JP7288560B1 - 磁気粘性流体及び機械装置 - Google Patents

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Abstract

磁性粒子、エステル系合成油、エーテル系合成油、炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレンから選択される少なくとも一種、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体、及び、シリコーンオイルを含有する、磁気粘性流体。

Description

本発明は、磁気粘性流体及び機械装置に関する。特に、ブレーキ、クラッチ、防振装置、制振装置のダンパといった各種機械装置等における物体間に作用する摩擦力を制御するために用いる磁気粘性流体及び機械装置に関する。
磁気粘性(Magneto Rheological:MR)流体は、磁化可能な金属粒子である磁性粒子を分散媒中に分散させた流体である。磁気粘性流体は、磁場の作用がないときには分散媒中に磁性粒子がランダムに浮遊しており、流体として機能する。一方、磁場を作用させたときには、磁性粒子が多数のクラスターを形成して増粘し、内部応力が増大する。
磁気粘性流体は、上述の内部応力の増大によって剛体のように機能し、せん断流れや圧力流れに対して抗力を示す。このような特性を有するため、磁気粘性流体は、ブレーキ、クラッチ、防振装置、制振装置のダンパといった各種機械装置等において、物体間に作用する摩擦力を制御するために利用されている。
このため、磁気粘性流体に磁場を作用させているとき(励磁時)のせん断流れや圧力流れに対する抗力(以下、「励磁時の抗力」とも言う)は大きいほうが好ましい。なお、励磁時の抗力は、トルク値、粘度、またはせん断応力等を測定することにより評価されている。本明細書においては、励磁時の抗力を、励磁時の粘度を測定することにより、評価している。
また、ブレーキ、クラッチ、防振装置、制振装置のダンパといった各種機械装置等において、物体間に作用する摩擦力が安定するため、励磁時の抗力は経時安定性に優れているほうが良い。
特許文献1には、磁気粘性流体として、キャリア流体中に、磁性粒子と、粘土鉱物系分散安定剤と、界面活性剤とを所定量含有させてなるものが提案されている。
特開2002-121578号公報
特許文献1に記載の磁気粘性流体は、励磁時の抗力が小さく満足のいくものでない。また、この磁気粘性流体は励磁時の抗力の経時安定性においても満足のいくものでなかった。このように、良好な励磁時の抗力と抗力の経時安定性を有する磁気粘性流体の開発が待ち望まれている。
本発明は以上の点に着目し成されたもので、良好な励磁時の抗力と抗力の経時安定性を有する磁気粘性流体及び機械装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するため、以下の[1]~[8]のように特定される。
[1]磁性粒子、
エステル系合成油、エーテル系合成油、炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレンから選択される少なくとも一種、
シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体、及び、
シリコーンオイル
を含有する、磁気粘性流体。
[2]前記エステル系合成油が、ポリオールエステル、二塩基酸エステルから選択される少なくとも一種である前記[1]に記載の磁気粘性流体。
[3]前記ポリオールエステルが、ヒンダードエステルである、前記[2]に記載の磁気粘性流体。
[4]前記二塩基酸エステルが、脂肪族二塩基酸エステルである、前記[2]に記載の磁気粘性流体。
[5]前記脂肪族二塩基酸エステルは、炭素数2~10の脂肪族ジカルボン酸と、炭素数1~10のアルコールとのエステルである、前記[4]に記載の磁気粘性流体。
[6]前記エーテル系合成油が、ポリアルキレングリコール類である前記[1]に記載の磁気粘性流体。
[7]前記ポリアルキレングリコール類が、下記式(1)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種である前記[6]に記載の磁気粘性流体。
1-O-(R2-O)n-R3 (1)
[式(1)中、R1およびR3は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1~18のアルキル基を示し、R2は炭素数が2~4のアルキレン基を示し、nは2~30の整数を示す。]
[8]前記[1]~[7]のいずれかに記載の磁気粘性流体を用いた機械装置。
本発明の実施形態によれば、良好な励磁時の抗力と抗力の経時安定性を有する磁気粘性流体及び機械装置を提供することができる。
実施例1の磁気粘性流体において、走査型電子顕微鏡により撮影した電子顕微鏡写真図(倍率:15,000倍)である。 実施例1の磁気粘性流体において、磁性粒子の一部分を拡大した模式図である。 実施例2、比較例1、比較例2における、経過時間と粘度の関係を表したグラフである。 実施例2、実施例11、実施例13、比較例4における、経過時間と粘度の関係を表したグラフである。
以下、本発明の磁気粘性流体及び機械装置の実施形態について説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
なお、本明細書中、数値範囲を表す「~」は、その上限値及び下限値としてそれぞれ記載されている数値を含む範囲を表す。また、数値範囲において上限値のみ単位が記載されている場合は、下限値も上限値と同じ単位であることを意味する。
本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値または下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよい。
また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値または下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において組成物中の各成分の含有率または含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率または含有量を意味する。
