JP7286207B1 - 家畜繁殖管理装置、家畜繁殖管理システム、家畜繁殖管理方法、及び、家畜繁殖管理プログラム - Google Patents

家畜繁殖管理装置、家畜繁殖管理システム、家畜繁殖管理方法、及び、家畜繁殖管理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 繁殖用家畜の繁殖管理を効率化し、雌の家畜個体の繁殖成績を最大化する。【解決手段】 家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部101と、家畜を撮像した家畜画像を取得する家畜画像取得部1032と、家畜画像と識別情報に基づいて、家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成する家畜個体識別部1034と、個体家畜画像に基づいて、個体家畜画像に映る雌の家畜について、雌の家畜の繁殖機能状態を推定し、繁殖機能状態を雌の家畜の繁殖機能情報として記憶部101に記憶する繁殖機能情報管理部1033と、を備え、繁殖機能状態は、雌の家畜の生後初めての発情発現を含む発情状態であり、繁殖機能情報は、雌の家畜の発情発現の回数に応じた回数次を含む。【選択図】図2

Description

本開示は、家畜繁殖管理装置、家畜繁殖管理システム、家畜繁殖管理方法、及び、家畜繁殖管理プログラムに関する。
畜産業において農場での畜産工程は、主に繁殖、離乳、肥育、出荷である。このうちの繁殖工程では、家畜の繁殖成績を生物学的な上限において最大化することにより農場の収益を増やすことができる。雌の家畜の繁殖成績は、例えば複数頭を出産する家畜においては、1頭の雌の家畜が1回の分娩で出産する産子数と、1頭の雌の家畜の生涯における出産回数によって決定される。産子数を上げる対応として、例えば家畜が豚の場合では、1回の分娩で多数の子を生む品種改良が海外で実施され、日本にも導入されている。また、出産回数では、産子数が年齢と伴に変化していくため産歴回数が5~6回程度で廃用されるのが一般的である。そのため、妊娠確率が高くなる発情時期を逸せずに適時に種付することが空胎期を作らずに、雌の家畜の限られた高繁殖生産性時間を有効的に使うことに繋がるため、雌の家畜の発情の兆候を捉える必要がある。
また、近年では、畜産業における人手不足の解消策として畜産業務を効率化したり、家畜の飼養環境を監視・制御したりする目的で、コンピュータや監視カメラを導入してシステム化を行い、管理することが数多く行われている。
そこで、画像を用いた家畜の発情検知技術が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1では、家畜の画像と家畜の加速度情報に基づいて家畜の発情期を判定する家畜発情期判定プログラムが開示されている。特許文献2では、画像から雌豚の起臥の頻度を計測し、発情を判定する雌豚用発情判定装置が開示されている。
特開2021-168060号公報 国際公開WO2021/045033A1号公報
ところが、雌の家畜において生後、初めてから数回目までの発情が発現する時期は、成長移行時期であり生体として未成熟であるために一般に妊娠確率が低くなり、また母子の死亡や産子異常等の事故リスクも大きくなる。且つ、事故が発生すると肉豚用とは別に繁殖用として育成したコストの回収が難しくなることもあり、生後初回から数回目までの初期の発情時期(妊娠可能期間)を正確に把握し、適切なタイミングで種付けを行うことが一般的な運用となっている。例えば、家畜が豚の場合、1頭の雌の生涯出産回数を最大化するためには、妊娠確率が安定する3回目ごろの発情を正確に把握して、最初の種付けをすることが重要とされている。
また、初回の出産を経た経産家畜についても、妊娠確率を向上させるためには、継続して正確に発情時期を把握する必要がある。
さらに、家畜が豚の場合において、従来母豚は個体ごとに区分けされた個室豚房において飼養されることが多かったが、近年アニマルウェルフェア(動物愛護)の観点から、自由に動ける大きさの区画内で多頭飼養されるフリーストールを採用する動きもある。個室豚房では、豚房と個体が1対1の対応であることにより母豚個体ごとの識別が不要であったが、フリーストールでは耳刻やRFID付きの耳標を農家が1頭単位で読み取って個体識別を行う必要がある。しかし、特に養豚業では農場あたりの家畜数に対する従業員数が不足する傾向にあり、耳刻の読み取りやICリーダーを用いてのRFID読み取りは人手で行うため従業員の負担が大きく、且つ、一頭単位で行う必要があるため業務の効率性においても課題が存在する。
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、家畜の繁殖管理を効率化し、雌の家畜個体の繁殖成績を向上することができる技術を提供することである。
上記した目的を達成するため、家畜繁殖管理装置は、家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部と、家畜を撮像した家畜画像を取得する家畜画像取得部と、前記家畜画像と前記識別情報に基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成する家畜個体識別部と、前記家畜の繁殖工程移行後に取得する前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、繁殖機能状態を示す特徴量として外観、活動量、及び、体重を識別して、これらの特徴量から前記雌の家畜の繁殖機能状態を数理モデルを用いて推定し、推定した前記繁殖機能状態を前記雌の家畜の繁殖機能情報として前記記憶部に記憶する繁殖機能情報管理部と、を備え、前記数理モデルは、過去の雌の家畜に紐づく個体家畜画像と、当該個体家畜画像から抽出された前記繁殖機能状態を示す特徴量を説明変数とし、当該個体家畜画像に紐づく繁殖機能状態の判定結果と承認状況を目的変数とするデータセットに基づいて生成され、前記繁殖機能状態は、前記雌の家畜の発情状態を含み、前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の前記繁殖工程移行後の発情発現の回数に応じた回数次を含む。
また、上記した目的を達成するため、家畜繁殖管理システムは、プロセッサと記憶部とを備える情報処理装置、ユーザ端末、及び、撮像装置からなる家畜繁殖管理システムであって、家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部と、家畜を撮像した家畜画像を取得する家畜画像取得部と、前記家畜の繁殖工程移行後に取得する前記家畜画像と前記識別情報とに基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成する家畜個体識別部と、前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、繁殖機能状態を示す特徴量として外観、活動量、及び、体重を識別して、これらの特徴量から前記雌の家畜の繁殖機能状態を数理モデルを用いて推定し、推定した前記繁殖機能状態を前記雌の家畜に紐づいた繁殖機能情報として前記記憶部に記憶する繁殖機能情報管理部と、を備え、前記数理モデルは、過去の雌の家畜に紐づく個体家畜画像と、当該個体家畜画像から抽出された前記繁殖機能状態を示す特徴量を説明変数とし、当該個体家畜画像に紐づく繁殖機能状態の判定結果と承認状況を目的変数とするデータセットに基づいて生成され、前記繁殖機能状態は前記雌の家畜の発情状態を含み、前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の前記繁殖工程移行後の発情発現の回数に応じた回数次を含む。
また、上記した目的を達成するため、家畜繁殖管理方法は、プロセッサと、家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部と、を備えるコンピュータにより実行される家畜繁殖管理方法であって、家畜を撮像した家畜画像を取得させる家畜画像取得ステップと、前記家畜画像と前記識別情報とに基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成させる家畜識別ステップと、前記家畜の繁殖工程移行後に取得する前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、繁殖機能状態を示す特徴量として外観、活動量、及び、体重を識別して、これらの特徴量から前記雌の家畜の繁殖機能状態を数理モデルを用いて推定させる繁殖機能推定ステップと、推定した前記繁殖機能状態を前記雌の家畜に紐づいた繁殖機能情報として前記記憶部に記憶させる繁殖機能情報記憶ステップと、を含み、前記数理モデルは、過去の雌の家畜に紐づく個体家畜画像と、当該個体家畜画像から抽出された前記繁殖機能状態を示す特徴量を説明変数とし、当該個体家畜画像に紐づく繁殖機能状態の判定結果と承認状況を目的変数とするデータセットに基づいて生成され、前記繁殖機能状態は前記雌の家畜の発情状態を含み、前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の前記繁殖工程移行後の発情発現の回数に応じた回数次を含む。
また、上記した目的を達成するため、家畜繁殖管理プログラムは、プロセッサと、家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、家畜を撮像した家畜画像を取得させる家畜画像取得ステップと、前記家畜画像と前記識別情報とに基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成させる家畜識別ステップと、前記家畜の繁殖工程移行後に取得する前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、繁殖機能状態を示す特徴量として外観、活動量、及び、体重を識別して、これらの特徴量から前記雌の家畜の繁殖機能状態を数理モデルを用いて推定させる繁殖機能推定ステップと、推定した前記繁殖機能状態を前記雌の家畜に紐づいた繁殖機能情報として前記記憶部に記憶させる繁殖機能情報記憶ステップと、を実行させるプログラムであって、前記数理モデルは、過去の雌の家畜に紐づく個体家畜画像と、当該個体家畜画像から抽出された前記繁殖機能状態を示す特徴量を説明変数とし、当該個体家畜画像に紐づく繁殖機能状態の判定結果と承認状況を目的変数とするデータセットに基づいて生成され、前記繁殖機能状態は前記雌の家畜の発情状態を含み、前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の前記繁殖工程移行後の発情発現の回数に応じた回数次を含む。
本開示によれば、繁殖管理を効率化し、雌の家畜個体の繁殖成績を向上することができる。
家畜繁殖管理システムの全体の構成を示す図である。 家畜繁殖管理サーバの機能構成を示すブロック図である。 家畜繁殖管理サーバの記憶部に格納される主な情報を示す表である ユーザ端末の機能構成を示すブロック図である。 撮像装置の機能構成を示すブロック図である。 個体識別処理の動作を示すフローチャートである。 初回発情管理処理の動作を示すフローチャートである。 初期発情管理処理の動作を示すフローチャートである。 繁殖機能情報表示処理の動作を示すフローチャートである。 繁殖機能監視処理の動作を示すフローチャートである。 数理モデル管理処理の動作を示すフローチャートである。 繁殖機能情報表示処理の動作を示す画面例である。 コンピュータの基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
