JP7288764B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

基板処理方法および基板処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7288764B2
JP7288764B2 JP2019023671A JP2019023671A JP7288764B2 JP 7288764 B2 JP7288764 B2 JP 7288764B2 JP 2019023671 A JP2019023671 A JP 2019023671A JP 2019023671 A JP2019023671 A JP 2019023671A JP 7288764 B2 JP7288764 B2 JP 7288764B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sublimation
substrate
chamber
sublimable substance
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019023671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020136313A (ja
Inventor
佑 山口
弘明 ▲高▼橋
直澄 藤原
正幸 尾辻
雅彦 加藤
悠太 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2019023671A priority Critical patent/JP7288764B2/ja
Publication of JP2020136313A publication Critical patent/JP2020136313A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7288764B2 publication Critical patent/JP7288764B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Description

この発明は、基板処理方法および基板処理装置に関する。処理対象となる基板の例には、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
半導体装置の製造工程では、湿式の基板処理が実施される。
たとえば、ドライエッチング工程等を経て、凹凸を有する微細なパターンを形成した基板の表面(パターン形成面)には、反応副生成物であるエッチング残渣、金属不純物や有機汚染物質等が付着していることがある。これらの物質を基板の表面から除去するために、薬液(エッチング液、洗浄液等)を用いた薬液処理が実施される。また、薬液処理の後には、薬液をリンス液によって除去するリンス処理が行われる。典型的なリンス液は、脱イオン水等である。その後、基板の表面からリンス液を除去することによって基板を乾燥させる乾燥処理が行われる。
近年、基板の表面に形成される凹凸状のパターンの微細化に伴い、パターンの凸部のアスペクト比(凸部の高さと幅の比)が大きくなる傾向がある。そのため、乾燥処理の際に、パターンの凸部間の凹部に入り込んだリンス液の液面(リンス液と、その上の気体との界面)に作用する表面張力によって、隣り合う凸部同士が引き寄せられて倒壊する場合がある。
下記特許文献1には、チャンバの内部において基板の表面に存在するリンス液を、昇華性物質の液体に置換した後、昇華性物質の凝固体を形成し、その後、凝固体に含まれる昇華性物質を固相から液相を経ずに気相に変化させることにより、基板の表面を乾燥させることが開示されている。
特開2015-142069号公報
しかしながら、一般的に昇華性物質は高価である。
昇華性物質のコストの問題から、昇華性物質の消費量の低減を図ることが求められている。そのため、本願発明者らは、基板乾燥に用いられる昇華性物質の再利用し、新規な昇華性物質を用いる頻度を低減することで、昇華性物質の消費量の低減を図ることを検討している。
したがって、本発明の目的は、基板乾燥に用いられる昇華性物質の再利用が可能であり、これにより、昇華性物質の消費量の低減を図ることが可能な基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
この発明の一実施形態は、チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から、前記昇華性物質を昇華させる昇華工程と、前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収工程と、を含む、基板処理方法を提供する。
この方法によれば、基板の表面に形成された凝固膜から昇華性物性が昇華することにより、基板の表面の乾燥が実現できる。昇華性物性の昇華に伴って、気体状の昇華性物質が発生し、基板の表面の周囲に存在する。そして、基板の表面の周囲の雰囲気に含まれていた昇華性物質が回収され、チャンバの外に排出される。
昇華性物質が回収されるので、基板乾燥に用いられる昇華性物質の再利用を図ることが可能である。これにより、新規な昇華性物質を用いる頻度を低減可能である。ゆえに、昇華性物質の消費量の低減を図ることが可能である。
この発明の一実施形態では、前記基板処理方法が、前記チャンバの内部において、前記昇華性物質を含む昇華液を前記基板の表面に供給して、前記基板の表面に前記昇華液の液膜を形成する液膜形成工程と、前記液膜を凝固させて前記凝固膜を形成する凝固膜形成工程と、をさらに含む。そして、前記液膜形成工程が、前記昇華性物質回収工程によって回収された前記昇華性物質を用いて作成された前記昇華液を、前記基板の表面に供給する工程を含む。
この方法によれば、液膜形成工程において基板の表面に供給される昇華液が、チャンバの外に排出された昇華性物質を用いて作成されている。そのため、使用済みの昇華性物質が、次回以降の基板乾燥に再利用される。基板乾燥に用いられる昇華性物質の再利用を図ることにより、新規な昇華性物質を用いる頻度を低減できる。ゆえに、昇華性物質の消費量の低減を図ることができる。
この発明の一実施形態では、前記昇華液が、前記昇華性物質と溶媒とを含む昇華溶液である。そして、前記基板処理方法が、前記昇華性物質回収工程によって回収された前記昇華性物質に基づいて昇華溶液を作成する第1の昇華溶液作成工程(第5工程)をさらに含む。また、前記液膜形成工程が、前記第1の昇華溶液作成工程によって作成された昇華溶液を、前記昇華液として前記基板の表面に供給する工程を含む。
この方法によれば、液膜形成工程において基板の表面に供給される昇華溶液が、チャンバの外に排出された昇華性物質を用いて作成されている。そのため、使用済みの昇華性物質が、次回以降の基板乾燥に再利用される。基板乾燥に用いられる昇華性物質の再利用を図ることにより、新規な昇華性物質を用いる頻度を低減できる。ゆえに、昇華性物質の消費量の低減を図ることができる。
この発明の一実施形態では、前記昇華性物質回収工程が、前記昇華工程において基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲工程と、前記雰囲気捕獲工程によって捕獲された雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる第1の排出工程と、前記チャンバの外において、排出された雰囲気に含まれる前記昇華性物質の態様を、気体から他の態様に変化させる態様変化工程と、を含む。
この方法によれば、昇華工程において基板の表面の周囲に存在する雰囲気が、チャンバの内部において捕獲され、捕獲された雰囲気が、チャンバの外に排出される。そして、排出された雰囲気に含まれる昇華性物質の態様が、チャンバの外において、気体から他の態様に変化される。チャンバの内部において昇華性物質の態様を変化させないので、処理のスループットを低下させることなく、昇華性物質の回収およびチャンバの外への排出をスムーズに行うことができる。
この発明の一実施形態では、前記雰囲気捕獲工程が、前記チャンバの内部において、基板保持ユニットによって保持されている前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲し、処理カップの内部に取り込む工程を含む。そして、前記第1の排出工程が、前記処理カップの内部に取り込まれた雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる工程を含む。
この方法によれば、基板の表面の周囲に存在する雰囲気が、基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲される。そして、捕獲された雰囲気が、処理カップの内部に取り込まれた後、チャンバの外に排出される。これにより、基板の表面に存在する気体状の昇華性物質を、高効率で捕獲できる。
この発明の一実施形態では、前記態様変化工程が、前記チャンバの外に設けられた処理室において、前記チャンバの外に排出された雰囲気に含まれる気体状の昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第2の昇華溶液作成工程(第1工程)を含む。そして、前記基板処理方法が、前記第2の昇華溶液作成工程によって作成された昇華溶液を前記処理室から排出させる溶液排出工程をさらに含む。
この方法によれば、処理室において、チャンバの外に排出された雰囲気に含まれる気体状の昇華性物質を溶媒に溶かすことにより、昇華溶液が作成される。そして、昇華溶液を処理室から排出される。気体状の昇華性物質を溶媒に溶かすことにより、昇華性物質を液体として扱うことができる。これにより、チャンバの外に気体状の昇華性物質を気体のまま排出させる場合であっても、昇華性物質を良好に回収できる。
この場合、前記第2の昇華溶液作成工程において、前記溶媒が、室温未満に降温されていてもよい。
この方法によれば、溶媒の降温により、昇華性物質の溶媒への溶解を促進できる。
また、溶媒の降温に併せて/代えて、前記基板処理方法が、前記第2の昇華溶液作成工程に並行して、前記処理室の内部を減圧する減圧工程をさらに含んでいてもよい。
この方法によれば、処理室の内部の減圧により、昇華性物質の溶媒への溶解を促進できる。
この発明の他の実施形態では、前記態様変化工程が、前記チャンバの外に設けられた処理室において、前記チャンバの外に排出された雰囲気に基づいて固体状の前記昇華性物質を作成する昇華固体作成工程を含む。
この方法によれば、チャンバの外に排出された雰囲気に基づいて、処理室において固体状の昇華性物質が作成される。これにより、昇華性物質を固体として扱うことができる。ゆえに、チャンバの外に気体状の昇華性物質を気体のまま排出させる場合であっても、昇華性物質を良好に回収できる。
この発明の他の実施形態では、前記昇華固体作成工程が、前記チャンバの外に排出された雰囲気を冷却する冷却工程を含む。
この方法によれば、昇華気体の冷却により、固体状の昇華性物質を容易に形成できる。
この発明の他の実施形態では、前記基板処理方法が、前記昇華固体作成工程によって作成された前記固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第3の昇華溶液作成工程(第2工程)と、前記第3の昇華溶液作成工程によって作成された昇華溶液を前記処理室から排出させる溶液排出工程と、をさらに含む。
この方法によれば、作成された固体状の昇華性物質を溶媒に溶かすことにより、昇華溶液が作成される。そして、昇華溶液を処理室から排出される。気体状の昇華性物質を溶媒に溶かすことにより、昇華性物質を液体として扱うことができる。これにより、チャンバの外に気体状の昇華性物質を気体のまま排出させる場合であっても、昇華性物質を良好に回収できる。
この発明のさらに他の実施形態では、前記昇華性物質回収工程が、前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された固体状の前記昇華性物質を、前記チャンバの内部において溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第4の昇華溶液作成工程(第3工程)を含む。そして、基板処理方法が、前記チャンバの内部において、前記第4の昇華溶液作成工程によって作成された昇華溶液を捕獲する昇華溶液捕獲工程と、前記昇華溶液捕獲工程によって捕獲された昇華溶液を、前記チャンバの外に排出させる第2の排出工程と、をさらに含む。
この方法によれば、昇華工程において基板の表面の周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された固体状の昇華性物質が、チャンバの内部において溶媒に溶かされる。これにより、昇華溶液が作成される。そして、作成された昇華溶液が捕獲され、チャンバの外に排出される。チャンバの内部で昇華性物質の態様を液体に変化させ、それ以降の処理で液体として扱うことができるので、昇華性物質の良好な回収を実現できる。
この発明のさらに他の実施形態では、前記昇華溶液捕獲工程が、前記第4の昇華溶液作成工程によって作成された昇華溶液を、前記基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲し、処理カップの内部に取り込む工程を含む。そして、前記第2の排出工程が、前記処理カップの内部に取り込まれた昇華溶液を、前記チャンバの外に排出させる工程を含む。
この方法によれば、作成された昇華溶液が、基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲される。そして、捕獲された昇華溶液が、処理カップの内部に取り込まれた後、チャンバの外に排出される。これにより、作成された昇華溶液を、高効率で捕獲できる。
この発明のさらに他の実施形態では、前記昇華工程に並行して、前記基板の表面に対向部材の対向面を対向させることにより、前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれる前記昇華性物質を前記対向面に析出させる対向面析出工程をさらに含む。そして、前記第4の昇華溶液作成工程が、前記対向面に析出された固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第5の昇華溶液作成工程(第4工程)を含む。
この方法によれば、昇華工程に並行して、基板の表面に対向部材の対向面を対向させる。昇華工程において、基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれる気体状の昇華性物質が対向面に接触することにより、冷やされて対向面に析出する。すなわち、基板の表面の周囲に存在する気体状の昇華性物質が、対向部材の対向面に捕獲される。これにより、基板の表面の周囲に存在する気体状の昇華性物質を効果的に捕獲できる。
また、この場合、前記第5の昇華溶液作成工程が、前記対向面に前記溶媒を供給する工程を含んでいてもよい。
この方法によれば、対向面への溶媒の供給により、対向面に付着している固体状の昇華性物質が溶媒に溶ける。昇華性物質の溶媒への溶解(すなわち、昇華溶液の作成)を対向面において行うので、昇華溶液の回収を比較的容易に実現可能である。
また、この場合、前記対向面析出工程が、室温未満に降温されている前記対向面を、前記基板の表面に対向させる工程を含んでもよい。
この方法によれば、対向面が室温未満の低温に降温されているので、対向面に接触する気体状の昇華性物質をより効果的に冷やすことができる。これにより、固体状の昇華性物質の対向面への析出を促進させることができる。
さらに、この場合、前記基板処理方法が、固体状の昇華性物質の前記対向面への析出に並行して、前記対向面の吐出口から気体を吐出しない。
この方法によれば、対向面に形成された吐出口から気体が吐出されないので、基板の表面の周囲の雰囲気が、基板の表面の周囲から排出されることを抑制できる。これにより、固体状の昇華性物質の対向面への析出が阻害されるのを抑制できる。
この発明の一実施形態は、チャンバと、前記チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から前記昇華性物質を昇華させる昇華ユニットと、前記昇華性物質の昇華において基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収ユニットと、を含む、基板処理装置を提供する。前記昇華性物質回収ユニットが、前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、前記チャンバの外において、排出された雰囲気に含まれる前記昇華性物質の態様を、気体から他の態様に変化させる態様変化ユニットと、を含んでいてもよい。前記雰囲気捕獲ユニットが、前記チャンバの内部において、基板保持ユニットによって保持されている前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲し、処理カップの内部に取り込み、前記処理カップの内部に取り込まれた雰囲気を、前記チャンバの外に排出させてもよい。
