JP7302434B2 - コスト予測方法およびコスト予測プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、製品のコストを予測するコスト予測方法およびコスト予測プログラムに関する。
既存の製品の仕様を一部変更した新たな製品を開発する際には、新たな製品の製造コストを予測することが行われている。開発の初期段階では、正確な予測を行うことは困難であることから、過去の経験に基づいて大まかな予測が行われることが一般的である。
コンピュータを用いた予測技術としては、過去の実績を用いることが提案されている。例えば、新たな製品の設計案の各部分について、類似する過去の設計のコスト実績を引き当て、引き当てられたコスト実績に基づいて、当該設計案のコスト予測を行う技術がある(例えば、下記特許文献1参照。)。
特開2005-182558号公報
一つの仕様変更を行う場合に、それに伴って他の仕様を変更する必要があるものがある。例えば、自動車の設計において、基本車種にサンルーフ付の車種を設定する場合、単にサンルーフという部品のコストが発生するだけではなく、専用のハーネスのコストも必要になる場合がある。上記特許文献1に開示の技術では、過去の実績からサンルーフのコストを予測することは可能だが、サンルーフの設置に伴って他の部品の変更が必要になる可能性までは考慮されない。そのため、予測コストの精度は低いものとなってしまう。
一つの側面では、本発明は、過去の実績に鑑みた、より正確なコスト予測を行うことができることを目的とする。
本発明の一側面によれば、コスト予測方法は、製品が有する複数の仕様を変更したモデルのコストを予測するコスト予測方法であって、過去の製品のコスト実績を取得する取得ステップと、複数の前記仕様のうち一つの前記仕様を有する場合のコストである第一のコスト実績と、一つの前記仕様を有さない場合のコストである第二のコスト実績と、を複数の前記仕様それぞれで抽出する抽出ステップと、一つの前記仕様毎に、前記複数の第一のコスト実績と前記複数の第二のコスト実績との差額を算出する差額算出ステップと、複数の前記仕様の差分の情報と前記差額に基づいて、前記モデルのコストを算出するコスト算出ステップ、の処理をコンピュータが実行することを要件とする。
本発明の一態様によれば、過去の実績に鑑みた、より正確なコスト予測を行うことができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかる製品のコスト予測を説明する図である。 図2は、実施の形態にかかる製品のコスト予測を行う情報処理装置の機能ブロック図である。 図3は、実施の形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。 図4は、実施の形態のコスト予測に用いる情報例を示す図である。(その1) 図5は、実施の形態のコスト予測に用いる情報例を示す図である。(その2) 図6は、実施の形態のコスト予測に用いる情報例を示す図である。(その3) 図7は、実施の形態のコスト予測に用いる情報例を示す図である。(その4) 図8は、実施の形態にかかるコスト予測の処理例を示すフローチャートである。 図9は、複数の仕様を組合せた場合に用いる部品の複数通りの組合せを示す仕様差毎の部品の組合せの情報を説明する図である。 図10は、実施の形態にかかる製品のコスト予測を行う情報処理装置の他の機能ブロック図である。 図11は、実施の形態にかかるコスト予測の他の処理例を示すフローチャートである。 図12は、実施の形態にかかる仕様差毎の部品の組合せの情報に基づく重回帰分析の結果を示す図である。 図13は、実施の形態にかかるコスト推定で設備投資が必要なケースを示す図である。
(実施の形態)
以下に図面を参照して、開示のコスト予測方法およびコスト予測プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
図1は、実施の形態にかかる製品のコスト予測を説明する図である。情報処理装置100は、新製品の開発時等に過去の製品のデータに基づき、新製品の仕様別のコストを算出する。例えば、情報処理装置100は、新製品の開発時等のユーザ操作(起動トリガ入力)により、コスト予測プログラムPを実行し、コスト予測の処理を行う。例えば、コスト予測プログラムPは、メモリ等の記憶部に格納され、プロセッサが読み出し実行する。
情報処理装置100は、過去に製造した製品別の仕様とモデルの関係を示す仕様-モデル情報111、モデルと部品の関係を示すモデル-部品情報112、部品とコストの関係を示す部品-コスト情報113をそれぞれデータベース(DB)に蓄積記憶している。
モデルは、例えば、製品の基本仕様に対応する基本モデルと、基本モデルにオプション等の機能別の仕様を追加した複数の派生モデル(例えば、後述するモデル1~4)と、がある。仕様は、機能別の部品の組合せからなる。これら複数の派生モデルが新製品のそれぞれのモデル(モデル1が第一の製品、モデル2が第2の製品、…)に相当する。モデル-部品情報112は、モデル毎に用いる部品の組合せを示す。部品-コスト情報113は、新製品として開発する複数のモデル別のコストを示す。
詳細は後述するが、情報処理装置100は、新製品として新型車両の開発時を起動トリガとして、過去に製造した車両の仕様、モデル、部品、製品、コストのデータベース(DB)に基づき、新型車両のモデル別のコストを算出する。
コスト予測プログラムPは、例えば、以下の手順で処理実行する。はじめに、各DBを参照し、過去情報を収集する(ステップS101)。例えば、DBに蓄積されている過去製品の仕様-モデル情報111、モデル-部品情報112、部品-コスト情報113をそれぞれ読み出し、ある対象モデルを抽出して、この対象モデルの仕様、部品、コストを紐付け(関連付け)する。