以下、本開示の各実施形態について図面を用いて説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
なお、以下で説明する本開示の実施形態は、家畜として主に豚を例として説明を行う。
<システム構成>
本開示における家畜繁殖管理システム1は、ユーザが行う家畜繁殖業務において、家畜繁殖情報の管理を支援する家畜繁殖管理サービスを提供する情報処理システムである。
ユーザは主に家畜農家である。家畜農家は、家畜を飼養する農場の経営者である個人、又は法人であり、畜産農家、畜産家ともいう。家畜が豚である場合は、養豚業を行う者であり、養豚家ともいう。
実施形態において、家畜全般に対する用語と、家畜が特に豚である場合の用語は以下のように読み替えることができる。農場において畜産物が飼養される施設である畜舎は、豚の場合は豚舎ともいう。畜舎内の仕切られた区画の単位である畜房は、豚の場合は豚房ともいう。繁殖用家畜は、豚が雌の場合は雌豚、母豚、又は繁殖母豚)、豚が雄の場合は雄豚、繁殖雄豚、種豚、又は種雄豚ともいう。なお、本願における母豚の定義には、経産雌豚だけでなく未経産雌豚も含むものとする。また、以下の説明において、未経産雌豚のうち、離乳工程を終えたものを候補豚と称する場合がある。
図1は、本開示の実施形態に係る家畜繁殖管理システムのシステム構成図である。家畜繁殖管理システム1は、ネットワークNWを介して接続された、家畜繁殖管理サーバ10、ユーザ端末20、撮像装置30、の情報処理装置を備える。
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成及び、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。
ネットワークNWは、例えばインターネット、VPN(VirtualPrivateNetwork)、イントラネット、近距離無線通信等のネットワークである。説明の簡略化のため、図1では、1のユーザ端末20と1の撮像装置30を示しているが、家畜繁殖管理サーバ10は、ネットワークNWを介して2以上のユーザ端末20や2以上の撮像装置30と接続可能である。また、1のユーザ端末20を複数のユーザが使用しても構わない。家畜繁殖管理サービスの運営業者は、家畜繁殖管理システム1を用いてユーザに家畜繁殖情報の管理を支援するサービスを提供する。
<家畜繁殖管理サーバの構成>
図2は、家畜繁殖管理サーバの機能構成を示すブロック図である。
家畜繁殖管理サーバ10は、家畜繁殖管理サービスを提供する情報処理装置(家畜繁殖管理装置)である。家畜繁殖管理サーバ10は、記憶部101と制御部103を備える。
<家畜繁殖管理サーバの記憶部の構成>
家畜繁殖管理サーバ10の記憶部101は、家畜繁殖管理システム1による管理を実行するのに用いる情報を記憶する記憶装置である。図2では家畜繁殖管理サーバ10と一体に記載しているが、家畜繁殖管理サーバ10と物理的に独立した記憶装置であっても構わない。
記憶部101は、アプリケーションプログラム1011、家畜基本情報テーブル1012、家畜画像テーブル1013、個体家畜画像テーブル1014、繁殖機能情報テーブル1015、家畜生体情報テーブル1016、個体識別数理モデル1021、生体情報推定数理モデル1022、繁殖機能推定数理モデル1023を備える。記憶部101は、これらの記憶部に属さないその他の情報についても記憶している。
図3は、家畜繁殖管理サーバ10の記憶部101に格納される主な情報を示す表である。具体的には、記憶部101の各テーブルと、各テーブルに含まれる各項目と、を示す表である。図3を参照しながら、記憶部101の各テーブルについて以下説明する。
家畜基本情報テーブル1012(家畜基本情報記憶部)は、家畜繁殖管理サービスにおいて管理対象となる家畜の基本情報を記憶し管理するテーブルである。家畜基本情報テーブル1012は、家畜IDを主キーとして、所属農場、所属豚舎、所属フリーストール、所属豚房、マスタ個体画像、耳標コード、品種、性別、家畜タイプ、日齢、警報条件、警報履歴の項目を有する。家畜基本情報は、基本的には、家畜ごとに生成される。飼養管理の単位が群の場合は群ごとに生成されてもよい。
家畜基本情報は、例えばユーザ端末20を用いて、ユーザにより入力され、記憶部101に記憶される。
家畜基本情報テーブル1012の各項目の詳細を説明する。
家畜IDは、飼養される家畜を識別するための家畜識別情報としての家畜IDを記憶する項目である。家畜IDは、豚ごとにユニークな値が設定される。家畜IDは、新規の基本情報登録時に自動で生成され、記憶される。
所属農場は、豚が所属する農場IDが記憶される項目である。
所属豚舎は、豚が所属する豚舎IDが記憶される項目である。
所属フリーストールは、豚が所属するフリーストールIDが記憶される項目である。
所属豚房は、豚が所属する豚房IDが記憶される項目である。
マスタ個体画像は、豚の個体画像のマスタであるマスタ個体画像のマスタが記憶される項目である。マスタ個体画像は家畜個体を画像認識で識別するために用いられる情報であり、家畜の識別情報の一種である。マスタ個体画像の詳細については後述する。
耳標コードは、豚に取り付けられた耳標の耳標コードが記憶される項目である。本実施形態において耳標はいわゆるタグであり、耳標コードは、耳標に表示される英数字、マーク、耳標自体の色の組みあわせ、2次元又は3次元に配列されたドット模様や色をリーダー又はカメラで読み取れる形式にしたコードである。耳標コードは、家畜の識別情報の一種である。
なお、個々の家畜は、耳標のような物理的な家畜識別子と、記憶部101に記憶されている家畜IDのような電子的な識別子とが対応するという前提で管理されている。耳標以外の物理的な識別子として、耳刻、ICタグ、入墨等を用いてもよい。また、物理的な識別子は家畜の耳以外に取り付けられてもよい。
品種は、豚の品種が記憶される項目である。品種とは、豚の品種、血統のことであり、牛、豚、羊などの畜種よりも下位概念に相当するものである。具体的には、例えばランドレース種、デュロック種、大ヨークシャー種、バークシャー種、ハンプシャー種等の品種に加えて、これらの純粋種を掛け合わせた交配種を含む。例えば、ランドレース種(L)、大ヨークシャー種(W)、デュロック種(D)のうち二種をかけ合わせた二元交配種(いわゆる二元豚)や、三種をかけ合わせた三元交配種(いわゆる三元豚)も含む。母豚は二元豚(LW、WL)、肉豚は三元豚(LWD)とするのが一般的である。交配種の品種情報としては、血統割合(%)や血統表を用いてもよい。
性別は、家畜の性別が記憶される項目である。性別は、雌、雄、去勢雄、を含む。
家畜タイプは、養豚の繁殖管理における豚の分類が記憶される項目である。分類は、例えば、母豚、雄豚、等である。
日齢は、家畜の日齢情報又は週齢情報が記憶される項目である。日齢情報は、家畜の出生日と、家畜の出生日を0日として起算した経過日数である日齢を含む。週齢情報は、同様に肉豚の出生日を基準日として起算した経過週数である週数を含む。なお、出生日の代わりに離乳日を基準日とした日齢又は週齢としてもよい。
警報条件は、家畜繁殖管理システム1に関する各種警報を出力する条件が記憶される項目である。警報条件には、初回種付タイミングの条件が含まれる。初回種付タイミングの条件の詳細は後述する。
警報履歴は、警報条件に基づいて出力された警報に関する警報履歴が記憶される項目である。
家畜画像テーブル1013(家畜画像記憶部)は、家畜画像に関する情報である家畜画像情報を記憶し管理するテーブルである。家畜画像は家畜である豚を撮像した画像である。なお、家畜画像は、静止画であっても動画であってもよい。家畜画像に映る豚は、1頭のみでも複数頭を含む家畜群のいずれであってもよい。家畜画像テーブル1013は、家畜画像IDを主キーとして、カメラID、撮像領域、撮像時期、家畜画像ファイル、個体家畜画像情報、の項目を有するテーブルである。家畜画像情報は家畜画像ごとに生成される。
家畜画像テーブル1013の各項目の詳細を説明する。
家畜画像IDは、家畜画像を識別するための家畜画像識別情報が記憶される項目である。家畜画像識別情報は、家畜画像ごとにユニークな値が設定されている項目である。家畜画像IDは、新規に取得した家畜画像に対して自動で生成され付与される。
カメラIDは、家畜画像を撮像したカメラの識別情報であるカメラIDが記憶される項目である。
撮像領域は、カメラが撮像する領域を示す撮像領域情報が記憶される項目である。撮像領域情報は、豚舎ID、豚房ID、フリーストールID、豚舎又は豚房内の区画を示す区画識別情報、ユーザ端末20の位置情報・方角情報、撮像装置30の位置情報・方角情報、のいずれか又は組み合わせを含む。
撮像時期は、家畜画像が撮像された撮像時期を示す撮像時期情報が記憶される項目である。撮像時期情報は、静止画の場合は撮像日時を含み、動画の場合は撮像開始の日時と撮像終了の日時を含む。撮像時期情報は、家畜画像を撮像する時にユーザ端末20、撮像装置30において付与された情報を参照してもよい。
家畜画像ファイルは、家畜画像ファイルに関する情報が記憶される項目である。具体的には、家畜画像のファイル名とファイル形式(拡張子)と参照先情報が記憶される。家畜画像のファイル名は、家畜画像IDと同じでもよい。取得した家畜画像は、記憶部101の別の場所(テーブル等)に記憶され、記憶場所は参照先情報と紐づけられる。
個体家畜画像テーブル1014(家畜画像記憶部)は、個体家畜画像に関する情報である個体家畜画像情報を記憶し管理するテーブルである。個体家畜画像情報は、家畜画像から豚個体を識別して得られる豚個体ごとの部分画像である画像領域情報(個体家畜画像)と、当該豚個体の家畜IDと、を紐づけた情報である。個体家畜画像テーブル1014は、個体家畜画像IDを主キーとして、対象家畜画像ID、画像領域情報、対象家畜IDの項目を有するテーブルである。個体家畜画像情報は家畜画像を個体識別処理することにより生成される豚を識別した画像領域ごとに生成される。1の家畜画像に複数の豚が含まれる場合は、1の家畜画像から複数の個体家畜画像情報が生成される。
個体家畜画像テーブル1014の各項目の詳細を説明する。
個体家畜画像IDは、生成された家畜画像情報を識別するための家畜画像識別情報が記憶される項目である。家畜画像識別情報は、豚個体の画像領域ごとにユニークな値が設定されている項目である。個体家畜画像IDは、新規に生成された豚個体の画像領域に対して自動で生成され付与される。
対象家畜画像IDは、豚個体の画像領域の生成元の家畜画像の家畜画像IDを記憶する項目である。
画像領域情報は、豚個体の画像領域を示す情報が記憶される項目である。
対象家畜IDは、豚個体の画像領域に映る当該豚個体の家畜IDが記憶される項目である。
繁殖機能情報テーブル1015(繁殖機能情報記憶部)は、雌の家畜である雌豚の繁殖機能の状態(繁殖機能状態)に関する情報である繁殖機能情報を記憶し管理するテーブルである。
繁殖機能状態には、繁殖サイクルにおいて発現する、発情状態、種付状態、妊娠状態、再発情状態、流産状態、出産・分娩状態、哺乳状態、離乳状態を含む。各状態には、状態の発現ありと発現なしを含む。繁殖機能情報は、雌豚の家畜ID、発情回数次n、発情推定履歴、初回種付タイミング、初回種付済フラグ、繁殖イベント履歴、妊娠推定履歴、出産推定履歴、を含む。発情推定履歴は、対象家畜画像ID、推定発情確率、発情判定結果、承認状況、参照発情時回数次、の情報を含む。対象家畜画像IDは、繁殖機能の推定を行う対象の雌豚の家畜IDと紐づく個体家畜画像の個体家畜画像IDを示す情報である。推定発情確率は、推定を行う対象の雌豚について、繁殖機能推定数理モデルを用いて繁殖機能のうち発情について推定を行った結果得られる確率を示す情報である。発情判定結果は、得られた推定発情確率に基づいて繁殖機能監視部1036が発情の発現あり又は発現なしを判定した結果を示す情報である。承認状況は、発情の発現あり又は発現なしの判定結果に対して、ユーザの承認のありなしを示す情報である。すなわち、推定発情確率及び発情判定結果は、個体家畜画像を評価した情報である。また、承認状況は、推定の結果得られた発情判定結果を評価した情報である。参照発情回数次は、後述する繁殖管理処理において使用する情報である。
