JP7296231B2 - 検出システム、プログラム、検出方法、及び情報処理装置 - Google Patents

検出システム、プログラム、検出方法、及び情報処理装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、検出システム、プログラム、検出方法、及び情報処理装置に関する。
近年、人物の位置を検出するための種々のシステムが開発されている。例えば、人物が保持するタグから送信された信号の受信電波強度に基づき人物の位置を検出するシステムや、特許文献1のようにGPSを用いるシステムが知られている。
特開2007-233816号公報
受信電波強度やGPSを用いるシステムは、例えば、対象人物がいずれの部屋に在室しているかを検出する場合、対象人物の位置を誤認識する虞がある。例えば、GPSを利用するシステムでは、測位誤差による誤認識が生じる虞がある。また、受信電波強度を利用するシステムでは、対象人物が壁の近傍に居る場合、電波が部屋の壁を通過することで、当該対象人物が隣室に在室していると誤認識される虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、送信装置が存在する場所を正しく検出することが可能な検出システム、プログラム、検出方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る検出システムは、気体中に存在する匂いの原因物質の量を検出する少なくとも一つの第1の検出素子を含むセンシング部と、前記センシング部の検出結果に基づき得られる第1の匂い情報を無線送信する無線送信部と、を有する送信装置と、前記送信装置から無線送信された前記第1の匂い情報を受信する受信装置と、前記受信装置により受信された前記第1の匂い情報と、互いに仕切られるとともに匂いが互いに異なる複数の場所のそれぞれに関連付けられた複数の第2の匂い情報と、に基づき、前記送信装置が存在する前記場所を判定する判定部と、を備える。
本発明によれば、例えば、送信装置が存在する場所を正しく検出することができる。
図1は、第1の実施形態に係る位置検出システムを概略的に示す図である。 図2は、第1の実施形態の位置検出システムの構成を概略的に示すブロック図である。 図3は、第1の実施形態の匂い発生装置の匂い発生処理の一例を概略的に示すフローチャートである。 図4は、第1の実施形態のタグの構成を概略的に示すブロック図である。 図5は、第1の実施形態のタグの匂い情報送信処理の一例を概略的に示すフローチャートである。 図6は、第1の実施形態のゲートウェイのプロトコル変換処理の一例を概略的に示すフローチャートである。 図7は、第1の実施形態のクラウドサーバによる位置判定処理の一例を概略的に示すフローチャートである。 図8は、第1の実施形態の情報記憶部に記録された部屋匂いデータの一例を概略的に示す図である。 図9は、第1の実施形態の部屋判定処理及び登録処理の一例を模式的に示す図である。 図10は、第1の実施形態のクラウドサーバ及び検索装置による情報送信タイミングの一例を示すシーケンス図である。 図11は、第2の実施形態に係る位置検出システムの構成を概略的に示すブロック図である。 図12は、第2の実施形態のゲートウェイの構成を概略的に示すブロック図である。 図13は、第2の実施形態のゲートウェイの匂い情報送信処理の一例を概略的に示すフローチャートである。 図14は、第2の実施形態のクラウドサーバによる部屋匂いデータの更新処理の一例を概略的に示すフローチャートである。 図15は、第3の実施形態に係るタグの匂い情報送信処理の一例を概略的に示すフローチャートである。 図16は、情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図10を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称で特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によって説明され得る。
図1は、第1の実施形態に係る位置検出システム10を概略的に示す図である。図2は、第1の実施形態の位置検出システム10の構成を概略的に示すブロック図である。図1及び図2に示すように、位置検出システム10は、複数の匂い発生装置11と、複数のタグ12と、複数のゲートウェイ13と、アクセスポイント14と、クラウドサーバ15と、検索装置16とを備える。タグ12は、送信装置の一例である。ゲートウェイ13は、受信装置の一例である。
以下、匂い発生装置11について説明する。互いに仕切られた複数の部屋18のそれぞれに、匂い発生装置11が配置される。部屋18は、場所の一例である。部屋18は、建物の中の部屋のような、閉鎖可能な場所である。これらの場所は、例えば、壁、床、及び天井が設けられることで、他の場所との間で匂いの移動が制限される。なお、これらの場所は、例えば、ドア、窓、通気口により、外部との間で匂いの移動が生じ得る。なお、場所は、部屋18に限らず、例えば、廊下、玄関、広間、又はパーティションにより仕切られた空間のような、種々の場所であっても良い。
匂い発生装置11は、例えば、配置された部屋18に匂いの原因物質を噴霧して、当該部屋18で匂いを発生させる。匂いの原因物質は、例えば、フラネオール、1-ヘキサノール、メントール、シトラール、ネラール、バニリン、酢酸ヘキシル、3-メチル-2-ヘキセン酸、ビニルケトン類、脂肪酸、ノネナール、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、スチレン、キシレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、及びイソ吉草酸のような、種々の物質である。なお、匂いの原因物質は、上記の例に限られない。
例えば、匂い発生装置11は、配置された部屋18で芳香剤を噴霧し、当該部屋18に匂いを充満させる。芳香剤は、例えば、フローラル系の芳香剤、シャボン系の芳香剤、柑橘系の芳香剤、ハーブ系の芳香剤、又は樹木系の芳香剤であり、上記のような匂いの原因物質を含んでいる。なお、匂い発生装置11が発生させる匂いは、人間には明確に感知し難いが他の動物には感知可能な匂いであっても良い。
