JP7293513B2 - B因子阻害剤の使用方法 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 (1)公開日: 2020年6月6日 (2)オンラインによる公開: https://academic.oup.com/ndt/article/35/Supplement_3/gfaa140.MO042/5853308 “MO042 LNP023:糸球体疾患の治療のための新規経口補体副経路因子B阻害剤”腎透析移植,第35巻,問題補足3,2020年6月,gfaa140.MO042 (3)会議の名前と場所: 2020年6月6日~9日に開催された完全にバーチャルな第57回ERA-EDTA会議 https://academic.oup.com/ndt/issue/35/Supplement_3?page=2 (4)公開者: ノバルティス アーゲー (5)公開された発明: ノバルティス アーゲーは、バーチャル・プレゼンテーション資料に、ウェブ,ニコラスとハラルドソン,ボエルジェとシュバルト,アナとミロジェヴィック,ジュリー マリー-ポム ガブリエルとエンド,ピーターとホルブロ,トーマスとジュンゲ,グイドとによって発明された“MO042 LNP023:糸球体疾患の治療のための新規経口補体副経路因子B阻害剤”を公開した。 添付書類:“第57回ERA-EDTA会議要約;腎透析移植,第35巻,問題補足3”というバーチャル・プレゼンテーション資料の関連部分のコピー:“MO042 LNP023:糸球体疾患の治療のための新規経口補体副経路因子B阻害剤”
特許法第30条第2項適用 (1)公開日:2020年1月29日 (2)オンラインによる公開:https://www.novartis.com/sites/www.novartis.com/files/q4-2019-investor-presentation.pdf 75~77頁における“LNP023-補体代替経路のB因子阻害” (3)会議の名前と場所:2020年1月29日にアメリカ合衆国ノバルティス社で開催されたプレゼンテーション (4)公開者:ノバルティス アーゲー (5)公開された発明:ノバルティス アーゲーは、“Q4 and FY 2019 Results”というプレゼンテーション資料に、エンド,ピーターとバルトチェバ,イリーナとミロジェヴィック,ジュリー マリー-ポム ガブリエルとによって発明された“LNP023-補体代替経路のB因子阻害”を公開した。 添付書類:“Q4 and FY 2019 Results”というプレゼンテーション資料の関連部分のコピー:75~77頁における“LNP023-補体代替経路のB因子阻害”
特許法第30条第2項適用 (1)公開日: 2020年6月8日(2)オンラインによる公開: 添付書類は、バーチャル・プレゼンテーションの間とその後の一定期間だけ登録済みの参加者にオンライン上だけで利用可能であったが、今はオンライン上で利用可能ではない。“LNP023:糸球体疾患の治療のための新規経口補体副経路因子B阻害剤”完全にバーチャルな第57回ERA-EDTA会議 (3)会議の名前と場所: 2020年6月6日~9日に開催された完全にバーチャルな第57回ERA-EDTA会議 https://academic.oup.com/ndt/issue/35/Supplement_3?page=2 (4)公開者: ノバルティス アーゲー (5)公開された発明: ノバルティス アーゲーは、ウェブ,ニコラスとハラルドソン,ボエルジェとシュバルト,アナとミロジェヴィック,ジュリー マリー-ポム ガブリエルとエンド,ピーターとホルブロ,トーマスとジュンゲ,グイドとによって発明された“LNP023:糸球体疾患の治療のための新規経口補体副経路因子B阻害剤”を公開した。 添付書類:“第57回ERA-EDTA会議”の関連部分のコピー:“LNP023:糸球体疾患の治療のための新規経口補体副経路因子B阻害剤”
本開示は、B因子阻害剤であるLNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容される塩により、特に発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)などの補体駆動性疾患を治療する方法に関する。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、補体媒介性血管内溶血、骨髄機能不全(BMF)、及び重度の血栓性素因を特徴とする稀な後天性溶血性障害である(Risitano AM(2012).Paroxysmal nocturnal hemoglobinuria and other complement-mediated hematological disorders.Immunology;217:1080-1087)。それは、ホスファチジルイノシトールN-アセチルグルコサミン転移酵素サブユニットA(PIGA)遺伝子の体細胞変異を獲得した造血幹細胞のクローン増殖で始まる(Brodsky RA(2014)Paroxysmal nocturnal hemoglobinuria.Blood;124:2804-2811)。その結果、PNH血液細胞は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカータンパク質を欠き、膜結合型補体阻害タンパク質CD55及びCD59が欠損している。その結果、PNH型赤血球(RBC)は補体によって攻撃され、補体媒介性溶解につながる。
PNHの臨床スペクトルは様々であり、徴候及び症状としては、貧血、血栓症、平滑筋ジストニア、倦怠感、ヘモグロビン尿症、慢性腎臓病、及び肺高血圧症が挙げられる。臨床症状は、CD55及びCD59欠損PNH型RBC上の無制御な補体活性化によって駆動され、溶血及び遊離ヘモグロビンの放出、及び血小板活性化に至る(Hill A,et al.(2013).Thrombosis in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria.Blood;121:4985-4996)。溶血は、細胞内ヘモグロビン及び乳酸ヒドロゲナーゼ(LDH)の循環中への放出をもたらす。ヘモグロビンによる一酸化窒素(NO)への不可逆的結合と不活性化及びNO合成の阻害、結果として生じる血管収縮及び組織虚血は、腹痛、嚥下障害、勃起不全、血小板活性化、及び血栓易形成状態を引き起こす(Hill et al 2013,Brodsky 2014)。血栓塞栓症は、PNH患者の罹患率と死亡率の主要原因であり、いずれの部位でも発生し得て;静脈がより一般的(80~85%)であるが、動脈のこともある(15~20%)(Hillmen P,et al.(2007).Effect of the complement inhibitor eculizumab on thromboembolism in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria.Blood;110:4123-4128)。
エクリズマブ及びラブリズマブ(エクリズマブから操作され、投与間隔が延長されている)は、PNHを治療するための承認された抗C5抗体療法であり、利用できる現在の標準治療(SoC)である。
抗C5抗体療法は一般に血管内溶血(IVH)の治療に効果的であるが、PNHに対する高い満たされていない医療ニーズがなおもある。様々な著者らが、エクリズマブによる不均一な血液学的反応と、かなり大きな割合の患者が正常又はほぼ正常なヘモグロビンレベルを達成しないことを報告した(Risitano AM,et al(2009)Complement fraction 3 binding on erythrocytes as additional mechanism of disease in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria patients treated by eculizumab.Blood;113:4094-4100;Hill A,et al.(2010).Eculizumab prevents intravascular hemolysis in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria and unmasks low-level extravascular hemolysis occurring through C3 opsonization.Haematologica;95:567-573;DeZern AE,et al.(2013).Predictors of hemoglobin response to eculizumab therapy in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Eur J Haematol;90:16-24;McKinley C.(2017)Extravascular Hemolysis Due to C3-Loading in Patients with PNH Treated with Eculizumab:Defining the Clinical Syndrome.ASH meeting abstract.Blood;130(Supplement1):3471)。エクリズマブ又はその他の抗C5抗体療法に対する不均一な応答は、補体カスケードの末端部分のみを阻害するその作用機序によってある程度説明され得る。したがって、CD55を欠くPNH型赤血球の細胞表面上へのC3フラグメントの沈着は影響を受けず、細胞は血管外溶血を受け易くなる。細胞外溶血は、エクリズマブで治療された患者の溶血の主要な機序となり得て(Risitano et al 2009)、C3媒介性血管外溶血は、満たされていない医療ニーズに相当する。
LNP023は、B因子(FB)を阻害する新規の経口小分子化合物であり、PNHの治療のために臨床開発中である。B因子(FB)は、補体代替経路(AP)の重要なプロテアーゼである。経口LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩によるFBの阻害は、血管内及び血管外溶血の双方を防ぐ可能性があり、したがって、現在の標準治療(SoC)を超える治療上の恩恵を提供する。さらに、経口投与経路は、現在のSoCの静脈内投与経路と比較して患者に利点を提供する。
本開示は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容される塩により、特に発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)などの補体駆動性疾患を治療する方法に関する。LNP023は、補体経路のB因子阻害剤のクラスに属し、活性化の初期の機序にかかわりなく、C3活性化によって引き起こされる補体系の増幅を阻害又は抑制することによって作用する。LNP023塩酸塩は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を治療するために、現在臨床開発中である。LNP023塩酸塩は、化学的に4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸塩酸塩と称され、以下の化学構造によって表わされ得る:
Figure 0007293513000001
LNP023塩酸塩及びその調製方法は、参照によりその全体が本明細書に援用される、国際公開第2015/009616号パンフレット(実施例26dを参照されたい)に開示されている。
一態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を治療する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり、その結果、例えば、患者などの対象が治療され(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象におけるPNH関連溶血を治療する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり、その結果、例えば、患者などの対象が治療され(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)を正常化する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象におけるIVH及び/又はEVHが正常化される。
別の態様では、本開示は、患者集団におけるPNH関連溶血の発生率を低下させる方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を患者に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、発生率が低下する。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における血管内溶血(IVH)を抑制するなど、IVHを治療する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における血管外溶血(EVH)を抑制するなど、EVHを治療する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象におけるヘモグロビンレベルを正常化する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルが正常化される。
