JP7304396B2 - 巻き取り式スライダー - Google Patents
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Description
コンベアには移送部の種類としてベルトコンベア、チェーンコンベア、ローラーコンベア等があり、駆動方式の種類としてフリーコンベア、電動コンベア、アキュームコンベア等がある。材質もスチール、アルミ、ステンレス、樹脂等様々のものがある。またコンベアによる搬送方式もパレット搬送、ケース搬送、バラ搬等いくつかの方式がある。
このように多くの現場で活用されているコンベアであるが、構造的に大きな問題点がある。
一つはコンベア自体の運搬が困難だということである。コンベアは基本的に固定設備であり、駆動装置を必要としているため重量物であって、運搬さらには移送作業現場での設置作業も容易ではない。さらに、収納時に多くの保管スペースを占有するという問題もあり、上記のコンベアのベルトコンベア、チェーンコンベアでは折りたたむことなどはできない。ローラーコンベアの中でフリーコンベアだけは駆動装置がなく折りたたむことは可能だが大きな省スペースは望めない。
もう一つはコンベアによる移送機能の制約である。すなわち、A地点からB地点を直線で結ぶ一方向の移送しかできず、枝分かれした多くの方向に移送したり、曲がった経路を移送したりすることが困難な点である。
さらに、現場作業の様々の条件に合わせて適切なサイズ、駆動方式のコンベアを準備しておく、ということは困難である。結局のところコンベアには上記運搬性、省スペース性とともに、一方向にしか移送できないという機能を拡大して現場の種々の条件に合わせられる機動性が求められていた。
この課題の解決のためには、従来のコンベアが採用していた運動、すなわち装置自体の一部(ベルト、チェーン、ローラー)と物品の移動を同期させる運動に依存しているため、装置の駆動を省略できないという根本を考え直す必要があった。これらの装置においては物品と装置の間にすべり運動は発生しないのであるが、あえて装置上をすべらせる移送を行わせることで上記種々の問題を解決するというアプローチを試みたのが本発明の骨子である。
複数のスライダーを有する巻き取り式スライダーであって、略長方形のシートの表面に複
数のスライダーの底部が接合されており、展開時の形状において、平面状のシートの表面
に、移送方向と垂直なシートの一方の辺の長さと略等しい長さを有する複数のスライダー
が、シートの他方の辺の方向に全長に亘って等間隔で隣接して接合されており、収納時に
おいて、シートは複数のスライダーが表面に接合された態様で、一方の辺と平行な軸を中
心として渦巻き状に巻き取られる形状となり、スライダーは一方の辺と垂直な断面形状に
おいて、下向きの弦を有する略半楕円形状であって、スライダーの最上部には、一方の辺
と平行に全長に亘る凹部と、凹部の全長に亘り回転可能に嵌合されたコロとを有している
ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、スライダーは、一方の辺と垂直な断面形状において、下向きの弦を有する略半楕円形状であって、スライダーの最上部には、一方の辺の中央部に配設された凹部と、凹部に回転可能に嵌合された球体とを有していることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、巻き取り式スライダーはシートを具備せず、スライダーは、各々隣接するスライダーの底部において、両端にヒンジ部を有する連結部品によって連結され、収納時において、スライダー同士の連結体は一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1または2の発明において、巻き取り式スライダーはシートを具備せず、スライダーは、各々隣接するスライダーの底部において、各スライダーが有する先端にヒンジ部を有する連結用リブによって連結され、収納時において、スライダー同士の連結体は一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする。
図1~図3に示すように、物品3の移送方向に等間隔Eに配列された複数のスライダー(ドームタイプ)1aを有する巻き取り式スライダー10であって、略長方形のシート2の表面2aに複数のスライダー1aの底部2dが接合されており、展開時の形状において、平面状のシート2の表面2aに、移送方向と垂直なシート2の一方の辺2bの長さと略等しい長さを有する複数のスライダー1aが、シート2の他方の辺2cの方向に全長に亘って等間隔Eで隣接して接合されており、収納時において、シート2は複数のスライダー1aが表面2aに接合された態様で、図2(a)に示すように一方の辺2bと平行な軸Sを中心として渦巻き状に巻き取られる形状となる。
