JP7287660B2 - 振動台制御装置及び振動台制御方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 MoViC 2018(The 14th International Conference on Motion and Vibration Control),平成30年 8月 8日
本発明は、振動台制御装置及び振動台制御方法に関する。
耐震試験やロードシミュレータ等で用いられる制御台を制御して振動試験を実施する際、制御台に載置された試験体が非線形特性を有する場合には、試験体の非線形特性が及ぼす影響を考慮して制御台を制御する必要があるため、様々な制御手法が研究されている。
例えば、特許文献1には、非線形系を有する制御対象の伝達関数を実時間で求め、その伝達関数に対する逆伝達関数を用いることにより、制御対象を制御する制御装置が開示されている。
特開2003-145050号公報
しかし、特許文献1に開示された制御装置では、制御対象の伝達関数を実時間で求めるため、計算量が増加するとともに、振動試験を実施する際に、制御対象の制御が不安体な挙動を示す可能性があることを事前に把握することが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、非線形特性を有する試験体が載置された制御台の制御性能を向上することができる振動台制御装置及び振動台制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係る振動台制御装置は、
非線形特性を有する試験体が載置された振動台を制御する振動台制御装置であって、
入力信号(r)に対して、前記試験体と前記振動台を1つの制御対象としてみなした制御システムの出力信号(y0)が一致するように、フィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御器(Kr)、及び、第1のフィードバック制御を行う第1のフィードバック制御器(Kσ)と、
前記フィードフォワード制御器(Kr)の出力と、前記第1のフィードバック制御器(Kσ)の出力とを加算し、操作信号(u)を出力する加算器と、
前記操作信号(u)が無駄時間τによる無駄時間要素(e-τs)を介して前記制御システムに入力されたときの当該制御システムの出力信号(y0)から、前記操作信号(u)が前記無駄時間(τ)の推定値(τ^)による推定無駄時間要素(e-τ^s)を介して前記制御システムに対する線形モデルに入力されたときの当該線形モデルの出力信号(y^0)を減算し、第1の偏差信号(σ)を出力する第1の減算器とを備え、
前記フィードフォワード制御器(Kr)は、
前記入力信号(r)に対して、前記線形モデルの伝達関数(G^0)に対する逆伝達関数を用いることにより、前記フィードフォワード制御を行い、
前記第1のフィードバック制御器(Kσ)は、
前記第1の偏差信号(σ)に対して、前記第1のフィードバック制御を行う、ことを特徴とする。
また、上記振動台制御装置は、
前記入力信号(r)に対して、前記出力信号(y)が一致するように、第2のフィードバック制御を行う第2のフィードバック制御器(K)と、
前記入力信号(r)から、前記操作信号(u)が前記無駄時間要素(e-τs)を介して前記制御システムに入力されたときの当該制御システムの出力信号(y)を減算し、第2の偏差信号(e)を出力する第2の減算器とをさらに備え、
前記第2のフィードバック制御器(K)は、
前記第2の偏差信号(e)に対して、前記第2のフィードバック制御を行い、
前記加算器は、
前記フィードフォワード制御器(K)の出力と、前記第1のフィードバック制御器(Kσ)の出力と、前記第のフィードバック制御器(K )の出力とを加算し、前記操作信号(u)を出力する、ことを特徴とする。
また、上記振動台制御装置は、
前記線形モデルの伝達関数(G^0)と、前記線形モデルによりモデル化されていない前記制御システムの動特性(ΔG)とに基づいて、ナイキストの安定理論を適用することにより、第1のフィードバック制御器(Kσ)の安定性を評価する安定性評価部をさらに備える、ことを特徴とする。
また、上記振動台制御装置において、
前記第1のフィードバック制御器(Kσ)は、
所定のバンドパス領域を有するバンドパスフィルタを含む、ことを特徴とする。
また、本発明の一実施形態に係る振動台制御方法は、
非線形特性を有する試験体が載置された振動台を制御する振動台制御方法であって、
入力信号(r)に対して、前記試験体と前記振動台を1つの制御対象としてみなした制御システムの出力信号(y)が一致するように、フィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御工程(K)、及び、第1のフィードバック制御を行う第1のフィードバック制御工程(Kσ)と、
前記フィードフォワード制御工程(K)の出力と、前記第1のフィードバック制御工程(Kσ)の出力とを加算し、操作信号(u)を出力する加算工程と、
前記操作信号(u)が無駄時間τによる無駄時間要素(e-τs)を介して前記制御システムに入力されたときの当該制御システムの出力信号(y)から、前記操作信号(u)が前記無駄時間(τ)の推定値(τ^)による推定無駄時間要素(e-τ^s)を介して前記制御システムに対する線形モデルに入力されたときの当該線形モデルの出力信号(y^ )を減算し、第1の偏差信号(σ)を出力する第1の減算工程を含み、
前記フィードフォワード制御工程(K)は、
前記入力信号(r)に対して、前記線形モデルの伝達関数(G^)に対する逆伝達関数を用いることにより、前記フィードフォワード制御を行い、