例えば、車両の各仕様として、サンルーフ、皮シート、AT(オートマチック車)、MT(マニュアル車)、ナビ(ナビゲーション)等がある。モデルは、これら各仕様の異なる組合せからなり、複数のモデルがある。
モデル別で異なる仕様に必要な部品の組合せが異なる。例えば、モデル1(第一の製品)がサンルーフ有、ナビ有、ATからなる仕様の組合せからなり、モデル2(第二の製品)がサンルーフ無、ナビ無、自動ブレーキ無、ATからなる仕様の組合せからなるとする。この場合、モデル1ではサンルーフ、サンルーフ用のルーフ、ハーネス種別A等の部品が必要となる。これに対し、モデル2では、サンルーフおよびサンルーフ用のルーフが不要であるが、ハーネス種別Bの部品が必要となる。このように、モデル1,2間で必要な部品はモデル別(仕様の差分、仕様差と称す)に異なる。
つぎに、上記収集した各情報に基づき、仕様差別の部品の組合せを求める(ステップS102)。仕様差は、例えば、車両のサンルーフの有/無である。仕様毎に異なる部品を用いるため、異なる仕様別に用いる部品の組合せが異なることとなる。この処理では、対象モデルに対する仕様と部品の関連情報を求める。
つぎに、仕様差別の部品の組合せを入力として重回帰分析を行う(ステップS103)。重回帰分析の処理自体は、汎用の処理技術を用いることができ、例えば、仕様差を説明変数、部品のコストを目的変数として重回帰分析を行うことで、仕様差毎のコスト差異情報を算出する。
最後に、仕様差毎のコスト差異情報に基づき、モデル毎の仕様を変化させたときのコストをシミュレーションにより算出する(ステップS104)。これにより、新製品開発時には、過去の製品の情報に基づき、モデル別のコストを算出し、コストシミュレーション画面としてユーザに提示する。
ここで、実施の形態におけるモデル別のコスト予測の概要について、従来の問題点および実施の形態による改善点を説明しておく。一般に、製品のモデル数が増加した場合、製品開発のコストが増加し、開発期間が増大する。従来技術では、製品のモデル毎の仕様表を管理し、製品の各モデルのコストと売上および利益を想定し、採算性を確認することで展開する製品の各モデルを決定している。
しかし、従来技術により、製品の各モデルのコストをその製品仕様の組合せから推定する方法だけでは、想定外の投資が必要となることが生じ、最終的に必要なコストが精度良く予測できない等の問題が発生していた。その結果、販売している製品の各モデルのなかに、採算が確保できないものが発生することがあった。
実施の形態では、従来の上記問題を解消するために、過去のモデル毎の仕様と、コスト実績から投資が発生するパターンを学習し、学習パターンをコストシミュレーションすることでモデル数が増加したときにおけるコスト予測の精度を向上させる。
ここで、実施の形態では、「製品の仕様変更に直接関わる部品」についてだけでなく、「製品の仕様変更に二次的に関わる部品」についてもコストを想定する。「製品の仕様変更に直接関わる部品」は、例えば、車両の製品仕様がサンルーフ有/サンルーフ無であるとし、部品はサンルーフ購入/サンルーフ購入無であるとする。
また、「製品の仕様変更に二次的に関わる部品」は、例えば、製品仕様がサンルーフ有/サンルーフ無、であるとしたときのそれぞれの部品は、
サンルーフ用の穴開きルーフ購入/サンルーフ用穴無ルーフ購入
サンルーフへの配線有ハーネス購入/サンルーフへの配線無ハーネス購入
ハーネスを止めるクリップ8個購入/ハーネスを止めるクリップ4個購入、となる。
実施の形態により、各モデルのコストをシミュレートすることで、採算の取れないモデルを容易に抽出して除外でき、製品のライフサイクル全体の採算を向上できるようになる。また、製品の生産拠点や販売拠点がグローバルで多数展開されている場合ほど、人手による予測が難しいが、実施の形態によれば、モデル毎のコストを簡単に精度良く求めることができるようになる。
図2は、実施の形態にかかる製品のコスト予測を行う情報処理装置の機能ブロック図である。情報処理装置100は、制御部200として、過去情報収集部201、仕様差-部品組合せ部202、重回帰分析部203、新製品コストシミュレーション部204の各機能を有する。また、コストシミュレーション画面を生成し、表示部205に表示出力する機能を含む。
また、図1に示した仕様-モデル情報111の格納部(DB)211、モデル-部品情報112のDB212、部品-コスト情報113のDB213を含む。また、仕様-モデル-部品-コスト情報を抽出したDB221、仕様-部品の関連情報のDB222、仕様差毎のコスト差異情報のDB223を含む。
過去情報収集部201は、過去に製造した製品の仕様-モデル情報111のDB211、モデル-部品情報112のDB212、部品-コスト情報113のDB213、を参照して、モデル毎の仕様とモデルと部品とコストとを紐付け(関連付け)する。そして、紐付けの結果を仕様-モデル-部品-コスト情報のDB221に格納する。
仕様差-部品組合せ部202は、対象モデルに対応する仕様-モデル-部品-コスト情報のDB221を参照し、仕様差別の仕様-部品の関連情報を求めてDB222に格納する。
重回帰分析部203は、仕様-部品の関連情報のDB222を参照し、仕様差を説明変数、部品のコストを目的変数として重回帰分析を行い、仕様差毎のコスト差異情報をDB223に格納する。
新製品コストシミュレーション部204は、仕様差毎のコスト差異情報のDB223を参照し、モデル毎の仕様を変化させたときのコストを算出し、コストシミュレーション画面として表示部205に表示出力する。
図3は、実施の形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置100は、例えば、図3に示すハードウェアからなる汎用のPCやサーバで構成することができる。
