本開示の実施の形態に係る冷蔵庫について図面に基づいて説明する。なお、本開示は以下の実施の形態のみに限定されることはなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で変形または省略することが可能である。さらに、各々の実施の形態ならびに変形例に係る冷蔵庫の構成ならびに付加的な構成を適宜組み合わせることも可能である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る冷蔵庫の前面と外部機器を示した図である。図2は、実施の形態1に係る冷蔵庫の図1におけるA-A断面を示す断面図である。図3は、実施の形態1に係る冷蔵庫の上面図である。図4は、実施の形態1に係る冷蔵庫の上面斜視図である。実施の形態1に係る冷蔵庫1について説明する。冷蔵庫1は、筐体2と、開閉扉3と、複数の引き出し扉4と、冷却装置5と、複数のヒンジ部6と、複数の運搬ハンドル7と、制御装置8と、無線通信装置9と、接続線10と、を備える。
筐体2は、後述する図5に示すように樹脂製の内箱20と、金属製の外箱21と、内箱20と外箱21との間に断熱材22とを有する。断熱材22には、発泡断熱材または真空断熱材などの内箱20ならびに外箱21と比較して熱伝導率が低い素材が用いられる。また、筐体2の内部には貯蔵空間23と冷却室空間24が形成される。さらに筐体2の一つの面には貯蔵空間23と筐体2の外部の空間とを連通させる開口が形成される。以降の説明では、筐体2の開口が形成された部分を前面部と称する。つまり、筐体2の開口は貯蔵空間の前方に形成される。また、前面部と貯蔵空間23を介して対向する筐体2の部分を背面部と称する。さらに、前面部から見た場合において、貯蔵空間の右方に位置する筐体2の部分を右側面部、貯蔵空間の左方に位置する筐体2の部分を左側面部、貯蔵空間の下方に位置する筐体2の部分を下面部、貯蔵空間の上方に位置する筐体2の部分を上面部25、とそれぞれ称する。
筐体2の貯蔵空間23は、食品などの冷却対象を貯蔵する空間である。貯蔵空間23は、開口を除き内箱20と外箱21と断熱材22とで覆われ、1つ又は複数の仕切り部材26により、複数の貯蔵室に区画される。実施の形態1の冷蔵庫では、冷蔵室23aと、製氷室23bと、切替室23cと、冷凍室23dと、野菜室23eと、の5つの貯蔵室に区画される。冷蔵室23aは各貯蔵室のうち最も上面部25側に配置される。製氷室23bは冷蔵室23aよりも下面部側に配置される。切替室23cは製氷室23bの側方に隣接して配置される。冷凍室23dは製氷室23bおよび切替室23cよりも下面部側に配置される。野菜室23eは切替室23cよりも下面部側に配置され、各貯蔵室のうち最も下面部側に配置される。また、冷蔵室23aと、製氷室23bと、切替室23cと、冷凍室23dと、野菜室23eとはそれぞれ風路によって連通する。
なお、切替室23cは、冷凍温度帯(例えば-18℃程度)、冷蔵温度帯(例えば3℃程度)、チルド温度帯(例えば0℃程度)、ソフト冷凍温度帯(例えば-7℃程度)等の各種温度帯に切り替えることができる。切替室23cの各種温度帯の切り替えは制御装置8が冷却装置5を制御することによって行われる。
筐体2の冷却室空間24は、冷却装置5の一部を収納する空間である。冷却室空間24は野菜室23eの背面部側に形成される。冷却室空間24と貯蔵空間23との間には少なくとも断熱材22が配置される。冷却室空間24には後述する冷却装置5の圧縮機51が配置される。
また、筐体2の上面部25の背面部側には、制御装置8を収納する凹形状の基板収納部29が形成される。さらに、筐体2の上面部25の背面部側には基板収納部29を覆うように制御装置カバー27が固定される。制御装置カバー27の詳細な構造と固定方法については後述する。
開閉扉3は、冷蔵室23aと筐体2の外部の空間とを連通させる開口を閉じる扉である。開閉扉3はその左端部または右端部のうち一方の端部がヒンジ部6によって支持される。開閉扉3はヒンジ部6を中心としてヒンジ部6によって支持されない他方の端部が冷蔵庫1の前面側に回転することによって、冷蔵室23aと筐体2の外部の空間とを連通させる開口が開かれる。実施の形態1の冷蔵庫1において開閉扉3は右面部側に位置する開閉扉3aと左面部側に位置する開閉扉3bの二枚あり、右面部側に位置する開閉扉3aの右端部がヒンジ部6によって支持され、左面部側に位置する開閉扉3bの左端部がヒンジ部6によって支持される。このため、右面部側に位置する開閉扉3aは開閉扉3aの右端部を中心に右面部側へ所定の角度範囲内で回転可能であり、左面部側に位置する開閉扉3bは開閉扉3bの左端部を中心に左面部側へ所定の角度範囲内で回転可能である。つまり、冷蔵庫1の開閉扉3は両開きの扉である。
複数の引き出し扉4は、製氷室23bと筐体2の外部の空間とを連通させる開口と、切替室23cと筐体2の外部の空間とを連通させる開口と、冷凍室23dと筐体2の外部の空間とを連通させる開口と、野菜室23eと筐体2の外部の空間とを連通させる開口と、をそれぞれ閉じる扉である。引き出し扉4は冷蔵庫1の前面部側に移動することができ、引き出し扉4が前面部側に移動することで開口が開かれる。また、引き出し扉4の背面部側には食品などを内部に収納できる容器が設けられる。容器は引き出し扉4が開口を閉じた状態では製氷室23b、切替室23c、冷凍室23d又は野菜室23eの内部に位置する。容器は引き出し扉4と連動して移動し、引き出し扉4を前面部側に移動させた状態では容器は開口を介して筐体2の外部の空間に引き出される。
冷却装置5は、各貯蔵室を所定の温度に冷却するための装置である。冷却装置5は、圧縮機51、冷却器52、図示を省略したキャピラリーチューブなどの膨張手段、図示を省略した放熱パイプなどの凝縮器、庫内ファン53、ダンパ54より構成される。圧縮機51と冷却器52と膨張手段と凝縮器はそれぞれ冷媒配管で繋がっており、冷媒が循環する冷凍サイクルを形成する。圧縮機51は冷凍サイクル回路内の冷媒を圧縮する。凝縮器は圧縮機51により圧縮された冷媒を凝縮させる。膨張手段は凝縮器により凝縮された冷媒を膨張させる。冷却器52は膨張手段により膨張された冷媒によって冷却器52を通過する空気を冷却する。冷却器52と庫内ファン53は筐体2内の風路中に設置されており、冷却器52で冷却された空気が庫内ファン53によって各貯蔵室に流入する。また、冷却器52で冷却された空気の各貯蔵室への流入量をダンパ54の開閉によって調整することで、各貯蔵室の温度は調整される。なお、各貯蔵室に流入した空気は流入後に冷却器52に戻り再び冷却され、冷蔵庫1内の空気は庫内ファン53によって循環される。