前記昇華性物質回収ユニットが、前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、前記チャンバの外に設けられ、前記チャンバの外に排出された雰囲気に含まれる気体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する処理室と、を含んでいてもよい。前記処理室において作成された前記昇華溶液が前記処理室から排出されてもよい。
前記昇華性物質回収ユニットが、前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、前記チャンバの外に設けられ、前記チャンバの外に排出された雰囲気に基づいて固体状の前記昇華性物質を作成し、前記固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する処理室と、を含んでいてもよい。前記処理室において作成された前記昇華溶液が前記処理室から排出されてもよい。
前記昇華性物質回収ユニットが、前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された固体状の前記昇華性物質を、前記チャンバの内部において溶媒に溶かして昇華溶液を作成するユニットと、前記チャンバの内部において、作成された前記昇華溶液を捕獲する昇華溶液捕獲ユニットと、を含んでいてもよい。前記昇華溶液捕獲ユニットによって捕獲された前記昇華溶液が、前記チャンバの外に排出されてもよい。
この構成によれば、基板の表面に形成された凝固膜から昇華性物性が昇華することにより、基板の表面の乾燥が実現できる。昇華性物性の昇華に伴って、気体状の昇華性物質が発生し、基板の表面の周囲に存在する。そして、基板の表面の周囲の雰囲気に含まれていた昇華性物質が回収され、チャンバの外に排出される。
昇華性物質が回収されるので、基板乾燥に用いられる昇華性物質の再利用を図ることが可能である。これにより、新規な昇華性物質を用いる頻度を低減可能である。ゆえに、昇華性物質の消費量の低減を図ることが可能である。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置を上から見た模式図である。 図2は、前記基板処理装置に備えられる処理ユニットの構成例を説明するための図解的な断面図である。 図3は、昇華性物質および混合用溶媒を含む昇華溶液の状態平衡図である。 図4は、図2に示す回収ボックスの構成例を説明するための図解的な断面図である。 図5は、前記基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。 図6は、前記基板処理装置による処理対象の基板の表面を拡大して示す断面図である。 図7は、第1の実施形態に係る処理ユニットにおいて実行される第1の基板処理例の内容を説明するための流れ図である。 図8A,8Bは、前記第1の基板処理例が実行されているときの基板の表面の周囲の状態を示す模式図である。 図8C,8Dは、図9Bの次の工程を示す模式図である。 図9は、この発明の第1の実施形態に係る回収ボックスの変形例を説明するための図解的な断面図である。 図10Aは、この発明の第2の実施形態に係る回収ボックスを上方から見た図解的な断面図である。 図10Bは、回収ボックスを側方から見た図解的な断面図である。 図11は、この発明の第3の実施形態に係る回収ボックスを側方から見た図解的な断面図である。 図12A~12Cは、この発明の第3の実施形態に係る昇華溶液の作成を説明するための模式図である。 図13は、第4の実施形態に係る基板処理装置に備えられる処理ユニットの構成例を説明するための図解的な断面図である。 図14は、第4の実施形態に係る処理ユニットにおいて実行される第2の基板処理例の内容を説明するための流れ図である。 図15A,15Bは、前記第2の基板処理例が実行されているときの基板の表面の周囲の状態を示す模式図である。 図16は、この発明の第4の実施形態に係る遮断部材の変形例を説明するための図解的な断面図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置1を上から見た模式図である。
基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、クリーンルーム内に配置された装置本体2と、装置本体2に結合されたインデクサユニット3と、処理液供給装置と、基板処理装置1を制御する制御装置4と、を含む。
インデクサユニット3は、基板Wを収容する複数の基板収容器Cをそれぞれ保持する複数のロードポートLPと、各基板収容器Cに対して基板Wを搬送するためのインデクサロボットIRとを含む。
装置本体2は、搬送室5と、複数のロードポートLPから搬送された基板Wを処理液や処理ガスなどの処理流体で処理する複数の処理ユニット6と、を含む。複数の処理ユニット6は、水平に離れた複数(たとえば4つ)の位置にそれぞれ配置された複数(たとえば4つ)の塔を形成している。各塔は、上下に積層された複数(たとえば3つ)の処理ユニット6を含む。6つの塔は、搬送室5の両側に3つずつ配置されている。処理ユニット6は、装置本体2の外壁7の中に配置されており、すなわち外壁7に取り囲まれている。
基板処理装置1は、搬送ロボットとして、インデクサロボットIRの他に、第1の基板搬送ロボットCR1と、第2の基板搬送ロボットCR2と、を含む。第1の基板搬送ロボットCR1および第2の基板搬送ロボットCR2は、搬送室5内に配置されている。インデクサロボットIRは、ロードポートLPと第1の基板搬送ロボットCR1との間で基板Wを搬送する。インデクサロボットIRは、基板Wを支持するハンドを含む。第1の基板搬送ロボットCR1は、インデクサロボットIRと、ロードポートLP側の2つの塔に含まれる処理ユニット6との間で基板Wを搬送すると共に、インデクサロボットIRと第2の基板搬送ロボットCR2との間で基板Wを搬送する。第2の基板搬送ロボットCR2は、インデクサロボットIRと、ロードポートLP側とは反対側の4つの塔に含まれる処理ユニット6との間で基板Wを搬送する。第1の基板搬送ロボットCR1および第2の基板搬送ロボットCR2は、基板Wを支持するハンドを含む。
処理液供給装置は、処理ユニット6に対して処理液(エッチング、洗浄液等の薬液、および水を含む)を供給する。処理液供給装置は、処理ユニット6に対して、昇華性物質が溶媒に溶けた昇華溶液を供給する昇華溶液供給装置(液膜形成ユニット)8を含む。昇華溶液供給装置8は、処理ユニット6から排出される気体状の昇華性物質(以下、「昇華気体」という)を回収して、昇華溶液として調整し、調整後の昇華溶液を処理ユニット6に供給する。昇華溶液供給装置8は、図1に示すように、クリーンルームにおいて外壁7の外側に配置されている。図1の例では、昇華溶液供給装置8が2つ設けられている。
各昇華溶液供給装置8は、搬送室5の片側に配置された3つの塔に対応している。各昇華溶液供給装置8には、対応する3つの塔に含まれる処理ユニット6から排出されたSPMが供給される。昇華溶液供給装置8は、処理ユニット6から回収された昇華性物質、および溶媒に基づいて、所定の昇華性物質濃度を有する昇華溶液を調整している。昇華溶液供給装置8は、クリーンルームの内側に配置されるのでなく、外クリーンルームの外(たとえば、クリーンルームの階下スペース)に配置されていてもよい。
図2は、処理ユニット6の構成例を説明するための図解的な断面図である。
処理ユニット6は、箱形のチャンバ9と、チャンバ9内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持して、基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させるスピンチャック(基板保持ユニット)10と、スピンチャック10に保持されている基板Wの上面(基板Wの表面Wa(図6参照))に薬液(処理液)を供給する薬液供給ユニット11と、スピンチャック10に保持されている基板Wの上面にリンス液を供給するリンス液供給ユニット12と、スピンチャック10に保持されている基板Wの上面に置換用溶媒を供給する置換用溶媒供給ユニット13と、スピンチャック10に保持されている基板Wの上面に対向し、基板Wの上方の空間をその周囲の雰囲気から遮断する遮断部材(対向部材)15と、スピンチャック10に保持されている基板Wの下面(基板Wの裏面Wb(図6等参照))の中央部に向けて処理液を吐出する下面ノズル16と、スピンチャック10の側方を取り囲む筒状の処理カップ(昇華性物質回収ユニット)17とを含む。
チャンバ9は、スピンチャック10やノズルを収容する箱状の隔壁18と、隔壁18の上部から隔壁18内に清浄空気(フィルタによってろ過された空気)を送る送風ユニットとしてのFFU(ファン・フィルタ・ユニット)19と、隔壁18の下部からチャンバ9内の気体を排出するための排気ダクト(昇華性物質回収ユニット)20と、排気ダクト20に接続された排気設備と、を含む。FFU19は、隔壁18の上方に配置されており、隔壁18の天井に取り付けられている。FFU19は、隔壁18の天井からチャンバ9内に下向きに清浄空気を送る。排気設備は、処理カップ17の底部に接続された排気ダクト20を介して、処理カップ17の内部を吸引する。FFU19および排気設備により、チャンバ9内にダウンフロー(下降流)が形成される。基板Wの処理は、チャンバ9内にダウンフローが形成されている状態で行われる。
スピンチャック10として、基板Wを水平方向に挟んで基板Wを水平に保持する挟持式のチャックが採用されている。具体的には、スピンチャック10は、スピンモータ(昇華性物質回収ユニット、液膜形成ユニット、凝固膜形成ユニット)21と、このスピンモータ21の駆動軸と一体化されたスピン軸22と、スピン軸22の上端に略水平に取り付けられた円板状のスピンベース23と、を含む。
スピンベース23は、基板Wの外径よりも大きな外径を有する水平な円形の上面23aを含む。上面23aには、その周縁部に複数個(3個以上。たとえば6個)の挟持部材24が配置されている。複数個の挟持部材24は、上面23aの周縁部において、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けてたとえば等間隔に配置されている。
遮断部材15は、遮断板25と、遮断板25の中央部を上下方向に貫通する上面ノズル26と、を含む。遮断板25には、電動モータ等を含む構成の遮断板回転ユニット27が結合されている。遮断板回転ユニット27は、遮断板25を、回転軸線A1と同軸の回転軸線(図示しない)まわりに回転させる。
遮断板25は、その下面に、基板Wの上面全域に対向する円形の基板対向面(対向面)25aを有している。基板対向面25aの中央部には、遮断板25を上下に貫通する円筒状の貫通穴25bが形成されている。貫通穴25bに、上面ノズル26が挿通している。基板対向面25aの外周縁には、全域に亘って下方に向けて突出する筒状部が形成されていてもよい。
上面ノズル26は、遮断板25に一体昇降移動可能に取り付けられている。上面ノズル26は、その下端部に、スピンチャック10に保持されている基板Wの上面中央部に対向する吐出口26aを形成している。
遮断部材15には、電動モータ、ボールねじ等を含む構成の遮断部材昇降ユニット28(図5参照)が結合されている。遮断部材昇降ユニット28は、遮断板25および上面ノズル26を鉛直方向に昇降する。
遮断部材昇降ユニット28は、遮断板25を、基板対向面25aがスピンチャック10に保持されている基板Wの上面に近接する遮断位置(図8B等に示す位置)と、遮断位置よりも大きく上方に退避した退避位置(図2に示す位置)の間で昇降させる。遮断部材昇降ユニット28は、遮断位置および退避位置の双方において遮断板25を保持可能である。遮断位置は、基板対向面25aが基板Wの表面Waとの間に、遮断空間SP(図8B等参照)を形成するような位置である。遮断空間SPは、その周囲の空間から完全に隔離されているわけではないが、当該周囲の空間から遮断空間SPへの気体の流入はない。すなわち、遮断空間SPは、実質的にその周囲の空間と遮断されている。
上面ノズル26には、気体配管(昇華ユニット)29が接続されている。気体配管29には、気体配管29を開閉する気体バルブ30が介装されている。気体配管29に付与される気体は、除湿された気体、とくに不活性ガスである。不活性ガスは、たとえば、窒素ガスやアルゴンガスを含む。気体バルブ30が開かれることにより、上面ノズル26に不活性ガスが供給される。これにより、吐出口26aから不活性ガスが下向きに吐出され、吐出された不活性ガスが基板Wの表面Waに吹き付けられる。なお、気体は、空気等の活性ガスであってもよい。
薬液供給ユニット11は、薬液ノズル31と、薬液ノズル31が下流端部に取り付けられたノズルアーム32と、ノズルアーム32を移動させることにより、薬液ノズル31を移動させるノズル移動ユニット33(図5参照)と、を含む。ノズル移動ユニット33は、処理カップ17のまわりに設定された鉛直な揺動軸線まわりにノズルアーム32を水平移動させることにより、薬液ノズル31を水平に移動させる。ノズル移動ユニット33は、モータ等を含む構成である。ノズル移動ユニット33は、薬液ノズル31から吐出される薬液が基板Wの表面Waに着液する処理位置と、平面視でスピンチャック10の周囲に設定された退避位置との間で、薬液ノズル31を水平に移動させる。換言すると、処理位置は、薬液ノズル31から吐出された薬液が基板Wの表面Waに供給される位置である。さらに、ノズル移動ユニット33は、薬液ノズル31から吐出された薬液が基板Wの表面Waの中央部に着液する中央位置と、薬液ノズル31から吐出された薬液が基板Wの表面Waの周縁部に着液する周縁位置との間で、薬液ノズル31を水平に移動させる。中央位置および周縁位置は、いずれも処理位置である。
薬液供給ユニット11は、薬液ノズル31に薬液を案内する薬液配管34と、薬液配管34を開閉する薬液バルブ35と、を含む。薬液バルブ35が開かれると、薬液供給源からの薬液が、薬液配管34から薬液ノズル31に供給される。これにより、薬液ノズル31から薬液が吐出される。
薬液配管34に供給される薬液は、洗浄液およびエッチング液を含む。さらに具体的には、薬液は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)および界面活性剤、腐食防止剤の少なくとも1つを含む液である。
リンス液供給ユニット12は、リンス液ノズル36を含む。リンス液ノズル36は、たとえば、連続流の状態で液を吐出するストレートノズルであり、スピンチャック10の上方で、その吐出口を基板Wの上面中央部に向けて固定的に配置されている。リンス液ノズル36には、リンス液供給源からのリンス液が供給されるリンス液配管37が接続されている。リンス液配管37の途中部には、リンス液ノズル36からのリンス液の供給/供給停止を切り換えるためのリンス液バルブ38が介装されている。リンス液バルブ38が開かれると、リンス液配管37からリンス液ノズル36に供給されたリンス液が、リンス液ノズル36の下端に設定された吐出口から吐出される。また、リンス液バルブ38が閉じられると、リンス液配管37からリンス液ノズル36のリンス液の供給が停止される。リンス液は、水である。水は、たとえば脱イオン水(DIW)であるが、DIWに限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、アンモニア水および希釈濃度(たとえば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
また、リンス液供給ユニット12は、リンス液ノズル36を移動させることにより、基板Wの上面に対するリンス液の着液位置を基板Wの面内で走査させるリンス液ノズル移動装置を備えていてもよい。
さらに、リンス液供給ユニット12は、上面ノズル26を、リンス液ノズルとして備えていてもよい。すなわち、リンス液配管37からのリンス液が上面ノズル26に供給されていてもよい。
図2に示すように、置換用溶媒供給ユニット13は、置換用溶媒ノズル41と、置換用溶媒ノズル41が下流端部に取り付けられたノズルアーム42と、ノズルアーム42を移動させることにより、置換用溶媒ノズル41を移動させるノズル移動ユニット43(図5参照)と、を含む。ノズル移動ユニット43は、処理カップ17のまわりに設定された鉛直な揺動軸線まわりにノズルアーム42を水平移動させることにより、置換用溶媒ノズル41を水平に移動させる。ノズル移動ユニット43は、モータ等を含む構成である。ノズル移動ユニット43は、置換用溶媒ノズル41から吐出される置換用溶媒が基板Wの表面Waに着液する処理位置と、平面視でスピンチャック10の周囲に設定された退避位置との間で、置換用溶媒ノズル41を水平に移動させる。換言すると、処理位置は、置換用溶媒ノズル41から吐出された置換用溶媒が基板Wの表面Waに供給される位置である。