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)301、メモリ302、ネットワークインタフェース(IF)303、記録媒体IF304、記録媒体305、入出力IF306、等を含む。300は各部を接続するバスである。
CPU301は、情報処理装置100の全体の制御を司る制御部として機能する演算処理装置である。メモリ302は、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、CPU301のプログラムを格納するROM(Read Only Memory)である。揮発性メモリは、例えば、CPU301のワークエリアとして使用されるDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等である。
ネットワークIF303は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワークNWに対する通信インタフェースである。情報処理装置100は、ネットワークIF303を介してネットワークNWに通信接続し、外部装置と通信を行う。例えば、ユーザが操作する端末と通信接続できる。
記録媒体IF304は、CPU301が処理した情報を記録媒体305との間で読み書きするためのインタフェースである。記録媒体305は、メモリ302を補助する記録装置であり、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)フラッシュドライブ等を用いることができる。
メモリ302または記録媒体305に記録されたプログラムをCPU301が実行することにより、情報処理装置100の制御部の各機能(図2の過去情報収集部201~新製品コストシミュレーション部204)を実現することができる。また、メモリ302や記録媒体305は、情報処理装置100が扱う情報を記録保持する。例えば、メモリ302や記録媒体305は、上記の各DB(仕様-モデル情報111のDB211~部品-コスト情報113のDB213、仕様-モデル-部品-コスト情報のDB221~仕様差毎のコスト差異情報のDB223等)の情報を保持する。
入出力IF306は、情報処理装置100外部との間で情報を送受信するインタフェースである。入出力IF306には、キーボード、マウス等の入力部や、ディスプレイ等の表示部等が接続され、ユーザ操作によるデータ入力や、ユーザに対する画面表示出力等を行うことができる。ユーザ操作のデータ入出力は、NWを介して接続された外部の端末との間で行うこともでき、この場合、図2の表示部205は、端末上に設けられたディスプレイを用いることができ、端末のキーボードを介して操作入力できる。
図4~図7は、実施の形態のコスト予測に用いる情報例を示す図である。製品例が車両の場合の各情報例を説明する。図4は、モデル別の仕様と部品一覧であり、図4(a)はモデル別の仕様、図4(b)はモデル別の部品一覧の例を示す。
図4の各情報は、過去に製造した車両のモデル別の仕様および部品の情報であり、制御部(過去情報収集部201)が、仕様-モデル情報111のDB211、モデル-部品情報112のDB212、部品-コスト情報113のDB213から情報取得する。
図4(a)のモデル別の仕様一覧400は、制御部(過去情報収集部201)が、仕様-モデル情報111のDB211を参照し、モデル1~4別の仕様を抽出したものである(〇印が各モデルで用いる仕様)。例えば、モデル1は、サンルーフ、AT、ナビ、アンチロックブレーキ有の仕様である。モデル2は、皮シート有、AT、自動ブレーキ、アンチロックブレーキ有の仕様である。
より具体的には、各モデル1~4は、車両に搭載する各仕様を増減(有/無)させたものである。例えば、各モデル1~4は、車両の基本モデルが有する基本仕様に、オプション仕様を追加した派生モデルに相当する。
図4(b)のモデル別(仕様の組合せ)の部品一覧410は、制御部(過去情報収集部201)が、図4(a)で抽出したモデル-仕様の情報と、モデル-部品情報112のDB212と、部品-コスト情報113のDB213を参照して抽出したものである。
例えば、モデル1の仕様で用いる部品一覧411は、サンルーフ、サンルーフ取付用の屋根(ルーフA)、ハーネスA、ハンドル等の各部品と、各部品のコストを抽出する。また、モデル1で用いる全部品のコストの合計(例えば金額等の価格)を求める。同様に、モデル2~4の部品一覧412~413を求める。これら各モデル1~4別の仕様一覧400の情報と、モデル別の部品一覧410の情報は、仕様-モデル-部品-コスト情報のDB221に格納される。
図5は、仕様差毎の部品の組合せの関連情報であり、制御部(仕様差-部品組合せ部202)が、仕様-モデル-部品-コスト情報のDB221を参照し、図4(a)のモデル別の仕様一覧400と、モデル別の部品一覧410の情報を取得する。そして、制御部(仕様差-部品組合せ部202)は、仕様差別の部品の組合せを求め、仕様差毎の部品の組合せの情報500をDB222に格納する。
例えば、製品仕様が「サンルーフ有」の場合と、「サンルーフ無」の場合で用いる部品の組合せを抽出する。ここで、「サンルーフ有」では用いる部品が「サンルーフ(23,000)」、「ルーフA(8,000)」、「ハーネスA(689)」である。括弧内の数値は各部品のコストを示す(第一のコスト実績)。
また、「サンルーフ無」では用いる部品が、「サンルーフ無(0)」、「ルーフB(6,800)」、「ハーネスB(612)」である(第二のコスト実績)。この際、制御部(仕様差-部品組合せ部202)は、用いる部品毎のコストを取得でき、仕様差に対応した価格差(第一のコスト実績と第二のコスト実績の差分)を学習する。