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象におけるC3沈着を低減させる方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり、(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象におけるC3沈着が低減される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における、例えば、赤血球(RBC)の寿命を増加させるなど、RBCの生存率を増加させる方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象におけるRBC生存率が増加する。
別の態様では、本開示は、例えば、例えば、それを必要とする患者などの対象における持続的阻害など、補体代替経路を阻害する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象における補体代替経路が抑制される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象におけるフラグメントBbレベルを低下させる方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象におけるフラグメントBbが低減される。
本明細書に記載の治療方法は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療の前及び/又はそれに続く、様々な評価ステップをさらに含んでなり得る。一実施形態では、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前及び/又は後に、方法はPK及びPDパラメータ(例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩、C3、フラグメントBb、又はsC5Bの血漿濃度)を評価するステップをさらに含んでなる。評価は、例えば、LC-MSなどの質量分光法による、血液又は血漿などの体液のサンプル分析によって達成されてもよい。
試験デザインの概略図を示す。 図2:無作為化治療期中の評価スケジュールの表である。 (上記の通り。) 延長期間中の評価スケジュールの表である。
本明細書に記載されるのは、抗C5療法による治療にもかかわらず残存性貧血を呈する、PNH患者における、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の安全性と有効性を判定するための第III相臨床試験である。したがって、本明細書に記載されるのは、それを必要とする患者におけるPNHを治療する方法であり、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回のLNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者にカプセル形態で経口投与することを含んでなる(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)。また、本明細書に記載されるのは、標的患者集団を選択する方法、標的患者集団の治療をモニターする方法、及び標的患者集団の治療の安全性と有効性を評価する方法である。
本開示の詳細は、以下の添付の説明に記載される。本明細書に記載されているものと類似の又は同等の方法及び材料が本開示の実施又は試験に使用され得るが、例示的な方法及び材料をここに記載する。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。明細書及び添付の特許請求の範囲において、文脈上例外が明記されていない限り、単数形には複数形もまた含まれる。特に断りのない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての特許及び刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に援用される。
定義
特定の定義が提供されない限り、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、及び医薬品化学に関連して使用される命名法、及びその手順と技術は、当該技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。化学合成及び化学分析には、標準的な手法が用いられてもよい。特定のこのような手法及び手順は、例えば、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される、”Remington’s Pharmaceutical Sciences,”Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,21st edition,2005に見いだすことができる。許可されている場合、本開示全体で言及される全ての特許、出願、公開出願、及びその他の刊行物、及びその他のデータは、それらの内容全体が参照により本明細書に援用される。
別段の指示がない限り、以下の用語は以下の意味を有する:
本明細書の用法では、「約」は、ある値の±10%以内を意味する。
本明細書の用法では、「投与する」又は「投与」は、個人に医薬品を提供することを意味し、これらに限定されるものではないが、医療専門家による投与及び自己投与が含まれる。個人への医薬品の投与は、継続的、慢性的、短期的又は断続的であり得る。
本明細書の用法では、本明細書で使用される「取得する(acquire)」又は「取得する(acquiring)」という用語は、物理的実体又は値を「直接取得する」又は「間接的に取得する」ことによって、物理的実体(例えば、血液サンプル又は血漿サンプルなどのサンプル)又は値(例えば、数値)の所有権を得ることを指す。「直接取得する」とは、物理的実体又は値を取得するためのプロセス(例えば、分析方法)を実施することを意味する。「間接的に取得する」とは、別の当事者又は出典(例えば、物理的実体又は値を直接取得した第三者研究所)から、物理的実体又は値を受け取ることを指す。値を直接取得することには、例えば、サンプルなどの物質の物理的変化を含む分析プロセスを実施すること、例えば、LC-MS、例えば、LC-MS/MS法などの質量分析による、血液などの体液のサンプル分析によって、本明細書に記載される方法などの分析方法を実施することなどのサンプル又は別の物質の物理的変化を含むプロセスの実施が含まれる。
本明細書の用法では、「用量」は、単回投与中に、又は指定された期間内に提供される、所定量の医薬品を意味する。特定の実施形態では、用量は、カプセル中で投与され得る。本明細書の用法では、投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す。
本明細書の用法では、「個人」、「患者」、「参加者」、又は「対象」は、治療又は治療法のために選択されたヒトを意味する。
本明細書の用法では、「薬学的に許容可能な塩」は、LNP023の生理学的及び薬学的に許容可能な塩、すなわち、LNP023の望ましい生物学的活性を保持し、それに望まれない毒性学的影響を与えない塩を意味する。「薬学的に許容可能な塩」又は「塩」という用語には、無機又は有機の酸及び塩基をはじめとする、薬学的に許容可能な非毒性の酸又は塩基から調製された塩が含まれる。LNP023の「薬学的に許容可能な塩」は、当該技術分野で周知の方法によって調製されてもよい。薬学的に許容可能な塩のレビューについては、Stahl and Wermuth,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use(Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2002)を参照されたい。LNP023塩酸塩及びその調製方法は、参照によりその全体が本明細書に援用される、国際公開第2015/009616号パンフレット(実施例26dを参照されたい)に開示されている。
本明細書の用法では、「治療する」という用語は、例えば、PNHなどの障害又は疾患の発症又は進行を低減、抑制、減衰、減少、停止、又は安定化させることを意味する。
特に明記されない限り、全ての化学式及び基において、従来の用語の定義が規定し、従来の安定した原子価が推定され達成される。
冠詞「a」及び「an」は、本開示において、冠詞の文法的目的語の1つ又は複数(例えば、少なくとも1つ)を指すために使用される。一例として、「要素(an element)」は、1つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
使用方法
本明細書で提供されるのは、例えば、それを必要とする患者などの対象における発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を治療する方法であり、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、抗C5療法で治療されている。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に、少なくとも約8ヶ月間にわたり抗C5療法で治療されている。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に、少なくとも約6ヶ月間にわたり抗C5療法で治療されている。
一実施形態では、抗C5療法は抗C5モノクローナル抗体療法である。
一実施形態では、抗C5療法はエクリズマブ又はラブリズマブである。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、残存性貧血を有する。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療前に、ワクチン接種されている。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、治療前に、ナイセリア・メニンジチディス(Neisseria meningitidis)(A、C、Y及びW-135型)に対してワクチン接種されている。
一実施形態では、PNHを治療することは、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約6ヶ月前に、例えば、少なくとも1回の濃厚RBC輸血を受けている。
一実施形態では、例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルは、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に評価される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象のヘモグロビンレベル、ハプトグロビンレベル、網状赤血球レベル、及び/又はビリルビンレベルが、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に評価される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象のヘモグロビンレベルは、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療前に、約12g/dL未満、約11.5g/dL未満、約11g/dL未満、約10.5g/dL未満、約10g/d未満L、約9.5g/dL未満、約9g/dL未満、約8.5g/dL未満、又は約8g/dL未満である。
一実施形態では、例えば、患者などの対象のヘモグロビンレベルは、LNP023塩酸塩の投与前に約10g/dL以下である。
一実施形態では、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療前のヘモグロビンレベルと比較して、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルは、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療後に、例えば、約1g/dL以上、約1.5g/dL 2g/dL、約2.5g/dL以上、又は約3g/dL以上増加する。
一実施形態では、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療前のヘモグロビンレベルと比較して、例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルは、約2g/dL以上増加する。
一実施形態では、PNHを治療することは、例えば、患者などの対象における血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)を正常化することを含んでなる。一実施形態では、IVH及び/又はEVH溶血を正常化することは、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの対象における、ハプトグロビン、網状赤血球、又はビリルビンのレベルと比較して、例えば、患者などの対象におけるハプトグロビンレベルを増加させ、網状赤血球レベルを低下させ、又はビリルビンレベルを低下させることを含んでなる。
一実施形態では、PNHを治療することは、PNH関連溶血を治療することを含んでなる。
一実施形態では、PNHを治療することは、例えば、患者などの対象におけるC3沈着を低減させることを含んでなる。一実施形態では、C3沈着は、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの対象におけるC3沈着のレベルと比較して、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%低減される。
一実施形態では、PNHを治療することは、例えば、患者などの対象における赤血球(RBC)生存率を増加させることを含んでなる。
一実施形態では、PNHを治療することは、例えば、患者などの対象における補体代替経路を阻害することを含んでなる。