前記第1のフィードバック制御工程(Kσ)は、
前記第1の偏差信号(σ)に対して、前記第1のフィードバック制御を行う、ことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る振動台制御装置及び振動台制御方法によれば、試験体と振動台を1つの制御対象(制御システム)とみなし、フィードフォワード制御器(Kr)が、入力信号(r)に対して、制御システムの線形モデルの伝達関数(G^0)に対する逆伝達関数を用いることにより、フィードフォワード制御を行うとともに、第1のフィードバック制御器(Kσ)が、操作信号(u)が無駄時間要素(e-τs)を介して入力された制御システムの出力信号(y0)から、操作信号(u)が推定無駄時間要素(e-τ^s)を介して入力された線形モデルの出力信号(y^0)を減算した第1の偏差信号(σ)に対して、第1のフィードバック制御を行う。
したがって、試験体が非線形特性を有するため、フィードフォワード制御器(Kr)だけでは制御台の制御性能を確保できない場合でも、第1のフィードバック制御器(Kσ)により、試験体が有する非線形特性が振動台の制御に与える影響を除去するように、第1の偏差信号(σ)に対して第1のフィードバック制御が行われるので、非線形特性を有する試験体が載置された制御台の制御性能を向上することができる。
本発明の実施形態に係る振動試験システム1を示す図である。 本発明の実施形態に係る振動台制御装置10の一例を示すブロック線図である。 本発明の実施形態に係る試験体2A及び振動台3を示し、(a)は試験体2Aが載置されていない状態、(b)は試験体2Aが載置された状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る制御台制御装置10について数値実験を行ったときの試験体2B及び振動台3を示し、(a)は試験体2Bが載置された状態、(b)は試験体2Bの非線形特性を示す図である。 数値実験1におけるナイキスト線図を示す図である。 数値実験1において、NSBCを適用しない場合(Kr)の解析結果を示し、(a)は時刻歴、(b)はFFT(フーリエ振幅スペクトル)、(c)は試験体の履歴特性を示す図である。 数値実験1において、NSBCを適用した場合(Kr、Kσ)の解析結果を示し、(a)は時刻歴、(b)はFFT(フーリエ振幅スペクトル)、(c)は履歴特性を示す図である。 数値実験2におけるナイキスト線図を示す図である。 数値実験2において、NSBCを適用しない場合(Kr)の解析結果を示し、(a)は時刻歴、(b)はFFT(フーリエ振幅スペクトル)、(c)は試験体の履歴特性を示す図である。 数値実験2において、NSBCを適用した場合(Kr、Kσ)の解析結果を示し、(a)は時刻歴、(b)はFFT(フーリエ振幅スペクトル)、(c)は試験体の履歴特性を示す図である。 数値実験3におけるナイキスト線図を示し、(a)バンドパス範囲が理想的な場合(Fσ(s)=1)、(b)バンドパス範囲が0.2~20.0Hzである場合、(c)バンドパス範囲が0.2~50.0Hzである場合を示すナイキスト線図である。 数値実験3において、バンドパス範囲が0.2~20.0HzのNSBCを適用した場合(Kr、Kσ)の解析結果を示し、(a)は時間領域、(b)はフーリエ振幅スペクトル、(c)は試験体の履歴特性を示す図である。 数値実験3において、バンドパス範囲が0.2~50.0HzのNSBCを適用した場合(Kr、Kσ)の解析結果を示し、(a)は時間領域、(b)はフーリエ振幅スペクトル、(c)は試験体の履歴特性を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る振動試験システム1を示す図である。
振動試験システム1は、試験体2を載置可能な振動台3と、振動台3の振動状態(例えば、変位、速度、加速度等)を制御する振動台制御装置10とを備え、振動台制御装置10により振動台3の振動状態が制御されることで、振動台3に載置された試験体2の振動試験を実施するシステムである。
試験体2は、非線形特性を有し、例えば、建物や車両等の構造物やこれらを模擬した構造物である。試験体2は、例えば、振動台3の加振によって構造物の塑性変形が生じることで、試験体2の非線形的な振る舞いが、振動台制御装置10による振動台3の制御性能に影響を与えることとなる。
振動台3は、基台30と、基台30上に軸受け31を介して水平方向に移動可能に支持されたテーブル32と、テーブル32を水平方向に駆動するアクチュエータ33と、テーブル32の振動状態を検出する検出センサ34とを備える。なお、本実施形態では、アクチュエータ33は、テーブル32を水平方向に駆動する1軸のアクチュエータで構成されているものとして説明するが、テーブル32を水平方向及び鉛直方向に駆動する複数軸(例えば、X軸、Y軸、Z軸の3軸)のアクチュエータで構成されていてもよい。
振動台制御装置10は、振動台3の目標とする振動波形を示す入力信号rに対して、非線形特性を有する試験体2が載置されたテーブル32の振動状態を示す出力信号y0が一致するように、アクチュエータ33に対する操作信号uを生成することにより、振動台3を制御する装置である。すなわち、振動台制御装置10は、入力信号rに対して出力信号y0が一致するように、操作信号uに基づいてアクチュエータ33を駆動するとともに、アクチュエータ33が駆動した際に検出センサ34により検出された出力信号y0に基づいて、操作信号uを逐次更新することにより、振動台3を制御する装置である。
