JP7288765B2 - 間接照明装置、その製造方法および間接照明の取付構造 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、外壁の上端部に沿って、その上端部を屋外側から覆うように設けられ、外壁の上端部を照射する照明装置を収容する照明収容部を備えた外壁構造が知られている。
また、特許文献2には、天井と壁面との境目部分であって、天井側に凹んだ凹部に、壁面に向かって光を照射する照明装置を設けた間接照明方法が開示されている。
一方、化粧枠や装飾材を用いて、壁面に間接照明を施すことについては知られていない。
本発明は、自由な照明の演出を可能とする間接照明装置、その製造方法および間接照明の取付構造を提供することを目的としている。
間接照明装置10は、図1bに示すように、壁面1に取り付けられる長尺基材11と、その長尺基材11の収容部に収容される照明12とを備えている。
周壁16は、天板16aと、その両端から天板16aに対して垂直に同じ方向に延びる2つの側板16b1、16b2とを備えて、周壁16は両側板16b1、16b2の先端同士を繋いだ面16cが開口している。一方の側板16b1(図2aの左側)に穴18が形成されている。
このような長尺基材11は、間接照明装置10を壁面1に取り付けたとき、周壁16の開口した面16cが壁面1と対向する。つまり、この周壁16の開口は、壁面1に固定された連結具25を受け入れ、壁面1によって閉じられる(図1b参照)。また、長尺基材11を壁面1に取り付けたとき、天板16aは壁面1と平行となる。天板16aの表面には、用途に応じてデザイン等が施されている。また長尺基材11の両端部は、図2bのエンドキャップ11aによって閉じられている。
その他の仕切壁17としては、縦壁17a1と縦壁17a2とが連続するように、その下端からY字状にY字壁17cが設けられている。またそれぞれ側板16b1、16b2の下端から横壁17b1、17b2に向かって斜めに延びる傾斜壁17d1、17d2が設けられている。
ここで「セメント系押出成形体」とは、セメント系材料を押出成形し、硬化させたものである。
セメント系材料とは、水硬性の無機物を含むセメント系組成物を硬化させた材料である。水硬性の無機物としては、各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどを用いることができる。また、軽量化のために軽量化骨材等を含んでいてもよく、補強等のためにパルプ、水溶性セルロース、鉱物繊維等を含んでいてもよく、着色のために顔料を含んでいてもよい。各種のセメント系材料のなかでも、耐火性に優れ、比重が軽いことから、珪酸カルシウムを主成分とする珪酸カルシウム系材料を用いることが好ましい。また、強度に優れることから、パルプで補強された珪酸カルシウム系材料を用いることがさらに好ましい。
このようなセメント系材料は、押出成形によって、長手方向(押出方向)に断面形状がほぼ同一な成形体を容易に製造することができる。また、比重0.7~1.5、特に0.7~1.3程度の押出成形体であれば、軽量性による施工性の向上の効果も生じる。さらに、耐熱性を有しているため、発熱する照明を収容しても変形するおそれがなく、耐久性に優れている。硬化後のセメント系押出成形体は、ビス、ネジ、釘等の固着具により固定可能である。
セメント系押出成形体に切削加工を行うのは、押出成形体の軸方向に垂直な断面形状であって異なる2つの方向に開口している形状を、押出によって形成する場合、図2cに示すように、穴18の上側の天板16aが下方に垂れるおそれがあるためである。つまり、2つの方向に開口している形状を押出成形するには、それぞれの開口にスペーサを挿入して形状を保持させる必要があるが、穴18にスペーサを保持させることが困難となるためである。このように、一度、周壁16および仕切壁17を有するセメント系押出成形体を成形して硬化し、その後、硬化したセメント押出成形体に切削加工して穴18を形成することにより、精度の高く、かつ、効率良く生産することができる。
照明12は、収容部(空間20a)に設けられる冶具15に保持させている(図1b参照)。冶具15の大きさや形状を選択することにより、収容部内における照明12の位置を調整することができる。照明12は、冶具15によって壁面に沿う方向に固定され、照明12から照射される光は、図1に示すように壁面に沿って現れる。なお、図3b、cに示すように、冶具15の表面を傾けることにより、照明12が壁面1に向く、つまり、光が壁面の所定の領域1bに現れるように調整することもできる。冶具15は、例えば、ねじ等の固定具26によって仕切壁の縦壁17a1に固定される。
照明12は、冶具15と接着剤等で固定する。これにより冶具15を取り外すことにより、照明12の取替えができる。その場合、照明12および冶具15を穴18または長尺基材11の両端から出し入れする。しかし、例えば、互いに係合できる係止爪を照明12の裏面および冶具の表面に設ける等、照明12と冶具15とを取り外し可能な構造とし、照明12のみを出し入れするようにしてもよい。
なお、連結具25としては、壁面1に固定される壁面固定部(例えば、天面25a)と、壁面1に対して突出する建材固定部(例えば、側面25b)とを備えていれば、その形状は特に限定されない。また、壁面固定部は、壁面に対して取り外し可能とせず、埋め込まれていてもよい。