一実施形態では、PNHを治療することは、例えば、患者などの対象におけるフラグメントBbレベルを低下させることを含んでなる。
一実施形態では、PNHを治療することは、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルを例えば、約2g/dL以上増加させることを含んでなる。
一実施形態では、PNHを治療することは、ヘモグロビンレベルにおける持続的な増加を達成することを含んでなる。一実施形態では、PNHを治療することは、約10g/dLを超え、約10.5g/dLを超え、約11g/dLを超え、約11.5g/dLを超え、約12g/dLを超え、約12.5g/dLを超え、又は約13g/dLを超える、ヘモグロビンレベルにおける持続的な増加を達成することを含んでなる。一実施形態では、PNHを治療することは、約12g/dL以上のヘモグロビンレベルにおける持続的な増加を達成することを含んでなる。
一実施形態では、PNHを治療することは、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療前の例えば、患者におけるヘモグロビンレベルと比較して、ベースラインから約1.5g/dL以上、約2g/dL以上、約2.5g/dL以上、約3g/dL以上、約3.5g/dL以上、約4g/dL以上、約4.5g/dL以上、又は約5g/dL以上のヘモグロビンレベルにおける持続的な増加を達成することを含んでなる。
一実施形態では、PNHを治療することは、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療前の例えば、患者におけるヘモグロビンレベルと比較して、ベースラインから約2g/dL以上のヘモグロビンレベルにおける持続的な増加を達成することを含んでなる。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルの増加は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約6週間後、約8週間後、約10週間後、約12週間後、約14週間後、約16週間後、約18週間後、約20週間後、約22週間後、又は約24週間後に維持される。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルの増加は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約18~24週間後に維持される。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルの増加は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約18又は24週間後に維持される。
一実施形態では、治療の有効性は、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルを測定することによって判定される。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルは、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、約1.5g/dL以上、約2g/dL以上、約2.5g/dL以上、約3g/dL以上、約3.5g/dL以上、約4g/dL以上、約4.5g/dL以上、又は約5g/dL以上増加する。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルは、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、約2g/dL以上増加する。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)を正常化する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、例えば、患者などの対象にLNP023塩酸塩を経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象におけるIVH及び/又はEVHが正常化される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、PNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
一実施形態では、IVH及び/又はEVH溶血を正常化することは、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの対象における、ハプトグロビン、網状赤血球、又はビリルビンのレベルと比較して、例えば、患者などの対象におけるハプトグロビンレベルを増加させ、網状赤血球レベルを低下させ、又はビリルビンレベルを低下させることを含んでなる。
一実施形態では、ハプトグロビンのレベルが、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%増加する。
一実施形態では、ビリルビン又は網状赤血球のレベルが、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%低下する。
一実施形態では、例えば、患者などの対象におけるハプトグロビンレベル、網状赤血球レベル、又はビリルビンレベルが、血液又は血漿などの体液のサンプル分析によって取得される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象におけるPNH関連溶血を治療する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
一実施形態では、PNH関連溶血は、例えば、表2で定義されるようなブレークスルー溶血(BTH)である。
別の態様では、本開示は、患者集団におけるPNH関連溶血の発生率を低下させる方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023、又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩、又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、発生率が低下する。
一実施形態では、PNH関連溶血は、例えば、表2で定義されるようなブレークスルー溶血(BTH)である。
一実施形態では、発生率が、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、又は約95%低下する。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における血管内溶血(IVH)を抑制するなど、IVHを治療する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、PNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
一実施形態では、例えば、IVHを制御するなど、IVHを治療することは、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の患者などの対象におけるLDHのレベルと比較して、例えば、患者などの対象における乳酸ヒドロゲナーゼ(LDH)のレベルを低下させることを含んでなる。
一実施形態では、例えば、患者などの対象におけるLDHレベルが、血液又は血漿などの体液のサンプル分析によって取得される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象におけるLDHレベルは、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、又は少なくとも約80%低下する。一実施形態では、例えば、患者などの対象におけるLDHレベルは、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、又は少なくとも約70%低下する。一実施形態では、例えば、患者などの対象におけるLDHレベルは、少なくとも約60%低下する。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における血管外溶血(EVH)を抑制するなど、EVHを治療する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、PNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
一実施形態では、例えば、EVHを制御するなど、EVHの治療は、例えば、患者などの対象におけるビリルビン又は網状赤血球のレベルを低下させること、又は例えば、ベースラインと比較して、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの対象におけるビリルビン又は網状赤血球のレベルと比較して、ハプトグロビンのレベルを増加させることを含んでなる。
一実施形態では、ビリルビン又は網状赤血球のレベルが、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%低下する。
一実施形態では、ハプトグロビンのレベルが、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%増加する。
一実施形態では、例えば、患者などの対象におけるビリルビン、網状赤血球、又はハプトグロビンのレベルの値が、血液又は血漿などの体液のサンプル分析によって取得される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象におけるヘモグロビンレベルを正常化する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルが正常化される。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルは、約10g/dLを超え、約10.5g/dLを超え、約11g/dLを超え、約11.5g/dLを超え、約12g/dLを超え、約12.5g/dLを超え、又は約13g/dLを超えて正常化される。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルは、約12g/dL以上正常化される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、PNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
一実施形態では、ヘモグロビンレベル正常化することは、赤血球輸血の非存在下で行われる。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象におけるC3沈着を低減させる方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、PNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
一実施形態では、C3沈着は、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%低減される。
一実施形態では、C3沈着は完全に逆転する。一実施形態では、C3沈着は、赤血球へのC3フラグメント沈着としてフローサイトメトリーによって定量化される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における赤血球生存率を増加させる方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、PNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
別の態様では、本開示は、例えば、例えば、それを必要とする患者などの対象における持続的阻害を達成するなど、補体代替経路を阻害する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、PNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
一実施形態では、補体代替経路の持続的阻害は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約6週間後、約8週間後、約10週間後、約12週間後、約14週間後、約16週間後、約18週間後、約20週間後、約22週間後、又は約24週間後に達成される。
一実施形態では、補体代替経路の持続的阻害は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約18~24週間後に達成される。
一実施形態では、補体代替経路の持続的阻害は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約18又は24週間後に達成される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象におけるフラグメントBbを低減する方法を提供し、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象におけるフラグメントBbが低減される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、PNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
一実施形態では、フラグメントBbは、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%低減される。
