本出願は、2017年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/598,194号に基づく優先権の利益を主張し、その内容に依拠し、その内容全体を参照することにより本明細書に援用する。
本発明の追加の特徴および利点は以下の詳細な説明に記載され、この説明から当業者には明らかになるであろうし、または特許請求の範囲および添付図面と共に以下の説明に記載の本発明を実施することにより認識されるであろう。
本明細書において使用されるとき、「および/または」という用語は、2つ以上の項目のリストにおいて使用されるとき、挙げられた項目のいずれか1つを単独で使用することができること、または2つ以上の挙げられた項目の任意の組合せを使用することができることを意味する。例えば、ある組成物が構成要素A、Bおよび/またはCを含むと記載されている場合、この組成物は、Aを単独で;Bを単独で;Cを単独で;AおよびBを組み合わせで;AおよびCを組み合わせで;BおよびCを組み合わせで;またはA、BおよびCを組み合わせで含み得る。
本文書において、関係を示す用語、例えば第1および第2、上および下、ならびに同種のものは、単にある実体または作用を別の実体または作用と区別するために使用され、そのような実体または作用の間の何らかの実際のそのような関係または順序を必ずしも必要とせず、または意味しない。
当業者および本開示を製造または使用する者であれば、本開示の修正を思いつくであろう。したがって、図面に示される実施形態および上述の実施形態は単に例示を目的としたものであり、本開示の範囲を限定するものではなく、本開示の範囲は、均等論を含む特許法の原則にしたがって解釈されるように、以下の特許請求の範囲により定義されるものと理解される。
当業者であれば、記載された開示および他の構成要素の構成は、いずれかの特定の材料に限定されないことを理解するであろう。本明細書に開示されている本開示の他の例示的な実施形態は、本明細書に特に記載のない限り、多種多様な材料から生成することができる。
本開示において、「連結された」(そのすべての形態:連結する、連結している、連結されたなど)という用語は一般に、2つの構成要素(電気的または機械的)の直接的または間接的な互いへの接続を意味する。そのような接続は、実質的に不動でも実質的に可動でもよい。そのような接続は、2つの構成要素(電気的または機械的)と、互いにまたは2つの構成要素と共に単一のユニット本体として一体的に形成されている任意の追加の中間部材とによって実現されてもよい。そのような接続は、特に記載のない限り、実質的に永続的でも、実質的に取外し可能または解放可能でもよい。
本明細書において使用されるとき、「約」という用語は、量、サイズ、処方、パラメータ、ならびに他の量および特性が厳密ではなく、かつ厳密である必要がなく、許容範囲、換算係数、丸め、測定誤差および同種のもの、ならびに当業者に既知の他の因子を反映して、所望の通り、おおよその、かつ/またはより大きいもしくはより小さいものでもよいことを意味する。範囲の値または終点の記載において「約」という用語が使用されるとき、本開示は、参照された特定の値または終点を含むものと理解されるべきである。明細書中の範囲の数値または終点に「約」が記載されているか否かに関わらず、範囲の数値または終点は、「約」によって修飾された実施形態、および「約」によって修飾されていない実施形態の2つの実施形態を含むことが意図される。それぞれの範囲の終点は、他の終点と関係していても、他の終点と無関係でも意味があることがさらに理解されるであろう。
特に指定のない限り、すべての組成物は、バッチ配合時のモルパーセント(モル%)によって表される。当業者によって理解されるように、様々な溶融成分(例えば、フッ素、アルカリ金属、ホウ素など)は、構成成分の溶融中、異なるレベルで(例えば、蒸気圧、溶融時間および/または溶融温度に応じて)揮発し得る。したがって、「約」という用語は、そのような構成成分に関して、本明細書に記載のバッチ配合時の組成物と比べて最終物品を測定するとき、約0.2モル%以内の値を包含することが意図される。前述を念頭に置けば、最終物品とバッチ配合時の組成物との間で実質的に組成が同等であることが予想される。
本開示において、「バルク」、「バルク組成物」および/または「全組成物」という用語は、物品全体の全組成物を含むことが意図され、これは、結晶相および/またはセラミック相の生成のためにバルク組成物とは異なり得る「局所組成物」または「局在組成物」と区別することができる。
本明細書において同じく使用されるとき、「物品」、「ガラス物品」、「セラミック物品」、「ガラスセラミック」、「ガラス要素」、「ガラスセラミック物品」および「複数のガラスセラミック物品」という用語は、ガラス材料および/またはガラスセラミック材料で全体的または部分的に製造された任意の物体を含むように、同義で、かつそれらの最も広い意味で使用され得る。
本明細書において使用されるとき、「ガラス状態」は、本開示の物品内の無機非晶質相材料を指し、結晶化せずに硬い状態まで冷えた溶融生成物である。本明細書において使用されるとき、「ガラスセラミック状態」は、本開示の物品内の無機材料を指し、本明細書に記載のガラス状態ならびに「結晶相」および/または「結晶析出物」の双方を含む。
本明細書において使用されるとき、「透過」、「透過率」、「光透過率」および「全透過率」は、本開示において同義で使用され、吸収、散乱および反射が考慮される外部の透過または透過率を指す。フレネル反射は、本明細書に報告の透過値および透過率値から差し引かれない。加えて、特定の波長範囲にわたって参照されるすべての全透過率値は、指定の波長範囲にわたって測定された全透過率値の平均として与えられる。
本明細書において使用されるとき、「光学密度単位」、「OD」および「OD単位」は、試験された材料の吸光度の尺度として一般に理解され、分光計を使用して測定されたときOD=-log(I/I0)(式中、I0は、サンプルへの入射光の強度であり、Iは、サンプルを通じて透過する光の強度である)によって与えられる光学密度単位を指すために本開示において同義で使用される。さらに、本開示において使用される「OD/mm」または「OD/cm」という用語は、光学密度単位(すなわち、光学分光計により測定されたもの)をサンプルの厚さ(例えば、ミリメートルまたはセンチメートルの単位)で割ることにより求められる吸光度の規格化された尺度である。加えて、特定の波長範囲にわたって参照される任意の光学密度単位(例えば、280nm~380nmのUV波長内の3.3OD/mm~24.0OD/mm)は、指定の波長範囲にわたる光学密度単位の平均値として与えられる。
ここで図1を参照すると、本開示によるガラス組成物および/またはガラスセラミック組成物を有する基板14を含む物品10が示されている。物品10は、任意の数の用途において使用することができる。例えば、物品10および/または基板14は、任意の数の光学関連用途および/または美的用途において、基板、要素、覆いおよび他の要素の形態で使用することができる。
基板14は、向かい合う一対の主面18、22を画定し、または含む。物品10のいくつかの例において、基板14は、圧縮応力領域26を含む。図1に示す通り、圧縮応力領域26は、主面18から基板内の第1の選択された深さ30まで延在する。いくつかの例では、基板14は、主面18から第2の選択された深さまで延在する同等の圧縮応力領域26を含む。さらに、いくつかの例では、複数の圧縮応力領域26が基板14の主面18、22および/または縁部から延在していてもよい。基板14は、その表面積を画定する選択された長さおよび幅、または直径を有し得る。基板14は、その長さおよび幅、または直径により画定された基板14の主面18、22の間の少なくとも1つの縁部を有し得る。基板14はまた、選択された厚さを有し得る。
本明細書において使用されるとき、「選択された深さ」(例えば、選択された深さ30)、「圧縮深さ」および「DOC」は、基板14内の応力が、本明細書に記載の通り、圧縮から引張へ変化する深さを定義するために同義で使用される。DOCは、イオン交換処理に応じて、FSM-6000などの表面応力計、または散乱光偏光器(SCALP)により測定することができる。ガラス基板内にカリウムイオンを交換することによりガラス組成物またはガラスセラミック組成物を有する基板14内に応力が生じる場合、DOCを測定するために表面応力計が使用される。ガラス物品内にナトリウムイオンを交換することにより応力が生じる場合、DOCを測定するためにSCALPが使用される。ガラス内にカリウムイオンおよびナトリウムイオンの双方を交換することによりガラス組成物またはガラスセラミック組成物を有する基板14内に応力が生じる場合、SCALPによりDOCが測定され、その理由は、ナトリウムの交換深さはDOCを示し、カリウムイオンの交換深さは、圧縮応力の大きさの変化(ただし、圧縮から引張への応力の変化ではない)を示すと考えられるからであり、そのようなガラス基板内のカリウムイオンの交換深さは表面応力計により測定される。本明細書において同じく使用されるとき、「最大圧縮応力」は、基板14内の圧縮応力領域26内の最大圧縮応力と定義される。いくつかの例では、最大圧縮応力は、圧縮応力領域26を画定している1つ以上の主面18、22において、またはその近くで得られる。他の例では、最大圧縮応力は、1つ以上の主面18、22と、圧縮応力領域26の選択された深さ30との間で得られる。
図1に例示的な形態で示された物品10のいくつかの例において、基板14は、化学強化アルミノホウケイ酸塩ガラスまたはガラスセラミックから選択される。例えば、基板14は、10μm超の第1の選択された深さ30まで延在している圧縮応力領域26を150MPa超の最大圧縮応力と共に有する化学強化アルミノホウケイ酸塩ガラスまたはガラスセラミックから選択することができる。さらなる例では、基板14は、25μm超の第1の選択された深さ30まで延在している圧縮応力領域26を400MPa超の最大圧縮応力と共に有する化学強化アルミノホウケイ酸塩ガラスまたはガラスセラミックから選択される。物品10の基板14はまた、主面18、22のうちの1つ以上から、(1つ以上の)選択された深さ30まで延在する、約150MPa超、200MPa超、250MPa超、300MPa超、350MPa超、400MPa超、450MPa超、500MPa超、550MPa超、600MPa超、650MPa超、700MPa超、750MPa超、800MPa超、850MPa超、900MPa超、950MPa超、1000MPa超の最大圧縮応力、およびこれらの値の間のすべての最大圧縮応力レベルを有する1つ以上の圧縮応力領域26を含んでもよい。いくつかの例では、最大圧縮応力は2000MPa以下である。加えて、圧縮深さ(DOC)または第1の選択された深さ30は、基板14の厚さおよび圧縮応力領域26の発生に関連する加工条件に応じて、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、35μm以上に、およびさらに深い深さまで設定することができる。いくつかの例では、DOCは、基板14の厚さ(t)の0.3倍以下、例えば0.3t、0.28t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t、0.22t、0.21t、0.20t、0.19t、0.18t、0.15tまたは0.10tおよびそれらの間のすべての値である。
