JP2019028732A - 音声等から気分を解析して動作を制御する装置 - Google Patents
音声等から気分を解析して動作を制御する装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 操作者の気分、特に、即時気分を客観的且つ正確に解析して特定するとともに、特定された即時気分に基づいて操作装置を制御する。【解決手段】 操作者による操作装置に対する操作を検出する操作検出部と、前記操作者の少なくとも1つの生体情報を含む信号を入力する生体情報入力部と、前記信号に基づいて少なくとも1つの特性値を算出する第1プロセッサーと、前記少なくとも1つの特性値に基づいて少なくとも1つの感情因子を算出する第2プロセッサーを有し、前記少なくとも1つの感情因子を既定の決定手段の少なくとも1つのエントリーと比較することにより前記即時気分を特定する気分特定部と、即時気分に基づいて、制御信号を前記操作装置に送信する制御信号送信部を有することを特徴とする動作制御装置とした。【選択図】 図1
Description
本開示は、動作制御装置に関し、特に、音声等から気分を解析した結果に応じて航空機や自動車等の操作装置の動作を制御する動作制御装置に関する。
人間の感情状態は、一日を通して様々に変化する。これらの感情状態は、本来的に不安定であり、突発的な刺激より変化し得る。感情状態は、言葉や他者の行動などの聴覚、視覚的、または物理的刺激を含む即時の状況に応答して短時間で発生したり、消散したりする。言葉や他者の行動などは本来的に瞬時的であり、感情の主体である人間の近くで生じることもあり、遠隔地での出来事を知ることに起因する場合もある。
これに対し、気分は、例えば、少なくとも1日とか2日というように、より長期間に渡って継続し、感情ほど激しくはなく、単一の刺激や原因を示さない。気分は、ある期間に渡る感情状態の累積的な変化に関連する場合があり、容易には変化せず、ある程度の忍耐をもっても自発的に変えることは難しい。感情状態は、様々な感情の影響を受ける気分よりも急激であり、変化し易く、人間は、現在感じているいくつかの特定の感情状態を特定できる場合がある。気分は、より一般的な概念で理解され得る。人々は、現在の気分を尋ねられると、良い気分とか、悪い気分などの曖昧な言葉で答える。
感情状態は、気分と同時に体験し得るが、気分よりも直接的で分かり易い。悪い気分の影響下での突然の幸福感や楽しさ、或いは、良い気分での悲しみや怒りなどがその例である。気分は、感情状態に影響を与え、それにより感情状態は気分に近づく。感情状態の直接性や強さから、気分よりも支配的とも見えるが、感情は、気分の影響を受け易い面もあり、人間は、特定の状況についての理解を歪ませてまで、自身の状況を特定の態様に解釈してしまう場合がある。例えば、悪い気分のときは、肯定的な経験や感情も悪い気分に照らして解釈してしまい易い。
人が現時点で経験している気分を明確に知ることがその人にとって有利なことであり得る。そのような気分は、現在の感情状態を解析することで特定される「即時気分」である場合があり、或いは、現在の感情状態を現在から一定期間に渡る即時気分と重み付けすることで見出される「非即時気分」である場合がある。即時気分は、3つ以上の感情状態を重み付け及び/又は組み合わせることで、人間が現在経験している明確な感情状態から特定され得る。特定される即時気分は、上記非即時気分より短時間での変化性を示すが、即時気分は、単純な感情状態のレベルを参照するよりも、対象者にとって有益であり得る。
気分、即時気分及び非即時気分の類似点と相違点(特に相違点)を理解するには、時間と経験が必要であり得る。そのような理解は、個人化された感情状態や気分を特定する方法及びシステムに対する社会的受容に影響し得る。人間が感じている怒りやフラストレーションは、すぐ近くの他者によるのではなく、むしろ、その人間が過去に感じていた非即時気分により生じることを学ぶことは有益であり得る。それにより、人間は、すぐ近くの人達が特定の感情的飯能の原因でないことを受け入れることができ得る。或いは、一連の良くない即時気分は、ユーザ又はユーザの世話をする人が明示的に知ることで、癒され得る。
従来、感情状態を特定するため測定技術が存在する。米国特許第7,340,393号は、例えば、音声入力から検出される強度、テンポ、および強度特性を用いて対象者感情を検出する方法を開示する。強度変化のパターンは、特徴のそれぞれについて計算され、次に、既定の値と比較することで怒り、悲しみ、喜びを含む感情状態を特定する。既定の値は、複数の対象者の測定データから得られた平均値または他の計算された値であってもよく、データベースに格納され得る。
