JP7298127B2 - 保護継電器の試験システム及び試験方法 - Google Patents

保護継電器の試験システム及び試験方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7298127B2
JP7298127B2 JP2018181652A JP2018181652A JP7298127B2 JP 7298127 B2 JP7298127 B2 JP 7298127B2 JP 2018181652 A JP2018181652 A JP 2018181652A JP 2018181652 A JP2018181652 A JP 2018181652A JP 7298127 B2 JP7298127 B2 JP 7298127B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
relay
protection relay
value
test
tester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018181652A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020051901A (ja
Inventor
直喜 岡田
秀人 大木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
Priority to JP2018181652A priority Critical patent/JP7298127B2/ja
Publication of JP2020051901A publication Critical patent/JP2020051901A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7298127B2 publication Critical patent/JP7298127B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Electric Properties And Detecting Electric Faults (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Description

本発明は、特別高圧又は高圧の現場の電気設備に設置された保護継電器を、客観的に精度よく試験することができる試験システム及び試験方法に関する。
保護継電器は、電力系統を構成する電力設備において発生した短絡又は地絡事故を、計器用変成器を介して検出し、事故区間を電力系統から速やかに切り離すために、遮断器等に制御信号を出力するための機器である。保護継電器により、短絡又は地絡事故の影響が波及することを抑えることができる。
保護継電器の定期点検は、専用の保護継電器試験器を用いて実施されている。即ち、現場電気設備に設置された保護継電器に保護継電器試験器を接続し、保護継電器試験器から試験電流又は試験電圧を供給して保護継電器を動作させ、保護継電器から出力される信号(以下、動作信号ともいう)を基に、保護継電器の特性を確認している。一般的には、試験員が保護継電器試験器を操作し、保護継電器が管理値の範囲内で動作しているか否か、及び、試験電流(試験電圧)の入力から保護継電器のリレー動作に基づく接点出力までの動作時間が管理値に入っているか否かを、保護継電器試験器に表示される結果(数値)を試験員が目視で確認することにより行なわれている。
保護継電器の試験及び点検に関して、例えば、下記特許文献1は、保護継電器の試験システムにおいて、動作時間及び動作値の管理値を保護継電器自体に格納し、試験手順(試験項目、試験条件)を保護継電器又は試験器の一方に格納しておき、試験器が、試験結果の値を管理値と比較する構成を開示している。
特許第3265337号公報
救仁郷 誠、"マハラノビスの距離入門"、品質工学、2001年9巻、PP.13-21、[平成30年7月20日検索]、インターネット<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/qes/9/1/9_13/_pdf/-char/ja>
しかし、測定対象の保護継電器が管理値を格納していなければ、特許文献1の開示技術による試験を実行することはできない。また、単純に試験結果を管理値と比較して良否判定を行なう方法では、試験結果が管理値範囲内ではあるが、境界付近であった場合でも、「良」と判定され、劣化傾向及び劣化の可能性の有無を判定できない問題がある。例えば、管理値A±5%(Aは試験に応じた所定値)に対して、試験結果がA+4.8%、A-4.9%であった場合、管理値の境界付近であるため劣化している可能性があるにもかかわらず、それを判断する基準がない。
したがって、本発明は、電気設備に設置された保護継電器を、客観的に精度よく試験することができる試験システム及び試験方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に係る試験システムは、保護継電器試験器と、保護継電器試験器と通信する制御装置と、試験対象である保護継電器が設置された環境の温度を測定する温度センサとを含む。保護継電器試験器は、制御装置による制御を受けて、保護継電器に所定の試験信号を供給する出力部と、試験信号の供給による保護継電器の動作に伴い、保護継電器から出力される動作信号を取得する入力部と、動作信号から、保護継電器の動作時間を算出する演算部と、動作時間を制御装置に送信する通信部とを有する。制御装置は、動作時間、温度センサによる測定温度、保護継電器への電源供給により生じるリレー駆動電圧を受信する受信部と、動作時間、リレー駆動電圧及び測定温度から被評価値を算出し、被評価値と所定の基準値とを比較することにより、保護継電器の状態を判定する判定部とを有する。
これにより、試験員は保護継電器試験器を直接操作して個々の試験を行なうことなく、制御装置に対して試験の実行を指示するだけで、自動的に保護継電器の試験を実行し、客観的に良否判定を行なうことができる。
保護継電器への電源供給により生じるリレー駆動電圧は、保護継電器試験器の入力部により取得されてもよい。
好ましくは、基準値は、正常に動作する保護継電器の試験結果である動作時間及びリレー駆動電圧、並びに、当該保護継電器が設置された環境の測定温度を含むサンプルの集合から決定されたマハラノビスの距離であり、被評価値は、受信部により受信された1組の動作時間、リレー駆動電圧及び測定温度から算出されたマハラノビスの距離である。判定部は、被評価値が基準値以下であれば、試験対象である保護継電器は正常であると判定し、被評価値が基準値よりも大きければ、試験対象である保護継電器は異常の可能性があると判定する。
これにより、保護継電器の良否を精度よく判定することができる。
より好ましくは、基準値は、正常に動作する保護継電器の試験結果である動作時間及びリレー駆動電圧の一方のサンプルの集合から算出された標準偏差と所定係数との乗算値であり、所定係数は、0.1以上3以下の値である。被評価値は、一方のサンプルの集合から算出された平均値と、受信部により受信された動作時間及びリレー駆動電圧のうちの一方の値であって、標準偏差を算出した集合に対応する値との差である。判定部は、差の絶対値が基準値以下であれば、試験対象である保護継電器は正常であると判定し、差の絶対値が基準値よりも大きければ、試験対象である保護継電器は異常の可能性があると判定する。
これにより、保護継電器の良否を精度よく判定することができる。
