JP7296170B2 - 層状複水酸化物エレクトライド及びその製造方法 - Google Patents

層状複水酸化物エレクトライド及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、層状複水酸化物エレクトライド及びその製造方法に関する。
本願は、2020年2月17日に、日本に出願された特願2020-024751号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
エレクトライド(electride、電子化物ともいう。)とは、電子がアニオンとして振る舞う物質である(例えば、非特許文献1)。
エレクトライド中に含まれる電子は、特定の軌道に属さず、局在化しているため、1価のアニオンと同様の電荷を有するとともに、その質量の小ささから量子力学的な挙動を示すことから、その物性に注目が集まっている。具体的には、その低い仕事関数に由来する高い電子供与能力等の特徴により、その応用に関心が高まっている。
常温で安定なエレクトライドとしては、例えば、「マイエナイト型化合物」と呼ばれる無機化合物を用いて得られたエレクトライド(特許文献1、非特許文献2)が挙げられる。
「マイエナイト型化合物」とは、Ca、Al、Oを構成成分とするアルミノケイ酸カルシウムであって、マイエナイトと同型の結晶構造を有する呼ばれる化合物である。前記マイエナイト型化合物は、その代表組成が、12CaO・7Al(C12A7)で表わされ、その結晶骨格で形成されるケージ内の空間に「フリー酸素」として2個の酸素原子が包摂されている構造を有する。前記マイエナイト型化合物中のフリー酸素を電子で置換したマイエナイト型化合物がエレクトライド(以下、C12A7エレクトライドという)である(特許文献1、非特許文献2)。C12A7単結晶、粉末又は薄膜をチタン金属中で高温熱処理することによりC12A7エレクトライドを製造することができる(特許文献2)。
また、アルミニウム化合物およびストロンチウム化合物(12SrO・7Al)からなるS12A7エレクトライド化合物が報告され、S12A7エレクトライド化合物は、還元性雰囲気下、1150℃~1530℃の範囲の温度で、還元熱処理する工程を有する製造方法が報告された(特許文献3)。S12A7エレクトライド化合物は、12SrO・7Alで表される代表組成を有し、三次元的に連結された骨格により形成された空隙(ケージ)を有する。このケージには、陰イオンおよび電子が内包され、これにより導電性が発現される。
また、C12A7エレクトライド、S12A7エレクトライド化合物以外にも、層状化合物であるCaN(特許文献4、非特許文献4)やY2C(非特許文献5)といった常温で安定のエレクトライドが開示されている。これらの物質は、その結晶構造中のケージ内、または結晶の層間に電子が閉じ込められていることが報告された。CaN又はYCからエレクトライドは、例えば、1000℃以上の高温処理が必要である。
上記エレクトライドは、例えば、Ru等の遷移金属を担持することにより、触媒として用いることができ、特に良好なアンモニア合成能力を有する触媒となることが見出されている(非特許文献3、特許文献5、6)。また、エレクトライドを用いた電子放出素子(特許文献2)、非晶質エレクトライドC12A7:e-を用いるシリコン系薄膜半導体装置(特許文献7)、C12A7エレクトライドで構成される層を有する太陽電池および薄膜トランジスタのような半導体素子(特許文献8)が報告されている。
一方、層状複水酸化物(Layered Double Hydroxide、以下、LDHと略記することがある。)は、粘土鉱物と異なり、層は陽電荷を持ち、層間にアニオンを有し、アニオン交換性を有する(非特許文献6)。層状複水酸化物は、構造の層間にアニオンをインターカレートすることができる。
層状複水酸化物は、天然の物、又は合成物であり得る。天然の層状複水酸化物に最も一般的にみられるアニオンは、炭酸イオンである。しかしながら、合成LDHに関するものについては、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン又は硫酸イオンといった小さな無機アニオンから、有機アニオン及び複雑な2分子にまで及ぶ、広範な種類の層間アニオンが理論的に取り込まれ得る。
市販の層状複水酸化物は、一般式[MgAl(OH)16]CO・4HOのMg-Al炭酸型ハイドロタルサイトである。図8は、式:MgAl(OH)16CO(HO)4+xで表されるハイドロタルサイトの層状構造を有する層状複水酸化物の構造を示す。
国際公開第2005/000741号 国際公開第2007/060890号 特開2018-154505号公報 特開2014-24712号公報 国際公開第2012/077658号 国際公開第2014/034473号 特開2016-157856号公報 国際公開第2018/066483号
J.L.Dye,Science 301 607-608(2003)。 S.Matsuishi,Y.Toda,M.Miyakawa,K.Hayashi,T.Kamiya,M.Hirano,I.Tanaka and H.Hosono,Science 301,626(2003)。 M.Kitano,Y.Inoue,Y.Yamazaki,F.Hayashi,S.Kanbara,S.Matsuishi,T.Yokoyama,S.Kim,M.Hara and Hideo Hosono,Nature Chem.4,934(2012)。 K.Lee,S.W.Kim,Y.Toda,S.Matsuishi and H.Hosono,Nature 494,336(2013). X.Zhang,Z.Xiao,H.Lei,Y.Toda,S.Matsuishi,T.Kamiya,S.Ueda and H.Hosono,Chem.Mat.26,6638(2014)。 日比野俊行、ハイドロタルサイトの合成と利用、粘土科学第45巻第2号、102-109(2006)。
特許文献1などで記載されているエレクトライドは、高温条件で製造するため、装置面、コスト面での負担が大きいという問題があった。
一方、層状複水酸化物の層状構造は、高温で不安定であるため、還元雰囲気において高温処理することができない。層状複水酸化物からなるエレクトライドに関する開示がない。
より低温条件で、工業的に安価に製造することができるエレクトライドが求められている。
本発明者は、層状複水酸化物の層間にあるアニオンと交換して、電子(e)を挿入させることにより、高温処理がなくても製造することができ、製造原価を削減することができる本発明の層状複水酸化物エレクトライドを見出し、本発明に至った。
更に、本発明の層状複水酸化物エレクトライドを触媒として用いる場合には、高温処理を回避することにより、その表面積が増大し、結果として反応活性点を増加させることも可能となる。