(磁気粘性流体)
本実施形態に係る磁気粘性流体は、磁性粒子、特定の基油、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体、及び、シリコーンオイルを含有する。このような構成により、本実施形態に係る磁気粘性流体は良好な励磁時の抗力と抗力の経時安定性を有する。この理由について、エステル系合成油の一種であるヒンダードエステルとシリコーンオイルの一種であるジメチルシリコーンオイルを例として以下に説明する。
磁性粒子1は、ヒンダードエステル2中で分散している(図1参照)。そして、磁性粒子1の表面は以下の様な状態であるものと推測される。すなわち、磁性粒子1は陽イオン性を有しているため、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体3を吸着している。また、ジメチルシリコーンオイル4は表面エネルギーが小さく、溶解度パラメータの大きいヒンダードエステル2に溶解せずに分散している。さらに、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体3と、ジメチルシリコーンオイル4とは、共にシロキサン結合を有しているため親和性が高く、ジメチルシリコーンオイル4は、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体3を吸着した磁性粒子1を取り囲んだ状態で存在しているものと推測される(図2参照)。
この状態で磁場を印加させると、ジメチルシリコーンオイル4で取り囲まれた磁性粒子1同士が速やかに結合しクラスター化する。ジメチルシリコーンオイル4が磁性粒子1の周囲に存在していることにより、磁性粒子1の過度の凝集が抑制されている。このため、磁場を印加させて抗力(粘度)を測定する場合には、せん断力が生じるものの、クラスターが崩壊することがなく、その抗力が高く安定することで、励磁時の抗力が大きく、抗力の経時安定性が良好な磁気粘性流体が得られると推測される。
以下、本実施形態に係る磁気粘性流体に含まれる各成分について説明する。
1.磁性粒子
本実施形態に係る磁気粘性流体に含まれる磁性粒子は、目的とする透磁率に応じて選択することができる。例えば、マグネタイト、カルボニル鉄、γ酸化鉄、マンガンフェライト、コバルトフェライト、またはこれらと亜鉛、ニッケルとの複合フェライトやバリウムフェライト等の強磁性酸化物;鉄、コバルト、希土類等の強磁性金属;窒化金属;センダスト(登録商標)、パーマロイ(登録商標)、スーパーマロイ(登録商標)等の各種合金等が挙げられる。これらの中でも、保磁力が小さく透磁率が大きい軟磁性材料である点でカルボニル鉄が好ましい。カルボニル鉄は、ペンタカルボニル鉄(Fe(CO)5)の熱分解により製造される高純度の金属粒子である。
なお、磁性粒子は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る磁気粘性流体では、外部から磁場が加えられたとき分散した磁性粒子が磁場の方向に配向して鎖状のクラスターを形成することにより、増粘し、その流動特性や降伏応力が変化する。このような挙動を示すように磁性粒子の平均粒子径は定められる。具体的には、0.1~100μmの範囲であることが好ましい。当該磁性粒子の平均粒子径の下限値は1μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることが更により好ましく、10μm以上であることが更により好ましい。当該磁性粒子の平均粒子径の上限値は80μm以下であるのがより好ましく、60μm以下であるのが更により好ましく、50μm以下であるのが更により好ましく、40μm以下であるのが更により好ましい。磁性粒子の形状は、分散が容易になるため、球状、またはほぼ球状であることが好ましい。
なお、磁性粒子の平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定される平均一次粒子径である。
磁性粒子の含有率は、本実施形態に係る磁気粘性流体全量に対して、30~90質量%の範囲であることが好ましい。磁性粒子の含有率を本実施形態に係る磁気粘性流体全量に対して、30~90質量%の範囲とすることにより、磁場を作用させたときに必要な抗力が得られるとともに、磁性粒子の分散性を維持できるため、流体としても機能する。当該磁性粒子の含有率の下限値は、40質量%以上であるのがより好ましく、45質量%以上であるのが更により好ましく、50質量%以上であるのが更により好ましい。当該磁性粒子の含有率の上限値は、85質量%以下であるのがより好ましく、80質量%以下であるのが更により好ましく、75質量%以下であるのが更により好ましい。
2.基油
本実施形態に係る磁気粘性流体に含まれる基油は、エステル系合成油、エーテル系合成油、炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレンから選択される少なくとも一種である。以下、本明細書において、特段の断りのない場合、単に「基油」とは、エステル系合成油、エーテル系合成油、炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレンのいずれかであることを意味する。基油は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
2-1.エステル系合成油
エステル系合成油としては、例えば、モノエステル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル(ジエステル)、ポリオキシアルキレングリコールエステル等が挙げられる。このうち、モノエステルとしては、例えば炭素数12~30のモノエステルが好ましく、例えば、2-エチルヘキシルラウレート、2-エチルヘキシルパルミテート、n-ブチルステアレートなどが挙げられる。ポリオールエステルとは、多価アルコール(ポリオール)と、直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和脂肪酸とのエステルをいう。ポリオールエステルとしては、例えば、ヒンダードエステルが挙げられる。エステル系合成油は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
