JP7298095B2 - ガスタービンの予混合管構造 - Google Patents
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Description
しかし、燃料の供給量に対して多くの水量が必要とされ、ガスタービンプラントの効率を低下させてしまう虞がある。
また、特許文献2には、予混合管の周壁面の孔から燃焼器内に流入した空気は燃焼器内で軸方向流を取り巻く旋回流を作り、火炎は燃焼器の頂部から離れた位置に保持されるようになされた構造が提案されている。
また、特許文献3には、外筒体の内部に、燃焼筒と、予混合管の上部周壁内の貫通筒状の内壁との間の隙間に旋回流を生じさせる孔を備えた上部周壁と下部周壁とから構成される予混合管を有し、内壁の頂部中央には第1圧力噴射ノズルが、下部周壁には5個の第2圧力噴射ノズルが等角度間隔で配置される。各第2圧力噴射ノズルから中心に向けて噴射された燃料は、隙間から燃焼筒に向かう空気の旋回流に乗り、燃焼器の上部領域で半径方向に広く分散し、長い滞留時間により早期に蒸発・着火して完全燃焼する、とされたガスタービン燃焼器が開示されている。
しかしながら、これらのガスタービン燃焼器は、旋回流を生じさせることを主としているものであり、混合の促進ためのものとされている。しかし、混合濃度分布の状況が不明であり、燃焼ガスの濃度の均一化が図られているかが不明である。このため、高い濃度の状態で燃焼される虞があり、NOxの排出濃度が部分的に高くなる虞がある。
基端部側では燃焼ガスが供給されるため多量の空気を供給して混合させることが望ましいので、基端部側に多数の空気孔を形成して空気を吸引できるようにしたものである。
また、先端部側では燃焼ガスが希釈された混合ガスに対して空気を供給するから、基端部側ほど多量の空気を要しない。したがって、先願部側の空気孔を基端部側よりも少なくしたものである。
まず、図11を参照してこの発明に係る構造を備えた予混合管を装着するガスタービンの一実施例の概略を説明する。
また、燃焼器内筒103bの中央上部にはパイロット燃料用ノズル111が配され、パイロット燃料が燃焼器内筒103b内に噴射される。噴射されたパイロット燃料には、図示しない点火装置によって点火される。
燃焼器内筒103bの外側に導かれた圧縮空気は予混合管1に導かれて、メイン燃料の燃焼ガスと混合して混合ガスが生成され、この混合ガスが予混合管1の下部から燃焼器内筒103bの内部に噴射されて燃焼が促進され、高温・高圧の作動ガスが発生する。
燃焼器103で発生した作動ガスがタービン104に導かれて、タービン翼を回転させて主軸105を回転させる。主軸105の回転によって、圧縮機102を回転させると共に、所望の出力回転が得られる。タービン104の回転に供された作動ガスは、排気ガスとなって排気ダクト106から排出される。
また、胴部1aの下部、すなわちメイン燃料の流れの下流側は、徐々に縮径されて下部側が小径とされた筒状の円錐形胴部1cが連続している。また、この円錐形胴部1cからは胴部1aの軸Cの方向に対して偏倚させた方向に開口1dが指向するように、傾斜管部1eが連続している。また、この開口1dは、図2に示すように、円形とされている。
これらの空気孔1a1、1a2、1a3、1a4の位置関係が、図5と図6に示されている。図5(A)は、図2における5A-5A線に沿って、軸Cと直交する面で切断した断面図で、この部分には16個の空気孔1a1が配されている。また、図5(B)は空気孔1a1の直近の下流側に配された空気孔1a2の部分で切断した、図2における5B-5B線に沿って切断した断面図で、この部分には8個の空気孔1a2が配されている。この8個の空気孔1a2は、16個の空気孔1a1に対して一つおきに軸C方向で重なる位置に配されている。また、空気孔1a2の直近の下流側に配された空気孔1a3は8個とされており、図5(B)と図5(C)に示されているように、空気孔1a2の位置と周方向に22.5°の角度でずれた位置に配されている。そして、最下流に配された空気孔1a4は、8個が周方向に配されており、図5(B)と図5(D)とに示されているように、これら空気孔1a4は空気孔1a2と軸C方向で等しい位置に配されている。
なお、空気孔1a2、1a3、1a4については、それぞれ15°ずつの角度でずれた位置に配することで、これら空気孔1a2、1a3、1a4の全てが軸Cに沿った方向でずれた位置に配するものでも構わない。
さらに、空気孔1a1、1a2、1a3、1a4のそれぞれの径を異ならせたものとすることができる。この場合、上流側に配された空気孔1a1の径を大きくすることが好ましい。また、下流側に向かって徐々に小径とすることでも、空気孔1a2、1a3、1a4の径を等しくすることでも構わない。
この第一の実施形態に係る予混合管1では、メイン燃料用ノズル110から噴射されたメイン燃料の燃料ガスに対して、胴部1aに形成された空気孔1a1、1a2、1a3、1a4から圧縮空気が導入されて燃焼ガスが希釈され、予混合管1の内部で混合されて混合ガスが生成される。燃焼ガスがメイン燃料用ノズル110による噴射直後が最も高い濃度にある。この予混合管1では、最上流側にある空気孔1a1の数が下流側の空気孔1a2、1a3、1a4の数と比べて多くしてあるから、最上流側の空気孔1a1からは多量の空気が導入される。このため、濃度の高い燃焼ガスの希釈が促進される。