すなわち本発明の要旨は、
[1] 層間に電子を含み、
電子密度が2.0x1018cm-3以上である、層状複水酸化物エレクトライド。
[2] 前記層状複水酸化物エレクトライドが、一般式(1)で表される層状複水酸化物エレクトライドである、[1]に記載の層状複水酸化物エレクトライド。
[Mp+ 1-xq+ (OH)a+[Ar- (b-y) ]・mHO (1)
(式(1)中、
Mは、少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
Nは、Mとは異なる少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
Aは、少なくとも1価のアニオンを形成し得る原子または原子団であり、
pは、1または2であり、
qは、3または4であり、
rは、1~3であり、
0<x<0.9であり、
a=p×(1-x)+x×q-2であり、
b≧a/rであり、
0<y≦bである、かつ
0≦m≦10である。)
[3] 原料層状複水酸化物と
前記原料層状複水酸化物の層間に存在するアニオンを電子で交換する電子交換剤とを混合して層状複水酸化物エレクトライドを生成する工程を含み、前記電子交換剤が、クラウンエーテル化合物と、アルカリ金属を有するTHF系有機溶媒との混合液である、状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
] 前記層状複水酸化物エレクトライドが一般式(1)で表される層状複水酸化物エレクトライドであり、
前記原料層状複水酸化物が一般式(2)で表される層状複水酸化物である、[3]に記載の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
[Mp+ 1-xq+ (OH)a+[Ar- (b-y) ]・mHO (1)
(式(1)中、
Mは、少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
Nは、Mとは異なる少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
Aは、少なくとも1価のアニオンを形成し得る原子または原子団であり、
pは、1または2であり、
qは、3または4であり、
rは、1~3であり、
0<x<0.9であり、
a=p×(1-x)+x×q-2であり、
b≧a/rであり、
0<y≦bである、かつ
0≦m≦10である。)
[Mp+ 1-xq+ (OH)a+[Ar- ]・mHO (2)
(式(2)中、
M、N、A、p、q、r、x、a、b、y、mは、式(1)中のM、N、A、p、q、r、x、a、b、y、mと同じ意味である。)
] 前記クラウンエーテル化合物が15-クラウン-5-エーテル、12-クラウン-4-エーテルおよび18-クラウン-6-エーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種のクラウンエーテル化合物である、[又は4]に記載の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
] 前記アルカリ金属がナトリウムである、[又は4]に記載の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
] 前記クラウンエーテル化合物が15-クラウン-5-エーテル、12-クラウン-4-エーテルおよび18-クラウン-6-エーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種のクラウンエーテル化合物であり、
前記アルカリ金属がナトリウムである、[又は4]に記載の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
] 前記生成する工程が、前記クラウンエーテル化合物前記アルカリ金属のTHF系溶媒とを混合して混合液を得る混合工程と、
前記混合液に前記原料層状複水酸化物を添加し、前記層状複水酸化物エレクトライドを生成する生成工程とを有し
さらに前記生成工程で得られた層状複水酸化物エレクトライドを洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程で得られた層状複水酸化物エレクトライドを乾燥する乾燥工程とを含む、[又は4]に記載の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
本発明の層状複水酸化物エレクトライドは、高温処理がなくても製造することができるため、製造原価を削減することができる。
本発明の一実施態様の層状複水酸化物エレクトライドの層状構造を示す模試図である。 本発明の一実施態様の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法を説明する模試図である。 本発明の一実施態様の層状複水酸化物エレクトライドを製造する工程を説明する模試図である。 実施例1および2で得られた層状複水酸化物エレクトライドの吸収スペクトルである。 実施例1で得られた層状複水酸化物FT-IRの吸収スペクトルである。 実施例1および2で得られた層状複水酸化物XRDパターンである。 実施例1および2で得られた層状複水酸化物ESRスペクトルである。 層状複水酸化物の一種であるハイドロタルサイトの層状構造を示す模試図である。
(層状複水酸化物エレクトライド)
本発明の層状複水酸化物エレクトライドは、層間に電子を含み、電子密度が2.0x1018cm-3以上である。好ましくは、2.0x1018cm-3以上2.0x1022cm-3以下の範囲である。また、一般式(1)で表される請求項1に記載の層状複水酸化物エレクトライドが好ましい。
[Mp+ 1-xq+ (OH)a+[Ar- (b-y) ]・mHO (1)
(式(1)中、
Mは、少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
Nは、Mとは異なる少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
Aは、少なくとも1価のアニオンを形成し得る原子または原子団であり、
pは、1または2であり、
qは、3または4であり、
rは、1~3であり、
0<x<0.9であり、
a=p×(1-x)+x×q-2であり、
b≧a/rであり、
0<y≦bである、かつ
0≦m≦10である。)
ここで、Mp+は金属カチオンを意味し、Nq+は金属カチオンを意味し、Ar-はアニオンを意味する。