<ヒンダードエステル>
本実施形態に係る磁気粘性流体に含まれるエステル系合成油の一種であるヒンダードエステルについて、以下に詳述する。
ヒンダードエステルは、分子内に四級炭素を一つ以上有し、かつ当該四級炭素の少なくとも一つにメチロール基が1~4個結合してなるヒンダードポリオールと、脂肪族モノカルボン酸とのエステルである。ヒンダードエステルは、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
ヒンダードポリオールとして、例えば、トリメチロールプロパン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、ジペンタエリスリトール(DPE)、ネオペンチルグリコール(NPG)、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール(MPPD)等が挙げられる。これらのヒンダードポリオールの中では、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが、得られるヒンダードエステルの引火点が高くなるため好ましく、トリメチロールプロパンが、得られるヒンダードエステルの流動点が低くなるためより好ましい。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数5~15の脂肪族モノカルボン酸が好ましい。脂肪族モノカルボン酸のアシル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。脂肪族モノカルボン酸の脂肪族基は脂肪族飽和炭化水素基(アルキル基)又は脂肪族不飽和炭化水素基のいずれであってもよい。脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、吉草酸(ペンタン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、エナント酸(へプタン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ウンデカン酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、トリデカン酸、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、ペンタデカン酸等の飽和脂肪族カルボン酸;ペンテン酸、ヘキセン酸、へプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、フィセテリン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、ソルビン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸等が挙げられる。これらの脂肪族モノカルボン酸は、エステル化の際、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。脂肪族モノカルボン酸の炭素数は6以上であることがより好ましい。脂肪族モノカルボン酸の炭素数を5以上とすると、得られるヒンダードエステルの引火点が高くなるため好ましい。脂肪族モノカルボン酸の炭素数を12以下とするとより好ましい。脂肪族モノカルボン酸の炭素数を10以下とすると特に好ましい。脂肪族モノカルボン酸の炭素数を15以下とすると、得られるヒンダードエステルの溶解度パラメータを向上させることができる点で好ましい。
なお、特に言及しない限り、本発明において脂肪族モノカルボン酸の炭素数には、当該脂肪族モノカルボン酸が有するカルボキシ基(-COOH)の炭素原子も含まれる。
<二塩基酸エステル>
本実施形態に係る磁気粘性流体に含まれるエステル系合成油の一種である二塩基酸エステルについて、以下に詳述する。
二塩基酸エステルとしては、炭素原子数2~10のジカルボン酸と炭素原子数1~10のアルコールとのエステルを挙げることができる。
炭素原子数2~10のジカルボン酸として、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、2-メチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸及びセバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等を挙げることができる。
炭素原子数1~10のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、イソノニルアルコール、デシルアルコール及びイソデシルアルコール等が挙げられる。
より、具体的には、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジイソブチル、セバシン酸ジ(2-エチルヘキシル)、セバシン酸ジイソデシル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル等が挙げられる。
これらの中で、炭素原子数2~10の脂肪族ジカルボン酸と炭素原子数1~10のアルコールとのエステルである脂肪族二塩基酸エステルが、励磁時の抗力の経時安定性がより向上するため好ましい。
上記の脂肪族二塩基酸エステルの中では、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジ(2-エチルヘキシル)等の炭素原子数6~10の脂肪族ジカルボン酸と炭素原子数4~10のアルコールとのエステルである二塩基酸エステルが好ましい。特に、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)、セバシン酸ジ(2-エチルヘキシル)等の炭素原子数6~10の脂肪族ジカルボン酸と炭素原子数4~8のアルコールとのエステルである二塩基酸エステルが好ましい。これらのジカルボン酸とアルコールは、それぞれ、エステル化の際、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
