JP7296866B2 - コネクタ - Google Patents

コネクタ Download PDF

Info

Publication number
JP7296866B2
JP7296866B2 JP2019220709A JP2019220709A JP7296866B2 JP 7296866 B2 JP7296866 B2 JP 7296866B2 JP 2019220709 A JP2019220709 A JP 2019220709A JP 2019220709 A JP2019220709 A JP 2019220709A JP 7296866 B2 JP7296866 B2 JP 7296866B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
covering member
dispersion
connector
connector according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019220709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021089872A (ja
Inventor
勇次郎 菅谷
誉仁 大熊
広章 行武
英生 塩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iriso Electronics Co Ltd
Original Assignee
Iriso Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iriso Electronics Co Ltd filed Critical Iriso Electronics Co Ltd
Priority to JP2019220709A priority Critical patent/JP7296866B2/ja
Publication of JP2021089872A publication Critical patent/JP2021089872A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7296866B2 publication Critical patent/JP7296866B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)
  • Details Of Connecting Devices For Male And Female Coupling (AREA)

Description

本開示は、コネクタ及びコネクタの製造方法に関する。
コネクタに関する先行技術として、特許文献1記載の技術がある。
特許文献1記載のコネクタ(1)は、第一ハウジング(2)と、第一ハウジングに対して移動可能な第二ハウジング(3)と、複数の端子(4)と、を備える。複数の端子の各々は、第一ハウジングに保持される第一側被保持部と、第二ハウジングに保持される第二側被保持部と、第一側被保持部と第二側被保持部との間に位置する中間部と、を有する。更に、中間部を覆うと共にシリコーンゴムで形成された被覆部材(インピーダンス整合部5)が設けられている。
特許文献1記載の技術では、中間部を覆う被覆部材を設けることで、端子のインピーダンスの不整合を抑制しようとしている。
また、このコネクタの製造方法として、特許文献1には次の方法が記載されている。
まず、金型に複数の端子を所定間隔で並べて配置した後、金型にシリコーンゴムを注入し、硬化させることにより、被覆部材を形成する。次に、被覆部材が形成された複数の端子を可動ハウジングと固定ハウジングに固定する。
特開2014-222576号公報
本開示の第一の目的は、可動力(中間部を変形させるために必要な力をいう。)の上昇を抑えつつ中間部のインピーダンスを低くすることができるコネクタを提供することである。
本開示の第二の目的は、被覆部材を備えるコネクタの簡易な製造方法を提供することである。
第1-1の態様に係るコネクタは、第一ハウジングと、前記第一ハウジングに対して移動可能な第二ハウジングと、前記第一ハウジングに保持される第一側被保持部と、前記第二ハウジングに保持される第二側被保持部と、前記第一側被保持部と前記第二側被保持部との間に位置する中間部と、を有する少なくとも一つの端子と、前記中間部を覆うと共にゲルで形成された被覆部材と、を備える。
上記態様では、コネクタは、第一ハウジングと、第二ハウジングと、少なくとも一つの端子と、を備える。端子は、第一ハウジングに保持される第一側被保持部と、第二ハウジングに保持される第二側被保持部と、第一側被保持部と第二側被保持部との間に位置する中間部と、を有する。端子の中間部が変形することで、第二ハウジングは、第一ハウジングに対して移動可能となる。
更に、上記態様では、中間部が空気と比べて比誘電率の高い被覆部材で覆われるので、中間部が空気と接している態様と比べて、中間部のうち被覆部材で覆われた部分におけるインピーダンスを低くすることができる。更に、被覆部材がゲルで形成されるので、被覆部材がゲルよりも固い部材(例えば、シリコーンゴム又はフッ素ゴム)である態様と比べて、中間部の変位又は変形が阻害されにくい。
以上より、上記態様によれば、可動力の上昇を抑えつつ中間部のインピーダンスを低くすることができる。
第1-2の態様に係るコネクタは、第1-1の態様において、前記少なくとも一つの端子は、それぞれの端子が有する前記中間部が配列方向に並んで配置された複数の端子を含み、前記複数の端子の隣り合う前記中間部の間は、前記被覆部材で埋まっている。
上記態様では、複数の端子の隣り合う中間部同士の間が被覆部材で埋まるので、隣り合う中間部同士の間に空気が存在する態様と比べて、中間部におけるインピーダンスを低くすることができる。
第1-3の態様に係るコネクタは、第1-1又は第1-2の態様において、前記第一ハウジング又は前記第二ハウジングは、前記中間部が配置される中間部配置空間を形成すると共に下方を向く天井面を備え、前記被覆部材は、前記天井面に接している。
上記態様では、第一ハウジング又は第二ハウジングは、中間部が配置される中間部配置空間を形成すると共に下方を向く天井面を備える。そして、被覆部材は、天井面に接している。
このため、天井面と被覆部材との間に接着力が多少なりとも発揮され、中間部配置空間に被覆部材が保持されやすい。
なお、第一ハウジングと第二ハウジングの両方が天井面を備える場合は、第一ハウジングの天井面と第二ハウジングの天井面の両方に被覆部材が接していることが好ましい。ただし、第一ハウジングの天井面と第二ハウジングの天井面のうち、いずれか一方にのみ被覆部材が接している態様も、上記第1-3の態様に含まれる。
