JP7307027B2 - 観察装置および観察方法 - Google Patents

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Description

本発明は、観察装置および観察方法に関するものである。
例えば細胞等の透明な観察対象物は通常の顕微鏡により観察することが困難であることから、一般に定量位相顕微鏡等の観察対象物の位相画像を取得することができる観察装置が用いられる。このような観察装置には幾つかの実現方法が知られている。
従来技術の一つ(以下「従来技術1」という。)は、2光束の分岐および合波を行うマイケルソン干渉計またはマッハツェンダ干渉計を用い、2光束のうちの一方の光路上に観察対象物を配置する。そして、この従来技術1では、光路上のミラー等を移動させることで2光束の間の光路長差(位相差)を各値に順次に設定して、観察対象物の複数の干渉画像を取得し、これら複数の干渉画像に基づいて位相画像を作成する。
特許文献1に記載されている観察装置(以下「従来技術2」という。)は、微分干渉顕微鏡を応用したものである。この従来技術2では、光源から出力され第1偏光子を経た直線偏光の光を第1プリズムにより互いに直交した振動面を持ちかつわずかに光路をずらせた二つの直線偏光の光に分離し、観察対象物を経た後のこれら二つの直線偏光の光を第2プリズムにより合波して第2偏光子を通過させることで干渉させ、その干渉画像を取得する。二つの光の間の位相差を第2プリズムと第2偏光子との間に置かれた空間光変調器により各値に順次に設定して、複数の干渉画像を取得する。そして、これら複数の干渉画像に基づいて位相微分画像を作成し、この位相微分画像に基づいて位相画像を作成する。
非特許文献1に記載されている観察装置(以下「従来技術3」という。)も、微分干渉顕微鏡を応用したものである。この従来技術3では、市販の微分干渉顕微鏡のカメラポートに偏光カメラを取り付けて、この偏光カメラにより複数の干渉画像を同時に取得する。そして、これら複数の干渉画像に基づいて位相微分画像を作成し、この位相微分画像に基づいて位相画像を作成する。
また、これらの観察装置は、観察対象物の位相画像だけでなく振幅画像をも取得することができ、また、複素振幅画像を取得することができる。
米国特許第10132609号明細書
Shibata S, Takano W, Hagen N,Matsuda M, Otani Y. "Video-rate quantitative phase analysis by a DICmicroscope using a polarization camera," Biomed. Opt. Express. 2019. 10:1273-1281.
従来技術1は、定量性に優れた位相画像を得ることができる。しかし、従来技術1は、2光束の分岐および合波を行うマイケルソン干渉計またはマッハツェンダ干渉計を用いることから、光学系の調整が容易でなく、耐振動性が悪い。また、従来技術1は、2光束の間の光路長差(位相差)を各値に順次に設定して複数の干渉画像を取得することから、これら複数の干渉画像を取得するのに時間を要する。
従来技術2は、光学系調整および耐振動性の問題点を解消し得る。しかし、従来技術2は、2光束の間の光路長差(位相差)を各値に順次に設定して複数の干渉画像を取得することから、これら複数の干渉画像を取得するのに時間を要する。
従来技術3は、光学系調整および耐振動性の問題点を解消し得るものであり、また、干渉画像取得時間の問題点をも解消し得る。しかし、従来技術3は、正確な位相微分画像を得ることができず、それ故、位相変化が小さいという仮定の近似条件の下に位相微分画像に基づいて所要の処理を行って位相画像を作成する。したがって、得られる位相画像は定量性が悪い。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、光学系の調整が容易で定量性が改善された複素振幅画像を短時間に得ることができる観察装置および観察方法を提供することを目的とする。
本発明の観察装置は、(1) 空間的にインコヒーレントな光を出力する光源と、(2) 光源から出力された光を観察対象物に集光照射する照射光学系と、(3) 照射光学系の光路上に設けられ、光源から出力された光を入力して、直線偏光の光を出力する偏光子と、(4) 照射光学系の光路上であって偏光子と観察対象物との間に設けられ、偏光子から出力された光を入力して、互いに直交する二つの直線偏光の光を出力する第1プリズムと、(5) 照射光学系による観察対象物への光の照射に応じて観察対象物で生じた光を入力して結像する結像光学系と、(6) 結像光学系の光路上に設けられ、観察対象物から出力された二つの光を合波して出力する第2プリズムと、(7) 結像光学系の光路上であって第2プリズムより後段に設けられ、第2プリズムから出力された光を入力して、互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を出力する偏光変換素子と、(8) 結像光学系により像が形成される位置に配置された撮像面を有し、偏光変換素子から出力された互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を入力して、3以上の偏光成分それぞれについて撮像面上の干渉画像を取得する偏光カメラと、(9)偏光カメラにより取得された3以上の偏光成分それぞれについての干渉画像に基づいて観察対象物の複素振幅画像を作成する解析部と、を備える。
本発明の観察装置の一側面において、偏光変換素子は1/4波長板であるのが好適である。結像光学系において第2プリズムおよび偏光変換素子を除く光学素子で生じる偏光変換を低減する偏光変換補償用光学素子を更に備えるのが好適である。偏光変換補償用光学素子は、結像光学系に設けられている誘電体多層膜ミラーの反射特性を補償するミラー、または、波長板であるのが好適である。また、結像光学系は、ミラーを有するリレー光学系を含み、偏光変換補償用光学素子は、リレー光学系を構成するミラーであるのが好適である。結像光学系はリレー光学系を含み、偏光変換素子はリレー光学系の光路上に設けられているのが好適である。
