JP7294225B2 - 単結晶引上げ装置及び半導体単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶引上げ装置及び半導体単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、単結晶引上げ装置及び半導体単結晶の製造方法に関する。
シリコン単結晶の主な製法であるチョクラルスキー法(CZ法)は、坩堝中のシリコン原料を溶融して融液を形成し、そこに種結晶を接触させ、回転させながら引き上げることで単結晶を得る製法である。近年ではその改良型として、融液に磁場を印加して対流を抑制する磁場印加CZ(MCZ)法が主流となっている。シリコン融液のような導電性を持つ流体は磁場を印加することで対流を抑制することが可能であり、大口径である直径300mm以上の結晶製造に特に有効な手法である。
このMCZ法は、例えば図7に示した装置で行われている。すなわち、チャンバー1の内部に黒鉛坩堝に支持された石英製の坩堝2が載置され、その周囲を円筒形の黒鉛製ヒーター3が取り囲んでいる。ヒーター3はクランプ4及び電極アダプター5を介してチャンバー下部の電極6に接続され、さらに電極6は電源装置に電気的に接続されている。
この装置を用いて、次のようにしてシリコン単結晶が製造される。すなわち、坩堝2の中に多結晶シリコン原料を充填した後、電極6に直流電源を供給することによって坩堝2内のシリコン原料を溶融してシリコン融液7とする。次いで、マグネットコイル8によりシリコン融液7に水平方向の磁場を印加しながら、引上げ軸9の先端に取り付けられた種結晶10をシリコン融液7に浸し、これをゆっくりと回転しながら引き上げることによってシリコン単結晶11を製造する。
上記のMCZ法において磁場印加中でヒーターに通電すると、磁場と電流の相互作用によりヒーター内を流れる電流の方向に応じたローレンツ力が働く。これによりヒーターが回転したり浮き上がったりすると、他の炉内部材との接触による放電や漏電、あるいは部材そのものの破損が起こる恐れがある。これを防ぐ目的で、ヒーターとそれを支えるクランプとを楔及び治具で固定したり、磁力線方向に対する電流方向を定めたりするといった対策が提案されてきた(特許文献1-4)。
特開昭63-297291号公報 特開平9-183691号公報 特開昭63-297292号公報 特開昭64-042389号公報
ここで、図8を用いて、電極とヒーターの接続部の構造について述べる。最も単純な構造として、図8(a)に示すように、電極6とヒーター3の端子部を電極アダプター5がつなぐ構造が考えられる。また、類似の構造として、電極アダプター5とヒーター端子部の間にクランプ4を挿入する構造が考えられる(図8(b))。一方、図8(c)に示すように、電極アダプター5とヒーター端子の軸がずれている場合に、それらをつなぐような形状のクランプを用いることも考えられる。電極とヒーターの位置関係や他の炉内部材との配置の関係によっては、このような構造が好適な場合がある。このとき、電極アダプター5とクランプ4の固定には、接続具12であるボルトを用いて固定する方法や、あるいは電極アダプター上部から突出させたねじ部にナットを螺合する方法等が挙げられる。
図8(a)、(b)に示される構造では各部材の中心軸が一直線上にあるので、磁場印加中での通電によりヒーターを周方向に回転させる力が加わった場合でも、基本的に電極アダプター5やクランプ4が緩むことはない。しかしながら、図8(c)に示される構造でそのような力が加わった場合、電極アダプター5の軸周りにトルクがかかることになり、トルクの向きと強さによっては接続具12であるボルトが緩む恐れがある。これによりクランプ及びヒーターが回転してしまうと、他部材との接触による破損や放電等が発生し、操業停止につながる恐れがある。特に大型部材や強い磁場条件を用いる場合、ローレンツ力も非常に大きくなり、クランプの固定が不十分な場合があった。