図6には、仕様差毎のコスト差異情報600を示す。コスト差は、各仕様の有/無の場合の差額を示す。制御部(重回帰分析部203)は、仕様-部品の関連情報のDB222に格納されている仕様差別の部品の組合せの情報(図5)を参照し、仕様差を説明変数、部品のコストを目的変数として重回帰分析を行う。これにより、仕様差毎のコスト差異情報600が求められ、DB223に格納される。
図6の例では、例えば、仕様の「サンルーフ」に用いる全部品が「有」の場合と「無」の場合の差額は「30000」と算出される。また、仕様の「アンチロックブレーキ」に用いる全部品が「有」の場合と「無」の場合の差額は「2782」と算出される。
図7には、モデル別の仕様一覧およびコスト情報700を示す。制御部(新製品コストシミュレーション部204)は、仕様差毎のコスト差異情報600のDB223を参照し、モデル毎の仕様を変化させたときのコストをシミュレーションにより算出する。モデル毎の仕様一覧の情報は、図4(a)と同じである(〇印が各モデルで用いる仕様)。例えば、コストは、車両1台の推定価格を示す。
シミュレーションの結果、例えば、モデル1の仕様(サンルーフ、AT、ナビ、アンチロックブレーキ有)では、コストは283200と算出される。モデル2の仕様(皮シート有、AT、自動ブレーキ、アンチロックブレーキ有)では、コストは190800と算出される。
図7に示すモデル別の仕様一覧およびコスト情報700は、表示部205に出力される。これにより、ユーザは、モデル1~4別の仕様とコストとを容易に比較することができる。上述したように、各モデル1~4は、車両に搭載する各仕様を増減(有/無)させたものである。
制御部(新製品コストシミュレーション部204)は、過去の製品(車両の各モデル1~4別の仕様(図4(a)参照))の実績に基づき、仕様の増減に応じたコスト増減を学習し、モデル別のコストをシミュレーションにより推定する。
図8は、実施の形態にかかるコスト予測の処理例を示すフローチャートである。情報処理装置100の制御部(CPU301)が実行処理する内容を示す。制御部は、新製品の開発時等のユーザ操作(起動トリガ入力)により、以下の処理を実行開始する。
はじめに、制御部は、過去の製品一覧の情報を取得する(ステップS801)。ここで、制御部は、過去に製造した製品別の仕様とモデルの関係を示す仕様-モデル情報111、モデルと部品の関係を示すモデル-部品情報112、部品とコストの関係を示す部品-コスト情報113を、仕様-モデル-部品-コスト情報のDB221に格納する。
つぎに、制御部は、ある一つの製品(新製品)について、ステップS802~ステップS810の各処理をループ処理する。ステップS803では、各製品のモデルを取得する(ステップS803)。モデルは、新製品として複数のモデル(例えば、モデル1~4)を有する。
つぎに、制御部は、ある一つのモデルについて、ステップS804~ステップS809の各処理をループ処理する。ステップS805では、各モデルでの仕様を取得する(ステップS805)。例えば、制御部は、仕様-モデル-部品-コスト情報のDB221に格納されている仕様-モデル情報111を取得する(図4(a)のモデル別の仕様一覧400相当)。
つぎに、制御部は、各モデルでの部品とそのコストを取得する(ステップS806)。例えば、制御部は、仕様-モデル-部品-コスト情報のDB221に格納されている部品-コスト情報113を取得する(図4(b)のモデル別の部品一覧410相当)。
つぎに、制御部は、仕様差と部品差の組合せを作成する(ステップS807)。例えば、制御部は、取得した仕様-モデル情報111と、部品-コスト情報113により、異なる仕様で用いる部品について、モデル別の仕様差(仕様の有/無の差分)と、仕様差別の部品差(仕様差別の部品の有/無の差分)との組合せを作成する。この組合せは、取り得る全てのパターンに対して作成する。そして、制御部は、作成した仕様差毎の部品組合せの情報(図5相当)を仕様-部品の関連情報としてDB222に保存する(ステップS808)。
この後、制御部は、ステップS809で一つのモデルに関する処理終了を判断し、ある製品の他のモデルの処理が残っていればステップS804の処理に戻り、一つのモデルに関する処理終了であればステップS810の処理に移行する。この後、制御部は、ステップS810で一つの製品に関する処理終了を判断し、ある製品に関連する他の対象の製品があればステップS802の処理に戻り、製品に関する処理終了であればステップS811の処理に移行する。
ステップS811では、制御部は、仕様差毎のコスト差を類推する。例えば、制御部は、ステップS808で作成した仕様差毎の部品組合せの情報(図5)を用い、仕様差を説明変数、部品のコストを目的変数として重回帰分析を行う。これにより、仕様差毎のコスト差異情報600(図6相当)を得てDB223に格納する。
つぎに、制御部は、新製品のモデル毎の仕様差を取得する(ステップS812)。例えば、制御部は、仕様差毎のコスト差異情報のDB223を参照し、新製品のモデル毎の仕様差を取得する。そして、制御部は、仕様差が示す各仕様でのコストを推測する(ステップS813)。推測した各仕様でのコストは、コストシミュレーション画面(図7相当)として画面生成し、表示部205に表示出力する。以上により、一連の処理を終了する。
上記の処理により、情報処理装置100は、例えば、製品の各モデル1~4が示す仕様の増減に応じたコストをユーザに提示する。ユーザは、提示された各モデル別のコストに基づき、採算が取れるモデル(例えば、図7のモデル2,4)を容易に選定できる。同様に、採算が取れないモデル(例えば、図7のモデル1,3)を判断することもできるようになる。また、提示されたコストに加えて該当モデルの過去の実績(販売売上)等を鑑みて最適なモデルを選定することもできる。
(コスト推定の他の算出例)