複数の匂い発生装置11は、互いに異なる匂いを発生させる。このため、複数の部屋18の匂いは、複数の匂い発生装置11によって互いに異なるように設定される。なお、一つの部屋18に複数の匂い発生装置11が配置される場合、当該複数の匂い発生装置11が同じ匂いを発生させても良い。
配置された部屋18で匂い発生装置11が発生させる匂いは、例えば、当該部屋18に特有の匂いとして設定され、変更されない。すなわち、匂い発生装置11の芳香剤の種類は、当該匂い発生装置11(部屋18)によって決まっており、毎回同じ種類の芳香剤が補充される。なお、匂い発生装置11が発生させる匂いは変更されても良い。
図3は、第1の実施形態の匂い発生装置11の匂い発生処理の一例を概略的に示すフローチャートである。以下、匂い発生装置11による匂いの発生について、図3を参照して説明する。
まず、匂い発生装置11は、例えば芳香剤を噴霧して、当該匂い発生装置11が配置された部屋18で匂いを発生させる(S1)。次に、匂い発生装置11は、所定の時間が経過したか否かを判定する(S2)。匂い発生装置11は、所定の時間が経過していない場合(S2:No)、S2で待機する。一方、所定の時間が経過した場合(S2:Yes)、匂い発生装置11は、S1に戻って匂いを発生させる。
以上のように、匂い発生装置11は、配置された部屋に定期的に匂いを発生させる。このため、芳香剤の匂いが薄まって部屋18の匂いが変わることが抑制される。なお、匂い発生装置11はこの例に限らず、例えば、クラウドサーバ15から送信された指令信号や、ユーザの操作に応じて匂いを発生させても良い。
以下、タグ12について説明する。図1に示すように、タグ12は、対象者Pへ配布され、当該対象者Pに携帯される。対象者Pは、位置検出システム10による位置検出の対象となる人物である。タグ12は、対象者Pとともに移動する。例えば、対象者Pがある部屋18に入室すると、対象者Pが携帯するタグ12も当該部屋18へ移動する。
タグ12は、例えば、動物や物品に取り付けられても良い。これにより、位置検出システム10は、対象者Pに限らず、動物や物品を位置検出の対象とすることができる。以下の記載では、対象者Pがタグ12を携帯する場合について説明するが、タグ12が動物や物品に取り付けられる場合も同様であり、対象者Pを動物又は物品と読み替えれば良い。
図4は、第1の実施形態のタグ12の構成を概略的に示すブロック図である。タグ12はそれぞれ、匂いセンサ21と、制御部22と、処理部23と、通信部27とを有する。匂いセンサ21は、センシング部の一例である。通信部27は、無線送信部の一例である。タグ12は、例えば、温度センサ及び湿度センサをさらに有しても良い。
匂いセンサ21は、空気のような周囲の気体に含まれる微小物質の質量を検出可能なQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサである。なお、匂いセンサ21は、QCMセンサに限らず、半導体薄膜を用いたガスセンサ等の他の方式のセンサであっても良い。複数のタグ12は、同一の構成の匂いセンサ21を有するが、異なる構成を有する匂いセンサ21を有しても良い。
匂いセンサ21はそれぞれ、複数の検出素子31と、駆動検出回路32とを有する。検出素子31は、第1の検出素子の一例である。なお、匂いセンサ21は、一つの検出素子31のみを有しても良い。
検出素子31は、空気のような周囲の気体中に存在する匂いの原因物質の量を検出する。なお、検出素子31は、空気に限らず、周囲に存在する他の気体中に存在する匂いの原因物質の量を検出しても良い。検出素子31は、匂いの原因物質の量として、原因物質の質量を検出する。これに代えて、検出素子31は、原因物質の量として、原因物質の体積又は分子量を検出しても良い。
それぞれの匂いセンサ21における複数の検出素子31は、互いに異なる種類の素子である。すなわち、一つの匂いセンサ21に含まれるいずれか二つの検出素子31は、互いに異なる種類の匂いの原因物質の量を検出する。なお、一つの匂いセンサ21に含まれるいずれか二つの検出素子31が、同一の種類の匂いの原因物質の量を、異なる感度で検出しても良い。
一つの匂いセンサ21に含まれるいずれか二つの検出素子31は、互いに異なる種類の組み合わせの複数の匂いの原因物質の量を検出しても良い。また、一つの匂いセンサ21に含まれるいずれか二つの検出素子は、同一の種類の組み合わせの複数の匂いの原因物質の量を、異なる感度で検出しても良い。
それぞれの検出素子31は、圧電効果により振動可能にカットされた水晶振動子と、水晶振動子の両側の平面に設けられた二つの電極と、水晶振動子の平面の少なくとも一方に設けられた吸着膜とを含む。
水晶振動子は、振動可能に配置される。二つの電極は、駆動検出回路32から交流電圧が印加される。吸着膜は、周囲の空気中に存在する特定の原因物質を吸着する。複数の検出素子31のそれぞれは、互いに異なる物質を吸着する吸着膜を含む。具体的には、複数の検出素子31のそれぞれは、匂いセンサ21の検出対象となる原因物質を吸着する吸着膜を含む。
検出素子31は、二つの電極に共振周波数の交流電圧が印加されると、圧電効果により水晶振動子が振動する。水晶振動子の基本共振周波数は、質量及び粘弾性により定まる。従って、吸着膜に原因物質が吸着されて質量が変化した場合、検出素子31は、吸着した物質の質量の変化に応じて、基本共振周波数が変化する。
駆動検出回路32は、制御部22の制御に応じて、複数の検出素子31のそれぞれに交流電圧を印加して、複数の検出素子31のそれぞれの基本共振周波数の変化を検出する。これにより、駆動検出回路32は、複数の検出素子31のそれぞれ毎に、与えられた空気に含まれる匂いの原因物質の質量を検出することができる。駆動検出回路32は、複数の検出素子31のそれぞれが検出した原因物質の質量(空気中の匂い)を表す出力信号を、処理部23に与える。
制御部22は、タグ12の全体の動作を管理及び制御しており、例えば、匂いセンサ21、処理部23、及び通信部27の動作を管理及び制御する。なお、制御部22は、他の機能を実現する部分を管理及び制御しても良い。
処理部23は、匂いセンサ21から出力され、空気中の匂いを表す出力信号に基づき、空気中の匂いに関する匂い情報を生成する。例えば、処理部23は、時刻情報、又は基準時刻(例えば動作開始時)からクロック等をカウントして得られるカウント値を取得する。処理部23は、例えば、出力信号の経時的変化を示す波形から、出力信号が閾値を越えた開始タイミングと、開始タイミングから所定の時間が経過した終了タイミングとを設定する。処理部23は、開始タイミングと終了タイミングとの間における出力信号の波形に基づき、匂い情報を生成する。匂い情報は、例えば、匂いの種類(出力信号)毎の、特徴量、変化量、又は極大値及び極小値である。
