JP7288764B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents
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Description
たとえば、ドライエッチング工程等を経て、凹凸を有する微細なパターンを形成した基板の表面(パターン形成面)には、反応副生成物であるエッチング残渣、金属不純物や有機汚染物質等が付着していることがある。これらの物質を基板の表面から除去するために、薬液(エッチング液、洗浄液等)を用いた薬液処理が実施される。また、薬液処理の後には、薬液をリンス液によって除去するリンス処理が行われる。典型的なリンス液は、脱イオン水等である。その後、基板の表面からリンス液を除去することによって基板を乾燥させる乾燥処理が行われる。
昇華性物質のコストの問題から、昇華性物質の消費量の低減を図ることが求められている。そのため、本願発明者らは、基板乾燥に用いられる昇華性物質の再利用し、新規な昇華性物質を用いる頻度を低減することで、昇華性物質の消費量の低減を図ることを検討している。
この方法によれば、基板の表面に形成された凝固膜から昇華性物性が昇華することにより、基板の表面の乾燥が実現できる。昇華性物性の昇華に伴って、気体状の昇華性物質が発生し、基板の表面の周囲に存在する。そして、基板の表面の周囲の雰囲気に含まれていた昇華性物質が回収され、チャンバの外に排出される。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記チャンバの内部において、前記昇華性物質を含む昇華液を前記基板の表面に供給して、前記基板の表面に前記昇華液の液膜を形成する液膜形成工程と、前記液膜を凝固させて前記凝固膜を形成する凝固膜形成工程と、をさらに含む。そして、前記液膜形成工程が、前記昇華性物質回収工程によって回収された前記昇華性物質を用いて作成された前記昇華液を、前記基板の表面に供給する工程を含む。
この発明の一実施形態では、前記態様変化工程が、前記チャンバの外に設けられた処理室において、前記チャンバの外に排出された雰囲気に含まれる気体状の昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第2の昇華溶液作成工程(第1工程)を含む。そして、前記基板処理方法が、前記第2の昇華溶液作成工程によって作成された昇華溶液を前記処理室から排出させる溶液排出工程をさらに含む。
この方法によれば、溶媒の降温により、昇華性物質の溶媒への溶解を促進できる。
また、溶媒の降温に併せて/代えて、前記基板処理方法が、前記第2の昇華溶液作成工程に並行して、前記処理室の内部を減圧する減圧工程をさらに含んでいてもよい。
この発明の他の実施形態では、前記態様変化工程が、前記チャンバの外に設けられた処理室において、前記チャンバの外に排出された雰囲気に基づいて固体状の前記昇華性物質を作成する昇華固体作成工程を含む。
この発明の他の実施形態では、前記昇華固体作成工程が、前記チャンバの外に排出された雰囲気を冷却する冷却工程を含む。
この発明の他の実施形態では、前記基板処理方法が、前記昇華固体作成工程によって作成された前記固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第3の昇華溶液作成工程(第2工程)と、前記第3の昇華溶液作成工程によって作成された昇華溶液を前記処理室から排出させる溶液排出工程と、をさらに含む。
この発明のさらに他の実施形態では、前記昇華工程に並行して、前記基板の表面に対向部材の対向面を対向させることにより、前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれる前記昇華性物質を前記対向面に析出させる対向面析出工程をさらに含む。そして、前記第4の昇華溶液作成工程が、前記対向面に析出された固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第5の昇華溶液作成工程(第4工程)を含む。
この方法によれば、対向面への溶媒の供給により、対向面に付着している固体状の昇華性物質が溶媒に溶ける。昇華性物質の溶媒への溶解(すなわち、昇華溶液の作成)を対向面において行うので、昇華溶液の回収を比較的容易に実現可能である。
この方法によれば、対向面が室温未満の低温に降温されているので、対向面に接触する気体状の昇華性物質をより効果的に冷やすことができる。これにより、固体状の昇華性物質の対向面への析出を促進させることができる。
この方法によれば、対向面に形成された吐出口から気体が吐出されないので、基板の表面の周囲の雰囲気が、基板の表面の周囲から排出されることを抑制できる。これにより、固体状の昇華性物質の対向面への析出が阻害されるのを抑制できる。
前記昇華性物質回収ユニットが、前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、前記チャンバの外に設けられ、前記チャンバの外に排出された雰囲気に含まれる気体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する処理室と、を含んでいてもよい。前記処理室において作成された前記昇華溶液が前記処理室から排出されてもよい。
前記昇華性物質回収ユニットが、前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、前記チャンバの外に設けられ、前記チャンバの外に排出された雰囲気に基づいて固体状の前記昇華性物質を作成し、前記固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する処理室と、を含んでいてもよい。前記処理室において作成された前記昇華溶液が前記処理室から排出されてもよい。
前記昇華性物質回収ユニットが、前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された固体状の前記昇華性物質を、前記チャンバの内部において溶媒に溶かして昇華溶液を作成するユニットと、前記チャンバの内部において、作成された前記昇華溶液を捕獲する昇華溶液捕獲ユニットと、を含んでいてもよい。前記昇華溶液捕獲ユニットによって捕獲された前記昇華溶液が、前記チャンバの外に排出されてもよい。