第1-4の態様に係るコネクタは、第1-1~第1-3の何れかの態様において、前記中間部は、前記第一ハウジングと前記第二ハウジングの何れからも露出した露出部を含み、前記露出部の全体が前記被覆部材で覆われる。
上記態様では、露出部の全体が被覆部材で覆われるので、露出部の一部が被覆部材で覆われない態様と異なり、露出部の全体でインピーダンスを低くすることができる。
第1-5の態様に係るコネクタは、第1-1~第1-4の何れかの態様において、前記中間部は、曲部と、前記曲部と接続された直線部と、を含み、前記被覆部材は、前記曲部と前記直線部との両方を覆う。
上記態様では、曲部と直線部とを含む中間部のうち、曲部と直線部の両方が被覆部材で覆われるので、例えば直線部が覆われない態様と異なり、広範囲でインピーダンスを低下させることができる。
なお、例えば、中間部が二つの曲部と直線部とを含む場合は、二つの曲部のうち一つの曲部と直線部とが被覆部材に覆われていれば上記態様に含まれ得る。
<被覆部材>
第1-6の態様に係るコネクタは、第1-1~第1-5の何れかの態様において、前記被覆部材は、ゲル状の基材と、前記基材中に分散した分散体であって、前記基材よりも比誘電率が高い前記分散体と、を含む。
上記態様では、被覆部材は、ゲル状の基材と、基材中に分散した分散体であって、基材よりも比誘電率が高い分散体と、を含む。
このため、被覆部材が分散体を含まない態様と比べて、被覆部材の比誘電率を高めることができる。
第1-7の態様に係るコネクタは、第1-6の態様において、前記分散体は、セラミックスである。
上記態様では、分散体はセラミックスである。セラミックスは全般的に比誘電率が高いので、分散体を多量に用いなくても、中間部のインピーダンスを充分に下げることができる。そのため、分散体の量を抑えることができるので、分散体によって被覆部材が固くなることを抑制できる。
第1-8の態様に係るコネクタは、第1-6の態様において、前記分散体は、酸化チタンである。
上記態様では、分散体は、酸化チタンである。
酸化チタンは、温度が変化しても比誘電率の変化が小さいので、コネクタ使用中の温度変化による被覆部材の比誘電率の変化を抑制できる。
第1-9の態様に係るコネクタは、第1-6の態様において、前記分散体は、比誘電率が10~200の物質である。
上記態様では、分散体は、比誘電率が10~200の物質である。
分散体の比誘電率が10以上であると、10未満である態様と比べて、分散体の添加量が多量になって被覆部材が固くなることが抑制される。分散体の比誘電率が200以下であると、200を超える場合と比べて、添加量のばらつきによる被覆部材の比誘電率の変化量を抑制できる。
第1-10の態様に係るコネクタは、第1-6~第1-9の何れかの態様において、前記基材は、熱硬化性でない。
仮に、基材が熱硬化性であると、分散体を基材に含ませて攪拌するときの摩擦熱等によって、基材が硬化を始めてしまう恐れがある。
しかし、上記態様では、基材は、熱硬化性ではない。そのため、基材を攪拌させることで充分に分散体を分散させることができる上、基材の流動性を保つことができるから中間部を効率よく被覆部材に覆わせることができる。
第1-11の態様に係るコネクタは、第1-6~第1-10の何れかの態様において、前記被覆部材は、前記分散体が分散した前記基材に、前記分散体を含んだ硬化剤を混合することで形成される。
上記態様では、被覆部材は、分散体が分散した基材に、分散体を含んだ硬化剤を混合することで形成される。
このため、硬化剤を加える前に基材中に分散体を分散させることができ、更に、加える硬化剤にも分散体が含まれているので、被覆部材中に分散体を十分に分散させることができる。
≪第二の観点:簡易な製造方法≫
第2-1の態様に係るコネクタの製造方法は、第一ハウジングと、前記第一ハウジングに対して移動可能な第二ハウジングと、前記第一ハウジングに保持される第一側被保持部と、前記第二ハウジングに保持される第二側被保持部と、前記第一側被保持部と前記第二側被保持部との間に位置する中間部と、を有する少なくとも一つの端子と、前記中間部を覆う被覆部材と、を備えるコネクタを製造するための製造方法であって、前記第一ハウジング、前記第二ハウジング及び前記少なくとも一つの端子を備えると共に前記被覆部材を備えない仕掛品が有する中間部配置空間であって、前記中間部が配置された前記中間部配置空間に硬化前の被覆部材を注入する注入工程と、前記中間部配置空間に注入された前記被覆部材を硬化させる硬化工程と、を含む。
上記態様では、硬化前の被覆部材を注入する注入工程と、注入された被覆部材を硬化させる硬化工程と、を含む。
注入工程では、仕掛品が有する中間部配置空間に、硬化前の被覆部材を注入する。仕掛品は、第一ハウジング、第二ハウジング及び少なくとも一つの端子を備えると共に被覆部材を備えない。仕掛品が有する中間部配置空間には中間部が配置されている。
硬化工程では、中間部配置空間に注入された被覆部材を硬化させる。
上記態様によれば、特許文献1記載の製造方法と異なり、端子を予め金型に配置して被覆部材を一体成形する必要がない。よって、製造方法が簡易になる。
なお、被覆部材は、ゲルで形成される必要はなく、例えばゴムで形成されてもよい。
第2-2の態様に係る製造方法は、第2-1の態様において、前記注入工程の前に、前記仕掛品を治具に取り付けることで、前記第一ハウジングと前記第二ハウジングとの間に形成された隙間を前記治具によって塞ぐ治具取付工程を更に含む。
上記態様では、製造方法は、治具取付工程を更に含む。治具取付工程は、注入工程の前に、仕掛品を治具に取り付けることで、第一ハウジングと第二ハウジングとの間に形成された隙間を治具によって塞ぐ工程である。
このため、第一ハウジングと第二ハウジングとの間の隙間から被覆部材が漏れることが防止され、注入工程及び硬化工程が容易となる。
第2-3の態様に係る製造方法は、第2-1又は第2-2の態様において、前記第一ハウジング又は前記第二ハウジングは、前記中間部が配置される中間部配置空間を形成すると共に下方を向く天井面を備え、前記注入工程では、前記仕掛品の下側から前記被覆部材を注入する。
上記態様では、第一ハウジング又は第二ハウジングは、中間部が配置される中間部配置空間を形成すると共に下方を向く天井面を備える。そして、注入工程では、仕掛品の下側から被覆部材を注入する。
このため、天井面を備える仕掛品において、中間部配置空間に被覆部材をスムーズに充填することができる。
第2-4の態様に係るコネクタは、第2-1~第2-3の何れかの態様において、前記注入工程で注入する前記被覆部材は、分散体が分散した基材に、分散体を含んだ硬化剤を混合することで形成される。