開始タイミング、終了タイミング、及び匂い情報の生成方法は、上記の例に限られない。また、処理部23は、例えば、駆動検出回路32から出力され、空気中の匂いを表す出力信号を、タグ12の温度センサ及び湿度センサが検出した温度及び湿度に応じて補正しても良い。
処理部23は、デジタル処理回路により実現されても良いし、アナログ処理回路により実現されても良い。また、処理部23は、プログラムを実行するプロセッサ及びメモリにより実現されても良い。
通信部27は、処理部23が生成した匂い情報を無線送信する。通信部27は、種々の情報を無線送信及び受信しても良い。
図5は、第1の実施形態のタグ12の匂い情報送信処理の一例を概略的に示すフローチャートである。以下、タグ12による匂いの検出及び匂い情報の送信について、図5を参照して説明する。
まず、匂いセンサ21が、検出素子31により、空気中に存在する匂いの原因物質の量を検出する(S101)。次に、処理部23が匂いセンサ21の出力信号から匂い情報を生成する(S102)。
次に、通信部27は、最新の匂い情報と、タグ12に固有の番号(以下、タグIDと称する)とをブロードキャストでゲートウェイ13に無線送信する(S103)。
次に、制御部22が、タグ12を省電力モードに移行させる(S104)。省電力モードのタグ12では、例えば、匂いセンサ21による匂いの検出や、通信部27による通信が停止する。
次に、制御部22は、所定の時間が経過したか否かを判定する(S105)。例えば、制御部22は、三秒乃至三十秒が経過したか否かを判定する。所定の時間が経過していない場合(S105:No)、S105で待機する。一方、所定の時間が経過した場合(S105:Yes)、制御部22は、タグ12を通常モードに復帰させ(S106)、S101に戻って匂いセンサ21に匂いを検出させる。
以上のように、タグ12は、定期的に、各時刻における匂いセンサ21の検出結果に基づき匂い情報(以下、対象時匂いデータと称する)を得るとともに、当該対象時匂いデータ及びタグIDを無線送信する。対象時匂いデータは、第1の匂い情報の一例である。
また、タグ12は、例えば、当該タグ12を携帯する対象者Pに特有の匂い情報(体臭データ)を記憶する情報記憶部を有し、当該体臭データに基づき対象時匂いデータを補正しても良い。これにより、対象時匂いデータは、より正確に空気中の匂いを示すことができる。
以上、図4に示すタグ12による匂いの検出及び匂い情報の送信について説明したが、処理部23は、例えば、ゲートウェイ13、アクセスポイント14、及びクラウドサーバ15のいずれかに設けられても良いし、その機能を複数の機器又はシステムにより分散して実現されても良い。例えば、タグ12は、匂い情報を生成せず、匂いセンサ21の出力信号を通信部27からゲートウェイ13に無線送信しても良い。この場合、ゲートウェイ13、アクセスポイント14、及びクラウドサーバ15のいずれか又はこれらに分散して設けられた処理部23が匂い情報を生成する。また、この場合、出力信号が第1の匂い情報の一例である。
通信部27は、例えば、Bluetooth(登録商標) low energy(BLE)のような近距離無線通信を用いたネットワークにより、ゲートウェイ13と無線通信する。このような近距離無線通信を用いたネットワークは、無線PAN(Personal Area Network)とも称される。無線PANは、機器間の通信距離が例えば最大約10m~20mの通信網を形成し、3G若しくは4Gネットワークのようなモバイル通信のネットワーク、又は無線LAN(Local Area Network)と比べて、データを送受信することにより消費される電力が少ない。なお、タグ12とゲートウェイ13との通信は、この例に限られない。
以下、図1及び図2に示すゲートウェイ13について説明する。複数のゲートウェイ13は、複数の部屋18のそれぞれに配置される。すなわち、それぞれの部屋18に、少なくとも一つのゲートウェイ13が配置される。なお、位置検出システム10はこの例に限らず、少なくとも一つの部屋18にゲートウェイ13が配置され、他の部屋18にはゲートウェイ13が配置されなくても良い。
ゲートウェイ13は、BLEによりタグ12から信号を受信するとともに、当該信号をWLAN(Wireless LAN)のような他のプロトコルに変換してアクセスポイント14に送信する。すなわち、ゲートウェイ13は、タグ12から無線送信された対象時匂いデータを受信し、アクセスポイント14に転送する。
図6は、第1の実施形態のゲートウェイ13のプロトコル変換処理の一例を概略的に示すフローチャートである。以下、ゲートウェイ13によるプロトコル変換について、図6を参照して説明する。
まずゲートウェイ13は、タグ12の通信部27から無線送信された対象時匂いデータ及びタグIDを受信する(S201)。次に、ゲートウェイ13は、受信した情報のプロトコルを、BLEからWLANに変換する(S202)。そして、ゲートウェイ13は、プロトコル変換された対象時匂いデータ及びタグIDをアクセスポイント14に送信する(S203)。
タグ12の通信部27により無線送信される対象時匂いデータと、ゲートウェイ13により送信される対象時匂いデータとは、プロトコルが異なる。しかし、いずれの対象時匂いデータも、匂いセンサ21の検出結果に基づき得られ、匂いセンサ21が検出した匂いを表す情報である。すなわち、ゲートウェイ13から送信される対象時匂いデータも、第1の匂い情報の一例である。
タグ12の通信部27は、対象時匂いデータ及びタグIDをブロードキャストでゲートウェイ13に無線送信する。このため、複数のゲートウェイ13が、一つのタグ12の通信部27により無線送信された対象時匂いデータ及びタグIDを受信しても良い。また、対象者Pがある部屋18に在室する場合、対象者Pのタグ12の通信部27から無線送信された対象時匂いデータが、他の部屋18に配置されたゲートウェイ13に受信されても良い。
図1及び図2に示すアクセスポイント14は、WLANによりゲートウェイ13から信号を受信するとともに、当該信号を、ネットワークNを介してクラウドサーバ15に送信する。すなわち、ゲートウェイ13は、タグ12から無線送信された対象時匂いデータを、アクセスポイント14を介してクラウドサーバ15に送信する。