図2に示すように、置換用溶媒供給ユニット13は、置換用溶媒ノズル41に置換用溶媒を案内する置換用溶媒配管44と、置換用溶媒配管44を開閉する置換用溶媒バルブ45と、を含む。置換用溶媒バルブ45が開かれると、置換用溶媒供給源からの置換用溶媒が、置換用溶媒配管44から置換用溶媒ノズル41に供給される。これにより、置換用溶媒ノズル41から置換用溶媒が吐出される。
置換用溶媒配管44に供給される置換用溶媒は、昇華溶液供給装置8によって供給される昇華溶液に対する可溶性(混和性)を有している。すなわち、置換用溶媒は、昇華溶液に含まれる、昇華性物質に対する可溶性(混和性)を有している。置換用溶媒は、基板Wの表面Waへの昇華溶液の供給に先立って表面Waに供給される前供給液として用いられる。
後述する基板処理例では、基板Wの表面Waへのリンス液の供給後、基板Wの表面Waへの昇華溶液の供給に先立って、表面Waに置換用溶媒が供給される。そのため、置換用溶媒が、さらにリンス液(水)に対しても、可溶性(混和性)を有していることが望ましい。
置換用溶媒配管44に供給される置換用溶媒の具体例は、たとえばIPA(isopropyl alcohol)に代表される有機溶媒である。このような有機溶媒として、IPA以外に、たとえば、メタノール、エタノール、アセトン、EG(エチレングリコール)、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、n-ブタノール、t-ブタノール、イソブチルアルコールおよび2-ブタノールを例示できる。また、有機溶媒としては、単体成分のみからなる場合だけでなく、他の成分と混合した液体であってもよい。また、それ以外の溶媒を用いることもできる。
図2に示すように、昇華溶液供給装置8は、昇華溶液ノズル46と、昇華溶液ノズル46が下流端部に取り付けられたノズルアーム47と、ノズルアーム47を移動させることにより、昇華溶液ノズル46を移動させるノズル移動ユニット48(図5参照)と、を含む。ノズル移動ユニット48は、処理カップ17のまわりに設定された鉛直な揺動軸線まわりにノズルアーム47を水平移動させることにより、昇華溶液ノズル46を水平に移動させる。ノズル移動ユニット48は、モータ等を含む構成である。ノズル移動ユニット48は、昇華溶液ノズル46から吐出される昇華溶液が基板Wの表面Waに着液する処理位置と、平面視でスピンチャック10の周囲に設定された退避位置との間で、昇華溶液ノズル46を水平に移動させる。換言すると、処理位置は、昇華溶液ノズル46から吐出された昇華溶液が基板Wの表面Waに供給される位置である。さらに、ノズル移動ユニット48は、昇華溶液ノズル46から吐出された昇華溶液が基板Wの上面中央部に着液する中央位置と、昇華溶液ノズル46から吐出された昇華溶液が基板Wの上面周縁部に着液する周縁位置との間で、昇華溶液ノズル46を水平に移動させる。中央位置および周縁位置は、いずれも処理位置である。
図2に示すように、昇華溶液供給装置8は、上面ノズル26の上流側に配管を介して接続された混合部50と、昇華溶液を混合部50に供給する昇華溶液作成装置(昇華溶液作成ユニット)51と、混合用溶媒を混合部50に供給する混合用溶媒供給ユニット52と、を含む。
昇華溶液作成装置51は、タンク53と、循環配管54と、昇華性物質補充ユニット56と、を含む。
タンク53には、対応するタワーに含まれる(全ての)処理ユニット6から、後述する回収ボックス100を介して回収された昇華性物質を含む昇華溶液を貯留する。タンク53には、回収ボックス100から延びる昇華溶液供給配管57の下流端が接続されている。昇華溶液作成装置51は、各処理ユニット6のチャンバ9から回収された昇華気体を含む気体(以下、「昇華含有気体」という場合がある)に基づいて昇華溶液を作成する(第1の昇華溶液作成工程(第5工程))。昇華溶液供給配管57の途中部には、回収ボックス100において作成された昇華溶液を、昇華溶液供給配管57に送り出すための送液装置55が介装されている。送液装置55は、たとえばポンプである。そして、送液装置55によって送り出された昇華溶液が、昇華溶液供給配管57を通ってタンク53に導かれ、タンク53に溜められる。
循環配管54の両端が、タンク53に接続されている。循環配管54の途中部には、送液ユニット58と、濃度計59とが、介装されている。送液ユニット58は、タンク53に溜められている昇華溶液を循環配管54へと送り出すためのユニットであり、たとえばポンプである。濃度計59は、循環配管54を流れる昇華溶液の昇華性物質濃度を計測する。送液ユニット58によって送り出された昇華溶液が、タンク53および循環配管54によって構成される循環経路を循環する。これにより、濃度計59によって、タンク53に溜められている昇華溶液の昇華性物質濃度を計測できる。
昇華性物質補充ユニット56は、新しい昇華性物質(基板Wの処理に未使用の昇華性物質)をタンク53に供給するユニットである。昇華性物質補充ユニット56は、昇華性物質をタンク53に補充する補充配管60と、補充配管60を開閉する補充バルブ61と、を含む。補充される昇華性物質は、未使用の昇華性物質単体か、あるいは昇華性物質を高濃度(タンク内の昇華性物質濃度よりも高い)に含んだ昇華溶液である。
昇華溶液作成装置51は、タンク53に溜められている昇華溶液の昇華性物質濃度を一定に制御している。
タンク53に溜められている昇華溶液が、昇華溶液配管62を通って混合部50に送られる。昇華溶液配管62には、送液ユニット63と、昇華溶液流量調整バルブ64と、昇華溶液バルブ65とが、上流側からこの順序で配置されている。送液ユニット63は、タンク53に溜められている昇華溶液を昇華溶液配管62へと送り出すためのユニットであり、たとえばポンプである。
昇華溶液流量調整バルブ64は、昇華溶液配管62の開度を調整して、昇華溶液配管62を流通する昇華溶液の流量を調整する調整バルブである。昇華溶液流量調整バルブ64は、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータと、を含む構成であってもよい。
昇華溶液バルブ65は、昇華溶液配管62を開閉するための開閉バルブである。
混合用溶媒供給ユニット52は、混合部50に接続された混合用溶媒配管66と、混合用溶媒配管66を開閉するための混合用溶媒バルブ67と、混合用溶媒バルブ67の開度を調整して、混合用溶媒バルブ67を流通する混合用溶媒の流量を調整する混合用溶媒流量調整バルブ68と、を含む。混合用溶媒流量調整バルブ68は、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータと、を含む構成であってもよい。混合用溶媒配管66には、混合用溶媒供給源(図示しない)から混合用溶媒が供給される。
昇華溶液バルブ65および混合用溶媒バルブ67が開かれることにより、昇華溶液配管62からの昇華溶液と、混合用溶媒配管66からの混合用溶媒とが混合部50に供給される。混合部50において、昇華溶液配管62からの昇華溶液が、混合用溶媒によって希釈される。昇華溶液流量調整バルブ64および混合用溶媒流量調整バルブ68を調整することにより、混合部50において、所定濃度に調整された昇華溶液が作成される。
上面ノズル26から吐出される昇華溶液は、昇華性を有する昇華性物質が混合用溶媒(溶媒)に溶け込んで、昇華性物質と混合用溶媒とが互いに混ざり合った液体である。昇華溶液において、昇華性物質と混合用溶媒とが偏りなく均一に混ざり合っている。
タンク53に溜められている昇華溶液に含まれる昇華性物質は、室温(RT)以上の凝固点TPF1(図3参照)を有している。室温(RT)は、外気の温度にも影響されるため必ずしも、一定でないが概ね23℃に設定されている。昇華性物質として、樟脳(大気圧下における凝固点:約175℃~180℃、室温大気圧下における蒸気圧:120Pa)を例示できる。昇華性物質として、樟脳以外にも、シクロヘキサノール(大気圧下における凝固点:約24℃、室温大気圧下における蒸気圧:0.13kPa)、シクロヘキサン(凝固点:約6℃)、ターシャリーブチルアルコール(大気圧下における凝固点:約25.6℃:室温大気圧下における蒸気圧:5.4kPa)、1,3,5-Trioxane(大気圧下における凝固点:約60℃~62℃、室温大気圧下における蒸気圧:0.75kPa)、ナフタレン(大気圧下における凝固点:約80℃、室温大気圧下における蒸気圧:7.9Pa)、ヨウ素(大気圧下における凝固点:約113℃、室温大気圧下における蒸気圧:0.04kPa)等を例示できる。また、昇華性物質は、単体成分のみからなる場合だけでなく、複数の成分を混合した昇華性物質であってもよい。
混合部50に供給される混合用溶媒は、昇華性物質に対する可溶性(混和性)を有している。混合用溶媒は、昇華性物質よりも高い蒸気圧を有している。混合用溶媒は、たとえばIPA(isopropyl alcohol。大気圧下における凝固点:約-89.5℃、室温大気圧下における蒸気圧:4.3kPa)に代表される有機溶媒である。混合用溶媒として、IPA以外に、PGME(1-メトキシ-2-プロパノール。大気圧下における凝固点:約-97℃、室温大気圧下における蒸気圧:1.5kPa)、PGEE(1-エトキシ-2-プロパノール。大気圧下における凝固点:約-100℃、室温大気圧下における蒸気圧:520Pa)、PGMEA(1-メトキシ-2-プロパノールアセタート。大気圧下における凝固点:約-87℃、室温大気圧下における蒸気圧:490Pa)、乳酸エチル(大気圧下における凝固点:約-26℃、室温大気圧下における蒸気圧:670Pa)、メタノール、エタノール、アセトン、EG(エチレングリコール)、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、n-ブタノール、t-ブタノール、イソブチルアルコールおよび2-ブタノールを例示できる。また、混合用溶媒として用いられる溶媒としては、単体成分のみからなる場合だけでなく、複数の成分を混合した溶媒であってもよい。
図3は、昇華性物質および混合用溶媒を含む昇華溶液の状態平衡図である。
図3に示すように、昇華性物質と混合用溶媒との混合による凝固点降下により、混合物(昇華溶液)の凝固点TPFMが、昇華性物質の凝固点TPF1よりも下がる。昇華溶液の凝固点TPFMが、混合物(昇華溶液)における昇華性物質の濃度に依存する。図3には、混合物(昇華溶液)の凝固点曲線FPCが記載されている。混合物(昇華溶液)における昇華性物質の濃度が、昇華溶液の凝固点TPFMが室温(RT)未満の温度に下がり、室温環境下で混合物(昇華溶液)が液体状をなす。
図2に示すように、下面ノズル16は、スピンチャック10に保持された基板Wの下面の中央部に対向する単一の吐出口16aを有している。吐出口16aは、鉛直上方に向けて液を吐出する。吐出された液は、スピンチャック10に保持されている基板Wの下面の中央部に対してほぼ垂直に入射する。下面ノズル16には、下面供給配管71が接続されている。下面供給配管71は、鉛直に配置された中空軸からなるスピン軸22の内部に挿通されている。
図2に示すように、下面供給配管71には、加熱液配管72が接続されている。加熱液配管72には、加熱液配管72を開閉するための加熱液バルブ73が介装されている。加熱液は、温水等である。加熱液は、昇華溶液の凝固点TPFMよりも高い液温を有している。
加熱液バルブ73が開かれると、加熱液供給源からの加熱液が、加熱液配管72および下面供給配管71を介して下面ノズル16に供給される。下面ノズル16に供給された加熱液は、吐出口16aからほぼ鉛直上向きに吐出される。下面ノズル16から吐出された加熱液は、スピンチャック10に保持された基板Wの下面中央部に対してほぼ垂直に入射する。
図2に示すように、処理カップ17は、スピンチャック10に保持されている基板Wよりも外方(回転軸線A1から離れる方向)に配置されている。処理カップ17は、スピンベース23を取り囲んでいる。スピンチャック10が基板Wを回転させている状態で、薬液やリンス液、置換用溶剤、昇華溶液等の処理液が基板Wに供給されると、基板Wに供給された処理液が基板Wの周囲に振り切られる。処理液が基板Wに供給されるとき、上向きに開いた処理カップ17の上端部17aは、スピンベース23よりも上方に配置される。したがって、基板Wの周囲に排出された処理液は、処理カップ17によって受け止められる。そして、処理カップ17に受け止められた処理液は、機外の排液設備(図示しない)に送られる。
処理カップ17は、基板Wの周囲に飛散した処理液(薬液またはリンス液)を受け止める複数の筒状のガード83~85(第1、第2および第3のガード83,84,85)と、複数のガード83~85によって案内された処理液を受け止める環状の複数のカップ81,82(第1および第2のカップ81,82)と、複数のガード83~85および複数のカップ81,82を取り囲む円筒部材80と、を含む。
処理カップ17は、さらに、個々のガード83~85を独立して昇降させるガード昇降ユニット87(図5参照)を含む。ガード昇降ユニット87は、たとえば、動力を発生する電動モータと、電動モータの動力をいずれかのガード83~85に伝達するボールねじ機構と、を含む。ガード昇降ユニット87が3つのガード83~85のうちの少なくとも一つを昇降させると、処理カップ17の状態が切り換わる。
後述するように、処理カップ17の状態は、全てのガード83~85の上端が基板Wよりも下方に配置された退避状態(図2に示す状態)と、第1のガード83が基板Wの周端面に対向する第1のガード対向状態と、第2のガード84が基板Wの周端面に対向する第2のガード対向状態と、第3のガード85が基板Wの周端面に対向する第3のガード対向状態と、のうちのいずれかに切り換えられる。
第1のカップ81は、円筒部材80の内側でスピンチャック10を取り囲んでいる。第1のカップ81は、基板Wの処理に使用された処理液が流入する環状の第1の溝91を区画している。第1の溝91の底部の最も低い箇所には、排液口が開口しており、この排気液口には、排液配管92が接続されている。排液配管92に導入される処理液は、排液設備(図示しない)に送られ、当該排液設備で処理される。
第2のカップ82は、円筒部材80の内側で第1のカップ81を取り囲んでいる。第2のカップ82は、基板Wの処理に使用された処理液が流入する環状の第2の溝93を区画している。第2の溝93の底部の最も低い箇所には、回収口が開口しており、この回収口には、回収配管(昇華性物質回収ユニット)94の上流端が接続されている。回収配管94に導入される処理液は、排液設備(図示しない)に送られ、当該排液設備で処理される。
排気ダクト20には、集合排気配管131が接続されている。集合排気配管131の下流端は、第1の排気切り換え器132に接続されている。第1の排気切り換え器132には、酸排気配管133と、アルカリ排気配管134と、溶剤排気配管96とが接続されている。酸排気配管133は、酸を含む排気を処理するための酸排気設備に接続されている。アルカリ排気配管134は、酸を含む排気を処理するためのアルカリ排気設備に接続されている。溶剤排気配管96は、溶剤を含む排気を処理するための溶剤排気設備95に接続されている。第1の排気切り換え器132は、集合排気配管131を流通する排気の流通先を、3つの排気配管133,134,96の間で切り換える
溶剤排気配管96(以下、「排気配管96」という場合がある)の下流端は、機外の溶剤排気設備95(以下、「排気設備95」という場合がある)に接続されている。排気配管96から排気設備95に与えられた気体は、排気設備95によって排気処理される。排気配管96の途中部に設定された分岐位置には、分岐排気配管97が分岐接続されている。排気配管96の分岐位置には、第2の排気切り換え器98が配置されている。第2の排気切り換え器98は、排気配管96を流通する気体の流通先を、排気配管96における分岐位置よりも下流側部分と、分岐排気配管97とに切り換える。
分岐排気配管97の下流端は、回収ボックス(処理室、態様変化ユニット)100に接続されている。分岐排気配管97は、チャンバ9から回収された気体を、回収ボックス100に供給するための配管である。分岐排気配管97の途中部には、気体に含まれる小さな異物を捕捉して除去するための捕獲フィルタ99が配置されている。排気配管96を流通する気体の流通先が分岐排気配管97に設定されているときには、処理カップ17から排気ダクト20によって回収された気体は、排気配管96および分岐排気配管97を通って、回収ボックス100に供給される。
最も内側の第1のガード83は、円筒部材80の内側においてスピンチャック10を取り囲んでいる。第1のガード83は、スピンチャック10の周囲を取り囲む円筒状の下端部103と、下端部103の上端から外方(基板Wの回転軸線A1から遠ざかる方向)に延びる傾斜部104と、下端部103の上端から鉛直上方に延びる円筒状の中段部105と、中段部105の上端から内方(基板Wの回転軸線A1に近づく方向)に向かって斜め上方に延びる円環状の上端部106と、を含む。
第1のガード83の下端部103は、第1のカップ81の第1の溝91上に位置している。第1のガード83の上端部106の内周端は、平面視で、スピンチャック10に保持される基板Wよりも大径の円形をなしている。第1のガード83の上端部106の断面形状は直線状である。上端部106の断面形状は、円弧などの直線状以外の形状であってもよい。