以下でより詳しく説明するように、物品10は、バッチ配合時の組成物から生成され、ガラス状態でキャストされる。物品10は、複数のセラミック粒子または結晶粒子を有するガラスセラミック状態を生成するために、後でアニーリングおよび/または熱加工(例えば、熱処理)されてもよい。使用されるキャスト技術に応じて、物品10は、追加の熱処理なしで容易に結晶化し、ガラスセラミックになる(例えば、実質的にガラスセラミック状態にキャストされる)ことが理解されるであろう。生成後熱加工が使用される例では、物品10の一部、大部分、実質的にすべて、またはすべてをガラス状態からガラスセラミック状態に変換することができる。したがって、物品10の組成物は、ガラス状態および/またはガラスセラミック状態に関連して記載されることがあるが、物品10のバルク組成物は、異なる組成を有する(すなわち、セラミック析出物または結晶析出物の生成のために)物品10の局在した部分にも関わらず、ガラス状態とガラスセラミック状態との間で変換されたとき実質的に変わらないままである。さらに、組成物はバッチ配合時の状態に関して記載されているが、物品10のどの構成成分が溶融プロセスにおいて揮発し得る(すなわち、したがって、バッチ配合時の組成物に比べて物品10中に存在する量が少ない)かということ、および揮発しないであろうその他のものが当業者には認識されることが理解されるであろう。
様々な例によれば、物品10は、Al2O3、SiO2、B2O3、WO3、MO3、Ag、Au、Cu、V2O5、R2O(ここで、R2Oは、Li2O、Na2O、K2O、Rb2OおよびCs2Oのうちの1つ以上である)、RO(ここで、ROは、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOのうちの1つ以上である)およびいくつかのドーパントを含んでもよい。特に記載のない限り、ガラス組成は、溶融用るつぼ内のバッチ配合時のモル百分率(モル%)に相当する。
物品10は、約40モル%~約80モル%のSiO2、または約50モル%~約75モル%のSiO2または約60モル%~約72モル%のSiO2を有してもよい。例えば、物品10は、約42モル%、約44モル%、約46モル%、約48モル%、約50モル%、約52モル%、約54モル%、約56モル%、約58モル%、約60モル%、約62モル%、約64モル%、約66モル%、約68モル%、約70モル%、約72モル%、約74モル%、約76モル%または約78モル%のSiO2を有してもよい。上述の範囲の間のすべての値および範囲のSiO2が企図されることが理解されるであろう。
物品10は、約1モル%~約20モル%のAl2O3、または約7モル%~約20モル%のAl2O3、または約1モル%~約15モル%のAl2O3、または約5モル%~約15モル%のAl2O3、または約7モル%~約15モル%のAl2O3、または約7モル%~約12モル%のAl2O3を含んでもよい。例えば、物品10は、約2モル%、約3モル%、約4モル%、約5モル%、約6モル%、約7モル%、約8モル%、約9モル%、約10モル%、約11モル%、約12モル%、約13モル%または約14モル%のAl2O3を有してもよい。上述の範囲の間のすべての値および範囲のAl2O3が企図されることが理解されるであろう。
物品10は、WO3および/またはMoO3を含んでもよい。WO3およびMoO3の合わせた量は本明細書において「WO3+MoO3」と呼ばれ、ここで、「WO3+MoO3」は、WO3単独、MoO3単独、またはWO3およびMoO3の組合せを指すものと理解される。例えば、WO3+MoO3は、約1モル%~約18モル%、または約2モル%~約10モル%、または約3.5モル%~約8モル%または約3モル%~約6モル%でもよい。MoO3に関して、物品10は、約0モル%~約15モル%のMoO3、または約0モル%~約7モル%のMoO3、または約0モル%~約4モル%のMoO3を有してもよい。例えば、この物品は、約1モル%、約2モル%、約3モル%、約4モル%、約5モル%、約6モル%、約7モル%、約8モル%、約9モル%、約10モル%、約11モル%、約12モル%、約13モル%、約14モル%のMoO3を有してもよい。WO3に関して、物品10は、約0モル%~約15モル%のWO3、または約0モル%~約7モル%のWO3、または約0モル%~約4モル%のWO3を有してもよい。例えば、この物品は、約1モル%、約2モル%、約3モル%、約4モル%、約5モル%、約6モル%、約7モル%、約8モル%、約9モル%、約10モル%、約11モル%、約12モル%、約13モル%、約14モル%のWO3を有してもよい。上述の範囲の間のすべての値および範囲のWO3+MoO3、WO3および/またはMoO3が企図されることが理解されるであろう。
物品10は、約3モル%~約50モル%のB2O3、または約5モル%~約50モル%のB2O3、または約5モル%~約25モル%のB2O3、または約8モル%~約15モル%のB2O3を含んでもよい。上述の範囲の間のすべての値および範囲のB2O3が企図されることが理解されるであろう。
物品10は、少なくとも1種のアルカリ金属酸化物を含んでもよい。アルカリ金属酸化物は、化学式R2O(ここで、R2Oは、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2Oのうちの1つ以上および/またはそれらの組合せである)によって表すことができる。物品10は、約0モル%~約15モル%、もしくは約3モル%~約14モル%のR2Oまたは約7モル%~約12モル%のR2Oを有してもよい。例えば、物品10は、約1モル%、約2モル%、約3モル%、約4モル%、約5モル%、約6モル%、約7モル%、約8モル%、約9モル%、約10モル%、約11モル%、約12モル%、約13モル%または約14モル%のR2Oを有してもよい。上述の範囲の間のすべての値および範囲のR2Oが企図されることが理解されるであろう。
様々な例によれば、R2O-Al2O3(すなわち、R2OおよびAl2O3の量の間の差)は、約-12モル%~約4モル%、または約-12モル%~約3.8モル%、または約-10モル%~約3.5モル%、または約-8モル%~約3モル%、または約-6モル%~約1.5モル%の範囲である。上述の範囲の間のすべての値および範囲のR2O-Al2O3が企図されることが理解されるであろう。本明細書に記載のR2OおよびAl2O3の差は、酸化タングステンと相互作用する過剰なアルカリカチオンの利用可能性に影響し、それによって、アルカリタングステンブロンズ(例えば、非化学量論的タングステン亜酸化物)または化学量論的タングステン酸アルカリ(例えば、Na2WO4)の生成を調節/制御する。
物品10は、少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物および/またはZnOを含んでもよい。アルカリ土類金属酸化物は、化学式RO(ここで、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうちの1つ以上である)によって表すことができる。物品10は、約0モル%~約15モル%のRO、または約3モル%~約14モル%のRO、または約0.01モル%~約2モル%のRO、または約0モル%~約0.5モル%のROを含んでもよい。物品10は、約0モル%~約15モル%のZnO、または約3モル%~約14モル%のZnO、または約0モル%~約0.5モル%のZnOを含んでもよい。上述の範囲の間のすべての値および範囲のROおよびZnOが企図されることが理解されるであろう。様々な例によれば、R2Oの量は、ROおよび/またはZnOの量を超えていてもよい。さらに、物品10は、ROおよび/またはZnOを含んでいなくてもよい。
物品10は、約0モル%~約0.5モル%のSnO2、または約0.05モル%~約2モル%のSnO2を含んでもよい。物品10は、約0.01モル%~約1.5モル%のCu、または約0.05モル%~約1.0モル%のCuまたは約0.1モル%~約0.5モル%のCuを含んでもよい。物品10は、約0.0001モル%~約0.5モル%のV2O5、または約0.0005モル%~約0.5モル%のV2O5、または約0.001モル%~約0.1モル%のV2O5または約0.001モル%~約0.005モル%のV2O5を含んでもよい。物品10は、約0.05モル%~約1.5モル%のAg、または約0.1モル%~約1.0モル%のAgまたは約0.25モル%~約0.6モル%のAgを含んでもよい。上述の範囲の間のすべての値および範囲のSnO2、Cu、V2O5またはAgが企図されることが理解されるであろう。例えば、物品10は、(i)約0.001モル%~約0.5モル%のAu、(ii)約0.025モル%~約1.5モル%のAg、および(iii)約0.03モル%~約1.0モル%のCuのうちの少なくとも1つを含んでもよい。Ag、Auおよび/またはCuは、任意の酸化状態および/または酸化状態の組合せで上述のモル%値で物品10内に存在してもよいことが理解されるであろう。
様々な例によれば、物品10は、紫外、可視、発色および/または近赤外吸光度を変えるために、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Se、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Cd、Te、Ta、Re、Os、Ir、Pt、Ti、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよび/またはLuからなる群から選択される少なくとも1つのドーパントをさらに含むことができる。ドーパントは、ガラス組成物内で約0.0001モル%~約1.0モル%の濃度を有してもよい。いくつかの例では、Ag、Auおよび/またはCuがドーパントでもよい。
SiO2、Al2O3、WO3、MoO3、WO3+MoO3、B2O3、R2O、RO、V2O5、Ag、Au、Cu、SnO2およびドーパントの上述の組成物ならびに組成範囲のそれぞれは、本明細書において概説されているガラスの他の構成成分のその他の任意の組成物および/または組成範囲と共に使用されてもよいことが理解されるであろう。例えば、表1、表2および表3には、物品10の例示的な組成範囲がバッチ配合時のモル%で記載されている。
表4には、非ドープ状態の物品10の例示的な特性のリストが記載されている(例えば、Cu、Ag、AuおよびVが考慮されるドーパントであり、他のドーパントは含まれない場合)。表4のデータは、以下の実施例31として概説される組成物を有する物品10に対応する。