別の態様では、本開示は、例えばそれを必要とする患者などの対象における発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療で使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を提供し、治療は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)の抑制などの治療で使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を提供し、治療は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象におけるIVH及び/又はEVHが正常化される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、PNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
別の態様では、本開示は、例えばそれを必要とする患者などの対象におけるPNH関連溶血の治療で使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を提供し、治療は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を治療するための薬剤の製造における、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の使用を提供し、治療は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象における例えば、血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)の抑制などを治療するための薬剤の製造における、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。治療は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象におけるIVH及び/又はEVHが正常化される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、PNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
別の態様では、本開示は、例えば、それを必要とする患者などの対象におけるPNH関連溶血を治療するための薬剤の製造における、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の使用を提供し、治療は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
患者選択及びモニタリング
第III相試験では、SoC(エクリズマブ又はラブリズマブ)で治療されているにもかかわらず、10g/dL以下のヘモグロビンとして定義される残存性貧血を経験している、過去6ヶ月間に定期的な赤血球輸血を行ったことがある又はない、高感度フローサイトメトリー(10%以上のクローンサイズ)によって診断が確認されたPNH患者を登録する。PNH血液細胞は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカータンパク質(GPI-AP)を欠き、膜結合型補体阻害タンパク質CD55及びCD59が欠損している。これらの2つのGPI-AP、CD55及びCD59の欠如は、溶血及びその他のPNH顕在化を説明する無制御な補体活性化につながる。この患者集団を選択する理論的根拠は、これらの患者がSoC治療にもかかわらず満たされていない医療ニーズを呈するからである。
LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩は、補体活性化を抑制し得る。したがって、例えば、最初に患者が評価され、例えば、患者などの対象が例えば、末梢血細胞などのGPI-AP欠損血液細胞を有するかどうか判定することによって、患者などの対象が、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療について選択され得て、例えば、患者などの対象がGPI-AP欠損末梢血細胞を有すると判定された場合、例えば、患者などの対象に、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩が任意選択的に投与される。
一実施形態では、高感度フローサイトメトリーを使用して、患者が、例えば、約2つ以上の細胞系統において、GPI-AP欠損末梢血細胞を有するかどうかが判定される。
一実施形態では、例えば、患者などの対象は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩のレベル、LDHのレベル、ヘモグロビンのレベル、及びPNHクローンサイズなどの特定のPK/PDパラメータを評価することによってモニターされ得る。
有効性評価
本明細書では、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩で治療された患者集団における、治療の有効性を評価する方法もまた提供され、方法は、例えば、ベースラインと比較した、ヘモグロビンレベルの持続的な増加などの増加を達成する患者集団の百分率を判定し、それによって治療の有効性を評することを含んでなり、ベースラインは、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の患者集団におけるヘモグロビンのレベルである。
一実施形態では、例えば、ベースラインからのヘモグロビンレベルの持続的な増加などの増加は、約1.5g/dL以上、約2g/dL以上、約2.5g/dL以上、約3g/dL以上、約3.5g/dL以上、約4g/dL以上、約4.5g/dL以上、又は約5g/dL以上である。一実施形態では、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療前の例えば、患者におけるヘモグロビンレベルと比較したヘモグロビンレベルにおける持続的な増加などの増加は、ベースラインから約2g/dL以上である。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルにおける増加は、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与後、少なくとも約18週間維持される。一実施形態では、ヘモグロビンレベルにおける増加は、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与後、少なくとも約24週間維持される。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルにおける増加は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与後、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間、又は少なくとも約12ヶ月間維持される。
一実施形態では、患者集団の少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療前の患者におけるヘモグロビンレベルと比較して、例えば、ヘモグロビンレベルの持続的な増加などの増加を達成している。
一実施形態では、患者はPNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
別の態様では、本開示は、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩で治療された患者集団における、治療の有効性を評価する方法を提供し、方法は、例えば、約12g/dL以上のヘモグロビンレベルを達成する患者集団の百分率を判定し、それによって治療の有効性を評価することを含んでなる。
一実施形態では、患者はPNHを有し、又はそれを有すると診断されている。
一実施形態では、患者集団の少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩による治療前の患者におけるヘモグロビンレベルと比較して、例えば、ヘモグロビンレベルの持続的な増加などの増加を達成している。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルにおける増加は、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与後、少なくとも約18週間維持される。一実施形態では、ヘモグロビンレベルにおける増加は、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与後、少なくとも約24週間維持される。
一実施形態では、ヘモグロビンレベルにおける増加は、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与後、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間、又は少なくとも約12ヶ月間維持される。
本開示は、範囲又は精神において本開示を本明細書に記載の特定の手順に限定するものとして解釈されるべきではない、以下の実施例及び合成スキームによってさらに説明される。実施例は特定の実施形態を説明するために提供され、それによって本開示の範囲への制限は意図されないことが理解されるべきである。本開示の精神及び/又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者にそれ自体を示唆してもよい様々なその他の実施形態、修正、及び均等物に頼らなければならないこともあることをさらに理解されたい。
Figure 0007293513000002
Figure 0007293513000003
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実施例1.静脈内抗C5抗体による治療にもかかわらず、PNH及び残存性貧血を有する成人患者に1日2回経口投与された、LNP023塩酸塩の有効性と安全性を評価するための無作為化、多施設、実薬対照、非盲検試験
目的
抗C5抗体による治療にもかかわらず残存性貧血を呈するPNH患者におけるこの第III相試の目的は、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性の実証を通じて、PNHを治療するために、LNP023塩酸塩が効果的且つ安全であるかどうかを判定することである。この第III相試験は、24週間の無作為化、実薬対照、非盲検試験期間、及び24週間の非盲検延長期間を有する。有効性は、赤血球輸血の非存在下での一次ヘモグロビン応答基準を達成する参加者の割合、並びにその他の血液学的応答評価項目、輸血回避、ブレークスルー溶血率、及び倦怠感スコアによって評価される(FACIT-倦怠感、患者報告による予後質問票)。
最後の参加者が24週間の無作為化治療期間を完了した後に実行された解析の結果は、規制当局への提出のためのデータパッケージの基礎を形成する。
主要目的及び評価項目
主要目的は次の通り:
1)赤血球輸血の非存在下での2g/dL以上のヘモグロビンレベルにおけるベースラインからの持続的な増加を達成する参加者の割合における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと、
2)赤血球輸血の非存在下での12g/dL以上の持続的Hbレベルを達成する参加者の割合における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと。
治験薬の中止及びブレークスルー溶血又は血管系の主要有害事象(MAVE)の発生に関係なく、残存性貧血を有するPNH患者における200mgのb.i.d.用量でのLNP023塩酸塩の治療の効果は、抗C5抗体療法と対比して、
Hbレベルにおけるベースラインからの2g/dL以上の増加
12g/dL以上のHbレベル
の複合項目として定義される評価項目で、レスポンダー応答者になる確率について評価され、
どちらの評価項目も126日目~168日目の間に評価され、14日目~168日目の間に赤血球輸血を必要としないことについて評価される)。
副次目的:
副次目的は次の通り:
1)第14日目~第168日目の間に、プロトコルで定義された基準に従って濃厚赤血球輸血を受けていない参加者の割合を評価することによって、輸血を受けていない参加者の割合として、輸血回避における抗C5抗体治療と比較した、LNP023塩酸塩の優位性を実証すること;
2)126日目~168日目の間の受診の平均として、ヘモグロビンのベースラインからの変化(g/dL)を評価することによって、ヘモグロビンの平均変化における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと;
3)126日目~168日目の間の受診の平均として、FACIT-倦怠感質問票を使用してFACIT-倦怠感スコアのベースラインからの変化を評価することによって、倦怠感の改善における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと;
4)126日目~168日目の間の受診の平均として、網状赤血球数のベースラインからの変化(10/L)を評価することによって、網状赤血球数の平均変化における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと;
5)126日目~168日目の間の受診の平均として、LDHレベル(U/L)のベースラインからの%変化を評価することによって、LDHの平均%変化における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと;
