JP7291335B2 - 発光器および照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光器、特に色調を調整可能な白色光を発光する発光器およびこのような発光器を有する照明装置に関する。
発光ダイオード(LED)は、従来の電球や、高輝度放電ランプ(HID)などの放電ランプと比較して、圧倒的に小型・高効率で大光量を取出すことが可能なため、各種照明装置、液晶画面のバックライトなど、様々な所で普及が進んでいる。車両用照明装置としても、ヘッドランプなど外装灯具、内装用照明、ヘッドアップディスプレイ(HUD)の光源として、LEDの普及が進んでいる。特に青色LEDの開発により、LED本体(LEDチップ)と、黄色の蛍光を発光する蛍光体の組み合わせによる白色光を発するLED光源が開発されている。一般的に利用される白色LEDは、蛍光体粒子を包埋した樹脂でLEDを覆ったものであるが、LEDと単結晶蛍光体とを離間して配置した発光装置も提案されている(特許文献1)。
レーザダイオード(LD)は、従来、レーザポインタや、光学ディスクの読み書き装置に利用されている。近年、近紫外~青色発光するLDも開発されており、LDと蛍光体を組み合わせた光源の開発も検討されている。例えば特許文献2には、レーザダイオードと、YAG系の単結晶蛍光体を含みレーザダイオードの発する光の一部を吸収して波長を変換する波長変換部を有する発光装置が開示されている。
特許第6241002号 特開2017-120864号公報
LEDは従来の光源と対比すると光電変換効率に優れるものの、その絶対値は30~50%程度であり、熱に変換されるエネルギーも依然大きい。そのため、通常、LED本体よりも体積の大きい放電板を用いて排熱が行われており、光源の小型化を阻む要因となっている。またLEDチップの単位体積当たりから取り出し得る光量には限界がある。光量を大きくするために、複数のLEDチップや大型のLEDチップを用いた場合には、薄型の導光板に対する入光効率が低下するなど、光学系の小型化を制約する要因となる。他方、LEDチップに投入する電流を大きくすると、発熱量が増加し、内部量子効率を悪化させてドループ現象を引き起こすという問題がある。特許文献1は、単結晶蛍光体により、蛍光体の温度消光特性を改善することを記載しているが、LED本体の特性を改善する技術を記載するものではない。
特許文献2は、レーザダイオードから発光した光をレンズによる集光または光導波路による伝送によって波長変換部に照射し、白色光を発する高輝度の発光装置を提供することを記載しているが、発光色の色度を調整する手段については開示していない。
本発明は、光学系の小型化、高輝度化を達成し得るとともに、発光色の色度の調整も可能とする発光器、およびこれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の構成に係る発光器は、励起光を受けてルミネセンス光を発光する発光体と、前記励起光を前記発光体に向けて通過させる小孔からなる入射孔を有し、前記発光体からの光を反射する反射体と、前記発光体に入光する励起光および発光体より発生する前記ルミネセンス光に複屈折による位相差を与える位相差付与体と、前記発光体の出射面に配置された反射型偏光体とを備える。
上記構成の発光器によれば、反射型偏光体と反射体の間に位相差付与体が存在するので、反射型偏光体で反射される光の位相を変化させて透過条件とし、出光効率を高めることができる。また前記光の位相の変化により、発光色の色度を調整できる。
上記の発光器において、前記位相差付与体の位相差は前記励起光および前記ルミネセンス光の全波長において波長の0.17~0.38倍である発光器であってもよい。この範囲とすることにより、特に良好な発光輝度を得ることができる。
上記の発光器において、前記励起光は波長(主波長:ピーク波長)が350nm~500nmの範囲にあるレーザ光であり、波長(主波長)400nm~800nmの範囲のルミネセンス光を発光する、発光器であってもよい。励起光とルミネセンス光の波長範囲が異なるので、両者の組み合わせにより所望の色調を得ることができる。