繁殖機能情報テーブル1015は、家畜IDを主キーとして、発情回数次n、発情推定履歴、初回種付タイミング、初回種付済フラグ、繁殖イベント履歴、妊娠推定履歴、出産推定履歴、の項目を有するテーブルである。繁殖機能情報テーブル1015は、発情状態、妊娠状態、出産状態、以外の繁殖機能状態について推定した履歴情報を記憶する項目を有していてもよい。
繁殖機能情報テーブル1015の各項目の詳細を説明する。
対象家畜IDは、繁殖機能情報が生成された雌豚に紐づく家畜IDを記憶する項目である。対象家畜IDは、家畜基本情報テーブル1012の家畜IDから参照される。
発情回数次nは、雌豚について、生後から現在までに出現した発情の回数を示す発情回数次nが記憶される項目である。nは0を含む自然数である。nの初期値、すなわち、雌豚が離乳工程から繁殖工程に移行した直後のnの値、は0である。雌豚の生後初めてであることには、雌豚が候補豚として選別された後初めてであることを含む。
発情推定履歴は、個体家畜画像を用いて推定された雌豚の発情状態を示す発情推定情報を記憶する項目であり、推定に用いられた個体家畜画像ごとに生成される。発情推定履歴は、サブカラムとして、主キーの画像ID、推定発情確率、発情判定結果、承認状況、参照発情回数次の項目を含む。対象画像IDは、生成された発情推定情報に紐づく個体家畜画像の個体家畜画像IDを記憶する項目である。推定発情確率は、推定された母豚の発情確率を記憶する項目である。発情判定結果は、後述する発情判定の判定結果として「発情発現あり」又は「発情発現なし」を示す情報を記憶する項目である。承認状況は、「発情あり」の判定結果に対してユーザが行う承認作業の状況を示す情報を記憶する項目である。ユーザが行う承認作業の状況を示す情報は、判定結果が記憶された時の初期値は「推定」であるが、その後ユーザの操作により「却下」、「保留」、「確定」が選択される。参照発情回数次は、承認状況が「推定」である発情推定情報が生成された時点における発情回数次nが記憶される項目である。なお、発情判定結果の項目に記憶された判定結果は、ユーザの必要に応じて、ユーザ端末20等から閲覧し修正することが可能である。
初回種付タイミングは、家畜基本情報テーブル1012の警報条件の項目に記憶されている初回種付タイミングの条件を参照している項目である。初回種付タイミングとは、雌豚について、生後初めての種付を行うタイミングである。初回種付タイミングの条件は、例えば、発情回数次nが所定数Aになった場合(Aは正の正数)等である。所定数Aは、雌豚の場合は例えば、妊娠確率の安定する3回次の発情として3を設定することができる。
初回種付済フラグは、雌豚について、初回種付が済んだことを示すフラグを記憶する項目である。当該フラグは、種付の済んだ雌豚についてユーザ端末20からユーザが入力する情報である。
繁殖イベント履歴は、雌豚の繁殖イベントの履歴が記憶される項目である。繁殖イベントは、例えば、発情、種付、再発情、妊娠、流産、出産・分娩、哺乳、離乳である。繁殖イベント履歴は、例えば、発情履歴、種付履歴、再発情履歴、妊娠履歴、流産履歴、出産履歴、産子履歴、哺乳履歴、離乳履歴、であり、各繁殖イベントに関連する情報や、これらの情報に基づいて統計学的に算出される統計情報を含む。繁殖イベント履歴は、主に、ユーザ端末20からユーザが入力する情報である。
妊娠推定履歴は、個体家畜画像を用いて推定された雌豚の妊娠状態を示す妊娠推定情報を記憶する項目であり、推定に用いられた個体家畜画像ごとに生成される。妊娠推定履歴の項目は、発情推定履歴の項目と同様のサブカラムを有していてもよい。
出産推定履歴は、個体家畜画像を用いて推定された雌豚の出産状態を示す出産推定情報を記憶する項目であり、推定に用いられた個体家畜画像ごとに生成される。出産推定履歴の項目は、発情推定履歴の項目と同様のサブカラムを有していてもよい。
家畜生体情報テーブル1016は、個体家畜画像から推定された各家畜個体の生体情報を記憶し管理するテーブルである。生体情報は、家畜の生体の状態を示す情報であり、バイタル、外観、活動量、体重、に関する情報を含む。生体情報は、繁殖機能状態、特に発情状態を示す特徴量として扱われる。バイタルは、例えば、血圧、脈拍、呼吸、体温、排尿/排便、発汗、脳波を含む。外観は、例えば、外陰部の発赤や膨張等の皮膚の状態変化、部位や体型の変化、分泌物の発生等を含む。活動量は、例えば、歩数、立ち座り、発声、移動距離、等を含む。家畜生体情報テーブル1016は、対象家畜ID、対象画像ID、バイタル、外観、活動量、体重、の項目を有するテーブルである。各項目は、それぞれの情報の基本統計値を含むことができる。基本統計値は、例えば、平均値、中央値、標準偏差、前日又は前回測定からの変化量、移動平均など、である。
家畜生体情報テーブル1016の各項目の詳細を説明する。
対象家畜IDは、推定された生体情報に紐づく家畜の家畜IDを記憶する項目である。
対象画像IDは、推定された生体情報に紐づく個体家畜画像の画像IDを記憶する項目である。
バイタル情報は、推定されたバイタルに関する情報を記憶する項目である。
外観は、推定された外観に関する情報を記憶する項目である。
活動量は、推定された活動量に関する情報を記憶する項目である。
体重は、推定された体重に関する情報を記憶する項目である。
<数理モデル>
個体識別数理モデル1021は、家畜画像を入力データとして、家畜個体を識別し当該家畜個体の画像領域を認識し、画像領域に映る家畜個体を識別し、画像領域と家畜識別情報(すなわち家畜ID)とを出力する推論モデルである。入力データに、所属農場、所属豚舎、所属フリーストール、所属豚房、家畜画像の位置情報、耳標コードを付加しても良い。
個体識別数理モデル1021は、家畜の品種ごと、農場ごと、畜舎ごと、に生成されてもよい。
生体情報推定数理モデル1022は、個体家畜画像を入力データとして、個体家畜画像の画像領域に映る家畜個体の生体情報を推定し、推定した生体情報を出力する推論モデルである。生体情報推定数理モデル1022は、家畜の品種ごと、農場ごと、畜舎ごと、に生成されてもよい。
繁殖機能推定数理モデル1023は、個体家畜画像を入力データとして、雌豚の撮像時点の繁殖機能状態を出力(推計)する数理モデルである。繁殖機能状態は、雌豚の発情状態を含む。
繁殖機能推定数理モデル1023は、家畜の品種ごとに生成されてもよい。繁殖機能推定数理モデル1023は、農場ごとに生成されてもよい。また、繁殖機能には、妊娠状態、分娩・出産状態、哺乳状態、等が含まれていてもよい。
個体識別数理モデル1021、生体情報推定数理モデル1022、及び繁殖機能推定数理モデル1023は、例えば人工知能(機械学習、深層学習モデル)、線形回帰モデルなどを用いて構築したものである。
個体識別数理モデル1021及び生体情報推定数理モデル1022における深層学習の例としては、畳み込みニューラルネットワーク(Region Based Convolutional Neural Networks)やFast R―CNNなどの派生手法を個体識別数理モデル1021に適用できる。YOLO(You Only Look Once)やSSD(Single Shot MultiBox Detector)、DETR(End―to―End Object Detection with Transformers)などの他の物探識別手法、及び、色検出手法を個体識別数理モデル1021に適用できる。
繁殖機能推定数理モデル1023における深層学習の例としては、ディープニューラルネットワークやリカレントニューラルネットワークを繁殖機能推定数理モデル1023に適用できる。機械学習の例としては、ランダムフォレスト、サポートベクターマシーン(SVM)などを繁殖機能推定数理モデル1023に適用できる。及び、ベイズ、決定木、回帰などの統計モデルを繁殖機能推定数理モデル1023に適用できる。
個体識別数理モデル1021、生体情報推定数理モデル1022、及び繁殖機能推定数理モデル1023は、単一のモデルである必要はなく、複数の独立したモデルを切り替えて実現しても良いし、複数の独立したモデルの組みあわせ(アンサンブル)で実現しても良い。
個体識別数理モデル1021、生体情報推定数理モデル1022、及び繁殖機能推定数理モデル1023の生成更新処理は、後述する。
<家畜繁殖管理サーバの制御部の構成>
図2に戻り、家畜繁殖管理サーバ10の制御部103は、情報登録制御部1031、家畜画像取得部1032、繁殖機能情報管理部1033、家畜個体識別部1034、生体情報推定部1035、繁殖機能監視部1036、表示制御部1037、数理モデル管理部1038を備える。制御部103は、記憶部101に記憶されたアプリケーションプログラム1011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
情報登録制御部1031は、家畜繁殖管理サービスに関連する情報をユーザ端末20又は撮像装置30等の外部端末から取得して記憶部101に記憶する処理を行う。
家畜画像取得部1032は、ネットワークNWを介して家畜繁殖管理サーバ10に接続されている撮像装置30のカメラ3061から家畜画像を取得して、記憶部101に記憶する。また、家畜画像取得部1032は、ネットワークNWを介して家畜繁殖管理サーバ10に接続されているユーザ端末20のカメラ2051から家畜画像を取得して記憶部101に記憶する。
繁殖機能情報管理部1033は、家畜画像及び個体家畜画像に基づいて、雌豚の繁殖機能状態を管理する繁殖管理処理を実行する。繁殖管理処理は、第1実施例として初回発情管理処理、第2実施例として初期発情管理処理を含む。繁殖管理処理の詳細は後述する。
家畜個体識別部1034は、個体識別数理モデル1021を用いて、家畜画像から、家畜画像に映る豚ごとにセグメンテーションした部分画像を生成し、部分画像に映る豚個体を識別し、生成した部分画像を識別した豚に紐づけた個体家畜画像として家畜画像テーブル1013に記憶する個体識別処理を実行する。個体識別処理の詳細は後述する。
生体情報推定部1035は、生体情報推定数理モデル1022を用いて、個体家畜画像から、個体家畜画像に映る豚の生体情報を推定し、その豚に紐づけて家畜生体情報テーブル1016に記憶する生体情報推定処理を実行する。生体情報推定処理の詳細は後述する。
繁殖機能監視部1036は、雌豚の繁殖機能が所定の条件に合致する場合に、その繁殖機能に関する警報情報を生成し出力する繁殖機能監視処理を実行する。繁殖機能監視処理の詳細は後述する。
表示制御部1037は、ユーザの要求に応じて、雌豚の繁殖機能情報をユーザ端末20に表示する繁殖機能情報表示処理を実行する。繁殖機能情報表示処理の詳細は後述する。また、表示制御部1037は、家畜繁殖管理サービスの通常の提供画面や、警告等を表示の制御も可能である。
数理モデル管理部1038は、個体識別数理モデル1021、生体情報推定数理モデル1022、及び、繁殖機能推定数理モデル1023を生成更新する数理モデル管理処理を実行する。数理モデル管理処理の詳細は後述する。なお、数理モデルの生成には、学習の意味も含む。
<ユーザ端末の構成>
図4はユーザ端末の機能構成を示すブロック図である。
ユーザ端末20は、家畜繁殖管理サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよいし、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。ユーザ端末20は、記憶部201、制御部203、入力装置205、出力装置207を備える。
