JP7288881B2 - 水素供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、水分解を利用して水素を供給するシステムに関する。
水分解により、水素ガス又は電気エネルギーの取得が実現すれば、公害もなく、好ましい地球環境が実現する。そこで、この水分解エネルギー源として太陽光エネルギーを利用する光水分解システムが提案されている。その一つが光半導体電極を使用する方法で、古くは本田―藤島効果として知られる酸化チタンTiOを利用する方法である。しかしながら、可視光エネルギーの利用率が低いためか、近年、吸収波長が450nmより長波長である半導体層とこの半導体層と接するAg又はAlからなる群より選ばれる反射増加層とを利用する方法(特許文献1)が提案された。他方、分子内に3つのルテニウム中心を含有する金属錯体を光捕集分子として採用し、近赤外光を用いた水素発生反応に成功したとの発表がされている(非特許文献1)。この太陽光エネルギーを利用する方法はシステムが白金等の各種金属及び光触媒半導体を用いるため、高価であるだけでなく、その利用は日中に限られるという問題がある。
また、太陽光エネルギーを用いないで水分解を行い得る水分解触媒として光合成の水の4電子還元反応に着目し、鉄―コバルトリン化物による合金化触媒(非特許文献2)、人工マンガン触媒(非特許文献3)が提案されるに至っている。
特開2018-23940号公報
:Angewandte ChemieInternational Edition 2017年10月16日掲載 Nature2016年12月26日掲載:東北大学 tan助手ら Journal of the American chemical society 2017年1月17日掲載 :理化学研究所 中村ら
ところで、多くの光触媒及び水分解触媒が提案されているが、酸化チタンを除き、量産性がなく、高価で大量の水素製造法としては実用性に程遠い。そこで、本発明は太陽光エネルギーや外部電力を使うことなく、しかも安価で水分解又は水素ガス生成を行い得る安価な新規な水素供給システムを提供することを課題とする。
本発明者は、電極材料として炭素系電極として各種カーボン電極が提供されているが、電極材料として、カーボン電極を電解液中に浸水すると、水中から水素ガスを発生させる一方、水中に活物質を放出するためか、活物質を吸着した各種対極とし、金属表面から水素ガスを発生させることを見出した(図2A及び図2B)。そこで、TOF-ESD(飛行時間型電子励起イオン離脱)法による水素顕微鏡で精査の結果、カーボン電極から炭化水素系活物質が放出されていることを発見するに至った。この炭化水素系活物質は、鋭意精査の結果、エチレンの水素化反応において白金触媒表面に生成するエチリジン化学種であって、しかも水分解を促進するものであることを見出し、それに基づき、安価で効率のよい水素を供給するシステムを完成した。
本発明はエチリジンを含むカーボン電極と金属電極とからなり、両電極を電解液中で対向又は接触させ、金属電極からの金属イオンとカーボン電極からエチリジンの相互作用により水素ガスを生成することを特徴とする水素供給システムにある。
本発明において、カーボン電極は、エチリジンを含み、グラファイトから製造されるのが好ましい。他方、金属極は電解浴中でのイオン化による電子の供給源の必要があり、イオン化傾向の高いAl,Zn等の典型金属が選ばれるが、エチリジンとの共同作用から、Cuなどの遷移金属から選ばれてもよい。電解液は酸性又はアルカリ性としてよいが、アルカリ性とする場合は、水又は塩水に対し、5~30体積%、好ましくは15~20体積%の50%苛性ソーダ溶液の添加が好ましい。海水は塩素の発生が抑制される濃度であるので好ましいが、塩化ナトリウム1モル以上の塩水としてよい。
本発明によれば、カーボン電極中の、層状に分離した膨化したグラファイト層は、カルビンラジカルの代表であるエチリジンを含み、水中で銅電極を対極として使用すると、最初はカーボン電極側からの静かな水素の発生で始まるが(図2A)、カーボン電極はエチリジンを水中に放出するので、対極にある銅電極と接触すると激しく水分解を開始し、水素を含む気体を生成することが見出される(図2B)。その結果、カーボン電極からの電解液中へのエチリジン滲出と金属電極からの金属イオンの形成が水素ガス発生に次のように関与していると考えられる。エチリジンCH3Cは水中で酸素と反応し、
