JP7293551B2 - 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品 - Google Patents

水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP7293551B2
JP7293551B2 JP2019063642A JP2019063642A JP7293551B2 JP 7293551 B2 JP7293551 B2 JP 7293551B2 JP 2019063642 A JP2019063642 A JP 2019063642A JP 2019063642 A JP2019063642 A JP 2019063642A JP 7293551 B2 JP7293551 B2 JP 7293551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
disintegratable
laminate
paper
absorbent body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019063642A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020162647A (ja
Inventor
剛 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Crecia Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Crecia Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Crecia Co Ltd filed Critical Nippon Paper Crecia Co Ltd
Priority to JP2019063642A priority Critical patent/JP7293551B2/ja
Publication of JP2020162647A publication Critical patent/JP2020162647A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7293551B2 publication Critical patent/JP7293551B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Description

本発明は、水解性吸収体及びそれを有する男性用の水解性吸収性物品に関する。
一般的に吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、で構成されており、これにより、尿等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収される。この吸収性物品は、想定される使用状況における体液の排出量に応じて、様々な吸収量のものが存在する。これらのうち、比較的少量の排出量の体液を吸収するものとしては、軽失禁ライナーや軽失禁パッド等が知られている。
ところで、軽失禁のための男性用の吸収性物品を廃棄する際には、廃棄場所に困窮する場合が多い。例えば、女性用の吸収性物品を廃棄する際には、女性用トイレに通常設置されているごみ箱に廃棄することが多い。一方で、男性用トイレにはごみ箱が設置されていない場合も多く、男性用の吸収性物品を廃棄する際には、廃棄場所に問題が生じることが多い。
そこで、軽失禁ライナーや軽失禁パッドにおいては、最近はこれを水解性の材料から構成し、トイレに廃棄できる製品も知られている。これらの水解性の吸収性物品は、使用後にトイレに廃棄することも可能であり、使用後の後処理が容易であるという利点がある。また、従来の水解性吸収性物品は生理用のものに限られ、軽失禁用のものはなく、更に高吸水性ポリマーを含有するものもなかった。
このような水分解性の吸収性物品としては、例えば、特許文献1に、男性用の水解性吸収性物品であって、複数枚の水解性クレープ紙の積層体からなる吸収体と、吸収体の衣類側に位置する体液浸透防止フィルムと、水解性吸収性物品の外側表面を構成し、吸収体及び体液浸透防止フィルムを覆い、水溶性高分子繊維を含む、水解性の外側クレープ紙と、を有し、水解性クレープ紙、体液浸透防止フィルム、及び外側クレープ紙それぞれのJIS P 4501ほぐれ易さ試験の結果が100秒以内であり、外側クレープ紙がエンボスパターンを有する水解性吸収性物品が開示されている。