しかし、米国特許第7,340,393号は、対象者の個人化された即時気分又は非即時気分を特定するために感情状態を使用することは開示していない。更に、音声データから計算された値と既定の値の比較が行われており、これは、平均的な対象者には最適化されているが、幅のある個人化された対象者には最適化されていない。
対象体からの少なくとも1種の生体情報を用いて計算された値に基づいて、必要に応じて、対象者のために最終的な気分状態を決定し及び/又は個人化された即時気分を特定するために計算された値を対象者に対するインタラクティブな学習プロセスを介して微調整し比較することで、対象者の即時気分を特定することができる個人化された気分特定方法およびシステムを提供することが有利であり得る。即時又は非即時の気分は、感情状態の重み付けされた組み合わせから、更には、感情状態から見出される現在の状態を過去の数時間又は数日などの所定の期間に渡る対象者の記録された情報に対して重み付けることにより、特定され得る。感情状態及びこのように特定された気分は、多人数の被験者から得られる平均値を用いた同様の計算よりも、対象者にとってより有益であり得る。
航空機や自動車等の操作装置は、一定以上の資格・技能・経験等の条件を備えた操作者が正常な精神状態で操作することを前提として安全設計がなされており、操作者が正常でない気分(例えば、極度に沈鬱な気分や極度に高揚した気分)のもとで操作をした場合には、安全を確保できない可能性がある。しかし、上記のとおり、人の気分、特に、即時気分は、周囲からの刺激や体調等により比較的短時間のうちに変化する。そして、本人であれ、第三者であれ、操作者の気分を客観的且つ正確に特定することは容易ではない。そのため、操作者の気分、特に、即時気分を客観的且つ正確に解析して特定するとともに、特定された気分に基づいて操作装置を制御することが望まれる。
本願には、下記発明が開示される。
<構成1>
操作者による操作装置に対する操作を検出する操作検出部と、
前記操作者の少なくとも1つの生体情報を含む信号を入力する生体情報入力部と、
前記信号に基づいて少なくとも1つの特性値を算出する第1プロセッサーと、
前記少なくとも1つの特性値に基づいて少なくとも1つの感情因子を算出する第2プロセッサーを有し、前記少なくとも1つの感情因子を既定の決定手段の少なくとも1つのエントリーと比較することにより前記即時気分を特定する気分特定部と、
即時気分に基づいて、制御信号を前記操作装置に送信する制御信号送信部を有することを特徴とする動作制御装置。
<構成2>
前記制御信号は、前記操作装置の始動を禁止する信号であることを特徴とする構成1に記載の動作制御装置。
<構成3>
前記操作装置は、自動車又は航空機であることを特徴とする構成1又は2に記載の動作制御装置。
<構成4>
前記生体情報は、前記操作者が発話した音声の情報を含むことを特徴とする構成1〜3のいずれかに記載の動作制御装置。
<構成1>
操作者による操作装置に対する操作を検出する操作検出部と、
前記操作者の少なくとも1つの生体情報を含む信号を入力する生体情報入力部と、
前記信号に基づいて少なくとも1つの特性値を算出する第1プロセッサーと、
前記少なくとも1つの特性値に基づいて少なくとも1つの感情因子を算出する第2プロセッサーを有し、前記少なくとも1つの感情因子を既定の決定手段の少なくとも1つのエントリーと比較することにより前記即時気分を特定する気分特定部と、
即時気分に基づいて、制御信号を前記操作装置に送信する制御信号送信部を有することを特徴とする動作制御装置。
<構成2>
前記制御信号は、前記操作装置の始動を禁止する信号であることを特徴とする構成1に記載の動作制御装置。
<構成3>
前記操作装置は、自動車又は航空機であることを特徴とする構成1又は2に記載の動作制御装置。
<構成4>
前記生体情報は、前記操作者が発話した音声の情報を含むことを特徴とする構成1〜3のいずれかに記載の動作制御装置。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
人は、自分の現在の感情状態に関する情報、即時気分、または非即時気分を受けることを希望し得る。或いは、医師や介護者、顧客サービス労働者、または救急サービス従事者などの第三者が、対象者の現在の感情状態又は気分に関する情報を受けることを希望し得る。情報が提供されるときの対象者の1つ以上の物理的特性を用いて対象者又は第三者に情報を提供することが有益であり得る。1つ以上の物理的特性は、対象者からの生物学的情報を含み得る。