昇華性物質が回収されるので、基板乾燥に用いられる昇華性物質の再利用を図ることが可能である。これにより、新規な昇華性物質を用いる頻度を低減可能である。ゆえに、昇華性物質の消費量の低減を図ることが可能である。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置1を上から見た模式図である。
基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、クリーンルーム内に配置された装置本体2と、装置本体2に結合されたインデクサユニット3と、処理液供給装置と、基板処理装置1を制御する制御装置4と、を含む。
装置本体2は、搬送室5と、複数のロードポートLPから搬送された基板Wを処理液や処理ガスなどの処理流体で処理する複数の処理ユニット6と、を含む。複数の処理ユニット6は、水平に離れた複数(たとえば4つ)の位置にそれぞれ配置された複数(たとえば4つ)の塔を形成している。各塔は、上下に積層された複数(たとえば3つ)の処理ユニット6を含む。6つの塔は、搬送室5の両側に3つずつ配置されている。処理ユニット6は、装置本体2の外壁7の中に配置されており、すなわち外壁7に取り囲まれている。
処理ユニット6は、箱形のチャンバ9と、チャンバ9内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持して、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック(基板保持ユニット)10と、スピンチャック10に保持されている基板Wの上面(基板Wの表面Wa(図6参照))に薬液(処理液)を供給する薬液供給ユニット11と、スピンチャック10に保持されている基板Wの上面にリンス液を供給するリンス液供給ユニット12と、スピンチャック10に保持されている基板Wの上面に置換用溶媒を供給する置換用溶媒供給ユニット13と、スピンチャック10に保持されている基板Wの上面に対向し、基板Wの上方の空間をその周囲の雰囲気から遮断する遮断部材(対向部材)15と、スピンチャック10に保持されている基板Wの下面(基板Wの裏面Wb(図6等参照))の中央部に向けて処理液を吐出する下面ノズル16と、スピンチャック10の側方を取り囲む筒状の処理カップ(昇華性物質回収ユニット)17とを含む。
遮断部材15は、遮断板25と、遮断板25の中央部を上下方向に貫通する上面ノズル26と、を含む。遮断板25には、電動モータ等を含む構成の遮断板回転ユニット27が結合されている。遮断板回転ユニット27は、遮断板25を、回転軸線A1と同軸の回転軸線(図示しない)まわりに回転させる。
遮断部材15には、電動モータ、ボールねじ等を含む構成の遮断部材昇降ユニット28(図5参照)が結合されている。遮断部材昇降ユニット28は、遮断板25および上面ノズル26を鉛直方向に昇降する。
薬液配管34に供給される薬液は、洗浄液およびエッチング液を含む。さらに具体的には、薬液は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)および界面活性剤、腐食防止剤の少なくとも1つを含む液である。
さらに、リンス液供給ユニット12は、上面ノズル26を、リンス液ノズルとして備えていてもよい。すなわち、リンス液配管37からのリンス液が上面ノズル26に供給されていてもよい。
置換用溶媒配管44に供給される置換用溶媒の具体例は、たとえばIPA(isopropyl alcohol)に代表される有機溶媒である。このような有機溶媒として、IPA以外に、たとえば、メタノール、エタノール、アセトン、EG(エチレングリコール)、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、n-ブタノール、t-ブタノール、イソブチルアルコールおよび2-ブタノールを例示できる。また、有機溶媒としては、単体成分のみからなる場合だけでなく、他の成分と混合した液体であってもよい。また、それ以外の溶媒を用いることもできる。
昇華溶液作成装置51は、タンク53と、循環配管54と、昇華性物質補充ユニット56と、を含む。
タンク53に溜められている昇華溶液が、昇華溶液配管62を通って混合部50に送られる。昇華溶液配管62には、送液ユニット63と、昇華溶液流量調整バルブ64と、昇華溶液バルブ65とが、上流側からこの順序で配置されている。送液ユニット63は、タンク53に溜められている昇華溶液を昇華溶液配管62へと送り出すためのユニットであり、たとえばポンプである。
昇華溶液バルブ65は、昇華溶液配管62を開閉するための開閉バルブである。
タンク53に溜められている昇華溶液に含まれる昇華性物質は、室温(RT)以上の凝固点TPF1(図3参照)を有している。室温(RT)は、外気の温度にも影響されるため必ずしも、一定でないが概ね23℃に設定されている。昇華性物質として、樟脳(大気圧下における凝固点:約175℃~180℃、室温大気圧下における蒸気圧:120Pa)を例示できる。昇華性物質として、樟脳以外にも、シクロヘキサノール(大気圧下における凝固点:約24℃、室温大気圧下における蒸気圧:0.13kPa)、シクロヘキサン(凝固点:約6℃)、ターシャリーブチルアルコール(大気圧下における凝固点:約25.6℃:室温大気圧下における蒸気圧:5.4kPa)、1,3,5-Trioxane(大気圧下における凝固点:約60℃~62℃、室温大気圧下における蒸気圧:0.75kPa)、ナフタレン(大気圧下における凝固点:約80℃、室温大気圧下における蒸気圧:7.9Pa)、ヨウ素(大気圧下における凝固点:約113℃、室温大気圧下における蒸気圧:0.04kPa)等を例示できる。また、昇華性物質は、単体成分のみからなる場合だけでなく、複数の成分を混合した昇華性物質であってもよい。
図3に示すように、昇華性物質と混合用溶媒との混合による凝固点降下により、混合物(昇華溶液)の凝固点TPFMが、昇華性物質の凝固点TPF1よりも下がる。昇華溶液の凝固点TPFMが、混合物(昇華溶液)における昇華性物質の濃度に依存する。図3には、混合物(昇華溶液)の凝固点曲線FPCが記載されている。混合物(昇華溶液)における昇華性物質の濃度が、昇華溶液の凝固点TPFMが室温(RT)未満の温度に下がり、室温環境下で混合物(昇華溶液)が液体状をなす。