上記の発光器において、前記励起光は青色レーザ光であり、前記発光体は該青色レーザ光を受けて黄色を発光し、発光体を一部透過した励起光の青色および発光の黄色を合わせる事によって擬似的な白色光を発生させる、発光器であってもよい。レーザ光を励起光として使用することにより、エネルギー密度を高め、微小な光源や発光器から、明るい白色発光を得ることができる。
上記の発光器において、前記レーザ光を出光するレーザダイオードと、前記レーザダイオードから出光されたレーザ光を、前記反射体の前記小孔まで導光する導光体とを備える、発光器であってもよい。この構成の発光器によれば、光源を発光部と離間して配置して発光部における発熱量を低減させ、発光器のサイズ抑制が可能となる。
上記発光器において、前記反射型偏光体がワイヤグリッド型の偏光体であり、前記位相差付与体に対する前記偏光体の透過軸角を調整することにより、励起光と発光の出射強度比を制御し光の色度を調整可能な発光器であってもよい。この構成の発光器によれば、発光器の出射面から出射する励起光と発光体からの発光の強度比を簡便な方法で調整し、色度を調整することができる。
上記発光器において、前記発光体は、イットリウムとアルミニウムの複合酸化物であってもよい。
上記発光器において、前記発光体の内部および/または表面に光散乱体を備え、該光散乱体のサイズが発光器の全波長域において、波長λに対してλ/10~3λの範囲である発光器であってもよい。この範囲で光散乱体のサイズを調整することにより、散乱方向の指向性や波長依存性等の散乱特性を制御し、発光輝度や色度調整に利用できる。
本発明の照明装置は、上記の発光器と、前記発光体からの出射光を集光する第1の凸レンズと、前記第1の凸レンズで集光された光を通過させる出射孔を有する集光体とを備え、前記集光体が、前記第1の凸レンズを透過した後、前記出射孔に集光されなかった光及び前記第1の凸レンズからの反射光を前記出射孔に導入する湾曲面を有する。この構成の照明装置によれば、発光体からの出射光を効率よく出光させることができる。
上記照明装置は、前記集光体の出射孔からの光を平行光にする第2の凸レンズと、放物反射面を有し、前記出射孔と前記第2の凸レンズとの間に配置され、前記第2の凸レンズに直接入光しなかった光を平行にして前記第2の凸レンズに入光させる放物面鏡とを備えた、照明装置であってもよい。この構成の照明装置により、発光体からの出射光を平行光として利用できる。
上記照明装置は、前記集光体の出射孔と、前記第2の凸レンズの間に配置された凹レンズを備えるものであってもよい。この構成の照明装置により、発光体からの出射光を効率よく平行光とすることができる。
本発明の発光器によれば、反射型偏光体と反射体の間に位相差付与体が存在するので、反射型偏光体で反射される光の位相を変化させて透過条件とし、発光体から発光する光を効率よく出光させることができる。
本発明に係る発光器の一実施形態を示す概略断面図である。 図1に示す発光器が、さらに光源と導光体を備える場合の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の発光器における、色度調整の原理を説明するための概略斜視図である。 本発明の発光器における、色度調整の原理を説明するための概略断面図である。 本発明に係る照明装置の一実施形態を示す、概略断面図である。 本発明に係る発光器において、反射型偏光体の方位角と発光の色度の関係を示す図である。 本発明に係る発光器において、反射型偏光体の方位角と発光の照度の関係を示す図である。 本発明に係る発光器において、位相差付与体の遅相軸方位と、透過光強度の総和の関係を示すグラフである。 本発明に係る発光器において、位相差付与体の位相差と、透過光強度の総和の関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(発光器)
図1は、本発明の一実施形態に係る発光器の基本的構成を示す概略断面図である。発光器1は、励起光を受けて発光する発光体2と、反射体3と、位相差付与体4と、反射型偏光体5を備える。反射体3は、励起光L1を発光体2に向けて通過させる小孔からなる入射孔3aと、発光体2に面する反射面3bを有し、発光体2からの光を反射するよう構成されている。位相差付与体4は、発光体2と反射体3の間に配置され、発光体2に入光する励起光L1および発光体2が励起光L1のエネルギーを吸収して発生する光であるルミネセンス光P1が、反射型偏光体5で反射された際に、複屈折による位相差を与えるよう構成されている(後述の図4の説明参照)。発光体2、反射体3、位相差付与体4、反射型偏光体5は、互いに平行に配置されることが好ましい。必要に応じ、それぞれは離間していてもよいが、密着して配置されることが好ましい。