本発明の観察装置の一側面において、偏光カメラは、撮像面において複数の画素が2次元配列された構造を有し、2次元の干渉画像を取得するのが好適である。偏光カメラは、撮像面において複数の画素が1次元配列された構造を有し、1次元の干渉画像を取得するのも好適である。この場合、偏光カメラの撮像面における複数の画素の配列方向と異なる方向に観察対象物を相対的に移動させることで、観察対象物の2次元の干渉画像を取得するのが好適である。
本発明の観察装置の一側面において、結像光学系を構成する光学素子または観察対象物を結像光学系の光軸に平行な方向に移動させる移動部を更に備え、偏光カメラは、移動部による移動の各位置において干渉画像を取得し、解析部は、各位置において偏光カメラにより取得された干渉画像に基づいて観察対象物の3次元複素振幅画像を作成するのが好適である。
本発明の光学モジュールは、微分干渉顕微鏡のカメラポートに対して着脱が自在である光学モジュールであって、(1) 微分干渉顕微鏡に置かれた観察対象物で生じた光を入力して結像する結像光学系の一部を構成し、微分干渉顕微鏡の第2プリズムからカメラポートを経て出力される光を入力するリレー光学系と、(2) リレー光学系の光路上に設けられ、光を入力し、互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を出力する偏光変換素子と、(3) リレー光学系により像が形成される位置に配置された撮像面を有し、偏光変換素子から出力された互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を入力し、3以上の偏光成分それぞれについて撮像面上の干渉画像を取得する偏光カメラと、を備える。
本発明の光学モジュールの一側面において、偏光変換素子は1/4波長板であるのが好適である。結像光学系において第2プリズムおよび偏光変換素子を除く光学素子で生じる偏光変換を低減する偏光変換補償用光学素子を更に備えるのが好適である。偏光変換補償用光学素子は、結像光学系に設けられている誘電体多層膜ミラーの反射特性を補償するミラー、または、波長板であるのが好適である。偏光カメラは、撮像面において複数の画素が2次元配列された構造を有し、2次元の干渉画像を取得するのが好適である。偏光カメラは、撮像面において複数の画素が1次元配列された構造を有し、1次元の干渉画像を取得するのも好適である。
本発明の観察方法は、(1) 空間的にインコヒーレントな光を光源から出力し、(2) 光源から出力された光を観察対象物に集光照射する照射光学系の光路上に設けられた偏光子により、光源から出力された光を入力して、直線偏光の光を出力し、(3) 照射光学系の光路上であって偏光子と観察対象物との間に設けられた第1プリズムにより、偏光子から出力された光を入力して、互いに直交する二つの直線偏光の光を出力し、(4) 照射光学系による観察対象物への光の照射に応じて観察対象物で生じた光を入力して結像する結像光学系の光路上に設けられた第2プリズムにより、観察対象物から出力された二つの光を合波して出力し、(5) 結像光学系の光路上であって第2プリズムより後段に設けられた偏光変換素子により、第2プリズムから出力された光を入力して、互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光に変換して出力し、(6) 結像光学系により像が形成される位置に配置された撮像面を有する偏光カメラにより、偏光変換素子から出力された互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を入力して、3以上の偏光成分それぞれについて撮像面上の干渉画像を取得し、(7) 偏光カメラにより取得された3以上の偏光成分それぞれについての干渉画像に基づいて観察対象物の複素振幅画像を作成する。
本発明の観察方法の一側面において、偏光変換素子は1/4波長板であるのが好適である。結像光学系において第2プリズムおよび偏光変換素子を除く光学素子で生じる偏光変換を偏光変換補償用光学素子により低減するのが好適である。偏光変換補償用光学素子は、結像光学系に設けられている誘電体多層膜ミラーの反射特性を補償するミラー、または、波長板であるのが好適である。結像光学系は、ミラーを有するリレー光学系を含み、偏光変換補償用光学素子は、リレー光学系を構成するミラーであるのが好適である。結像光学系はリレー光学系を含み、偏光変換素子はリレー光学系の光路上に設けられているのが好適である。
本発明の観察方法の一側面において、偏光カメラは、撮像面において複数の画素が2次元配列された構造を有し、2次元の干渉画像を取得するのが好適である。偏光カメラは、撮像面において複数の画素が1次元配列された構造を有し、1次元の干渉画像を取得するのも好適である。この場合、偏光カメラの撮像面における複数の画素の配列方向と異なる方向に観察対象物を相対的に移動させることで、観察対象物の2次元の干渉画像を取得するのが好適である。
本発明の観察方法の一側面において、結像光学系を構成する光学素子または観察対象物を結像光学系の光軸に平行な方向に移動させ、偏光カメラにより各位置において干渉画像を取得し、各位置において偏光カメラにより取得された干渉画像に基づいて観察対象物の3次元複素振幅画像を作成するのが好適である。
本発明によれば、光学系の調整が容易であり、定量性が改善された複素振幅画像を短時間に得ることができる。