表5には、非ドープ状態の物品10の標準点における例示的な粘度値が記載されている(例えば、Cu、Ag、AuおよびVが考慮されるドーパントであり、他のドーパントは含まれない場合)。表5のデータは、以下の実施例31として概説される組成物を有する物品10に対応する。
上記で説明した通り、タングステン、モリブデンまたは混合タングステンモリブデンを含むアルカリガラスの従来の生成は、溶融プロセス中の溶融成分の分離によって妨げられてきた。溶融プロセス中でガラス構成成分が分離した結果、溶融ガラス内のタングステン酸アルカリの、したがって、そのような溶融物からキャストされる物品の認知される溶解限度が生じた。従来、タングステン、モリブデンまたは混合タングステン-モリブデンの溶融物がさらにわずかに過アルカリ性(例えば、R2O-Al2O3=約0.25モル%以上)であったとき、溶融ホウケイ酸ガラスは、ガラスおよび高密度液体の第2の相の双方を生成した。タングステン酸アルカリの第2の相の濃度は、完全な混合、高温での溶融、および小さいバッチサイズ(~1000g)の使用によって最小限に抑えることも可能であるが、これを完全に排除することはできずに有害な第2の結晶相が生成することもある。このタングステン酸アルカリ相の生成は、溶融の初期段階で起こると考えられ、ここで、酸化タングステンおよび/または酸化モリブデンが「遊離」または「非結合」アルカリ炭酸塩と反応する。生成されるホウケイ酸ガラスに比べてタングステン酸アルカリおよび/またはモリブデン酸アルカリは高密度であるため、急速に分離および/または層化してるつぼの底にたまり、密度が著しく異なるためガラス中で速やかに可溶化しない。R2O構成成分はガラス組成物に有益な特性を与えることができるため、溶融物内のR2O構成成分の存在を単に減らすことは望ましくないであろう。タングステンが分離するため、タングステンでガラスを飽和させることが困難であり、したがって、タングステンをガラスから結晶化させて本明細書に記載の析出物を生成することは困難である。
「結合」アルカリを使用することにより、均質な単相のWまたはMo含有過アルカリ性溶融物を得ることができることが本開示の本発明者らによって発見された。本開示において、「結合」アルカリとは、アルミニウム原子、ホウ素原子および/またはケイ素原子と結合した酸素イオンと結合したアルカリ元素であり、一方、「遊離」または「非結合」アルカリとは、アルカリ炭酸塩、硝酸塩または硫酸塩であり、これらは、ケイ素原子、ホウ素原子またはアルミニウム原子と既に結合した酸素イオンと結合していない。例示的な結合アルカリは、長石、霞石、ホウ砂、リシア輝石、他のソーダ長石またはカリ長石、アルカリアルミニウムケイ酸塩ならびに/あるいはアルカリと1個もしくは複数のアルミニウム原子および/またはケイ素原子とを含む他の酸化物組成物を含んでもよい。結合形態のアルカリを導入することにより、このアルカリは、溶融物中に存在するWまたはMoと反応して高密度のタングステン酸アルカリおよび/またはモリブデン酸アルカリの液体を生成することができない。さらに、バッチ材料におけるこの変化により、タングステン酸アルカリおよび/またはモリブデン酸アルカリの第2の相を生成することなく、強い過アルカリ性の組成物(例えば、R2O-Al2O3=約2.0モル%以上)の溶融が可能になる。これにより、溶融温度および混合方法を変化させながらも、単相の均質なガラスを製造することもできた。タングステン酸アルカリ相とホウケイ酸ガラスとは完全に混和しないので、長時間撹拌することにより、2つの相を混合して単相の物品をキャストすることもできることが理解されるであろう。
ガラス溶融物をキャストおよび固化させてガラス状態の物品にしたら、物品10を徐冷、熱処理あるいは熱加工して物品10内の結晶相を生成または改変することができる。したがって、物品10をガラス状態からガラスセラミック状態に変換することができる。ガラスセラミック状態の結晶相は、様々なモルフォロジーを取ることができる。様々な例によれば、結晶相は、物品10の熱処理された領域内に複数の析出物として生成される。したがって、析出物は、一般的に結晶性の構造を有することができる。ガラスセラミック状態は、2つ以上の結晶相を含むことができる。
本明細書において使用されるとき、「結晶相」は、三次元で周期的なパターンで配置された原子、イオンまたは分子から構成される固体である本開示の物品内の無機材料を指す。さらに、本開示において参照される「結晶相」は、特に明示的に記載されていない限り、以下の方法を使用して存在していることが判断される。第1に、粉体X線回折(「XRD」)を使用して結晶析出物の存在を検出する。第2に、(例えば、析出物のサイズ、量および/または化学のために)XRDがうまくいかない場合、ラマン分光法(「ラマン」)を使用して結晶析出物の存在を検出する。任意選択で、透過型電子顕微鏡法(「TEM」)を使用して、XRD法および/またはラマン法により得られた結晶析出物の判定を視覚的に確認あるいは確証する。ある特定の状況では、析出物の視覚的な確認が特に困難であることがわかるほど十分に析出物の量が少ない、かつ/またはサイズが小さい場合がある。したがって、XRDおよびラマンのサンプルサイズがより大きいと、析出物の存在を判断するためにより大量の材料をサンプリングすることにおいて有利であろう。
結晶析出物は、一般的にロッド状または針状のモルフォロジーを有することができる。析出物は、約1nm~約500nm、または約1nm~約400nm、または約1nm~約300nm、または約1nm~約250nm、または約1nm~約200nm、または約1nm~約100nm、または約1nm~約75nm、または約1nm~約50nm、または約5nm~約50nm、または約1nm~約25nm、または約1nm~約20nm、または約1nm~約10nmの最長の長さ寸法を有してもよい。析出物のサイズは電子顕微鏡を使用して測定されてもよい。本開示において、「電子顕微鏡」という用語は、まず走査電子顕微鏡を使用することにより、もし析出物を解像できないなら、次に透過型電子顕微鏡を使用することにより、析出物の最長の長さを視覚的に測定することを意味する。結晶析出物は一般にロッド状または針状のモルフォロジーを有することができるので、析出物は、約5nm~約50nm、または約2nm~約30nm、または約2nm~約10nm、または約2nm~約7nmの幅を有してもよい。析出物のサイズおよび/またはモルフォロジーは、均一でも、実質的に均一でも、または様々でもよいことが理解されるであろう。一般に、物品10の過アルミニウム組成物は、約100nm~約250nmの長さおよび約5nm~約30nmの幅を有する針状形状を有する析出物を生成することができる。過アルミニウム組成物は、酸化ナトリウム、酸化カリウムおよび酸化カルシウムの組合せより高い酸化アルミニウムの分子割合を有する組成物である。物品10の過アルカリ性組成物は、約10nm~約30nmの長さおよび約2nm~約7nmの幅を有する針状析出物を生成することができる。物品10のAg、Auおよび/またはCuを含む例は、約2nm~約20nmの長さおよび約2nm~約10nmの幅または直径を有するロッド状析出物を生成することができる。物品10内の結晶相の体積分率は、約0.001%~約20%、または約0.001%~約15%、または約0.001%~約10%、または約0.001%~約5%、または約0.001%~約1%の範囲でもよい。
析出物のサイズが比較的小さいことは、析出物により散乱させられる光の量を減少させてガラスセラミック状態にあるときの物品10の光学的透明性を高めることにおいて有利であろう。以下でより詳しく説明するように、析出物のサイズおよび/または量は、物品10の異なる部分が異なる光学特性を有することができるように物品10にわたって変化させることができる。例えば、析出物が存在する物品10の部分は、異なる析出物(例えば、サイズおよび/または量)が存在する、および/または析出物が存在しない物品10の部分と比べて、光の吸光度、色、反射率および/または透過、ならびに屈折率の変化をもたらすことができる。
析出物は、酸化タングステンおよび/または酸化モリブデンから構成されてもよい。結晶相は、(i)W、(ii)Mo、(iii)Vおよびアルカリ金属カチオン、ならびに(iv)Tiおよびアルカリ金属カチオンのうちの少なくとも1つの、結晶相の約0.1モル%~約100モル%の酸化物を含む。理論に拘束されるものではないが、物品10の熱加工(例えば、熱処理)中、タングステンカチオンおよび/またはモリブデンカチオンが凝集して結晶析出物を生成し、それによってガラス状態をガラスセラミック状態へと変換すると考えられる。析出物中に存在するモリブデンおよび/またはタングステンは、還元されても、または部分的に還元されてもよい。例えば、析出物内のモリブデンおよび/またはタングステンは、0~約+6の間、または約+4~約+6、または約+5~約+6の酸化状態を有してもよい。様々な例によれば、モリブデンおよび/またはタングステンは、+6の酸化状態を有してもよい。例えば、析出物は、WO3および/またはMoO3の一般的な化学構造を有してもよい。析出物は、非化学量論的タングステン亜酸化物、非化学量論的モリブデン亜酸化物、「モリブデンブロンズ」および/または「タングステンブロンズ」として既知であろう。上述のアルカリ金属および/またはドーパントのうちの1つ以上が析出物内に存在してもよい。タングステンブロンズおよび/またはモリブデンブロンズは、非化学量論的タングステン亜酸化物および/またはモリブデン亜酸化物の一群であり、MxWO3またはMxMoO3(式中、M=H、Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Sr、Ba、Zn、Ag、Au、Cu、Sn、Cd、In、Tl、Pb、Bi、Th、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびU、かつ0<x<1である)の一般的な化学形態を取る。MxWO3およびMxMoO3の構造は、還元されたWO3またはMoO3のネットワーク内の空孔(空格子点および/または隙間)が、M+カチオンと自由電子に解離するM原子でランダムに占められている固体状態の欠陥構造であると考えられる。「M」の濃度に応じて、材料特性は、金属性から半導性の範囲になり、それによって、様々な光吸収特性および電子特性の調整が可能になる。
物品10の一部、大部分、実質的にすべて、またはすべてを熱加工して析出物を生成することができる。熱加工技術には、炉(例えば、熱処理炉)、レーザ、ならびに/または物品10を局所加熱および/もしくはバルク加熱する他の技術が含まれ得るが、これらに限定されない。熱加工を経る間、結晶析出物は、物品10が熱加工されてガラスセラミック状態を生成する均質な形で、物品10内で内部的に核を生成する。したがって、いくつかの例では、物品10は、ガラス部分およびガラスセラミック部分の双方を含むことができる。物品10がバルクで熱加工される(例えば、物品10全体が炉内に置かれる)例では、析出物を物品10全体にわたって均質に生成することができる。言い換えれば、析出物は、物品10の表面から物品10のバルク(すなわち、表面から約10μm超)全体にわたって存在することができる。物品10が局所的に(例えば、レーザを介して)熱加工される例では、析出物は、熱加工が(例えば、熱源に近接する物品10の表面およびバルク内で)十分な温度に達する場合のみ存在することができる。物品10は、析出物を生成するために1つを超える熱加工を経てもよいことが理解されるであろう。追加的または代替的に、(例えば、先の熱加工の結果)既に生成された析出物を除去する、かつ/または変化させるために熱加工が利用されてもよい。例えば、熱加工の結果、析出物が分解してもよい。
