JP7291436B1 - 作業者負担判定装置及び作業者負担判定方法 - Google Patents

作業者負担判定装置及び作業者負担判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の安全衛生管理モニタ装置では、脳で感じるストレス等に対する作業者負担を判定することが出来ないという課題があった。【解決手段】本発明の作業者負担判定装置10では、作業者Pが同一作業を繰り返し行う労働環境において、視床下部温度が反映される鼓膜温度を複数回に渡り測定し、算出される鼓膜温度変動係数CVを用いて、作業に対する作業者負担を判定する。そして、上記作業者負担が可視化されることで、管理者は、作業者Pの個人能力を把握し、適材適所に作業者を配置することで、労働環境の向上を図ると共に労働生産性が高められる。【選択図】図1A

Description

本発明は、作業者負担判定装置及び作業者負担判定方法に関する。
特許文献1には、従来の安全衛生管理モニタ装置が開示されている。安全衛生管理モニタ装置は、作業現場における作業者の安全衛生上の管理を行う装置であり、ウェアラブルコンピュータを介して取得した作業者の体温、血圧、脈拍等のデータを利用する。そして、安全衛生管理モニタ装置の特徴抽出部では、例えば、作業者が装着する荷重センサから作業時の荷重等の身体的負荷情報と、上記ウェアラブルコンピュータを介して得られる作業者の心拍数等の心理的負荷情報と、に基づいて、作業内容毎、作業者の身体的特徴を抽出する機能を持つ。尚、上記身体的特徴とは、例えば、作業内容と身体負荷により得られる一般的な負荷状態に、更に、生理的負荷を加味することによる個人差を反映させた相互相関値をいう。
上記特徴抽出部は、相互相関関数を演算する演算部を備え、作業内容毎に、作業者の身体的負荷と生理的負荷との相互相関関数を求める。そして、安全衛生管理モニタ装置の安全衛生管理部では、作業者毎の複数の身体的特徴から閾値を生成し、その閾値と上記相互相関関数とを比較すると共に、その比較演算の結果に応じて警告を発する。
特許第4008319号公報
上述したように、従来の安全衛生管理モニタ装置は、作業者にウェアラブルコンピュータを内蔵した作業服を着用させ、身体に装着された各種センサを介して作業者の健康状態を継続して取得する。そして、上記安全衛生管理モニタ装置は、個人差を加味した作業負荷に対するストレス等を把握することにより、作業計画等に反映させるものである。
しかしながら、上記安全衛生管理モニタ装置にて取り扱う身体負荷情報とは、作業時の荷重等の情報であり、所謂、土木現場等の体全体を用いた重労働が対象であり、工場の組み立て現場等の作業者の上肢を用いて同一作業を繰り返す労働を対象にしたものではない。つまり、従来の安全衛生管理モニタ装置では、作業者が作業内容を思考等することで、脳で感じるストレス等に対する作業者負担を判定することが出来ないという課題がある。
特に、作業者の脳で感じるストレス等を検出するためには、脳に近い領域の深部体温等を測定することが望ましい。そして、従来の装置では、深部体温の一例である視床下部温度または視床下部温度を反映した深部体温を測定し、作業者負担を判定する装置が無いため、作業者の労働環境を加味しながら、作業者を適材工程に配置出来ない場合も多いという課題がある。そして、作業者を適材工程に配置出来ないことで、作業者に対しては、ストレス等の作業者負担による労働環境の悪化を招く恐れがあると共に、企業に対しては労働生産性が向上し難く、また、作業者の離職率の悪化やそもそも人材の確保が難しいという課題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、作業者の脳への負担状況を検出し易い視床下部温度を反映する鼓膜温度を測定し、作業者負担の判定に用いることで、作業者の労働環境を整えると共に、労働生産性を向上させる作業者負担判定装置及び作業者負担判定方法を提供する。
本発明の作業者負担判定装置では、作業者が同一作業を繰り返し行う際に、前記作業者の前記同一作業に対する作業者負担を判定する作業者負担判定装置であって、前記作業者が前記同一作業を1回行う間に前記作業者の視床下部の温度が反映される鼓膜温度を複数回に渡り測定し、温度データを取得する鼓膜温度測定部と、前記鼓膜温度測定部から送信された前記温度データを用いて、前記同一作業の作業回数ごとに鼓膜温度変動係数CVを算出する演算制御部と、を有し、前記演算制御部は、前記同一作業の前記作業回数に伴う前記鼓膜温度変動係数CVの推移に対する相関係数r1を算出し、前記相関係数r1と予め設定した第1の閾値とを比較し、前記相関係数r1が前記第1の閾値以下の場合には、前記同一作業による前記作業者負担は小さいと判定する第1の判定を行い、前記相関係数r1が前記第1の閾値より大きい場合には、前記同一作業による前記作業者負担は大きいと判定する第2の判定を行うことを特徴とする。
本発明の作業者負担判定方法では、作業者が同一作業を繰り返し行う際に、作業者負担判定装置が、前記作業者の前記同一作業に対する作業者負担を判定する作業者負担判定方法であって、前記作業者負担判定装置の鼓膜温度測定部が、前記作業者が前記同一作業を1回行う間に前記作業者の視床下部の温度が反映される鼓膜温度を複数回に渡り測定し、前記作業者の温度データを取得するデータ取得ステップと、前記作業者負担判定装置の演算制御部が、前記同一作業の作業回数ごとに前記温度データから鼓膜温度変動係数CVを算出する第1の算出ステップと、前記作業者負担判定装置の前記演算制御部が、前記同一作業の前記作業回数に伴う前記鼓膜温度変動係数CVの推移に対する相関係数r1を算出する第2の算出ステップと、前記作業者負担判定装置の前記演算制御部が、前記鼓膜温度変動係数CV及び前記相関係数r1を用いて前記同一作業に対する前記作業者負担を判定する判定ステップと、を有し、前記判定ステップでは、前記相関係数r1と予め設定した第1の閾値とを比較し、前記相関係数r1が前記第1の閾値以下の場合には、前記同一作業による前記作業者負担は小さいと判定する第1の判定を行い、前記相関係数r1が前記第1の閾値より大きい場合には、前記同一作業による前記作業者負担は大きいと判定する第2の判定を行うことを特徴とする。
本発明の作業者負担判定装置は、作業者が同一作業を繰り返し行う作業負荷が掛かる労働環境において、視床下部温度が反映される鼓膜温度を複数回に渡り測定する鼓膜温度測定部と、上記鼓膜温度測定部から入力される温度データを用いて鼓膜温度変動係数CVを算出する演算制御部と、を有する。そして、演算制御部は、上記鼓膜温度変動係数CVを用いて、作業に対する作業者負担を判定する。この構造により、上記作業者負担が作業者負担判定装置を用いて可視化されることで、管理者は、作業者の個人能力を把握し、適材適所に作業者を配置し、作業者の労働環境の向上を図ると共に労働生産性が高められる。
本発明の作業者負担判定方法は、作業者が同一作業を繰り返し行う作業負荷が掛かる労働環境において、作業者の作業中に視床下部温度が反映される鼓膜温度の温度データを取得するデータ取得ステップと、温度データから鼓膜温度変動係数CVを算出する第1の算出ステップと、鼓膜温度変動係数CVから作業者負担を判定する判定ステップと、を有する。この作業者負担判定方法により、作業者の作業者負担が数値として可視化されることで、管理者は、作業者の個人能力を把握し、適材適所に作業者を配置し、作業者の労働環境の向上を図ると共に労働生産性が高められる。