本発明の第2の局面に係る試験システムは、保護継電器試験器と、保護継電器試験器と通信する制御装置と、試験対象である保護継電器が設置された環境の温度を測定する温度センサと、保護継電器に設けられたLEDを含む領域を撮像する撮像装置と、撮像装置により撮像された画像からLEDの点灯を検出し、点灯情報を生成する点灯情報生成装置とを含む。保護継電器試験器は、制御装置による制御を受けて、保護継電器に所定の試験信号を、当該試験信号の値を徐々に増大又は減少させて供給する出力部と、点灯情報生成装置から、試験信号の供給による保護継電器の動作に伴い点灯するLEDの点灯情報を取得する取得部と、取得部により点灯情報が取得されたときに、出力部から供給されている試験信号の値を、保護継電器の動作値として決定する決定部と、動作値を制御装置に送信する通信部とを有する。制御装置は、動作値、及び、温度センサによる測定温度を受信する受信部と、動作値及び測定温度から被評価値を算出し、被評価値と所定の基準値とを比較することにより、保護継電器の状態を判定する判定部とを有する。
これにより、試験員は保護継電器試験器を直接操作して個々の試験を行なうことなく、制御装置に対して試験の実行を指示するだけで、自動的に保護継電器の試験を実行し、客観的に良否判定を行なうことができる。また、保護継電器の動作信号を受信する場合よりも簡便に、保護継電器の良否判定を行なうことができる。
本発明の第3の局面に係る試験方法は、保護継電器の試験方法であって、保護継電器が設置された環境の測定温度を取得するステップと、制御装置により保護継電器試験器を制御して、保護継電器に所定の試験信号を供給させるステップと、保護継電器試験器により、試験信号の供給による保護継電器の動作に伴い、保護継電器から出力される動作信号を取得するステップと、保護継電器試験器により、動作信号から、保護継電器の動作時間及びリレー駆動電圧を算出するステップと、制御装置により、動作時間、リレー駆動電圧及び測定温度から被評価値を算出するステップと、制御装置により、被評価値と所定の基準値とを比較することにより、保護継電器の状態を判定するステップとを含む。
これにより、試験員は保護継電器試験器を直接操作して個々の試験を行なうことなく、制御装置に対して試験の実行を指示するだけで、自動的に保護継電器の試験を実行し、客観的に良否判定を行なうことができる。
本発明によれば、試験員は保護継電器試験器を直接操作して個々の試験を行なうことなく、制御装置に対して試験の実行を指示するだけで、自動的に保護継電器の試験を実行し、客観的に良否判定を行なうことができる。したがって、試験員の負担を軽減することができる。
また、被評価値を、正常に動作する保護継電器の試験結果の集合を用いて算出したマハラノビスの距離、又は、正常に動作する保護継電器の試験結果の集合を用いて算出した標準偏差の所定係数倍の値と比較することにより、精度よく保護継電器の良否を判定することができる。また、試験結果が管理値の境界に位置する場合に、保護継電器が劣化傾向にあるにも拘わらず、「良」と判定されることを防止することができる。
本発明の実施の形態に係る試験システムの構成を示すブロック図である。 図1の制御装置及び保護継電器試験器の内部構成を示すブロック図である。 図1の制御装置により実行される保護継電器の試験を示すフローチャートである。 図3の良否判定処理を示すフローチャートである。 マハラノビスの距離を示すグラフである。 図4とは別の良否判定処理を示すフローチャートである。 第1変形例に係る試験システムの構成を示すブロック図である。 第2変形例に係る試験システムの構成を示すブロック図である。 保護継電器の前面を示す模式図である。 図8の第3無線モジュールの内部構成を示すブロック図である。
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(試験システムの構成)
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る保護継電器の試験システム(以下、単に試験システムともいう)100は、保護継電器試験器102、保護継電器試験器102を制御する制御装置104、及び温度センサ106を含む。保護継電器試験器102は、保護継電器を試験するための公知の試験器である。保護継電器試験器102の試験対象は、配電盤200に配置された保護継電器202である。制御装置104は、保護継電器202の試験結果を保護継電器試験器102から受信し、保護継電器202内部のリレーが動作したときの駆動電圧(以下、内部リレー駆動電圧という)を保護継電器202から直接受信する。
温度センサ106は、保護継電器202が設置された環境の温度を測定するためのセンサである。温度センサ106は、例えば、測温抵抗体、熱電対等の公知のセンサ素子を含む。温度センサ106の出力結果は、制御装置104に入力される。温度センサ106の出力(温度)がアナログであれば、制御装置104は、A/D変換してデジタルデータとして記憶する。温度センサ106がA/D変換機能を有し、デジタルデータを出力する場合には、制御装置104は受信したデータをそのまま記憶する。
なお、図1には、1台の保護継電器202を示しているが、配電盤200に複数の保護継電器が配置されていてもよい。保護継電器試験器102は、保護継電器毎に、後述する試験を実行する。
(制御装置)
図2を参照して、制御装置104は、CPU110、記憶部112、IF部114、操作部116、表示部118及びバス120を備えている。制御装置104は、例えばコンピュータである。CPU(Central Processing Unit)110は、制御装置104全体を制御し、後述する保護継電器の試験プログラムを実行する。CPU110は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)であってもよい。
記憶部112は、データを記憶し、例えば、書換可能な不揮発性半導体メモリである。記憶部112には、CPU110により実行される試験プログラムが記憶されている。また、記憶部112は、保護継電器試験器102から受信した試験結果のデータを記憶する。制御装置104を構成する各部間のデータ交換は、バス120を介して行なわれる。
IF部114は、外部とデータを交換するためのインターフェイスである。IF部114は、保護継電器試験器102と通信するための機能を有し、例えば、パラレル通信(GPIB等)又はシリアル通信(RS-232C等)による通信が可能である。また、IF部114は、A/D変換機能(A/D変換器)を有しており、温度センサ106からアナログ信号が入力される場合には、デジタルデータを生成して、記憶部112に記憶する。IF部114は、保護継電器202から内部リレー駆動電圧をも受信し、アナログ信号として入力される場合には、デジタルデータを生成して、記憶部112に記憶する。
操作部116は、使用者により操作され、指示の入力を受付ける。操作部116は、例えば、コンピュータ用キーボード、コンピュータ用マウス等である。表示部118は、テキスト及び画像等の情報を表示し、例えば、液晶ディスプレイ、CRT等である。
(保護継電器試験器)
図2を参照して、保護継電器試験器102は、CPU130、記憶部132、IF部134、操作部136、表示部138、出力部140、入力部142及びバス144を備えている。CPU130は、保護継電器試験器102全体を制御する。CPU130は、マイコンであってもよい。
記憶部132は、データを記憶し、例えば、書換可能な不揮発性半導体メモリである。記憶部132には、CPU130により実行されるプログラムが記憶されている。また、後述するように、記憶部132は、保護継電器202から受信したデータ(動作信号)を記憶する。保護継電器試験器102を構成する各部間のデータ交換は、バス144を介して行なわれる。