ヒンジ部6は、開閉扉3を所定の角度範囲内で回転可能なように支持する。ヒンジ部6はヒンジ金具61とヒンジカバー62より構成される。ヒンジ金具61は円筒形状のヒンジ軸が筐体2の前面部より突出するように筐体2の上面部25に固定される。また、冷蔵庫1はヒンジ部6を二つ備えており、右面部側に位置するヒンジ部6aは開閉扉3aをヒンジ軸によって支持し、左面部側に位置するヒンジ部6bは開閉扉3bをヒンジ軸によって支持する。ヒンジ金具61は例えば金属製のものである。また、ヒンジ金具61はヒンジカバー62に覆われる。ヒンジカバー62は非導電性であり、例えば樹脂製である。また、ヒンジカバー62は筐体2の上面部25に取り付けられる。
運搬ハンドル7は、冷蔵庫1の運搬時に運搬者が掴む部材である。運搬ハンドル7は筐体2の上面部25の右背面部側の端部と、上面部25の左背面部側の端部に設けられる。運搬ハンドル7は非導電性であり、例えば樹脂製である。
制御装置8は、冷蔵庫1の運転を制御する。制御装置8は、無線通信装置9と圧縮機51と庫内ファン53とダンパ54と通信可能に接続される。制御装置8は圧縮機51と庫内ファン53とダンパ54を制御して各貯蔵室の温度について制御を行う。また、制御装置8は無線通信装置9を介して外部機器と通信を行う。制御装置8の詳細な構成については後述する。
無線通信装置9は後述する外部機器200と無線で通信可能な装置である。無線通信装置9の詳細な構成については後述する。
接続線10は制御装置8と無線通信装置9とを通信可能に接続する配線である。接続線10は、接続線10の全体が筐体2の外部に敷設される。接続線10の詳細な構成については後述する。
次に無線通信装置9と無線で通信が行われる外部機器200について説明する。外部機器200は冷蔵庫1を除く機器のことである。例えば、スマートフォンもしくはタブレット端末などの携帯端末、空気調和機もしくは換気扇などの家電機器、またはインターネットなどの外部ネットワークと通信可能に接続された集中コントローラなどが、外部機器200として挙げられる。これらの外部機器200と制御装置8とが無線通信装置9を介して通信を行うことにより、例えば以下に示すことなどを行うことができる。制御装置8が、他の家電機器の運転状態に関する情報を取得し、当該情報に基づいて冷蔵庫1の制御を行うことができる。制御装置8が、外部ネットワークより情報を取得し、当該情報に基づいて冷蔵庫1の制御を行うことができる。制御装置8が、外部ネットワーク上のクラウドサーバーに冷蔵庫1の運転状態に関する情報を送信し、クラウドサーバーは当該情報を蓄積することができる。制御装置8が、携帯端末に冷蔵庫1の運転状態に関する情報を送信し、携帯端末の制御装置が当該情報を携帯端末の表示部に表示を行うことができる。
図5は、実施の形態1に係る冷蔵庫の図3におけるB-B断面を示す断面図である。図6は、実施の形態1に係る冷蔵庫の図5における領域Cの拡大図である。次に制御装置8と無線通信装置9と接続線10と制御装置カバー27の詳細な構成と、制御装置8の周辺と無線通信装置9の周辺の筐体2の構造について説明する。
制御装置カバー27は、基板収納部29と制御装置カバー27とに囲まれた制御装置カバー内空間27aを形成するように筐体2の背面部に固定される。また、制御装置カバー27には制御装置カバー内空間27aと制御装置カバー27の外部の空間とを連通する連通部27bが設けられる。連通部27bは制御装置カバー内空間27aよりも前方に設けられる。
制御装置8はマイクロコントローラ81と制御装置基板82より構成される。マイクロコントローラ81はプロセッサーとメモリーを備える。制御装置8が行う制御ならびに通信は、プロセッサーがメモリーに記憶されたソフトウェアのプログラムに従って処理を実行することによって実現される。また、マイクロコントローラ81は制御装置基板82上に設けられる。制御装置基板82には、マイクロコントローラ81の他に、マイクロコントローラ81を動作させるために必要な電子部品と、接続線10と接続可能な制御装置側コネクタ83と、マイクロコントローラ81と電子部品と制御装置側コネクタ83とを電気的に接続する配線が設けられる。
制御装置8は基板収納部29と制御装置カバー27とに囲まれた制御装置カバー内空間27aに収納されるよう筐体2に固定される。
無線通信装置9は、無線通信モジュール91と無線通信基板92と無線通信装置カバー93より構成される。無線通信モジュール91は電波を送受信するモジュールである。また、無線通信モジュール91は無線通信基板92上に設けられる。無線通信基板92には、無線通信モジュール91の他に、無線通信モジュール91を動作させるために必要な電子部品と、接続線10と接続可能な無線通信装置側コネクタ94と、無線通信モジュール91と電子部品と無線通信装置側コネクタ94とを電気的に接続する配線が設けられる。無線通信装置9は筐体2の上面部25に位置している。
無線通信装置カバー93は、筐体2の上面部25と無線通信装置カバー93とに囲まれた無線通信装置カバー内空間93aを形成するように筐体2の上面部25に固定される。ここで無線通信装置カバー内空間93aを形成する部分をカバー部93bと称する。また、無線通信装置カバー93には無線通信装置カバー内空間93aと無線通信装置カバー93の外部の空間とを連通する連通部93cが設けられる。連通部93cは無線通信装置カバー内空間93aよりも後方に設けられる。また、無線通信装置カバー93には固定部材11が取り付けられる取付部93dが設けられる。取付部93dは、無線通信装置カバー内空間93aとは逆方向に延びるようにカバー部93bの周に沿って設けられる。なお、無線通信装置カバー93は非導電性であり、例えば樹脂製である。また、固定部材11は無線通信装置カバー93を固定する部材であり、実施の形態1における固定部材11はねじである。