加熱液バルブ73が開かれると、加熱液供給源からの加熱液が、加熱液配管72および下面供給配管71を介して下面ノズル16に供給される。下面ノズル16に供給された加熱液は、吐出口16aからほぼ鉛直上向きに吐出される。下面ノズル16から吐出された加熱液は、スピンチャック10に保持された基板Wの下面中央部に対してほぼ垂直に入射する。
溶剤排気配管96(以下、「排気配管96」という場合がある)の下流端は、機外の溶剤排気設備95(以下、「排気設備95」という場合がある)に接続されている。排気配管96から排気設備95に与えられた気体は、排気設備95によって排気処理される。排気配管96の途中部に設定された分岐位置には、分岐排気配管97が分岐接続されている。排気配管96の分岐位置には、第2の排気切り換え器98が配置されている。第2の排気切り換え器98は、排気配管96を流通する気体の流通先を、排気配管96における分岐位置よりも下流側部分と、分岐排気配管97とに切り換える。
回収ボックス100は、有底箱状のハウジング121を含む。ハウジング121は、その内部に、ハウジング121の外部から遮断された密閉の内部空間122を区画している。ハウジング121の底部には、液体を貯留できるようになっている。ハウジング121の底部には、混合用溶媒が貯留されている。ハウジング121は、ハウジング121の側壁121aの上部分に形成された流入側挿通口123と、ハウジング121の側壁121aの下部分に形成された液体導出口124と、ハウジング121の側壁121aの上部分に形成された気体導出口125と、を有する。
気体導出口125には、内部空間122に存在する雰囲気を、ハウジング121の外部に導出するための導出配管128が接続されている。導出配管128の下流端は、排気設備95に接続されている。導出配管128の上流部には、導出配管128の開度を調整するためのレギュレータ129が介装されている。レギュレータ129が制御されて、導出配管128の開度が調整されることにより、内部空間122の圧力が調整される。レギュレータ129の制御により、内部空間122の圧力を、大気圧よりも低い低圧に制御可能である。
内部空間122の減圧、および内部空間122に溜められている昇華溶液の降温により、昇華性物質の混合用溶媒への溶解を促進できる。
図5は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。
制御装置(昇華ユニット、昇華性物質回収ユニット、液膜形成ユニット、凝固膜形成ユニット、昇華溶液作成ユニット、雰囲気捕獲ユニット)4は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されている。制御装置4はCPU等の演算ユニット、固定メモリデバイス、ハードディスクドライブ等の記憶ユニット、および入出力ユニットを有している。記憶ユニットには、演算ユニットが実行するプログラムが記憶されている。
図6は、基板処理装置1による処理対象の基板Wの表面Waを拡大して示す断面図である。処理対象の基板Wは、たとえばシリコンウエハであり、そのパターン形成面である表面WaにパターンPが形成されている。パターンPは、たとえば微細パターンである。パターンPは、図6に示すように、凸形状(柱状)を有する構造体101が行列状に配置されていてもよい。この場合、構造体101の線幅W1はたとえば3nm~45nm程度に、パターンPの隙間W2はたとえば10nm~数μm程度に、それぞれ設けられている。パターンPの高さTは、たとえば、0.2μm~1.0μm程度である。また、パターンPは、たとえば、アスペクト比(線幅W1に対する高さTの比)が、たとえば、5~500程度であってもよい(典型的には、5~50程度である)。
パターンPは、たとえば絶縁膜を含む。また、パターンPは、導体膜を含んでいてもよい。より具体的には、パターンPは、複数の膜を積層した積層膜により形成されており、さらには、絶縁膜と導体膜とを含んでいてもよい。パターンPは、単層膜で構成されるパターンであってもよい。絶縁膜は、シリコン酸化膜(SiO2膜)やシリコン窒化膜(SiN膜)であってもよい。また、導体膜は、低抵抗化のための不純物を導入したアモルファスシリコン膜であってもよいし、金属膜(たとえばTiN膜)であってもよい。
図7は、処理ユニット6による第1の基板処理例を説明するための流れ図である。図8A~8Dは、この第1の基板処理例が実行されているときの基板Wの周辺の状態を示す模式図である。
第2の排気切り換え器98は、排気配管96における気体の流通先を、排気配管96における分岐位置よりも下流側部分に設定している。
基板処理装置1によって基板Wが処理されるとき、制御装置4は、全てのノズルがスピンチャック10の上方から退避しており、全てのガード83~85が下位置に位置している退避状態で、基板Wを保持している基板搬送ロボットCR1,CR2(図1参照)のハンドをチャンバ9の内部に進入させる。これにより、基板Wがその表面Waを上方に向けた状態でスピンチャック10に受け渡され、スピンチャック10に保持される。
薬液工程(S2)において、第1の排気切り換え器132は、集合排気配管131における気体の流通先を、薬液の種類に対応した配管(酸排気配管133またはアルカリ排気配管134)に設定している。
次いで、制御装置4は、基板W上の薬液をリンス液に置換して、基板Wの表面Waを洗い流すリンス工程(図7のステップS3)を実行する。具体的には、制御装置4は、リンス液バルブ38を開く。それにより、回転状態の表面Waの中央部に向けて、リンス液ノズル36からリンス液が吐出される。基板Wの表面Waに供給されたリンス液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの周縁部に移動して、基板Wの周縁部から基板Wの側方に排出される。これにより、基板W上に付着している薬液がリンス液によって洗い流される。
リンス液バルブ38が開かれてから予め定める期間が経過すると、制御装置4はリンス液バルブ38を閉じる。これにより、リンス液供給工程(S3)が終了する。