なおユーザ端末20は、家畜繁殖管理サーバ10とネットワークNWを介さず、サーバと一体として構成されていても構わない。
<ユーザ端末の記憶部の構成>
ユーザ端末20の記憶部201は、アプリケーションプログラム2011、ユーザID2012、カメラID2013を備える。
アプリケーションプログラム2011は、記憶部201に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。アプリケーションプログラム2011は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。アプリケーションプログラム2011は、ユーザ端末20に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
ユーザID2012は家畜繁殖管理サービスを利用するユーザのアカウントIDである。ユーザは、ユーザ端末20からユーザID2012を、家畜繁殖管理サーバ10へ送信する。家畜繁殖管理サーバ10は、ユーザID2012に基づきユーザを識別し、家畜繁殖管理サービスをユーザに対して提供する。なお、ユーザID2012には、ユーザ端末20を利用しているユーザを識別するにあたり家畜繁殖管理サーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
カメラID2013は、ユーザ端末20に搭載されたカメラ2051を識別するためのユーザ端末20に搭載されたカメラごとにユニークな値が設定されている識別情報である。ユーザ端末20は、家畜繁殖管理サーバ10との通信時にカメラID2013を家畜繁殖管理サーバ10に送信する。家畜繁殖管理サーバ10は、カメラID2013に基づき、カメラ2051を識別する。なお、カメラID2013には、カメラ2051を識別するにあたり家畜繁殖管理サーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
<ユーザ端末の制御部の構成>
ユーザ端末20の制御部203は、入力制御部2031、出力制御部2032を備える。制御部203は、記憶部201に記憶されたアプリケーションプログラム2011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
ユーザ端末20の入力装置205は、カメラ2051、マイク2052、位置情報センサ2053、モーションセンサ2054、タッチデバイス2055を備える。
ユーザ端末20のカメラ2051は、例えば、可視光カメラであり、被写体から反射される光を検出して画像(静止画又は動画)情報を生成する機能を有している。ユーザ端末20がスマートフォンやタブレット等の携帯端末の場合、カメラ2051はユーザ端末20に内蔵されている。
マイク2052は、設置場所近辺で発生する音を集音して電気信号に変換し音情報を生成する機能を有している。例えばユーザから音声で指示の入力を受け付ける際に用いてもよい。
タッチデバイス2055は、ユーザが操作することにより情報の入力や選択が可能な装置である。情報の入力と選択とは、例えば数値や文字や記号の記入による入力、項目の選択、処理を決定する入力などである。
ユーザ端末20の出力装置207は、ディスプレイ2071、スピーカ2072を備える。出力装置207は、情報等をユーザに表示、再生、通知が可能な装置である。
ディスプレイ2071は、ユーザ端末20と独立したディスプレイ装置であっても構わないし、スマートフォンやタブレットにおける液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置であっても構わない。
<撮像装置の構成>
図5は、撮像装置の機能構成を示すブロック図である。
撮像装置30は、撮像機能をそなえた装置である。撮像装置30は、家畜繁殖管理サービスを利用する農場の豚舎及び/又は豚房に設置される。撮像装置30は、記憶部301、制御部303、入力装置305、出力装置307、を備える。
<撮像装置の記憶部の構成>
撮像装置30の記憶部301は、アプリケーションプログラム3011、撮像装置ID3012、カメラID3013、を備える。
アプリケーションプログラム3011は、撮像装置30の制御を実行するプログラムである。
撮像装置ID3012は、撮像装置30を識別するための撮像装置ごとにユニークな値が設定されている識別情報である。撮像装置30は、家畜繁殖管理サーバ10との通信時に撮像装置ID3012を家畜繁殖管理サーバ10に送信する。家畜繁殖管理サーバ10は、撮像装置ID3012に基づき、撮像装置30を識別し、必要に応じて撮像装置30へ制御信号を送信する。
カメラID3013は、撮像装置30の搭載されたカメラ3051を識別するための撮像装置30に搭載されたカメラごとにユニークな値が設定されている識別情報である。本実施形態では、撮像装置30が搭載するカメラはカメラ3051のみのため、カメラ3051に対応するカメラID3013のみ記憶されている。撮像装置30は、家畜繁殖管理サーバ10との通信時にカメラ3051に対応するカメラID3013を家畜繁殖管理サーバ10に送信する。家畜繁殖管理サーバ10は、カメラID3013に基づき、カメラ3051を識別し、必要に応じて撮像装置30へカメラ3051の制御信号を送信する。
<撮像装置の制御部の構成>
撮像装置30の制御部303は、入力制御部3031、出力制御部3032、移動制御部3033、を備える。
移動制御部3033は、アプリケーションプログラム3011であらかじめ設定された制御プログラムが生成する制御信号に基づいて、又は、家畜繁殖管理サーバ10からの制御信号に基づいて、カメラ3051の動作を制御する。たとえば、移動制御部3033は、カメラ3051全体を移動させる、又はカメラ3051の位置は変更せずに向きを変更する機構が設けられている場合において、カメラ3051の移動方向、移動量、移動速度、レンズの向きや方角等を制御する。
撮像装置30の入力装置305は、カメラ3051、位置情報センサ3053、モーションセンサ3054、を備える。また、音声入力を受け付けるマイク3052や、文字や選択の入力を受け付けるタッチデバイス3055を備えていてもよい。
カメラ3051は、例えば、可視光カメラであり、被写体から反射される光を検出して画像(静止画又は動画)情報を生成する機能を有している。なお、カメラは、夜間撮像も可能なように、上記可視光カメラに加えて、赤外線カメラと赤外線ライトの組み合わせを併用してもよい。また、深度情報を取得可能とするため、デプスカメラがあってもよい。本実施形態では、1の撮像装置30に対して1のカメラ3051が搭載されているが、複数のカメラを搭載してもよい。
位置情報センサ3053は、カメラ3051が移動する機構である場合に設けられる。位置情報センサ3053は、撮像装置30に搭載されたカメラ3051の位置情報を取得する。位置情報は、撮像装置30の物理的に固定され位置情報が既知の部品からの相対的なローカル座標における位置情報でもよく、緯度・経度・高度などのグローバル座標における位置情報でもよい。
撮像装置30の出力装置307は、ディスプレイ3071、スピーカ3072を備えていてもよい。
<個体識別処理>
図6は、個体識別処理の動作を示すフローチャートである。
個体識別処理は、家畜画像から家畜個体を識別した個体家畜画像を生成し、個体家畜画像に映る豚の生体情報を推定するための処理である。
以下、同フローチャートに沿って個体識別処理の動作を説明する。
ステップS101において、家畜繁殖管理サーバ10の家畜画像取得部1032は、撮像装置30から家畜画像を取得する。具体的には、撮像装置30の制御部303は、撮像装置ID3012と、カメラ3051、位置情報センサ3053、モーションセンサ3054等の入力装置305により計測された入力情報(計測情報)とを家畜繁殖管理サーバ10へ送信する。計測情報には、カメラ3051により撮像された家畜画像が含まれる。家畜画像取得部1032は、撮像装置ID3012、計測情報を受信する。
ステップS102において、家畜繁殖管理サーバ10の家畜個体識別部1034は、ステップS101において取得した家畜画像に基づいて、家畜の映る領域を識別する。具体的には、家畜個体識別部1034は、個体識別数理モデル1021を用いて家畜画像に映る1又は複数の豚について豚個体ごとの画像領域にセグメンテーションする画像処理を行う。
ステップS103において、家畜個体識別部1034は、個体識別数理モデル1021を用いて、画像領域に映る家畜個体を識別する。具体的には、家畜個体識別部1034は、ステップS102でセグメンテーションされた豚個体の画像領域に映る豚の耳標コードを個体識別数理モデル1021の画像認識で読み取り、家畜基本情報テーブル1012を参照して家畜識別情報である家畜IDを取得する。家畜画像に複数の家畜が映っている場合は、家畜それぞれに対応する家畜個体の画像領域に対して耳標の認識が実行される。耳標コードを読み取る代わりに、マスタ個体画像を用いて豚個体を推定することで識別してもよい。これにより、家畜の姿勢や状態によっては、又は、汚れによって家畜に取り付けられた耳標コードが読み取れない場合でも個体家畜画像を出力することが可能になる。
ステップS104において、家畜個体識別部1034は、個体家畜画像情報を生成する。具体的には、ステップS102で認識した豚個体の画像領域と、ステップS103で参照したその豚個体の家畜IDとを紐づけた個体家畜画像を生成し、もとの家畜画像の家畜画像IDと紐づけて記憶部101の個体家畜画像テーブル1014に記憶する。
ステップS105において、家畜個体識別部1034は、家畜個体の生体情報を推定する。具体的には、家畜個体識別部1034は、生体情報推定数理モデル1022を用いて、ステップS104で生成された個体家畜画像から、個体家畜画像に紐づく豚の生体情報を推定する。そして、家畜個体識別部1034は、個体家畜画像に紐づく豚の家畜IDと生体情報を紐づけて、記憶部101の家畜生体情報テーブル1016に記憶して当該フローを終了する。
<繁殖管理処理>
次に、繁殖管理処理の第1実施例として初回発情管理処理を以下に説明する。
<初回発情管理処理>
図7は、初回発情管理処理の動作を示すフローチャートである。
初回発情管理処理は、生後に発情が未発現の雌豚について、繁殖機能推定数理モデル1023を用いて個体家畜画像情報から雌豚の繁殖機能状態としての発情状態を推定し、初回発情出現に応じた管理を行う処理である。初回発情管理処理の対象となる雌豚は、離乳工程を終えて、繁殖工程に移行した直後の雌豚である。生後に発情が未発現とは、具体的には、繁殖工程移行後に発情が未発現であることを示す。また、発情の発現は、最終的にはユーザが承認することにより確定する。
また、初回発情管理処理は、推定された発情状態に対するユーザ入力や初回種付タイミングの編集を受け付ける処理を含めることができる。
以下、同フローチャートに沿って初回発情管理処理の動作を説明する。
ステップS201において、家畜繁殖管理サーバ10の繁殖機能情報管理部1033は、記憶部101の個体家畜画像テーブル1014の個体家畜画像情報を参照する。この時、繁殖機能情報管理部1033は、所定の条件にあてはまる雌豚の家畜IDに紐づく個体家畜画像情報を参照する。所定の条件に当てはまる雌豚は、例えば、雌豚の日齢が所定の数値以上であって、発情回数次n=0(すなわち、生後発情が未発現である)に当てはまる雌豚である。
取得する個体家畜画像情報は、1の家畜画像から生成された1の個体家畜画像情報でもよく、複数の異なる日時に撮像された複数の家畜画像それぞれから生成された複数の個体家畜画像情報でもよい。
ステップS202において、繁殖機能情報管理部1033は、ステップS201で参照した個体家畜画像情報に基づいて、雌豚の発情状態を推定する。
