JP7304909B2 - 送電ケーブルおよび送電ケーブルの製造方法 - Google Patents

送電ケーブルおよび送電ケーブルの製造方法 Download PDF

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本発明は、送電ケーブルおよび送電ケーブルの製造方法、特にノンハロゲン難燃性樹脂組成物を用いた送電ケーブルおよびその製造方法に関するものである。
鉄道車両などに使用されるケーブルは火災時における被害を小さくするために難燃性や、低発煙性などの特性が要求される。高い難燃性を得るには、ポリオレフィンに、塩素系や臭素系といったハロゲン系難燃剤を添加した材料が用いられている。しかしながら、これらハロゲン系難燃剤を大量に含む物質は、燃焼時に、有毒、有害なガスを多量に発生し、焼却条件によっては猛毒のダイオキシンを発生させる。このことから、火災時の安全性や環境負荷低減の観点からハロゲン物質を含まないノンハロゲン材料(ハロゲンフリー材料)を被覆材料に使用したケーブルが普及してきている。
例えば、特許文献1には、高難燃かつ低発煙量を実現するために、シース層として、酢酸ビニル含有量が50重量%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体を含むベースポリマと、このベースポリマ100質量部に対して、金属水和物及びシリカを合計で100質量部以上180質量部以下含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物を用いた送電ケーブルが開示されている。
また、特許文献2には、導体の外周に形成された内部半導電層と、内部半導電層の外周に形成された絶縁層と、絶縁層の外周に形成された外部半導電層と、外部半導電層の外周に半導電性テープを巻き付けて形成された半導電性テープ層と、半導電性テープ層の外周にワイヤーを巻き付けて形成された遮蔽層と、遮蔽層の外周側に形成されたシース層とを備える送電ケーブルが開示されている。この送電ケーブルにおいては、遮蔽層を構成するワイヤーにより、外部半導電層及び絶縁層のへこみを抑制している。
特開2016-100140号公報 特開2016-100148号公報
導体と導体の外周に形成された絶縁層とを有するコア部に、シース層となるノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆して形成された送電ケーブルは、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の被覆後、加熱により樹脂材料を架橋させることにより形成される。
ここで、シース層となるノンハロゲン難燃性樹脂組成物を加熱する際に、内部の絶縁層およびシース層がそれぞれ熱膨張し、冷却工程において、収縮する。この際、絶縁層とシース層の収縮率の差に起因して絶縁層とシース層との間に過剰な隙間が生じ得る。この過剰な隙間は、送電ケーブルと他の部品との接続箇所において、接続信頼性を阻害する要因となる。例えば、絶縁層とシース層との間の過剰な隙間の発生により、送電ケーブルの長手方向において絶縁層とシース層の間の部材のいずれかが移動し、シースズレが生じる。このようなシースズレが生じた場合に、送電ケーブルと他の部品との接続信頼性が阻害され得る。
そこで、本発明では、シース層と絶縁層との間の隙間を抑制し、シース層より内側の引抜強さを向上させることができる送電ケーブルおよび送電ケーブルの製造方法を提供することを目的とする。
[1]本発明の一態様の送電ケーブルは、(a)導体と、前記導体の外周に形成された絶縁層と、を有するコア部と、(b)前記コア部の外周に形成されたシース層と、を有し、前記絶縁層は、前記シース層より厚く、前記絶縁層の線膨張係数は、前記シース層の線膨張係数よりも大きく、前記シース層は、ベースポリマと、シランカップリング剤と、過酸化物とを含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物よりなり、前記シランカップリング剤の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し、2質量部以上であり、前記過酸化物の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し、4質量部以上であり、前記シース層より内側の引抜強さが10×9.8kg・m/s 2 以上である。尚、本件明細書においては、以下において「kgf」の単位を用いて説明する場合がある。
[2][1]において、前記シース層の引張強さが10MPa以上であり、かつ、耐油引張強さ残率が60%以上である。
[3][1]において、前記絶縁層の厚さは、前記シース層の厚さの3倍以上であり、前記シース層と前記絶縁層の線膨張係数の比である絶縁層線膨張係数/シース層線膨張係数が1.3以上である。
[4][1]において、前記シース層と前記絶縁層との間に、遮蔽層を有する。
[5][4]において、前記シース層と前記遮蔽層との間に、押えテープ層を有する。
[6][1]において、前記ベースポリマは、エチレン酢酸ビニル共重合体を含み、ベースポリマ100質量部に対して、100質量部以上150質量部以下の金属水酸化物を含有する。