具体的には、制御装置4は、ノズル移動ユニット43を制御して、置換用溶媒ノズル41を、スピンチャック10の側方の退避位置から、基板Wの表面Waの中央部に上方に移動させる。そして、制御装置4は、置換用溶媒バルブ45を開いて、基板Wの上面(表面Wa)の中央部に向けて置換用溶媒ノズル41から、液体の置換用溶媒を吐出する。基板Wの表面Waに供給された置換用溶媒は、基板Wの回転による遠心力を受けて表面Waの全域に広がる。これにより、基板Wの表面Waの全域において、当該表面Waに付着しているリンス液が、有機溶媒によって置換される。基板Wの表面Waを移動する有機溶媒は、基板Wの周縁部から基板Wの側方に排出される。
置換工程(S4)において、第1の排気切り換え器132は、集合排気配管131における気体の流通先を、排気配管96に設定している。また、第2の排気切り換え器98は、排気配管96における気体の流通先を、排気配管96における分岐位置よりも下流側部分に設定している。
次いで、制御装置4は、昇華溶液供給工程(液膜形成工程。図7のステップS5)を実行する。
制御装置4は、昇華溶液供給工程(S5)の開始に際して、ガード昇降ユニット87を制御して、第2のガード83を上位置に上昇させることにより、図8Aに示すように、第2のガード84を基板Wの周端面に対向させる(第2のガード対向状態を実現)。これにより、処理カップ17の状態が、それまでの第1のガード対向状態から、第2のガード対向状態に切り換えられる。
次いで、図8Bに示すように、昇華溶液の液膜171の膜厚を減少させる膜厚減少工程(液膜形成工程。図7のステップS6)が実行される。
制御装置4は、凝固膜形成工程(S7)の開始に先立って遮断部材昇降ユニット28を制御し、図8Bに示すように、遮断部材15を下降させ遮断位置に配置する。
また、加熱工程において、制御装置4が、加熱液バルブ73を開く。それにより、図8Bに示すように、回転状態の基板Wの裏面Wbの中央部に、下面ノズル16から加熱液が供給される。基板Wの裏面Wbに供給された加熱液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの周縁部に向けて広がる。これにより、基板Wの裏面Wbの全域に加熱液が供給される。凝固膜形成工程(S7)において、基板Wの周縁部から飛散する加熱液は、第1のガード83の内壁に捕獲され、第1のカップ81および排液配管92を介して、機外の排液設備に送られる。
1つ目のメカニズムとして、昇華性物質の析出が挙げられる。混合用溶媒の気化(蒸発)によって、昇華溶液における昇華性物質の濃度が上昇する。昇華性物質の濃度が飽和濃度に達した以降は、昇華性物質の結晶が析出する。
3つ目のプロセスとして、混合用溶媒の気化(蒸発)によって奪われる気化熱により、基板Wの表面Waが冷却される。これにより、昇華溶液が温度低下する結果、昇華性物質の析出が促進される。また、昇華溶液の薄膜に含まれる昇華溶液の温度が昇華溶液の凝固点TPFMを下回ると、昇華溶液が凝固を開始する。
凝固膜173の形成後は、凝固膜173に含まれる固体状の昇華性物質が、固体から液体状態を経ずに気体に変化する。これにより、昇華工程(図7のステップS8)が実現される。
凝固膜173に含まれる昇華性物質の昇華を促進させるために、図8Cに示すように、制御装置4が、基板Wの表面Waに気体を供給する気体供給工程を実行する。この気体供給工程は、凝固膜形成工程(S7)に含まれる気体供給工程と同等の工程である。すなわち、上面ノズル26の吐出口26aからの不活性ガスの吐出が、昇華工程(S8)においても継続して実行される。このような気体の供給により、凝固膜173に含まれる昇華性物質の昇華が促進される。
回収ボックス100は、昇華含有気体に含まれる昇華気体を、内部空間122に溜められている混合用溶媒に溶けることより、昇華溶液を作成する(態様変化工程。昇華性物質回収工程)。そして、作成された昇華溶液は、昇華溶液供給配管57を通ってタンク53に導かれ、タンク53に溜められる。すなわち、使用済みの昇華性物質が、次回以降の基板乾燥に再利用される。
昇華工程(S8)において、凝固膜173に含まれる昇華性物質が全て気化(昇華)される。昇華溶液に含まれる昇華性物質を、液体状態を経ずに気化させることにより基板Wの表面Waを乾燥するので、パターンPの倒壊を効果的に抑制または防止しながら、基板Wの表面Waを乾燥させることができる。図8Dに示すように、昇華性物質の昇華が基板Wの表面Waの全域において完了すると、制御装置4は、気体バルブ30を閉じる。これにより、昇華工程(S8)が終了する。
また、制御装置4は、第2の排気切り換え器98を制御して、排気配管96を流通する気体の流通先を、排気配管96における分岐位置96aよりも下流側部分に戻す。
その後、基板搬送ロボットCR1,CR2が、処理ユニット6に進入して、処理済みの基板Wを処理ユニット6外へと搬出する(図7のS9:基板W搬出)。搬出された基板Wは、基板搬送ロボットCR1,CR2からインデクサロボットIRへと渡され、インデクサロボットIRによって、基板収容器Cに収納される。
昇華性物性の昇華に伴って、昇華気体が発生し、基板Wの表面Waの周囲に存在する。そして、基板Wの表面Waの周囲の雰囲気に含まれていた昇華性物質が回収され、チャンバ9の外に排出される。昇華溶液供給工程(図7のS5)および膜厚減少工程(図7のS6)において基板Wの表面Waに供給される昇華溶液が、チャンバ9の外に排出された昇華性物質を用いて作成されている。すなわち、使用済みの昇華性物質が、次回以降の基板乾燥に再利用される。
また、昇華工程(図7のS8)において基板Wの周辺に存在する雰囲気(昇華含有気体の雰囲気)が、チャンバ9の内部において捕獲され、捕獲された昇華含有気体が、チャンバ9の外に排出される。そして、排出された昇華含有気体に含まれる昇華性物質の態様が、チャンバ9の外において、気体から液体に変化される。チャンバ9の内部において昇華性物質の態様を変化させないので、処理のスループットを低下させることなく、昇華性物質の回収およびチャンバ9の外への排出をスムーズに行うことができる。