様々な例によれば、物品10は多色でもよい。本開示において、「多色」という用語は、それに適用された熱処理に基づいて異なる色を示すことができる材料を意味する。そのバンドギャップが広く(例えば、約2.62eV)、自由キャリア(例えば、電子)がないため、WO3にはNIR波長および可視波長の吸収がない。ドーパントイオン(例えば、NH4
+、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+など)の挿入(「インターカレーション」と呼ばれる)により、WO3中のタングステン原子の一部がW+6からW+5に還元され、その結果、結晶内に自由電子が生じる。これらの電子は、伝導帯(例えば、自由電子)およびバンドギャップ内の局在化状態(例えば、捕捉電子)を占める。その結果、ドープされたWO3(タングステンブロンズ)は、局在表面プラズモン共鳴によりその光子エネルギーが0.7eVより低いNIRを吸収することにより、かつスモールポーラロン機構によりその光子エネルギーが1.4eVに近いNIRを遮断することにより、広い波長範囲(例えば、λ>1100nm)にわたってNIRをブロックする能力を得る。ドーピングの同じ方法およびその効果は、MoO3を含む組成物ならびにWO3およびMoO3の双方を含む組成物において存在することが理解されるであろう。
Ag、Auおよび/またはCuを使用する従来のガラス組成物は、色を生じるナノスケールの金属析出物の生成に依拠している。Ag、Auおよび/またはCuのカチオンは、WO3およびMoO3にインターカレートして銀、金および/もしくは銅のタングステンブロンズならびに/または銀、金および/もしくは銅のモリブデンブロンズを生成することができ、これにより物品10は多色の光学特性を示すようになる。驚くべきことに、MxWO3および/またはMxMoO3を含む物品10に低濃度のAg、Auおよび/またはCuを加えると、異なる時間および温度で材料を熱加工することにより、様々な色(例えば、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、様々な褐色および/またはそれらの組合せ)を生じることもできる。この結果は極めて予想外であったが、その理由は、得られた物品10の生成後の光学試験において、生じた色が単にアルカリタングステンブロンズおよび/またはモリブデンブロンズの相からの光吸収の和(例えば、青色または緑色)であるという証拠ならびに球形の金属ナノ粒子(例えば、金属Ag0)に特徴的な吸光度が示されなかったからである。さらなる分析によって、色を調整できるのは、結晶相(例えば、MxWO3またはMxMoO3)の上にテンプレート化する金属ナノ粒子の集団が形成するためではなかったことが実証された。例えば、透過型電子顕微鏡法によって、タングステンおよび/またはモリブデンを含む結晶相の全体積分率、微結晶サイズ、形状およびアスペクト比は、色に関わらず一定のままであったことが明らかになった。同様に、ラマン分光法によって、タングステンおよび/またはモリブデンブロンズの相が検出されたが、いかなる形状またはサイズの金属ナノ粒子の存在も検出されなかった。したがって、物品10の得られる色および多色性は、タングステンおよび/またはモリブデンを含む微結晶析出物のサイズの何らかの変化によって現れるものではない。
上述の議論に鑑みて、これらの多色物品10において色を調整できる原因は、様々な化学量論の純粋なアルカリ、混合アルカリ金属ならびに/または純粋な金属タングステンブロンズおよび/もしくはモリブデンブロンズを生成するために析出物にインターカレートされたアルカリカチオンならびにAg、Auおよび/またはCuのカチオンの濃度によって、ドープされた酸化タングステンおよび/または酸化モリブデンの析出物のバンドギャップエネルギーが変化するためであると考えられる。析出物のバンドギャップエネルギーの変化はその化学量論に起因し、ひいては、微結晶サイズとはほとんど無関係である。したがって、ドープされたMxWO3またはMxMoO3の析出物は同じサイズおよび/または形状のままにできるが、ドーパント「M」の独自性および濃度「x」に応じて多くの異なる色を物品10に与えることもできる。さらに、熱加工の時間および温度によって、化学量論「x」と、おそらく「M」の独自性が制御されると考えられる。例えば、比較的低い温度では青色および緑色が観察された。これらはMxWO3および/またはMxMoO3ブロンズ(式中、M=アルカリかつ0.1<x<0.4である)に特徴的である。これらの「ブルーブロンズ」が生成する温度を上回る温度では黄色、赤色および橙色などの色が生じ、これは、MxWO3中の「x」が0.4より大きく、熱処理時間が長くなるにつれて1に近づくことを示唆する。
したがって、多色性、または色の調整可能性は、Mがナトリウム以外の何か他のものである(すなわち、M≠Naである)とき、またはMが化学種:H、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Sn、P、S、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Se、Zr、Nb、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sb、Te、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ta、Os、Ir、Pt、Au、Tl、Pb、Biおよび/もしくはUの組合せであるとき、MxWO3およびMxMoO3中の「M」によるものである。得られる色は、全ドーパント濃度xならびにM(すなわち、異なる電子密度を有するが、同じ電荷によって異なる光応答を生じることができる化学種)の独自性に起因する。理解されるように、挙げられた化学種のいくつかは、あるx値(すなわち、0≦x≦1より狭い範囲のx)までのみインターカレートすることができる。これは、カチオンのサイズおよび電荷による可能性がある。例えば、赤色、黄色および/または橙色は、二価カチオンM’(式中、M’は、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnOのうちの1つである)を含むM’2-XWO4(式中、0<x<1)の形態の非化学量論的タングステン酸塩化合物から得ることができる。
析出物を発生させ、かつ/または色を生じる物品10の熱加工は、単一のステップで、または複数のステップにより達成されてもよい。例えば、物品10によって示された色の生成(例えば、これは、WO3および/またはMoO3の析出物の生成で始まり、続いて、その微結晶がドーパント種の(例えば、結晶へのAg、Auおよび/またはCuのカチオンの)同時インターカレーションによって部分的に還元される)は、物品10が生成された直後または後の時点の1回の熱処理で完了することができる。例えば、物品10は、キャストされ、次いで、最終形態(例えば、レンズブランクまたは他の光学要素もしくは美的要素)へと加工され、次いで、色が生じる温度(例えば、析出物へのAg、Auおよび/またはCuのイオンのインターカレーション)をわずかに下回る温度で徐冷されてもよい。この徐冷によってWO3および/またはMoO3のクラスター化を開始してもよく、次いで、二次熱加工を高温で行って、WO3結晶および/またはMoO3結晶をさらに結晶化および部分的に還元させ、Ag、Au、Cuおよび/または他の化学種をインターカレートさせて色を生じてもよい。
析出物を発生させ、かつ/またはドーパントを析出物にインターカレートする物品10の熱加工は、様々な時間および温度で行ってもよい。物品10の熱加工は、特に記載のない限り、空気中で行われることが理解されるであろう。物品10が炉内で熱加工される例では、物品10は、温度ランピングを制御した室温の炉内に置かれてもよく、かつ/または既に高温の炉内に「投入」されてもよい。熱加工は、約400℃~約1000℃の温度で行われてもよい。例えば、第2の熱加工が、約400℃、または約425℃、または約450℃、または約475℃、または約500℃、または約505℃、または約510℃、または約515℃、または約520℃、または約525℃、または約530℃、または約535℃、または約540℃、または約545℃、または約550℃、または約555℃、または約560℃、または約565℃、または約570℃、または約575℃、または約580℃、または約585℃、または約590℃、または約595℃、または約600℃、または約605℃、または約610℃、または約615℃、または約620℃、または約625℃、または約630℃、または約635℃、または約640℃、または約645℃、または約650℃、または約655℃、または約660℃、または約665℃、または約670℃、または約675℃、または約680℃、または約685℃、または約690℃、または約695℃、または約700℃の温度で行われてもよい。
熱加工が、約1秒間~約24時間行われてもよい。例えば、熱加工が、約1秒間、または約30秒間、または約45秒間、または約1分間、または約2分間、または約5分間、または約10分間、または約15分間、または約20分間、または約25分間、または約30分間、または約35分間、または約40分間、または約45分間、または約50分間、または約55分間、または約60分間、または約65分間、または約70分間、または約75分間、または約80分間、または約85分間、または約90分間、または約95分間、または約100分間、または約105分間、または約110分間、または約115分間、または約120分間、または約125分間、または約130分間、または約135分間、または約140分間、または約145分間、または約150分間、または約155分間、または約160分間、または約165分間、または約170分間、または約175分間、または約180分間、または約185分間、または約190分間、または約195分間、または約200分間、または約205分間、または約210分間または約215分間、または約220分間、または約225分間、または約230分間、または約235分間、または約240分間、または約245分間、または約250分間、または約255分間または約300分間行われてもよい。熱加工が、約6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、11時間以上、12時間以上、13時間以上、14時間以上または15時間以上を上回る、より大幅に長い時間行われてもよいことが理解されるであろう。
