JP7292097B2 - 水中音響探査装置及び水中音響伝搬遮断構造体 - Google Patents

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Description

本発明は,船舶に搭載され,海底地形調査や,海洋資源探査,魚群探知などに用いられる水中音響探査装置に係り,特に,水中音響探査装置の送受波器に対する雑音を遮断しての探査装置の分解能向上に資する水中音響伝搬遮断構造体に関するものである。
水中は空気中とは異なり可視光線や電波が減衰しやすい。そのため,可視光や電波は海中にある物体までの距離の測定や物体形状の把握などには実用上適さない。一方で,媒質そのものである水の圧縮波である水中音波は,上記の可視光や電波に比べてはるかに減衰が小さい。そのため,海中の距離測定や物体形状把握には古くから音波が実用上よく用いられ,これを実現する水中音響探査装置は軍事用から民生用まで広く活用されている。
船舶に水中音響探査装置を搭載する場合,その設置個所は当然のことながら船底部となり,装置本体の大部分は船底部の船体内部に格納されるが,装置全体の一部を構成する送受波器は船底面から下方の海水中に一部を露出させるように設置される。一方,感度の高い水中音響探査装置を用いて船舶が移動しながら海底形状ないしは水産資源などを探査するような場合,船体後方にあるプロペラなどの駆動装置からの雑音の影響を受ける。このため,水中音響探査装置は極力船体前方に設置されるとともに,尚且つ探査方向は通常船体前方側に設定されるのが一般的である。
それでも,船体後方からの雑音の影響が問題となる場合には,送受波器の後方にバッフル板とも称される水中音響伝搬遮断構造体が設けられる。図1は一般的な送受波器11と水中音響伝搬遮断構造体12の位置関係を示したもので,図中右側が前,左側が後となる水平断面図である。水中音響探査装置10は,基本的には船舶の前方からの到来音波を送受波器11で受信し,これを処理することで音像を作り出す。船舶前方からの到来音波は大部分が送受波器11で受信されるが,送受波器11受信できなかった一部の音波は送受波器11の後方へ伝搬し,図1に示すように,水中音響伝搬遮断構造体12の前面へ入射する。水中音響伝搬遮断構造体12の前面へ入射した音波は,その一部は水中音響伝搬遮断構造体12へと吸収され(音波の吸収24a),残りは反射・散乱される。しかし,この反射・散乱した音波23aは雑音であるため,再び送受波器11で受信されることは極力避けなければならない。
図2は図1を水平方向右側から見た垂直断面図であり,水中音響伝搬遮断構造体12の前面で反射・散乱した音波23aを送受波器11へ伝達させないための工夫について説明する図である。図2のように,船体船底15に設置された水中音響伝搬遮断構造体12の前面は,前方からの音波の到来方向に対して垂直とはならずにある程度上下方向に傾けてあったり,あるいは前方に対して凸となるように湾曲させてあったりする場合がある。これは,送受波器11で受信する前方から到来する探査対象音波を攪乱させないためである。
しかし一方で,たとえ水中音響伝搬遮断構造体があったとしても,その縁部からの回折によって伝搬する成分があるため,船体の後方から前方への音響伝搬は完全には抑制できない。図3はこれを説明する図であり,縁部を二次音源として発生した回折波が互いに干渉して,水中音響伝搬遮断構造体12の前方に干渉縞26を形成する様子を模式図で示している。図3のように後方から到来した入射波21は,一部は直達波25として前方へ伝わるが,それ以外の部分は水中音響伝搬遮断構造体12で遮蔽され影ができる。しかし,上下それぞれの縁部を二次音源として発生した回折波22は,水中音響伝搬遮断構造体12の前方で重なる。なお,図3では,ある位相の回折波を破線で,その逆位相の回折波を点線で示している。この時,図中○で示す箇所ではそれぞれの回折波22が同位相のため波は強め合うが,一方で図中×で示した位置ではそれらが逆位相となるため波は弱めあう。結局,同位相同士が重なって波が強め合う部分は波の進行とともに移動し,見かけ上図3中に矢印で示した領域を進む波のように振る舞う。
図4はこの干渉縞26について,数値解析の結果を示したものであり,遮蔽物(幅1mの上下に無限に長い剛壁)30の一方から音波20が入射したときの音圧レベルをコンター図で示している。図4のように,音波の入射側には入射波と反射波の干渉27によって音圧レベルの大きな箇所と小さな箇所ができているが,入射側の反対側にも,同じように音圧レベルの大きな箇所と小さな箇所が縞模様(干渉縞26)となっていることが分かる。