上記式(1)において、Mは2価金属であるMg、Zn、Fe、Ca、Ni、Cu、Co、Mn及びCd、並び1価金属であるLiからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。MはMg、Ca及びZnからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記式(1)において、Nは3価金属であるAl、Ga、Y、In、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V及びLa、並び4価金属であるSn、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。NはAlであることがより好ましい。
xは、0.18<x<0.9であることが好ましく、0.18<x<0.5であることがより好ましく、0.18<x<0.4であることが更に好ましく、0.2<x<0.33であることが最も好ましい。
上記式(1)で表される層状複水酸化物はZn/Al、Mg/Al、ZnMg/Al、Ni/Ti、Mg/Fe、Ca/Al、Ni/AlまたはCu/Al層状複水酸化物である。
層状複水酸化物中のAは、任意の適切な有機もしくは無機アニオン、例えば、ハロゲン化物アニオン(例えば、塩化物イオン)、無機オキシアニオン(例えば、炭酸イオン、重炭酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、亜硝酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン)等を形成し得る原子または原子団、アニオン性界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム、脂肪酸塩またはステアリン酸ナトリウムなど)、アニオン性発色団、および/またはアニオン性UV吸収剤、例えば、4-ヒドロキシ-3-10メトキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸(HMBA)、4-ヒドロキシ-3-メトキシケイ皮酸、p-アミノ安息香酸および/またはウロカニン酸であってもよい。Aは、炭酸イオン、重炭酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、亜硝酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンもしくはリン酸イオンまたはそれらのうちの2つ以上の混合物から選択される無機オキシアニオン等を形成し得る原子または原子団であることが好ましい。より好ましくには、Aは、炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオンまたは亜硝酸イオンから選択される無機オキシアニオン等を形成し得る原子または原子団である。更に好ましくには、Aはハロゲン化物アニオンを形成し得る原子または原子団である。
本発明の一実施態様において、Mは、Ca、Mg、ZnまたはFeであり、NはAlであり、Aは、炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオンまたは亜硝酸イオン等を形成し得る原子団である。好ましく、Mは、Ca、MgまたはZnであり、NはAlであり、Aは、炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオンまたは亜硝酸イオン等を形成し得る原子団である。より好ましくには、Mは、Ca、MgまたはZnであり、NはAlであり、Aは塩化物イオンを形成し得る原子である。
本発明の一実施態様において、一般式(3)で表される層状複水酸化物エレクトライドが好ましい。
[M2+ 1-x3+ (OH)][Ar- ((x/r)-y) ]・mHO (3)
(式(3)中、M、N、A、r、x、y、mは、式(1)中のM、N、A、r、x、y、mと同じ意味である。)
本発明の一実施態様において、一般式(4)で表される層状複水酸化物エレクトライドがより好ましい。
[Mg2+ 1-xAl3+ (OH)][Cl ((x-y) ]・mHO (4)
(式(4)中、x、y、mは、式(1)中のx、y、mと同じ意味であり、y≦xである。)
本発明の一実施態様において、一般式(5)で表される層状複水酸化物エレクトライドが更に好ましい。
[Mg1-xAl(OH)][e ]・mHO (5)
(式(5)中、x、y、mは、式(1)中のx、y、mと同じ意味である。)
mは、0≦m≦7.5であることが好ましく、0≦m≦5であることがより好ましく、0≦m≦3であることが更に好ましく、0≦m≦1であることが最も好ましい。尚、予め脱水処理を施した原料層状複水酸化物を用いて調製された層状複水酸化物エレクトライドは、イオン交換により導入された溶媒和電子の失活を抑制する効果が期待されるために好ましく、具体的には例えば、実質的にm=0である層状複水酸化物エレクトライドであれば、長期間、常温で安定なエレクトライドとして利用することができる。
本発明の一実施態様において、層状複水酸化物エレクトライドのBET比表面積は、10m/g以上であることが好ましく、30m/g以上であることがより好ましく、50m/g以上であることが更に好ましく、100m/g以上であること最もが好ましい。
BET比表面積は、窒素吸着法などで評価することができる。詳細について実施例で説明する。
本発明の一実施態様において、層状複水酸化物エレクトライドのタップ密度は、目的とする使用場面においてその効果を有する限り、特に制限はなく、例えば、通常の範囲であればよい。
本発明の一実施態様において、層状複水酸化物エレクトライドの電子密度は、例えば、2.0x1018cm-3以上2.0x1022cm-3以下の範囲を挙げることができる。好ましくは、5.0x1018cm-3以上2.0x1021cm-3以下の範囲が挙げられる。尚、原料層状複水酸化物がMgAlOH16Clの場合には、正電荷比はMg:Al=2:1となることから、その層状複水酸化物エレクトライドの電子密度の具体的な上限値としては、例えば、1.1x1022cm-3を挙げることができる。
層状複水酸化物エレクトライドの電子密度は、ヨウ素滴定法により測定することができる。
このヨウ素滴定法は、5mol/Lのヨウ素水溶液中に評価する対象サンプルを入れ、塩酸を加えて溶解させた後、この溶液中に含まれる未反応ヨウ素の量を、チオ硫酸ナトリウムで滴定検出する方法である。この場合、サンプルの溶解により、ヨウ素水溶液中のヨウ素は、以下の反応によりイオン化する。
+e→2I (6)
また、チオ硫酸ナトリウムでヨウ素水溶液を滴定した場合、下記式(7)に示される反応により、未反応のヨウ素がヨウ化ナトリウムに変化する。
2Na+I→2NaI+Na (7)
最初の溶液中に存在するヨウ素量から、式(7)で滴定検出されたヨウ素量を差し引くことにより、式(6)の反応で消費されたヨウ素量が算定される。これにより、評価対象の層状複水酸化物エレクトライドの電子密度を測定することができる。