上記態様では、被覆部材は、分散体が分散した基材に、分散体を含んだ硬化剤を混合することで形成される。
このため、硬化剤を加える前に基材中に分散体を分散させることができ、更に、加える硬化剤にも分散体が含まれているので、被覆部材中に分散体を十分に分散させることができる。
≪治具≫
第2-5の態様に係る治具は、仕掛品を取付可能に構成された取付凹部を備える治具であって、前記仕掛品は、第一ハウジングと、前記第一ハウジングに対して移動可能な第二ハウジングと、前記第一ハウジングに保持される第一側被保持部と、前記第二ハウジングに保持される第二側被保持部と、前記第一側被保持部と前記第二側被保持部との間に位置する中間部と、を有する少なくとも一つの端子と、を備え、前記取付凹部は、前記第一ハウジングと前記第二ハウジングとの間に形成された隙間を塞ぐと共に、前記仕掛品が有する中間部配置空間であって前記中間部が配置された前記中間部配置空間に硬化前の被覆部材を注入可能に前記仕掛品を保持するように構成される。
上記態様では、治具は、仕掛品を取付可能に構成された取付凹部を備える。取付凹部は、第一ハウジングと第二ハウジングとの間に形成された隙間を塞ぐと共に、仕掛品が有する中間部配置空間に硬化前の被覆部材を注入可能に仕掛品を保持するように構成される。
このため、治具に仕掛品を取り付けることで、注入工程を容易に行うことができる。
コネクタの斜視図である。 コネクタの断面図(図1の2-2線断面図)である。 コネクタの断面図(図2の3-3線断面図)である。 仕掛品(被覆部材を備えないコネクタ)の分解斜視図である。 仕掛品(被覆部材を備えないコネクタ)の下方から見た分解斜視図である。 仕掛品を治具に取り付ける前の状態を示す斜視図である。 仕掛品を治具に取り付けた状態を示す斜視図である。 被覆部材を注入した後の状態を示す斜視図である。 コネクタの変形例を示す断面図(図2に対応する断面図)である。 コネクタの変形例を示す断面図(図3に対応する断面図)である。
以下、実施形態に係るコネクタ1について説明する。
なお、各図に示す矢印X,Y,Zは、コネクタ1及びその構成部品を基準とした方向概念である。+X方向をコネクタ前方向、+Y方向をコネクタ幅方向一方側、+Z方向をコネクタ上方向という。単に、前後方向、幅方向、上下方向をいうときは、コネクタ前後方向、コネクタ幅方向、コネクタ上下方向を意味する。
図1及び図2に示すように、コネクタ1は、固定ハウジング2と、可動ハウジング3と、複数の端子4と、被覆部材5と、を備える。
コネクタ1は、まず仕掛品1Aを製造した後、仕掛品1Aの所定の箇所に被覆部材5を形成することで製造される。仕掛品1Aは、固定ハウジング2と可動ハウジング3と複数の端子4とを備えるが、被覆部材5を備えないコネクタ1Aである。
固定ハウジング2は、合成樹脂などの絶縁体で形成される。固定ハウジング2は、端子4を介して基板(図示省略)に固定され、基板に対して移動不能となる。固定ハウジング2は、端子4の一部(固定側被保持部42)を保持する。固定ハウジング2は、枠状とされ、内側に空間(内部空間21、図4)を形成する。固定ハウジング2の内部空間21には、可動ハウジング3が配置される。
可動ハウジング3は、合成樹脂などの絶縁体で形成される。可動ハウジング3は、端子4の一部(可動側被保持部44)を保持する。可動ハウジング3は、枠状の固定ハウジング2の内側の空間(内部空間21)に配置され、基板及び固定ハウジング2に対して移動可能となる。可動ハウジング3は、上方に向けて開口する挿入空間31を有する。挿入空間31には、「接続対象物」としての相手コネクタの一部が挿入される。
各端子4は、固定ハウジング2に圧入されて保持される固定側被保持部42と、可動ハウジング3に保持される可動側被保持部44と、固定側被保持部42と可動側被保持部44との間の中間部43と、を有する。中間部43が弾性変形することで、固定ハウジング2に対する可動ハウジング3の移動が許容される。
図2に示すように、端子4の中間部43は、可動ハウジング3の外側であって固定ハウジング2の内側の空間に配置される。そして、この空間(中間部配置空間)には、被覆部材5が配置される。これにより、端子4の中間部43が被覆部材5によって被覆される。
被覆部材5は、電気絶縁性を有すると共に柔軟性を有する部材であり、例えばゲルで形成される。被覆部材5が柔軟性を有するので、端子4の中間部43の変形及び変位が許容される。
被覆部材5は、例えば、次の方法で形成できる。
(1)被覆部材5が形成されていない状態のコネクタ1(仕掛品1A)を作る。
(2)仕掛品1Aを取付可能な取付凹部61が形成された治具6を用意する(図6参照)。
(3)仕掛品1Aの上側(コネクタ上側)が下方向を向くような状態で、取付凹部61に仕掛品1Aを嵌め込む(図7参照)。
(4)固定ハウジング2と可動ハウジング3との間の空間(中間部配置空間)が、上方に開放されるので、この空間に硬化前の被覆部材5を注入する(図8参照)。
(5)注入された被覆部材5を硬化させる。
<コネクタの詳細構造>
次に、本実施形態に係るコネクタ1の詳細な構造について説明する。
≪端子4≫
複数の端子4は、それぞれ同一形状である。端子4は、板状の導電部材に対して打ち抜き加工及び曲げ加工等を施すことで形成される。複数の端子4は、幅方向一方側で前後方向に配列された複数の端子4と、幅方向他方側で前後方向に配列された複数の端子4と、から構成される。幅方向一方側の端子4及び幅方向他方側の端子4は、互いの接触部46同士を対向させるように配置される。
図2に示すように、端子4は、一端から他端に向けて、基板固定部41と、固定側被保持部42と、中間部43と、可動側被保持部44と、先端弾性部45と、接触部46と、をこの順に有する。
基板固定部41は、基板に沿って配置され、基板に対して半田付けなどで固定される。基板固定部41は、幅方向内側に延びる。
固定側被保持部42は、上方に向けて延び、固定ハウジング2に対して下方側から圧入可能に構成される。具体的には、固定側被保持部42の板幅方向の外側には、圧入突起が形成される。
中間部43は、第一曲部43Aと、直線部43Bと、第二曲部43Cと、を有する。
第一曲部43Aは、固定側被保持部42よりも他端側の部分が板厚方向に曲げられることで形成される。直線部43Bは、下方向に対し幅方向内側に傾いた方向に向けて直線状に延びる。第二曲部43Cは、直線部43Bよりも他端側の部分が板厚方向に曲げられることで形成される。第二曲部43Cは、直線部43Bと可動側被保持部44とを接続する。また、直線部43Bは、幅拡大部43B1(図4参照)を有する。幅拡大部43B1の幅寸法(配列方向であるコネクタ前後方向の寸法)は、第一曲部43A及び第二曲部43Cの幅寸法よりも大きい。