以下、クラウドサーバ15について説明する。クラウドサーバ15は、例えば、クラウドコンピューティングシステムのサーバであり、一つ又は複数のサーバにより構成される。図2に示すように、クラウドサーバ15は、対象時情報受信部51と、部屋判定部52と、登録部53と、情報記憶部54と、要求受信部61と、検索部62と、結果送信部63とを有する。対象時情報受信部51は、情報受信部の一例である。部屋判定部52は、判定部の一例である。
対象時情報受信部51は、アクセスポイント14を介して、ゲートウェイ13から対象時匂いデータ及びタグIDを受信する。別の表現によれば、対象時情報受信部51は、アクセスポイント14及びゲートウェイ13を介して、タグ12から無線送信された対象時匂いデータ及びタグIDを受信する。
部屋判定部52は、対象時匂いデータを用いて、当該対象時匂いデータを無線送信したタグ12が存在する場所を判定する。登録部53は、部屋判定部52の判定結果を情報記憶部54に書き込む。
要求受信部61は、検索装置16から検索対象(検索条件)の情報を受信する。検索部62は、当該検索対象の情報に基づき検索処理を行う。結果送信部63は、検索部62による検索結果を検索装置16に送信する。
図7は、第1の実施形態のクラウドサーバ15による位置判定処理の一例を概略的に示すフローチャートである。以下、クラウドサーバ15による位置判定について、図7を参照して説明する。
図7に示すように、まず、対象時情報受信部51が、アクセスポイント14を介して、ゲートウェイ13により受信されるとともに当該ゲートウェイ13により無線送信された対象時匂いデータ及びタグIDを受信する(S301)。
次に、部屋判定部52は、情報記憶部54から部屋匂いデータを読み出す(S302)。図8は、第1の実施形態の情報記憶部54に記録された部屋匂いデータの一例を概略的に示す図である。情報記憶部54に、図8に示すテーブルが予め格納されている。
図8に示すように、情報記憶部54に、複数の部屋匂いデータと、部屋18に固有の複数の番号(以下、部屋IDと称する)とが、関連付けて記録されている。言い換えると、複数の部屋匂いデータは、複数の部屋18のそれぞれに関連付けられている。部屋匂いデータは、第2の匂い情報の一例である。
部屋匂いデータは、対象時匂いデータと比較可能な匂い情報である。例えば、部屋匂いデータは、匂いセンサ21と同じ種類の匂いセンサにより出力され、対応する部屋18の空気中の匂いを表す出力信号に基づき生成された情報である。すなわち、部屋匂いデータは、関連付けられた部屋18の匂いを示す。なお、部屋匂いデータは、匂いセンサの出力信号から生成された情報に限らず、例えば既知の情報から算出された情報であっても良い。
本実施形態では、複数の部屋匂いデータのそれぞれは、当該部屋匂いデータが関連付けられた部屋18で、当該部屋18に配置された匂い発生装置11が発生させる匂いを示す。別の表現によれば、匂い発生装置11は、当該匂い発生装置11が配置された部屋18に関連付けられた部屋匂いデータが示す匂いを発生させる。
図7に戻ると、次に、部屋判定部52が、対象時匂いデータを無線送信したタグ12が存在する場所を判定する(S303)。次に、登録部53が、判定結果を情報記憶部54に書き込む(S304)。そして、S301に戻り、対象時情報受信部51が次の対象時匂いデータ及びタグIDを受信する。
図9は、第1の実施形態の部屋判定処理及び登録処理の一例を模式的に示す図である。図9の例を参照して、S303及びS304について具体的に説明する。図9に示すように、S303において、部屋判定部52は、タグIDαとともに対象時情報受信部51により受信された対象時匂いデータA´と、情報記憶部54に記録された複数の部屋匂いデータA,B…とを照合する。例えば、部屋判定部52は、対象時匂いデータA´と各部屋匂いデータとの差が、予め設定された閾値を上回るか否かを判定する。
図9の例では、対象時匂いデータA´と部屋匂いデータAとが近似し、対象時匂いデータA´と部屋匂いデータAとの差が閾値を下回る。当該部屋匂いデータAは、部屋IDaが割り当てられた部屋18と関連付けられている。このため、部屋判定部52は、タグIDαが割り当てられたタグ12が、部屋IDaが割り当てられた部屋18に存在したと判定する。
S304において、登録部53は、対象時匂いデータA´とともに対象時情報受信部51により受信されたタグIDαと、部屋匂いデータAと関連付けられた部屋IDaと、時刻と、を関連付けて情報記憶部54に記録する。時刻は、例えば、S303が処理された時間、対象時情報受信部51が対象時匂いデータA´を受信した時間、又は対象時匂いデータA´の開始タイミングである。
一方、S303において、対象時匂いデータA´と全ての部屋匂いデータとの差が閾値を上回った場合、部屋判定部52は、タグIDαが割り当てられたタグ12が、いずれの部屋18にも存在しなかったと判定する。S304において、登録部53は、タグIDαと、時刻と、タグ12がいずれの部屋にも存在しなかったことを示す情報(N/A)とを関連付けて情報記憶部54に記録する。
以上のクラウドサーバ15による位置判定処理において、部屋判定部52は、対象時匂いデータと、部屋匂いデータと、に基づき、タグ12が存在する部屋18を判定する。そして、判定結果としての、各時刻においてタグ12が存在した部屋18の情報(以下、在室情報と称する)が、クラウドサーバ15の情報記憶部54に蓄積される。すなわち、クラウドサーバ15の情報記憶部54に、各時刻におけるタグ12を携帯した対象者Pの位置情報が蓄積される。
以下、図1及び図2に示す検索装置16について説明する。検索装置16は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、又は他の端末装置である。検索装置16は、クラウドサーバ15にアクセスすることで、各時刻におけるタグ12を携帯した対象者Pの位置を検索することができる。
図10は、第1の実施形態のクラウドサーバ15及び検索装置16による情報送信タイミングの一例を示すシーケンス図である。以下、図10を参照して、位置検出システム10により、検索対象となる時刻に検索対象となる部屋18に在室した検索対象となる対象者Pを検索する方法について、具体的に説明する。