本発明の一実施形態である作業者負担判定装置の構成を説明するブロック図である。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置の構成を説明する概略図である。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置の作業者負担判定方法に用いる要素技術を説明する概略図である。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置の作業者負担判定方法に用いる要素技術を説明する概略図である。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置の作業者負担判定方法に用いる要素技術を説明する概略図である。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置の保存データを説明する概略図である。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業の作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定装置を用い、作業トレーニングの実施による作業者負担判定方法を説明するグラフである。 本発明の一実施形態である作業者負担判定方法を用いた生産ラインへの適正な人員配置を説明するフローチャートである。
最初に、本発明の一実施形態に係る作業者負担判定装置10について図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図1A及び図1Bは、本実施形態の作業者負担判定装置10の構成を説明する概略図である。図2Aから図2Cは、本実施形態の作業者負担判定装置10の作業者負担判定方法に用いる要素技術を説明する概略図である。図3は、本実施形態の作業者負担判定装置10の測定データ及び算出データ等の保存データを説明する概略図である。
本実施形態の作業者負担判定装置10は、例えば、工場の生産ラインへの新人の作業者Pの適正配置による定着化や早期戦力化に向けて、職業準備性や作業難易度の影響から作業者Pに与える作業者負担を可視化する装置である。そして、企業では、作業者負担判定装置10を用いて、作業者Pを作業ラインに配置する前に個々の作業者Pの個人能力を把握することで、作業者Pの労働環境を向上させると共に生産ラインでの労働生産性の向上等を実現することを目的とする。
図1Aに示す如く、作業者負担判定装置10は、主に、作業者Pの鼓膜温度を測定する鼓膜温度測定部11と、作業者Pの1回の同一作業ごとに作業所要時間Tを測定する作業時間測定部12と、上記測定データを用いて作業者負担を判定する演算制御部13と、演算制御部13にて判定された判定結果を表示する表示部14と、を備える。尚、上記測定データは、通信網15(図1B参照)を介して各測定部11,12から演算制御部13へと送信される。通信網15は、工場等の作業現場に設置された無線LAN、構内PHSやLANケーブル等の有線を用いて構築され、種々のデータを送信するネットワークシステムである。
図1Bでは、作業者負担判定装置10を生産ラインにて構築した一例を示す。鼓膜温度測定部11として、作業者Pが作業中に自身の耳に装着可能な鼓膜温度測定器16が用いられる。作業時間測定部12として、作業台に設置されるタッチパネル17が用いられる。演算制御部13として、パーソナルコンピューター13A及びサーバー13Bが用いられる。そして、鼓膜温度測定器16及びタッチパネル17は、通信網15を介してパーソナルコンピューター13A及びサーバー13Bと送受信可能な状態に接続される。尚、演算制御部13は、パーソナルコンピューター13Aのみから構成され、上記測定データ等は、パーソナルコンピューター13Aのメモリ内に保存される場合でも良い。
鼓膜温度測定部11として、例えば、テクノネクスト株式会社製の製品番号BL100の鼓膜温度測定器16を使用する。鼓膜温度測定器16は、非接触赤外線センサを用いて、深部体温である鼓膜温度を測定する測定器である。そして、鼓膜温度測定部11は、通信網15を介して演算制御部13と接続し、各作業者Pから取得した測定データをリアルタイムに演算制御部13へと送信する。尚、上記測定データは、鼓膜温度測定部11の内部メモリに保存し、作業終了後に演算制御部13へとデータ移行する場合でも良い。
また、鼓膜温度測定部11では、作業者Pの1回の同一作業の開始から終了までの間の鼓膜温度を複数回測定する。そして、演算制御部13では、鼓膜温度の測定回数が多くなることで、後述する同一作業の作業回数に伴う鼓膜温度変動係数CVの推移に対する相関係数r1の算出精度が向上する。そのため、本実施形態では、実際に使用する鼓膜温度測定器16の充電バッテリーの容量や測定データの即時性等を考慮し、2秒に1回のデータ収集としたが、例えば、1回毎の測定時間の間隔を5秒以下にて任意の設計変更が可能である。
作業時間測定部12として、例えば、タイマ機能が設定されたタッチパネル17が用いられる。作業時間測定部12は、作業台の近傍に配置され、作業者Pが、1回の同一作業を開始する際に、タッチパネル17のスタートボタンをタッチすることで、作業所要時間Tの測定を開始する。同様に、作業者Pは、上記作業終了後に、タッチパネル17のストップボタンをタッチすることで、作業所要時間Tの測定を終了する。そして、作業時間測定部12は、各作業者Pの1回の同一作業毎に作業所要時間Tを測定し、その測定データを通信網15を介してリアルタイムに演算制御部13へと送信する。
尚、作業時間測定部12として、作業台の作業状況を撮影する画像処理装置が用いられる場合でも良い。この場合には、上記画像処理装置の画像データから作業者Pの1回の同一作業の開始時点と終了時点を認識し、その作業所要時間Tを算出した後、通信網15を介して作業所要時間Tの測定データを演算制御部13へと送信する。また、上記測定データは、作業時間測定部12の内部メモリに保存し、作業終了後に演算制御部13へと移行する場合でも良い。
演算制御部13は、CPU(CENTRAL PROCESSING UNIT)、ROM(READ ONLY MEMORY)、RAM(RANDOM ACCESS MEMORY)等を有して構成される。上述したように、演算制御部13としては、パーソナルコンピューター13AのCPU等が用いられる。そして、公知のエクセル機能の累乗近似式、線形近似式や変動係数計算式を用いて、繰り返される同一作業の作業回数に伴う鼓膜温度変動係数CVの推移に対する相関係数r1や同一作業の作業回数に伴う1回の作業所要時間Tの推移に対する相関係数r2等を算出する。尚、演算制御部13では、公知のエクセル機能の累乗近似式を用いる場合に限定するものではなく、近似式としては、鼓膜温度変動係数CVのCV値の推移が収束傾向にある場合に利用する公知の近似式である、例えば、対数近似式等を用いることも出来る。