IF部134は、外部とデータを交換するためのインターフェイスである。IF部134は、制御装置104のIF部114と通信するための機能を有し、例えば、GPIB又はRS-232C等の通信方式による通信が可能である。
操作部136は、使用者により操作され、指示の入力を受付ける。操作部136は、例えば、キー(スイッチ、ボタン等)等である。操作部136は、タッチパネルであってもよい。
表示部138は、保護継電器試験器102の状態、及び測定値等の数値を表示する。表示部138は、例えば、LED、数値を表示するための7セグメントディスプレイ、液晶ディスプレイ等である。
出力部140は、保護継電器202に試験信号として、所定の電圧又は電流を供給する電源として機能する。供給される試験信号の強度は、試験項目に応じて、記憶部132に記憶されている情報を参照して決定される。
入力部142は、保護継電器202に供給される試験信号に応じて保護継電器202が動作すること(例えば、リレーのオン)により保護継電器202から出力される動作信号(接点出力)を測定する。具体的には、入力部142は、連続して入力されるアナログ信号を、所定周期でサンプリングしてデジタルデータに変換し、測定データとしてバス144を介して記憶部132に伝送し記憶させる。
(試験方法)
図3を参照して、試験システム100による保護継電器の試験動作に関して説明する。図3の処理は制御装置104のCPU110により実行される。即ち、試験員により、操作部116を介して保護継電器の試験が指示されたことを受けて、CPU110が記憶部112から試験プログラムを読出して実行する。
試験プログラムは、過電流要素(一般的には制御器具番号等にしたがって、51要素、OC要素等と呼ばれる)等の保護継電器要素を試験項目として、複数の試験項目のそれぞれについて、保護継電器試験器102に順次試験を実行させるためのものである。試験プログラムは、保護継電器試験器102に対応したコマンドを含んで作成されている。現在、一般的な保護継電器試験器には外部制御ポート(外部から保護継電器試験器を制御するためのポート)が設けられており、制御コマンドが提供されている。ここでは、試験プログラムは、試験項目毎の情報(以下「試験情報」ともいう)として、制御コマンドとそのパラメータ(出力部140から供給する試験信号の強度等)とを含んでいるとする。
ステップ300において、CPU110は、温度センサ106からの出力信号を取得し、温度データとして記憶部112に記憶する。
ステップ302において、CPU110は、1つの試験項目(保護継電器要素)を特定する。具体的には、CPU110は、試験プログラムに含まれる、複数の試験情報のうち、未試験の試験情報を1つ選択する。これにより、制御コマンド及びそのパラメータが特定される。
ステップ304において、CPU110は、ステップ302で特定された試験情報(制御コマンド及びそのパラメータ)を、IF部114を介して保護継電器試験器102に送信する。保護継電器試験器102のCPU130は、IF部134を介して試験情報を受信し、受信した試験情報にしたがって試験を行なう。
具体的には、保護継電器試験器102のCPU130は、受信した制御コマンド及びパラメータに基づいて、試験信号の種類(電圧又は電流)及び信号強度を決定し、出力部140を介して、決定された試験信号を保護継電器202に供給する。その後、CPU130は、試験信号を供給された保護継電器202が動作を行なった結果(リレーのオン/オフ)生じる動作信号を、入力部142を介して受信する。所定の時間受信された動作信号は、上記したようにデジタルデータとして、記憶部132に記憶される。さらに、CPU130は、記憶部132から記憶された動作信号を読出して、試験結果を算出し、制御装置104に送信する。例えば、CPU130は、保護継電器202内部のリレーをオンさせる試験信号を保護継電器202に供給して動作信号を測定及び記憶し、記憶したデータ(動作信号)から動作時間(試験信号を供給してからリレーがオンするまでの時間)を算出する。なお、リレー駆動電圧に関しては、保護継電器試験器102を介さずに、CPU110が、保護継電器202内部のリレーが動作したときの駆動電圧である内部リレー駆動電圧を、IF部114を介して測定し、後述するように、リレー駆動電圧として決定し、記憶部112に記憶する。
ステップ306において、CPU110は、ステップ302で特定された試験項目の試験が終了したか否かを判定する。具体的には、CPU110は、IF部114を介して保護継電器試験器102から試験結果を受信したか否か、又は、保護継電器202の内部リレー駆動電圧を測定したか否かを判定する。終了したと判定された場合、制御はステップ310に移行する。そうでなければ、制御はステップ308に移行する。
ステップ308において、CPU110は、ステップ304で試験情報を送信してから所定時間が経過したか否かを判定する。経過したと判定された場合、制御はステップ314に移行する。そうでなければ、制御はステップ306に戻る。これにより、CPU110は、所定時間が経過するまで、保護継電器試験器102から送信される試験結果を待受ける、又は、保護継電器202の内部リレー駆動電圧の測定を繰返す。所定時間の経過は、例えば、ステップ304で試験情報を送信した時の時刻を内部のタイマから取得し、基準時刻として記憶部112に記憶しておき、ステップ308を実行する度に、タイマから現在時刻を取得して、基準時刻と比較することにより行なうことができる。
ステップ310において、CPU110は、ステップ306で保護継電器試験器102から受信した試験結果、又は、ステップ306で測定した保護継電器202の内部リレー駆動電圧(リレー駆動電圧)を記憶部112に記憶する。
ステップ312において、CPU110は、試験を完了したか否か、即ち試験項目を全て実行したか否かを判定する。完了したと判定された場合、制御はステップ316に移行する。そうでなければ、制御はステップ302に戻り、未試験の試験項目が特定されて、上記のように試験が実行される。これにより、各試験項目に対する試験結果が記憶部112に記憶される。
一方、試験項目の試験が終了する前に、ステップ308において、所定時間が経過したと判定された場合、ステップ314において、CPU110は、エラー処理を実行する。例えば、CPU110は、表示部118にエラーが発生したことを表示する。その後、本プログラムは終了する。これにより、試験員は、再試験を実施する、又はエラーに応じた対応を行なうことができる。
ステップ316において、CPU110は、記憶部112に記憶された試験結果(リレー駆動電圧を含む)及び温度データを用いて良否判定処理を実行する。具体的には、CPU110は、図4に示した処理を実行する。
ステップ400において、CPU110は、正常な保護継電器に関する測定サンプルの集合から計算される正常時のマハラノビスの距離D0を記憶部112から読出す。マハラノビスの距離は、多変量(多次元)空間における距離尺度のひとつであり公知である(例えば非特許文献1参照)。
例えば、正規化された2つのパラメータX及びYの相関係数をrとすると、マハラノビスの距離Dは、式1により求められる。
=(X-2rXY+Y)/{k(1-r)}・・・(式1)
ここで、k=2(パラメータの数)である。正規化された値は、平均値との差を、標準偏差で除して算出する。例えば、測定データxの正規化値Xは、平均値μ及び標準偏差σを用いて、X=(x-μ)/σ により算出される。