また、回収ボックス100のハウジング121に溜められている混合用溶媒に、チャンバ9の外に排出された昇華含有気体に含まれる昇華気体を溶かすことにより、昇華溶液が作成される。そして、昇華溶液をハウジング121から排出される。昇華気体を混合用溶媒に溶かすことにより、昇華性物質を液体として扱うことができる。これにより、チャンバ9の外に昇華気体を気体のまま排出させる場合であっても、ハウジング121からの排出以降において、昇華性物質を良好に回収できる。
回収ボックス100Aは、有底箱状のハウジング201を含む。ハウジング201は、ハウジング201は、その内部に内部空間202を区画している。ハウジング201は、ハウジング201の側壁201aに形成された流入側挿通口203と、ハウジング201の底壁201b(図10B参照)に形成された液体導出口204と、ハウジング201の底壁201bに形成された気体導出口205と、を有する。流入側挿通口203には、分岐排気配管97の下流端が接続されている。液体導出口204には、昇華溶液供給配管57の上流端が接続されている。気体導出口205には、導出配管128の上流端が接続されている。ハウジング201の内部空間202に流入した気体は、流入側挿通口203から気体導出口205に向けて、流通方向D1に案内される。
昇華性物質分離器206は、流通方向D1に気体および液体を通過させるメッシュ状のスクラブフィルタ206aを含む。ミスト分離器207は、流通方向D1に気体を通過させるメッシュ状のミストフィルタ207aを含む。スクラブフィルタ206aは、フィルタケースに収容保持されており、ミストフィルタ207aは、ミストフィルタケースに収容保持されている。昇華性物質分離器206およびミスト分離器207は、フィルタケースおよびミストフィルタケースを介して、回収ボックス100Aに支持されている。
図11は、この発明の第3の実施形態に係る回収ボックス100B(処理室、態様変化ユニット)を側方から見た図解的な断面図である。図12A~12Cは、この発明の第3の実施形態に係る昇華溶液の作成を説明するための模式図である。
第3の実施形態が、第1および第2の実施形態と相違する点は、チャンバ9の外に排出された昇華気体に基づいて固体状の昇華性物質321を一旦作成し(昇華固体作成工程)、その後、その固体状の昇華性物質321に基づいて昇華溶液を作成する(第3の昇華溶液作成工程(第2工程))点である。
回収ボックス100Bは、ハウジング301を冷却するための冷却ユニット310をさらに含む。冷却ユニット310は、たとえば、冷水が内部に流通する冷水配管によって構成されている。その他、冷却ユニット310は、冷却気体が内部に流通する冷気配管、ペルチェ素子等を含んでいてもよい。
図13は、第4の実施形態に係る基板処理装置401に備えられる処理ユニット406の構成例を説明するための図解的な断面図である。
第4の実施形態において、前述の第1の実施形態と共通する部分には、それぞれ、図1~図9の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。
混合用溶媒配管421には、混合用溶媒配管421を開閉するための混合用溶媒バルブ422が介装されている。加熱液バルブ73が閉じられている状態で混合用溶媒バルブ422が開かれると、混合用溶媒供給源からの混合用溶媒が、混合用溶媒配管421を介して下面ノズル16に供給される。これにより、下面ノズル16の吐出口16aから混合用溶媒が下向きに吐出される。
第4の実施形態に係る処理ユニット406が、第1の実施形態に係る処理ユニット6(図2参照)と相違する3つ目の点は、昇華溶液作成装置51のタンク53に対し、チャンバ9から排出された昇華含有気体に基づいて作成された昇華溶液が供給されない点である。
処理ユニット406によって基板Wに第2の基板処理例が施されるときには、チャンバ9の内部に、未処理の基板Wが搬入され(図14のステップS11)、基板Wがその表面Waを上方に向けた状態でスピンチャック10に受け渡される。スピンチャック10に基板Wが保持された後、スピンベース23が回転開始される。スピンベース23の回転に伴って基板Wが回転し、所定の液処理速度(約10~1500rpmの範囲内で、たとえば約500rpm)まで上昇させると、その液処理速度に維持される。
次いで、制御装置4は、基板W上の薬液をリンス液に置換して、基板Wの表面Waを洗い流すリンス工程(図14のステップS13)を実行する。リンス液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、リンス液ノズル36からのリンス液の吐出が停止され、これにより、リンス液供給工程(S13)が終了する。
次いで、昇華溶液の液膜171の膜厚を減少させる膜厚減少工程(液膜形成工程。図14のステップS16)が実行される。
第2の基板処理例(図14参照)の各工程S11、S12、S13、S14、S15、S16およびS17は、それぞれ、第1の基板処理例(図7参照)の各工程S1、S2、S3、S4、S5、S6およびS7と同等の工程であるので、各工程S11~S17についての詳細な説明は省略する。
制御装置4は、昇華工程(S18)の開始に際して、ガード昇降ユニット87を制御して、第1のガード83を下位置に下降させることにより、図15Aに示すように、第2のガード84を基板Wの周端面に対向させる(第2のガード対向状態を実現)。これにより、処理カップ17の状態が、それまでの第1のガード対向状態から、第2のガード対向状態に切り換えられる。
また、昇華工程(S18)に並行して、遮断板25を冷却して基板対向面25aを、室温未満の低温に降温させ、その低温に維持する降温工程(S18)が実行される。具体的には、制御装置4は、昇華工程(S8)の開始に先立って、冷却流体バルブ414を開く。それにより、冷却流体ノズル412から冷却液が吐出される。冷却流体から吐出された冷却液は、遮断板25の上面に着液し、遮断板25の上面を流れる。冷却流体が流れる過程において、遮断板25が冷却される。これにより、遮断板25の下面である基板対向面25aが、室温未満の低温に降温される。冷却液の供給を続行することにより、昇華工程(S18)において、基板対向面25aが低温(降温状態)に保たれる。