演算制御部13は、算出した上記相関係数r1,r2等と予め設定された判定基準としての第1の閾値等とを比較することで、作業者Pの作業トレーニング等に対する作業者負担を判定し、可視化することが可能となる。
また、演算制御部13は、記憶部(図示せず)を有し、記憶部は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-only Memory)等の不揮発性メモリにて構成される。尚、上述したように、記憶部として、サーバー13Bを用いる場合でも良い。そして、演算制御部13は、上記測定データや算出した相関係数r1,r2、鼓膜温度変動係数CV、有意水準p1や予め設定した第1から第3の閾値等を記憶する。
モニタ18としては、例えば、ディスプレイ等が用いられる。モニタ18では、通信網15を介して演算制御部13にて算出された判定結果を表示し、作業者Pの作業習熟度等の作業者負担をリアルタイムに表示することも出来る。そして、作業者Pは、作業中に、上記判定結果を確認し、作業への集中力を高めることで、作業習熟度を向上させることが出来る。一方、作業者Pは、上記判定結果を確認し、自身のストレス状態を認識することで、作業の合間に意識して大きな深呼吸を行う等、ストレス等の解消に努めることも出来る。
図2Aでは、「西本文雄著 IE手法7つの道具4動作分析(作業分析)サーブリック分析とは?記号で動作を見える化編(https://seizo-bu.com/ie)」に記載の図面を引用し、その一部を加工して示す。
サーブリック分析とは、IE(作業研究)手法の動作研究に位置する分析手法の1つである。そして、サーブリック分析は、F.B.Gilbrethが考案した方法であり、あらゆる作業に共通する基本動作を18種類の動素(サーブリック)に分解して分析する。
第1分類とは、主として上肢で行い、作業に必要な動作を指し、具体的には、延ばす・つかむ・運ぶ・放す・位置を決める・使用する・組み立てる・分解する、の8動作である。そして、第2分類とは、感覚器官、頭脳で行い作業を遅らせる動作を指し、具体的には、探す・選ぶ・調べる・考える・用意する、の5動作である。尚、第3分類とは、作業に不要な動作を指し、見出す・つかみ続ける・避けられない遅れ・避けられる遅れ・休む、の5動作である。
本実施形態の作業者負担判定装置10では、受入れ教育の場合には、作業者Pの作業習熟度等を含む作業者負担を数値として判定するための一例として、以下の2種類の作業トレーニングを設定する。具体的には、作業トレーニングとして、主に上記第1分類の動作から構成されるビス締め作業トレーニングと、上記第1分類の動作よりも上記第2分類の動作の割合が大きくなるハーネス配線作業トレーニングと、を準備する。尚、作業トレーニングとしては、サーブリック分析の第1分類や第2分類の動作を組み合わせて、様々な難易度のものを準備することが出来る。
上記受入れ教育では、新機種立ち上げの際等の生産ラインへ作業者Pを工程配置する前に、作業者Pを工程配置する際の適用性の判断において、個々の作業者Pの職業準備性の程度を踏まえながら、各作業者Pの個人能力が第2分類に適応できるかを見極めることを目的とする。そして、同一作業の要素作業に第2分類が含まれ、その出現率が高い場合には、作業の難易度が高まり、作業者負担となる可能性があると共に、作業習熟度の阻害要因となり得るからである。
図2Bでは、すばるメンタルクリニック(http://ashiya-subaru.org/index.php)内に記載の図面を引用し、その一部を加工して示す。
「芝崎学(神戸大学大学院自然科学研究科博士論文)著 ヒトの深部体温の測定法に関する研究(1998)」の論文にも記載されているが、人間の深部体温を測定することで、その人間の様々な情報を取得出来ることが知られている。例えば、深部体温の指標の一つである鼓膜温度は、体温調整中枢である視床下部の温度を最も良く反映することが知られている。そして、鼓膜温度は、視床下部へ流れる内頚動脈血温から脳温を反映すると共に、その温度変化を測定することで、脳への負担状況を把握する指標となると考えられる。
図示したように、視床下部は、自律神経系の中枢であり、感情(不安・イライラ・緊張等)の中枢である大脳辺縁系とは距離的にも近く、感情と自律神経の作用が密接に関係していると考えられる。このため、大脳辺縁系の神経網に近い視床下部温度を測ることが、作業の習熟過程にある情動的興奮による身体的興奮状態を知る上で有効であると考えられる。そして、鼓膜は、鼓膜直下に流れる内頚動脈の温度変化を最も良く反映すると考え、本実施形態の作業者負担判定装置10では、視床下部温度を直接測定することは出来ないので、視床下部温度を最も正確に反映する鼓膜温度を測定し、作業者負担を判定するためのデータとして用いることとする。尚、本実施形態では、現状のデバイス技術では、直接視床下部温度を測定することは難しく、鼓膜温度を測定することで対応するが、この場合に限定するものではない。例えば、将来的に視床下部温度を直接測定することが可能となった場合には、そのデバイスにて対応することも出来る。
図2Cでは、「和田雅史著 ヘルスプロモーション第1版」に記載の図面を引用し、その一部を加工して示す。
図示したように、例えば、作業者Pにサーブリック分析の第2分類の難度の高い動作による負荷が加わることで、身体的興奮状態にある警告反応期には、脳温が激しく変化する。そして、鼓膜温度が、視床下部へ流れる内頚動脈を介して上記変化を反映すると考えられる。
上述したように、本実施形態の作業者負担判定装置10を用いた作業者負担判定方法の妥当性検証は、作業時の負荷が脳に与える影響として現れる視床下部の作用を上記予備調査で得られた鼓膜温度即時変化の知見に従いこの調査に適用し、作業の習熟過程における作業者負担の可視化と指標化を可能とする。
図3では、作業者負担判定装置10の演算制御部13でのデータの保存状況の一例を示す。図示したように、エクセル機能を利用し、第1シートには、複数回繰り返し行われる同一作業に対して、1回の同一作業毎に、作業開始時間、作業所要時間T、鼓膜温度変動係数CV、目標タイム等が、関連付けて記憶される。
また、鼓膜温度変動係数CVを算出するため、第2シートには、1回の同一作業毎に、作業開始時刻から、例えば、2秒に1回の割合で測定された鼓膜温度の測定データが記憶される。そして、演算制御部13では、1回の同一作業の終了後に、上記測定データを用いて、エクセルの機能により標準偏差及び平均値を算出し、1回の同一作業の鼓膜温度変動係数CVを算出し、第1シートに記憶する。尚、本実施形態の演算制御部13は、本発明の第1の算出手段に対応する。また、脳に作業負荷が加わると、作業者Pの鼓膜温度に微細な変動が生じるが、この微細な鼓膜温度の変動は、僅か数秒にて減衰してしまうので、鼓膜温度の測定間隔が5秒を超えて長くなると、脳への作業負荷による影響を検出し難くなる。そこで、本実施形態では、鼓膜温度測定部11による測定間隔は、5秒以下にて任意の設計変更が可能であり、より詳細に温度測定を行うことで、作業者負担判定装置10での判定精度が高められる。