上記の対策として、電極アダプターとクランプを2ヶ所以上で固定することが考えられる。しかしながら、電極アダプターは電極との螺合により固定される構造のため、クランプと接続する上面や側面に固定用の構造(例えば、回転防止のピンを挿入するための穴等)を設けたとしても、その位置がクランプに対していつも同じ場所にはならない。そのため、単に固定用の構造を設けるだけでは、対策として不十分だった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、磁場によりヒーターを回転させる力が加わった場合でも、クランプの回転を最小限に抑えることが可能な単結晶引上げ装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、加熱ヒーター及び溶融した半導体原料が収容される坩堝が配置される引上げ炉と、該引上げ炉の周囲に設けられ、超電導コイルを有する磁場発生装置とを備え、前記超電導コイルへの通電により前記溶融した半導体原料に水平磁場を印加して、前記溶融した半導体原料の前記坩堝内での対流を抑制する単結晶引上げ装置であって、前記加熱ヒーターに電力を供給するための電極と、前記電極に接続された円柱形の電極アダプターと、前記電極アダプターと前記加熱ヒーターの端子とを接続するクランプと、前記電極アダプターと前記クランプとを接続する接続具を含み、前記電極アダプターは、クランプ側接続端の外周面に少なくとも1つの凹部を有し、前記クランプは、前記凹部と連通する少なくとも1つの貫通孔を有し、前記貫通孔を通して前記凹部に挿入される少なくとも1つの回転防止冶具を備える単結晶引上げ装置を提供する。
このような単結晶引上げ装置によれば、磁場を印加している状態でヒーターに通電した場合の、磁場と電流の相互作用に起因したヒーター内を流れる電流の方向に応じたローレンツ力による加熱ヒーターの回転を、電極アダプターとクランプの位置関係に拘らず、最小限に抑えることができ、その結果、他の炉内部材との接触による放電や漏電、あるいは部材そのものの破損の発生を抑制可能なものとなる。
このとき、前記電極アダプターは複数の前記凹部を有し、前記クランプは複数の前記貫通孔を有し、前記複数の凹部のうちの1つの凹部と、前記複数の貫通孔のうちの1つの貫通孔が、1組以上連通しており、前記連通した少なくとも1組の前記貫通孔と前記凹部に挿入される、少なくとも1つの前記回転防止冶具を備える単結晶引上げ装置とすることができる。
これにより、凹部と貫通孔とが複数設けられていれば、電極アダプターの凹部とクランプの貫通孔が一致しうる箇所が増えるため、より確実に加熱ヒーターの回転を抑制できるものとなる。
このとき、前記クランプの貫通孔は、前記電極アダプターの中心軸周りに等間隔にn回対称(但し、nは6以上の整数)となるように、及び/又は、前記凹部は、前記電極アダプターの中心軸周りに等間隔にm回対称(但し、mは6以上の整数)となるように配置されたものである単結晶引上げ装置とすることができる。
これにより、いずれかの凹部及び貫通孔に回転防止冶具が挿入可能な配置数をできるだけ多いものとすることができる。
このとき、前記貫通孔の数と、前記凹部の数の最大公約数が1又は2である単結晶引上げ装置とすることができる。
このようなものであっても、加熱ヒーターの回転を効果的に抑えることができるものである。
このとき、前記電極アダプター、前記クランプ及び前記回転防止冶具は、同一材質のものからなるものである単結晶引上げ装置とすることができる。
このようなものであれば、高温にさらされるCZ法の炉内において、熱膨張率の違いによる破損や変形の恐れが抑制されたものとなる。
このとき、上記単結晶引上げ装置を用いてMCZ法により半導体単結晶を製造する半導体単結晶の製造方法とすることができる。
これにより、磁場を印加してヒーターを回転させる力が加わった場合でも、クランプの回転を最小限に抑えることが可能となるため、他の部材との接触による破損や放電等が抑制でき、操業停止につながるトラブルを抑制しながら半導体単結晶を製造することができる。その結果、歩留まりや生産性を向上することができる。
以上のように、本発明の単結晶引上げ装置によれば、磁場を印加している状態でヒーターに通電した場合の、磁場と電流の相互作用に起因したヒーター内を流れる電流の方向に応じたローレンツ力によるヒーターの回転を、電極アダプターとクランプの位置関係に拘らず、最小限に抑えることができ、その結果、他の炉内部材との接触による放電や漏電、あるいは部材そのものの破損の発生を抑制可能なものとなる。