内側から2番目の第2のガード84は、円筒部材80の内側において第1のガード83を取り囲んでいる。第2のガード84は、第1のガード83を取り囲む円筒部107と、円筒部107の上端から中心側(基板Wの回転軸線A1に近づく方向)に斜め上方に延びる円環状の上端部108と、を有している。第2のガード84の円筒部107は、第2のカップ82の第2の溝93上に位置している。
第2のガード84の上端部108の内周端は、平面視で、スピンチャック10に保持される基板Wよりも大径の円形をなしている。第2のガード84の上端部108の断面形状は直線状である。上端部108の断面形状は、円弧などの直線状以外の形状であってもよい。第2のガード84の上端部108は、第1のガード83の上端部106と上下方向に重なっている。第2のガード84の上端部108は、第1のガード83と第2のガード84とが最も近接した状態で第1のガード83の上端部106に対して微少な隙間を保って近接するように形成されている。
最も外側の第3のガード85は、円筒部材80の内側において第2のガード84を取り囲んでいる。第3のガード85は、第2のガード84を取り囲む円筒部110と、円筒部110の上端から中心側(基板Wの回転軸線A1に近づく方向)に斜め上方に延びる円環状の上端部111と、を有している。上端部111の内周端は、平面視で、スピンチャック10に保持される基板Wよりも大径の円形をなしている。上端部111の断面形状は直線状である。上端部111の断面形状は、円弧などの直線状以外の形状であってもよい。
ガード昇降ユニット87は、ガード83~85の上端部が基板Wより上方に位置する上位置と、ガード83~85の上端部が基板Wより下方に位置する下位置との間で、各ガード83~85を昇降させる。ガード昇降ユニット87は、上位置と下位置との間の任意の位置で各ガード83~85を保持可能である。基板Wへの処理液の供給は、いずれかのガード83~85が基板Wの周端面に対向している状態で行われる。
最も内側の第1のガード83を基板Wの周端面に対向させる、処理カップ17の第1のガード対向状態では、第1~第3のガード83~85の全てが上位置(処理高さ位置)に配置される。内側から2番目の第2のガード84を基板Wの周端面に対向させる、処理カップ17の第2のガード対向状態では、第2および第3のガード84,85が上位置に配置され、かつ第1のガード83が下位置に配置される。最も外側の第3のガード85を基板Wの周端面に対向させる、処理カップ17の第3のガード対向状態では、第3のガード85が上位置に配置され、かつ第1および第2のガード83,84が下位置に配置される。全てのガード83~85を、基板Wの周端面から退避させる退避状態(図2参照)では、第1~第3のガード83~85の全てが下位置に配置される。
図4は、回収ボックス100の構成例を説明するための図解的な断面図である。
回収ボックス100は、有底箱状のハウジング121を含む。ハウジング121は、その内部に、ハウジング121の外部から遮断された密閉の内部空間122を区画している。ハウジング121の底部には、液体を貯留できるようになっている。ハウジング121の底部には、混合用溶媒が貯留されている。ハウジング121は、ハウジング121の側壁121aの上部分に形成された流入側挿通口123と、ハウジング121の側壁121aの下部分に形成された液体導出口124と、ハウジング121の側壁121aの上部分に形成された気体導出口125と、を有する。
分岐排気配管97の下流端部は、流入側挿通口123を介して、内部空間122に入り込んでいる。分岐排気配管97の下流端部は、混合用溶媒中に気泡を発生させるバブリング配管126を含む。バブリング配管126の下流端の開口が混合用溶媒中(液中)に配置されている。図4の例では、バブリング配管126の下流端には、微細な気泡を作成するための気泡発生盤127が取り付けられている。気泡発生盤127は、耐薬性を有する多孔質部材によって構成されている。
液体導出口124には、昇華溶液供給配管57の上流端が接続されている。
気体導出口125には、内部空間122に存在する雰囲気を、ハウジング121の外部に導出するための導出配管128が接続されている。導出配管128の下流端は、排気設備95に接続されている。導出配管128の上流部には、導出配管128の開度を調整するためのレギュレータ129が介装されている。レギュレータ129が制御されて、導出配管128の開度が調整されることにより、内部空間122の圧力が調整される。レギュレータ129の制御により、内部空間122の圧力を、大気圧よりも低い低圧に制御可能である。
回収ボックス100は、ハウジング121を冷却するための冷却ユニット130をさらに含む。冷却ユニット130によるハウジング121の冷却によって、内部空間122に溜められている昇華溶液が、室温未満の低温まで降温される。冷却ユニット130は、たとえば、冷水が内部に流通する冷水配管によって構成されている。その他、冷却ユニット130は、冷却気体が内部に流通する冷気配管、ペルチェ素子等を含んでいてもよい。
分岐排気配管97を通ってバブリング配管126に達した昇華含有気体は、気泡発生盤127から気泡になって混合用溶媒中に放出される。そして、昇華含有気体に含まれる昇華気体が、内部空間122に溜められている混合用溶媒に溶ける。これにより、昇華溶液が作成される。すなわち、内部空間122に溜められている混合用溶媒は、昇華気体の溶解によって、昇華溶液に変化していく。これにより、昇華溶液が作成される(第2の昇華溶液作成工程(第1工程))。
また、混合用溶媒への昇華気体の溶解に並行して、レギュレータ129が、内部空間122を減圧する(減圧工程)。さらに、混合用溶媒への昇華気体の溶解に並行して、冷却ユニット130が、内部空間122に溜められている混合用溶媒を、室温未満の低温まで降温させる。
内部空間122の減圧、および内部空間122に溜められている昇華溶液の降温により、昇華性物質の混合用溶媒への溶解を促進できる。
回収ボックス100において作成された昇華溶液は、昇華溶液供給配管57を通って、回収ボックス100の外に排出される(溶液排出工程)。排出された昇華溶液は、昇華溶液作成装置51のタンク53に導かれ、タンク53に溜められる。
図5は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。
制御装置(昇華ユニット、昇華性物質回収ユニット、液膜形成ユニット、凝固膜形成ユニット、昇華溶液作成ユニット、雰囲気捕獲ユニット)4は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されている。制御装置4はCPU等の演算ユニット、固定メモリデバイス、ハードディスクドライブ等の記憶ユニット、および入出力ユニットを有している。記憶ユニットには、演算ユニットが実行するプログラムが記憶されている。
また、制御装置4には、制御対象として、スピンモータ21、遮断部材昇降ユニット28、遮断板回転ユニット27、ノズル移動ユニット33,43,48、ガード昇降ユニット87、送液ユニット58,63等が接続されている。制御装置4は、予め定められたプログラムに従って、スピンモータ21、遮断部材昇降ユニット28、遮断板回転ユニット27、ノズル移動ユニット33,43,48、ガード昇降ユニット87、送液ユニット58,63等の動作を制御する。
また、制御装置4は、予め定められたプログラムに従って、気体バルブ30、薬液バルブ35、リンス液バルブ38、置換用溶媒バルブ45、昇華溶液バルブ65、混合用溶媒バルブ67、加熱液バルブ73等を開閉する。また、制御装置4は、予め定められたプログラムに従って、昇華溶液流量調整バルブ64、混合用溶媒流量調整バルブ68等の開度を調整する。
以下では、パターン形成面である、表面WaにパターンPが形成された基板Wを処理する場合について説明する。
図6は、基板処理装置1による処理対象の基板Wの表面Waを拡大して示す断面図である。処理対象の基板Wは、たとえばシリコンウエハであり、そのパターン形成面である表面WaにパターンPが形成されている。パターンPは、たとえば微細パターンである。パターンPは、図6に示すように、凸形状(柱状)を有する構造体101が行列状に配置されていてもよい。この場合、構造体101の線幅W1はたとえば3nm~45nm程度に、パターンPの隙間W2はたとえば10nm~数μm程度に、それぞれ設けられている。パターンPの高さTは、たとえば、0.2μm~1.0μm程度である。また、パターンPは、たとえば、アスペクト比(線幅W1に対する高さTの比)が、たとえば、5~500程度であってもよい(典型的には、5~50程度である)。
また、パターンPは、微細なトレンチにより形成されたライン状のパターンが、繰り返し並ぶものであってもよい。また、パターンPは、薄膜に、複数の微細穴(ボイド(void)またはポア(pore))を設けることにより形成されていてもよい。
パターンPは、たとえば絶縁膜を含む。また、パターンPは、導体膜を含んでいてもよい。より具体的には、パターンPは、複数の膜を積層した積層膜により形成されており、さらには、絶縁膜と導体膜とを含んでいてもよい。パターンPは、単層膜で構成されるパターンであってもよい。絶縁膜は、シリコン酸化膜(SiO膜)やシリコン窒化膜(SiN膜)であってもよい。また、導体膜は、低抵抗化のための不純物を導入したアモルファスシリコン膜であってもよいし、金属膜(たとえばTiN膜)であってもよい。
また、パターンPは、親水性膜であってもよい。親水性膜として、TEOS膜(シリコン酸化膜の一種)を例示できる。
図7は、処理ユニット6による第1の基板処理例を説明するための流れ図である。図8A~8Dは、この第1の基板処理例が実行されているときの基板Wの周辺の状態を示す模式図である。
処理ユニット6によって、第1の基板処理例が基板Wに施されるときには、チャンバ9の内部に、未処理の基板Wが搬入される(図7のステップS1)。
第2の排気切り換え器98は、排気配管96における気体の流通先を、排気配管96における分岐位置よりも下流側部分に設定している。
基板処理装置1によって基板Wが処理されるとき、制御装置4は、全てのノズルがスピンチャック10の上方から退避しており、全てのガード83~85が下位置に位置している退避状態で、基板Wを保持している基板搬送ロボットCR1,CR2(図1参照)のハンドをチャンバ9の内部に進入させる。これにより、基板Wがその表面Waを上方に向けた状態でスピンチャック10に受け渡され、スピンチャック10に保持される。
スピンチャック10に基板Wが保持された後、制御装置4は、ガード昇降ユニット87を制御して、第1~第3のガード83~85を上位置に上昇させることにより、第1のガード83を基板Wの周端面に対向させる。これにより、第1のガード対向状態が実現される。また、制御装置4は、スピンモータ21を制御してスピンベース23の回転速度を、所定の液処理速度(約10~1500rpmの範囲内で、たとえば約500rpm)まで上昇させ、その液処理速度に維持させる。
基板Wの回転速度が液処理速度に達すると、制御装置4は、薬液工程(図7のステップS2)を実行開始する。具体的には、制御装置4は、ノズル移動ユニット33を制御して、薬液ノズル31を、退避位置から処理位置に移動させる。また、制御装置4は、薬液バルブ35を開く。これにより、薬液配管34を通って薬液ノズル31に薬液が供給され、薬液ノズル31の吐出口から吐出された薬液が基板Wの表面Waに着液する。薬液ノズル31から吐出された薬液は、基板Wの表面Waに着液した後、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの周縁部に移動して、基板Wの周縁部から基板Wの側方に排出される。これにより、基板Wの表面Waの全域が薬液によって処理される。
また、薬液工程(S2)において、制御装置4が、ノズル移動ユニット33を制御して、薬液ノズル31を、基板Wの表面Waの周縁部に対向する周縁位置と、基板Wの上面の中央部に対向する中央位置との間で移動するようにしてもよい。この場合、基板Wの上面における薬液の着液位置が、基板Wの表面Waの全域を走査させられる。これにより、基板Wの表面Waの全域を均一に処理できる。
薬液工程(S2)において、基板Wの周縁部から飛散する薬液は、第1のガード83の内壁に捕獲され、第1のカップ81および排液配管92を介して、機外の排液設備に送られる。
薬液工程(S2)において、第1の排気切り換え器132は、集合排気配管131における気体の流通先を、薬液の種類に対応した配管(酸排気配管133またはアルカリ排気配管134)に設定している。
薬液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置4は、薬液バルブ35を閉じて、薬液ノズル31からの薬液の吐出を停止する。これにより、薬液工程(S2)が終了する。また、制御装置4は、薬液ノズル31を退避位置に戻す。
次いで、制御装置4は、基板W上の薬液をリンス液に置換して、基板Wの表面Waを洗い流すリンス工程(図7のステップS3)を実行する。具体的には、制御装置4は、リンス液バルブ38を開く。それにより、回転状態の表面Waの中央部に向けて、リンス液ノズル36からリンス液が吐出される。基板Wの表面Waに供給されたリンス液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの周縁部に移動して、基板Wの周縁部から基板Wの側方に排出される。これにより、基板W上に付着している薬液がリンス液によって洗い流される。
リンス液工程(S3)において、基板Wの周縁部から飛散するリンス液は、第1のガード83の内壁に捕獲され、第1のカップ81および排液配管92を介して、機外の排液設備に送られる。
リンス液バルブ38が開かれてから予め定める期間が経過すると、制御装置4はリンス液バルブ38を閉じる。これにより、リンス液供給工程(S3)が終了する。
次いで、制御装置4は、置換工程(図7のステップS4)を実行する。置換工程(S4)は、基板W上のリンス液を、リンス液(水)および昇華溶液の双方に親和性を有する置換用溶媒(この例では、IPA等の有機溶媒)に置換する工程である。
具体的には、制御装置4は、ノズル移動ユニット43を制御して、置換用溶媒ノズル41を、スピンチャック10の側方の退避位置から、基板Wの表面Waの中央部に上方に移動させる。そして、制御装置4は、置換用溶媒バルブ45を開いて、基板Wの上面(表面Wa)の中央部に向けて置換用溶媒ノズル41から、液体の置換用溶媒を吐出する。基板Wの表面Waに供給された置換用溶媒は、基板Wの回転による遠心力を受けて表面Waの全域に広がる。これにより、基板Wの表面Waの全域において、当該表面Waに付着しているリンス液が、有機溶媒によって置換される。基板Wの表面Waを移動する有機溶媒は、基板Wの周縁部から基板Wの側方に排出される。
置換工程(S4)において、基板Wの周縁部から飛散する置換用溶媒は、第1のガード83の内壁に捕獲され、第1のカップ81および排液配管92を介して、機外の排液設備に送られる。
置換工程(S4)において、第1の排気切り換え器132は、集合排気配管131における気体の流通先を、排気配管96に設定している。また、第2の排気切り換え器98は、排気配管96における気体の流通先を、排気配管96における分岐位置よりも下流側部分に設定している。
置換用溶媒バルブ45が開かれてから予め定める期間が経過すると、制御装置4は置換用溶媒バルブ45を閉じる。これにより、置換工程(S4)が終了する。
次いで、制御装置4は、昇華溶液供給工程(液膜形成工程。図7のステップS5)を実行する。
制御装置4は、昇華溶液供給工程(S5)の開始に際して、ガード昇降ユニット87を制御して、第2のガード83を上位置に上昇させることにより、図8Aに示すように、第2のガード84を基板Wの周端面に対向させる(第2のガード対向状態を実現)。これにより、処理カップ17の状態が、それまでの第1のガード対向状態から、第2のガード対向状態に切り換えられる。
具体的には、昇華溶液供給工程(S5)において、制御装置4は、ノズル移動ユニット48を制御して、昇華溶液ノズル46を、スピンチャック10の側方の退避位置から、基板Wの表面Waの中央部に上方に移動させる。そして、制御装置4は、昇華溶液バルブ65および混合用溶媒バルブ67を開いて、図8Aに示すように、基板Wの上面(表面Wa)の中央部に向けて、昇華溶液ノズル46から昇華溶液を吐出する。昇華溶液ノズル46に供給され昇華溶液の流量は、昇華溶液流量調整バルブ64によって変更される。昇華溶液ノズル46に供給される混合用溶媒の流量は、混合用溶媒流量調整バルブ68によって変更される。したがって、昇華溶液および混合用溶媒過酸化水素水の混合比(すなわち、昇華溶液ノズル46に付与される昇華溶液の昇華性物質濃度)は、昇華溶液流量調整バルブ64および混合用溶媒流量調整バルブ68によって変更される。また、昇華溶液ノズル46に付与される昇華溶液における昇華性物質濃度は、昇華溶液の凝固点TPFMが大気圧下において室温未満になるように、かつ、後述する薄膜の凝固によって形成される凝固膜173(図8A参照)の膜上面高さが、パターンP(図6参照)の上端に略揃うように設定されている。