具体的には、繁殖機能情報管理部1033は、ステップS201で参照した個体家畜画像情報を入力データとして、繁殖機能推定数理モデル1023に適用する。繁殖機能推定数理モデル1023は、個体家畜画像から発情状態を示す特徴量を識別し、雌豚の発情状態を推定し、推定発情確率を出力する。推定発情確率は、例えば0~1の間の数値で表される。繁殖機能情報管理部1033は、推定に用いた個体家畜画像の個体家畜画像IDを繁殖機能情報テーブル1015の対象画像IDに、出力された推定発情確率を、繁殖機能情報テーブル1015の発情推定履歴に記憶する。すなわち、繁殖機能情報管理部1033は、推定発情確率を個体家畜画像IDと紐づけて繁殖機能情報テーブル1015に記憶する。なお、繁殖機能推定数理モデルは、個体家畜画像情報以外にも家畜基本情報テーブル1012や家畜生体情報テーブル1016に格納されているデータを入力データとして用いても良い。
ステップS203において、繁殖機能情報管理部1033は、ステップS202で出力された推定発情確率に基づいて、雌豚の発情状態が発情発現ありか否かを判定する(発情判定)。発情判定は、推定発情確率が、所定の閾値を超えているか否かで判定される。当該判定が真、すなわち、発情発現ありと判定された場合、繁殖機能情報管理部1033は、個体家畜画像IDに紐づけて、当該判定結果を繁殖機能情報テーブル1015の発情判定結果の項目に記憶して、ステップS204に進む。一方当該判定が偽、すなわち、発情発現なしと判定された場合、繁殖機能情報管理部1033は、個体家畜画像IDに紐づけて、当該判定結果を繁殖機能情報テーブル1015の発情判定結果の項目に記憶し、当該ルーチンを終了する。
ステップS204において、すなわちステップS203の発情判定において発情発現ありと判定された場合、繁殖機能情報管理部1033は、当該母豚のn+1回次(すなわち1回次、初回)の発情状態が未確定であることを示す未確定発情状態情報を生成し、繁殖機能情報テーブル1015に記憶する。具体的には、繁殖機能情報管理部1033は、未確定発情状態情報として、個体家畜画像IDに紐づけて、繁殖機能情報テーブル1015の承認状況の項目に「推定」を記憶する。初回発情管理処理において、未確定発情状態情報は、発情推定情報の発情判定結果が「発情発現あり」、承認状況が「推定」、参照発情回数次に「1」が入力されている発情推定情報である。
ステップS205において、繁殖機能情報管理部1033は、未確定発情状態情報に関するユーザの入力を受け付ける。具体的には、繁殖機能情報管理部1033は、ユーザ端末20のディスプレイ2081にn+1回次(初回)の未確定発情状態情報を表示する。ユーザは未確定発情状態情報について、承認(実際に初回の発情発現ありの状態である)又は却下(実際には発情発現なしの状態である)の入力(選択)を行う。ユーザ端末20は、ユーザの入力を家畜繁殖管理サーバ10に送信する。繁殖機能情報管理部1033は、ユーザの入力を受信する。なお、ユーザは「承認」と「却下」以外に「保留」を選択することができる。「保留」が選択された場合には、繁殖機能情報管理部1033は、繁殖機能情報テーブル1015の承認状況の項目を「保留」に更新してルーチンを割り込み終了することができる。繁殖機能情報テーブル1015の承認状況の項目を「保留」の未確定発情状態情報について閲覧する場合には、当該ステップS205から再開してユーザからの入力を受け付ける。
ステップS206において、繁殖機能情報管理部1033は、ステップS205で受け付けたユーザの入力が「承認」か否かを判定する(初回発情確定判定)。当該判定が真、すなわちユーザの入力が「承認」の場合、ステップS207に進む。一方、当該判定が偽、すなわちユーザの入力が「却下」の場合、ステップS208に進む。
ステップS207において、すなわち、すなわちステップS205におけるユーザの入力が「承認」であった場合、繁殖機能情報管理部1033は、初回の発情状態を確定し、初回種付タイミングの編集を受け付ける。
具体的には、繁殖機能情報管理部1033は、対象の母豚のn+1回次(すなわち1回次)の発情発現ありが確定したことを示す確定発情状態情報を生成し、繁殖機能情報テーブル1015に記憶する。繁殖機能情報管理部1033は、繁殖機能情報テーブル1015の承認状況の項目を「確定」に更新する。初回発情管理処理において、確定発情状態情報は、繁殖機能情報テーブル1015の発情判定結果の項目に「発情発現あり」が、承認状況の項目に「確定」が、参照発情回数次の項目に「1」が、それぞれ記憶されている発情推定情報である。そして、繁殖機能情報管理部1033は、繁殖機能情報テーブル1015の発情回数次nをインクリメントする。また、繁殖機能情報管理部1033は、ユーザ端末20のディスプレイ2081に、ステップS206において初回の発情状態が確定した雌豚に紐づく家畜基本情報テーブル1012の警報条件の項目に記憶されている「初回種付タイミングの条件」を表示する。ユーザは初回種付タイミングの条件について、必要に応じて編集を行う。ユーザ端末20は、ユーザの編集内容を家畜繁殖管理サーバ10に送信する。繁殖機能情報管理部1033は、ユーザの編集内容を受信して記憶部101の家畜基本情報テーブル1012の警報条件の項目に記憶し、当該フローを終了する。
ステップS208において、すなわち、すなわちステップS205におけるユーザの入力が「却下」であった場合、繁殖機能情報管理部1033は、推定された初回の発情状態を却下する。具体的には、繁殖機能情報管理部1033は、未確定発情状態情報が却下されたことを示す却下発情状態情報を生成して記憶部101の繁殖機能情報テーブル1015に記憶して当該フローを終了する。繁殖機能情報管理部1033は、繁殖機能情報テーブル1015の承認状況の項目を「却下」に更新する。初回発情管理処理において、却下発情状態情報は、繁殖機能情報テーブル1015の発情判定結果の項目に「発情発現あり」が、承認状況の項目に「却下」が、参照発情回数次の項目に「1」が、それぞれ記憶されている発情推定情報である。
繁殖管理処理の第2実施例として初期発情管理処理を以下に説明する。
<初期発情管理処理>
図8は、初期発情管理処理の動作を示すフローチャートである。
初期発情管理処理は、繁殖機能推定数理モデル1023を用いて個体家畜画像情報から雌豚の繁殖機能状態としての発情状態を推定し、発情発現に応じた管理を行う処理である。初期発情管理処理において、所定の条件に当てはまる雌豚については、初回発情管理処理と同様、ユーザが発情の発現を承認することにより発情の発現が確定する。所定の条件に当てはまる雌豚は、例えば、未経産である雌豚や、繁殖工程に移行してまだ日が浅く繁殖成績が安定しない雌豚である。
以下、同フローチャートに沿って初期発情管理処理の動作を説明する。
ステップS301において、家畜繁殖管理サーバ10の繁殖機能情報管理部1033は、記憶部101の個体家畜画像テーブル1014の個体家畜画像情報を参照する。また、繁殖機能情報管理部1033は、繁殖機能情報テーブル1015を参照し、当該雌豚の現在の発情回数次nを取得する。
取得する個体家畜画像情報は、1の家畜画像から生成された1の個体家畜画像情報でもよく、複数の異なる日時に撮像された複数の家畜画像それぞれから生成された複数の個体家畜画像情報でもよい。
ステップS302において、繁殖機能情報管理部1033は、ステップS301で参照した個体家畜画像情報に基づいて、雌豚の発情状態を推定し、推定発情確率を出力する。本ステップの具体的な処理内容は初回発情管理処理のステップS202と同様であるため、説明は省略する。
ステップS303において、繁殖機能情報管理部1033は、ステップS302で出力された推定発情確率に基づいて、雌豚の発情状態が発情発現ありか否かを判定する(発情判定)。当該判定が真、すなわち、発情発現ありと判定された場合、ステップS304に進む。一方当該判定が偽、すなわち、発情発現なしと判定された場合、当該ルーチンを終了する。本ステップの具体的な処理内容は初回発情管理処理のステップS203と同様であるため、説明は省略する。
ステップS304において、すなわちステップS303の発情判定において発情発現ありと判定された場合、繁殖機能情報管理部1033は、繁殖機能情報テーブル1015の発情回数次の項目を参照して現在の発情回数次nが所定数A未満であるか、又は、同テーブルの繁殖イベント履歴の項目を参照して未経産か否かを判定する(雌豚分類判定)。当該判定が真、すなわち、現在の発情回数次nが所定数A未満である、又は、未経産である場合は、ステップS305に進む。一方、当該判定が偽、すなわち現在の発情回数次nが所定数A未満でない、又は、経産である場合、ステップS309に進む。
ステップS305において、すなわちステップS304の雌豚分類判定において現在の発情回数次nが所定数A未満である、又は、未経産である場合は、繁殖機能情報管理部1033は、当該雌豚のn+1回目の発情状態が未確定であることを示す未確定発情状態情報を生成して記憶部101の繁殖機能情報テーブル1015に記憶する。本ステップの具体的な処理内容は初回発情管理処理のステップS204と同様であるため、説明は省略する。
ステップS306において、繁殖機能情報管理部1033は、未確定発情状態情報に関するユーザの入力を受け付ける。本ステップの具体的な処理内容は、「保留」を選択できる点も含め、初回発情管理処理のステップS205と同様であるため、説明は省略する。
ステップS307において、繁殖機能情報管理部1033は、ステップS306で受け付けたユーザの入力が「承認」か否かを判定する(発情確定判定)。
当該判定が真、すなわちステップS306におけるユーザの入力が「承認」であった場合、ステップS308に進む。一方、当該判定が偽、すなわちステップS306におけるユーザの入力が「却下」であった場合、ステップS310に進む。本ステップの具体的な処理内容は初回発情管理処理のステップS206と同様であるため、説明は省略する。
ステップS308において、すなわちステップS306におけるユーザの入力が「承認」であった場合、繁殖機能情報管理部1033は、発情状態を確定し、初回種付タイミングの編集を受け付ける。繁殖機能情報管理部1033は、対象の雌豚のn+1回次の発情発現ありが確定したことを示す確定発情状態情報を繁殖機能情報テーブル1015に記憶し、繁殖機能情報テーブル1015の発情回数次nをインクリメントして、当該フローを終了する。本ステップのその他の具体的な処理内容は初回発情管理処理のステップS207と同様であるため、説明は省略する。
ステップS309において、すなわちステップS304の雌豚分類判定において現在の発情回数次nが所定数A未満でない、又は、経産である場合、繁殖機能情報管理部1033は、当該雌豚のn+1回目の発情状態を示す確定発情状態情報を記憶部101の繁殖機能情報テーブル1015に記憶する。具体的には、繁殖機能情報管理部1033は、繁殖機能情報テーブル1015の承認状況の項目を「確定」に更新する。そして、発情回数次nをインクリメントして当該フローを終了する。
ステップS310において、すなわちステップS306におけるユーザの入力が「却下」であった場合、繁殖機能情報管理部1033は、雌豚の発情状態が却下されたことを示す却下発情状態情報を生成して繁殖機能情報テーブル1015に記憶し、当該フローを終了する。本ステップの具体的な処理内容は初回発情管理処理のステップS208と同様であるため、説明は省略する。
<繁殖機能情報表示処理>
図9は、繁殖機能情報表示処理の動作を示すフローチャートである。
繁殖機能情報表示処理は、豚の繁殖機能情報を拡張現実(AR)技術を用いてユーザ端末20等に表示させるための処理である。
