くなり、余剰電力量が0になってしまっている。また、午前中に比較的余剰電力量が多くなっている。そこで、このような場合には、11時台の前後1時間を含めた3時間分(10時から12時まで)の予測時間余剰電力量を制御情報とする。
Figure 0007309963000002
このように、制御情報を2回生成することにより、すなわち、前日の予測だけでなく、制御直前の再予測を組み合わせることにより、より適切な余剰電力制御が可能となる。
第二制御部21は、この第二算出処理及び上述した算出処理(ステップS3)を実行することにより算出手段をなす。
補正後の予測余剰電力量を算出した後、第二制御部21は、決定処理を実行する(ステップS11)。
この決定処理において、第二制御部21は、第二算出処理において算出した補正後の予測余剰電力量に基づいて、電気機器3の制御時間を決定する。
本実施形態に係る決定処理において、第二制御部21は、必要量のお湯を沸かすことが可能な範囲で、夜(日没)に近い時間からお湯の沸き上げ動作が開始されるような制御時間を決定するようになっている。
お湯は夜間に利用されることが多いため、こうすることで、電気機器3(電気給湯器)が日中からお湯を沸かし始め、その結果、お湯が冷めることを見込んで余分にお湯を沸かしてしまうのを防ぐことができる。
第二制御部21は、このような決定処理を実行することにより決定手段をなす。
制御時間を決定した後、第二制御部21は、第二機器制御処理を実行する(ステップS12)。
この第二機器制御処理において、第二制御部21は、決定処理において決定した制御時間に電気機器3を制御する又は制御情報を前記電気機器3へ送信する。
本実施形態に係る第二機器制御処理において、第二制御部21は、決定処理において決定した制御時間以外の時間帯の余剰電力量の予測値を0[kWh]に修正した予測余剰電力量のデータを電気機器3に送信するようになっている。
電気給湯器は、一日の予測余剰電力量のデータを取得すると、余剰電力が少しでも発生する時刻から直ちに沸き上げ動作を開始するようになっていることが多い。しかし、こうすることで、電気機器3が決定処理において決定した制御時間から沸き上げ動作を開始するようになる。
第二制御部21は、このような第二機器制御処理及び上述した機器制御処理(ステップS5)を実行することにより機器制御手段をなすこととなり、判断処理において判断した制御日に電気機器3を制御する又は制御情報を前記電気機器3へ送信することになる。
また、本実施形態に係る電力管理処理において、第二制御部21は、電気機器3を制御した後、第二保存処理を実行する(ステップS13)。
この第二保存処理において、第二制御部21は、取得した各種測定値(発電量、日照時間、消費電力量)、出力・算出した各種予測値(予測発電量、補正後の予測消費電力量、補正後の予測余剰電力量)及び予測値を算出した日時をデータベースに蓄積させる。
<4.効果>
以上説明してきたシステム100は、電気機器3の制御日を翌日にすると判断した場合に、翌日になってから予測消費電力量を補正する。
このため、システム100によれば、当日の気象が前日の予報と異なった場合に、電気機器で使用する余剰電力が不足する状態を起こりにくくすることができる。より具体的には、電気給湯器お湯が沸かせない状態や、蓄電池に電力を蓄積できない状態を起こりにくくすることができる。
100 機器制御システム
1 発電手段
1a 発電量測定部
2 制御装置
2a データベース
21 第二制御部(出力手段、算出手段、判断手段、機器制御手段、補正手段、決定手段、第二算出手段)
22 第二通信部
23 第二記憶部
3 電気機器
3a 消費電力量測定部
4 中継装置
41 第一制御部
42 第一通信部
43 第一記憶部
A 気象情報を扱う機関
B 建物
M 学習済モデル
N 通信ネットワーク

Claims (4)

  1. 建物に設置された発電手段と、
    過去の各日における過去気象情報と、過去の各日における日付、曜日及び休日該当性に関するカレンダー情報とを説明変数とし、前記建物において過去の各日に消費した電力量である消費電力量を目的変数として機械学習させた学習済モデルと、
    日に予報された翌日の予報気象情報と、前記翌日の日付、曜日及び休日該当性に関するカレンダー情報前記学習済モデルに力し、前記建物において前記翌日に消費することが予想される電力量である予測消費電力量を前記学習済モデルから出力する出力手段と、
    前記出力手段が出力した前記翌日の前記予測消費電力量に基づいて、前記翌日に前記発電手段が発電することにより、前記翌日に余剰となることが予想される電力量である予測余剰電力量を算出する算出手段と、
    前記算出手段が算出した前記翌日の前記予測余剰電力量に基づいて、電気機器の制御日を前記当日にするか、前記翌日にするかを判断する判断手段と、
    前記判断手段が判断した前記制御日に前記電気機器を制御する又は制御情報を前記電気機器へ送信する機器制御手段と、を備えることを特徴とする機器制御システム。
  2. 請求項1に記載の機器制御システムにおいて、
    前記電気機器は、電気給湯機及び蓄電池のうちの少なくとも一方であることを特徴とする機器制御システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の機器制御システムにおいて、
    予報された前記翌日の日照時間又は日照量に基づいて、前記発電手段が前記翌日に発電することが予想される電力量である予測発電量を算出する第二算出手段を備え、
    前記算出手段は、前記第二算出手段が算出した前記予測発電量から前記出力手段が出力した前記消費電力量を差し引くことにより、前記予測余剰電力量を算出することを特徴とする機器制御システム。
  4. 請求項3に記載の機器制御システムにおいて、
    前記第二算出手段は、過去の各日におけるカレンダー情報と、過去の各日における発電量の実測データと、過去の各日における日射量の実測データ若しくは推定データ又は日照時間とを説明変数として、過去の各日に消費した電力量を目的変数として機械学習させた第二学習済モデルに対して、予報された前記翌日の日照時間又は日照量を入力することによって、前記第二学習済モデルから前記予測発電量を出力する
    ことを特徴とする機器制御システム。
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