図1は、第1実施形態の観察装置1Aの構成を示す図である。 図2は、偏光カメラ26のイメージセンサの構成例を示す図である。 図3は、偏光カメラ26のイメージセンサの他の構成例を示す図である。 図4は、第2実施形態の観察装置1Bの構成を示す図である。 図5は、第3実施形態の観察装置1Cの構成を示す図である。 図6は、第4実施形態の観察装置1Dの構成を示す図である。 図7は、第5実施形態の観察装置1Eの構成を示す図である。 図8は、第6実施形態の観察装置1Fの構成を示す図である。 図9は、二つのミラーM1,M2を用いた偏光変換の低減について説明する図である。 図10は、第7実施形態の観察装置1Gの構成を示す図である。 図11は、実施例で得られた位相微分画像である。 図12は、位相微分画像(図11)から作成された位相画像である。 図13は、深さ方向の各位置で取得された位相画像(図12)から作成された3次元屈折率分布画像である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、第1実施形態の観察装置1Aの構成を示す図である。観察装置1Aは、光源11、レンズ12、偏光子13、第1プリズム14、コンデンサレンズ15、対物レンズ21、第2プリズム22、1/4波長板23、レンズ24、偏光カメラ26および解析部40を備える。観察装置1Aにおいて、光源11、レンズ12、偏光子13、第1プリズム14、コンデンサレンズ15、対物レンズ21、第2プリズム22、1/4波長板23、レンズ24および偏光カメラ26は、光学的にカップリングされている。
光源11から出力された光を観察対象物Sに集光照射する照射光学系の光路上に、順に、レンズ12、偏光子13、第1プリズム14およびコンデンサレンズ15が設けられている。また、照射光学系による観察対象物Sへの光の照射に応じて観察対象物Sで生じた光を入力して偏光カメラ26の撮像面上に結像する結像光学系の光路上に、順に、対物レンズ21、第2プリズム22、1/4波長板23およびレンズ24が設けられている。
光源11は、空間的にインコヒーレントな光を出力する。光源11から出力される光は、時間的にコヒーレントであってもよいし、時間的にインコヒーレントであってもよい。光源11から出力される光は、直線偏光であってもよいし、無偏光であってもよい。光源11は、例えばハロゲンランプ、発光ダイオードまたはレーザダイオードを含み、さらに、その後段に拡散板を含むのも好適である。
レンズ12は、光源11と光学的に接続されている。レンズ12は、光源11から出力された光をコリメートして偏光子13へ出力する。
偏光子13は、レンズ12と光学的に接続されている。偏光子13は、レンズ12によりコリメートされて出力された光を入力し、その偏光子13の光学軸の方位に応じた偏光面(振動面)を有する直線偏光の光を第1プリズム14へ出力する。
第1プリズム14は、偏光子13と光学的に接続されている。第1プリズム14は、偏光子13から出力された直線偏光の光を入力し、互いに直交する二つの直線偏光の光を互いに異なる方向へ出力する。第1プリズム14から出力される互いに直交する二つの直線偏光の光それぞれの偏光面は、偏光子13から第1プリズム14に入力される直線偏光の光の偏光面に対して45°だけ傾いている。
コンデンサレンズ15は、第1プリズム14と光学的に接続されている。コンデンサレンズ15は、第1プリズム14から出力される互いに直交する二つの直線偏光の光を観察対象物Sに集光照射する。第1プリズム14から出力された互いに直交する二つの直線偏光の光は、第1プリズム14から出力された後に互いに異なる方向へ進むので、コンデンサレンズ15による観察対象物S上の集光位置は僅かに異なる。
対物レンズ21は、照射光学系による観察対象物Sへの光の照射に応じて観察対象物Sから出力された互いに直交する二つの直線偏光の光を入力し、これらの光をコリメートして第2プリズム22へ出力する。
第2プリズム22は、対物レンズ21と光学的に接続されている。第2プリズム22は、対物レンズ21によりコリメートされて出力された互いに直交する二つの直線偏光の光を入力し、第1プリズム14でずらした光路におけるこれらの光を合波して1/4波長板23へ出力する。
1/4波長板23は、第2プリズム22と光学的に接続されている偏光変換素子である。1/4波長板23は、第2プリズム22から出力された光を入力し、互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を出力する。光源11から出力される光が時間的にインコヒーレントである場合には、1/4波長板23は、波長依存性が少ないアクロマティック波長板等が望ましい。
レンズ24は、1/4波長板23と光学的に接続されている。レンズ24は、1/4波長板23から出力された互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を入力し、偏光カメラ26の撮像面上に結像する。
偏光カメラ26は、レンズ24と光学的に接続されている、偏光カメラ26は、結像光学系により像が形成される位置に配置された撮像面を有する。偏光カメラ26は、1/4波長板23により互いに異なる回転方向の円偏光とされた二つの光を入力し、3以上の偏光成分それぞれについて撮像面上の干渉画像を取得する。なお、本発明における円偏光は、互いに直交する2方向の電場ベクトルの間で位相差が±π/2[rad]かつ振幅が等しい場合のみに限定されず、楕円偏光も含む。
解析部40は、偏光カメラ26により取得された3以上の偏光成分それぞれについての干渉画像に基づいて観察対象物Sの複素振幅画像(振幅画像および位相画像)を作成する。解析部40は、例えばコンピュータである。解析部40は、複素振幅画像の作成等の演算処理を行うCPUを含む演算部と、干渉画像および複素振幅画像等を記憶するハードディスクドライブ、RAMおよびROM等を含む記憶部と、干渉画像および複素振幅画像等を表示する液晶ディスプレイを含む表示部と、干渉画像の取得および画像の表示の際の諸条件の入力を受け付けるキーボードおよびマウス等を含む入力部とを備える。解析部40は、タッチパネル等を入力部として備えるタブレット端末等のスマートデバイスによって構成されてもよい。また、解析部40の演算部や記憶部は、FPGA(field-programmablegate array)やマイコンによって構成されていてもよい。