まず、検索装置16において、検索対象(検索条件)が設定される。検索対象には、少なくとも検索対象となる時刻が含まれる。さらに、検索対象には、検索対象となる対象者P(タグID)及び検索対象となる部屋18(部屋ID)のうち少なくとも一方が含まれる。例えば、入力デバイスから、検索装置16に検索対象が入力される。
次に、検索装置16は、検索対象の情報をクラウドサーバ15の要求受信部61に送信する。要求受信部61が検索対象の情報を受信すると、検索部62が、検索対象の情報と、情報記憶部54に記録された図9の在室情報とを照合する(S401)。
例えば、検索対象に対象者Pが含まれる場合、検索対象としてのタグID(対象者P)及び時刻と、在室情報とが照合される。在室情報に、検索対象に該当するタグID及び時刻が存在する場合、検索部62は、当該タグID及び時刻に関連付けられた部屋IDを結果送信部63に出力する。
一方、検索対象に部屋18が含まれる場合、検索対象としての部屋ID(部屋18)及び時刻と、在室情報と、が照合される。在室情報に、検索対象に該当する部屋ID及び時刻が存在する場合、検索部62は、当該部屋ID及び時刻に関連付けられたタグIDを結果送信部63に出力する。
次に、結果送信部63は、検索結果の情報を検索装置16に送信する。例えば、結果送信部63は、S401で検索部62により出力されたタグID(対象者P)及び部屋ID(部屋18)のうち少なくとも一方の情報を、検索装置16に送信する。S401で検索対象に該当したタグID(対象者P)及び部屋ID(部屋18)が無い場合、結果送信部63は、検索対象に該当する情報が存在しないことを示す情報(N/A)を、検索装置16に送信する。以上により、検索装置16は、検索対象となる時刻に検索対象となる部屋18に在室した検索対象となる対象者Pを検索することができる。
検索装置16は、検索結果を種々の形態で表示することが可能である。例えば、検索装置16は、S401で検索部62により出力されたタグID(対象者P)及び部屋ID(部屋18)のうち少なくとも一方の情報を、文章又は一覧表としてディスプレイ上に表示することができる。また、例えば、検索装置16は、S401で検索部62により出力されたタグID及び部屋IDのうち少なくとも一方の情報に基づき、ディスプレイ上に表示されたアプリケーションの地図における部屋18に、対象者Pを模式的に表示することができる。検索装置16は、定期的に全てのタグID又は部屋IDについて検索を行うことで、大よそリアルタイムで複数の対象者Pの位置を検出し、ディスプレイ上に表示しても良い。
以上説明された第1の実施形態に係る位置検出システム10において、タグ12は、匂いセンサ21と、当該匂いセンサ21の検出結果に基づき得られる対象時匂いデータを無線送信する通信部27と、を有する。部屋判定部52は、ゲートウェイ13により受信された対象時匂いデータと、互いに仕切られた複数の部屋18のそれぞれに関連付けられた複数の部屋匂いデータと、に基づき、タグ12が存在する部屋18を検出する。仕切られた部屋18のどの位置にタグ12が存在したとしても、対象時匂いデータは、当該部屋18に関連付けられた部屋匂いデータと一致又は近似する。従って、タグ12が存在する部屋18を正しく検出することが可能となる。
部屋判定部52は、対象時匂いデータと部屋匂いデータとに基づき、タグ12が存在する部屋18を検出する。このため、通信部27が無線送信した第1の匂い情報は、いずれのゲートウェイ13で受信されても良い。従って、全ての部屋18にゲートウェイ13を設置する必要が無く、コストを低減することができる。
複数の匂い発生装置11が、複数の部屋18のそれぞれに配置され、互いに異なる匂いを発生させる。部屋匂いデータのそれぞれは、当該部屋匂いデータに関連付けられた部屋18で、当該部屋18に配置された匂い発生装置11が発生させる匂いを示す。これにより、匂い発生装置11により、複数の部屋18の匂いを、互いに異なるよう調整することができる。従って、部屋18同士の匂いが似てしまうことによる誤認識を抑制でき、タグ12が存在する部屋18を正しく検出することが可能となる。
通信部27は、定期的に対象時匂いデータを無線送信する。これにより、一定の周期でタグ12が存在する部屋18を検出可能となり、タグ12が存在する部屋18を正しく検出することが可能となる。さらに、対象時匂いデータを無線送信する周期が定められるため、タグ12は、対象時匂いデータを無線送信してから次に対象時匂いデータを無線送信するまでの間に、省電力モードに移行することができる。従って、タグ12の電力消費量を低減し、タグ12の電池の駆動時間を長くすることができる。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図11乃至図14を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図11は、第2の実施形態に係る位置検出システム10の構成を概略的に示すブロック図である。図11に示すように、第2の実施形態では、クラウドサーバ15は、部屋情報受信部81と、更新部82とをさらに有する。更新部82は、部屋情報受信部81が受信した情報に基づき、情報記憶部54に記録された部屋匂いデータを更新する。
図12は、第2の実施形態のゲートウェイ13の構成を概略的に示すブロック図である。図12に示すように、第2の実施形態の複数のゲートウェイ13のそれぞれは、匂いセンサ91と、制御部92と、処理部93と、通信部94とを有する。匂いセンサ91は、匂いセンサの一例である。
ゲートウェイ13の匂いセンサ91は、タグ12の匂いセンサ21と同じ匂いセンサである。なお、ゲートウェイ13の匂いセンサ91は、タグ12の匂いセンサ21と異なっても良い。
第2の実施形態では、複数のゲートウェイ13は、複数の部屋18のそれぞれに配置される。このため、位置検出システム10は、複数の部屋18のそれぞれに配置される複数の匂いセンサ91を有している。
匂いセンサ91は、複数の検出素子97と、駆動検出回路98とを有する。検出素子97は、第2の検出素子の一例である。検出素子97及び駆動検出回路98の構成及び機能は、匂いセンサ21の検出素子31及び駆動検出回路32の構成及び機能と同一である。
複数の検出素子97は、ゲートウェイ13が配置された部屋18の匂いの原因物質の量を検出する。ゲートウェイ13とタグ12とが同じ匂いセンサ21,91を有するため、同じ匂いに対して匂いセンサ21,91から出力される出力信号は略同一であり、比較しやすい。