基板Wの表面Waの中央部に着液した昇華溶液は、基板Wの回転による遠心力を受けて、基板Wの表面Waの周縁部に向けて流れる。これにより、基板Wの表面Waに、基板Wの表面Wa全域を覆う昇華溶液の液膜171が形成される。昇華溶液ノズル46から吐出される昇華溶液が液体状を維持しているので、液膜171を良好に形成できる。昇華溶液供給工程(S5)において、基板Wの表面Waに形成される昇華溶液の液膜171の膜厚の大きさは、パターンPの高さT(図6参照)に対して十分に大きい。
昇華溶液供給工程(S5)は、前記の液処理速度で基板Wを回転させながら行われていてもよい。また、昇華溶液供給工程(S5)は、基板Wを、前記の液処理速度よりも遅い液盛り速度(基板Wの上面の昇華溶液の液膜171に作用する遠心力が昇華溶液と基板Wの上面との間で作用する表面張力よりも小さいか、あるいは前記の遠心力と前記の表面張力とがほぼ拮抗するような速度。たとえば約5rpm)で回転させながら、あるいは、基板Wを静止させながら行うようにしてもよい。
基板Wの表面Waを移動する昇華溶液は、基板Wの周縁部から基板Wの側方に排出される。昇華溶液供給工程(S5)において、基板Wの周縁部から飛散する昇華溶液は、第2のガード84の内壁に捕獲され、第2のカップ82および回収配管94を介して回収される。昇華溶液は、そのままの態様、あるいは混合用溶媒が蒸発除去された態様で、昇華溶液作成装置51に送られ、タンク53に溜められる。
昇華溶液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置4は、昇華溶液バルブ65および混合用溶媒バルブ67を閉じる。これにより、基板Wの表面Waへの昇華溶液の供給が停止される。また、制御装置4は、昇華溶液ノズル46を退避位置に戻す。
次いで、図8Bに示すように、昇華溶液の液膜171の膜厚を減少させる膜厚減少工程(液膜形成工程。図7のステップS6)が実行される。
具体的には、膜厚減少工程(S6)は、基板高回転工程(スピンオフ)を含む。制御装置4は、基板Wの表面Waに昇華溶液を供給せずに、スピンモータ21を制御してスピンベース23を所定の高回転速度(たとえば約100rpm~約2500rpmのうちの所定速度)で回転させる。これにより、基板Wが、この高回転速度で回転される。これにより、基板Wの表面Waに大きな遠心力が加わり、液膜171に含まれる昇華溶液の一部が基板Wの表面Waから排除され、液膜171の膜厚が減少する。その結果、基板Wの表面Waに、昇華溶液の薄膜が形成される。薄膜の膜厚は、基板Wの回転速度を調整することによって調整される。薄膜の上面は、表面Waに形成されている各パターンP(図6参照)の上端と略同一にされる。
昇華溶液の吐出停止から予め定める期間が経過すると、制御装置4は、膜厚減少工程(S6)を終了させる。次いで、制御装置4は、凝固膜形成工程(図7のステップS7)を開始実行する。
制御装置4は、凝固膜形成工程(S7)の開始に先立って遮断部材昇降ユニット28を制御し、図8Bに示すように、遮断部材15を下降させ遮断位置に配置する。
また、制御装置4は、凝固膜形成工程(S7)の開始に際して、ガード昇降ユニット87を制御して、第2のガード83を下位置に下降させることにより、図8Bに示すように、第1のガード83を基板Wの周端面に対向させる(第1のガード対向状態を実現)。これにより、処理カップ17の状態が、それまでの第2のガード対向状態から、第1のガード対向状態に切り換えられる。
凝固膜形成工程(S7)は、図8Bに示すように、昇華溶液の薄膜を凝固させて、昇華性物質を主として含む凝固膜173を、基板Wの表面Waに形成する工程である。この第1の基板処理例では、凝固膜形成工程(S7)は、基板Wの表面Waに不活性ガスを供給する気体供給工程と、基板Wを所定の回転速度で回転させる基板回転工程と、を含む。気体供給工程と、基板回転工程と、加熱工程が、互いに並行して実行される。制御装置4は、遮断板回転ユニット27を制御して、凝固膜形成工程(S7)において、遮断板25を基板Wの回転と同方向に同等の速度で回転させる。
気体供給工程において、制御装置4が気体バルブ30を開く。それにより、除湿された不活性ガスが上面ノズル26の吐出口26aから吐出される。上面ノズル26の吐出口26aから吐出された不活性ガスは、薄膜の中央部に吹き付けられる。また、吐出口26aから遮断空間SPに供給された不活性ガスは、遮断空間SPを基板Wの外周部に向けて移動し、その過程で、薄膜の表面と接触(衝突)する。このような不活性ガスの供給により、薄膜と、不活性ガスとの単位時間当たりの衝突回数が増大する。これにより、昇華溶液に含まれる分子の気化(蒸発)が促進される。
また、基板回転工程において、基板Wが所定の凝固回転速度で回転されることによって、薄膜と、基板Wの表面Wa周辺の雰囲気に含まれる気体との単位時間当たりの衝突回数が多くなる。これにより、昇華溶液に含まれる昇華性物質の分子の気化(蒸発)が促進される。
また、加熱工程において、制御装置4が、加熱液バルブ73を開く。それにより、図8Bに示すように、回転状態の基板Wの裏面Wbの中央部に、下面ノズル16から加熱液が供給される。基板Wの裏面Wbに供給された加熱液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの周縁部に向けて広がる。これにより、基板Wの裏面Wbの全域に加熱液が供給される。凝固膜形成工程(S7)において、基板Wの周縁部から飛散する加熱液は、第1のガード83の内壁に捕獲され、第1のカップ81および排液配管92を介して、機外の排液設備に送られる。
これにより、基板Wの表面Waの全域に供給された加熱液によって、昇華溶液の薄膜が加熱される。昇華溶液の薄膜から液体が蒸発する。前述のように混合用溶媒は、昇華性物質よりも蒸気圧が高い。そのため、凝固膜形成工程(S7)において、昇華溶液を気化(蒸発)させようとすると、蒸気圧が高い混合用溶媒(たとえばIPA)が昇華性物質に優先して気化(蒸発)する。
凝固膜形成工程(S7)において、昇華性物質を含む凝固膜173が形成される。このような昇華溶液の凝固メカニズムとして、以下の3つが挙げられる。
1つ目のメカニズムとして、昇華性物質の析出が挙げられる。混合用溶媒の気化(蒸発)によって、昇華溶液における昇華性物質の濃度が上昇する。昇華性物質の濃度が飽和濃度に達した以降は、昇華性物質の結晶が析出する。
2つ目のメカニズムとして、昇華溶液の凝固点TPFMの上昇が挙げられる。混合用溶媒の気化(蒸発)によって、昇華溶液における昇華性物質の濃度が上昇し、昇華溶液の凝固点TPFMが上昇する。凝固点TPFMが室温を上回ると、昇華溶液に含まれる昇華性物質が凝固を開始する。
3つ目のプロセスとして、混合用溶媒の気化(蒸発)によって奪われる気化熱により、基板Wの表面Waが冷却される。これにより、昇華溶液が温度低下する結果、昇華性物質の析出が促進される。また、昇華溶液の薄膜に含まれる昇華溶液の温度が昇華溶液の凝固点TPFMを下回ると、昇華溶液が凝固を開始する。
不活性ガスの吐出開始から予め定める期間が経過すると、図8Bに示すように、昇華溶液の薄膜に含まれる昇華性物質の全てが凝固し、基板Wの表面Waに、表面Waの全域を覆う凝固膜173が形成される。
凝固膜173の形成後は、凝固膜173に含まれる固体状の昇華性物質が、固体から液体状態を経ずに気体に変化する。これにより、昇華工程(図7のステップS8)が実現される。
制御装置4は、昇華工程(S8)の開始に際して、ガード昇降ユニット87を制御して、第1のガード83を下位置に下降させることにより、図8Cに示すように、第2のガード84を基板Wの周端面に対向させる(第2のガード対向状態を実現)。これにより、処理カップ17の状態が、それまでの第1のガード対向状態から、第2のガード対向状態に切り換えられる。
また、制御装置4は、昇華工程(S8)の開始に際して、第2の排気切り換え器98を制御して、排気配管96における気体の流通先を、排気配管96における分岐位置よりも下流側部分から、分岐排気配管97に切り換える。
凝固膜173に含まれる昇華性物質の昇華を促進させるために、図8Cに示すように、制御装置4が、基板Wの表面Waに気体を供給する気体供給工程を実行する。この気体供給工程は、凝固膜形成工程(S7)に含まれる気体供給工程と同等の工程である。すなわち、上面ノズル26の吐出口26aからの不活性ガスの吐出が、昇華工程(S8)においても継続して実行される。このような気体の供給により、凝固膜173に含まれる昇華性物質の昇華が促進される。
また、凝固膜173に含まれる昇華性物質の昇華を促進させるために、制御装置4は、昇華工程(S8)に並行して、基板Wを高速で回転させる基板高回転工程(スピンオフ)を実行する。基板高回転工程(スピンオフ)は、基板Wを所定の高回転速度(たとえば300~1200rpmのうちの所定速度)で回転させる工程である。この高回転速度は、凝固膜形成工程(S7)における基板Wの回転速度である凝固回転速度と同程度であってもよいが、凝固回転速度よりも速いことが望ましい。また、制御装置4は、遮断板回転ユニット27を制御して、遮断板25を基板Wの回転と同方向に同等の速度で回転させる。基板Wの高速回転に伴って、凝固膜173と、その周囲の雰囲気との接触速度を増大させることができる。これにより、凝固膜173に含まれる昇華性物質の昇華を促進できる。
昇華工程(S8)において、昇華性物質が気化(昇華)し、昇華気体GSが発生する。そして、発生した昇華気体GSが、処理カップ17内において、基板Wの表面Waの周囲で浮遊する。第1のガード83と第2のガード84との間の空間が排気(吸引)されているため、基板Wの表面Waの上方に存在する雰囲気(昇華気体GSを含む昇華含有気体の雰囲気)が、第1のガード83の内周端と第2のガード84の内周端とによって区画された捕獲口(雰囲気捕獲ユニット、昇華性物質回収ユニット)118から、処理カップ17の内部空間に取り込まれる(雰囲気捕獲工程。昇華性物質回収工程)。これにより、基板Wの表面Waの上方に存在する雰囲気(昇華含有気体の雰囲気)が、処理カップ17によって捕獲される。そして、捕獲された昇華含有気体は、第2のカップ82から、円筒部材80の内側の空間および排気ダクト20を介してチャンバ9の外に排出される(第1の排出工程。昇華性物質回収工程)。チャンバ9の外に排出された昇華含有気体は、排気配管96に導かれる。排気配管96を流通する気体の流通先が分岐排気配管97に設定されているので、排気配管96に導かれた昇華含有気体は、分岐排気配管97に導かれる(図7のS8:昇華気体回収工程。昇華性物質回収工程)。
分岐排気配管97に導かれた昇華含有気体は、捕獲フィルタ99によって小さな異物が除去された後、回収ボックス100に与えられる。
回収ボックス100は、昇華含有気体に含まれる昇華気体を、内部空間122に溜められている混合用溶媒に溶けることより、昇華溶液を作成する(態様変化工程。昇華性物質回収工程)。そして、作成された昇華溶液は、昇華溶液供給配管57を通ってタンク53に導かれ、タンク53に溜められる。すなわち、使用済みの昇華性物質が、次回以降の基板乾燥に再利用される。
回収ボックス100において昇華性物質を混合用溶媒に溶かすことにより、昇華性物質を液体として扱うことができる。これにより、チャンバ9の外に昇華気体を気体のまま排出させる場合であっても、回収ボックス100からの排出以降において、昇華性物質を良好に回収できる。
昇華工程(S8)において、凝固膜173に含まれる昇華性物質が全て気化(昇華)される。昇華溶液に含まれる昇華性物質を、液体状態を経ずに気化させることにより基板Wの表面Waを乾燥するので、パターンPの倒壊を効果的に抑制または防止しながら、基板Wの表面Waを乾燥させることができる。図8Dに示すように、昇華性物質の昇華が基板Wの表面Waの全域において完了すると、制御装置4は、気体バルブ30を閉じる。これにより、昇華工程(S8)が終了する。
その後、制御装置4は、スピンモータ21を制御してスピンチャック10の回転を停止させる。また、制御装置4は、遮断部材昇降ユニット28を制御して、遮断部材15を退避位置まで上昇させる。
また、制御装置4は、第2の排気切り換え器98を制御して、排気配管96を流通する気体の流通先を、排気配管96における分岐位置96aよりも下流側部分に戻す。
また、制御装置4は、ガード昇降ユニット87を制御して、第2および第3のガード84,85を下位置に下降させることにより、処理カップ17の状態を、それまでの第2のガード対向状態から、退避状態に切り換える。
その後、基板搬送ロボットCR1,CR2が、処理ユニット6に進入して、処理済みの基板Wを処理ユニット6外へと搬出する(図7のS9:基板W搬出)。搬出された基板Wは、基板搬送ロボットCR1,CR2からインデクサロボットIRへと渡され、インデクサロボットIRによって、基板収容器Cに収納される。
以上によりこの第1の実施形態によれば、基板Wの表面Waに形成された凝固膜173から昇華性物性が昇華することにより、基板Wの表面Waの乾燥が実現できる。
昇華性物性の昇華に伴って、昇華気体が発生し、基板Wの表面Waの周囲に存在する。そして、基板Wの表面Waの周囲の雰囲気に含まれていた昇華性物質が回収され、チャンバ9の外に排出される。昇華溶液供給工程(図7のS5)および膜厚減少工程(図7のS6)において基板Wの表面Waに供給される昇華溶液が、チャンバ9の外に排出された昇華性物質を用いて作成されている。すなわち、使用済みの昇華性物質が、次回以降の基板乾燥に再利用される。
基板乾燥に用いられる昇華性物質の再利用を図ることにより、新規な昇華性物質を用いる頻度を低減できる。ゆえに、昇華性物質の消費量の低減を図ることができる。
また、昇華工程(図7のS8)において基板Wの周辺に存在する雰囲気(昇華含有気体の雰囲気)が、チャンバ9の内部において捕獲され、捕獲された昇華含有気体が、チャンバ9の外に排出される。そして、排出された昇華含有気体に含まれる昇華性物質の態様が、チャンバ9の外において、気体から液体に変化される。チャンバ9の内部において昇華性物質の態様を変化させないので、処理のスループットを低下させることなく、昇華性物質の回収およびチャンバ9の外への排出をスムーズに行うことができる。
また、基板Wの表面Wa上に存在する雰囲気が、基板Wの周囲を包囲する捕獲口118によって捕獲される。そして、捕獲された雰囲気が、処理カップ17の内部に取り込まれた後、チャンバ9の外に排出される。これにより、基板Wの表面Waに存在する昇華気体を、高効率で捕獲できる。
また、回収ボックス100のハウジング121に溜められている混合用溶媒に、チャンバ9の外に排出された昇華含有気体に含まれる昇華気体を溶かすことにより、昇華溶液が作成される。そして、昇華溶液をハウジング121から排出される。昇華気体を混合用溶媒に溶かすことにより、昇華性物質を液体として扱うことができる。これにより、チャンバ9の外に昇華気体を気体のまま排出させる場合であっても、ハウジング121からの排出以降において、昇華性物質を良好に回収できる。
また、第1の実施形態において、図9に示すように、回収ボックス100において、分岐排気配管97の下流端部にバブリング配管126(図4参照)に代えてバブリング配管126Aが設けられていてもよい。バブリング配管126Aは、その下流端部の管壁に複数(多数)の貫通穴141が配置されている。バブリング配管126Aの下流端部が混合用溶媒中(液中)に配置されている。分岐排気配管97を通ってバブリング配管126Aに達した昇華含有気体は、複数の貫通穴151から気泡になって混合用溶媒中に放出される。そして、昇華含有気体に含まれる昇華気体が、内部空間122に溜められている混合用溶媒に溶ける。これにより、昇華溶液が作成される。すなわち、内部空間122に溜められている混合用溶媒は、昇華気体の溶解によって、昇華溶液に変化していく。これにより、昇華溶液が作成される(第2の昇華溶液作成工程(第1工程))。
図10Aは、この発明の第2の実施形態に係る回収ボックス100A(処理室、態様変化ユニット)を上方から見た図解的な断面図である。図10Bは、回収ボックス100Aを側方から見た図解的な断面図である。
回収ボックス100Aは、有底箱状のハウジング201を含む。ハウジング201は、ハウジング201は、その内部に内部空間202を区画している。ハウジング201は、ハウジング201の側壁201aに形成された流入側挿通口203と、ハウジング201の底壁201b(図10B参照)に形成された液体導出口204と、ハウジング201の底壁201bに形成された気体導出口205と、を有する。流入側挿通口203には、分岐排気配管97の下流端が接続されている。液体導出口204には、昇華溶液供給配管57の上流端が接続されている。気体導出口205には、導出配管128の上流端が接続されている。ハウジング201の内部空間202に流入した気体は、流入側挿通口203から気体導出口205に向けて、流通方向D1に案内される。
内部空間202には、昇華性物質分離器206と、ミスト分離器207と、所定個数(たとえば2つ)の噴霧器208とが収容されている。昇華性物質分離器206は、ミスト分離器207よりも流通方向D1における上流側に配置されている。
