JP7287363B2 - ドローン拘束状態離脱装置、ドローンおよびドローン拘束状態離脱方法 - Google Patents
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Description
また、この発明は、このようなドローン拘束状態離脱装置を備えるドローンにも関している。
さらに、この発明は、障害物により拘束されたドローンを拘束状態から離脱させるドローン拘束状態離脱方法にも関している。
ドローンは、一般に、複数の回転翼等による推進機と、推進機を駆動制御する制御部を備えているが、障害物との接触による破損を防止するため、回転翼、制御部等を囲むガードフレームを備えたドローンが開発されている。
また、特許文献2には、複数の回転翼の外周部を、それぞれリング形状のガードフレームで囲むドローンが開示されている。
拘束状態となったドローンに対しては、作業者による救出作業が必要となり、ドローンの救出に多大の手間と時間を要するという問題がある。
また、この発明は、このようなドローン拘束状態離脱装置を備えたドローンを提供することも目的としている。
さらに、この発明は、障害物により拘束されたドローンを拘束状態から離脱させることができるドローン拘束状態離脱方法を提供することも目的としている。
あるいは、ドローンが拘束状態にあることを検知する拘束検知部を備え、駆動制御部は、拘束検知部によりドローンが拘束状態にあることが検知された場合に、気体排出機構を駆動するように構成することもできる。
あるいは、拘束検知部は、緩衝部材に作用する張力を検出する張力センサと、張力センサにより検出された張力が所定時間にわたって予め設定されたしきい値を超えた場合に、ドローンが拘束状態にあると判定する拘束判定部とを含むことが好ましい。
気体排出機構は、エアポンプまたは吸引ファンから構成することができる。
また、ドローンは、無人飛行を行うためのドローン本体と、ドローン本体の全体または一部を取り囲むガードフレームとを含み、緩衝部材は、ガードフレームに装着されるように構成することができる。
実施の形態1
図1に、実施の形態1に係るドローン拘束状態離脱装置2を備えたドローン1を示す。
ドローン1は、無人飛行を行うためのドローン本体3と、ドローン本体3の全体を取り囲む多面体形状のガードフレーム4を有している。
ドローン本体3は、ハウジング5と、ハウジング5に固定された複数のモータ6と、複数のモータ6にそれぞれ連結された複数の回転翼(プロペラ)7とを有している。さらに、ドローン本体3は、ハウジング5の外部に取り付けられた撮影用のカメラ8を有している。
緩衝部材11は、可撓性を有する管状体からなり、ガードフレーム4の外周部を囲んだ円環形状を有するもので、密閉された内部空間を有している。緩衝部材11は、例えば、フッ素樹脂(PTFE)、ポリカーボネート等の電気絶縁素材からなるフィルムまたはシートを丸めて両端縁部を互いに熱溶着することにより管状体を形成し、さらに、管状体を、ガードフレーム4の外周部に巻き付けて円環形状とし、管状体の両端部を互いに熱溶着して管状体の内部を密閉することにより形成することができる。
円環形状の緩衝部材11の内周部を、ガードフレーム4を構成する梁部材9に接着等で固定することにより、緩衝部材11をガードフレーム4に装着することができる。
ドローン本体3は、複数のモータ6に接続された飛行制御部13と、カメラ8に接続された撮影制御部14と、飛行制御部13および撮影制御部14に接続された無線通信部15と、バッテリ16を有している。
撮影制御部14は、無線通信部15を介して入力される撮影制御信号に基づいてカメラ8による撮影を制御する。
無線通信部15は、操作者により無線送信された飛行制御信号および撮影制御信号を受信して、飛行制御信号を飛行制御部13に伝送し、撮影制御信号を撮影制御部14に伝送する。
バッテリ16は、ドローン本体3内の各部に電源を供給する。
エアポンプ17は、気体排出機構を構成するもので、緩衝部材11の内部から空気を排出させることができる。
駆動制御部18は、無線スイッチ19がオン状態の場合にエアポンプ17を駆動して、エアポンプ17による緩衝部材11の内部からの空気の排出を行わせる。
無線スイッチ19は、操作者により送信される無線信号に基づいてオン状態またはオフ状態となる。
バッテリ20は、緩衝部材変形部12内の各部に電源を供給する。
操作盤21は、ドローン本体3の無線通信部15と無線接続される無線通信部23と、無線通信部23に接続された操作部24を有している。操作部24は、各種のスイッチを備えており、操作者は、操作部24を操作することで、無線通信部23を介してドローン1に飛行制御信号および撮影制御信号を無線送信することができる。
無線信号送信機22は、緩衝部材変形部12の無線スイッチ19と無線接続されており、操作者は、無線信号送信機22からドローン1に無線信号を送信して、緩衝部材変形部12の無線スイッチ19をオン状態またはオフ状態にすることができる。
なお、ドローン拘束状態離脱装置2の緩衝部材11の内部には、予め所定量の空気が封入され、図1に示されるように、緩衝部材11は外径D2を有するものとする。