本発明に係る電極、電極アダプター、クランプの構造を示す断面図である。 本発明に係るクランプにおける貫通孔の配置例(上面図)である。 本発明に係る電極アダプターのクランプ側接続端の一例を示す平面図である。 本発明に係るクランプと電極アダプターを重ね合わせた際の配置を示す平面図である。 図4の配置から、クランプを反時計回りに2°回転させた際の配置を示す平面図である。 図4の配置から、クランプを反時計回りに1°回転させた際の配置を示す平面図である。 単結晶引上げ装置の一例を示す概念図である。 一般的な電極、電極アダプター、クランプの構造の例を示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上述のように、磁場によりヒーターを回転させる力が加わった場合でも、クランプの回転を最小限に抑えることが可能な単結晶引上げ装置が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、加熱ヒーター及び溶融した半導体原料が収容される坩堝が配置される引上げ炉と、該引上げ炉の周囲に設けられ、超電導コイルを有する磁場発生装置とを備え、前記超電導コイルへの通電により前記溶融した半導体原料に水平磁場を印加して、前記溶融した半導体原料の前記坩堝内での対流を抑制する単結晶引上げ装置であって、前記加熱ヒーターに電力を供給するための電極と、前記電極に接続された円柱形の電極アダプターと、前記電極アダプターと前記加熱ヒーターの端子とを接続するクランプと、前記電極アダプターと前記クランプとを接続する接続具を含み、前記電極アダプターは、クランプ側接続端の外周面に少なくとも1つの凹部を有し、前記クランプは、前記凹部と連通する少なくとも1つの貫通孔を有し、前記貫通孔を通して前記凹部に挿入される少なくとも1つの回転防止冶具を備える単結晶引上げ装置により、磁場を印加している状態でヒーターに通電した場合の、磁場と電流の相互作用に起因したヒーター内を流れる電流の方向に応じたローレンツ力によるヒーターの回転を、電極アダプターとクランプの位置関係に拘らず、最小限に抑えることができ、その結果、他の炉内部材との接触による放電や漏電、あるいは部材そのものの破損の発生を抑制可能なものとなることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明の一実施形態に係る単結晶引上げ装置について、図1~7を参照しながら説明する。
(単結晶引上げ装置)
本発明に係る単結晶引上げ装置は、加熱ヒーター及び溶融した半導体原料が収容される坩堝が配置される引上げ炉と、該引上げ炉の周囲に設けられ、超電導コイルを有する磁場発生装置とを備え、超電導コイルへの通電により溶融した半導体原料に水平磁場を印加して、溶融した半導体原料の前記坩堝内での対流を抑制する単結晶引上げ装置において、電源(不図示)から、電極、電極アダプター、クランプを介して加熱ヒーターへ電力を供給するための、電極アダプターとクランプの接続部の構造に特徴を有するものである。以下、本発明に係る単結晶引上げ装置における、電極アダプターとクランプの接続構造について詳細に説明するが、電極アダプター、クランプの接続構造以外の、図7に示す単結晶引上げ装置と同等の事項については、説明を適宜省略することがある。
図1は、本発明に係るシリコン単結晶製造装置の電極6、円柱形の電極アダプター5、クランプ4の接続構造の一例を示す断面図である。外部に設けられた電源(不図示)から、電極6、電極アダプター5、クランプ4を介して、加熱ヒーターに電力が供給される。ここで、電極6と電極アダプター5の接続、固定方法は特に限定されず、例えば、電極6の上端にねじ切り加工(オスネジ)を施し、同じくねじ切り加工(メスネジ)された円柱形の電極アダプター5の下端とを螺合することにより固定することができる。
電極アダプター5と加熱ヒーター3の端子とは、クランプ4により接続され、電極アダプター5とクランプ4とは接続具12で接続される。図1の例では、電極アダプター5の上端のクランプ側接続端13を、クランプ4の座ぐり部にはめ合わせてクランプ4を載置する。クランプ4の座ぐり部の中央には、接続具12、例えばボルトを通すための穴が空いており、接続具12と電極アダプター5のクランプ側接続端13を螺合することで、間にあるクランプごと固定して接続する構造となっている。また、クランプ4には、接続した電極アダプター5の中心軸14周りに、少なくとも1つの貫通孔16が形成されている。さらに、円柱形の電極アダプター5のクランプ側接続端13には、外周部に少なくとも1つの凹部17が設けてある。そして、接続具12と電極アダプター5とが接続されたときに、凹部17と貫通孔16とがいずれかの位置で連通するように形成されている。