図5に、測定データとマハラノビスの距離との関係を模式的に示す。図5において、四角の点は2つのパラメータの測定値(正規化値)をプロットしたものであり、楕円220、222及び224のそれぞれは、マハラノビスの距離の値が一定(以下「等マハラノビスの距離」ともいう)となる点の集合を表す。例えば、楕円220上の点に関してD=2.0であれば、楕円222上の点ではD=1.5、楕円224上の点ではD=1.0というように、楕円の大きさが小さくなるほど、等マハラノビスの距離の値は小さくなる。
ここでは、正常な保護継電器に関して試験結果のデータを収集し、そのデータ(測定サンプルの集合)を用いて、上記したようにマハラノビスの距離を算出し、得られた複数のマハラノビスの距離から正常時のマハラノビスの距離D0を決定し、記憶部112に記憶しておく。例えば、過去の社内試験デー夕及び現場での試験データ等、同一の設定条件(試験条件)における同一の保護継電器要素(例えば51要素等であり、保護継電器の形式が異なっているものをも含む)の全ての合格データ、及び、各合格データの測定時に測定した保護継電器の周囲温度のデータで構成される集合(各データは正規化値)を生成する。複数のパラメータ(保護継電器要素)P(iはi=1~nの整数。nはパラメータの数)を決定し、集合中のデータのうち、決定されたパラメータP(i=1~n)に該当し、相互に対応するデータpijの組{p1j,p2j,・・・,pnj}(jは組を表し、j=1~mの整数。mは各パラメータの測定データの数)のそれぞれに関してマハラノビスの距離を算出する。そして、マハラノビスの距離の算出に用いた全データ{p1j,p2j,・・・,pnj}(j=1~m)を内包する等マハラノビスの距離の閉曲面(2次元の場合楕円)を決定し、その閉曲面を表すマハラノビスの距離を、正常時のマハラノビスの距離D0とする。即ち、マハラノビスの距離の算出に用いた全データは、マハラノビスの距離がD0である閉曲面で囲まれた空間内に位置する。例えば、算出したマハラノビスの距離の最大値を、正常時のマハラノビスの距離D0とすることができる。
例えば、動作時間及びリレー駆動電圧を2つのパラメータとして決定し、温度を3つ目のパラメータとして決定し、全ての合格データの中からこれら3つのパラメータのデータの組に対応する点を3次元空間にプロットした場合に、それらの点を内包する等マハラノビスの距離の曲面を表すマハラノビスの距離の値を、正常時のマハラノビスの距離D0とする。なお、マハラノビスの距離の算出に使用した全データを内包する等マハラノビスの距離の曲面に限らず、全データの所定割合(例えば、90%、80%等)を含む等マハラノビスの距離の曲面を表すマハラノビスの距離の値を、正常時のマハラノビスの距離D0としてもよい。
ステップ402において、CPU110は、ステップ310で記憶部112に記憶した試験結果のデータを読出す。
ステップ404において、CPU110は、ステップ402で読出した試験結果のデータを用いて、マハラノビスの距離D1を算出する。具体的には、CPU110は、上記した正常時のマハラノビスの距離の算出に使用したパラメータに対応する試験結果のデータを用いて、マハラノビスの距離を算出する。例えば、正常時のマハラノビスの距離が2つのパラメータに関して求められていれば、上記の式1によりマハラノビスの距離を算出する。図5には、測定結果230と、それに対応するマハラノビスの距離D1を示す。
ステップ406において、CPU110は、ステップ404で算出したマハラノビスの距離D1が、ステップ400で読出した正常時のマハラノビスの距離D0以下であるか否かを判定する。D1≦D0であると判定された場合、制御はステップ408に移行する。そうでなければ(D1>D0)、制御はステップ410に移行する。
ステップ408において、CPU110は、試験対象である保護継電器202は、正常(良好な状態)であると決定し、その決定を特定する情報を記憶部112に記憶する。例えば、CPU110は、記憶部112に“0”を記憶する。
ステップ410において、CPU110は、試験対象である保護継電器202は、異常(不良な状態)である可能性があると決定し、その決定を特定する情報を記憶部112に記憶する。例えば、CPU110は、記憶部112に“1”を記憶する。
以上により、保護継電器202の試験結果から、保護継電器202の状態が判定され、判定結果を表す情報が記憶部112に記憶される。その後、制御は図3のステップ318に移行する。
ステップ318において、CPU110は、ステップ408又は410により記憶部112に記憶されたデータを読出し、それに対応するメッセージを表示部118に表示する。読出したデータが“0”であれば、CPU110は、例えば「判定結果:問題無し」と表示する。一方、読出したデータが“1”であれば、CPU110は、例えば「故障(劣化)傾向があるので交換を推奨する」と表示し、劣化傾向のアナウンスをする。
以上により、試験員は試験システム100において、保護継電器試験器102を直接操作して保護継電器202に対する個々の試験を行なうことなく、制御装置104に対して試験の実行を指示するだけで、保護継電器202の試験が実行され、良否判定の結果が表示部118に表示される。したがって、試験員の負担を軽減することができ、試験員は、客観的に、速やかに且つ精度よく、保護継電器202の良否を判定することができる。
また、試験員に、保護継電器の劣化傾向を提示することができる。したがって、従来、試験結果が管理値の境界に位置する場合に、保護継電器が劣化傾向にあるにも拘わらず、「良」と判定されていたことを防止することができる。
保護継電器のリレー駆動用電圧の変動は、リレー接点出力の動作時間変化に影響する。この電圧変動は、保護継電器を構成する電子回路の劣化により発生する場合が考えられる。また、周囲温度の変化も保護継電器を構成する電子回路の劣化に影響するため、リレー接点出力の動作時間変動に影響することが考えられる。したがって、上記のように、リレー駆動電圧、及び保護継電器の周囲温度をパラメータとして使用することが好ましい。
一般的には、「電圧-動作時間」特性、「温度-動作時間」特性から求めた特性曲線により動作時間を補正する方法が考えられるが、正常な保護継電器に関しては変化量が微小であることに加え、事前にそのような特性データを取得することは煩雑である。これに対して、リレー駆動電圧及び周囲温度をパラメータとして、上記のようにマハラノビスの距離を算出し、評価の基準とすることにより、保護継電器の良否(劣化傾向)を容易に判断できる。
上記では、1つの正常時のマハラノビスの距離D0との大小比較だけで、保護継電器の良否を判定する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、合格データをそのレベルに応じて分類し、各分類の合格データを用いて、正常時のマハラノビスの距離を複数求めておけば、試験結果から求めたマハラノビスの距離D1を、複数の正常時のマハラノビスの距離と比較することにより、保護継電器がどの程度良好であるかを判定することができる。
また、図3の良否判定処理(ステップ316)は、図4に示したマハラノビスの距離を使用するものでなくてもよい。CPU110は良否判定処理として、例えば図6に示す処理を実行してもよい。
図6のフローチャートは、図4のフローチャートにおいて、ステップ400、404及び406をそれぞれステップ420、422及び424で代替したものである。図6において、図4と同じ番号を付したステップにおける処理は、図4と同じである。以下では、重複説明を繰返さず、主として図4と異なるステップについて説明する。