スライダー1aは底部1rとシート2との接合部2dにおいて接着剤を用いて接合されている。
本実施形態ではスライダー1aの材質として軽量化を重視して樹脂を採用しているが、搬送する物品や作業環境等の搬送条件によっては金属、木材その他の材料を採用してもよい。この点は以下の他の実施形態でも同様である。
本実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、図3(b)に示すように、スライダー(突起タイプ)1bは一方の辺2bと垂直な断面形状Bにおいて下向きの弦1iを有する略半楕円形状であって、スライダー1bの表面1jの全面に複数の突起1hを有している。複数の突起1hが表面1jの一部に施されている形態であってもよい。
スライダー1bは底部1rとシート2との接合部2dにおいて接着剤を用いて接合されている。
本実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、図3(c)に示すように、スライダー(コロタイプ)1cは一方の辺2bと垂直な断面形状Cにおいて、下向きの弦1iを有する略半楕円形状であって、スライダー1cの最上部には、一方の辺2bと平行に全長に亘る凹部1eと、凹部1eの全長に亘り回転可能に嵌合されたコロ1gとを有している。
スライダー1cは底部1rとシート2との接合部2dにおいて接着剤を用いて接合されている。
本実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であるが、図3(d)に示すように、スライダー1d(球体タイプ)は一方の辺2bと垂直な断面形状Dにおいて、下向きの弦1iを有する略半楕円形状であって、スライダーの最上部には、一方の辺2bの中央部に配設された凹部1sと、凹部1sに回転可能に嵌合された球体1qとを有している。なお、この凹部1sと球体1qとはスライダーの最上部の一方の辺2bにおいて複数個所に配設されていてもよい。
スライダー1dは底部1rとシート2との接合部2dにおいて接着剤を用いて接合されている。
本実施形態では、上記第1~第4の実施形態と異なり、巻き取り式スライダー10はシート2を具備しない。
図4(a)に示すように、スライダー1が各々隣接するスライダー1の底部1rにおいて、両端にヒンジ部1pを有する連結部品1kによって連結され、収納時においては、図2(b)に示すようにスライダー同士の連結体1nは一方の辺と平行な軸Sを中心として渦巻き状に巻き取られる形状となる。連結部品1kの材質としては可撓性を有する樹脂の採用が望ましい。
スライダー1の形状については上記第1~第4の実施形態で説明した4種類の形状のいずれか1つが採用される。図4(a)はスライダー1dでの例を示している。
本実施形態でも上記第1~第4の実施形態と異なり、巻き取り式スライダー10はシート2を具備しない。
図4(b)に示すように、スライダー1が各々隣接するスライダー1の底部1rにおいて、各スライダー1が有する先端にヒンジ部1pを有する連結用リブ1mによって連結され、収納時において、スライダー1同士の連結体1nは一方の辺2bと平行な軸Sを中心として渦巻き状に巻き取られる形状となる。ヒンジ部1pを有する連結用リブ1mの材質としては可撓性を有する樹脂の採用が望ましい。
スライダー1の形状については上記第1~第4の実施形態で説明した4種類の形状のいずれか1つが採用される。図4(b)はスライダー1dでの例を示している。
なお、上記第1~第6のいずれの実施形態においても、スライダー1の上記断面形状の上部の形状は、楕円からさらに平坦な直線形状を採用してもよい。
いずれの実施形態においても、巻き取り式スライダーは、必要な時、使用時において平面状に展開して物品の搬送経路に容易に設置することができ、すべり摩擦や転がり摩擦により物品との間の摩擦を低減させたスライダー1a、1b、1c、1dによってスムーズな多方向への物品の搬送を可能にする。
スライダー1c、1dのコロや球体を用いる方式についても転がり運動を利用するとはいえ駆動装置を必要としないので、ほぼ上記と同様の装置軽量化を実現し、運搬性、収納時の省スペース性についても同様の効果を奏する。
具体的には、スライダーの各位置での物品の回転移動や、回転を伴う斜め方向の移送が容易に行える。これらは実際の移送作業では要求される機能であるが、従来のローラーコンベアではスムーズにこれを実現させるのは困難であった。各ローラーが全長に亘って同一の回転角度を保たざるを得ず、物品を回転させることによりローラーの回転が止まってしまうからである。
さらに、巻き取り式スライダーの保管時においても、軽量で、コンパクトな収納形態となるため、省スペース性の向上、収納・搬出作業の容易化が図れる。
1a スライダー(ドームタイプ)
1b スライダー(突起タイプ)
1c スライダー(コロタイプ)
1d スライダー(球体タイプ)
1e 凹部
1g コロ
1h 突起
1i 弦
1j 表面
1k 連結部品
