JP7286489B2 - リチウム含有炭素系負極活物質の製造方法及びリチウムイオン電池の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、負極活物質層の表面にリチウムを蒸着させることで負極活物質にリチウムをドープする方法が開示されている。
また、特許文献2には、リチウムイオン電池の内部にリチウム源を有する第3電極を配置し、リチウムイオン電池を組み立てた後に、第3電極と負極とを短絡させて、負極にリチウムをドープする方法を開示している。
リチウムイオン電池の組み立て後にドープを行う特許文献2では、上述したような問題は発生しないが、電池反応とは直接関係のない第3電極がリチウムイオン電池内部に配置されているため、エネルギー密度を充分に向上させることができないという問題があった。
すなわち、本発明は、炭素系負極活物質、リチウム又はリチウム化合物、及び、非水電解液を含む混合物を、二酸化炭素濃度が5体積%以上、かつ、水分濃度が50ppm~500ppmの雰囲気下に0.1~40時間暴露する暴露工程を含むことを特徴とするリチウム含有炭素系負極活物質の製造方法、及び、本発明の暴露工程を含むことを特徴とするリチウムイオン電池の製造方法に関する。
本発明のリチウムイオン電池の製造方法では、ドライルーム環境下で失活による直流抵抗の上昇をおこしにくいリチウム含有炭素系負極活物質を用いてリチウムイオン電池を製造する。リチウムイオン電池用負極活物質がドライルーム環境下で失活による直流抵抗の上昇をおこしにくいと、製造工程における環境管理及びリチウム含有炭素系負極活物質の取扱が簡便になるため、製造コストを削減し、品質安定性を向上させることができる。
なお、本明細書において、リチウムイオン電池と記載する場合、リチウムイオン二次電池も含む概念とする。
暴露工程では、炭素系負極活物質、リチウム又はリチウム化合物、及び、非水電解液を含む混合物を、二酸化炭素濃度が5体積%以上、かつ、水分濃度が50~500ppmの雰囲気下に0.1~40時間暴露する。
炭素系負極活物質、リチウム又はリチウム化合物、及び、非水電解液を含む混合物を二酸化炭素濃度が5体積%以上、かつ、水分濃度が50~500ppmの雰囲気下に0.1~40時間暴露することによって、リチウム又はリチウム化合物に由来するリチウムイオンが炭素系負極活物質に挿入されてリチウム含有炭素系負極活物質が得られるとと推測される。そして、該リチウム含有炭素系負極活物質の表面に、リチウムイオンが炭素系負極活物質に挿入される際に形成される電解液成分由来の保護膜と、水分とCO2由来の保護膜(以下、まとめてSEIともいう)が形成されると推測される。
リチウム含有炭素系負極活物質の表面に形成されたSEIは、リチウム含有炭素系負極活物質の表面を覆って、リチウム含有炭素系負極活物質が水分によって劣化することを抑制することができると考えられる。
雰囲気の二酸化炭素濃度が上記範囲であれば、リチウム含有炭素系負極活物質の劣化を充分に抑制できるだけのSEIを充分に形成することができる。
雰囲気の水分濃度が上記範囲であると、生産設備に必要なコストを抑制しつつ、リチウム含有炭素系負極活物質の表面にドライルーム環境下でも安定なSEIを形成することができると考えられる。従って、本発明のリチウムイオン電池用負極活物質の製造方法では、失活による直流抵抗の上昇をおこしにくく、取扱性が簡便なリチウム含有炭素系負極活物質を製造することができる。
なお、本明細書において、水分濃度は気体の全体積に対する水蒸気の体積割合(ppm)である。
この場合、混合時間も上記暴露時間に含むものとする。
このとき、ドライルーム(露点-30℃以下)において、炭素系負極活物質、リチウム又はリチウム化合物、及び非水電解液の混合を開始してから、該混合物を水分濃度が50~500ppmの雰囲気に0.1~40時間暴露するまでの間の時間は、30分以下であることが好ましい。
上記時間が30分以下であれば、リチウム含有炭素系負極活物質の劣化を抑制できるため、SEIによってリチウム含有炭素系負極活物質の表面を覆うことができる。
不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン等が挙げられる。
また上記雰囲気は酸素を含んでいてもよい。
炭素系負極活物質としては、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン又はHCともいう)、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]等が挙げられる。
これらの中でも、電池容量等の観点から、黒鉛、難黒鉛化性炭素及びアモルファス炭素が好ましい。