ステップ420において、CPU110は、判定の基準値として平均値μ及び標準偏差σを記憶部112から読出す。平均値μ及び標準偏差σは、例えば、上記した正常時のマハラノビスの距離の算出に使用した全ての合格データを用いて、保護継電器要素毎に算出されたものである。全ての合格データのうち、例えば動作時間を用いて、予め公知の方法で平均値μ及び標準偏差σを算出し、記憶部112に記憶しておく。他の保護継電器要素、例えばリレー駆動電圧等に関しても同様に、予め平均値μ及び標準偏差σを算出し、記憶部112に記憶しておく。
その後、CPU110は、図3のステップ310で記憶部112に記憶した試験結果のデータdを読出し(ステップ402)、ステップ420において、CPU110は、試験結果のデータdに対応する保護継電器要素の平均値μを用いて、試験結果のデータdに関して平均値μからの差(以下、偏差という)Δを算出する(Δ=d-μ)。
ステップ424において、CPU110は、ステップ422で算出した偏差Δの絶対値が、試験結果のデータdに対応する保護継電器要素の標準偏差σのa倍の値(a・σ)以下か否かを判定する。|Δ|≦a・σであると判定された場合、制御はステップ408に移行する。そうでなければ(|Δ|>a・σ)、制御はステップ410に移行する。係数aの値は、例えば0.5であり、予め記憶部112に記憶されていればよい。
その後、ステップ408又は410が実行されることにより、正常(良好な状態)又は異常(不良な状態)をそれぞれ表すデータ“0”又は“1”が記憶部112に記憶される。したがって、試験結果のデータdが、平均値μ及び標準偏差σの正規分布において、μ±0.5σの範囲(全集計データの約38%が含まれる範囲)に入っていれば「判定:問題無し」を表示部118に表示し、μ±0.5σの範囲を外れた場合には、「故障(劣化)傾向があるので交換を推奨する」等のアナウンスを表示部118に表示することができる。
これにより、試験結果が管理値の境界に位置する場合に、保護継電器が劣化傾向にあるにも拘わらず、「良」と判定されることを防止することができる。
なお、係数aの値は0.5に限定されない。どの程度の危険率を見込むかに応じて、例えば、a=1(μ±σの範囲に全集計データの約68%が含まれる)であっても、a=2(μ±2σの範囲に全集計データの約95%が含まれる)であっても、a=3(μ±3σの範囲に全集計データの約99.7%が含まれる)であってもよい。係数aは、0.1≦a≦3の範囲であればよい。
試験対象である保護継電器の種類に応じて、係数aの値を変更することも好ましい。例えば、試験対象の保護継電器がデジタル型保護継電器である場合には、デジタル型は特性のバラつきが小さいことを考えて、係数aの値にはより小さい値を使用することが好ましい。
また、図3の良否判定処理(ステップ316)は、図4及び図6に示したものでなくてもよい。例えば、従来、管理値がA±5%(Aは、保護継電器要素に応じた数値)とされている場合に、より厳しい範囲(より安全な範囲)として、例えばA±3%を設定してもよい。その場合、試験結果の値が、A±3%の範囲に入っているか否かを判定することにより、良否判定が行なわれる。A±3%の範囲に入っていれば正常と判定し、例えば「判定:問題無し」とのアナウンスを表示部118に表示する。A±3%の範囲に入っていなければ異常の可能性があると判定し、例えば「故障(劣化)傾向があるので交換を推奨する」というアナウンスを表示部118に表示する。
複数の保護継電器要素(例えば、動作時間及びリレー駆動電圧)の試験結果を使用する場合には、例えば、全ての試験結果が、従来よりも厳しく設定された範囲に入っているか否かにより判定すればよい。全ての試験結果が、設定された範囲に入っている場合にのみ、正常と判定し、少なくとも1つの試験結果が、設定された範囲に入っていなければ、異常の可能性があると判定する。
このように、従来の管理値よりも厳しい範囲を用いて良否を判定することにより、試験結果が従来の管理値の境界に位置する場合に、劣化傾向にあるにも拘わらず、「良」と判定されることを防止することができる。
(第1変形例)
図1及び図2に示した構成では、保護継電器試験器102が、保護継電器202からの動作信号を有線で取得する場合を説明したがこれに限定されない。保護継電器試験器102は、保護継電器202からの動作信号を、無線通信機能を有する装置(以下、無線モジュールともいう)を介して取得してもよい。
図7を参照して、第1変形例に係る試験システム150は、保護継電器試験器102、制御装置104、温度センサ106、第1無線モジュール152及び第2無線モジュール154を含む。図7の構成は、図1に示した構成に、第1無線モジュール152及び第2無線モジュール154が追加されたものである。保護継電器試験器102、制御装置104及び温度センサ106は、図1及び図2を参照して上記した機能を有する。なお、本変形例では、制御装置104は、上記した機能に加えて無線通信機能を有する。
本変形例では、試験信号を供給された保護継電器202が動作を行なった結果(リレーのオン/オフ)生じる動作信号は、直接保護継電器試験器102には入力されず、第1無線モジュール152に入力される。第1無線モジュール152は、第2無線モジュール154と無線通信する機能、及び、入力信号をA/D変換する機能を有する。即ち、第1無線モジュール152は、入力されるアナログの動作信号を、A/D変換してデジタルデータに変換し、変換後のデータを無線通信により第2無線モジュール154に送信する。なお、保護継電器202の内部リレー駆動電圧(リレー駆動電圧)は、図1及び図2に示した構成と同様に、制御装置104により直接測定される。
第2無線モジュール154は、制御装置104及び第1無線モジュール152と無線通信する機能、並びに、保護継電器試験器102と、GPIB又はRS-232C等により有線通信する機能を有する。第2無線モジュール154は、第1無線モジュール152から送信されたデータ(動作信号)を受信し、受信したデータを有線で保護継電器試験器102に伝送する。
以下、試験システム150による保護継電器の試験に関して説明する。上記したように、試験システム150を構成する制御装置104は、図3に示した処理を実行する。即ち、制御装置104は、温度センサ106から温度データを取得して記憶した後、試験情報(制御コマンド及びそのパラメータ)を保護継電器試験器102に送信する。このとき、試験情報は、第2無線モジュール154を介して保護継電器試験器102に送信される。
保護継電器試験器102は、受信した試験情報にしたがって試験信号を生成して、保護継電器202に供給する。試験信号を供給された保護継電器202から出力される動作信号は、上記したように、第1無線モジュール152に入力され、第1無線モジュール152によりA/D変換されて、無線通信により第2無線モジュール154に送信される。第2無線モジュール154は、第1無線モジュール152から受信したデータ(動作信号)を保護継電器試験器102に有線通信により伝送する。一方、リレー駆動電圧に関しては、上記したように制御装置104が直接測定する。
保護継電器試験器102は、所定時間、第2無線モジュール154からデータ(動作信号)を受信して記憶する。保護継電器試験器102のCPU130(図2参照)は、記憶部132に記憶された動作信号を読出して、試験結果を算出し、試験結果を制御装置104に送信する。このとき、保護継電器試験器102から制御装置104への試験結果の送信は、第2無線モジュール154を介して行なわれる。
制御装置104は、保護継電器試験器102から試験結果を受信し、リレー駆動電圧を測定すると、良否判定処理を実行し(図4及び図6を参照)、その結果を提示する。
