JP7306221B2 - スパッタリング装置、スパッタリング方法、及びスパッタリング装置用プログラム - Google Patents

スパッタリング装置、スパッタリング方法、及びスパッタリング装置用プログラム Download PDF

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Description

本発明は、プラズマを用いてターゲットをスパッタリングして基板に成膜するスパッタリング装置、スパッタリング方法、及びスパッタリング装置用プログラムに関するものである。
この種のスパッタリング装置としては、特許文献1に示すように、プラズマを生成するための第1アンテナ及び第2アンテナと、第1アンテナ及び第2アンテナの間に接続された第1可変コンデンサと、第2アンテナの接地側端部に接続された第2可変コンデンサと、第1アンテナの給電側端部に流れる電流を検出する第1電流検出部と、第1アンテナ及び第2アンテナの間を流れる電流を検出する第2電流検出部と、第2アンテナの接地側端部に流れる電流を検出する第3電流検出部と、各電流検出部により検出される電流値が互いに等しくなるように、第1可変コンデンサ及び第2可変コンデンサを制御する制御装置と備えたものがある。
特開2019-164934号公報
上記のスパッタリング装置では、各電流検出部により検出される電流値が互いに等しくなることにより、アンテナの長手方向に沿って均一なプラズマを発生させることを可能にするものである。
ところで、本願発明者は、上記のスパッタリング装置においてアンテナに流れる電流と生成されるプラズマとの関係のみに着目するのではなく、更に検討することによって、アンテナに流れる電流と基板への成膜速度との関係に所定の相関関係が存在することを確認した。
具体的に本願発明者は、基板上の各位置(x,y)における成膜速度Rxyと、電流検出部により検出される電流値から推定される基板上の各位置(x,y)の推定電流値との関係に線形性があることを確認した。
そこで本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、均一な膜厚とするためのアンテナ電流の制御を容易にすることをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係るスパッタリング装置は、プラズマを用いてターゲットをスパッタリングして基板に成膜するスパッタリング装置であって、前記プラズマを発生させるためのアンテナと、前記アンテナに高周波電流を流すための高周波電源と、前記アンテナの給電側端部及び接地側端部それぞれに接続されたインピーダンスが可変な複数のインピーダンス調整部と、前記アンテナの給電側端部及び接地側端部それぞれを流れる電流を検出する電流検出機構と、前記電流検出機構の各検出電流値に基づいて、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記基板上の各位置の成膜速度と、前記電流検出機構の各検出電流値から求まる前記各位置を流れると推定される推定電流値との関係を示す関係データを格納する関係データ格納部と、前記電流検出機構の各検出電流値及び前記関係データを用いて各位置の成膜速度を求め、求めた各位置の成膜速度に基づいて、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御するインピーダンス制御部とを有することを特徴とする。
このようなスパッタリング装置であれば、各位置の成膜速度及び推定電流値の関係データと、電流検出機構の各検出電流値を用いて各位置の成膜速度を求め、求めた各位置の成膜速度に基づいて、複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御するので、基板上の各位置の膜厚を均一にするためのアンテナ電流の制御を容易にすることができる。その結果、作業者は試行錯誤して電流値を調整する必要がなく、基板上の各位置の膜厚を均一にするためのアンテナ電流を容易に短時間で再現性良く設定することができ、生産性を向上させることができる。
具体的に前記インピーダンス制御部は、求めた各位置の成膜速度に基づいて、前記電流検出機構の各検出電流値の目標値を算出し、前記電流検出機構の各検出電流値が前記目標値となるように、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御することが考えられる。