可動側被保持部44は、上方へ向けて延び、可動ハウジング3に対して下方側から圧入可能に構成される。具体的には、可動側被保持部44の板幅方向の外側には、圧入突起が形成される。
先端弾性部45は、接触部46が可動ハウジング3に対して移動可能となるように接触部46を弾性支持する。先端弾性部45は、一端側の第一伸長部45Aと、他端側の第二傾斜部45Bと、を有する。第一伸長部45A及び第二傾斜部45Bは、共に、上方向に対し幅方向内側に傾いた方向に向けて延びている。一方、第一伸長部45Aは、第二傾斜部45Bよりも上方向に対する傾斜角度が大きい。
接触部46は、「接続対象物」としての相手コネクタの端子と接触する部分である。接触部46は、幅方向内側に向けて凸となるように湾曲されて形成される。接触部46と先端弾性部45との間には、接触部46を幅方向内側へ向けて突出させるように曲部46Aが形成される。
≪固定ハウジング2≫
固定ハウジング2は、内部空間21を挟んで前後方向に対向する一対の前後方向部22と、内部空間21を挟んで幅方向に対向する一対の幅方向部23と、を備える。一対の前後方向部22と一対の幅方向部23とによって、枠状の固定ハウジング2が形成される。
固定ハウジング2は、可動ハウジング3の一部(「被拘束部」である前後突出部36)が拘束される拘束部24を有する。拘束部24は、一対の前後方向部22にそれぞれ形成される。拘束部24は、前後方向部22の下部に形成された凹部であり、当該凹部は、下方向と前後方向両側に開放されている。
固定ハウジング2は、端子4の固定側被保持部42を保持する端子保持部25を有する。端子保持部25は、一対の幅方向部23の幅方向内側面に形成された上下方向に延びる複数の溝である。これら複数の溝に端子4の固定側被保持部42が下方から圧入される。
固定ハウジング2は、端子4を保護する保護壁26を有する。保護壁26は、一対の幅方向部23のそれぞれに形成される。保護壁26は、端子4の中間部43に対して幅方向外側に位置する側壁26Aと、側壁26Aの上端から幅方向内側へ延びる天壁26Bと、を有する。天壁26Bは、中間部43の第一曲部43Aを上方向から覆う。また、保護壁26は、当該保護壁26の延在方向(コネクタ前後方向)の両端部に形成された補強部26Cを有する。補強部26Cは、保護壁26の延在方向の両端部において、天壁26Bと側壁26Aとを接続するように形成される。補強部26Cは、下方向に対して幅方向内側に傾いた方向を向く面26C1を有し、この面26C1は、側壁26Aの幅方向内側面と天壁26Bの幅方向内側面とを接続する。
保護壁26の延在方向である前後方向の寸法は、一対の前後方向部22同士の間の寸法よりも小さい。これにより、幅方向部23は、保護壁26が形成された中央部23Cと、中央部23Cよりも低く形成された外側部23Sと、から構成される。幅方向部23の外側部23Sの高さは、前後方向部22の高さと同一とされる。
固定ハウジング2は、複数の端子4の基板固定部41(テール部)を保護するテール保護部27を有する。
テール保護部27は、固定ハウジング2の四隅に形成される。テール保護部27は、幅方向部23の幅方向外側の面に対し、幅方向外側へ突出している。テール保護部27の前後方向外側面27Aは、前後方向部22の前後方向外側の面と同一平面を成す。前後方向一方側のテール保護部27と前後方向他方側のテール保護部27との間に、複数の端子4の基板固定部41(テール部)が配置される(図3参照)。つまり、テール保護部27は、基板固定部41よりも幅方向外側に突出している。
≪可動ハウジング≫
可動ハウジング3のうち、後述する突出ガイド部35、前後突出部36及び幅方向凸部37を除いた部分を本体部3Aということがある。つまり、可動ハウジング3は、本体部3Aと、前後一対の突出ガイド部35と、前後一対の前後突出部36と、幅方向一対の幅方向凸部37と、から構成される。
本体部3Aは、略直方体形状とされ、法線方向を前後方向外側に向けた前後方向外側面3A1と、法線方向を幅方向外側に向けた幅方向外側面3A2と、を有する。また、本体部3Aは、前後方向外側面3A1と幅方向外側面3A2とを斜めに接続する接続面3A3を有する。前後方向外側面3A1、幅方向外側面3A2及び接続面3A3は、それぞれ、本体部3Aの上下方向全体に亘って同一平面を成す。
可動ハウジング3には、上方に向けて開口され、相手コネクタが上方から挿入される挿入空間31が形成される。可動ハウジング3に挿入空間31が形成されることで、挿入空間31を挟んで前後方向で対向する一対の前後方向壁32と、挿入空間31を挟んで幅方向で対向する一対の幅方向壁33と、が可動ハウジング3に形成される。
以下、可動ハウジング3のうち挿入空間31が形成されている部分を上部3Uといい、挿入空間31が形成されていない部分(換言すると、挿入空間31の底面31C(図2参照)よりも下側の部分)を下部3Lということがある。
可動ハウジング3は、端子4の一部(可動側被保持部44、先端弾性部45、接触部46)が配置される端子配置部34を有する。
端子配置部34は、幅方向壁33の幅方向内側面に形成された端子配置溝34Bと、可動ハウジング3の下部3Lに形成された上下方向に延びる端子配置孔34Aと、から構成される。端子配置孔34Aには、端子4の可動側被保持部44が圧入保持された状態で配置され、端子配置溝34Bには、端子4の先端弾性部45及び接触部46が配置される。
可動ハウジング3は、上方へ突出する突出ガイド部35を有する。
突出ガイド部35は、前後に一対形成される。突出ガイド部35は、挿入空間31に対して前後方向外側の位置に形成され、挿入空間31と前後方向で重なる位置には形成されない。一方、突出ガイド部35は、挿入空間31と幅方向で重なる位置だけでなく、挿入空間31に対して幅方向外側の位置にまで形成されている。突出ガイド部35の幅寸法は、一対の幅方向壁33の幅方向外側の面同士の距離と一致する。
突出ガイド部35は、上方を向く天面35Aと、可動ハウジング3の側面(上下方向に延びる面)と接続される傾斜面35Bと、を有する。突出ガイド部35は、相手コネクタとの嵌合をガイドするように機能する。
可動ハウジング3は、当該可動ハウジング3の上方向の移動範囲を規制するための前後突出部36を有する。
前後突出部36は、可動ハウジング3の下部3Lに形成される。前後突出部36は、可動ハウジング3の前後方向外側の面3A1よりも前後方向外側に向けて突出する。前後突出部36は、固定ハウジング2の拘束部24に配置される。
可動ハウジング3は、端子4の中間部43に近づく方向である幅方向外側に突出形成された幅方向凸部37を有する。