例えば、上記方法で、実施例1で得られた層状複水酸化物エレクトライド(238h)の電子イオン密度を測定し、その結果が6.53x1020cm-3である。
本発明の一実施形態の層状複水酸化物エレクトライドは、黒色粉末状である。これは可視光領強い吸収を持つためである。
本発明の層状複水酸化物エレクトライドの可視・紫外吸収スペクトルは、積分球を用いた拡散反射法により測定した。試料に照射された光は、一部が吸収され一部は反射される.この反射された光を検出することで、試料がどの波長の光を吸収したかを知ることができる。測定は、紫外可視分光光度計(日立、U4000)により行い、185~2500nmの範囲を測定した。
<可視・紫外吸収スペクトルの測定方法>
図4は、原料であるイオン交換前の塩化物イオンを含有した層状複水酸化物、実施例1の層状複水酸化物エレクトライド(238h)、実施例2の層状複水酸化物エレクトライド(167h)の吸収スペクトルを示す。原料の層状複水酸化物は白色の粉末であり、この波長領域にほとんど吸収が観察されないが、実施例1および実施例2の層状複水酸化物エレクトライドは、600~2000nmにかけて強い吸収が観測された。これは、C12A7エレクトライドの電子による吸収とよく似ている。すなわち、原料に含まれていた塩化物イオン(Cl)と溶媒和電子との間でイオン交換が起こることにより、層間に電子が挿入されたと考えられる。また、この実験により層状複水酸化物の骨格の酸素イオンが抜けて酸素欠陥(Fセンター)が形成されて600~2000nmにかけて強い吸収が現れるわけではないこともわかった。
本発明の層状複水酸化物エレクトライドは、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)による分析することができる。
例えば、図5は、実施例1の層状複水酸化物エレクトライド(238h)と原料層状複水酸化物とのFTIR吸収スペクトルを示す。いずれも、3600cm-1のOH基による吸収が観測され、層状複水酸化物は、エレクトライド化後もOH基が残っていることが分かった。
詳細な測定方法は、実施例部分で説明する。
本発明の層状複水酸化物エレクトライドは、原料層状複水酸化物からの構造変化を粉体XRDパターンにより観察することができる。例えば、実施例1(238h)、実施例2(167h)で得られた層状複水酸化物エレクトライドのXRDパターン(図6)において、原料層状複水酸化物のXRDパターンと比較した。原料層状複水酸化物をエレクトライド化しても、基本の結晶構造が維持された。しかしながら、回折ピーク位置がやや高角度側にシフトしたことが観測されたので、塩化物イオンよりもイオン半径の小さな電子が層間に入ることにより層間距離が減少したと推測することができる。
因みに、このようなイオン交換の平衡定数の大小は、塩化物イオン等のアニオンが有するイオン半径の減少に伴い増加し、例えば、OH>F>Cl>Br>NO >Iの順に例示することができる。
詳細な測定方法は、実施例部分で説明する。
本発明の層状複水酸化物エレクトライドの電子スピン共鳴法(ESR)による分析の結果を以下に述べる。
例えば、図7は、実施例1の層状複水酸化物エレクトライド(238h)のESRスペクトルを示す。通常の層状複水酸化物は、不対電子を持たないためESRシグナルは見られないが、層状複水酸化物エレクトライド(238h)は、不対電子に由来するシグナルが観察された。このスペクトルは、C12A7エレクトライドで見られるものと同様である。このことからも、今回の手法により層状複水酸化物中の塩化物イオンを電子にイオン交換できたと考えられる。
本発明の一実施態様の層状複水酸化物エレクトライド構造の模試図は、図1に示す。 XRDおよびFT-IRの結果から、層状複水酸化物のMg-O-Alからなる基本骨格はほとんど変化しておらず、多数のOH基を有している点も変化していないと考えられる。一方で、溶媒和電子によるイオン交換によりやや層間隔が縮まっている点ならびに、ESRおよびヨードメトリーの結果から層間に電子が存在しており、エレクトライドとなっていることが示唆された。
[層状複水酸化物エレクトライドの製造方法]
本発明の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法は、原料層状複水酸化物と、前記原料層状複水酸化物の層間に存在するアニオンを電子で交換する電子交換剤とを混合して層状複水酸化物エレクトライドを生成する工程を含む。
前記電子交換剤は、クラウンエーテル化合物と、アルカリ金属を有するTHF系有機溶媒との混合液であることが好ましい。すなわち、本発明の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法は、クラウンエーテル化合物と、アルカリ金属を有するTHF系有機溶媒と、原料層状複水酸化物とを混合して層状複水酸化物エレクトライドを生成する工程を含むことが好ましい。
前記層状複水酸化物エレクトライドが一般式(1)で表される層状複水酸化物エレクトライドが好ましい。
[Mp+ 1-xq+ (OH)a+[Ar- (b-y) ]・mHO (1)
(式(1)中、
Mは、少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
Nは、Mとは異なる少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
Aは、少なくとも1価のアニオンを形成し得る原子または原子団であり、
pは、1または2であり、
qは、3または4であり、
rは、1~3であり、
0.2<x<0.33であり、
a=p×(1-x)+x×q-2であり、
b≧a/rであり、
0<y≦bである、かつ
0≦m≦10である。)
本発明の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法に係る層状複水酸化物エレクトライドの好ましい形態は、上記説明した「層状複水酸化物エレクトライド」の好ましい形態と同様である。
図2は、本発明の一実施形態の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法を説明する模試図である。図2において、層間に塩化物イオン(Cl-)を含む原料層状複水水酸化物エレクトライドから、クラウンエーテル化合物とナトリウムとを用いて、層状複水水酸化物エレクトライドを合成することを示す。
(原料層状複水酸化物)
本発明の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法に係る原料層状複水酸化物は、一般式(2)で表される原料層状複水酸化物であることが好ましい。