以上の説明では、仕様差に基づきコスト推定する例とした。仕様差以外の要素がコスト要因となっていることがあるため、仕様差に基づくコスト推定だけではなく、仕様の組合せに基づくコスト推定を行うこともできる。さらには、仕様以外の要素がコスト要因となる設備投資や、材料費、為替、地域別、サプライヤ等の情報に基づくコスト推定を行うこともできる。
図9は、複数の仕様を組合せた場合に用いる部品の複数通りの組合せを示す仕様差毎の部品の組合せの情報を説明する図である。仕様差毎の部品の組合せの情報900として、例えば、ある一つの仕様「サンルーフ有/無」と、他の仕様「ナビ有/無」で用いる部品に多数の組合せが生じることを示す。
例えば、一つの仕様「サンルーフ有/無」だけであれば、図5に示したように、用いる部品を選定(特定)しやすい。しかし、ある一つの仕様「サンルーフ有/無」と、他の仕様「ナビ有/無」とを組合せた場合、用いる部品の組合せが増大する。
図9の例で説明すると、ある一つの仕様「サンルーフ有」だけに着目した場合、用いる部品は、「ハーネスA」あるいは「ハーネスC」である。また、他の一つの仕様「サンルーフ無」だけに着目した場合、用いる部品は、「ハーネスB」あるいは「ハーネスD」である。ここで、他の一つの仕様「ナビ有」だけに着目した場合、用いる部品は「ハーネスA」あるいは「ハーネスD」である。さらに、他の一つの仕様「ナビ無」だけに着目した場合、用いる部品は「ハーネスB」あるいは「ハーネスC」である。
上記の組合せによれば、「サンルーフ有」でかつ「ナビ有」の場合、用いる部品は「ハーネスA」となる。また、「サンルーフ無」でかつ「ナビ無」の場合、用いる部品は「ハーネスB」となる。また、「サンルーフ有」でかつ「ナビ無」の場合、用いる部品は「ハーネスC」となる。また、「サンルーフ無」でかつ「ナビ有」の場合、用いる部品は「ハーネスD」となる。図9には、部品(ハーネスA~D)別のコストを併記している。このように、一つの仕様だけでコストは決まらず、複数の仕様で用いる部品別にコストが変動する。制御部(仕様差-部品組合せ部202)は、仕様差別の部品の組合せを求め、仕様差毎の部品の組合せを仕様-部品の関連情報のDB222に格納する。
ここで、図9では、2つの仕様の組合せだけを示したが、各モデルは、図4で説明したように、多数の仕様の組合せからなり、図9よりもさらに多数の仕様で用いる部品の選定が困難になる。例えば、車両のハーネスは500種類程度あり、仕様の組合せが多数となるほど、コスト予測の精度が著しく低下することになる。
図9には、各仕様が独立していない状態が示されている。このため、特定の部品で個別の仕様の有/無でのコスト変化より、複数の仕様の組合せによるコスト変化が極端に大きい場合が生じる。この点、従来の如く仕様をパラメータとし、コストを結果として多変量解析しても予測の精度を向上できないこととなる。
これに対応するため、情報処理装置100は、仕様セットを変数とした分析を行う。例えば、部品毎にどの仕様変化でコスト変化があるかを過去のデータから抽出し、各仕様の変化と対象の部品のコスト変化を、単純な仕様の有無のコスト変化だけではなく、複数の仕様の組合せのコスト変化も考慮する。この際の仕様の組合せは、取り得る全てのパターンでコスト変化量を分析する。
また、仕様以外のコスト変動の要素、例えば、仕様を変更したときに金型や製造設備等が追加で必要になる場合、その投資費用が部品のコストに反映されるため、極端に大きなコスト変化となる場合がある。この場合、設備投資に関する情報を用いてコスト推定する。例えば、部品毎にどの仕様変化で投資が必要になるかを生産拠点(例えば、内作の工場や、購入部品のサプライヤ)毎に抽出し、投資パターン毎に分類する(金型、加工設備等)。そして、部品、生産拠点、投資パターン毎に過去に取得したデータから、仕様変化とそのコスト変化(投資を部品価格へ償却)を分析する。
さらに、仕様以外のコスト変動の要素として、例えば、材料費変動、為替変動、地域補正値、サプライヤ補正値等があり、仕様差とコスト差に影響を与えるこれらのパラメータも加えることでコスト推定の精度をより向上できるようになる。このように、仕様差により、コスト推定を基本として、さらに、仕様セット、設備投資、材料費変動等の情報を加えて製品の各モデルのコストを推定することができる。
図10は、実施の形態にかかる製品のコスト予測を行う情報処理装置の他の機能ブロック図である。図10において、図2と同様の機能部には同一の符号を付してある。図10では、図2に示した基本機能に加えて、仕様組合せ作成部1001、設備投資作成部1002の機能を有する。
仕様組合せ作成部1001は、仕様-部品の関連情報のDB222に格納されている仕様差別の部品の組合せの情報(図5)に基づき、複数の仕様を組合せた場合に用いる部品の複数通りの組合せを示す仕様差毎の部品の組合せの情報900(図9参照)を作成する。そして、仕様組合せ作成部1001は、重回帰分析部203に対し、仕様組合せを新しい説明変数とした再度の分析を要求する。
設備投資作成部1002は、新製品コストシミュレーション部204のコスト推定結果に基づき、新製品製造に設備投資が必要になる等によるコスト増となったモデルをコスト推定の処理から除外し、重回帰分析を実行させる。また、コスト算出には、所定の投資係数を掛けてシミュレーション実行させる。
図11は、実施の形態にかかるコスト予測の他の処理例を示すフローチャートである。図10に示した情報処理装置100の各機能に基づく処理例を示す。ここで、図11のステップS1101~ステップS1113は、上述した仕様差に基づくコスト推定の処理(図8のステップS801~ステップS813)に相当する。図11の処理では、ステップS1114~ステップS1117の処理が加えられている。
