JP7293513B2 - B因子阻害剤の使用方法 - Google Patents
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Description
特定の定義が提供されない限り、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、及び医薬品化学に関連して使用される命名法、及びその手順と技術は、当該技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。化学合成及び化学分析には、標準的な手法が用いられてもよい。特定のこのような手法及び手順は、例えば、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される、”Remington’s Pharmaceutical Sciences,”Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,21st edition,2005に見いだすことができる。許可されている場合、本開示全体で言及される全ての特許、出願、公開出願、及びその他の刊行物、及びその他のデータは、それらの内容全体が参照により本明細書に援用される。
本明細書の用法では、「約」は、ある値の±10%以内を意味する。
本明細書で提供されるのは、例えば、それを必要とする患者などの対象における発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を治療する方法であり、方法は、例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を例えば、患者などの対象に経口投与することを含んでなり(ここで投与量は、LNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、その結果、例えば、患者などの対象が治療される。
第III相試験では、SoC(エクリズマブ又はラブリズマブ)で治療されているにもかかわらず、10g/dL以下のヘモグロビンとして定義される残存性貧血を経験している、過去6ヶ月間に定期的な赤血球輸血を行ったことがある又はない、高感度フローサイトメトリー(10%以上のクローンサイズ)によって診断が確認されたPNH患者を登録する。PNH血液細胞は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカータンパク質(GPI-AP)を欠き、膜結合型補体阻害タンパク質CD55及びCD59が欠損している。これらの2つのGPI-AP、CD55及びCD59の欠如は、溶血及びその他のPNH顕在化を説明する無制御な補体活性化につながる。この患者集団を選択する理論的根拠は、これらの患者がSoC治療にもかかわらず満たされていない医療ニーズを呈するからである。
本明細書では、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の約200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩で治療された患者集団における、治療の有効性を評価する方法もまた提供され、方法は、例えば、ベースラインと比較した、ヘモグロビンレベルの持続的な増加などの増加を達成する患者集団の百分率を判定し、それによって治療の有効性を評することを含んでなり、ベースラインは、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の患者集団におけるヘモグロビンのレベルである。
目的
抗C5抗体による治療にもかかわらず残存性貧血を呈するPNH患者におけるこの第III相試の目的は、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性の実証を通じて、PNHを治療するために、LNP023塩酸塩が効果的且つ安全であるかどうかを判定することである。この第III相試験は、24週間の無作為化、実薬対照、非盲検試験期間、及び24週間の非盲検延長期間を有する。有効性は、赤血球輸血の非存在下での一次ヘモグロビン応答基準を達成する参加者の割合、並びにその他の血液学的応答評価項目、輸血回避、ブレークスルー溶血率、及び倦怠感スコアによって評価される(FACIT-倦怠感、患者報告による予後質問票)。
主要目的は次の通り:
1)赤血球輸血の非存在下での2g/dL以上のヘモグロビンレベルにおけるベースラインからの持続的な増加を達成する参加者の割合における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと、
2)赤血球輸血の非存在下での12g/dL以上の持続的Hbレベルを達成する参加者の割合における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと。
*Hbレベルにおけるベースラインからの2g/dL以上の増加
*12g/dL以上のHbレベル
の複合項目として定義される評価項目で、レスポンダー応答者になる確率について評価され、
どちらの評価項目も126日目~168日目の間に評価され、14日目~168日目の間に赤血球輸血を必要としないことについて評価される)。
副次目的は次の通り:
1)第14日目~第168日目の間に、プロトコルで定義された基準に従って濃厚赤血球輸血を受けていない参加者の割合を評価することによって、輸血を受けていない参加者の割合として、輸血回避における抗C5抗体治療と比較した、LNP023塩酸塩の優位性を実証すること;
2)126日目~168日目の間の受診の平均として、ヘモグロビンのベースラインからの変化(g/dL)を評価することによって、ヘモグロビンの平均変化における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと;
3)126日目~168日目の間の受診の平均として、FACIT-倦怠感質問票を使用してFACIT-倦怠感スコアのベースラインからの変化を評価することによって、倦怠感の改善における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと;
4)126日目~168日目の間の受診の平均として、網状赤血球数のベースラインからの変化(109/L)を評価することによって、網状赤血球数の平均変化における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと;
5)126日目~168日目の間の受診の平均として、LDHレベル(U/L)のベースラインからの%変化を評価することによって、LDHの平均%変化における、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと;