光源11から偏光カメラ26までの構成は、通常の微分干渉顕微鏡の構成において第2プリズム22より後段に設けられる検光子を取り除き、1/4波長板23および偏光カメラ26を設けた構成に相当する。第1プリズム14および第2プリズム22は、通常の微分干渉顕微鏡において用いられるウォラストンプリズム(Wollaston prism)であってもよいしノマルスキープリズム(Nomarski prism)であってもよい。
図2は、偏光カメラ26のイメージセンサの構成例を示す図である。この図に示されるイメージセンサ26Aは、撮像面において複数の画素が2次元配列された構造を有し、2次元の干渉画像を取得することができる。イメージセンサ26Aは、半導体基板上に形成されたフォトダイオードアレイ261と、そのフォトダイオードアレイ上に設けられた偏光子アレイ262と、その偏光子アレイ上に設けられたレンズアレイ263とを備え、これらが積層された構造を有する。フォトダイオードアレイ261において複数のフォトダイオードが2次元配列されている。フォトダイオードアレイ261の各フォトダイオードに対して、偏光子アレイ262の1つの偏光子が対応して設けられ、レンズアレイ263の1つのレンズが対応して設けられている。
偏光子アレイ262の各偏光子は、4つの方位(0°、45°、90°、135°)のうちの何れかの方位に光学軸を有する。この図において、偏光子アレイ262の各偏光子のハッチングの方位は、該偏光子の光学軸の方位を示している。このイメージセンサ26Aを用いれば、4つの方位の直線偏光の2次元像を同時に撮像することができる。ソニー株式会社により商品化されているイメージセンサ(Polarsens(登録商標))は、この図に示される構成を有する。また、TeledyneDALSA社により商品化されているイメージセンサ(Area Scan Polarization Sensor)も、この図に示される構成を有する。
図3は、偏光カメラ26のイメージセンサの他の構成例を示す図である。この図に示されるイメージセンサ26Bは、撮像面において複数の画素が1次元配列された構造を有し、1次元の干渉画像を取得することができる。イメージセンサ26Bは、半導体基板上に形成されたフォトダイオードアレイ264a~264dと、フォトダイオードアレイ264a~264c上に設けられた偏光子265a~265cとを備える。フォトダイオードアレイ264d上には偏光子は設けられていない。フォトダイオードアレイ264a~264dそれぞれにおいて、複数のフォトダイオードがx方向に1次元配列されている。フォトダイオードアレイ264a~264dはy方向に並列配置されている。
フォトダイオードアレイ264a上の偏光子265aの光学軸の方位は0°であり、フォトダイオードアレイ264b上の偏光子265bの光学軸の方位は135であり、フォトダイオードアレイ264c上の偏光子265cの光学軸の方位は90°である。この図において、各偏光子のハッチングの方位は、該偏光子の光学軸の方位を示している。このイメージセンサ26Bを用いれば、3つの方位の直線偏光の1次元像を同時に撮像することができる。また、x方向と異なる方向(例えばy方向)に観察対象物Sを相対的に移動させることで、3つの方位の直線偏光の2次元像を同時に取得することができる。例えばフローサイトメトリのように透明管内を流体とともに移動する細胞を観察対象物Sとすることができる。Teledyne DALSA社により商品化されているイメージセンサ(Line ScanPolarization Sensor)は、この図に示される構成を有する。
次に、観察装置1Aを用いて観察対象物Sの複素振幅画像を取得する方法について説明する。
光源11から出力された空間的にインコヒーレントな光は、レンズ12によりコリメートされ、偏光子13の光学軸の方位に応じた偏光面を有する直線偏光の光とされて、第1プリズム14に入力される。偏光子13から第1プリズム14に直線偏光の光が入力されると、第1プリズム14から互いに直交する二つの直線偏光の光が互いに異なる方向へ出力され、これらはコンデンサレンズ15により観察対象物Sに集光照射される。
観察対象物Sへの光の照射に応じて観察対象物Sから出力された互いに直交する二つの直線偏光の光は、対物レンズ21によりコリメートされて第2プリズム22に入力される。この第2プリズム22により、第1プリズム14でずらした光路は合波され、1/4波長板23により、互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光に変換される。1/4波長板23から出力された互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光は、レンズ24により偏光カメラ26の撮像面上に結像される。偏光カメラ26により、1/4波長板23により互いに異なる回転方向の円偏光とされた二つの光が入力されると、3以上の偏光成分それぞれについて撮像面上の干渉画像(すなわち、位相差が異なる3以上の干渉画像)が取得される。そして、解析部40により、偏光カメラ26により取得された3以上の干渉画像に基づいて観察対象物Sの複素振幅画像が作成される。
次に、本実施形態の観察装置1Aまたは観察方法により観察対象物Sの複素振幅画像を取得できることについて詳細に説明する。以下では、説明を簡易にするために、光源11が空間的にコヒーレントな光を出力するものとする。また、偏光カメラ26は、図2に示されるような位相差が90°ずつ異なる4つの干渉画像を取得することができるものとする。