[7][1]において、前記コア部は、導体、内部半導電層、絶縁層、および外部半導電層を備える樹脂コア部からなる。
[8]本発明の一態様の送電ケーブルの製造方法は、(a)導体と前記導体の外周に形成された絶縁層とを有するコア部に、シース層となるノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆する工程、(b)前記シース層を加熱することにより架橋する工程、を有し、前記絶縁層は、前記シース層より厚く、前記絶縁層の線膨張係数は、前記シース層の線膨張係数よりも大きく、前記シース層は、ベースポリマと、シランカップリング剤と、過酸化物とを含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物よりなり、前記シランカップリング剤の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し、2質量部以上であり、前記過酸化物の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し、4質量部以上である。
[9][8]において、前記(b)工程は、前記シース層を被覆材で覆った状態で加熱する。
本発明の一態様の送電ケーブルによれば、シース層と絶縁層との間の隙間を抑制し、シース層より内側の引抜強さを向上させることができる。
送電ケーブルの構成を示す断面図である。 送電ケーブルの製造工程を示す概略図である。 送電ケーブルの製造工程を示す概略図である。 引抜試験の様子を示す断面図である。
(実施の形態)
(送電ケーブルの構成)
以下に、本実施の形態の送電ケーブルについて説明する。図1は、送電ケーブルの構成を示す断面図である。
図1に示す送電ケーブル1は、導体2と、導体2の外周に形成された内部半導電層3と、内部半導電層3の外周に形成された絶縁層4と、絶縁層4の外周に形成された外部半導電層5と、外部半導電層5の外周に形成された半導電性テープ層6と、半導電性テープ層6の外周に形成された遮蔽層7と、遮蔽層7の外周に形成された押えテープ層8と、押えテープ層8の外周に形成されたシース層9とを有する。
本実施の形態の送電ケーブルは、例えば7000V以上の高電圧を送電する特別高圧用の送電ケーブルである。送電ケーブルの外径(直径)は、例えば30mm以上60mm以下である。このような送電ケーブルは、例えば、鉄道車両の屋根上に配置されたパンタグラフと床下に配置された多圧器とを接続するように、屋根部や壁部に沿って配設される。
導体2は、複数の素線を撚り合わせて形成されている。素線としては、例えば、導線、銅合金線などを用いることができる。また、素線には、例えば、錫めっきなどの金属めっきが施されている場合もある。導体2は、例えば前述した7000V以上の高電圧を送電する。導体2の上にはセパレータテープを重ね巻きすることもできる。
内部半導電層3および外部半導体層5は、電界集中を緩和させるために設けられており、例えば、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム等のゴムにカーボン等の導電性粉末を分散して導電性を持たせた材料よりなる。導体2と絶縁層4の間、または絶縁層4と遮蔽層7との間に微細な隙間が生じている場合、電界集中が発生しやすいため、内部半導電層3及び外部半導電層5のそれぞれは、絶縁層4に密着するように形成されることが好ましい。内部半導電層3及び外部半導電層5で絶縁層4を挟むことにより、導体2と絶縁層4との間の電界集中、あるいは絶縁層4と遮蔽層7との間の電界集中を緩和することができる。
絶縁層4は、例えば、エチレンプロピレンゴム、塩化ビニル、架橋ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ素系材料等の材料よりなる。また、絶縁層4は、クレーを含有してもよい。
絶縁層4には高い絶縁特性が要求されるので、絶縁層4の厚さは、内部半導電層3、外部半導電層5、遮蔽層7、およびシース層9のそれぞれの厚さよりも厚い。絶縁層4の厚さは例えば8mm以上16mm以下程度である。
ここで、内側から、導体2、内部半導電層3、絶縁層4、外部半導電層5までの積層体を樹脂コア部Cと呼ぶ場合がある。
この樹脂コア部Cの外周には、半導電性テープ6、遮蔽層7および押えテープ層8が設けられている。
外部半導電層5(樹脂コア部C)の外周の半導電性テープ層6は、例えば、ケーブル軸方向に沿って半導電性テープを螺旋状に巻き付けたものである。半導電性テープとしては、例えば、ナイロンまたはレーヨン、PET等からなる経糸と緯糸とを編み込んだ基布又は不織布に、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム等のゴムにカーボン等の導電性粉末を分散したものを含浸させたものを用いることができる。半導電性テープの厚さは例えば0.1mm以上0.4mm以下、半導電性テープの幅は例えば30mm以上70mm以下である。半導電性テープは、例えばテープ幅の1/4以上1/2以下が重なるように重ね巻きしてもよい。
