JP7306840B2 - 測距装置を有する物体監視システム - Google Patents

測距装置を有する物体監視システム Download PDF

Info

Publication number
JP7306840B2
JP7306840B2 JP2019039071A JP2019039071A JP7306840B2 JP 7306840 B2 JP7306840 B2 JP 7306840B2 JP 2019039071 A JP2019039071 A JP 2019039071A JP 2019039071 A JP2019039071 A JP 2019039071A JP 7306840 B2 JP7306840 B2 JP 7306840B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
pixels
monitoring system
abnormality
monitoring area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019039071A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020143941A (ja
Inventor
稔 中村
祐輝 高橋
淳 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fanuc Corp filed Critical Fanuc Corp
Priority to JP2019039071A priority Critical patent/JP7306840B2/ja
Publication of JP2020143941A publication Critical patent/JP2020143941A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7306840B2 publication Critical patent/JP7306840B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、測距装置を有する物体監視システムに関し、特に物体監視システムのフィルタ処理に関する。
物体までの距離を測定する測距装置として、光の飛行時間に基づき距離を出力するTOF(time of flight)カメラが知られている。TOFカメラは、所定周期で強度変調した参照光を対象空間に照射し、参照光と対象空間からの反射光との間の位相差に基づき対象空間の測距値を出力する位相差方式を採用するものが多い。TOFカメラの利用も想定された物体検知技術としては、下記の文献が公知である。
特許文献1には、TOFカメラ等で撮像した検知エリアの撮像画像と、検知エリアの背景画像との背景差分画像を生成し、背景差分画像において前景画素をグルーピングし、前景画素の画素数がオブジェクト判定画素数以下の前景領域をノイズと判定することが記載されている。
特開2014-56494号公報
TOFカメラの距離空間の中に定めた監視領域内の物体有無の判定を行う場合、TOFカメラの測距値にはバラツキがあるため、物体が監視領域の遠方面から僅かに侵入した状態では、監視領域内と判定される画素が離散的になることがある。また、TOFカメラは、サチュレーション、露光不足、イメージセンサの画素故障等といった測距異常を示す画素を発生させることもある。このような測距値のバラツキ、測距異常等を発生させる測距装置を用いて監視領域内の物体有無を判定する場合、判定安定化のために距離画像に対してフィルタ処理を行うことが想定される。
しかし、従来の画像処理フィルタ、例えば収縮フィルタ、平均化フィルタ、中間値フィルタ等では、フィルタサイズに対して監視領域内と判定される画素数が少ない場合、監視領域内に物体有りと判定できないことがある。例えば収縮フィルタは、図11Aに示すように対象画素周辺の3×3の画素値が全て1のときに1を出力する。収縮フィルタで期待される一般的な効果は規定サイズ以下のノイズや細かな凹凸を削除することであるが、収縮フィルタを距離画像に適用して監視領域内の物体検知を行う場合、3×3の画素群の測距値が全て監視領域内に無いと、監視領域内に物体が侵入したと判定できない。
また平均化フィルタは、図11Bに示すように対象画素周辺の3×3の画素値の平均値を出力する。平均化フィルタで期待される一般的な効果は急峻に変化する領域を滑らかにすることであるが、平均化フィルタを距離画像に適用して監視領域内の物体検知を行う場合、物体が背景の距離と平均化されてしまうと、監視領域内に物体が侵入したと判定できなくなる。