振動台制御装置10は、例えば、汎用のコンピュータ等で構成されており、その具体的な構成として、キーボード、マウス、タッチパネル等により構成される入力部と、HDD、メモリ等により構成される記憶部と、CPU等のプロセッサにより構成される制御部と、振動台3のアクチュエータ33及び検出センサ34や外部のネットワーク等に接続される接続部と、ディスプレイ等により構成される表示部とを備える。
なお、振動台3の目標とする振動波形としては、試験体2が建物である場合には、過去に発生した地震による振動を再現するような波形でもよいし、試験体2が車両である場合には、車両が悪路を走行したときの振動を再現するような波形でもよい。そして、振動波形を示す入力信号rは、例えば、入力部を介して入力されてもよいし、記憶部に記憶された振動波形データや外部のネットワークから取得された振動波形データとして入力されてもよい。
図2は、本発明の実施形態に係る振動台制御装置10の一例を示すブロック線図である。
振動台制御装置10は、入力信号r(s)に対して、試験体2と振動台3を1つの制御対象としてみなした制御システム100の出力信号y0(s)が一致するように、フィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御器11(Kr(s))、第1のフィードバック制御を行う第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))、及び、第2のフィードバック制御を行う第2のフィードバック制御器13(Ke(s))を備える。また、振動台制御装置10は、加算器14、第1の減算器15、第2の減算器16、及び、安定性評価部17を備える。
加算器14は、下記の式(1)に示すように、フィードフォワード制御器11(Kr(s))の出力と、第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))の出力と、第2のフィードバック制御器13(Ke(s))の出力とを加算し、操作信号u(s)を出力する。
Figure 0007287660000001
第1の減算器15は、下記の式(2)に示すように、操作信号u(s)が無駄時間τによる無駄時間要素102(e-τs)を介して制御システム100に入力されたときの当該制御システム100の出力信号y0(s)から、操作信号u(s)が無駄時間τの推定値τ^による推定無駄時間要素103(e-τ^s)を介して制御システム100に対する線形モデル101に入力されたときの当該線形モデル101の出力信号y^0(s)を減算し、第1の非線形信号σ(s)を出力する。
Figure 0007287660000002
第2の減算器は、下記の式(3)に示すように、入力信号r(s)から、操作信号u(s)が無駄時間要素102(e-τs)を介して制御システム100に入力されたときの当該制御システム100の出力信号y0(s)を減算し、第2の偏差信号e(s)を出力する。
Figure 0007287660000003
フィードフォワード制御器11(Kr(s))は、入力信号r(s)に対して、線形モデル101の伝達関数G^0(s)に対する逆伝達関数を用いることにより、フィードフォワード制御を行う。
第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))は、第1の偏差信号σ(s)に対して、第1のフィードバック制御を行う。以下では、振動台制御装置10が、第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))を備えること、又は、第1の偏差信号σ(s)に対して第2のフィードバック制御を行うことを、非線形信号に基づく制御(Nonlinear signal-based control(以下、「NSBC」という。)という。
第2のフィードバック制御器13(Ke(s))は、第2の偏差信号e(s)に対して、第2のフィードバック制御を行う。
ここで、NSBCを、振動台3の制御に適用する場合には、試験体2と振動台3を1つの制御対象とみなすことで、制御システム100に対する操作信号u(s)は、上記の式(1)に示すように、求められる。また、第2の偏差信号e(s)は、上記の式(3)により求められるが、無駄時間τと、その推定値τ^とが等しくゼロ(τ=τ^=0)である場合には、上記の式(3)においてゼロ誤差を実現するフィードフォワード制御器11(Kr(s))、第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))、第2のフィードバック制御器13(Ke(s))としては、下記の式(4)を満たす制御器が適している。
Figure 0007287660000004
上記の式(4)において、フィードフォワード制御器11(Kr(s))は、線形モデル101の伝達関数G^0(s)に対する逆伝達関数を用いた制御器である。
第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))は、非線形信号である第1の偏差信号σ(s)をフィードバックすることで、非線形特性を有する制御システム100を制御する。
第2のフィードバック制御器13(Ke(s))は、NSBCとして機能する第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))の補助的な役割を担っている。そのため、第2のフィードバック制御器13(Ke(s)におけるフィルターFe(s)を適切に設計することで、第2の偏差信号eが強制的に低減されるため、制御精度をさらに向上することができる。なお、第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))により十分な制御精度を実現できる場合には、第2のフィードバック制御器13(Ke(s))を省略してもよい。