また、特許文献2には、略台形の外形を有する男性用の水解性吸収性物品であって、複数枚の水解性クレープ紙の積層体からなる吸収体と、吸収体の衣類側に位置する体液浸透防止フィルムと、水解性吸収性物品の外側表面を構成し、吸収体及び体液浸透防止フィルムを覆い、水溶性高分子繊維を含む、水解性の外側クレープ紙と、を有し、水解性クレープ紙、体液浸透防止フィルム、及び外側クレープ紙それぞれのJIS P 4501ほぐれ易さ試験の結果が100秒以内である水解性吸収性物品が開示されている。
特開2018-082842号公報 特開2018-082979号公報
しかし、特許文献1や特許文献2に開示された水解性吸収性物品では、いずれも水溶性高分子繊維を積層した吸収体を含むものの、通常の解繊パルプを使用した吸収性物品と比較して、体液の吸収速度が遅いという欠点があった。また、風合いや着用時の快適性等の点においても、通常の解繊パルプを使用した吸収性物品に劣っていた。
また、従来の水解性吸収性物品では水解性と湿潤紙力を両立するために、水溶性ポリマー繊維を混抄した坪量の高い水解紙を用いているため、吸水性が遅く、風合いに劣る欠点があった。
したがって、本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、体液の吸収速度に優れ、風合いや着用時の快適性も改善された水解性吸収体及びそれを有する男性用の水解性吸収性物品を提供することを目的とする。
詳しくは、水解紙を所定の枚数積層した積層体を用いて、紙シートのごわつきや表面の風合いが改善され、吸収速度にも優れる水解性吸収体及びそれを有する男性用の水解性吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、JIS P 4501ほぐれ易さ試験及び水解紙を所定の枚数積層した場合の湿潤時の切断強度をそれぞれ所定の値とすることで上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、複数枚の、水溶性ポリマー繊維を混抄した水解紙の、積層体からなる水解性吸収体であって、前記積層体を構成する前記水解紙は、12枚以上であり、前記積層体の、JIS P 4501ほぐれ易さ試験の結果が100秒以内であり、前記積層体を構成する前記水解紙が12枚以上である場合の、前記積層体の湿潤時の切断強度が、2.9N/60mm以上であることを特徴とする、水解性吸収体である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の水解性吸収体であって、前記水解紙の一枚あたりの坪量が、20g/m以上40g/m以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の水解性吸収体であって、前記水解紙に含まれる前記水溶性ポリマー繊維が、カルボキシメチルセルロース繊維又はポリビニルアルコール繊維であることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の水解性吸収体であって、前記積層体が、ナーリング加工によって施された圧着部を備え、前記圧着部は前記吸収体の外縁の内側において、前記外縁と相似形の枠の線上に配置され、前記圧着部の長さは前記枠の線の全長の10%以上30%以下であることを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(4)に記載の水解性吸収体であって、前記圧着部が配置された前記枠は、前記吸収体の外縁から5mm以上内側にあることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の態様は、(4)又は(5)に記載の水解性吸収体であって、前記吸収体を構成する前記水解紙が、ドット状のエンボスパターンによるエンボス加工を施され、前記エンボスパターンの一ドットあたりの面積は2mm以上6mm以下であり、前記エンボスパターンの面積率は18%以上28%以下であることを特徴とするものである。
(7)本発明の第7の態様は、(4)から(6)のいずれかに記載の水解性吸収体であって、前記ナーリング加工は、金属製の凹凸の噛み合わせによって施すことを特徴とするものである。
(8)本発明の第8の態様は、(1)から(7)のいずれかに記載の水解性吸収体を有することを特徴とする、男性用の水解性吸収性物品である。
したがって、本発明によれば、水解紙を所定の枚数積層した吸収体を用いて、紙シートのごわつきや表面の風合いが改善され、吸収速度にも優れる水解性吸収体及びそれを有する男性用の水解性吸収性物品を提供することができる。
本発明の水解性吸収体の平面図である。 図1のX-Xの断面図である。 本発明の水解性吸収体の別の実施態様の平面図である。 ナーリング加工の凹凸パターンを示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付する。