制御部92は、ゲートウェイ13の全体の動作を管理及び制御しており、例えば、匂いセンサ91、処理部93、及び通信部94の動作を管理及び制御する。また、制御部92は、上述のプロトコル変換を行うようなゲートウェイ13の他の部分の動作を管理及び制御しても良い。
処理部93の動作は、タグ12の処理部23の動作と略同一である。すなわち、処理部93は、匂いセンサ91から出力され、空気中の匂いを表す出力信号に基づき、部屋18の空気中の匂いに関する匂い情報(部屋匂いデータ)を生成する。上述のように、部屋匂いデータは、対象時匂いデータと比較可能な匂い情報である。なお、処理部93は、例えば、駆動検出回路98から出力され、空気中の匂いを表す出力信号を、温度センサ及び湿度センサが検出した温度及び湿度に応じて補正しても良い。
処理部93は、デジタル処理回路により実現されても良いし、アナログ処理回路により実現されても良い。また、処理部93は、プログラムを実行するプロセッサ及びメモリにより実現されても良い。
通信部94は、処理部93により生成された部屋匂い情報を、部屋IDと関連付けて、アクセスポイント14に送信する。通信部94は、部屋匂い情報を、ゲートウェイ13に固有の番号(以下、ゲートウェイIDと称する)と関連付けても良い。また、通信部94が、タグ12から信号を受信するとともに、プロトコル変換された信号をアクセスポイント14に送信しても良い。
図13は、第2の実施形態のゲートウェイ13の匂い情報送信処理の一例を概略的に示すフローチャートである。以下、ゲートウェイ13による匂いの検出及び匂い情報の送信について、図13を参照して説明する。
まず、匂いセンサ91が、検出素子97により、部屋18の空気中に存在する匂いの原因物質の量を検出する(S501)。次に、処理部93が匂い情報(部屋匂いデータ)を生成し(S502)、通信部94が部屋匂いデータを部屋IDと関連付けて、アクセスポイント14に送信する(S503)。
次に、制御部92は、所定の時間が経過したか否かを判定する(S504)。所定の時間が経過していない場合(S504:No)、S504で待機する。一方、所定の時間が経過した場合(S504:Yes)、S501に戻って匂いセンサ91が匂いを検出する。
以上のように、匂いセンサ91は、検出素子97により、定期的に部屋18の匂いの原因物質の量を検出する。そして、ゲートウェイ13は、定期的に、各時刻における匂いセンサ91の検出結果に基づき匂い情報(部屋匂いデータ)を得て、アクセスポイント14に送信する。なお、匂いセンサ91は、部屋18の匂いの原因物質の量を常時検出しても良い。
なお、ゲートウェイ13はこの例に限られず、例えば、当該ゲートウェイ13がタグ12から信号を受信したとき、又はユーザから操作されたときに、部屋匂いデータを得て送信しても良い。
図14は、第2の実施形態のクラウドサーバ15による部屋匂いデータの更新処理の一例を概略的に示すフローチャートである。以下、クラウドサーバ15による部屋匂いデータの更新について、図14を参照して説明する。
まず、部屋情報受信部81が、アクセスポイント14を介してゲートウェイ13から、部屋匂いデータ及び部屋IDを受信する(S601)。次に、更新部82は、部屋情報受信部81が受信した部屋匂いデータ及び部屋IDに基づき、情報記憶部54に記録された部屋匂いデータを更新する(S602)。以降、S601に戻り、部屋情報受信部81が、次の部屋匂いデータ及び部屋IDを受信する。
例えば、更新部82は、図8のテーブルのうち、部屋情報受信部81が受信した部屋IDと同一の部屋IDに関連付けられた部屋匂いデータを、部屋情報受信部81が受信した部屋匂いデータに置き換える。これにより、情報記憶部54に記憶された部屋匂いデータは、ゲートウェイ13の匂いセンサ91の検出結果に基づき得られた、最新の部屋匂いデータに更新される。
ゲートウェイ13が部屋IDの代わりにゲートウェイIDを送信した場合、更新部82は、予め、当該ゲートウェイIDに対応する部屋IDを取得する。例えば、情報記憶部54に、ゲートウェイIDと部屋IDとが互いに関連付けられて記憶されている。
第2の実施形態では、以上のように、情報記憶部54に記憶された部屋匂いデータは、ゲートウェイ13の匂いセンサ91の検出結果に基づき定期的に更新される。このため、第2の実施形態では、匂い発生装置11が省略されても良い。しかし、部屋18に匂い発生装置11が配置されることで、部屋18同士の匂いが似てしまうことによる誤認識が抑制される。
以上説明された第2の実施形態の位置検出システム10において、複数の匂いセンサ91は、複数の部屋18のそれぞれに配置され、当該部屋18の匂いの原因物質の量を検出する少なくとも一つの検出素子97をそれぞれが含む。部屋匂いデータは、匂いセンサ91の検出結果に基づき得られる。これにより、匂いセンサ91の検出結果に基づく部屋匂いデータと、同じ部屋18で検出を行った匂いセンサ21の検出結果に基づく対象時匂いデータとが、より正確に一致又は近似するようになる。従って、タグ12が存在する部屋18を正しく検出することが可能となる。
匂いセンサ91は、検出素子97により、定期的に部屋18の匂いの原因物質の量を検出する。部屋匂いデータは、匂いセンサ91の検出結果に基づき定期的に更新される。これにより、部屋18の匂いが変化したとしても、匂いセンサ91の検出結果に基づく部屋匂いデータと、同じ部屋18で検出を行った匂いセンサ21の検出結果に基づく対象時匂いデータとが、より正確に一致又は近似するようになる。従って、タグ12が存在する部屋18を正しく検出することが可能となる。なお、匂いセンサ91が、検出素子97により、常時部屋の匂いの原因物質の量を検出しても良いし、部屋匂いデータが、匂いセンサ91の検出結果に基づき常時更新されても良い。
複数のゲートウェイ13が、複数の部屋18のそれぞれに配置され、それぞれが匂いセンサ91を有する。これにより、匂いセンサ91とゲートウェイ13とが一体化され、設置の手間が低減される。さらに、ゲートウェイ13がタグ12とクラウドサーバ15との間で対象時匂いデータを中継するため、部屋匂いデータを送信するための通信装置が増えてコストが増大することが抑制される。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図15を参照して説明する。図15は、第3の実施形態に係るタグ12の匂い情報送信処理の一例を概略的に示すフローチャートである。以下、第3の実施形態のタグ12による匂いの検出及び匂い情報の送信について、図15を参照して説明する。