繁殖機能情報表示処理は、ユーザ端末20から取得した家畜画像(端末家畜画像)を入力として個体識別数理モデル1021を適用することにより豚を識別して個体家畜画像情報を生成し、ユーザ端末20において、取得した家畜画像上に識別された豚の繁殖機能情報を重畳表示させる一連の処理である。
以下、同フローチャートに沿って繁殖機能情報表示処理の動作を説明する。
ステップS401において、家畜繁殖管理サーバ10の家畜画像取得部1032は、ユーザ端末20のカメラ2051が撮像している家畜画像を取得する。
具体的には、ユーザ端末20の制御部204は、ユーザID2012と、カメラ2061、位置情報センサ3063、モーションセンサ3064等の入力装置206により計測された端末入力情報(端末計測情報)とを家畜繁殖管理サーバ10へ送信する。端末計測情報には、ユーザ端末20のカメラ2061により撮像された家畜画像である端末家畜画像が含まれる。家畜画像取得部1032は、ユーザID2012、端末計測情報を受信する。
ステップS402において、家畜繁殖管理サーバ10の家畜個体識別部1034は、ステップS401において取得した家畜画像に基づいて、個体家畜画像情報を生成する。本ステップの具体的な処理内容は個体識別処理のステップS102からステップS104と同様であるため、説明は省略する。
ステップS403において、家畜繁殖管理サーバ10の表示制御部1037は、繁殖機能情報テーブル1015においてステップS402で取得した家畜IDに紐づく繁殖機能情報を参照する。
ステップS404において、表示制御部1037は、ステップS403で参照した繁殖機能情報をユーザ端末20のカメラ2051で取得している家畜画像に重畳表示させる。重畳表示の手法については、既存の技術を用いることができる。重畳表示による画面例については後述する。
<繁殖機能監視処理>
図10は、繁殖機能監視処理の動作を示すフローチャートである。
繁殖機能監視処理は、雌豚の繁殖機能が所定の条件に合致した場合に警報情報を生成し出力するための処理である
以下、同フローチャートに沿って繁殖機能監視処理の動作を説明する。
繁殖情報監視処理は、主として、繁殖機能情報テーブル1015に繁殖機能情報が新たに生成又は更新された時に実行される。
ステップS501において、繁殖機能監視部1036は、家畜基本情報テーブル1012の警報条件を参照する。
警報条件は、例えば、繁殖管理処理(初回発情管理処理又は初期発情管理処理)において新たに発情発現ありと推定された場合、未確定繁殖機能情報が新たに生成された場合、初回種付タイミングとして設定された発情回数次の発情が推定された場合、発情回数次nがインクリメントされ所定数Bに到達した場合(Bは正の整数)、等である。
ステップS502において、繁殖機能監視部1036は、ステップS501で参照した警報条件に応じて、雌豚の繁殖機能に関する情報を参照する。
繁殖機能監視部1036は、繁殖機能情報テーブル1015の項目のいずれか又は複数を参照する。
例えば、警報条件が、初回種付タイミングの条件として、現在の発情回数次n=2、かつ、発情発現が推定されたタイミング(すなわち3回目の発情が推定されたタイミング)とすると、繁殖機能監視部1036は、少なくとも繁殖機能情報テーブル1015の発情回数次と、繁殖機能情報テーブル1015に新たに生成された発情推定情報において参照発情回数次を参照する。
ステップS503において、繁殖機能監視部1036は、ステップS502で参照した雌豚の繁殖機能に関する情報について、ステップS501で参照した警報条件に合致するか否かを判定する(警報条件合致判定)。当該判定が真、すなわち警報条件に合致する場合、ステップS504に進む。一方、当該判定が偽、すなわち警報条件に合致しない場合は、当該ルーチンをリターンする。
例えば、警報条件が、初回種付タイミングの条件として、現在の発情回数次n=2、かつ、発情発現が推定されたタイミング(すなわち3回目の発情が推定されたタイミング)とすると、ステップS502において参照した発情回数次nが「2」であり、参照発情回数次が「3」である時に警報条件に合致すると判定する。
ステップS504において、すなわちステップS503の警報条件合致判定において警報条件に合致すると判定された場合、繁殖機能監視部1036は、警報情報を生成し、ユーザ端末20に出力する。ユーザ端末20への出力は、プッシュ型のメールやショートメッセージの送信を含む。そして、繁殖機能監視部1036は、ステップS503の判定結果と、警報情報を家畜基本情報テーブル1012の警報履歴の項目に記憶して、当該フローを終了する。
<数理モデル管理処理>
図11は、数理モデル管理処理の動作を示すフローチャートである。
数理モデル管理処理は、所定の数理モデルを生成し更新するための処理である。所定の数理モデルは、個体識別数理モデル1021、生体情報推定数理モデル1022、又は、繁殖機能推定数理モデル1023である。
数理モデル管理処理は、数理モデル管理部1038が、現在利用している数理モデルの有効性を判定し、有効性がないと判定された場合には、必要なデータセットを生成し、当該データセットを用いて数理モデルの更新版を生成し、置き換えを実行する一連の処理である。
以下、同フローチャートに沿って数理モデル管理処理の動作を説明する。
ステップS601において、数理モデル管理部1038は、現在利用されている数理モデル(以下、利用数理モデルという)としての第1の数理モデルの利用期間が所定の期間を経過しているか否かを判定する(期間経過判定)。所定の期間は、数理モデルの精度を統計的に評価するために十分な量の数理モデルの出力結果が蓄積されるまでの期間であり、出力の頻度に応じて決まる。例えば、個体識別数理モデル1021、生体情報推定数理モデル1022、又は、繁殖機能推定数理モデル1023の場合は、数か月から数年である。
当該判定が真、すなわち第1の数理モデルの利用期間が所定の期間を経過していると判定された場合、ステップS602に進む。
一方、当該判定が偽、すなわち第1の数理モデルの利用期間が所定の期間を経過していないと判定された場合、当該フローを終了する。すなわち、第1の数理モデルが利用数理モデルとして維持される。
ステップS602において、数理モデル管理部1038は、第1の数理モデルの有効性がないか否かを判定する。具体的には、数理モデル管理部1038は、第1の数理モデルの有効性を示す指標を算出し、当該有効性を示す指標が所定の範囲内である場合は有効性があると判定し、範囲外である場合は有効性がないと判定する。
有効性は、繁殖機能推定数理モデル1023の場合、例えば、所定の期間に、発情判定結果が「発情発現あり」と判定されたものの、承認状況で「却下」とされる比率に基づいて判定してもよい。又は当該比率の変動傾向、例えば「却下」とされる比率の増加傾向が所定の期間継続すること、で判定してもよい。また、個体識別数理モデル1021の場合、有効性は、混合行列のPrecision、F値、mAP(mean Average Precision)、及び、IoU(Intersection over Union)で判定してもよい。
当該判定が真、すなわち第1の数理モデルの有効性がない場合、ステップS603に進む。
一方、当該判定が偽、すなわち第1の数理モデルの有効性がある場合、当該フローを修了する。すなわち、第1の数理モデルが利用数理モデルとして維持される。
ステップS603において、数理モデル管理部1038は、数理モデルの更新版である第2の数理モデルを生成するためのデータセットを生成する。データセットは、訓練データ、テストデータ、検証データを含む。
繁殖機能推定数理モデル1023について当該処理を実行する場合、数理モデル管理部1038は、過去の雌豚に紐づく個体家畜画像と、その個体家畜画像から抽出された生体情報と、を説明変数とし、その個体家畜画像に紐づくの発情判定結果と承認状況を目的変数とするモデル投入用データを生成する。具体的には、数理モデル管理部1038は、個体家畜画像テーブル1014から、過去の雌豚の家畜IDに紐づく個体家畜画像情報を取得する。数理モデル管理部1038は、家畜生体情報テーブル1016から、過去の雌豚の家畜IDに紐づく生体情報を取得する。数理モデル管理部1038は、繁殖機能情報テーブル1015から、過去の雌豚の家畜IDに紐づく、発情判定結果と承認状況を取得する。数理モデル管理部1038は、取得したこれらの情報を用いてモデル投入用データを生成する。そして、数理モデル管理部1038は、モデル投入用データに基づき、繁殖機能推定数理モデル1023の訓練データ、テストデータ、検証データのそれぞれのデータセットを作成する。
個体識別数理モデル1021について当該処理を実行する場合、数理モデル管理部1038は、過去の雌豚に紐づく家畜画像を説明変数とし、その家畜画像に紐づくその雌豚の個体家畜画像を目的変数とするモデル投入用データを生成する。具体的には、数理モデル管理部1038は、過去の雌豚の家畜IDを用いて、個体家畜画像テーブル1014の対象家畜画像IDを参照し、当該対象家畜画像IDを有する家畜画像を家畜画像テーブル1013から取得するとともに、個体家畜画像テーブル1014から当該過去の雌豚に紐づく画像領域情報を個体家畜画像として取得する。数理モデル管理部1038は、取得したこれらの情報を用いてモデル投入用データを生成し、モデル投入用データに基づき、個体識別数理モデル1021の訓練データ、テストデータ、検証データのそれぞれのデータセットを作成する。
なお、第1の数理モデルについて既存データセットが記憶部101に記憶されている場合、第2の数理モデルのデータセットの生成には、既存データセットに対して差分データを追加した統合データセットの生成と、直近性を考慮した統合データセット全体の更新を行う。直近性とは、時系列的に最近の状態(データ)をより数理モデルに組み入れ、モデルの精度を維持・向上させることを期待して期間的に古いデータと新しいデータを入れ替えることである。
ステップS604において、数理モデル管理部1038は、ステップS603で生成した訓練用データ、テストデータに基づき、第2の数理モデルを生成する。第2の数理モデルに対して、検証データを用い、その推論精度の検証を実施し、求める精度となるようにチューニング作業を継続実施し、更新版の数理モデルとして確立する。
ステップS605において、数理モデル管理部1038は、第1の数理モデルと第2の数理モデルを所定の期間、並走運用する。具体的には、数理モデル管理部1038は、利用数理モデルとして第1の数理モデルを維持しながら、第2の数理モデルにも第1の数理モデルと同じ処理をさせる。所定の期間は2つの数理モデルの有効性の比較ができる推計結果の量が十分に得られる期間である。数理モデル管理部1038は、並走運用の期間における処理について、第1の数理モデルの推計結果と第2の数理モデルの推計結果を記憶部101に記憶し蓄積する。
ステップS606において、数理モデル管理部1038は、ステップS605で蓄積した第1の数理モデルの推計結果と第2のモデルの推計結果に基づいて、第2のモデルの有効性と第1の数理モデルの有効性とを比較し、第2の数理モデルの有効性の方が高いか否かを判定する(有効性比較判定)。当該判定が真、すなわち第2の数理モデルの有効性の方が高い場合は、ステップS607に進む。一方、当該判定が偽、すなわち第2の数理モデルの有効性の方が低い場合は、当該フローを修了する。
ステップS607において、数理モデル管理部1038は、利用数理モデルについて、既存の第1の数理モデルからステップS604で生成された第2の数理モデルに置き換える。これにより、第2の数理モデルが、運用において利用される数理モデルとなる。また、数理モデル管理部1038は、第1の数理モデル及び第2の数理モデルについて、数理モデルの生成履歴として記憶部101に記憶する。
<重畳表示の画面>