クランプ4の貫通孔16の一つに、回転防止冶具15として例えば回転防止ピンを挿入し、それが電極アダプター5のクランプ側接続端13の外周部に形成された凹部17に挿入されることで、クランプが回転するのを防止する役割を果たしている。なお、電極アダプター、クランプ及び回転防止冶具は、同一材質のものとすることが好ましく、特には黒鉛材からなるものとすることが好ましい。CZ法の単結晶製造装置の炉内は高温に曝されるため、同一の材質からなる部材同士を接続させると、熱膨張率の違いによる破損や変形を有効に防止できるものとなる。
電極アダプター5とクランプ4を接続固定する際には、電極アダプター5の凹部17とクランプ4の貫通孔16が一致する箇所に回転防止冶具15を差し込んでから、電極アダプター5とクランプ4を、ボルト等の接続具12により接続固定する。
図2に、クランプ4における貫通孔16の配置例(上面図)を示す。また、図3に、電極アダプター5のクランプ側接続端13の一例の上面図を示す。このように、電極アダプター5はクランプ側接続端13の外周面に複数の凹部17を有し、クランプ4は複数の貫通孔16を有するものとすることができる。そして、複数の凹部17のうちの1つの凹部と、複数の貫通孔16のうちの1つの貫通孔は、1組以上連通しており、連通した少なくとも1組の貫通孔と凹部に、少なくとも1つの回転防止冶具15を挿入するものとすることが好ましい。電極アダプター5の凹部17とクランプ4の貫通孔16を、それぞれ複数とすることで、回転防止冶具15が挿入可能となる箇所を増やすことができる。
また、クランプ4の貫通孔16は、電極アダプター5の中心軸14周りに等間隔にn回対称(但し、nは6以上の整数)となるように、及び/又は、電極アダプター5の凹部17は、電極アダプター5の中心軸14周りに等間隔にm回対称(但し、mは6以上の整数)となるように配置されたものとすることが好ましい。これは、いずれかの貫通孔16に回転防止冶具15が挿入可能な配置数をできるだけ多くしようとした場合、n、mが6以上の整数であれば、そのような配置数を十分にとることができるからである。また、貫通孔16や電極アダプター5の凹部17が中心軸14周りに対称であれば、回転防止冶具15が挿入可能であるときの電極アダプターに対するクランプの角度(以下、「挿入可能角度」と呼ぶ)が等間隔で存在するようになるため、両部材の位置関係による偏りがなくなる。また、挿入可能角度の検討でクランプ4を電極アダプター5に対して回転させることを考える際、貫通孔16と凹部17がそれぞれ中心軸周りに対称であれば、基準位置0°から(360/n)°までの角度を検討すれば、それ以降は検討済みの配置と重なるので、検討が簡便になるという利点もある。
また、貫通孔16の数と凹部17の数の最大公約数が、1又は2のものとすることが好ましい。一般に、ある挿入可能角度において、回転防止冶具15を挿入可能な貫通孔はnとmの最大公約数に等しい数だけ同時に存在する。これらの同時に挿入可能な貫通孔16及び/又は凹部17を増やしても回転防止の観点では利点が少ないため、最大公約数を小さくし、異なる角度において挿入可能な配置数を増やすことがより好ましい。
図2の例では、貫通孔16の数nを20としており、中心軸14を中心とした円上に18°等間隔に配置されている。図3の例ではクランプ側接続端13の外周部に形成した凹部17の数mを9としており、中心軸14周りに40°等間隔に配置されている。
図4に、基準位置において図3の電極アダプター5の凹部17と図2のクランプ4における貫通孔16を重ね合わせた図を示す。電極アダプター5のクランプ側接続端13のうち、クランプ4の貫通孔16を通して見える部分を実線で、クランプ4に隠れて見えない部分を破線で示した。この貫通孔の数nと電極アダプターのクランプ側接続端の凹部の数mの組合せの場合、20と9は互いに素(最大公約数が1)であるので、図4に示す通り、クランプ側接続端13の凹部が貫通孔と一致するのは右端の1箇所のみとなる。このとき、もしnとmの最大公約数が2以上であれば、この状態で最大公約数に一致する数だけ同時に挿入可能な貫通孔が存在することになる。図4では、右端の貫通孔に貫通孔と略同じサイズの回転防止冶具15を挿入することで、回転防止の効果が発揮される。