いくつかの例では、次いで、物品10が、約0.1℃/分、または約1℃/分、または約2℃/分、または約3℃/分、または約4℃/分、または約5℃/分、または約6℃/分、または約7℃/分、または約8℃/分、または約9℃/分または約10℃/分の速度で、より低い温度まで冷却されてもよい。より低い温度は、ほぼ室温(例えば、23℃)~約500℃でもよい。例えば、より低い温度は、約23℃、約50℃、約75℃、約100℃、約125℃、約150℃、約175℃、約200℃、約225℃、約250℃、約275℃、約300℃、約325℃、約350℃、約375℃、約400℃、または約425℃、または約450℃、または約470℃または約500℃でもよい。物品10が上述の時間および温度のうちの1つ以上を使用する多段階の熱加工を経てもよいことが理解されるであろう。
熱加工に関して記載された値の間の時間および温度のすべての値および範囲が企図されることが理解されるであろう。さらに、上述の時間および温度の任意の組合せが企図されることが理解されるであろう。
上記で説明した通り、炉の使用に加えて、またはその代わりに、レーザおよび/または他の局部熱源を使用することにより物品10が熱加工されてもよい。そのような例は、局在した色または多色効果を生じることにおいて有利であろう。レーザおよび/または局部熱源は、析出物を生成するのに十分な、かつ/あるいはAg、Auおよび/もしくはCuのうちの1つ以上を析出物にインターカレートして局在した色を生じるのに十分な熱エネルギーを供給することができる。レーザおよび/または他の熱源は、物品10にわたって色および/または様々な光学特性を優先的に生み出すために、物品10にわたってラスターまたは誘導されてもよい。レーザおよび/または局部熱源が物品10にわたって移動するとき、物品10の様々な部分が異なる色を示すように、レーザおよび/もしくは局部熱源の強度ならびに/または速度を調整することができる。そのような特徴は、物品10において印、記号、文字、数字および/または絵を描くことにおいて有利であろう。
上記で説明した通り、物品10の組成物およびそれが経る熱加工に応じて、物品10は、様々な色を示すことができる。具体的には、物品10は、以下の色を示すことができる:青色、緑色、褐色、琥珀色、黄色、橙色、赤色、濃赤色、中性灰色およびブロンズブラウン色の色合いならびに/またはそれらの組合せ。これらの色のいずれかおよび/または色の組合せが、上記で説明した通り物品10にわたってバルクで、かつ/または物品10の局在した部分に生じ得ることが理解されるであろう。物品の色は、三次元のL*a*b*色空間によって表すことができ、ここで、L*は明度であり、a*およびb*は、それぞれ緑色-赤色および青色-黄色の反対色である。追加的または代替的に、物品10の色は、XおよびYの値で表すこともでき、ここで、Yは輝度であり、Xは、非負になるように選ばれた錐体応答曲線の混合(例えば、線形結合)である。特に指定のない限り、正反射成分を含め、L*、a*、b*およびX、Yの色座標は、D65-10照明下、熱処理後のローラがけしたシートから切り出された研磨された0.5mm厚の平面に対してX-Rite測色計を透過モードで使用して収集される。言い換えれば、色座標は透過色座標である。物品10は、約6~約90、または約6~約85、または約4~約86、または約14~約90、または約21~約88、または約4.5~約81、または約39~約90、または約8~約90、または約15~約91、または約28~約92、または約16~約81、または約49~約89、または約41~約96または約15.6~約96のL*値を示してもよい。物品10は、約-18.6~約49、または約-13~約41、または約-9~約38、または約-14~約31、または約-11~約36、または約-12~約29または約-12~約26のa*値を示してもよい。物品10は、約-7.8~約53.5、または約-2~約63、または約2~約70、または約6~約70、または約1~約68、または約1~約65、または約4~約49、または約1~約37、または約4~約24または約5~約30のb*値を示してもよい。物品10は、約0.24~約0.65、または約0.31~約0.66、または約0.27~約0.62、または約0.29~約0.66、または約0.30~約0.65、または約0.29~約0.60、または約0.31~約0.57または約0.3~約0.48のX値を示してもよい。物品10は、約0.32~約0.43、または約0.34~約0.40、または約0.33~約0.43または約0.35~約0.38のY値を示してもよい。上述の範囲および値の間のすべての値および範囲がL*、a*、b*、XおよびYについて企図されることが理解されるであろう。さらに、L*、a*、b*、XおよびYの値のいずれかが、他のL*、a*、b*、XおよびYの値のいずれかと共に使用されてもよいことが理解されるであろう。
物品10は、電磁放射のある特定の波長帯にわたって吸光度を示してもよい。吸光度は、光学密度/ミリメートル(OD/mm)によって表すことができる。当業者には理解されるように、光学密度は、物品10に入る光強度に対する物品10を出る光強度の比のlogである。吸光度データは、ISO 15368による測定規則に準拠して、UV/Vis分光光度計を使用して収集することができる。約280nm~約380nmの波長範囲にわたって、物品10は、0.6OD/mm~約8OD/mm超、または約1OD/mm~約8OD/mm超または約4OD/mm~約8OD/mm超の吸光度を有してもよい。例えば、物品10は、約280nm~約380nmの波長にわたって、約0.5OD/mm以上、または約1.0OD/mm以上、または約1.5OD/mm以上、または約2.0OD/mm以上、または約2.5OD/mm以上、または約3.0OD/mm以上、または約3.5OD/mm以上、または約4.0OD/mm以上、または約4.5OD/mm以上、または約5.0OD/mm以上、または約5.5OD/mm以上、または約6.0OD/mm以上、または約6.5OD/mm以上、または約7.0OD/mm以上、または約7.5OD/mm以上、または約8.0OD/mm以上、または約8.5OD/mm以上、または約9.0OD/mm以上、または約9.5OD/mm以上または約10.0OD/mm以上の吸光度を有してもよい。上に挙げた値の間のすべての値および範囲が企図されることが理解されるであろう。
約380nm~約400nmの波長範囲にわたって、物品10は、約0.2OD/mm~約8OD/mm超、または約1.2OD/mm~約8OD/mm超、または約1.8OD/mm~約7.5OD/mmの吸光度を有してもよい。例えば、物品10は、約380nm~約400nmの波長にわたって、約0.5OD/mm以上、または約1.0OD/mm以上、または約1.5OD/mm以上、または約2.0OD/mm以上、または約2.5OD/mm以上、または約3.0OD/mm以上、または約3.5OD/mm以上、または約4.0OD/mm以上、または約4.5OD/mm以上、または約5.0OD/mm以上、または約5.5OD/mm以上、または約6.0OD/mm以上、または約6.5OD/mm以上、または約7.0OD/mm以上、または約7.5OD/mm以上、または約8.0OD/mm以上、または約8.5OD/mm以上、または約9.0OD/mm以上、または約9.5OD/mm以上または約10.0OD/mm以上の吸光度を有してもよい。上に挙げた値の間のすべての値および範囲が企図されることが理解されるであろう。
約400nm~約700nmの波長範囲にわたって、物品10は、0.1OD/mm~約6OD/mm、または約0.1OD/mm~約4.4OD/mm、または約0.6OD/mm~約4.2OD/mmの吸光度を有してもよい。例えば、物品10は、約400nm~約700nmの波長にわたって、約0.5OD/mm、または約1.0OD/mm、または約1.5OD/mm、または約2.0OD/mm、または約2.5OD/mm、または約3.0OD/mm、または約3.5OD/mm、または約4.0OD/mm、または約4.5OD/mm、または約5.0OD/mm、または約5.5OD/mmまたは約6.0OD/mmの吸光度を有してもよい。上に挙げた値の間のすべての値および範囲が企図されることが理解されるであろう。
約700nm~約2000nmの波長範囲にわたって、物品10は、0.1OD/mm~約5.7OD/mm、または約0.1OD/mm~約5.8OD/mmまたは約0.1OD/mm~約5.2OD/mmの吸光度を有してもよい。例えば、約700nm~約2000nmの波長範囲にわたって、物品10は、約0.2OD/mm、または約0.4OD/mm、または約0.6OD/mm、または約0.8OD/mm、または約1.0OD/mm、または約1.2OD/mm、または約1.4OD/mm、または約1.6OD/mm、または約1.8OD/mm、または約2.0OD/mm、または約2.2OD/mm、または約2.4OD/mm、または約2.6OD/mm、または約2.8OD/mm、または約3.0OD/mm、または約3.2OD/mm、または約3.4OD/mm、または約3.6OD/mm、または約3.8OD/mm、または約4.0OD/mm、または約4.2OD/mm、または約4.4OD/mm、または約4.6OD/mm、または約4.8OD/mm、または約5.0OD/mm、または約5.2OD/mm、または約5.4OD/mm、または約5.6OD/mmまたは約5.8OD/mmの吸光度を有してもよい。上に挙げた値の間のすべての値および範囲が企図されることが理解されるであろう。
物品10は、電磁放射の異なる波長帯にわたって異なる透過率を示してもよい。透過率は、パーセント透過率で表すことができる。透過率データは、ISO 15368による測定規則に準拠して、0.5mm厚を有するサンプルに対してUV/Vis分光光度計を使用して収集することができる。約280nm~約380nmの波長範囲にわたって、物品10は、0%~約50%、または約0.01~約30%、または約0.01%~約0.91%の透過率を有してもよい。例えば、物品10は、約280nm~約380nmの波長にわたって、約0.5%、または約5%、または約10%、または約15%、または約20%、または約25%、または約30%、または約35%、または約40%または約45%の透過率を有してもよい。上に挙げた値の間のすべての値および範囲が企図されることが理解されるであろう。
物品10は、約380nm~約400nmの波長範囲にわたって、0%~約86%、または約0.8%~約86%、または約0%~約25%または約0.02%~約13%の透過率を有してもよい。例えば、物品10は、約380nm~約400nmの波長にわたって、約1%、または約5%、または約10%、または約15%、または約20%、または約25%、または約30%、または約35%、または約40%、または約45%、または約50%、または約55%、または約60%、または約65%、または約70%、または約75%または約80%の透過率を有してもよい。上に挙げた値の間のすべての値および範囲が企図されることが理解されるであろう。透過率データは、ISO 15368による測定規則に準拠して、0.5mm厚を有するサンプルに対してUV/Vis分光光度計を使用して収集することができる。
