JP7293551B2 - 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品 - Google Patents
水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7293551B2 JP7293551B2 JP2019063642A JP2019063642A JP7293551B2 JP 7293551 B2 JP7293551 B2 JP 7293551B2 JP 2019063642 A JP2019063642 A JP 2019063642A JP 2019063642 A JP2019063642 A JP 2019063642A JP 7293551 B2 JP7293551 B2 JP 7293551B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- disintegratable
- laminate
- paper
- absorbent body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
Description
このような水分解性の吸収性物品としては、例えば、特許文献1に、男性用の水解性吸収性物品であって、複数枚の水解性クレープ紙の積層体からなる吸収体と、吸収体の衣類側に位置する体液浸透防止フィルムと、水解性吸収性物品の外側表面を構成し、吸収体及び体液浸透防止フィルムを覆い、水溶性高分子繊維を含む、水解性の外側クレープ紙と、を有し、水解性クレープ紙、体液浸透防止フィルム、及び外側クレープ紙それぞれのJIS P 4501ほぐれ易さ試験の結果が100秒以内であり、外側クレープ紙がエンボスパターンを有する水解性吸収性物品が開示されている。
また、従来の水解性吸収性物品では水解性と湿潤紙力を両立するために、水溶性ポリマー繊維を混抄した坪量の高い水解紙を用いているため、吸水性が遅く、風合いに劣る欠点があった。
本発明の水解性吸収体は、後述する複数枚の水解紙を積層した積層体1からなる。本発明の水解性吸収体は、布製の失禁用下着と組み合わせて使用してもよいし、水解性のトップシートとバックシートの間に配置して男性用の水解性吸収性物品として使用してもよい。その他、男性用の水解性吸収性物品としては、男性用の軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつが例示されるが、これに限定されるものではなく、その他の吸収性物品であってもよい。
図1は、本発明の実施形態に係る水解性吸収体の積層体1を上部から見た平面図であり、図2は、図1のX1-X1の断面図である。図1に示すように、積層体1は、形状が略長方形であることが好ましいが、図3に示すような略凧型の形状の他、略楕円形や略菱形など、吸収性物品に通常含まれている吸収体の形状であれば、どのような形状であっても構わない。
また、本発明の水解性吸収体は、必要に応じて、積層体1に加え、衣類側に配置する体液浸透防止フィルムや、水解性吸収体及び体液浸透防止フィルムを覆う外側水解紙を有していてもよい(図示しない)。
さらに、衣類側にポリエチレン等の不透水フィルム、人体側に不織布シート、開孔ポリエチレンフィルム等を配置して、中の水解性吸収体と分離して処分できる吸収性物品としたり、失禁用下着にポケット状の吸収体挿入部を設けて、水解性吸収体を取り換えて使用したりしてもよい。
(水解紙の繊維配合)
水解性吸収体は、複数枚の水解紙を積層した積層体1からなる。この積層体1により、体液を吸収して保持する役割を果たす。水解紙は、水溶性ポリマー繊維を混抄したものであり、好ましくは木材パルプと水溶性ポリマー繊維を混抄したものである。水溶性ポリマー繊維を混抄することにより、水解性吸収体が体液を吸収した後も、水解性吸収体が形態を維持することができる。
また、水解紙に混抄する水溶性ポリマー繊維は、特に限定されないが、本発明ではカルボキシメチルセルロース繊維又はポリビニルアルコール繊維を用いることが好ましい。水溶性ポリマー繊維の水解紙への配合量は、1%以上20%以下であることが好ましい。
また、水解紙の一枚あたりの坪量は、20g/m2以上40g/m2以下であることが好ましく、24g/m2以上30g/m2以下であることがより好ましい。湿潤しても破れたり、千切れたりしない湿潤時の切断強度と水解性とを両立するために、水解紙の一枚あたりの坪量が高い方が有利であるが、高い坪量の水解紙は通水抵抗が高くなり、水解性吸収体の吸水速度を遅くする要因となる。水解紙の一枚あたりの坪量が上記の範囲内であることにより、本発明の水解性吸収体の吸収速度と吸収量が十分なものとなる。
吸収体において、紙を複数枚重ねることで吸水速度や保水量などの吸収性能が増えることが知られているが、少量の水分を瞬時に吸い取るワイパー的な吸水性と、所定量の水分を吸収する吸収性物品用の吸収体とでは適性が異なる。本発明の水解性吸収体においては、積層体1を形成するために必要な水解紙の積層枚数は、12枚以上であり、12枚以上20枚以下であることが好ましい。積層枚数が12枚未満であると、吸収速度が遅く、かつ、水解性吸収体に必要な吸収量を満たさない。
本発明の水解性吸収体における積層体1の、JIS P 4501ほぐれ易さ試験の結果は100秒以内であり、80秒以内であることが好ましい。積層体1のJIS P 4501ほぐれ易さ試験の結果が100秒以内であることにより、本発明の水解性吸収体をトイレ等に廃棄した際に、水中に迅速に分散する。
また、積層体1を構成する水解紙の積層枚数が12枚以上である場合、積層体1の湿潤時の切断強度は、2.9N/60mm以上であることが好ましく、3.9N/60mm以上7.8N/60mm以下であることがより好ましい。積層体1の湿潤時の切断強度が2.9N/60mm以上であることにより、水解性吸収体が体液を吸収し、湿潤状態となった後も、水解紙が容易に千切れたり、繊維が脱落して人体を汚染したりするのを防止することができる。