なお、特に言及しない限り、本発明において脂肪族ジカルボン酸の炭素数には、当該脂肪族ジカルボン酸が有するカルボキシ基(-COOH)の炭素原子も含まれる。また、特に言及しない限り、本発明において芳香族カルボン酸の炭素数には、当該芳香族カルボン酸が有する芳香環の炭素原子も含まれる。二塩基酸エステルは、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
2-2.エーテル系合成油
エーテル系合成油としては、例えば、ポリビニルエーテル類、ポリアルキレングリコール類、ポリフェニルエーテル類、パーフルオロエーテル類等が挙げられる。エーテル系合成油は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
<ポリアルキレングリコール類>
本実施形態に係る磁気粘性流体に含まれるエーテル系合成油の一種であるポリアルキレングリコール類について、以下に詳述する。
ポリアルキレングリコール類としては、下記式(1)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
1-O-(R2-O)n-R3 (1)
式(1)中、R1およびR3 は同一でも異なっていてもよく、R1およびR3は、それぞれ水素原子または炭素数が1~18のアルキル基を示す。R2は炭素数が2~4のアルキレン基を示す。nは2~30の整数を示す。
なお、式(1)中のR1およびR3の双方が水素原子である場合、上記式(1)で表される化合物はポリアルキレングリコールである。また、式(1)中のR1またはR3の一方が水素原子である場合、式(1)で表される化合物はポリアルキレングリコールのモノエーテル化物である。また、式(1)中のR1およびR3の双方がアルキル基である場合、式(1)で表される化合物はポリアルキレングリコールのジエーテル化物である。
式(1)中のR1とR3の一方または双方がアルキル基の場合、そのアルキル基の炭素数は5~18であることが好ましく、6~15であることがより好ましく、8~14であることが特に好ましい。
アルキル基の炭素数が5以上とすることにより、極性を有するため励磁時の粘度が向上することが期待できる。
入手容易性の観点からアルキル基の炭素数は18以下とすることが好ましい。アルキル基は、直鎖状でも分岐状であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、およびオクタデシル基等が挙げられる。
式(1)中のR2で表されるアルキレン基の炭素数は2~4であることが好ましい。アルキレン基の炭素数が2~4である場合に励磁前の粘度を低下させることができる。アルキレン基の炭素数が2~4のものとして、具体的にはエチレン基、プロピレン基(1-メチルエチレン基および2-メチルエチレン基を含む)、トリメチレン基、ブチレン基、(1-エチルエチレン基および2-エチルエチレン基を含む)、1,2-ジメチルエチレン基、2,2-ジメチルエチレン基、1-メチルトリメチレン基、2-メチルトリメチレン基、3-メチルトリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
なお、式(1)で表される化合物は、同一分子内のR2が一種である単独重合体でもよく、同一分子内のR2が二種以上である共重合体であってもよい。さらに、式(1)で表される化合物が共重合体である場合には、当該共重合体を構成するモノマー比およびモノマーの配列は特に限定されず、ランダム共重合体、交互共重合体およびブロック共重合体のいずれであってもよい。
式(1)中のnは、2~30の範囲の整数であることが好ましく、5~30の範囲の整数であることがより好ましく、7~15の範囲の整数であることが特に好ましい。
2-3.炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレン
炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレンとしては、例えば、デシルナフタレン、ウンデシルナフタレン、ドデシルナフタレン、トリデシルナフタレン、テトラデシルナフタレン、ペンタデシルナフタレン、ヘキサデシルナフタレン、ヘプタデシルナフタレン、オクタデシルナフタレン、ノナデシルナフタレン、イコシルナフタレン、ジ(デシル)ナフタレン、ジ(ウンデシル)ナフタレン、ジ(ドデシル)ナフタレン、ジ(トリデシル)ナフタレン、ジ(テトラデシル)ナフタレン、ジ(ペンタデシル)ナフタレン、ジ(ヘキサデシル)ナフタレン、ジ(ヘプタデシル)ナフタレン、ジ(オクタデシル)ナフタレン、ジ(ノナデシル)ナフタレン、ジ(イコシル)ナフタレンが挙げられる。また、これらの全ての異性体も挙げられる。炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレンは、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
基油の溶解度パラメータの下限は8.5(cal/cm31/2が好ましく、8.8(cal/cm31/2がより好ましく、9.0(cal/cm31/2が特に好ましい。基油の溶解度パラメータの上限は、12.0(cal/cm31/2であることが好ましく、11.0(cal/cm31/2であることがより好ましく、10.0(cal/cm31/2であることが特に好ましい。溶解度パラメータを8.5(cal/cm31/2以上とすることで、基油と後述するシリコーンオイルとを非相溶性とすることができる点でより好ましい。
溶解度パラメータを12.0(cal/cm31/2以下とすると、基油の耐熱性を向上させることができる点でより好ましい。
なお、溶解度パラメータ(SP値)は、Fedorsらが提案した方法「Polymer Engineering and Science,14,147-154(1974)参照」に従って計算することができる。
すなわち、次式に基づき計算することができる。
SP値δ=(Σ△e/Σ△v)1/2
(上式中、△eは、25℃における各原子または原子団の蒸発エネルギーであり、△vは、同温度における各原子または原子団のモル容積である。)
基油の40℃における動粘度は、50.0mm2/s以下であることが好ましく、5.0~40.0mm2/sの範囲であることがより好ましい。基油の40℃における動粘度を50.0mm2/s以下とすることにより、磁性粒子を分散させることが容易となる点でより好ましい。