インピーダンス制御部の具体的な制御態様としては、前記インピーダンス制御部は、求めた各位置の成膜速度に基づいて、前記電流検出機構の各検出電流値のうち何れか1つを固定値とし、それ以外の検出電流値の目標値を算出し、前記電流検出機構の各検出電流値が前記目標値となるように、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御することが望ましい。
また、アンテナ電流の制御を容易にするためには、前記インピーダンス制御部は、求めた各位置の成膜速度に基づいて、前記電流検出機構の各検出電流値の目標値を算出し、算出した目標値のそれぞれに対して係数を掛けて共通の疑似目標値を算出し、前記電流検出機構の各検出電流値に前記係数を掛けた各疑似検出電流が前記共通の疑似目標値となるように、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御することが望ましい。
前記アンテナを複数有するスパッタリング装置において、本発明の効果が一層顕著となる。
具体的には、前記アンテナは、少なくとも2つが直列接続されたアンテナ列を構成していることが考えられる。この構成において、制御パラメータを少なくしてアンテナ電流の制御を容易にするためには、前記アンテナ列における前記アンテナの間において、前記電流検出機構は、一方の前記アンテナの接地側端部を流れる電流の検出及び他方の前記アンテナの給電側端部を流れる電流の検出を共通とし、前記インピーダンス調整部は、一方の前記アンテナの接地側端部及び他方の前記アンテナの給電側端部で兼用されている。
このように構成した本発明によれば、均一な膜厚とするためのアンテナ電流の制御を容易にすることができる。
本発明の一実施形態に係るスパッタリング装置の構成を模式的に示すアンテナの長手方向に直交する縦断面図である。 同実施形態のスパッタリング装置の構成を模式的に示すアンテナの長手方向に沿った縦断面図である。 同実施形態のスパッタリング装置のアンテナ配置を模式的に示す平面図である。 同実施形態のスパッタリング装置のアンテナ配置を模式的に示す平面図である。 同実施形態の制御装置の機能ブロック図である。 同実施形態の成膜速度及び推定電流値との関係を示す図である。 同実施形態の目標値及び模擬目標値を示す模式図である。
以下、本発明に係るスパッタリング装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<装置構成>
本実施形態のスパッタリング装置100は、誘導結合型のプラズマPを用いてターゲットTをスパッタリングして基板Wに成膜するものである。ここで、基板Wは、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用の基板、フレキシブルディスプレイ用のフレキシブル基板等であり、具体的には、ガラス基板、セラミックス基板、プラスチックフィルム基板、フィルム付きガラス基板等である。
具体的にスパッタリング装置100は、図1及び図2に示すように、真空排気され且つガスが導入される真空容器2と、真空容器2内において基板Wを保持する基板保持部3と、真空容器2内においてターゲットTを保持するターゲット保持部4と、真空容器2内に配置された直線状をなす複数のアンテナ5と、真空容器2内に誘導結合型のプラズマPを生成するための高周波を複数のアンテナ5に印加する高周波電源6とを備えている。なお、複数のアンテナ5に高周波電源6から高周波を印加することにより複数のアンテナ5には高周波電流IRが流れて、真空容器2内に誘導電界が発生して誘導結合型のプラズマPが生成される。
真空容器2は、例えば金属製の容器であり、その内部は真空排気装置16によって真空排気される。真空容器2はこの例では電気的に接地されている。
真空容器2内に、例えば流量調整器(図示省略)及び複数のガス導入口21、22を経由して、スパッタ用ガスG1又は反応性ガスG2が導入される。スパッタ用ガスG1及び反応性ガスG2は、基板Wに施す処理内容に応じたものにすれば良い。スパッタ用ガスG1としては、例えばアルゴン(Ar)等の不活性ガスであり、反応性ガスG2としては、例えば酸素(O)や窒素(N)等である。
基板保持部3は、真空容器2内において平板状をなす基板Wを例えば水平状態となるように保持するホルダである。なお、基板保持部3は、真空容器2内においてアンテナ5の配列方向Xに沿って直線状に往復走査されるように構成されている。