物品10は、約400nm~約700nmの波長範囲にわたって、約0%~約95%、または約0%~約88%、または約0%~約82%、または約0%~約70%、または約0%~約60%、または約0%~約50%、または約0%~約40%、または約0%~約30%、または約0%~約20%、または約0%~約10%、または約5%~約50%、または約10%~約70%の透過率を有してもよい。上に挙げた値の間のすべての値および範囲が企図されることが理解されるであろう。透過率データは、ISO 15368による測定規則に準拠して、0.5mm厚を有するサンプルに対してUV/Vis分光光度計を使用して収集することができる。
約400nm~約700nmの波長範囲にわたって、物品10は、約0%~約90%、または約0%~約80%、または約0%~約70%、または約0%~約60%、または約0%~約50%、または約0%~約40%、または約0%~約30%、または約0%~約20%または約0%~約10%の透過率を有してもよい。上に挙げた値の間のすべての値および範囲が企図されることが理解されるであろう。透過率データは、ISO 15368による測定規則に準拠して、0.5mm厚を有するサンプルに対してUV/Vis分光光度計を使用して収集することができる。
物品10は、1mmの厚さで約400nm~約700nmの波長帯にわたって約0.1%~約25%の散乱を示してもよい。例えば、物品10は、約25%以下、約24%以下、約23%以下、約22%以下、約21%以下、約20%以下、約19%以下、約18%以下、約17%以下、約16%以下、約15%以下、約14%以下、約13%以下、約12%以下、約11%以下、約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下または約1%以下の散乱を示してもよい。散乱データは、ISO 13696(2002) Optics and Optical Instruments-Test methods for radiation scattered by optical componentsに準拠して収集される。
様々な例によれば、物品10は、反射鏡のような表面を示してもよい。例えば、主面18および22のうちの1つ以上は、ガラスおよび/またはガラスセラミックによって生じる典型的なフレネル反射を超える反射を示してもよい。そのような例では、物品10は、表面18、22のうちの1つに近接する複数の金属粒子を生成するために反射処理を経てもよい。反射処理は、熱加工と同時に、および/または違う時間(例えば、熱加工の前および/または後)に実施されてもよいことが理解されるであろう。そのような例では、物品10は、Ag含有組成物(例えば、Ag+W、Ag+Mo+W、Ag+Au+WまたはAg+Au+Mo+W)から構成されてもよい。反射処理中、物品10は、約400℃~約700℃、または約500℃~約600℃の温度に曝露されてもよい。例えば、物品10は、約400℃、または約425℃、または約450℃、または約475℃、または約500℃、または約525℃、または約550℃、または約575℃、または約600℃、または約625℃、または約650℃、または約675℃または約700℃の温度に曝露されてもよい。反射処理は、物品10に対して約0.5分~約360分行われてもよい。反射処理は、金属析出物が生成されるように還元性雰囲気中で行われてもよい。様々な例によれば、反射処理中の物品10周りの雰囲気は、H2を含んでもよい。例えば、雰囲気は、約0.5%、1.0%、1.5%、2.0%または2.5%からのH2の分圧を有してもよい。追加的または代替的に、物品10はガス-酸素炎に曝露されてもよく、ここで、ガス/酸素比は、完全燃焼にならないように(すなわち、還元性雰囲気が生成されるように)調整される。物品10のバルク組成物または表面組成物をさらに変え、ひいては、物品10の光吸収を改変するために、(例えば、制御された酸化性または還元性雰囲気中で行われる)反射処理が利用されてもよいことが理解されるであろう。
反射処理によって、還元性雰囲気下、物品10内のAg1+カチオンが還元され、光の可視波長(例えば、約400nm~約700nm)を散乱させるのに十分に大きい(例えば、50nm超の)金属銀析出物が物品10の本体内に生成される。反射処理の時間および温度を制御することにより、物品10の表面に近接してAg金属粒子を制御可能に析出させることができる。例えば、複数のAg金属粒子が、主面18、22の最初の数μm(例えば、0.1~20μm)内に存在してもよい。さらに別の例では、(例えば、物品10が十分に薄い例では)金属粒子が物品10の厚さ全体にわたって分布していてもよい。物品10の表面の最初の数μm内のAgカチオンのごく一部のみが還元されて金属Ag粒子が生成される例では、物品10は、可視波長において部分的な反射材または広帯域の反射材として働くことができる。したがって、物品10が、ある特定の可視波長を反射するのみである場合、その反射色を変化させることができる。十分な量の金属銀粒子が生成される場合、すべての可視波長を均一に反射する(すなわち、広帯域鏡として働く)ように物品10を調整することができる。反射処理の所与の温度の時間が長くなるにつれて、Ag金属粒子がより多くなり、物品10内でより深くAg粒子が生成される。十分な時間および温度の反射処理が実施される場合、物品10の厚さ全体にわたって金属Ag粒子を析出させて、物品10を非常に不透明にすることができる。
物品10は、反射処理の前に約360nm~約760nmの波長帯にわたって約10%以下、または約9%以下、または約8%以下、または約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下または約1%以下の反射率を有してもよい。反射処理が完了したら、物品10は、約400nm~約700nmの波長帯にわたって約1%以上、約2%以上、または約3%以上、または約4%以上、約5%以上、約6%以上、約7%以上、約8%以上、約9%以上、約10%以上、約11%以上、約12%以上、約13%以上、約14%以上、約15%以上、約16%以上、約17%以上、約18%以上、約20%以上、約21%以上、約22%以上、約23%以上、約24%以上または約25%以上の平均反射率を有してもよい。反射色の測定値は、D65-10照明条件下、X-Rite測色計を反射モードで使用して収集される。
反射処理を使用すると、熱加工による析出物の生成前および/または生成後に、物品10の内部に部分反射または高反射コーティングを生成することができる。言い換えれば、物品10は、ガラス状態またはガラスセラミック状態のいずれかにおいて反射性に製造することができる。そのような特徴は、還元された金属粒子の濃度ならびに吸収性の析出物の濃度および化学量論を変化させることによって物品10の全吸光度のさらなる変更を可能にすることにおいて有利であろう。反射金属粒子は物品10の表面の最初の数μm内で生成され、蒸着法または湿式化学法により堆積される多くの反射コーティングのように材料の表面に限られないため、金属粒子の生成は、引っ掻き、酸および塩基に対して耐久性を示す部分反射または広帯域反射コーティングを生成することにおいて有利であろう。
本開示の様々な例は、様々な特性および利点をもたらし得る。ある特定の特性および利点が、ある特定の組成物に関連して開示されている場合があるが、開示されている様々な特性および利点は、他の組成物に等しく適用可能であり得ることが理解されるであろう。
第1に、本明細書に開示されている物品10の組成物は、既知の銅ドープ、銀ドープおよび金ドープガラスとは異なるため、物品10の色は、組成を変更することなく広く調整することができ、いくつかの異なる色にわたってうまく光学仕様を満たすことができる。したがって、物品10向けの本明細書に開示されている組成物のファミリーは、着色物品の製造合理化に対する実際的な解決策を提供することができる。上記で説明した通り、生成後の熱処理の時間および温度を変化させることによって、広範囲の光学吸収を実現することができる。したがって、単一のガラスタンクを使用して、顧客要求によって規定されるように(すなわち、製造ダウンタイムを短縮し、使用できない切り替わりのガラスを削減しながら)複数の特定の色に熱処理することができる物品10を連続製造することができる。さらに、物品10の様々な組成物は、物品10にわたって熱処理の時間および温度を変化させることによって、ほぼ完全な様々な色を生成することもできる(例えば、様々な色を単一の物品内で生成することができる)。色の変化に加えて、知覚される色調、または透過率を物品10にわたって変化させることができる。物品10自体の色調を調整することができるため、従来の物品の染色プラスチック積層品、フィルムまたは染色ポリカーボネートレンズを排除することができる。さらに、物品によって実現される色、反射率および/または色調は物品10自体の特性であるため、物品10は、従来の物品より高い環境耐久性(例えば、耐摩耗性および/または耐薬品性)を示すことができる。特定の用途において、物品10は、サングラスレンズとして(すなわち、物品10は、赤外放射を吸収してサングラス着用者を熱および放射から保護することに加えて、多種多様な色を提供することができるため有利であろう)、および/または自動車用途もしくは建築用途で(例えば、有害な紫外放射および/または赤外放射を遮蔽し、それによって、装飾される車または建物における冷暖房負荷を低減しながら、モノリシック物品10における複数の色、透過および彩度すべてに関して新しいレベルの柔軟性を設計者に提供する、グラジエントフェードまたは複数の色が同じ窓ガラスにおいて望まれる用途で)利用することができる。例えば、物品10は、規格ISO 14889:2013および8980-3 2013、ANSI Z80.3-2001、AS 1067-2003およびISO 12312-1:2013を満たすことができる。
第2に、上記で説明した通り、物品10の組成物は、物品10の融着形成が可能であり得るような十分に高い液相線粘度を有する。イオン交換に関して、イオン交換によって、選択された深さ30において圧縮応力を与えることができ、これにより、物品10の耐久性および/または耐引っ掻き性を高めることができる。融着形成に関して、物品10は、透明なタングステンガラス、モリブデンガラスまたは混合タングステンモリブデンガラスが基板周りのクラッド材料として使用される二重融着積層品において使用することができる。クラッディングとして適用後、ガラスクラッディングは、ガラスセラミック状態に変換することができる。二重融着積層品のガラスセラミッククラッディングは、約50μm~約200μmの厚さを有してもよく、UVおよびIRの強い減衰と高い平均可視透過率(例えば、自動車用フロントガラスおよび/または建築用窓ガラス向けには約75%~約85%)、UVおよびIRの強い減衰と低い可視透過率(例えば、自動車用サイドライト、自動車用サンルーフおよびプライバシー窓ガラス向けには約5%~約30%)、ならびに/または勾配炉内での処理、局所加熱および/もしくは局部脱色により可視および赤外吸光度を調節することができる積層品を有してもよい。加えて、クラッディングとしてこのガラス組成物を使用することにより、調整可能な光学特性を十分に活かしつつ、同時に強化モノリシックガラスプライを製造する新規のプロセスが提供される。さらに、クラッディングは、コアおよびクラッディングの双方が独立して調整可能であり得るような調整可能な光学特性を同じく有する基板に適用されてもよい。