[Mp+ 1-xq+ (OH)a+[Ar- ]・mHO (2)
(式(2)中、M、N、A、p、q、r、x、a、b、mは、式(1)中のM、N、A、p、q、r、x、a、b、mと同じ意味である。)
ここで、Mp+は金属カチオンを意味し、Nq+は金属カチオンを意味し、Ar-はアニオンを意味する。上記式(2)において、Mは2価金属であるMg、Zn、Fe、Ca、Ni、Cu、Co、Mn及びCd、並び1価金属であるLiからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。MはMg、Ca及びZnからなる群から選択される少なくとも1種であることより好ましい。
上記式(2)において、Nは3価金属であるAl、Ga、Y、In、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V及びLa、並び4価金属であるSn、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。NはAlであることより好ましい。
xは、0.18<x<0.9であることが好ましく、0.18<x<0.5であることがより好ましく、0.18<x<0.4であることが更に好ましい。
上記式(2)で表される具体的な原料層状複水酸化物としては、Zn/Al、Mg/Al、Zn/Mg/Al、Ni/Ti、Mg/Fe、Ca/Al、Ni/AlまたはCu/Al等の(原料)層状複水酸化物を挙げることができる。
原料層状複水酸化物中のAは、任意の適切な有機または無機アニオン、例えば、ハロゲン化物(例えば、塩化物)、無機オキシアニオン(例えば、炭酸イオン、重炭酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、亜硝酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン)等を形成し得る原子または原子団、アニオン性界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム、脂肪酸塩またはステアリン酸ナトリウムなど)、アニオン性発色団、および/またはアニオン性UV吸収剤、例えば、4-ヒドロキシ-3-10メトキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸(HMBA)、4-ヒドロキシ-3-メトキシケイ皮酸、p-アミノ安息香酸および/またはウロカニン酸であってもよい。Aは、炭酸イオン、重炭酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、亜硝酸イオン、ホウ酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンもしくはリン酸イオンまたはそれらのうちの2つ以上の混合物から選択される無機オキシアニオン等を形成し得る原子団であることが好ましい。より好ましくには、Aは、炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオンまたは亜硝酸イオンから選択される無機オキシアニオン等を形成し得る原子団である。更に好ましくには、Aは塩化物イオンを形成し得る原子である。
本発明の一実施態様において、Mは、Ca、Mg、ZnまたはFeであり、NはAlであり、Aは、炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオンまたは亜硝酸イオン等を形成し得る原子団である。好ましく、Mは、Ca、MgまたはZnであり、NはAlであり、Aは、炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオンまたは亜硝酸イオン等を形成し得る原子団である。より好ましくには、Mは、Ca、MgまたはZnであり、NはAlであり、Aは炭酸イオンを形成し得る原子団である。
本発明の一実施態様において、一般式(8)で表される原料層状複水酸化物が好ましい。
[M2+ 1-x3+ (OH)][Ar- (x/r)]・mHO (8)
(式(8)中、M、N、A、r、x、mは、式(1)中のM、N、A、r、x、mと同じ意味である。)
本発明の一実施態様において、一般式(9)で表される原料層状複水酸化物がより好ましい。
[Mg2+ 1-xAl3+ (OH)][Cl (x-y)]・mHO (9)
(式(9)中、x、y、mは、式(1)中のx、y、mと同じ意味であり、y≦xである。)
mは、0≦m≦7.5であることが好ましく、0≦m≦5であることがより好ましく、式0≦m≦3であることが更に好ましく、0≦m≦1であることが最も好ましい。尚、原料層状複水酸化物は、予め脱水処理を施したものを用いることがよい。前記の脱水委処理としては、例えば、200℃程度の加熱下において約6時間の真空排気を行う方法を挙げることができる。このようにすれば、実質的にm=0である原料層状複水酸化物が得られ、イオン交換により導入される溶媒和電子の失活を抑制する効果が期待される。
本発明の一実施態様において、原料層状複水酸化物のBET比表面積は、10m/g以上であることが好ましく、30m/g以上であることがより好ましく、50m/g以上であることが更に好ましく、100m/g以上であること最もが好ましい。
BET比表面積は、窒素吸着法などで評価することができる。詳細について実施例で説明する。
本発明の一実施態様において、原料層状複水酸化物のタップ密度は、製造される層状複水酸化物エレクトライドが目的とする使用場面においてその効果を有する限り、特に制限はなく、例えば、通常の範囲であればよい。
(電子交換剤)
本発明の製造方法に係る電子交換剤は、前記原料層状複水酸化物から、層間に存在するアニオンを電子で交換させることができれば限定されない。100℃以下で層間に存在するアニオンを電子で交換させることが好ましく、50℃以下で層間に存在するアニオンを電子で交換させることがより好ましい。電子交換剤は、層間に存在するアニオンの種類によって適切に選択することができる。例えば、クラウンエーテル化合物と、ナトリウム等のアルカリ金属を有するTHF系有機溶媒との混合液;液体アンモニアとナトリウム等のアルカリ金属との混合物;ナトリウムナフタレナイト等のアルカリ金属ナフタレナイトなどが挙げられる。特に、前記原料層状複水酸化物の層間アニオンが塩化物イオンである場合、電子交換剤は、クラウンエーテル化合物と、ナトリウム等のアルカリ金属を有するTHF系有機溶媒との混合液であることが好ましい。
(クラウンエーテル化合物)
本発明の一実施態様に係るクラウンエーテル化合物とは、環状のポリエーテルであって電子供与性の酸素原子により環全体が多座配位子となり、アルカリ金属のイオンを環の空孔内に取り込む機能を持つ化合物であれば特に限定されない。