炭素系負極活物質の周囲が被覆層で被覆されていると、負極の体積変化が緩和され、負極の膨張を抑制することができる。
リチウム又はリチウム化合物は、炭素系負極活物質にリチウムを供給できるものであればよく、例えば、金属リチウム、リチウム合金、リチウム塩等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
リチウム合金としては、例えば、Li-Si合金、Li-Sn合金、Li-Al合金、Li-Al-Mn合金等が挙げられる。
リチウム塩としては、例えば、炭酸リチウムやクエン酸リチウム等が挙げられる。
混合物中の非水電解液の含有量は、40~80重量%であることが好ましい。
混合物中の非水電解液の含有量が40重量%以上であると、SEIの形成が充分な速度で進行する。一方、混合物中の非水電解液の含有量が80重量%以下であると、一度に処理できる炭素系負極活物質の量を増加させることができるため、製造コストを抑制することができる。
非水電解液の電解質濃度は特に限定されないが、2~5mol/Lであることが好ましい。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル-n-プロピルカーボネート、エチル-n-プロピルカーボネート及びジ-n-プロピルカーボネート等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキソラン及び1,4-ジオキサン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2-ジメトキシエタン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、DMF等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等が挙げられる。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また非水溶媒のうち、ドライルーム環境下でも安定なSEIを形成する観点から好ましいのは、環状炭酸エステルである。
導電助剤は、導電性を有する材料から選択される。
具体的には、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、さらに好ましくはカーボンである。またこれらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記した導電助剤の材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。また、グラフェンを練りこんだポリプロピレン樹脂も好ましい。
導電助剤が導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1~20μmであることが好ましい。
本発明のリチウムイオン電池の製造方法は、本発明のリチウム含有炭素系負極活物質の製造方法を構成する暴露工程を含むことを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池の製造方法では、ドライルーム環境下で失活による直流抵抗の上昇をおこしにくいリチウム含有炭素系負極活物質を用いてリチウムイオン電池を製造する。リチウムイオン電池用負極活物質がドライルーム環境下で失活による直流抵抗の上昇をおこしにくいと、製造工程における環境管理及びリチウム含有炭素系負極活物質の取扱が簡便になるため、製造コストを削減し、品質安定性を向上させることができる。
[非水電解液の作製]
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiN(SO2F)2を2mol/Lの割合で溶解させて非水電解液を準備した。
[被覆層用高分子化合物溶液の作製]
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF407.9部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸242.8部、メチルメタクリレート97.1部、2-エチルヘキシルメタクリレート242.8部、及びDMF116.5部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.7部及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)4.7部をDMF58.3部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂固形分濃度が50重量%の共重合体溶液を得た。これにDMFを789.8部加えて、樹脂固形分濃度が30重量%である被覆層用高分子化合物溶液を得た。