6)1日目~168日目の間に報告されたブレークスルー溶血を有する参加者のブレークスルー溶血(BTH)の割合において、抗C5抗体療法と比較したLNP023塩酸塩の優位性を示すこと;
7)1日目~168日目の間に発生したLNP023塩酸塩のMAVE(血栓症を含めた)の割合を、抗C5抗体療法と比較して評価すること。
探索目的は次の通り:
1)有害事象/重篤有害事象、安全性検査パラメータ、生命徴候などをはじめとする安全性評価を用いて、抗C5治療と比較したLNP023の安全性及び忍容性を評価すること;
2)血液学的パラメータ、RBC輸血の単位、及びPNHの徴候と症状における、抗C5抗体療法と比較したLNP023の効果を評価すること;血液学的パラメータ(RBC、ハプトグロビンをはじめとする)、ビリルビンレベル、濃厚RBC輸血の単位、及びPNHの徴候と症状は、126日目~168日目の間の受診についてのモデル導出推定値の平均によって1日目~168日目の間で収集される;
3)患者の報告による全体的な倦怠感の重症度及び健康関連の生活の質において、抗C5抗体療法と比較したLNP023の効果を評価すること;126日目~168日目の間の受診モデルからの導出推定値の平均で治療を比較することに焦点を当てた、1日目~168日目の間に収集されたPGIS、EORTC QLQ-C30、及びEQ-5D-5Lの患者報告アウトカムスコアの変化が評価される;
4)PNH型赤血球へのC3フラグメント沈着と、PNHクローンサイズとに対する、抗C5治療と比較したLNP023の効果を評価すること;1日目~168日目の間に採取されたC3d陽性PNH型赤血球の百分率が判定され、PNHII型及びIII型赤血球と赤血球の総PNHクローンサイズ(百分率)は、1日目~168日目の間に収集される;
5)PK曝露データに基づいてPNH集団におけるLNP023のPKを特徴付けること;及び
6)1日目~168日目の間の入院、再入院、救急処置室受診の発生に基づいて、医療資源の利用における抗C5治療と比較したLNP023の効果を評価すること。
この試験は、多施設、無作為化、非盲検、実薬対照、並行群間試験であり、3期間で構成される(図1を参照されたい)。
●最大8週間続くスクリーニング期間(組み入れに必要なワクチン接種のためにそれを延長する必要がない限り)
●主要有効性及び安全性解析のための24週間の無作為化、非盲検、実薬対照、並行群間治療期間
●24週間の非盲検、LNP023塩酸塩治療延長期間
試験では、無作為化前の6ヶ月間における抗C5抗体療法(エクリズマブ又はラブリズマブ)の安定したレジメンにもかかわらず、10g/dL未満のヘモグロビンとして定義される残存性貧血を有するPNH患者が登録され、およそ40%の参加者は、無作為化前の6ヶ月間に少なくとも1回の濃厚赤血球輸血を受けている。合計でおよそ91人の参加者が、試験において無作為化される。全ての参加者は、試験関連の活動を開始する前に、告知に基づく同意書を提供する必要がある。試験デザインを図1に示す。
第III相試験は、抗C5抗体療法(SoC)の安定したレジメンによる治療にもかかわらず残存性貧血を呈するPNH患者における、血液学的応答パラメータ及び疲労感の患者報告による転帰測定値に対する、静脈内抗C5抗体療法と比較した、200mgb.i.d.の経口用量でのLNP023塩酸塩の優位性を実証するために、多施設、非盲検、無作為化、実薬対照、並行群間試験としてデザインされる。
患者適格性は、慣らし期間の開始前に判定される(受診1で実行される評価に基づく)。参加者が試験に登録する資格があることを確認するために、包含基準及び除外基準が評価される。スクリーニング評価を図2に列挙する。
参加者は、それぞれ、200mgの経口b.i.d.用量でのLNP023塩酸塩単剤療法(およそ56人の参加者)、又はi.v.抗C5抗体療法(無作為化前と同様に無作為化治療期間中に同一レジメンを継続するおよそ35人の参加者)のどちらかの2つの治療群の1つに、8:5の比率で無作為化される。
実薬比較治療群に無作為化された参加者は、抗C5(エクリズマブ又はラブリズマブ)抗体療法の最終投与を受けた後、168日目(24週目の受診時)にLNP023塩酸塩への切り替えを提案され、延長治療期間に入る。治療の切り替えに同意しない比較治療群の参加者については、24週目が試験の治験受診の終了となり、延長期間への参加はない。経口LNP023塩酸塩への切り替えに同意した参加者では、延長治療は第24週の受診が完了した翌日に開始される。
PNHと診断され、無作為化の前に少なくとも6ヶ月間、抗C5モノクローナル抗体療法(標準治療;エクリズマブ又はラブリズマブのどちらか)の安定したレジメンで治療されているが、依然として残存性貧血(すなわち、10g/dL未満のHb)を呈する患者が登録される。無作為化前の6ヶ月間に、少なくとも1回の濃厚赤血球輸血を受けた参加者の約40%が登録される予定である。
この試験に適格な参加者は、以下の基準を全て満たす必要がある:
1.高感度フローサイトメトリーによりRBC、及び/又は確定したWBCの顆粒球/単球のクローンサイズ10%以上でPNHと診断された、18歳以上の男女の参加者
2.無作為化前の少なくとも6ヶ月間の抗C5抗体療法(エクリズマブ又はラブリズマブのどちらか)の安定したレジメン(用量及び間隔)
3.10g/dL未満の平均ヘモグロビンレベル
4.スクリーニング受診前の最低4ヶ月間にわたる
5.スクリーニング中に中央検査室の評価によって確認された
6.ナイセリア・メニンジチディス(Neisseria meningitidis)感染症に対するワクチン接種は、治療開始前に必要である。患者が以前にワクチン接種を受けたことがなく、又は追加免疫が必要な場合、ワクチンは、入手可能であれば、地域の規制に従って、初回投与の少なくとも2週間前に接種されなくてはならない。
7.以前に受けていない場合、可能であれば、現地の規制に従って、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)及びヘモフィルス・インフルエンザエ(Haemophilus influenzae)感染症に対するワクチンが接種されなくてはならない。ワクチンは、最初のLNP023塩酸塩投与の少なくとも2週間前に投与されなくてはならない。
以下の基準のいずれかに該当する参加者は、この試験に適格でない。
1.エクリズマブの投与量は安定しているが、投与間隔が11日以下の参加者
2.スクリーニング時における、既知の又は疑わしい遺伝性補体欠損症
3.造血幹細胞移植の病歴
4.臨床検査で骨髄不全が認められた患者(網状赤血球100×109/L未満;血小板30×109/L未満;好中球500×106/L未満)。
5.治験薬投与前の14日間以内の活動性の全身性細菌、ウイルス又は真菌感染症
6.例えば、髄膜炎菌又は肺炎球菌などの被嚢性生物による、再発性の侵襲性感染症の病歴。
