特許法第30条第2項適用 A.令和4年10月12日~10月14日に、イーデーエム株式会社が、展示会「東京国際包装展 TOKYO PACK 2022」にて、“サーマルプリンタ装置”を展示した。 B.令和4年11月1日に、イーデーエム株式会社が、“サーマルプリンタ装置”(DT2000c)の全国販売を開始した。 C.令和4年11月9日~11月11日に、イーデーエム株式会社が、展示会「第14回 食の国際総合見本市 フードメッセ in にいがた 2022」にて、“サーマルプリンタ装置”(DT2000c)を展示した。 D.令和4年11月16日~11月18日に、イーデーエム株式会社が、展示会「第32回 西日本食品産業創造展 ’22」にて、“サーマルプリンタ装置”(DT2000c)を展示した。 E.令和5年2月28日~3月3日に、イーデーエム株式会社が、展示会「2023 モバックショウ (第28回 国際製パン製菓関連産業展)」にて、“サーマルプリンタ装置”(DT2000c)を展示した。 F.令和5年3月8日~3月10日に、イーデーエム株式会社が、展示会「第9回 インターフェックス 大阪 ―医薬品・化粧品 製造展―」にて、“サーマルプリンタ装置”(DT2000c)を展示した。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係るサーマルプリンタ装置1の全体構成図であって、1台のプリンタ11を用いた場合を示す図である。図2は、第1実施形態に係るサーマルプリンタ装置1において、印字動作中に長尺フィルムFの移送速度を上昇させた場合を示す図である。図3は、第1実施形態のサーマルプリンタ装置1において、印字動作を終了した場合を示す図である。図4は、第1実施形態のサーマルプリンタ装置1の制御ブロック図である。
なお、以下の説明及び図面において、本実施形態においては、図1の左右方向をX方向といい、X方向における一方側(図1における右側)をX1側といい、X方向における他方側(図1における左側)をX2側という。また、上下方向を上下方向Zといい、長尺フィルムFの幅方向であってX方向及びZ方向に直交する方向をY方向という。
第1実施形態のサーマルプリンタ装置1は、例えば、包装機(図示せず)等に組み込まれている。サーマルプリンタ装置1は、包装機(図示せず)等により連続的に移動される包装フィルム等の長尺フィルムF(被印刷物)に、印字(印刷)を行う。
長尺フィルムFは、長尺状のフィルムにより形成される。長尺フィルムFは、例えば、包装機(図示せず)などにより移動される包装フィルムである。長尺フィルムFは、長尺状に形成され、図1に示すように、サーマルプリンタ装置1の系外に配置される包装機(図示せず)などにより、サーマルプリンタ装置1の上流側(X方向のX2側)の系外からサーマルプリンタ装置1に導入されて、サーマルプリンタ装置1の内部を通り、サーマルプリンタ装置1の下流側(X方向のX1側)において、サーマルプリンタ装置1の系外に排出される。
長尺フィルムFの側縁部には、長尺フィルムFの移送方向(搬送方向)における所定間隔ごとに、長尺フィルムFの移送方向の基準位置を示す複数のマーク(図1~図3には図示せず。例えば図16に示すマークM)が印刷されている。
サーマルプリンタ装置1は、図1に示すように、プリンタ11と、印字受けローラとしての印字受けローラ12と、上流側導入ローラ131と、下流側排出ローラ132と、一対のバッファ移動ローラ141,142を有するバッファ構造14と、上流側ガイドローラ151と、下流側ガイドローラ152と、第1エンコーダ161(第1ロータリーエンコーダ、第1移動量検出部)と、第2エンコーダ162(第2ロータリーエンコーダ、第2移動量検出部)と、マーク検出センサ17と、制御部18と、を備える。
プリンタ11は、長尺フィルムFの搬送経路の途中において、長尺フィルムFの搬送経路に対して上方側に対向して配置されている。プリンタ11は、Y方向(長尺フィルムFの幅方向)に移動可能に取り付けられている。
プリンタ11は、プリントヘッドとしてのサーマルヘッド111を備える。サーマルヘッド111は、リボン搬送機構(図示せず)により搬送されるインクリボンR及び長尺フィルムFを挟んで、印字受けローラ12に対向して配置される。サーマルヘッド111は、先端側が下方側に突出するように配置される。サーマルヘッド111は、上下方向Zに移動可能に構成される。サーマルヘッド111は、上流側から下流側に向けて移送される長尺フィルムFに印字(印刷)を行う。
サーマルヘッド111は、移送方向に移送される長尺フィルムFに対向して配置される。サーマルヘッド111は、印字受けローラ12に対して、印字受けローラ12から離間する待機位置(図1参照)又は印字受けローラ12を押圧する押圧位置(図2参照)に移動可能に構成される。
印字受けローラ12は、インクリボンR及び長尺フィルムFを挟んでサーマルヘッド111に対向して配置される。印字受けローラ12は、サーマルヘッド111との間に長尺フィルムFを配置した状態で、長尺フィルムFの少なくとも一部を周面に巻き掛けながら回転可能である。本実施形態においては、印字受けローラ12は、サーマルヘッド111の押圧を受ける機能と、長尺フィルムFをガイドする機能と、モータ122により回転駆動される機能と、を兼ね備えている。
印字受けローラ12には、クラッチ121を介して、モータ122が接続されている。モータ122は、印字受けローラ12を回転駆動可能である。印字受けローラ12は、長尺フィルムFに印字を行うタイミングにおいて、長尺フィルムFの移送速度が所定速度未満の場合に、長尺フィルムFの移送速度が所定速度以上になるように回転するようにモータ122により駆動される。モータ122は、印字受けローラ12を回転させることで、サーマルプリンタ装置1の系外を移送される長尺フィルムFの速度よりも印字受けローラ12を移動される長尺フィルムFの速度が速くなるように長尺フィルムFを移送させることが可能である。
クラッチ121は、モータ122と印字受けローラ12との間に設けられる。本実施形態においては、クラッチ121は、ワンウェイクラッチにより構成され、モータ122からの回転駆動力を、印字受けローラ12に伝達する連結状態に、又は、印字受けローラ12に伝達しない非連結状態に、切り替え可能である。
本実施形態においては、クラッチ121は、長尺フィルムFの移送速度が所定速度以上である場合に、非連結状態に切り替えられて、モータ122からの回転駆動力は印字受けローラ12に伝達されずに、長尺フィルムFは、そのままの移送速度で移送される。また、クラッチ121は、長尺フィルムFの移送速度が所定速度未満である場合に、連結状態に切り替えられて、モータ122からの回転駆動力が印字受けローラ12に伝達されて、長尺フィルムFは、モータ122からの回転駆動力により、所定速度以上の移送速度で移送される。
第1エンコーダ161は、印字受けローラ12に設けられる。第1エンコーダ161は、長尺フィルムFの移動量を検出する。第1エンコーダ161は、例えば、ロータリーエンコーダにより構成される。
第1エンコーダ161は、長尺フィルムFが印字受けローラ12に巻きかけられた位置において、長尺フィルムFが移送されることで、長尺フィルムFの移動量を検出する。第1エンコーダ161は、長尺フィルムFが移送されることにより、長尺フィルムFの移動量を回転量として検出して、パルス信号として出力する。第1エンコーダ161から出力されたパルス信号は、制御部18(後述)に入力される。これにより、制御部18は、第1エンコーダ161により検出されたパルス信号から長尺フィルムFの速度を換算して、長尺フィルムFの移送速度を算出することができる。第1エンコーダ161により検出された位相のパルス信号は、長尺フィルムFの移動量に換算できる。
上流側導入ローラ131は、一対のバッファ移動ローラ141,142の上流側において、サーマルプリンタ装置1の系外からサーマルプリンタ装置1に導入された長尺フィルムFを移送する。下流側排出ローラ132は、一対のバッファ移動ローラ141,142の下流側において、サーマルプリンタ装置1の系外に排出する。
一対のバッファ移動ローラ141,142は、長尺フィルムFの移送速度が、系外を移送される長尺フィルムFよりも速い移送速度に変更されて、長尺フィルムFに弛みが生じた場合に、長尺フィルムFの弛みを吸収するバッファ構造14を構成する。一対のバッファ移動ローラ141,142は、X方向に離間して配置される。
一対のバッファ移動ローラ141,142は、上流側バッファ移動ローラ141と、下流側バッファ移動ローラ142と、一対のバッファ移動ローラ141,142を連結する連結部材143と、を有する。
連結部材143は、一対のバッファ移動ローラ141,142の間に配置され、X方向に延びて形成される。連結部材143は、X方向に離間する一対のバッファ移動ローラ141,142を連結する。これにより、一対のバッファ移動ローラ141,142は、連結部材143に連結された状態で、X方向に一体的に移動可能である。
一対のバッファ移動ローラ141,142の移動範囲は、基準位置X0からX方向のX2側の所定位置までの範囲である。本実施形態においては、基準位置X0は、一対のバッファ移動ローラ141,142の移動範囲において、X方向のX1側の端部の位置である。
印字受けローラ12を移動される長尺フィルムFの移送速度がサーマルプリンタ装置1の系外を移送される長尺フィルムFの移送速度よりも速い速度に変更されると、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142がX2側に移動されて、長尺フィルムFの弛みを吸収する。同時に、一対のバッファ移動ローラ141,142は、一体的に構成されるため、一体的に基準位置X0からX2側に移動される。そのため、一対のバッファ移動ローラ141,142における上流側バッファ移動ローラ141も基準位置X0からX2側に移動されて、上流側バッファ移動ローラ141に巻き掛けられた長尺フィルムFをX2側に緩める。
これにより、長尺フィルムFの移送経路において、一対のバッファ移動ローラ141,142が移動されることで、上流側導入ローラ131から、印字受けローラ12を経由して、下流側排出ローラ132までの間のバッファ機構内に配置される長尺フィルムFの長さが変化しないように構成される。本実施形態においては、一対のバッファ移動ローラ141,142の移動範囲は、X方向において、例えば、長尺フィルムFの移送速度を印字性能を確保できる移送速度に上昇させた場合に、印字受けローラ12の下流側において長尺フィルムFが弛む最大長さを吸収可能な移動範囲に設定されている。