ターゲット保持部4は、基板保持部3に保持された基板Wと対向してターゲットTを保持するものである。本実施形態のターゲットTは、平面視において矩形状をなす平板状のものである。このターゲット保持部4は、真空容器2を形成する側壁2a(例えば上側壁)に設けられている。また、ターゲット保持部4と真空容器2の上側壁2aとの間には、真空シール機能を有する絶縁部7が設けられている。ターゲットTには、それにターゲットバイアス電圧を印加するターゲットバイアス電源8が、この例ではターゲット保持部4を介して接続されている。ターゲットバイアス電圧は、プラズマP中のイオンをターゲットTに引き込んでスパッタさせる電圧である。
本実施形態では、ターゲット保持部4は複数設けられている。複数のターゲット保持部4は、真空容器2内における基板Wの表面側に、基板Wの表面に沿うように(例えば、基板Wの裏面と実質的に平行に)同一平面上に並列に配置されている。複数のターゲット保持部4は、その長手方向が互いに平行となるように等間隔に配置されている。これにより、真空容器2内に配置された複数のターゲットTは、図1及び図3に示すように、基板Wの表面と実質的に平行であり、且つ、長手方向が互いに平行となるように等間隔に配置されることになる。なお、各ターゲット保持部4は同一構成である。
複数のアンテナ5は、真空容器2内における基板Wの表面側に、基板Wの表面に沿うように(例えば、基板Wの表面と実質的に平行に)同一平面上に並列に配置されている。複数のアンテナ5は、その長手方向が互いに平行となるように等間隔に配置されている。なお、各アンテナ5は平面視において直線状で同一構成であり、その長さは数十cm以上である。
本実施形態のアンテナ5は、図1及び図3に示すように、各ターゲット保持部4に保持されたターゲットTの両側にそれぞれ配置されている。つまり、アンテナ5とターゲットTとが交互に配置されており、1つのターゲットTは、2本のアンテナ5により挟まれた構成となる。ここで、各アンテナ5の長手方向と各ターゲット保持部4に保持されたターゲットTの長手方向とは同一方向である。さらに、2つのターゲットTの間に配置されるアンテナ5はそれら2つのターゲットTから等距離の位置に配置されている。
また、各アンテナ5の材質は、例えば、銅、アルミニウム、これらの合金、ステンレス等であるが、これに限られるものではない。なお、アンテナ5を中空にして、その中に冷却水等の冷媒を流し、アンテナ5を冷却するようにしても良い。
なお、アンテナ5の両端部付近は、図2に示すように、真空容器2の相対向する側壁2b、2cをそれぞれ貫通している。アンテナ5の両端部を真空容器2外へ貫通させる部分には、絶縁部材9がそれぞれ設けられている。この各絶縁部材9を、アンテナ5の両端部が貫通しており、その貫通部は例えばパッキンによって真空シールされている。各絶縁部材9と真空容器2との間も、例えばパッキンによって真空シールされている。なお、絶縁部材9の材質は、例えば、アルミナ等のセラミックス、石英、又はポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のエンジニアリングプラスチック等である。
さらに、各アンテナ5において、真空容器2内に位置する部分は、絶縁物製で直管状の絶縁カバー10により覆われている。この絶縁カバー10の両端部と真空容器2との間はシールしなくても良い。絶縁カバー10内の空間にガスG1が入っても、当該空間は小さくて電子の移動距離は短いので、通常は当該空間にプラズマPは発生しないからである。なお、絶縁カバー10の材質は、例えば、石英、アルミナ、フッ素樹脂、窒化シリコン、炭化シリコン、シリコン等であるが、これらに限られるものではない。
アンテナ5の一端部である給電側端部5aには、整合回路61を介して高周波電源6が接続されており、他端部である接地側端部5bは接地されている。そして、高周波電源6から、整合回路61を介して、アンテナ5に高周波電流IRを流している。高周波の周波数は、例えば、一般的な13.56MHzであるが、これに限られるものではない。
具体的に本実施形態のスパッタリング装置100では、複数のアンテナ5の給電側端部5a及び接地側端部5bそれぞれに接続されたインピーダンスが可変な複数のインピーダンス調整部11と、アンテナ5の給電側端部5a及び接地側端部5bそれぞれを流れる電流を検出する電流検出機構12と、電流検出機構12の各検出電流値に基づいて、複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御する制御装置13とを備えている。