その後、基板搬送ロボットCR1,CR2が、処理ユニット6に進入して、処理済みの基板Wを処理ユニット6外へと搬出する(図14のS19:基板W搬出)。搬出された基板Wは、基板搬送ロボットCR1,CR2からインデクサロボットIRへと渡され、インデクサロボットIRによって、基板収容器Cに収納される。
また、制御装置4は、遮断部材昇降ユニット28を制御して、図15Bに示すように、遮断部材15を遮断位置まで下降させる。
また、制御装置4は、加熱液バルブ73を閉じながら、混合用溶媒バルブ422を開く。それにより、下面ノズル16の吐出口21aから、混合用溶媒が、鉛直上方に向けて吐出される。吐出口21aから吐出された混合用溶媒は、遮断板25の基板対向面25aに吹き付けられ、遮断板25の回転による遠心力を受けて、遮断板25の外周部へと移動する。これにより、遮断板25の基板対向面25aの全域に混合用溶媒が行き渡る。
以上によりこの第4の実施形態によれば、第1の実施形態に関連して説明した作用効果に加え、次に述べる作用効果を奏する。
すなわち、基板Wの表面Waの周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された、固体状の昇華性物質431が混合用溶媒に溶かされることにより、チャンバ9の内部において昇華溶液が作成される。そして、作成された昇華溶液がチャンバ9の内部において捕獲され、チャンバ9の外に排出される。チャンバ9の内部で昇華性物質の態様を液体に変化させ、それ以降の処理で液体として扱うことができるので、雰囲気に含まれる昇華性物質を良好に回収できる。
また、昇華工程(S18)において、基板対向面25aに開口する吐出口26aから気体が吐出されない。また、遮断板25を基板Wの回転と同方向に同等の速度で回転させることも相俟って、昇華工程(S18)において、遮断空間SPにおける気体の流動がほとんどない。そのため、基板Wの表面Waの周囲の雰囲気が、基板Wの表面Waの周囲から排出されることを抑制できる。そのため、発生した昇華気体GSが、基板Wの表面Waの周囲に止まり易い。したがって、固体状の昇華性物質431が、基板対向面25aに析出され易い。
また、第4の実施形態において、図16に示すように、遮断板冷却ユニットが、遮断部材15Bの遮断板25Bの内部に形成された冷却流体流路501を備えていてもよい。
冷却流体流路501は、遮断板25Bの下面(基板対向面25a)に沿うように水平に延びる流路本体502と、遮断板25Bの中央側において流路本体502と遮断板25Bの上面とを接続する流路入口503と、遮断板25Bの周縁側において流路本体502と遮断板25Bの上面とを接続する流路出口504と、を含む。流路入口503には、冷却流体供給配管505が接続されている。冷却流体供給配管505には、冷却流体供給源506からの冷却流体が供給されるようになっている。供給される冷却流体が、冷却液であってもよいし冷却気体であってもよい。流路出口504には、冷却流体排出配管507が接続されている。流路出口504に達した冷却流体は、冷却流体排出配管507を通って、機外に排出されるようになっている。冷却流体流路501を冷却流体が流通することにより、遮断板25Bが冷却されて、基板対向面25aが降温される。
また、冷却流体供給配管505の供給元と、冷却流体排出配管507の排出先とが別であってもよい。
また、遮断板冷却ユニット また、遮断板冷却ユニットは、ペルチェ素子等を含んでいてもよい。
また、遮断板冷却ユニットが、ヒートポンプや気化冷却式を用いて遮断板25を冷却するものであってもよい。
たとえば、第1の実施形態において、混合用溶媒への昇華気体の溶解に並行して、内部空間122の減圧および、内部空間122内の混合用溶媒の降温を実現するとして説明したが、これらの一方のみを採用し、他方を不採用としてもよい。また、内部空間122の減圧、および/または内部空間122内の混合用溶媒の降温を行わなくても、混合用溶媒に昇華気体が十分に溶ける場合には、これら双方を不採用としてもよい。
また、第2の実施形態において、混合用溶媒への昇華気体の溶解を促進すべく、噴霧器208から吐出する混合用溶媒が室温未満に降温されていてもよい。
また、第3の実施形態において、作成された固体状の昇華性物質321を、固体状のまま取り扱うようにしてもよい。
また、第1~第3の実施形態において、チャンバ9の内部において捕獲される雰囲気が、処理カップ17の内部の雰囲気でなく、処理カップ17の外側であってチャンバ9の内部の雰囲気であってもよい。
また、第1~第3の実施形態において、昇華溶液供給工程(S5)における昇華溶液の回収と、昇華工程(S8)における昇華気体の回収と、を共通のガード(第2のガード84)、すなわち共通の捕獲口118によって行うとして説明した。しかし、昇華溶液供給工程(S5)における昇華溶液の回収と、昇華工程(S8)における昇華気体の回収と、を互いに異なるガード(互いに異なる捕獲口)において行ってもよい。
また、第4の実施形態において、昇華溶液の捕獲のための第2のガード84の基板Wの周端面への対向は、遮断部材15(遮断板25)を遮断位置まで下げることなく、第2のガード84を上げることにより実現されてもよい。
また、第1および第2の基板処理例において、凝固膜形成工程(S7,S17)において、基板回転工程と、加熱工程と、気体供給工程とが実行されるとして説明した。凝固膜形成工程(S7,S17)では、基板回転工程、加熱工程および気体供給工程に、次に述べる減圧工程を加えた4つの工程のうち少なくとも一つの工程が実行されれば足りる。
また、第1および第2の基板処理例において、昇華工程(S8,S18)において基板Wの表面Waに気体を供給しない場合には、昇華工程(S8,S18)において、遮断板25を遮断位置に配置しなくてもよい。
また、第1の基板処理例において、昇華工程(S8)が、基板高回転工程および気体供給工程のうち一方を省略するようにしてもよい。
また、前述の第1~第4の各実施形態において、加熱液配管72から下面供給配管71に供給される加熱流体は、加熱液でなく、加熱気体であってもよい。
また、前述の第1~第4の実施形態において、回収対象の昇華性物質を溶かすための溶媒が、基板Wに供給される昇華溶液に含まれる溶媒と異なる溶媒であってもよい。