幅方向凸部37は、可動ハウジング3の幅方向外側の面3A2から、幅方向外側に突出する。幅方向凸部37が端子4の中間部43に近づくように突出することで、幅方向凸部37は、端子4の中間部43のインピーダンスを下げるように機能する。
幅方向凸部37は、端子4の中間部43と対向する対向面37Aを有する。対向面37Aは、法線方向を幅方向外側に向けた面である上部37A1と、法線方向を幅方向外側に対し若干下側に傾いた方向に向けた面である下部37A2と、から構成される。これにより、幅方向凸部37の上部の突出量(幅方向外側への突出量)は、上下方向において一定であり、幅方向凸部37の下部の突出量は、下方に向かうに従い次第に小さくなる。幅方向凸部37の幅方向外側には、端子4の中間部43の直線部43Bが位置する。
図3に示すように、幅方向凸部37は、配列方向である前後方向に並んだ複数(図では4つ)の中間部43のうち端の中間部43を除いた一又は複数(図では2つ)の中間部43と配列方向で重なる範囲に形成される。これにより、配列方向中央側の一又は複数(図では2つ)の端子4において、中間部43のインピーダンスが幅方向凸部37によって低下する。このため、少なくとも配列方向の端の2つの端子4は、電源用端子や接地用端子として用いることが好ましい。
可動ハウジング3の上下寸法は、固定ハウジング2の上下寸法よりも大きい。これにより、可動ハウジング3の上方の一部は、固定ハウジング2に対して上方に突出して配置される。
≪被覆部材≫
図3に示すように、被覆部材5は、固定ハウジング2の内側かつ可動ハウジング3の外側の空間を埋める。これにより、被覆部材5は、固定ハウジング2の前後方向部22及び幅方向部23の内側の面に接すると共に、可動ハウジング3の側面3A1,3A2,3A3に接する。更に、図2に示すように、被覆部材5は、保護壁26の天壁26Bの下面26B1、天壁26Bの内側面26B2にも接する。
被覆部材5は、端子4の中間部43のうち第一曲部43A及び直線部43Bを覆うが、中間部43のうち第二曲部43Cは覆わない。また、被覆部材5は、端子4の固定側被保持部42を覆う。
〔作用効果〕
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、コネクタ1は、固定ハウジング2と、可動ハウジング3と、複数の端子4と、を備える。複数の端子4の各々は、固定ハウジング2に保持される固定側被保持部42と、可動ハウジング3に保持される可動側被保持部44と、固定側被保持部42と可動側被保持部44との間に位置する中間部43と、を有する。端子4の中間部43が変形することで、可動ハウジング3は、固定ハウジング2に対して移動可能となる。
更に、本実施形態では、中間部43が空気と比べて比誘電率の高い被覆部材5で覆われるので、中間部43が空気と接している態様と比べて、中間部43のうち被覆部材5で覆われた部分におけるインピーダンスを低くすることができる。更に、被覆部材5がゲルで形成されるので、被覆部材5がゲルよりも固い部材(例えば、シリコーンゴム又はフッ素ゴム)である態様と比べて、中間部43の変位又は変形が阻害されにくい。
以上より、上記態様によれば、可動力の上昇を抑えつつ中間部43のインピーダンスを低くすることができる。
なお、被覆部材5は、振動(共振)のエネルギーを消散させて振動の振幅を低減するダンパー(振動低減手段)としても機能する。その結果、中間部43の破断を抑制できる。
また、本実施形態では、複数の端子4の隣り合う中間部43同士の間が被覆部材5で埋まるので、隣り合う中間部43同士の間に空気が存在する態様(例えば、特開2010-212020号公報参照)と比べて、中間部43におけるインピーダンスを低くすることができる。
また、本実施形態では、固定ハウジング2は、中間部43が収容される中間部配置空間を形成すると共に下方を向く天井面26B1を備える。そして、被覆部材5は、天井面26B1に接している。このため、天井面26B1と被覆部材5との間に接着力が多少なりとも発揮され、中間部配置空間に被覆部材5が保持されやすい。
なお、上記実施形態では、中間部配置空間を形成すると共に下方を向く天井面26B1を固定ハウジング2が有する例を説明したが、可動ハウジング3が天井面を有してもよい。
また、本実施形態では、第一曲部43Aと直線部43Bとを含む中間部43のうち、第一曲部43Aと直線部43Bの両方が被覆部材5で覆われるので、例えば直線部43Bが覆われない態様と異なり、広範囲でインピーダンスを低下させることができる。
また、本実施形態では、可動ハウジング3の「非拘束部」としての前後突出部36と、固定ハウジング2の拘束部24(凹部)との上下方向の空間には、被覆部材5が配置されない。このため、当該空間に被覆部材5が配置される態様と比較して、上下方向の可動力の上昇を抑えることができる。
また、本実施形態では、被覆部材5は、天壁26Bと可動ハウジング3とが幅方向に対向している部分にも配置される。このため、天壁26Bと可動ハウジング3とが直接当接することが防止される。
次に、被覆部材5について説明する。
被覆部材5は、基材と、基材中に分散した分散体であって、基材よりも比誘電率が高い分散体と、を含んでもよい。この場合、被覆部材5が分散体を含まない態様と比べて、被覆部材5の比誘電率を高めることができる。
分散体としては、樹脂、セラミックス、ガラス、セメント等が挙げられる。樹脂としては、ナイロン、LCP(液晶ポリマー)等が挙げられる。
例えば、基材に分散体を加え、事前攪拌及び真空脱泡し、その後すぐに治具6に取り付けた仕掛品1Aの所定箇所に流し込んで硬化させることで、上述の被覆部材5を形成することができる。
また、分散体はセラミックスであってもよい。
セラミックスは全般的に比誘電率が高いので、分散体を多量に用いなくても、中間部43のインピーダンスを充分に下げることができる。そのため、分散体の量を抑えることができるので、分散体によって被覆部材5が固くなることを抑制できる。
なお、セラミックスとしては、チタン酸バリウムのような極端に比誘電率が高いセラミックスではなく、アルミナ、酸化マグネシウム、ジルコニア、酸化チタンなどが好ましい。
また、分散体は、酸化チタンであることが好ましい。
酸化チタンは、温度が変化しても比誘電率の変化が小さいので、コネクタ使用中の温度変化による被覆部材5の比誘電率の変化を抑制できる。
また、分散体は、比誘電率が10~200の物質であることが好ましい。
分散体の比誘電率が10以上であると、10未満である態様と比べて、分散体の添加量が多量になって被覆部材が固くなることが抑制される。分散体の比誘電率が200以下であると、200を超える場合と比べて、添加量のばらつきによる被覆部材の比誘電率の変化量を抑制できる。