CHC+O→CHCO++e-となり、
Oとの反応では:CHCO++e- +HO→CHCOOH+H↑により、酢酸CHCOOHを形成するとともに水素ガスHを発生すると思われる。
また、金属は水中でエチリジンと反応し、
CHC+Me→CHCMe++e-となり、
Oとの反応:CHCMe++e- +HO→CHCOMe+H↑により、酢酸CHCOMeを形成するとともに水素ガスHを発生すると思われる。
そして、中間体CHCO+やCHCMe+は金属電極の金属イオンの形成により電子を受けて還元され、中間体を介してエチリジンに還元され、金属がイオンとして消失するまでこの反応が繰り返されると思われる。
他方、エチリジンを含むカーボン電極内でのナノ空間での次の現象も関与するものと思われる(図8)。
金属イオンMe+はグラファイト層間化合物のナノ空間に侵入すると、グラファイト層に付着して対極との接触電位差によりマイクロセルを構成するが、その起電力はマイクロセルに隣接するグラファイト層間隔のマイクロキャパシタに蓄積されることになる。この起電力でナノ空間ではマイクロセルが水素ガスを発生させると、微小容量Vのナノ空間では圧力が急激に高まる結果、ナノ空間での温度は急激に高まり、PV=nRTの気体状態方程式より沸騰現象が生ずることになる。本件水素供給システムにおいて、電解槽が沸騰する原因はここにあると考えられる。また、マイクロキャパシタでは蓄電容量が大きくなると金属を電界蒸発させ、隣接するグラファイト層に移動付着させ、マイクロセルが移動する結果を招来すると思われる。カーボン電極での水素発生位置が順次変化する現象の原因と思われる。
本発明で用いるカーボン電極はグラファイト材料から製造されるのが好ましい。グラファイトは高温下で急激に熱分解し、その分解に伴う生成物のガス化圧力でグラファイト層間を層面(六角網平面)に垂直な方向に膨化させて嵩高い膨張グラファイトとなるからである。また、カーボン電極はエチリジンの作用する正極又は空気極として使用される層間化合物であると、金属イオンは層間化合物中に侵入して対極となるカーボン層との間に接触電位差の違いからマイクロセルを構成し、それに隣接するカーボン層との間にマイクロキャパシタを形成するものと思われる(図8)。
カーボン電極は、均一に層間隔が拡張された膨張させると、層間化合物のイオン挿入容量を大きくすることができ、電池容量を大きくするので好ましい。
本発明では、CHC+O→CHCO++e- →CHCOO-+H↑のエチリジンによる水素ガスの形成だけでなく、カーボン電極内でのナノ空間での次の現象が関与するものと思われる。金属イオンMe+はグラファイト層間化合物のナノ空間に侵入すると、グラファイト層に付着して対極との接触電位差によりマイクロセルを構成する。その起電力はマイクロセルに隣接するグラファイト層間隔のマイクロキャパシタに蓄積されることになるが、この起電力でナノ空間ではマイクロセルが水素ガスを発生させると、微小容量Vのナノ空間では圧力が急激に高まる結果、ナノ空間での温度は急激に高まり、沸騰現象が生ずることになる。発熱の原因はここにあると考えられる。また、マイクロキャパシタでは蓄電容量が大きくなると金属を電界蒸発させ、隣接するグラファイト層に移動付着させ、マイクロセルが移動する結果を招来すると思われる。
(カーボン電極内のイオンの質量分析)
日本国、京都府京阪奈プラザ・ラボ棟2階TF技研における水素顕微鏡による試料からの電子励起イオン脱離を応用したイオンの検出顕微鏡を利用し、質量分析を行った(飛行時間型電子励起イオン脱離法:TOF-ESD法)。ここで、水素顕微鏡はScanning type Electron-Stimulated Desorption Ion Microscope (SESDIK)といわれ、図3に示すように、100~500eVの低速の電子をパルスで試料を照射すると、固体表面に吸着している水素や酸素その他の吸着種がイオン化されて真空中に飛び出してくる。これらを検出、増幅して信号とする。電子ビームはパルスとして照射するのでイオンの検出には飛行時間法(TOF)により、飛行時間の計算式を用いて計算する。この信号をTOFスペクトルとして表示すると局所場に応じた質量分析ができることになり、水素、酸素その他の吸着種のイオンの2次元分布を得ることができる。単に水素や酸素が検出できるだけでなく、結合や吸着状態の違いが脱離の運動エネルギーに投影して吸着対象を選別して検出し、化学的な質量分析ができる。