なお、動粘度は、JIS K2283:2000動粘度試験方法により測定される動粘度である。
基油の引火点は、200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましい。
基油の引火点が、200℃以上であれば、消防法上の分類が第3石油類から第4石油類となるため、危険物取扱量(指定数量)を増加させることができる点でより好ましい。なお、引火点は、JIS K2265-4:2007(クリーブランド開放(COC)法)に準拠して測定される引火点である。
基油の流動点は、-10℃以下が好ましく、-20℃以下がより好ましく、-30℃以下が特に好ましく、-50℃以下が最も好ましい。流動点が-10℃以下であると低温流動性に優れる点でより好ましい。なお、流動点は、JIS K2269:1987に準拠して測定される流動点である。
基油の含有率の下限値は、本実施形態に係る磁気粘性流体全量に対して10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。基油の含有率を10質量%以上とすることで、磁性粒子を分散させることができ、流動性も向上させることができる。基油の含有率の上限値は、本実施形態に係る磁気粘性流体全量に対して70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。基油の含有率を70質量%以下とすることで、励磁時の磁気特性を向上させることができる点でより好ましい。
本実施形態に係る磁気粘性流体には、本発明の効果を損なわない範囲で、エステル系合成油、エーテル系合成油、炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレン以外の基油、例えば、鉱油、ポリαオレフィン、αオレフィン等が含まれていてもよい。
3.シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体
本実施形態に係る磁気粘性流体は、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体、及び、後述のシリコーンオイルを含むため、磁気粘性流体の励磁時の抗力が大きくなり、抗力の経時安定性も向上する。
より具体的には、磁性粒子は、基油中で分散している。磁性粒子は陽イオン性を有しているため、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体を吸着している。また、シリコーンオイルは、表面エネルギーが小さく、溶解度パラメータの大きい基油に溶解せずに分散している。さらに、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体と、シリコーンオイルは、双方がSiを有しているため親和性が高く、シリコーンオイルは、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体を吸着した磁性粒子を取り囲んだ状態で存在しているものと推測している。
この状態で、磁場を印加させると、シリコーンオイルで取り囲まれた磁性粒子同士が速やかに結合しクラスター化する。シリコーンオイルが磁性粒子の周囲に存在していることにより、磁性粒子の過度の凝集が抑制されている。このため、磁場を印加させて抗力(粘度)を測定する場合には、せん断力が生じるものの、クラスターが崩壊することがなく、その抗力が高く安定することで、励磁時の抗力が大きく、抗力の経時安定性が良好な磁気粘性流体が得られると推測される。
<シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体>
シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体としては、例えば、ゼオライト、シリカ、層状ケイ酸塩等が挙げられる。これらの中で、耐摩耗性を考慮すると、ゼオライトが好ましい。シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。天然産、合成品の何れも用いることができる。
ゼオライトとは、陰イオン性を有する結晶性の多孔質アルミノケイ酸塩の骨格と、この骨格に吸着した陽イオン性の金属元素Mとで構成される。より具体的には、四面体構造であるSiO4とAlO4を基本構造単位とし、これらが3次元的に連結することで細孔(空隙)を有する結晶を形成し、この空隙に結晶水や陽イオン性の金属元素Mが吸着した構造をしたものである。ゼオライトの結晶構造は、特に限定されず、具体的にはA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、ZSM-5、ZSM-11、シリカライト、フェリエライト、モルデナイト、クリノプチロライト、ポーリンガイト等が挙げられる。
層状ケイ酸塩とは、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で層状に積み重なった結晶構造をとるケイ酸塩化合物である。層状ケイ酸塩は、層全体に負電荷をもっている場合が多く、その負電荷を中和するために層間に大型の陽イオンが入り込む。層電荷が小さいので、この陽イオンは、溶液中の陽イオンと交換可能であり、陽イオン交換性を有している。層状ケイ酸塩として、例えば、スメクタイト族(ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト)、バーミキュライト、カオリン族(カオリナイト、ハロイサイト、クリソタイル、アメサイト)、雲母族(白雲母、黒雲母、鉄雲母、金雲母、白水雲母、ソーダ雲母、シデロフィライト、イーストナイト、ポリリシオ雲母、トリリシオ雲母、リチア雲母、チンワルド雲母、マーガライト、イライト、海縁石)、タルク、パリゴルスカイト、セピオライト、マガディアイト、カネマイト、ケニヤアイト、合成フッ素雲母等が挙げられる。これらの中で、イオン交換容量の大きさの観点から、スメクタイト族、バーミキュライト、合成フッ素雲母が好ましい。
シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体の陽イオン交換容量は、30meq/100g以上であることが好ましく、60meq/100g以上であることがより好ましく、150meq/100g以上であることが特に好ましい。
シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体の陽イオン交換容量は、400meq/100g以下であることが好ましく、350meq/100g以下であることがより好ましく、300meq/100g以下であることが特に好ましい。
シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体の陽イオン交換容量として、モルデナイトは260meq/100g、合成フッ素雲母は120meq/100g 、スメクタイト族は60~150meq/100g、モンモリロナイトは80~150meq/100g、バーミキュライトは100~150meq/100gである。
シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体の含有率の下限値は、本実施形態に係る磁気粘性流体全量に対して0.8質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましく、1.3質量%以上であることが特に好ましい。含有率を0.8質量%以上とすることで、磁場を印加していない状態で磁性粒子の凝集を抑制できる点でより好ましい。
シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体の含有率の上限値は、本実施形態に係る磁気粘性流体全量に対して4.0質量%以下であることが好ましく、3.5質量%以下であることがより好ましく、3.0質量%以下であることが更により好ましい。含有率を4.0質量%以下とすることで、磁場を印加させた際に、磁性粒子のクラスターを適切に形成できる点でより好ましい。
4.シリコーンオイル
シリコーンオイルは、基油と非相溶性のものであれば、特に制限なく用いることができる。シリコーンオイルは、ストレートシリコーンオイルと、変性シリコーンオイルとに大別される。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、反応性シリコーンオイル、非反応性シリコーンオイルが挙げられる。反応性シリコーンオイルは、例えば、アミノ変性タイプ、エポキシ変性タイプ、カルボキシ変性タイプ、カルビノール変性タイプ、メタクリル変性タイプ、メルカプト変性タイプ、フェノール変性タイプ等の各種シリコーンオイルが挙げられる。非反応性シリコーンオイルは、ポリエーテル変性タイプ、メチルスチリル変性タイプ、アルキル変性タイプ、高級脂肪酸エステル変性タイプ、親水性特殊変性タイプ、高級脂肪酸含有タイプ、フッ素変性タイプ等が挙げられる。この中で、ジメチルシリコーンオイル、フッ素変性タイプのシリコーンオイルが表面エネルギーが小さいため好ましく、入手容易性を考慮するとジメチルシリコーンオイルがより好ましい。
シリコーンオイルの含有率の下限値は、本実施形態に係る磁気粘性流体全量に対して0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。含有率を0.5質量%以上とすることで、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体が付着した磁性粒子を取り囲むことができる点でより好ましい。
シリコーンオイルの含有率の上限値は、本実施形態に係る磁気粘性流体全量に対して3.0質量%以下であることが好ましく、2.5質量%以下であることがより好ましい。含有率を3.0質量%以下とすることで、磁性粒子の分散性の低下を防止できる点でより好ましい。
シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体とシリコーンオイルの配合比は質量比で2:8~8:2の範囲であると好ましく、3:7~7:3の範囲であるとより好ましい。
2:8~8:2の範囲であると励磁時の抗力の経時安定性を向上させることができる点でより好ましい。
基油とシリコーンオイルとの溶解度パラメータの差の絶対値は、1.3(cal/cm31/2以上であることが好ましく、1.5(cal/cm31/2以上であることがより好ましく、1.8(cal/cm31/2以上であることが特に好ましい。基油とシリコーンオイルとの溶解度パラメータの差の絶対値が、1.3(cal/cm31/2以上であると、基油とシリコーンオイルとの非相溶性を向上させることができる点でより好ましい。
5.その他の成分
本実施形態に係る磁気粘性流体は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記した各成分に加えて、目的に応じて、さらに種々のその他の成分を併用してもよい。
その他の成分としては、例えば、耐摩耗剤、分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、流動性向上剤、沈降抑制剤、流動点降下剤、極圧剤、さび止め剤、酸化防止剤、腐食防止剤、金属不活性剤、消泡剤等が挙げられる。
耐摩耗剤としては、例えば、スルフィド類、スルフォキシド類、スルホン類、チオホスフィネート類等の硫黄系化合物、塩素化炭化水素等のハロゲン系化合物、ジチオリン酸モリブデン(MoDTP)、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)、リン酸トリクレジル等の有機金属系化合物等が挙げられる。
耐摩耗剤は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
分散剤は、磁性粒子の基油への分散性を向上させるために添加され、公知の低分子系分散剤や高分子系分散剤等が挙げられる。分散剤は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
粘度調整剤としては、例えば、ひまし油、水添ひまし油、脂肪酸アミド、蜜ロウ、カルナバワックス、ベンリジデンソルビトール、金属石鹸、酸化ポリエチレン、硫酸エステル系アニオン活性剤、ポリオレフィン、(メタ)アクリル酸エステル、ポリイソブチレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリアルキルスチレン等が挙げられる。
粘度調整剤は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