7.これらに限定されるものではないが、治験責任医師の見解で参加者の試験への参加が排除される、重度の腎疾患(例えば、透析)、進行性心疾患(例えば、NYHAクラスIV)、重度の肺疾患(例えば、重度の肺高血圧症(WHOクラスIV))、又は肝疾患(例えば、活動性肝炎)をはじめとする主要な併存疾患。
参加者は、b.i.d.経口投与されるLNP023塩酸塩単剤療法(抗C5抗体療法は中止される、時期については下記を参照されたい)又は静脈内抗C5抗体療法(無作為化前に投与されたのと同一用量で継続される)のどちらかに、8:5の比率で無作為化される。
最初のLNP023塩酸塩投与のタイミングは、以前の抗C5抗体療法からLNP023塩酸塩へのシームレスな切り替えを提供し、LNP023塩酸塩曝露が蓄積するにつれて、ブレークスルー溶血の潜在的なリスクを制限しながら、経口剤を開始するときに抗C5抗体療法への曝露のいくらかの重複を可能にする。
●以前のエクリズマブレジメンの参加者の最初のLNP023塩酸塩用量投与は、2週間の投与間隔の2週目の開始時(すなわち、好ましくは最後の輸液の約7~8日後)に行われなくてはならない。
●以前のラブリズマブレジメンの参加者に対する最初のLNP023塩酸塩用量投与は、8週間の投与間隔の7週目の初め(好ましくは最後の輸液の約41日~43日後)に行われなくてはならない。
次に、参加者は、200mgのLNP023塩酸塩b.i.d.の単剤療法を継続して服用する。
比較治療群に割り当てられた参加者は、安定したレジメンに従って抗C5輸液を受け続ける。しかし、「試験開始」のための抗C5の次の投与日は、「1日目」の試験日と一致しなくてはならない。治験責任医師には、計画された輸液の予定日から「逆に数える」ことが推奨される。
24週目の受診時に、比較治療群の参加者は、最後の抗C5剤の輸液を受け、受診日(169日目)の翌朝に最初のLNP023塩酸塩の用量投与を開始する。
この試験では、「治験治療」には、被験薬であるLNP023塩酸塩、及び抗C5抗体の実薬比較(エクリズマブ又はラブリズマブのどちらか)が含まれる。
無作為化治療期間の期間は、24週間である。LNP023塩酸塩による参加者の治療が中止され(例えば、有効性の欠如のため)、患者が以前の抗C5抗体療法に切り替えた場合、24週目の受診まで試験評価を継続するためにあらゆる努力が払われる。
200mgのLNP023塩酸塩b.i.d.の連続治療の用量は、主に、進行中の2つの第II相PNH試験(ClinicalTrials.gov Identifier:NCT03439839及びNCT03896152)からの中間解析時に得られた利用可能な有効性と安全性のデータに基づいて、この第III相試験のために選択されており、PKPDモデルの結果によって裏付けられている。
●200mgのb.i.d.のLNP023塩酸塩(エクリズマブへの追加)を投与された参加者は、LDHの減少によって実証されるIVHの抑制、ビリルビン、網状赤血球の減少によって実証されるEVHの抑制、及び赤血球輸血の非存在下での大多数の患者のヘモグロビンの正常化をもたらすハプトグロビンの増加をはじめとする、エクリズマブでは達成されなかった臨床的利益を有した。200mgのb.i.d.のLNP023塩酸塩の追加療法で参加者が達成した血液学的応答は、LNP023塩酸塩単剤療法を継続した5/10の参加者において、エクリズマブ治療が中止された延長期間(IA時)の間、LNP023塩酸塩単剤療法によって維持された。IAに続いて、さらに2人の参加者がエクリズマブ治療を中止した。C3沈着は、200mgのb.i.d.用量でのLNP023塩酸塩の添加によって完全に逆転され、PNH赤血球の生存率は延長され、200mgのb.i.d.用量でのLNP023塩酸塩によるEVHの制御がさらに裏付けられた。補体代替経路の持続的な阻害と、フラグメントBbの大幅且つ持続的な減少があり、標的の結合が実証された。
●LNP023塩酸塩単剤療法を受けた参加者は、25mgのb.i.d.用量レベル以上のLNP023塩酸塩が、全ての参加者におけるベースラインから60%以上のLDH減少と、大多数の参加者における輸血なしの早期ヘモグロビン増加を有したことを示した。その他の溶血関連の臨床検査値は、単剤療法として投与されたLNP023塩酸塩が、血管内溶血(LDH減少)と血管外溶血(網状赤血球及びビリルビンの減少、ハプトグロビンの増加)の双方を抑制することを示した。
LNP023塩酸塩の投与中は、下に列挙される治療法の使用は許可されない。
●生ワクチンは全試験治療期間にわたり禁止される
●ゲムフィブロジル(代謝酵素CYP2C8、UGT1A、及び肝臓取り込みトランスポーターOATP1B1の強力な阻害剤)は、最初のLNP023塩酸塩投与の48時間前から、LNP023塩酸塩治療の終了時まで中断しなければならない(そしてその適応症に使用される別の適切な薬剤で置き換えられる)。
○LNP023塩酸塩が投与されている試験中に再開された場合は、禁止されている治療を直ちに中止すること
●クロピドグレル(CYP2C8の強力な阻害剤)は、最初のLNP023塩酸塩投与の7日前から、LNP023塩酸塩治療の終了時まで中断しなければならない(そしてその適応症に使用される別の適切な薬剤で置き換えられる)。
○LNP023塩酸塩が投与されている試験中に再開された場合は、禁止されている治療を直ちに中止すること
評価スケジュール(図2及び3)は、それらが実施される場合の全ての評価を列挙する。スクリーニング期間中、10g/dL未満の平均ヘモグロビンは、無作為化の前に、2~8週間間隔の2回のヘモグロビン測定(平均10g/dL未満)によって評価される、中央検査室評価によって;又は、最初の評価後にpRBC輸血を受けた患者の最初の評価からの1回のヘモグロビン測定(10g/dL未満)によって、確認される。参加者がスクリーニング受診(中央検査室)で行われた最初の評価の後に濃厚RBC輸血を受けた場合、参加者は中央検査室による追加のヘモグロビン評価なしで適格となる。
無作為化治療期間中、図2のスケジュールに従って、血液学、臨床化学、及びC3+RBC、PNHII型/III型RBC、及びPNHクローンサイズのための血液サンプルが採取される。
赤血球輸血の投与に対する必要性は、無作為化治療期間中継続的にモニターされる。
●ヘモグロビンレベルが9g/dL以下で、輸血の正当な根拠となる重篤な徴候及び/又は症状がある
●臨床徴候及び症状存在にかかわりなく、ヘモグロビンが7g/dL以下
ブレークスルー溶血の発生は、無作為化治療期間中継続的にモニターされる。2つの臨床基準のどちらかが満たされている場合、臨床的ブレークスルーの基準が以下の表2に定義される。定義された臨床的ブレークスルーとは対照的に、有意義なヘモグロビンの減少がなく、その他の溶血の臨床的徴候又は症状がない、血管内溶血の増加という孤立した検査室での証拠(表2を参照されたい)は、潜在的ブレークスルー溶血と定義される。