光の各偏光状態のうち水平偏光を表すベクトルをeとし、垂直偏光を表すベクトルをeとし、45°偏光を表すベクトルをeとし、135°偏光を表すベクトルをeとし、右回り円偏光を表すベクトルをeとし、左回り円偏光を表すベクトルをeとする。これらのベクトルの間には下記(1)~(4)式の関係がある。iは虚数単位である。
Figure 0007307027000001
Figure 0007307027000002
Figure 0007307027000003
Figure 0007307027000004
円偏光の光を偏光子に入力させたときに該偏光子から出力される光の位相は、その出力光の偏光状態のベクトル(e,e,e,eの何れか)と入力光の偏光状態のベクトル(e,eの何れか)との内積で表される。2つのベクトル間の内積については下記(5)~(12)式が成り立つ。これらの関係を用いることで、各位相シフト量に対応する干渉画像を取得することができる。
Figure 0007307027000005
Figure 0007307027000006
Figure 0007307027000007
Figure 0007307027000008
Figure 0007307027000009
Figure 0007307027000010
Figure 0007307027000011
Figure 0007307027000012
・eとe・eとは同位相であるから、互いに回転方向が異なる2つの円偏光の光が偏光子により水平偏光に射影されると、偏光子から出力される2つの光は同位相となる。e・eとe・eとは逆位相であるから、互いに回転方向が異なる2つの円偏光の光が偏光子により垂直偏光に射影されると、偏光子から出力される2つの光の間の位相差は180°となる。
・eとe・eとは位相が90°異なっているから、互いに回転方向が異なる2つの円偏光の光が偏光子により45°偏光に射影されると、偏光子から出力される2つの光の間の位相差は90°となる。e・eとe・eとは位相が270°異なっているから、互いに回転方向が異なる2つの円偏光の光が偏光子により135°偏光に射影されると、偏光子から出力される2つの光の間の位相差は270°となる。
測定したい光の電場をU(r)とすると、偏光カメラ26に入力される光の波面は下記(13)式で表される。rは位置を表す変数である。この式の第1項の変数がrであるのに対して第2項の変数がr+δrであるのは、コンデンサレンズ15による観察対象物S上への集光照射の際に、互いに直交する二つの直線偏光の光の集光領域が僅かに異なっていることによるものである。
Figure 0007307027000013
これらの式から、偏光カメラ26により得られる干渉画像Iθnは下記(14)式および(15)式で表される。θは、偏光カメラ26の4種類の偏光子の光学軸の方位を表し、0°、45°、90°、135°の各値である。φは、互いに回転方向が異なる2つの円偏光の光が偏光子を経た後の位相差を表し、0、π/2、π、3π/2の各値である。θとφとの間には1対1の対応関係がある。この(14)式から、下記(16)式が得られる。
Figure 0007307027000014
Figure 0007307027000015
Figure 0007307027000016
この(16)式の絶対値は振幅画像を表している。(16)式の位相は、波面を空間的に位相微分した位相微分画像を表している。この位相微分画像から位相画像を再構成するためには、基本的には微分方向に対して積分を行えばよい。これらの振幅画像および位相画像から複素振幅画像を得ることができる。
以上のように、本実施形態では、二光束が同軸で伝搬するので、光学系の調整が容易であり、光路長安定化などの機構が不要となって耐振動性が優れる。本実施形態では、二光束の間の位相差を各値に設定した観察対象物の干渉画像を同時に(シングルショットで)取得することができるので、これら複数の干渉画像を取得するのに要する時間が短いため、従来技術2より優れる。また、従来技術3と比べて、本実施形態で得られる位相画像の定量性が優れる。
次に、他の実施形態の構成について説明する。なお、図1に示された観察装置1Aの構成と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。これらは、図1に示された第1実施形態の観察装置1Aと同様の効果を奏する。
図4は、第2実施形態の観察装置1Bの構成を示す図である。第1実施形態の観察装置1A(図1)と比較すると、第2実施形態の観察装置1B(図4)は、1/4波長板23が設けられている位置の点で相違する。本実施形態では、1/4波長板23は、レンズ24と偏光カメラ26との間に設けられている。1/4波長板23は、第2プリズム22と偏光カメラ26との間の任意の位置に設けられてよいが、収差の影響を低減する上では、光がコリメータされている位置に設けられている第1実施形態の観察装置1Aの構成の方が好ましい。
図5は、第3実施形態の観察装置1Cの構成を示す図である。第1実施形態の観察装置1A(図1)と比較すると、第3実施形態の観察装置1C(図5)は、第2プリズム22と1/4波長板23との間に波長板25が設けられている点で相違する。
図6は、第4実施形態の観察装置1Dの構成を示す図である。第2実施形態の観察装置1B(図4)と比較すると、第4実施形態の観察装置1D(図6)は、第2プリズム22と1/4波長板23との間に波長板25が設けられている点で相違する。
第3実施形態の観察装置1C(図5)および第4実施形態の観察装置1D(図6)それぞれにおいて設けられた波長板25は、結像光学系において第2プリズム22および1/4波長板23を除く光学素子で生じる偏光変換を低減する偏光変換補償用光学素子である。偏光変換補償用光学素子としての波長板25は、例えば、1/4波長板と1/2波長板とを組み合わせた構成、バビネソレイユ補償板またはベレーク補償板などである。偏光変換補償用光学素子を設けることにより、より正確な複素振幅画像を得ることができる。