(カーボン電極内のイオン質量分析)
未使用カーボン電極と水電解後のカーボン電極との寸法10mm×8mmの水素分析のため、加熱用ヒータ付きの試料ホルダーにセットする。測定例を図5A及び図5Bに示す。
図5Aは試料温度200℃までの加熱で表面から真空中に放出された不純物の昇温脱離スペクトルを示す。図5Bは試料温度290℃までの加熱で表面から真空中に放出された不純物の昇温脱離スペクトルを示す。右側の棒グラフは各質量の最終の放出量、左側は昇温の状態を示し、図5Aでは200℃までの昇温の様子を、図5Bでは200℃で一度飽和し、更に90℃昇温してピーク時典で加熱を中止して冷却した様子を示す。図6A,B,Cでは290℃までの昇温を時間をおいて6回繰り返し、3回目、4回目、6回目の状態を示す。
図6Aの3回目の試料からの放出ガス(4分間)では1時間前の2回目の時の測定とはさほど変化はなく、図6Bでは4回目の試料からの放出ガス中にイオンポンプをON,しばらくして再び、イオンポンプを切り、試料からのガスを導入して最終値をわかりやすく表示する。図6Cは6回目の試料からの放出ガスを示す。以上の結果より、質量27、28の不純物のスペクトルが注目され、エチリジンとエチレンの両者が試料から放出されていることが測定データから伺える。
本発明に係る水素供給システムの模式図で、50%苛性ソーダ液20体積%を添加した食塩水中に3mm厚Al金属板と15てmm厚まで膨化したカーボン電極とを組み合わせて投入する状態を示す模式図 図1Aの水素供給システムの水素発生中の実写写真である。 本発明に係るカーボン電極からの水中での水素発生状態を示す写真である。 本発明に係るカーボン電極から水中に放出されたエチリジンが電極に付着して形成したエチリジン金属錯体からの水素発生状態を示す写真である。 本発明に係るカーボン電極中のエチリジンを検出する水素顕微鏡TOF-ESD装置の概要図である。 未使用カーボン電極10mm×8mmの水素分析のため、加熱用ヒータ付きの試料ホルダーにセットした状態の写真である 水電解後のカーボン電極10mm×8mmの水素分析のため、加熱用ヒータ付きの試料ホルダーにセットした状態の写真である。 試料温度200℃までの加熱で試料表面から真空中に放出された不純物の昇温脱離スペクトルを示す。 試料温度290℃までの加熱で試料表面から真空中に放出された不純物の昇温脱離スペクトルを示す。 試料温度290℃までの昇温を時間をおいて6回繰り返し、その3回目の昇温脱離スペクトルを示す。 試料温度290℃までの昇温を時間をおいて6回繰り返し、その4回目の昇温脱離スペクトルを示す。 試料温度290℃までの昇温を時間をおいて6回繰り返し、その6回目の昇温脱離スペクトルを示す。 膨化FGS内でのNa+ により酸素から電子が引き抜かれる状態を示す概念図である。 膨化FGS内で金属イオンが形成するマイクロセル及びマイクロキャパシタの概念図である。 食塩水中で電解作成して得られたカーボン電極のEDS元素成分表である。 水電解処理により水素吸蔵したカーボン電極の顕微鏡写真である。 食塩水中で水分解発電処理により水素吸蔵したカーボン電極を膨化処理した時の顕微鏡写真及びEDS元素成分表である。 膨化処理前のカーボン電極の顕微ラマンスペクトルを示すグラフである。 膨化処理後のカーボン電極(B)の顕微ラマンスペクトルを示すグラフである。 膨化処理後のカーボン電極を濃硝酸浸漬処理後(C)の顕微ラマンスペクトルを示すグラフである。
(エチリジンを含むカーボン電極の製造)
本発明に係るカーボン電極は図10に示すように、金属イオンの侵入により対極となるグラファイト層とでマイクロセルを構成するとともに隣接するグラファイト層との間にマイクロキャパシタを構成する必要がある。したがって、グラファイトシートを水等に一昼夜浸漬し、バーナー等の火炎加熱で膨張させる。火炎膨張を容易にするために、1リットルの水に濃硝酸50ml、ブドウ糖;0.5~1.0モル、NaCl;1.0~1.5モルを溶解して浸漬液を調製するのがよい。