6)1日目~168日目の間に報告されたブレークスルー溶血を有する参加者のブレークスルー溶血(BTH)の割合において、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと;
7)1日目~168日目の間に発生したLNP023塩酸塩のMAVE(血栓症を含めた)の割合を、抗C5抗体療法と比較して評価すること。
探索目的
探索目的は次の通り:
1)有害事象/重篤有害事象、安全性検査パラメータ、生命徴候などをはじめとする安全性評価を用いて、抗C5治療と比較したLNP023の安全性及び忍容性を評価すること;
2)血液学的パラメータ、RBC輸血の単位、及びPNHの徴候と症状における、抗C5抗体療法と比較したLNP023の効果を評価すること;血液学的パラメータ(RBC、ハプトグロビンをはじめとする)、ビリルビンレベル、濃厚RBC輸血の単位、及びPNHの徴候と症状は、126日目~168日目の間の受診についてのモデル導出推定値の平均によって1日目~168日目の間で収集される;
3)患者の報告による全体的な倦怠感の重症度及び健康関連の生活の質において、抗C5抗体療法と比較したLNP023の効果を評価すること;126日目~168日目の間の受診モデルからの導出推定値の平均で治療を比較することに焦点を当てた、1日目~168日目の間に収集されたPGIS、EORTC QLQ-C30、及びEQ-5D-5Lの患者報告アウトカムスコアの変化が評価される;
4)PNH型赤血球へのC3フラグメント沈着と、PNHクローンサイズとに対する、抗C5治療と比較したLNP023の効果を評価すること;1日目~168日目の間に採取されたC3d陽性PNH型赤血球の百分率が判定され、PNHII型及びIII型赤血球と赤血球の総PNHクローンサイズ(百分率)は、1日目~168日目の間に収集される;
5)PK曝露データに基づいてPNH集団におけるLNP023のPKを特徴付けること;及び
6)1日目~168日目の間の入院、再入院、救急処置室受診の発生に基づいて、医療資源の利用における抗C5治療と比較したLNP023の効果を評価すること。
試験デザイン
この試験は、多施設、無作為化、非盲検、実薬対照、並行群間試験であり、3期間で構成される(図1を参照されたい)。
●最大8週間続くスクリーニング期間(組み入れに必要なワクチン接種のためにそれを延長する必要がない限り)
●主要有効性及び安全性解析のための24週間の無作為化、非盲検、実薬対照、並行群間治療期間
●24週間の非盲検、LNP023塩酸塩治療延長期間
試験では、無作為化前の6ヶ月間における抗C5抗体療法(エクリズマブ又はラブリズマブ)の安定したレジメンにもかかわらず、10g/dL未満のヘモグロビンとして定義される残存性貧血を有するPNH患者が登録され、およそ40%の参加者は、無作為化前の6ヶ月間に少なくとも1回の濃厚赤血球輸血を受けている。合計でおよそ91人の参加者が、試験において無作為化される。全ての参加者は、試験関連の活動を開始する前に、告知に基づく同意書を提供する必要がある。試験デザインを図1に示す。
試験デザインの理論的根拠
第III相試験は、抗C5抗体療法(SoC)の安定したレジメンによる治療にもかかわらず残存性貧血を呈するPNH患者における、血液学的応答パラメータ及び疲労感の患者報告による転帰測定値に対する、静脈内抗C5抗体療法と比較した、200mgb.i.d.の経口用量でのLNP023塩酸塩の優位性を実証するために、多施設、非盲検、無作為化、実薬対照、並行群間試験としてデザインされる。
スクリーニング
患者適格性は、慣らし期間の開始前に判定される(受診1で実行される評価に基づく)。参加者が試験に登録する資格があることを確認するために、包含基準及び除外基準が評価される。スクリーニング評価を図2に列挙する。
参加者は、スクリーニング時にワクチン接種を受けなければならない。ワクチンは、可能な限り多くの血清型(髄膜炎菌血清型A、C、Y、W-135及びBをはじめとする)をカバーしなくてはならない。患者の負担を最小限にするために、現地で入手可能で、現地のガイドライン及び規制に沿った多価ワクチンの使用が推奨される(例えば、血清型A、C、Y、及びW-135をカバーするN.メニンジチディス(N.meningitidis)のための四価のワクチン、及び23種のS.ニューモニアエ(S.pneumoniae)血清型をカバーするPneumovax-23)。
ヘモグロビンの適格性基準を満たすために、参加者は無作為化の前に、スクリーニング期間中に採取した2種類のサンプルを中央検査機関で検査し、平均値が10g/dL未満であることを確認する。最初のサンプル採取後、参加者がRBC輸血を受けた場合は、最初の中央ヘモグロビン値が10g/dL未満であれば、その値に基づいて適格とされる。
スクリーニング時に適格性基準を満たす参加者は、以前の抗C5抗体療法の種類(エクリズマブ又はラブリズマブ)と、無作為化前の6ヶ月間に報告された輸血歴(すなわち、輸血を受けた/受けなかった)に基づいて階層化される。無作為化された参加者のおよそ40%が、無作為化前の6ヶ月間に少なくとも1回の濃縮赤血球輸血を受けていることが想定されている。
無作為化及び無作為化治療期間
参加者は、それぞれ、200mgの経口b.i.d.用量でのLNP023塩酸塩単剤療法(およそ56人の参加者)、又はi.v.抗C5抗体療法(無作為化前と同様に無作為化治療期間中に同一レジメンを継続するおよそ35人の参加者)のどちらかの2つの治療群の1つに、8:5の比率で無作為化される。
治療は投薬の初日(1日目)に開始されて24週間継続され、図2に記載されているスケジュールに従って治験受診と対応する評価が行われる。比較治療群に割り当てられた参加者は、無作為化前に服用したのと同様に、同じタイプとレジメンの抗C5抗体療法を服用し続ける一方で、LNP023塩酸塩治療群に無作為化された参加者は、200mgのb.i.d.用量でのLNP023塩酸塩の服用を開始する。
一部の患者が非常に低いヘモグロビンレベル(例えば、7g/dL未満)を呈し、その結果、無作為化治療期間の最初の2週間内に赤血球輸血が必要となってもよいことを考慮すると、これらの最初の2週間内に投与された輸血は、輸血回避の定義では考慮されない。
延長期間
実薬比較治療群に無作為化された参加者は、抗C5(エクリズマブ又はラブリズマブ)抗体療法の最終投与を受けた後、168日目(24週目の受診時)にLNP023塩酸塩への切り替えを提案され、延長治療期間に入る。治療の切り替えに同意しない比較治療群の参加者については、24週目が試験の治験受診の終了となり、延長期間への参加はない。経口LNP023塩酸塩への切り替えに同意した参加者では、延長治療は第24週の受診が完了した翌日に開始される。
LNP023塩酸塩への切り替え後、比較治療群の参加者は、図3に記載されたスケジュールに従って、治験受診及び評価に従う。
試験対象集団
PNHと診断され、無作為化の前に少なくとも6ヶ月間、抗C5モノクローナル抗体療法(標準治療;エクリズマブ又はラブリズマブのどちらか)の安定したレジメンで治療されているが、依然として残存性貧血(すなわち、10g/dL未満のHb)を呈する患者が登録される。無作為化前の6ヶ月間に、少なくとも1回の濃厚赤血球輸血を受けた参加者の約40%が登録される予定である。
主要組み入れ規準
この試験に適格な参加者は、以下の基準を全て満たす必要がある:
1.高感度フローサイトメトリーによりRBC、及び/又は確定したWBCの顆粒球/単球のクローンサイズ10%以上でPNHと診断された、18歳以上の男女の参加者
2.無作為化前の少なくとも6ヶ月間の抗C5抗体療法(エクリズマブ又はラブリズマブのどちらか)の安定したレジメン(用量及び間隔)
3.10g/dL未満の平均ヘモグロビンレベル
4.スクリーニング受診前の最低4ヶ月間にわたる
5.スクリーニング中に中央検査室の評価によって確認された
6.ナイセリア・メニンジチディス(Neisseria meningitidis)感染症に対するワクチン接種は、治療開始前に必要である。患者が以前にワクチン接種を受けたことがなく、又は追加免疫が必要な場合、ワクチンは、入手可能であれば、地域の規制に従って、初回投与の少なくとも2週間前に接種されなくてはならない。
7.以前に受けていない場合、可能であれば、現地の規制に従って、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)及びヘモフィルス・インフルエンザエ(Haemophilus influenzae)感染症に対するワクチンが接種されなくてはならない。ワクチンは、最初のLNP023塩酸塩投与の少なくとも2週間前に投与されなくてはならない。
主要除外基準
以下の基準のいずれかに該当する参加者は、この試験に適格でない。
1.エクリズマブの投与量は安定しているが、投与間隔が11日以下の参加者
2.スクリーニング時における、既知の又は疑わしい遺伝性補体欠損症
3.造血幹細胞移植の病歴
4.臨床検査で骨髄不全が認められた患者(網状赤血球100×10/L未満;血小板30×10/L未満;好中球500×10/L未満)。
5.治験薬投与前の14日間以内の活動性の全身性細菌、ウイルス又は真菌感染症
6.例えば、髄膜炎菌又は肺炎球菌などの被嚢性生物による、再発性の侵襲性感染症の病歴。
7.これらに限定されるものではないが、治験責任医師の見解で参加者の試験への参加が排除される、重度の腎疾患(例えば、透析)、進行性心疾患(例えば、NYHAクラスIV)、重度の肺疾患(例えば、重度の肺高血圧症(WHOクラスIV))、又は肝疾患(例えば、活動性肝炎)をはじめとする主要な併存疾患。
治療
参加者は、b.i.d.経口投与されるLNP023塩酸塩単剤療法(抗C5抗体療法は中止される、時期については下記を参照されたい)又は静脈内抗C5抗体療法(無作為化前に投与されたのと同一用量で継続される)のどちらかに、8:5の比率で無作為化される。
LNP023塩酸塩初回投与(1日目の受診)
最初のLNP023塩酸塩投与のタイミングは、以前の抗C5抗体療法からLNP023塩酸塩へのシームレスな切り替えを提供し、LNP023塩酸塩曝露が蓄積するにつれて、ブレークスルー溶血の潜在的なリスクを制限しながら、経口剤を開始するときに抗C5抗体療法への曝露のいくらかの重複を可能にする。
●以前のエクリズマブレジメンの参加者の最初のLNP023塩酸塩用量投与は、2週間の投与間隔の2週目の開始時(すなわち、好ましくは最後の輸液の約7~8日後)に行われなくてはならない。
●以前のラブリズマブレジメンの参加者に対する最初のLNP023塩酸塩用量投与は、8週間の投与間隔の7週目の初め(好ましくは最後の輸液の約41日~43日後)に行われなくてはならない。
次に、参加者は、200mgのLNP023塩酸塩b.i.d.の単剤療法を継続して服用する。
試験における抗C5の初回投与(1日目の受診)
比較治療群に割り当てられた参加者は、安定したレジメンに従って抗C5輸液を受け続ける。しかし、「試験開始」のための抗C5の次の投与日は、「1日目」の試験日と一致しなくてはならない。治験責任医師には、計画された輸液の予定日から「逆に数える」ことが推奨される。
延長期間:比較薬群に対するLNP023塩酸塩投与
24週目の受診時に、比較治療群の参加者は、最後の抗C5剤の輸液を受け、受診日(169日目)の翌朝に最初のLNP023塩酸塩の用量投与を開始する。
延長期間中の参加者が169日目からLNP023塩酸塩を服用する場合は、以前に比較治療群に割り当てられた参加者のみがPK及び安全性評価のために最初のLNP023塩酸塩投与の7日後に戻る182日目を除いて、受診スケジュールが統一される。
治験治療
この試験では、「治験治療」には、被験薬であるLNP023塩酸塩、及び抗C5抗体の実薬比較(エクリズマブ又はラブリズマブのどちらか)が含まれる。
Figure 0007293513000010
被験薬である10mg及び200mgカプセルのLNP023塩酸塩は、Novartisによって調製され、非盲検参加者パックとして治験責任医師の施設に供給される。エクリズマブ及びラブリズマブは、各参加国において、現地の慣行及び現地の規制に従って、市販されているものを試験実施機関、子会社、若しくは被指名人が又はNovartisが現地で提供する。
治療期間
無作為化治療期間の期間は、24週間である。LNP023塩酸塩による参加者の治療が中止され(例えば、有効性の欠如のため)、患者が以前の抗C5抗体療法に切り替えた場合、24週目の受診まで試験評価を継続するためにあらゆる努力が払われる。
延長期間は最大24週間続き、無作為化治療期間中にLNP023塩酸塩治療群に無作為化された参加者はLNP023塩酸塩治療を継続し、抗C5治療群に無作為化された参加者はLNP023塩酸塩単剤療法に切り替えることを提案される。
用量及び治療持続期間の理論的根拠
200mgのLNP023塩酸塩b.i.d.の連続治療の用量は、主に、進行中の2つの第II相PNH試験(ClinicalTrials.gov Identifier:NCT03439839及びNCT03896152)からの中間解析時に得られた利用可能な有効性と安全性のデータに基づいて、この第III相試験のために選択されており、PKPDモデルの結果によって裏付けられている。
エクリズマブによる治療にもかかわらず活動性溶血を有する患者におけるCLNP023X2201試験では、200mgのb.i.d.用量でLNP023塩酸塩を10人のPNH参加者(コホート1)に、50mgのb.i.d.用量でLNP023塩酸塩を6人のPNH参加者(コホート2)に投与した。中間解析(IA)は、10人の参加者(コホート1)が、200mgのb.i.d.のLNP023塩酸塩のエクリズマブへの追加治療による少なくとも12週間の治療を完了した後に実施した。