本明細書での「感情因子(emotion factor)」は、ルックアップテーブル、データベース、決定木などを参照することで通常の人間の感情に関連付けられ得る数値を意味する。気分因子は、一般的には、試験対象者からの生物学的情報から見出され得る。
本明細書での「感情状態(emotion state)」、少なくとも1の人間の感情を意味する。感情状態は、視覚的、聴覚的、文字的又は臭いで、言葉、文字で記述され得る。
本明細書での「非即時気分(non-instant mode)」は、精神科学などの分野で一般的に使用される「気分」と等価である。定量語である「非即時」は、「即時気分」との区別のために選択したものである。非即時気分、即時気分と比較すると、1日とか2日などのより長期に渡って、慣性又は安定性を有する。
本明細書での「即時気分(instant mode)」は、一の即時又は短時間(一般には数秒以下)だけ現れる感情因子から決定される気分状態を意味する。即時気分は、性質上、非即時気分よりも変化し易い。
即時気分及び非即時気分の用語は、本明細書を通しての使用のために定義されるが、一般論では、気分の語は定量語無しでも使われる。そのような用法は、一般には、非即時気分を意味すると理解されるべきである。
図1は、本発明の1実施形態の動作制御装置10を示す。動作制御装置10は、操作検出部11、生体情報入力部12、気分特定部13、制御信号送信部14を有する。
操作検出部11は、操作対象の装置(例えば、自動車や飛行機)である操作装置20に対する操作者(例えば、ドライバー、パイロット等)による所定の操作を検出する。好ましい実施形態では、操作検出部11は、操作装置20に対する始動操作(自動車のイグニッションキーの操作等)を検出する。
生体情報入力部12は、操作者からの生体情報を取得する。生体情報入力部12は、例えば、マイクロフォン等の音声入力装置やCCD等の画像入力装置等を有し得る。
気分特定部13は、操作検出部11が所定の操作を検出したときに動作し、生体情報入力部12から入力される信号に基づいて、即時気分を特定する役割を果たす。気分特定部13は、第1のプロセッサー及び第2のプロセッサーを有する。第1のプロセッサー及び第2のプロセッサーは、単一のコンピュータで構成してもよく、異なる2台のコンピュータで構成してもよい。第1のプロセッサー及び第2のプロセッサーは、同一の場所に配置してもよく、遠隔地に配置してもよい。気分特定部13は、更に、記憶装置や外部CPUと通信するための通信手段等を有し得る。気分特定部13が実行する処理については、さらに後述する。
制御信号送信部14は、気分特定部13が特定した即時気分に基づき、操作装置20に対して所定の制御信号を送信する。好ましい実施形態では、気分特定部13が特定した即時気分が特定の条件を満たすとき(例えば、極度に沈鬱な気分や極度に高揚した気分である場合)、操作装置20の始動を禁止する制御信号が制御信号送信部14から操作装置20に送信される。これにより、操作者の即時気分が正常でないと判断されるときに、操作装置20の動作を制約することができる。
動作制御装置10は、携帯電話やスマートフォン、タブレットその他の電子機器で構成し得る。
図2は、動作制御装置10により実行される例示的な処理を示す。
ステップ100では、操作検出部11が操作装置20に対する所定の操作を検出する。続くステップ110では、生体情報入力部12が操作者の生体情報を取得する。ステップ120で、第1のプロセッサーは、ステップ110の生体情報を用いて特性値を算出する。計算される特性値は、信号が入出力結合領域呂臆されたときの信号の特定の性質に応じて相違し得る。生体情報それ自体は、操作者が感じる感情及び/又は気分のタイプに応じて時間的に変化する傾向がある。
ステップ130で、第2のプロセッサーが特性値から気分因子を算出する。第2のプロセッサーは、第1のプロセッサーから任意距離だけ離間していてよい。例えば、第2のプロセッサーは、操作装置20から離間した施設等に配置され得る。第2のプロセッサーは、例えば、クラウドコンピューティング環境に配置される。第1及び第2のプロセッサーは、同一の場所に配置されていてもよい。
ステップ140で、感情因子が決定手段内のエントリーと比較されて即時気分が特定される。この決定手段は、決定木や特定の感情因子を即時気分に関連付ける複数のエントリーを有するデータベースを有し得る。提供された感情因子から即時気分を特定できる限り、決定手段は、ステップ140で、追加の計算や調整プロセスを実行してもよい。