本発明の水解性吸収体は、水解紙を所定枚数重ねて構成された積層体1からなるが、そのままでは使用中に水解紙が剥がれてばらばらになってしまうため、各水解紙を固定する必要がある。しかし、従来の失禁製品でよく使われるホットメルトは水に不溶であり、水溶性の接着剤も水の粘度を増加させるため吸水性を悪化させる。そのため、ナーリング(エッジエンボス、コンタクトエンボス)加工による圧着により水解紙間を固定することが好ましい。ただし、水解紙の一枚あたりの坪量が高く、かつ、積層枚数が多いため、通常の家庭紙製品のようなパターンスチールとプレーンスチール間との圧着では十分な圧着効果が得られない。したがって、ナーリング加工は好ましくは金属製の凹凸の噛み合わせ、より好ましくは凹凸が噛み合った凸パターンスチールと凹パターンスチール間で圧着して、図4に示すような凹凸のパターンを施す。凹凸の各パターンはロール状で連続して圧着しても、平版で圧着しても良い。
また、ナーリング加工による圧着部11は、積層体1の外縁の内側において、外縁と相似形の枠10の線上に施されるが、圧着部11の長さは枠10の全周でなく、好ましくは枠10の線の全長の10%以上30%以内であれば、水解紙の剥がれを防止しながら、人体の当接面に沿って変形することができるため、装着性、モレ防止性が改善される。
本発明の水解性吸収体は、水解紙を積層した積層体1からなる。このとき、使用する水解紙は湿潤時でも容易に破れたり、切断したりしない紙力が必要である。そのため、水解紙の乾燥時の紙力も高く、ごわごわした硬い風合いとなってしまうことから、水解紙にエンボス加工を施すことが好ましい。水解紙にエンボス加工を施すことにより、水解性吸収体及び水解性吸収性物品の風合いを改善することができる。エンボス加工のエンボスパターンは、好ましくはドット状のエンボスパターンを持つスチールロールとプレーンラバーロールを、所定の圧で挟んだロール間に水解紙を通過させることで施工される。エンボスパターンは、一ドットあたりの面積が2mm2以上6mm2以下であることが好ましく、3mm2以上5mm2以下であることがより好ましい。
また、比較例として、トイレットペーパー(積層枚数:8枚、12枚、16枚及び20枚、坪量:20g/m2、エンボス加工のドット面積:1mm2、面積率:12%)を同様に加工したサンプル、及び市販品の失禁ライナー(3cc、吸収体:フラッフパルプ)を用いた。
吸水速度は円筒形の吸水速度測定冶具(内径19mm×外径50mm、重量756g)をサンプル上に置いて、2ccの生理食塩水が吸収するまでの時間を測定し、吸収速度を測定した。
総吸収量は、あらかじめ重量を測定した各サンプルを、生理食塩水に完全に浸かるように5分間浸漬させ、5分後、各サンプルを金網の上に置いて30秒水切りして重量を測定し、吸収前後の重量差を総吸収量とした。
また、総吸収量測定後の各サンプルの湿潤時の切断強度をフォースゲージにて測定した。
各サンプルの測定結果及び総合判定を表1に示す。
さらに、各実施例及び比較例から、同一の積層枚数であれば、一枚あたりの坪量が高い方が湿潤時の切断強度において有利な結果となった。坪量30g/m2では8枚以上、24g/m2の水解紙では12枚以上あれば、吸収体の取替作業時に切断されない300gf/60mm(2.9N/60mm)以上の、湿潤時の切断強度を有することが分かった。なお、比較例のトイレットペーパーでは20枚積層しても十分な湿潤時の切断強度は得られなかった。
以上より、本発明によれば、嵩を抑え、紙シートのごわつきや表面の風合いが改善され、かつ、吸収速度にも優れる、水解性吸収体及びそれを用いた男性用の水解性吸収性物品を提供することができる。
10 枠
11 圧着部
Claims (6)
- 複数枚の、水溶性ポリマー繊維を混抄した水解紙の、積層体からなる水解性吸収体であって、
前記積層体を構成する前記水解紙は、12枚以上であり、
前記積層体の、JIS P 4501ほぐれ易さ試験の結果が100秒以内であり、
前記積層体を構成する前記水解紙が12枚以上である場合の、前記積層体の湿潤時の切断強度が、2.9N/60mm以上であり、
前記積層体が、ナーリング加工によって施された圧着部を備え、
前記圧着部は前記積層体の外縁の内側において、前記外縁と相似形の枠の線上に配置され、前記圧着部の長さは前記枠の線の全長の10%以上30%以下であり、
前記圧着部が配置された前記枠は、前記積層体の外縁から5mm以上内側にあることを特徴とする、水解性吸収体。 - 前記水解紙の一枚あたりの坪量が、20g/m2以上40g/m2以下であることを特徴とする、請求項1に記載の水解性吸収体。
- 前記水解紙に含まれる前記水溶性ポリマー繊維が、カルボキシメチルセルロース繊維又はポリビニルアルコール繊維であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水解性吸収体。
- 前記積層体を構成する前記水解紙が、ドット状のエンボスパターンによるエンボス加工を施され、前記エンボスパターンの一ドットあたりの面積は2mm2以上6mm2以下であり、前記エンボスパターンの面積率は18%以上28%以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の水解性吸収体。
- 前記ナーリング加工は、金属製の凹凸の噛み合わせによって施すことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の水解性吸収体。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載された水解性吸収体を有することを特徴とする、男性用の水解性吸収性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019063642A JP7293551B2 (ja) | 2019-03-28 | 2019-03-28 | 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019063642A JP7293551B2 (ja) | 2019-03-28 | 2019-03-28 | 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020162647A JP2020162647A (ja) | 2020-10-08 |
JP7293551B2 true JP7293551B2 (ja) | 2023-06-20 |
Family