図7は、第5実施形態の観察装置1Eの構成を示す図である。第1実施形態の観察装置1A(図1)と比較すると、第5実施形態の観察装置1E(図7)は、観察対象物Sから偏光カメラ35までの結像光学系の構成の点で相違する。本実施形態では、結像光学系の光路上に、順に、対物レンズ21、第2プリズム22、レンズ24、ミラー27、レンズ31、波長板(偏光変換補償用光学素子)32、1/4波長板(偏光変換素子)33、レンズ34および偏光カメラ35が設けられている。
対物レンズ21は、照射光学系による観察対象物Sへの光の照射に応じて観察対象物Sから出力された互いに直交する二つの直線偏光の光を入力し、これらの光をコリメートして第2プリズム22へ出力する。
第2プリズム22は、対物レンズ21と光学的に接続されている。第2プリズム22は、対物レンズ21によりコリメートされて出力された互いに直交する二つの直線偏光の光を入力し、第1プリズム14でずらした光路におけるこれらの光を合波してレンズ24へ出力する。
レンズ24は、第2プリズム22と光学系に接続されている。レンズ24は、第2プリズム22から出力された光を入力し、その光を収斂させてミラー27へ出力する。
ミラー27は、レンズ24と光学的に接続されている。ミラー27は、レンズ24から出力された光をレンズ31へ反射させる。
レンズ31は、ミラー27と光学的に接続されている。レンズ31は、レンズ24から出力されミラー27により反射された光を入力し、その光をコリメートして波長板32へ出力する。レンズ24とレンズ31との間に像面がある。
波長板32は、レンズ31と光学的に接続されている。波長板32は、結像光学系において第2プリズム22および1/4波長板33を除く光学素子で生じる偏光変換を低減する偏光変換補償用光学素子である。
1/4波長板33は、波長板32と光学的に接続されている、1/4波長板33は、波長板32から出力された光を入力し、互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を出力する。
レンズ34は、1/4波長板33と光学的に接続されている。レンズ34は、1/4波長板33から出力された互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を入力し、偏光カメラ35の撮像面上に結像する。レンズ31およびレンズ34はリレー光学系を構成している。
偏光カメラ35は、レンズ34と光学的に接続されている。偏光カメラ35は、結像光学系により像が形成される位置に配置された撮像面を有する。偏光カメラ35は、1/4波長板33により互いに異なる回転方向の円偏光とされた二つの光を入力し、3以上の偏光成分それぞれについて撮像面上の干渉画像を取得する。偏光カメラ35は、図2および図3で説明した偏光カメラ26の構成と同じ構成とすることができる。
本実施形態の構成のうち、光源11からミラー27までの構成は、市販の微分干渉顕微鏡を用いることができる。また、レンズ31、波長板32、1/4波長板33、レンズ34よび偏光カメラ35をモジュール化して、微分干渉顕微鏡のカメラポートに対して着脱が自在である光学モジュール30Eとすることができる。市販の微分干渉顕微鏡のカメラポートに光学モジュール30Eを取り付けることで、本実施形態の観察装置1Eを安価に構成することができる。
図8は、第6実施形態の観察装置1Fの構成を示す図である。第5実施形態の観察装置1E(図7)と比較すると、第6実施形態の観察装置1F(図8)は、光学モジュール30Eに替えて光学モジュール30Fを備える点で相違する。第5実施形態における光学モジュール30Eと比較すると、第6実施形態における光学モジュール30Fは、波長板(偏光変換補償用光学素子)32が設けられていない点で相違し、ミラー36~38が設けられている点で相違する。
ミラー36およびミラー37は、レンズ31と1/4波長板33との間に設けられている。ミラー36は、レンズ31から到達した光をミラー37へ反射させる。ミラー37は、ミラー36から到達した光を1/4波長板33へ反射させる。ミラー38は、レンズ34と偏光カメラ35との間に設けられている。ミラー38は、レンズ34から到達した光を偏光カメラ35の撮像面へ反射させる。
ミラー36~38は、単に光を反射させるために設けられてもよいが、結像光学系において第2プリズム22および1/4波長板33を除く光学素子で生じる偏光変換を低減する偏光変換補償用光学素子として設けられるのが好適である。多くの場合に用いられる誘電体多層膜ミラーは、光を反射させる際に偏光変換を生じさせる。しかし、図9に示されるように、この偏光変換を補償する特性(例えば、同じ反射特性)を有する二つの誘電体多層膜ミラーM1,M2を用いて、ミラーM1,M2それぞれへの光の入射角を互いに等しくし、ミラーM1に入射する光のうちのp偏光成分がミラーM2に入射する際にはs偏光となるようにするとともに、ミラーM1に入射する光のうちのs偏光成分がミラーM2に入射する際にはp偏光となるようにする。これにより、二つのミラーM1,M2それぞれが光を反射させる際に生じる偏光変換が相殺され、全体として偏光変換を低減することができる。本実施形態では、四つのミラー27,36~38がこのような関係を有することで、全体として偏光変換を低減することができる。
図10は、第7実施形態の観察装置1Gの構成を示す図である。第6実施形態の観察装置1F(図8)と比較すると、第7実施形態の観察装置1G(図10)は、移動部28を更に備える点で相違する。偏光カメラ35は、移動部28による移動の各位置において干渉画像を取得する。解析部40は、各位置において偏光カメラ35により取得された干渉画像に基づいて観察対象物Sの3次元複素振幅画像を作成する。