無線通信モジュール91と無線通信基板92と無線通信装置側コネクタ94は無線通信装置カバー93と筐体2の上面部25に囲まれた無線通信装置カバー内空間93aに収納される。また、無線通信基板92の面のうち無線通信モジュール91と無線通信装置側コネクタ94が設けられた面が筐体2の上面部25と対向するように、無線通信基板92は無線通信装置カバー93に固定される。
制御装置カバー27の連通部27bと、無線通信装置カバー93の連通部93cは、上下方向に重なる位置に配置される。このため、基板収納部29と制御装置カバー27とに囲まれた制御装置カバー内空間27aと、筐体2の上面部25と無線通信装置カバー93とに囲まれた無線通信装置カバー内空間93aと、は連通する。制御装置カバー27の連通部27bと無線通信装置カバー93の連通部93cとの間にはシール部材12が設けられており、連通部27bと連通部93cとの間に生じる隙間を埋める。
無線通信装置カバー93の取付部93dのうち背面部側の取付部93dにはねじ穴93eが形成される。また、制御装置カバー27のうち、ねじ穴93eと上下方向に重なる位置にはねじ穴27cが形成される。
制御装置カバー27のねじ穴27cと、無線通信装置カバー93のねじ穴93eとに固定部材11であるねじが挿入されることによって、ねじ穴27cとねじ穴93eにねじが嵌合し、制御装置カバー27と無線通信装置カバー93とは固定される。
無線通信装置カバー93の取付部93dのうち前面部側の取付部93dにはねじ穴93fが形成される。また、筐体2の上面部25を形成する外箱21のうち、ねじ穴93fと上下方向に重なる位置にはねじ穴21aが形成される。
さらに、筐体2の上面部25を形成する断熱材22のうち外箱21に形成されたねじ穴21aと上下方向に重なる位置には凹部22aが形成される。凹部22aは断熱材22の外箱21と対向する面に形成されており、周囲より貯蔵空間23側に窪んでいる。このため、筐体2の外箱21と断熱材22の間には、上面部空間28が形成される。
外箱21のねじ穴21aと無線通信装置カバー93のねじ穴93fとに固定部材11であるねじが挿入されることによって、ねじ穴21aとねじ穴93fとにねじが嵌合し、筐体2と無線通信装置カバー93は固定される。また、筐体2と無線通信装置カバー93が固定された状態では、固定部材11であるねじの軸部は上面部空間28の内部に位置する。なお、外箱21のねじ穴21aと無線通信装置カバー93のねじ穴93fに挿入されるねじは非伝導性、例えば樹脂製であることが望ましい。
ここで、上面部空間28の上下方向における寸法は固定部材11のうち上面部空間28の内部に位置する部分の上下方向の寸法よりも長く、固定部材11は断熱材22と接触しない。つまり、上面部空間28の大きさは固定部材11が断熱材22に接触しないような大きさである。
外箱21と取付部93dとの間にはシール部材12が設けられており、外箱21と取付部93dとの間に生じる隙間を埋める。
接続線10の両端には接続線側コネクタ101が設けられる。一方の接続線側コネクタ101aは制御装置側コネクタ83と接続可能であり、他方の接続線側コネクタ101bは無線通信装置側コネクタ94と接続可能である。
接続線10の一方の接続線側コネクタ101aは基板収納部29と制御装置カバー27とに囲まれた制御装置カバー内空間27aに位置し、他方の接続線側コネクタ101bは無線通信装置カバー93と筐体2の上面部25に囲まれた無線通信装置カバー内空間93aに位置する。つまり、接続線10は連通部27bと連通部93cによって連通された箇所を介して敷設される。また、接続線10は制御装置カバー27と無線通信装置カバー93とによって覆われる。
次に制御装置8と無線通信装置9と接続線10と制御装置カバー27の固定手順について説明する。
まず、第一の手順として、制御装置8を筐体2に固定する。
第一の手順の終了後、第二の手順として、接続線10の一方の接続線側コネクタ101aを制御装置側コネクタ83と接続する。
第二の手順の終了後、第三の手順として、接続線10の他方の接続線側コネクタ101bを無線通信装置側コネクタ94と接続する。
第三の手順の終了後、第四の手順として、制御装置カバー27を筐体2に固定する。この第四の手順の際に他方の接続線側コネクタ101bが連通部24bを介して基板収納部29と制御装置カバー27とに囲まれた制御装置カバー27の外部に位置するようにする。
第四の手順の終了後、第五の手順として、無線通信装置9を無線通信装置カバー93に固定する。
第五の手順の終了後、第六の手順として、無線通信装置カバー93を筐体2と制御装置カバー27に固定する。
なお、第二の手順と第三の手順については、第一の手順と第四の手順の間であれば前後しても構わない。また、第五の手順については第一から第四の手順の前に行っても構わない。
以上のように実施の形態1に係る冷蔵庫1は、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間23が内部に形成され貯蔵空間23の上方に位置する上面部25を有する筐体2と、筐体2の一部であり筐体2の外部の空間と面する外箱21と、貯蔵空間23に冷却された空気を供給する冷却装置5と、冷却装置5を制御し筐体2に固定された制御装置8と、筐体2の上面部25に位置し外部機器200と無線で通信可能な無線通信装置9と、無線通信装置9を外箱21に固定する固定部材11(ねじ)と、無線通信装置9と制御装置8とを通信可能に接続し筐体2の外部に敷設される接続線10と、を備える構成である。実施の形態1に係る冷蔵庫1は、筐体2の外部に接続線10が敷設されるため、断熱材の充填および発泡によって接続線が流されることを防止する効果を奏する。また、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、筐体2の外部に接続線10を敷設することによって、筐体2の壁の中に接続線を配線する場合と比較して、無線通信装置9の配置場所の自由度が上がる効果を奏する。特に、特許文献1のようにヒンジ部周辺に無線通信装置を設ける場合に生じる無線通信装置と外部機器との通信が金属製のヒンジ部によって妨げられるという課題を解決することができる効果を奏する。