また、本明細書の説明において、水解性吸収性物品の着用時とは、水解性吸収性物品の着用時及び着用後の少なくとも一方をいう。水解性吸収性物品の長手方向とは、水解性吸収性物品が着用されたときに着用者の前後にわたる方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、水解性吸収性物品の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
<水解性吸収性物品>
本発明の水解性吸収体は、後述する複数枚の水解紙を積層した積層体1からなる。本発明の水解性吸収体は、布製の失禁用下着と組み合わせて使用してもよいし、水解性のトップシートとバックシートの間に配置して男性用の水解性吸収性物品として使用してもよい。その他、男性用の水解性吸収性物品としては、男性用の軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつが例示されるが、これに限定されるものではなく、その他の吸収性物品であってもよい。
<水解性吸収体>
図1は、本発明の実施形態に係る水解性吸収体の積層体1を上部から見た平面図であり、図2は、図1のX-Xの断面図である。図1に示すように、積層体1は、形状が略長方形であることが好ましいが、図3に示すような略凧型の形状の他、略楕円形や略菱形など、吸収性物品に通常含まれている吸収体の形状であれば、どのような形状であっても構わない。
積層体1の、長手方向の寸法は120mm以上220mm以下、幅方向の寸法は40mm以上120mm以下であることが好ましく、重量は2g以上5g以下であることが好ましい。また、積層体1が図3に示すような略凧型である場合、対角線の長手方向の寸法は120mm以上250mm以下、幅方向の寸法は60mm以上150mm以下であることが好ましい。積層体1の寸法及び重量を上記の範囲に調整することにより、本発明の実施に適した水解性吸収体を得ることができる。
また、本発明の水解性吸収体は、必要に応じて、積層体1に加え、衣類側に配置する体液浸透防止フィルムや、水解性吸収体及び体液浸透防止フィルムを覆う外側水解紙を有していてもよい(図示しない)。
さらに、衣類側にポリエチレン等の不透水フィルム、人体側に不織布シート、開孔ポリエチレンフィルム等を配置して、中の水解性吸収体と分離して処分できる吸収性物品としたり、失禁用下着にポケット状の吸収体挿入部を設けて、水解性吸収体を取り換えて使用したりしてもよい。
<積層体>
(水解紙の繊維配合)
水解性吸収体は、複数枚の水解紙を積層した積層体1からなる。この積層体1により、体液を吸収して保持する役割を果たす。水解紙は、水溶性ポリマー繊維を混抄したものであり、好ましくは木材パルプと水溶性ポリマー繊維を混抄したものである。水溶性ポリマー繊維を混抄することにより、水解性吸収体が体液を吸収した後も、水解性吸収体が形態を維持することができる。
また、水解紙に混抄する水溶性ポリマー繊維は、特に限定されないが、本発明ではカルボキシメチルセルロース繊維又はポリビニルアルコール繊維を用いることが好ましい。水溶性ポリマー繊維の水解紙への配合量は、1%以上20%以下であることが好ましい。
(水解紙の一枚あたりのシート坪量)
また、水解紙の一枚あたりの坪量は、20g/m以上40g/m以下であることが好ましく、24g/m以上30g/m以下であることがより好ましい。湿潤しても破れたり、千切れたりしない湿潤時の切断強度と水解性とを両立するために、水解紙の一枚あたりの坪量が高い方が有利であるが、高い坪量の水解紙は通水抵抗が高くなり、水解性吸収体の吸水速度を遅くする要因となる。水解紙の一枚あたりの坪量が上記の範囲内であることにより、本発明の水解性吸収体の吸収速度と吸収量が十分なものとなる。
(水解紙の積層枚数)
吸収体において、紙を複数枚重ねることで吸水速度や保水量などの吸収性能が増えることが知られているが、少量の水分を瞬時に吸い取るワイパー的な吸水性と、所定量の水分を吸収する吸収性物品用の吸収体とでは適性が異なる。本発明の水解性吸収体においては、積層体1を形成するために必要な水解紙の積層枚数は、12枚以上であり、12枚以上20枚以下であることが好ましい。積層枚数が12枚未満であると、吸収速度が遅く、かつ、水解性吸収体に必要な吸収量を満たさない。
(吸収体の水解性)
本発明の水解性吸収体における積層体1の、JIS P 4501ほぐれ易さ試験の結果は100秒以内であり、80秒以内であることが好ましい。積層体1のJIS P 4501ほぐれ易さ試験の結果が100秒以内であることにより、本発明の水解性吸収体をトイレ等に廃棄した際に、水中に迅速に分散する。
(積層体の湿潤時の切断強度)
また、積層体1を構成する水解紙の積層枚数が12枚以上である場合、積層体1の湿潤時の切断強度は、2.9N/60mm以上であることが好ましく、3.9N/60mm以上7.8N/60mm以下であることがより好ましい。積層体1の湿潤時の切断強度が2.9N/60mm以上であることにより、水解性吸収体が体液を吸収し、湿潤状態となった後も、水解紙が容易に千切れたり、繊維が脱落して人体を汚染したりするのを防止することができる。