次に、図4Aから図6を用いて、上記受入れ教育の現場において、作業者負担判定装置10によるビス締め作業トレーニングに関する作業者負担判定方法について説明する。図4A及び図4Bは、本実施形態の作業者負担判定装置10を用い、ビス締め作業トレーニングにおける作業者Pの鼓膜温度変化を説明するグラフである。図5は、本実施形態の作業者負担判定装置10を用い、ビス締め作業トレーニングに対する作業回数と鼓膜温度変動係数CV及び作業所要時間Tとの相関係数r1,r2を説明するグラフである。図6は、本実施形態の作業者負担判定装置10を用い、作業所要時間Tと鼓膜温度変動係数CVとの相関関係を説明するグラフである。
先ず、ビス締め作業トレーニングとしては、例えば、電子機器等の筐体をビス締めにより固定する作業である。そして、ビス締め作業トレーニングでは、作業者Pは、主に、表裏面側の筐体を合わせ、筐体に設けられたビス挿入孔に対してビスを挿入した後、電気ドライバ等の工具を用いて上記ビスを締め込む作業を行う。つまり、ビス締め作業トレーニングに含まれる動作は、主に、上述したサーブリック分析の第1分類に属する動作により構成される。
図4Aでは、ビス締め作業トレーニングの作業回数の初期段階における鼓膜温度の推移を示す。図示したように、約36.4度から36.8度の範囲内にて、鼓膜温度の細かい変位は見られるが、概ね大きな変移は見られず、安定した状態にて推移していることが確認された。尚、当該作業者Pでは、作業開始直後に、若干大きな鼓膜温度の温度変位が見られた。
図4Bでは、ビス締め作業トレーニングの作業回数の最終段階における鼓膜温度の推移を示す。図示したように、約36.5度から36.7度の範囲内にて、鼓膜温度の細かい変位は見られるが、概ね大きな変移は見られず、安定した状態にて推移していることが確認された。
図5では、ビス締め作業トレーニングに対する作業回数を横軸に設定し、鼓膜温度変動係数CV及び作業所要時間Tをそれぞれ縦軸に設定し、エクセル機能の累乗近似式を用いて作成したグラフを示す。尚、図5では、白丸印は、上記作業回数に応じた鼓膜温度変動係数CVを示し、黒丸印は、上記作業回数に応じた作業所要時間Tを示す。
図示したように、上記作業回数と鼓膜温度変動係数CVとの累乗近似式では、Y1=0.0016X1-0.214の相関関係により、相関係数r1として-0.6218が算出された。一方、上記作業回数と作業所要時間Tとの累乗近似式では、Y2=74.878X2-0.056の相関関係により、相関係数r2として-0.5925が算出された。尚、本実施形態の演算制御部13は、本発明の第2の算出手段に対応する。
ここで、本実施形態の作業者負担判定装置10では、下記一般的な相関関係の判定基準を参照し、上記相関係数r1,r2から作業者負担を判定するための第1の閾値として、-0.5と設定する。尚、第1の閾値の設定値としては、-0.5と設定する場合に限定するものではなく、作業トレーニングの難易度等、個々の作業内容を鑑みながら、任意に設定することができる。
一般的に相関関係を判定する際に、負の相関の場合には、以下の関係が知られている。
-1.0≦r≦-0.7:高い相関がある
-0.7≦r≦-0.5:かなり高い相関がある
-0.5≦r≦-0.4:中程度の相関がある
-0.4≦r≦-0.3:ある程度の相関がある
-0.3≦r≦-0.2:弱い相関がある
-0.2≦r≦-0.1:ほとんど相関がない
そこで、作業者負担判定装置10の演算制御部13では、r1≦-0.5の場合には、作業回数と鼓膜温度変動係数CVとの間に高い相関関係があると判定し、作業者負担は小さく、「作業者Pは対象の作業トレーニングに適合している」とする第1の判定を行う。一方、r1>-0.5の場合には、作業回数と鼓膜温度変動係数CVとの間に低い相関関係があると判定し、作業者負担は大きく、「作業者Pは対象の作業トレーニングに不適合である」とする第2の判定を行う。
同様に、作業者負担判定装置10の演算制御部13では、r2≦-0.5の場合には、作業回数と作業所要時間Tとの間に高い相関関係があると判定し、作業者Pの作業習熟度が高く、作業者負担は小さく、上記第1の判定を行う。一方、r2>-0.5の場合には、作業回数と作業所要時間Tとの間に弱い相関関係があると判定し、作業者Pの作業習熟度は低く、作業者負担は大きく、上記第2の判定を行う。
上述したように、図5に示す結果が得られた作業者Pの場合には、演算制御部13は、相関係数r1≦-0.5であり、且つ、相関係数r2≦-0.5であると判定することで、作業者Pは、ビス締め作業トレーニングに適合するという第1の判定を行う。
更には、演算制御部13では、作業者Pの判定結果の精度を高めるために、図5に示す作業回数と鼓膜温度変動係数CVと相関関係において、鼓膜温度変動係数CVのCV値が第2の閾値以下に収束するか、否かを判定する場合でも良い。
演算制御部13では、上記第2の閾値として、0.001を判定基準として設定する。上述したように、鼓膜温度測定部11として、テクノネクスト株式会社製の製品番号BL100の鼓膜温度測定器16を使用する。そして、上記鼓膜温度測定器16での鼓膜温度の測定バラツキ率は、メーカー仕様にて0.1%とされている。そのため、図5に示す鼓膜温度変動係数CVが、この0.1%に収まることで、作業者負担が緩和されたと考えることが出来るからである。
尚、作業者Pへの面談の結果、鼓膜温度変動係数CVのCV値が、作業回数に対して第2の閾値以下に収束した作業者Pからは、作業負荷としての作業トレーニングに対して作業者負担を感じない旨の感想が得られている。また、第2の閾値の設定値としては、0.001と設定する場合に限定するものではなく、使用する鼓膜温度測定器16での鼓膜温度の測定バラツキ率に応じて、任意に設定することができる。
上述したように、図5に示す結果が得られた作業者Pの場合には、演算制御部13は、鼓膜温度変動係数CVのCV値が、作業回数に対して第2の閾値である0.001以下に収束しているので、上述した相関係数r1,r2からの判定結果と同様に、作業者Pは、ビス締め作業トレーニングに適合するという第1の判定を行う。
更には、演算制御部13では、図6に示すように、作業所要時間Tと鼓膜温度変動係数CVとの相関関係から有意水準p1を算出し、作業者Pの判定結果の精度を高める場合でも良い。尚、本実施形態の演算制御部13は、本発明の第3の算出手段に対応する。
図6では、作業所要時間Tを横軸に設定し、鼓膜温度変動係数CVを縦軸に設定し、エクセル機能の線形近似式を用いて作成したグラフを示す。図示したように、作業所要時間Tと鼓膜温度変動係数CVとの線形近似式による相関関係では、有意水準p1として0.032689が算出された。
ここで、演算制御部13では、上記有意水準p1から作業者負担を判定するための第3の閾値として、0.05と設定する。尚、第3の閾値の設定値としては、0.05と設定する場合に限定するものではなく、作業トレーニングの難易度等、個々の作業内容を鑑みながら、任意に設定することができる。
上述したように、図5に示す結果が得られた作業者Pの場合には、演算制御部13は、p1≦0.05であると判定することで、上述した作業判定に用いた相関係数r1,r2,CV値は、有意な数値であると判定し、上記判定結果を維持する。