第3に、物品10は、様々な熱加工により調整可能な光学特性(例えば、色、透過率など)を示すことができるため、勾配炉内または赤外線ランプ下での処理によって、(例えば、携帯電話またはタブレットの背面など、美的目的のために望ましいであろう)シングルピースの材料内でほぼ完全な様々な色を生成することができる。さらに、熱加工は、(例えば、レーザを使用することにより)局在させることができるため、物品10は、パターン化可能かつ着色可能であり得る。例えば、レーザ支援加熱および/または冷却プロセスは、異なる波長を利用して、新規な装飾材料を生成し、物品10内にロゴおよび画像を速やかに作成することができる。レーザ出力および書込み速度を最適化することによって、多くの色を実現することができる。さらに、複数の波長によるレーザパターニングを使用して選択的に脱色する(すなわち、析出物を溶解させることにより、選択領域内の色および/または色調を除去する)ことができ、これは、装飾、勾配吸収または他の特有の芸術的効果に有用であろう。
第4に、加熱およびスランピング、または文字、デザインおよび/もしくはパターンが刻まれたセラミック板もしくは金属板によるプレスを使用して、物品10内に様々な熱プロファイルを生み出すことにより、色の勾配を導入することができる。例えば、デザインまたはテクスチャを有するヒートシンクを使用することにより、物品10の冷却時の様々な熱プロファイルによって、物品10の熱加工によって後で現像することもできる潜像を作ることもできる。
第5に、連続溶融炉におけるカラーセルの使用を利用して、物品10が製造されるとき、微量のドーパントを物品10のガラス組成物に導入することができる。例えば、物品10は、灰色およびブロンズブラウン色を生じるためにV2O5がドープされてもよく、かつ/または青色、緑色、琥珀色、赤色および橙色を生じるためにAgがドープされてもよい。これにより、固定された組の原料を用いてすべて揃った色を生じさせることが可能になるであろうし、密度差のためにダウンタイムが長くなることもなくAgドープ物品10とV2O5ドープ物品10との間の迅速なタンクの切替えが可能になる。物品10をオンザフライでドーピングすると、タンクを全く切り替えることなく中性灰色、ブロンズブラウン色、青色、緑色、琥珀色、赤色、橙色およびそれらの任意の組合せを生じさせることができるため(例えば、物品10が製造されるときに、色を生じるドーパントを混合することができるため)、カラーセルを使用するとタンクの切替えが不要になる。
第6に、物品10は、(例えば、揮発性ハロゲン化物を組成物上に保つことが困難になり、ひいては、所与の色を、再現性をもって目標にすることが困難になる)ArmisteadレインボーガラスおよびJosephフルカラーガラスとは異なり、揮発性ハロゲン化物を含んでいなくてもよいため、物品10は、製造がより容易で、より再現性のあるものになる。さらに、物品10の着色には、Josephガラスのように紫外線曝露および複数の熱処理が必要でない場合もある。したがって、時間および温度を最適化することによって、すべての色を1ステップの熱加工で実現することができる。
第7に、本開示のガラス組成物から製造された物品10は、粉末化または造粒して、様々な材料に加えることができる。例えば、粉末化された物品10は、塗料、バインダー、ポリマー材料(例えば、ポリビニルブチラール)、ゾル-ゲルおよび/またはそれらの組合せに加えることができる。そのような特徴は、物品10の特性(例えば、全透過率、UVカットオフ、赤外吸光度など)のうちの1つ以上を上述の材料に与えることにおいて有利であろう。
第8に、物品10は、緑色の様々な色合いを容易に生じさせることができ、この色は、ArmisteadレインボーガラスおよびJosephガラスのいずれにおいても得ることが困難な色である。
以下の実施例は、それらの製造方法を含む本開示のガラスセラミック材料および物品のある特定の非限定的な例を示す。
ここで表6を参照すると、記載されているのは、要素(例えば、物品10)のための例示的な組成物(実施例1~8)のリストである。例示的な組成物が、バッチ配合時のモル%で記載されている。
ここで表7を参照すると、記載されているのは、表9A~11Cのために使用されたサンプルのタイプを詳しく示す表である(以下の説明を参照)。要素の光学特性は、その熱加工に関係するため、要素の熱履歴(すなわち、それが徐冷されたかどうか)が関係し得る。
ここで表8を参照すると、記載されているのは、表9A~11Cのために利用された熱処理サイクル(例えば、熱加工)の一覧である(以下の説明を参照)。「制御勾配」という表示は、要素が室温の炉内に入れられ、次の記載の温度まで(すなわち、10℃/分で)上げられたことを示す。「投入」という表示は、炉が次の記載の温度であった間に要素が炉内に入れられたことを意味する。温度および時間という表示は、要素が保たれた温度および/または投入された温度、ならびに要素がこの温度に曝露された時間を示す。温度に続く1C/mという表示は、炉が1℃/分の速度で指定の温度まで冷却されたことを指す。「炉速度で冷却」という表示は、炉の電源が切られ、かつ/または炉がもはや熱を生じておらず、炉が自然に熱を失う速度で要素が徐冷されたことを示す。炉速度での冷却はおよそ5~10℃/分である。「空気中で冷却」という表示は、要素が、最後の所与の温度の炉から取り出され、耐火性の要素の上で空気中で室温まで徐冷されたことを示す。使用されている場合、「m」および「h」という表示は、それぞれ分単位および時間単位の時間を指すことが理解されるであろう。例えば、「制御勾配;525C 1.5h;1C/m~450C;炉速度で冷却」と読めるサイクル6は、要素が室温の炉内に置かれ、525℃まで上げられ、525℃で1.5時間保たれ、1℃/分で450℃まで冷却され、炉内で炉速度で徐冷されたことを意味する。ある特定の熱処理には、(1)および(2)で示されたステップによる多段階の熱処理が含まれる。
ここで表9Aおよび図2Aを参照すると、記載されているのは、様々な熱加工条件の結果生じる実施例1および2の色座標である。D65-10照明下、正反射成分を含め、熱処理後のローラがけしたシートから切り出された研磨された平面に対してX-Rite測色計を透過モードで使用して、L*、a*、b*およびX、Yの色座標を収集した。実施例1および/または2がそれらの熱処理に基づいて色座標を示し得る色空間を示す図2Aのプロットされた色座標の周りに、1つ以上の適切な境界を引くことができることが理解されるであろう。
ここで表9Bを参照すると、記載されているのは、要素に対する様々な熱処理下の実施例1の平均吸光度データである。データは、ISO 15368による測定規則に準拠して、UV/Vis分光光度計を使用して収集した。見て分かる通り、実施例1に適用された異なる熱処理の結果、異なる波長帯に対して異なる平均吸光度となる。
ここで表9Cならびに図2Bおよび図2Cを参照すると、記載されているのは、0.5mm厚を有する要素に対する様々な熱処理下の実施例1の平均透過率データである。データは、ISO 15368による測定規則に準拠して、UV/Vis分光光度計を使用して収集した。見て分かる通り、実施例1に適用された異なる熱処理の結果、異なる波長帯に対して異なる平均透過率となる。
ここで表10Aおよび図3を参照すると、記載されているのは、様々な熱加工条件の結果生じる実施例3および4の色座標である。D65-10照明下、正反射成分を含め、熱処理後のローラがけしたシートから切り出された研磨された平面に対してX-Rite測色計を透過モードで使用して、L*、a*、b*およびX、Yの色座標を収集した。実施例3および/または4がそれらの熱処理に基づいて色座標を示し得る色空間を示す図3のプロットされた色座標の周りに、1つ以上の適切な境界を引くことができることが理解されるであろう。
ここで表10Bを参照すると、記載されているのは、要素に対する様々な熱処理下の実施例3および4の平均吸光度データである。平均吸光度は、光学密度/ミリメートル(OD/mm)の単位で与えられる。見て分かる通り、実施例3および4に適用された異なる熱処理の結果、異なる波長帯に対して異なる平均吸光度となる。
ここで表10Cを参照すると、記載されているのは、0.5mm厚を有する要素に対する様々な熱処理下の実施例3および4の平均透過率データである。データは、ISO 15368による測定規則に準拠して、UV/Vis分光光度計を使用して収集した。見て分かる通り、実施例1に適用された異なる熱処理の結果、異なる波長帯に対して異なる平均透過率となる。
ここで表11Aおよび図4を参照すると、記載されているのは、様々な熱加工条件の結果生じる実施例5~8の色座標である。D65-10照明下、正反射成分を含め、熱処理後のローラがけしたシートから切り出された研磨された平面に対してX-Rite測色計を透過モードで使用して、L*、a*、b*およびx、yの色座標を収集した。実施例5、6、7および/または8がそれらの熱処理に基づいて色座標を示し得る色空間を示す図4のプロットされた色座標の周りに、1つ以上の適切な境界を引くことができることが理解されるであろう。
ここで表11Bを参照すると、記載されているのは、要素に対する様々な熱処理下の実施例5~8の平均吸光度データである。平均吸光度は、光学密度/ミリメートル(OD/mm)の単位で与えられる。データは、ISO 15368による測定規則に準拠して、UV/Vis分光光度計を使用して収集した。見て分かる通り、実施例5~8に適用された異なる熱処理の結果、異なる波長帯に対して異なる平均吸光度となる。
ここで表11Cを参照すると、記載されているのは、0.5mm厚を有する要素に対する様々な熱処理下の実施例5~8の%透過の平均透過率データである。データは、ISO 15368による測定規則に準拠して、UV/Vis分光光度計を使用して収集した。見て分かる通り、実施例5~8に適用された異なる熱処理の結果、異なる波長帯に対して異なる平均透過率となる。