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、筐体2は貯蔵空間23の前方に開口が形成され、無線通信装置9は制御装置8よりも筐体2の前方に固定される構成を有する。この付加的な構成によって、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、無線通信装置9が制御装置8よりも後方に固定される場合と比較して、無線通信装置9が冷蔵庫1の前方へ送信する電波ならびに冷蔵庫1の前方から無線通信装置9が受信する電波の強度が高くなる効果を奏する。特に、外部機器200がタブレット端末などの使用者が操作又は閲覧を行う機器である場合には、使用者は開口が形成された冷蔵庫1の前方に立って作業することが多い。従って、冷蔵庫1の前方へ送信する電波ならびに冷蔵庫1の前方から無線通信装置9が受信する電波の強度が高くすることは、冷蔵庫1の側方または後方へ送信する電波の強度を高くする場合に比べて、有用である。
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、無線通信装置9は、電波を送受信する無線通信モジュール91と、無線通信モジュール91を覆う無線通信装置カバー93とを有し、制御装置8を覆う制御装置カバー27を備え、接続線10は無線通信装置カバー93と制御装置カバー27によって覆われる構成を有する。この付加的な構成によって、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、接続線10が外部に露出することを抑制する効果を奏する。接続線10を外部に露出することを抑制することによって、例えば意匠性の向上、又は運搬時に接続線10が引っかかり断線することの抑制などの効果を奏する。
実施の形態1に係る冷蔵庫1の変形例について説明する。
なお、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、固定部材11としてねじを用いられるが、これに限らない。例えば、固定部材に両面テープを用い、無線通信装置と筐体とを両面テープで固定しても構わない。また、固定部材に磁石を用い、磁石を無線通信装置に固定し、筐体の外箱に磁力によって無線通信装置を固定しても構わない。これら両面テープまたは磁石によって固定する場合、断熱材22の凹部22aは不要であり上面部空間28を形成しなくても構わない。
ただし、固定部材に両面テープを用いる場合は、両面テープが経年劣化することによって粘着力が弱まり無線通信装置を固定する力が弱くなってしまう。また、固定部材に磁石を用いる場合は、磁石の磁力によって無線通信装置の電波の送受信に支障をきたしてしまう。このため、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、筐体2は筐体2の外部の空間と面する外箱21と、外箱21よりも貯蔵空間23側に位置する断熱材22と、を有し、筐体2の上面部25には、外箱21と断熱材22との間に上面部空間28が形成され、固定部材11の少なくとも一部は上面部空間28に位置する構成である。この構成によって、固定部材11と外箱21の一部とを嵌合させることができ、強固に無線通信装置9を固定することができる。
また、外箱21に嵌合する固定部材はねじでなくても構わない。例えば、以下の実施の形態1の変形例に係る冷蔵庫1のように構成してもよい。なお、実施の形態1の変形例に係る冷蔵庫1において、以下に説明する部分を除く構成は実施の形態1の冷蔵庫1と同様であるため、説明を省略する。
図7は、実施の形態1の変形例に係る冷蔵庫の図5における領域Cに相当する箇所の拡大図である。実施の形態1の変形例の冷蔵庫1では、無線通信装置9の無線通信装置カバー93の前方には貯蔵空間23へ突出する嵌合部95が設けられる。また、嵌合部95の先端は無線通信装置カバー内空間93a側に突出する爪部95aが形成される。また、筐体2の外箱21には嵌合部95が挿入可能な穴部21bを形成される。さらに、断熱材22のうち穴部21bの上下方向と重なる位置には凹部22aが形成され、筐体2の外箱21と断熱材22の間に上面部空間28が形成される。また、凹部22a前後方向の寸法は穴部21bの前後方向の寸法よりも大きい。このため、穴部21bの縁である縁部21cの下方向に重なる位置にも上面部空間28が形成される。そして、嵌合部95が穴部21bに挿入されることによって、爪部95aと縁部21cが嵌合して、無線通信装置9が筐体2に固定される。実施の形態1の変形例の冷蔵庫1の場合、固定部材は嵌合部95が該当する。
また、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、上面部空間28の上下方向の寸法はねじの軸部が断熱材22に接触しないような寸法であるが、これに限らない。例えば、断熱材はウレタン断熱材であり、ねじを挿入する前のウレタン断熱材には上面部空間が形成されておらず、外箱のねじ穴と無線通信装置カバーのねじ穴とにねじを挿入する際にねじがウレタン断熱材を穿孔するようにしてもよい。この場合、ねじによって穿孔されウレタン断熱材に生じた孔が上面部空間に該当する。
ただし、ねじによってウレタン断熱材を穿孔する場合、穿孔する際にウレタンにひびが生じるなど、断熱性が低下する場合がある。このため、実施の形態1に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、上面部空間28の上下方向の寸法は、固定部材11のうち上面部空間28の内部に位置する部分の上下方向の寸法よりも長い構成を有する。この付加的な構成によって、固定部材11と断熱材22とが接触しないため、固定部材11を取り付ける際に固定部材11が接触し断熱材22の断熱性を低下することを抑制する効果を奏する。
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、貯蔵空間23は仕切り部材26によって複数の貯蔵室に区画されるが、これに限らない。例えば、仕切り部材を備えず、貯蔵空間は1つの貯蔵室のみを形成する冷蔵庫であっても構わない。
さらに、実施の形態1に係る冷蔵庫1では、開閉扉3は両開きの扉であるが、これに限らない。例えば、右端部がヒンジ部によって支持された開閉扉または左端部がヒンジ部によって支持された開閉扉のいずれか一つによって筐体2の開口が閉じられる片開きの扉の冷蔵庫であっても構わない。
実施の形態2.