次に、図4からクランプを反時計回りに2°だけ回転させたときの状態を、図5に示す。ただし、図5,6では、電極アダプター5のクランプ側接続端13側は、可視・不可視にかかわらずすべて破線で表示する。図5のθ=0°の位置のクランプ側接続端13の凹部は、その上部の貫通孔の位置がずれたので挿入することはできず、代わりにθ=200°の位置に回転防止冶具が挿入可能となっている。また、図5からさらに反時計回りに2°だけ回転させると、θ=40°の位置に挿入可能となる。以下同様にして、2°刻みで挿入可能な凹部が移り変わりながら、16°までの回転でクランプ側接続端の9個の凹部に1回ずつピンが挿入されることになる。そこからさらに2°回転させた状態(図4から見て貫通孔が18°回転した状態)は、貫通孔の位置が元の図4と一致するため、それ以降も2°刻みで回転防止冶具を挿入可能であることは自明である。
n=20、m=9のときの例では、クランプ4と電極アダプター5の相対的な回転角度が2°刻みでピンが挿入可能だったが、一般に、回転防止冶具の挿入可能な角度間隔は以下の式で与えられる。
(360°×gcd)/(n×m) ・・・ (1)
ただし、nはクランプの貫通孔の数、mは電極アダプターのクランプ側接続端の凹部の数、gcdはnとmの最大公約数である。この式から分かるように、角度間隔を細かく取りたい場合には、nとmを大きくとり、かつ最大公約数が小さくなるようにすればよい。
ここで、上記の例について、クランプが0°と2°の間の角度で回転した場合を考える。図6にはクランプが1°回転したときの状態を示す。この例では0°と2°のときに凹部と貫通孔が正確に一致するので、1°回転のときが最も凹部と貫通孔のずれ量が多い角度となる。クランプがどの角度に位置する場合でも回転防止冶具を挿入可能にするには、1°回転のときに回転防止冶具がぴったりはまるよう、貫通孔に対する回転防止冶具のサイズを設定すればよい。なお、この1°回転のように、最もずれ量が多くなる角度に限り2箇所のくぼみに回転防止冶具を挿入可能であるが、クランプが反時計回りに回って緩むことを防止するという目的を考えると、図6の例ではθ=0°の位置に回転防止冶具を挿入することがより好ましい。また、上記のサイズ設定により貫通孔や凹部に対して回転防止冶具が若干小さくなる分遊びが生じるが、ずれ量が最も多くなる位置でぴったりはまるサイズにすることで、遊びを最小限にすることが可能である。この例では、遊びによるクランプの回転可能角度は最大でも2°であり、実用的な回転防止機構となっている。
なお、上記の例では貫通孔、凹部及び回転防止冶具の断面形状は四角形としたが、これは回転防止に適した構造の一つとして採用しているものであり、同様の効果が得られるのであればこの形状に限定されるものではない。
(半導体単結晶の製造方法)
本発明に係る半導体単結晶の製造方法においては、上述の単結晶引上げ装置を用いてMCZ法により半導体単結晶を製造する。単結晶引上げ条件は特に限定されない。本発明に係る半導体単結晶の製造方法であれば、磁場を印加してヒーターを回転させる力が加わった場合でも、クランプの回転を最小限に抑えることが可能となるため、他の部材との接触による破損や放電等が抑制でき、操業停止につながるトラブルを抑制することができる。その結果、歩留り、生産性が向上する。
以下、実施例を挙げて本発明について具体的に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
(実施例)
シリコン単結晶の引上げにあたり、図1~3に示す構造の電極アダプター、クランプ、回転防止ピン(回転防止冶具)を用いて、電極及びヒーターの接続を行った。クランプの貫通孔の数は20個、電極アダプターのクランプ側接続端に形成した凹部の数は9個とした。貫通孔の形状は正方形とし、図2のaで示される1辺の長さを14.4mmとした。電極アダプターのクランプ側接続端の凹部の形状は、図3のb,cにおいてそれぞれ14.4mm、9.4mmとした。また、回転防止ピンの断面形状は1辺13.2mmの正方形とし、挿入可能な位置に1本挿入した。
その他の条件は、以下のとおりである。
坩堝口径:直径800mm
多結晶シリコン原料のチャージ量:400kg
単結晶サイズ:直径306mm
磁場:コイル軸と引上げ軸の交点において1500~4000Gとなる水平磁場を印加
上記条件で合計8本のシリコン単結晶の引上げを行った。最大磁束密度とクランプ回転の有無をまとめた結果を、表1に示す。
Figure 0007294225000001