図4Aから図6を用いて上述したように、ビス締め作業トレーニングは、サーブリック分析の第1分類の動作により構成され、作業者P自身による思考は求められず、単純作業となるため、同一作業を繰り返す中でも鼓膜温度に大きな変位は見られなかったと考えられる。つまり、図2Cを用いて説明したように、ビス締め作業トレーニングは、作業者Pに対して作業負荷が小さく、警告反応期において脳がストレスを感じ難く、脳温の変位も小さい範囲内にて推移したものと考えられる。そして、ビス締め作業トレーニング等、サーブリック分析の第1分類により構成される作業は作業負荷が低く、新人の作業者P等に対しても適合し易い作業であると考えられる。
次に、図7Aから図9を用いて、上記受入れ教育の現場において、作業者負担判定装置10によるハーネス配線作業トレーニングに関する作業者負担判定方法について説明する。図7A及び図7Bは、本実施形態の作業者負担判定装置10を用い、ハーネス配線作業トレーニングにおける作業者Pの鼓膜温度変化を説明するグラフである。図8は、本実施形態の作業者負担判定装置10を用い、ハーネス配線作業トレーニングに対する作業回数と鼓膜温度変動係数CV及び作業所要時間Tとの相関関係を説明するグラフである。図9は、本実施形態の作業者負担判定装置10を用い、作業所要時間Tと鼓膜温度変動係数CVとの相関関係を説明するグラフである。
先ず、ハーネス配線作業トレーニングとしては、例えば、電子機器等の筐体内部の電子分品同士をハーネスにより電気的に接続する作業である。そして、ハーネス配線作業トレーニングでは、作業者Pは、主に、電子基板等が固定された裏面側の筐体及び配線するハーネスを用意し、ハーネスの接続箇所やハーネスを固定する箇所を探し、工具を用いてハーネスを上記電子基板や電子部品へと固定する作業を行う。つまり、ハーネス配線作業トレーニングに含まれる動作は、サーブリック分析の第1分類に第2分類が3割程度付随された一連の動作として構成される。その結果、ハーネス配線作業トレーニングは、上記ビス締め作業トレーニングよりも作業内容の難度が高まり、作業者Pへ掛かる作業負荷も高まる。
図7Aでは、ハーネス配線作業トレーニングの作業回数の初期段階における鼓膜温度の推移を示す。図示したように、約36.0度から36.8度の範囲内にて、概ね鼓膜温度が細かい変位にて推移するが、所々に鼓膜温度の大きな変移が見られる。以上より、サーブリック分析の第1分類に第2分類が付随された一連の動作では、脳に作業負荷が加わり、作業者Pの鼓膜温度が変位するが、上記一連の動作が躊躇なく行えた時には、作業者Pの鼓膜温度が、安定した状態にて推移していることが確認された。尚、上記一連の動作とは、例えば、ハーネスの配線時に、上記第2分類としての「ハーネスが筐体の爪部から外れないように注意しながら(調べながら)」、上記第1分類としての「ハーネスの位置を決める」、という動作が切り離されることなく一連に行われることを意味する。
図7Bでは、ハーネス配線作業トレーニングの作業回数の最終段階における鼓膜温度の推移を示す。図示したように、約36.4度から36.8度の範囲内にて、概ね鼓膜温度の細かい変位にて推移するが、丸印21とその枠印24にて示すように、作業トレーニングの終了に掛けて鼓膜温度の変移に違いが見られる。以上より、図7Aの見解と同様に、サーブリック分析の上記一連の動作時に、脳に作業負荷が加わっていると共に、作業トレーニングの終了に掛けて作業者Pに心理的負荷等の何らかのストレスが脳に加わっていることが確認された。
図8では、ハーネス配線作業トレーニングに対する作業回数を横軸に設定し、鼓膜温度変動係数CV及び作業所要時間Tをそれぞれ縦軸に設定し、エクセル機能の累乗近似式を用いて作成したグラフを示す。尚、図8では、白丸印は、上記作業回数に応じた鼓膜温度変動係数CVを示し、黒丸印は、上記作業回数に応じた作業所要時間Tを示す。
図示したように、上記作業回数と鼓膜温度変動係数CVとの累乗近似式では、Y1=0.002X1-0.243の相関関係により、相関係数r1として-0.3651が算出された。一方、上記作業回数と作業所要時間Tとの累乗近似式では、Y2=49.662X2-0.343の相関関係により、相関係数r2として-0.8284が算出された。
上述したように、図8に示す結果が得られた作業者Pの場合には、演算制御部13は、相関係数r1>-0.5であり、且つ、相関係数r2≦-0.5であると判定し、作業者Pは、ハーネス配線作業トレーニングに不適合であるという上記第2の判定を行う。
更には、演算制御部13では、作業者Pの判定結果の精度を高めるために、図8に示す作業回数と鼓膜温度変動係数CVとの相関関係において、鼓膜温度変動係数CVのCV値が、作業回数に対して第2の閾値以下に収束するか、否かを判定する場合でも良い。
上述したように、図8に示す結果が得られた作業者Pの場合には、演算制御部13は、鼓膜温度変動係数CVのCV値の大部分は第2の閾値である0.001以下に収束するが、丸印22,23にて示すように、CV値のいくつかが、第2の閾値に対して大幅に上昇し、作業者Pは、ハーネス配線作業トレーニングに不適合であるという第2の判定を行う。
更には、演算制御部13では、図9に示すように、作業所要時間Tと鼓膜温度変動係数CVとの相関関係から有意水準p1を算出し、作業者Pの判定結果の精度を高める場合でも良い。
図9に示すように、作業所要時間Tと鼓膜温度変動係数CVとの線形近似式による相関関係では、有意水準p1として0.11577が算出された。上述したように、図9に示す結果が得られた作業者Pの場合には、演算制御部13は、有意水準p1>0.05であると算出することで、上述した作業判定に用いた相関係数r1,r2,CV値は、有意な数値でないと判定する。その後、作業者Pの上司である管理者が、可視化された判定結果を見ながら、その原因追及のために作業者Pと面談を行うと共に、面談の結果、その原因追及が出来なかった場合には、再度、作業者Pにハーネス配線作業トレーニングを推奨する場合でも良い。一方、作業者Pとの間にて原因が判明し、作業者Pも納得した場合には、そのまま作業トレーニングを終了する場合でも良い。
図7Aから図9を用いて上述したように、ハーネス配線作業トレーニングは、サーブリック分析の第1分類に第2分類が3割程度付随された一連の動作として構成される。そして、上記一連の動作では、作業者P自身による思考が求められるため、同一作業を繰り返す中で、特に、作業に慣れていない作業回数の初期段階に鼓膜温度の大きな変位が見られたと考えられる。つまり、図2Cを用いて説明したように、ハーネス配線作業トレーニングは、作業負荷が大きく、警告反応期において脳がストレスを感じ易く、脳温の変位も大きく推移したものと考えられる。そして、ハーネス配線作業トレーニング等、サーブリック分析の上記一連の動作を多く含む作業では、作業者Pにより適合の可否が出現し易い。その結果、管理者は、作業者Pの工程配属に際し、可視化された判定結果を見ながら、作業者Pとの面談等によりその原因追及や対応策の検討を行うことが可能となる。