以上により、図1及び図2に示した試験システム100と同様に、試験員は試験システム150において、保護継電器試験器102を直接操作して保護継電器202に対する個々の試験を行なうことなく、制御装置104に対して試験の実行を指示するだけで、保護継電器202の試験が実行され、良否判定の結果が提示される。したがって、試験員の負担を軽減することができ、試験員は、客観的に、速やかに且つ精度よく、保護継電器202の良否を判定することができる。
(第2変形例)
また、図7に示した構成は、例えば、図8に示すように変更されてもよい。図8の構成では、保護継電器202の前面に配置されたLEDの点灯情報を保護継電器試験器102に送信する。
図8を参照して、第2変形例に係る試験システム160は、保護継電器試験器102、制御装置104、温度センサ106、第2無線モジュール154、撮像装置162及び第3無線モジュール164を含む。図8の構成は、図7に示した構成に、撮像装置162が追加され、第1無線モジュール152が第3無線モジュール164で代替されたものである。保護継電器試験器102及び温度センサ106は、図1及び図2を参照して上記した機能を有し、制御装置104は、上記した機能に加えて無線通信機能を有する。
保護継電器202の前面には、図9に示すように、LED配置領域212に複数のLEDが配置されている。保護継電器202の動作状態は、各LEDの点灯により表示される。図9において「A」、「B」及び「C」は、3系統のリレーを表し、各系統に関して「51H」及び「51L」はそれぞれ、過電流保護用の高圧側及び低圧側のリレーを表す。試験信号が入力されると、試験信号に応じて、保護継電器202内部のリレーの状態に応じてLEDが点灯される。例えば、保護継電器202内部のリレーをオンさせる試験信号を、その値を徐々に変化(増大又は減少)させて保護継電器202に供給すると、所定の試験信号値に到達したときに、該当するLEDが点灯する。このLEDが点灯したときの試験信号値を保護継電器202の動作値の点検結果として記憶する。
撮像装置162は、保護継電器202の前面のLEDを含む領域(例えば図9の撮像領域210)を撮像対象として、所定の時間間隔(フレームレート)で撮像する。撮像装置162は、撮像した画像を第3無線モジュール164に入力する。撮像装置162は、例えば、デジタルカメラであり、撮像した画像を、所定のデジタルビデオ信号(例えば、HDMI(登録商標)、DVI等の形式)として出力する。撮像装置162は、アナログ信号を出力するものであってもよい。
第3無線モジュール164は、図10を参照して、CPU170、記憶部172、IF部176、無線通信部178及びバス180を含む。CPU170は、第3無線モジュール164全体を制御する。記憶部172は、データを記憶し、例えば、書換可能な不揮発性半導体メモリである。記憶部172には、CPU170により実行される各部を制御するためのプログラムが記憶されている。記憶部172は、撮像装置162から受信した画像データを記憶する。また、記憶部172は、後述するように、撮像装置162から受信した画像データと比較される複数の画像データをデータベース174として記憶している。各部間のデータ交換は、バス180を介して行なわれる。
IF部176は、撮像装置162とのインターフェイスであり、撮像装置162から入力されるビデオ信号を取込んで記憶部172に記憶する。IF部176は、入力信号がデジタルデータであればそのまま記憶部172に記憶し、入力信号がアナログ信号であれば、A/D変換器によりデジタルデータに変換して記憶部172に記憶する。無線通信部178は、第2無線モジュール154と無線通信する機能を有している。
第2無線モジュール154は、制御装置104及び第3無線モジュール164と無線通信する機能、並びに、保護継電器試験器102と、GPIB又はRS-232C等により有線通信する機能を有する。第2無線モジュール154は、第3無線モジュール164から送信されたデータを受信し、受信したデータを有線で保護継電器試験器102に伝送する。
以下、試験システム160による保護継電器の試験に関して説明する。上記したように、試験システム160を構成する制御装置104は、図3に示した処理を実行する。即ち、制御装置104は、温度センサ106から温度データを取得して記憶した後、試験情報(制御コマンド及びそのパラメータ)を保護継電器試験器102に送信する。このとき、試験情報は、第2無線モジュール154を介して保護継電器試験器102に送信される。
保護継電器試験器102は、受信した試験情報にしたがって試験信号を、その値を徐々に変化(増大又は減少)させながら保護継電器202に供給する。試験信号を供給された保護継電器202が動作を行なった結果は、上記したように保護継電器202の前面のLEDにより示される。撮像装置162は、上記したように、所定の時間間隔でLEDを含む所定領域を撮像し、撮像した画像データを出力する。撮像装置162の出力(画像データ)は第3無線モジュール164に入力される。
図10を参照して、第3無線モジュール164に入力された画像は、時系列に記憶部172に記憶される。CPU170は、記憶部172に時系列に記憶された各画像を、データベース174に予め記憶されている画像と比較して、点灯したLEDを特定し、特定されたLEDを表す情報(以下、点灯情報ともいう)を記憶部172に記憶する。例えば、予めデータベース174に、保護継電器202に関して、撮像装置162の撮像領域と同じ領域を撮像した、LEDの点灯パターンの画像が記憶されていれば、CPU170は、撮像装置162から受信した各画像データを記憶部172から読出して、点灯パターンの画像との類似度を評価することにより、点灯しているLEDを特定することができる。画像の類似度の判定は、公知の画像処理により実現することができる。CPU170は、特定されたLEDを表す点灯情報を、記憶部172から読出して、無線通信部178を介して第2無線モジュール154に送信する。
第2無線モジュール154は、第3無線モジュール164から受信した点灯情報を保護継電器試験器102に有線通信により伝送する。保護継電器試験器102は、第2無線モジュール154から点灯情報を受信すると、試験信号の変化(増大又は減少)を停止し、停止したときの試験信号値を動作値として決定し、記憶部132に記憶する。保護継電器試験器102のCPU130(図2参照)は、記憶部132に記憶された動作値を読出して、第2無線モジュール154を介して、制御装置104に送信する。
制御装置104は、試験結果(動作値)を受信すると、良否判定処理を実行し(図4及び図6を参照)、その結果を提示する。
以上により、図1及び図2に示した試験システム100と同様に、試験員は試験システム160において、保護継電器試験器102を直接操作して保護継電器202に対する個々の試験を行なうことなく、制御装置104に対して試験の実行を指示するだけで、保護継電器202の試験が実行され、良否判定の結果が提示される。したがって、試験員の負担を軽減することができ、試験員は、客観的に、速やかに且つ精度よく、保護継電器202の良否を判定することができる。また、保護継電器前面のLEDの点灯情報として試験結果を取得するので、保護継電器の動作信号を受信する場合よりも簡便に試験を行なうことができる。