まず、操作者が、操作盤21の操作部24を操作することにより、無線通信部23を介してドローン1に飛行制御信号が送信されると、飛行制御信号は、ドローン1のドローン本体3の無線通信部15で受信され、無線通信部15から飛行制御部13に伝送される。飛行制御信号が入力された飛行制御部13は、飛行制御信号に基づいて複数のモータ6の回転をそれぞれ制御し、これにより、複数のモータ6に連結された複数の回転翼7の回転速度が制御され、ドローン1の飛行が行われる。
なお、緩衝部材11は、エアポンプ17により空気が排出されて萎んだ状態にあるので、ドローン1が再び何らかの障害物に拘束される場合に備えて、緩衝部材11が当初の外径D2を有するまで、緩衝部材11の内部に空気を封入する必要がある。
気体排出機構としては、エアポンプ17の他、吸引ファンを用いることもできる。また、緩衝部材11の内部を、緩衝部材11の外部である大気圧よりも高い圧力、いわゆる正圧状態とし、気体排出機構として、弁を使用することもできる。弁を開放することにより、緩衝部材11の内部が大気圧となるまで、空気を排出させることができる。ただし、緩衝部材11は、空気の排出に応じて変形される必要がある。
このようにすれば、無線信号送信機22を使用することなく、操作盤21からドローン1に無線信号を送信して、緩衝部材11の内部から空気を排出することができる。
上記の実施の形態1では、停滞したドローン1の位置または固定された撮影画像に基づいてドローン1の拘束状態を感知した操作者が、無線信号送信機22から無線信号を送信することにより、エアポンプ17を駆動して緩衝部材11の内部から空気を排出したが、操作者による操作を必要とすることなく、ドローン1が拘束状態となった場合に自動的に緩衝部材11の内部からの空気の排出を行うように構成することもできる。
ドローン1Aは、実施の形態1におけるドローン1において、ドローン拘束状態離脱装置2の代わりにドローン拘束状態離脱装置2Aを有するものであり、ドローン本体3と、ドローン本体3の全体を取り囲む多面体形状のガードフレーム4は、実施の形態1で用いられたものと同一である。
緩衝部材11は、実施の形態1において使用されたものと同一である。
圧力センサ26は、緩衝部材11の内部空間に接続されて緩衝部材11の内部圧力を検出する。
拘束判定部25は、圧力センサ26により検出された緩衝部材11の内部圧力が、所定時間にわたって、予め設定されたしきい値を超えた場合に、ドローン1が拘束状態にあると判定して、駆動制御部18によりエアポンプ17を駆動させる。
緩衝部材11の内部圧力が上昇すれば、可撓性を有する管状体からなる緩衝部材11の張力も上昇し、緩衝部材11の内部圧力が下降すれば、緩衝部材11の張力も下降する。このため、張力センサにより検出される緩衝部材11に作用する張力が、所定時間にわたって、予め設定されたしきい値を超えることによっても、拘束判定部25は、ドローン1Aが拘束状態になったと判定することが可能となる。
ただし、気体排出機構として用いられているエアポンプ17により、緩衝部材11の内部への気体の封入も行う場合には、外気である空気が緩衝部材11の内部に入り込むこととなるため、緩衝部材11内に封入される気体としては、空気が好ましい。
このようにすれば、操作者は、緩衝部材11の内部圧力に基づいてドローン1が拘束状態になったことを検知し、無線信号送信機22からドローン1に無線信号を送信して、緩衝部材変形部12の無線スイッチ19をオン状態とし、緩衝部材11の内部から空気を排出することができる。
上記の実施の形態1に係るドローン拘束状態離脱装置2では、図1に示されるように、ドローン1のガードフレーム4の外周部に円環形状の1本の緩衝部材11が配置されているが、これに限るものではない。
ドローン31は、実施の形態1におけるドローン1において、ドローン拘束状態離脱装置2の代わりにドローン拘束状態離脱装置32を有するものであり、ドローン本体3と、ドローン本体3の全体を取り囲む多面体形状のガードフレーム4は、実施の形態1で用いられたものと同一である。
ドローン拘束状態離脱装置32は、ガードフレーム4の外周部に配置された緩衝部材33と、ガードフレーム4の内側に取り付けられた緩衝部材変形部12とを有している。
緩衝部材変形部12は、図2に示した実施の形態1における緩衝部材変形部12と同一であり、緩衝部材変形部12に具備されたエアポンプ17が、緩衝部材33の内部空間に接続されている。
実施の形態3では、3本の円環形状の管状体33A、33Bおよび33Cからなる緩衝部材33がガードフレーム4の外周部に配置されているので、管状体33A、33Bおよび33Cのうち少なくとも1つが障害物に接触してドローン31が拘束された場合においても、拘束状態の離脱を行うことが可能となる。
上記の実施の形態1では、ドローン1のガードフレーム4の外周部に円環形状の1本の緩衝部材11が配置され、実施の形態3では、ドローン31のガードフレーム4の外周部に3本の円環形状の管状体33A、33Bおよび33Cからなる緩衝部材33が配置されているが、これに限るものではない。