さらに中間値フィルタは、図11Cに示すように対象画素周辺の3×3の画素値の中間値(例えば5番目の値)を出力する。中間値フィルタで期待される一般的な効果はスパイク的なノイズの除去であり、滑らかさは平均化フィルタと比べて若干劣るものの、エッジ部のぼけが抑えられる。中間値フィルタを距離画像に適用して監視領域内の物体検知を行う場合、3×3の画素群のうち5個以上の画素が監視領域内と判定されないと、監視領域内に物体が侵入したと判定できない。
そこで、測距値のバラツキ、測距異常等を発生させる測距装置を用いた物体監視システムにおいて、物体検知の安定性を高めたフィルタ処理が求められている。
本開示の一態様は、対象空間の距離画像を生成する測距装置と、対象空間の中に定めた監視領域内の物体有無を距離画像に基づき判断するコンピュータ装置と、を備える物体監視システムであって、コンピュータ装置は、距離画像において、特定の配置関係にある第1個数の隣接画素群の中で、監視領域内と判定した画素数にサチュレーション、露光不足、画素故障及び精度異常の少なくとも1つである測距異常を示す画素数も含めた画素数が、1以上で第1個数未満である第2個数以上と判定された場合に、監視領域内に物体有りと判定するフィルタを備える、物体監視システムを提供する。
本開示の一態様によれば、従来の画像処理フィルタでは物体検知が難しい場合でも物体検知が可能になる。また、測距異常の画素があっても本開示のフィルタのみで判定を継続できる。
一実施形態における物体監視システムのブロック図である。 フィルタ処理の具体例を説明する距離画像の状態を示す図である。 フィルタ処理の変形例を説明する図である。 フィルタ処理の他の変形例を説明する図である。 フィルタ形状の一例を示す図である。 フィルタの判定理由の選定アルゴリズムを説明する図である。 画素状況を対象空間の画像上に重ねた画像の一例を示す図面代用写真である。 測距値のバラツキを示すヒストグラムである。 平均がμで偏差σのバラツキを持つ測距値の正規分布及び累積分布確率F(x)を示すグラフである。 判定閾値xと本開示のフィルタの判定確率の関係を、夫々のNに対して追加したものである。 従来の収縮フィルタを示す図である。 従来の平均化フィルタを示す図である。 従来の中間値フィルタを示す図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の構成要素には同一又は類似の符号が付与されている。また、以下に記載する実施形態は、特許請求の範囲に記載される発明の技術的範囲及び用語の意義を限定するものではない。
図1は本実施形態における物体監視システム1のブロック図である。物体監視システム1は、測距装置10及びコンピュータ装置20を備えている。測距装置10及びコンピュータ装置20は、有線又は無線のネットワークを介して相互に通信可能に接続されるか、又は、バス接続等により一体化して構成されてもよい。
測距装置10は、TOFカメラ、レーザスキャナ等で構成され、対象空間の距離画像を順次生成する。測距装置10は、入出力部11、発光撮像制御部12、照射部13、受光部14、A/D変換部15、及び距離画像生成部16を備えている。入出力部11は、種々の設定値等の入力、距離画像や強度画像等の出力等を行う。発光撮像制御部12は、入力した設定値に基づき照射部13の発光及び受光部14の撮像を制御する。
照射部13は、強度変調した参照光を発光する光源、参照光を対象空間に照射するための拡散板やMEMSミラー等のスキャナ機構等を備えている。受光部14は、対象空間からの反射光を集光する集光レンズ、特定波長の反射光のみを透過する光学フィルタ、反射光を受光する受光素子等を備えている。受光部14は、参照光の発光タイミングに対し、例えば0°、90°、180°、270°だけ位相をずらした4種類の露光タイミングで受光を繰返し、位相毎に電荷量Q1-Q4を蓄積していく。
A/D変換部15は、蓄積した電荷量Q1-Q4を増幅してA/D変換し二値化した値で出力する。また増幅した際に飽和を検出した場合には、これを示す値(ビット)を出力する。
距離画像生成部16は、電荷量Q1-Q4に基づいて参照光と反射光との位相差を画素毎に求め、各画素の位相差から測距値を算出して距離画像を生成する。位相差Td及び測距値Lの算出式の一例を下記に示す。下記式において、cは光速であり、fは参照光の変調周波数である。
Figure 0007306840000001
Figure 0007306840000002