FACIT-倦怠感は、自己報告による倦怠感と、その日常活動及び機能に対する影響とを評価する13項目の質問票である。これを使用して、患者の報告による倦怠感が評価される。FACIT-倦怠感は、FACIT測定システムと称される健康関連の生活の質(HRQoL)質問票のコレクションの一部である、多くの異なるFACITスケールの1つである(Webster K,Cella D,and Yost K.(2003).The functional assessment of chronic illness therapy(FACIT)measurement system:properties,applications,and interpretation.Health Qual Life Outcomes;16:1-79;Yellen SB,et al.(1997).Measuring fatigue and other anemia-related symptoms with functional assessment of cancer therapy(FACT)measurement system. J Pain Symmptom Manage;13:633-74)。PNH患者におけるFACIT-Fの使用は、いくつかの刊行物で報告されており、病状の変化に敏感であり、統計学的に有意で臨床的に意味のある結果を実証できるようにする(Brodsky RA,et al.(2008)Multicenter phase 3 study of the complement inhibitor eculizumab for the treatment of patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria.Blood;4:1840-1847;Ueda Y,Obara N,et al.(2018).Effects of eculizumab treatment on quality of life in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria in Japan.Int J Hematol;107:656-665;Kulasekararaj AG,et al.(2019)Ravulizumab(ALXN1210)vs eculizumab in C5-inhibitor-experienced adult patients with PNH:the 302 study.Blood;133:540-549)。全てのFACITスケールは、スコアが高いほど良好であるようにスコア付けされる。FACIT-Fスケールの13項目のそれぞれは0~4の範囲であるため、可能なスコアの範囲は0~52であり、0が可能な最悪スコア、52が最良スコアである。
PNHの徴候及び症状は、無作為化治療期間中、図2に従って収集される。治験責任医師(又は被指名人)は、次の徴候及び症状の存在を記録する。
●特に朝の赤みがかった又はコーラ色の尿/又はヘモグロビン尿
●脱力感又は疲労感
●息切れ/呼吸困難
●嚥下障害/嚥下困難
●胸痛
●腹痛
●勃起不全/性不能症
PKサンプルは、評価スケジュールで定義された受診時に採取される(図2及び3)。LNP023塩酸塩を服用している全ての参加者の薬物動態(PK)サンプルが入手され、評価される。LNP023塩酸塩は、検証済みLC-MS/MS法によって測定され、予想される定量下限値(LLOQ)は1.0ng/mLである。代謝物(必要に応じて)が、適宜測定されてもよい。濃度は、体積単位あたりの質量(ng/mL)で表され、無水遊離塩基を指す。
参加者の治験治療の中止は、治験治療がプロトコルの計画期間よりも早く中止された場合に発生し、参加者又は治験責任医師のどちらかによって開始され得る。
●輸血(濃厚RBC)、
●又はフローサイトメトリーによってPNH RBCが総RBCの50%を超える場合は、交換輸血
●コルチコステロイド
●抗凝固療法
●治験責任医師によって判断された任意のその他の支持療法又は治療法。
●7日間にわたり夕方に服用される3カプセルの10mgのLNP023塩酸塩(1日1回)
●7日間にわたり夕方に服用される1カプセルの10mgのLNP023塩酸塩(1日1回)
当業者は、日常的実験のみを用いて、本明細書に具体的に記載される特定の実施形態の多数の均等物を認識し、又は見極めることができるであろう。このような均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
本発明は、以下の態様をも含むものである。
<1>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象を治療する、例えば、患者などの前記対象における発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療で使用するためのLNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<2>
例えば、患者などの前記対象が、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に少なくとも約8ヶ月間、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に少なくとも約6ヶ月間など、以前に抗C5療法で治療されている、上記1に記載の使用のための医薬組成物。
<3>
前記抗C5療法が抗C5モノクローナル抗体療法である、上記2に記載の使用のための医薬組成物。
<4>
前記抗C5療法がエクリズマブ又はラブリズマブである、上記2又は3に記載の使用のための医薬組成物。
<5>
例えば、患者などの前記対象が、残存性貧血を有する、上記1~4のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<6>
例えば、患者などの前記対象のヘモグロビンレベル、ハプトグロビンレベル、網状赤血球レベル、及び/又はビリルビンレベルが、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に評価される、上記1~5のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<7>
例えば、患者などの前記対象の前記ヘモグロビンレベルが、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に、約12g/dL未満、約11.5g/dL未満、約11g/dL未満、約10.5g/dL未満、約10g/dL未満、約9.5g/dL未満、約9g/dL未満、約8.5g/dL未満、又は約8g/dL未満である、上記6に記載の使用のための医薬組成物。
<8>