上記の第1変形例及び第2変形例では、温度センサ106の出力信号(温度データ)を制御装置104に有線で伝送する場合を説明したが、温度センサ106の出力信号を無線通信により制御装置104に送信してもよい。例えば、第1変形例(図7参照)において、温度センサ106の出力信号を第1無線モジュール152に入力してA/D変換した後、第1無線モジュール152から制御装置104に、第2無線モジュール154を介して、又は直接に無線送信してもよい。同様に、第2変形例(図8参照)において、温度センサ106の出力信号を第3無線モジュール164に入力してA/D変換した後、第3無線モジュール164から制御装置104に、第2無線モジュール154を介して、又は直接に無線送信してもよい。また、第1無線モジュール152及び第3無線モジュール164とは別の無線モジュールを設けて、温度センサ106の出力信号を制御装置104に無線送信してもよい。
第1及び第2変形例では、保護継電器試験器102及び制御装置104とは別に第2無線モジュール154を設ける場合を説明したがこれに限定されない。例えば、保護継電器試験器102が、第1無線モジュール152又は第3無線モジュール164との無線通信機能を有していてもよい。また、制御装置104が、第1無線モジュール152又は第3無線モジュール164と無線通信し、保護継電器202の情報(動作信号、LEDの点灯情報)を受信して、保護継電器試験器102に有線通信で伝送してもよい。
上記では、保護継電器202の内部リレー駆動電圧(リレー駆動電圧)を制御装置104が直接測定する場合を説明したが、これに限定されない。図2に示した構成において、保護継電器202の内部リレー駆動電圧は、保護継電器試験器102の入力部142に入力され、IF部134を介して制御装置104に送信されてもよい。また、図7に示した構成において、保護継電器202の内部リレー駆動電圧は、第1無線モジュール152に入力され、第2無線モジュール154を介して制御装置104に送信されてもよい。
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
100、150、160 試験システム
102 保護継電器試験器
104 制御装置
106 温度センサ
110、130、170 CPU
112、132、172 記憶部
114、134、176 IF部
116、136 操作部
118、138 表示部
120、144、180 バス
140 出力部
142 入力部
152 第1無線モジュール
154 第2無線モジュール
162 撮像装置
164 第3無線モジュール
174 データベース
178 無線通信部
200 配電盤
202 保護継電器
210 撮像領域
212 LED配置領域
220、222、224 楕円
230 測定結果

Claims (5)

  1. 保護継電器試験器と、
    前記保護継電器試験器と通信する制御装置と、
    試験対象である保護継電器が設置された環境の温度を測定する温度センサとを含み、
    前記保護継電器試験器は、
    前記制御装置による制御を受けて、前記保護継電器に所定の試験信号を供給する出力手段と、
    前記試験信号の供給による前記保護継電器の動作に伴い、前記保護継電器から出力される動作信号を取得する入力手段と、
    前記動作信号から、前記保護継電器の動作時間を算出する演算手段と、
    前記動作時間を前記制御装置に送信する通信手段とを有し、
    前記制御装置は、
    前記動作時間、前記温度センサによる測定温度、及び、前記保護継電器への電源供給により生じるリレー駆動電圧を受信する受信手段と、
    前記動作時間、前記リレー駆動電圧及び前記測定温度から被評価値を算出し、前記被評価値と所定の基準値とを比較することにより、前記保護継電器の状態を判定する判定手段とを有することを特徴とする、試験システム。
  2. 前記基準値は、正常に動作する保護継電器の試験結果である動作時間及びリレー駆動電圧、並びに、当該保護継電器が設置された環境の測定温度を含むサンプルの集合から決定されたマハラノビスの距離であり、
    前記被評価値は、前記受信手段により受信された1組の前記動作時間、前記リレー駆動電圧及び前記測定温度から算出されたマハラノビスの距離であり、
    前記判定手段は、
    前記被評価値が前記基準値以下であれば、試験対象である前記保護継電器は正常であると判定し、
    前記被評価値が前記基準値よりも大きければ、試験対象である前記保護継電器は異常の可能性があると判定することを特徴とする、請求項1に記載の試験システム。
  3. 保護継電器試験器と、
    前記保護継電器試験器と通信する制御装置とを含み、
    前記保護継電器試験器は、
    前記制御装置による制御を受けて、前記保護継電器試験器の試験対象である保護継電器に所定の試験信号を供給する出力手段と、
    前記試験信号の供給による前記保護継電器の動作に伴い、前記保護継電器から出力される動作信号を取得する入力手段と、
    前記動作信号から、前記保護継電器の動作時間を算出する演算手段と、
    前記動作時間を前記制御装置に送信する通信手段とを有し、
    前記制御装置は、
    前記動作時間、及び、前記保護継電器への電源供給により生じるリレー駆動電圧を受信する受信手段と、
    被評価値を算出し、前記被評価値と所定の基準値とを比較することにより、前記保護継電器の状態を判定する判定手段とを有し、
    前記基準値は、正常に動作する保護継電器の試験結果である動作時間及びリレー駆動電圧の一方のサンプルの集合から算出された標準偏差と所定係数との乗算値であり、
    前記所定係数は、0.1以上3以下の値であり、
    前記被評価値は、前記一方のサンプルの集合から算出された平均値と、前記受信手段により受信された前記動作時間及び前記リレー駆動電圧のうちの一方の値であって、前記標準偏差を算出した前記集合に対応する前記値との差であり、
    前記判定手段は、
    前記差の絶対値が前記基準値以下であれば、試験対象である前記保護継電器は正常であると判定し、
    前記差の絶対値が前記基準値よりも大きければ、試験対象である前記保護継電器は異常の可能性があると判定することを特徴とする、試験システム。
  4. 保護継電器試験器と、
    前記保護継電器試験器と通信する制御装置と、
    試験対象である保護継電器が設置された環境の温度を測定する温度センサと、
    前記保護継電器に設けられたLEDを含む領域を撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置により撮像された画像から前記LEDの点灯を検出し、点灯情報を生成する点灯情報生成装置とを含み、
    前記保護継電器試験器は、
    前記制御装置による制御を受けて、前記保護継電器に所定の試験信号を、当該試験信号の値を徐々に増大又は減少させて供給する出力手段と、
    前記点灯情報生成装置から、前記試験信号の供給による前記保護継電器の動作に伴い点灯する前記LEDの前記点灯情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段により前記点灯情報が取得されたときに、前記出力手段から供給されている前記試験信号の値を、前記保護継電器の動作値として決定する決定手段と、
    前記動作値を前記制御装置に送信する通信手段とを有し、
    前記制御装置は、
    前記動作値、及び、前記温度センサによる測定温度を受信する受信手段と、
    前記動作値及び前記測定温度から被評価値を算出し、前記被評価値と所定の基準値とを比較することにより、前記保護継電器の状態を判定する判定手段とを有することを特徴とする、試験システム。
  5. 保護継電器の試験方法であって、
    前記保護継電器が設置された環境の測定温度を取得するステップと、
    制御装置により保護継電器試験器を制御して、前記保護継電器に所定の試験信号を供給させるステップと、