1m 連結用リブ
1n 連結体
1p ヒンジ部
1q 球体
1r 底部
1s 凹部
2 シート
2a 表面
2b 一方の辺
2c 他方の辺
2d 接合部
3 物品
10 巻き取り式スライダー
A、B、C、D 断面形状
E 間隔
S 軸
Claims (4)
- 物品の移送方向に等間隔に配列された複数のスライダーを有する巻き取り式スライダー
であって、
略長方形のシートの表面に上記複数のスライダーの底部が接合されており、
展開時の形状において、
平面状の上記シートの表面に、上記移送方向と垂直なシートの一方の辺の長さと略等し
い長さを有する上記複数のスライダーが、上記シートの他方の辺の方向に全長に亘って等
間隔で隣接して接合されており、
収納時において、
上記シートは上記複数のスライダーが上記表面に接合された態様で、上記一方の辺と平
行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となり、
上記スライダーは、上記一方の辺と垂直な断面形状において、下向きの弦を有する略半
楕円形状であって、上記スライダーの最上部には、上記一方の辺と平行に全長に亘る凹部
と、該凹部の全長に亘り回転可能に嵌合されたコロとを有している、
ことを特徴とする巻き取り式スライダー。 - 物品の移送方向に等間隔に配列された複数のスライダーを有する巻き取り式スライダー
であって、
略長方形のシートの表面に上記複数のスライダーの底部が接合されており、
展開時の形状において、
平面状の上記シートの表面に、上記移送方向と垂直なシートの一方の辺の長さと略等し
い長さを有する上記複数のスライダーが、上記シートの他方の辺の方向に全長に亘って等
間隔で隣接して接合されており、
収納時において、
上記シートは上記複数のスライダーが上記表面に接合された態様で、上記一方の辺と平
行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となり、
上記スライダーは、上記一方の辺と垂直な断面形状において、下向きの弦を有する略半
楕円形状であって、上記スライダーの最上部には、上記一方の辺の中央部に配設された凹
部と、該凹部に回転可能に嵌合された球体とを有していることを特徴とする、請求項1に
記載の巻き取り式スライダー。 - 上記巻き取り式スライダーは上記シートを具備せず、上記スライダーは、各々隣接する
該スライダーの底部において、両端にヒンジ部を有する連結部品によって連結され、収納
時において、上記スライダー同士の連結体は上記一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き
状に巻き取られる形状となることを特徴とする、請求項1または2に記載の巻き取り式スライダー。 - 上記巻き取り式スライダーは上記シートを具備せず、上記スライダーは、各々隣接する該スライダーの底部において、各スライダーが有する先端にヒンジ部を有する連結用リブによって連結され、収納時において、上記スライダー同士の連結体は上記一方の辺と平行な軸を中心として渦巻き状に巻き取られる形状となることを特徴とする、請求項1または2に記載の巻き取り式スライダー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021189057A JP7304396B2 (ja) | 2021-11-20 | 2021-11-20 | 巻き取り式スライダー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021189057A JP7304396B2 (ja) | 2021-11-20 | 2021-11-20 | 巻き取り式スライダー |
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JP2023075955A JP2023075955A (ja) | 2023-06-01 |
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ID=86547933
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008056400A (ja) | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Tadahiko Ito | 重量物移送用スライダ |
JP2021024693A (ja) | 2019-08-05 | 2021-02-22 | 株式会社 ダイサン | スライダーボード |
JP2021024694A (ja) | 2019-08-05 | 2021-02-22 | 株式会社 ダイサン | スライダーボード |
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