また、空気孔1a2、1a3、1a4では周方向の位置をずらして配してあるため、空気孔1a2が臨んでいない位置、すなわち、周方向で隣接する空気孔1a2同士の中間の位置が臨む位置を通過する燃焼ガスには空気が導入されにくい。しかし、この空気孔1a2の下流に配された空気孔1a3は、空気孔1a2に対してずれた位置に配されているから、空気孔1a2が形成されていない部分を通過した燃焼ガスに対して空気孔1a3から導入された空気により希釈される。したがって、供給された燃焼ガスは全体として空気と均等に混合されて、所望の状態まで希釈されて燃焼に供されて、高温・高圧の作動ガスが生成される。
なお、予混合管1の下流部は胴部1aよりも小径の開口1dが形成されているから、開口1dから噴射される混合ガスの流速が大きくなる。このため、パイロット燃料の火炎に対して、高速で噴射されるので、着火した燃焼ガスの火炎が逆火することがない。
この予混合管2の胴部2aの上部には、胴部2aと別体で中央部にノズル支持管11がシール11aを介して装着された蓋体2bが設けられている。
胴部2aの下部には、上流側の上端部が胴部2aに連続する円形で下流側に向かって徐々に縮径されると共に、下流側の下端部が方形に形成された接続胴部2cが連続している。
そして、この接続胴部2cの下端部に、接続胴部2cと連続する方形の傾斜管部2eの上端部が接続されており、この傾斜管部2eの下端部が軸Cの方向に対して偏倚させた方向に開口2dが指向するようにしてある。すなわち、開口2dは、図8に示すように、方形とされている。
他方、図12は予混合管4の上部開口4aから空気を取り入れる構造を示している。この予混合管4では、空気が上方から取り入れられる構造であるため、ガスタービン100の天蓋112と予混合管4の上部開口4aとの間の距離を大きくすることを要する。
これに対して、本願発明に係る構造を備えた予混合管1、2では側方から空気が取り入れられるため、図10に示すように、予混合管1、2の上部と天蓋112との間の距離は、小さくすることができる。
このため、ガスタービン100の高さを小さくして、ガスタービン100の小型化を図ることができる。
1a 胴部
1b 底板
1c 円錐形胴部
1d 開口
1e 傾斜管部
1a1、1a2、1a3、1a4 空気孔
11 ノズル支持管
11a シール
2 予混合管
2a 胴部
2b 蓋体
2c 接続胴部
2d 開口
2e 傾斜管部
2a1、2a2、2a3、2a4 空気孔
100 ガスタービン
101 空気吸込口
101a インレットガイドベーン
102 圧縮機
103 燃焼器
103a 燃焼器外筒
103b 燃焼器内筒
104 タービン
105 主軸
106 排気ダクト
110 メイン燃料用ノズル
111 パイロット燃料用ノズル
C 軸
Claims (4)
- メイン燃料用ノズルから噴射される燃料と空気とを混合し、当該混合により生成される混合ガスを燃焼器内筒の内部に噴射する予混合管構造であって、
前記メイン燃料ノズルが取り付けられる底板によって、自身の軸方向における一端が閉鎖される筒形状の第1の胴部と、
前記第1の胴部の軸方向における一端とは反対側となる他端に接続されるとともに、前記第1の胴部の軸方向に直交する断面の面積が前記第1の胴部から離れるにしたがって小さくなる第2の胴部と、
前記第1の胴部の軸方向に対して傾斜した状態で、前記第2の胴部と前記燃焼器内筒との間に配置されるとともに、前記燃焼器内筒の中央部に指向させた開口を有する傾斜管部と、
前記第1の胴部の軸方向における複数の位置で、且つ所定の角度間隔を空けて前記第1胴部の全周に亘って前記第1の胴部に複数設けられるとともに、前記燃焼器内筒及び当該燃焼器内筒の外側に配置される燃焼器外筒との間の供給路を流れる空気を前記第1の胴部の内部に流入させる空気孔と、
を有し、
前記メイン燃料用ノズルは、前記第1の胴部の軸方向における他端に向けて、前記燃料を前記第1の胴部の内部に噴射し、
前記第1の胴部の内部に噴射される前記燃料は、複数の前記空気孔のそれぞれから前記第1の胴部の内部に流入する空気と均等に希釈混合され、
複数の前記空気孔から前記第1の胴部の内部に流入する前記空気と前記燃料とが均等に希釈混合された混合ガスは、前記第2の胴部を流れることで当該混合ガスの流速が加速されて、前記傾斜管部から前記燃焼器内筒の内部に、当該燃焼器内筒の内部で燃焼するパイロット燃料による火炎に向けて噴射される
ことを特徴とするガスタービンの予混合管構造。 - 請求項1に記載のガスタービンの予混合管構造であって、
前記空気孔は千鳥状に配列してあることを特徴とするガスタービンの予混合管構造。 - 請求項1または請求項2に記載のガスタービンの予混合管構造であって、
前記第1の胴部の軸方向における一端側に配置される前記空気孔の数は、前記第1の胴部の軸方向における他端側に配置される前記空気孔の数よりも多いことを特徴とするガスタービンの予混合管構造。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のガスタービンの予混合管構造であって、
前記第1の胴部の軸方向における一端側に配置される前記空気孔の開口面積は、前記第1の胴部の軸方向における他端側に配置される前記空気孔の開口面積よりも大きいことを特徴とするガスタービンの予混合管構造。
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