上流側バッファ移動ローラ141は、X方向のX2側に配置され、上流側ガイドローラ151を介して印字受けローラ12に向けて移送される長尺フィルムFを印字受けローラ12の上流側においてガイドする。下流側バッファ移動ローラ142は、X方向のX1側に配置され、下流側ガイドローラ152を介して印字受けローラ12から移送される長尺フィルムFを印字受けローラ12の下流側においてガイドする。
上流側ガイドローラ151及び下流側ガイドローラ152は、印字受けローラ12と一対のバッファ移動ローラ141,142との間において、印字受けローラ12の上流側及び下流側に配置され、X方向に離間して配置される。上流側ガイドローラ151は、印字受けローラ12と上流側バッファ移動ローラ141との間に配置され、長尺フィルムFを印字受けローラ12の上流側においてガイドする。下流側ガイドローラ152は、印字受けローラ12と下流側バッファ移動ローラ142との間に配置され、長尺フィルムFを印字受けローラ12の下流側においてガイドする。
以上のように、上流側導入ローラ131、上流側バッファ移動ローラ141、上流側ガイドローラ151、印字受けローラ12、下流側ガイドローラ152、下流側バッファ移動ローラ142及び下流側排出ローラ132が構成されることにより、長尺フィルムFを、上流側導入ローラ131、上流側バッファ移動ローラ141、上流側ガイドローラ151、印字受けローラ12、下流側ガイドローラ152、下流側バッファ移動ローラ142、下流側排出ローラ132の順に巻き掛ける。これにより、長尺フィルムFの移送経路が構成される。
以上の長尺フィルムFの移送経路では、長尺フィルムFへの印字タイミングにおいて、一対のバッファ移動ローラ141,142は、長尺フィルムFの移送速度が、系外を移送される長尺フィルムFよりも速い移送速度に上昇されて長尺フィルムFに弛みが生じた場合に、長尺フィルムFの弛みを吸収する。具体的には、一対のバッファ移動ローラ141,142の下流側バッファ移動ローラ142は、サーマルプリンタ装置1の系外を移送される長尺フィルムFの速度よりも印字受けローラ12を移動される長尺フィルムFの速度が速くなるように長尺フィルムFを移送させるようにモータ122が駆動された場合に、印字受けローラ12の下流側において長尺フィルムFの弛みを吸収するように基準位置X0からX2側に移動する。
詳細には、サーマルプリンタ装置1には、包装機により移送される長尺フィルムFが導入される。本実施形態においては、包装機は、長尺フィルムFを例えば5m/minの速さで移送している。サーマルプリンタ装置1には、5m/minの速さで移送される長尺フィルムFが導入される。
図1に示すように、長尺フィルムFに印字を行わない場合は、搬送経路のどの位置においても、長尺フィルムFの移送速度が、包装機(図示せず)のフィルム搬送部(図示せず)に移送される移送速度と同じ速度である。そのため、一対のバッファ移動ローラ141,142は、基準位置X0に位置した状態を維持している。
包装機により移送された長尺フィルムFが導入されたサーマルプリンタ装置1において、長尺フィルムFに印字を行わない場合は、図1に示すように、印字受けローラ12を回転駆動するモータ122を駆動しない。そのため、長尺フィルムFは、サーマルプリンタ装置1の長尺フィルムFの移送経路を、例えば、包装機により移送された長尺フィルムFの移送速度と同じ5m/minの速度で移送される。
サーマルプリンタ装置1において、長尺フィルムFに印字を行う場合には、図2に示すように、制御部18は、印字受けローラ12を回転駆動するモータ122を駆動して(モータ122をON)、印字受けローラ12を、印字性能が確保できるように、例えば8m/minに上昇させる。
長尺フィルムFに印字を行う場合には、長尺フィルムFの移動速度を所定速度(例えば強制手繰り速度8m/min)に上昇させると、図2に示すように、長尺フィルムFは印字受けローラ12により引っ張られて、印字受けローラ12の上流側及び下流側において、移送速度が上昇する。長尺フィルムFの速度を所定速度(例えば強制手繰り速度8m/min)に上昇させることで、長尺フィルムFは印字受けローラ12の回転により下流側に向けて引っ張られる。
長尺フィルムFが印字受けローラ12の回転により下流側に向けて引っ張られることで、図2に示すように、印字受けローラ12の下流側において、下流側バッファ移動ローラ142は、長尺フィルムFの弛みを手繰るように、基準位置X0から、X方向のX2側に移動される。そして、下流側バッファ移動ローラ142が移動されることで、一対のバッファ移動ローラ141,142は、同時に、基準位置X0から、X方向のX2側に移動される。
このように、長尺フィルムFの移送速度を系外の長尺フィルムFの移送速度よりも速くなるように上昇させた場合に、長尺フィルムFの移送経路において、一対のバッファ移動ローラ141,142がX方向に移動されることで、上流側導入ローラ131から、印字受けローラ12を経由して、下流側排出ローラ132までの間のバッファ機構内に配置される長尺フィルムFの長さが変化しない状態で、長尺フィルムFの弛みを吸収できる。
印字動作の実行後、図3に示すように、印字受けローラ12を回転駆動するモータ122の駆動をブレーキをかけた状態で停止させる(モータ122をOFF)。これにより、包装機による長尺フィルムFの移送に伴い、長尺フィルムFが排出する側に引き出されて、図3に示すように、一対のバッファ移動ローラ141,142の下流側バッファ移動ローラ142が、図3に示すX方向のX2側の位置から、X方向のX1側の基準位置X0側に移動される。
本実施形態においては、包装機(図示せず)のフィルム搬送部(図示せず)による長尺フィルムFの移送速度に対して長尺フィルムFの印字速度を速くすることを考慮して、一対のバッファ移動ローラ141,142が移動しても上流側バッファ移動ローラ141から印字受けローラ12を経由して下流側バッファ移動ローラ142までの間のバッファ機構内の長尺フィルムFの長さが変化しないように一対のバッファ移動ローラ141,142が配置されている。
これにより、一対のバッファ移動ローラ141,142は、サーマルプリンタ装置1の系外を移送される長尺フィルムFの速度よりも印字受けローラ12を移動される長尺フィルムFの速度が速くなるように長尺フィルムFを移送させるようにモータ122が駆動された場合に、印字受けローラ12から上流側バッファ移動ローラ141までの長尺フィルムFの長さが短くなる方向で、且つ、印字受けローラ12から下流側バッファ移動ローラ142までの長尺フィルムFの長さが長くなる方向に、一体的に移動される。
つまり、包装機(図示せず)のフィルム搬送部(図示せず)による長尺フィルムFの移送速度に対して、印字受けローラ12が回転駆動されて移送される長尺フィルムFの印字速度が速い場合には、一対のバッファ移動ローラ141,142は、基準位置X0からX方向のX2側に移動されていく。これにより、長尺フィルムFの移送速度と印字速度との速度差を吸収し、一対のバッファ移動ローラ141,142が移動しても、上流側バッファ移動ローラ141、上流側ガイドローラ151、印字受けローラ12、下流側ガイドローラ152及び下流側バッファ移動ローラ142に至るまでのバッファ機構内の長さが変化しないように一対のバッファ移動ローラ141,142が配置されているため、本発明に係るサーマルプリンタ装置1における長尺フィルムFの印字時の移送制御を、包装機(図示せず)のフィルム搬送部(図示せず)による長尺フィルムFの移送制御から切り離すことができる。これにより、包装機から供給される長尺フィルムFに対して、安定した状態で印字を行うことができる。
第2エンコーダ162は、上流側導入ローラ131の更に上流側の位置において、サーマルプリンタ装置1の上流側の系外に配置される包装機などから上流側導入ローラ131に導入される長尺フィルムFの移動量を検出する。第2エンコーダ162は、長尺フィルムFが移送されることで、長尺フィルムFの移動量を検出する。第2エンコーダ162は、長尺フィルムFが移送されることにより、長尺フィルムFの移動量を回転量として検出して、パルス信号として出力する。第2エンコーダ162から出力されたパルス信号は、制御部18(後述)に入力される。これにより、制御部18は、第2エンコーダ162により検出されたパルス信号から長尺フィルムFの速度を換算して、長尺フィルムFの移送速度を算出することができる。第2エンコーダ162により検出された位相のパルス信号は、長尺フィルムFの移動量に換算できる。
マーク検出センサ17は、下流側排出ローラ132の更に下流側の位置において、長尺フィルムFの移動経路上に配置されている。マーク検出センサ17は、長尺フィルムF上において所定間隔ごとに印字された複数のマーク(図1~図3において図示せず)(基準位置)が位置した場合に、マークを検出したことを示す検出信号を出力する。マーク検出センサ17から出力されたマークを検出した検出信号は、制御部18(後述)に入力される。本実施形態においては、マーク検出センサ17がマークを検出した検出信号は、印字を行う場合に外部から制御部18に入力される印字信号となる。
サーマルプリンタ装置1は、上述した構成要素に加えて、制御部18を備える。制御部18は、印字受けローラ12を回転駆動するモータ122の駆動を制御すると共に、サーマルヘッド111による印字動作を制御する。制御部18は、図4に示すように、印字制御部181と、遅延制御部182と、を有する。
印字制御部181は、サーマルプリンタ装置1の印字動作を制御する。印字制御部181は、マーク検出センサ17により検知された印字指令を受信した場合、長尺フィルムFの移送速度を所定速度になるように、印字受けローラ12を回転させるように、モータ122を駆動する。本実施形態のサーマルプリンタ装置1は、長尺フィルムFの速度が一定速度以上でないと、印字品質を保つことができない。そのため、印字制御部181は、長尺フィルムFの移送速度を所定速度になるように、印字受けローラ12を回転させるように、モータ122を駆動する。
本実施形態においては、例えば、サーマルプリンタ装置1は、長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度8m/min以上でないと印字品質を保てないため、長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度8m/minになるように、印字受けローラ12を回転させるように、モータ122を駆動する。なお、例えば、5m/minの速度で移送される長尺フィルムFがサーマルプリンタ装置1の系外の包装機などから導入された場合には、サーマルヘッドは、強制手繰り速度8m/minの速度に上昇された長尺フィルムFに対して印字動作を行う。また、例えば、10m/minの速度で移送される長尺フィルムFがサーマルプリンタ装置1の系外の包装機などからサーマルプリンタ装置1に導入された場合には、クラッチ121が非連結状態になり、モータ122の駆動力は印字受けローラ12には伝達されずに、長尺フィルムFはそのまま10m/minの速度で移送され、印字受けローラ12は、長尺フィルムFの移送に伴って従動回転する。