遮蔽層7は、半導電性テープ層6の外周にワイヤーを例えばケーブル軸方向に沿って螺旋状に巻き付けたものである。ワイヤーは、例えば錫メッキ軟銅等の導電性材料からなり、例えば直径0.4mm以上0.6mm以下の線材を用いることができる。この遮蔽層7は、使用時にグランドに接続される。
押えテープ層8は、遮蔽層7の外周に例えば押えテープをケーブル軸方向に螺旋状に沿って重ね巻きしたものである。押えテープとしては、プラスチック又はレーヨンからなるテープを用いることができる。また、ポリエステル不織布を用いることもできる。押えテープの厚さは例えば0.03mm以上0.2mm以下、押えテープの幅は例えば50mm以上90mm以下である。
なお、これまでの導体2から押えテープ層8までの積層体を遮蔽層付きコア部と呼ぶ場合がある。
押えテープ層8(遮蔽層付きコア部)の外周にはシース層9が設けられている。シース層9は、押えテープ層8の外周に、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を例えば押出成形したものである。このシース層9は、架橋される。シース層9は、遮蔽層付きコア部(導体2から押えテープ層8までの積層体)を保護する保護層である。シース層9の厚さは、例えば2.5mm以上3.0mm以下である。
シース層9を構成するノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、ベースポリマ(樹脂成分)と、難燃剤と、架橋剤(シランカップリング剤および過酸化物)と、その他の添加剤とを含有する。
ベースポリマ(樹脂成分)としては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いることができる。中でも酢酸ビニル含有量が40質量%以上のEVAを用いることが好ましい。酢酸ビニル含有量が40質量%以上であると、得られる燃え殼が強固となり、良好な難燃性、低発煙性が得られる。
ベースポリマ(樹脂成分)としては、上記EVAと、マレイン酸変性ポリオレフィンやスチレンブタジエンゴムなどを併用してもよい。
難燃剤としては、金属水酸化物を用いることができる。金属水酸化物としては、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムを用いることができる。金属水酸化物の添加量(含有量)は、ベースポリマ100質量部に対して100質量部以上150質量部以下とすることが好ましい。100質量部以上150質量部以下であると、良好な熱老化特性、低発煙性が得られる。高難燃性と低発煙性の両立の観点から金属水酸化物の添加量(含有量)は、ベースポリマ100質量部に対して100質量部以上125質量部以下とすることがより好ましい。
金属水酸化物としては、前述した水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが用いられる。水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのいずれかを用いることで、高難燃性を実現することができる。また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムとしては、表面が脂肪酸やシラン化合物でカップリングされたものを用いることが好ましい。このようなカップリングされたものを用いることで、引張試験において良好な引張強さ、破断伸びを得ることができる。
また、金属水酸化物として、前述した水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムとを併用してもよい。この場合、質量比で水酸化マグネシウム:水酸化アルミニウム=40:60~60:40の範囲で調整することが好ましい。これは、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物での燃焼開始後のケーブルの温度上昇抑制や燃え殼固化には、段階的脱水手法がより有効であることによる。水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの脱水開始温度は、それぞれ、210℃付近、280℃付近であり、上記質量比とすることで、段階的脱水が効果的に進み、燃焼開始後のケーブルの温度上昇を抑制し、燃え殼の固化を促進することができる。
架橋剤として、過酸化物とシランカップリング剤を用いる。過酸化物(-O-O-の構造部を有する化合物)としては、tert-ブチルパーオキシ(2-エチルヘキシル)カーボネート、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tert-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert-アミルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5ジメチル2,5ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジ-tert-アミルパーオキサイド、1,1-ジ(tert-アミルパーオキシ)シクロヘキセンなどを用いることができる。