次に実施の形態2に係る冷蔵庫1について説明する。実施の形態2に係る冷蔵庫1は実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して、筐体2の上面部25と、固定部材11と、無線通信装置カバー93との構成が異なる。なお、実施の形態2に係る冷蔵庫1は筐体2の上面部25と固定部材11と無線通信装置カバー93との構成を除く他の構成は実施の形態1に係る冷蔵庫1と同様であるため説明を割愛する。
図8は、実施の形態2に係る冷蔵庫の図5における領域Cに相当する箇所の拡大図である。筐体2の上面部25を形成する外箱21には、穴部21bが形成される。また、筐体2の上面部25を形成する断熱材22のうち穴部21bと上下方向に重なる位置には凹部22aが形成される。このため、筐体2の外箱21と断熱材22の間には、上面部空間28が形成される。また、凹部22a前後方向の寸法は穴部21bの前後方向の寸法よりも大きい。このため、穴部21bの縁である縁部21cの下方向に重なる位置にも上面部空間28が形成される。
固定部材11の構造について説明する。固定部材11は、基部11aと、嵌合部11bと、凸部11cを有する。基部11aは平板状の部材であり、穴部21bを貯蔵空間23側から塞いでいる。嵌合部11bは基部11aに設けられ、穴部21bから筐体2の外部の空間へ突出する。また、嵌合部11bの一部は前方に折れ曲がっており爪部11dを形成する。凸部11cは基部11aに設けられ穴部21bから筐体2の外部の空間へ突出する。また、嵌合部11bは凸部11cよりも前方に位置する。また、基部11aのうち嵌合部11bよりも前方に位置する部位と凸部11cよりも後方に位置する部位をフランジ部11eと称する。
フランジ部11eと縁部21cは上下方向に重なった位置に配置される。また、フランジ部11eと縁部21cとの間にはシール部材12が設けられており、外箱21と固定部材11との間に生じる隙間を埋める。
無線通信装置カバー93について説明する。無線通信装置カバー93にはカバー部93bの前方側には無線通信装置カバー93の内部の無線通信装置カバー内空間93a側に突出した引掛部93gが設けられる。なお、実施の形態2の無線通信装置カバー93の構成については、引掛部93gを有することと、前面部側の取付部93dにねじ穴93fが形成されないことと、を除いて実施の形態1に係る無線通信装置カバー93と同様である。
固定部材11の爪部12dと無線通信装置カバー93の引掛部93gとが嵌合することによって筐体2と無線通信装置カバー93は固定される。また、取付部93dならびに引掛部93gと外箱21との間にはシール部材12が設けられており、外箱21と無線通信装置カバー93との間に生じる隙間を埋める。なお、無線通信装置カバー93と制御装置カバー27との固定は実施の形態1に係る冷蔵庫1と同様である。
以上のように実施の形態2に係る冷蔵庫1は、実施の形態1に係る冷蔵庫1と同じく、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間23が内部に形成され貯蔵空間23の上方に位置する上面部25を有する筐体2と、筐体2の一部であり筐体2の外部の空間と面する外箱21と、貯蔵空間23に冷却された空気を供給する冷却装置5と、冷却装置5を制御し筐体2に固定された制御装置8と、筐体2の上面部25に位置し外部機器200と無線で通信可能な無線通信装置9と、無線通信装置9を外箱に固定する固定部材11と、無線通信装置9と制御装置8とを通信可能に接続し筐体2の外部に敷設される接続線10と、を備える構成である。この構成によって、実施の形態2に係る冷蔵庫1は実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
また、実施の形態2に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、外箱21には上面部空間28と筐体2の外部の空間とを連通する穴部21bが形成されており、固定部材11は、上面部空間28の内部に位置する基部11aと、基部11aに設けられ外箱21に形成された穴部21bから筐体2の外部の空間へ突出する嵌合部11bと、を有し、無線通信装置9は嵌合部11bと嵌合する構成を有する。この付加的な構成によって、実施の形態2に係る冷蔵庫1は、強固に無線通信装置9を固定することができる効果を奏する。
また、実施の形態2に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、基部11aは外箱21に形成された穴部21bを貯蔵空間23側から塞いでいる構成を有する。この構成によって、発泡断熱材の注入する時と発泡断熱材を発泡させる時に穴部21bから発泡断熱材が漏れ出すことを抑制する効果を奏する。
実施の形態3.