印字制御部181は、サーマルヘッド111の動作を制御する。印字制御部181は、サーマルヘッド111を、印字受けローラ12から離間する待機位置(図1参照)又は印字受けローラ12を押圧する押圧位置(図2参照)に移動するように制御する。印字制御部181は、サーマルヘッド111の所望の発熱素子が発熱するように、サーマルヘッド111に通電させるように制御する。
遅延制御部182は、印字時において、印字信号の受信時に下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置する場合に、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが予め設定された基準遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する。
また、遅延制御部182は、印字信号の受信時に下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0から移動して長尺フィルムFの弛みを吸収した場合に、下流側バッファ移動ローラ142の基準位置X0からの移動距離に応じた長尺フィルムFの弛み分の手繰り量(長尺フィルム吸収長さ)を算出すると共に、基準遅延距離から手繰り量(長尺フィルム吸収長さ)を減算した実際遅延距離を算出し、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する。
遅延制御部182は、長尺フィルムFの速度が上昇された場合において、第1エンコーダ161及び第2エンコーダ162から出力される位相のパルス信号の位相差から長尺フィルムFの弛み長さを演算することで、下流側バッファ移動ローラ142の基準位置X0からの移動距離に応じた長尺フィルムFの弛み分の手繰り量(長尺フィルム吸収長さ)を算出することができる。
従来、サーマルプリンタ装置1の系外から導入される長尺フィルムFに印字を行う場合に、印字品質を確保するため、長尺フィルムFの移送速度を上昇させて印字を行っていた。長尺フィルムFの移送速度を上昇させて印字を行う場合には、長尺フィルムFが一対のバッファ移動ローラ141,142の下流側バッファ移動ローラ142に引っ張られて(手繰られて)、実際の印字位置が、狙いの印字位置よりも上流側に位置することがあり、印字位置の位置ずれが生じることがあり、印字位置の位置ずれを抑制できることが望まれていた。
しかし、長尺フィルムFの移送速度がサーマルプリンタ装置1の系外から導入される長尺フィルムFの移送速度よりも速くなったことで、実際の印字位置が狙いの印字位置よりも上流側になるため、長尺フィルムFが先送りされる下流側の位置に印字を行う制御をするためには、印字信号が入力される前に印字動作を実行しなければならず、印字位置の位置ずれを解消することが難しかった。
これに対して、本発明では、印字信号の受信時にサーマルプリンタ装置1の系外を移送される長尺フィルムFの速度と印字時の長尺フィルムFの速度が同じ場合である下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置する場合において、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが予め設定された基準遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始するように制御する。そして、印字信号の受信時にサーマルプリンタ装置1の系外を移送される長尺フィルムFの速度よりも印字時の長尺フィルムFの速度が速い場合である下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0からX2側に移動した場合において、その予め設定された基準遅延距離から先送りされる進行距離の分だけ差し引いた距離を、実際遅延距離として計算して、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始するように制御するものである。
これにより、サーマルプリンタ装置1の系外を移送される長尺フィルムFの速度よりも印字時の長尺フィルムFの速度が速い場合である下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0からX2側に移動した場合に、予め設定された基準遅延距離から先送りされる進行距離の分だけ差し引いた距離を、実際遅延距離として計算して、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始するように制御することで、狙いの印字位置に印字を行うことができる。
次に、図5及び図6を参照して、サーマルプリンタ11が1台(サーマルヘッド111が1つ)の場合の遅延調整制御について説明する。図5及び図6は、各制御例において遅延調整制御のタイミングを示すタイミングチャートである。
まず、図5により、第1実施形態の第1制御例について説明する。第1実施形態の第1制御例は、サーマルプリンタ装置1においてサーマルプリンタ11が1台(サーマルヘッド111が1つ)の場合において、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)が0mmの場合の遅延調整制御である。
図5に示すように、タイミングt111aにおいて、制御部18には、1回目の印字信号が入力されている。タイミングt111aにおいては、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置しており(図1参照)、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は0mmである。そのため、遅延制御部182は、長尺フィルムFを基準遅延距離100mmだけ移送させた後に、タイミングt111bにおいて印字動作を開始し、タイミングt111cにおいて印字動作を終了する。
ここで、印字時において印字品質を保持するため、タイミングt111bからタイミングt111cにおいては、長尺フィルムFの包装機の搬送速度V1=5m/minが強制手繰り速度V2=8m/minに上昇されている。長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度8m/minに上昇されるため、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142は、基準位置X0からX2側に移動して、長尺フィルムFの弛みを吸収する(図2参照)。これにより、図5に示すように、手繰り量は、タイミングt111bからタイミングt111cまで右上がりに上昇している。
タイミングt111cにおいて、印字動作が終了することで、長尺フィルムFの移送速度が0m/minに制御され、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が、サーマルプリンタ装置1の系外の長尺フィルムFの移送速度で引っ張られることで、X1側に移動され、基準位置X0に向けて移動される(図3参照)。これにより、図5に示すように、手繰り量は、タイミングt111cからタイミングt111dまで右下がりに下降している。
タイミングt111dにおいて、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が、基準位置X0に到達して、長尺フィルムFは、系外の長尺フィルムFの移送速度と同じ移送速度V1=5m/minで移送される。
1回の印字信号の入力後、タイミングt112aにおいて、2回目の印字信号が入力され、タイミングt113aにおいて、3回目の印字信号が入力され、タイミングt114aにおいて、4回目の印字信号が入力される。2回目~4回目に入力された印字信号は、いずれも、印字信号入力時の下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は0mmである。2回目~4回目の印字信号が入力された場合の遅延調整制御は、1回目の印字信号が入力された際と同様の遅延調整制御であるため、1回目の印字動作の制御の説明を援用して、その説明を省略する。
次に、図6により、第1実施形態の第2制御例について説明する。第1実施形態の第2制御例は、サーマルプリンタ装置1のサーマルヘッド111が1つの場合において、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)が0mmよりも大きい場合の遅延調整制御である。
図6に示すように、タイミングt121aにおいて、制御部18には、1回目の印字信号が入力されている。タイミングt121aにおいては、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置しており(図1参照)、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は0mmである。1回目の印字信号が入力された場合の遅延調整制御は、図5のタイミングt111aにおいて1回目の印字信号が入力された際と同様の遅延調整制御であるため、その説明を省略する。
1回目の印字信号の入力後、タイミングt122aにおいて、制御部18には、2回目の印字信号が入力されている。タイミングt122aにおいては、1回目の印字動作の後において、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142がX1側に移動して基準位置X0に戻る途中の手繰り量が30mmの位置に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は30mmである。
そのため、遅延制御部182は、基準遅延距離100mmから手繰り量30mmを減算した70mmを実際遅延距離とし、長尺フィルムFを実際遅延距離70mmだけ移送させた後に、タイミングt122bにおいて印字動作を開始し、タイミングt122cにおいて印字動作を終了する。
ここで、印字時において印字品質を保持するため、タイミングt122bからタイミングt122cにおいては、長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度V2=8m/minに上昇されている。長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度8m/minに上昇されるため、一対のバッファ移動ローラ141,142の下流側バッファ移動ローラ142は、基準位置X0からX2側に移動して、長尺フィルムFの弛みを吸収する。これにより、図6に示すように、手繰り量は、タイミングt122bからタイミングt122cまで右上がりに上昇している。