シランカップリング剤(R-Si-X、R:有機基、X:官能基、なお、Xは、Hを含む、異なる官能基でもよい。)としては、官能基(X)にビニル、エポキシ、スチリル、メタクリル、アミノ、イソシアヌレート、メルカプト、酸無水物を有するものを用いることができる。なお、Xは、Hを含む、異なる官能基でもよい。具体的に、シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン化合物、β-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン化合物、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシラン化合物、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のメタクリルシラン化合物、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、β-(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フエニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン化合物、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン化合物、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等の酸無水物シラン化合物などを用いることができる。また、これらのシラン化合物の2種以上を併用することができる。
過酸化物の添加量(含有量)は、ベースポリマ100質量部に対して4質量部以上とすることが好ましく、シランカップリング剤の添加量(含有量)は、ベースポリマ100質量部に対して2質量部以上とすることが好ましい。架橋剤である過酸化物およびシランカップリング剤の添加量を上記範囲とすることで、低温架橋を行った場合においても、シース層の機械強度を維持することができる。特に、過酸化物をベースポリマ100質量部に対して4質量部以上添加することで、耐油特性の低下を抑制することができる。また、過酸化物の添加量(含有量)の上限は、10質量部である。過酸化物の添加量を10質量部以下とすることで、架橋が不必要に進行することなく、取り扱い性が良い状態で加工(特に、押出加工)を行うことができる。また、シランカップリング剤をベースポリマ100質量部に対して2質量部以上添加することで、引張り強さの低下を抑制することができる。また、シランカップリング剤の添加量(含有量)の上限は、6質量部である。シランカップリング剤の添加量を6質量部以下とすることで、破断伸びの低下を抑制することができる。なお、シランカップリング剤の添加量(含有量)は、シランカップリング剤自体を添加する際の添加量を意味し、金属水酸化物の表面に表面処理されたシランカップリング剤の表面処理量を含まない。
その他の添加剤としては、架橋助剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤などを用いることができる。
(送電ケーブルの製法)
以下に、本実施の形態の送電ケーブルの製造方法について説明する。図2および図3は、送電ケーブルの製造工程を示す概略図である。
送電ケーブルの樹脂コア部Cを形成(準備)する。まず、導体2を準備し、導体2の外周に、内部半導電層3の原料である内部半導電材料、絶縁層4の原料である絶縁材料、および外部半導電層5の原料である外部半導電材料を押出成形する。例えば、内部半導電材料(3M)を押出機(200a)から導体2の外周に押出成形し、絶縁材料および外部半導電材料をそれぞれ他の押出機(図示せず)から押出成形する。このように、内部半導電層3、絶縁層4、および外部半導電層5のそれぞれは、例えば導体の周囲を順次取り囲むように、一括して押出成形することができる。
また、変形例として、内部半導電層3、絶縁層4、および外部半導電層5のそれぞれを順次押出成形してもよい。これにより、導体2、内部半導電層3、絶縁層4、および外部半導電層5よりなる樹脂コア部Cを形成することができる。
次いで、樹脂コア部Cを構成する層に含まれるゴムを架橋する(第1架橋)。
このような樹脂コア部Cは、例えば、図2に示す装置を用いて形成することができる。図2に示す単軸押出機200aは、シリンダ内に配置されたスクリュー220と、材料投入口221とを備える。例えば、材料投入口(ホッパー)221から、内部半導電層3の材料3Mを投入する。また、他の単軸押出機(図示せず)も、シリンダ内に配置されたスクリューと、材料投入口とを備え、材料投入口(ホッパー)から、絶縁層4の材料を投入する。さらに、他の単軸押出機(図示せず)も、シリンダ内に配置されたスクリューと、材料投入口とを備え、材料投入口(ホッパー)から、外部半導電層5の材料を投入する。このようにして、導体2は押出ヘッド230を通過して、その外周に、内部半導電層3、絶縁層4、および外部半導電層5の材料が内側から順に押し出され、架橋管(蒸気管)240内を通過しながら架橋される(クロスヘッド押出し)。このような連続架橋装置を用いて、樹脂コア部Cの内部半導電層3、絶縁層4、および外部半導電層5を加熱し架橋を行う(加圧水蒸気中を通過させて架橋を行う)。例えば、150℃以上180℃以下の水蒸気雰囲気下において、30分以上60分以下の架橋を行う。このようにして樹脂コア部Cを形成することができる。