抗C5抗体療法歴のない患者における第II相試験(NCT03439839)では、参加者は、LNP023塩酸塩の単剤療法を受け、第4週目に25mgのb.i.d.のLNP023塩酸塩から100mgのb.i.d(順序1)、又は50mgのb.i.d.から200mgのb.i.d.のLNP023塩酸塩へと順次増量させた(順序2)。IAは、8人の患者を無作為化し、7人の患者が第8週の受診評価を完了した後に実施した。
200mgのb.i.d.の投与量は、2つの中間解析の以下の重要な知見に基づいて、適切な安全性プロファイルを備えた単剤療法として、PNHに必要な最適な有効性を提供すると予想される:
●200mgのb.i.d.のLNP023塩酸塩(エクリズマブへの追加)を投与された参加者は、LDHの減少によって実証されるIVHの抑制、ビリルビン、網状赤血球の減少によって実証されるEVHの抑制、及び赤血球輸血の非存在下での大多数の患者のヘモグロビンの正常化をもたらすハプトグロビンの増加をはじめとする、エクリズマブでは達成されなかった臨床的利益を有した。200mgのb.i.d.のLNP023塩酸塩の追加療法で参加者が達成した血液学的応答は、LNP023塩酸塩単剤療法を継続した5/10の参加者において、エクリズマブ治療が中止された延長期間(IA時)の間、LNP023塩酸塩単剤療法によって維持された。IAに続いて、さらに2人の参加者がエクリズマブ治療を中止した。C3沈着は、200mgのb.i.d.用量でのLNP023塩酸塩の添加によって完全に逆転され、PNH赤血球の生存率は延長され、200mgのb.i.d.用量でのLNP023塩酸塩によるEVHの制御がさらに裏付けられた。補体代替経路の持続的な阻害と、フラグメントBbの大幅且つ持続的な減少があり、標的の結合が実証された。
●LNP023塩酸塩単剤療法を受けた参加者は、25mgのb.i.d.用量レベル以上のLNP023塩酸塩が、全ての参加者におけるベースラインから60%以上のLDH減少と、大多数の参加者における輸血なしの早期ヘモグロビン増加を有したことを示した。その他の溶血関連の臨床検査値は、単剤療法として投与されたLNP023塩酸塩が、血管内溶血(LDH減少)と血管外溶血(網状赤血球及びビリルビンの減少、ハプトグロビンの増加)の双方を抑制することを示した。
第II相試験(NCT03439839)のコホート2の予備情報によると、PNHにおけるLNP023塩酸塩単剤療法に必要な最適な有効性は、50mgのb.i.d.用量のLNP023塩酸塩では得られないこともある。3人の参加者では最適な応答が得られなかったため、200mgのb.i.d.用量に漸増された。
200mgのb.i.d.用量のLNP023塩酸塩は、PNHにおける双方の試験で、並びにIgA腎症(CLNP023X2203試験)患者及びC3糸球体症(CLNP023X2202)患者における同一用量で、安全であり、参加者によって十分に許容され、この第III相試験におけるその使用が支持される。
健常ボランティアでLNP023塩酸塩を使用するファースト・イン・ヒューマン(FIH)試験のデータを用いて開発された曝露応答モデルは、70%を超える対象で90%を超える代替経路の阻害(Wieslabアッセイ)を達成するのには、約200mgのb.i.d.用量が必要であると予測する。補体活性の阻害が不十分な場合における溶血とブレークスルーのリスクを考えると、完全な阻害が望ましく、モデル化の結果は、PNHに対する200mgのb.i.d.用量の選択がさらに支持される。
禁忌薬
LNP023塩酸塩の投与中は、下に列挙される治療法の使用は許可されない。
●生ワクチンは全試験治療期間にわたり禁止される
●ゲムフィブロジル(代謝酵素CYP2C8、UGT1A、及び肝臓取り込みトランスポーターOATP1B1の強力な阻害剤)は、最初のLNP023塩酸塩投与の48時間前から、LNP023塩酸塩治療の終了時まで中断しなければならない(そしてその適応症に使用される別の適切な薬剤で置き換えられる)。
○LNP023塩酸塩が投与されている試験中に再開された場合は、禁止されている治療を直ちに中止すること
●クロピドグレル(CYP2C8の強力な阻害剤)は、最初のLNP023塩酸塩投与の7日前から、LNP023塩酸塩治療の終了時まで中断しなければならない(そしてその適応症に使用される別の適切な薬剤で置き換えられる)。
○LNP023塩酸塩が投与されている試験中に再開された場合は、禁止されている治療を直ちに中止すること
LNP023塩酸塩投与中の中断のいずれの場合でも、参加者は試験を継続し、安全性/忍容性が注意深くモニターされなければならない。
受診スケジュール及び評価
評価スケジュール(図2及び3)は、それらが実施される場合の全ての評価を列挙する。スクリーニング期間中、10g/dL未満の平均ヘモグロビンは、無作為化の前に、2~8週間間隔の2回のヘモグロビン測定(平均10g/dL未満)によって評価される、中央検査室評価によって;又は、最初の評価後にpRBC輸血を受けた患者の最初の評価からの1回のヘモグロビン測定(10g/dL未満)によって、確認される。参加者がスクリーニング受診(中央検査室)で行われた最初の評価の後に濃厚RBC輸血を受けた場合、参加者は中央検査室による追加のヘモグロビン評価なしで適格となる。
有効性
無作為化治療期間中、図2のスケジュールに従って、血液学、臨床化学、及びC3RBC、PNHII型/III型RBC、及びPNHクローンサイズのための血液サンプルが採取される。
以下の検査項目が評価される:ヘモグロビン(及びハプトグロビン)、網状赤血球数、ビリルビン(血管外溶血のマーカーとして)、LDH(血管内溶血のマーカーとして)、RBC、PNHクローンサイズ、PNH型RBC、並びにPNH型RBC上のC3
延長期間中、図3のスケジュールに従って評価が行われる。
赤血球輸血
赤血球輸血の投与に対する必要性は、無作為化治療期間中継続的にモニターされる。
投与基準を標準化するために、輸血基準が確立されており、試験の初日から適用される。
濃厚赤血球輸血は、以下の場合に参加者に投与される:
●ヘモグロビンレベルが9g/dL以下で、輸血の正当な根拠となる重篤な徴候及び/又は症状がある
●臨床徴候及び症状存在にかかわりなく、ヘモグロビンが7g/dL以下
ブレークスルー溶血
ブレークスルー溶血の発生は、無作為化治療期間中継続的にモニターされる。2つの臨床基準のどちらかが満たされている場合、臨床的ブレークスルーの基準が以下の表2に定義される。定義された臨床的ブレークスルーとは対照的に、有意義なヘモグロビンの減少がなく、その他の溶血の臨床的徴候又は症状がない、血管内溶血の増加という孤立した検査室での証拠(表2を参照されたい)は、潜在的ブレークスルー溶血と定義される。
Figure 0007293513000011
延長期間中、ブレークスルー溶血は、上記と同じ基準及び指標に従って、治験受診の終了時まで継続的にモニターされる。
患者報告による転帰(PRO)-FACIT-倦怠感
FACIT-倦怠感は、自己報告による倦怠感と、その日常活動及び機能に対する影響とを評価する13項目の質問票である。これを使用して、患者の報告による倦怠感が評価される。FACIT-倦怠感は、FACIT測定システムと称される健康関連の生活の質(HRQoL)質問票のコレクションの一部である、多くの異なるFACITスケールの1つである(Webster K,Cella D,and Yost K.(2003).The functional assessment of chronic illness therapy(FACIT)measurement system:properties,applications,and interpretation.Health Qual Life Outcomes;16:1-79;Yellen SB,et al.(1997).Measuring fatigue and other anemia-related symptoms with functional assessment of cancer therapy(FACT)measurement system. J Pain Symmptom Manage;13:633-74)。PNH患者におけるFACIT-Fの使用は、いくつかの刊行物で報告されており、病状の変化に敏感であり、統計学的に有意で臨床的に意味のある結果を実証できるようにする(Brodsky RA,et al.(2008)Multicenter phase 3 study of the complement inhibitor eculizumab for the treatment of patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria.Blood;4:1840-1847;Ueda Y,Obara N,et al.(2018).Effects of eculizumab treatment on quality of life in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria in Japan.Int J Hematol;107:656-665;Kulasekararaj AG,et al.(2019)Ravulizumab(ALXN1210)vs eculizumab in C5-inhibitor-experienced adult patients with PNH:the 302 study.Blood;133:540-549)。全てのFACITスケールは、スコアが高いほど良好であるようにスコア付けされる。FACIT-Fスケールの13項目のそれぞれは0~4の範囲であるため、可能なスコアの範囲は0~52であり、0が可能な最悪スコア、52が最良スコアである。
PNH関連徴候及び症状
PNHの徴候及び症状は、無作為化治療期間中、図2に従って収集される。治験責任医師(又は被指名人)は、次の徴候及び症状の存在を記録する。
●特に朝の赤みがかった又はコーラ色の尿/又はヘモグロビン尿
●脱力感又は疲労感
●息切れ/呼吸困難
●嚥下障害/嚥下困難
●胸痛
●腹痛
●勃起不全/性不能症
薬物動態
PKサンプルは、評価スケジュールで定義された受診時に採取される(図2及び3)。LNP023塩酸塩を服用している全ての参加者の薬物動態(PK)サンプルが入手され、評価される。LNP023塩酸塩は、検証済みLC-MS/MS法によって測定され、予想される定量下限値(LLOQ)は1.0ng/mLである。代謝物(必要に応じて)が、適宜測定されてもよい。濃度は、体積単位あたりの質量(ng/mL)で表され、無水遊離塩基を指す。
試験の中止及び完了
参加者の治験治療の中止は、治験治療がプロトコルの計画期間よりも早く中止された場合に発生し、参加者又は治験責任医師のどちらかによって開始され得る。
LNP023塩酸塩の中止時には、参加者は、溶血の徴候及び症状状について綿密にモニターされなければならない。最低でも、LDHの上昇、ヘモグロビンレベルの低下、PNHクローンサイズの減少、血清クレアチニンの増加、血栓症、精神状態の変化をモニターすることが推奨される。重篤な溶血が発生した場合、治験責任医師者は以下のような支持療法を検討すべきであり(そして適切なCRFページに記録すべきである):
●輸血(濃厚RBC)、
●又はフローサイトメトリーによってPNH RBCが総RBCの50%を超える場合は、交換輸血
●コルチコステロイド
●抗凝固療法
●治験責任医師によって判断された任意のその他の支持療法又は治療法。
LNP023塩酸塩の投与を早急に中止しなければならない場合であっても、直ちにLNP023塩酸塩の投与を中止しなければならないというわけではなく、すなわち、参加者/後見人の決定又は確認された妊娠による中止などの場合、治験責任医師の判断によって、抗C5抗体療法を直ちに再開することが推奨される。さらに、次のように、14日間にわたりLNP023塩酸塩を漸減することが検討されなくてはならない:
●7日間にわたり夕方に服用される3カプセルの10mgのLNP023塩酸塩(1日1回)
●7日間にわたり夕方に服用される1カプセルの10mgのLNP023塩酸塩(1日1回)
均等物
当業者は、日常的実験のみを用いて、本明細書に具体的に記載される特定の実施形態の多数の均等物を認識し、又は見極めることができるであろう。このような均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
本発明は、以下の態様をも含むものである。
<1>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象を治療する、例えば、患者などの前記対象における発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療で使用するためのLNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<2>
例えば、患者などの前記対象が、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に少なくとも約8ヶ月間、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に少なくとも約6ヶ月間など、以前に抗C5療法で治療されている、上記1に記載の使用のための医薬組成物。
<3>
前記抗C5療法が抗C5モノクローナル抗体療法である、上記2に記載の使用のための医薬組成物。
<4>
前記抗C5療法がエクリズマブ又はラブリズマブである、上記2又は3に記載の使用のための医薬組成物。
<5>
例えば、患者などの前記対象が、残存性貧血を有する、上記1~4のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<6>
例えば、患者などの前記対象のヘモグロビンレベル、ハプトグロビンレベル、網状赤血球レベル、及び/又はビリルビンレベルが、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に評価される、上記1~5のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<7>