その後、ステップ150で、特定された即時気分が特定の条件を満たすかどうかが判断され、当該条件を満たしていれば、制御信号送信部14が操作装置20に対して所定の制御信号を送信する。好ましい実施形態では、制御信号送信部14は、操作装置20の始動を禁止する制御信号を発生させる。これにより、極度な高揚状態又は沈鬱状態にある操作者により操作装置20が操作されることを防止できる。
ステップ150では、ステップ140で特定した即時気分を操作者に告知してもよい。告知は、テキスト、音声、視覚、臭覚、感覚出力等の任意の方法で行い得る。音声の大きさ・画像の明るさ・振動刺激の強さなど、出力強度によって告知してもよい。即時気分は、良い気分から悪い気分まで連続的な範囲を有し得るので、どの程度・レベルの気分かが判るように告知するのがよい。テキスト又は音声出力の場合は、数値で即時気分を告知してもよい。すごく良い・良い・普通・悪い・すごく悪いなど、より概念的・一般的なレベルで告知してもよい。ステップ150では、操作に関する警告やアドバイス(例えば、「現在の気分は、平常ではありませんので、運転は控えて下さい。」、「現在の気分は、平常ではありませんので、十分注意して運転して下さい。」等)を操作者に告知してもよい。ステップ150では、制御信号を送信せずに、このような警告やアドバイスの告知のみを行ってもよい。
図3は、ステップ140で使用される決定手段の比限定的な例の決定木を部分的に示す。決定木は、感情因子とそれが示す明確な人の感情を検査して即時気分を決定するために使用され得る。即時気分への悲しさの寄与を調査するときには、悲しみを示す気分因子の数値がTh1,Th2,Th3,Th4,Th5などの閾値と比較される。即時気分への悲しさの寄与は、その数値が個々の閾値より大きい、小さい、又は、同じかどうかに依存し得る。正確に即時気分を特定するために、決定木の頂点からの手順は、怒り及び/又は幸福感との比較を必要とし得る。決定木の最後のノードに到達してHigh A1,S2、Mid A2,S2などの結果を生じると、その特定値は、どの程度気分が良い(高揚している)とか悪い(沈鬱である)とかを示す値に変換される。
閾値Th1,Th2,Th3,Th4,Th5は、多くの対象者を試験することで得られるデータを平均化して事前に選択され得る。閾値は、即時気分を特定する本方法を使用する特定の対象者にとっての最適値でない場合もあるが、クエリ(質問)のステップを追加すれば、対象者が本方法を繰り返すことで閾値を調整できる。或いは、対象者に、特定の感情反応を引き起こすことを意図したなんらかの刺激を経験させ、その後のその対象者からの生体情報を閾値の調整に使用し得る。
図4は、即時気分の特定方法の他の実施形態のフローチャートを示す。図2のステップに加え、ステップ125において、ステップ120で算出した特性値が第2のプロセッサーに提供される。図4の方法は、第1及び第2のプロセッサーが異なる場所に配置されている場合に使用できる。提供の方法は任意であり、例えば、LAN、インターネット、移動体通信などの接続を介して提供し得る。接続は、優先接続でもよく、WiFiなどの無線接続でもよい。
図5は、即時気分の特定方法の他の実施形態であり、クエリとフィードバックを含む。この場合、図2の決定木は、ステップ130で見出された感情因子について適切な即時気分を特定するのに使用される計算ルール、比較ルール、関連値、その他の手段を最初から含み得る。このルールや値等は、多くの対象者について十分な研究を通して得た結果を含み得る。この結果は、平均に近くなる。これらは、ある対象者について即時気分を決定するのに実用的な開始点と考えられ得るが、特定の対象者(操作者)により適合した結果なるように、決定手段を調整する方法を有することが望ましい。
決定手段を調整する1つの方法は、対象者に即時気分を提供した後に対象者からフィードバック情報を収集することである。図5は、ステップ200で、情報収集を行うことを示す。ステップ150で対象者に即時気分を提供した後、対象者は、ステップ170で提供された即時気分が正しいかどうか質問される。対象者は、提供された即時気分が正しいと感じるかどうか考えて、ステップ180でフィードバックを提供する。対象者は、即時気分がどの程度正確かを決定することはできないかもしれないが、即時気分が概ね正しいとか、対象者が感じる実際の気分と比較して良いとか悪いとかを答えることはできるであろう。その後、ステップ190で、フィードバックバックを用いて調整が行われて決定手段の調節が行われ、これにより、決定手段を個々の対象者に個別化することができる。