なお、上記においては、導体2の外周に、内部半導電層3、絶縁層4、および外部半導電層5の材料を一括して押し出し、さらに、導体2の外周に順に押し出された内部半導電層3、絶縁層4、および外部半導電層5の3層を一括して架橋したが、導体2の外周に、1層毎に押し出しを行い、3層を一括して架橋してもよく、また、導体2の外周に、1層毎に押し出しおよび架橋を行ってもよい。
次いで、架橋後の樹脂コア部Cを冷却する。例えば、図2において繰り出される樹脂コア部C(導体2、内部半導電層3、絶縁層4、および外部半導電層5)を冷却槽(図示せず)中の水に連続的に浸漬するように供給し、冷却する(水冷方式)。
次いで、外部半導電層5の外周に半導電性テープをケーブル軸方向に沿って螺旋状に巻き付けることにより、半導電性テープ層6を形成する。半導電性テープは、例えばテープ幅の1/4以上1/2以下が重なるように重ね巻きしてもよい。次いで、半導電性テープ層6の外周にワイヤーをケーブル軸方向に沿って螺旋状に巻き付けることにより、遮蔽層7を形成する。次いで、遮蔽層7の外周に押えテープをケーブル軸方向に螺旋状に沿って重ね巻きすることにより、押えテープ層8を形成する。このようにして、遮蔽層付きコア部(導体2から押えテープ層8までの積層体)を形成することができる。
次いで、押えテープ層8(遮蔽層付きコア部)の外周に、前述したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を押出成形することにより、シース層9を形成する。その後、シース層9の架橋(第2架橋)を行う。
例えば、図3(a)に示す押出機100のホッパー101から、前述したノンハロゲン難燃性樹脂組成物のペレットである材料51を供給する。なお、押出機100の途中の投入口(図示せず)から前述したノンハロゲン難燃性樹脂組成物の成分の一部(例えば、架橋剤)を添加してもよい。そして、上流側から供給される遮蔽層付きコア部(導体2から押えテープ層8までの積層体、図3(b)参照)の外周に、上記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆して、シース層9を形成する。
次いで、押出機100から送り出された送電ケーブル(導体2からシース層9までの積層体)を、押出機100の下流側に配置された鉛被覆層形成装置110に供給する。送電ケーブル(導体2からシース層9までの積層体、図3(c)参照)を移動させながら連続的に送電ケーブル(シース層9)の外周に鉛被覆層10を形成し(図3(d)参照)、巻取ドラム120に巻き取る。鉛被覆層10を設けることで、後述する架橋工程において、蒸気がシース層9に接することがないため、シース層9の表面が蒸気の圧力により変形することを抑制することができる。なお、被覆層(被覆材)の材料は鉛に限られるものではない。
次いで、巻取ドラム120に巻き取った状態の送電ケーブル(導体2から鉛被覆層10までの積層体、図3(d)参照)に架橋処理を施す。具体的には、送電ケーブル(導体2から鉛被覆層10までの積層体)が巻き取られた巻取ドラム120を、架橋設備(釜架橋設備)130内に配置して、シース層9の架橋処理(加熱処理)を行う。例えば90℃の蒸気雰囲気中に72時間(h)静置する。
加熱条件(架橋温度、架橋時間)のうち、架橋温度は70℃以上110℃以下が好ましい。110℃以下であるとシースと遮蔽層付きコア部との間の隙間を抑制でき、70℃以上であると架橋速度が極端に遅くなることがないためである。さらに、架橋温度として、85℃以上105℃以下とすることがより好ましい。また、架橋時間としては、5時間以上270時間以下とすることが好ましく、24時間以上72時間以下とすることがより好ましい。
次いで、架橋後のシース層9を冷却する。例えば、巻取ドラム120に巻き取った状態の送電ケーブル(導体2から鉛被覆層10までの積層体)を架橋設備(釜架橋設備)130から取り出し、常温(例えば25℃)で静置することにより冷却し、鉛被覆層10を剥離し、送電ケーブルを製造する。
このように、本実施の形態においては、シース層に架橋剤として、シランカップリング剤および過酸化物を上記範囲において添加したので、機械強度を維持しつつ、比較的低温での架橋を許容し、絶縁層とシース層の収縮率の差に起因して生じ得る絶縁層とシース層との間の隙間を抑制することができる。これにより、コア部(絶縁層)のズレによる接続信頼性の低下を抑制することができる。
以下に本実施の形態の効果について詳細に説明する。シース層9を架橋する方法として、上記のような釜架橋を適用した場合には、絶縁層4とシース層9との間、より詳しくは外部半導電層5と遮蔽層7との間に隙間が生じ得る。この隙間は、導体2の周囲を覆うように順に形成された各層(特に絶縁層4およびシース層9)の収縮率の違いに起因して生じると考えられる。釜架橋の場合、架橋対象のシース層9以外のすでに架橋した内部半導電層3、絶縁層4、および外部半導電層5も長時間、高温に晒される(例えば、145℃の高温に2時間晒される)。その結果、内部半導電層3、絶縁層4、および外部半導電層5のそれぞれが熱により膨張し、その後の冷却工程において、収縮する。この際、それぞれ層の収縮率が異なるので、収縮率の違いに応じて、隙間が生じる。