例えば、患者などの前記対象の前記ヘモグロビンレベルが、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に、約12g/dL未満、約11.5g/dL未満、約11g/dL未満、約10.5g/dL未満、約10g/dL未満、約9.5g/dL未満、約9g/dL未満、約8.5g/dL未満、又は約8g/dL未満である、上記6に記載の使用のための医薬組成物。
<8>
例えば、患者などの前記対象の前記ヘモグロビンレベルが、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に、約10g/dL以下である、上記6に記載の使用のための医薬組成物。
<9>
PNHの治療が、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルを例えば、約1g/dL以上、約1.5g/dL以上、約2g/dL以上、約2.5g/dL以上、又は約3g/dL以上増加させることを含んでなる、上記1~8のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<10>
PNHを治療することが、例えば、患者などの前記対象における血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)を正常化することを含んでなる、上記1~9のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<11>
IVH及び/又はEVH溶血を正常化することが、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象における、ハプトグロビン、網状赤血球、又はビリルビンのレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるハプトグロビンレベルを増加させ、網状赤血球レベルを低下させ、又はビリルビンレベルを低下させることを含んでなる、上記10に記載の使用のための医薬組成物。
<12>
PNHを治療することが、PNH関連溶血を治療することを含んでなる、上記1~11のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<13>
PNHを治療することが、例えば、患者などの前記対象におけるC3沈着を低減させることを含んでなる、上記1~12のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<14>
C3沈着が、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象におけるC3沈着のレベルと比較して約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%低減される、上記13に記載の使用のための医薬組成物。

<15>
PNHを治療することが、例えば、患者などの前記対象における赤血球(RBC)の生存率を増加させることを含んでなる、上記1~14のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<16>
PNHを治療することが、例えば、患者などの前記対象における補体代替経路を阻害することを含んでなる、上記1~15のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<17>
PNHを治療することが、例えば、患者などの前記対象におけるフラグメントBbレベルを低下させることを含んでなる、上記1~16のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<18>
PNHを治療することが、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルを例えば、約2g/dL以上増加させることを含んでなる、上記1~17のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<19>
PNHを治療することが、ヘモグロビンレベルの持続的な増加を達成することを含んでなる、上記1~18のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<20>
PNHを治療することが、約10g/dLを超え、約10.5g/dLを超え、約11g/dLを超え、約11.5g/dLを超え、約12g/dLを超え、約12.5g/dLを超え、又は約13g/dLを超えるヘモグロビンレベルの持続的な増加を達成することを含んでなる、上記1~19のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<21>
PNHを治療することが、約12g/dL以上のヘモグロビンレベルの持続的な増加を達成することを含んでなる、上記1~20のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<22>
PNHを治療することが、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる、上記1~21のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<23>
例えば、患者などの前記対象が、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約6ヶ月前に、例えば、少なくとも1回の濃厚RBC輸血を受けている、上記1~21のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<24>
例えば、患者などの前記対象が、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の前に、例えば、ナイセリア・メニンジチディス(Neisseria meningitidis)(A、C、Y、及びW-135型)に対する以前のワクチン接種など、ワクチン接種されている、上記1~23のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<25>
治療の有効性が、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルを測定することによって判定される、上記1~24のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<26>
前記ヘモグロビンレベルが、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、約1.5g/dL以上、約2g/dL以上、約2.5g/dL以上、約3g/dL以上、約3.5g/dL以上、約4g/dL以上、約4.5g/dL以上、又は約5g/dL以上、例えば、約2g/dL以上増加している、上記25に記載の使用のための医薬組成物。
<27>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象におけるIVH及び/又はEVHを正常化する、例えば、それを必要とする患者などの前記対象における血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)の正常化で使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<28>
前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記27に記載の使用のための医薬組成物。
<29>
IVH及び/又はEVH溶血を正常化することが、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象における、ハプトグロビン、網状赤血球、又はビリルビンのレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるハプトグロビンレベルを増加させ、網状赤血球レベルを低下させ、又はビリルビンレベルを低下させることを含んでなる、上記27又は28に記載の使用のための医薬組成物。
<30>
例えば、患者などの前記対象におけるハプトグロビンレベル、網状赤血球レベル、又はビリルビンレベルが、血液又は血漿などの体液のサンプル分析によって取得される、上記29に記載の使用のための医薬組成物。
<31>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象を治療する、例えば、それを必要とする患者などの前記対象におけるPNH関連溶血の治療に使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<32>
前記PNH関連溶血が、例えば、表2で定義されるようなブレークスルー溶血(BTH)である、上記31に記載の使用のための医薬組成物。
<33>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象を治療する、例えば、それを必要とする患者などの前記対象における、例えば、血管内溶血(IVH)の抑制などのIVHの治療で使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<34>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記33に記載の使用のための医薬組成物。
<35>
例えば、IVHの抑制などのIVHの治療が、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象における乳酸ヒドロゲナーゼ(LDH)のレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるLDHのレベルを低下させることを含んでなる、上記33又は34に記載の使用のための医薬組成物。
<36>
例えば、患者などの前記対象における前記LDHレベルが、血液又は血漿などの体液のサンプル分析によって取得される、上記35に記載の使用のための医薬組成物。
<37>
例えば、患者などの前記対象における前記LDHレベルが、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%低下される、上記35又は36に記載の使用のための医薬組成物。
<38>
前記LDHレベルが、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、又は少なくとも約70%低下される、上記35~37のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<39>
例えば、患者などの前記対象における前記LDHレベルが、少なくとも約60%低下される、上記35~38のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<40>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象を治療する、例えば、それを必要とする患者などの前記対象における、例えば、血管外溶血(EVH)の抑制などのEVHの治療で使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<41>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記40に記載の使用のための医薬組成物。
<42>
例えば、EVHの抑制などのEVHの治療が、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の、例えば、患者などの前記対象におけるビリルビン、網状赤血球、又はハプトグロビンのレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるビリルビン又は網状赤血球のレベルを低下させること、又はハプトグロビンのレベルを増加させることを含んでなる、上記40又は41に記載の使用のための医薬組成物。
<43>
例えば、患者などの前記対象におけるビリルビン、網状赤血球、又はハプトグロビンのレベルの値が、血液又は血漿などの体液のサンプル分析によって取得される、上記42に記載の使用のための医薬組成物。
<44>
ビリルビン又は網状赤血球のレベルが、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%低下する、上記42又は43に記載の使用のための医薬組成物。
<45>
ハプトグロビンのレベルが、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%増加する、上記42~44のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<46>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルを正常化する、それを必要とする前記対象におけるヘモグロビンレベルの正常化で使用するためのLNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<47>
ヘモグロビンレベルが、約10g/dLを超え、約10.5g/dLを超え、約11g/dLを超え、約11.5g/dLを超え、約12g/dLを超え、約12.5g/dLを超え、又は約13g/dLを超え、例えば、約12g/dL以上に正常化される、上記46に記載の使用のための医薬組成物。
<48>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記46又は47に記載の使用のための医薬組成物。
<49>