ステップ170のクエリは、一定間隔で実行しても、ランダムな間隔で実行してもよい。クエリの実行を対象者の意思で有効化/無効化できるようにするとよい。朝食の前や後など、対象者の精神状態が定常的であると考えられる特定の時間帯に数日に渡ってクエリを実行するのが望ましい。特別にポジティブ又はネガティブな経験は、良い又は悪い即時気分の境界決定に役立ち得るため、そのような経験の後でクエリを実行するのが望ましい。
図1を参照すると、操作者は、動作制御装置10に生体情報を含む信号30を提供し得る。生体情報は、音声情報31を含む情報を含み得る。生体情報は、温度センサ等を用いて収集した対象者の体温などの温度情報や、画像入力装置で収集した対象者の表情などの画像情報を含み得る。
ステップ120での特性値の計算には、固定量の生体情報(例えば、5秒間など、特定の時間の間に収集した生体情報)を使用し得る。或いは、生体情報が音声情報の場合、一定時間内での特定レベルを越える大きさの一区切りの発話を使用し得る。例えば、一区切りの発話は、文章の最初の数語や、フレーズ、感嘆語であり得る。音声情報の場合、信号30から強さや調子、抑揚などを測定でき、ステップ120での特性値計算に包含され得る。
例えば、操作者の発汗レベルに対応する即時湿気などの他の生体情報も採用することができ、操作者の体の1個所以上に配置したセンサを介して入力され得る。心拍、呼吸数、体温、体表温度、血圧や他の物理的特性も、所望の特性を測定することができる1つ以上のセンサを用いて生体情報を含む信号30を得るために使用し得る。複数種類の生体情報が特性値計算の正確性向上のためにパラレルに、又は、順次的に入出され得る。
信号30が音声情報を含む場合、生体情報入力部12として、マイクロフォン等の音声入力装置が標準的に組み込まれているスマートフォンや携帯電話を使用し得る。
生体情報入力部12としてスマートフォンを使用すると、第2のプロセッサーへの特性値の送信をWiFiやインターネットを介して送信できる。生体情報入力部12は、ノイズ除去を有し得る。ノイズ除去は、スマートフォンの標準動作として含まれているが、ステップ110での入力の後で追加的なノイズ除去を行ってもよい。
スマートフォンを利用する場合、図6に示すように、ステップ150の即時気分の告知は、スマートフォン等の電子装置330での画像表示で行い得る。簡易な画面340にて即時気分を画像350として表示できる。画像350は、所定時間継続する静止画像でもよく、スクリーン上で画像が移動したり、サイズを変えたりできる動画でもよい。画像350は、カラーでもよく、複数の画像450を所定時間内に一緒に表示し、複数の画像350がそれぞれ区別可能な即時気分を表示してもよい。区別可能な即時気分を明確にするように、各画像350が異なる色又は形状を有してもよい。複数の画像で個々の感情(悲しさ、怒り、幸福感等)を表示してもよい。
図7は、即時気分の特定方法の他の実施形態のフローチャートであり、クエリとフィードバックを含む。即時気分の特定に加えて、その即時気分の元にある基本的な感情を知ることが操作者にとって有益な場合がある。少なくとも3つの区別可能な感情が即時気分の特定に使用され、その3つの感情は、怒り、悲しさ、幸福感を含み得る。これらの感情のレベルは、特定された即時気分の代わりに、又はそれに加えて操作者に提供され得る。
さらに、少なくとも1種類の生体情報を含む入力信号に基づいて計算された特性値からより正確に感情因子を計算するために、怒り、悲しさ、幸福感の3つの感情の正確に関するフィードバックを操作者から受けることが好適であり得る。感情因子から即時気分を提供する決定手段の調整と同様に、感情因子の調整計算は、有用性と有効性を向上させ、特定の操作者をターゲットとした感情因子の計算の正確性、個別性を向上させる。
ステップ400で操作者による操作が検出され、ステップ410で、操作者から少なくとも1種類の生体情報を含む信号が入力される。第1プロセッサーは、ステップ420でこの生体情報信号を使用して、特性値を計算する。特性値は、信号入力時の信号の特定の性質に応じて相違するのが一般である。生体情報自体は、操作者がどのような種類の感情及び/又は気分であるかにより、時間と共に変化する。
ステップ420で計算された特性数値は、ステップ430で第2のプロセッサーに提供され、第2のプロセッサーは、ステップ440で特性数値から感情因子を計算する。第2のプロセッサーは、第1のプロセッサーとは異なる場所に配置されてよい。
