JP7289720B2 - 電子制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子制御装置に関する。
自動運転を制御する制御装置であるECU(Electronic Control Unit)には、外界認識の処理を行う演算処理装置(マイコン)が実装されており、マイコンは周囲の状況に応じて演算負荷が大きく変わる。演算負荷の増大により、マイコン自身から発生する熱によるマイコンの誤動作を防ぐため、ファンや水冷システムなどの冷却構造によりマイコンの熱を外部へ逃がす必要がある。ファンを使用してECUの冷却をおこなう場合、ファンの故障により回転数が低下していないか監視する必要がある。
一般的に、ファンには回転数に応じて周期が変化するパルス出力が備えられており、カウンタなどによりパルス出力信号を数える手法やパルス出力信号の周期を調べる手法により回転数を求めることができる。この回転数を所定値以下か判定する事によって回転数異常を検出できる。このようなファンの回転数異常検出は専用IC、または、マイコンによりリアルタイムに監視されている。
特許文献1には、回転体から出力されるパルス出力信号を、当該回転パルス出力信号より短い周期のクロックパルスを用いてカウントし、カウントしたクロックパルスの数を所定値と比較することで回転数(回転速度)を計数する手法が記載されている。
特開2006-118960号公報
自動運転システムは、例えば、制御指令を出力する車両制御装置と、車両制御装置からの制御指令に基づいてエンジン制御、ブレーキ制御、パワーステアリング制御などをそれぞれに実施する複数のアクチュエータ制御装置で構成される。
ここで、自動運転システムの車両制御装置は自動運転を実現するために高い演算能力が必要であり、高性能の演算処理装置で構成されている。高性能の演算処理装置は演算処理中に発熱し、その発熱によって演算処理装置の温度が上昇し、演算処理装置が誤動作する可能性がある。このような異常発熱を避けるために、ファンなどで車両制御装置の熱を逃がす必要がある。
ファンは回転し車両制御装置へ風を送ることで熱を逃がしており、熱を逃がすにはファンが正しく回転している必要があり、ファンの回転数を監視する必要がある。
上記課題を解決する手段として、特許文献1を用いる場合、ファンの回転数を計数する処理を演算処理装置で行うか、専用のロジック検出回路を持つ必要がある。
演算処理装置で行う場合、クロックパルスのカウント計数などを、割込み処理などで実行するために、自動運転のための演算処理を中断する必要があり、演算処理装置の処理時間が増える懸念がある。
検出回路を持つ場合は、クロックパルス生成回路やカウンタ回路、および比較回路などが必要となり、部品点数が増えることによるコストアップや部品の実装不良などによる誤動作が懸念される。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、制御マイコン(演算処理装置)の負荷を抑えつつ、ファンの回転数の低下を検出することができる電子制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ローパスフィルタを介したファンの出力からファンの回転数の低下を検出する診断部を備える電子制御装置であって、前記診断部として機能する制御マイコンと、前記ファンの回転に応じてパルス信号を出力するセンサを有し、前記制御マイコンを冷却する前記ファンと、前記センサからパルス信号が入力され、第1のカットオフ周波数を有する第1のローパスフィルタと、前記センサからパルス信号が入力され、前記第1のカットオフ周波数より高い第2のカットオフ周波数を有する第2のローパスフィルタと、を備え、前記制御マイコンは、前記第1のローパスフィルタから出力される信号によって示される値がしきい値を下回った場合、前記制御マイコンの機能を別の制御マイコンに引き継がせ、前記第1のローパスフィルタから出力される信号によって示される値が前記しきい値を超え、かつ、前記第2のローパスフィルタから出力される信号によって示される値が前記しきい値を下回った場合、前記制御マイコンの計算量を減らす。

本発明によれば、制御マイコンの負荷を抑えつつ、ファンの回転数の低下を検出することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明が適用される車両に備えられる自動運転システムの概略構成図である。 本発明の実施例1における自律走行制御装置(第1ECU)の内部構成を示す図である。 本発明の実施例1における回転数異常を検出する処理を示す図である。 本発明の実施例2における自律走行制御装置(第1ECU)の内部構成を示す図である。 本発明の実施例2における回転数異常を検出する処理を示す図である。 本発明の実施例3における自律走行制御装置(第1ECU)の内部構成を示す図である。 本発明の実施例3における回転状態を診断する処理を示す図である。 本発明の実施例4における自律走行制御装置(第1ECU)の内部構成を示す図である。
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して説明する。本実施例は、自動運転システムに含まれる電子制御装置に設けられるファンの回転数異常検出に関する。
(自動運転システムの構成例)
まず、本発明が適用される自動運転システム(車両制御システム)の構成について説明する。
図1は、本発明が適用される車両に備えられる自動運転システムの概略構成図である。図1において、自動運転システムは、車両の外界状況を認識するための外界認識センサである、カメラ(第1センサ)11と、レーダ(第2センサ)12と、自車位置センサ(第3センサ)13を備える。
さらに、自動運転システムは、自律走行制御装置(第1ECU)1と、縮退制御装置(第2ECU)2と、ブレーキ制御装置(第3ECU)3と、エンジン制御装置(第4ECU)4と、パワーステアリング制御装置(第5ECU)5とを備える。なお、ブレーキ制御装置3、エンジン制御装置4、及びパワーステアリング制御装置5は、車両の動作を制御するアクチュエータ制御装置と総称することができる。
カメラ11、レーダ12、自車位置センサ13、自律走行制御装置1、補助制御装置としての縮退制御装置2、ブレーキ制御装置3、エンジン制御装置4、パワーステアリング制御装置5は、車載ネットワーク(例えば、CAN(Controller Area Network:コントローラエリアネットワーク)やEthernet(登録商標)等)によって相互に通信可能となるよう接続される。
縮退制御装置2は、自律走行制御装置1が失陥した際にバックアップとして適切な縮退制御を実行するように動作する制御装置であるが、自律走行制御装置1が失陥した場合においても自律走行制御装置1内に、縮退制御機能を持たせることで安全が担保できるのであれば、縮退制御装置2は不要である。
ブレーキ制御装置3は、車両のブレーキ制御(制動力制御)を行う制御装置であり、エンジン制御装置4は、車両の駆動力を発生するエンジンを制御する制御装置である。また、パワーステアリング制御装置5は、車両のパワーステアリングを制御する制御装置である。
自車位置センサ13は、GPS(Global Positioning System)などの測位用衛星からの電波を用いて、自車両の位置を取得する装置である。自車位置センサ13は、取得した自車位置情報を自律走行制御装置1に出力する。なお、自車位置センサ13は、GPS以外の測位システムを用いて自車位置情報を取得しても良い。
また、自車位置センサ13内部には、自動運転で使用する地図データを保持するメモリを有しており、道路の道幅、車線数、勾配、カーブの曲率、交差点の形状、制限速度情報などの地図データが格納される。なお、地図データは自律走行制御装置1内部に格納されていても良い。
ここで、自律走行制御装置1が、自動運転の要求を受け付けると、カメラ11、レーダ12、自車位置センサ13などから取得した外界の情報を基に車両が移動する軌道を算出し、自律走行制御装置1は、前述したルート通りに車両を移動させるように、ブレーキや駆動力などに関する制御指令を、ブレーキ制御装置3、エンジン制御装置4、及びパワーステアリング制御装置5に出力する。
ブレーキ制御装置3、エンジン制御装置4、パワーステアリング制御装置5は、自律走行制御装置1から自動走行制御の制御指令を受けて、各制御対象(アクチュエータ)に操作信号を出力する。
(実施例1)
図2は、本発明の実施例1における自律走行制御装置(第1ECU)1の内部構成を示す図である。
図2において、カメラ11(第1センサ)、レーダ12(第2センサ)及び自車位置(第3センサ)の信号は通信回路1e(通信回路2)を経由して制御マイコン1bの演算処理部1mへ入力され、演算処理部1mは演算処理を実行する。
ここで、制御マイコン1bは、車両が有する外界情報センサ(第1~第3センサ)の信号をもとに演算処理する外界認識マイコンである。ファン1aは、制御マイコン1b(外界認識マイコン)を冷却するように取り付けられている。
図2に示す自律走行制御装置(第1ECU)の内部構成にはマイコンが1つであるが、マイコンを2つにして演算処理部1mを別マイコンにしてもかまわない。
制御マイコン1bは演算処理による発熱を考慮した回転数を回転数制御1iで設定し、回転数制御信号線1fを介してファン1aを制御する。
ファン1aは回転数に応じたパルス信号をローパスフィルタ1cへパルス出力信号線1gを介して出力し、ローパスフィルタ1cの出力は制御マイコン1bへフィルタ出力信号線1hを介して出力する。
フィルタ出力信号線1hは制御マイコン1b内部の電圧検出部1kで電圧値を検出し、異常診断部1jでマイコン内部の所定値と比較して、所定値を超えている場合は回転数異常と診断する。換言すれば、制御マイコン1bは、ローパスフィルタ1cを介したファン1aの出力からファン1aの回転数の低下を検出する異常診断部1j(診断部)を備える。これにより、ファン1aの回転数を計数する必要がないため、制御マイコンの負荷を抑えつつ、ファン1aの回転数の低下を検出することができる。
異常診断部1jは回転数異常と診断した場合、通信回路1d(通信回路1)を介して縮退制御装置2(第2ECU)の縮退用制御マイコン2aへファン1aが回転数異常であることを通知する。
図3は、本発明の実施例1におけるパルス出力信号線1gの信号、フィルタ出力信号線1hの信号とマイコン(異常診断部)内の所定値との大小関係、およびローパスフィルタ1cの周波数特性とファンの回転数の関係を示す図である。
ローパスフィルタ1cのカットオフ周波数は、異常と診断する回転数に応じた周波数(判定周波数)に設定する。パルス出力信号線1gから判定周波数より高い周波数のパルス信号がローパスフィルタ1cに入力された場合は、ローパスフィルタ1cはパルス信号を平滑化する。すなわち、ローパスフィルタ1cは、判定する回転数に応じた周波数特性(カットオフ周波数)を有し、判定周波数以上の信号を平滑化させる。これにより、判定周波数(カットオフ周波数)より高い周波数の信号がローパスフィルタ1cに入力された場合、ローパスフィルタ1cから出力される信号の振幅が小さくなる。
また、判定周波数より低い周波数のパルス信号がローパスフィルタ1cに入力された場合は、ローパスフィルタ1cはパルス信号を通過させて、フィルタ出力信号線1hへ出力する。
制御マイコン1bの電圧検出部1kで検出される電圧値は、判定周波数よりも高いパルス信号の場合、ローパスフィルタ1cの影響が大きいため、検出される電圧の変動が小さくなり、判定周波数より低いパルス信号の場合、ローパスフィルタ1cの影響が小さいため、電圧の変動は大きくなる。
制御マイコン1bの異常診断部1jは、電圧検出値とマイコン内部の所定値を比較して、電圧検出値(ピーク値)が所定値を超えている場合(または電圧検出値(ボトム値)が所定値を下回っている場合)に、回転数異常と診断する。
換言すれば、異常診断部1j(診断部)は、フィルタ出力された信号を電圧値として取り込む機能(ADコンバータの機能)を備える制御マイコン1bに備えられている。異常診断部1jは、電圧値がマイコン内部の所定値を超えている場合に回転数異常と診断する。これにより、制御マイコンに一般的に内蔵されるADコンバータを用いてファン1aの回転数の低下を回転異常として診断することができる。なお、ローパスフィルタ1cをADコンバータ用の部品として共用してもよい。これにより、製造コストを低減することができる。
図3には1つの所定値しか示していないが、所定値を複数持ち回転数異常を細かく診断してもかまわない。
なお、電子制御装置である自律走行制御装置(第1ECU)1は、少なくとも、診断部として機能する制御マイコン1bと、ファン1aの回転に応じてパルス信号を出力するセンサを有するファン1aと、センサからパルス信号が入力されるローパスフィルタ1cと、を備える。制御マイコン1bは、例えば、プロセッサ、メモリ等から構成される。制御マイコン1b(プロセッサ)は、ローパスフィルタ1cから出力される信号のデジタル値がしきい値を下回った場合、ファン1aの回転数が低下したと判定する。
ここで、制御マイコン1bの冷却に必要なファン1aの下限回転数は、例えば、シミュレーション、実験等により決定される。しきい値は、例えば、下限回転数に対応するパルス信号がローパスフィルタ1cに入力されたときにローパスフィルタ1cから出力される信号のボトム値から決定する。
(実施例2)
図4は、本発明の実施例2における回転数異常診断をコンパレータ回路を用いておこなう自律走行制御装置(第1ECU)1の内部構成を示す図である。
本実施例の電子制御装置である自律走行制御装置(第1ECU)1は、ローパスフィルタ1cの出力に接続されるコンパレータ1o(コンパレータ回路)を備え、コンパレータ1oで規定値に相当する電圧と比較し、コンパレータ出力を制御マイコン1bに入力する。
詳細には、ローパスフィルタ1cと制御マイコン1bの間に、電圧を比較できるコンパレータ1oを備える。コンパレータ1oは、フィルタ出力信号線1hの電圧値と、任意に設定可能なしきい値電圧信号線1pの電圧値を比較し、しきい値電圧を下回った場合(または上回った場合)に、High信号(またはLow信号)をコンパレータ出力信号線1qへ出力する。
コンパレータ出力信号線1qからの信号は、制御マイコン1b内部の異常診断部1jへ入力される。異常診断部1jは、入力された信号が、High信号(またはLow信号)となった場合に回転数異常と診断し、外部(縮退制御装置2等)へ通知する。
すなわち、制御マイコン1bは、フィルタ出力信号線1hの電圧値が所定値(しきい値電圧信号線1pの電圧値)を超えている場合に、ファン1aが回転数異常であることを示す信号をバックアップ用マイコン(縮退制御装置2等)へ送信する。これにより、システムのバックアップを実現することができる。
図5は、本発明の実施例2におけるパルス出力信号線1gの信号、フィルタ出力信号線1hの信号としきい値電圧信号1p(しきい値電圧)との大小関係、およびコンパレータ出力信号線1qの信号を示す図である。
ローパスフィルタ1cのカットオフ周波数は、実施例1と同様に判定周波数に設定する。ローパスフィルタ1cは、判定周波数より高い周波数のパルス信号が入力された場合は、パルス信号を平滑化する。また、判定周波数より低い周波数のパルス信号がローパスフィルタ1cに入力された場合は、ローパスフィルタ1cはパルス信号を通過させて、フィルタ出力信号線1hへ出力する。
コンパレータ1o(判定回路部)は、しきい値電圧信号線1pとフィルタ出力信号線1hの電圧値を比較し、フィルタ出力信号線1hの電圧がしきい値電圧信号線1pより下回った場合、コンパレータ出力信号線1qにHigh信号を出力する。
制御マイコン1bの異常診断部1jは、コンパレータ出力信号線1qよりHigh信号が入力された場合、回転数異常と診断する。
すなわち、電子制御装置である自律走行制御装置(第1ECU)1は、少なくとも、診断部として機能する制御マイコン1bと、ファン1aの回転に応じてパルス信号を出力するセンサを有するファン1aと、センサからパルス信号が入力されるローパスフィルタ1cと、ローパスフィルタ1cから出力される信号の電圧値としきい値電圧とを比較するコンパレータ1o(コンパレータ回路)と、を備える。制御マイコン1b(プロセッサ)は、コンパレータ1oから出力される信号からファン1aの回転数の低下を検出する。
ADコンバータの代わりにコンパレータを使用するため、サンプリング遅延がなく、リアルタイムでファンの異常(低速)を判定できる。
(実施例3)
図6は、本発明の実施例3における複数のローパスフィルタを用いて回転状態を検出する自律走行制御装置(第1ECU)1の内部構成を示す図である。
本実施例では、ローパスフィルタは、周波数特性の異なるフィルタを複数個並列に構成し、制御マイコン1bに接続される。すなわち、制御マイコン1bは、実施例1、2で示したローパスフィルタ1cとは別のカットオフ周波数を持つローパスフィルタ1rを備える。パルス出力信号線1gの信号がローパスフィルタ1rに入力され、ローパスフィルタ1rはフィルタ出力信号線1sへ出力する。
制御マイコン内部の電圧検出部1kはフィルタ出力信号線1h、1sの電圧値を検出し、回転状態診断部1tでマイコン内部の所定値を比較することで、回転状態を診断し外部へ通知する。
図7は、本発明の実施例3におけるパルス出力信号1gの信号、フィルタ出力信号線1h、1sの信号とマイコン(回転状態診断部)内の所定値との大小関係、およびローパスフィルタ1c、1rの周波数特性とファンの回転数の関係を示す図である。
<低速度>
2つのローパスフィルタ1c、1rのカットオフ周波数をf1c、f1rとして、ファンの回転速度が低速度の場合(ファンの回転周波数a<f1c、f1r)、フィルタ出力信号線1h、1sの信号はフィルタの影響が小さく、検出される電圧の変動が大きい。そのため、フィルタ出力信号線1h、1sの信号はともに、回転状態診断部1tの所定値を下回る。
<中速度>
ファンの回転速度が中速度の場合(f1c<回転周波数b<f1r)、フィルタ出力信号線1hの信号はフィルタの影響が大きく、電圧の変動が小さくなるが、フィルタ出力信号線1sは電圧の変動が大きいため、フィルタ出力信号1sのみ回転状態診断部1tの所定値を下回る。
<高速度>
ファンの回転速度が高速度の場合(f1c<f1r<回転周波数c)、フィルタ出力信号線1h、1sの信号はともにフィルタの影響が大きく、電圧の変動が小さくなるため、どちらも回転状態診断部1tの所定値を下回らない。
上記のように複数のローパスフィルタを用いることにより、回転状態を診断可能とする。
すなわち、電子制御装置である自律走行制御装置(第1ECU)1は、少なくとも、診断部として機能する制御マイコン1bと、ファン1aの回転に応じてパルス信号を出力するセンサを有するファン1aと、センサからパルス信号が入力され、カットオフ周波数f1c(第1のカットオフ周波数)を有するローパスフィルタ1c(第1のローパスフィルタ)と、センサからパルス信号が入力され、カットオフ周波数f1cより高いカットオフ周波数f1r(第2のカットオフ周波数)を有するローパスフィルタ1r(第2のローパスフィルタ)と、を備える。
制御マイコン1b(プロセッサ)は、ローパスフィルタ1c(第1のローパスフィルタ)から出力される信号によって示される値が第1のしきい値を下回った場合、制御マイコン1bの機能を別の制御マイコンに引き継がせる。また、制御マイコン1bは、ローパスフィルタ1c(第1のローパスフィルタ)から出力される信号によって示される値(デジタル値または電圧値)が第1のしきい値を超え、かつ、ローパスフィルタ1r(第2のローパスフィルタ)から出力される信号によって示される値(デジタル値または電圧値)が第2のしきい値を下回った場合、制御マイコン1bの計算量(負荷)を減らす。
(実施例4)
図8は、本発明の実施例4における回転数制御に応じて、異常となる回転数を変更可能な自律走行制御装置(第1ECU)1の内部構成を示す図である。
図8において、ファンの回転数に応じてカットオフ周波数を変更するため、可変ローパスフィルタ1uを備える。
制御マイコンの回転数制御部1iはファンに対して回転数制御するとともに、可変フィルタ制御部1vへ制御する回転数情報を渡す。フィルタ制御部1vは判定周波数がカットオフ周波数になるように可変ローパスフィルタの設定をおこなう(1w)、また異常診断部1jへ判定周波数に対応する所定値を示す所定値設定情報を渡す(1x)。
ファン1aから出力されるパルス出力信号線1gの信号は可変フィルタ1uを介して、制御マイコン1bへ入力される。電圧値検出部1kは、パルス出力信号線1gの電圧値を検出する。異常診断部1jは、パルス出力信号線1gの電圧値が所定値を下回った場合に回転数異常を検出する。
ここで、電子制御装置である自律走行制御装置(第1ECU)1は、制御マイコン1bからファン1aに対して回転数制御を行なうことで、回転数制御に応じた回転数を可変フィルタ1uで判定周波数に設定でき、ファン1aの回転数を発熱量によって制御/監視できる。
図8には、可変ローパスフィルタを制御マイコン1bの外部に備えているが、制御マイコン1b内部でデジタルフィルタを構成してもかまわない。すなわち、ローパスフィルタは、制御マイコン1bでデジタル処理してもよい。これにより、例えば、部品点数を減らすことができるため、製造コストを低減することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
ローパスフィルタは、例えば、「RCフィルタ」、オペアンプを使用したフィルタ等であるが、後者ではカットオフ周波数で出力値が急峻に変化するため、ファンの正常(所望の速度)と異常(低速)の区別が良好である。
また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサ(マイコン)がそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
1…自律走行制御装置
2…縮退制御装置
3…ブレーキ制御装置
4…エンジン制御装置
5…パワーステアリング制御装置
11…カメラ
12…レーダ
13…自車位置センサ、地図情報
1a…ファン
1b…制御マイコン
1c…ローパスフィルタ
1d、1e…通信回路
1f…回転数制御信号線
1g…パルス出力信号線
1h…フィルタ出力信号線
1i…回転数制御部
1j…異常診断部
1k…電圧値検出部
1m…演算処理部
1o…コンパレータ
1p…しきい値電圧信号線
1q…コンパレータ出力信号線
1r…ローパスフィルタ
1s…フィルタ出力信号線
1t…回転数判定部
1u…可変ローパスフィルタ
1v…フィルタ制御部
1w…フィルタ制御信号線
1x…所定値制御信号
2a…縮退用制御マイコン
2b…通信回路

Claims (9)

  1. ローパスフィルタを介したファンの出力からファンの回転数の低下を検出する診断部を備える電子制御装置であって、
    前記診断部として機能する制御マイコンと、
    前記ファンの回転に応じてパルス信号を出力するセンサを有し、前記制御マイコンを冷却する前記ファンと、
    前記センサからパルス信号が入力され、第1のカットオフ周波数を有する第1のローパスフィルタと、
    前記センサからパルス信号が入力され、前記第1のカットオフ周波数より高い第2のカットオフ周波数を有する第2のローパスフィルタと、を備え、
    前記制御マイコンは、前記第1のローパスフィルタから出力される信号によって示される値がしきい値を下回った場合、前記制御マイコンの機能を別の制御マイコンに引き継がせ、前記第1のローパスフィルタから出力される信号によって示される値が前記しきい値を超え、かつ、前記第2のローパスフィルタから出力される信号によって示される値が前記しきい値を下回った場合、前記制御マイコンの計算量を減らす電子制御装置。
  2. 前記第1及び第2のローパスフィルタは、それぞれの判定周波数以上の信号を平滑化させる請求項1に記載の電子制御装置。
  3. 前記制御マイコンは、フィルタ出力された信号を電圧値として取り込む機能を備える請求項2に記載の電子制御装置。
  4. 前記第1及び第2のローパスフィルタは、前記制御マイコンでデジタル処理する請求項3に記載の電子制御装置。
  5. 前記第1及び第2のローパスフィルタは、並列に接続して構成され、前記制御マイコンに接続される請求項3に記載の電子制御装置。
  6. 前記第1及び第2のローパスフィルタの出力に接続されるコンパレータ回路を備え、
    前記コンパレータ回路で規定値に相当する電圧と比較し、コンパレータ出力を制御マイコンに入力する請求項1に記載の電子制御装置。
  7. 前記制御マイコンは、車両が有する外界情報センサの信号をもとに演算処理する外界認識マイコンである請求項1乃至6のいずれかに記載の電子制御装置。
  8. 前記制御マイコンは、
    前記第1及び第2のローパスフィルタから出力される信号のデジタル値がそれぞれ前記しきい値を下回った場合、前記ファンの回転数が低下したと判定する請求項1に記載の電子制御装置。
  9. 前記第1及び第2のローパスフィルタから出力される信号の電圧値としきい値電圧とを比較するコンパレータ回路と、を備え、
    前記制御マイコンは、
    前記コンパレータ回路から出力される信号から前記ファンの回転数の低下を検出する請求項1に記載の電子制御装置。
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