以下の方法で製造したカーボン電極を1モルの食塩水中に浸漬して30秒ほど放置すると、カーボン電極の全面から、特に側面からの細かな気泡の発生が徐々に認められる。カーボンシートから溶液中への滲出物質を液体クロマトグラフで確認すると大量の炭化水素が確認された。そこで、上記膨化カーボンシートの切片を切り出し、京阪名ラボ棟TF技研で、固体の表面にパルス電子を照射して脱離するプロトンを検出する方法(電子励起イオン脱離、TOF-ESD)を用いて分析すると、水素、酸素、一酸化炭素の他、分子量27のエチリジン(CH3)及び分子量28のエチレン(C24)を検出した。このエチリジンが水中に放出されると、水分子を水素イオンと水酸化イオンに分離し、水素イオンを還元して水素ガスを発生させるものと思われる。また、金属イオンと結合するとエチリジン金属錯体を形成し、水分解触媒として機能するものと思われる。金属としてはAl,Zn、Feのような典型金属たけでなく、特にCuなどの遷移金属が錯体を形成しやすい。
次に、銅板(1mm厚、5×15cm)と本発明のカーボン電極を輪ゴム等で用いて貼り合わせ、又は対向配置してこれを1モルの食塩水中に浸漬する。
まず、カーボン電極から水素の発生が認められ、その後、銅板からも水素の発生が認められ(図2A)、カーボン電極を食塩水から離脱しても銅板からの水素ガスの発生が認められる。この溶液中にアルミ板を浸漬すると、アルミ板からも水素ガスの発生が認められる(図2B)。銅板からの水素の発生およびアルミ板からの水素の発生は銅板およびアルミ板との間に形成されるエチリジン銅錯体の水分解効果であると推測される。詳しくは、水を分解すれば、図1に示すように、
水素発生反応では、4H+2e-→2H2を示すが、
この現象は、幾分複雑となるが、次のようである。すなわち、最初に電解液中に投入
した電極材料間で、化学反応により、金属極から金属イオンの放出がある一方、カーボンからは電解液中にエチリジンの放出がある。したがって、金属側ではエチリジンの電極への付着によりエチリジン金属錯体の構成ができる。一方、炭素材料側では局所部分で金属イオンにコーティングされた部分と対極となるカーボン材料の間に接触電位差の違いから電池作用が生じ、それによって電気分解で水素を発生しながら、キャパシター部分に蓄電作用があり、電池が形成される。このカーボン電極部に着目すると、局所的にサブナノメートルの空間を形成する多層構造になっているものと考えられ、表層部のナノセルに生じた電池構造は、次々と消滅されていくものの、内部の多層構造が上記と同じような電池作用を発生しながら、電気分解された水素原子は水素分子になりながら材料の容積を増していき、次々と、電池セルとしてアクティブになっていくと考えられる。かかる発電メカニズムと水素発生のメカニズムが金属とカーボン間の現象として理解される。金属側に構成される金属とカーボンとの間に形成されるエチリジン又はその金属錯体は上記発電メカニズム及び水素発生メカニズムを促進するものと推測される。
各種金属との反応
本発明のカーボン電極を銅板とともに1モルの食塩水中に浸漬すると、水分解作用を示し、激しく反応して水素を含め、大量の水素ガスを発生させ、銅板がもろもろに分解されるまで、反応は進行した。また、銅板に代え、亜鉛板を使用しても亜鉛板全体が酸化亜鉛となり、水分解反応は緩慢となるが反応は継続した。アルミ板の場合、食塩水中では耐久性を示し、銅および亜鉛に比して長時間の水素製造能力を示すことを見出された。特に、アルミ板/1MNaCl+H/カーボン電極の電池構成ではカーボン電極周辺に半透明の結晶が形成される。この結晶の酸素含有比率は高く、導電性も高い上、水酸化アルミニウム又はアルミン酸ナトリウムがエチリジンを含むためか半固体電解質を形成し、アルミ/銅、亜鉛/銅、アルミ/カーボン電極、カーボン電極/カーボン電極間に介在し、電池を構成する。
エチリジンを含むカーボン電極の作成
本発明のカーボン電極の作成方法においては、電解液中で電極の一方又は双方の電極として用い、電圧を印加して水電解反応させるか金属との間で電池を構成して発電反応を行わせるのが好ましい。電解時に水素を吸蔵させるためである。