移動部28は、結像光学系を構成する光学素子または観察対象物を結像光学系の光軸に平行な方向に移動させるものであり、好適には対物レンズ21を光軸方向に移動させる。移動部28は、リニアステージであってもよいし、ピエゾアクチュエータであってもよく、また、リニアステージおよびピエゾアクチュエータを組み合わせたものであってもよい。移動部28による対物レンズ21の移動により、偏光カメラ35の撮像面に対して共役な位置が観察対象物S中で深さ方向に走査されることになるので、観察対象物Sの3次元の位相微分画像、位相画像、振幅画像および複素振幅画像を作成することができる。さらに、観察対象物Sの3次元の位相微分画像または位相画像に対してデコンボリューション等の処理をすることで、観察対象物Sの3次元の屈折率分布画像を再構成することもできる。
次に、実施例について説明する。実施例では、第7実施形態の観察装置1G(図10)を用いて、観察対象物として細胞を観察した。図11は、位相微分画像である。第1プリズム14によるシアー方向(互いに直交する二つの直線偏光の光の分離方向)は、この図において左右方向である。図12は、位相微分画像(図11)から作成された位相画像である。図13は、深さ方向の各位置で取得された位相画像(図12)から作成された3次元屈折率分布画像である。この図に示されるように、観察対象物である細胞の立体的な形状を可視化することができた。
1A~1G…観察装置、11…光源、12…レンズ、13…偏光子、14…第1プリズム、15…コンデンサレンズ、21…対物レンズ、22…第2プリズム、23…1/4波長板(偏光変換素子)、24…レンズ、25…波長板(偏光変換補償用光学素子)、26…偏光カメラ、27…ミラー、28…移動部、30E,30F…光学モジュール、31…レンズ、32…波長板(偏光変換補償用光学素子)、33…1/4波長板(偏光変換素子)、34…レンズ、35…偏光カメラ、36~38…ミラー、40…解析部。

Claims (23)

  1. 空間的にインコヒーレントな光を出力する光源と、
    前記光源から出力された光を観察対象物に集光照射する照射光学系と、
    前記照射光学系の光路上に設けられ、前記光源から出力された光を入力して、直線偏光の光を出力する偏光子と、
    前記照射光学系の光路上であって前記偏光子と前記観察対象物との間に設けられ、前記偏光子から出力された光を入力して、互いに直交する二つの直線偏光の光を出力する第1プリズムと、
    前記照射光学系による前記観察対象物への光の照射に応じて前記観察対象物で生じた光を入力して結像する結像光学系と、
    前記結像光学系の光路上に設けられ、前記観察対象物から出力された二つの光を合波して出力する第2プリズムと、
    前記結像光学系の光路上であって前記第2プリズムより後段に設けられ、前記第2プリズムから出力された光を入力して、互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を出力する偏光変換素子と、
    前記結像光学系において前記第2プリズムおよび前記偏光変換素子を除く光学素子で生じる偏光変換を低減する偏光変換補償用光学素子と、
    前記結像光学系により像が形成される位置に配置された撮像面を有し、前記偏光変換素子から出力された互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を入力して、3以上の偏光成分それぞれについて前記撮像面上の干渉画像を取得する偏光カメラと、
    前記偏光カメラにより取得された3以上の偏光成分それぞれについての干渉画像に基づいて前記観察対象物の複素振幅画像を作成する解析部と、
    を備え、
    前記偏光変換補償用光学素子は、前記結像光学系に設けられている誘電体多層膜ミラーの反射特性を補償するミラーである、
    観察装置。
  2. 前記偏光変換素子は1/4波長板である、
    請求項1に記載の観察装置。
  3. 前記結像光学系は、ミラーを有するリレー光学系を含み、
    前記偏光変換補償用光学素子は、前記リレー光学系を構成するミラーである、
    請求項1または2に記載の観察装置。
  4. 前記結像光学系は、複数のミラーを有するリレー光学系を含み、
    前記偏光変換補償用光学素子は、前記リレー光学系を構成する前記複数のミラーであり、
    前記複数のミラーは、各々が光を反射させる際に生じる偏光変換を相殺して、全体として偏光変換を低減する、
    請求項1または2に記載の観察装置。
  5. 前記結像光学系はリレー光学系を含み、
    前記偏光変換素子は前記リレー光学系の光路上に設けられている、
    請求項1~の何れか1項に記載の観察装置。
  6. 前記偏光カメラは、前記撮像面において複数の画素が2次元配列された構造を有し、2次元の干渉画像を取得する、
    請求項1~の何れか1項に記載の観察装置。
  7. 前記偏光カメラは、前記撮像面において複数の画素が1次元配列された構造を有し、1次元の干渉画像を取得する、
    請求項1~の何れか1項に記載の観察装置。
  8. 前記偏光カメラの前記撮像面における前記複数の画素の配列方向と異なる方向に前記観察対象物を相対的に移動させることで、前記観察対象物の2次元の干渉画像を取得する、
    請求項に記載の観察装置。
  9. 前記結像光学系を構成する光学素子または前記観察対象物を前記結像光学系の光軸に平行な方向に移動させる移動部を更に備え、
    前記偏光カメラは、前記移動部による移動の各位置において干渉画像を取得し、
    前記解析部は、各位置において前記偏光カメラにより取得された干渉画像に基づいて前記観察対象物の3次元複素振幅画像を作成する、
    請求項1~の何れか1項に記載の観察装置。
