JP7299732B2 - 試験冶具、及び試験装置 - Google Patents
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Description
また、近接面における複数個所に固定して設けられている複数のマグネットを備えることにより、例えば、試験冶具に対してマグネットが固定されているので、防止機器の検出部に対して固定された位置から安定的に磁気を出力することができ、防止機器の試験を確実に行うことが可能となる。
また、防止機器と近接した状態の試験冶具の防止機器に対する回動位置が変更されることにより、試験冶具の複数のマグネットのうちの1つ以上のマグネットは、防止機器の複数の検出手段のうちの1つ以上の検出手段に対して選択的に磁界を印加することにより、例えば、1個の試験冶具を用いて、複数種類の試験をユーザの意図する所望のタイミングで行うことが可能となる。
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、試験冶具、及び試験装置に関するものである。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、本実施の形態に係る試験装置が適用される感知器の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態における感知器の試験を行っている場合の側面図であり、図2は、感知器を示すブロック図であり、図3は、天井に取り付けられている感知器の底面図である。なお、図1及び図3では、Z軸が垂直方向を示しており、Z軸と直交するX軸及びY軸が垂直方向を示していることとして説明する。また、図1において、感知器1の一部は実際には試験冶具22に隠れて見えない状態となっているが、便宜上、実線にて描かれている。図1の感知器1は、防止機器であり、具体的には、防災機器であり、例えば、天井に設けられているものであり、一例としては、図2の物理量検出部11、磁界検出部12、情報出力部13、記録部14、及び制御部15を備える。
図2の物理量検出部11は、異常である火災に関連する物理量を検出する物理量検出手段である。この物理量検出部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、検煙空間、当該検煙空間に入り込んだ煙の濃度を検出する煙検出手段を用いて構成することができる。なお、煙検出手段としては、少なくとも、LED等の発光部と、当該発光部からの光に基づく光を受光するフォトダイオード等の受光部とを用いて、散乱光式又は減光式のものとして構成することができる。
図2の磁界検出部12は、感知器1の外部から印加される磁界を検出する磁界検出手段である。この磁界検出部12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図3のホールIC121を備えて構成することができる。「ホールIC」121とは、前述の検出手段であり、例えば、感知器1のカバーの内部に設けられているものであり、また、ホール素子を用いて構成することができる。
図2の情報出力部13は、感知器1に関連する情報を出力する情報出力手段である。この情報出力部の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図3の表示灯131等を備えて構成することができる。表示灯131は、感知器1の外部に対して発光する発光手段であり、例えば、LED等の光源を用いて構成することができる。
図2の記録部14は、感知器1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、フラッシュメモリを用いて構成させている。ただし、フラッシュメモリに代えて任意の記録媒体を用いることができる。
図2の制御部15は、感知器1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る制御プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して感知器1にインストールされることで、制御部15の各部を実質的に構成する。
次に、本実施の形態に係る試験装置2の構成について説明する。図1の試験装置2は、試験を行うために感知器1に対して磁界を印加する装置であり、例えば、支持棒21、及び試験冶具22を備える。
図1の支持棒21は、試験冶具22を支持する支持手段である。この支持棒21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、長尺状のものとして構成することができる。
図4及び図5は、試験冶具の斜視図であり、図6は、試験冶具の底面図であり、図7は、天井の感知器に近接された状態の試験冶具の底面図であり、図8は、図7に対して回動位置が変更された場合の試験冶具の底面図である。なお、図4~図6においては、説明の便宜上、図1に示すように試験冶具22が感知器1に近接された場合の座標系と同様な座標系を用いて説明する。また、図7においては、試験冶具22については外形のみが図示されており、詳細形状の図示は省略されている。なお、図8においては、図7の試験冶具22において当該試験冶具22の中心を基準にして時計回りに僅かに回動した状態を図示している。
取付穴221は、試験冶具22に対してマグネット222を取り付ける取付手段であり、例えば、図4及び図5に示すように、試験冶具22の外周側に設けられるものであり、また、図6に示すように、4個設けられているものであり、また、試験冶具22の中心を基準にして隣接する2個の取付穴221と当該中心とで形成される角度が90度となる位置に設けられているものであり、マグネット222を内部に保持するものである。なお、マグネット222を保持する手法は任意であるが、例えば、内部のマグネット222が取付穴221から外れ落ちることを防止する係止片等を用いる手法等を用いることができる。