例えば、絶縁層4にエチレンプロピレンゴムを用い、シース層9にEVAを用いた場合、線膨張係数の比である「絶縁層線膨張係数/シース層線膨張係数」は、1.3以上となる。
絶縁層4の線膨張係数がシース層9の線膨張係数より大きい場合でも、絶縁層4の厚さが薄い場合には過剰な隙間の発生までには至らない。しかしながら、特別高圧用の送電ケーブルの場合、絶縁特性を向上させるため、絶縁層4の厚さを比較的厚くする傾向にあり、絶縁層4の厚さはシース層9の厚さよりも厚く、絶縁層4の厚さは、シース層9の厚さの3倍以上であることが好ましい。このように、絶縁層4の厚さが厚い場合、線膨張係数の違いに起因する絶縁層4の変形量が大きくなるため、隙間が発生しやすくなる。
上記のように送電ケーブルを構成する各層の間に隙間が生じた場合、送電ケーブルの特性が隙間に起因して低下する。特に、本実施の形態のように、シース層9の中心に導体2が配置され、導体2の外周に内部半導電層3、絶縁層4、外部半導電層5、およびシース層9が配置される場合、隙間が介在する層間でシースズレが生じやすい。このシースズレが生じた場合、送電ケーブルと他の部品との接続箇所において、接続信頼性が阻害される場合がある。ここでいう「シースズレ」とは、シース層9の中心に導体2が配置され、導体2の外周に内部半導電層3、絶縁層4、外部半導電層5およびシース層9が配置された場合、隙間が介在する層間でシースが移動する現象をいい、例えば、押えテープ層8と遮蔽層7との間、または遮蔽層と半導電性テープ層6との間あるいは遮蔽層付コア部(導体2から押えテープ層8までの積層体、図3(b)参照)とシース層9との間での過剰な隙間の発生により、送電ケーブルの長手方向にシース層が移動する現象をいう。
上記のような送電ケーブルを構成する各層の間の隙間は、シース層9を加熱(架橋)する際の熱膨張および収縮が原因となるため、加熱温度を小さくすることで、隙間の発生を抑制することができる。
しかしながら、低温での架橋においては、シース層の架橋度が低下し、機械強度が低下する恐れがある。そこで、本実施の形態においては、低温での架橋においても機械強度を大きくするため、シース層を構成するノンハロゲン難燃性樹脂組成物の架橋剤の種類や添加量を調整し、機械強度を維持しつつ、送電ケーブルに生じる隙間の抑制に成功したのである。以下に、実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
[実施例]
以下に、本実施の形態の送電ケーブルに用いるノンハロゲン難燃性樹脂組成物について実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
(材料名)
1)EVA:三井デュポンポリケミカル株式会社製「エバフレックスEV45LX」(VA量:質量46%)
2)EVA:三井デュポンポリケミカル株式会社製「エバフレックスV9000」(VA量:質量41%)
3)水酸化マグネシウム:協和化学工業製「キスマ5L」
4)水酸化アルミニウム:日本軽金属製「BF013STV」(シラン1.0μm)
5)シランカップリング剤:信越化学株式会社製「KBM-503」
6)過酸化物:化薬アクゾ社製「トリゴノックス22-70E」(1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン)
7)トリアリルイソシアネート:日本化成製「TAIC」
8)酸化亜鉛:堺化学製「亜鉛華3号」
9)2,2,4-トリメチル1,2-ジヒドロキノリン重合物:大内新興化学製「ノクラック224」
10)カーボン:旭カーボン社製「FTカーボン」
11)ヒドロキステアリン酸リチウム:日東化成工業社製「LS-6」
12)ステアリン酸亜鉛:日東化成工業社製「EZ-101」
(実施例1)
表1に示す成分配合でノンハロゲン難燃性樹脂組成物を調整し、混練を行った後、導体2から押えテープ層8までの積層体(図3(b)参照)の外周に、上記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆(充実押出)して、シース層9を形成した。この後、鉛被覆層10で覆い(図3(d)参照)、巻取ドラム120に巻き取り、巻取ドラム120を、架橋設備(釜架橋設備)130内に配置して、シース層9の架橋処理(加熱処理)を行う。シース層9に用いるノンハロゲン難燃性樹脂組成物及び処理条件(架橋温度、架橋時間)は、表2に示すとおりである。最後に、シース層9を冷却し、送電ケーブルを得た。導体2としては、錫めっきを施した軟銅線27本を集合撚りしたものを19本複合撚りした撚線(外径12.53mm)を用いた。導体2と内部半導電層3の間にセパレータテープを配置し、導体2の外周にナイロンからなるセパレータテープを1/2ラップで重ね巻きした。内部半導電層3は、厚さ1.000mmであり、カーボンを含有した導電性エチレンプロピレンゴムを充実押出した。