安定性評価部17は、線形モデル101の伝達関数G^0(s)と、線形モデル101によりモデル化されていない制御システム100の動特性に基づいて、ナイキストの安定理論を適用することにより、第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))の安定性を評価する。なお、安定性を評価するときの安定性解析手法の詳細については後述する。
(線形モデル101及び第1のフィードバック制御器12の設計手法ついて)
次に、制御システム100の非線形制御にNSBCを適用した場合の線形モデル101及び第1のフィードバック制御器12の設計手法について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る試験体2A及び振動台3を示し、(a)は試験体2Aが載置されていない状態、(b)は試験体2Aが載置された状態を示す図である。
まず、振動台3のモデリングとして、図3(a)に示すように、試験体2Aが振動台3上に載置されていない場合には、変位制御下の振動台3の動特性は、下記の式(4)に示す2次の伝達関数として表される。
Figure 0007287660000005
上記の式(5)は、時間領域において、下記の式(6)と等価となる。
Figure 0007287660000006
上記の式(6)は、線形一質点系システムの運動方程式と等しい。この場合、目標とする振動変位波形を示す入力信号rが、そのまま操作信号uとなる。
上記の延長として、振動台3が、図3(b)に示すように、n自由度の非線形多質点システムである試験体2Aを支持する場合には、その運動方程式は、下記の式(7)により表される。
Figure 0007287660000007
ここで、試験体2Aが線形性を有する場合、復元力は、下記の式(8)により表される。
Figure 0007287660000008
そして、振動台3が、線形性を有する試験体2Aを支持する場合には、操作信号uと、i階の出力信号yiとの間の関係は、下記の式(9)により表される。
Figure 0007287660000009
上記の式(8)、(9)から、伝達関数Gi(s)は、下記の式(10)により表される。
Figure 0007287660000010
上記の式(8)~(9)は、試験体2Aが線形性を有する場合に成立するものであるが、NSBCにおいて必須となる線形モデル101の設計に応用することができる。すなわち、制御システム100の線形モデル101は、下記の式(11)により表される。
Figure 0007287660000011
そして、線形モデル101では、yiとyi-1の間の伝達関数は、下記の式(12)により表される。
Figure 0007287660000012
したがって、上記の式(12)から、非線形特性を有する試験体2Aが載置された振動台3、すなわち、制御システム100に対する線形モデル101の伝達関数が得られることにより、第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))を設計することが可能となる。
(安定性評価部17による安定性解析手法について)
次に、制御システム100の非線形制御にNSBCを適用した場合の安定性評価部17による安定性解析手法について説明する。
試験体2が非線形特性を有する場合、制御システム100に対する線形モデル101は、試験体2Aの動特性を完全に表現していないため、線形モデル101によりモデル化されていない制御システム100の動特性は、下記の式(13)により表される。
Figure 0007287660000013
無駄時間τが正確に把握されていない場合、無駄時間τの推定誤差は、Δτ(=τ-τ^)として表される。このとき、第1の偏差信号σ(s)は、上記の式(2)により表される。したがって、推定値が無駄時間τと等しいとき、第1の偏差信号σ(s)は、線形モデル101によりモデル化されていない制御システム100の動特性を表す。そのため、第1の偏差信号σ(s)を、制御システム100の非線形制御に有効に利用するためには、無駄時間τの推定誤差Δτを極力小さくすることが要求される。
ここで、振動台制御装置10において、第1のフィードバック制御器12(Kσ(s))及び第2のフィードバック制御器13(Ke(s))にそれぞれフィードバックされる第1の偏差信号σ(s)及び第2の偏差信号e(s)は、下記の式(14)により表される。
Figure 0007287660000014
上記の式(14)のW(s)-1は、第1の偏差信号σ(s)及び第2の偏差信号e(s)に対する閉ループ特性方程式に対応し、その閉ループ特性方程式は、下記の式(15)により表される。
Figure 0007287660000015
なお、上記のただし書きは、上記の式(15)における開ループ特性方程式である。
上記の式(4)に示す伝達関数が、上記の式(15)に用いられる場合、H(s)は、下記の式(16)により表される。
Figure 0007287660000016
上記の式(16)から、NSBCを適用した場合の非線形制御の安定性は、線形モデル101によりモデル化されていない制御システム100の動特性ΔG0(s)と、無駄時間τの推定誤差Δτと、2つのフィルターFσ(s)、Fe(s)とにより影響を受けることが分かる。
本実施形態では、NSBCを適用した場合の非線形制御の安定性を、ナイキストの安定理論を用いることにより解析する。上記の式(16)において、第2の偏差信号eに対するフィードバックが起動していない場合(Fe(s)=0)、H(s)は、下記の式(17)により表される。