情報処理装置100の制御部(CPU301)は、ステップS1101~ステップS1113の処理実行後、非独立変数があるか判断する(ステップS1114)。上述した仕様差毎の部品の組合せの情報900の如く、仕様差毎の複数の組合せがある場合(ステップS1114:Yes)、制御部は、仕様の組合せを新変数として設定し(ステップS1115)、ステップS1111の処理を再度実行する。
非独立変数がなくなり、仕様差毎の複数の組合せの処理が終了すれば(ステップS1114:No)、制御部は、新たな設備投資が必要等、投資発生パターンがあるか判断する(ステップS1116)。投資発生パターンがなければ(ステップS1116:No)、以上の処理を終了する。一方、投資発生パターンがあれば(ステップS1116:Yes)、制御部は、必要な投資ケースを設定する(ステップS1117)。この後、制御部は、設定した投資ケースの結果、新たな設備投資のコストが所定以上必要なケース(モデル)については、ステップS1111での重回帰分析の処理から除外する。除外以外のケースでは、ステップS1113におけるコスト算出時、追加の投資時に対応した所定の投資係数を掛けたシミュレーションを実行させる。
図12は、実施の形態にかかる仕様差毎の部品の組合せの情報に基づく重回帰分析の結果を示す図である。図12(a)のように、仕様差別のコストとして、「サンルーフ有/無」と、「ナビ有/無」のそれぞれのコストと、有意性の情報を算出する。この後、制御部は、これら「サンルーフ有/無」と、「ナビ有/無」の組合せを説明変数として、重回帰分析を実施する。この結果、図12(b)に示すように、「サンルーフ有 ナビ無」、「サンルーフ無 ナビ有」、「サンルーフ有 ナビ有」の各仕様の組合せついて、コストと、有意性の情報が算出される。
制御部は、例えば、各仕様の組合せ前よりも組合せ後の優位性(所定の値)が向上する場合は、この仕様組合せの採用を決定する。図12の例では、仕様の組合せの全ての優位性を採用することになる。
図13は、実施の形態にかかるコスト推定で設備投資が必要なケースを示す図である。重回帰分析部203による処理実施前の元データとして、例えば、製品の各機種(モデルに相当)、部番(製造部門等)、生産工場、サプライヤ、コストの情報を含む。
図13に示す例では、一覧のうち、例えば、機種「B」、生産工場「ブラジル」で生産する場合、コスト(価格等)「83,000」が他に対して所定以上(価格が)突出している状態にある。この場合、制御部は、この機種「B」(生産工場「ブラジル」)については、多額の設備投資が発生することに基づき、重回帰分析部203の処理対象から外す。また、除外以外のケースでは、新製品コストシミュレーション部204が行うコスト算出時、追加投資の程度に応じて所定の投資係数を掛けたシミュレーションを実行させる。
上記の処理により、情報処理装置100は、例えば、製品の各モデルの仕様差に基づくコスト推定に加えて、複数の仕様の組合せや、追加の投資の発生、例えば、設備投資に関する情報に基づき、コスト推定し、ユーザに提示できる。さらに、追加の投資の発生に関する情報としては、製造する製品に関する材料費変動、為替変動、地域補正値、サプライヤ補正値等の情報に基づきコスト推定することもできる。これらを組合せることで、新製品開発時のモデル毎のコストをより精度良く推定できるようになる。
ここで、対象となる新製品のモデル別の仕様およびコストは、過去の製品のコスト実績から得られない場合がある。例えば、新製品のあるモデルで仕様が追加された場合に伴って発生する部品のコストが過去のコスト実績に含まれていない場合がある。これは、モデルによって、追加部品が発生するものとしないものが存在するためである。これに対応して実施の形態では、例えば過去の50%の製品で追加部品が発生している場合、それぞれの製品のコストの平均の金額をシミュレーションの計算に用いる。例えば、新製品のコストに追加部品のコストの50%の金額を上乗せする、といった計算を行うことができる。このように実施の形態では、モデル変更によって生じる追加部品の金額および発生率に鑑みたコスト予測を行うことができる。
以上説明した実施の形態のコスト予測によれば、製品が有する複数の仕様を変更したモデルのコストを予測する際、過去の製品のコスト実績を取得する取得ステップを実施する。この後、複数の仕様のうち一つの仕様を有する場合のコストである第一のコスト実績と、一つの仕様を有さない場合のコストである第二のコスト実績と、を複数の仕様それぞれで抽出する抽出ステップを実施する。この後、一つの仕様毎に、複数の第一のコスト実績と複数の第二のコスト実績との差額を算出する差額算出ステップを実施する。この後、複数のモデル毎に異なる仕様の差分の情報と差額に基づいて、モデルのコストを算出するコスト算出ステップを実施する。これにより、各仕様毎の仕様の有無(仕様差)によるコストの差額を求めることで、モデルのコストを精度よく算出できるようになる。
また、取得ステップでは、過去の製品のコスト実績として、モデルが有する仕様の情報111と、モデルで用いる部品の情報112と、部品のコストの情報113と、を取得する。そして、モデル別の仕様と、部品と、コストとを関連付けた情報に基づき抽出ステップの処理を行う。これにより、過去の製品のコスト実績を用いるのみで新製品のモデルのコストを算出でき、他のパラメータ等の情報がなくてもコストを算出できる。
また、差額算出ステップでは、仕様の有無の差分の情報を説明変数、コストを目的変数とした重回帰分析を行い、異なる仕様毎の差額を算出する。これにより、重回帰分析を用いて異なる仕様毎の差額を簡単に算出できる。
また、コスト算出ステップでは、異なる仕様毎の差額を用いて、モデル毎の仕様を変化させたときのコストをシミュレーションにより算出する。これにより、モデル毎のコストを簡単に算出できる。