これらの化合物として、例えば、12-クラウン-4、15-クラウン-5、18-クラウン-6、ベンゾ18-クラウン-6、ベンゾ15-クラウン-5、ジベンゾ18-クラウン-6、ジベンゾ18-クラウン-3、ジベンゾ24-クラウン-8、ジベンゾ30-クラウン-10、ジシクロヘキサノ18-クラウン-6、ジシクロヘキサノ24-クラウン-8等を挙げることができる。中でも、12-クラウン-4、15-クラウン-5、18-クラウン-6、ベンゾ18-クラウン-6、ジベンゾ18-クラウン-6、ジシクロヘキサノ18-クラウン-6等を好ましく挙げられ、さらに好ましくは、12-クラウン-4、15-クラウン-5、18-クラウン-6等を、特に好ましくは、18-クラウン-6を挙げることができる。
取り込まれるアルカリ金属イオンは、例えば、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオン等が好ましい。より好ましくはカリウムイオン、ナトリウムイオン等である。また、クラウンエーテル化合物は、必要に応じて2種以上を併用することもできる。 前記原料層状複水酸化物の層間アニオンが塩化物イオンである場合、15-クラウン-5-エーテル、12-クラウン-4-エーテルおよび18-クラウン-6-エーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種のクラウンエーテル化合物を含むものが好ましい。
(THF系有機溶媒)
THF系有機溶媒、THF,MeTHFおよびdiMeTHFからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
(反応条件)
本発明の製造方法における反応温度は、-50~100℃が好ましく、0~50℃がより好ましく、10~30℃が更に好ましい。反応圧力は、特に制限はなく、例えば、大気圧でよい。
反応時間は、通常20~500時間であり、50~400時間が好ましく、170~300時間がより好ましい。
反応系の雰囲気に特に制限はないが、安全性の観点から酸素を避け、また粒子径・アスペクト比に影響を与える二酸化炭素等の混入を避ける観点から、反応系を窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。
反応は撹拌下に行ってもよいし、静置下に行ってもよく、また外部循環等を行ってもよい。
反応終了後、反応終了物を固液分離し、所定溶媒で洗浄することにより、目的とする層状複水酸化物エレクトライドを得ることができる。
(仕込み量)
本発明の製造方法の一実施形態において、例えば、電子交換剤として、クラウンエーテル化合物と、アルカリ金属のTHF系溶媒とを混合して混合液を用い、1価アニオンである塩化物イオン(Cl)を用いる場合、層状複水酸化物の塩化物イオン1モル数に対して、クラウンエーテルが1モル以上、アルカリ金属が1モル以上であることが好ましい。クラウンエーテルが5モル以上、アルカリ金属が5モル以上であることがより好ましい。また、より電子密度の高いエレクトライドを得る観点から、クラウンエーテルが10モル以上、アルカリ金属が10モル以上であることが更に好ましい。
THF系溶媒の使用量は、特に限定されないが、アルカリ金属0.23gに対して、10mlであることが好ましく、20mlであることがより好ましい。
本発明の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法は、更に洗浄工程と乾燥工程とを含むことが好ましい。すなわち、本発明の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法の一実施形態は、前記クラウンエーテルと、アルカリ金属のTHF系溶媒とを混合して混合液を得る混合工程と、前記混合液に原料層状複水酸化物を添加し、層状複水酸化物エレクトライドを生成する生成工程と前記生成工程で得られた層状複水酸化物エレクトライドを洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程で得られた層状複水酸化物エレクトライドを乾燥する乾燥工程とを含むことを好ましい。図3は、本発明の一実施態様の層状複水酸化物エレクトライドを製造する工程を説明する模試図である。
本発明の一実施形態にかかる洗浄工程として、イオン交換終了後、テフロン(登録商標)製の遠沈管に溶液を投入し遠心分離機を用いて20000G、保持時間5分間の条件で遠心分離する。上澄み液を取り除きTHFを投入し遠沈管を攪拌したのち同条件で遠心分離する。これを3回繰り返して不純物クラウンエーテルを除去する。これらの操作は、Ar雰囲気のグローブボックス中で行う。
本発明の一実施形態にかかる乾燥方法として、真空乾燥、加熱乾燥、送付乾燥等の方法があげられる。
例えば、上記洗浄工程で得られる層状複水酸化物エレクトライドに対して、室温~80℃(一例として、50℃)で12~24時間加熱しながら真空排気処理を行うことにより、粉末状の層状複水酸化物エレクトライドを得る。
本発明の層状複水酸化物エレクトライドの用途としては、以下の例が挙げられる。ただし、以下の例に限られていない。
<高機能触媒としての用途>
本発明の層状複水酸化物エレクトライドは、例えば、水素(H)活性化を含む化学反応、窒素活性化(N)を含む化学反応、アミノ化反応、二酸化炭素から(化学原料として有用な)一酸化炭素を製造する反応、ケトン化合物から2級アルコール又はジケトン化合物を製造する還元反応、カルボニル化合物をからジオール又はポリジオールを製造する還元的カップリング反応等の化学反応において、化学反応の触媒として、利用される。
水素(H)活性化を含む化学反応としては、例えば、オレフィン、芳香族化合物、アセチレン系化合物、アルデヒド、カルボン酸、エステル、イミン、ニトリル、ニトロ化合物、硝酸、カルボン酸塩化物、エーテルおよび/またはアセタールの化合物の水素化反応が挙げられる。
本発明の層状複水酸化物エレクトライドは、化学反応の触媒として、利用される場合、好ましくは、例えば、200℃以下の化学反応のための触媒としての利用が挙げられる。また、好ましくは、例えば、塩基触媒または塩基触媒成分や還元剤としての用途が挙げられる。
本発明の層状複水酸化物エレクトライドは、例えば、水などから水素を発生することができる水素発生触媒として用いることができる。
<電子材料としての用途>
本発明の層状複水酸化物エレクトライドの電子材料としての用途としては、例えば、エレクトライドを有する導電性物質を含む、冷電子放出源および有機EL素子のための電子注入層;または、Oxide-TFTのソース・ドレーン電極の導電性バリア材料等が挙げられる。
<電池用材料としての用途>