図2は、図1で説明した構成の発光系1aと、励起光源6および導光体7を含む光源系1bとを備えた発光器1を示す概略断面図である。励起光源6は、レーザダイオードのようなレーザ光源であることが好ましく、例えば、350~500nmの範囲に波長があるレーザ光を発する。導光体7は光ファイバであってもよい。図の構成では、導光体7は光ファイバ(導光体本体)7aとこれを保護する鞘体(フェルール)7bからなり、光ファイバ7aは、装着部材(ファイバモジュール)8を介して反射体3の入射孔3aに導かれ、位相差付与体4に接続している。励起光源6は、ハーネス9を介して電源(図示せず)に接続される。
発光体2は、例えば波長(主波長)350nm~500nmの励起光L1を受けて、波長(主波長)400nm~800nmのルミネセンス光L2を生成する。発光体2は、励起光L1を受けて蛍光を発する蛍光体でもよく、例えば青色の励起光を受けて黄色の光を発光するものでもよい。発光体2は、例えば、イットリウムとアルミニウムの複合酸化物(特にはイットリウム―アルミニウムガーネット(YAG))であってもよい。例えば、発光体2として、プレート状の単結晶YAGを用いてもよい。この場合、YAG単結晶の両面は平滑であることが好ましく、表面粗度は、励起光の波長未満であることが好ましい。
発光体2の内部および/または表面に光散乱体を備えていてもよい。この光散乱体のサイズは発光器1の全波長域において、ルミネセンス光Lの波長λに対して、λ/10~3λの範囲であってもよい。この範囲で光散乱体のサイズを調整することにより、散乱方向の指向性や波長依存性等の散乱特性を制御し、発光輝度や色度調整に利用できる。
反射体3は、金属、ガラスまたはプラスチック等の基板に、アルミニウム、銀等の反射率の高い金属を蒸着したものであってもよい。反射体3は、位相差付与体4または発光体2(発光体が内側にある場合)に蒸着された金属膜であってもよい。入射孔3aの孔径は特に制限されないが、使用される光ファイバ7aのコア径程度であってもよい。位相差付与体4は、所定の位相差を付与する板状部材であってもよく、発光体2の裏面(反射体4の面)に塗布された塗膜からなるものであってもよい。位相差付与体4の付与する位相差は、励起光およびルミネセンス光の全波長において、波長の0.17~0.38倍であることが好ましい。上記の範囲外では、透過光強度の総和が低くなる。上記の範囲とすることによって、スループット(出光量)70%以上を保持し、発光器内での4回反射時にも少なくとも10%の反射光強度を保持して、特に良好な発光輝度を得ることができる。位相差付与体は、1/4波長板であってもよい。なお、図1、2では位相差付与体4の外側(出光側)に発光体2を配置しているが、発光体2を位相差付与体4の内側(反射体3と位相差付与体4の間)に配置してもよい。反射型偏光体5は、例えばワイヤグリッド型の偏光体であってもよい。位相差付与体4に対する反射型偏光体の透過軸角を調整することにより、励起光とルミネセンス光の出射強度比を調整し、ルミネセンス光の色度を調整することができる。
図3は、本発明にかかる発光器による色度調整の原理を説明するための概略斜視図である。発光体2は、反射体3と位相差付与体4の間、または破線で示すように位相差付与体4と反射型偏光体5の間に配置される。励起光L1は反射体3の入射孔3aを通じて入射する。励起光L1のP波の振動方向Dに対し、位相差付与体4の遅相軸の方向Dと、反射型偏光体5の透過軸の方向Dを調整することにより、透過する励起光L1の強度を調整し、発光体からのルミネセンス光とあわせて発光器の色度を調整することが可能となる。例えば、位相差付与体4を透過軸回りのS方向に回動させることにより、方向Dを変更することができる。つまり、位相差付与体4の遅相軸と反射型偏光体5の透過軸の相対的な回転角度を調整できる。