まず、匂いセンサ21が、検出素子31により、空気中に存在する匂いの原因物質の量を検出する(S701)。次に、処理部23が匂い情報を生成する(S702)。
次に、通信部27は、匂い情報と、タグIDとをブロードキャストでゲートウェイ13に無線送信する(S703)。
次に、制御部22は、開閉センサ101が部屋18のドア102の開放を検出したか否かを判定する(S704)。図1に示すように、位置検出システム10は、部屋18のそれぞれに設けられた開閉センサ101をさらに有する。開閉センサ101は、例えば、部屋18のドア102毎に設けられ、当該ドア102が開放されたことを検出することができる。
例えば、ドア102が開放されると、開閉センサ101は、ドア102が開放されたことを示す信号をブロードキャストでタグ12に無線送信する。タグ12の通信部27が当該信号を受信すると、制御部22は、開閉センサ101がドア102の開閉を検知したと判定する。
図15に戻り、S704でドア102の開放が検出されていない場合(S704:No)、S704で待機する。一方、ドア102の開放が検出された場合(S704:Yes)、制御部22は、S701に戻って匂いセンサ21に匂いを検出させる。
以上説明された第3の実施形態の位置検出システム10において、タグ12は、開閉センサ101が部屋18のドア102の開放を検出した場合に、対象時匂いデータを得て無線送信する。これにより、匂いセンサ21の検出回数を低減でき、タグ12の電力消費量を低減することができる。さらに、ドア102の開放は人物の出入りに伴って行われる可能性が高いため、対象者P(タグ12)の移動時に、タグ12が存在する部屋18を正しく検出することが可能となる。
以上の複数の実施例において、部屋判定部52は、ゲートウェイ13により受信された対象時匂いデータと、部屋匂いデータとに基づき、タグ12が存在する部屋18を判定した。しかし、例えば、ゲートウェイ13が省略され、クラウドサーバ15の対象時情報受信部51がモバイル通信のネットワークを介してタグ12の通信部27により無線送信された対象時匂いデータを受信しても良い。この場合、例えば、クラウドサーバ15のネットワーク装置(例えば、下記のネットワークインターフェース206)が受信装置の一例となる。
(情報処理装置200のハードウェア構成)
図16は、情報処理装置200のハードウェア構成を示す図である。匂い発生装置11、タグ12、ゲートウェイ13、アクセスポイント14、クラウドサーバ15、及び検索装置16は、例えば、図16に示すようなハードウェア構成の情報処理装置200により実現される。
情報処理装置200は、通常のコンピュータと同様の構成している。すなわち、情報処理装置200は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、記憶デバイス204と、ネットワークインターフェース(I/F)206とを有する。
検索装置16は、さらに、ディスプレイ211と、表示I/F212と、入力デバイス213と、入力I/F214とを有する。CPU201、ROM202、RAM203、記憶デバイス204、ネットワークI/F206、表示I/F212及び入力I/F214は、バスにより接続されている。
CPU201は、記憶デバイス204に記憶されたプログラムをRAM203に展開して実行し、各部を制御して入出力を行ったり、データの加工を行ったりする。ROM202には、オペレーティングシステムの起動用プログラムを記憶デバイス204からRAM203に読み出すスタートプログラムが記憶されている。
記憶デバイス204は、例えば、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリ等である。記憶デバイス204は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、及びデータを記憶している。これらのプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録メディアに記録して配布される。また、プログラムは、サーバからダウンロードすることにより配布されても良い。ネットワークI/F206は、例えばネットワークに接続するためのインターフェイス装置である。
ディスプレイ211は、情報を表示するデバイスである。表示I/F212は、CPU201の制御に従ってディスプレイ211に画像信号を供給する。入力デバイス213は、キーボード、マウス、及びタッチパネル等であり、ユーザによる操作情報を取得する。入力I/F214は、CPU201の制御に従って、入力デバイス213が取得した情報をRAM203に記憶させる。
本実施形態の情報処理装置200で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の情報処理装置200で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の情報処理装置200で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。また、本実施形態のプログラムを、ROM202等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
このような情報処理装置200をタグ12として機能させるためのプログラムは、制御モジュールと、処理モジュールと、登録モジュールと、比較モジュールと、通信モジュールとを含むモジュール構成となっている。情報処理装置200は、実際のハードウェアとしてはプロセッサ(CPU201)が記憶媒体(記憶デバイス204等)からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置(RAM203)上にロードされる。これにより、プロセッサ(CPU201)は、制御部22、処理部23、及び通信部27として機能する。なお、情報処理装置200は、制御部22、処理部23、及び通信部27の構成の一部又は全部がハードウェアにより実現されていても良い。