また、前述の第1~第4の実施形態において、基板処理装置1,401が半導体ウエハからなる基板Wを処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置が、液晶表示装置用基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板を処理する装置であってもよい。
4 :制御装置(昇華ユニット、昇華性物質回収ユニット、液膜形成ユニット、凝固膜形成ユニット、昇華溶液作成ユニット、雰囲気捕獲ユニット)
6 :処理ユニット
8 :昇華溶液供給装置(液膜形成ユニット)
9 :チャンバ
10 :スピンチャック(基板保持ユニット)
17 :処理カップ(昇華性物質回収ユニット)
15 :遮断部材(対向部材)
20 :排気ダクト(昇華性物質回収ユニット)
21 :スピンモータ(昇華ユニット、液膜形成ユニット、凝固膜形成ユニット)
25a :基板対向面(対向面)
26a :吐出口
29 :気体配管(昇華ユニット)
30 :気体バルブ(昇華ユニット)
51 :昇華溶液作成装置(昇華溶液作成ユニット)
94 :回収配管(昇華性物質回収ユニット)
100 :回収ボックス(処理室)
100A:回収ボックス(処理室)
100B:回収ボックス(処理室)
118 :捕獲口(雰囲気捕獲ユニット、昇華性物質回収ユニット)
171 :液膜(昇華溶液の液膜)
173 :凝固膜
401 :基板処理装置
406 :処理ユニット
W :基板
Wa :表面
Claims (18)
- チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から、前記昇華性物質を昇華させる昇華工程と、
前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収工程と、を含み、
前記昇華性物質回収工程が、
前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲工程と、
前記雰囲気捕獲工程によって捕獲された雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる第1の排出工程と、
前記チャンバの外において、排出された雰囲気に含まれる前記昇華性物質の態様を、気体から他の態様に変化させる態様変化工程と、を含み、
前記雰囲気捕獲工程が、前記チャンバの内部において、基板保持ユニットによって保持されている前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲し、処理カップの内部に取り込む工程を含み、
前記第1の排出工程が、前記処理カップの内部に取り込まれた雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる工程を含む、基板処理方法。 - チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から、前記昇華性物質を昇華させる昇華工程と、
前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収工程と、を含み、
前記昇華性物質回収工程が、
前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲工程と、
前記雰囲気捕獲工程によって捕獲された雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる第1の排出工程と、
前記チャンバの外に設けられた処理室において、前記チャンバの外に排出された雰囲気に含まれる気体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第1工程を含み、
前記第1工程によって作成された前記昇華溶液を前記処理室から排出させる溶液排出工程をさらに含む、基板処理方法。 - 前記第1工程において、前記溶媒が、室温未満に降温されている、請求項2に記載の基板処理方法。
- 前記第1工程に並行して、前記処理室の内部を減圧する減圧工程をさらに含む、請求項2または3に記載の基板処理方法。
- チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から、前記昇華性物質を昇華させる昇華工程と、
前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収工程と、を含み、
前記昇華性物質回収工程が、
前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲工程と、
前記雰囲気捕獲工程によって捕獲された雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる第1の排出工程と、
前記チャンバの外に設けられた処理室において、前記チャンバの外に排出された雰囲気に基づいて固体状の前記昇華性物質を作成する昇華固体作成工程と、
前記昇華固体作成工程によって作成された前記固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第2工程と、
前記第2工程によって作成された前記昇華溶液を前記処理室から排出させる溶液排出工程と、を含む、基板処理方法。 - 前記昇華固体作成工程が、前記チャンバの外に排出された雰囲気を冷却する冷却工程を含む、請求項5に記載の基板処理方法。
- チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から、前記昇華性物質を昇華させる昇華工程と、
前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収工程と、を含み、
前記昇華性物質回収工程が、
前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された固体状の前記昇華性物質を、前記チャンバの内部において溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第3工程を含み、
前記チャンバの内部において、前記第3工程によって作成された前記昇華溶液を捕獲する昇華溶液捕獲工程と、