Figure 0007287660000017
上記の式(17)に、ナイキストの安定理論を適用することにより、NSBCの安定性を評価する。すなわち、安定性評価部17は、線形モデル101の伝達関数G^0(s)と、線形モデル101によりモデル化されていない制御システム100の動特性ΔG0(s)とに基づいて、ナイキストの安定理論を適用することにより、NSBCの安定性を評価する。
(制御システム100の動特性の評価手法について)
実際の実験時には、無駄時間の推定誤差Δτを大まかに見積もるとともに、想定される試験体2の非線形特性から制御システム100の動特性ΔG0を想定することで、実験の安定性を評価することが可能となる。ただし、非線形特性を有する制御システム100は、厳密には伝達関数で表現されないため、制御システム100の動特性ΔG0(s)を正確に取得することができない。そこで、制御システム100の動特性ΔG(s)を大まかに評価する手法について説明する。
非線形項を含む上記の式(7)は、周波数領域において表現されていないため、制御システム100の等価線形モデルは、下記の式(18)により表される。
Figure 0007287660000018
* i(s)は、出力信号y* iとy* i-1の間の伝達関数であり、下記の式(19)により表される。
Figure 0007287660000019
上記の式(19)から制御システム100の等価モデルG* 0(s)を求めることができ、非線形特性を有する制御システム100において、線形モデル101によりモデル化されていない制御システム100の動特性は、等価モデルG* 0(s)と、線形モデル101の差分として、下記の式(20)により表される。
Figure 0007287660000020
(制御台制御装置10による非線形制御の数値実験について)
NSBCを用いた振動台制御は、試験体として各種の非線形特性を有する多層構造物を対象とする場合にも適用可能である。一例として、建築構造物の一般的な非線形特性を有する1層構造物を対象とする試験体2Bが載置された振動台3の制御にNSBCを適用した場合において、制御台制御装置10による数値実験1~3を行った。以下、数値実験1~3における条件と、解析結果について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る制御台制御装置10について数値実験を行ったときの試験体2B及び振動台3を示し、(a)は試験体2Bが載置された状態、(b)は試験体2Bの非線形特性を示す図である。
本数値実験では、試験体2Bは、図4(a)に示すように、建築構造物の一般的な非線形特性であるトリリニア(tri-linear)型の履歴特性を有する。また、試験体2Bの非線形特性としてのバネ剛性は、図4(b)に示すように、第1弾性限界変形δ1を超えることで初期剛性のr1倍まで減少し、第2弾性限界変形δ2を超えることで初期剛性のr2倍まで減少する。
数値実験1~3では、兵庫県南部地震のときに、Japan Meteorological Agency(JMA)によって観測されたJMA神戸波を振動台で実現することを目的とする。本数値実験では、振動台制御装置10の制御性能は、下記の式(21)に示す評価指標値により評価する。
Figure 0007287660000021
評価指標値St、Sfは、それぞれ時間領域及び周波数領域における第2の偏差信号eおよび入力信号rの二乗平均平方根に基づく比率である。したがって、評価指標値St、Sfは、第2の偏差信号eが無限に小さい場合は100%になり、無限大の場合は0%になる。なお、評価指標値Sfにおいて、Ar、Aeは、それぞれ入力信号rと、第2の偏差信号eのフーリエ変換による振幅スペクトルである。
評価指標値Sfは、試験体2Bの真の履歴特性と、振動台制御装置10を用いて得られた履歴特性の類似性を定量化する。評価指標値Sfは、周波数0.01~20.0Hzの範囲で評価する。なお、評価指標値Shにおいて、f^及びδ^は、真の履歴特性の力fと変形δのそれぞれの最大値で基準化された値である。
ここで、図4(a)に示す試験体2Bが載置された振動台3の運動方程式は、下記の式(22)により表される。
Figure 0007287660000022
試験体2Bは、上記の式(22)のように、線形の減衰項f1c(t)を有するため、トリリニア型の履歴特性を有するバネの復元力は、下記の式(23)により表される。
Figure 0007287660000023
上記の式(23)の右辺において、第1項は、弾力性を表し、第2項及び第3項は、塑性変形による履歴特性を表す。これら3つの項の組み合わせによって、図4(b)に示すトリリニア型の履歴特性が表される。NSBCでは、制御対象の非線形特性の種類に関係なく、制御システム100の線形モデル101は、次の式(24)で表される。
Figure 0007287660000024
したがって、線形モデル101の伝達関数は、下記の式(25)により表される。
Figure 0007287660000025
非線形特性を有する制御システム100は、周波数領域では正確に表現することができない。しかし、制御システム100の等価モデルは、線形モデル101で使用されたパラメータに基づいて、下記の式(26)により表される。
Figure 0007287660000026
したがって、非線形特性を有する制御システム100において、線形モデル101によりモデル化されていない制御システム100の動特性は、上記の式(26)に示す等価モデルG* 0(s)と、上記の式(25)に示す線形モデル101の差分として、下記の式(27)により表される。