上記に加え、さらに、仕様の組合せを作成する仕様組合せステップを含んでもよい。仕様組合せステップでは、抽出ステップで抽出された、一つの仕様を有する場合のコストである第一のコスト実績と、一つの仕様を有さない場合のコストである第二のコスト実績と、をモデルが有する複数の仕様分組合せる。そして、組合せを新しい説明変数として差額算出ステップの処理を行う。これにより、複数の仕様の組合せが異なる複数モデルのそれぞれに対応してコストを算出できる。例えば、サンルーフ有/無と、ナビ有/無の複数の組合せのそれぞれで用いる部品が異なることに対応でき、用いる部品からモデル別のコストを精度良く算出できるようになる。
また、予め、過去のコスト実績のうち、複数の部品の追加が発生した場合に所定以上のコスト増加となる組合せを特定しておき、コスト算出ステップでは、組合せが存在する場合には、当該組合せに対応するコストの増加分を含めコスト算出してもよい。モデルによっては、新規部品等の追加が必要な場合があり、このような場合でも、追加の部品に対応して精度よくコストを算出できるようになる。
また、差額算出ステップでは、モデルのうち、所定以上のコストが発生する情報を含むモデルに対する処理を除外してもよい。これにより、予めコスト高となることが分かっており、分析が不要なモデルに対する処理(重回帰分析)を実施せず、処理を効率化できるようになる。
また、コスト算出ステップでは、モデルのうち、追加のコスト発生の情報に応じた係数を用いてコストを算出してもよい。また、追加のコスト発生の情報は、製品の製造に必要な設備投資、材料費変動、為替変動、地域補正値、サプライヤ補正値、の情報を含む。これにより、コストをより精度良く算出できるようになる。
これらのことから、実施の形態によれば、過去の実績に鑑みた、より正確なコスト予測を行うことができるようになり、一つの仕様変更を行う場合に、それに伴って他の仕様を変更する必要がある場合に対応できる。例えば、自動車の設計において、基本のモデルAにサンルーフ付のモデルBを新たに設定する場合、モデルBでは単にサンルーフという部品のコストが発生するだけではなく、専用のハーネスのコストも必要になる。この点、実施の形態によれば、過去の実績からサンルーフのコストと、サンルーフの設置に伴う他の部品が変更された場合のコストを算出でき、新たなモデルBでも、精度良くコストを算出できるようになる。同様のモデルCがサンルーフ無でナビ有の場合、更に異なるハーネスが必要であっても、過去の実績からサンルーフ有無と、ナビ有無の仕様差の情報を組み合わせてモデルCのコストを精度よく算出できる。
なお、本発明の実施の形態で説明したコスト予測方法は、予め用意されたプログラムをサーバ等のプロセッサに実行させることにより実現することができる。本コスト予測方法は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)製品が有する複数の仕様を変更したモデルのコストを予測するコスト予測方法であって、
過去の製品のコスト実績を取得する取得ステップと、
複数の前記仕様のうち一つの前記仕様を有する場合のコストである第一のコスト実績と、一つの前記仕様を有さない場合のコストである第二のコスト実績と、を複数の前記仕様それぞれで抽出する抽出ステップと、
一つの前記仕様毎に、前記複数の第一のコスト実績と前記複数の第二のコスト実績との差額を算出する差額算出ステップと、
複数の前記仕様の差分の情報と前記差額に基づいて、前記モデルのコストを算出するコスト算出ステップ、
の処理をコンピュータが実行することを特徴とするコスト予測方法。
(付記2)前記取得ステップでは、過去の製品の前記コスト実績として、前記モデルが有する前記仕様の情報と、前記モデルで用いる部品の情報と、前記部品のコストの情報と、を取得し、
前記モデルの前記仕様と、前記部品と、前記コストとを関連付けた情報に基づき前記抽出ステップの処理を行う、
ことを特徴とする付記1に記載のコスト予測方法。
(付記3)前記差額算出ステップでは、前記仕様の有無の差分の情報を説明変数、前記コストを目的変数とした重回帰分析を行い、異なる前記仕様毎の前記差額を算出する、
ことを特徴とする付記1または2に記載のコスト予測方法。
(付記4)前記コスト算出ステップでは、異なる前記仕様毎の前記差額を用いて、前記モデル毎の前記仕様を変化させたときのコストをシミュレーションにより算出する、
ことを特徴とする付記1~3のいずれか一つに記載のコスト予測方法。
(付記5)さらに、前記仕様の組合せを作成する仕様組合せステップを含み、
前記仕様組合せステップでは、前記抽出ステップで抽出された、一つの前記仕様を有する場合のコストである第一のコスト実績と、一つの前記仕様を有さない場合のコストである第二のコスト実績と、を前記モデルが有する複数の仕様分組合せ、
前記組合せを新しい説明変数として前記差額算出ステップの処理を行う、
ことを特徴とする付記3または4に記載のコスト予測方法。
(付記6)予め、過去の前記コスト実績のうち、複数の部品の追加が発生した場合に所定以上のコスト増加となる組合せを特定しておき、
前記コスト算出ステップでは、前記組合せが存在する場合には、当該組合せに対応する前記コスト増加分を含めコストを算出する、
ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載のコスト予測方法。
(付記7)前記差額算出ステップでは、前記モデルのうち、所定以上のコストが発生する情報を含むモデルに対する処理を除外する、
ことを特徴とする付記6に記載のコスト予測方法。
(付記8)前記コスト算出ステップでは、前記モデルのうち、追加のコスト発生の情報に応じた係数を用いてコストを算出する、
ことを特徴とする付記6に記載のコスト予測方法。
(付記9)前記追加のコスト発生の情報は、前記製品の製造に必要な設備投資、材料費変動、為替変動、地域補正値、サプライヤ補正値、の情報を含むことを特徴とする付記8に記載のコスト予測方法。
(付記10)製品が有する複数の仕様を変更したモデルのコストを予測するコスト予測プログラムであって、