内部半導電層3を形成した後の外径は14.97mmであった。絶縁層4は、厚さ15.165mmであり、クレーを含有したエチレンプロピレンゴムを充実押出した。絶縁層4を形成した後の外径は45.30mmであった。半導電テープ層6は、厚さ0.500mm、幅40mmであり、カーボンを含有したナイロンテープを1/2ラップで重ね巻きした。半導電テープ層6を形成した後の外径は46.30mmであった。遮蔽層7としては、錫めっきを施した軟銅線30本を136mmピッチで横巻きした横巻シールドを使用した。遮蔽層7の厚さは0.800mmであり、遮蔽層7を形成した後の外径は47.90mmであった。押えテープ層8は、厚さ0.220mm、幅90mmであり、ナイロンからなる押えテープを1/2ラップで重ね巻きした。絶縁層4を形成した後の外径は48.34mmであった。シース層9の厚さは2.5mmであり、シース層9を形成した後の外径は53.34mmであった。
(比較例1~3)
成分配合および処理条件(架橋温度、架橋時間)を表1に示すように変えて、実施例1の場合と同様にして、送電ケーブルを得た。
なお、表1に示す各成分の配合量は、ベースポリマ合計100質量部に対する質量部で示してある。
Figure 0007304909000001
(評価)
(引張試験)
得られた送電ケーブルについて、遮蔽層付きコア部(導体2から押えテープ層8までの積層体、図3(b)参照)を引き抜き、シース層9をダンベルで打ち抜いて試料(試験片)とした。試験片はダンベル状6号形、標線間距離は20mmとした。
この試料について、引張試験を行った。引張試験はIEC60811-1-1規格に基づいて行った。具体的には、試料を、引張試験機を用いて200mm/minの速度で引っ張り、引張強さおよび破断伸びを測定した。
(耐油試験)
得られた送電ケーブルについて、遮蔽層付きコア部(導体2から押えテープ層8までの積層体、図3(b)参照)を引き抜き、シース層9をダンベルで打ち抜いて試料(試験片)とした。試験片はダンベル状6号形、標線間距離は20mmとした。試料を100℃のIRM902に72時間浸漬後、引張試験を行った。具体的には、油浸漬後の試料を、引張試験機を用いて200mm/minの速度で引っ張り、引張強さおよび破断伸びを測定した。初期(油浸漬前)の引張強さに対する油浸漬後の引張強さである「耐油引張強さ残率」と、初期の破断伸びに対する油浸漬後の破断伸びである「耐油破断伸び残率」とを測定した。
(引抜試験)
得られた送電ケーブルを長さ20cmに切り取り試料(試験片)とした。引抜試験では、送電ケーブルの切断面から遮蔽層付きコア部(導体2から押えテープ層8までの積層体、図3(b)参照)を押し込み、シース層9から遮蔽層付きコア部が動く(ズレる、剥がれる)までの力(kgf)を測定した。図4は、引抜試験の様子を示す断面図である。具体的には、図4に示すように、秤300と、凸形状治具310とを用いて試験を行う。凸形状治具310は、送電ケーブルの遮蔽層付きコア部と接触する凸部分310aを有する。凸部分310aの直径Rcは、樹脂コア部(導体2から外部半導電層5までの積層体)の直径Ra以上であり、遮蔽層付きコア部(導体2から押えテープ層8までの積層体)の直径Rb以下である。ここでは、直径3cmの円柱状部材を用いた。秤300上に凸形状治具310を設置し、送電ケーブルの遮蔽層付きコア部を凸部分310aに位置合わせし、送電ケーブルを凸部分310aに押し込み、遮蔽層付きコア部がシース層9に対して動くまでの秤300の最大値(kgf)を測定した。測定値(引抜強さ)が10kgfより小さい場合、シースズレが発生し得ると判定し、不合格(×)とした。
このように、送電ケーブルにおいてシース層とシース層より内側の部分との間に反対方向の力(荷重)を加えた場合に、シース層とシース層より内側の部分が相対的にズレることをシースズレと言い、この際の力(荷重)を「引抜強さ」と定義し、上記秤および凸形状治具を用いた試験(引抜試験)により測定するものとする。
(結果)
表1に示すように、実施例1のシース層は、引張試験および耐油試験のいずれにおいても、良好な値が得られており、また、引抜試験の測定値が10kgf以上であり、遮蔽層付きコア部とシース層との間の隙間が抑制されていると考えられる。なお、比較例を観察すると、隙間が生じる場所は、シース層9と押えテープ層8の間には限定されず、押えテープ層8と遮蔽層7との間、あるいは遮蔽層7と半導電性テープ層6との間に隙間が生じる場合もある。
これに対し、比較例3のシース層は、引張試験および耐油試験のいずれにおいても、良好な値が得られているものの、引抜試験の測定値が10kgf未満であり、遮蔽層付きコア部とシース層との間の隙間が大きいと考えられる。
また、比較例1、2のシース層は、引抜試験の測定値が10kgf未満であり、遮蔽層付きコア部とシース層との間の隙間が抑制されていると考えられるものの、引張試験および耐油試験のいずれかの特性が不良であった。
これに対し、本実施の形態によれば、前述のとおり架橋剤を調整することで、低温架橋であっても、送電ケーブルの機械的特性を維持しつつ、遮蔽層付きコア部とシース層との間の隙間を抑制することができる。