前記昇華溶液捕獲工程によって捕獲された前記昇華溶液を、前記チャンバの外に排出させる第2の排出工程と、をさらに含む、基板処理方法。 - 前記昇華溶液捕獲工程が、前記チャンバの内部において、基板保持ユニットを包囲する処理カップの内部に存在する前記昇華溶液を、前記基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲し、前記処理カップの内部に取り込む工程を含み、
前記第2の排出工程が、前記処理カップの内部に取り込まれた前記昇華溶液を、前記チャンバの外に排出させる工程を含む、請求項7に記載の基板処理方法。 - 前記昇華工程に並行して、前記基板の表面に対向部材の対向面を対向させることにより、前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれる前記昇華性物質を前記対向面に析出させる対向面析出工程をさらに含み、
前記第3工程が、前記対向面に析出された前記固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして前記昇華溶液を作成する第4工程を含む、請求項7または8に記載の基板処理方法。 - 前記第4工程が、前記対向面に前記溶媒を供給する工程を含む、請求項9に記載の基板処理方法。
- 前記対向面析出工程が、室温未満に降温されている前記対向面を、前記基板の表面に対向させる工程を含む、請求項9または10に記載の基板処理方法。
- 前記対向面析出工程に並行して、前記対向面の吐出口から気体を吐出しない、請求項9~11のいずれか一項に記載の基板処理方法。
- 前記チャンバの内部において、前記昇華性物質を含む昇華液を前記基板の表面に供給して、前記基板の表面に前記昇華液の液膜を形成する液膜形成工程と、
前記液膜を凝固させて前記凝固膜を形成する凝固膜形成工程と、をさらに含み、
前記液膜形成工程が、前記昇華性物質回収工程によって回収された前記昇華性物質を用いて作成された前記昇華液を、前記基板の表面に供給する工程を含む、請求項1に記載の基板処理方法。 - 前記昇華液が、前記昇華性物質と溶媒とを含む昇華溶液であり、
前記昇華性物質回収工程によって回収された前記昇華性物質に基づいて前記昇華溶液を作成する第5工程をさらに含み、
前記液膜形成工程が、前記第5工程によって作成された前記昇華溶液を、前記昇華液として前記基板の表面に供給する工程を含む、請求項13に記載の基板処理方法。 - チャンバと、
前記チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から前記昇華性物質を昇華させる昇華ユニットと、
前記昇華性物質の昇華において基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収ユニットと、を含み、
前記昇華性物質回収ユニットが、
前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、
前記チャンバの外において、排出された雰囲気に含まれる前記昇華性物質の態様を、気体から他の態様に変化させる態様変化ユニットと、を含み、
前記雰囲気捕獲ユニットが、前記チャンバの内部において、基板保持ユニットによって保持されている前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲し、処理カップの内部に取り込み、前記処理カップの内部に取り込まれた雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる、基板処理装置。 - チャンバと、
前記チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から前記昇華性物質を昇華させる昇華ユニットと、
前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収ユニットと、を含み、
前記昇華性物質回収ユニットが、
前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、
前記チャンバの外に設けられ、前記チャンバの外に排出された雰囲気に含まれる気体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する処理室と、を含み、
前記処理室において作成された前記昇華溶液が前記処理室から排出される、基板処理装置。 - チャンバと、
前記チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から前記昇華性物質を昇華させる昇華ユニットと、
前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収ユニットと、を含み、
前記昇華性物質回収ユニットが、
前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、
前記チャンバの外に設けられ、前記チャンバの外に排出された雰囲気に基づいて固体状の前記昇華性物質を作成し、前記固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する処理室と、を含み、
前記処理室において作成された前記昇華溶液が前記処理室から排出される、基板処理装置。 - チャンバと、
前記チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から前記昇華性物質を昇華させる昇華ユニットと、
前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収ユニットと、を含み、
前記昇華性物質回収ユニットが、
前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された固体状の前記昇華性物質を、前記チャンバの内部において溶媒に溶かして昇華溶液を作成するユニットと、
前記チャンバの内部において、作成された前記昇華溶液を捕獲する昇華溶液捕獲ユニットと、を含み、
前記昇華溶液捕獲ユニットによって捕獲された前記昇華溶液が、前記チャンバの外に排出される、基板処理装置。
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