過去の製品のコスト実績を取得する取得ステップと、
複数の前記仕様のうち一つの前記仕様を有する場合のコストである第一のコスト実績と、一つの前記仕様を有さない場合のコストである第二のコスト実績と、を複数の前記仕様それぞれで抽出する抽出ステップと、
一つの前記仕様毎に、前記複数の第一のコスト実績と前記複数の第二のコスト実績との差額を算出する差額算出ステップと、
複数の前記仕様の差分の情報と前記差額に基づいて、前記モデルのコストを算出するコスト算出ステップ、
の処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコスト予測プログラム。
100 情報処理装置
111 仕様-モデル情報
112 モデル-部品情報
113 部品-コスト情報
200 制御部
201 過去情報収集部
202 仕様差-部品組合せ部
203 重回帰分析部
204 新製品コストシミュレーション部
205 表示部
211,212,213,221,222,223 DB
301 CPU
302 メモリ
303 ネットワークIF
305 記録媒体
400 モデル別の仕様一覧
410 モデル別の部品一覧
500 仕様差毎の部品の組合せの情報
600 仕様差毎のコスト差異情報
700 モデル別の仕様一覧およびコスト情報
900 仕様差毎の部品の組合せの情報
1001 仕様組合せ作成部
1002 設備投資作成部
NW ネットワーク
P コスト予測プログラム

Claims (9)

  1. 製品が有する複数の仕様を変更したモデルのコストを予測するコスト予測方法であって、
    過去の製品のコスト実績を取得する取得ステップと、
    複数の前記仕様のうち一つの前記仕様を有する場合のコストである第一のコスト実績と、一つの前記仕様を有さない場合のコストである第二のコスト実績と、を複数の前記仕様それぞれで抽出する抽出ステップと、
    一つの前記仕様毎に、前記複数の第一のコスト実績と前記複数の第二のコスト実績との差額を算出する差額算出ステップと、
    複数の前記仕様の差分の情報と前記差額に基づいて、前記モデルのコストを算出するコスト算出ステップ、
    の処理をコンピュータが実行することを特徴とするコスト予測方法。
  2. 前記取得ステップでは、過去の製品の前記コスト実績として、前記モデルが有する前記仕様の情報と、前記モデルで用いる部品の情報と、前記部品のコストの情報と、を取得し、
    前記モデルの前記仕様と、前記部品と、前記コストとを関連付けた情報に基づき前記抽出ステップの処理を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載のコスト予測方法。
  3. 前記差額算出ステップでは、前記仕様の有無の差分の情報を説明変数、前記コストを目的変数とした重回帰分析を行い、異なる前記仕様毎の前記差額を算出する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のコスト予測方法。
  4. 前記コスト算出ステップでは、異なる前記仕様毎の前記差額を用いて、前記モデル毎の前記仕様を変化させたときのコストをシミュレーションにより算出する、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のコスト予測方法。
  5. さらに、前記仕様の組合せを作成する仕様組合せステップを含み、
    前記仕様組合せステップでは、前記抽出ステップで抽出された、一つの前記仕様を有する場合のコストである第一のコスト実績と、一つの前記仕様を有さない場合のコストである第二のコスト実績と、を前記モデルが有する複数の仕様分組合せ、
    前記組合せを新しい説明変数として前記差額算出ステップの処理を行う、
    ことを特徴とする請求項3または4に記載のコスト予測方法。
  6. 予め、過去の前記コスト実績のうち、複数の部品の追加が発生した場合に所定以上のコスト増加となる組合せを特定しておき、
    前記コスト算出ステップでは、前記組合せが存在する場合には、当該組合せに対応する前記コスト増加分を含めコストを算出する、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載のコスト予測方法。
  7. 前記差額算出ステップでは、前記モデルのうち、所定以上のコストが発生する情報を含むモデルに対する処理を除外する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のコスト予測方法。
  8. 前記コスト算出ステップでは、前記モデルのうち、追加のコスト発生の情報に応じた係数を用いてコストを算出する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のコスト予測方法。
  9. 製品が有する複数の仕様を変更したモデルのコストを予測するコスト予測プログラムであって、
    過去の製品のコスト実績を取得する取得ステップと、
    複数の前記仕様のうち一つの前記仕様を有する場合のコストである第一のコスト実績と、一つの前記仕様を有さない場合のコストである第二のコスト実績と、を複数の前記仕様それぞれで抽出する抽出ステップと、
    一つの前記仕様毎に、前記複数の第一のコスト実績と前記複数の第二のコスト実績との差額を算出する差額算出ステップと、
    複数の前記仕様の差分の情報と前記差額に基づいて、前記モデルのコストを算出するコスト算出ステップ、
    の処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコスト予測プログラム。
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