次に実施の形態3に係る冷蔵庫1について説明する。実施の形態3に係る冷蔵庫1は実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して、筐体2の上面部25と、無線通信装置カバー93との構成が異なる。なお、実施の形態3に係る冷蔵庫1は筐体2の上面部25と無線通信装置カバー93との構成を除く他の構成は実施の形態1に係る冷蔵庫1と同様であるため説明を割愛する。
図9は、実施の形態3に係る冷蔵庫の上面図である。図10は、実施の形態3に係る冷蔵庫の上面斜視図である。図11は、実施の形態3に係る冷蔵庫の図9におけるD-D断面を示す断面図である。
無線通信装置カバー93について説明する。無線通信装置カバー93は、延長部93hを有する。また、取付部93dのうち背面部側の取付部93dにもねじ穴93fが形成される。なお、実施の形態3の無線通信装置カバー93の構成については、延長部93hを有することと、背面部側の取付部93dにもねじ穴93fが形成されることと、を除いて実施の形態1に係る無線通信装置カバー93と同様である。
延長部93hは、カバー部93bと連通部93cの間に設けられる。延長部93hの前方がカバー部93bと一体成型され、延長部93hの後方が連通部93cと一体成型される。延長部93hは、筐体2の上面部25と延長部93hに囲まれた延長部内空間93iを形成するように筐体2の上面部25に固定される。カバー部93bに囲まれた無線通信装置カバー内空間93aと、延長部93hに囲まれた延長部内空間93iとは連通する。また、延長部内空間93iは連通部93cを介して外部の空間と連通する。つまり、無線通信装置カバー内空間93aは延長部内空間93iと連通部93cを介して外部の空間と連通する。
また、延長部93hにも、延長部内空間93iとは逆方向に延びるように延長部93hの周に沿って取付部93dが設けられる。延長部93hの周に沿って設けられた取付部93dにもねじ穴93fが形成される。
筐体2の上面部25について説明する。上面部25を形成する外箱21のうち、カバー部93bならびに延長部93hの周に沿って設けられた取付部93dに形成されたねじ穴93fと上下方向に重なる位置にはねじ穴21aが形成される。
さらに、図示されていないが、実施の形態1と同様に、筐体2の上面部25を形成する断熱材22のうち外箱21に形成されたねじ穴21aと上下方向に重なる位置には凹部22aが形成される。凹部22aは断熱材22の上面部25側に形成されており、周囲より下面側に窪んでいる。このため、筐体2の外箱21と断熱材22の間には、上面部空間28が形成される。
外箱21のねじ穴21aと無線通信装置カバー93のねじ穴93fとに固定部材11であるねじが挿入されることによって、ねじ穴21aとねじ穴93fとのねじが嵌合し、筐体2と無線通信装置カバー93は固定される。また、筐体2と無線通信装置カバー93が固定された状態では、固定部材11であるねじの軸部は上面部空間28の内部に位置する。また、外箱21と取付部93dとの間にはシール部材12が設けられており、外箱21と取付部93dとの間に生じる隙間を埋める。なお、図示を省略したが、延長部93hの周に沿って設けられた取付部93dと外箱21との間にもシール部材12は設けられる。
ここで、上面部空間28の上下方向における寸法は固定部材11のうち上面部空間28の内部に位置する部分の上下方向の寸法よりも長く、固定部材11は断熱材22と接触しない。つまり、上面部空間28の大きさは固定部材11が断熱材22に接触しないような大きさである。
なお、実施の形態3の冷蔵庫1の制御装置カバー27と無線通信装置カバー93の固定については、実施の形態1の冷蔵庫1と同様である。このため、カバー部93bに囲まれた無線通信装置カバー内空間93aと制御装置カバー27に囲まれた制御装置カバー内空間27aとは、連通部27bと連通部93cと延長部93hに囲まれた延長部内空間93iとを介して連通する。
また、接続線10は連通部27bと連通部93cと延長部93hに囲まれた延長部内空間93iに敷設される。
以上のように実施の形態3に係る冷蔵庫1は、実施の形態1に係る冷蔵庫1と同じく、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間23が内部に形成され貯蔵空間23の上方に位置する上面部25を有する筐体2と、筐体2の一部であり筐体2の外部の空間と面する外箱21と、貯蔵空間23に冷却された空気を供給する冷却装置5と、冷却装置5を制御し筐体2に固定された制御装置8と、筐体2の上面部25に位置し外部機器200と無線で通信可能な無線通信装置9と、無線通信装置9を外箱に固定する固定部材11と、無線通信装置9と制御装置8とを通信可能に接続し筐体2の外部に敷設される接続線10と、を備える構成である。この構成によって、実施の形態3に係る冷蔵庫1は実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
さらに、実施の形態3に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、制御装置カバー27は制御装置8を収納する空間(制御装置カバー内空間27a)を形成し、無線通信装置カバー93は無線通信モジュール91を収納する空間(無線通信装置カバー内空間93a)を形成するカバー部93bと、カバー部93bよりも後方に設けられカバー部93bが形成する空間(無線通信装置カバー内空間93a)と連通する空間(延長部内空間93i)を形成する延長部93hと、を有し、制御装置カバー27と前記無線通信装置カバー93は、制御装置カバー27が形成する空間(制御装置カバー内空間27a)と延長部93hが形成する空間(延長部内空間93i)を連通させる連通部27b,93cをそれぞれ備え、接続線10は連通部27b,93cと延長部93hが形成する空間(延長部内空間93i)に敷設される構成を有する。この付加的な構成によって、実施の形態3に係る冷蔵庫1は、接続線10を制御装置カバー27ならびに無線通信装置カバー93で覆った状態で、実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して、無線通信モジュール91をより冷蔵庫1の前方に設けることができる効果を奏する。
実施の形態3に係る冷蔵庫1の変形例について説明する。
なお、実施の形態3に係る冷蔵庫1では、カバー部93bと延長部93hとは一体化されるがこれに限らない。例えば、カバー部と延長部を別々に成形し、ねじなどの固定部材でカバー部と延長部を固定し、無線通信装置カバーを形成してもよい。また、この場合、カバー部は樹脂などの非導電性の材料で形成し、延長部は金属などの導電性の材料で形成することができる。このように延長部を金属などの導電性の材料で形成することにより、延長部の内部の空間に敷設された接続線より発せられる電磁力を延長部で遮蔽することができる。
また、実施の形態3に係る冷蔵庫1では、固定部材11はねじであるがこれに限らない。例えば、実施の形態1の変形例に係る冷蔵庫1で説明した嵌合部95を用いて無線通信装置を固定してもよい。また、実施の形態2に係る冷蔵庫1で説明した固定部材11を用いて無線通信装置を固定しても良い。
実施の形態4.