本実施形態の複数のアンテナ5は、2つのアンテナ5が直列接続された複数のアンテナ列5Xを構成している。図3では、複数のアンテナ列に対して1つの整合回路61を介して高周波電源6を接続した構成であるが、図4に示すように、1つのアンテナ列5Xに対して1つの整合回路61を介して高周波電源6を接続した構成としても良い。
複数のインピーダンス調整部11は、各アンテナ5それぞれの給電側端部5a及び接地側端部5bに接続されている。具体的に複数のインピーダンス調整部11は、各アンテナ列5Xにおいて一方のアンテナ5の給電側端部5aに第1インピーダンス調整部111が接続されており、2つのアンテナ5の間(一方のアンテナ5の接地側端部5b及び他方のアンテナ5の給電側端部5aの間)に第2インピーダンス調整部112が接続されており、他方のアンテナ5の接地側端部5bに第3のインピーダンス調整部113が接続されている。このように本実施形態では、一方のアンテナ5の接地側端部5b及び他方のアンテナ5の給電側端部5aにおいて1つのインピーダンス調整部112が兼用されている。
本実施形態のインピーダンス調整部11は、可変コンデンサにより構成されている。なお、可変コンデンサとしては、固定電極に対して可動電極を相対移動させることにより、それらの対向面積を増減させる構成のものが考えられる。この可動電極の固定電極に対する位置が、後述するインピーダンス制御部132により制御される。
電流検出機構12は、各アンテナ5の給電側端部5a及び接地側端部5bそれぞれを流れる電流を検出するものである。具体的に電流検出機構12は、一方のアンテナ5の給電側端部5aを流れる電流を検出する第1電流検出部121と、2つのアンテナ5の間(一方のアンテナ5の接地側端部5b及び他方のアンテナ5の給電側端部5aの間)を流れる電流を検出する第2電流検出部122と、他方のアンテナ5の接地側端部5bを流れる電流を検出する第3電流検出部123とを有している。このように本実施形態では、第2電流検出部122によって、一方のアンテナ5の接地側端部5bを流れる電流の検出及び他方のアンテナ5の給電側端部5aを流れる電流の検出を共通としている。
制御装置13は、CPU、メモリ、入出力インターフェース、AD変換器などを備えたコンピュータであり、そのメモリに格納されたプラグラムに基づいて、CPU及び周辺機器が協働することにより、図5に示すように、関係データ格納部131及びインピーダンス制御部132等としての機能を発揮する。
関係データ格納部131は、基板W上の各位置(x,y)の成膜速度Rxyと、電流検出機構12の各検出電流値Iijから求まる各位置(x,y)を流れると推定される推定電流値Ixyとの関係を示す関係データを格納している。
ここで、推定電流値Ixyは、図3及び図4のようなアンテナ構成であれば、以下の3つの式で表すことができる。
なお、「アンテナ間1」は、平面視においてアンテナ列における2つのアンテナの間に位置する基板の位置である。「アンテナ間2」は、平面視において互いに異なるアンテナ列のアンテナの間に位置する基板の位置である。「アンテナ直下」は、平面視においてアンテナの中心線上に位置する基板の位置である。
アンテナ間1の推定電流値Ix1y1
Figure 0007306221000001
アンテナ間2の推定電流値Ix2y2
Figure 0007306221000002
アンテナ直下の推定電流値Ix3y3
Figure 0007306221000003
そして、予め設定した初期条件に基づいて、基板W上に成膜し、その際に電流検出機構12により得られた各検出電流値Iijと、その際の成膜速度Rxyとを実測し、実測した各検出電流値Iijから上記の式を用いて推定電流値Ixy(=f(Iij,a,b,c,d))を算出する。そして、算出した推定電流値Ixyと実測した成膜速度Rxyとから図5に示す相関関係(Rxy=αxy×Ixy+βxy)を求める。なお、図6においては、異なる条件で複数回(3回)成膜した結果を示している。この相関関係を示す関係データは、予め関係データ格納部131に格納される。
インピーダンス制御部132は、電流検出機構12の各検出電流値Iij及び関係データを用いて各位置(x、y)の成膜速度Rxyを求め、求めた各位置(x,y)の成膜速度Rxyに基づいて、複数のインピーダンス調整部11のインピーダンスを制御するものである。