図12は、繁殖機能情報表示処理の動作を示す画面例、具体的には、ユーザ端末20のディスプレイ2071に重畳表示された雌豚の繁殖機能情報の例である。図12は、フリーストールにおいて多頭飼育される複数の雌豚に対する繁殖機能情報表示処理の例を示している。
図12に示すように、ユーザ端末20のディスプレイ2071に表示される画面D10は、ユーザ端末20のカメラ2051が撮像した家畜画像に繁殖機能情報を合成(重畳)して生成された合成画像であり、いわゆるAR表示といわれるものである。本実施形態では、画面D10は家畜画像の撮像時刻に対して略リアルタイムで生成されている。
画面D10は、家畜画像に映る家畜を示す家畜D101、D102、D103、及び、各家畜に取り付けられている耳標を示す耳標D111、D112、D113を含む。家畜D101、D102、D103はすべて雌の家畜である。
また、画面D10は、家畜D101、D102、D103それぞれについての繁殖機能情報を示す繁殖機能情報オブジェクトD121、D122、D123を含む。繁殖機能情報オブジェクトD121、D122、D123は、家畜D101、D102、D103が映るそれぞれの画像領域内において、又はその近傍において家畜との関係が認識できる態様において、表示される。
繁殖機能情報オブジェクトD121は、家畜D101の繁殖機能情報である発情状態、発情の回数次、承認状況として「発情発現中(初回、未確定)」というテキストを含む。同様に、繁殖機能情報オブジェクトD122は、家畜D102の繁殖機能情報として、「発情発現中(初回、確定)」というテキストを、繁殖機能情報オブジェクトD123は、家畜D103の繁殖機能情報として、「発情発現なし(0回)」というテキストを、それぞれ含む。繁殖機能情報オブジェクトD121、D121、D123は、表示する繁殖機能情報の内容に応じて、強調表示される。画面D10では、繁殖機能情報オブジェクトD121の背景色が目立つものに変更されている。強調表示としては、オブジェクトやテキストの形状、色、大きさ、アニメーション(動き)等を採用できる。また、家畜基本情報テーブル1012や家畜生体情報テーブル1016に格納されている当該家畜の情報を表示してもよい。なお、本実施形態では、繁殖機能情報の表示にテキストを用いているが、アイコンや記号で代用してもよい。
以上で説明したように、本発明に係る家畜繁殖管理システム1は、家畜画像に基づいて雌豚の発情状態を推定し、繁殖工程初期の雌豚についてはユーザの判断を反映して、雌豚の発情状態を記録し管理する構成である。このようなシステムにより、正確に発情判定を行い、適切な発情回数で種付けを行うことができる。また、画像認識で発情検知を支援することで、雌豚に必ず発生する個体管理作業のうち発情検知について省力化できる。すなわち家畜の繁殖管理を効率化し、雌の家畜個体の繁殖成績を向上することができる。
<プログラム>
図13は、コンピュータ801の構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ801は、CPU802(プロセッサ)、主記憶装置803、補助記憶装置804、インタフェース805、画像処理装置(GPU)806を備える。
ここで、各実施形態に係る家畜繁殖管理サーバ10を構成する各機能を実現するためのプログラムの詳細について説明する。
家畜繁殖管理サーバ10は、コンピュータ801に実装される。そして、家畜繁殖管理サーバ10の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置804に記憶される。CPU802は、プログラムを補助記憶装置804から読みだして主記憶装置803に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU802は、プログラムに従って、上記した記憶部101に対応する記憶領域を主記憶装置803又は補助記憶装置804に確保する。
当該プログラムは、具体的には、コンピュータ801において、プロセッサと、家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、家畜を撮像した家畜画像を取得させる家畜画像取得ステップと、前記家畜画像と前記識別情報とに基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成させる家畜識別ステップと、前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、前記雌の家畜の繁殖機能状態を推定させる繁殖機能推定ステップと、前記繁殖機能状態を前記雌豚に紐づいた繁殖機能情報として前記記憶部に記憶させる繁殖機能情報記憶ステップと、を実行させるプログラムであって、前記繁殖機能状態は、前記雌の家畜の生後初めての発情発現を含む発情状態であり、前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の発情発現の回数に応じた回数次を含む、家畜繁殖管理プログラムである。
なお、補助記憶装置804は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース805を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークNWを介してコンピュータ801に配信される場合、配信を受けたコンピュータ801が当該プログラムを主記憶装置803に展開し、上記処理を実行してもよい。
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置804に既に記憶される他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)
であってもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。また、実施形態の説明では家畜として豚を例として説明したが、牛、馬、羊のような他の四肢動物を対象とする家畜に家畜繁殖管理システム1を適用しても構わない。
例えば、上記実施形態の繁殖管理処理では、繁殖機能状態として発情の推定のみを行っているが、他の繁殖機能状態、例えば、種付後の雌豚の妊娠状態や出産状態を推定して、推定結果を繁殖機能情報テーブル1015の妊娠推定履歴や出産推定履歴に記憶してもよい。これにより、雌豚の繁殖サイクル全体の情報を効率的に管理することができる。
また、上記実施形態において、発情状態の判定結果についてユーザが行う承認作業の状況を示す情報は、「推定」、「却下」、「保留」、「確定」から選択されていたが、さらに「確定」については、通常の「確定」に加え、発情の程度を示す情報を不可した「確定(微発情)」等が含まれていてもよい。
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部と、
家畜を撮像した家畜画像を取得する家畜画像取得部と、
前記家畜画像と前記識別情報に基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成する家畜個体識別部と、
前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、前記雌の家畜の繁殖機能状態を推定し、前記繁殖機能状態を前記雌の家畜の繁殖機能情報として前記記憶部に記憶する繁殖機能情報管理部と、
を備え、
前記繁殖機能状態は、前記雌の家畜の生後初めての発情発現を含む発情状態であり、
前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜 の発情発現の回数に応じた回数次を含む、
家畜繁殖管理装置。
これにより、画像認識による個体認識を用いて効率的に個体管理を行いながら、さらに画像から家畜の発情を推定し、雌の家畜の生後初めての発情発現(初回発情発現)を把握できる。このように初回発情発現を見逃さないことで、生後初めての種付タイミング(初回種付タイミング)も正しく管理されることになる。また、初回発情発現以降も、発情発現を継続して見逃さないことで適時に種付を行うことができ、従来の人手での確認作業に比して家畜のストレスを軽減しながら妊娠確率を向上できる。
すなわち、繁殖管理を効率化し、雌の家畜個体の繁殖成績を向上し、畜産農家の収益増加に寄与することができる。
(付記2)
前記繁殖機能情報管理部は、前記雌の家畜について生後初めての発情発現が推定された場合に、前記繁殖機能情報に関してユーザからの入力を取得し、前記ユーザからの入力に基づいて、前記繁殖機能情報に含まれる情報を編集可能である、
付記1に記載の家畜繁殖管理装置。
これにより、初回発情発現の推定が発生したタイミングで、繁殖機能情報に関するユーザ編集を受け付けることで、より正確な繁殖機能情報を蓄積できる。
(付記3)
前記繁殖機能情報管理部は、前記雌の家畜について生後初めての発情発現が推定された場合に、前記繁殖機能情報が未確定であることを示す未確定繁殖機能情報として記憶部に記憶し、前記未確定繁殖機能情報に関して前記ユーザからの入力を取得し、前記ユーザからの入力に基づいて、前記未確定繁殖機能情報を更新させ、確定させたことを示す確定繁殖機能情報として記憶部に記憶する、
付記1又は付記2に記載の家畜繁殖管理装置。
これにより、生後初回の発情が推定された場合に、推定された発情状態を未確定情報としてユーザが最終判断をすることができる。ユーザの判断を介在させることによって、より正確な繁殖機能情報を蓄積できる。また、推定された発情状態と、推定された発情状態に対する評価について履歴及び情報を蓄積でき、繁殖機能推定数理モデル1023の更新のためのデータセットとすることができる。
(付記4)
前記繁殖機能情報管理部は、前記雌の家畜について所定数未満の発情発現が推定された場合に、前記繁殖機能情報が未確定であることを示す未確定繁殖機能情報として記憶部に記憶し、前記未確定繁殖機能情報に関して前記ユーザからの入力を取得し、前記ユーザからの入力に基づいて、前記未確定繁殖機能情報を更新させ、確定させたことを示す確定繁殖機能情報として記憶部に記憶する、
付記1から付記3のいずれかに記載の家畜繁殖管理装置。
これにより、妊娠確率の安定しない初期において発情発現が推定された場合に、推定された発情状態を未確定情報としてユーザが最終判断をすることができる。ユーザの判断を介在させることによって、より正確な繁殖機能情報を蓄積できる。また、推定された発情状態と、推定された発情状態に対する評価について履歴及び情報を蓄積でき、繁殖機能推定数理モデル1023の更新のためのデータセットとすることができる。
(付記5)
前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の生後初めての種付を行うタイミングである初回種付タイミングを含み、
前記初回種付タイミングは、前記回数次で指定される、
付記1から付記4のいずれかに記載の家畜繁殖管理装置。
(付記6)
ネットワークを介して相互に接続するユーザ端末に、前記雌の家畜の前記繁殖機能情報を表示させる表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記ユーザ端末に前記繁殖機能情報を前記回数次に応じて識別可能な態様で表示させる、
付記1から付記5のいずれかに記載の家畜繁殖管理装置。
これにより、雌の家畜毎に特に初回種付けまでの発情発現回数をユーザにわかりやすく提示できる。
(付記7)
前記家畜画像取得部は、前記ユーザ端末の撮像機能により家畜を撮像した端末家畜画像を取得し、
前記家畜個体識別部は、前記端末家畜画像に基づいて、前記端末家畜画像に映る雌の家畜を識別し、
前記表示制御部は、前記端末家畜画像に前記雌の家畜の前記繁殖機能情報を重畳させて前記ユーザ端末に表示させる、
付記6に記載の家畜繁殖管理装置。
これにより、ユーザ端末20で目の前の家畜を撮像しながら、撮像されている家畜についての繁殖機能情報を直接把握できる。