昇華性物質分離器206は、流通方向D1に気体および液体を通過させるメッシュ状のスクラブフィルタ206aを含む。ミスト分離器207は、流通方向D1に気体を通過させるメッシュ状のミストフィルタ207aを含む。スクラブフィルタ206aは、フィルタケースに収容保持されており、ミストフィルタ207aは、ミストフィルタケースに収容保持されている。昇華性物質分離器206およびミスト分離器207は、フィルタケースおよびミストフィルタケースを介して、回収ボックス100Aに支持されている。
スクラブフィルタ206aの下方には下方開口209(図10B参照)が形成されている。スクラブフィルタの下端縁とハウジング201の底壁201bとの間の上下方向の間隔は、昇華性物質分離器206の高さよりも十分に小さい。スクラブフィルタ206aは、ミストフィルタ207aよりも粗いフィルタである。したがって、スクラブフィルタ206aは、気体および液体を通過させることができる。
ミストフィルタ207aの下方には下方開口210(図10B参照)が形成されている。ミストフィルタの下端縁とハウジング201の底壁201bとの間の上下方向の間隔は、ミスト分離器207の高さよりも十分に小さい。ミストフィルタ207aは、スクラブフィルタ206aよりも細かいフィルタであり、気体だけを通過させることができ、液体だけを選択的に除去できる。
排気設備95の吸引力によって分岐排気配管97を通って回収ボックス100Aの内部空間202に進入した昇華含有気体は、スクラブフィルタ206a(昇華性物質分離器206)に供給される。そして、スクラブフィルタ206a(昇華性物質分離器206)を通過した気体は、ミストフィルタ207a(ミスト分離器207)に供給される。そして、ミストフィルタ207a(ミスト分離器207)を通過した排気は、導出配管128を介して排気設備95に導かれる。
回収ボックス100Aは、混合用溶媒を内部空間202で噴霧する噴霧装置を含む。噴霧装置は、内部空間202で混合用溶媒を噴霧する1または複数(図10Aおよび図10Bの例では、2つ)の噴霧器208を含む。複数の噴霧器208は、回収ボックス100Aの内部に配置されている。対の噴霧器208は、昇華性物質分離器206の上流および下流にそれぞれ配置されている。
図10Aおよび図10Bに示すように、個々の噴霧器208は、内部空間202に配置された円柱状の噴霧塔211と、噴霧塔211の外周面から外方に突出する複数のスプレーノズル212と、を含む。噴霧塔211は、上下方向に延びている。複数のスプレーノズル212は、それぞれ異なる高さに配置されている。各スプレーノズル212の噴霧口は、昇華性物質分離器206に対向している。
噴霧装置は、対の噴霧器208に接続された混合用溶媒供給ユニット213を含む。混合用溶媒供給ユニット213は、上流側の噴霧器208に接続された上流混合用溶媒配管214と、上流混合用溶媒配管214を開閉する開閉バルブ215と、下流側の噴霧器208に接続された下流混合用溶媒配管216と、下流混合用溶媒配管216を開閉する開閉バルブ217と、を含む。
開閉バルブ215,217が開かれると、各スプレーノズル212は、混合用溶媒供給ユニット213から噴霧塔211を通じて供給された混合用溶媒を円錐状に噴霧する。これにより、混合用溶媒のミストが内部空間202を漂い、チャンバ9から排出された昇華含有気体が、混合用溶媒のミストに接触する。さらに、各スプレーノズル212は、混合用溶媒を昇華性物質分離器206に向けて噴霧するので、混合用溶媒の液滴が、スクラブフィルタ206aの外表面および内表面に供給され、スクラブフィルタ206aの内部に保持される。そのため、スクラブフィルタ206aを通過する昇華含有気体は、スクラブフィルタ206aに保持されている混合用溶媒に接触する。そして、昇華含有気体に含まれる昇華性物質が、スクラブフィルタ206aに保持されている混合用溶媒に溶ける。これにより、昇華性物質が、スクラブフィルタ206aに捕獲される。すなわち、チャンバ9から排出された昇華含有気体から、昇華性物質が回収される。また、混合用溶媒への昇華気体の溶解によって、混合用溶媒が昇華溶液に変化していく。これにより、昇華溶液が作成される(第2の昇華溶液作成工程(第1工程))。
混合用溶媒のミストや混合用溶媒の液滴との接触によって昇華性物質成分が除去された気体は、ミスト分離器207のミストフィルタ207aを通過する。除去後の気体は、混合用溶媒などの液体成分を含んでいる場合がある。ミストフィルタ207aは、スクラブフィルタ206aよりも細かいフィルタなので、気体だけを通過させることができ、液体だけを選択的に除去できる。これにより、液体成分が除去された気体が、導出配管128を介して、基板処理装置1の外に配置された排気設備95に導かれる。
図10Bに示すように、回収ボックス100Aは、排液路221を備えている。排液路221は、ハウジング201の底壁201bによって構成されている。排液路221は、昇華性物質分離器206の下面とハウジング201の底壁201bとの間の隙間を含む。同様に、排液路221は、ミスト分離器207の下面とハウジング201の底壁201bとの間の隙間を含む。排液路221は、液体導出口204に近づくに従って下方に位置するように水平面に対して傾いている。したがって、ハウジング201の底壁201b上の液体は、自重でハウジング201の底壁201b上を液体導出口204に向かって流れる。これにより、内部空間202の液体が、昇華溶液供給配管57に導かれる。
スクラブフィルタ206a内の液体(混合用溶媒に昇華気体が溶けることによって作成された昇華溶液)は、スクラブフィルタ206aから下方に落下する。スクラブフィルタ206aから下方に落下した液体(昇華溶液)は、下方開口209を通って、ハウジング201の底壁201bに着地する。同様に、ミストフィルタ207a内の液体(混合用溶媒)は、下方開口210を通って、ハウジング201の底壁201bに着地する。そして、ハウジング201の底壁201bに落下した液体(昇華溶液および混合用溶媒)は、排液路221によって液体導出口204に導かれ、昇華溶液供給配管57を通って回収ボックス100Aの外に排出される(溶液排出工程)。排出された昇華溶液は、昇華溶液作成装置51のタンク53に導かれ、タンク53に溜められる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の場合と同等の作用効果を奏する。
図11は、この発明の第3の実施形態に係る回収ボックス100B(処理室、態様変化ユニット)を側方から見た図解的な断面図である。図12A~12Cは、この発明の第3の実施形態に係る昇華溶液の作成を説明するための模式図である。
第3の実施形態が、第1および第2の実施形態と相違する点は、チャンバ9の外に排出された昇華気体に基づいて固体状の昇華性物質321を一旦作成し(昇華固体作成工程)、その後、その固体状の昇華性物質321に基づいて昇華溶液を作成する(第3の昇華溶液作成工程(第2工程))点である。
回収ボックス100Bは、有底箱状のハウジング301を含む。ハウジング301は、ハウジング301は、その内部に内部空間302を区画している。ハウジング301の底部には、液体を貯留できるようになっている。ハウジング301は、ハウジング301の側壁301aの上部分に形成された流入側挿通口303と、ハウジング301の側壁301aの下部分に形成された液体導出口304と、ハウジング301の側壁301aの上部分に形成された気体導出口305と、を有する。流入側挿通口303には、分岐排気配管97の下流端が接続されている。液体導出口304には、昇華溶液供給配管57の上流端が接続されている。気体導出口305には、導出配管128の上流端が接続されている。
ハウジング301の天壁301bに形成された穴にノズル306が挿通している。ノズル306には、混合用溶媒配管307が接続されている。混合用溶媒配管307には、混合用溶媒供給源から混合用溶媒が供給されるようになっている。混合用溶媒配管307には、混合用溶媒配管307を開閉する混合用溶媒バルブ308が介装されている。
回収ボックス100Bは、ハウジング301を冷却するための冷却ユニット310をさらに含む。冷却ユニット310は、たとえば、冷水が内部に流通する冷水配管によって構成されている。その他、冷却ユニット310は、冷却気体が内部に流通する冷気配管、ペルチェ素子等を含んでいてもよい。
分岐排気配管97を通ってきた昇華含有気体は、図12Aに示すように、内部空間302に放出される。そして、冷却ユニット310によって、内部空間302に存在している昇華含有気体に含まれる昇華気体が冷却される(冷却工程)。これにより、図12Bに示すように、昇華性物質の結晶が析出し、昇華性物質が固体状を呈するようになる。固体状の昇華性物質321は、ハウジング301の底部に集っている。
また、混合用溶媒バルブ308が開かれて、内部空間302に混合用溶媒が供給される。これにより、ハウジング301の底部に混合用溶媒が貯留される。そして、固体状の昇華性物質321が混合用溶媒に溶ける。これにより、昇華溶液322が作成される。すなわち、内部空間122に供給された混合用溶媒は、固体状の昇華性物質321の溶解によって、昇華溶液322に変化していく。回収ボックス100Bにおいて作成された昇華溶液322は、昇華溶液供給配管57を通って、回収ボックス100Bの外に排出される(溶液排出工程)。排出された昇華溶液は、昇華溶液作成装置51のタンク53に導かれ、タンク53に溜められる。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態の場合と同等の作用効果を奏する。
図13は、第4の実施形態に係る基板処理装置401に備えられる処理ユニット406の構成例を説明するための図解的な断面図である。
第4の実施形態において、前述の第1の実施形態と共通する部分には、それぞれ、図1~図9の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。
第4の実施形態は、主として、基板Wの表面Waの周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された固体状の昇華性物質を、チャンバ9の内部において混合用溶媒に溶かすことにより昇華溶液を作成する(第4の昇華溶液作成工程(第3工程)、昇華性物質回収工程)点、および、作成された昇華溶液をチャンバ9の内部において捕獲して(昇華溶液捕獲工程、昇華性物質回収工程)、チャンバ9の外に排出させる(第2の排出工程、昇華性物質回収工程)点において、第1~第3の実施形態と相違している。
第4の実施形態に係る処理ユニット406が、第1の実施形態に係る処理ユニット6(図2参照)と相違する1つ目の点は、遮断板25の下面に、固体状の昇華性物質431を捕獲するための捕獲ユニットを備えた点である。捕獲ユニットは、遮断板25の下面を冷却するための遮断板冷却ユニットを含む。遮断板冷却ユニットは、遮断板25の上面に、室温未満の温度を有する冷却流体を供給する冷却流体供給ユニット411を含む。冷却流体供給ユニット411から供給される冷却流体は、図13の例では冷却液である。しかし、冷却流体供給ユニット411から供給される冷却流体が冷却気体であってもよい。
冷却流体供給ユニット411は、冷却流体ノズル412と、冷却流体ノズル412に冷却流体を案内する冷却流体配管413と、冷却流体配管413を開閉する冷却流体バルブ414と、を含む。冷却流体バルブ414が開かれると、冷却液供給源からの冷却液が、冷却流体配管413から冷却流体ノズル412に供給される。これにより、冷却流体ノズル412から冷却液が吐出される。
第4の実施形態に係る処理ユニット406が、第1の実施形態に係る処理ユニット6(図2参照)と相違する2つ目の点は、下面供給配管71に、加熱液配管72だけでなく、混合用溶媒配管421が接続される点である。
混合用溶媒配管421には、混合用溶媒配管421を開閉するための混合用溶媒バルブ422が介装されている。加熱液バルブ73が閉じられている状態で混合用溶媒バルブ422が開かれると、混合用溶媒供給源からの混合用溶媒が、混合用溶媒配管421を介して下面ノズル16に供給される。これにより、下面ノズル16の吐出口16aから混合用溶媒が下向きに吐出される。
制御装置4は、予め定められたプログラムに従って、冷却流体バルブ414および混合用溶媒バルブ422をさらに開閉する。
第4の実施形態に係る処理ユニット406が、第1の実施形態に係る処理ユニット6(図2参照)と相違する3つ目の点は、昇華溶液作成装置51のタンク53に対し、チャンバ9から排出された昇華含有気体に基づいて作成された昇華溶液が供給されない点である。
図14は、第4の実施形態に係る処理ユニットにおいて実行される第2の基板処理例の内容を説明するための流れ図である。図15A,15Bは、この第2の基板処理例が実行されているときの基板Wの周辺の状態を示す模式図である。
処理ユニット406によって基板Wに第2の基板処理例が施されるときには、チャンバ9の内部に、未処理の基板Wが搬入され(図14のステップS11)、基板Wがその表面Waを上方に向けた状態でスピンチャック10に受け渡される。スピンチャック10に基板Wが保持された後、スピンベース23が回転開始される。スピンベース23の回転に伴って基板Wが回転し、所定の液処理速度(約10~1500rpmの範囲内で、たとえば約500rpm)まで上昇させると、その液処理速度に維持される。
基板Wの回転速度が液処理速度に達すると、制御装置4は、薬液工程(図14のステップS12)を実行開始する。薬液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、薬液ノズル31からの薬液の吐出が停止され、これにより、薬液工程(S12)が終了する。
次いで、制御装置4は、基板W上の薬液をリンス液に置換して、基板Wの表面Waを洗い流すリンス工程(図14のステップS13)を実行する。リンス液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、リンス液ノズル36からのリンス液の吐出が停止され、これにより、リンス液供給工程(S13)が終了する。
次いで、制御装置4は、置換工程(図14のステップS14)を実行する。置換工程(S14)は、基板W上のリンス液を、リンス液(水)および昇華溶液の双方に親和性を有する置換用溶媒(この例では、IPA等の有機溶媒)に置換する工程である。置換用溶媒の吐出開始から予め定める期間が経過すると、置換用溶媒ノズル41からの置換用溶媒の吐出が停止され、これにより、置換工程(S14)が終了する。
次いで、制御装置4は、昇華溶液供給工程(液膜形成工程。図14のステップS15)を実行する。昇華溶液供給工程(S15)は、基板Wの表面Waの中央部に向けて昇華溶液ノズル46から昇華溶液を吐出して、基板Wの表面Waに昇華溶液の液膜171(図8A参照)を形成する工程である。
次いで、昇華溶液の液膜171の膜厚を減少させる膜厚減少工程(液膜形成工程。図14のステップS16)が実行される。
次いで、制御装置4は、凝固膜形成工程(図14のステップS17)を実行する。
第2の基板処理例(図14参照)の各工程S11、S12、S13、S14、S15、S16およびS17は、それぞれ、第1の基板処理例(図7参照)の各工程S1、S2、S3、S4、S5、S6およびS7と同等の工程であるので、各工程S11~S17についての詳細な説明は省略する。
凝固膜173の形成後は、凝固膜173に含まれる固体状の昇華性物質431が、固体から液体状態を経ずに気体に変化する。これにより、昇華工程(図14のステップS8)が実現される。
制御装置4は、昇華工程(S18)の開始に際して、ガード昇降ユニット87を制御して、第1のガード83を下位置に下降させることにより、図15Aに示すように、第2のガード84を基板Wの周端面に対向させる(第2のガード対向状態を実現)。これにより、処理カップ17の状態が、それまでの第1のガード対向状態から、第2のガード対向状態に切り換えられる。
凝固膜173に含まれる昇華性物質の昇華を促進させるために、制御装置4は、昇華工程(S18)に並行して、基板Wを高速で回転させる基板高回転工程(スピンオフ)を実行する。基板高回転工程(スピンオフ)は、基板Wを所定の高回転速度(たとえば300~1200rpmのうちの所定速度)で回転させる工程である。この高回転速度は、凝固膜形成工程(S17)における基板Wの回転速度である凝固回転速度と同程度であってもよいが、凝固回転速度よりも速いことが望ましい。また、制御装置4は、遮断板回転ユニット27を制御して、遮断板25を基板Wの回転と同方向に同等の速度で回転させる。基板Wの高速回転に伴って、凝固膜173と、その周囲の雰囲気との接触速度を増大させることができる。これにより、凝固膜173に含まれる昇華性物質の昇華を促進できる。
昇華工程(S18)において、基板Wの表面Waに気体は供給されない。すなわち、昇華工程(S18)の開始後に、上面ノズル26の吐出口26aからの不活性ガスの吐出が停止される。遮断板25を基板Wの回転と同方向に同等の速度で回転させることも相俟って、昇華工程(S18)において、遮断空間SPにおける気体の流動がほとんどない。