次に実施の形態4に係る冷蔵庫1について説明する。実施の形態4に係る冷蔵庫1は実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して、断熱材22の構成が異なる。なお、実施の形態4に係る冷蔵庫1は断熱材22の構成を除く他の構成は実施の形態1に係る冷蔵庫1と同様であるため説明を割愛する。
図12は、実施の形態4に係る冷蔵庫の図3におけるB-B断面に相当する箇所を示す断面図である。図13は、実施の形態4に係る冷蔵庫の図12における領域Eの拡大図である。
断熱材22について説明する。断熱材22は、ウレタンなどの発泡断熱材22bと、フィルムに囲まれた芯材を有しフィルムの内部が真空状態の真空断熱材22cと、で構成される。また、真空断熱材22cは発泡断熱材22bよりも外箱側に位置する。つまり、上面部25では真空断熱材22cは発泡断熱材33bよりも上方に位置する。
真空断熱材22cのうち外箱21に形成されたねじ穴21aと上下方向に重なる位置には凹部22aが形成される。凹部22aは真空断熱材22cの外箱21と対向する面に形成されており、周囲より貯蔵空間23側に窪んでいる。このため、筐体2の外箱21と真空断熱材22cの間には、上面部空間28が形成される。
ここで、上面部空間28の上下方向における寸法は固定部材11のうち上面部空間28の内部に位置する部分の上下方向の寸法よりも長く、固定部材11は真空断熱材22cと接触しない。つまり、上面部空間28の大きさは固定部材11が真空断熱材22cに接触しないような大きさである。
以上のように実施の形態4に係る冷蔵庫1は、実施の形態1に係る冷蔵庫1と同じく、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間23が内部に形成され貯蔵空間23の上方に位置する上面部25を有する筐体2と、筐体2の一部であり筐体2の外部の空間と面する外箱21と、貯蔵空間23に冷却された空気を供給する冷却装置5と、冷却装置5を制御し筐体2に固定された制御装置8と、筐体2の上面部25に位置し外部機器200と無線で通信可能な無線通信装置9と、無線通信装置9を外箱に固定する固定部材11と、無線通信装置9と制御装置8とを通信可能に接続し筐体2の外部に敷設される接続線10と、を備える構成である。この構成によって、実施の形態4に係る冷蔵庫1は実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏する。
さらに、実施の形態4に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、断熱材22に真空断熱材22cを用いる構成を有する。発泡断熱材と異なり真空断熱材には穴を開けることはできない。このため、特許文献1に開示される冷蔵庫のように筐体の壁の中に接続線を敷設し、断熱材に真空断熱材を用いた場合には以下の問題が生じる。壁の中に敷設した接続線を上面部に引き出す際に、接続線を引き出す箇所には真空断熱材を配置することはできない。しかしながら、実施の形態4に係る冷蔵庫1は、接続線10は筐体2の外部に敷設されるため、上面部の全体にわたって真空断熱材を配置することができ、壁の中に接続線を敷設する場合と比べて断熱性能が高くなる。従って、実施の形態4に係る冷蔵庫1は、この付加的な構成を備えることによって、より顕著な効果が生じる。
さらに、実施の形態4に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、筐体2は外箱21よりも貯蔵空間23側に位置する断熱材22を有し、断熱材22は、発泡断熱材22bと真空断熱材22cとで構成されており、真空断熱材22cは発泡断熱材22bよりも外箱21側に位置し、外箱21と真空断熱材22cとの間に上面部空間28が形成され、固定部材11の少なくとも一部は上面部空間28に位置する構成を有する。この付加的な構成によって、固定部材11と真空断熱材22cが接触して真空断熱材22cのフィルムが破損し真空断熱材22cの断熱性能が損なわれることを、上面部空間28を形成することによって抑制する効果を奏する。また、一般的に内箱20には図示を省略した庫内照明などが配置される。ここで真空断熱材22cが発泡断熱材22bよりも内箱20側に位置する場合には庫内照明を固定するアタッチメントなどによって真空断熱材22cのフィルムが破損する場合がある。このため、この付加的な構成では、真空断熱材22cが発泡断熱材22bよりも外箱21側に位置することによって、真空断熱材22cの断熱性が損なわれることを抑制する効果を奏する。
実施の形態4に係る冷蔵庫1の変形例について説明する。
図14は、実施の形態4の変形例に係る冷蔵庫の図12における領域Eに相当する箇所の拡大図である。なお、実施の形態4に係る冷蔵庫1では、固定部材11はねじであるがこれに限らない。例えば、実施の形態4の変形例のように実施の形態2に係る冷蔵庫1で説明した固定部材11を用いて無線通信装置を固定しても良い。また、実施の形態1の変形例に係る冷蔵庫1で説明した嵌合部95を用いて無線通信装置を固定してもよい。
実施の形態5.