(ナーリング加工)
本発明の水解性吸収体は、水解紙を所定枚数重ねて構成された積層体1からなるが、そのままでは使用中に水解紙が剥がれてばらばらになってしまうため、各水解紙を固定する必要がある。しかし、従来の失禁製品でよく使われるホットメルトは水に不溶であり、水溶性の接着剤も水の粘度を増加させるため吸水性を悪化させる。そのため、ナーリング(エッジエンボス、コンタクトエンボス)加工による圧着により水解紙間を固定することが好ましい。ただし、水解紙の一枚あたりの坪量が高く、かつ、積層枚数が多いため、通常の家庭紙製品のようなパターンスチールとプレーンスチール間との圧着では十分な圧着効果が得られない。したがって、ナーリング加工は好ましくは金属製の凹凸の噛み合わせ、より好ましくは凹凸が噛み合った凸パターンスチールと凹パターンスチール間で圧着して、図4に示すような凹凸のパターンを施す。凹凸の各パターンはロール状で連続して圧着しても、平版で圧着しても良い。
ナーリング加工の凹凸パターンは深さ0.5以上1.5mm以下であることが好ましい。また、凸パターンの頂点には平面部を持ち、かつ、凹パターンの谷部の側面に当たる構造を持つことで、凸パターンが若干摩耗しても、圧着性が保てる形状が好ましい。ナーリング加工により施される圧着部11は非常に硬くなるため、水解性吸収体の外縁のエッジ部にあると肌に当たりダメージを与える。これを防止するために、圧着部11は積層体1の外縁より5mm以上内側に設けることが好ましい。
また、ナーリング加工による圧着部11は、積層体1の外縁の内側において、外縁と相似形の枠10の線上に施されるが、圧着部11の長さは枠10の全周でなく、好ましくは枠10の線の全長の10%以上30%以内であれば、水解紙の剥がれを防止しながら、人体の当接面に沿って変形することができるため、装着性、モレ防止性が改善される。
(エンボス加工)
本発明の水解性吸収体は、水解紙を積層した積層体1からなる。このとき、使用する水解紙は湿潤時でも容易に破れたり、切断したりしない紙力が必要である。そのため、水解紙の乾燥時の紙力も高く、ごわごわした硬い風合いとなってしまうことから、水解紙にエンボス加工を施すことが好ましい。水解紙にエンボス加工を施すことにより、水解性吸収体及び水解性吸収性物品の風合いを改善することができる。エンボス加工のエンボスパターンは、好ましくはドット状のエンボスパターンを持つスチールロールとプレーンラバーロールを、所定の圧で挟んだロール間に水解紙を通過させることで施工される。エンボスパターンは、一ドットあたりの面積が2mm以上6mm以下であることが好ましく、3mm以上5mm以下であることがより好ましい。
また、エンボスパターンの面積率は18%以上28%以下が好ましい。エンボスパターンの面積率を上記の値の範囲内とすることにより、滑らかな表面性と表裏差の少ない水解紙とすることができる、これにより本発明の水解性吸収体及び水解性吸収性物品の風合いや着用時の快適性が改善されることになる。エンボス加工は水解紙に1枚又は2枚単位で施工後、所定枚数を重ね合わせて積層体1を形成することで、適正な水解紙の間隙を維持することができ、結果として吸水速度の良化と吸水量の増加に寄与することができる。
なお、ナーリングの凹凸パターンの深さや圧着部11のエンボスパターンの面積率は、常法に従い、マイクロスコープ等を用いて求めることができる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
一枚あたりの坪量が、それぞれ24g/m、30g/m及び40g/mのPVA混抄紙にエンボス加工(ドット面積:4mm、面積率:20%)を施したシートを、各々所定枚数(8枚、12枚、16枚及び20枚)積層し、60mm×150mmに成型した試作体を実施例及び参考例のサンプルとした。
また、比較例として、トイレットペーパー(積層枚数:8枚、12枚、16枚及び20枚、坪量:20g/m、エンボス加工のドット面積:1mm、面積率:12%)を同様に加工したサンプル、及び市販品の失禁ライナー(3cc、吸収体:フラッフパルプ)を用いた。
上述した各サンプルにおける2ccの生理食塩水の吸収速度及び総吸収量を評価した。
吸水速度は円筒形の吸水速度測定冶具(内径19mm×外径50mm、重量756g)をサンプル上に置いて、2ccの生理食塩水が吸収するまでの時間を測定し、吸収速度を測定した。
総吸収量は、あらかじめ重量を測定した各サンプルを、生理食塩水に完全に浸かるように5分間浸漬させ、5分後、各サンプルを金網の上に置いて30秒水切りして重量を測定し、吸収前後の重量差を総吸収量とした。
また、総吸収量測定後の各サンプルの湿潤時の切断強度をフォースゲージにて測定した。