尚、図7Aから図9を用いて上述した作業者Pの場合には、作業トレーニング後の面談により、作業者Pは、復職後6か月経過した段階であり、6時間勤務を継続していた。そして、丸印21及び枠印24(図7B参照)にて示す作業トレーニングの測定の終盤段階は、上記6時間勤務を超えた段階での測定となっており、生活環境の変化が影響したものと考えらえる。作業者P本人からも、上記6時間勤務を超過した段階あたりから集中力の低下が感じられた旨の回答があった。つまり、作業者負担判定装置10により作業者負担が可視化されることで、管理者と作業者Pとの面談により、作業者Pの作業者負担である精神的な負担や肉体的な負担等を把握し易くなり、生産ラインへの適正な人員配置による労働環境の改善を行い易くなる。
次に、図10Aから図12を用いて、上記受入れ教育の現場において、作業者負担判定装置10によるハーネス配線作業トレーニングに関する作業者負担判定方法について説明する。図10A及び図10Bは、本実施形態の作業者負担判定装置10を用い、ハーネス配線作業トレーニングにおける作業者Pの鼓膜温度変化を説明するグラフである。図11は、本実施形態の作業者負担判定装置10を用い、ハーネス配線作業トレーニングに対する作業回数と鼓膜温度変動係数CV及び作業所要時間Tとの相関関係を説明するグラフである。図12は、本実施形態の作業者負担判定装置10を用い、作業所要時間Tと鼓膜温度変動係数CVとの相関関係を説明するグラフである。
ここで、図10Aから図12に示すグラフは、図7Aから図9を用いて説明した、同一の作業者Pが、本人の同意のもと、上記通常の勤務時間経過後に測定したデータに基づき作成されたグラフである。尚、図10Aから図12に示す上記作業トレーニングは、図7Aから図9に示す上記作業トレーニングと同一内容であり、データの測定方法やデータの算出方法も同一である。そして、図10Aから図12の説明に際し、図7Aから図9の説明を適宜参照する。尚、作業トレーニングは、図7Aから図9の作業トレーニング後、直ぐに実施された。
図10A及び図10Bに示す如く、作業者Pは、その作業回数により上記作業トレーニングに対して慣れが見込まれるはずであるが、ハーネス配線作業トレーニングの作業回数の初期段階及び最終段階においても、鼓膜温度の大きな変移が多発し、更にその変動幅が拡大している。また、作業トレーニングの開始後から作業トレーニングの終了に掛けて、全体的に鼓膜温度の上昇が見られるが、なだらかに上昇していることから、概日リズムによるものであると考えられる。尚、この上昇推移は、上記鼓膜温度の変移のような微細な変動とは異なるため、鼓膜温度変動係数CVのCV値を悪化させるようなものではないと考えられる。
図11に示す如く、上記作業回数と鼓膜温度変動係数CVとの累乗近似式では、Y1=0.0013X10.1101の相関関係により、相関係数r1として0.3127が算出された。一方、上記作業回数と作業所要時間Tとの累乗近似式では、Y2=37.563X2-0.167の相関関係により、相関係数r2として-0.8052が算出された。
上述したように、演算制御部13は、相関係数r1>-0.5であり、且つ、相関係数r2≦-0.5であると判定し、作業者Pは、ハーネス配線作業トレーニングに不適合であるという上記第2の判定を行う。
図12に示す如く、作業所要時間Tと鼓膜温度変動係数CVとの線形近似式による相関関係では、有意水準p1として0.293968が算出された。上述したように、演算制御部13は、有意水準p1>0.05であると算出することで、上述した作業判定に用いた相関係数r1,r2,CV値は、有意な数値でないと判定する。
上述したように、作業者Pの同意を得て上記作業トレーニングが実施されたが、特に、相関係数r1では、通常通りであれば負の相関関係が見込まれるところ、正の相関関係となると共に、第1の閾値に対して大幅に離間した結果が得られた。更には、鼓膜温度変動係数CVのCV値の大部分は第2の閾値である0.001以下に収束することなく、第1の閾値に対して大幅に上昇した結果が得られた。
その一方、相関係数r2では、-0.5以下の条件を満たすと共に、作業所要時間Tが回数を重ねる毎に短縮され、概ね目標タイムをクリアする結果が得られた。この判定結果からも、作業者負担は作業習熟時間とともに必ずしも低減しないと考えられるため、作業習熟時間のみで作業トレーニング効果を判定することは難しく、生産ラインの工程配置の適用に向けては職業準備性も考慮する必要があると考えられる。
尚、職業準備性とは、作業者P側に職業生活を始める(再開を含む)ために必要な条件が用意されている状態のことをいう。そして、今回の作業者Pの場合では、上記作業トレーニングに対して不適合であるというよりは、作業者Pの同意を得ていたが、作業者Pの希望する就業時間外での作業トレーニングの実施により、作業者Pの職業準備性が整わず、集中力の低下等が影響したものと考えらえる。
次に、図13を用いて、上記受入れ教育の現場において、作業者負担判定装置10による作業トレーニングに関する目標タイムを達成するまでの予想作業回数X1,X2を算出する方法について説明する。図13は、本実施形態の作業者負担判定装置10を用い、作業トレーニングに対する作業回数と鼓膜温度変動係数CV及び作業所要時間Tとの相関関係を説明するグラフである。尚、図13の作業トレーニングとしては、上記したビス締め作業トレーニングとハーネス配線作業トレーニングとは、別内容のものを使用する。
図13に示す如く、演算制御部13では、鼓膜温度変動係数CVによる相関関係を用いる場合には、鼓膜温度測定器16を使用するため目標鼓膜温度変動係数としてY1=0.001として、X1=(0.001/0.0043)(1/-0.274)より、X1=205回と算出される。尚、この作業者Pでは、Y1=0.0043X1-0.274の相関関係により、相関係数r1として-0.5714が算出された。
一方、演算制御部13では、作業所要時間Tによる相関関係を用いる場合には、目標タイムとしてY2=413秒として設定され、X2=(413/930.21)(1/-0.156)より、X2=182回と算出される。尚、この作業者Pでは、Y2=930.21X2-0.156の相関関係により、相関係数r2として-0.8979が算出された。
以上より、管理者は、作業者Pとの面談の際に、作業者負担判定装置10による第1の判定が成されたことで、この作業トレーニングに適合することを説明すると共に、作業予測回数として、182回から205回程度、同一作業を繰り返すことで、目標タイムをクリア出来る可能性があることを説明し、作業者Pのモチベーションを高めることも出来る。
次に、図14を用いて、上述した作業者負担判定方法を用いて、作業者Pの個人能力を見極めると共に、生産ラインへの適正な人員配置までの流れを説明する。尚、当該説明では、図1から図13を用いた説明を適宜参照し、繰り返しの説明は省略する。図14は、上述した作業者負担判定方法を用いた生産ラインへの適正な人員配置を説明するフローチャートである。
そこで、本実施形態では、管理者が、例えば、新機種立ち上げ用の生産ラインへの作業者Pの適正な人員配置を行うことを目的とし、管理者が、新機種立ち上げ用の各作業工程に沿った複数の作業トレーニングを予め設定し、作業者Pにそれらを課すことで、工程配置前に作業者Pの個人能力を把握することが出来る。