実施形態の一例として、図3の構成で、直線偏光P波の偏光方位角(振動方向Dの方位角)(回転角)を(X軸から)45度、位相差付与体4として用いた1/4波長板の光学軸(遅相軸)を45度に配置し、発光体2にYAG単結晶を用い、反射型偏光体5としてワイヤグリッド型偏光体を使用し、その透過軸を90度に配置した場合について、図4を用いて説明する。この場合、反射体3の入射孔3aを透過したレーザ光である励起光L1は、直線偏光の状態のまま、反射型偏光体5に到達する。反射型偏光体5では、90度直線偏光成分L1は透過し、これに垂直な成分は反射される。そのため、反射光LRは方位角0度の直線偏光として反射し、発光体2を透過して、位相差付与体で90度の位相差を付与されて右円偏光LRに変換され、反射体で反射される際に左円偏光LRとなる。この反射光LRが位相差付与体4を透過すると、90度の直線偏光LRに変換され、反射型偏光体5を透過して出光する。
この構成によって反射型偏光体5で反射される成分も、透過する成分に変換し、効率よく出光させることができる。入射した励起光L1が発光体2を透過する際、ルミネセンス光P1が発生し、反射光LR、LRが発光体2を透過する際にもルミネセンス光P2、P3が発生するが、ルミネセンス光P1、P2、P3(例えば蛍光)の透過と反射も同様に行われる。例えば、ルミネセンス光P1が反射型偏光体5に入射すると90度直線偏光P1が出光するとともに、反射された成分PRは、位相差付与体4と反射体3により、右円偏光PR、左円偏光PR、直線偏光PRと順次変換されて出光する。上記の構成において、反射型偏光体5の透過軸に対し、励起光L1の偏光方位角と位相差付与体(1/4波長板)の遅相軸の回転角を変化させると、反射せずに透過する励起光の直線偏光成分L1の強度が変化し、例えば透過する励起光L1の強度を上げて、反射光による発光量を抑制し、あるいは透過する励起光L1の強度を弱めて、反射光による発光量を増やすことができる。
(照明装置)
図5は、図1,2に示した発光器1を有する照明装置10の構成を示す概略断面図である。この照明装置10は、出射側の鏡筒11の基部に発光器1を備え、反射型偏光体5の出射面5aからの出射光は第1の凸レンズ12により集光される。第1の凸レンズ12の外側(出光側)には、集光体13が配置されている。集光体13は内側の湾曲面13aと、湾曲面13aのほぼ中心に配置され、第1の凸レンズ12で集光された光を通過させる出射孔13bを有する。湾曲面13aは、積分球の要領で、第1の凸レンズ12を透過した光のうち出射孔13bに集光されなかった光(発光器1から出光した励起光、ルミネセンス光)や、湾曲面13aで反射された後、第1の凸レンズ12から反射した反射光などを反射して出射孔13bに導入する。
図5の実施形態では、照明装置10は、さらに集光体13の出射孔13bの外側で鏡筒11の出光端部に配置された第2の凸レンズ14と、出射孔13bと第2の凸レンズ14との間に配置された放物面鏡15を備えている。第2の凸レンズ14は、集光体13の出射孔13bからの光を平行光にし、第2の凸レンズ14に直接入光しなかった光は、放物面鏡15の放物反射面15aで反射して、平行にされ、第2の凸レンズ14に入光される。なお図示されるように、集光体13の出射孔13bと、第2の凸レンズ14との間に凹レンズ16を配置してもよい。凹レンズ16は、両面に凹面を有し、出射孔13bから出射された光を第2の凸レンズ14または放物面鏡15に照射する。
以上に説明した本発明の実施形態によれば、以下のような利点が得られる。
図2に示した本発明の発光器1では、反射型偏光体5から一旦反射される光についても、位相差付与体4で位相を調整し、効率よく、より多くの光を偏光として取り出すことができる。例えば、従来技術において多結晶蛍光体と、光源を組み合わせた発光器の場合、蛍光体粉末の分散量の調整により、発光色の色度を調整しているので、同じ製品で発光器の色度を個々に調整することはできない。本実施形態の発光器1では、反射型偏光体5と位相差付与体4の相対的な回転角度を調整することにより、色度を調整できる。そのため、出荷段階で、ユーザの需要に応じた色度の調整が可能であり、個々の製品の発光色の色度をユーザが調整することも可能となる。