Figure 0007287660000027
(数値実験1)
数値実験1では、振動台3のパラメータとして、m0=200kg、c0=12.57kNs/m、k0=197.3kN/m、ω0=5.0×2π、ζ0=1.0が設定されている。試験体2Bのパラメータとして、m1=200kg、c1=0.38kNs/m、k1=71.1kN/m、ω0=5.0×2π、ζ0=1.0、ω1=3.0×2π、ζ1=0.05が設定されている。非線形特性のバネ剛性は、r1=0.5、δ1=15mm、r2=0.1、δ2=30mmに設定されており、第1の弾性限界δ1を超えると初期値の半分になり、第2の弾性限界δ2を超えると、初期値の1/10になる。無駄時間τ、及び、その推定値τ^は、4.0msに設定されている(τ=τ^=4.0ms)。
数値実験1では、線形モデル101は、振動台3のパラメータと、試験体2Bのパラメータとして、下記の式(28)に示すパラメータに基づいて、生成される。
Figure 0007287660000028
このとき、線形モデル101は、上記の式(25)により表される。
JMA神戸波を用いた予備シミュレーションでは、試験体2Bの最大変形量は、δ1max=0.05mとなる。これによって、トリリニア型の履歴特性を持った試験体2の剛性変化の範囲は、下記の式(29)のように、推定される。
Figure 0007287660000029
上記の式(29)に示す範囲に基づいて、制御システム100の等価モデル、すなわち、上記の式(26)で使用されるパラメータは、γc0=γk0=γc1=1、γk1=0.245と決定される。そして、線形モデル101によりモデル化されていない制御システム100の動特性は、これらのパラメータを式(26)に使用して、上記の式(27)により表される。
図5は、数値実験1におけるナイキスト線図を示す図である。図6は、数値実験1において、NSBCを適用しない場合(Kr)の解析結果を示し、(a)は時刻歴、(b)はFFT(フーリエ振幅スペクトル)、(c)は履歴特性を示す図である。図7は、数値実験1において、NSBCを適用した場合(Kr、Kσ)の解析結果を示し、(a)は時刻歴、(b)はFFT(フーリエ振幅スペクトル)、(c)は履歴特性を示す図である。
図5に示すナイキスト線図によると、パラメータの変動が試験体2Bに発生しても、NSBCは、安定性を維持することが分かる。NSBCを適用しない場合(Kr)と、NSBCを適用した場合(Kr、Kσ)について、式(21)に示す評価指標値は、下記の表1として得られた。
Figure 0007287660000030
NSBCを適用しない場合(Kr)には、図6(a)、(b)に示すように、十分な制御性能が出ていない。数値実験1では、制御システム100の動特性は、完全に既知の状態であって、コントローラに反映されているため、不正確な制御、すなわち、制御性能の低下は、試験体2Bの非線形特性のみが原因となっている。また、履歴特性の評価指標値Shは、上記の表1に示すように、Sh=80.1%であり、不正確な制御により、図6(c)に示すように、不正確な履歴特性が生成された。
一方、NSBCを適用した場合(Kr、Kσ)には、上記の表1、及び、図7(a)、(b)に示すように、高い制御性能を示しており、時間領域及び周波数領域における評価指標値Sf、Stは、99.5%を超えている。また、NSBCを適用することにより得られた履歴特性は、図7(c)に示すように、真の履歴特性と視覚的に同一のものが得られ、その評価指標値Shは、上記の表1に示すように、Sh=95.4%であった。
(数値実験2)
数値実験1では、制御システム100の動特性が、理想的なモデリングに基づくものであるのに対し、数値実験2では、制御システム100の動特性が正確に分からない場合の制御性能について調べた。
数値実験2で使用するパラメータは、線形モデル101の減衰項と剛性項を除いて、数値実験1で使用されたパラメータと同一である。制御システム100の減衰と剛性が、実際の値の2倍であると不正確に推定されている状態を表現するため、線形モデル101のパラメータは、下記の式(30)に示すように、設定されている。
Figure 0007287660000031
数値実験2における線形モデル101は、これらのパラメータを使用して、上記の式(25)により表される。そのため、数値実験2では、非線形特性と同様に、制御システム100の動特性の不正確なモデル化を原因とする制御性能の低下状態を調べることができる。
試験体2Bの最大変形量は、数値実験1と同じであり(すなわち、δ1max=0.05m)、制御システム100の等価モデルで使用されるパラメータは、γc0=1/2、γk0=1/2、γc1=1、γk1=0.245である。そして、線形モデル101によりモデル化されていない制御システム100の動特性は、これらのパラメータを使用して、上記の式(27)により表される。
図8は、数値実験2におけるナイキスト線図を示す図である。図9は、数値実験2において、NSBCを適用しない場合(Kr)の解析結果を示し、(a)は時刻歴、(b)はFFT(フーリエ振幅スペクトル)、(c)は履歴特性を示す図である。図10は、数値実験2において、NSBCを適用した場合(Kr、Kσ)の解析結果を示し、(a)は時刻歴、(b)はFFT(フーリエ振幅スペクトル)、(c)は履歴特性を示す図である。
図8に示すナイキスト線図によると、図5に示すナイキスト線図に比較して、制御システム100の動特性にモデリング誤差が発生することにより、円の形状が変化している。ただし、その形状の変化は、不安定性を引き起こすほど大きなものではない。したがって、試験体2Bのパラメータの変動が発生する場合でも、NSBCは、安定性を維持することが分かる。NSBCを適用しない場合(Kr)と、NSBCを適用した場合(Kr、Kσ)について、式(21)に示す評価指標値は、下記の表2として得られた。