具体的にインピーダンス制御部132は、求めた各位置(x,y)の成膜速度Rxyに基づいて、成膜速度Rxyの分布が予め設定した範囲に入るように電流検出機構12の各検出電流値Iijの目標値Iij’を算出し、電流検出機構12の各検出電流値Iijが目標値Iij’となるように、複数のインピーダンス調整部11のインピーダンスを制御する。なお、電流検出機構12の各検出電流値Iijの最適な目標値Iij’を算出するに当たって、機械学習やAI技術を用いても良いし、表計算ソフトのソルバー機能を用いても良い。
例えば、インピーダンス制御部132は、求めた各位置(x,y)の成膜速度Rxyに基づいて、電流検出機構12の各検出電流値Iijのうち何れか1つを固定値とし、それ以外の検出電流値Iijの目標値Iij’を算出し、電流検出機構12の各検出電流値Iijが目標値Iij’となるように、複数のインピーダンス調整部11のインピーダンスを制御することができる。ここで、固定値とされる検出電流値Iijは、目標とする平均的な成膜速度に相当する電流値とする。
また、インピーダンス制御部132は、求めた各位置(x,y)の成膜速度Rxyに基づいて、図7に示すように、電流検出機構12の各検出電流値Iijの目標値Iij’を算出し、算出した目標値Iij’のそれぞれに対して係数kijを掛けて共通の疑似目標値Iij”を算出し、前記電流検出機構12の各検出電流値Iijに前記係数kijを掛けた各疑似検出電流(kij×Iij)が共通の疑似目標値Iij”となるように、複数のインピーダンス調整部11のインピーダンスを制御することもできる。ここで、1箇所の検出電流値Iijの係数kijは1とする。
また、各疑似検出電流(kij×Iij)の疑似目標値Iij”に対する調整誤差範囲は、±5%以下とすることが望ましく、更には、±3%以下が良い。
<本実施形態の効果>
このように構成されたスパッタリング装置100によれば、各位置(x,y)の成膜速度Rxy及び推定電流値Ixyの関係データと、電流検出機構12の各検出電流値Iijを用いて各位置(x,y)の成膜速度Rxyを求め、求めた各位置(x,y)の成膜速度Rxyに基づいて、複数のインピーダンス調整部11のインピーダンスを制御するので、基板W上の各位置(x,y)の膜厚を均一にするためのアンテナ電流の制御を容易にすることができる。その結果、作業者は試行錯誤して電流値を調整する必要がなく、基板W上の各位置(x,y)の膜厚を均一にするためのアンテナ電流を容易に短時間で再現性良く設定することができ、生産性を向上させることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態のアンテナ配置は、2つのアンテナを直列接続した構成であったが、3つ以上のアンテナを直列接続した構成としても良いし、1つ1つのアンテナを並列接続した構成としてもよい。
また、前記実施形態では、インピーダンス調整部として、可変コンデンサを用いていたが、例えば容量やリアクタンスが異なる複数のリアクタンス素子をアンテナに対して切り替え可能に並列接続したものをインピーダンス調整部として用いても良い。
前記実施形態では、アンテナは直線状をなすものであったが、湾曲又は屈曲した形状であっても良い。この場合、金属パイプが湾曲又は屈曲した形状であっても良いし、絶縁パイプが湾曲又は屈曲した形状であっても良い。
なお、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・スパッタリング装置
P ・・・プラズマ
T ・・・ターゲット
W ・・・基板
5 ・・・アンテナ
5a ・・・給電側端部
5b ・・・接地側端部
5X ・・・アンテナ列
6 ・・・高周波電源
11 ・・・インピーダンス調整部
12 ・・・電流検出機構
13 ・・・制御装置
131・・・関係データ格納部
132・・・インピーダンス制御部

Claims (8)

  1. プラズマを用いてターゲットをスパッタリングして基板に成膜するスパッタリング装置であって、
    前記プラズマを発生させるためのアンテナと、
    前記アンテナに高周波電流を流すための高周波電源と、
    前記アンテナの給電側端部及び接地側端部それぞれに接続されたインピーダンスが可変な複数のインピーダンス調整部と、
    前記アンテナの給電側端部及び接地側端部それぞれを流れる電流を検出する電流検出機構と、