(応用例)
上記実施の形態においては、図1に示す複数の積層体で送電ケーブルを構成したが、導体2とその周囲に設けられた絶縁層4とを有する絶縁電線をコア部としてその周囲にシース層9が設けられた送電ケーブルとしてもよい。また、複数の絶縁電線をコア部としてもよい。このような構成の送電ケーブルのシース層として、上記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を用い、上記実施の形態と同様にして、上記コア部の周囲にシース層を形成してもよい。
また、上記実施の形態においては、図1に示す複数の層よりなる積層体で送電ケーブルを構成したが、例えば、樹脂コア部Cにおいて、導体2および絶縁層4を必須構成とし、内部半導電層3または外部半導電層5を省略してもよい。さらに、樹脂コア部Cの外周の、半導電性テープ6、遮蔽層7または押えテープ層8を省略してもよい。このような場合、シース層より内側の部分をコア部として、引張試験、耐油試験、引抜試験を行えばよい。
本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 送電ケーブル
2 導体
3 内部半導電層
3M 材料
4 絶縁層
5 外部半導電層
6 半導電性テープ層
7 遮蔽層
8 押えテープ層
9 シース層
10 鉛被覆層
51 材料
100 押出機
101 ホッパー
110 鉛被覆層形成装置
120 巻取ドラム
130 架橋設備(釜架橋設備)
200a 押出機
220 スクリュー
221 材料投入口(ホッパー)
230 押出ヘッド
240 蒸気管(架橋管)
300 秤
310 凸形状治具
310a 凸部分
C 樹脂コア部

Claims (6)

  1. (a)導体と、前記導体の外周に形成された絶縁層と、を有するコア部と、
    (b)前記コア部の外周に形成されたシース層と、
    前記絶縁層と前記シース層との間に、外部半導電層、半導電性テープ層、遮蔽層、押えテープ層とを有し、
    前記絶縁層は、前記シース層より厚く、
    前記絶縁層の線膨張係数は、前記シース層の線膨張係数よりも大きく、
    前記シース層は、ベースポリマと、シランカップリング剤と、過酸化物及び金属水酸化物とを含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物よりなり、
    前記シランカップリング剤の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し、4質量部であり、
    前記過酸化物の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し、5質量部であり、
    前記金属水酸化物の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し、100質量部であり、
    前記シース層より内側の引抜強さが10×9.8kg・m/s2以上である、送電ケーブル。
  2. 請求項1記載の送電ケーブルにおいて、
    前記シース層の引張強さが10MPa以上であり、かつ、耐油引張強さ残率が60%以上である、送電ケーブル。
  3. 請求項1記載の送電ケーブルにおいて、
    前記絶縁層の厚さは、前記シース層の厚さの3倍以上である、送電ケーブル。
  4. 請求項1記載の送電ケーブルにおいて、
    前記ベースポリマは、エチレン酢酸ビニル共重合体からなる、送電ケーブル。
  5. (a)導体と前記導体の外周に形成された絶縁層とを有するコア部に、外部半導電層、半導電性テープ層、遮蔽層および押えテープ層を設け、該押えテープ層の外周にシース層となるノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆する工程、
    (b)前記シース層を加熱することにより架橋する工程、
    を有し、
    前記絶縁層は、前記シース層より厚く、
    前記絶縁層の線膨張係数は、前記シース層の線膨張係数よりも大きく、
    前記シース層は、ベースポリマと、シランカップリング剤と、過酸化物及び金属水酸化物とを含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物よりなり、
    前記シランカップリング剤の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し、4質量部であり、
    前記過酸化物の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し、5質量部であり、
    前記金属水酸化物の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し、100質量部である、
    送電ケーブルの製造方法。
  6. 請求項5記載の送電ケーブルの製造方法において、
    前記(b)工程は、前記シース層を被覆材で覆った状態で加熱する、送電ケーブルの製造方法。
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