表1に示すとおり、合計8本のいずれの結晶の引上げでもクランプが緩んで操業継続不能となったものはなく、安全に操業を完了できた。
(比較例)
クランプ及び電極アダプターの構造を、回転防止ピンの挿入口のない図8(c)の構造とし、その他の条件を実施例1と同一にして、合計5本のシリコン単結晶の引上げを行った。最大磁束密度とクランプ回転の有無をまとめた結果を、表2に示す。
Figure 0007294225000002
表2に示すとおり、最大磁束密度2000Gの条件では、3回中1回で操業中にクランプが回転してしまい、操業継続不能となった。また、最大磁束密度3000Gを狙った条件では、超電導磁石の励磁途中の約2500Gにおいてクランプが回転してしまい、操業継続不能となった。
以上のとおり、本発明の実施例によれば、クランプの回転が抑制された結果、操業継続不能となったものはなく、安全に操業を完了することができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…チャンバー、 2…坩堝、 3…ヒーター、 4…クランプ、
5…電極アダプター、 6…電極、 7…シリコン融液、 8…マグネットコイル、
9…引上げ軸、 10…種結晶、 11…シリコン単結晶、 12…接続具、
13…クランプ側接続端、 14…電極アダプターの中心軸、 15…回転防止冶具、
16…貫通孔、 17…凹部。

Claims (7)

  1. 加熱ヒーター及び溶融した半導体原料が収容される坩堝が配置される引上げ炉と、該引上げ炉の周囲に設けられ、超電導コイルを有する磁場発生装置とを備え、前記超電導コイルへの通電により前記溶融した半導体原料に水平磁場を印加して、前記溶融した半導体原料の前記坩堝内での対流を抑制する単結晶引上げ装置であって、
    前記加熱ヒーターに電力を供給するための電極と、前記電極に接続された円柱形の電極アダプターと、前記電極アダプターと前記加熱ヒーターの端子とを接続するクランプと、前記電極アダプターと前記クランプとを接続する接続具を含み、
    前記電極アダプターは、クランプ側接続端の外周面に少なくとも1つの凹部を有し、
    前記クランプは、前記凹部と連通する少なくとも1つの貫通孔を有し、
    前記貫通孔を通して前記凹部に挿入される少なくとも1つの回転防止冶具を備え
    前記電極アダプターと前記加熱ヒーターの端子との軸がずれており、前記電極アダプターと前記加熱ヒーターの端子とをつなぐように前記クランプが設けられたものであることを特徴とする単結晶引上げ装置。
  2. 前記電極アダプターは複数の前記凹部を有し、
    前記クランプは複数の前記貫通孔を有し、
    前記複数の凹部のうちの1つの凹部と、前記複数の貫通孔のうちの1つの貫通孔が、1組以上連通しており、
    前記連通した少なくとも1組の前記貫通孔と前記凹部に挿入される、少なくとも1つの前記回転防止冶具を備えることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置。
  3. 前記クランプの貫通孔は、前記電極アダプターの中心軸周りに等間隔にn回対称(但し、nは6以上の整数)となるように配置されたものであることを特徴とする請求項2に記載の単結晶引上げ装置。
  4. 前記凹部は、前記電極アダプターの中心軸周りに等間隔にm回対称(但し、mは6以上の整数)となるように配置されたものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の単結晶引上げ装置。
  5. 前記貫通孔の数と、前記凹部の数の最大公約数が1又は2であることを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の単結晶引上げ装置。
  6. 前記電極アダプター、前記クランプ及び前記回転防止冶具は、同一材質のものからなるものであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の単結晶引上げ装置。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の単結晶引上げ装置を用いてMCZ法により半導体単結晶を製造することを特徴とする半導体単結晶の製造方法。
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