    前記保護継電器試験器により、前記試験信号の供給による前記保護継電器の動作に伴い、前記保護継電器から出力される動作信号を取得するステップと、
    前記保護継電器試験器により、前記動作信号から、前記保護継電器の動作時間を算出するステップと、
    前記制御装置により、前記保護継電器の内部のリレー駆動電圧を測定するステップと、
    前記制御装置により、前記動作時間、前記リレー駆動電圧及び前記測定温度から被評価値を算出するステップと、
    前記制御装置により、前記被評価値と所定の基準値とを比較することにより、前記保護継電器の状態を判定するステップとを含むことを特徴とする、試験方法。
JP2018181652A 2018-09-27 2018-09-27 保護継電器の試験システム及び試験方法 Active JP7298127B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018181652A JP7298127B2 (ja) 2018-09-27 2018-09-27 保護継電器の試験システム及び試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018181652A JP7298127B2 (ja) 2018-09-27 2018-09-27 保護継電器の試験システム及び試験方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020051901A JP2020051901A (ja) 2020-04-02
JP7298127B2 true JP7298127B2 (ja) 2023-06-27

Family

ID=69996708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018181652A Active JP7298127B2 (ja) 2018-09-27 2018-09-27 保護継電器の試験システム及び試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7298127B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7207194B2 (ja) * 2019-06-24 2023-01-18 日新電機株式会社 保護継電器試験方法、保護継電器試験システム及び情報処理装置
KR102597999B1 (ko) * 2021-09-30 2023-11-02 한국수력원자력 주식회사 발전소의 디지털보호계전기 성능진단시스템 및 성능진단방법
CN114167175B (zh) * 2021-11-29 2023-04-07 广西电网有限责任公司钦州供电局 一种继电器交流窜入及电压波动测试方法
CN114167342A (zh) * 2021-12-01 2022-03-11 浙江浙能兰溪发电有限责任公司 一种继电保护装置运行健康状态的评价方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000184574A (ja) 1998-12-18 2000-06-30 Toshiba Eng Co Ltd 保護継電装置
JP2010185861A (ja) 2009-02-12 2010-08-26 Toenec Corp 電気設備の良否診断システム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07280861A (ja) * 1994-04-13 1995-10-27 Toshiba Corp 保護継電器の試験装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000184574A (ja) 1998-12-18 2000-06-30 Toshiba Eng Co Ltd 保護継電装置
JP2010185861A (ja) 2009-02-12 2010-08-26 Toenec Corp 電気設備の良否診断システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020051901A (ja) 2020-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7298127B2 (ja) 保護継電器の試験システム及び試験方法
US20180284739A1 (en) Quality control apparatus, quality control method, and quality control program
EP2992340B1 (en) System and method for ups battery monitoring and data analysis
JP5621967B2 (ja) 異常データ分析システム
JP2017026559A (ja) ガスリーク検知装置およびガスリーク検知方法
CN106802384B (zh) 基于红外和紫外光电传感融合的电气设备故障检测方法
JP5725825B2 (ja) 管理装置
CN117269734A (zh) 一种主板带电老化检测系统
WO2020110201A1 (ja) 情報処理装置
JP2005061887A (ja) データ管理システムおよびそれに適用される分析装置
CN115560865A (zh) 换流变压器套管监测方法和装置
KR20180111569A (ko) 열화 진단 장치 및 방법
US20150139274A1 (en) Heatable gas analysis device
KR101701733B1 (ko) 감시진단기기의 시험 평가 장치
KR102255707B1 (ko) 제품 제조에 대한 최적조건 설정방법 및 장치
US11002766B2 (en) Detection of loop resistance and leakage current in input/output (I/O) loop
KR20230061480A (ko) 진단 파라미터 예측 에러의 변동을 이용한 전기 장비의 상태 결정
Pandey et al. Distributed transformer monitoring system based on ZigBee technology
CN112928820A (zh) 配电柜用自动检测系统及其检测方法
US20220121191A1 (en) Time-series data processing method
KR101950584B1 (ko) 측정기 비교검사 방법
KR101674402B1 (ko) 손실전력측정 알고리즘 및 이를 이용한 손실전력 측정장치
JP7340902B1 (ja) 電力機器のモニタリング方法
Andonova Preventive diagnostics of Instrumentation and Automation by thermographic measurements
CN116026479B (zh) 适用于红外测温系统的数据处理方法及装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230529

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7298127

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150