また、昇華工程(S18)に並行して、遮断板25を冷却して基板対向面25aを、室温未満の低温に降温させ、その低温に維持する降温工程(S18)が実行される。具体的には、制御装置4は、昇華工程(S8)の開始に先立って、冷却流体バルブ414を開く。それにより、冷却流体ノズル412から冷却液が吐出される。冷却流体から吐出された冷却液は、遮断板25の上面に着液し、遮断板25の上面を流れる。冷却流体が流れる過程において、遮断板25が冷却される。これにより、遮断板25の下面である基板対向面25aが、室温未満の低温に降温される。冷却液の供給を続行することにより、昇華工程(S18)において、基板対向面25aが低温(降温状態)に保たれる。
昇華工程(S18)において、昇華性物質が気化(昇華)し、昇華気体GSが発生する。そして、発生した昇華気体GSが、基板Wの表面Waの周囲で浮遊する。基板対向面25aに昇華気体GSが接触することにより、冷やされて基板対向面25aに析出する。すなわち、基板Wの表面Waの周囲に存在する昇華気体GSが、基板対向面25aに捕獲される。
昇華工程(S18)において、凝固膜173に含まれる昇華性物質が全て気化(昇華)される。昇華溶液に主として含まれる昇華性物質を、液体状態を経ずに気化させることにより基板Wの表面Waを乾燥するので、パターンPの倒壊を効果的に抑制または防止しながら、基板Wの表面Waを乾燥させることができる。昇華性物質の昇華が基板Wの表面Waの全域において完了すると、昇華工程(S18)が終了する。具体的には、制御装置4は、スピンモータ21を制御してスピンチャック10の回転を停止させる。また、制御装置4は、遮断部材昇降ユニット28を制御して、遮断部材15を退避位置まで上昇させる。
また、制御装置4は、ガード昇降ユニット87を制御して、第2および第3のガード84,85を下位置に下降させることにより、処理カップ17の状態を、それまでの第2のガード対向状態から、退避状態に切り換える。
その後、基板搬送ロボットCR1,CR2が、処理ユニット6に進入して、処理済みの基板Wを処理ユニット6外へと搬出する(図14のS19:基板W搬出)。搬出された基板Wは、基板搬送ロボットCR1,CR2からインデクサロボットIRへと渡され、インデクサロボットIRによって、基板収容器Cに収納される。
基板Wの搬出後、制御装置4は、ガード昇降ユニット87を制御して、第2および第3のガード84,85を上位置に上昇させることにより、図15Bに示すように、処理カップ17の状態を、それまでの退避状態から、第2のガード対向状態に切り換える。
また、制御装置4は、遮断部材昇降ユニット28を制御して、図15Bに示すように、遮断部材15を遮断位置まで下降させる。
この状態で、基板対向面25aに混合用溶媒を供給する溶媒供給工程が実行される(図14のステップS20)。具体的には、制御装置4は、遮断板25を所定の高回転速度で回転させる。
また、制御装置4は、加熱液バルブ73を閉じながら、混合用溶媒バルブ422を開く。それにより、下面ノズル16の吐出口21aから、混合用溶媒が、鉛直上方に向けて吐出される。吐出口21aから吐出された混合用溶媒は、遮断板25の基板対向面25aに吹き付けられ、遮断板25の回転による遠心力を受けて、遮断板25の外周部へと移動する。これにより、遮断板25の基板対向面25aの全域に混合用溶媒が行き渡る。
基板対向面25aへの混合用溶媒の供給により、遮断板25の基板対向面25aに付着していた固体状の昇華性物質431が混合用溶媒に溶け、これにより、遮断板25の基板対向面25aにおいて昇華溶液が形成される(第5の昇華溶液作成工程(第4工程))。また、高回転速度で遮断板25を回転させることにより、基板対向面25aに存在する、昇華性物質および混合用溶媒が、側方に向けて飛散し、第1のガード83の内周端と第2のガード84の内周端とによって区画された捕獲口118から、処理カップ17の内部空間に取り込まれる。そして、捕獲された昇華溶液は、第2のカップ82から、回収配管94を通って、昇華溶液作成装置51のタンク53に導かれ、タンク53に溜められる(図14のステップS20:昇華溶液回収工程)。
遮断板25の基板対向面25aの全域から固体状の昇華性物質431が取り除かれた後、制御装置4は、遮断部材昇降ユニット28を制御して、遮断部材15を退避位置まで上昇させる。また、制御装置4は、ガード昇降ユニット87を制御して、第2および第3のガード84,85を下位置に下降させることにより、処理カップ17の状態を、それまでの第2のガード対向状態から、退避状態に切り換える。
これにより、第2の基板処理例が終了する。
以上によりこの第4の実施形態によれば、第1の実施形態に関連して説明した作用効果に加え、次に述べる作用効果を奏する。
すなわち、基板Wの表面Waの周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された、固体状の昇華性物質431が混合用溶媒に溶かされることにより、チャンバ9の内部において昇華溶液が作成される。そして、作成された昇華溶液がチャンバ9の内部において捕獲され、チャンバ9の外に排出される。チャンバ9の内部で昇華性物質の態様を液体に変化させ、それ以降の処理で液体として扱うことができるので、雰囲気に含まれる昇華性物質を良好に回収できる。
また、昇華工程(S18)に並行して、基板Wの表面Waに遮断板25の基板対向面25aを対向させる。昇華工程(S18)において、基板Wの表面Waの周囲に存在する雰囲気に含まれる昇華気体GSが基板対向面25aに接触することにより、冷やされて基板対向面25aに析出する(対向面析出工程)。すなわち、基板Wの表面Waの周囲に存在する昇華気体GSが、遮断板25の基板対向面25aに捕獲される。これにより、基板Wの表面Waの周囲に存在する昇華気体GSを効果的に捕獲できる。
また、昇華工程(S18)において、基板対向面25aが室温未満の低温に降温されているので、基板対向面25aに接触する昇華気体GSをより効果的に冷やすことができる。これにより、固体状の昇華性物質431の基板対向面25aへの析出を促進させることができる。
また、昇華工程(S18)において、基板対向面25aに開口する吐出口26aから気体が吐出されない。また、遮断板25を基板Wの回転と同方向に同等の速度で回転させることも相俟って、昇華工程(S18)において、遮断空間SPにおける気体の流動がほとんどない。そのため、基板Wの表面Waの周囲の雰囲気が、基板Wの表面Waの周囲から排出されることを抑制できる。そのため、発生した昇華気体GSが、基板Wの表面Waの周囲に止まり易い。したがって、固体状の昇華性物質431が、基板対向面25aに析出され易い。
また、基板対向面25aへの混合用溶媒の供給により、基板対向面25aに付着している固体状の昇華性物質431が混合用溶媒に溶ける。昇華性物質の混合用溶媒への溶解(すなわち、昇華溶液の作成)を基板対向面25aにおいて行うので、昇華溶液の回収を比較的容易に実現可能である。
また、第4の実施形態において、図16に示すように、遮断板冷却ユニットが、遮断部材15Bの遮断板25Bの内部に形成された冷却流体流路501を備えていてもよい。
遮断板25Bは、冷却流体流路501が内部に形成されている点を除いて、遮断板25Bと同等である。冷却流体流路501は、たとえば、遮断板25Bの中央部と遮断板25Bの周縁部とに跨って形成されている。冷却流体流路501は複数設けられている。複数の冷却流体流路501は、放射状をなしている。
冷却流体流路501は、遮断板25Bの下面(基板対向面25a)に沿うように水平に延びる流路本体502と、遮断板25Bの中央側において流路本体502と遮断板25Bの上面とを接続する流路入口503と、遮断板25Bの周縁側において流路本体502と遮断板25Bの上面とを接続する流路出口504と、を含む。流路入口503には、冷却流体供給配管505が接続されている。冷却流体供給配管505には、冷却流体供給源506からの冷却流体が供給されるようになっている。供給される冷却流体が、冷却液であってもよいし冷却気体であってもよい。流路出口504には、冷却流体排出配管507が接続されている。流路出口504に達した冷却流体は、冷却流体排出配管507を通って、機外に排出されるようになっている。冷却流体流路501を冷却流体が流通することにより、遮断板25Bが冷却されて、基板対向面25aが降温される。
図16に示すように、冷却流体供給配管505の供給元と、冷却流体排出配管507の排出先とが共通の冷却流体供給源506であってもよい。すなわち、冷却流体供給配管505、冷却流体流路501、冷却流体排出配管507および冷却流体供給源506によって、循環経路が形成されていてもよい。
また、冷却流体供給配管505の供給元と、冷却流体排出配管507の排出先とが別であってもよい。
また、流路入口503が遮断板25Bの周縁側に配置され、かつ流路出口504が遮断板25Bの中央側に配置されてもよい。
また、遮断板冷却ユニット また、遮断板冷却ユニットは、ペルチェ素子等を含んでいてもよい。
また、遮断板冷却ユニットが、ヒートポンプや気化冷却式を用いて遮断板25を冷却するものであってもよい。
以上、この発明の4つの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、第1の実施形態において、混合用溶媒への昇華気体の溶解に並行して、内部空間122の減圧および、内部空間122内の混合用溶媒の降温を実現するとして説明したが、これらの一方のみを採用し、他方を不採用としてもよい。また、内部空間122の減圧、および/または内部空間122内の混合用溶媒の降温を行わなくても、混合用溶媒に昇華気体が十分に溶ける場合には、これら双方を不採用としてもよい。
また、第2の実施形態において、噴霧器208は、昇華性物質分離器206の上流および下流にそれぞれ配置されていなくてもよい。噴霧器208は、複数でなく、1つであってもよい。
また、第2の実施形態において、混合用溶媒への昇華気体の溶解を促進すべく、噴霧器208から吐出する混合用溶媒が室温未満に降温されていてもよい。
また、第2の実施形態において、混合用溶媒への昇華気体の溶解を促進すべく、混合用溶媒の吐出に際し、真空発生器等を用いて内部空間202を減圧するようにしてもよい。
また、第3の実施形態において、作成された固体状の昇華性物質321を、固体状のまま取り扱うようにしてもよい。
また、第1~第3の実施形態において、チャンバ9の内部において捕獲される雰囲気が、処理カップ17の内部の雰囲気でなく、処理カップ17の外側であってチャンバ9の内部の雰囲気であってもよい。
また、第1~第3の実施形態において、回収ボックス100,100A,100Bを廃止してもよい。この場合、分岐排気配管97の下流端を、昇華溶液作成装置51のタンク53に溜められた昇華溶液中に配置してもよい。
また、第1~第3の実施形態において、昇華溶液供給工程(S5)における昇華溶液の回収と、昇華工程(S8)における昇華気体の回収と、を共通のガード(第2のガード84)、すなわち共通の捕獲口118によって行うとして説明した。しかし、昇華溶液供給工程(S5)における昇華溶液の回収と、昇華工程(S8)における昇華気体の回収と、を互いに異なるガード(互いに異なる捕獲口)において行ってもよい。
また、第1~第3の実施形態において、昇華溶液供給工程(S5)における昇華溶液の回収を行わず、排液してもよい。
また、第4の実施形態において、昇華溶液の捕獲のための第2のガード84の基板Wの周端面への対向は、遮断部材15(遮断板25)を遮断位置まで下げることなく、第2のガード84を上げることにより実現されてもよい。
また、第1および第2の基板処理例において、膜厚減少工程(S6,S16)を、凝固膜形成工程(S7,S17)に先立って実行させるものとして説明したが、膜厚減少工程(S6,S16)を、凝固膜形成工程(S7,S17)に並行に(つまり、同時に)行うようにしてもよい。
また、第1および第2の基板処理例において、凝固膜形成工程(S7,S17)において、基板回転工程と、加熱工程と、気体供給工程とが実行されるとして説明した。凝固膜形成工程(S7,S17)では、基板回転工程、加熱工程および気体供給工程に、次に述べる減圧工程を加えた4つの工程のうち少なくとも一つの工程が実行されれば足りる。
減圧工程は、次のように行われる。排気設備(酸排気設備、アルカリ排気設備、溶剤排気設備95)は、その排気力(吸引力)を調整可能に設けられている。排気設備には、レギュレータや開度調整バルブ等の排気力調整ユニットが設けられている。排気力調整ユニットによって排気設備の排気力を調整することにより、チャンバ9の内部の圧力が変更される。つまり、チャンバ9の内部の圧力が、制御装置4によって変更される。
また、第1および第2の基板処理例において、凝固膜形成工程(S7,S17)において基板Wの裏面Wbに加熱液等の液体を供給しない場合には、基板Wの表面への液体の回り込みがないから、凝固膜形成工程(S7,S17)において、遮断板25を遮断位置に配置しなくてもよい。
また、第1および第2の基板処理例において、昇華工程(S8,S18)において基板Wの表面Waに気体を供給しない場合には、昇華工程(S8,S18)において、遮断板25を遮断位置に配置しなくてもよい。
また、第1の基板処理例において、凝固膜形成工程(S7)および昇華工程(S8)の双方において遮断板25を遮断位置に配置しない場合には、処理ユニット6において遮断板25を廃止してもよい。
また、第1の基板処理例において、昇華工程(S8)が、基板高回転工程および気体供給工程のうち一方を省略するようにしてもよい。
第1および第2の基板処理例において、昇華工程(S8,S18)において基板高回転工程を行わない場合には、昇華工程(S8,S18)の後に、基板Wの裏面Wbを振り切り乾燥させるため、基板Wを振り切り回転速度で回転させるようにしてもよい。一方、昇華工程(S8,S18)に並行して基板高回転工程を行う場合には、除去工程(S8)の後の基板Wの裏面Wbが乾燥しているため、昇華工程(S8,S18)後の振り切り乾燥は不要である。
また、第1および第2の基板処理例において、昇華工程(S8,S18)に並行して、基板Wの表面Waを加熱する加熱工程を実行するようにしてもよい。この場合の加熱工程は、凝固膜形成工程(S7)に含まれる加熱工程と同等の工程である。
また、前述の第1~第4の各実施形態において、加熱液配管72から下面供給配管71に供給される加熱流体は、加熱液でなく、加熱気体であってもよい。
また、前述の第1~第4の各実施形態において、昇華溶液供給装置8として、昇華溶液と濃度調整用の混合用溶媒との混合を、上面ノズル26に配管に接続された混合部50の内部で行う配管混合タイプのものを例に挙げて説明したが、昇華溶液供給装置8として、昇華溶液と混合用溶媒との混合を上面ノズル26の内部で行うノズル混合タイプを採用してもよい。
また、前述の第1~第4の実施形態において、処理カップ17における昇華含有気体や昇華溶液を捕獲する捕獲口として、第1のガード83の内周端と第2のガード84の内周端とによって区画された捕獲口118に挙げて説明した。しかし、昇華含有気体や昇華溶液を捕獲する捕獲口は、第2のガード84の内周端と第3のガード85の内周端とによって区画された捕獲口であってもよいし、第1のガード83の内側に区画された捕獲口であってもよい。
また、前述の第1~第4の実施形態において、処理カップ17が3段のものを例に挙げて説明したが、処理カップ17は、1段(単カップ)や2段であってもよいし、4段以上の多段カップであってもよい。
また、前述の第1~第4の実施形態において、回収対象の昇華性物質を溶かすための溶媒が、基板Wに供給される昇華溶液に含まれる溶媒と異なる溶媒であってもよい。
また、前述の第1~第4の実施形態において、基板Wに供給される昇華液が、昇華溶液でなくてもよい。すなわち、基板Wに供給される昇華液が、混合用溶媒を含んでおらず、一または複数の昇華性物質のみから構成されていてもよい。
また、前述の第1~第4の実施形態において、基板処理装置1,401が半導体ウエハからなる基板Wを処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置が、液晶表示装置用基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板を処理する装置であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 :基板処理装置
4 :制御装置(昇華ユニット、昇華性物質回収ユニット、液膜形成ユニット、凝固膜形成ユニット、昇華溶液作成ユニット、雰囲気捕獲ユニット)
6 :処理ユニット
8 :昇華溶液供給装置(液膜形成ユニット)
9 :チャンバ
10 :スピンチャック(基板保持ユニット)
17 :処理カップ(昇華性物質回収ユニット)
15 :遮断部材(対向部材)
20 :排気ダクト(昇華性物質回収ユニット)
21 :スピンモータ(昇華ユニット、液膜形成ユニット、凝固膜形成ユニット
25a :基板対向面(対向面)
26a :吐出口
29 :気体配管(昇華ユニット)