タイミングt122cにおいて、印字動作が終了することで、長尺フィルムFの移送速度が0m/mimに制御され、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が、サーマルプリンタ装置1の系外の長尺フィルムFの移送速度で引っ張られることで、X1側に移動され、基準位置X0に向けて移動される(図3参照)。これにより、図6に示すように、手繰り量は、タイミングt122cからタイミングt122dまで右下がりに下降している。
タイミングt122dにおいて、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が、基準位置X0に到達して、長尺フィルムFは、系外の長尺フィルムFの移送速度と同じ移送速度V1=5m/minで移送される。
2回目の印字信号の入力後、タイミングt123aにおいて、3回目の印字信号が入力され、タイミングt124aにおいて、4回目の印字信号が入力される。3回目及び4回目に入力された印字信号は、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は10mm、30mmである。そのため、3回目及び4回目の印字信号が入力された場合の遅延調整制御は、2回目の印字信号が入力された際と同様に、手繰り量(10mm、30mm)を考慮して、遅延制御部182は、基準遅延距離100mmから手繰り量(10mm、30mm)を減算した実際遅延距離90mm、70mmとして、長尺フィルムFを実際遅延距離90mm、70mmだけ移送させた後に印字動作を開始する。
第1実施形態のサーマルプリンタ装置1によれば、例えば、以下の効果が奏される。
本実施形態のサーマルプリンタ装置1は、サーマルヘッド111と、印字受けローラ12と、印字受けローラ12を移動される長尺フィルムFの速度が速くなるように長尺フィルムFを移送させることが可能なモータ122と、印字受けローラ12の下流側において長尺フィルムFの弛みを吸収するように基準位置X0から移動する下流側バッファ移動ローラ142と、制御部18と、を備え、制御部18は、印字時において、(i)印字信号の受信時に下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置する場合に、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが予め設定された基準遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行し、(ii)印字信号の受信時に下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0から移動して長尺フィルムFの弛みを吸収した場合に、下流側バッファ移動ローラ142の基準位置X0からの移動距離に応じた長尺フィルムFの弛み分の手繰り量(長尺フィルム吸収長さ)を算出すると共に、基準遅延距離から手繰り量(長尺フィルム吸収長さ)を減算した実際遅延距離を算出し、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する。
そのため、下流側バッファ移動ローラ142の基準位置X0からの移動距離に応じた長尺フィルムFの弛み分の手繰り量を算出すると共に、基準遅延距離から手繰り量を減算した実際遅延距離を算出し、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始するため、印字位置の位置ずれを抑制できる。
また、本実施形態においては、一対のバッファ移動ローラ141,142は、サーマルプリンタ装置1の系外を移送される長尺フィルムFの速度よりも印字受けローラ12を移動される長尺フィルムFの速度が速くなるように長尺フィルムFを移送させるようにモータ122が駆動された場合に、印字受けローラ12から上流側バッファ移動ローラ141までの長尺フィルムFの長さが短くなる方向で、且つ、印字受けローラ12から下流側バッファ移動ローラ142までの長尺フィルムFの長さが長くなる方向に、一体的に移動される。これにより、一対のバッファ移動ローラ141,142が移動しても、バッファ機構内の長さが変化しないように一対のバッファ移動ローラ141,142が配置されているため、本発明に係るサーマルプリンタ装置1における長尺フィルムFの印字時の移送制御を、包装機(図示せず)のフィルム搬送部(図示せず)による長尺フィルムFの移送制御から切り離すことができる。これにより、包装機から供給される長尺フィルムFに対して、安定した状態で印字を行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図7を参照して説明する。
図7に示すように、第2実施形態のサーマルプリンタ装置1Aは、第1実施形態のサーマルプリンタ装置1と比べて、上流側導入ローラ131及び上流側ガイドローラ151を有していない点と、バッファ構造14Aの構成と、第2エンコーダ162Aの位置とが主に異なる。第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
第2実施形態のサーマルプリンタは、印字受けローラとしての印字受けローラ12と、下流側バッファ移動ローラ142Aを有するバッファ構造14Aと、下流側ガイドローラ152と、下流側排出ローラ132と、第1エンコーダ161(第1ロータリーエンコーダ、第1移動量検出部)と、第2エンコーダ162A(第2ロータリーエンコーダ、第2移動量検出部)と、マーク検出センサ17と、制御部18Aと、を備える。
第2実施形態において、第1実施形態の上流側導入ローラ131及び上流側ガイドローラ151を有していない。第2実施形態のバッファ構造14Aは、第1実施形態のバッファ構造14が上流側バッファ移動ローラ141及び下流側バッファ移動ローラ142を備えているのに対して、上流側バッファ移動ローラ141を備えておらず、下流側バッファ移動ローラ142Aにより構成されている。
第2実施形態においては、印字受けローラ12の上流側にはローラ等は配置されておらず、印字受けローラ12の下流側に、下流側ガイドローラ152、バッファ構造14Aの下流側バッファ移動ローラ142A及び下流側排出ローラ132が、この順に配置されている。
バッファ構造14Aの下流側バッファ移動ローラ142Aは、第1実施形態のバッファ構造14の下流側バッファ移動ローラ142と同様に、基準位置X0からX2側に移動可能に構成される。バッファ構造14Aの下流側バッファ移動ローラ142Aは、X2方向に自重又はバネ等により付勢されている。バッファ構造14Aの下流側バッファ移動ローラ142Aは、長尺フィルムFの移送速度が、系外を移送される長尺フィルムFよりも速い移送速度に変更されて、長尺フィルムFに弛みが生じた場合に、バッファ構造14Aの下流側バッファ移動ローラ142AがX2方向に自重又はバネ等により付勢されているため、長尺フィルムFの弛みを吸収する。
第2エンコーダ162Aは、下流側排出ローラ132の更に下流側の位置において、サーマルプリンタ装置1Aの下流側の系外に排出される長尺フィルムFの移動量を検出する。
第2実施形態の制御部18Aは、第1実施形態の制御部18と同様に、印字制御部181と、遅延制御部182と、を有する。印字制御部181、遅延制御部182は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
第2実施形態においては、第2エンコーダ162Aの位置が第1実施形態の第2エンコーダ162の位置と異なっているが、系内を移送される長尺フィルムFの位相と系外を移送される長尺フィルムFの位相との位相差を演算する点において同様である。そのため、遅延制御部182は、第1実施形態と同様に、長尺フィルムFの速度が上昇された場合において、長尺フィルムFの弛み長さを演算し、印字開始を遅延させる制御における印字開始を遅延させるための遅延距離を計算する。
第2実施形態におけるその他の構造や動作や制御等は、第1実施形態と同様であるため、第1実施形態の説明を援用して、その説明を省略する。
第2実施形態のサーマルプリンタ装置1Aにおいても、第1実施形態のサーマルプリンタ装置1と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図8を参照して説明する。第3実施形態のサーマルプリンタ装置1Bは、第1実施形態のサーマルプリンタ装置1においてプリンタ11が1つであったのに対して、2つのAプリンタ11A及びBプリンタ11Bが長尺フィルムFの移送方向に2つ並んで設けられる点が主に異なる。2つのAプリンタ11A及びBプリンタ11Bは、上流側に設けられるAプリンタ11Aと、下流側に設けられるBプリンタ11Bである。第3実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
第3実施形態のサーマルプリンタ装置1Bは、図8に示すように、Aプリンタ11Aと、Aプリンタ11Aに対向して配置される印字受けローラ12Aと、Bプリンタ11Bと、Bプリンタ11Bに対向して配置される印字受けローラとしての印字受けローラ12Bと、印字受けローラ12Aと印字受けローラ12Bとの間に配置される中間ガイドローラ153と、上流側導入ローラ131と、下流側排出ローラ132と、一対のバッファ移動ローラ141,142を有するバッファ構造14Bと、上流側ガイドローラ151と、下流側ガイドローラ152と、第1エンコーダ161(第1ロータリーエンコーダ、第1移動量検出部)と、第2エンコーダ162(第2ロータリーエンコーダ、第2移動量検出部)と、マーク検出センサ17と、制御部18Bと、を備える。
Aプリンタ11A及びBプリンタ11Bは、長尺フィルムFの搬送経路の途中の位置において、第1実施形態のプリンタ11に代えて、2つのAプリンタ11A及びBプリンタ11Bが、長尺フィルムFの移送方向に並んで所定距離離れて配置されている。
第3実施形態において、Aプリンタ11A及びBプリンタ11Bは、長尺フィルムFの移送方向に並んで配置することで、一方又は他方のプリンタ11A,11Bが故障した場合に、一方から他方に又は他方から一方にプリンタを切り替えたり、一方又は他方のプリンタ11A,11Bのインクリボンの残量が少なくなった場合に、一方から他方に又は他方から一方にプリンタを切り替えたりすることで、サーマルプリンタ装置1Bを停止させずに印字動作を続けることができるため、包装機等のラインを止めずに、印字動作を継続できる。