[被覆負極活物質(C-HC)の作製]
難黒鉛化性炭素(HC)粉末[(株)クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製カーボトロン(登録商標)PS(F)、数平均粒子径18μm]96.52部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、150rpmで撹拌した状態で、製造例2で得られた被覆層用高分子化合物溶液1.6部を60分かけて滴下混合し、さらに30分撹拌した。次いで、撹拌を維持したままアセチレンブラック[デンカ(株)製 デンカブラック(登録商標)]3.0重量部を3回に分けて混合し、30分撹拌したままで70℃に昇温し、0.01MPaまで減圧し30分保持した。上記操作により被覆負極活物質(C-HC)粒子を得た。
[混合物(A)、(B)、(C)の作製]
プライミックス社製ハイビスミックス(2P-03型)に、難黒鉛化性炭素(HC)粉末[(株)クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製カーボトロン(登録商標)PS(F)、数平均粒子径18μm]49部、金属リチウム粒子1.0部、及び、上記非水電解液50部を投入し、系内を減圧処理した後、N2:62体積%、O2:17体積%、CO2:20体積%、水分濃度:50ppmの混合ガスを供給した状態で30分間混合して混合物(A1)を得た。
上記混合物(A1)を同雰囲気下で30分時間静置して、混合物(B1)を得た。
また、混合物(B1)をさらにドライルーム(露点-40℃)で4時間静置して、混合物(C1)を得た。
ドライルーム(露点-40℃)の雰囲気は、おおよそ、N2:78体積%、O2:21体積%、Ar:0.9体積%、CO2:0.04体積%、水分濃度:126ppmである。
これ以降の実施例及び比較例においても、ドライルームの雰囲気は同様である。
混合物(B1)及び(C1)を、それぞれ固形分濃度が65重量%となるよう事前に吸液紙で余剰の電解液を吸液して固体成分(D1)及び固体成分(E1)を得た。続いて、固体成分(D1)及び固体成分(E1)をそれぞれ、特許第4106206号記載の冶具に所定量(2.5g)投入し、抵抗値をLCRメータにて測定した。結果を表1に示す。
固形分濃度が同じ状態で、固体成分(E1)の抵抗値が固体成分(D1)の抵抗値よりも高ければ、ドライルーム環境下(露点-40℃)でリチウム含有炭素系負極活物質の劣化が進行していることを示す。
得られた混合物(B1)及び混合物(C1)を、ドクターブレード法により銅箔上に塗布し、アラミドセパレータを介して余分な非水電解液を吸引することで、負極集電体である銅箔の表面に厚さ100μmの負極活物質層が形成されたリチウムイオン電池用負極(F1)及び(G1)をそれぞれ得た。
上記負極(F1)及び(G1)を、セパレータを介して金属リチウム箔と積層して、アルミラミネートフィルムで封止することによって、試験用ハーフセル(H1)及び(I1)を作製した。
試験用ハーフセル(H1)及び(I1)の開回路電圧(OCV)を測定した。結果を表1に示す。
試験用ハーフセル(I1)のOCVが試験用ハーフセル(H1)のOCVよりも高ければ、ドライルーム環境(露点-40℃)で負極活物質が劣化していることを示す。
試験用ハーフセル(H1)及び(I1)を25℃恒温槽内で温調した状態で、下限電位0V、0.05CでCCCV充電、上限電位1.5V、0.05CでCCCV放電した。得られた充電容量に対する放電容量の割合を充放電効率として算出した。また、0.05C放電における10秒間の電圧降下から直流抵抗(DCR)を算出した。結果を表1に示す。
充放電効率が高いほど、炭素系負極活物質に対するリチウムのドープが進行しているといえる。
直流抵抗(DCR)が低いほど、リチウム含有炭素系負極活物質が劣化していないといえる。
実施例1における難黒鉛化性炭素(HC)粉末を製造例3で作製した被覆負極活物質(C-HC)粒子に変更し、混合時の雰囲気をAr:80体積%、CO2:20体積%、水分濃度100ppmに変更して混合物(A2)を得た後、同雰囲気下で210分間静置することで混合物(B2)を得た。
その他の手順は実施例1と同様にして、混合物(C2)、固体成分(D2)及び(E2)、リチウムイオン電池用負極(F2)及び(G2)、試験用ハーフセル(H2)及び(I2)を作製し、抵抗値及びOCVを測定した。結果を表1に示す。
混合時の雰囲気の水分濃度を470ppmに変更し、静置時間を30分に変更したほかは、実施例2と同様の手順で、混合物(A3)、(B3)及び(C3)、固体成分(D3)及び(E3)、リチウムイオン電池用負極(F3)及び(G3)、試験用ハーフセル(H3)及び(I3)を作製し、抵抗値及びOCVを測定した。結果を表1に示す。