マグネット222は、近接面223における複数個所から選択された1つ以上の箇所から磁気を出力して磁界を発生させる出力手段である。このマグネット222の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、取付穴221の内部に保持されることにより、試験冶具22に取り付けられて固定されるものであり、また、図6に示すように、4個設けられているものであり、また、任意の強度レベルの磁界を発生させる永久磁石を用いることができる。なお、マグネット222が発生させる磁界の強度レベルは任意であるが、例えば、試験冶具22を用いる場合、図1に示すように感知器1に近接させて用いることになるが、この場合、図7及び図8に示すように、感知器1に対する試験冶具22の回動位置(試験冶具22の周方向における相対位置)が様々な想定される。この想定を考慮して、感知器1に対する試験冶具22の位置が何れの相対位置となったとしても、感知器1に対して試験冶具22を近接させた場合に、感知器1のホールIC121が所定レベル(感知器1の試験部151に対して試験を開始させることが可能となるレベル)以上の強度レベルの磁界を検出できるように、各マグネット222が発生させる磁界の強度レベルを決定することとする。
図4及び図5の近接面223は、感知器1と近接する面である。この近接面223の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、感知器1の外形に対応する形状となっているものである。
図4及び図5の空洞部224は、試験冶具22を貫通している部分である。この空洞部224の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図1の感知器1における下側(-Z方向)の部分に設けられている図7の表示灯131を視認可能に露出させるものである。
次に、このように構成される試験装置2を用いて行われる感知器1の試験について説明する。
このように本実施の形態によれば、近接面223における複数個所から選択された1つ以上の箇所から磁気を出力することにより、例えば、感知器1に対する試験冶具22の位置決めの手間を軽減することができるので、感知器1を効率的に試験することが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
また、上記実施の形態では、図6のマグネット222を4個用いる場合について説明したが、これに限らない。例えば、2個、あるいは、5個以上用いてもよい。また、マグネット222は、取付穴221の位置に関わらず、試験冶具22の周方向における任意の位置に設けられるように構成してもよい。また、例えば、マグネット222の代わりに、あるいは、当該マグネット222と共に電磁石を出力手段として用いてもよい。
また、上記実施の形態では、図7の感知器1が1個のホールIC121を備える場合について説明したが、例えば、ホールICを複数備えている感知器も想定され、当該感知器の試験のための試験冶具を構成してもよい。図9は、天井の感知器に近接された状態の試験冶具の底面図である。図9の感知器3は、特記する場合を除いて感知器1と同様に構成されていることとする。感知器3は、防止機器であり、具体的には、防災機器であり、例えば、2個のホールIC321、322を備える。そして、感知器3の不図示の試験部は、ホールIC321、322ののうちの何れが所定レベル以上の磁界を検出したかに基づいて、複数種類の試験のうちの少なくとも1種類の試験を選択し、選択した少なくとも1種類の試験を行うように構成されていることとする。例えば、当該試験部は、ホールIC321のみが所定レベル以上の磁界を検出した場合に感度試験を行い、ホールIC322のみが所定レベル以上の磁界を検出した場合に発報試験を行い、ホールIC321、322の両方が所定レベル以上の磁界を検出した場合に障害試験を行うこととする。
また、上記実施の形態の図4及び図5の試験冶具22に対して、受光部及び処理部を設けてもよい。「受光部」とは、試験冶具22が感知器1に近接された場合に、感知器1の図7の表示灯131の光を受光する受光手段である。この受光部の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、フォトダイオード等を用いて構成することができ、また、図5の中空部の内壁における-Z側寄りの一部に設けることができるものである。「処理部」とは、受光部の受光結果に基づいて、感知器1に関する処理を行う処理手段である。このような処理部の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、感知器1の制御部15と同様にして構成することができるものであり、また、試験冶具22の内部に設けたり、あるいは、試験冶具22の外周側に設けたりすることができる小型のものである。そして、例えば、電池又はバッテリを試験冶具22に実装した上で、前述の各構成要素が、当該電池又はバッテリからの電源電圧により動作するように構成する。そして、処理部は、受光部が受光した光の態様(つまり、表示灯131の発光態様(発光色及び又は発光パターン))を特定し、特定結果に基づいて、試験に関する状況(感知器1が試験を行うためのユーザ入力を受け付けたこと、感知器1で行われた試験の種類、又は、感知器1で行われた試験の結果)を判定したり、あるいは、当該特定した発光態様を識別したりするように構成してもよい。そして、試験冶具22に対して、スピーカ又は通信機能を設けた上で、処理部が、当該スピーカから判定結果(つまり、感知器1で行われた試験の結果等)を音声出力したり、あるいは、通信機能を用いて他の装置に当該判定結果を出力したりするように構成してもよい。また、処理部が、当該スピーカから発光態様の識別結果(例えば、緑色の3秒間隔の点滅、あるいは、赤色の1秒間隔の点滅等)を音声出力したり、あるいは、通信機能を用いて他の装置に当該識別結果を出力したりするように構成してもよい。