ID=72715022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019063642A Active JP7293551B2 (ja) | 2019-03-28 | 2019-03-28 | 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7293551B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009119022A (ja) | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Kao Corp | 吸収性物品 |
JP2018082842A (ja) | 2016-11-22 | 2018-05-31 | 日本製紙クレシア株式会社 | 男性用の水解性吸収性物品 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS596813Y2 (ja) * | 1978-12-16 | 1984-03-02 | ユニ・チヤ−ム株式会社 | 体液処理用品 |
JP6091135B2 (ja) * | 2012-09-28 | 2017-03-08 | ユニ・チャーム株式会社 | 水解性吸収性物品 |
-
2019
- 2019-03-28 JP JP2019063642A patent/JP7293551B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009119022A (ja) | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Kao Corp | 吸収性物品 |
JP2018082842A (ja) | 2016-11-22 | 2018-05-31 | 日本製紙クレシア株式会社 | 男性用の水解性吸収性物品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020162647A (ja) | 2020-10-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3986222B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2514294B2 (ja) | 吸収性物品用身体側カバ― | |
US7335810B2 (en) | Absorbent article having extended cushion layer with corrugated topsheet | |
JP5007157B2 (ja) | 吸収性物品 | |
US9339422B2 (en) | Absorbent article with raised body conforming structure | |
AU2014208105B2 (en) | Absorbent article | |
US6802932B2 (en) | Absorbent article and method of manufacturing the same | |
EP1346712B1 (en) | Absorbent article | |
KR100822628B1 (ko) | 수해성 흡수성 물품 | |
RU2246921C2 (ru) | Гигиеническая прокладка с возможностью контролируемой деформации при использовании | |
JP2009519097A (ja) | 吸収用品 | |
CZ302200B6 (cs) | Hygienická vložka | |
CN1981726A (zh) | 一次性尿布 | |
JP2011255116A (ja) | 吸収性物品 | |
EP0942698B1 (en) | Absorbent structure for use in an absorbent article | |
US20050177121A1 (en) | Surface side sheet and interlabial pad | |
RU2242957C2 (ru) | Гигиеническая прокладка, устойчивая к сжатию | |
JP7293551B2 (ja) | 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品 | |
JP7367247B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP4369810B2 (ja) | 生理用ナプキン | |
WO2004082545A1 (en) | Liquid-absorbing component for an absorbent article | |
JP2019055112A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2006014886A5 (ja) | ||
JP4004210B2 (ja) | 吸収性物品 | |
RU2575448C1 (ru) | Нетканое полотно |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220302 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230131 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230327 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230509 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230517 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7293551 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |