JP7289110B2 - 構造体の設計探索装置、構造体の設計探索方法及び構造体の製造方法 - Google Patents

構造体の設計探索装置、構造体の設計探索方法及び構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、構造体の設計探索装置および設計探索方法等に関する。
特許文献1には、構造物の最適形状を設計することを可能とする設計方法が開示されている。より詳しくは、特許文献1は、(1)構造物の設計データに基づいて作成された構造物のCADデータをCAEデータに変換し、(2)CAEデータに変換された構造物形状についてCAE構造解析により力学的応答量を検出すると共に、CADデータとして定義された構造物形状について製作可否を判断し、(3)構造物のCADデータと、力学的応答量と、製作可否との相関関係を検出し、(4)相関関係に基づいて力学的応答量が構造物の設計条件を満足し、且つ製作可能となるように構造物の最適形状が検出されるまで構造物のCADデータを変更し、(5)その変更した構造物のCADデータに基づいて構造物のCADデータと、力学的応答量と、製作可否との相関関係を更新し、その更新された相関関係に基づいて力学的応答量が構造物の設計条件を満足し、かつ製作可能となるように構造物の最適形状を検出する設計方法を提案している。
特許文献1に提案された設計方法によれば、最初に作成されたCADデータに含まれる構造物の形状が、所定の要件を満たす最適形状となるように修正される。
特開2003-223480号公報
特許文献1に提案された設計方法によれば、ある特定の形状を有する構造体について、所望の要件を満たす最適形状を局所的に設計することは可能である。言い換えれば、特許文献1の設計方法は、その特定の形状に限定された条件下においてのみ、構造体の最適形状の設計が可能である。
このように、特許文献1の設計方法はある特定の形状を有する構造体の最適形状を求めることは可能であるものの、種々の設計機能空間を俯瞰して個々のパラメータを変更しながら目的の要件を満たす構造を探索することはできない。
設計者が最初に作成した形状を備えた構造が、所望の要件を満たす適切な構造であるとは限らない。他の形状を有する構造も同様の要件を満たす可能性があり、さらには、他の形状を有する構造がより有利な要件を満たす可能性もある。そのため設計者には、限られた設計機能空間内ではなく、より広い設計機能空間において種々の要件のパラメータを変化させながら所望の要件を満たす構造を探索することで、より適切な構造を、考えられる中で最適であるという高い納得感をもって設計したいというニーズがある。
また、特許文献1に提案された設計方法では、1つの構造体の最適形状を得る度に、上記の(1)~(5)の処理を一通り実行する必要がある。さらに、構造体の形状あるいは制約条件の一部のみを変更した場合の最適形状を得るときにも、それらの一連の処理をその都度最初から行う必要が生じる。そのため、特許文献1の設計方法では、種々の設計/機能変数のパラメータ値を変化させながら所望の要件を満たす構造/機能を即応性を持って探索することはできない。
本発明の一態様によれば、1又は2以上の構造体について所望の要件を満たす設計パラメータ及び/又は機能パラメータを探索することを可能とする環境を構築する装置が提供される。装置は制御部と記憶部とを有し、制御部は、構造体の構成に関する1又は2以上の設計変数に入力する設計パラメータ値を各々が含む複数組の設計パラメータ値セットを含む設計変数ベクトルを設定することと、設計変数ベクトルについて所定の解析条件に基づく解析処理を実行して、構造体が呈する機能に関する1又は2以上の機能変数に関する機能パラメータ値を各々が含む複数組の機能パラメータ値セットを含む機能変数ベクトルを取得することと、各々の設計パラメータ値セット及び機能パラメータ値セットについて、設計パラメータ値セットと、設計パラメータ値セットに基づいて取得された機能パラメータ値セットとを互いに関連付けた状態で記憶部に格納することと、1つの設計変数ベクトルと、1又は2以上の解析条件と、設計変数ベクトルについて1又は2以上の解析条件に基づく解析処理を実行した結果、各々の解析条件について取得される1又は2以上の機能変数ベクトルとを関連付けて前記記憶部に格納することと、を実行するように構成されている。
本発明の他の特徴事項および利点は、例示的且つ非網羅的に与えられている以下の説明及び添付図面から理解することができる。
本発明の第1の実施形態に係る構造体の設計探索装置の機能ブロック図である。 オクテット・トラスからなる構造を示す図である。 エックス字形のヒンジからなる構造を示す図である。 線形弾性体として均質化されたラティスを示す図である。 ヒンジばねとして評価されるコンプライアントメカニズムを示す図である。 6自由度ばねとして評価される制振部材を示す図である。 本実施形態の設計探索装置によって生成され得る、第1の機能変数と第2の機能変数との2つの機能変数とに対応する種々の構造の分布を示す概略図である。 本実施形態の設計探索装置による設計機能空間の構築方法を示すフローチャートである。 本実施形態の設計探索装置による設計/機能パラメータの探索方法を示すフローチャートである。 本実施形態の設計探索装置により生成される、設計機能空間を含む設計探索画面の一例を示す概略図である。 本実施形態の設計探索装置により生成される、設計機能空間を含む設計探索画面の他の例を示す概略図である。 図10Aに示した例の設計探索画面において、3本の線分でパラメータ値を入力し、それらの線分で囲まれた領域がそれらのパラメータ値の数値範囲として選択された状態を示す図である。 本実施形態に係る設計探索装置の一変形例を示す図である。 本実施形態に係る設計探索装置の一変形例を示す図である。 本実施形態の設計探索装置により生成される設計探索画面の一実装例を示す図である。 本実施形態の設計探索装置により生成される設計探索画面の一実装例を示す図である。 本実施形態の設計探索装置により生成される設計探索画面の一実装例を示す図である。 本実施形態の一変形例に関し、設計変数ベクトルXの2つの設計変数x1,x2と、その解析結果として得られた機能変数ベクトルYの2つの機能変数y1,y2との関係を示す図である。 本実施形態の一変形例に関し、2つの設計変数x1,x2からなる設計機能空間において設計変数x1を固定した場合の設計変数x1と設計変数x2との関係を示す図である。 本実施形態の一変形例に関し、2つの設計変数x1,x2からなる設計機能空間において、軸に選択していない機能変数y1を固定した場合の設計変数x1と設計変数x2との関係を示す図である。 本実施形態の一変形例に関し、2つの機能変数y1,y2からなる設計機能空間において、軸に選択していない設計変数x1を固定した場合の機能変数y1と機能変数y2との関係を示す図である。 本実施形態の一変形例に関し、2つの機能変数y1,y2からなる設計機能空間において機能変数y1を固定した場合の機能変数y1と機能変数y2との関係を示す図である。 設計変数x1と機能変数y1とからなる設計機能空間において、軸に選択している設計変数x1を固定した場合の設計変数x1と機能変数y1との関係を示す図である。 本実施形態の一変形例に関し、設計変数x1と機能変数y1とからなる設計機能空間において設計変数x2を固定した場合の設計変数x1と機能変数y1との関係を示す図である。 本実施形態の一変形例に関し、設計変数x1と機能変数y1とからなる設計機能空間において機能変数y1を固定した場合の設計変数x1と機能変数y1との関係を示す図である。 本実施形態の一変形例に関し、設計変数x1と機能変数y1とからなる設計機能空間において、軸に選択していない機能変数y2を固定した場合の設計変数x1と機能変数y1との関係を示す図である。 本実施形態の一変形例に関し、設計変数x1と機能変数y1とからなる設計機能空間において、軸に選択していない設計変数x2及び機能変数y2を固定した場合の設計変数x1と機能変数y1との関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態の処理の全体フローを示す図である。
最初に、本発明の第1の実施形態に係る構造体の設計探索装置の概要について説明する。
本実施形態に係る設計探索装置100(図1参照)は、概して、構造体の設計探索に必要な諸情報を蓄積して設計探索環境を構築する機能と、構築された設計探索環境においてユーザの所望の条件を満たし得る設計パラメータ及び/又は機能パラメータを探索する機能とを提供するものである。
本実施形態に係る設計探索装置100による設計探索環境の構築には、幾何構造が異なる種々の構造について、構造が呈する機能に関する1又は2以上の機能パラメータ値を含む機能変数ベクトルを出力するための一連の処理を定義する評価関数および評価関数パラメータと、構造を構成する形状定義関数及び形状パラメータと材料定義関数及び材料パラメータとを含む設計変数ベクトルと、設計変数ベクトルを評価関数に適用した結果出力される機能変数ベクトルを互いに関連付けてデータセットとして蓄積することが含まれる。設計変数ベクトルの形状定義関数は、それによって定義する構造の形状を生成するための処理を記述しており、形状パラメータは形状定義関数に含まれる1又は2以上の変数に入力される形状パラメータを含む。材料定義関数は、それによって定義する構造の要素特性(材料)を特定するための処理を記述しており、材料パラメータは材料定義関数に含まれる1又は2以上の変数に入力される材料パラメータ値を含む(以下、形状パラメータと材料パラメータとを併せて「設計パラメータ」と称することもある)。設計探索環境に含むべき評価関数、設計変数ベクトルおよび機能変数ベクトルは適宜設定することができる。
蓄積されたデータセットの各パラメータ値は、離散的に存在するサンプル点群として提示することができ、さらには、それらの値を補間することにより連続的に提示することも可能である。
また、本実施形態に係る設計探索装置100による設計パラメータ及び/又は機能パラメータの探索においては、一例として、上記のように設計探索装置に蓄積された設計変数ベクトル及び機能変数ベクトルの変数の中からユーザが探索したい変数(例えば、機能変数1と機能変数2)を選択すると、それらの機能変数1,2を軸とする設計機能空間上にそれら機能変数のサンプル点群が離散的及び/又は連続的に表示される。ユーザは、その設計機能空間において、所望の条件を満たす機能パラメータ及びそれに関連付けられた設計パラメータを探索することができる。
所望の条件を満たす設計/機能パラメータ値が存在する場合は、それらのパラメータ値に基づいて構造を設計することで、ユーザが期待する機能を実現する構造を作製することができる。
一方、所望の条件を満たす機能パラメータ値が存在していない場合は、その時点で構築されている設計探索環境には所望の条件を満たす構造が存在していないことを意味する。この場合は、その条件を満たす機能パラメータ値を実現する設計パラメータを新たに求め、既に構築されている設計探索環境に追加して設計機能空間を拡張することで、その後の探索において用いることができる。
本実施形態に係る設計探索装置100によれば、種々の構造について、設計変数ベクトルに関する1又は2以上の組の設計パラメータ値と、機能変数ベクトルに関する1又は2以上の組の機能パラメータ値とを互いに関連付けて蓄積した設計探索環境が構築されるため、ユーザが構造の設計において注目したい変数からなる設計機能空間において、所望の条件を満たす設計/機能パラメータ値を、特定の構造についてのみではなく種々の構造を横断的に跨いで探索することができる。
さらには、ある変数のパラメータ値を変化させたときに他の変数の値がどのように変化するか、あるいは、ある変数のパラメータ値を固定した状態で所望の条件を満たすために他の変数のパラメータ値をどの程度変化させることができるかというように、変数のパラメータを変化させながら設計の自由度を探索することも可能となる。
次に、本発明の一実施形態に係る構造体の設計探索装置100の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る構造体の設計探索装置の機能ブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る設計探索装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、入出力部140とを備えている。
通信部110は、通信ネットワークを介して設計探索装置100とは異なる端末(不図示)と通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の種々の通信プロトコルを採用することが可能である。
記憶部120は、OS(Operating System)プログラム、各種制御処理や制御部130に本実施形態で説明する動作を実行させるための種々のコンピュータ・プログラム、入出力部140からの入力データ、制御部130での処理により生成された生成データ、他の端末との通信内容等を記憶する。また、記憶部120は、評価関数に関するテーブル、設計変数ベクトルに関するテーブル、機能変数ベクトルに関するテーブル、設計変数ベクトルの各変数の種々の値と機能変数ベクトルの各変数の種々の値とが関連付けられたサンプル点群データ等の設計機能データが記憶されるデータベース(以下「DB」とも称する。)122を含む。DB122に記憶されるこれらの情報の詳細については後述する。
記憶部120は、設計探索装置100の電源がオフにされても記憶状態が保持される不揮発性の記憶媒体を備えていることが好ましく、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、固体記憶装置(SSD)、コンパクトディスク(CD)・ディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)・ブルーレイディスク(BD)等の光学ディスクストレージ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、EPROM(Rrasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性ストレージを備えている。なお、記憶部120はスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等の揮発性ストレージをさらに備えていてもよいが、少なくとも上述したコンピュータ・プログラム及び設計機能データは記憶部120のうち不揮発性の(非一時的な)記憶媒体に記憶される。
さらに、記憶部120は、入出力部140のディスプレイ142上に表示される画面を構成するスライダや選択項目等のグラフィック表現を行うためのデータ、その画面を構成する各情報を表示するために必要なテキストデータ、画面のレイアウトを決定するためのレイアウト決定用データ、入力内容を基に記憶情報を更新するプログラム等、各種データまたはプログラムを格納することができる。
制御部130は、記憶部120に記憶されているコンピュータ・プログラムを実行することにより、設計探索装置100の全体の動作を制御するものであり、特に、図8及び図9を参照して説明するような設計探索装置100の機能を実現するように動作する。制御部130は、例えば、中央演算処理装置(CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、GPGPU(General Purpose Computing on GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、組込みプロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、あるいはそれらの組み合わせで構成される。制御部130は、1又は2以上のプロセッサで構成されていてもよい。
入出力部140は、出力部としてのディスプレイ142と、入力部としての入力デバイス144とを含む。ディスプレイ142には、ディスプレイ・モニター、コンピュータ・タブレット装置(タッチパネル式のディスプレイを備えたものを含む)、プロジェクター等の任意の形態の表示装置を用いることができる。入力デバイス144は、例えば、キーボード、マウスやジョイスティック等のポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せで構成することができる。ディスプレイ142がタッチパネル式のディスプレイ・デバイスである場合には、そのタッチパネルを入力デバイス144としても用いることができる。
図1に示した設計探索装置100のデータベース122に記憶される設計機能データのデータ構造及びデータ項目の一例を表1に示す。
Figure 0007289110000001
表1に示すように、設計探索装置100の記憶部120のデータベース122に記憶される設計機能データは、
(1)構造が呈する機能に関する1又は2以上の機能パラメータ値を含む機能変数ベクトルYを出力するための一連の処理を定義する評価関数f評価を示すラベル
(2)評価関数f評価の変数に代入される評価関数パラメータP
(3)構造を構成する形状定義関数及び形状パラメータ値と材料定義関数及び材料パラメータ値とを含む設計変数ベクトルX
(4)設計変数ベクトルXを評価関数f評価に適用した結果出力される機能変数ベクトルY
を含む。設計機能データは、評価関数f評価ラベルと、評価関数パラメータPと、設計変数ベクトルXと、機能変数ベクトルYとを一組のデータセットとしてデータベース122に格納される。
(1)評価関数f評価
「評価関数f評価」は、ある機能変数ベクトルYを出力するための一連の処理を定義する関数であり、値を入力可能な1又は2以上の変数を含む。評価関数f評価は、一例として、ある機能変数ベクトルYを出力するために設計探索装置100の制御部130に実行させる処理を記述するコンパイルされたバイナリファイルの形態で実装することが可能である。評価関数f評価は、機能変数ベクトルYとして何を出力するかに応じて異なる。
例えば、機能変数ベクトルYとして構造の各部の剛性特性を出力する評価関数f評価を定義する場合には、所望の剛性特性(機能変数ベクトルY)を出力するために必要な要件が定義される。この場合、評価関数f評価は例えば、入力される設計変数ベクトルXによって定義される構造を解析のためのメッシング設定、構造に与える境界条件(拘束条件及び荷重条件)の設定、構造の材料情報の設定、解析条件の設定(例えば、評価関数f評価の出力から構造の各部の剛性特性を求めるための処理設定として、構造の当該各部に印加した力と、当該各部の曲げ変位・ねじり変位とに基づいて弾性係数を求める等)などの一連の処理を定義し、それらの設定に関して外部から値を入力可能な変数を含む。
上記のうち境界条件の設定について例示的に説明すると、境界条件(拘束条件及び荷重条件)は、例えば、設計変数ベクトルXで定義される構造に対して境界条件を設定する面を自動検出して設定するように評価関数f評価を定義することで設定することができる。この場合は、具体的には、設計変数ベクトルXで定義される構造を収容する空間を画定するバウンディング・ボックスのz軸上の最小値を通るxy面(Zmin面)をその構造の固定面とし、バウンディング・ボックスのz軸上の最大値を通るxy面(Zmax面)にx軸方向に荷重を印加するというように定義して、境界条件を設定することができる。
また、評価関数f評価が振動伝達率を出力する一連の処理を定義する場合には、評価関数f評価は、例えば、メッシング設定、構造に与える境界条件(質点配置位置、質点質量、加振点、加振方向、加振力、受振点等)の設定、各周波数値における振動伝達率に関する設定などの一連の処理を定義し、それらの設定に関して外部から値を入力可能な変数を含む。
評価関数f評価を構成する1又は2以上の設定項目(変数)は、例えば下記の表2に示すデータ構造のように、評価関数設定項目テーブルとしてデータベース122に格納されている。評価関数f評価は、設計探索装置100のユーザが、設計探索装置100の制御部130によりディスプレイ142に表示されるユーザ・インターフェース(UI)画面においてこのテーブルから必要な設定項目を入力デバイス144を用いて選択することで、設計探索装置100に所望の評価関数f評価を生成させることができる。あるいは、評価関数の設定項目をスクリプト記述により入力できるように設計探索装置100が構成されている場合には、ユーザは入力デバイス144を用いてスクリプトを記述して設定項目を入力することができる。このように入力された設定項目も、後に使用できるように評価関数設定項目テーブルに追加的に格納しておくことが好ましい。
Figure 0007289110000002
このように生成された評価関数f評価は、例えば下記の表3に示すデータ構造のように、評価関数テーブルとしてそれを示す「ラベル」と関連付けてデータベース122に格納される。設計探索装置100の制御部130は、上記のように評価関数設定項目の選択が行われて評価関数f評価が生成された後に終了の入力を受け付けると、その評価関数f評価を示すラベルを生成し、ラベルと評価関数f評価とを互いに関連付けてデータベース122に格納する。
Figure 0007289110000003
評価関数f評価を示すラベルは文字列によって表現され得る。文字列は設計探索装置100の制御部130によって読み取り可能であればよく、人も認識できる単語や数字を羅列して構成されたものや、人が理解不能なランダムな文字配列で符号化されたもの等で構成される。設計探索装置100は、その文字列ラベルを読み出すと、対応する評価関数f評価を再現することができるように構成されている。
表1に示すデータ構造には、上記のように定義された評価関数f評価を示す「ラベル」が格納される。設計探索装置100の制御部130は、表1に示すデータ構造に格納された評価関数f評価ラベルに対応する評価関数f評価を表3に示すデータ構造を参照して特定する。
(2)評価関数パラメータP
「評価関数パラメータP」は、評価関数f評価の各変数に代入されるパラメータ値(数値)で構成される数値ベクトルである。評価関数パラメータPは、数値を代入する評価関数f評価の各変数を示す情報である1又は2以上の「変数タイプ」と、各変数タイプに関連づけられた「パラメータ値」とを含む。一例として、評価関数パラメータPは「Pa_a1,Pb_b1,Pc_c1」のようにデータが格納される。この例では、Pa,Pb,Pcは評価関数f評価の各変数に対応する変数タイプを示し、a1,b1,c1はそれらに関連づけられたパラメータ値を示している。
ユーザは、評価関数f評価を上述したように定義した後、その評価関数f評価の各要件項目の変数に代入するパラメータ値を入力デバイス144を用いて入力する。入力されたパラメータ値は、評価関数f評価の対応する各変数に関連付けられた状態で、評価関数パラメータP(数値ベクトル)として、その評価関数f評価に関連付けてデータ構造に格納される。
一例として、評価関数パラメータPが剛性特性を出力する評価関数f評価に関するものである場合は、評価関数パラメータPは、構造を解析のためにメッシングするためのメッシュ設定に関する変数に入力されるパラメータ値(どの程度細分化したメッシュを生成するかを指定する値)、境界条件(拘束条件及び荷重条件)の設定に関する変数に入力されるパラメータ値(例えば、荷重方向や荷重力を指定する値)等を含み得る。
ここで、評価関数f評価によって定義される一連の処理の例について、線形弾性体として均質化されたラティスを求める処理を定義する場合を例に挙げて説明する。この場合、評価関数f評価は下記に示す1)~6)の一連の処理を定義する。
1)入力された形状定義関数及び形状パラメータを用いて形状を定義
2)定義した形状に対し、評価関数パラメータで指定されるメッシュサイズ及びメッシングアルゴリズムでメッシュを生成
3)メッシュの要素に対し、入力された材料定義関数及び材料パラメータを用いて定義された材料を紐づけ
4)メッシュの節点に関し、バウンディング・ボックス上に存在している節点を自動検出し、均質化に必要な周期性を付加するための周期境界条件を定義
5)均質化に必要な6つの荷重ケースについて、解析を実行
6)6つの解析結果から均質化結果としての弾性テンソル(21個の値)を計算
(3)設計変数ベクトルX
「設計変数ベクトルX」は、構造を構成するために必要な形状及び材料等に関する関数として、下記に示すように、その構造の形状を定義する形状定義関数を示すラベルと、形状定義関数に含まれる1又は2以上の形状変数に代入される形状パラメータ(数値ベクトル)と、構造の要素特性(材料)を定義する材料定義関数を示すラベルと、材料定義関数に含まれる1又は2以上の材料変数に代入される材料パラメータ(数値ベクトル)とを含む。
Figure 0007289110000004
形状定義関数は、1又は2以上の形状変数を含み、一例として、それによって定義される構造の形状を生成するために設計探索装置100の制御部130に実行させる処理を記述するコンパイルされたバイナリファイルの形態で実装することが可能である。一例として直方体の形状を定義する場合について説明すると、この場合の形状定義関数は、「x,y,z方向の長さをそれぞれ示す各変数のパラメータ値を受け取り、CADライブラリを用いてそれらのパラメータ値で特定される寸法を持つ直方体をbrepのデータ構造で定義する」という処理が記述されたプログラムがコンパイルされたバイナリファイルの形態で実装することができる。
材料定義関数も同様に、1又は2以上の材料変数を含み、それによって定義される構造の要素特性(材料)を決定するために設計探索装置100の制御部130に実行させる処理を記述するコンパイルされたバイナリファイルの形態で実装することが可能である。一例として等方性の材料を定義する場合について説明すると、この場合の材料定義関数は、「ヤング率、ポアソン比、密度をそれぞれ示す各変数のパラメータ値を受け取り、それらのパラメータ値で特定される等方材料の特性を特定のデータ構造で定義する」という処理が記述されたプログラムがコンパイルされたバイナリファイルの形態で実装することができる。
形状定義関数および材料定義関数は、それぞれ、例えば下記の表4及び表5に示すデータ構造のように、各関数を示す「ラベル」と関連付けてデータベース122に格納されている。設計探索装置100のユーザは、ディスプレイ142に表示されるユーザ・インターフェース(UI)画面においてこれらのテーブルから形状定義関数ラベル及び材料定義関数ラベルを入力デバイス144を用いて選択することで、それらの形状定義関数ラベル及び材料定義関数ラベルを含む所望の設計変数ベクトルXを生成させることができる。あるいは、形状定義関数及び材料定義関数をスクリプト記述により入力できるように設計探索装置100が構成されている場合には、ユーザは入力デバイス144を用いてスクリプトを記述して形状定義関数及び材料定義関数を入力することができる。このように入力された形状定義関数及び材料定義関数は、後に使用できるように形状定義関数テーブルおよび材料定義関数テーブルにそれぞれ追加的に格納しておくことが好ましい。
Figure 0007289110000005
Figure 0007289110000006
さらに、上記のように形状定義関数及び材料定義関数を定めて生成した設計変数ベクトルXは、表6に示すデータ構造のように、それに対応するラベル(文字列)と関連付けてデータベース122に格納しておくことが好ましい。これにより、設計探索装置100の制御部130は、特定の形状定義関数及び材料定義関数からなる設計変数ベクトルXをデータベース122から読み出して利用することが可能になる。より具体的には、設計探索装置100の制御部130が表6に示すデータ構造にアクセスすると、ある設計変数ベクトル・ラベルに関連付けられた形状定義関数ラベルに対応する形状定義関数を表4のデータ構造を参照して特定し、当該設計変数ベクトル・ラベルに関連付けられた材料定義関数ラベルに対応する材料定義関数を表5のデータ構造を参照して特定する。
Figure 0007289110000007
形状定義関数ラベル、材料定義関数ラベル、設計変数ベクトル・ラベルは、それぞれ、文字列によって表現され得る。文字列は設計探索装置100の制御部130によって読み取り可能であればよく、人も認識できる単語や数字を羅列して構成されたものや、人が理解不能なランダムな文字配列で符号化されたもの等で構成される。設計探索装置100は、それらの文字列ラベルを読み出すと、対応する形状定義関数、材料定義関数、設計変数ベクトルをそれぞれ再現することができるように構成されている。
形状パラメータは、形状パラメータ値を代入する形状定義関数に含まれる1又は2以上の形状変数を示す情報である1又は2以上の「変数タイプ」と、各変数タイプに代入される形状パラメータ値とからなる形状パラメータ値セットを含む。例えば、形状定義関数に3つの形状変数が含まれるケースでは、それら3つの形状変数を示す3つの変数タイプと、各変数タイプに代入される3つの形状パラメータ値とが1つの形状パラメータ値セットとして形状パラメータに格納される。そして、生成するデータセット数に応じて、複数の形状パラメータ値セットが設計変数ベクトルXの一部として表1に示すデータ構造に格納される。
複数の形状パラメータ値セットは下記のように形状パラメータに格納される。下記の例では、(Xa_1a,Xb_1b,Xc_1c)のように3つの変数タイプXa,Xb,Xcとそれらに関連付けられた3つのパラメータ値a1,b1,c1とを1組の形状パラメータ値セットとして、n組の形状パラメータ値セットが形状パラメータに格納されている。
Figure 0007289110000008
それら複数の形状パラメータ値セットのそれぞれのパラメータ値は、ユーザが個別に入力することで生成してもよいし、あるいは、各形状変数に代入される数値の範囲と刻み値をユーザが入力した後、設計探索装置100の制御部130によってその入力に従って生成してもよい。後者の場合、各組の各変数タイプに関連付けられる数値は、生成された数値から制御部130がランダムに割り振って決定するようにしてもよい。このとき、生成された数値の全ての組み合わせについて複数の形状パラメータ値セットを生成してもよいし、生成する形状パラメータ値セットの数を予め定めてその組に到達するまで数値の組み合わせを生成してもよい。
また、材料パラメータは、材料パラメータ値を代入する材料定義関数に含まれる1又は2以上の材料変数を示す3つの変数タイプと、各変数タイプに代入される3つの材料パラメータ値とからなる複数の材料パラメータ値セットを含む。例えば、材料定義関数に3つの材料変数が含まれるケースでは、それら3つの材料数を示す3つの変数タイプと、各変数タイプに代入される3つの材料パラメータ値とが1つの材料パラメータ値セットとして材料パラメータに格納される。そして、生成するデータセット数に応じて、複数の材料パラメータ値セットが設計変数ベクトルXの一部として表1に示すデータ構造に格納される。
複数の材料パラメータ値セットは下記のように材料パラメータに格納される。下記の例では、(Xα1a,Xβ1b,Xγ1c)のように3つの変数タイプXα,Xβ,Xγとそれらに関連付けられた3つのパラメータ値a1,b1,c1とを1組の材料パラメータ値セットとして、n組の材料パラメータ値セットが材料パラメータに格納されている。
Figure 0007289110000009
それら複数組の材料パラメータのそれぞれのパラメータ値についても形状パラメータ値の場合と同様に、ユーザが個別に入力することで生成してもよいし、あるいは、各材料変数に代入される数値の範囲と刻み値をユーザが入力した後、設計探索装置100の制御部130によってその入力に従って生成してもよい。後者の場合、各組の各変数タイプに関連付けられる数値は、生成された数値から制御部130がランダムに割り振って決定するようにしてもよい。このとき、生成された数値の全ての組み合わせについて複数の材料パラメータ値セットを生成してもよいし、生成する材料パラメータ値セットの数を予め定めてその組に到達するまで数値の組み合わせを生成してもよい。
ここで、設計変数ベクトルXに含まれる形状定義関数及び形状パラメータと材料定義関数及び材料パラメータの具体的な例について説明する。
1)等方性材料からなるオクテット・トラス
図2は、オクテット・トラスからなる構造を示す図である。一例として、等方性材料からなるオクテット・トラスの構造を示す設計変数ベクトルXは下記の情報を含む。
Figure 0007289110000010
上記の設計変数ベクトルXにおいて、
・“OctetTruss”は、構造の形状(オクテット・トラス)を定義する形状定義関数を示すラベルであり、
・“paramOctecTrussベクトル”は、その形状定義関数に含まれる形状変数であるオクテット・トラスを構成する変数である円断面梁の半径rを示す変数タイプと、それに関連付けられた1又は2以上の形状パラメータ値とを含む複数の形状パラメータ値セットからなる形状パラメータ(数値ベクトル)であり、
・“Isotropic”は、構造の要素特性(材料)が等方性を有することを定義する材料定義関数を示すラベルであり、
・“paramIsotropicベクトル”は、その材料定義関数に含まれる形状変数である、この構造の要素特性(材料)を決定する変数であるヤング率E、密度ρ及びポアソン比νを示す変数タイプと、それらにそれぞれ関連付けられた材料パラメータ値とを含む複数の材料パラメータ値セットからなる材料パラメータ(数値ベクトル)である。
2)直交異方性材料からなるエックス字形ヒンジ
図3は、エックス字形のヒンジからなる構造を示す図である。一例として、直交異方性材料からなるエックス字形ヒンジの構造を示す設計変数ベクトルXは下記の情報を含む。
Figure 0007289110000011
上記の設計変数ベクトルXにおいて、
・“XHinge”は、構造の形状(エックス字形のヒンジ)を定義する形状定義関数を示すラベルであり、
・“paramXHingeベクトル”は、その形状定義関数に含まれる形状変数であるエックス字形ヒンジの幅w、同構造の長さh、同構造の厚みd及びエックス字形部分の変形梁の厚みt示す変数タイプと、それらにそれぞれ関連付けられた形状パラメータ値とを含む複数の形状パラメータ値セットからなる形状パラメータ(数値ベクトル)であり、
・“Orthotropic”は、構造の要素特性(材料)が直交異方性を有することを定義する材料定義関数を示すラベルであり、
・“paramXHingeベクトル”は、その材料定義関数に含まれる形状変数である直交異方性を記述する各方向(x、y、z方向)の弾性係数E、密度ρ及び直交異方性を記述する各成分のポアソン比ν示す変数タイプと、それらにそれぞれ関連付けられた材料パラメータ値とを含む複数の材料パラメータ値セットからなる材料パラメータ(数値ベクトル)である。
なお、上記に示した設計変数ベクトルXは例示に過ぎず、形成する構造の幾何的な形状および要素特性(材料)に応じて適宜異なり得ることに留意されたい。
(4)機能変数ベクトルY
「機能変数ベクトルY」は、設計変数ベクトルXを評価関数f評価に適用した結果出力される各機能変数を示す変数タイプと、それらの変数タイプに関連付けられた機能パラメータ値とを含む複数の機能パラメータ値セットからなる。それらの機能変数としては、例えば、剛性、応力、振動伝達率、変位の孤立化度、外形寸法、最小寸法等が含まれる。機能変数ベクトルYは評価関数f評価の出力であるため、評価関数f評価が定義されると、それにより出力される機能変数が定まる。
ここで特に「変位の孤立化度」は、構造のある変形モード群(例えば、変形の1次モード及び2次モード)の剛性と他の変形モード群(例えば、変形の3次モード以降)の剛性との比によって表現される。この比の値が大きいほど、上記変形モード群間での構造の変形が生じ難い、すなわち変位の孤立化度が高いことを表す。
機能変数ベクトルYは下記のようにデータが格納される。下記の例では、(Ya_1a,Yb_1b,Yc_1c,Yd_1d)のように、4つの機能変数を示す変数タイプYa,Yb,Yc,Ydとそれらに関連付けられた5つの機能パラメータ値a1,b1,c1,d1とを1組の機能パラメータ値セットとして、n組の機能パラメータ値セットが機能変数ベクトルに格納されている。
Figure 0007289110000012
次に、機能変数ベクトルYに含まれる変数タイプ及びパラメータ値の例について説明する。
1)線形弾性体として均質化されたラティス
線形弾性体として均質化されたラティス(図4参照)に関する機能変数ベクトルYは下記の変数タイプ及びパラメータ値を含む。
Figure 0007289110000013
上記の機能変数ベクトルYにおいて、
・“Cベクトル”は、線形弾性体として均質化したラティスの弾性率テンソルの21成分のベクトルに関する変数を示す変数タイプと、それらに関連付けられたパラメータ値とを含む複数の機能パラメータ値セットを示し、
・“ρrelative”は、線形弾性体として均質化したラティスを材料として巨視的に見た際の有効密度関する変数を示す変数タイプと、それに関連付けられたパラメータ値とを含む機能パラメータ値セットを示し、
・“thicknessmin”は、線形弾性体として均質化したラティスが採りうる最小肉厚に関する変数を示す変数タイプと、それに関連付けられたパラメータ値とを含む機能パラメータ値セットを示す。
2)ヒンジばねとして評価されるコンプライアントメカニズム
ヒンジばねとして評価されるコンプライアントメカニズム(図5参照)に関する機能変数ベクトルYは下記の変数タイプ及びパラメータ値を含む。
Figure 0007289110000014
上記の機能変数ベクトルYにおいて、
・“k”は、コンプライアントメカニズムのヒンジばねとしての剛性に関する変数を示す変数タイプと、それに関連付けられたパラメータ値とを含む機能パラメータ値セットを示し、
・“θmax”はヒンジばねの最大曲げ角度に関する変数を示す変数タイプと、それに関連付けられたパラメータ値とを含む機能パラメータ値セットを示し、
・“thicknessmin”は、ヒンジばねとして評価されるコンプライアントメカニズムが採りうる最小肉厚に関する変数を示す変数タイプと、それに関連付けられたパラメータ値とを含む機能パラメータ値セットを示す。
3)6自由度ばねとして評価される制振部材
6自由度ばねとして評価される制振部材(図6参照)に関する機能変数ベクトルYは下記の変数タイプ及びパラメータ値を含む。
Figure 0007289110000015
上記の機能変数ベクトルYにおいて、
・“ktx,kty,ktz,krx,kry,krz”は、それぞれ、x方向の剛性、y方向の剛性、z方向の剛性、x軸周りのモーメント剛性、y軸周りのモーメント剛性、z軸周りのモーメント剛性に関する変数を示す変数タイプと、それらに関連付けられたパラメータ値とを含む複数の機能パラメータ値セットを示し、
・“Ttzベクトル”は、1~1000Hzの1Hz刻みの各周波数におけるz方向の振動伝達率(1000次元)に関する変数を示す変数タイプと、それらに関連付けられたパラメータ値とを含む複数の機能パラメータ値セットを示し、
・“thicknessmin”は、6自由度ばねとして評価される制振部材が採りうる最小肉厚に関する変数を示す変数タイプと、それに関連付けられたパラメータ値とを含む機能パラメータ値セットを示す。
上記に示した機能変数ベクトルYに含まれる変数タイプは例示に過ぎず、出力する機能変数ベクトルYを定義する評価関数f評価に応じて異なりうる。機能変数ベクトルYには、上記の例の他、種々の物理的性質(機械的性質、熱的性質、電気的性質、音響的性質、振動的性質、磁気的性質等)に関する変数を示す変数タイプが含まれ得る。
ここで、表1のデータ構造に格納された各設計変数ベクトルX内の形状パラメータ及び材料パラメータと、その設計変数ベクトルXに関連付けられた機能変数ベクトルYとの関係について説明する。
表1のデータ構造の第1行目に格納されたデータセットを参照すると、そのデータセットには設計変数ベクトルXと機能変数ベクトルYとが互いに関連付けられた状態で含まれている。ここで、設計変数ベクトルXには上記の数2に例示した形状パラメータと数3に例示した材料パラメータとが含まれ、機能変数ベクトルYが数6に例示した機能変数ベクトルからなるとした場合、上記データセットに含まれる設計変数ベクトルXの形状パラメータおよび材料パラメータと機能パラメータ値セットとは、下記の表7のように互いに関連付けられて表1のデータ構造に格納されている。
Figure 0007289110000016
この場合、表7の第1行目のデータの例を参照して説明すると、設計変数ベクトルXの各変数に入力する形状パラメータ値セット(Xa_1a,Xb_1b,Xc_1c)および材料パラメータ値セット(Xα_1a,Xβ_1b,Xγ_1c)と、それらが入力された設計変数ベクトルXと評価関数f評価1および評価関数パラメータPとに従って出力された機能変数ベクトルYの機能パラメータ値セット(Ya_1a,Yb_1b,Yc_1c,Yd_1d)とが、当該データセット内において互いに関連付けられていることがわかる。表7の第2行目以降の各データにおいても同様に、設計変数ベクトルXの各変数に入力する形状パラメータ値セット及び材料パラメータ値セットと、それらに基づいて評価関数f評価および評価関数パラメータPに従って出力された機能変数ベクトルYの機能パラメータ値セットとが互いに関連付けられている。
なお、特に表1のデータ構造の上から6番目の例に示されるように、1つの設定変数ベクトルXに対して複数の評価関数f評価および評価関数パラメータPが対応付けられていてもよい。その結果、その設定変数ベクトルXに対して、異なる評価関数f評価および評価関数パラメータPにそれぞれ対応する複数の機能変数ベクトルYが格納される。
このように、設計探索装置100の記憶部120のデータベース122には、設計変数ベクトルXと機能変数ベクトルYとの種々の組み合わせについて、設計変数ベクトルXに入力される形状/材料パラメータ値セットと、そのパラメータが入力された設計変数ベクトルXに基づいて評価関数f評価および評価関数パラメータPに従って出力された機能変数ベクトルYの機能パラメータ値セットとが互いに関連付けられた状態で蓄積される。データベース122に格納される複数の設計変数ベクトルXに含まれる一部又は全部の変数が、各々の設計変数ベクトルXの一部又は全部において共通していてもよい。データベース122に格納される複数の機能変数ベクトルYについても同様に、その一部又は全部の変数が、各々の機能変数ベクトルYの一部又は全部において共通していてもよい。
設計探索装置100の制御部130は、データベース122に表1及び表7に示すデータ構造で格納された複数のデータセットから、共通する変数ラベルを含むパラメータ値をフィルタリングもしくはグルーピングすることで、共通する変数に関するパラメータ値を抽出することが可能である。これにより、異なるデータセットに属する共通するパラメータ値をひとまとめに参照することができ、例えば、ユーザが選択する機能変数の要件を満たす設計変数を、種々の異なる構造についてひとまとめに探索することが可能となる。
図7は、本実施形態の設計探索装置100によって生成され得る、第1の機能変数と第2の機能変数との2つの機能変数とに対応する種々の構造の分布を示す概略図である。図7には、設計探索装置100の記憶部120のデータベース122に格納されたデータセットから抽出された、第1の機能変数Yと第2の機能変数Yとに対応する種々の構造がマッピングされている。図7において、横軸は第1の機能変数Yであり、縦軸は第2の機能変数Yである。このような図は、設計探索装置100のディスプレイ142に表示される。
図7に示す例では、ユーザは、2つの機能変数Y,Yからなる機能空間内において、所望の機能要件を満たす構造とその構造が有する設計パラメータ値を探索することができる。図7に示された分布から、大まかな傾向として例えば、構造Aは第1の機能変数Yと第2の機能変数Yとが正比例する構造であり、構造Bは第1の機能変数Yの値が比較的大きく、かつ第2の機能変数Yの値が比較的小さい構造であり、構造Cは2つの機能変数Y,Yの値がいずれも小さい構造であることが判る。さらに、ユーザが設計探索装置100のディスプレイ142上でいずれかのサンプル点を入力デバイス144を用いてポインティングすると、その点の機能変数Y,Yの値と、それらの機能変数Y,Yの値を発現する各種設計パラメータの値とがディスプレイ142上に表示される。ユーザは、このようにして、所望の機能要件を満たす構造とその設計パラメータを探索することができる。さらには、それらのサンプル点間が補間されている場合には、ディスプレイ142上でサンプル点同士の間を入力デバイス144を用いてポインティングすると、ポインティングした点における機能変数Y,Yのパラメータ値と、それらの機能変数Y,Yの値を発現する各種設計パラメータの値とがディスプレイ142上に表示される。
続いて、図8等を参照して、本実施形態の設計探索装置100による設計機能空間の構築方法について説明する。図8は、本実施形態の設計探索装置による設計機能空間の構築方法を示すフローチャートである。
本実施形態の設計探索装置100による設計機能空間の構築方法においては、設計探索装置100の制御部130は、最初に、新たに構築する構築する設計機能空間のデータを格納するデータ領域を、表1に示す設計機能データのデータ構造に生成する(ステップS100)。
ステップS100において、設計探索装置100の制御部130は、ユーザが入出力部140の入力デバイス144を用いて設計機能空間の構築処理を開始する旨の指示入力をしたことを検知すると、制御部130は記憶部120のデータベース122内に格納されたデータ構造に、新たな設計機能データを記憶するためのデータ領域を生成する。具体的には、データベース122内に格納された表1のデータ構造に、その新たな設計機能データ用のデータ領域として「行」を追加する。
次に、設計探索装置100の制御部130は、構築する設計機能空間に関する評価関数f評価の定義付けを行う(ステップS101)。評価関数f評価には、所望の特性(機能変数ベクトルY)を出力するために必要な要件が定義される。
ステップS101において、設計探索装置100の制御部130は、入出力部140のディスプレイ142に、ユーザが入出力部140の入力デバイス144を用いて評価関数f評価の設定項目に関する入力を受け付けるユーザ・インターフェース(UI)画面を表示し、入力デバイス144を用いたユーザによる入力を受け付ける。設計探索装置100の制御部130は、記憶部120のデータベース122から表5に示したような評価関数設定項目テーブルを読み出し、評価関数設定項目テーブルに含まれている設定項目を、ディスプレイ142上に表示するUI画面内において例えばプルダウンメニューの形式で提示する。ユーザは、UI画面内に提示された設定項目の中から所望の設定項目を選択することで、評価関数f評価の設定項目に関する入力を行うことができる。あるいは、評価関数の設定項目をスクリプト記述により入力できるように設計探索装置100が構成されている場合には、ユーザは入力デバイス144を用いてスクリプトを記述して設定項目を入力することができる。
評価関数f評価において定義する設定項目としては、例えば上述した一例のように機能変数べクトルYとして構造の各部の剛性特性を取得したい場合には、メッシュ設定、境界条件(拘束条件及び荷重条件)、解析に用いる解析ソフトウェアとその設定(例えば、構造の各部の剛性特性を求めるための処理設定として、構造の当該各部に印加した力と、当該各部の曲げ変位・ねじり変位とに基づいて弾性係数を求める等、取得したい機能変数ベクトルYを定める設定)等が含まれる。
設計探索装置100の制御部130は、このように設定項目が選択もしくは入力されて評価関数f評価を生成した後、その評価関数f評価を表現する文字列からなるラベルを生成し、表3のデータ構造に評価関数f評価とそのラベルとを関連付けて格納するとともに、そのラベルを上記ステップS100で生成したデータ領域における「評価関数f評価ラベル」に格納する。
次に、設計探索装置100の制御部130は、上記のように定義付けされた評価関数f評価の各変数に代入する評価関数パラメータPを設定する(ステップS102)。
ステップS102において、設計探索装置100の制御部130は、入出力部140のディスプレイ142に、ユーザが入出力部140の入力デバイス144を用いて評価関数パラメータPに関する入力を受け付けるユーザ・インターフェース(UI)画面を表示し、入力デバイス144を用いたユーザによる入力を受け付ける。設計探索装置100の制御部130は、記憶部120のデータベース122に上記のように格納されたラベルが表現する評価関数f評価の各変数に対して設定するパラメータ値の入力を求めるUI画面をディスプレイ142上に表示する。ユーザは、各変数に対して設定するパラメータ値をUI画面内において入力デバイス144を用いて入力する。
設計探索装置100の制御部130は、このように入力されたパラメータ値を、評価関数f評価の変数を示す変数ラベルと関連付けた状態で、上記ステップS100で生成したデータ領域における「評価関数パラメータP」に格納する。
次に、設計探索装置100の制御部130は、構築する設計機能空間に関する設計変数ベクトルXを設定する(ステップS103)。
ステップS103において、設計探索装置100の制御部130は、入出力部140のディスプレイ142に、ユーザが入出力部140の入力デバイス144を用いて設計変数ベクトルXの関数に関する入力を受け付けるユーザ・インターフェース(UI)画面を表示し、入力デバイス144を用いたユーザによる入力を受け付ける。
設計探索装置100の制御部130は、記憶部120のデータベース122から表2に示したような形状定義関数テーブルと表3に示したような材料定義関数テーブルとを読み出し、それらのテーブルに含まれている関数を、ディスプレイ142上に表示するUI画面内において例えばプルダウンメニューの形式で提示する。ユーザは、UI画面内に提示されたそれらの関数の中から所望の関数を選択することで、設計変数ベクトルXを成す形状定義関数及び材料定義関数に関する入力を行うことができる。あるいは、設計変数ベクトルXの形状定義関数及び材料定義関数をスクリプト記述により入力できるように設計探索装置100が構成されている場合には、ユーザは入力デバイス144を用いてスクリプトを記述して形状定義関数及び材料定義関数を入力することができる。
さらに、ステップS103において設計探索装置100の制御部130は、入出力部140のディスプレイ142に、ユーザが入出力部140の入力デバイス144を用いて、上記のように入力された形状定義関数の形状変数に入力する形状パラメータと材料定義関数の材料変数に入力する材料パラメータとの入力を受け付けるユーザ・インターフェース(UI)画面を表示し、入力デバイス144を用いたユーザによる入力を受け付ける。ユーザは、そのUI画面内において各変数に代入するパラメータ値を個別に入力してもよく、あるいは、各変数に代入するパラメータ値を数値範囲と刻み値とで指定して入力してもよい。後者の場合は、入力対象の変数が例えば寸法に関するものであるときは、一例として、数値範囲を1mm~10mm、刻み値を0.5mmのように指定することができる。この指定により、1mm~10mmの間で0.5mm毎の合計19個のパラメータ値(1.0mm、1.5mm、2.0mm…、10.0mm)がその変数に対して入力される。このような入力により、形状定義関数の形状変数に対応する変数ラベルおよびその変数ラベルに関連付けられた形状パラメータ値を含む複数の形状パラメータ値セットと、材料定義関数の材料変数に対応する変数ラベルおよびその変数ラベルに関連付けられた材料パラメータ値を含む複数の材料パラメータ値セットとが生成される。生成するそれらのパラメータ値セットの数は、評価のためにどの程度の数のサンプル点を得るかに応じて適時定めることができる。
設計探索装置100の制御部130は、このように形状定義関数及び形状パラメータと材料定義関数及び材料パラメータとが選択もしくは入力されて設定された設計変数ベクトルXを、ステップS100で生成したデータ領域における「設計変数ベクトルX」に格納する。
最後に、設計探索装置100の制御部130は、上記のように定義付けされた評価関数f評価と及び評価関数パラメータPと、上記のように設定された設計変数ベクトルXとに基づいて、データセットを取得する(ステップS104)。
ステップS104において、設計探索装置100の制御部130は、設計変数ベクトルXの形状定義関数及び形状パラメータと材料定義関数及び材料パラメータに基づき、評価関数f評価及び評価関数パラメータPによって、設計変数ベクトルXの各々の形状パラメータ値セット及び材料パラメータ値セットの組み合わせに対応する複数の機能パラメータ値セットからなる機能変数ベクトルYを算出する。
評価関数f評価及び評価関数パラメータPによる機能変数ベクトルYの複数の機能パラメータ値セットの算出には、その全ての機能変数についての算出が可能な統合されたコンピュータ・プログラムを構築して用いてもよいし、あるいは、求める機能変数に応じて異なるコンピュータ・プログラムを用いてもよい。さらに、これらの機能パラメータ値セットの算出には市販の解析プログラムや解析プラットフォームを用いてもよい。それらの解析プログラムや解析プラットフォームとしては、例えば、米国Ansys社が提供するシミュレーション関連ソフトウェア「Ansys(商標)」や、株式会社アプリクラフトが提供する3次元モデリングツーツ「Rhinoceros(商標)」のプラグインツールである「Grasshopper(商標)」を用いることができる。
算出に用いられた評価関数f評価及び評価関数パラメータPと、形状定義関数及び形状パラメータと材料定義関数及び材料パラメータとを含む設計変数ベクトルXと、設計変数ベクトルXを評価関数f評価及び評価関数パラメータPに適用して算出された1又は2以上の機能パラメータ値セットを含む機能変数ベクトルYとは、一組のデータセットとしてデータベース122内の表1に示すデータ構造内のデータ領域に格納される。これらのデータセットは、評価関数f評価及び評価関数パラメータPと、設計変数ベクトルXと機能変数ベクトルYとの組み合わせの数だけ、表1のデータ構造内に格納される。データセットを取得したい評価関数f評価及び評価関数パラメータPと設計変数ベクトルXとの種々の組み合わせについて上記のステップS100~S104の処理を繰り返し実行することにより、それらの評価関数f評価、評価関数パラメータP及び設計変数ベクトルXと、それらに基づいて算出される機能変数ベクトルYとの各々の組合せについて多数のデータセットが生成され、データベース122内の表1のデータ構造内に格納されて蓄積される。
以上により、設計探索装置100による設計機能空間の構築方法が終了する。
このように、本実施形態の設計探索装置100によれば、種々の評価関数f評価及び設計変数ベクトルXの組み合わせの各々について、それらに基づいて算出される機能変数ベクトルYが関連付けられた多数のデータセットを取得して、それらを所定のフォーマットのデータ構造内に格納して蓄積することができる。
設計探索装置100のユーザは、構造体の設計において注目したい設計/機能パラメータ値を含むデータセットを抽出して、設計探索装置100のディスプレイ122に表示される設計機能空間内にそれらの設計/機能パラメータ値をサンプル点群として表示することで、蓄積された設計/機能パラメータ値をマッピングすることができる。機能パラメータ値についてマッピングした場合は、その機能パラメータ値に関連付けられた設計パラメータ値も可視化することで、特定の構造についてのみではなく異なる種々の構造についてひとまとめにして、所望の条件を満たす構造/機能パラメータ値を探索することが可能となる。さらには、あるパラメータ値を変化させたときに他のパラメータ値がどのように変化するか、あるいは、あるパラメータ値を固定した状態で所望の条件を満たすために他のパラメータ値をどの程度変化させることができるかというように、パラメータ値を変化させながら設計の自由度を探索することも可能となる。
さらに、本実施形態の設計探索装置100では、解析条件を定義する評価関数f評価及び評価関数パラメータPが、設計変数ベクトルX及び機能変数ベクトルYと関連付けられてデータセットとしてデータベース122内の表1のデータ構造内に格納されて蓄積されることから、機能変数ベクトルYがどのような解析条件に基づいて生成されたかを示す情報も各データセットに含まれる。そのため、設計変数ベクトルXの追加のパラメータ値セットについて同じ解析条件で解析を行って機能変数ベクトルYのパラメータ値セットを取得したい場合や、解析条件の一部を変更して改めて解析を行ってデータセットを取得したい場合などにおいて、データセットに含まれている解析条件を参照し、その解析条件を再現したり一部変更したりして解析に用いることにより、追加データを取得することが可能となる。
設計探索装置100によって構築した設計機能空間を用いたこのような設計/機能パラメータ値の探索方法について、図9等を参照して説明する。図9は、本実施形態の設計探索装置による設計/機能パラメータ値の探索方法を示すフローチャートである。
本実施形態の設計探索装置100による設計/機能パラメータ値の探索方法においては、最初に、設計探索装置100の制御部130は探索対象の変数の選択入力を受け付ける(ステップS200)。
ステップS200において、設計探索装置100の制御部130は、ユーザが入出力部140の入力デバイス144を用いて設計機能空間の探索処理を開始する旨の指示入力をしたことを検知すると、入出力部140のディスプレイ142に、ユーザが入力デバイス144を用いて探索対象の変数を選択するための入力を受け付けるユーザ・インターフェース(UI)画面を表示する。設計探索装置100の制御部130は、記憶部120のデータベース122内に格納された表1に示したデータ構造に格納されている設計変数ベクトルX及び機能変数ベクトルYに含まれている各種変数の変数ラベルを、ディスプレイ142上に表示するUI画面内において例えばプルダウンメニューの形式で提示する。ユーザは、UI画面内に提示された各種変数ラベルの中から1又は複数の変数ラベルを選択することで、探索対象の変数の選択を行うことができる。
次に、設計探索装置100の制御部130は、ステップS200で選択された変数が関連付けられている複数のデータセットを表1のデータ構造に格納されている設計機能データから抽出する(ステップS201)。
探索対象の変数が、設計機能データ内の全ての設計変数ベクトルXあるいは機能変数ベクトルYに含まれているとは限らない。表1に示したデータ構造に格納された設計機能データの例を参照すると、機能変数ベクトルYはデータ構造の第2行と第6行の機能変数ベクトルYに含まれているので、ステップS200において機能変数ベクトルYに含まれる変数が選択された場合には、設計探索装置100の制御部130は、データベース122内の表1に示すデータ構造の第2行と第6行の機能変数ベクトルYに格納されたデータセットを抽出する。選択された変数に関連付けられたデータセットの抽出は、例えば、設計探索装置100の制御部130が、選択された変数に関連付けられたデータセットのみをデータベース122内の設計機能データからフィルタリングあるいはグループ化することで実行することができる。
次に、設計探索装置100の制御部130は、ステップS200で選択された変数に関する設計機能空間を生成してディスプレイ122に表示し、さらに、当該変数が関連付けられている複数のデータセットの中から、当該変数に関する複数のパラメータ値を抽出し、それらのパラメータ値に基づく複数のサンプル点をその設計機能空間内に表示する(ステップS202)。
生成する設計機能空間は、例えば、選択された変数が2つなら2次元で表現され、選択された変数が3つなら3次元で表現される。このように、設計機能空間を表現する次元数は、設計機能空間で表現される変数の数に応じて異なり得る。変数の選択は、設計変数ベクトルXに含まれる変数から選択される少なくとも1つの設計変数と、機能変数ベクトルYに含まれる変数から選択される少なくとも1つの機能変数との組み合わせ、設計変数ベクトルXに含まれる変数から選択される少なくとも2つの設計変数の組み合わせ、機能変数ベクトルYに含まれる変数から選択される少なくとも2つの機能変数の組み合わせ等であってもよい。このように変数の選択が行われ、それに基づいて生成された空間を設計機能空間と称する。したがって、本開示における「設計機能空間」には、設計変数のみによって生成される空間、機能変数のみによって生成される空間、設計変数と機能変数とによって生成される空間のいずれの態様も含まれる。
設計探索装置100の制御部130は、選択された各変数について座標軸を設定し、それらの座標軸によって設計機能空間を生成する。制御部130は、例えば、選択された変数が2つである場合にはそれらの変数にそれぞれ対応するX軸及びY軸を設定して2次元の設計機能空間を生成し、選択された変数が3つである場合にはそれらの変数にそれぞれ対応するX軸、Y軸及びZ軸を設定して3次元の設計機能空間を生成する。制御部130は、どの座標軸にどの変数を表示するかをユーザ入力によって設定できるように動作することが好ましい。
図10Aは、設計機能空間を含む設計探索画面の一例を示す概略図である。図10Aに示す例では、設計探索画面200に示された設計機能空間210は第1の機能変数と第2の機能変数とで2次元に構成されており、X軸(水平軸)には第1の機能変数が割り当てられ、Y軸(垂直軸)には第2の機能変数が割り当てられている。
設計探索装置100の制御部130は、このように生成された設計機能空間に、各座標軸の変数に関する複数のパラメータ値に基づく複数のサンプル点を表示する。
ステップS202においては、設計探索装置100の制御部130は、表示される各サンプル点が、当該サンプル点に関連付けられた設計変数(例えば、構造の種類を示す変数)に関する情報を含むように設計探索画面200に示すことが好ましい。上述したように、各データセットには設計変数ベクトルXの複数の形状パラメータ値セット及び材料パラメータ値セットと、機能変数ベクトルYの複数の機能パラメータ値セットが含まれるので、設計探索装置100の制御部130は、プロットしたサンプル点に関連付けられた設計パラメータ値を取得することができる。そのため、各サンプル点を表示する際に、それらのサンプル点に関連付けられた設計変数に関する情報を含ませることが可能である。サンプル点に関連付けられた設計変数に関する情報はその設計パラメータ値セットによって識別される情報であり、例えば、構造の種類や、構造の寸法の数値範囲等を含む。設計変数に関する情報は、例えば、構造の種類や寸法の数値範囲に応じて異なる記号や色によって区別可能に表示される。図10Aに示す例では、各サンプル点の構造が、「〇」、「△」及び「□」の異なる記号で示されている。
次に、設計探索装置100の制御部130は、オプションとして、設計機能空間内に表示された複数のサンプル点群の近似処理を行う(ステップS203)。
上記のステップS202においては、設計機能空間内に複数のサンプル点が離散的に表示される。多数のデータセットが抽出されて多数のサンプル点が表示される場合には、サンプル点同士の間隔が比較的密になるため、サンプル点間の近似を行う必要性は低いかもしれない。一方、表示するサンプル点の数が少なくサンプル点同士の間隔が比較的疎になる場合には、サンプル点間の近似を行うことで、サンプル点が存在しない位置についても設計/機能パラメータ値の探索を行うことが可能になる。
ステップS203において、設計探索装置100の制御部130は最初に、サンプル点群の近似処理を行うか否かのユーザ入力を受け付ける。サンプル点群の近似処理を行う旨のユーザ入力を受け付けると、制御部130はサンプル点群の近似処理を実行する。一方、サンプル点群の近似処理を行わない旨のユーザ入力を受け付けると、制御部130はステップS203の処理をスキップしてステップS204に進む。
サンプル点群の近似処理を実行する場合、設計探索装置100の制御部130は、一例として、関連付けられた設計変数(一例として構造の種類)が共通するサンプル点を含むグループ毎にサンプル点群の近似処理を実行する。これは、関連付けられた設計変数が異なると、それによって機能特性が異なるため、関連付けられた設計変数が異なるサンプル点群を近似することが難しいためである。
近似処理は、例えば、2つの隣接するサンプル点間の1区間毎、3以上のサンプル点で構成される複数区間毎、あるいはサンプル点群の一部又は全部で構成される領域について、近似関数を生成することを含む。近似関数は、例えば多項式関数であってもよく、あるいはその他の任意の近似手法を用いてサンプル点群に基づいて生成することができる。また、近似関数はサンプル点群を内挿又は外挿するものであってもよい。近似処理がサンプル点群を内挿(補間)するものである場合、その補間処理は離散点を補間するものであるので、多項式補間(ラグランジェ補間、ニュートン補間等)やスプライン補間等、離散点の補間に適した補間手法を用いることが可能である。
上述したサンプル点群の近似処理(ステップS203)が行われる場合には、ステップS202において設計機能空間内に表示された複数のサンプル点に加えて、あるいはそれに代えて、近似処理によって生成された近似関数で近似される設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットで構成される近似領域を上記設計機能空間内に表示してもよい。この場合には、例えばユーザ入力に応じて、1)設計機能空間内に複数のサンプル点を表示する、2)設計機能空間内に複数のサンプル点およびそれらを近似した近似領域を表示する、3)設計機能空間内に近似領域のみを表示する、のいずれかの表示態様を選択することができる。
最後に、設計探索装置100の制御部130は、入力デバイス144によるユーザの探索操作に応じて選択された変数に関する各種パラメータ値や構造の種類および3次元表現等を表示することにより、選択された変数に関する各種パラメータ値の探索機能をユーザに提供する(ステップS204)。
ステップS204においては、一例として設計探索装置100の制御部130は、図10Aに示す設計探索画面200に、上述した設計機能空間210に加えて、構造の種類を示す構造種類表示領域220と、構造種類表示領域220において選択表示された種類に対応する構造の3次元表現領域230と、設計変数若しくは機能変数の各種パラメータ値およびそれらのパラメータ値を変更する入力操作を行うためのスライダを含むパラメータ表示領域240とを表示する。
構造種類表示領域220は、例えばプルダウンメニューの形式で、表示する構造の種類をユーザ入力に応じて選択できるようになっている。また、構造種類表示領域220は、ユーザが入力デバイス144を用いてサンプル点もしくはサンプル点間の位置をポインティングしたしたときに、ポインティングされたサンプル点もしくはサンプル点間の位置の機能パラメータ値に関連付けられた設計パラメータ値セットによって特定される構造の種類を自動的に表示するようになっている。構造種類表示領域220のそのような表示処理は設計探索装置100の制御部130によって行われる。
3次元表現領域230は、ユーザが入力デバイス144を用いて設計機能空間210のサンプル点もしくはサンプル点間の位置をポインティングしたしたときに、ポインティングされたサンプル点もしくはサンプル点間の位置の機能パラメータ値に関連付けられた設計パラメータ値セットによって特定される構造、もしくは、ユーザが入力デバイス144を用いて各設計変数に対応する各々のスライダ240aを操作して設定した各設計パラメータ値によって種類と各部寸法等が特定された構造の3次元表現を表示する。構造を3次元表現として表示するために必要な描画処理等は設計探索装置100の制御部130によって行われる。
パラメータ表示領域240に表示される各種パラメータ値240bは、一例として、ユーザが入力デバイス144を用いてサンプル点もしくは近似領域(サンプル点間等)の位置をポインティングしたしたときに、ポインティングされたサンプル点もしくは近似領域の位置の設計パラメータ値若しくは機能パラメータ値に関連付けられたパラメータ値セットによって特定されるか、あるいは、ユーザが入力デバイス144を用いて各変数に対応するスライダ240aを操作して設定される。各種パラメータ値を特定あるいは設定する処理は、設計探索装置100の制御部130によって行われる。
なお、パラメータ表示領域240に表示される設計変数若しくは機能変数の各種パラメータの項目は固定ではなく、ユーザが入力デバイス144を用いて適宜変更することが可能である。パラメータ表示領域240に表示される各種パラメータ項目は、例えばプルダウンメニューの形式で、表示するパラメータ項目をユーザ入力に応じて選択できるようになっている。ユーザは、入力デバイス144を用いてプルダウンメニューからパラメータ表示領域240に表示される設計変数若しくは機能変数の各種パラメータ項目を選択することができる。
パラメータ表示領域240に表示される各スライダ240aのボタンは、ユーザが入力デバイス144を用いてスライダ240a内の範囲で図示左右に移動させることができる。そのボタンの位置に応じて、各設定パラメータ値を増減させることができる。一例として、スライダ240aのボタンを図示左側に移動させるとパラメータ値240bが減少し、図示右側に移動させるとパラメータ値240bが増大する。ユーザは、入力デバイス144を用いてスライダ240aの各ボタンをこのように操作することで、各設定パラメータ値240bを設定することができる。また、各種設計パラメータ値240bが、ユーザが入力デバイス144を用いてサンプル点もしくはサンプル点間の位置をポインティングしたしたときに、ポインティングされたサンプル点もしくはサンプル点間の位置の機能パラメータ値に関連付けられた設計パラメータ値セットによって特定される場合には、各スライダ240aのボタンは、特定されたパラメータ値240bの大きさに対応するスライダ240a内の位置に表示される。各スライダの描画処理等も、設計探索装置100の制御部130によって行われる。
なお、設計探索画面200に表示することができる情報は、上述した設計機能空間210及び各領域210,220,230,240に限らない。上記の情報に代えて、もしくは上記の情報に加えて、他の情報(例えば、周波数特性を示す線図等)が設計探索画面200に表示されてもよい。
ユーザは、このように表示される設計探索画面200において、選択した変数に関する設計/機能パラメータ値の探索を例えば下記の第1の操作又は第2の操作によって行うことができる。
(1)ユーザが入力デバイス144を用いて、設計機能空間210のサンプル点もしくはサンプル点間等の近似領域の位置をポインティングする操作(第1の操作)
この操作により、ポインティングされたサンプル点もしくは近似領域の位置のパラメータ値に関連付けられたパラメータ値セットによって、その設計要件若しくは機能要件を満たす構造の種類及び各部寸法が特定され、それらが設計探索画面200に表示される。これにより、ユーザは所望の機能を実現する構造の種類とその各部寸法等を取得でき、それらの情報に基づいて構造を設計して製作することで、所望の機能を実現する構造を得ることができる。
さらに、設計探索画面200の設計機能空間210には種々の種類の構造に関連付けられたサンプル点がひとまとめに表示されるので、ユーザは構造毎ではなく複数の構造を跨いで所望の機能を満たす構造を探索することが可能となる。
図10Aに示す例を参照して第1の操作を説明すると、図10Aでは、ユーザが入力デバイス144を用いて設計機能空間210内のあるサンプル点を十字印のポインタでポインティングしている状態が示されている。このとき、ポインティングされたそのサンプル点の機能パラメータ値に関連付けられた設計パラメータ値セットによって、その機能を満たす構造の種類が構造Aとしての「LETA」であることが特定されて、その種類が構造種類表示領域220に示されると共に、そのサンプル点に対応する構造の各部寸法等を考慮した3次元表現が3次元表現領域230に示されている。さらに、その構造の各部寸法等が、スライダ240a及びパラメータ値230bに表示されている。なお、ポインティングされたサンプル点に関連付けられている評価関数f評価ラベル及び評価関数パラメータPに関する情報も設計探索画面200に表示してもよい。
(2)ユーザが入力デバイス144を用いて、各パラメータ値を設定する操作(第2の操作)
この操作によれば、例えば、ユーザが探索したい構造とその各部寸法とを予め特定して各設計パラメータ値を設定することで、その設定条件を満たす機能パラメータ値を探索することができる。その場合、設計機能空間210には、例えば、その設定条件を満たす機能パラメータ値を有するサンプル点がハイライト表示されるか、それらのサンプル点のみが選択的に表示される。したがって、この第2の操作によれば、上記の第1の操作とは逆に、設計変数を軸として設計条件を満たす機能パラメータ値を探索することができる。
図10Aに示す例を参照して第2の操作を説明すると、図10Aでは、ユーザが入力デバイス144を用いて構造の種類「LETA」を構造種類表示領域220で選択し、かつその構造の各部寸法等をスライダ240a及びパラメータ値240bにおいて特定し、その構造の上記各部寸法等を考慮した3次元表現が3次元表現領域230に表示されている状態が示されている。その結果、そのように設定された設計パラメータ値を満たす機能パラメータ値に対応するサンプル点が十字印のポインタで設計機能空間210内にハイライト表示(他のサンプル点とは明るさや色等が異なる強調表示)されている。
第2の操作では、スライダ240aで設定できるいくつかの設計パラメータ値のうち、一部の設計パラメータ値は固定とし、残りの設計パラメータ値を順次変更するようにして、それらの設定条件を満たす機能パラメータ値を探索することも可能である。これにより、例えば、ある制約条件に従って一部の設計パラメータ値を固定した状態で、設計自由度を有する残りの設計パラメータ値を変更することにより、目的の機能要件を満たす構造が存在し得るかどうか探索することができる。このように設計パラメータ値を順次変更しながら機能パラメータ値を探索する場合には、設計探索画面200の3次元表現領域230に表示される構造の3次元表現が、変更される設計パラメータ値に応じて順次リアルタイムに変更されることが好ましい。具体的には、例えば構造のある部分の寸法に関する設計パラメータ値を変更すると、その寸法変更に応じて3次元表現された構造の当該部分の形状が変化するように制御部130による処理が行われることが好ましい。
なお、上記では、制約条件として設計パラメータ値を設定し、設定条件を満たす機能パラメータ値を探索する場合を例示的に説明したが、第2の操作において制約条件として設定できるのは設計パラメータ値に限られない。第2の操作では、制約条件として設計パラメータ値及び又は機能パラメータ値を設定し、設定条件を満たす設計パラメータ値及び又は機能パラメータ値を探索することも可能である。
このように、本実施形態の設計探索装置100の制御部130は、上記の第1ないし第2の操作で説明したようなユーザ入力操作によって1又は2以上の設計変数及び/又は機能変数について制約条件を設定し、その制約条件を満たす設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットを特定して、その設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットに関する情報を提示するように構成されている。
ユーザは、選択した変数に関する上述したような設計/機能パラメータ値の探索の結果、設計機能空間210内に表示されたサンプル点の分布を解析することで、例えば、設計機能空間のある領域においてその設計/機能要件を満たす構造が存在していないことを認識することができる。この場合は、そのような設計機能空間を満たし得るサンプル点を追加で生成するため、設計変数ベクトルXの一部又は全部の変数について追加で解析すべき1又は2以上の設計パラメータ値セットを設計探索装置100に入力し、それに対応して出力される機能変数ベクトルYの1又は2以上の機能パラメータ値セットを設計探索装置100に出力させて、それらを含むデータセットを追加でデータベース122に格納し、それらの追加のデータセットに基づくサンプル点も設計機能空間に表示できるようにすることが好ましい。これにより、設計機能空間を埋める(設計/機能要件を満たす)構造を追加的に生成することができる。
上記の追加で解析すべき1又は2以上の設計パラメータ値セットの入力は、例えば、設計探索画面200上でユーザが入力デバイス144を用いて「追加解析の開始」の指示を行い、それに続いて、一部又は全部の設計変数について追加で解析すべき設計パラメータ値の範囲をスライダ240aやパラメータ値230bに入力することで行うことが可能である。このような処理は、設計探索装置100の制御部130によって行われる。
あるいは、選択した変数に関する設計/機能パラメータ値の探索の結果、ある1又は複数のサンプル点の構造について、より詳細な解析結果を得たいケースが生じうる。この場合は、例えば、表1のデータ構造に格納されている評価関数パラメータPの一部の要件を変更(メッシュをより細分化する等)して、対象とするサンプル点のデータについてサンプル点群の取得処理(図8のステップS104)を再度行うことで、設計/機能パラメータ値の更なる探索を可能とするデータセットを追加で取得することができる。
さらに、設計探索装置100の制御部130は、一例として、関連付けられた設計変数(一例として構造の種類)が共通するサンプル点を含むグループ毎にそれらのサンプル点群の境界を画定するように構成されていてもよい(図10B参照)。このような境界は、例えば、それらのサンプル点群からなる凸集合の凸曲線を求める処理により画定することが可能である。このような境界の内部においては、上述したようにサンプル点間の補間がなされ得るため設計/機能パラメータ値の探索が可能であるが、探索可能領域をその境界の外に拡大したい場合がある。この場合には、設計探索装置100の制御部130にDFP法等の任意の最適化処理を実行させることで境界を拡張し、探索可能領域を拡大することが可能である。
また、図10Aを参照して説明した例では、各サンプル点群が構造の種類毎に「〇」、「△」及び「□」の異なる記号で示されている。これに対し、設計機能空間210内にサンプル点がどのように分布しているかや、設計機能空間210がサンプル点群によってどのように埋められているかという情報を示すことで足りる場合には、これらの構造の種類を区別することなく、全ての構造のサンプル点を同じ記号で示してもよい。
さらに、設計機能空間210内のサンプル点の分布等が提示されれば足りる場合には、構造種類表示領域220、3次元表現領域230及びパラメータ表示領域240の情報は提示しないようにしてもよい。あるいは、3次元表現領域230ないしパラメータ表示領域240において、サンプル点に対応する構造の外形寸法のみを提示する(構造の種類や形状は提示しない)ようにしてもよい。
このように、本実施形態の設計探索装置100による設計/機能パラメータの探索方法によれば、ユーザは、種々の構造について種々の条件下の解析結果を視覚的に比較しながら探索できるので、所望の機能を実現できる構造及びその各部寸法を納得感を持って特定することができる。
さらに、本実施形態の設計探索装置100による設計/機能パラメータ値の探索方法によれば、種々の設計変数および機能変数について予め解析してデータベース122に蓄積されているデータセットを用いて、ユーザが所望する変数について設計機能空間を生成してそこにサンプル点を表示して可視化するので、設計機能空間を生成してサンプル点を表示する処理の度に新たな解析処理を行う必要が無い。そのため、所望の要件を満たす設計/機能パラメータ値を即応性を持って探索することができる。
(変形例)
続いて、本実施形態の変形例について説明する。
[第1の変形例]
ある構造を設計する際において、その構造を製造するために課せられる製造制約(例えば、モールド成形による製造が可能な最小肉厚寸法等)や、その構造の収容あるいは取付け等のために許容される空間的な制約(所定の配置スペース内に収容するために各部寸法が予め定められている、あるいは、最大寸法が定められている等)が予め判明している場合がある。所望の要件を満たす設計/機能パラメータ値を探索する際にそれらの製造制約に該当するサンプル点も設計機能空間210内に表示されると、それらは却って「ノイズ」となり、ユーザにとって探索の妨げや不便性をもたらす可能性がある。そのため、それらの不要な情報を予め排除した状態で、所望の要件を満たす設計/機能パラメータ値(サンプル点)のみを設計機能空間210内に表示することが好ましい。あるいは、ある任意の観点において所望の制約条件を満たす設計/機能パラメータ値(サンプル点)を探索する必要がある場合もある。
そこで本変形例は、所望の要件を満たす設計/機能のパラメータ値(サンプル点)のみを設計機能空間210内に表示する設計探索装置100およびそれを用いた設計/機能パラメータ値の探索方法を提供する。
本変形例は、図9におけるステップS200において探索対象の変数を選択する際に、選択した変数について可視化が必要なパラメータ値の数値範囲を設定することを含む。
設計探索装置100の制御部130は、ユーザが入出力部140の入力デバイス144を用いて設計機能空間の探索処理を開始する旨の指示入力をしたことを検知すると、入出力部140のディスプレイ142に、ユーザが入力デバイス144を用いて探索対象の変数を選択するための入力を受け付けるユーザ・インターフェース(UI)画面を表示する。設計探索装置100の制御部130は、記憶部120のデータベース122内に格納された表1に示した設計機能データの設計変数ベクトルX及び機能変数ベクトルYに含まれている各種変数を、ディスプレイ142上に表示するUI画面内において例えばプルダウンメニューの形式で提示する。ユーザは、UI画面内に提示された各種変数の中から1又は複数の変数を選択することで、探索対象の変数の選択を行うことができる。
設計探索装置100の制御部130は、上記のように探索対象の変数の選択を受け付けた後、選択された各変数について可視化を行うパラメータ値の数値範囲の入力を受け付けるUI画面をディスプレイ142に表示する。ユーザは、表示されたUI画面内において、各変数について可視化を行うパラメータ値の数値範囲を入力デバイス144を用いて入力する。
次に、本変形例における設計探索装置100の制御部130は、図9におけるステップS201において選択された変数に関連付けられたデータセットを抽出する際に、上記のように設定された数値範囲のパラメータ値を含むデータセットのみを抽出する。
したがって、本変形例における設計探索装置100の制御部130は、図9におけるステップS202において設計機能空間にサンプル点を表示する際に、上記のように設定された数値範囲のパラメータ値のサンプル点のみを表示する。
このように、本変形例によれば、所望の要件を満たす設計/機能のパラメータ値(サンプル点)のみを設計機能空間210内に表示することができるので、探索に不要な情報を予め排除してより効率的に必要な設計/機能パラメータの探索を行うことが可能となる。
なお、上記では可視化を行うパラメータ値の数値範囲を入力する例を示したが、これとは逆に、可視化を行わないパラメータ値の数値範囲を入力する構成としてもよい。この場合は、設定された数値範囲以外のパラメータ値を含むデータセットのみが抽出され、上記のように設定された数値範囲以外のパラメータ値のサンプル点のみが表示される。
また、例えばある1又は2以上の変数のパラメータ値について等式制約あるいは不等式制約を設定することで、設計/機能パラメータ値(サンプル点)の探索のための所望の制約条件を設定することも可能である。設計探索装置100の制御部130は、入力デバイス144によるユーザ入力に従ってこのような制約条件を設定することができるように構成されている。
[第2の変形例]
本実施形態の設計探索装置100では、予め解析して得られた種々の設計パラメータ値および機能パラメータ値を含むデータセットがデータベース122に蓄積される。そのため、本実施形態の設計探索装置100によれば、ユーザは種々の変数を選択しながら設計/機能パラメータ値の探索を繰り返すことで、多面的な探索を行うことが可能である。その際、ある探索の結果を次の探索において参照することで、所望の要件を満たす設計/機能のパラメータ値を絞り込むことが可能となる。
そこで本変形例は、設計/機能パラメータ値の探索を繰り返す際に、ある探索の結果を次の探索において参照することを可能にする設計探索装置100およびそれを用いた設計/機能パラメータ値の探索方法を提供する。
本変形例は、図9におけるステップS204において選択した変数のパラメータ値を探索する際に、それらの変数のパラメータ値に関する所望の数値範囲を選択して記憶部130に記憶することを含む。
本変形例における設計探索装置100の制御部130は、図9のステップS204において、入力デバイス144によるユーザの探索操作に応じて選択された変数に関するパラメータ値を表示することに加え、それらの変数のパラメータ値に関する所望の数値範囲の入力を受け付けるように構成されている。
制御部130は、入力デバイス144による変数の数値範囲に関する以下のようなユーザ入力を受け付けるように構成されている。
第1に、図10Aに示す設計探索画面200のパラメータ表示領域240のスライダ240aを入力デバイス144によって操作して各変数のパラメータ値を指定すると共に、任意の入力処理によって、入力されたそのパラメータ値に関する数値範囲(そのパラメータ値と同値のみ(等式制約)、そのパラメータ値以下・そのパラメータ値以上・2つのパラメータ値間の数値範囲等(不等式制約))を指定する。
第2に、図10Aに示す設計探索画面200のパラメータ表示領域240のパラメータ値240b欄に入力デバイス144によってパラメータ値を直接入力し、さらに、任意の入力処理によって、入力されたそのパラメータ値に関する上記のような数値範囲を指定する。
第3に、図10Aに示す設計探索画面200の設計機能空間210において、入力デバイス144によって各変数についてパラメータ値を入力し、さらに、任意の入力処理によってそのパラメータ値に関する数値範囲(そのパラメータ値以下、そのパラメータ値以上等)を指定する。パラメータ値及びその範囲の入力は、例えば、設計機能空間210において1又は2以上の線分を入力デバイス144によって描画し、その線分によって区分される領域を入力デバイス144で指示することで行うことができる。一例として、図11は3本の線分でパラメータ値を入力し、それらの線分で囲まれた領域がそれらのパラメータ値の数値範囲として選択された状態を示している。
上記のように入力された各変数のパラメータ値及びその数値範囲は、設計探索装置100の記憶部130に少なくとも一時的に記憶される。この段階で設計探索装置100の制御部130は、このように探索で選択された変数のパラメータ値の数値範囲を含む(あるいは除く)データセットに含まれるサンプル点のみを設計探索画面200の設計機能空間210に表示してもよい。
設計探索装置100の制御部130は、上記の探索に続いて他の変数について次の探索処理を実行する際に、ステップS201においてデータセットを抽出する際に、当該他の変数に関連付けられたデータセットの中から、記憶部130に記憶されている前回の探索で選択された変数のパラメータ値の数値範囲を含む(あるいは除く)データセットのみを抽出する。これにより、この探索においては、前回の探索の結果を反映したサンプル点のみが設計探索画面200に表示されるため、探索対象の変数が異なるそれらの探索を通じて、所望の条件を満たす設計/機能のパラメータ値をより絞り込むように探索を行うことができる。
上記では2回の探索を行う例を示したが、探索対象の変数が異なる探索をより多く繰り返すことで、所望の条件を満たす設計/機能のパラメータ値をより限定的に絞りこむことができる。
[第3の変形例]
図12を参照して、本実施形態に係る設計探索装置100の第3の変形例を説明する。本変形例は、3次元表現領域230内に空間を画定するバウンディング・ボックス230aを描画することで、3次元表現領域230に描画される構造の寸法に係る設計パラメータ値を入力する手段を提供する。
設計探索装置100の制御部130は、ユーザが、入力デバイス144を用いて直方体、立方体、円筒形状などのプリミティブな形状要素を設計探索装置100が表示する設計探索画面200の3次元表現領域230内に描画し、さらに、その形状要素を全体的もしくは部分的に縮小・拡大させてその各部寸法を調節できる機能を提供するように構成されている。一例として、そのような形状要素は設計探索装置100の記憶部120に予め記憶しておき、入力デバイス144による操作に基づいて制御部130が記憶部120から読み出して3次元表現領域230内に描画してもよい。
制御部130は、このように3次元表現領域230内に描画されたバウンディング・ボックス230aの例えば外形の各部寸法の値を、構造の外形寸法に係る設計パラメータ値の入力として受け付ける。制御部130は、その入力に従って構造の外形寸法に係る設計パラメータ値を選択し、かつその設計パラメータ値に応じて寸法が変更された構造の3次元表現を3次元表現領域230内に描画する。
本変形例によれば、パラメータ表示領域240のスライダ240aによるスライダ入力やパラメータ値240bの直接の数値入力に代えて、描画するバウンディング・ボックス230aの各部の大きさを変更するという直感的な入力によって、構造の外形寸法に係る設計パラメータ値を入力することが可能になる。
[第4の変形例]
図13を参照して、本実施形態に係る設計探索装置100の第4の変形例を説明する。本変形例は、パラメータ表示領域240のスライダ240aを操作してその設計パラメータ値を変化させたときに、対応する機能パラメータ値がそれに伴って設計機能空間内でどのように変位するかを可視化する手段を提供する。
本変形例では、一例として、ユーザが入力デバイス144を用いてパラメータ表示領域240のスライダ240a(図13に示す例では「梁厚みt」のスライダ)を図示の矢印Aで示すように操作して、梁厚みtの設計パラメータ値を変化させると、対応する機能パラメータ値によって示されるサンプル点が設計機能空間210内で図示の矢印Bに沿って変位した位置に表示され、さらに、そのサンプル点の変位の軌跡が図示矢印Bのように設計機能空間210に描画される。このようにして、ある設計パラメータ値をスライダ240aを用いて変化させたときに、それに伴って変化する機能パラメータ値を設計機能空間210内に可視化することができる。このような可視化処理は設計探索装置100の制御部130によって実行され、特に、設計機能空間210内に表示されるサンプル点間が補間されている場合に実装することが可能である。
[第5の変形例]
本実施形態の第5の変形例として、図14~図16に本実施形態の設計探索装置100による設計探索画面200の実装例を示す。この実装例では、3つの異なる構造について、積載する質量と、ある周波数帯域での平均周波数応答との解析結果を示す。
図14~図16の各図において、図の右上に示す設計機能空間は、設計変数である積載質量を横軸に、ある周波数帯域での平均周波数応答を縦軸に設定されている。また、この実装例においては図10Aに示した設計探索画面200の各表示項目210,22,230,240に加えて、選択されたサンプル点に関する詳細な周波数応答曲線が各図の右下に示されている。
図14は「ボックス」の種類の構造についてのサンプル点が選択された状態を示している。図14(a)と図14(b)とは、「ボックス」の構造について互いに異なるサンプル点が選択された状態を示している。そのため、図14(a)と図14(b)とでは、それらの構造の各設計変数のパラメータ値と3次元表現が異なり、したがって、それらの詳細な周波数応答曲線も異なる特性を示していることがわかる。
図15は「ひし形」の種類の構造についてのサンプル点が選択された状態を示している。図15(a)及び図15(b)も、「ひし形」の構造について互いに異なるサンプル点が選択された状態を示している。そのため、図15(a)と図15(b)とでは、それらの構造の各設計変数のパラメータ値と3次元表現が異なり、したがって、それらの詳細な周波数応答曲線も異なる特性を示していることがわかる。
図16は「LETA」の種類の構造についてのサンプル点が選択された状態を示している。図16(a)及び図16(b)も、「LETA」の構造について互いに異なるサンプル点が選択された状態を示している。そのため、図16(a)と図16(b)とでは、それらの構造の各設計変数のパラメータ値と3次元表現が異なり、したがって、それらの詳細な周波数応答曲線も異なる特性を示していることがわかる。
[第6の変形例]
本実施形態の第6の変形例として、設計変数及び機能変数の一方又は両方に制約を加えた状態で設計機能空間において探索を行う種々の手法について説明する。例えば、ある1又は2以上の変数について固定された値が維持されるような制約条件を設定することで、設計/機能パラメータ値(サンプル点)の探索のための所望の制約を設定することも可能である。設計探索装置100の制御部130は、入力デバイス144によるユーザ入力に従って所望の変数にこのような制約条件を設定することができるように構成されている。
以下、1又は2以上の変数について制約条件を課した状態で残りの変数に関して探索を行う幾つかの例について説明する。以下に説明する各例では、説明の容易化のため、図17に示すように設計変数ベクトルXの2つの設計変数x1,x2に対する解析結果として、機能変数ベクトルYの2つの機能変数y1,y2が存在し、設計変数x1,x2の設計機能空間及び機能変数y1,y2の設計機能空間のそれぞれにおいてサンプル点間が補間されており、さらに、設計変数x1,x2から機能変数y1,y2を求める微分可能な補間関数が得られていることにより、その補間関数を用いて、設計変数x1,x2から機能変数y1,y2を求めること、および、機能変数y1,y2から収束計算により設計変数x1,x2を求めることができることを共通の前提条件としている。なお、設計変数及び機能変数が有する変数の数及びそれらのうち制約条件が設定される変数の数は適宜定めることが可能である。
(1-1)設計変数からなる設計機能空間において設計変数を固定する場合
図18は、2つの設計変数x1,x2からなる設計機能空間において設計変数x1を固定した場合の設計変数x1と設計変数x2との関係を示す図である。図18に示す設計機能空間において太線で示す線は、設計変数x1のパラメータ値を固定した場合に設計変数x2が採りうる範囲を表している。
この場合は、当該設計機能空間において設計変数x2が図18に太線で示す範囲で選択可能であることを探索結果として知得できる。
(1-2)設計変数からなる設計機能空間において機能変数を固定する場合
図19は、2つの設計変数x1,x2からなる設計機能空間において、軸に選択していない機能変数y1を固定した場合の設計変数x1と設計変数x2との関係を示す図である。図19に示す設計機能空間において太線で示す曲線は、機能変数y1のパラメータ値をある値に維持する設計変数x1と設計変数x2との関係性を表している。
この態様は、例えば、固有周波数を機能変数y1とした場合に、機能変数y1(固有周波数)が一定の値になるような構造の設計変数x1,x2の関係性を可視化・探索したい場合に有用である。
(2-1)機能変数からなる設計機能空間において設計変数を固定する場合
図20は、2つの機能変数y1,y2からなる設計機能空間において、軸に選択していない設計変数x1を固定した場合の機能変数y1と機能変数y2との関係を示す図である。図20に示す設計機能空間において太線で示す曲線は、設計変数x1のパラメータ値をある値に維持する機能変数y1と機能変数y2との関係性を表している。
この態様は、例えば、剛性を機能変数y1、固有振動数を機能変数y2とし、構造のある部分の厚みである設計変数x1を固定したときに、残りの設計変数x2を変化させたときに機能変数y1(剛性)と機能変数y2(固有振動数)とがどのように変化するのかを可視化・探索したい場合に有用である。
(2-2)機能変数からなる設計機能空間において機能変数を固定する場合
図21は、2つの機能変数y1,y2からなる設計機能空間において機能変数y1を固定した場合の機能変数y1と機能変数y2との関係を示す図である。図21に示す設計機能空間において太線で示す線は、機能変数y1のパラメータ値を固定した場合に機能変数y2が採りうる範囲を表している。
この場合は、当該設計機能空間において機能変数y2が図21に太線で示す範囲で選択可能であることを探索結果として知得できる。この態様は、例えば、剛性を機能変数y1、固有振動数を機能変数y2とし、剛性の機能変数y1を固定したときに、設計変数x1,x2を変化させたときに機能変数y2(固有振動数)がどのように変化するのかを可視化・探索したい場合に有用である。
(3-1)設計変数と機能変数とからなる設計機能空間において、軸に選択している設計変数を固定する場合
図22は、設計変数x1と機能変数y1とからなる設計機能空間において、軸に選択している設計変数x1を固定した場合の設計変数x1と機能変数y1との関係を示す図である。図22に示す設計機能空間において太線で示す線は、設計変数x1のパラメータ値を固定した場合に機能変数y1が採りうる範囲を表している。
この態様は、例えば、剛性を機能変数y1、固有振動数を機能変数y2とし、構造のある部分の厚みである設計変数x1を固定したときに、残りの設計変数x2を変化させたときに機能変数y1(剛性)が採りうる範囲を可視化・探索したい場合に有用である。
(3-2)設計変数と機能変数とからなる設計機能空間において、軸に選択していない設計変数を固定する場合
図23は、設計変数x1と機能変数y1とからなる設計機能空間において設計変数x2を固定した場合の設計変数x1と機能変数y1との関係を示す図である。図22に示す設計機能空間において太線で示す曲線は、設計変数x2のパラメータ値をある値に維持する設計変数x1と機能変数y2との関係性を表している。
この態様は、例えば、剛性を機能変数y1、固有振動数を機能変数y2とし、構造のある部分の厚みを設計変数x1、ある部分の長さを設計変数x2とし、ある部分の長さの設計変数x2を固定したときに、設計変数x1(ある部分の厚み)と機能変数y2(固有振動数)との関係性を可視化・探索したい場合に有用である。
(3-3)設計変数と機能変数とからなる設計機能空間において、軸に選択している機能変数を固定する場合
図24は、設計変数x1と機能変数y1とからなる設計機能空間において機能変数y1を固定した場合の設計変数x1と機能変数y1との関係を示す図である。図24に示す設計機能空間において太線で示す線は、機能変数y1のパラメータ値を固定した場合に設計変数x1が採りうる範囲を表している。
この態様は、例えば、剛性を機能変数y1、固有振動数を機能変数y2とし、構造のある部分の厚みを設計変数x1とし、剛性の機能変数y1を固定したときに、設計変数x1(構造のある部分の厚み)が採りうる範囲を可視化・探索したい場合に有用である。
(3-4)設計変数と機能変数とからなる設計機能空間において、軸に選択していない機能変数を固定する場合
図25は、設計変数x1と機能変数y1とからなる設計機能空間において、軸に選択していない機能変数y2を固定した場合の設計変数x1と機能変数y1との関係を示す図である。図25に示す設計機能空間において太線で示す曲線は、機能変数y2のパラメータ値をある値に維持する設計変数x1と機能変数y2との関係性を表している。
この態様は、例えば、剛性を機能変数y1、固有振動数を機能変数y2とし、構造のある部分の厚みを設計変数x1とし、固有振動数の機能変数y2を固定したときに、設計変数x1(ある部分の厚み)と機能変数y1(剛性)との関係性を可視化・探索したい場合に有用である。
(3-5)設計変数と機能変数とからなる設計機能空間において、軸に選択していない設計変数及び機能変数を固定する場合
図26は、設計変数x1と機能変数y1とからなる設計機能空間において、軸に選択していない設計変数x2及び機能変数y2を固定した場合の設計変数x1と機能変数y1との関係を示す図である。設計変数x2及び機能変数y2の2つの変数を固定する場合、それを満たす設計変数x1及び機能変数y2は1点のみとなる。したがって図26に示す設計機能空間には、その固定された変数の条件を満たす設計変数x1及び機能変数y2のサンプル点が示される。
この態様は、例えば、剛性を機能変数y1、固有振動数を機能変数y2とし、構造のある部分の厚みを設計変数x1、ある部分の長さを設計変数x2とし、ある部分の長さの設計変数x2と固有振動数の機能変数y2を固定したときに、設計変数x1(ある部分の厚み)と機能変数y2(固有振動数)との関係性を可視化・探索したい場合に有用である。
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態において説明した設計探索装置によって設計探索された構造体を製造する方法に関する。本実施形態によれば、設計探索装置によって設計探索された構造体が、3Dプリンタ、射出成形機等の各種の成形装置や加工装置等の造形装置によって製造される。
図27は、第2の実施形態による処理の全体フローを示す図である。
本実施形態における処理では、最初に、第1の実施形態において図1を参照して説明した設計探索装置100を用いて、図9を参照して説明した設計/機能パラメータ値の探索方法を実行し、製造対象の構造体について所望の要件を満たす設計パラメータ値セットを特定する(ステップS301)。
ステップS301において、設計探索装置100の制御部130は、探索対象の1又は2以上の設計変数及び/又は機能変数を設計変数ベクトル及び/又は機能変数ベクトルから選択するユーザ入力に従って、選択された設計変数及び/又は機能変数に関連付けられた設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットを記憶部120から抽出し、選択された設計変数及び/又は機能変数に関する設計機能空間を生成してディスプレイ142に表示する。制御部130は、設計機能空間に、選択された設計変数及び/又は機能変数に関連付けられた設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットで構成される1又は2以上のサンプル点、及び/又は、2以上のサンプル点のうちの少なくとも一部の複数のサンプル点によって生成される近似関数で近似される設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットで構成される近似領域を表示する。そして、制御部130は、1又は2以上の設計変数及び/又は機能変数について制約条件を特定するユーザ入力に従って、その制約条件を満たす設計パラメータ値セットを特定する。
次に、設計探索装置100は、ステップS301で特定された設計パラメータ値セットに基づいて、製造対象の構造体に関する情報を生成する(S302)。
製造対象の構造体に関する情報の生成は、例えば、特定された設計パラメータ値セットに含まれる形状パラメータ値セット及び材料パラメータ値セットに基づいて、製造対象の構造体の形状、各部寸法及び材料等を特定し、製造対象の構造体の3次元データ等を生成することを含む。製造対象の構造体に関する情報(3次元データ等)は、後述する造形装置が設計探索装置100から受信した場合に、造形装置がその構造体に関する情報に基づいて構造体を造形することができる形式のデータであることが好ましい。
最後に、設計探索装置100は、ステップS302で生成した製造対象の構造体に関する情報に基づいて、その構造体の造形を造形装置に実行させる(ステップS303)。
設計探索装置100は通信部110を介して造形装置(不図示)と通信可能であり、設計探索装置100がステップS302で生成した製造対象の構造体に関する情報(3次元データ等)は通信部110から造形装置に送信される。造形装置は、通信部110から受信した製造対象の構造体に関する情報(3次元データ等)に基づいて、当該構造体の造形を実行する。
造形装置による構造体の造形は、設計探索装置100から取得した構造体に関する情報を参照して任意の手法による造形を行うことを含む。手法は、例えば以下の少なくとも1つであってもよいが、これらに限定されない。
・切削
・モールド成形
・3Dプリント
・光硬化性樹脂を用いた光造形
・射出成形
・粉末圧縮成形
・レーザー加工
なお、上記では設計探索装置100が製造対象の構造体の探索から造形までを実施する場合を例示して説明したが、設計探索装置100では製造対象の構造体の探索と3次元データ等の生成処理を行い、他の情報処理装置が構造体の造形処理を行うようにしてもよい。この場合は、設計探索装置100で生成された製造対象の構造体に関する情報が任意の手段(通信ネットワークを介して、あるいは物理的な記憶媒体を介して)で、構造体を造形する造形装置(3Dプリンタ、各種の成形装置や加工装置等)に接続された他の情報処理装置に提供され、当該他の情報処理装置によりその構造体の情報に基づいて造形処理が行われ得る。
以上、発明の実施形態を通じて本発明を説明したが、上述の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、本発明の実施形態の中で説明されている特徴を組み合わせた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得る。さらに、上述の実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることも当業者に明らかである。
100 設計探索装置
110 通信部
120 記憶部
130制御部
140 入出力部


Claims (18)

  1. 1又は2以上の構造体について所望の要件を満たす設計パラメータ及び/又は機能パラメータを探索することを可能とする装置であって、当該装置は制御部と記憶部とを有し、
    前記記憶部には、前記構造体の構成に関する1又は2以上の設計変数と当該設計変数に入力する1又は2以上の設計パラメータ値とを各々が含む複数組の設計パラメータ値セットを含む設計変数ベクトルであって、前記複数組の設計パラメータ値セットの各々の前記設計パラメータ値セットは、前記設計変数が互いに共通し、前記1又は2以上の設計パラメータ値のうちの少なくとも1つの前記設計パラメータ値が互いに異なる、前記設計変数ベクトルと、前記設計変数ベクトルについて所定の解析条件に基づく解析処理を実行して取得された、前記構造体が呈する機能に関する1又は2以上の機能変数と当該機能変数に関する1又は2以上の機能パラメータ値とを各々が含む複数組の機能パラメータ値セットを含む機能変数ベクトルとが格納され、各々の前記設計パラメータ値セットと各々の前記機能パラメータ値セットとについて、前記設計パラメータ値セットと、当該設計パラメータ値セットに基づいて取得された前記機能パラメータ値セットとが互いに関連付けられており、1つの前記設計変数ベクトルと、1又は2以上の前記解析条件と、前記設計変数ベクトルについて1又は2以上の前記解析条件に基づく解析処理を実行した結果、各々の前記解析条件について取得される1又は2以上の前記機能変数ベクトルとを関連付けており、
    前記制御部は、
    探索対象の1又は2以上の前記設計変数及び/又は前記機能変数を前記設計変数ベクトル及び/又は前記機能変数ベクトルから選択するユーザ入力に従って、選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関連付けられた前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを前記記憶部から抽出することと、
    前記選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関する設計機能空間を生成することと、
    前記設計機能空間に、選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関連付けられた前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットで構成される1又は2以上のサンプル点、及び/又は、2以上の前記サンプル点のうちの少なくとも一部の複数の前記サンプル点によって生成される近似関数で近似される設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットで構成される近似領域を表示することと、
    を実行するように構成されている装置。
  2. 前記制御部は、
    1又は2以上の前記設計変数及び/又は前記機能変数について制約条件を設定するユーザ入力に従って、前記制約条件を満たす前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを特定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記制約条件を特定するユーザ入力は、前記設計機能空間に表示された前記サンプル点又は前記近似領域をポインティングするユーザ入力であり、
    前記制御部は、
    前記ユーザ入力によってポインティングされた前記サンプル点又は前記ポインティングされた前記近似領域の位置に対応する前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを特定し、当該特定された設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットに関する情報を提示するように構成されている、請求項2に記載の装置。
  4. 前記制御部は、
    2以上の前記サンプル点のうちの少なくとも一部の複数の前記サンプル点間の前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを補間すること、
    をさらに実行するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記制御部は、
    1又は2以上の前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットのユーザ入力に従って、当該入力された前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットで構成される前記サンプル点又は前記近似領域における点を強調表示するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを抽出することは、
    1又は2以上の前記設計変数及び/又は前記機能変数に設定された制約条件に従って、前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを抽出することを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記制御部は、
    1又は2以上の前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットの前記設計パラメータ値及び/又は前記機能パラメータ値の数値を連続的に変化させるユーザ入力に従って、当該設計パラメータ値及び/又は機能パラメータ値で構成される前記サンプル点の位置を変化させるように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 前記制御部は、
    位置が変化する前記サンプル点の軌跡を表示するように構成されている、請求項7に記載の装置。
  9. 制御部と記憶部とを有する装置を用いて、1又は2以上の構造体について所望の要件を満たす設計パラメータ及び/又は機能パラメータを探索する方法であって、
    前記記憶部には、前記構造体の構成に関する1又は2以上の設計変数と当該設計変数に入力する1又は2以上の設計パラメータ値とを各々が含む複数組の設計パラメータ値セットを含む設計変数ベクトルであって、前記複数組の設計パラメータ値セットの各々の前記設計パラメータ値セットは、前記設計変数が互いに共通し、前記1又は2以上の設計パラメータ値のうちの少なくとも1つの前記設計パラメータ値が互いに異なる、前記設計変数ベクトルと、前記設計変数ベクトルについて所定の解析条件に基づく解析処理を実行して取得された、前記構造体が呈する機能に関する1又は2以上の機能変数と当該機能変数に関する1又は2以上の機能パラメータ値とを各々が含む複数組の機能パラメータ値セットを含む機能変数ベクトルとが格納され、各々の前記設計パラメータ値セットと各々の前記機能パラメータ値セットとについて、前記設計パラメータ値セットと、当該設計パラメータ値セットに基づいて取得された前記機能パラメータ値セットとが互いに関連付けられており、1つの前記設計変数ベクトルと、1又は2以上の前記解析条件と、前記設計変数ベクトルについて1又は2以上の前記解析条件に基づく解析処理を実行した結果、各々の前記解析条件について取得される1又は2以上の前記機能変数ベクトルとを関連付けており、
    前記制御部が、探索対象の1又は2以上の前記設計変数及び/又は前記機能変数を前記設計変数ベクトル及び/又は前記機能変数ベクトルから選択するユーザ入力に従って、選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関連付けられた前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを前記記憶部から抽出することと、
    前記制御部が、前記選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関する設計機能空間を生成することと、
    前記制御部が、前記設計機能空間に、選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関連付けられた前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットで構成される1又は2以上のサンプル点、及び/又は、2以上の前記サンプル点のうちの少なくとも一部の複数の前記サンプル点によって生成される近似関数で近似される設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットで構成される近似領域を表示することと、
    を含む方法。
  10. 前記制御部が、1又は2以上の前記設計変数及び/又は前記機能変数について制約条件を特定するユーザ入力に従って、前記制約条件を満たす前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを特定すること、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記制約条件を特定するユーザ入力は、前記設計機能空間に表示された前記サンプル点又は前記近似領域をポインティングするユーザ入力であり、
    前記制御部が、前記ユーザ入力によってポインティングされた前記サンプル点又は前記ポインティングした位置に対応する前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを特定し、当該特定された設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットに関する情報を提示すること、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記制御部が、2以上の前記サンプル点のうちの少なくとも一部の複数の前記サンプル点間の前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを補間すること、をさらに含む、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記制御部が、1又は2以上の前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットのユーザ入力に従って、当該入力された前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットで構成される前記サンプル点又は前記近似領域における点を強調表示することをさらに含む、請求項9~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを抽出することは、
    1又は2以上の前記設計変数及び/又は前記機能変数に設定された制約条件に従って、前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを抽出することを含む、請求項9~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記制御部が、1又は2以上の前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットの前記設計パラメータ値及び/又は前記機能パラメータ値の数値を連続的に変化させるユーザ入力に従って、当該設計パラメータ値及び/又は機能パラメータ値で構成される前記サンプル点の位置を変化させることをさらに含む、請求項9~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記制御部が、位置が変化する前記サンプル点の軌跡を表示することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 1又は2以上の構造体について所望の要件を満たす設計パラメータ及び/又は機能パラメータを探索する方法をコンピュータの制御部に実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータは、前記構造体の構成に関する1又は2以上の設計変数と当該設計変数に入力する1又は2以上の設計パラメータ値とを各々が含む複数組の設計パラメータ値セットを含む設計変数ベクトルであって、前記複数組の設計パラメータ値セットの各々の前記設計パラメータ値セットは、前記設計変数が互いに共通し、前記1又は2以上の設計パラメータ値のうちの少なくとも1つの前記設計パラメータ値が互いに異なる、前記設計変数ベクトルと、前記設計変数ベクトルについて所定の解析条件に基づく解析処理を実行して取得された、前記構造体が呈する機能に関する1又は2以上の機能変数と当該機能変数に関する1又は2以上の機能パラメータ値とを各々が含む複数組の機能パラメータ値セットを含む機能変数ベクトルとを格納する記憶部を有し、各々の前記設計パラメータ値セットと各々の前記機能パラメータ値セットとについて、前記設計パラメータ値セットと、当該設計パラメータ値セットに基づいて取得された前記機能パラメータ値セットとが互いに関連付けられており、1つの前記設計変数ベクトルと、1又は2以上の前記解析条件と、前記設計変数ベクトルについて1又は2以上の前記解析条件に基づく解析処理を実行した結果、各々の前記解析条件について取得される1又は2以上の前記機能変数ベクトルとを関連付けており、
    前記方法は、
    探索対象の1又は2以上の前記設計変数及び/又は前記機能変数を前記設計変数ベクトル及び/又は前記機能変数ベクトルから選択するユーザ入力に従って、選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関連付けられた前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを前記記憶部から抽出することと、
    前記選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関する設計機能空間を生成することと、
    前記設計機能空間に、選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関連付けられた前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットで構成される1又は2以上のサンプル点をマッピングすることと、
    を含むプログラム。
  18. 制御部と記憶部とを有する装置を用いて構造体を製造する方法であって、
    製造対象の構造体について所望の要件を満たす設計パラメータ値セットを特定することであって、
    前記記憶部には、前記構造体の構成に関する1又は2以上の設計変数と当該設計変数に入力する1又は2以上の設計パラメータ値とを各々が含む複数組の設計パラメータ値セットを含む設計変数ベクトルであって、前記複数組の設計パラメータ値セットの各々の前記設計パラメータ値セットは、前記設計変数が互いに共通し、前記1又は2以上の設計パラメータ値のうちの少なくとも1つの前記設計パラメータ値が互いに異なる、前記設計変数ベクトルと、前記設計変数ベクトルについて所定の解析条件に基づく解析処理を実行して取得された、前記構造体が呈する機能に関する1又は2以上の機能変数と当該機能変数に関する1又は2以上の機能パラメータ値とを各々が含む複数組の機能パラメータ値セットを含む機能変数ベクトルとが格納され、各々の前記設計パラメータ値セットと各々の前記機能パラメータ値セットとについて、前記設計パラメータ値セットと、当該設計パラメータ値セットに基づいて取得された前記機能パラメータ値セットとが互いに関連付けられており、1つの前記設計変数ベクトルと、1又は2以上の前記解析条件と、前記設計変数ベクトルについて1又は2以上の前記解析条件に基づく解析処理を実行した結果、各々の前記解析条件について取得される1又は2以上の前記機能変数ベクトルとを関連付けており、
    前記制御部が、探索対象の1又は2以上の前記設計変数及び/又は前記機能変数を前記設計変数ベクトル及び/又は前記機能変数ベクトルから選択するユーザ入力に従って、選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関連付けられた前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットを前記記憶部から抽出することと、
    前記制御部が、前記選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関する設計機能空間を生成することと、
    前記制御部が、前記設計機能空間に、選択された前記設計変数及び/又は前記機能変数に関連付けられた前記設計パラメータ値セット及び/又は前記機能パラメータ値セットで構成される1又は2以上のサンプル点、及び/又は、2以上の前記サンプル点のうちの少なくとも一部の複数の前記サンプル点によって生成される近似関数で近似される設計パラメータ値セット及び/又は機能パラメータ値セットで構成される近似領域を表示することと、
    前記制御部が、1又は2以上の前記設計変数及び/又は前記機能変数について制約条件を特定するユーザ入力に従って、前記制約条件を満たす前記設計パラメータ値セットを特定することと、
    を含む、前記特定することと、
    前記特定された前記設計パラメータ値セットに基づいて、前記製造対象の構造体に関する情報を生成することと、
    前記製造対象の構造体に関する前記情報に基づいて、当該構造体の造形を造形装置に実行させることと、
    を含む、構造体を製造する方法。
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