図14に示す如く、ステップS11において、管理者は、作業者Pに対して、予め設定した複数の作業トレーニングの内容を説明する。作業トレーニングの1例としては、図4Aから図12を用いて説明したビス締め作業トレーニングやハーネス配線作業トレーニングがある。
ステップS12において、作業者Pは、上記作業トレーニングを開始する。作業者Pは、設定された目標タイム内にて1回の同一作業が終了することを目指し、上記作業トレーニングを複数回に渡り繰り返し行う。
ステップS13において、作業者負担判定装置10の作業時間測定部12では、作業者Pの1回の同一作業毎に作業所要時間Tを測定し、その測定データを通信網15を介して演算制御部13へと送信する。そして、演算制御部13では、図3を用いて説明したように、作業回数毎に種々のデータと関連付けて作業所要時間Tの測定データを記憶する。
ステップS14において、作業者負担判定装置10の鼓膜温度測定部11では、作業者Pの1回の同一作業の開始から終了までの間の鼓膜温度を複数回に渡り測定する。そして、鼓膜温度測定部11は、測定したデータを通信網15を介して演算制御部13へと送信する。そして、演算制御部13では、図3を用いて説明したように、作業回数毎に鼓膜温度の測定データを記憶する。
ステップS15において、演算制御部13は、ステップS14にて記憶した上記測定データから作業回数毎に鼓膜温度変動係数CVを算出する。そして、演算制御部13は、1回の同一作業毎に、作業所要時間Tと鼓膜温度変動係数CVとを関連付けて記憶する。
ステップS16において、演算制御部13は、エクセル機能の累乗近似式を用いて、繰り返される同一作業の作業回数に伴う鼓膜温度変動係数CVの推移に対する相関係数r1及び同一作業の作業回数に伴う1回の作業時間の推移に対する相関係数r2等を算出する。
ステップS17において、演算制御部13は、ステップS16にて算出された相関係数r1,r2と第1の閾値とを対比し、作業者Pの作業習熟度等の作業者負担を判定する。上述したように、相関係数r1,r2の両値が、-0.5以下の場合には、「作業者Pは対象の作業トレーニングに適合している」とする第1の判定を行う。一方、相関係数r1,r2の少なくともどちらか一方が、-0.5より大きい場合には、「作業者Pは対象の作業トレーニングに不適合である」とする第2の判定を行う。
尚、ステップS17における演算制御部13では、上述したように、更に、有意水準p1を算出し、上記CV値や有意水準p1をそれぞれ第2の閾値や第3の閾値と対比することで、上記判定精度を高める場合でも良い。
ステップS17のYESにおいて、演算制御部13が、上記第1の判定をした場合には、ステップS18へと移行する。そして、ステップS18において、管理者は、可視化された上記第1の判定や累乗近似式のグラフ等を参照しながら、判定結果について作業者Pと面談を行う。
ステップS19において、管理者は、上記面談の際に、作業者Pに対して、新機種立ち上げの生産ラインの1工程への配置を説明すると共に、その作業者Pの感覚としてもその作業に適している等の確認を行った後、その作業者Pが配置される工程を決定する。
一方、ステップS17のNOにおいて、演算制御部13が、上記第2の判定をした場合には、ステップS20へと移行する。そして、ステップS20において、管理者は、可視化された上記第2の判定や累乗近似式のグラフ等を参照しながら、判定結果について作業者Pと面談を行う。
ステップS20において、管理者は、上記面談の際に、作業者Pと一緒に第2の判定が成された原因追及を行うと共に、その原因の改善案について話し合う。例えば、図7Aから図12を用いて説明したように、作業者Pが作業内容に対しては適合しているが、生活環境の相違から第2の判定が成されたという結論になった場合には、就業時間の改善等により対応が可能となることを両者にて確認できる。
ステップS20のYESにおいて、管理者と作業者Pとの間にて、作業トレーニングの内容に対して改善案が確認できた場合には、ステップS19へと移行する。そして、ステップS19において、管理者は、作業者Pに対して、新機種立ち上げの生産ラインの1工程への配置を説明すると共に、その作業者Pの感覚としてもその作業に適している等の確認を行った後、その作業者Pが配置される工程を決定する。
一方、ステップS20のNOにおいて、管理者は、上記面談の際に、作業者Pと一緒に第2の判定が成された原因追及を行うと共に、その原因の改善案について話し合う。例えば、作業所要時間Tが、作業トレーニングの最終段階においても上記目標タイムに対して達成出来ない回数が散見し、あるいは、相関係数r1が-0.5より大きく、且つ、-0.5から大きく離れた数値となる等、そもそも作業者Pの個人能力が作業トレーニングの内容に適合しない場合がある。
この場合には、管理者は、作業者Pとの間に改善案を見出すことは難しく、ステップS11へと移行する。そして、ステップS11において、管理者は、その作業者Pに対して、別の作業トレーニングの内容を説明すると共に、作業者Pの適合する作業の発見に努める。その後、管理者と作業者Pは、演算制御部13にて、作業者Pに対して第1の判定が成されるか、あるいは、第2の判定の場合でも改善案を見出すまで、作業トレーニングの内容を変更しながら、個人能力の把握を行う。
図14では、工程配置前に作業者Pに対して作業トレーニングを課し、その作業者Pの個人能力を把握し、工程配置を行う場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、新機種立ち上げの生産ラインへの工程配置後においても、実際の工程作業を用いて、作業者負担判定装置10による作業者負担の判定を定期的あるいは不定期に行っても良い。作業者Pの工程作業への慣れやその後の生活環境の変化等により、作業者Pが、現在の作業内容に対して負担を感じている場合もあり、その場合には、作業者Pの担当工程を配置転換することで作業環境の改善等を図ることも出来る。
尚、上述した本実施形態では、作業者Pが同一作業を繰り返し行う際に、作業者Pの作業回数に対する鼓膜温度変動係数CVの変位に対する相関係数r1及び作業者Pの作業回数に対する作業所要時間Tの変位に対する相関係数r2を用いて、作業者負担を判定する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。
本実施形態では、同一作業として、工場の生産ラインにて、例えば、ビス締め作業やハーネスの配線作業等を業務時間内にて繰り返し行う場合について説明したが、この場合に限定されるものではない。同一作業として、例えば、配送トラック、タクシー、バス、電車等にて、車両の運転手が、物品配送や乗員配送を繰り返し行う行動を含み、この場合には、作業者Pとして上記運転手も対象となる。また、同一作業として、例えば、学習塾やオンライン授業等にて、子供等の学習者が、算数の計算や国語の読解等、授業時間の間、思考作業を行う行動を含み、この場合には、作業者Pとして上記学習者も対象となる。