ステップ450で、気分因子が決定手段のエントリーと比較されて少なくとも1つの感情状態が特定される。ステップ450で使用される決定手段は、少なくとも1つの区別可能な人の感情が感情因子から特定される点において、ステップ140で使用される決定手段と相違する。3つの区別可能な人の感情は、好ましくは、悲しさ、怒り、幸福感として特定される。この決定手段は、決定木や特定の感情因子を区別可能な人の感情に関連付ける複数のエントリーを有するデータベースを有し得る。
ステップ470では、ステップ450で特定された感情状態に基づいて、操作装置20に制御信号が送信される。例えば、怒りや悲しさが既定の限度を越えて高い場合や、幸福感が既定の限度を越えて低い場合に、操作装置20の始動を禁止する制御信号が送信される。ステップ470では、ステップ450で特定された感情状態を操作者に提供・告知してもよい。提供は、テキスト、音声、視覚、臭覚、感覚出力等の任意の方法で行い得る。個々の人間の感情についての感情状態は、弱から強までの連続的な範囲に沿って一般的に相違する場合があり、操作者に個々の人間の感情のレベルが判るような方法を使用することが望ましい。テキスト又は音声の出力が使用される場合は、特定の数値結果を提供することができ、極低、低、平均以下、平均、平均以上、高、極高などの用語が使用されるなら、より概略的なレベルが提供され得る。又は、音量やディスプレイの明るさ、振動などの刺激の強さといった出力の強さを個々の人間の感情のレベルを表すのに用いてもよい。ステップ470では、上記の制御信号の送信・告知に加えて、或いは、上記の制御信号の送信・告知に代えて、操作に関する警告やアドバイス(例えば、「現在の感情状態は、平常ではありませんので、運転は控えて下さい。」、「現在の感情状態は、平常ではありませんので、十分注意して運転して下さい。」等)を操作者に告知してもよい。
感情状態が、1つ以上の区別可能な人の感情を含む場合、視覚的方法を使用するなら、各感情に対して同時に出力を行ってよく、他の方法を使用するなら、予め決められた順序で出力を行ってもよい。
既定の決定手段、例えば、図2の決定木は、ステップ130で見出された感情因子について適切な感情状態を特定するのに使用される計算ルール、比較ルール、関連値、その他の手段を最初から含み得る。このルールや値等は、多くの対象者について十分な研究を通して得た結果を含み得る。この結果は、平均に近くなる。これらは、ある対象者について即時気分を決定するのに実用的な開始点と考えられ得るが、特定の対象者(操作者)により適合した結果なるように、決定手段が調整する方法を有することが望ましい。
ステップ470で少なくとも1つの(好ましくは少なくとも3つの)区別可能な人の感情が対象者に提供された後、対象者は、ステップ480で提供された感情状態が正しいかどうか質問される。対象者は、提供された感情状態が正しいと感じるかどうか考えて、ステップ490でフィードバックを提供する。対象者は、感情状態がどの程度正確かを決定することはできないかもしれないが、感情状態が概ね正しいとか、対象者が感じる実際の感情状態と比較して明らかに強いとか弱いとかを答えることはできるであろう。その後、ステップ500で、フィードバックバックを用いて調整が行われて特性数値から気分因子を計算する手順の調整が行われる。提供された気分状態が1つ以上の人の感情を含む場合は、ステップ480及び490が提供された各気分について1回ずつ繰り返される。
ステップ480のクエリは、一定間隔で実行しても、ランダムな間隔で実行してもよい。クエリの実行を対象者の意思で有効化/無効化できるようにするとよい。朝食の前や後など、対象者の精神状態が定常的であると考えられる特定の時間帯に数日に渡ってクエリを実行するのが望ましい。特別にポジティブ又はネガティブな経験は、高低の気分状態の境界決定に役立ち得るため、そのような経験の後でクエリを実行するのが望ましい。
図8は、決定手段の調整方法を示す。多数の被験者をカバーする平均データに基づいて最初に形成された決定手段を、特定の対象者に特有な微妙な違いを正確に反映するように調整することが望ましい場合がある。感情因子から即時気分を決定するために本明細書で使用される決定手段は、この方法で精緻化され得る。
ステップ710で刺激が対象者に提供される。刺激は、例えば、大半の人々に怒りや幸福感などの類似の反応を生じさせるように選択され得る。対象者は、ステップ720でその刺激を少なくとも既定の時間に渡って経験する。この時間の長さは、対象者が刺激を完全に経験して気分的な反応を発生させるのに充分に長く、ただし、その気分的な反応が薄まってしまうほどは長くないように設定するのが好ましい。