グラファイト層を層間分離させて膨化させる工程は、カーボン電極を比重0.1から0.5g/cm3まで層間分離して膨化させるためである。比重0.1より小さくなると、膨化後の保形性に乏しく、0.5より大きいと膨化後の層間分離が不十分である。
カーボン電極は酸化剤として濃硝酸を用いてしてもよい。酸洗い効果又は酸化作用により触媒機能を向上する場合があるからである。また、本発明のカーボン電極はガンマー線放射能を有するラジウム鉱石粉末の混合により触媒機能を長期継続させることができる。
(電極の顕微鏡写真)
図12は膨化して酸化処理したカーボン電極の1万倍SEM写真(a),(b)であり、膨化後
酸化処理したグラファイト構造体は多孔質構造で、内部は三角形状に切り立ち、各層は透光性を示す。図12(c),(d)は切り立った先端の白く見える部分をいい、Na+が付着していると思われ、照射エネルギーを集中すると、一部分解する様相を見せた。この結果、グラファイト又はグラフェンからなる薄片が集積していると思われる。各層間には図11に示す炭素―酸素原子比率から、酸素原子が各炭素原子に結合した構造(炭素―酸素原子比率がほぼ1対1)が示される。その構造の機能としては、正極内での過酸化物―酸化物間の酸化還元反応に対する触媒機能から新たな「炭素―酸素」構造を形成している可能性が示唆される。
上記カーボン電極A、カーボン電極B及びカーボン電極Cの顕微ラマンスペクトルを測定した。日本分光株式会社製近接場光学顕微分光装置(NFS-230HKG)を用い、励起波長:532nm、レーザ強度:約6.4mW、スリット幅:直径100μm、アパーチャ:直径4000μm、対物レンズ:×20(分析径約4μm)、露光時間×積算回数:10sec×2回の条件で、図14A,B,Cの顕微ラマンスペクトルを得た。サンプルB及びCは固体上部をはがして測定試料とした。サンプルのDバンドがサンプルAからCへの変化によりスペクトルピークが1349.99から1356.11cm-1にラマンシフトする現象が見られた。
(実施例)
図1Aに示すように、3mm厚100平方センチのAl金属板10と、1リットルの水
に、1~1.5モルNaCl塩、0.5~1.0モルブドウ糖の添加した水溶液に1昼夜浸漬処理した後両面を火炎照射して膨化処理してなる15mm厚100平方センチのカーボン電極20をゴムバンドで緊締して用意し、0.5モル塩化ナトリウム溶液に50%苛性ソーダ液15~20体積%添加してなる30℃電解液30を1リットルのビーカー内に投入すると、水素ガスの発生に伴い、発熱して5分以内に90℃に達し、その後すぐに電解液沸点106℃に達し沸騰を続けた。そのため、水素ガスとともに水蒸気がビーカー口から外部に放出され、電解水の減量は凄まじく早く激しかった。図1Bは電解水沸騰時の様子を示す写真である。これより、本発明の水素ガス供給システムは容易に大量の水素ガスを提供することができることが理解できる。この場合、水素ガスとともに大量の水蒸気が一旦これ等を水中捕集又は冷却捕集して水素ガスのみを捕集することができる。
本発明の水素供給システムによれば、カーボン電極と金属極を対向又は接触させること
により海水などの電解水を分解し、容易に水素ガスを生成供給できるので、今後の水素社会に大いに役立てることができる。
10 銅板、20 カーボン電極、
30 1モル食塩電解液

Claims (4)

  1. カルビンラジカルの代表であるエチリジンを含むカーボン電極と、亜鉛、アルミ、マグネシウムからなる典型金属または銅からなる遷移金属から選ばれる金属極とを組み合せ、
    アルカリ性電解液中でエチリジンCHCによる酸化還元反応により水分解して水素ガスを発生させることを特徴とする水素ガス供給システム。
  2. 電解液が、水又は塩水に対し、50%苛性ソーダ溶液を5~30体積%添加した濃度に構成される請求項1記載の水素ガス供給システム。
  3. 電解液として海水を用いて構成する請求項2記載の水素ガス供給システム。
  4. カーボン電極がグラファイトから製造される請求項1~3のいずれかに記載の水素供給システム。
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