  10. 微分干渉顕微鏡のカメラポートに対して着脱が自在である光学モジュールであって、
    前記微分干渉顕微鏡に置かれた観察対象物で生じた光を入力して結像する結像光学系の一部を構成し、前記微分干渉顕微鏡の第2プリズムから前記カメラポートを経て出力される光を入力するリレー光学系と、
    前記リレー光学系の光路上に設けられ、前記光を入力し、互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を出力する偏光変換素子と、
    前記結像光学系において前記第2プリズムおよび前記偏光変換素子を除く光学素子で生じる偏光変換を低減する偏光変換補償用光学素子と、
    前記リレー光学系により像が形成される位置に配置された撮像面を有し、前記偏光変換素子から出力された互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を入力し、3以上の偏光成分それぞれについて前記撮像面上の干渉画像を取得する偏光カメラと、
    を備え、
    前記偏光変換補償用光学素子は、前記結像光学系に設けられている誘電体多層膜ミラーの反射特性を補償するミラーである、
    光学モジュール。
  11. 前記偏光変換素子は1/4波長板である、
    請求項10に記載の光学モジュール。
  12. 前記リレー光学系は複数のミラーを有し、
    前記偏光変換補償用光学素子は、前記リレー光学系を構成する前記複数のミラーであり、
    前記複数のミラーは、各々が光を反射させる際に生じる偏光変換を相殺して、全体として偏光変換を低減する、
    請求項10または11に記載の光学モジュール。
  13. 前記偏光カメラは、前記撮像面において複数の画素が2次元配列された構造を有し、2次元の干渉画像を取得する、
    請求項10~12の何れか1項に記載の光学モジュール。
  14. 前記偏光カメラは、前記撮像面において複数の画素が1次元配列された構造を有し、1次元の干渉画像を取得する、
    請求項10~12の何れか1項に記載の光学モジュール。
  15. 空間的にインコヒーレントな光を光源から出力し、
    前記光源から出力された光を観察対象物に集光照射する照射光学系の光路上に設けられた偏光子により、前記光源から出力された光を入力して、直線偏光の光を出力し、
    前記照射光学系の光路上であって前記偏光子と前記観察対象物との間に設けられた第1プリズムにより、前記偏光子から出力された光を入力して、互いに直交する二つの直線偏光の光を出力し、
    前記照射光学系による前記観察対象物への光の照射に応じて前記観察対象物で生じた光を入力して結像する結像光学系の光路上に設けられた第2プリズムにより、前記観察対象物から出力された二つの光を合波して光を出力し、
    前記結像光学系の光路上であって前記第2プリズムより後段に設けられた偏光変換素子により、前記第2プリズムから出力された光を入力して、互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光に変換して出力し、
    前記結像光学系に設けられている誘電体多層膜ミラーの反射特性を補償するミラーを偏光変換補償用光学素子として用いて、前記結像光学系において前記第2プリズムおよび前記偏光変換素子を除く光学素子で生じる偏光変換を低減し、
    前記結像光学系により像が形成される位置に配置された撮像面を有する偏光カメラにより、前記偏光変換素子から出力された互いに回転方向が異なる二つの円偏光の光を入力して、3以上の偏光成分それぞれについて前記撮像面上の干渉画像を取得し、
    前記偏光カメラにより取得された3以上の偏光成分それぞれについての干渉画像に基づいて前記観察対象物の複素振幅画像を作成する、
    観察方法。
  16. 前記偏光変換素子は1/4波長板である、
    請求項15に記載の観察方法。
  17. 前記結像光学系は、ミラーを有するリレー光学系を含み、
    前記偏光変換補償用光学素子は、前記リレー光学系を構成するミラーである、
    請求項15または16に記載の観察方法。
  18. 前記結像光学系は、複数のミラーを有するリレー光学系を含み、
    前記偏光変換補償用光学素子は、前記リレー光学系を構成する前記複数のミラーであり、
    前記複数のミラーは、各々が光を反射させる際に生じる偏光変換を相殺して、全体として偏光変換を低減する、
    請求項15または16に記載の観察方法。
  19. 前記結像光学系はリレー光学系を含み、
    前記偏光変換素子は前記リレー光学系の光路上に設けられている、
    請求項15~18の何れか1項に記載の観察方法。
  20. 前記偏光カメラは、前記撮像面において複数の画素が2次元配列された構造を有し、2次元の干渉画像を取得する、
    請求項15~19の何れか1項に記載の観察方法。
  21. 前記偏光カメラは、前記撮像面において複数の画素が1次元配列された構造を有し、1次元の干渉画像を取得する、
    請求項15~19の何れか1項に記載の観察方法。
  22. 前記偏光カメラの前記撮像面における前記複数の画素の配列方向と異なる方向に前記観察対象物を相対的に移動させることで、前記観察対象物の2次元の干渉画像を取得する、
    請求項21に記載の観察方法。
  23. 前記結像光学系を構成する光学素子または前記観察対象物を前記結像光学系の光軸に平行な方向に移動させ、
    前記偏光カメラにより各位置において干渉画像を取得し、
    各位置において前記偏光カメラにより取得された干渉画像に基づいて前記観察対象物の3次元複素振幅画像を作成する、
    請求項15~22の何れか1項に記載の観察方法。
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