本発明の層状複水酸化物エレクトライドの電子材料としての用途としては、例えば、エレクトライドを有する導電性物質を含む、太陽電池;または、エレクトライドを有する導電性物質を、白金代替触媒として含む、固体高分子形燃料電池等が挙げられる。
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
(比表面積の測定方法)
以下の実施例及び比較例の比表面積測定は、液体窒素温度で窒素ガスを吸着させ測定した。分析条件は以下の通りである。
「測定条件」
装置:マイクロトラックベル社製 BELSORP-mini II
吸着ガス:窒素(99.99995%)
吸着温度:液体窒素温度(-196℃)
(電子濃度の測定方法)
以下の実施例及の電子濃度測定は、ヨウ素滴定法により行った。条件は以下の通りである。
ヨウ素溶液(0.05mol/L)3mLに層状複水酸化物を10mg程度入れ、そこに濃塩酸(35-37%)を0.1mL入れよく攪拌した。その後、5mmol/Lのチオ硫酸ナトリウム水溶液により滴定を行った。
(紫外・可視吸収スペクトル分析)
以下の実施例及び比較例の紫外・可視吸収スペクトルは、拡散反射法により測定した。分析条件は以下の通りである。
「測定条件」
装置:日立ハイテクノロジーズ社製 U-4000
測定波長:185~2500nm
(フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)分析)
以下の実施例及び比較例の赤外吸収スペクトルは、拡散反射法により測定した。分析条件は以下の通りである。
「測定条件」
装置:島津製作所社製 IRTracer-100
測定波数:400-4000cm-1
(粉体XRD分析)
以下の実施例及び比較例のX線回折パターンは、以下の装置を用い測定した。分析条件は以下の通りである。
「測定条件」
装置:Bruker社製 D8 advance
測定範囲:10~50°
(電子スピン共鳴ESR分析)
以下の実施例及のESR分析は、以下の装置を用い測定した。分析条件は以下の通りである。
「測定条件」
装置:Bruker社製 EMX 8/2.7
測定温度:室温
(合成例1)
原料となるMgAl(OH)16Cl・nHOは、Mg2+、Al3+およびClを含む溶液を塩基性下で共沈させることにより合成した。AlCl・6HO(和光純薬社製,試薬特級)とMgCl・6HO(和光純薬社製,試薬特級)をモル比で3:1の割合で秤量し低効率18.2MΩの超純水に溶解し撹拌した。粒状NaOH(和光純薬社製,試薬特級)を超純水に溶解し2mol/L及び0.001mol/L(pH10)のNaOH水溶液を調製した。4つ口のテフロン(登録商標)製丸底フラスコに0.001mol/L(pH10)のNaOH水溶液を入れた。丸底フラスコの4つ口に、透明円筒分液ロート2つと還流管とpH計とを取り付け、2つの分液ロートそれぞれにAlClおよびMgClを溶解した水溶液と2mol/LのNaOH水溶液とを入れた。装置全体にNガスを30分程度流しCOガスを追い出した。0.001mol/LのNaOH水溶液中に、AlCl・6HOおよびMgCl・6HOを溶解した水溶液と2mol/LのNaOH水溶液とをpHが10から大きく変動しないように確認しながら交互に滴下していくと、LDHの白色沈殿を生じた。この際500rpm程度で攪拌し溶液が均一になるようにして行った。滴下終了後、還流管に水道水を流しながら丸底フラスコを70℃のオイルバス中で半日加熱した。加熱後LDHの白濁液をテフロン(登録商標)製の遠沈管に入れ、遠心分離機で20000G、保持時間5分間の条件で遠心分離した。透明な上澄み液をピペットで除去し遠沈管の中に超純水を入れ撹拌して再び白濁液としたのちに再び同条件で遠心分離した。遠心分離および上澄み除去の操作を三回繰り返すことで不純物であるNaClを取り除いた。得られた粉体を50℃程度に加熱しながら半日程度真空排気加熱処理を行って乾燥することにより、白色粉末LDH-1を得た。
これを赤外線分光分析、粉末X線解析などの方法により分析した。その結果、脱炭酸イオンを塩化物イオンで置換されたことが確認された。原料層状複水酸化物(LDH-1)の組成は、式:MgAl(OH)16(Clで表すことができる。
(合成例2)
「本発明の電子交換剤の作成」
<ナトリウム及びTHF液の準備>
ナトリウム(Na):富士フイルム和光純薬社製、純度98%、使用量0.115g、ブロック状(1cm×1cm程度)
前処理工程:オイルにつかっているNaブロックをグローブボックス中で取り出し、表面をスパチュラで削り取る作業をした。
THF:富士フィルム和光純薬社製、純度99.5%(脱酸素済みのもの)、仕込み量20ml
<ナトリウム、THF液、15-クラウン-5-エーテルの混合>
15-クラウン-5-エーテル:富士フイルム和光純薬社製、純度和光一級、使用量1.1g
Ar雰囲気のグローブボックス内で金属Naブロック(富士フイルム和光純薬社製、98%)の面をスパチュラで削り取り、酸化していない純粋なNa塊を取りした。Naとクラウンエーテルとを、モル比で1:1になるように秤量してバイアル管の中に投入した。その中にTHF(富士フィルム和光純薬社製、脱酸素,安定剤不含,99.5%)を20ml投入した。クラウンエーテルは15-クラウン-5-エーテル(富士フイルム和光純薬社製、和光一級)を使用した。バイアル中にテフロン(登録商標)製撹拌子を入れ、攪拌を開始すると1日~3日程度で溶媒和電子溶液の濃青色液体(混合液M1)が得られた。
(実施例1)
<生成工程>
合成例1で得られた前記LDH-1を200℃、6時間の条件で真空排気して材料に含まれる水を除去してAr雰囲気のグローブボックス内へ入れた。上記の方法で調製した混合液M1の中にLDHを0.135g入れた。その後、室温で238時間攪拌した。
イオン交換終了後、テフロン(登録商標)製の遠沈管に溶液を投入し遠心分離機を用いて20000G、保持時間5分間の条件で遠心分離した。上澄み液を取り除きTHFを投入し遠沈管を攪拌したのち同条件で遠心分離した。これを3回繰り返して不純物クラウンエーテルを除去した。これらの操作は、Ar雰囲気のグローブボックス中で行った。最後に、50℃で12-24時間加熱しながら真空排気処理を行うことにより、粉末状の層状複水酸化物エレクトライドを得た。
<洗浄工程と乾燥工程>
イオン交換終了後、テフロン(登録商標)製の遠沈管に溶液を投入し遠心分離機を用いて20000G、保持時間5分間の条件で遠心分離した。上澄み液を取り除きTHFを投入し遠沈管を攪拌したのち同条件で遠心分離した。これを3回繰り返して不純物クラウンエーテルを除去した。これらの操作は、Ar雰囲気のグローブボックス中で行った。最後に、50℃で12-24時間加熱しながら真空排気処理を行うことにより、黒色粉末状の層状複水酸化物エレクトライド(LDHE-1)を得た。
<評価>