流動性向上剤としては、変性シリコーンオイルが挙げられる。例えば、ストレートシリコーンオイルを、アルキル、アラルキル、ポリエーテル、高級脂肪酸エステル、アミノ、エポキシ、カルボキシル、アルコール等により変性したものが挙げられる。なお、変性シリコーンオイルは、基油と相溶するものであっても良い。流動性向上剤は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
<磁気粘性流体の粘度>
本実施形態に係る磁気粘性流体の励磁前の粘度は、40℃において0.03~1.0Pa・sの範囲であることが好ましく、0.03~0.6Pa・sの範囲であることがより好ましい。なお、励磁前の粘度の測定条件は以下の通りである。
磁気測定オプションを装着したTAインスツルメント社製レオメータDHR-2の試験用プレートに磁気粘性流体を3ml注入し、40℃の雰囲気下100μmギャップ20回転にて粘度(Pa・s)を測定する。
<磁気粘性流体の磁気特性>
本実施形態に係る磁気粘性流体は、励磁時の抗力が大きく(良好な励磁時の抗力を有する)、抗力の経時安定性が良好であるという特性を有する。励磁時の抗力が大きいとは、本実施形態に係る発明の磁気粘性流体において、磁性粒子の含有割合が質量比で2/3である場合の、以下の条件下における励磁時の粘度の最大値が、230Pa・s以上であることをいう。また、励磁時の粘度の最大値が、230Pa・s以上であることが好ましく、240Pa・s以上であることがより好ましい。励磁時の粘度の最小値が、200Pa・s以上であることが好ましく、210Pa・s以上であることがより好ましい。
また、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体とシリコーンオイルとを含んでいるため、優れた励磁時の抗力の経時安定性(粘度経時安定性)が得られる。励磁時の抗力の経時安定性(粘度経時安定性)に優れるとは、後述する安定化率Cが90%以上であることをいう。また、安定化率Cが90%以上であることが好ましく、安定化率Bが80%以上であることがより好ましく、安定化率Aが80%以上であることが更に好ましく、安定化率Aが90%以上であることが特に好ましい。
励磁時の粘度は、励磁前の粘度を測定した装置と同じ測定装置を用い、同じ温度雰囲気下において、測定開始後5秒後に直流0.8Tの磁場を印加し、測定開始後215秒後にその磁場の印加を停止し、磁場を印加している210秒間の粘度をいう。
安定化率A~C(%)それぞれは、次式に基づき算出される。
安定化率A(%)=(安定化時間A/全印加時間)×100
なお、安定化時間Aとは、励磁時の粘度の最大値の97~100%に相当する印加時間を示す。
安定化率B(%)は、次式に基づき算出される。
安定化率B(%)=(安定化時間B/全印加時間)×100
なお、安定化時間Bとは、励磁時の粘度の最大値の95~100%に相当する印加時間を示す。
安定化率C(%)は、次式に基づき算出される。
安定化率C(%)=(安定化時間C/全印加時間)×100
なお、安定化時間Cとは、励磁時の粘度の最大値の90~100%に相当する印加時間を示す。
(磁気粘性流体の製造方法)
本実施形態に係る磁気粘性流体の製造方法は、特に限定されない。例えば、磁性粒子、特定の基油と、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体、及び、シリコーンオイル、更に所望により添加されるその他の成分を、各所定量、ホモジナイザー、ビーズミル、メカニカルミキサー等の高せん断力が与えられる処理機で混合する方法が挙げられる。なお、磁気粘性流体の製造においては必要に応じ加温または冷却してもよい。
(磁気粘性流体を用いた機械装置)
本実施形態に係る磁気粘性流体は、良好な励磁時の抗力及び経時安定性を備える。このため、物体間に作用する摩擦力を制御するために用いられるブレーキ、クラッチ、防振装置、制振装置のダンパといった各種機械装置に本実施形態に係る磁気粘性流体を適用することができる。
以下に本発明の実施例を示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
<実施例1~14、比較例1~6>
表1~3に示す各成分を、その記載の質量比に基づきビーカーに入れ、セイコーアドバンス社製の万能型振動撹拌機AD-MIXを用いて40Hzにて室温で5分間撹拌し、磁気粘性流体を製造した。表1~3に示す各成分の原料を以下に示す。
(A)磁性粒子
(a1)カルボニル鉄(平均粒子径D50=6.0μm)
(B)基油
<ヒンダードエステル>
(b1)トリメチロールプロパントリオクタン酸エステル(SP値:9.1(cal/cm31/2、40℃における動粘度16.0mm2/s、引火点260℃、流動点-57℃)
(b2)ペンタエリスリトール-テトラ-n-ヘキサン酸エステルとペンタエリスリトール-テトラ-n-オクタン酸エステルの混合物(SP値:9.4(cal/cm31/2、40℃における動粘度24.8mm2/s、引火点266℃、流動点-57℃)
<二塩基酸エステル>
(b3)アジピン酸ジイソデシル(SP値:8.9(cal/cm31/2、40℃における動粘度14.2mm2/s、引火点232℃、流動点-63℃)
(b4)アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)(SP値:8.9(cal/cm31/2、40℃における動粘度7.8mm2/s、引火点205℃、流動点-68℃)
(b5)フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(SP値:9.5(cal/cm31/2、40℃における動粘度27.0mm2/s、引火点218℃、流動点-55℃)
<ポリアルキレングリコール類>
(b6)ポリオキシエチレンドデシルエーテル(SP値:9.5(cal/cm31/2、40℃における動粘度27.0mm2/s、引火点218℃、流動点-55℃)
<炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレン>
(b7)ヘキサデシルナフタレン(SP値:9.2(cal/cm31/2、40℃における動粘度:29.0mm2/s、引火点222℃、流動点-39℃)
(C)上記(B)に該当しない基油