ところで、仮に、基材が熱硬化性であると、分散体を基材に含ませて攪拌するときの摩擦熱等によって、基材が硬化を始めてしまう恐れがある。
そこで、基材は、熱硬化性でないことが好ましい。この場合、基材を攪拌させることで充分に分散体を分散させることができる上、基材の流動性を保つことができるから中間部を効率よく被覆部材に覆わせることができる。
また、被覆部材5は、分散体が分散した基材に、分散体を含んだ硬化剤を混合することで形成されてもよい。
この場合、硬化剤を加える前に基材中に分散体を分散させることができ、更に、加える硬化剤にも分散体が含まれているので、被覆部材中に分散体を十分に分散させることができる。
例えば、以下の手順により行ってもよい。
1.主剤(基材)に分散体を加え、事前攪拌する。
2.硬化剤にも分散体を加え、事前攪拌する。
3.主剤と硬化剤を混合して攪拌する。
4.真空脱泡する。
5.攪拌及び真空脱泡後すぐに、治具6に取り付けた仕掛品1Aの所定箇所に流し込む。
基材としては、シリコーンゲル(例えば、信越化学工業社製KE-1056)、フッ素シリコーンゲル(信越化学工業社製FE-73)、RTVゴム(例えば、東レ・ダウコーニング社製SE9187L)が挙げられる。
基材は、硬化後の硬さが小さいことが好ましい。硬化後の硬さが小さい基材を用いることで、被覆部材5に覆われた中間部43が変位又は変形しやすくなり、被覆部材5による可動力の上昇を抑えることができる。
硬化後の硬さ(針入度 1/4コーン)としては、60以上が好ましい。硬化後の硬さの測定方法は、以下である。
ちょう度試験法:JIS K 2220、1/4コーン
総荷重9.38g
分散体は、硬化前の基材に加えたときに基材の流動性を充分に確保できる形状が好ましく、例えば、粉状、ウィスカーやファイバーのような針状である。
≪第二の観点:簡易な製造方法≫
次に、本実施形態の作用効果について、製造方法の観点から説明する。
本実施形態では、コネクタ1の製造方法は、硬化前の被覆部材5を注入する注入工程と、注入された被覆部材5を硬化させる硬化工程と、を含む。
注入工程では、仕掛品1Aが有する中間部配置空間に、硬化前の被覆部材5を注入する。仕掛品1Aは、固定ハウジング2、可動ハウジング3及び少なくとも一つの端子4を備えると共に被覆部材5を備えない。仕掛品1Aが有する中間部配置空間には中間部43が配置されている。
硬化工程では、中間部配置空間に注入された被覆部材5を硬化させる。
本実施形態によれば、特許文献1記載の製造方法と異なり、端子を予め金型に配置して被覆部材を一体成形する必要がない。よって、製造方法が簡易になる。
なお、被覆部材5は、ゲルで形成される必要はなく、例えばRTVゴムで形成されてもよい。
被覆部材5をRTVゴムなどのゴムで形成する場合は、図9に示すようなコネクタ7としてもよい。コネクタ7では、被覆部材5に凹部51,52が形成される。
凹部51,52は、下側に開放される下側凹部51と、上側に開放される上側凹部52と、を含む。凹部51,52が形成されることで、被覆部材5としてのゴムによる可動力の上昇を抑制することができる。
なお、下側凹部51は、例えば、治具6の取付凹部61にコネクタ1A(仕掛品)を取り付けた後に、ブレード状の治具を配置することで形成できる。また、上側凹部52は、例えば、治具6の取付凹部61の内部に凸形状の挿入部を形成し、当該挿入部を可動ハウジング3と固定ハウジング2との間の空間に挿入することで形成できる。
また、本実施形態では、製造方法は、治具取付工程を更に含む。治具取付工程は、注入工程の前に、仕掛品1Aを治具6に取り付けることで、固定ハウジング2と可動ハウジング3との間に形成された隙間を治具によって塞ぐ工程である。
このため、固定ハウジング2と可動ハウジング3との間の隙間から被覆部材5が漏れることが防止され、注入工程及び硬化工程が容易となる。
また、本実施形態では、固定ハウジング2は、中間部43が収容される中間部配置空間を形成すると共に下方を向く天井面26B1を備える。そして、注入工程では、仕掛品1Aの下側から被覆部材5を注入する。
このため、天井面26B1を備える仕掛品1Aにおいて、中間部配置空間に被覆部材5をスムーズに充填することができる。
また、本実施形態では、被覆部材5は、分散体が分散した基材に、分散体を含んだ硬化剤を混合することで形成される。
このため、硬化剤を加える前に基材中に分散体を分散させることができ、更に、加える硬化剤にも分散体が含まれているので、被覆部材5中に分散体を十分に分散させることができる。
≪治具≫
本実施形態では、治具6は、仕掛品1Aを取付可能に構成された取付凹部61を備える。取付凹部61は、固定ハウジング2と可動ハウジング3との間に形成された隙間を塞ぐと共に、仕掛品1Aが有する中間部配置空間に硬化前の被覆部材5を注入可能に仕掛品1Aを保持するように構成される。このため、治具6に仕掛品1Aを取り付けることで、注入工程を容易に行うことができる。
なお、治具6は、隙間を確実に塞ぐ観点から、ゴム製であることが好ましい。
≪可動ハウジング3のインピーダンス調整部≫
次に、本実施形態の作用効果について、他の観点から説明する。なお、この観点によれば、コネクタ1は、被覆部材5を備えていても備えていなくてもよい。
本実施形態では、端子4の中間部43は、嵌合方向である上下方向に対して傾斜した直線部43Bを有する。このため、中間部43の直線部43Bが上下方向に対して傾斜していない態様と比較して、伝送経路が短縮され、高速伝送に適する。
更に、可動ハウジング3は、この傾斜した直線部43Bに対向する対向面37Aを有し、対向面37Aは、嵌合方向である上下方向に対し、直線部43Bを同じ方向に傾斜した傾斜対向面37A2を有する。このため、対向面37Aが傾斜した傾斜対向面37A2を有しない態様と比較して、直線部43Bと対向面37Aとの距離を一定に近づけることができる。
また、本実施形態では、中間部43の直線部43Bと、傾斜対向面37A2との距離(嵌合方向に直交する方向の距離)は、上方に進むに従い大きくなるように形成される。このため、端子4における直線部43Bよりも下側部分を起点として直線部43Bが回転するような変位をする場合や可動ハウジング3が上下方向に対してコネクタ幅方向に傾く場合でも、直線部43Bと対向面37Aとの接触を抑制することができる。
また、本実施形態では、対向面37Aは、可動ハウジング3の他の一般面3A2に対して、中間部43に近づくように突出して形成される。このため、一般面3A2の有する機能を保ったまま、端子4のインピーダンスを調整することができる。
特に、本実施形態では、可動ハウジング3の一般面3A2が、保護壁26の天壁26Bと幅方向で対向しているので、可動ハウジング3の幅方向の可動域を確保できる。