第3実施形態において、Aプリンタ11Aに対向して配置される印字受けローラ12Aは、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111A(第1プリントヘッド)の押圧を受ける機構と、長尺フィルムFをガイドする機能と、を有しているが、回転駆動する機能を有しておらず、長尺フィルムFの移送により従動的に回転するローラである。
また、第3実施形態において、Bプリンタ11Bに対向して配置される第2印字受けローラ12Bは、第1実施形態の印字受けローラ12と同様に、回転駆動するローラである。本実施形態においては、印字受けローラ12Bは、第1実施形態の印字受けローラ12と同様に、サーマルヘッド111B(第2プリントヘッド)の押圧を受ける機能と、長尺フィルムFをガイドする機能と、モータ122により回転駆動される機能と、を兼ね備えている。第2印字受けローラ12Bには、第1実施形態の印字受けローラ12Bと同様に、クラッチ121を介して、モータ122が接続されている。モータ122は、印字受けローラ12Bを回転駆動可能である。
また、第3実施形態において、一対のバッファ移動ローラ141,142を有するバッファ構造14Bの移動範囲が、第1実施形態の一対のバッファ移動ローラ141,142を有するバッファ構造14Bの移動範囲よりも、広い移動範囲に設定されている。第3実施形態の一対のバッファ移動ローラ141,142を有するバッファ構造14Bの基準位置X0は、第1実施形態の一対のバッファ移動ローラ141,142を有するバッファ構造14Bの基準位置X0と同様である。
第3実施形態の制御部18Bは、第1実施形態の制御部18と同様に、印字制御部181と、遅延制御部182と、を有する。
印字制御部181及び遅延制御部182は、Aプリンタ11A及びBプリンタ11Bそれぞれにおいて、各種の制御を行う。
印字制御部181は、Aプリンタ11A及びBプリンタ11Bそれぞれにおいて印字動作の制御を行うこと以外は第1実施形態と同様であるため、第3実施形態の印字制御部181の説明は、第1実施形態の説明を援用して、その説明を省略する。
遅延制御部182は、Aプリンタ11A及びBプリンタ11Bそれぞれにおいて、第1実施形態と同様に、印字時において、印字信号の受信時に下流側バッファ移動ローラ142が基準位置に位置する場合に、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが予め設定された基準遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する。
また、遅延制御部182は、Aプリンタ11A及びBプリンタ11Bそれぞれにおいて、第1実施形態と同様に、下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0から移動して長尺フィルムFの弛みを吸収した場合に、下流側バッファ移動ローラ142の基準位置X0からの移動距離に応じた長尺フィルムFの弛み分の手繰り量(長尺フィルム吸収長さ)を算出すると共に、基準遅延距離から手繰り量(長尺フィルム吸収長さ)を減算した実際遅延距離を算出し、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する。
また、遅延制御部182は、第3実施形態においてはBプリンタ11BがAプリンタ11Aの下流側に配置されることから、下流側に配置されるBプリンタ11Bのみ、Aプリンタ11A及びBプリンタ11Bにおいて行われる制御における実際遅延距離に加えてA-B間遅延距離(サーマルヘッド111Aからサーマルヘッド111Bまでの間に移送される長尺フィルムFの長さ分のプリントヘッド間遅延距離)を加えた距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する。具体的には、下流側に配置されるBプリンタ11Bの遅延制御において、遅延制御部182は、サーマルヘッド111Bにより印字動作を実行する場合の印字時において、サーマルヘッド111Bの印字動作を開始する場合に、印字信号を受信してから、基準遅延距離又は実際遅延距離に、A-B間遅延距離を加えた距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する。
Bプリンタ11Bは、Aプリンタ11Aの下流側に配置されるため、印字信号が入力されて直ぐに印字動作を開始すると、長尺フィルムFの印字位置が想定する印字位置よりも下流側の先の位置になる。そのため、Bプリンタ11Bは、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111AからBプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bまでの間の距離を考慮して、Aプリンタ11Aが印字動作を実行するタイミングでは印字動作を開始させずに、Aプリンタ11Aの印字動作のタイミングから、A-B間遅延距離(サーマルヘッド111Aからサーマルヘッド111Bまでの間に移送される長尺フィルムFの長さ分のプリントヘッド間遅延距離)を遅延させた後に、印字動作が実行される。これにより、Bプリンタ11Bは、Aプリンタ11Aで印字した場合と同じ位置に印字する事が可能となる。
また、制御部18Bは、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111Aによる印字動作及びBプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bによる印字動作を交互に実行するように制御できる。
また、制御部18Bは、1つの印字信号を受信した場合に、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111A及びBプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bにより、長尺フィルムFの移送方向における所定範囲内の2箇所に印字動作を実行するように制御できる。
第3実施形態におけるその他の構造や動作や制御等は、第1実施形態と同様であるため、第1実施形態の説明を援用して、その説明を省略する。
次に、第3実施形態の2台のプリンタ11A,11Bによる第1制御例~第7制御例の遅延調整制御について説明する。図9~図15は、各制御例において遅延調整制御のタイミングを示すタイミングチャートである。第3実施形態の各制御例の説明において、第1実施形態と同様の制御内容については、説明を省略する。
まず、図9により、第3実施形態の第1制御例について説明する。第3実施形態の第1制御例は、サーマルプリンタ装置1Bのプリンタ11A,11Bが2台(サーマルヘッド111A,111Bが2つ)の場合において、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111Aで印字動作を行う場合について、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)が0mmの場合の遅延調整制御である。
図9に示すように、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111Aで印字動作を行う場合において、タイミングt211aにおいて、1回目の印字信号が入力され、タイミングt212aにおいて、2回目の印字信号が入力されて、タイミングt213aにおいて、3回目の印字信号が入力され、タイミングt214aにおいて、4回目の印字信号が入力されている。1回目~4回目に入力された印字信号は、いずれも、印字信号入力時の下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は0mmである。そのため、制御部18Bは、第1実施形態の第1制御例(図5参照)と同様に、長尺フィルムFが基準遅延距離100mmだけ移送された後に、それぞれ、印字動作を開始する制御を実行する。1回目~4回目の印字信号が入力された場合の遅延調整制御は、第1実施形態の第1制御例(図5参照)と同様であるため、第1実施形態の第1制御例(図5参照)の印字動作の制御の説明を援用して、その説明を省略する。
次に、図10により、第3実施形態の第2制御例について説明する。第3実施形態の第2制御例は、サーマルプリンタ装置1Bのプリンタ11A,11Bが2台(サーマルヘッド111A,111Bが2つ)の場合において、Bプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bで印字動作を行う場合について、A-B間遅延距離が存在して、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)が0mmよりも大きい場合の遅延調整制御である。
図10に示すように、Bプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bで印字動作を行う場合において、タイミングt221aにおいて、制御部18Bには、1回目の印字信号が入力されている。タイミングt221aにおいては、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は0mmである。また、Bプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bで印字動作を行うため、A-B間遅延距離(サーマルヘッド111Aからサーマルヘッド111Bまでの間に移送される長尺フィルムFの長さ分のプリントヘッド間遅延距離)を考慮する。本実施形態においては、サーマルヘッド111Aからサーマルヘッド111Bまでの間に移送される長尺フィルムFの長さは、例えば、135mmである。
そのため、遅延制御部182は、長尺フィルムFを基準遅延距離100mmにA-B間遅延距離(135mm)を加えた実際遅延距離だけ移送させた後に、タイミングt221bにおいて印字動作を開始し、タイミングt221cにおいて印字動作を終了する。
ここで、印字時において印字品質を保持するため、タイミングt221bからタイミングt221cにおいては、長尺フィルムFの包装機の搬送速度V1=5m/minが強制手繰り速度V2=8m/minに上昇されている。長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度8m/minに上昇されるため、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142は、基準位置X0からX2側に移動して、長尺フィルムFの弛みを吸収する。これにより、図10に示すように、手繰り量は、タイミングt221bからタイミングt221cまで右上がりに上昇している。