次に実施の形態5に係る冷蔵庫1について説明する。実施の形態5に係る冷蔵庫1は実施の形態1に係る冷蔵庫1と比較して、筐体2の上面部25と、制御装置カバー27と、無線通信装置カバー93との構成が異なる。なお、実施の形態5に係る冷蔵庫1は筐体2の上面部25と制御装置カバー27と無線通信装置カバー93の構成を除く他の構成は実施の形態1に係る冷蔵庫1と同様であるため説明を割愛する。
図15は、実施の形態5に係る冷蔵庫の上面図である。図16は、実施の形態5に係る冷蔵庫の上面斜視図である。図17は、実施の形態3に係る冷蔵庫の図15におけるF-F断面を示す断面図である。図18は、実施の形態3に係る冷蔵庫の図17における領域Gの拡大図である。
筐体2の上面部25について説明する。筐体2の上面部25を形成する外箱21には、実施の形態1とは異なり、ねじ穴21aが形成されない。また、筐体2の上面部25を形成する断熱材22には、実施の形態1とは異なり、凹部22aは形成されない。従って、筐体2の外箱21と断熱材22の間には上面部空間28も形成されない。なお、実施の形態5に係る上面部25は、ねじ穴21aと凹部22aと上面部空間28とが形成されないことを除いて、実施の形態1に係る上面部25と同様である。
制御装置カバー27について説明する。制御装置カバー27には、連通部27bが制御装置カバー内空間27aよりも上方に設けられる。つまり、制御装置カバー27の上部に連通部27bが設けられる。また、制御装置カバー27の上部のうち連通部27bの前後方向にはそれぞれねじ穴27cが形成される。なお、実施の形態5に係る制御装置カバー27は、連通部27bとねじ穴27cが制御装置カバー27の上部に設けられる点とを除いて、実施の形態1に係る制御装置カバー27と同様である。
無線通信装置カバー93について説明する。無線通信装置カバー93は、制御装置カバー27の上部の面と無線通信装置カバー93とに囲まれた無線通信装置カバー内空間93aを形成するように制御装置カバー27に固定される。ここで無線通信装置カバー内空間93aを形成する部分をカバー部93bと称する。また、無線通信装置カバー内空間93aとは逆方向に延びるようにカバー部93bの周に沿って取付部93dが設けられる。また、制御装置カバー27には、実施の形態1とは異なり、制御装置カバー内空間27aの後方に連通部93cは設けられない。
さらに、無線通信装置カバー93は、制御装置カバー27の連通部27bを覆うように固定される。このため、基板収納部29と制御装置カバー27とに囲まれた制御装置カバー内空間27aと、制御装置カバー27の上部の面と無線通信装置カバー93とに囲まれた無線通信装置カバー内空間93aとは、連通部27bを介して連通する。
無線通信装置カバー93の取付部93dのうち制御装置カバー27に形成されたねじ穴27cと上下方向に重なる位置には、ねじ穴93eが形成される。
制御装置カバー27のねじ穴27cと、無線通信装置カバー93のねじ穴93eとに固定部材11であるねじが挿入されることによって、ねじ穴27cとねじ穴93eとにねじが嵌合し、制御装置カバー27に無線通信装置カバー93が固定される。また、制御装置カバー27と無線通信装置カバー93が固定された状態では、固定部材11であるねじの軸部は無線通信装置カバー93が形成する制御装置カバー内空間27aの内部に位置する。
制御装置カバー27と取付部93dとの間にはシール部材12が設けられており、制御装置カバー27と取付部93dとの間に生じる隙間を埋める。
また、接続線10は連通部27bを介して、基板収納部29と制御装置カバー27とに囲まれた制御装置カバー内空間27aの内部と、制御装置カバー27の上部の面と無線通信装置カバー93とに囲まれた無線通信装置カバー内空間93aの内部とに敷設される。
以上のように実施の形態5に係る冷蔵庫1は、冷却対象を貯蔵する貯蔵空間23が内部に形成された筐体2と、貯蔵空間23に冷却された空気を供給する冷却装置5と、冷却装置5を制御し、筐体2に固定された制御装置8と、制御装置8を覆う制御装置カバー27と、外部機器200と無線で通信可能な無線通信装置9と、無線通信装置9を制御装置カバー27に固定する固定部材11(ねじ)と、無線通信装置9と制御装置8とを通信可能に接続し、筐体2の外部に敷設される接続線10と、を備える。実施の形態5に係る冷蔵庫1は、筐体2の外部に接続線10が敷設されるため、断熱材の充填および発泡によって接続線が流されることを防ぐことができる効果を奏する。また、実施の形態5に係る冷蔵庫1は、筐体2の外部に接続線10を敷設することによって、筐体2の壁の中に接続線を配線する場合と比較して、接続線10を敷設する際の制限が緩和される効果を奏する。
実施の形態5に係る冷蔵庫1の変形例について説明する。
なお、実施の形態5に係る冷蔵庫1では、固定部材11としてねじを用いるが、これに限らない。例えば、固定部材に両面テープを用い、無線通信装置と筐体とを両面テープで固定しても構わない。また、固定部材に磁石を用い、磁石を無線通信装置に固定し、筐体の外箱に磁力によって無線通信装置を固定しても構わない。
ただし、実施の形態1でも述べたように、固定部材に両面テープでは無線通信装置を固定する力が弱くなってしまう点と、固定部材に磁石を用いる場合では無線通信装置の電波の送受信に支障をきたしてしまう。このため、実施の形態5に係る冷蔵庫1は、付加的な構成として、制御装置カバー27と筐体2は制御装置8を収納する制御装置カバー内空間27aを形成し、固定部材11の少なくとも一部は制御装置カバー内空間27aに位置する構成を有する。この付加的な構成によって、固定部材11と制御装置カバー27の一部とを嵌合させることができ、強固に無線通信装置9を固定することができる効果を奏する。
また、外箱21に嵌合する固定部材はねじでなくても構わない。例えば、以下の実施の形態5の変形例に係る冷蔵庫1のように構成してもよい。なお、実施の形態5の変形例に係る冷蔵庫1において、以下に説明する部分以外の構成は実施の形態5の冷蔵庫1と同様であるため、説明を省略する。
図19は、実施の形態5の変形例に係る冷蔵庫の図17における領域Gに相当する箇所の拡大図である。実施の形態5の変形例の冷蔵庫1では、無線通信装置9の無線通信装置カバー93には制御装置カバー内空間27a側へ突出する嵌合部95が二ヶ所に設けられる。また、嵌合部95の先端は無線通信装置カバー内空間93a側に突出する爪部95aが形成される。また、制御装置カバー27には嵌合部95が挿入可能な穴部27dを形成される。そして嵌合部95が穴部27dに挿入されることによって、爪部95aと穴部27dの周部が嵌合して、無線通信装置9が制御装置カバー27に固定されている。実施の形態5の変形例の冷蔵庫1の場合、固定部材は嵌合部95が該当する。