また、上記実施の形態の図1の試験装置2に対して、状況出力部を設けてもよい。「状況出力部」とは、試験冶具22が感知器1に近接された場合に、感知器1の表示灯131の発光状況を支持棒21における先端側とは反対側(つまり、例えば、ユーザの持ち手側)に対して出力する状況出力手段である。状況出力部の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、試験冶具22側で感知器1の表示灯131の光を受光し、受光した光を支持棒21の手元側に導光する光ファイバー等を用いて構成することができる。この場合、感知器1が表示灯131の発光により試験に関する状況を報知した場合、当該発光による光が光ファイバーを介して支持棒21におけるユーザの持ち手側に導光されるので、ユーザが手元側で表示灯131の発光態様を確認することが可能となる。このように構成することにより、例えば、感知器1の表示灯131の発光状況を支持棒21における先端側とは反対側に対して出力することにより、例えば、ユーザの手元にて感知器1の発光状況を視認させることが可能となる。
また、上記実施の形態の構成、及び変形例の特徴を、任意に組み合わせてもよい。
付記1の試験冶具は、外部から印加される磁界を検出する検出手段と、前記検出手段による磁界の検出状態に基づいて、自己の試験を行う試験手段とを備える防止機器であって、防災又は防犯のために用いられる前記防止機器を試験するための試験冶具であり、前記防止機器に近接されて用いられる前記試験冶具であって、前記防止機器と近接する近接面と、前記近接面における複数個所から選択された1つ以上の箇所から磁気を出力する出力手段と、を備える。
付記1に記載の試験冶具によれば、近接面における複数個所から選択された1つ以上の箇所から磁気を出力することにより、例えば、防止機器に対する試験冶具の位置決めの手間を軽減することができるので、防止機器を効率的に試験することが可能となる。
2 試験装置
3 感知器
11 物理量検出部
12 磁界検出部
13 情報出力部
14 記録部
15 制御部
21 支持棒
22 試験冶具
42 試験冶具
121 ホールIC
131 表示灯
151 試験部
221 取付穴
222 マグネット
223 近接面
224 空洞部
321 ホールIC
322 ホールIC
4211 マグネット
4212 マグネット
Claims (7)
- 外部から印加される磁界を検出する検出手段と、前記検出手段による磁界の検出状態に基づいて、自己の試験を行う試験手段とを備える防止機器であって、防災又は防犯のために用いられる前記防止機器を試験するための試験冶具であり、前記防止機器に近接されて用いられる前記試験冶具であって、
前記防止機器と近接する近接面と、
前記近接面における複数個所から選択された1つ以上の箇所から磁気を出力する出力手段と、を備え、
前記出力手段は、前記近接面における複数個所に固定して設けられている複数のマグネットであり、
前記防止機器の前記検出手段は、複数設けられており、
前記防止機器の前記試験手段は、複数の前記検出手段のうちの何れが磁界を検出したかに基づいて、複数種類の試験のうちの少なくとも1種類の試験を選択し、選択した前記少なくとも1種類の試験を行い、
前記試験冶具の前記複数のマグネットは、複数の前記検出手段が設けられている箇所に対応する箇所に設けられており、
前記防止機器と近接した状態の前記試験冶具の前記防止機器に対する回動位置が変更されることにより、前記試験冶具の前記複数のマグネットのうちの1つ以上のマグネットは、前記防止機器の複数の前記検出手段のうちの1つ以上の検出手段に対して選択的に磁界を印加する、
試験冶具。 - 前記防止機器は、前記防止機器の外部に対して発光する発光手段であって、前記防止機器の試験に関する状況を報知するために発光する前記発光手段、を備え、
前記試験冶具は、空洞部を有する筒形状であり、
前記防止機器の前記発光手段は、前記試験冶具が前記防止機器に近接された場合に、前記試験冶具の空洞部を介して露出する、
請求項1に記載の試験冶具。 - 前記防止機器は、前記防止機器の外部に対して発光する発光手段であって、前記防止機器の試験に関する状況を報知するために発光する前記発光手段、を備え、
前記試験冶具は、前記試験冶具が前記防止機器に近接された場合に、前記防止機器の前記発光手段の光を受光する受光手段と、
前記受光手段の受光結果に基づいて、前記防止機器に関する処理を行う処理手段と、を備える、
請求項1又は2に記載の試験冶具。 - 前記処理手段は、前記防止機器の試験結果を判定する処理を行う、
請求項3に記載の試験冶具。 - 前記処理手段は、前記防止機器の前記発光手段による発光態様を識別する処理を行う、
請求項3又は4に記載の試験冶具。 - 支持棒と、
請求項1~5の何れか一項に記載の前記試験冶具であって、前記支持棒の先端側に設けられている前記試験冶具と、
を備える試験装置。 - 前記防止機器は、前記防止機器の外部に対して発光する発光手段であって、前記防止機器の試験に関する状況を報知するために発光する前記発光手段、を備え、
前記試験装置は、前記試験冶具が前記防止機器に近接された場合に、前記防止機器の前記発光手段の発光状況を前記支持棒における前記先端側とは反対側に対して出力する状況出力手段、を備える、
請求項6に記載の試験装置。
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