Figure 0007287660000032
NSBCを適用しない場合(Kr)には、数値実験2の条件は、数値実験1の条件に対してモデル化されていない制御システム100の動特性が追加されているため、上記の表2に示すように、数値実験2の評価指標値Sf、St、Shは、数値実験1の評価指標値Sf、St、Shよりも悪化した。また、図9(c)に示すように、数値実験2の履歴特性は、図6(c)に示す数値実験1の履歴特性よりも悪化した。
一方、NSBCを適用した場合(Kr、Kσ)には、数値実験2の条件にもかかわらず、NSBCは、正確な制御を達成し、時間領域及び周波数領域における評価指標値Sf、Stは、上記の表2に示すように、Sf=99.8%、St=99.2%であり、数値実験1の結果と同様に良好である。さらに、図10(c)に示すように、NSBCを適用することにより得られた履歴特性は、真の履歴特性とほぼ同一であり、その評価指標値Shは、上記の表2に示すように、Sh=94.0%であった。したがって、制御システム100の動特性に関して不正確な情報を使用して線形モデル101を設計した場合でも、NSBCは、良好な制御性能を達成できることが分かった。
(数値実験3)
NSBCは、正確な無駄時間τの推定を必要とするが、実際の実験現場では、実際の無駄時間τと、その推定値τ^との間に誤差が発生する可能性がある。したがって、数値実験3では、数値実験2の条件に加えて、無駄時間の推定誤差Δτを考慮し、無駄時間は、τ=4.0ms、推定値は、τ^=1.0ms、推定誤差は、Δτ=3.0msに設定されている。NSBCを適用せずに、フィードフォワード制御器11(Kr)のみを使用する場合には、推定誤差Δτによる影響を受けないため、数値実験3は、NSBCに焦点を当てたものである。
試験体2Bの最大変形量は、数値実験1及び数値実験2と同じであり(すなわち、δ1max=0.05m)、制御システム100の等価モデルで使用されるパラメータは、γc0=1/2、γk0=1/2、γc1=1、γk1=0.245である。そして、線形モデル101によりモデル化されていない制御システム100の動特性は、これらのパラメータを使用して、上記の式(27)により表される。
図11は、数値実験3におけるナイキスト線図を示し、(a)バンドパス範囲が理想的な場合Fσ(s)=1.0、(b)バンドパス範囲が0.2~20.0Hzである場合、(c)バンドパス範囲が0.2~50.0Hzである場合を示すナイキスト線図である。図12は、数値実験3において、バンドパス範囲が0.2~20.0HzのNSBCを適用した場合(Kr、Kσ)の解析結果を示し、(a)は時間領域、(b)はフーリエ振幅スペクトル、(c)は履歴特性を示す図である。図13は、数値実験3において、バンドパス範囲が0.2~50.0HzのNSBCを適用した場合(Kr、Kσ)の解析結果を示し、(a)は時間領域、(b)はフーリエ振幅スペクトル、(c)は履歴特性を示す図である。
図11(a)に示すナイキスト線図によれば、数値実験2で使用された制御器では、無駄時間τの推定誤差Δτが存在するため、安定性を維持することができない。フィードフォワード制御器11(Kr)は、安定性に影響を及ぼさないので、Fσ=1.0を採用する第1のフィードバック制御器12(Kσ)が、不安定性の原因と推察される。
そこで、第1のフィードバック制御器12(Kσ)におけるFσとして、制御性能と安定性を向上するため、2次のバターワースバンドパスフィルタを使用し、2つのバンドパス範囲(0.2~20.0Hzと、0.2~50.0Hz)を選択した。これらのバンドパス範囲は、実際に実験の際に混入しやすい高周波ノイズとDC成分を除去するために選択したものである。
図11(b)、(c)に示すナイキスト線図によれば、無駄時間τの推定誤差Δτ及びパラメータの変動があっても、各帯域通過範囲で安定性が維持されていることが分かった。2つのバンドパス範囲を有するバターワースバンドパスフィルタを使用した場合の評価指標値は、下記の表3として得られた。
Figure 0007287660000033
0.2~20.0Hzのバターワースバンドパスフィルタの評価指標値は、Sf=97.8%、St=96.6%であり、ヒスリシスループの評価指標値は、Sh=88.6%であり、図12(c)に示すように、真の履歴特性に十分に近い。また、2~50.0Hzのバターワースバンドパスフィルタでは、図13に示すように、より良好な結果(すなわち、Sf=99.6%、St=99.3%、Sh=95.5%)であった。
第1のフィードバック制御器12(Kσ)において、Fσに割り当てられたカットオフ周波数は、安定余裕と制御性能に影響を与えるので、制御条件に従って適切に設計されることが要求される。特に、実際の無駄時間が正確に分からず、大きなパラメータの変動が予想される場合には、十分な安定余裕が得られるように、第1のフィードバック制御器12(Kσ)を設計する必要がある。
以上のように、本実施形態に係る振動台制御装置10によれば、試験体2と振動台3を1つの制御対象(制御システム100)とみなし、フィードフォワード制御器11(Kr)が、入力信号(r)に対して、制御システム100の線形モデル101の伝達関数(G^0)に対する逆伝達関数を用いることにより、フィードフォワード制御を行うとともに、第1のフィードバック制御器12(Kσ)が、操作信号(u)が無駄時間要素102(e-τs)を介して入力された制御システム100の出力信号(y0)から、操作信号(u)が推定無駄時間要素103(e-τ^s)を介して入力された線形モデル101の出力信号(y^0)を減算した第1の偏差信号(σ)に対して、第1のフィードバック制御を行う。