例えば、患者などの前記対象の前記ヘモグロビンレベルが、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前に、約10g/dL以下である、上記6に記載の使用のための医薬組成物。
<9>
PNHの治療が、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルを例えば、約1g/dL以上、約1.5g/dL以上、約2g/dL以上、約2.5g/dL以上、又は約3g/dL以上増加させることを含んでなる、上記1~8のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<10>
PNHを治療することが、例えば、患者などの前記対象における血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)を正常化することを含んでなる、上記1~9のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<11>
IVH及び/又はEVH溶血を正常化することが、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象における、ハプトグロビン、網状赤血球、又はビリルビンのレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるハプトグロビンレベルを増加させ、網状赤血球レベルを低下させ、又はビリルビンレベルを低下させることを含んでなる、上記10に記載の使用のための医薬組成物。
<12>
PNHを治療することが、PNH関連溶血を治療することを含んでなる、上記1~11のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<13>
PNHを治療することが、例えば、患者などの前記対象におけるC3沈着を低減させることを含んでなる、上記1~12のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<14>
C3沈着が、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象におけるC3沈着のレベルと比較して約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%低減される、上記13に記載の使用のための医薬組成物。
<15>
PNHを治療することが、例えば、患者などの前記対象における赤血球(RBC)の生存率を増加させることを含んでなる、上記1~14のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<16>
PNHを治療することが、例えば、患者などの前記対象における補体代替経路を阻害することを含んでなる、上記1~15のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<17>
PNHを治療することが、例えば、患者などの前記対象におけるフラグメントBbレベルを低下させることを含んでなる、上記1~16のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<18>
PNHを治療することが、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルを例えば、約2g/dL以上増加させることを含んでなる、上記1~17のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<19>
PNHを治療することが、ヘモグロビンレベルの持続的な増加を達成することを含んでなる、上記1~18のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<20>
PNHを治療することが、約10g/dLを超え、約10.5g/dLを超え、約11g/dLを超え、約11.5g/dLを超え、約12g/dLを超え、約12.5g/dLを超え、又は約13g/dLを超えるヘモグロビンレベルの持続的な増加を達成することを含んでなる、上記1~19のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<21>
PNHを治療することが、約12g/dL以上のヘモグロビンレベルの持続的な増加を達成することを含んでなる、上記1~20のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<22>
PNHを治療することが、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる、上記1~21のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<23>
例えば、患者などの前記対象が、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約6ヶ月前に、例えば、少なくとも1回の濃厚RBC輸血を受けている、上記1~21のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<24>
例えば、患者などの前記対象が、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の前に、例えば、ナイセリア・メニンジチディス(Neisseria meningitidis)(A、C、Y、及びW-135型)に対する以前のワクチン接種など、ワクチン接種されている、上記1~23のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<25>
治療の有効性が、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルを測定することによって判定される、上記1~24のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<26>
前記ヘモグロビンレベルが、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、約1.5g/dL以上、約2g/dL以上、約2.5g/dL以上、約3g/dL以上、約3.5g/dL以上、約4g/dL以上、約4.5g/dL以上、又は約5g/dL以上、例えば、約2g/dL以上増加している、上記25に記載の使用のための医薬組成物。
<27>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象におけるIVH及び/又はEVHを正常化する、例えば、それを必要とする患者などの前記対象における血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)の正常化で使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<28>
前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記27に記載の使用のための医薬組成物。
<29>
IVH及び/又はEVH溶血を正常化することが、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の例えば、患者などの前記対象における、ハプトグロビン、網状赤血球、又はビリルビンのレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるハプトグロビンレベルを増加させ、網状赤血球レベルを低下させ、又はビリルビンレベルを低下させることを含んでなる、上記27又は28に記載の使用のための医薬組成物。
<30>
例えば、患者などの前記対象におけるハプトグロビンレベル、網状赤血球レベル、又はビリルビンレベルが、血液又は血漿などの体液のサンプル分析によって取得される、上記29に記載の使用のための医薬組成物。
<31>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象を治療する、例えば、それを必要とする患者などの前記対象におけるPNH関連溶血の治療に使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<32>
前記PNH関連溶血が、例えば、表2で定義されるようなブレークスルー溶血(BTH)である、上記31に記載の使用のための医薬組成物。
<33>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象を治療する、例えば、それを必要とする患者などの前記対象における、例えば、血管内溶血(IVH)の抑制などのIVHの治療で使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<34>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記33に記載の使用のための医薬組成物。
<35>
例えば、IVHの抑制などのIVHの治療が、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象における乳酸ヒドロゲナーゼ(LDH)のレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるLDHのレベルを低下させることを含んでなる、上記33又は34に記載の使用のための医薬組成物。
<36>
例えば、患者などの前記対象における前記LDHレベルが、血液又は血漿などの体液のサンプル分析によって取得される、上記35に記載の使用のための医薬組成物。
<37>
例えば、患者などの前記対象における前記LDHレベルが、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%低下される、上記35又は36に記載の使用のための医薬組成物。
<38>
前記LDHレベルが、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、又は少なくとも約70%低下される、上記35~37のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<39>
例えば、患者などの前記対象における前記LDHレベルが、少なくとも約60%低下される、上記35~38のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<40>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象を治療する、例えば、それを必要とする患者などの前記対象における、例えば、血管外溶血(EVH)の抑制などのEVHの治療で使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<41>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記40に記載の使用のための医薬組成物。
<42>
例えば、EVHの抑制などのEVHの治療が、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の、例えば、患者などの前記対象におけるビリルビン、網状赤血球、又はハプトグロビンのレベルと比較して、例えば、患者などの前記対象におけるビリルビン又は網状赤血球のレベルを低下させること、又はハプトグロビンのレベルを増加させることを含んでなる、上記40又は41に記載の使用のための医薬組成物。
<43>
例えば、患者などの前記対象におけるビリルビン、網状赤血球、又はハプトグロビンのレベルの値が、血液又は血漿などの体液のサンプル分析によって取得される、上記42に記載の使用のための医薬組成物。
<44>
ビリルビン又は網状赤血球のレベルが、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%低下する、上記42又は43に記載の使用のための医薬組成物。
<45>
ハプトグロビンのレベルが、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%増加する、上記42~44のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<46>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象におけるヘモグロビンレベルを正常化する、それを必要とする前記対象におけるヘモグロビンレベルの正常化で使用するためのLNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<47>
ヘモグロビンレベルが、約10g/dLを超え、約10.5g/dLを超え、約11g/dLを超え、約11.5g/dLを超え、約12g/dLを超え、約12.5g/dLを超え、又は約13g/dLを超え、例えば、約12g/dL以上に正常化される、上記46に記載の使用のための医薬組成物。
<48>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記46又は47に記載の使用のための医薬組成物。
<49>
ヘモグロビンレベルの正常化が、赤血球輸血の非存在下で起こる、上記46~48のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<50>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、対象におけるC3沈着を低減させる、例えば、それを必要とする患者などの前記対象におけるC3沈着の低減に使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<51>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記50に記載の使用のための医薬組成物。
<52>
C3沈着が、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、又は約99%低減される、上記50又は51に記載の使用のための医薬組成物。
<53>
C3沈着が完全に逆転され、例えば、C3沈着が赤血球へのC3フラグメント沈着としてフローサイトメトリーによって定量化される、上記50~52のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<54>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象におけるRBC生存率を増加させる、例えば、それを必要とする患者などの前記対象における赤血球(RBC)生存率を増加させるのに使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<55>
前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記54に記載の使用のための医薬組成物。
<56>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象を治療する、例えば、それを必要とする患者などの前記対象における阻害を維持するなど、補体代替経路を阻害するのに使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<57>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記56に記載の使用のための医薬組成物。
<58>
LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約6週間後、約8週間後、約10週間後、約12週間後、約14週間後、約16週間後、約18週間後、約20週間後、約22週間後、又は約24週間後に前記補体代替経路の持続的阻害が達成される、上記56又は57に記載の使用のための医薬組成物。
<59>
LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約18~24週間後に、前記補体代替経路の持続的阻害が達成される、上記56~58のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<60>
LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与の約18又は24週間後に、前記補体代替経路の持続的阻害が達成される、上記56~59のいずれかに記載の使用のための医薬組成物。
<61>
例えば、約12時間毎など1日2回(b.i.d.)の200mgの用量で、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を経口投与し(前記投与量はLNP023塩酸塩の無水遊離塩基を指す)、それによって例えば、患者などの対象におけるフラグメントBbレベルを低下させる、例えば、それを必要とする患者などの前記対象におけるフラグメントBbレベルの低下に使用するための、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物。
<62>
例えば、患者などの前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されている、上記61に記載の使用のための医薬組成物。
<63>
フラグメントBbレベルが、例えば、ベースラインと比較して、例えば、LNP023又は例えば、LNP023塩酸塩などのその薬学的に許容可能な塩の投与前の、例えば、患者などの前記対象におけるフラグメントBbのレベルと比較して、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、又は約90%低下される、上記61又は62に記載の使用のための医薬組成物。
Claims (24)
- 対象における発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を治療するための、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸又はその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物であって、
前記医薬組成物が、1日2回(b.i.d.)、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸又はその薬学的に許容可能な塩の200mgの用量で経口投与され(ただし、前記投与量は無水遊離塩基を指す)、それによって前記対象を治療し、
PNHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、前記対象におけるヘモグロビンレベルを、2g/dL以上増加させることを含む、前記医薬組成物。 - PNHを治療することが、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、前記対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸塩酸塩を含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