また、情報処理装置200をゲートウェイ13として機能させるためのプログラムは、制御モジュールと、処理モジュールと、通信モジュールとを含むモジュール構成となっている。情報処理装置200は、実際のハードウェアとしてはプロセッサ(CPU201)が記憶媒体(記憶デバイス204等)からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置(RAM203)上にロードされる。これにより、プロセッサ(CPU201)は、制御部92、処理部93、及び通信部94として機能する。なお、情報処理装置200は、制御部92、処理部93、及び通信部94の構成の一部又は全部がハードウェアにより実現されていても良い。
また、情報処理装置200をクラウドサーバ15として機能させるためのプログラムは、対象時情報受信モジュールと、部屋判定モジュールと、登録モジュールと、要求受信モジュールと、検索モジュールと、結果送信モジュールと、部屋情報受信モジュールと、更新モジュールとを含むモジュール構成となっている。情報処理装置200は、実際のハードウェアとしてはプロセッサ(CPU201)が記憶媒体(記憶デバイス204等)からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置(RAM203)上にロードされる。これにより、プロセッサ(CPU201)は、対象時情報受信部51、部屋判定部52、登録部53、要求受信部61、検索部62、結果送信部63、部屋情報受信部81、及び更新部82として機能する。また、記憶デバイス204は、情報記憶部54として機能する。なお、情報処理装置200は、対象時情報受信部51、部屋判定部52、登録部53、要求受信部61、検索部62、結果送信部63、部屋情報受信部81、及び更新部82の構成の一部又は全部がハードウェアにより実現されていても良い。
上述の本発明の実施形態は、発明の範囲を限定するものではなく、発明の範囲に含まれる一例に過ぎない。本発明のある実施形態は、上述の実施形態に対して、例えば、具体的な用途、構造、形状、作用、及び効果の少なくとも一部について、発明の要旨を逸脱しない範囲において変更、省略、及び追加がされたものであっても良い。
10…位置検出システム、11…匂い発生装置、12…タグ、13…ゲートウェイ、18…部屋、21…匂いセンサ、27…通信部、31…検出素子、51…対象時情報受信部、52…部屋判定部、82…更新部、91…匂いセンサ、97…検出素子、200…情報処理装置、P…対象者。

Claims (9)

  1. 気体中に存在する匂いの原因物質の量を検出する少なくとも一つの第1の検出素子を含むセンシング部と、前記センシング部の検出結果に基づき得られる第1の匂い情報を無線送信する無線送信部と、を有する送信装置と、
    前記送信装置から無線送信された前記第1の匂い情報を受信する受信装置と、
    前記受信装置により受信された前記第1の匂い情報と、互いに仕切られるとともに匂いが互いに異なる複数の場所のそれぞれに関連付けられた複数の第2の匂い情報と、に基づき、前記送信装置が存在する前記場所を判定する判定部と、
    を具備する検出システム。
  2. 前記複数の場所のそれぞれに配置され、互いに異なる匂いを発生させる複数の匂い発生装置、
    をさらに具備し、
    前記複数の第2の匂い情報のそれぞれは、当該第2の匂い情報に関連付けられた前記場所で、当該場所に配置された前記匂い発生装置が発生させる匂いを示す、
    請求項1の検出システム。
  3. 前記複数の場所のそれぞれに配置され、当該場所の前記匂いの原因物質の量を検出する少なくとも一つの第2の検出素子をそれぞれが含む複数の匂いセンサ、
    をさらに具備し、
    前記第2の匂い情報は、前記匂いセンサの検出結果に基づき得られる、
    請求項1の検出システム。
  4. 更新部、をさらに具備し、
    前記匂いセンサは、前記第2の検出素子により、常時又は定期的に前記場所の前記匂いの原因物質の量を検出し、
    前記更新部は、前記匂いセンサの検出結果に基づき前記第2の匂い情報を常時又は定期的に更新する、
    請求項3の検出システム。
  5. 前記複数の場所のそれぞれに配置され、前記匂いセンサをそれぞれが有する、複数の前記受信装置を具備する、請求項3又は請求項4の検出システム。
  6. 前記無線送信部は、定期的に前記第1の匂い情報を無線送信する、請求項1乃至請求項5のいずれか一つの検出システム。
  7. 情報処理装置に、
    気体中に存在する匂いの原因物質の量を検出する少なくとも一つの第1の検出素子を含むセンシング部と、前記センシング部の検出結果に基づき得られる第1の匂い情報を無線送信する無線送信部と、を有する送信装置から無線送信された前記第1の匂い情報を受信するステップと、
    受信された前記第1の匂い情報と、互いに仕切られるとともに匂いが互いに異なる複数の場所のそれぞれに関連付けられた複数の第2の匂い情報と、に基づき、前記送信装置が存在する前記場所を判定するステップと、
    を実行させるプログラム。
  8. 情報処理装置において実行される検出方法であって、
    気体中に存在する匂いの原因物質の量を検出する少なくとも一つの第1の検出素子を含むセンシング部と、前記センシング部の検出結果に基づき得られる第1の匂い情報を無線送信する無線送信部と、を有する送信装置から無線送信された前記第1の匂い情報を受信することと、
    受信された前記第1の匂い情報と、互いに仕切られるとともに匂いが互いに異なる複数の場所のそれぞれに関連付けられた複数の第2の匂い情報と、に基づき、前記送信装置が存在する前記場所を判定することと、
    を具備する検出方法。
  9. 気体中に存在する匂いの原因物質の量を検出する少なくとも一つの第1の検出素子を含むセンシング部と、前記センシング部の検出結果に基づき得られる第1の匂い情報を無線送信する無線送信部と、を有する送信装置から無線送信された前記第1の匂い情報を受信する情報受信部と、
    前記情報受信部が受信した前記第1の匂い情報と、互いに仕切られるとともに匂いが互いに異なる複数の場所のそれぞれに関連付けられた複数の第2の匂い情報と、に基づき、前記送信装置が存在する前記場所を判定する判定部と、
    を具備する情報処理装置。
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