タイミングt221cにおいて、印字動作が終了することで、長尺フィルムFの移送速度が0m/minに制御され、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が、サーマルプリンタ装置1Bの系外の長尺フィルムFの移送速度で引っ張られることで、X1側に移動され、基準位置X0に向けて移動される。これにより、図10に示すように、手繰り量は、タイミングt221cからタイミングt221dまで右下がりに下降している。
タイミングt221dにおいて、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が、基準位置X0に到達して、長尺フィルムFは、系外の長尺フィルムFの移送速度と同じ移送速度V1=5m/minで移送される。
1回目の印字信号の入力後、タイミングt222aにおいて、制御部18Bには、2回目の印字信号が入力されている。タイミングt222aにおいては、1回目の印字動作の後において、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0にからX2側に移動する途中の手繰り量が10mmの位置に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は10mmである。また、Bプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bで印字動作を行うため、A-B間遅延距離(サーマルヘッド111Aからサーマルヘッド111Bまでの間に移送される長尺フィルムFの長さ分のプリントヘッド間遅延距離)を考慮する。本実施形態においては、サーマルヘッド111Aからサーマルヘッド111Bまでの間に移送される長尺フィルムFの長さは、例えば、135mmである。
そのため、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmから10mmを減算した90mmに、A-B間遅延距離(135mm)を加えた実際遅延距離だけ移送させた後に、タイミングt222bにおいて印字動作を開始し、タイミングt222cにおいて印字動作を終了する。タイミングt222bからt222dの印字動作は、1回目の印字動作のタイミングt221bからt221dの印字動作と同様であるため、説明を省略する。
2回目の印字信号の入力後、タイミングt223aにおいて、3回目の印字信号が入力され、タイミングt224aにおいて、4回目の印字信号が入力される。3回目及び4回目に入力された印字信号は、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は15mm、10mmである。そのため、3回目及び4回目の印字信号が入力された場合の遅延調整制御は、2回目の印字信号が入力された際と同様に、手繰り量(15mm、10mm)及びA-B間遅延距離(135mm)を考慮して、遅延制御部182は、基準遅延距離100mmから手繰り量(15mm、10mm)を減算した実際遅延距離85mm、90mmに、A-B間遅延距離(135mm)加えた実際遅延距離として、長尺フィルムFを実際遅延距離だけ移送させた後に印字動作を開始する。
サーマルプリンタ装置1BのAプリンタ11A及びBプリンタ11Bが(サーマルヘッド111A,111Bが2つ)並んで配置される場合において、下流側に配置されるBプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bで印字動作を行う場合には、A-B間遅延距離(サーマルヘッド111Aからサーマルヘッド111Bまでの間に移送される長尺フィルムFの長さ分のプリントヘッド間遅延距離)が存在するため、次の印字信号が入力される際に、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0にからX2側に移動していて手繰り量が0mmよりも大きいことが多い。そのため、本発明の遅延制御は効果的である。
次に、図11により、第3実施形態の第3制御例について説明する。第3実施形態の第3制御例は、サーマルプリンタ装置1Bのプリンタ11A,11Bが2台(サーマルヘッド111A,111Bが2つ)の場合において、Aプリンタ11Aの印字動作を連続して行っている場合に、Aプリンタ11Aから故障時のエラー信号が出力されたため、Aプリンタ11Aの印字動作から、Bプリンタ11Bの印字動作に切り替える場合の制御である。
図11に示すように、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111Aで印字動作を連続して行っており、タイミングt311aにおいて、n回目の印字信号が入力されている。タイミングt311aにおいては、前回の印字動作の後において、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142がX1側に移動して基準位置X0に戻る途中の手繰り量が30mmの位置に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は30mmである。
そのため、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmから30mmを減算した実際遅延距離70mmだけ移送させた後に、タイミングt311bにおいて印字動作を開始し、タイミングt311cにおいて印字動作を終了する。タイミングt311bからt311dの印字動作は、第3実施形態の第3制御例(図10参照)のタイミングt221bからt221dの印字動作と同様であるため、説明を省略する。
ここで、第3制御例においては、n回目の印字信号が入力されたタイミングとn+1回目の印字信号が入力されたタイミングとの間のタイミングtE1において、Aプリンタ11Aから故障時のエラー信号が出力されている。そのため、n+1回目以降のタイミングにおいて入力された印字信号については、Bプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bで印字動作を行うように切り替える。
これにより、次のn+1回目以降においては、Bプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bで印字動作が行われる。本実施形態においては、Bプリンタ11BがAプリンタ11Aの下流側に配置されているため、Aプリンタ11Aにおいて印字できなかった印字信号の印字内容を、Aプリンタ11Aの下流側において、Bプリンタ11Bにおいて印字を行うことができる。Bプリンタ11Bによるn+1回目以降の印字動作は、第3実施形態の第2制御例(図10参照)におけるBプリンタ11Bの印字動作と同様であるため、説明を省略する。
次に、図12により、第3実施形態の第4制御例について説明する。第3実施形態の第4制御例は、サーマルプリンタ装置1Bのプリンタ11A,11Bが2台(サーマルヘッド111A,111Bが2つ)の場合において、Bプリンタ11Bの印字動作を連続して行っている場合に、Bプリンタ11Bから故障時のエラー信号が出力されたため、Bプリンタ11Bの印字動作から、Aプリンタ11Aの印字動作に切り替える場合の制御である。
図12に示すように、Bプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bで印字動作を連続して行っており、タイミングt321aにおいて、n回目の印字信号が入力されている。タイミングt321aにおいては、前回の印字動作の後において、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142がX1側に移動して基準位置X0に戻る途中の手繰り量が35mmの位置に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は35mmである。
そのため、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmから35mmを減算した65mmに、A-B間遅延距離(135mm)を加えた実際遅延移動距離だけ移送させた後に、タイミングt321bにおいて印字動作を開始し、タイミングt321cにおいて印字動作を終了する。タイミングt321bからタイミングt321dの印字動作は、第3実施形態の第3制御例(図10参照)のタイミングt221bからタイミングt221dの印字動作と同様であるため、説明を省略する。
ここで、第4制御例においては、n回目の印字信号が入力されたタイミングとn+1回目の印字信号が入力されたタイミングとの間のタイミングtE2において、Bプリンタ11Bから故障時のエラー信号が出力されている。しかし、n+1回目のタイミングで入力された印字信号については、Bプリンタ11Bにおいて印字動作を実行する予定であったところ、Aプリンタ11AがBプリンタ11Bの上流側に配置されているため、Aプリンタ11Aの印字では間に合わずに印字できない。そのため、第4制御例においては、n+1回目の印字信号による印字動作は間に合わないためそのまま印字をスキップして、次のn+2回目以降の印字信号が入力されたタイミングにおいて、Bプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bで印字動作を行うように切り替えて、Bプリンタ11Bにより印字動作を行うように制御する。
これにより、次のn+2回目以降においては、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111Aで印字動作が行われる。Aプリンタ11Aによるn+2回目以降の動作は、第1実施形態の第2制御例(図6参照)におけるプリンタ11の印字動作と同様であるため、説明を省略する。
次に、図13により、第3実施形態の第5制御例について説明する。第3実施形態の第5制御例は、サーマルプリンタ装置1Bのプリンタ11A,11Bが2台(サーマルヘッド111A,111Bが2つ)の場合において、Bプリンタ11Bの印字動作を連続して行っている場合に、Bプリンタ11Bのインクリボンのリボン残量が少なくなったため、Aプリンタ11Aの動作に切り替える場合の制御である。