実施例1で得られた前記LDHE-1を、上記で説明した評価方法で評価した。電子密度は、6.53x1020cm-3であった。図3~図7は、それぞれ、吸収スペクトル、赤外スペクトル、FT-IRの吸収スペクトル、XPSパターン、ESRスペクトル結果を示した。
上記の分析の結果から、実施例1で得られた層状複水酸化物エレクトライド(LDHE-1)は、原料層状複水酸化物(LDH-1)の塩化物イオンを電子で置換した。式:MgAl(OH)16(Cl2-y(eで表される層状複水酸化物エレクトライドであることがわかった。また、原料層状複水酸化物の層間Clの1/5未満が電子に置換されたことを推測した。すなわち、yが約0.4未満と推測した。
(実施例2)
生成工程において、室温で167時間放置した以外は、実施例1と同じ方法で層状複水酸化物エレクトライド(LDHE-2)を得た。実施例1と同様な評価方法で評価した。その結果は、図3~図7に示した。
上記の分析の結果、実施例2で得られた層状複水酸化物エレクトライド(LDHE-2)は、原料層状複水酸化物(LDH-1)の塩化物イオンを電子で置換し、式:MgAl(OH)16(Cl2-y(eで表される層状複水酸化物エレクトライドであることがわかった。また、原料層状複水酸化物の層間Clの1/10未満が電子に置換されたことを推測した。すなわち、yが約0.2未満と推測した。
(実施例3)
生成工程において、室温で200時間放置した以外は、実施例1と同じ方法で層状複水酸化物エレクトライド(LDHE-3)を得た。実施例1と同様な評価方法で評価した。 実施例2で得られた層状複水酸化物エレクトライド(LDHE-3)は、原料層状複水酸化物(LDH-1)の塩化物イオンを電子で置換し、式:MgAl(OH)16(Cl2-y(eで表される層状複水酸化物エレクトライドであることがわかった。
また、原料層状複水酸化物の層間Clの1/8未満が電子に置換されたことを推測した。すなわち、yが約0.20と推測した。

Claims (8)

  1. 層間に電子を含み、
    電子密度が2.0x1018cm-3以上である、層状複水酸化物エレクトライド。
  2. 前記層状複水酸化物エレクトライドが、一般式(1)で表される層状複水酸化物エレクトライドである、請求項1に記載の層状複水酸化物エレクトライド。
    [Mp+ 1-xq+ (OH)a+[Ar- (b-y) ]・mHO (1)
    (式(1)中、
    Mは、少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
    Nは、Mとは異なる少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
    Aは、少なくとも1価のアニオンを形成し得る原子または原子団であり、
    pは、1または2であり、
    qは、3または4であり、
    rは、1~3であり、
    0<x<0.9であり、
    a=p×(1-x)+x×q-2であり、
    b≧a/rであり、
    0<y≦bである、かつ
    0≦m≦10である。)
  3. 原料層状複水酸化物と
    前記原料層状複水酸化物の層間に存在するアニオンを電子で交換する電子交換剤とを混合して層状複水酸化物エレクトライドを生成する工程を含み、前記電子交換剤が、クラウンエーテル化合物と、アルカリ金属を有するTHF系有機溶媒との混合液である、層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
  4. 前記層状複水酸化物エレクトライドが一般式(1)で表される層状複水酸化物エレクトライドであり、
    前記原料層状複水酸化物が一般式(2)で表される層状複水酸化物である、請求項に記載の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
    [Mp+ 1-xq+ (OH)a+[Ar- (b-y) ]・mHO (1)
    (式(1)中、
    Mは、少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
    Nは、Mとは異なる少なくとも1価の金属カチオンを形成し得る金属元素であり、
    Aは、少なくとも1価のアニオンを形成し得る原子または原子団であり、
    pは、1または2であり、
    qは、3または4であり、
    rは、1~3であり、
    0<x<0.9であり、
    a=p×(1-x)+x×q-2であり、
    b≧a/rであり、
    0<y≦bである、かつ
    0≦m≦10である。)
    [Mp+ 1-xq+ (OH)a+[Ar- ]・mHO (2)
    (式(2)中、
    M、N、A、p、q、r、x、a、b、y、mは、式(1)中のM、N、A、p、q、r、x、a、b、y、mと同じ意味である。)
  5. 前記クラウンエーテル化合物が15-クラウン-5-エーテル、12-クラウン-4-エーテルおよび18-クラウン-6-エーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種のクラウンエーテル化合物である、請求項3又は4に記載の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
  6. 前記アルカリ金属がナトリウムである、請求項3又は4に記載の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
  7. 前記クラウンエーテル化合物が15-クラウン-5-エーテル、12-クラウン-4-エーテルおよび18-クラウン-6-エーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種のクラウンエーテル化合物であり、
    前記アルカリ金属がナトリウムである、請求項3又は4に記載の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
  8. 前記生成する工程が、
    前記クラウンエーテル化合物前記アルカリ金属のTHF系溶媒とを混合して混合液を得る混合工程と、
    前記混合液に前記原料層状複水酸化物を添加し、前記層状複水酸化物エレクトライドを生成する生成工程とを有し
    さらに前記生成工程で得られた層状複水酸化物エレクトライドを洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程で得られた層状複水酸化物エレクトライドを乾燥する乾燥工程とを含む、請求項3又は4に記載の層状複水酸化物エレクトライドの製造方法。
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