特に励起光にLDなどの光源から発光されるレーザ光を用いた場合、空間中または光ファイバ等の導光体7中を高い効率で伝播させることができるので、発光体2を光源6から離れた場所に設置し、発熱体となる光源6と、発光体2を空間的に分離することが可能となる。そのため、発光部位における放熱構造を小型化することができ、発光器1の発光系1aや照明装置10の小型化が可能となる。その結果、LEDを利用した場合には、搭載困難であった狭小スペースにも、大光量の発光器1が配置可能となり、製品応用の可能性が向上する。またレーザ光は、回折限界までスポット径を絞って集光することが出来るため、発光体2に照射される励起のエネルギ-密度を、LEDと比べて圧倒的に高くすることが出来る。また、LDにはLEDの場合に問題となる電流ドループという現象はない。そのため、小型の発光器1から大光量の発光を達成することができる。
従来の蛍光体では、ガラス、シリコーンその他の樹脂などのバインダを用いて蛍光体粉末を固定して光源の回りに配置している。その際、バインダに蓄熱しやすくなることから、蛍光体の熱消光を促進することが問題となるが、本実施形態では、発光体2として単結晶蛍光体を用いれば、熱消光を抑制することができる。レーザはコヒーレンスが高い故、光源6からの光が観測者の眼に到達するまでの間に散乱構造を通過または反射すると、観測者の網膜上で光の干渉が起こり、それがスペックルとなってモヤモヤとしたレーザ特有の見映えとなり、画質を低下させるという課題があった。本発明の場合、発光体2を両面の平滑な単結晶蛍光体とすることにより、光源から観測者の網膜までの間に、反射・透過を問わず散乱構造を設けずとも光線を到達させることができ、原理的にはスペックルを生じずに映像(虚像)を表示することが可能となる。
[実施例1]
単結晶YAG両面研磨品の裏面に直径0.2mmの孔をマスキングし、アルミニウムをミラー蒸着したものを、反射体と発光体として用意した。別にワイヤグリッドフィルムと1/4波長板を準備し、1/4波長板を 蛍光体とワイヤグリッドフィルムに挿入する前、および挿入後(ワイヤグリッドフィルムの透過軸と1/4波長板の遅相軸の角度は45度とした)の状態で、孔にレーザダイオードから導光した青色レーザ光(波長450nm)を入光させ、ワイヤグリッドフィルムから出光する光の光度および照度を、分光放射照度計(コニカミノルタ製)で測定した。その結果を下の表に示す。表でx、yはそれぞれ色度図のx座標とy座標を示し、lxは照度を示す。
Figure 0007291335000001
表に示す結果より、1/4波長板挿入後のほうが、照度が高く、色度が青くなっていることがわかり、位相差付与体4の配置により、偏光の取り出し効率が向上することが確認された。
[実施例2]
実施例1で準備した構成において、反射型偏光体の反射軸を1/4波長板の遅相軸に対して回転させ、偏光子の方位角に対する色度および規格化された照度の変化を調べた。また別に透過型の偏光体を準備し、同様の実験を行った。その結果を図6A、Bに示す。図6Aに示す結果より、偏光体を反射軸を中心に±60度の範囲で回転させることにより、色度値を調整できることがわかる。図6Bに示す結果より、規格化された照度が偏光体の方位角に依存して変化するが、照度の最大値は反射型偏光体を用いた場合のほうが大きくなることがわかる。
[実施例3]
図1に示す構成において蛍光体を除いた場合について、位相差付与体の1/4波長板(位相差δ=90度)の遅相軸方位φ(反射型偏光体の透過軸方位から見て+45度の偏角を持つ方位)と透過光強度の総和の関係を計算した。なお、位相差付与体へ入射する光の偏光方位は0度(位相差付与体の遅相軸方位φ=0度に等しい方位)、反射体及び反射型偏光体の振幅反射係数はそれぞれ0.9及び1.0とした。その結果を図7に示す。図7より、φ=55度で約80%のスループットが得られることがわかる。また、遅相軸方位φに対する反射光強度の反射回数に対する依存性を計算したところ、φ=55度で約10%に減衰するまでの反射回数が4回であることがわかった。
また、位相差付与体の遅相軸方位を55度に固定し、透過光強度の総和の位相差δに対する依存性を計算した。その結果を図8に示す。図8の結果より、スループット70%以上を保持し得る位相差の下限値は60度(位相差下限値:0.17λ)であることがわかる。また位相差δに対する反射光強度の反射回数に対する依存性を計算したところ、4回反射時に反射光強度10%を保てる位相差の上限値は135度(位相差上限値:0.38λ)であった。これらの結果より、位相差付与体の位相差値は励起光の波長に対し、0.17~0.38倍の範囲とすることが適当であると考慮される。