図13に示すように、Bプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bで印字動作を連続して行っており、タイミングt411aにおいて、n回目の印字信号が入力されている。タイミングt411aにおいては、前回のn-1回目の印字動作の後において、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142がX1側に移動して基準位置X0に戻る途中の手繰り量が35mmの位置に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は35mmである。
そのため、Bプリンタ11Bにおいて、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmから35mmを減算した65mmに、A-B間遅延距離(135mm)を加えた実際遅延距離だけ移送させた後に、タイミングt411bにおいて印字動作を開始し、タイミングt411cにおいて印字動作を終了する。
ここで、第5制御例においては、n回目の印字信号が入力されたタイミングt411aの直後のタイミングtE3において、Bプリンタ11Bから、インクリボンの残量が少なくなっているというリボン残量少の信号が出力されている。ここで、Bプリンタ11Bは、インクリボンの残量が少なくなっているものの、少なくともあと1回の印字動作が可能である。そのため、本実施形態においては、Bプリンタ11Bによるn回目の印字動作を中止せずにそのまま印字動作を実行し、次のn+1回目の印字信号が入力されたタイミングt412aにおいて、Aプリンタ11Aにより印字動作を行うように切り替える。
タイミングt412aにおいては、n回目の印字動作の後において、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142がX1側に移動して基準位置X0に戻る途中の手繰り量が30mmの位置に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は30mmである。
そのため、Aプリンタ11Aにおいて、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmから30mmを減算した実際遅延距離70mmだけ移送させた後に、タイミングt412bにおいて印字動作を開始し、タイミングt412cにおいて印字動作を終了する。
ここで、印字時において印字品質を保持するため、Bプリンタ11Bによるn回目の印字とAプリンタによるn+1回目の印字動作とにおいて、長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度V2=8m/minに上昇されている。長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度8m/minに上昇されるため、一対のバッファ移動ローラ141,142の下流側バッファ移動ローラ142は、基準位置X0からX2側に移動して、長尺フィルムFの弛みを吸収する。
Bプリンタ11Bによるn回目の印字動作において、手繰り量は、タイミングt411bからタイミングt411cまで右上がりに上昇している。そして、Bプリンタ11Bによるn回目の印字動作の終わりのタイミングには、Aプリンタ11Aによるn+1回目の印字動作の始まりのタイミングの一部が重なっており、Bプリンタ11Bによるn回目の印字動作が終了する前に、Aプリンタ11Aによるn+1回目の印字が開始される。
Aプリンタ11Aによるn+1回目の印字動作において、手繰り量は、Bプリンタ11Bによるn回目の印字動作に続けて、更に上昇して、タイミングt412bからタイミングt412cまで右上がりに上昇している。
そして、タイミングt412cにおいて、n+1回目の印字動作が終了することで、長尺フィルムFの移送速度が0m/minに制御され、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が、サーマルプリンタ装置1Bの系外の長尺フィルムFの移送速度で引っ張られることで、X1側に移動され、基準位置X0に向けて移動される。これにより、図13に示すように、手繰り量は、タイミングt412cからタイミングt412dまで右下がりに下降している。
Aプリンタ11Aによるn+1回目の印字信号の入力後、タイミングt413aにおいて、Aプリンタ11Aによるn+2回目の印字信号が入力され、タイミングt414aにおいて、Aプリンタ11Aによるn+3回目の印字信号が入力される。Aプリンタ11Aによるn+2回目以降の印字信号が入力された場合の印字動作の制御は、第1実施形態の第2制御例(図6参照)におけるプリンタ11の印字動作と同様であるため、説明を省略する。
以上により、Bプリンタ11Bのインクリボンの残量が少なくなった場合において、サーマルプリンタ装置1Bを停止させずに、Aプリンタ11Aに切り替えることができる。これにより、サーマルプリンタ装置1Bを停止させずに印字動作を続けることができるため、包装機等のラインを止めずに、印字動作を継続できる。
次に、図14により、第3実施形態の第6制御例について説明する。第3実施形態の第6制御例は、サーマルプリンタ装置1Bのプリンタ11A,11Bが2台(サーマルヘッド111A,111Bが2つ)の場合において、Aプリンタ11Aの印字動作とBプリンタ11Bの印字動作とを交互に行う場合の制御である。
制御部18Bは、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111Aによる印字動作及びBプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bによる印字動作を交互に実行するように制御する。
まず、図14に示すように、タイミングt511aにおいて、制御部18Bには、Aプリンタ11Aにより印字を行うための1回目の印字信号が入力されている。タイミングt511aにおいては、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は0mmである。
そのため、Aプリンタ11Aにおいて、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmだけ移送させた後に、タイミングt511bにおいて印字動作を開始し、タイミングt511cにおいて印字動作を終了する。タイミングt511bからt511dの印字動作は、第3実施形態の第3制御例(図10参照)のタイミングt221bからt221dの印字動作と同様であるため、説明を省略する。
Aプリンタ11Aによる1回目の印字信号の入力後、タイミングt512aにおいて、制御部18Bには、Bプリンタ11Bにより印字を行うための2回目の印字信号が入力されている。タイミングt512aにおいては、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142がX1側に移動して基準位置X0に戻る途中の手繰り量が40mmの位置に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は40mmである。
そのため、Bプリンタ11Bにおいて、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmから40mmを減算した60mmに、A-B間遅延距離(135mm)を加えた実際遅延距離だけ移送させた後に、タイミングt512bにおいて印字動作を開始し、タイミングt512cにおいて印字動作を終了する。
Bプリンタ11Bによる2回目の印字信号の入力後、タイミングt513aにおいて、制御部18Bには、Aプリンタ11Aにより印字を行うための3回目の印字信号が入力されている。タイミングt513aにおいては、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142がX1側に移動して基準位置X0に戻る途中の手繰り量が45mmの位置に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は45mmである。
そのため、Aプリンタ11Aにおいて、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmから45mmを減算した実際遅延距離55mmだけ移送させた後に、タイミングt513bにおいて印字動作を開始し、タイミングt513cにおいて印字動作を終了する。
ここで、印字時において印字品質を保持するため、Bプリンタ11Bによる2回目の印字動作とAプリンタ11Bによる3回目の印字動作とにおいて、長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度V2=8m/minに上昇されている。長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度8m/minに上昇されるため、一対のバッファ移動ローラ141,142の下流側バッファ移動ローラ142は、基準位置X0からX2側に移動して、長尺フィルムFの弛みを吸収する。
Bプリンタ11Bによる2回目の印字動作において、手繰り量は、タイミングt512bからタイミングt512cまで右上がりに上昇している。そして、Bプリンタ11Bによる2回目の印字動作の終わりのタイミングには、Aプリンタ11Aによる3回目の印字動作の始まりのタイミングの一部が重なっており、Bプリンタ11Bによる2回目の印字動作が終了する前に、Aプリンタ11Aによる3回目の印字が開始される。
Aプリンタ11Aによる3回目の印字動作において、手繰り量は、Bプリンタ11Bによる2回目の印字動作に続けて、更に上昇して、タイミングt513bからタイミングt513cまで右上がりに上昇している。
そして、タイミングt513cにおいて、Aプリンタ11Aによる3回目の印字動作が終了することで、長尺フィルムFの移送速度が0m/minに制御され、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が、サーマルプリンタ装置1Bの系外の長尺フィルムFの移送速度で引っ張られることで、X1側に移動され、基準位置X0に向けて移動される。これにより、図14に示すように、手繰り量は、タイミングt513cからタイミングt513dまで右下がりに下降している。
Aプリンタ11Aによる3回目の印字信号の入力後、タイミングt514aにおいて、Bプリンタ11Bによる4回目の印字信号が入力され、タイミングt515aにおいて、Aプリンタ11Aによる5回目の印字信号が入力される。4回目及び5回目の印字信号が入力された場合の印字動作の制御は、2回目及び3回目の印字信号が入力された場合の印字動作の制御と同様であるため、印字動作の制御の説明を援用して、その説明を省略する。