30 :気体バルブ(昇華ユニット)
51 :昇華溶液作成装置(昇華溶液作成ユニット)
94 :回収配管(昇華性物質回収ユニット)
100 :回収ボックス(処理室)
100A:回収ボックス(処理室)
100B:回収ボックス(処理室)
118 :捕獲口(雰囲気捕獲ユニット、昇華性物質回収ユニット)
171 :液膜(昇華溶液の液膜)
173 :凝固膜
401 :基板処理装置
406 :処理ユニット
W :基板
Wa :表面

Claims (18)

  1. チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から、前記昇華性物質を昇華させる昇華工程と、
    前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収工程と、を含み、
    前記昇華性物質回収工程が、
    前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲工程と、
    前記雰囲気捕獲工程によって捕獲された雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる第1の排出工程と、
    前記チャンバの外において、排出された雰囲気に含まれる前記昇華性物質の態様を、気体から他の態様に変化させる態様変化工程と、を含み、
    前記雰囲気捕獲工程が、前記チャンバの内部において、基板保持ユニットによって保持されている前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲し、処理カップの内部に取り込む工程を含み、
    前記第1の排出工程が、前記処理カップの内部に取り込まれた雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる工程を含む、基板処理方法。
  2. チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から、前記昇華性物質を昇華させる昇華工程と、
    前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収工程と、を含み、
    前記昇華性物質回収工程が、
    前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲工程と、
    前記雰囲気捕獲工程によって捕獲された雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる第1の排出工程と、
    記チャンバの外に設けられた処理室において、前記チャンバの外に排出された雰囲気に含まれる気体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第1工程を含み、
    前記第1工程によって作成された前記昇華溶液を前記処理室から排出させる溶液排出工程をさらに含む、基板処理方法。
  3. 前記第1工程において、前記溶媒が、室温未満に降温されている、請求項に記載の基板処理方法。
  4. 前記第1工程に並行して、前記処理室の内部を減圧する減圧工程をさらに含む、請求項またはに記載の基板処理方法。
  5. チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から、前記昇華性物質を昇華させる昇華工程と、
    前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収工程と、を含み、
    前記昇華性物質回収工程が、
    前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲工程と、
    前記雰囲気捕獲工程によって捕獲された雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる第1の排出工程と、
    前記チャンバの外に設けられた処理室において、前記チャンバの外に排出された雰囲気に基づいて固体状の前記昇華性物質を作成する昇華固体作成工程と、
    前記昇華固体作成工程によって作成された前記固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第2工程と、
    前記第2工程によって作成された前記昇華溶液を前記処理室から排出させる溶液排出工程と、を含、基板処理方法。
  6. 前記昇華固体作成工程が、前記チャンバの外に排出された雰囲気を冷却する冷却工程を含む、請求項に記載の基板処理方法。
  7. チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から、前記昇華性物質を昇華させる昇華工程と、
    前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収工程と、を含み、
    前記昇華性物質回収工程が、
    前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された固体状の前記昇華性物質を、前記チャンバの内部において溶媒に溶かして昇華溶液を作成する第3工程を含み、
    前記チャンバの内部において、前記第3工程によって作成された前記昇華溶液を捕獲する昇華溶液捕獲工程と、
    前記昇華溶液捕獲工程によって捕獲された前記昇華溶液を、前記チャンバの外に排出させる第2の排出工程と、をさらに含む、基板処理方法。
  8. 前記昇華溶液捕獲工程が、前記チャンバの内部において、基板保持ユニットを包囲する処理カップの内部に存在する前記昇華溶液を、前記基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲し、前記処理カップの内部に取り込む工程を含み、
    前記第2の排出工程が、前記処理カップの内部に取り込まれた前記昇華溶液を、前記チャンバの外に排出させる工程を含む、請求項に記載の基板処理方法。
  9. 前記昇華工程に並行して、前記基板の表面に対向部材の対向面を対向させることにより、前記昇華工程において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれる前記昇華性物質を前記対向面に析出させる対向面析出工程をさらに含み、
    前記第3工程が、前記対向面に析出された前記固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして前記昇華溶液を作成する第4工程を含む、請求項またはに記載の基板処理方法。
  10. 前記第4工程が、前記対向面に前記溶媒を供給する工程を含む、請求項に記載の基板処理方法。
  11. 前記対向面析出工程が、室温未満に降温されている前記対向面を、前記基板の表面に対向させる工程を含む、請求項または10に記載の基板処理方法。
  12. 前記対向面析出工程に並行して、前記対向面の吐出口から気体を吐出しない、請求項11のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  13. 前記チャンバの内部において、前記昇華性物質を含む昇華液を前記基板の表面に供給して、前記基板の表面に前記昇華液の液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記液膜を凝固させて前記凝固膜を形成する凝固膜形成工程と、をさらに含み、
    前記液膜形成工程が、前記昇華性物質回収工程によって回収された前記昇華性物質を用いて作成された前記昇華液を、前記基板の表面に供給する工程を含む、請求項に記載の基板処理方法。
  14. 前記昇華液が、前記昇華性物質と溶媒とを含む昇華溶液であり、
    前記昇華性物質回収工程によって回収された前記昇華性物質に基づいて前記昇華溶液を作成する第5工程をさらに含み、
    前記液膜形成工程が、前記第5工程によって作成された前記昇華溶液を、前記昇華液として前記基板の表面に供給する工程を含む、請求項13に記載の基板処理方法。
  15. チャンバと、
    前記チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から前記昇華性物質を昇華させる昇華ユニットと、
    前記昇華性物質の昇華において基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収ユニットと、を含み
    前記昇華性物質回収ユニットが、
    前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、
    前記チャンバの外において、排出された雰囲気に含まれる前記昇華性物質の態様を、気体から他の態様に変化させる態様変化ユニットと、を含み、
    前記雰囲気捕獲ユニットが、前記チャンバの内部において、基板保持ユニットによって保持されている前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記基板保持ユニットの周囲を包囲する捕獲口によって捕獲し、処理カップの内部に取り込み、前記処理カップの内部に取り込まれた雰囲気を、前記チャンバの外に排出させる、基板処理装置。
  16. チャンバと、
    前記チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から前記昇華性物質を昇華させる昇華ユニットと、
    前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収ユニットと、を含み、
    前記昇華性物質回収ユニットが、
    前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、
    前記チャンバの外に設けられ、前記チャンバの外に排出された雰囲気に含まれる気体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する処理室と、を含み、
    前記処理室において作成された前記昇華溶液が前記処理室から排出される、基板処理装置。
  17. チャンバと、
    前記チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から前記昇華性物質を昇華させる昇華ユニットと、
    前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収ユニットと、を含み、
    前記昇華性物質回収ユニットが、
    前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気を、前記チャンバの内部において捕獲する雰囲気捕獲ユニットと、
    前記チャンバの外に設けられ、前記チャンバの外に排出された雰囲気に基づいて固体状の前記昇華性物質を作成し、前記固体状の前記昇華性物質を溶媒に溶かして昇華溶液を作成する処理室と、を含み、
    前記処理室において作成された前記昇華溶液が前記処理室から排出される、基板処理装置。
  18. チャンバと、
    前記チャンバの内部において、基板の表面に形成された凝固膜であって昇華性物質を含む凝固膜から前記昇華性物質を昇華させる昇華ユニットと、
    前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に含まれていた前記昇華性物質を回収して、前記チャンバの外に排出する昇華性物質回収ユニットと、を含み、
    前記昇華性物質回収ユニットが、
    前記昇華性物質の昇華において前記基板の表面の周囲に存在する雰囲気に基づいて作成された固体状の前記昇華性物質を、前記チャンバの内部において溶媒に溶かして昇華溶液を作成するユニットと、
    前記チャンバの内部において、作成された前記昇華溶液を捕獲する昇華溶液捕獲ユニットと、を含み、
    前記昇華溶液捕獲ユニットによって捕獲された前記昇華溶液が、前記チャンバの外に排出される、基板処理装置。
JP2019023671A 2019-02-13 2019-02-13 基板処理方法および基板処理装置 Active JP7288764B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019023671A JP7288764B2 (ja) 2019-02-13 2019-02-13 基板処理方法および基板処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019023671A JP7288764B2 (ja) 2019-02-13 2019-02-13 基板処理方法および基板処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020136313A JP2020136313A (ja) 2020-08-31
JP7288764B2 true JP7288764B2 (ja) 2023-06-08

Family

ID=72263542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019023671A Active JP7288764B2 (ja) 2019-02-13 2019-02-13 基板処理方法および基板処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7288764B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023046627A (ja) * 2021-09-24 2023-04-05 株式会社Screenホールディングス 基板処理方法と基板処理装置と処理液

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012243869A (ja) 2011-05-17 2012-12-10 Tokyo Electron Ltd 基板乾燥方法及び基板処理装置
WO2018030516A1 (ja) 2016-08-12 2018-02-15 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012243869A (ja) 2011-05-17 2012-12-10 Tokyo Electron Ltd 基板乾燥方法及び基板処理装置
WO2018030516A1 (ja) 2016-08-12 2018-02-15 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置、基板処理方法および記憶媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020136313A (ja) 2020-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI698906B (zh) 基板處理方法以及基板處理裝置
TWI254968B (en) Substrate treating apparatus and substrate treating method
CN108475631B (zh) 基板处理方法
KR102504971B1 (ko) 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치
TWI746998B (zh) 基板處理方法及基板處理裝置
TWI723347B (zh) 基板處理方法及基板處理裝置
CN109427623B (zh) 基板干燥方法和基板处理装置
TWI775574B (zh) 基板處理方法及基板處理裝置
KR102475175B1 (ko) 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법
TWI708339B (zh) 基板處理方法及基板處理裝置
JP7288764B2 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
KR102518117B1 (ko) 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치
JP7265879B2 (ja) 基板乾燥方法および基板処理装置
JP7126429B2 (ja) 基板処理方法および基板処理装置
TWI673115B (zh) 基板處理裝置及基板處理方法
TWI735012B (zh) 基板處理方法及基板處理裝置
JP2023118945A (ja) 基板処理方法および基板処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230529

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7288764

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150