本発明の発光器および照明装置は、小型の装置構成で大光量の発光を達成でき、微細な照明の必要とされる分野で利用性が高い。
1 発光器
2 発光体
3 反射体
3a 入射孔
4 位相差付与体
5 反射型偏光体
6 励起光源
7 導光体
7a 光ファイバ
7b 鞘体(フェルール)
8 装着部材
10 照明装置
11 鏡筒
12 第1の凸レンズ
13 集光体
13a 湾曲面
13b 出射孔
14 第2の凸レンズ
15 放物面鏡
16 凹レンズ

Claims (10)

  1. 励起光を受けてルミネセンス光を発光する発光体と、
    前記励起光を前記発光体に向けて通過させる小孔からなる入射孔を有し、前記発光体からの光を反射する反射体と、
    前記発光体に入光する励起光および発光体より発生する前記ルミネセンス光に複屈折による位相差を与える位相差付与体と、
    前記発光体の出射面に配置された反射型偏光体とを備え、偏光を発する発光器において、
    前記反射型偏光体がワイヤグリッド型の偏光体であり、前記位相差付与体に対する前記偏光体の透過軸角を調整することにより、前記励起光と前記ルミネセンス光の出射強度比を制御し光の色度を調整可能な、
    発光器。
  2. 請求項1に記載の発光器において、前記位相差付与体の位相差は前記励起光および前記ルミネセンス光の全波長において波長の0.17~0.38倍である、発光器。
  3. 請求項1に記載の発光器において、前記励起光は波長が350nm~500nmの範囲にあるレーザ光であり、前記ルミネセンス光の波長は400nm~800nmである、発光器。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の発光器において、前記励起光は青色レーザ光であり、前記発光体は該青色レーザ光を受けて黄色ルミネセンス光を発光し、発光体を一部透過した励起光の青色および前記ルミネセンス光の黄色を合わせる事によって擬似的な白色光を発生させる、発光器。
  5. 請求項4に記載の発光器において、
    前記青色レーザ光を出光するレーザダイオードと、
    前記レーザダイオードから出光された青色レーザ光を、前記反射体の前記小孔まで導光する導光体とを備える、発光器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発光器において、前記発光体は、イットリウムとアルミニウムの複合酸化物である発光器。
  7. 請求項6に記載の発光器において、前記発光体の内部および/または表面に光散乱体を備え、該光散乱体のサイズが発光器の全波長域において、波長λに対しλ/10~3λの範囲である、発光器。
  8. 発光器と、
    前記発光器が備える発光体からの出射光を集光する第1の凸レンズと、
    前記第1の凸レンズで集光された光を通過させる出射孔を有する集光体とを備え、
    前記集光体が、前記第1の凸レンズを透過した後、前記出射孔に集光されなかった光及び前記第1の凸レンズからの反射光を前記出射孔に導入する湾曲面を有する、照明装置において、
    前記発光器は、
    励起光を受けてルミネセンス光を発光する前記発光体と、
    前記励起光を前記発光体に向けて通過させる小孔からなる入射孔を有し、前記発光体からの光を反射する反射体と、
    前記発光体に入光する励起光および発光体より発生する前記ルミネセンス光に複屈折による位相差を与える位相差付与体と、
    前記発光体の出射面に配置された反射型偏光体とを備え、偏光を発する発光器である、
    照明装置。
  9. 請求項8に記載の照明装置において、
    前記集光体の前記出射孔からの光を平行光にする第2の凸レンズと、
    放物反射面を有し、前記出射孔と前記第2の凸レンズとの間に配置され、前記第2の凸レンズに直接入光しなかった光を平行にして前記第2の凸レンズに入光させる放物面鏡とを備えた、照明装置。
  10. 請求項9に記載の照明装置において、
    前記集光体の前記出射孔と、前記第2の凸レンズの間に配置された凹レンズを備える、
    照明装置
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