実施例1における難黒鉛化性炭素(HC)粉末を製造例3で作製した被覆負極活物質(C-HC)粒子に変更し、混合時の雰囲気をAr:95体積%、CO2:5体積%、水分濃度100ppmに変更して混合物(A4)を得た後、同雰囲気下で210分間静置することで混合物(B4)を得た。
その他の手順は実施例1と同様にして、混合物(C4)、固体成分(D4)及び(E4)、リチウムイオン電池用負極(F4)及び(G4)、試験用ハーフセル(H4)及び(I4)を作製し、抵抗値及びOCVを測定した。結果を表1に示す。
実施例2において、混合物(A5)を得る操作をドライルーム(露点-40℃)で行い、得られた混合物(A5)をAr:80体積%、CO2:20体積%、水分濃度100ppmの雰囲気下で90分静置することで混合物(B5)を得た。
その他の手順は実施例1と同様にして、混合物(C5)、固体成分(D5)及び(E5)、リチウムイオン電池用負極(F5)及び(G5)、試験用ハーフセル(H5)及び(I5)を作製し、抵抗値及びOCVを測定した。結果を表1に示す。
なお、混合物(A5)を得る操作は、雰囲気がドライルーム(露点-40℃)雰囲気であり、二酸化炭素濃度が5体積%未満であることから、「暴露工程」に含まれない。従って、表1では混合時間を括弧書きで表記している。
一方、得られた混合物(A5)を上記雰囲気下で静置して混合物(B5)を得る操作は、「暴露工程」に含まれる。
上記ドライルーム(露点-40℃)にて、難黒鉛化性炭素(HC)粉末[(株)クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製カーボトロン(登録商標)PS(F)、数平均粒子径18μm]45.6部、金属リチウム粒子4.4部、及び、上記非水電解液50部を30分間混合して混合物(A’1)を得た。また混合物(A’1)をドライルーム雰囲気下で4時間静置して混合物(C’1)を得た。
混合物(A’1)及び(C’1)を用いて、実施例1と同様の手順で固体成分(D’1)及び(E’1)、リチウムイオン電池用負極(F’1)及び(G’1)、試験用ハーフセル(H’1)及び(I’1)を作製し、抵抗値及びOCVを測定した。
結果を表1に示す。
なお、混合物(A’1)を得る操作は、実施例5の混合物(A5)を得る操作と同様に、「暴露工程」に含めない。従って、表1では混合時間を括弧書きで表記している。
混合時の雰囲気のAr濃度を100体積%に変更したほかは、実施例2と同様の手順で混合物(A’2)、(B’2)及び(C’3)、固体成分(D’2)及び(E’2)、リチウムイオン電池用負極(F’2)及び(G’2)、試験用ハーフセル(H’2)及び(I’2)を作製し、抵抗値及びOCVを測定した。結果を表1に示す。
混合時の雰囲気の水分濃度を550ppmに変更したほかは、実施例3と同様の手順で混合物(A’3)、(B’3)及び(C’3)、固体成分(D’3)及び(E’3)、リチウムイオン電池用負極(F’3)及び(G’3)、試験用ハーフセル(H’3)及び(I’3)を作製し、抵抗値及びOCVを測定した。結果を表1に示す。
混合時の雰囲気の水分濃度を40ppmに変更したほかは、実施例3と同様の手順で混合物(A’4)、(B’4)及び(C’4)、固体成分(D’4)及び(E’4)、リチウムイオン電池用負極(F’4)及び(G’4)、試験用ハーフセル(H’4)及び(I’4)を作製し、抵抗値及びOCVを測定した。結果を表1に示す。
比較例1の結果より、従来のドライルーム(露点-40℃)環境下では、リチウム含有炭素系負極活物質の劣化が進行することが確認できた。
また、比較例2~4の結果より、二酸化炭素濃度が5体積%未満の場合、水分濃度が500ppmを超える場合、及び、水分濃度が50ppm未満の場合については、ドライルーム環境下で失活が進行してしまうことがわかった。これは、安定性の高いSEIが充分に形成されなかったためと推測される。
Claims (4)
- 炭素系負極活物質、リチウム又はリチウム化合物、及び、非水電解液を含む混合物を、二酸化炭素濃度が5体積%以上、かつ、水分濃度が50~500ppmの雰囲気下に0.1~40時間暴露する暴露工程を含むことを特徴とするリチウム含有炭素系負極活物質の製造方法。
- 前記暴露工程における前記二酸化炭素濃度が、10~20体積%である請求項1に記載のリチウム含有炭素系負極活物質の製造方法。
- 前記暴露工程における前記混合物中の前記非水電解液の含有量は、40~80重量%である請求項1又は2に記載のリチウム含有炭素系負極活物質の製造方法。
- 請求項1~3のいずれかに記載の暴露工程を含むことを特徴とするリチウムイオン電池の製造方法。
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