図8は、実施の形態4に係るドローン拘束状態離脱装置42を備えたドローン41の緩衝部材43を示す部分平面図である。
ドローン41は、実施の形態1で用いられたものと同一のドローン本体3とガードフレーム4とを有しており、図8に示されるように、ガードフレーム4を構成する複数の梁部材9の外側に、それぞれ、可撓性を有する複数の管状体43Aが配置され、これら複数の管状体43Aを互いに連結することにより、1つの内部空間を有する緩衝部材43が形成されている。
また、緩衝部材43に、図6に示した実施の形態2における緩衝部材変形部12Aのエアポンプ17および圧力センサ26を接続すれば、ドローン41が拘束状態となった場合に、自動的に緩衝部材43の内部から空気を排出してドローン41の拘束状態を離脱させるドローン拘束状態離脱装置42を構成することができる。
上記の実施の形態1におけるドローン1は、ドローン本体3の全体を取り囲む多面体形状のガードフレーム4を備えているが、これに限るものではない。
図9に、実施の形態5に係るドローン拘束状態離脱装置52を備えたドローン51を示す。ドローン51は、複数の回転翼(プロペラ)7を含むドローン本体3と、ドローン本体3の一部である複数の回転翼7の回りをそれぞれ囲む複数のリング形状のガードフレーム54を備えている。ドローン本体3は、図2に示した実施の形態1におけるドローン1に用いられたものと同一の構成を有している。それぞれのガードフレーム54は、剛性を有し、対応する回転翼7を保護する、いわゆるプロペラガードを形成している。
なお、図9では、4つの回転翼7が示されているが、回転翼7は4つに限るものではなく、それぞれの回転翼7に対応して、回転翼7のガードフレーム54の外周部を囲む管状体53Aと、管状体53Aに接続された緩衝部材変形部とを備えていれば、回転翼7の個数は、3つ、あるいは、5つ以上であってもよい。
上記の実施の形態5におけるドローン51では、緩衝部材53が、複数の回転翼7のガードフレーム54の外周部をそれぞれ囲み且つ互いに分離して配置された複数の管状体53Aからなっているが、例えば、図10に示されるドローン61のドローン拘束状態離脱装置62のように、複数の回転翼7のガードフレーム54の全体を囲む1本の管状体63Aにより緩衝部材63を形成することもできる。
このような構成としても、緩衝部材63が障害物に挟まれる等によりドローン61が拘束状態になった場合に、緩衝部材63の内部から空気を排出してドローン61を拘束状態から離脱させることが可能となる。
ただし、緩衝部材11、33、43、53、63は、可撓性を有し、気体の封入および排出に応じて変形するため、剛性を有するガードフレーム4、54に緩衝部材11、33、43、53、63を装着することが好ましい。
Claims (8)
- 障害物により拘束されたドローンを拘束状態から離脱させる装置であって、
前記ドローンの外周部に配置され且つ気体の封入および排出に応じて変形可能な緩衝部材と、
前記緩衝部材の内部から前記気体を排出させるための気体排出機構と、
前記気体排出機構を駆動することにより前記緩衝部材を変形させる駆動制御部と、
前記ドローンが拘束状態にあることを検知する拘束検知部と
を備え、前記駆動制御部は、前記拘束検知部により前記ドローンが拘束状態にあることが検知された場合に、前記気体排出機構を駆動するドローン拘束状態離脱装置。 - 前記拘束検知部は、
前記緩衝部材の内部圧力を検出する圧力センサと、
前記圧力センサにより検出された前記緩衝部材の内部圧力が所定時間にわたって予め設定されたしきい値を超えた場合に、前記ドローンが拘束状態にあると判定する拘束判定部と
を含む請求項1に記載のドローン拘束状態離脱装置。 - 前記拘束検知部は、
前記緩衝部材に作用する張力を検出する張力センサと、
前記張力センサにより検出された前記張力が所定時間にわたって予め設定されたしきい値を超えた場合に、前記ドローンが拘束状態にあると判定する拘束判定部と
を含む請求項1に記載のドローン拘束状態離脱装置。 - 前記緩衝部材は、電気絶縁素材からなる請求項1~3のいずれか一項に記載のドローン拘束状態離脱装置。
- 前記気体排出機構は、エアポンプまたは吸引ファンからなる請求項1~4のいずれか一項に記載のドローン拘束状態離脱装置。
- 前記ドローンは、
無人飛行を行うためのドローン本体と、
前記ドローン本体の全体または一部を取り囲むガードフレームと
を含み、
前記緩衝部材は、前記ガードフレームに装着されている請求項1~5のいずれか一項に記載のドローン拘束状態離脱装置。 - 請求項1~6のいずれか一項に記載のドローン拘束状態離脱装置を備えるドローン。
- 気体の封入および排出に応じて変形可能な緩衝部材を外周部に備え、障害物により拘束されたドローンを拘束状態から離脱させる方法であって、
前記緩衝部材の内部から前記気体を排出させて前記緩衝部材を変形させることにより前記ドローンを拘束状態から離脱させるステップ
を備えるドローン拘束状態離脱方法。
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