また距離画像生成部16は、電荷量Q1-Q4に基づいて、A/D変換部15の出力に電荷量の飽和が検出されている場合、一般にサチュレーション発生と判断し、測距値として特異値(例えば9999)を出力することもできる。また、距離画像生成部16は、電荷量Q1-Q4のいずれもが規定値より小さいと判断される場合には、露光不足と判断し、測距値として特異値(例えば9998)を出力することもできる。
距離画像生成部16は、電荷量Q1-Q4のいずれも同じ値である場合、画素故障発生と判断し、測距値として特異値(例えば9997)を出力することもできる。また、電荷量Q1、Q3の和と電荷量Q2、Q4の和との差分をスケール調整して求めた精度情報が所定閾値を超える場合には、精度異常と判断し、特異値(例えば9996)を出力することもできる。精度情報の詳細については特願2018-112665号を参照されたい。なお、他の実施形態において、これら異常の検出や特異値への置換動作については、電荷量Q1-Q4のA/D変換値をコンピュータ装置20へ送信し、コンピュータ装置20側で判定してもよい。
測距装置10はさらに、強度画像生成部17を備えていてもよい。強度画像生成部17は、距離画像内の各画素について電荷量Q1-Q4の関係に基づき受光強度Iを算出し、距離画像に対応した強度画像を順次生成する。受光強度Iの算出式の一例を下記に示す。
Figure 0007306840000003
コンピュータ装置20は、CPU(central processing unit)、RAM(random access memory)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)等で構成され、対象空間の中に定めた監視領域内の物体有無を距離画像に基づき判断する。コンピュータ装置20は、入出力部21、設定メモリ22、フィルタ判定部23、信号出力部24、及び表示部25を備えている。
入出力部21は、距離画像、強度画像等の入力、種々の設定値の出力等を行う。設定メモリ22は、監視領域データ、種々のフィルタ設定値、撮像モード等を記憶している。監視領域データは、測距装置10の対象空間における三次元位置として設定され、距離画像の各画素が眺望する監視領域の距離範囲テーブルに変換されて記憶される。フィルタ設定値は、監視領域内の物体有無を判定するフィルタに関する設定値であり、例えばフィルタ形状、判定閾値、後述する他の設定値を含む。撮像モードは、測距装置の発光撮像に関する設定値であり、例えば参照光の発光量、露光時間、絞り値等を含む。
フィルタ判定部23は、距離画像をフィルタ処理して監視領域内の物体有無を判定する。本例のフィルタは、特定の配置関係にあるM個(Mは整数)の隣接画素群の中で、監視領域内と判定した画素数が、1以上でM個未満であるN個以上(Nは整数)と判定された場合に、監視領域内に物体有りと判定する。
信号出力部24は、監視領域内に物体有りとフィルタ判定された場合に、物体検知信号26を外部へ出力する。物体検知信号26は、例えば監視領域に侵入した作業者の安全を確保するため、作業者から隔離するロボット、工作機械等の危険源の動力停止信号として使用される。
表示部26は、種々の設定画面、距離画像、強度画像等を表示する。後述するが、本例の表示部26は、距離画像、強度画像等の対象空間の画像上に、監視領域内か否か、測距異常の種別、フィルタの判定結果等の画素状況を重ねた画像を表示する。
図2はフィルタ処理の具体例を説明する距離画像の状態を示す図である。画素領域31は、設定された監視領域を眺望する画素であることを示し、これら画素の測距値が距離範囲テーブルの範囲内である場合には、監視領域内と判定される。図2では、物体30の一部が監視領域に侵入した場合を想定している。なお、距離画像32は、画素領域31内において監視領域内と判定した4つの画素32a-32dと、測距異常を示す1つの画素32eと、を含んでいる。理解を容易にするため、図2は距離画像32の一部のみを示し、また物体30は距離画像32上で表現していることに留意されたい。
本例のフィルタ33は、3×3のM=9個の隣接画素群の中で、監視領域31内に侵入したと判定した画素数がN=4個以上と判定された場合に、監視領域31内に物体有りと判定する。一般にフィルタ処理は、注目画素を隣接画素群の中心部の画素位置とし、注目画素を含む隣接画素群の値を用いて判定を行う。フィルタ33を距離画像32に適用し、監視領域31内に物体有りと判定される注目画素が1画素でもあった場合には、物体検知信号が出力される。例えば図2に示すように、対象画素32a-32dの4つの画素を夫々注目画素とした場合には、いずれも監視領域31内と判定した画素数が4個以上となるため、監視領域31内に物体有りと判定される(図2の右側にフィルタ判定結果を示す。)。距離画像32内に測距異常を示す画素32eがあっても同様のフィルタ判定結果が得られるため、本例のフィルタ33のみで判定を継続できる。
対照的に、従来の画像処理フィルタ、例えば収縮フィルタ、中間値フィルタでは、監視領域31内と判定した画素数がフィルタ内に9個又は5個以上ないため、実際には監視領域31内に物体30が侵入していても物体検知できない。また平均化フィルタの場合も対象画素32a-32d以外の周辺画素の測距値が平均値計算上支配的になるため、物体検知できない可能性が高い。従って、本例のフィルタ33によれば、従来の画像処理フィルタでは物体検知が難しい場合でも物体検知が可能になる。
図3はフィルタ処理の変形例を説明する図である。図3では、再帰反射材40が物体30の先端の一部に付いている場合を想定している。再帰反射材40によってサチュレーションが発生するため、距離画像32は、監視領域31内と判定した3つの画素32a-32cに加えて、測距異常を示す6つの画素40a-40fも含んでいる。
本例のフィルタ33は、監視領域31内と判定した画素数に、サチュレーション等の測距異常を示す画素数も含めた画素数がN=4個以上かを判定する点で、前述のフィルタとは異なる。監視領域31内と判定した3つの画素32a-32c、及び、測距異常を示す6つの画素40a-40fの計9つの画素を夫々注目画素とした場合には、いずれも監視領域31内と判定した画素数に、サチュレーション等の測距異常を示す画素数も含めた画素数が4個以上あるため、監視領域31内に物体有りと判定される(図3の右側にフィルタ判定結果を示す。)。
対照的に、測距異常の画素数を含めないフィルタでは、監視領域31内と判定した画素数が3個しかないため、フィルタ判定閾値がN=4個の場合には監視領域31内に物体有りと判定できない。このように測距異常を示す画素数も含めてフィルタ判定を行うことにより、今回例示したような先端部に再帰反射材が付いている物体をよりいち早く、また、より安全サイドに判定することが可能になる。
図8は約2m先の物体を眺望する画素が出力した測距値のバラツキを示している。ショットノイズ、暗電流ノイズ、熱雑音等の不可避なランダムノイズの影響を受けるため、TOFカメラの各画素の測距値のバラツキは正規分布的に分布することが知られている。これは、物体が監視領域の遠方面上に丁度ある場合、これを眺望する各画素は、監視領域内と判定する判定確率がほぼ0.5であることを意味する。図9は平均がμで偏差σのバラツキを持つ測距値の正規分布及びその累積分布確率F(x)を示している。μが監視領域の遠方面の距離とした場合、判定確率に対応する累積分布確率F(x)は0.5であり、物体が監視領域の遠方面より侵入している距離が大きくなるほど、判定確率に対応する累積分布確率F(x)は大きくなる。
図4はフィルタ処理の他の変形例を説明する図である。図9に示しているが、仮に測距値が偏差σのバラツキを持ち、物体が監視領域の遠方面から0.25σに相当する距離分侵入していると、物体を眺望する各画素が監視領域内と判定する判定確率は0.6となる。従って各距離画像において、監視領域内と判定する画素の状況は、図4に示すように離散的になる。この状況下において、3×3のM=9個、N=4個のフィルタを適用した場合のフィルタ処理後のフィルタ判定確率を考える。物体を眺望する各画素が監視領域内と判定される判定確率をpとし、フィルタ処理後のフィルタ判定確率をPとした場合、フィルタ判定確率Pは、判定確率pの試行をM回行ってN回以上成功する確率を計算する下記の二項分布の式から求められ、フィルタ判定確率Pは0.733となる。
Figure 0007306840000004
<方式1>
フィルタ判定確率を高めるため、方式1のフィルタ33は、時系列に生成したQ個の距離画像n、n-1、n-2にわたって監視領域内と判定した画素数の合計又は測距異常を示す画素数も含めた画素数の合計が、1以上でM×Q個未満であるL個以上かを判定する時間フィルタである点で、前述のものとは異なる。例えば図4に示すように、過去3回(時間フィルタ定数Q=3個)の距離画像n、n-1、n-2にわたって3×3のM=9×3=27個、N=4×3=12個の時間フィルタを適用した場合、フィルタ判定確率P1が0.957まで向上する。従って、物体検知の安定性が高まる。
<方式2>
さらにフィルタ判定確率を高めるため、方式2のフィルタ33は、時系列に生成したQ個の距離画像n、n-1、n-2にわたって1度でも監視領域内と判定した画素数又は測距異常を示す画素数も含めた画素数がN個以上かを判定する点で、前述のものとは異なる。例えば図4に示すように、過去3回の距離画像n、n-1、n-2にわたって3×3のM=9個、N=4個の時間フィルタを適用した場合、1画素の判定確率pが0.6から0.936へ向上するため、フィルタ判定確率P2が0.9999まで向上する。従って、物体検知の安定性がさらに高まる。
判定確率の向上度は、フィルタ処理する距離画像が多い程高くなる。因みに、時間フィルタ定数Q=10個の場合、フィルタ判定確率P1は0.997まで向上し、フィルタ判定確率P2は1-1.6E-18まで向上する。
前述のフィルタに応じて、コンピュータ装置20は下記項目の少なくとも1つを設定する手段を備えているとよい。設定手段としては、設定ソフトウェア、設定ボタン等がある。
(1)フィルタ形状(フィルタサイズ:M、画素群の配置関係等。図5に一例を示す)
(2)フィルタ判定閾値:N、L
(3)測距異常を示す画素数を含めるか否か
(4)時間フィルタ定数:Q
(5)使用するフィルタの選択
(6)撮像モード(参照光の発光量、露光時間、絞り値等)
上記項目の設定により、物体検知サイズ、フィルタ判定確率等の調整が可能になるため、使用目的、設置環境等に応じたフレキシブルな物体検知が可能となる。
またコンピュータ装置20は、測距異常を示す画素数を含めてフィルタ判定を行う場合、監視領域内に物体有りと判定した理由としては、物体の侵入と測距異常、さらにこの測距異常は、サチュレーション、露光不足、画素故障、精度異常等と複数に分類される場合もあり、監視領域内に物体有りと判定した判定理由を通知する手段を備えるとよい。通知手段としては、通知メール、通知音、通知ランプ等がある。
図6はフィルタの判定理由の選定アルゴリズムを説明する図である。フィルタ処理において判定理由を選定するアルゴリズムとしては、フィルタ内で最も多く見られる種別を選定する方法がある。種別としては、侵入、サチュレーション、露光不足、画素故障、精度異常等がある。図6では、距離画像が、監視領域内と判定した3つの画素32a-32cと、サチュレーションを示す2つの画素50a-50bと、露光不足を示す1つの画素50cと、を含んでいる場合を想定している。測距異常を示す画素数も含めるフィルタ33を注目画素32bに適用して監視領域内に物体有りと判定された場合、フィルタ内で最も多い種別が「侵入」であるため、フィルタ33の判定理由は「侵入」が選定される。また、注目画素からの距離が遠い程小さくなる重みを加味した加重平均の高い理由を選定する方法や、判定理由に優先順位を付けておき、最も高い優先順位の理由を選定する方法もある。
一方、物体監視システムとして監視領域内に物体有りと判定した理由は、フィルタ判定が物体有りと判定した同一の距離画像の全てのフィルタ判定の理由を対象とするのが一般である。従って、各フィルタ処理のフィルタ判定の理由は複数になる場合や、さらにそれらの種別が異なる場合がある。
また、注目画素毎にフィルタ判定の理由が複数で異なる場合、主たる理由を選定して通知する方が、ユーザには使い勝手が良い場合もある。物体監視システムとして監視領域内に物体有りと判定した主たる判定理由を選定するアルゴリズムとしては、最も多い判定理由を選定する方法や、判定理由に優先順位を付けておき、最も高い優先順位の判定理由を選定する方法等がある。一例として「侵入」を優先順位の最高位にしておくことで、例えば再帰反射材の付いた物体が侵入し、サチュレーションと判定したフィルタが3つ、物体侵入と判定したフィルタが1つであった場合も、「侵入」を監視領域内に物体有りと判定した主たる判定理由として通知することになり、ユーザに対して、より現実的な理由の選択が可能になる。
さらにコンピュータ装置20は、監視領域内か否か(未侵入、侵入)、測距異常の種別(サチュレーション、露光不足、画素故障、精度異常等)、フィルタの判定結果、及びフィルタの判定理由のうち少なくとも1つの画素状況を対象空間の画像上に重ねて表示する手段を備えていてもよい。表示手段としては、液晶ディスプレイ等がある。図7は、対象空間の強度画像34上に画素状況を重ねた画像を示している。このような画素状況を重ねた画像は、物体監視システムを設置した時の初期の画像状況、改善処置の効果、監視領域への物体侵入検知のテスト等の確認を効果的に行うことができ、さらには物体検知した際の原因究明にも役立つ。
本開示のフィルタは、測距値のバラツキを低減するのと等価な効果を有している。図8に示す正規分布的に分布する測距値のバラツキの幅は統計学的に偏差σで表せるが、測距装置としては、この偏差σが小さい方が良いことは言うまでもない。図9は平均がμで偏差σのバラツキを持つ測距値の正規分布及びその累積分布確率F(x)を示している。監視領域の遠方面の距離がμとして、物体が監視領域の遠方面上に丁度ある場合、これを眺望する画素の測距値に対する判定閾値xにμを適用した場合には、μ以下と判定される判定確率が0.5であることを示している。同様に、判定閾値xにμ-σを適用した場合にはμ-σ以下と判定される判定確率は0.16となり、判定閾値xにμ+σを適用した場合にはμ+σ以下と判定される判定確率は0.84となる。即ち判定確率が0.16から0.84となる判定確率の幅は2σとなる。
本開示のフィルタによる測距バラツキの低減効果を考えるに当たって、一例としてM=9個のフィルタとし、9個の対象画素は同じ距離にある物体を測距し、同じバラツキ分布特性:累積分布確率F(x)を持ち、同じ判定閾値xで判定されるものとする。このときN=1からN=8の夫々の場合において、適用する判定閾値xとその時のフィルタ判定確率Pは、下記の二項分布の式で求められる。
Figure 0007306840000005
図10は判定閾値xと本開示のフィルタの判定確率の関係を、夫々のNに対して追加したものである。個々の画素の累積分布確率F(x)のグラフに対し、N=1からN=7のフィルタ判定確率の立ち上がりは急峻になることが分かる。さらに、各グラフについて前述の判定確率0.16、判定確率0.84、さらに判定確率0.5となる判定確率xを纏めたものが下記の表である。表には、急峻さの指標として、判定確率0.16と0.84となる判定確率の差、及び、単画素と比較した偏差σの比率が加えられている。
Figure 0007306840000006
いずれのNであっても、判定確率が0.16から0.84となる判定閾値の幅は1σ前後であり、本開示のフィルタが単画素の測距値のバラツキを半分程度に低減したのと等価的な効果を有することが分かる。
前述のコンピュータ装置20の構成要素は、CPU等で実行されるプログラムとして構成してもよい。斯かるプログラムは、コンピュータ読取り可能な非一時的記録媒体、例えばCD-ROM等に記録して提供できる。
本明細書において種々の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に記載された範囲内において種々の変更を行えることを認識されたい。
1 物体監視システム
10 測距装置
11 入出力部
12 発光撮像制御部
13 照射部
14 受光部
15 A/D変換部
16 距離画像生成部
17 強度画像生成部
20 コンピュータ装置
21 入出力部
22 設定メモリ
23 フィルタ判定部
24 信号出力部
25 表示部
26 物体検知信号
30 物体
31 監視領域
32 距離画像
32a-32d 監視領域内と判定した画素
32e 測距異常を示す画素
33 フィルタ
34 強度画像
40 再帰反射材
40a-40f 測距異常を示す画素
50a-50b サチュレーションを示す画素
50c 露光不足を示す画素

Claims (9)

  1. 対象空間の距離画像を生成する測距装置と、前記対象空間の中に定めた監視領域内の物体有無を前記距離画像に基づき判断するコンピュータ装置と、を備える物体監視システムであって、
    前記コンピュータ装置は、前記距離画像において、特定の配置関係にある第1個数の隣接画素群の中で、前記監視領域内と判定した画素数にサチュレーション、露光不足、画素故障及び精度異常の少なくとも1つである測距異常を示す画素数も含めた画素数が、1以上で前記第1個数未満である第2個数以上と判定された場合に、前記監視領域内に物体有りと判定するフィルタを備えることを特徴とする物体監視システム。
  2. 前記コンピュータ装置は、前記第1個数、前記第2個数、及び前記配置関係のうち少なくとも1つを設定する手段をさらに備える、請求項1に記載の物体監視システム。
  3. 前記コンピュータ装置は、時系列に生成した第3個数の前記距離画像にわたって前記隣接画素群の中で前記監視領域内と判定した画素数にサチュレーション、露光不足、画素故障及び精度異常の少なくとも1つである測距異常を示す画素数も含めた画素数の合計が、1以上で前記第1個数に前記第3個数を乗算した数未満である第4個数以上かを判定するフィルタをさらに備える、請求項1又は2に記載の物体監視システム。
  4. 前記コンピュータ装置は、前記第4個数を設定する手段をさらに備える、請求項に記載の物体監視システム。