水中音響伝搬遮断構造体の縁部からの回折を抑制するために,例えば特許文献1では,音響インピーダンスが剛な部分と柔な部分を互い違いに配置することが記載されている。
特開昭61-122588号公報
しかしながら,特許文献1には,音響インピーダンスが剛な部分と柔な部分とを互い違いに配置するための具体的な構造については記載されていない。仮に,音響インピーダンスが剛な部分と柔な部分とを,特性の違う複数の材料で構成した場合には,異種材料間を接合するための加工性や製作性が悪化する可能性がある。
本発明の目的は,加工性や製作性を悪化させずに,縁部からの回折を抑制した水中音響伝搬遮断構造体や、この構造体を備えた水中音響探査装置を提供することである。
上記課題を解決するため,本発明は,船舶に搭載され,水中音響探査装置の送受波器に対する雑音を遮断する水中音響伝搬遮断構造体において,前記水中音響伝搬遮断構造体の本体縁部に開口を有し,当該開口から延びる中空導音路を形成する。あるいは,前記水中音響伝搬遮断構造体の本体後方に,音波の伝搬速度が水と異なる材質で形成されたプリズムを設ける。あるいは,前記水中音響伝搬遮断構造体の本体縁部から内径側の所定位置に,前後方向に貫通する干渉波放射孔を形成する。
本発明によれば,加工性や製作性を悪化させずに,縁部からの回折を抑制した水中音響伝搬遮断構造体や、この構造体を備えた水中音響探査装置を提供できる。
送受波器と水中音響伝搬遮断構造体の位置関係を示す図の水平断面図である。 送受波器と水中音響伝搬遮断構造体の位置関係を示す図の垂直断面図である。 水中音響伝搬遮断構造体の縁部からの回折を説明する図である。 水中音響伝搬遮断構造体の縁部からの回折によって発生した干渉縞を説明する図である。 水中音響伝搬遮断構造体の縁部からの回折現象を縁部からの距離と音波の干渉で説明する図である。 水中音響伝搬遮断構造体の縁部からの回折現象により発生する周波数特性の凹凸を説明する図である。 水中音響伝搬遮断構造体の縁部からの回折現象の抑制方法について体系的に説明する図である。 ヘルムホルツ共鳴器の一つである音響管による音響伝搬抑制を説明する図である。 本発明の実施例1を示す図である。 本発明の実施例1の別の形態を示す図である。 本発明の実施例2のさらに別の形態を示す図である。 本発明の実施例2を示す図である。 本発明の実施例2の別の形態を示す図である。 本発明の実施例2を示す図である。 本発明の実施例2の別の形態を示す図である。 本発明の実施例3を示す図である。 本発明の実施例4を示す図である。 本発明の実施例5を示す立面図である。 本発明の実施例5を示す側面図である。
以下,本発明の実施形態について図を用いて説明する。
図5は縁部からの回折波22の干渉によって,干渉縞26が発生する現象について,各縁部から受音点11aの位置までの距離と音波の波長の関係から説明する図である。前述のように回折波22の干渉により干渉縞26ができ,その干渉縞26はそれぞれの縁部からの回折波22の位相が合致する位置で発生する。回折波22の位相が合致するとは,縁部からの距離の差が波長の整数倍になることを示している。具体的には,例えば図5のように,波長をλとして,ある受音点11aが片方の縁部からの距離が4λ離れており,かつもう一方の縁部から距離3λ離れていれば,この差λは波長λの整数倍であるので,この受音点11aは波が強めあう干渉縞26上にあるといえる。
図6はこの受音点11aで観測する音圧レベルの周波数応答を示したもので,水中音響伝搬遮断構造体12の後方からある入射音圧で到来した音波は,水中音響伝搬遮断構造体12によって,特に直進性の高い高周波ほど低減すると期待される。しかし,音波の波長が上記で説明した条件を満たす周波数となる場合,期待された効果が発揮されないばかりか,場合によっては入射音圧よりも大きくなることもある。この音圧が大きくなる周波数は,上記で説明した縁部からの距離と波長の関係が成立する複数の周波数で発生する。このため,結果的には期待されるような周波数特性は周波数の増加に伴って滑らかに減衰するような線とはならず,図6のように極大極小を繰り返すギザギザした線とした特性となる。
上記のような課題を解決する方法としては,「ピーク周波数における縁部の二次音源の強度を下げる」ことと,「受音点での位相の合致を抑制する」ことの大きく二つの方法があげられ,これらを体系的にまとめると図7のようになる。
例えば,上記二つの方法のうち「ピーク周波数における縁部の二次音源の強度を下げる」を実現するには「縁部を音響的にソフトにする」ことと,「縁部に到達する音圧そのものを下げる」の二つがあると考えられる。このうち「縁部を音響的にソフトにする」方法としては,「縁部に吸音材を貼付する」ことや,「縁部にヘルムホルツ共鳴器を搭載する」ことなどがあげられる。ただ,対象が水中に搭載されることを考えると,「縁部に吸音材を貼付する」ことはあまり現実的ではない。一方「縁部に到達する音圧そのものを下げる」方法としては,「縁部の手前に音響プリズムを設置する」ことなどがある。
また,「受音点での位相の合致を抑制する」を方法としては「受音点で逆位相となる干渉波を縁部とは別の点から放射する」ことが考えられ,これを実現する手段としては「縁部よりも内側に干渉波放射孔を開口する」ことなどが考えられる。
以降,これらを組み合わせた構成として,以下実施例を説明する。
<実施例1>
本発明の一つ目の実施例として,水中音響伝搬遮断構造体12の本体縁部にヘルムホルツ共鳴器を搭載することで,縁部を音響的にソフトにする構成について,図8ないし図11を用いて説明する。
図8はヘルムホルツ共鳴器の一つである音響管40とその吸音原理を説明した図である。図8の左から環境音21aが到来すると,管の内部に管長の約4倍の波長の定在波41が発生する。この定在波41は周囲環境音と逆位相の音波を開口部から再放射するため,この再放射された音波42と干渉することで周囲環境音43が低減する。図9ないし図11はこの音響管40を水中音響伝搬遮断構造体12の縁部に搭載した実施例を示す図であり,例えば水中音響伝搬遮断構造体12の縁部を切り抜いて管状構造40aに加工することで図9のような形状とする。これにより,この縁部を音波が通過する際に管内部に定在波41を発生させ,開口部から再放射された音波42が縁部からの音波の回折22aを抑制する。図5および図6での説明のように水中音響伝搬遮断構造体12の形状と受音点11aの位置が決まれば,縁部から受音点11aまでの距離の差によってピーク周波数が定まるため,この周波数で決まる波長の1/4の長さとなる深さの管を縁部に設ければよい。
一方,縁部の形状が複雑である場合や,受音点が一意に定まらない場合など,ピーク周波数に不確実性がある場合は,図10に示すように,複数の深さの管状構造40aを形成するなどしてもよい。また,図11に示すように,図9に示した最初の管状構造40aの隣に別の管状構造40aを並べて配置してもよい。なお,複数の管状構造40aを設けた場合には,それぞれを独立して開閉可能としてもよい。さらに,管状構造40aを用いた場合に限らず,縁部の開口から延びる他の形状の空洞であっても,ヘルムホルツ共鳴器として作用する中空導音路であれば構わない。
本実施例によれば,単一の材料であっても,縁部からの回折を抑制できるため,加工性や製作性を悪化させない水中音響伝搬遮断構造体を提供することが可能となる。
<実施例2>
本発明の別の実施例について,図12ないし図15を用いて説明する。本実施例では,水中音響伝搬遮断構造体12の本体後方(音響伝達の上流側)の縁部近傍に,音波の伝搬速度が水と異なる材質で形成された音響プリズム50を設置することで,縁部に到達する音圧そのものを下げる構成となっている。
図12は本実施例として,音速が水よりも小さい媒質で音響プリズム50を構成した場合を示すものであり、この場合は縁部に向かうにつれて厚くなるような形状とするとよい。ここで音波は,音速が遅い媒質に入射する場合には,屈折して透過角は入射角よりも深くなりながら伝搬する性質がある。このため,図12の構成の場合,後方より水中を伝搬して到来した音波は,音響プリズム50に入射する際に水中音響伝搬遮断構造体12の外側に向かって拡散する効果を有するため,音響プリズム50を設けない場合に比べ縁部の音圧が低減することが期待できる。
図13は逆に音速が水よりも大きな媒質で音響プリズム50を構成した場合を示すものであり,この場合は縁部に向かうにつれて薄くなるような構成とするとよい。ここで音波は,音速が早い媒質に入射する場合には,屈折して透過角は入射角よりも浅くなりながら伝搬する性質がある。このため,図13の構成の場合,後方より水中を伝搬して到来した音波は,音響プリズム50に入射する際に水中音響伝搬遮断構造体12の外側に向かって拡散する効果を有すため,音響プリズム50を設けない場合に比べて縁部の音圧が低減することが期待できる。
図12および図13では,水中音響伝搬遮断構造体12の後方に音響プリズム50を設置する実施例を示したが,音響プリズム50の強度が十分で自立可能である場合は,音響プリズム50自体で水中音響伝搬遮断構造体12を構成してもよい。自立しない場合でも水中音響伝搬遮断構造体12の中央部のみを強度部材で補強した基板12aを設けるとして,水中音響伝搬遮断構造体12の周辺部の大部分を音響プリズム50で構成してもよい。図14および図15はこのように水中音響伝搬遮断構造体12の中央部のみを強度部材で補強した基板12aを設けつつも,水中音響伝搬遮断構造体12の周辺部の大部分を音響プリズム50で構成した実施例を示したものである。なお,図14は音速が水よりも小さい媒質で音響プリズム50を構成した場合であり,図15は音速が水よりも大きな媒質で音響プリズム50を構成した場合を示す図である。
本実施例では,音波の伝搬速度が水と異なる材質を用いた場合について説明したが,特に水と比べて10%以上伝搬速度が異なる材質を用いると,1dB程度の音圧低減効果が期待できる。なお,音波の伝搬速度を10%以上変えるためには,体積弾性係数(kg/cm2)や密度(kg/m3)が水と比べて10%以上異なる材質を用いる方法が考えられる。
<実施例3>
本実施例は,上記実施例1と実施例2を兼ねそろえたものであり,その構成を図16に示す。図16のように水中音響伝搬遮断構造体12の後方に音響プリズム50を設けるとともに,この音響プリズムの縁部を切り抜いて管状構造40aに加工をする。このような構成とすることで,縁部にヘルムホルツ共鳴器を搭載して縁部を音響的にソフトにし,且つ縁部手前に音響プリズム50を設置することで縁部に到達する音圧そのものを低減することが可能となる。
このような構成とすることにより,最大でも僅か二種の材料で構成することができるため,材料間の接合などについて過度な配慮が必要なくなり,結果として加工性や製作性を悪化させずに,縁部からの回折を抑制した水中音響伝搬遮断構造体を提供できる。
<実施例4>
本発明のさらに別の実施例について,図17を用いて説明する。本実施例では,水中音響伝搬遮断構造体12の本体縁部から内径側の所定位置に,前後方向に貫通する干渉波放射孔60を形成する。これにより,受音点11aにおいて逆位相となる干渉波61が,縁部とは別の干渉波放射孔60から放射され,受音点11aでの位相の合致が抑制される。図5を用いて先に説明したように,受音点11aにおいてある周波数で音圧のピークが発生している場合,その周波数において受音点が干渉縞26上にあると考えられる。この干渉縞26は水中音響伝搬遮断構造体12の縁部からの回折波22の位相が受音点11aで合致して強め合ってしまうために発生する。そこで本実施例では,この強め合う音波の位相とは反対の位相を持った干渉波61が受音点11aに到達するように,水中音響伝搬遮断構造体12の中央部近辺に干渉波放射孔60を設ける。この干渉波放射孔60から放射された干渉波61により,上記縁部からの回折波22が受音点11aで強め合うことを中和する。
なお,干渉波放射孔60が設置される位置は,縁部から受音点11aまでの距離と,該干渉波放射孔60の開口位置から受音点11aまでの距離と,の差が,水中を伝搬する音波の半波長の奇数倍となる位置であればよい。また,このような干渉波放射孔60は,複数設けられていてもよい。
さらに,上述のように受音点11aの位置や周波数によって強め合う音圧の位相関係は変化するため,複数開口した干渉波放射孔60は,それぞれが独立して開閉可能であってもよい。こうすることで回折抑制周波数を可変とすることが可能となる。
なお,図17では,図16に示した音響プリズム50に管状構造40aを加工した水中音響伝搬遮断構造体12をベースとして干渉波放射孔60を設けているが,ベースとなる構造は図9ないし図15に示した水中音響伝搬遮断構造体12のどの構成でもよい。
このような構成とすることにより,最大でも僅か二種の材料で水中音響伝搬遮断構造体を構成できるため,加工性や製作性を悪化させずに,縁部からの回折を抑制した水中音響伝搬遮断構造体を提供できる。
<実施例5>