また長尺基材11の周壁16において、穴18が形成された左側板16b1と天板16aとが仕切壁17によって連続しているため、長尺基材11に所定の強度を保たせることができる。さらに、照明12は、周壁16の開口した面16cとは連通しない独立した空間20a(収容部)に収容されているため、間接照明装置10の取付作業時に、照明12に不意な外力を加えるおそれがなく好ましい。
仕切壁17の配置も限定されるものではなく、少なくとも天板16aと側板16b1または16b2とが仕切壁17によって連続していればよい。しかし、天板16aから延びる仕切壁と、側板16b1または16b2から延びる仕切壁とが交わるものが好ましい。さらに、長尺基材11(天板16a)の幅方向の中心線C1を中心として左右対称に設けられているものが好ましい。
図1の間接照明装置10では、穴18は長手方向の1本の長い穴を構成しているが、図4aに示すように、複数本の穴18を長手方向に並べるようにしてもよい。
図1の間接照明装置10では、照明12から直接照射した光を壁面に沿う方向または壁面に向かせているが、反射板等に反射させた光を壁面に沿う方向または壁面に向かせて、壁面の所定の領域に現れるようにしてもよい。
図1の間接照明装置10では、照明12は長尺基材11と同じ長さにしているが、例えば、図4bに示すように、壁面へのデザインに応じて反射光の領域1cが長尺基材11の長手方向の一部だけとなるように、照明12を長尺基材11の一部に設けてもよい。また図1の間接照明装置10では、照明12を左側にのみに設けているが、右側に設けても、図4cのように両側に設けてもよい。つまり、空間20aと空間20cとに照明12を設けてもよい。その場合、右側板16b2にも穴18が設けられる。
さらに図1の間接照明装置10では、照明12の電源は、照明12の端部に設けられた配線12cを介して外部より供給しているが、長尺基材11内に電池や配線等を設けて供給してもよい。その場合、電池等を長尺基材11の他の空間(図2aの空間20b等)に収容してもよい。
この間接照明装置40も、図1の間接照明装置10と同様に、デザイン性の高い間接照明を外壁に施すことができる。またこの間接照明装置40も、周壁16の端部を切り落としているだけであるため、図1の間接照明装置10よりも長尺基材11の強度を高く保つことができる。
1a、1b、1c 反射光の領域
10 間接照明装置
11 長尺基材
11a エンドキャップ
12 照明
12a 基板
12b LED
12c 配線
15 冶具
16 周壁
16a 天板
16b1 左側板
16b2 右側板
16c 面
17 仕切壁
17a1、17a2 縦壁
17b1、17b2 横壁
17c Y字壁
17d1、17d2 傾斜壁
18 穴
18a カバー
20 内部空間
20 空間
20a-20g 空間
25 連結具
25a 天面
25b 側面
26 固定具
26a ビス
26b ナット
30 間接照明装置
31 凹部
40 間接照明装置
41 隙間
Claims (4)
- 外壁面に取り付けられる間接照明装置であって、
連結具を介して前記外壁面に取り付けられ、収容部を構成するセメント系押出成形体と、
前記収容部に収容される照明とを備えており、
前記セメント系押出成形体の長手方向に垂直な断面形状は、C状の周壁と、前記周壁の内部空間を仕切る仕切壁により、複数の独立した空間に仕切られ、
前記複数の独立した空間は、前記周壁に設けられた穴によって外部と連通し、前記周壁および前記仕切壁に囲まれて前記収容部を構成する空間と、前記周壁の開口を前記外壁面に対向させて前記外壁面に固定された前記連結具を受け入れ、前記外壁面に取り付けたときに前記周壁の開口が前記外壁面によって閉じられる空間とを含み、
前記収容部に収容される前記照明から放射される光の方向が、前記外壁面に沿う方向または前記外壁面に向き、前記光が前記外壁面で反射し、その反射光により間接的に照明する、
間接照明装置。 - 請求項1に記載の間接照明装置の製造方法であって、
前記周壁と前記仕切壁とを備えたセメント系押出成形体を成形し、
前記セメント系押出成形体の前記周壁を切削加工して前記穴を形成し、
前記収容部に前記照明を収容する、
間接照明装置の製造方法。 - 外壁面に取り付けられる間接照明の取付構造であって、
連結具を介して前記外壁面に取り付けられ、収容部を構成するセメント系押出成形体と、
前記収容部に収容される照明とを備えており、
前記セメント系押出成形体の長手方向に垂直な断面形状は、C状の周壁と、前記周壁の内部空間を仕切る仕切壁により、複数の独立した空間に仕切られ、
前記複数の独立した空間は、前記周壁に設けられた穴によって外部と連通し、前記周壁および前記仕切壁に囲まれて前記収容部を構成する空間と、前記周壁の開口を前記外壁面に対向させて前記外壁面に固定された前記連結具を受け入れ、前記外壁面に取り付けたときに前記周壁の開口が前記外壁面によって閉じられる空間とを含み、
前記収容部に収容される前記照明から放射される光の方向が、前記外壁面に沿う方向または前記外壁面に向き、前記光が前記外壁面で反射し、その反射光により間接的に照明する、
間接照明の取付構造。 - 前記セメント系押出成形体が長手方向を垂直にして前記外壁面に取り付けられる、
請求項3に記載の間接照明の取付構造。
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