上記の各サンプルの測定結果において、吸収速度が10秒未満であること、総吸収量が想定する総吸収量である5gの3倍である15g以上であること、及び湿潤時の切断強度がハンドリング時に切れない2.9N/60mm(300gf/60mm)以上であることの3つの条件をすべて満たすサンプルを総合判定で〇とし、それ以外のサンプルを×とした。
各サンプルの測定結果及び総合判定を表1に示す。
Figure 0007293551000001
各実施例及び各比較例から、水解紙の積層枚数が増えると吸収速度は速くなるが、用いた水解紙の一枚あたりの坪量に関わらず、積層枚数が12枚~16枚あたりで吸収速度がレベルオフ(横ばい)になることが判明した。また、同一の積層枚数での吸水速度は、水解紙の一枚あたりの坪量が低い方が高くなり、16枚積層した場合、水解紙の一枚あたりの坪量が30g/m以下であれば、市販品の失禁ライナーの吸収速度と同等以上となった。
同様に、各実施例及び各比較例から、総吸収量はほぼ吸収体の坪量に比例して増加しているが、積層枚数が多いほど総吸収量が多くなる傾向が判明した。特に、積層枚数が12枚以上又は一枚あたりの坪量が20g/m以上であれば、吸収性物品に必要な15gを上回る吸収量が得られた。
さらに、各実施例及び比較例から、同一の積層枚数であれば、一枚あたりの坪量が高い方が湿潤時の切断強度において有利な結果となった。坪量30g/mでは8枚以上、24g/mの水解紙では12枚以上あれば、吸収体の取替作業時に切断されない300gf/60mm(2.9N/60mm)以上の、湿潤時の切断強度を有することが分かった。なお、比較例のトイレットペーパーでは20枚積層しても十分な湿潤時の切断強度は得られなかった。
以上より、本発明によれば、嵩を抑え、紙シートのごわつきや表面の風合いが改善され、かつ、吸収速度にも優れる、水解性吸収体及びそれを用いた男性用の水解性吸収性物品を提供することができる。
1 積層体
10 枠
11 圧着部

Claims (6)

  1. 複数枚の、水溶性ポリマー繊維を混抄した水解紙の、積層体からなる水解性吸収体であって、
    前記積層体を構成する前記水解紙は、12枚以上であり、
    前記積層体の、JIS P 4501ほぐれ易さ試験の結果が100秒以内であり、
    前記積層体を構成する前記水解紙が12枚以上である場合の、前記積層体の湿潤時の切断強度が、2.9N/60mm以上であり、
    前記積層体が、ナーリング加工によって施された圧着部を備え、
    前記圧着部は前記積層体の外縁の内側において、前記外縁と相似形の枠の線上に配置され、前記圧着部の長さは前記枠の線の全長の10%以上30%以下であり、
    前記圧着部が配置された前記枠は、前記積層体の外縁から5mm以上内側にあることを特徴とする、水解性吸収体。
  2. 前記水解紙の一枚あたりの坪量が、20g/m以上40g/m以下であることを特徴とする、請求項1に記載の水解性吸収体。
  3. 前記水解紙に含まれる前記水溶性ポリマー繊維が、カルボキシメチルセルロース繊維又はポリビニルアルコール繊維であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水解性吸収体。
  4. 前記積層体を構成する前記水解紙が、ドット状のエンボスパターンによるエンボス加工を施され、前記エンボスパターンの一ドットあたりの面積は2mm以上6mm以下であり、前記エンボスパターンの面積率は18%以上28%以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の水解性吸収体。
  5. 前記ナーリング加工は、金属製の凹凸の噛み合わせによって施すことを特徴とする、請求項からのいずれか1項に記載の水解性吸収体。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載された水解性吸収体を有することを特徴とする、男性用の水解性吸収性物品。
JP2019063642A 2019-03-28 2019-03-28 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品 Active JP7293551B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019063642A JP7293551B2 (ja) 2019-03-28 2019-03-28 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019063642A JP7293551B2 (ja) 2019-03-28 2019-03-28 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020162647A JP2020162647A (ja) 2020-10-08