図18は,上記実施例1から実施例4で説明した水中音響伝搬遮断構造体12を,船舶の船底15に搭載した水中音響探査装置10の例を示す平面断面図であり,図19は,図18について水平方向右側から見た垂直断面を示したものである。水中音響探査装置10は,水中を伝搬する音波を送受波する送受波器11と,当該送受波器11に対する雑音を遮断する水中音響伝搬遮断構造体12の他,図示しない分析装置や画像出力装置などで構成されている。そして,基本的には船舶の前方からの到来音波を送受波器11で受信し,これを分析装置で処理することで,画像出力装置に音像を作り出す。なお,送受波器11と水中音響伝搬遮断構造体12は,喫水線下の船舶の表面に搭載され,特に高性能・高分解能の水中音響探査装置10の場合,ドーム70の内部に収納される。
ここで,水中音響伝搬遮断構造体12の本体形状は,略平面状に限られるものではなく、これら図18や図19の如く実際には船体前方に対して凸となるように湾曲させ,その概略法線を船体下方に向けて傾斜させて搭載させるのが望ましい。水中音響伝搬遮断構造体12をこのように湾曲状にすれば,後方からの音波を遮断するだけでなく,送受波器11で受信する前方から到来する探査対象音波の攪乱を抑制することもできる。
10 :水中音響探査装置
11 :送受波器
11a :受音点
12 :水中音響伝搬遮断構造体
12a :水中音響伝搬遮断構造体の基板
15 :船底
20 :音波
21 :入射波
21a :環境音(平面進行波)
22 :回折波
22a :音波の回折
23a :反射・散乱した音波
24a :音波の吸収
25 :直達波
26 :干渉縞(ビーム)
27 :入射波と反射波の干渉
30 :遮蔽物(幅1mの上下に無限に長い剛壁)
40 :音響管
40a :管状構造
41 :管内に発生した定在波
42 :再放射された音波
43 :周囲環境音
50 :音響プリズム
60 :干渉波放射孔
61 :干渉波
70 :ドーム

Claims (5)

  1. 船舶に搭載され,水中音響探査装置の送受波器に対する雑音を遮断する水中音響伝搬遮断構造体において,
    前記水中音響伝搬遮断構造体の本体縁部に開口を有し,当該開口から延びる中空導音路が形成されていることを特徴とする水中音響伝搬遮断構造体。
  2. 船舶に搭載され,水中音響探査装置の送受波器に対する雑音を遮断する水中音響伝搬遮断構造体において,
    前記水中音響伝搬遮断構造体の本体後方であってその本体の縁部に,音波の伝搬速度が水と異なる材質で形成されたプリズムを備え
    前記プリズムが,音速が水より小さい材質で形成されている場合は,前記プリズムが前記本体の縁部に向かって厚くなる形状であり,
    前記プリズムが,音速が水より大きい材質で形成されている場合は,前記プリズムが前記本体の縁部に向かって薄くなる形状であることを特徴とする水中音響伝搬遮断構造体。
  3. 船舶に搭載され,水中音響探査装置の送受波器に対する雑音を遮断する水中音響伝搬遮断構造体において,
    前記水中音響伝搬遮断構造体の本体縁部から内径側の所定位置に,前後方向に貫通する干渉波放射孔が形成されており,
    前記干渉波放射孔の開口位置から前記送受波器の受音点までの距離と,前記水中音響伝搬遮断構造体の本体縁部から前記送受波器の受音点までの距離と,の差が,水中を伝搬する音波の半波長の奇数倍となることを特徴とする水中音響伝搬遮断構造体。
  4. 請求項1又はに記載の水中音響伝搬遮断構造体において,
    前記中空導音路又は前記干渉波放射孔は,複数形成されており,
    各前記中空導音路又は前記干渉波放射孔が,それぞれ独立して開閉可能であることを特徴とする水中音響伝搬遮断構造体。
  5. 水中を伝搬する音波を送受波する送受波器と,当該送受波器に対する雑音を遮断する水中音響伝搬遮断構造体と,を備え,前記送受波器の後方に前記水中音響伝搬遮断構造体が配置された水中音響探査装置において,
    前記水中音響伝搬遮断構造体の本体後方であってその本体の縁部に,音波の伝搬速度が水と異なる材質で形成されたプリズムを備え,
    前記プリズムが,音速が水より小さい材質で形成されている場合は,前記プリズムが前記本体の縁部に向かって厚くなる形状であり,
    前記プリズムが,音速が水より大きい材質で形成されている場合は,前記プリズムが前記本体の縁部に向かって薄くなる形状であり,
    当該プリズムの縁部に開口を有し,当該開口から延びる中空導音路が形成されていることを特徴とする水中音響探査装置。
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