    前記電流検出機構の各検出電流値に基づいて、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記基板上の各位置の成膜速度と、前記電流検出機構の各検出電流値から求まる前記各位置を流れると推定される推定電流値との関係を示す関係データを格納する関係データ格納部と、
    前記電流検出機構の各検出電流値及び前記関係データを用いて各位置の成膜速度を求め、求めた各位置の成膜速度に基づいて、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御するインピーダンス制御部とを有する、スパッタリング装置。
  2. 前記インピーダンス制御部は、求めた各位置の成膜速度に基づいて、前記電流検出機構の各検出電流値の目標値を算出し、前記電流検出機構の各検出電流値が前記目標値となるように、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御する、請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. 前記インピーダンス制御部は、求めた各位置の成膜速度に基づいて、前記電流検出機構の各検出電流値のうち何れか1つを固定値とし、それ以外の検出電流値の目標値を算出し、前記電流検出機構の各検出電流値が前記目標値となるように、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御する、請求項1又は2記載のスパッタリング装置。
  4. 前記インピーダンス制御部は、求めた各位置の成膜速度に基づいて、前記電流検出機構の各検出電流値の目標値を算出し、算出した目標値のそれぞれに対して係数を掛けて共通の疑似目標値を算出し、前記電流検出機構の各検出電流値に前記係数を掛けた各疑似検出電流が前記共通の疑似目標値となるように、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御する、請求項1又は2記載のスパッタリング装置。
  5. 前記アンテナを複数有する、請求項1乃至4の何れか一項に記載のスパッタリング装置。
  6. 前記アンテナは、少なくとも2つが直列接続されたアンテナ列を構成しており、
    前記アンテナ列における前記アンテナの間において、前記電流検出機構は、一方の前記アンテナの接地側端部を流れる電流の検出及び他方の前記アンテナの給電側端部を流れる電流の検出を共通とし、前記インピーダンス調整部は、一方の前記アンテナの接地側端部及び他方の前記アンテナの給電側端部で兼用されている、請求項5記載のスパッタリング装置。
  7. プラズマを発生させるためのアンテナと、前記アンテナに高周波電流を流すための高周波電源と、前記アンテナの給電側端部及び接地側端部それぞれに接続されたインピーダンスが可変な複数のインピーダンス調整部と、前記アンテナの給電側端部及び接地側端部それぞれを流れる電流を検出する電流検出機構とを備えるスパッタリング装置を用いたスパッタリング方法であって、
    基板上の各位置の成膜速度と、前記電流検出機構の各検出電流値から求まる前記各位置を流れると推定される推定電流値との関係を示す関係データ、及び、前記電流検出機構の各検出電流値を用いて各位置の成膜速度を求め、求めた各位置の成膜速度に基づいて、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを変更する、スパッタリング方法。
  8. プラズマを発生させるためのアンテナと、前記アンテナに高周波電流を流すための高周波電源と、前記アンテナの給電側端部及び接地側端部それぞれに接続されたインピーダンスが可変な複数のインピーダンス調整部と、前記アンテナの給電側端部及び接地側端部それぞれを流れる電流を検出する電流検出機構とを備えるスパッタリング装置に用いられるプログラムであって、
    基板上の各位置の成膜速度と、前記電流検出機構の各検出電流値から求まる前記各位置を流れると推定される推定電流値との関係を示す関係データを格納する関係データ格納部と、
    前記電流検出機構の各検出電流値及び前記関係データを用いて各位置の成膜速度を求め、求めた各位置の成膜速度に基づいて、前記複数のインピーダンス調整部のインピーダンスを制御するインピーダンス制御部と、としての機能をコンピュータに備えさせることを特徴とする、スパッタリング装置用プログラム。
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