したがって、試験体2が非線形特性を有するため、フィードフォワード制御器11(Kr)だけでは制御台3の制御性能を確保できない場合でも、第1のフィードバック制御器12(Kσ)により、試験体2が有する非線形特性が振動台3の制御に与える影響を除去するように、第1の偏差信号(σ)に対して第1のフィードバック制御が行われるので、非線形特性を有する試験体2が載置された制御台3の制御性能を向上することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1…振動試験システム、2、2A、2B…試験体、3…振動台
10…振動台制御装置、11…フィードフォワード制御器
12…第1のフィードバック制御、13…第2のフィードバック制御器
14…加算器、15…第1の減算器、16…第2の減算器、17…安定性評価部
30…基台、31…軸受け、32…テーブル
33…アクチュエータ、34…検出センサ
100…制御システム、101…線形モデル
102…無駄時間要素、103…推定無駄時間要素

Claims (4)

  1. 非線形特性を有する試験体が載置された振動台を制御する振動台制御装置であって、
    入力信号(r)に対して、前記試験体と前記振動台を1つの制御対象としてみなした制御システムの出力信号(y)が一致するように、フィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御器(K)、及び、第1のフィードバック制御を行う第1のフィードバック制御器(Kσ)と、
    前記フィードフォワード制御器(K)の出力と、前記第1のフィードバック制御器(Kσ)の出力とを加算し、操作信号(u)を出力する加算器と、
    前記操作信号(u)が無駄時間(τ)による無駄時間要素(e-τs)を介して前記制御システムに入力されたときの当該制御システムの出力信号(y)から、前記操作信号(u)が前記無駄時間(τ)の推定値(τ^)による推定無駄時間要素(e-τ^s)を介して前記制御システムに対する線形モデルに入力されたときの当該線形モデルの出力信号(y^)を減算し、第1の偏差信号(σ)を出力する第1の減算器とを備え、
    前記フィードフォワード制御器(K)は、
    前記入力信号(r)に対して、前記線形モデルの伝達関数(G^)に対する逆伝達関数を用いることにより、前記フィードフォワード制御を行い、
    前記第1のフィードバック制御器(Kσ)は、
    前記第1の偏差信号(σ)に対して、前記第1のフィードバック制御を行う、
    ことを特徴とする振動台制御装置。
  2. 前記入力信号(r)に対して、前記出力信号(y)が一致するように、第2のフィードバック制御を行う第2のフィードバック制御器(K)と、
    前記入力信号(r)から、前記操作信号(u)が前記無駄時間要素(e-τs)を介して前記制御システムに入力されたときの当該制御システムの出力信号(y)を減算し、第2の偏差信号(e)を出力する第2の減算器とをさらに備え、
    前記第2のフィードバック制御器(K)は、
    前記第2の偏差信号(e)に対して、前記第2のフィードバック制御を行い、
    前記加算器は、
    前記フィードフォワード制御器(K)の出力と、前記第1のフィードバック制御器(Kσ)の出力と、前記第のフィードバック制御器(K )の出力とを加算し、前記操作信号(u)を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動台制御装置。
  3. 前記第1のフィードバック制御器(Kσ)は、
    所定のバンドパス領域を有するバンドパスフィルタを含む、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載の振動台制御装置。
  4. 非線形特性を有する試験体が載置された振動台を制御する振動台制御方法であって、
    入力信号(r)に対して、前記試験体と前記振動台を1つの制御対象としてみなした制御システムの出力信号(y)が一致するように、フィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御工程(K)、及び、第1のフィードバック制御を行う第1のフィードバック制御工程(Kσ)と、
    前記フィードフォワード制御工程(K)の出力と、前記第1のフィードバック制御工程(Kσ)の出力とを加算し、操作信号(u)を出力する加算工程と、
    前記操作信号(u)が無駄時間(τ)による無駄時間要素(e-τs)を介して前記制御システムに入力されたときの当該制御システムの出力信号(y)から、前記操作信号(u)が前記無駄時間(τ)の推定値(τ^)による推定無駄時間要素(e-τ^s)を介して前記制御システムに対する線形モデルに入力されたときの当該線形モデルの出力信号(y^ )を減算し、第1の偏差信号(σ)を出力する第1の減算工程を含み、
    前記フィードフォワード制御工程(K)は、
    前記入力信号(r)に対して、前記線形モデルの伝達関数(G^)に対する逆伝達関数を用いることにより、前記フィードフォワード制御を行い、
    前記第1のフィードバック制御工程(Kσ)は、
    前記第1の偏差信号(σ)に対して、前記第1のフィードバック制御を行う、
    ことを特徴とする振動台制御方法。
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