次に、図15により、第3実施形態の第7制御例について説明する。第3実施形態の第7制御例は、サーマルプリンタ装置1Bのプリンタ11A,11Bが2台(サーマルヘッド111A,111Bが2つ)の場合において、1つの印字信号が入力された場合に、Aプリンタ11A及びBプリンタ11Bにおいて、長尺フィルムFの移送方向の所定領域内に2箇所の印字動作を行う場合の制御である。Aプリンタ11A及びBプリンタ11Bは、図16に示すように、長尺フィルムFの幅方向であるY方向の一方側と他方側とに配置されている。
制御部18Bは、1つの印字信号を受信した場合に、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111A及びBプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bにより、長尺フィルムFの移送方向における所定範囲内の2箇所に印字動作を実行するように制御する。
図15に示すように、タイミングt611aにおいて、制御部18Bには、1回目の印字信号が入力されている。タイミングt611aにおいては、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は0mmである。
ここで、Aプリンタ11Aにおいては、1回目の印字信号が入力されることにより、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmに、Aプリンタ印字遅延距離20mmを加えた実際遅延距離だけ移送させた後に、タイミングt611b1において印字動作を開始し、タイミングt611c1において印字動作を終了する。
そして、Bプリンタ11Bにおいては、同じ1回目の印字信号が入力されることにより、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmに、A-B間遅延距離(135mm)を加えた実際遅延距離だけ移送させた後に、タイミングt611b2において印字動作を開始し、タイミングt611c2において印字動作を終了する。
ここで、印字時において印字品質を保持するため、Aプリンタ11Aによる印字動作とAプリンタ11Bによる印字動作とにおいて、長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度V2=8m/minに上昇されている。長尺フィルムFの移送速度が強制手繰り速度8m/minに上昇されるため、一対のバッファ移動ローラ141,142の下流側バッファ移動ローラ142は、基準位置X0からX2側に移動して、長尺フィルムFの弛みを吸収する。
Aプリンタ11Aによる印字動作において、手繰り量は、タイミングt611b1からタイミングt611c1まで右上がりに上昇し、一部が重なった状態で、続けて、Bプリンタ11Bによる印字動作において、タイミングt611b2からタイミングt611c2まで右上がりに上昇する。その後、手繰り量は、タイミングt611c2からタイミングt611d2まで右下がりに下降している。
これにより、図16に示すように、1回目の印字信号の入力により、Y方向の一方側及び他方側において、Aプリンタ11AによるA印字と、Bプリンタ11BによるB印字とを、長尺フィルムFの移送方向において、2つの隣接するマークMの間の同じ領域内において、短いピッチの間隔で印字を行うことができる。
1回目の印字信号の入力後、図15に示すように、タイミングt612aにおいては、制御部18Bには、2回目の印字信号が入力されている。タイミングt612aにおいては、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142がX1側に移動して基準位置X0に戻る途中の手繰り量が30mmの位置に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は30mmである。
ここで、Aプリンタ11Aにおいては、2回目の印字信号が入力されることにより、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmから30mmを減算した実際遅延距離70mmに、Aプリンタ印字遅延距離20mmを加えた距離だけ移送させた後に、タイミングt612b1において印字動作を開始し、タイミングt612c1において印字動作を終了する。
そして、Bプリンタ11Bにおいては、同じ2回目の印字信号が入力されることにより、遅延制御部182は、長尺フィルムFを、基準遅延距離100mmから30mmを減算した実際遅延距離70mmに、A-B間遅延距離(135mm)を加えた実際遅延距離だけ移送させた後に、タイミングt612b2において印字動作を開始し、タイミングt612c2において印字動作を終了する。
2回目の印字動作における手繰り量の増減は、1回目の印字動作における増減と同様であるため、説明を省略する。
これにより、図16に示すように、2回目の印字信号の入力により、Y方向の一方側及び他方側において、Aプリンタ11AによるA印字と、Bプリンタ11BによるB印字とを、長尺フィルムFの移送方向において、2つの隣接するマークMの間の同じ領域内において、短いピッチの間隔で印字を行うことができる。
2回目の印字信号の入力後、図15に示すように、タイミングt613aにおいては、制御部18Bには、3目の印字信号が入力されている。タイミングt613aにおいては、一対のバッファ移動ローラ141,142における下流側バッファ移動ローラ142がX1側に移動して基準位置X0に戻る途中の手繰り量が20mmの位置に位置しており、印字信号入力時の長尺フィルムFの手繰り量(吸収量)は20mmである。
3回目の印字信号の入力による印字動作は、2回目の印字信号の入力による印字動作と比べて、2回目の手繰り量30mmであるのに対して3回目の手繰り量が20mmである点が違うだけであるため、2回目の印字信号の入力による印字動作の説明を援用して、その説明を省略する。
第3実施形態のサーマルプリンタ装置1Bによれば、例えば、以下の効果が奏される。
本実施形態のサーマルプリンタ装置1Bは、サーマルヘッド111A,111Bと、第1印字受けローラ12A及び第2印字受けローラ12Bと、第2印字受けローラ12Bを移動される長尺フィルムFの速度が速くなるように長尺フィルムFを移送させることが可能なモータ122と、第2印字受けローラ12Bの下流側において長尺フィルムFの弛みを吸収するように基準位置X0から移動する下流側バッファ移動ローラ142と、制御部18Bと、を備え、制御部18Bは、印字時において、(i)印字信号の受信時に下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0に位置する場合に、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが予め設定された基準遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行し、(ii)印字信号の受信時に下流側バッファ移動ローラ142が基準位置X0から移動して長尺フィルムFの弛みを吸収した場合に、下流側バッファ移動ローラ142の基準位置X0からの移動距離に応じた長尺フィルムFの弛み分の手繰り量(長尺フィルム吸収長さ)を算出すると共に、基準遅延距離から手繰り量(長尺フィルム吸収長さ)を減算した実際遅延距離を算出し、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する。
そのため、第1実施形態と同様に、下流側バッファ移動ローラ142の基準位置X0からの移動距離に応じた長尺フィルムFの弛み分の手繰り量を算出すると共に、基準遅延距離から手繰り量を減算した実際遅延距離を算出し、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始するため、印字位置の位置ずれを抑制できる。
また、本実施形態においては、制御部18Bは、Bプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bにより印字動作を実行する場合の印字時において、サーマルヘッド111Bの印字動作を開始する場合に、印字信号を受信してから、基準遅延距離又は実際遅延距離に、A-B間遅延距離を加えた距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する。これにより、Aプリンタ11Aの下流側に配置されるBプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bにより印字動作を実行する場合に、A-B間遅延距離を加えた距離だけ長尺フィルムFが移送された後に印字動作が開始されるため、Aプリンタ11Aの下流側に配置されるBプリンタ11Bにおいても、適切な位置に印字を行うことができる。よって、印字位置の位置ずれを抑制できる。
また、本実施形態においては、制御部18Bは、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111Aによる印字動作及びBプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bによる印字動作を交互に実行するように制御する。これにより、長尺フィルムFの移送方向において、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111Aの印字とBプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bの印字とを短いピッチの間隔で印字できる。
また、本実施形態においては、制御部18Bは、1つの印字信号を受信した場合に、Aプリンタ11Aのサーマルヘッド111A及びBプリンタ11Bのサーマルヘッド111Bにより、長尺フィルムFの移送方向における所定範囲内の2箇所に印字動作を実行するように制御する。これにより、1回目の印字信号の入力により、Y方向の一方側及び他方側において、Aプリンタ11AによるA印字と、Bプリンタ11BによるB印字とを、長尺フィルムFの移送方向における同じ領域内において、短いピッチの間隔で印字を行うことができる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、マーク検出センサ17を、サーマルプリンタ装置1,1A,1Bの下流側に設けたが、これに限定されない。マーク検出センサ17を、サーマルプリンタ装置1,1A,1Bの上流側に設けてもよい。
前記実施形態においては、マークセンサによりマークを検知したタイミングを受信して、印字指令のタイミングとしているが、これに限定されない。例えば、包装機が長尺フィルムをカットするタイミングの信号を受信して、印字指令のタイミングとしてもよい。