この場合において、本実施形態の作業回数としては、例えば、総運転時間や総学習時間を5分単位に区切ることで対応する。その作業回数毎に少なくとも鼓膜温度変動係数CVを測定し、累乗近似式を用いて相関係数r1を算出する。そして、相関係数r1と第1の閾値とを対比することで、作業者負担を判定することが出来る。作業者Pが運転手の場合には、作業者負担として運転時のストレス状態を判定する。例えば、カーブが連続する山道や高速道路等、運転手の緊張が高まる状態では鼓膜温度が上昇する傾向にあり、作業者負担判定装置10が、相関係数r1の悪化を検出し、運転手に対してリアルタイムにフィードバックを行うことで、安全運転の徹底を図ることが出来る。また、作業者Pが運転手や学習者の場合には、例えば、眠気に襲われている状態では鼓膜温度が下降する傾向にあり、作業者負担判定装置10が、相関係数r1の悪化を検出し、運転手や学習者にリアルタイムにフィードバックを行うことで、居眠り運転の防止や学習時の注意力散漫の防止を図ることが出来る。
その他、本実施形態の作業者負担判定装置10では、上述した作業トレーニング時、車両の運転時、学習時のように、作業者Pの上肢に負荷が掛かる作業において、一定間隔での作業回数の経過に伴い、それらの環境改善を加えることで、作業者Pの負担の軽減が期待される場合には、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の設計変更が可能である。
10 作業者負担判定装置
11 鼓膜温度測定部
12 作業時間測定部
13 演算制御部
13A パーソナルコンピューター
13B サーバー
14 表示部
15 通信網
16 鼓膜温度測定器
17 タッチパネル
18 モニタ
P 作業者
CV 鼓膜温度変動係数
T 作業所要時間
r1,r2 相関係数
p1 有意水準

Claims (8)

  1. 作業者が同一作業を繰り返し行う際に、前記作業者の前記同一作業に対する作業者負担を判定する作業者負担判定装置であって、
    前記作業者が前記同一作業を1回行う間に前記作業者の視床下部の温度が反映される鼓膜温度を複数回に渡り測定し、温度データを取得する鼓膜温度測定部と、
    前記鼓膜温度測定部から送信された前記温度データを用いて、前記同一作業の作業回数ごとに鼓膜温度変動係数CVを算出する演算制御部と、を有し、
    前記演算制御部は、
    前記同一作業の前記作業回数に伴う前記鼓膜温度変動係数CVの推移に対する相関係数r1を算出し、
    前記相関係数r1と予め設定した第1の閾値とを比較し、前記相関係数r1が前記第1の閾値以下の場合には、前記同一作業による前記作業者負担は小さいと判定する第1の判定を行い、前記相関係数r1が前記第1の閾値より大きい場合には、前記同一作業による前記作業者負担は大きいと判定する第2の判定を行うことを特徴とする作業者負担判定装置。
  2. 前記作業者が前記同一作業を1回行う間の1回の作業所要時間Tを測定し、作業所要時間データを取得する作業時間測定部と、を更に有し、
    前記演算制御部は、
    前記同一作業の前記作業回数に伴う前記1回の作業所要時間Tの推移に対する相関係数r2を算出し、
    前記相関係数r2と前記第1の閾値とを比較し、前記相関係数r1及び前記相関係数r2が前記第1の閾値以下の場合には、前記第1の判定を行い、少なくとも前記相関係数r1と前記相関係数r2とのどちらか一方が前記第1の閾値より大きい場合には、前記第2の判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の作業者負担判定装置。
  3. 前記演算制御部は、
    前記鼓膜温度変動係数CVのCV値が、前記作業回数に対して予め設定した第2の閾値以下に収束しない場合には、前記第1の判定に関わらず、前記第2の判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の作業者負担判定装置。
  4. 前記演算制御部は、
    前記同一作業の前記作業回数に対して、前記作業所要時間Tに伴う前記鼓膜温度変動係数CVの推移に対する有意水準p1を算出し、
    前記有意水準p1が、予め設定した第3の閾値より大きい場合には、前記第1の判定に関わらず、前記第2の判定を行うことを特徴とする請求項3に記載の作業者負担判定装置。
  5. 作業者が同一作業を繰り返し行う際に、作業者負担判定装置が、前記作業者の前記同一作業に対する作業者負担を判定する作業者負担判定方法であって、
    前記作業者負担判定装置の鼓膜温度測定部が、前記作業者が前記同一作業を1回行う間に前記作業者の視床下部の温度が反映される鼓膜温度を複数回に渡り測定し、前記作業者の温度データを取得するデータ取得ステップと、
    前記作業者負担判定装置の演算制御部が、前記同一作業の作業回数ごとに前記温度データから鼓膜温度変動係数CVを算出する第1の算出ステップと、
    前記作業者負担判定装置の前記演算制御部が、前記同一作業の前記作業回数に伴う前記鼓膜温度変動係数CVの推移に対する相関係数r1を算出する第2の算出ステップと、
    前記作業者負担判定装置の前記演算制御部が、前記鼓膜温度変動係数CV及び前記相関係数r1を用いて前記同一作業に対する前記作業者負担を判定する判定ステップと、を有し、
    前記判定ステップでは、前記相関係数r1と予め設定した第1の閾値とを比較し、前記相関係数r1が前記第1の閾値以下の場合には、前記同一作業による前記作業者負担は小さいと判定する第1の判定を行い、前記相関係数r1が前記第1の閾値より大きい場合には、前記同一作業による前記作業者負担は大きいと判定する第2の判定を行うことを特徴とする作業者負担判定方法。
  6. 前記データ取得ステップでは、前記温度データに加えて、前記作業者負担判定装置の作業時間測定部が、前記作業者が前記同一作業を1回行う間の1回の作業所要時間Tを測定し、作業所要時間データを取得し、
    前記第2の算出ステップでは、前記同一作業の前記作業回数に伴う前記1回の作業所要時間Tの推移に対する相関係数r2を算出し、
    前記判定ステップでは、前記相関係数r1及び前記相関係数r2と前記第1の閾値とを比較し、前記相関係数r1及び前記相関係数r2が前記第1の閾値以下の場合には、前記第1の判定を行い、少なくとも前記相関係数r1と前記相関係数r2とのどちらか一方が前記第1の閾値より大きい場合には、前記第2の判定を行うことを特徴とする請求項5に記載の作業者負担判定方法。
  7. 前記作業者負担判定装置の前記演算制御部が、前記相関係数r1による前記第1の判定を補完する補完判定ステップを有し、
    前記補完判定ステップでは、前記鼓膜温度変動係数CVのCV値が、前記作業回数に対して予め設定した第2の閾値以下に収束しない場合には、前記第1の判定に関わらず、前記第2の判定を行うことを特徴とする請求項6に記載の作業者負担判定方法。
  8. 前記作業者負担判定装置の前記演算制御部が、前記同一作業の前記作業回数に対して、前記作業所要時間Tに伴う前記鼓膜温度変動係数CVの推移に対する有意水準p1を算出する第3の算出ステップと、を有し、
    前記補完判定ステップでは、前記有意水準p1が、予め設定した第3の閾値より大きい場合には、前記第1の判定に関わらず、前記第2の判定を行うことを特徴とする請求項7に記載の作業者負担判定方法。
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