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上記実施形態では、第一ハウジングが固定ハウジングであり、第二ハウジングが可動ハウジングである例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、第一ハウジング及び第二ハウジングが共に基板に対して移動可能であってもよい。
また、上記実施形態では、コネクタ1が複数の端子4を備える例を説明したが、本開示はこれに限定されない。コネクタが備える端子は一つであってもよい。
また、上記実施形態では、可動ハウジング3が、固定ハウジング2に対して上方へ突出する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、可動ハウジング3の上下寸法が小さく、可動ハウジング3が固定ハウジング2から突出しなくてもよい。
また、上記実施形態では、コネクタ1がソケットである例を説明したが、本開示はこれに限定されない。コネクタは、プラグであってもよい。
また、上記実施形態では、固定ハウジング2が枠状である例を説明したが、本開示はこれに限定されない。
また、上記実施形態では、端子に対するハウジングの保持が、圧入による保持である例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、インサート成形によって、端子がハウジングに保持されてもよい。
また、上記実施形態では、固定ハウジング2と可動ハウジング3とが当接することで、固定ハウジング2に対する可動ハウジング3の上方向の移動範囲が制限されるコネクタ1を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、可動ハウジング3は、前後突出部36を有しなくてもよい。
また、上記実施形態では、中間部配置空間が、可動ハウジング3の外側であって固定ハウジング2の内側の空間である例を説明したが、本開示はこれに限定されない。
また、上記実施形態では、治具6の取付凹部61が、仕掛品1Aの上側(コネクタ上側)が下方向を向くような状態で嵌め込まれるように構成された例を説明したが、本開示はこれに限定されない。
また、上記実施形態では、中間部43が有する第一曲部43A、直線部43B及び第二曲部43Cのうち、第二曲部43Cが被覆部材5に覆われない例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、第一曲部43A、直線部43B及び第二曲部43Cの全体が被覆部材5に覆われることで、固定ハウジング2と可動ハウジング3の何れからも露出した部分(露出部)の全体が被覆部材5で覆われてもよい。この場合、露出部の全体でインピーダンスを低くすることができる。
また、上記実施形態では、図3に示すように、幅方向凸部37が、配列方向である前後方向に並んだ複数(図では4つ)の中間部43のうち端の中間部43を除いた一又は複数(図では2つ)の中間部43と配列方向で重なる範囲に形成される例を説明したが、本開示はこれに限定されない。
図示は省略するが、配列方向に並んだ複数(図では4つ)の中間部43のうち、全ての中間部43と配列方向で重なる範囲に幅方向凸部37が形成されてもよい。
ところで、可動ハウジング3が固定ハウジング2に対して配列方向(前後方向)に変位した状態では、端子4の中間部43(特に直線部43B)に対する可動ハウジング3の配列方向の位置も変化する。そのため、仮に複数の中間部43のうち全ての中間部43と配列方向で重なる範囲に幅方向凸部37を形成した態様でも、固定ハウジング2に対する可動ハウジング3の配列方向(前後方向)の変位量によっては、端の中間部43が幅方向凸部37に対向しない状態となり、端の端子4においてインピーダンス調整の効果を発揮できない恐れがある。
そこで、図10に示すように、幅方向凸部37は、全ての中間部43と配列方向で重なる範囲(L1)よりも、更に余裕を持った範囲(L2)に形成されてもよい。図10では、複数の中間部43が配置される配列方向の範囲L1に対し、幅方向凸部37が形成された範囲L2は、一つの中間部43の配列方向寸法(幅拡大部43B1の配列方向寸法)以上の余裕をもって形成されている(L2-L1>2w、なおwは中間部43の配列方向寸法)。
また、上記実施形態では、図2に示すように、被覆部材5が、天壁26Bと可動ハウジング3とが幅方向に対向している部分(空間)にも配置される例を説明したが、被覆部材5が、天壁26Bと可動ハウジング3とが幅方向に対向している部分(空間)に配置されなくてもよい(例えば図9参照)。この場合、当該空間に被覆部材5が配置される態様と比較して、可動力(特に幅方向の可動力)の上昇を抑えることができる。
1 コネクタ
1A 仕掛品(被覆部材を備えないコネクタ)
2 固定ハウジング(第一ハウジング)
21 内部空間
22 前後方向部
23 幅方向部
26 保護壁
26A 側壁
26B 天壁
26B1 下面(天井面)
3 可動ハウジング(第二ハウジング)
3A2 幅方向外側面(可動ハウジングの一般面)
31 挿入空間
31C 挿入空間の底面
32 前後方向壁
33 幅方向壁
34 端子配置部
34A 端子配置孔
34B 端子配置溝
35 突出ガイド部
36 前後突出部(被拘束部)
37 幅方向凸部(インピーダンス調整部)
37A 対向面
37A1 上部
37A2 下部(傾斜対向面)
4 端子
42 固定側被保持部(第一側被保持部)
43 中間部
43A 第一曲部(曲部)
43B 直線部
43C 第二曲部(曲部)
44 可動側被保持部(第二側被保持部)
5 被覆部材
6 治具
61 取付凹部

Claims (11)

  1. 第一ハウジングと、
    前記第一ハウジングに対して移動可能な第二ハウジングと、
    前記第一ハウジングに保持される第一側被保持部と、前記第二ハウジングに保持される第二側被保持部と、前記第一側被保持部と前記第二側被保持部との間に位置する中間部と、を有する少なくとも一つの端子と、
    前記中間部を覆うと共にゲルで形成された被覆部材と、
    を備えるコネクタ。
  2. 前記少なくとも一つの端子は、それぞれの端子が有する前記中間部が配列方向に並んで配置された複数の端子を含み、
    前記複数の端子の隣り合う前記中間部の間は、前記被覆部材で埋まっている、
    請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記第一ハウジング又は前記第二ハウジングは、前記中間部が配置される中間部配置空間を形成すると共に下方を向く天井面を備え、
    前記被覆部材は、前記天井面に接している、