ヘモグロビンレベルの正常化が、赤血球輸血の非存在下で起こる、上記46~48のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<50>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、対象におけるC3沈着を低減させる、例えば、それを必要とする患者などの前記対象におけるC3沈着の低減に使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<51>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記50に記載の使用のための医薬組成物。
<52>
C3沈着が、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%低減される、上記50又は51に記載の使用のための医薬組成物。
<53>
C3沈着が完全に逆転され、例えば、C3沈着が赤血球へのC3フラグメント沈着としてフローサイトメトリーによって定量化される、上記50~52のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<54>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象におけるRBC生存率を増加させる、例えば、それを必要とする患者などの前記対象における赤血球(RBC)生存率を増加させるのに使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<55>
前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記54に記載の使用のための医薬組成物。
<56>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象を治療する、例えば、それを必要とする患者などの前記対象における阻害を維持するなど、補体代替経路を阻害するのに使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<57>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記56に記載の使用のための医薬組成物。
<58>
LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約6週間後、約8週間後、約10週間後、約12週間後、約14週間後、約16週間後、約18週間後、約20週間後、約22週間後、又は約24週間後に前記補体代替経路の持続的阻害が達成される、上記56又は57に記載の使用のための医薬組成物。
<59>
LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約18~24週間後に、前記補体代替経路の持続的阻害が達成される、上記56~58のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<60>
LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約18又は24週間後に、前記補体代替経路の持続的阻害が達成される、上記56~59のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<61>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象におけるフラグメントBbレベルを低下させる、例えば、それを必要とする患者などの前記対象におけるフラグメントBbレベルの低下に使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<62>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記61に記載の使用のための医薬組成物。
<63>
フラグメントBbレベルが、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の、例えば、患者などの前記対象におけるフラグメントBbのレベルと比較して、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%低下される、上記61又は62に記載の使用のための医薬組成物。

Claims (24)

  1. 対象における発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を治療するための、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸又はその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物であって、
    前記医薬組成物が、1日2回(b.i.d.)、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸又はその薬学的に許容可能な塩の200mgの用量で経口投与され(ただし、前記投与量は無水遊離塩基を指す)、それによって前記対象を治療し、
    PNHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、前記対象におけるヘモグロビンレベルを、2g/dL以上増加させることを含む、前記医薬組成物。
  2. PNHを治療することが、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、前記対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記医薬組成物が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸塩酸塩を含む、請求項またはに記載の医薬組成物。
  4. 前記対象が、抗C5療法で以前に治療を受けている、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 前記対象が、残存性貧血を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 前記対象のヘモグロビンレベルが、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前に、10g/dL以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. PNHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、前記対象におけるヘモグロビンレベルを、2.5g/dL以上、又は3g/dL以上増加させることを含んでなる、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. PNHを治療することが、12g/dLを超え、12.5g/dLを超え、又は13g/dLを超えるヘモグロビンレベルの持続的な増加を達成することを含んでなる、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. PNHを治療することが、前記対象における血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)を正常化することを含んでなる、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. IVH及び/又はEVH溶血を正常化することが、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象における、ハプトグロビン、網状赤血球、又はビリルビンのレベルと比較して、前記対象におけるハプトグロビンレベルを増加させ、網状赤血球レベルを低下させ、又はビリルビンレベルを低下させることを含んでなる、請求項に記載の医薬組成物。
  11. PNHを治療することが、PNH関連溶血を治療することを含んでなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. PNHを治療することが、前記対象におけるC3沈着を低減させることを含んでなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. C3沈着が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるC3沈着のレベルと比較して30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%低減される、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. PNHを治療することが、前記対象における赤血球(RBC)の生存率を増加させることを含んでなる、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  15. 対象におけるPNH関連溶血の治療をするための、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物であって、
    前記医薬組成物が、1日2回(b.i.d.)、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸又はその薬学的に許容可能な塩の200mgの用量で経口投与され(ただし、前記投与量は無水遊離塩基を指す)、それによって前記対象を治療し、
    PNHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、前記対象におけるヘモグロビンレベルを、2g/dL以上増加させることを含む、前記医薬組成物。
  16. PNHを治療することが、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、前記対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 対象における血管内溶血(IVH)を治療するための、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物であって、
    前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されており、
    前記医薬組成物が、1日2回(b.i.d.)、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸又はその薬学的に許容可能な塩の200mgの用量で経口投与され(ただし、前記投与量は無水遊離塩基を指す)、それによって前記対象を治療し、
    IVHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、前記対象におけるヘモグロビンレベルを、2g/dL以上増加させることを含む、前記医薬組成物。
  18. IVHを治療することが、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、前記対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. IVHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象における乳酸ヒドロゲナーゼ(LDH)のレベルと比較して、前記対象におけるLDHのレベルを低下させることを含んでなる、請求項17または18に記載の医薬組成物。
  20. 前記対象における前記LDHレベルが、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下される、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 対象における血管外溶血(EVH)を治療するための、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物であって、
    前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されており、
    前記医薬組成物が、1日2回(b.i.d.)、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸又はその薬学的に許容可能な塩の200mgの用量で経口投与され(ただし、前記投与量は無水遊離塩基を指す)、それによって前記対象を治療し、
    EVHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、前記対象におけるヘモグロビンレベルを、2g/dL以上増加させることを含む、前記医薬組成物。
  22. EVHを治療することが、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、前記対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. EVHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるビリルビン、網状赤血球、又はハプトグロビンのレベルと比較して、前記対象におけるビリルビン又は網状赤血球のレベルを低下させること、又はハプトグロビンのレベルを増加させることを含んでなる、請求項21または22に記載の医薬組成物。
  24. ビリルビン又は網状赤血球のレベルが、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%低下する、請求項23に記載の医薬組成物。
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