ここで図5を参照すると、要素の反射性の例における波長に対する反射率のプロットが示されている。565℃で1分間熱処理し、5℃/分で475℃まで冷却し、次いで、炉速度で室温まで冷却した1.9mm厚の研磨されたサンプルを徐冷することにより、要素の反射性の例を生成した。サンプルは、約63.05モル%のSiO2、約11.38モル%のB2O3、約10.53モル%のAl2O3、約5.31モル%のLi2O、約6.00モル%のNa2O、約0.02モル%のCaO、約0.11モル%のSnO2、約3.48モル%のWO3および約0.105モル%のAgの組成を有していた。熱処理の後、生成ガス(すなわち、98% N2および2% H2)の雰囲気で満たされた600℃の炉内に要素を5分間置き、次いで、周囲の空気中で室温まで冷却した。反射生成処理の前後に反射率スペクトルを収集した。反射率スペクトルは、反射層の形成に起因して反射率が大幅に増加することを示す。前処理および後処理されたサンプルにおいて、D65-10照明条件下、X-Rite測色計を反射モードで使用して反射色の測定値を収集した。色座標を以下の表12に示す。
ここで表11を参照すると、記載されているのは、要素の例示的な組成物(実施例9~66)の組であり、これらは、約54.01モル%~約67.66モル%のSiO2、約9.55モル%~約11.42モル%のAl2O3、約9.36モル%~約15.34モル%のB2O3、約9.79モル%~約13.72モル%のR2O、約0.00モル%~約0.22モル%のRO、約1.74モル%~約4.48モル%のWO3、約0モル%~約1.91モル%のMoO3、約0.0モル%~約0.21モル%のSnO2、約0モル%~約0.03モル%のV2O5、約0モル%~約0.48モル%のAgおよび約0モル%~約0.01モル%のAuを有し得る。表11の組成物は、るつぼ内にバッチ配合時の状態で提供される。
例示的な実施形態に示された本開示の要素の構成および配置は単なる例示であることにも留意されたい。本開示では、本革新のわずかな数の実施形態を詳細に説明してきたが、本開示を検討する当業者であれば、記載された主題の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく多くの修正が可能である(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および比率、パラメータの値、取付け配置、材料の使用、色、向きなどの変更)ことを容易に理解するであろう。例えば、一体的に形成されたように示された要素は複数の部品で構成されてもよく、または複数の部品として示された要素は一体的に形成されてもよく、インターフェースの操作は逆にしても、あるいは変化させてもよく、システムの構造、および/もしくは部材、もしくはコネクタ、もしくは他の要素の長さまたは幅は変化させてもよく、要素間に設けられた調整位置の性質または数は変化させてもよい。システムの要素および/またはアセンブリは、多種多様な色、テクスチャおよび組合せのいずれかで十分な強度または耐久性を与える多種多様な材料のいずれかから構成されてもよいことに留意されたい。したがって、すべてのそのような修正が本革新の範囲内に含まれることが意図される。望ましい実施形態および他の例示的な実施形態の設計、操作条件および配置において、本革新の趣旨から逸脱することなく他の置換、修正、変更および省略を行うことができる。
任意の記載のプロセス、または記載のプロセス内のステップを他の開示のプロセスまたはステップと組み合わせて本開示の範囲内の構造を形成することができることが理解されるであろう。本明細書に開示されている例示的な構造およびプロセスは例示を目的としたものであり、限定するものと解釈されるべきではない。
また、前述の構造および方法に対して、本開示の概念から逸脱することなく変形および修正を行うことができると理解されるべきであり、さらに、そのような概念は、以下の特許請求の範囲にその文言によって特に明記されていない限り、この特許請求の範囲に含まれることが意図されると理解されるべきである。さらに、以下に記載の特許請求の範囲は、この発明を実施するための形態に組み込まれ、その一部を構成する。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
約40モル%~約80モル%のSiO2;
約1モル%~約20モル%のAl2O3;
約3モル%~約50モル%のB2O3;
約1モル%~約18モル%のWO3+MoO3;
(i)約0.001モル%~約0.5モル%のAu、(ii)約0.025モル%~約1.5モル%のAg、および(iii)約0.03モル%~約1モル%のCuのうちの少なくとも1つ;ならびに
約0モル%~約15モル%の、Li2O、Na2O、K2O、Rb2OおよびCs2Oのうちの1つ以上であるR2O
を含み、R2O-Al2O3が、約-12モル%~約3.8モル%の範囲である、物品。
実施形態2
約0モル%~約15モル%のWO3を含む、実施形態1記載の物品。
実施形態3
前記WO3が、約0モル%~約7モル%である、実施形態2記載の物品。
実施形態4
約0モル%~約15モル%のMoO3を含む、実施形態1から3までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態5
前記MoO3が、約0モル%~約7モル%である、実施形態1から4までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態6
前記Al2O3が、約7モル%~約15モル%である、実施形態1から4までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態7
約0モル%~約2モル%の、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうちの1つ以上であるRO
をさらに含む、実施形態1から6までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態8
前記ROが、約0モル%~約1モル%である、実施形態7記載の物品。
実施形態9
前記R2O-Al2O3が、約-8モル%~約3.8モル%の範囲である、実施形態1から8までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態10
前記R2O-Al2O3が、約-8モル%~約3モル%の範囲である、実施形態1から8までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態11
前記Agが、約0.1モル%~約1モル%である、実施形態1から10までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態12
前記Auが、約0.001モル%~約0.5モル%である、実施形態1から11までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態13
前記Cuが、約0.03モル%~約1モル%である、実施形態1から12までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態14
約60モル%~約72モル%のSiO2;
約7モル%~約12モル%のAl2O3;
約8モル%~約15モル%のB2O3;
約3モル%~約6モル%のWO3+MoO3;
約0モル%~約0.5モル%の、MgO、CaO、SrO、BaOのうちの1つ以上であるRO;
(i)約0.001モル%~約0.5モル%のAu、(ii)約0.025モル%~約1.5モル%のAg、および(iii)約0.03モル%~約1モル%のCuのうちの少なくとも1つ;ならびに
約7モル%~約12モル%の、Li2O、Na2O、K2O、Rb2OおよびCs2Oのうちの1つ以上であるR2O
を含み、R2O-Al2O3が、約-6モル%~約1.5モル%の範囲である、物品。
実施形態15
Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Se、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Cd、Te、Ta、Re、Os、Ir、Pt、Ti、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群から選択される少なくとも1つのドーパント
をさらに含む、実施形態14記載の物品。
実施形態16
前記WO3が、約0モル%~約4モル%である、実施形態14または15記載の物品。
実施形態17
前記MoO3が、約0モル%~約4モル%である、実施形態14から16までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態18
WO3およびMoO3のうちの少なくとも1つを含む複数の結晶析出物を含む、実施形態14から17までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態19
約0.0001モル%~約0.5モル%のV2O5
をさらに含む、実施形態14から18までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態20
前記V2O5が、約0.001モル%~約0.1モル%である、実施形態19記載の物品。
実施形態21
圧縮応力領域
をさらに含む、実施形態14から20までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態22
約40モル%~約80モル%のSiO2;
約1モル%~約20モル%のAl2O3;
約3モル%~約50モル%のB2O3;
約1モル%~約18モル%のWO3+MoO3;
(i)約0.001モル%~約0.5モル%のAu、(ii)約0.025モル%~約1.5モル%のAg、および(iii)約0.03モル%~約1モル%のCuのうちの少なくとも1つ;ならびに
(i)Au、AgおよびCu;ならびに(ii)WおよびMoのうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含む複数の結晶析出物
を含む、物品。
実施形態23
D65-10照明下、約0.5mmの厚さで約14~約90のL*値、約-18.6~約49のa*値および約-7.8~約53.5のb*値を有する透過色座標の組を示す、実施形態22記載の物品。
実施形態24
0.5mm厚で約280nm~約380nmの波長帯にわたって約0.01%~約49%の平均透過率を示す、実施形態22または23記載の物品。
実施形態25
0.5mm厚で約400nm~約700nmの波長帯にわたって約0.8%~約86%の平均透過率を示す、実施形態22または23記載の物品。
実施形態26
1mmの厚さで約400nm~約700nmの波長帯にわたって約25%以下の散乱を示す、実施形態25記載の物品。
実施形態27
0.5mm厚で約700nm~約2000nmの波長帯にわたって約0.13%~約88.7%の平均透過率を示す、実施形態22または23記載の物品。
実施形態28
前記物品の表面に近接する複数の金属Ag粒子
をさらに含む、実施形態22から27までのいずれか1つに記載の物品。
実施形態29
約0.01モル%~約2モル%の、MgO、CaO、SrO、BaOのうちの1つ以上であるRO
をさらに含む、実施形態22から28までのいずれか1つに記載の物品。