- 前記対象が、抗C5療法で以前に治療を受けている、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記対象が、残存性貧血を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記対象のヘモグロビンレベルが、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前に、10g/dL以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- PNHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、前記対象におけるヘモグロビンレベルを、2.5g/dL以上、又は3g/dL以上増加させることを含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- PNHを治療することが、12g/dLを超え、12.5g/dLを超え、又は13g/dLを超えるヘモグロビンレベルの持続的な増加を達成することを含んでなる、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- PNHを治療することが、前記対象における血管内溶血(IVH)及び/又は血管外溶血(EVH)を正常化することを含んでなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- IVH及び/又はEVH溶血を正常化することが、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象における、ハプトグロビン、網状赤血球、又はビリルビンのレベルと比較して、前記対象におけるハプトグロビンレベルを増加させ、網状赤血球レベルを低下させ、又はビリルビンレベルを低下させることを含んでなる、請求項9に記載の医薬組成物。
- PNHを治療することが、PNH関連溶血を治療することを含んでなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- PNHを治療することが、前記対象におけるC3沈着を低減させることを含んでなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- C3沈着が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるC3沈着のレベルと比較して30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%低減される、請求項12に記載の医薬組成物。
- PNHを治療することが、前記対象における赤血球(RBC)の生存率を増加させることを含んでなる、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 対象におけるPNH関連溶血の治療をするための、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物であって、
前記医薬組成物が、1日2回(b.i.d.)、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸又はその薬学的に許容可能な塩の200mgの用量で経口投与され(ただし、前記投与量は無水遊離塩基を指す)、それによって前記対象を治療し、
PNHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、前記対象におけるヘモグロビンレベルを、2g/dL以上増加させることを含む、前記医薬組成物。 - PNHを治療することが、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、前記対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる、請求項15に記載の医薬組成物。
- 対象における血管内溶血(IVH)を治療するための、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物であって、
前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されており、
前記医薬組成物が、1日2回(b.i.d.)、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸又はその薬学的に許容可能な塩の200mgの用量で経口投与され(ただし、前記投与量は無水遊離塩基を指す)、それによって前記対象を治療し、
IVHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、前記対象におけるヘモグロビンレベルを、2g/dL以上増加させることを含む、前記医薬組成物。 - IVHを治療することが、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、前記対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる、請求項17に記載の医薬組成物。
- IVHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象における乳酸ヒドロゲナーゼ(LDH)のレベルと比較して、前記対象におけるLDHのレベルを低下させることを含んでなる、請求項17または18に記載の医薬組成物。
- 前記対象における前記LDHレベルが、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%低下される、請求項19に記載の医薬組成物。
- 対象における血管外溶血(EVH)を治療するための、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬組成物であって、
前記対象がPNHを有し、又はPNHを有すると診断されており、
前記医薬組成物が、1日2回(b.i.d.)、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸又はその薬学的に許容可能な塩の200mgの用量で経口投与され(ただし、前記投与量は無水遊離塩基を指す)、それによって前記対象を治療し、
EVHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるヘモグロビンレベルと比較して、前記対象におけるヘモグロビンレベルを、2g/dL以上増加させることを含む、前記医薬組成物。 - EVHを治療することが、1回又は複数回の赤血球(RBC)輸血の非存在下で、前記対象におけるヘモグロビンレベルを増加させることを含んでなる、請求項21に記載の医薬組成物。
- EVHの治療が、4-((2S,4S)-(4-エトキシ-1-((5-メトキシ-7-メチル-1H-インドール-4-イル)メチル)ピペリジン-2-イル))安息香酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与前の前記対象におけるビリルビン、網状赤血球、又はハプトグロビンのレベルと比較して、前記対象におけるビリルビン又は網状赤血球のレベルを低下させること、又はハプトグロビンのレベルを増加させることを含んでなる、請求項21または22に記載の医薬組成物。
- ビリルビン又は網状赤血球のレベルが、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%低下する、請求項23に記載の医薬組成物。
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