  5. 前記コンピュータ装置は、時系列に生成した第3個数の前記距離画像にわたって1度でも前記隣接画素群の中で前記監視領域内と判定した画素数にサチュレーション、露光不足、画素故障及び精度異常の少なくとも1つである測距異常を示す画素数も含めた画素数が前記第2個数以上かを判定するフィルタをさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載の物体監視システム。
  6. 前記コンピュータ装置は、前記第3個数を設定する手段をさらに備える、請求項からのいずれか一項に記載の物体監視システム。
  7. 前記コンピュータ装置は、使用するフィルタ処理を選択する手段をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載の物体監視システム。
  8. 前記コンピュータ装置は、前記監視領域内に物体有りと判定した理由を通知する手段をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載の物体監視システム。
  9. 前記コンピュータ装置は、前記監視領域内か否か、サチュレーション、露光不足、画素故障及び精度異常の少なくとも1つである測距異常の種別、前記フィルタの判定結果、及び前記フィルタの判定理由のうち少なくとも1つの画素状況を前記対象空間の画像上に表示する手段をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載の物体監視システム。
JP2019039071A 2019-03-04 2019-03-04 測距装置を有する物体監視システム Active JP7306840B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019039071A JP7306840B2 (ja) 2019-03-04 2019-03-04 測距装置を有する物体監視システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019039071A JP7306840B2 (ja) 2019-03-04 2019-03-04 測距装置を有する物体監視システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020143941A JP2020143941A (ja) 2020-09-10
JP7306840B2 true JP7306840B2 (ja) 2023-07-11

Family

ID=72353543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019039071A Active JP7306840B2 (ja) 2019-03-04 2019-03-04 測距装置を有する物体監視システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7306840B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006099749A (ja) 2004-08-31 2006-04-13 Matsushita Electric Works Ltd ジェスチャースイッチ
JP2014006727A (ja) 2012-06-25 2014-01-16 Omron Corp モーションセンサ及び物体動作検知方法
JP2014035304A (ja) 2012-08-09 2014-02-24 Sanyo Electric Co Ltd 情報取得装置および物体検出装置
JP2018087703A (ja) 2016-11-28 2018-06-07 パイオニア株式会社 制御装置、測定装置、およびコンピュータプログラム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5040116A (en) * 1988-09-06 1991-08-13 Transitions Research Corporation Visual navigation and obstacle avoidance structured light system

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006099749A (ja) 2004-08-31 2006-04-13 Matsushita Electric Works Ltd ジェスチャースイッチ
JP2014006727A (ja) 2012-06-25 2014-01-16 Omron Corp モーションセンサ及び物体動作検知方法