JP7293551B2 true JP7293551B2 (ja) 2023-06-20

Family

ID=72715022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019063642A Active JP7293551B2 (ja) 2019-03-28 2019-03-28 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7293551B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009119022A (ja) 2007-11-14 2009-06-04 Kao Corp 吸収性物品
JP2018082842A (ja) 2016-11-22 2018-05-31 日本製紙クレシア株式会社 男性用の水解性吸収性物品

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS596813Y2 (ja) * 1978-12-16 1984-03-02 ユニ・チヤ−ム株式会社 体液処理用品
JP6091135B2 (ja) * 2012-09-28 2017-03-08 ユニ・チャーム株式会社 水解性吸収性物品

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009119022A (ja) 2007-11-14 2009-06-04 Kao Corp 吸収性物品
JP2018082842A (ja) 2016-11-22 2018-05-31 日本製紙クレシア株式会社 男性用の水解性吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020162647A (ja) 2020-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3986222B2 (ja) 吸収性物品
JP2514294B2 (ja) 吸収性物品用身体側カバ―
US7335810B2 (en) Absorbent article having extended cushion layer with corrugated topsheet
JP5007157B2 (ja) 吸収性物品
US9339422B2 (en) Absorbent article with raised body conforming structure
AU2014208105B2 (en) Absorbent article
US6802932B2 (en) Absorbent article and method of manufacturing the same
EP1346712B1 (en) Absorbent article
KR100822628B1 (ko) 수해성 흡수성 물품
RU2246921C2 (ru) Гигиеническая прокладка с возможностью контролируемой деформации при использовании
JP2009519097A (ja) 吸収用品
CZ302200B6 (cs) Hygienická vložka
CN1981726A (zh) 一次性尿布
JP2011255116A (ja) 吸収性物品
EP0942698B1 (en) Absorbent structure for use in an absorbent article
US20050177121A1 (en) Surface side sheet and interlabial pad
RU2242957C2 (ru) Гигиеническая прокладка, устойчивая к сжатию
JP7293551B2 (ja) 水解性吸収体及び男性用の水解性吸収性物品
JP7367247B2 (ja) 吸収性物品
JP4369810B2 (ja) 生理用ナプキン
WO2004082545A1 (en) Liquid-absorbing component for an absorbent article
JP2019055112A (ja) 吸収性物品
JP2006014886A5 (ja)
JP4004210B2 (ja) 吸収性物品
RU2575448C1 (ru) Нетканое полотно

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7293551

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150