ステップ730で、対象者は、応答を提供するよう求められ、生体情報が発話に対応する信号から収集されるのであれば、その応答は、発話によって提供される。そして、生体情報を含む信号は、ステップ740で対象者から入力され得る。顔の表情、皮膚温、皮膚インダクタンスなどの発話以外の生体情報が使用される場合、ステップ730での要求はスキップされ、情報は、生体情報の種類に応じた信号を生成できる1つ以上のセンサから直接入力され得る。
その後、特性数値がステップ750で計算され、ステップ760で、対象者により適合するように決定手段を調整するのに使用される。決定手段の調整の方法は、対象者から提供される感情状態や即時気分の決定には異存しないことに留意されたい。そうではなく、対象者は、特定の感情反応を引き起こすように構成された刺激を与えられ、対象者の無意識下での意図的でない生体反応が測定される。
図9は、対象者に既定の期待される感情状態を生じさせることを意図した刺激を提供する方法を示す。スマートフォン330は、携帯性に優れ、静止画像や動画、ビデオを表示し、音声、会話、音楽を出力する能力を有するので、対象者に刺激を与えるために好適に使用される。例えば、ビデオクリップ390が刺激として対象者300に表示され得る。スマートフォンの使用は、対象者に任意的な要求をすることを可能にし、対象者は、スマートフォンのマイクロフォンを通して応答を入力することが可能となり、決定手段の調整のために必要な装置の個数や対象者が実施すべき行為を減少させる。
10・・・動作制御装置
11・・・操作検出部
12・・・生体情報入力部
13・・・気分特定部
14・・・制御信号送信部
20・・・操作装置
30・・・信号
31・・・音声情報
330・・・電子装置
340・・・画面
350・・・画像
11・・・操作検出部
12・・・生体情報入力部
13・・・気分特定部
14・・・制御信号送信部
20・・・操作装置
30・・・信号
31・・・音声情報
330・・・電子装置
340・・・画面
350・・・画像
Claims (4)
- 操作者による操作装置に対する操作を検出する操作検出部と、
前記操作者の少なくとも1つの生体情報を含む信号を入力する生体情報入力部と、
前記信号に基づいて少なくとも1つの特性値を算出する第1プロセッサーと、
前記少なくとも1つの特性値に基づいて少なくとも1つの感情因子を算出する第2プロセッサーを有し、前記少なくとも1つの感情因子を既定の決定手段の少なくとも1つのエントリーと比較することにより即時気分を特定する気分特定部と、
前記即時気分に基づいて、制御信号を前記操作装置に送信する制御信号送信部を有することを特徴とする動作制御装置。 - 前記制御信号は、前記操作装置の始動を禁止する信号であることを特徴とする請求項1に記載の動作制御装置。
- 前記操作装置は、自動車又は航空機であることを特徴とする請求項1又は2に記載の動作制御装置。
- 前記生体情報は、前記操作者が発話した音声の情報を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の動作制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2017147612A JP2019028732A (ja) | 2017-07-31 | 2017-07-31 | 音声等から気分を解析して動作を制御する装置 |
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JP2019028732A true JP2019028732A (ja) | 2019-02-21 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021041088A (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 株式会社東芝 | 電子装置及び方法 |
WO2023145350A1 (ja) * | 2022-01-25 | 2023-08-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 情報処理方法、情報処理システムおよびプログラム |
-
2017
- 2017-07-31 JP JP2017147612A patent/JP2019028732A/ja active Pending
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