(c1)1-デセンの3量体であるポリαオレフィン(SP値:7.9(cal/cm31/2、40℃における動粘度:17.2mm2/s、引火点222℃、流動点-68℃)
(c2)1-テトラデセン(SP値:8.0(cal/cm31/2、引火点113℃)
(c3)流動パラフィン(SP値:7.9(cal/cm31/2、40℃における動粘度:7.8mm2/s、引火点162℃、流動点-10.0℃)
(D)シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体
(d1)層状ケイ酸塩(鉱物種類:スメクタイト族系、陽イオン交換容量:70meq/100g)
(d2)ゼオライト(結晶構造:モルデナイト系、陽イオン交換容量:160~190meq/100g)
(d3)タルク(陽イオン交換容量:40meq/100g)
(E)シリコーンオイル
(e1)ジメチルシリコーンオイル(SP値:7.2(cal/cm31/2、40℃における動粘度:37.8mm2/s)
<励磁前の粘度、及び励磁時の粘度の評価>
磁気測定オプションを装着したTAインスツルメント社製レオメータDHR-2の試験用プレートに実施例及び比較例の磁気粘性流体を3ml注入し、40℃の雰囲気下100μmギャップ20回転にて粘度(Pa・s)を測定し、励磁前の粘度を測定した。励磁時の粘度も同じ測定装置を用い、40℃の雰囲気下で次の測定条件に基づき測定した。
磁場の励磁条件:測定開始後5秒後に直流0.8Tの磁場を印加し、測定開始後215秒後にその磁場の印加を停止した。
経時安定性は、次式に基づき算出される安定化率A(%)、安定化率B(%)、安定化率(C)により評価した。なお、経時安定性の評価は、励磁時の粘度の最小値が200Pa・s以上のものについて評価した。
安定化率A(%)=(安定化時間A/全印加時間)×100
なお、安定化時間Aとは、励磁時の粘度の最大値の97~100%に相当する印加時間を示す。
安定化率B(%)=(安定化時間B/全印加時間)×100
なお、安定化時間Bとは、励磁時の粘度の最大値の95~100%に相当する印加時間を示す。
安定化率C(%)=(安定化時間C/全印加時間)×100
なお、安定化時間Cとは、励磁時の粘度の最大値の90~100%に相当する印加時間を示す。
試験条件及び試験結果を表1~3に示す。
Figure 0007288560000001
Figure 0007288560000002
Figure 0007288560000003
実施例1~14の磁気粘性流体は、いずれも磁性粒子、エステル系合成油、エーテル系合成油、炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレンから選択される少なくとも一種、シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体、及び、シリコーンオイルを含有する磁気粘性流体であった。このため、励磁時の粘度の最大値が、230Pa・s以上であり、安定化率Cが90%以上であり、いずれも良好な励磁時の抗力と抗力の経時安定性を有していた。
一方、比較例1の磁気粘性流体はシリコーンオイルを含有しておらず、比較例2の磁気粘性流体はシロキサン結合を有する無機陽イオン交換体を含有しておらず、比較例3の磁気粘性流体はシリコーンオイル及び無機陽イオン交換体を含有しておらず、いずれも安定化率Cが90%未満であった。
また、比較例4~6の磁気粘性流体は、エステル系合成油、エーテル系合成油、炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレンから選択される少なくとも一種を含有していないため、励磁時の粘度の最小値が実施例と比べて低く、200Pa・s未満であった。このため、比較例4~6の安定化率は評価をしなかった。
図3は、実施例2、比較例1、比較例2の磁気粘性流体における、経過時間と粘度との関係を表したグラフである。図3のグラフより、比較例1及び2に対して実施例2は抗力の経時安定性が優れていることがわかる。
図4は、実施例2、実施例11、実施例13、比較例4の磁気粘性流体における、経過時間と粘度との関係を表したグラフである。図4のグラフより、比較例4に対して実施例2、実施例11、実施例13は抗力の最大値が大きく、経時安定性にも優れていることがわかる。
1 磁性粒子
2 ヒンダードエステル
3 シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体
4 ジメチルシリコーンオイル

Claims (6)

  1. 磁性粒子、
    エステル系合成油、エーテル系合成油、炭素数が10~20のアルキル基を有するアルキルナフタレンから選択される少なくとも一種である基油
    シロキサン結合を有する無機陽イオン交換体、及び、
    シリコーンオイル
    を含有する磁気粘性流体であり
    前記エステル系合成油が、ポリオールエステル、二塩基酸エステルから選択される少なくとも一種であり、
    前記エーテル系合成油が、ポリアルキレングリコール類であ
    前記シリコーンオイルの含有率は、前記磁気粘性流体全量に対して3.0質量%以下である、磁気粘性流体。
  2. 前記ポリオールエステルが、ヒンダードエステルである、請求項1に記載の磁気粘性流体。
  3. 前記二塩基酸エステルが、脂肪族二塩基酸エステルである、請求項1に記載の磁気粘性流体。
  4. 前記脂肪族二塩基酸エステルは、炭素数2~10の脂肪族ジカルボン酸と、炭素数1~10のアルコールとのエステルである、請求項3に記載の磁気粘性流体。
  5. 前記ポリアルキレングリコール類が、下記式(1)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載の磁気粘性流体。
    1-O-(R2-O)n-R3 (1)
    [式(1)中、R1およびR3は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1~18のアルキル基を示し、R2は炭素数が2~4のアルキレン基を示し、nは2~30の整数を示す。]
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気粘性流体を用いた機械装置。
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