JP2014035304A (ja) 2012-08-09 2014-02-24 Sanyo Electric Co Ltd 情報取得装置および物体検出装置
JP2018087703A (ja) 2016-11-28 2018-06-07 パイオニア株式会社 制御装置、測定装置、およびコンピュータプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020143941A (ja) 2020-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11769775B2 (en) Distance-measuring imaging device, distance measuring method of distance-measuring imaging device, and solid-state imaging device
US7697119B2 (en) Range image generating apparatus
JP4727388B2 (ja) 侵入検知装置
CN109564382B (zh) 拍摄装置以及拍摄方法
JP6773724B2 (ja) 精度情報を出力する測距装置
JP4815190B2 (ja) 侵入検知装置
US7161586B2 (en) Method of operating an optical motion sensing device and optical motion sensing device implementing this method
WO2019026457A1 (ja) 画像監視装置、画像監視方法、画像監視プログラムおよび記録媒体
US10628951B2 (en) Distance measurement system applicable to different reflecting surfaces and computer system
JP6127558B2 (ja) 撮像装置
JP7306840B2 (ja) 測距装置を有する物体監視システム
KR100717861B1 (ko) 카메라 영상을 이용한 움직임 검출 방법 및 장치
WO2018034236A1 (ja) ガス検知システム及びガス検知方法
JP2018159685A (ja) 距離測定装置
CN112014858A (zh) 修正测距异常的距离图像生成装置
JPWO2020021914A1 (ja) 距離測定装置および信頼性判定方法
US20220180840A1 (en) Information processing apparatus, information processing method, and storage medium
US20200304739A1 (en) Image processing device, image processing method and storage medium
JP6912449B2 (ja) 測距装置を有する物体監視システム
US20230345142A1 (en) Three-dimensional-measurement device and three-dimensional-measurement method
WO2023181881A1 (ja) 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
WO2022168903A1 (ja) 異常検出装置、異常検出方法、及びプログラム
US20230204522A1 (en) Radiation imaging apparatus, image processing apparatus, operation method for radiation imaging apparatus, and non-transitory computer readable storage medium
TWI797017B (zh) 過熱預測系統、過熱預測方法以及非暫態電腦可讀取儲存媒體
US20240048684A1 (en) Using multiple target distances to determine long-term quality and/or performance over a temperature range

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7306840

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150