    請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記中間部は、前記第一ハウジングと前記第二ハウジングの何れからも露出した露出部を含み、
    前記露出部の全体が前記被覆部材で覆われる、
    請求項1~請求項3の何れか一項に記載のコネクタ。
  5. 前記中間部は、曲部と、前記曲部と接続された直線部と、を含み、
    前記被覆部材は、前記曲部と前記直線部との両方を覆う、
    請求項1~請求項4の何れか一項に記載のコネクタ。
  6. 前記被覆部材は、
    ゲル状の基材と、
    前記基材中に分散した分散体であって、前記基材よりも比誘電率が高い前記分散体と、を含む、
    請求項1~請求項5の何れか一項に記載のコネクタ。
  7. 前記分散体は、セラミックスである、
    請求項6に記載のコネクタ。
  8. 前記分散体は、酸化チタンである、
    請求項6に記載のコネクタ。
  9. 前記分散体は、比誘電率が10~200の物質である、
    請求項6に記載のコネクタ。
  10. 前記基材は、熱硬化性でない、
    請求項6~請求項9の何れか一項に記載のコネクタ。
  11. 前記被覆部材は、
    前記分散体が分散した前記基材に、前記分散体を含んだ硬化剤を混合することで形成される、
    請求項6~請求項10の何れか一項に記載のコネクタ。
JP2019220709A 2019-12-05 2019-12-05 コネクタ Active JP7296866B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019220709A JP7296866B2 (ja) 2019-12-05 2019-12-05 コネクタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019220709A JP7296866B2 (ja) 2019-12-05 2019-12-05 コネクタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021089872A JP2021089872A (ja) 2021-06-10
JP7296866B2 true JP7296866B2 (ja) 2023-06-23

Family

ID=76220721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019220709A Active JP7296866B2 (ja) 2019-12-05 2019-12-05 コネクタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7296866B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513476A (ja) 2003-12-05 2007-05-24 モレックス インコーポレーテッド 封止応用例のための平形ケーブル・コネクタ
JP2010212020A (ja) 2009-03-09 2010-09-24 Iriso Electronics Co Ltd コネクタ
JP2014222576A (ja) 2013-05-13 2014-11-27 ヒロセ電機株式会社 コネクタ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513476A (ja) 2003-12-05 2007-05-24 モレックス インコーポレーテッド 封止応用例のための平形ケーブル・コネクタ
JP2010212020A (ja) 2009-03-09 2010-09-24 Iriso Electronics Co Ltd コネクタ
JP2014222576A (ja) 2013-05-13 2014-11-27 ヒロセ電機株式会社 コネクタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021089872A (ja) 2021-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108604748B (zh) 浮动连接器装置
JP7161463B2 (ja) 電気コネクタ及びその製造方法
US10734741B2 (en) Connector
US20060141819A1 (en) Electrical connector with provisions to reduce thermally-induced stresses
JP2002008753A (ja) コネクタ
KR20170127996A (ko) 기판 커넥터
JP7296867B2 (ja) コネクタの製造方法及びこれに用いる治具
TW201926823A (zh) 連接器用端子以及連接器
JP2018195415A (ja) 端子台
JP7413497B2 (ja) 基板接続コネクタ向けの端子、コネクタ及びコネクタ製造方法
JP7296866B2 (ja) コネクタ
CN111129872B (zh) 电连接器以及电子器件
US6835074B2 (en) Jig for press-fitting terminals and a press-fitting apparatus
KR20040080996A (ko) 전기 커넥터
KR102055773B1 (ko) 스프링 콘택트 및 스프링 콘택트 내장 소켓
JP7398496B2 (ja) 基板対基板コネクタ用プラグコネクタおよびこれを含むコネクタ組立体
KR101001889B1 (ko) 기판 연결용 커넥터 조립체
KR20190106810A (ko) 탄성 프레스―온 요소들을 갖는 전기 플러그
CN114122771A (zh) 电连接器以及其制造方法
JP7245943B2 (ja) 基板対基板コネクタ用プラグコネクタおよびこれを含むコネクタ組立体
KR102632070B1 (ko) 기판 대 기판 커넥터용 플러그 커넥터 및 이를 포함하는 커넥터 조립체
JP7360920B2 (ja) コネクタ
JP2018116825A (ja) コネクタ
JP2024045563A (ja) コネクタ対
CN116960671A (zh) 连接器壳体以及连接器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7296866

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150