(付記8)
前記表示制御部は、前記回数次が所定数未満である前記雌の家畜について、前記端末家畜画像に前記雌の家畜の前記繁殖機能情報を重畳させて前記ユーザ端末に表示させる、
付記7に記載の家畜繁殖管理装置。
これにより、特に妊娠確立が安定しない初期の雌の家畜について、ユーザ端末20で目の前の家畜を撮像しながら、撮像されている家畜についての繁殖機能情報を直接把握できる。
(付記9)
前記繁殖機能状態は、発情状態、種付可能状態、妊娠状態、出産状態、哺乳状態を含む、
付記1から付記8のいずれかに記載の家畜繁殖管理装置。
これにより、雌の家畜の繁殖サイクルにおける各繁殖機能に関する情報を利用した繁殖管理を行うことができる。
(付記10)
前記繁殖機能情報は、発情履歴、種付履歴、妊娠履歴、出産履歴、産子履歴、哺乳履歴、離乳履歴、及びこれらの統計情報を含む、
付記1から付記9のいずれかに記載の家畜繁殖管理装置。
これにより、雌の家畜の繁殖サイクルにおける各繁殖機能に関する履歴情報や統計情報を利用した繁殖管理を行うことができる。
(付記11)
前記家畜は豚である、
付記1から付記10のいずれかに記載の家畜繁殖管理装置。
これにより、母豚初期の発情状態を正確に把握して、適切な時期に種付を行うことができる。
(付記12)
プロセッサと記憶部とを備える情報処理装置、ユーザ端末、及び、撮像装置からなる家畜繁殖管理システムであって、
家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部と、
家畜を撮像した家畜画像を取得する家畜画像取得部と、
前記家畜画像と前記識別情報とに基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成する家畜個体識別部と、
前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、前記雌の家畜の繁殖機能状態を推定し、前記繁殖機能状態を前記雌豚に紐づいた繁殖機能情報として前記記憶部に記憶する繁殖機能情報管理部と、
を備え、
前記繁殖機能状態は、前記雌の家畜の生後初めての発情発現を含む発情状態であり、
前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の発情発現の回数に応じた回数次を含む、
家畜繁殖管理システム。
(付記13)
プロセッサと、家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部と、を備えるコンピュータにより実行される家畜繁殖管理方法であって、
家畜を撮像した家畜画像を取得させる家畜画像取得ステップと、
前記家畜画像と前記識別情報とに基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成させる家畜識別ステップと、
前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、前記雌の家畜の繁殖機能状態を推定させる繁殖機能推定ステップと、
前記繁殖機能状態を前記雌豚に紐づいた繁殖機能情報として前記記憶部に記憶させる繁殖機能情報記憶ステップと、
を含み、
前記繁殖機能状態は、前記雌の家畜の生後初めての発情発現を含む発情状態であり、
前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の発情発現の回数に応じた回数次を含む、
家畜繁殖管理方法。
(付記14)
プロセッサと、家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
家畜を撮像した家畜画像を取得させる家畜画像取得ステップと、
前記家畜画像と前記識別情報とに基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成させる家畜識別ステップと、
前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、前記雌の家畜の繁殖機能状態を推定させる繁殖機能推定ステップと、
前記繁殖機能状態を前記雌豚に紐づいた繁殖機能情報として前記記憶部に記憶させる繁殖機能情報記憶ステップと、
を実行させるプログラムであって、
前記繁殖機能状態は、前記雌の家畜の生後初めての発情発現を含む発情状態であり、
前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の発情発現の回数に応じた回数次を含む、
家畜繁殖管理プログラム。
(付記15)
画像に映る雌の家畜の繁殖機能状態をコンピュータを用いて推定する数理モデルを生成する、数理モデル生成方法であって、
家畜を撮像した家畜画像と、前記家畜画像に映る雌の家畜の繁殖機能状態を推定した推定情報と、前記推定情報を評価した評価情報と、をインプットデータとして前記コンピュータが取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した複数の前記インプットデータに基づいて、前記コンピュータが学習する学習ステップと、
前記学習ステップで学習した結果に基づいて、前記コンピュータが前記数理モデルを生成する生成ステップと、
を備え、
前記数理モデルは、前記インプットデータとは異なる未知の情報である入力情報を入力として、繁殖機能状態を出力し、
前記入力情報は、少なくとも家畜を撮像した家畜画像を含む情報である、
数理モデル生成方法。
これにより、雌の家畜の発情状態を家畜画像から推定する数理モデルを生成できる。
(付記16)
付記15に記載の数理モデル生成方法を用いて生成された、
数理モデル。
これにより、雌の家畜の発情状態を家畜画像から推定できる数理モデルを利用して畜産業を効率化できる。
(付記17)
前記記憶部は、付記16に記載の数理モデルを含み、
前記繁殖機能情報管理部は、前記数理モデルを用いて前記雌の家畜の繁殖機能状態を推定する
付記1に記載の家畜繁殖管理装置。
これにより、雌の家畜の発情状態を家畜画像から推定できる数理モデルを利用した家畜繁殖管理サービスを提供できる。
1 :家畜繁殖管理システム
10 :家畜繁殖管理サーバ
1012 :家畜基本情報テーブル
1013 :家畜画像テーブル
1014 :個体家畜画像テーブル
1015 :繁殖機能情報テーブル
1016 :家畜生体情報テーブル
1021 :個体識別数理モデル
1022 :生体情報推定数理モデル
1023 :繁殖機能推定数理モデル
1031 :情報登録制御部
1032 :家畜画像取得部
1033 :繁殖機能情報管理部
1034 :家畜個体識別部
1035 :生体情報推定部
1036 :繁殖機能監視部
1037 :表示制御部
1038 :数理モデル管理部
20 :ユーザ端末
30 :撮像装置
801 :コンピュータ
802 :CPU
803 :主記憶装置
804 :補助記憶装置
805 :インタフェース
806 :GPU

Claims (16)

  1. 家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部と、
    家畜を撮像した家畜画像を取得する家畜画像取得部と、
    前記家畜画像と前記識別情報に基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成する家畜個体識別部と、
    前記家畜の繁殖工程移行後に取得する前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、繁殖機能状態を示す特徴量として外観、活動量、及び、体重を識別して、これらの特徴量から前記雌の家畜の繁殖機能状態を数理モデルを用いて推定し、推定した前記繁殖機能状態を前記雌の家畜の繁殖機能情報として前記記憶部に記憶する繁殖機能情報管理部と、
    を備え、
    前記数理モデルは、過去の雌の家畜に紐づく個体家畜画像と、当該個体家畜画像から抽出された前記繁殖機能状態を示す特徴量を説明変数とし、当該個体家畜画像に紐づく繁殖機能状態の判定結果と承認状況を目的変数とするデータセットに基づいて生成され、
    前記繁殖機能状態は、前記雌の家畜の発情状態を含み、
    前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の前記繁殖工程移行後の発情状態の発現の回数に応じた回数次を含む、
    家畜繁殖管理装置。
  2. 前記繁殖機能情報管理部は、前記雌の家畜について発情状態の発現が推定されたときに、前記発情状態が未確定であることを示す未確定繁殖機能情報を生成し、前記未確定繁殖機能情報に関してユーザからの入力を取得し、前記ユーザからの入力に基づいて、前記発情状態の発現が確定であることを示す確定繁殖機能情報を生成し、前記確定繁殖機能情報の生成に基づいて、前記回数次を更新する、
    請求項1に記載の家畜繁殖管理装置。
  3. 前記繁殖機能情報管理部は、前記雌の家畜について発情状態の発現が推定されたときに、前記回数次が所定数未満の場合は、前記発情状態が未確定であることを示す未確定繁殖機能情報を生成し、前記未確定繁殖機能情報に関してユーザからの入力を取得し、前記ユーザからの入力に基づいて、前記発情状態の発現が確定であることを示す確定繁殖機能情報を生成し、前記確定繁殖機能情報の生成に基づいて、前記回数次を更新する、
    請求項1に記載の家畜繁殖管理装置。
  4. ネットワークを介して相互に接続するユーザ端末に、前記雌の家畜の前記繁殖機能情報を表示させる表示制御部をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記未確定繁殖機能情報及び前記確定繁殖機能情報に基づいて、前記ユーザ端末に前記雌の家畜の発情状態の発現の確定状況を表示させる、
    請求項2または3に記載の家畜繁殖管理装置。
  5. 前記表示制御部は、前記ユーザ端末に前記繁殖機能情報を前記回数次に応じて識別可能な態様で表示させる、
    請求項に記載の家畜繁殖管理装置。
  6. 前記家畜画像取得部は、前記ユーザ端末の撮像機能により家畜を撮像した端末家畜画像を取得し、
    前記家畜個体識別部は、前記端末家畜画像に基づいて、前記端末家畜画像に映る雌の家畜を識別し、
    前記表示制御部は、前記端末家畜画像に前記雌の家畜の前記繁殖機能情報を重畳させて前記ユーザ端末に表示させる、
    請求項に記載の家畜繁殖管理装置。
  7. 前記表示制御部は、前記回数次が所定数未満である前記雌の家畜について、前記端末家畜画像に前記雌の家畜の前記繁殖機能情報を重畳させて前記ユーザ端末に表示させる、
    請求項に記載の家畜繁殖管理装置。
  8. 前記外観は、外陰部の状態変化、部位の変化、体型の変化、分泌物の発生、を含む、
    請求項1に記載の家畜繁殖管理装置。
  9. 前記特徴量は、さらに、呼吸、体温、排尿/排便、及び、発汗を含む、
    請求項1に記載の家畜繁殖管理装置。
  10. 前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の前記繁殖工程移行後初めての種付を行うタイミングである初回種付タイミングを含み、
    前記初回種付タイミングは、前記回数次で指定される、
    請求項1に記載の家畜繁殖管理装置。
  11. 前記繁殖機能状態は、発情状態、種付可能状態、妊娠状態、出産状態、哺乳状態を含む、
    請求項1に記載の家畜繁殖管理装置。
  12. 前記繁殖機能情報は、発情履歴、種付履歴、妊娠履歴、出産履歴、産子履歴、哺乳履歴、離乳履歴、及びこれらの統計情報を含む、
    請求項1に記載の家畜繁殖管理装置。
  13. 前記家畜は豚である、
    請求項1に記載の家畜繁殖管理装置。
  14. プロセッサと記憶部とを備える情報処理装置、ユーザ端末、及び、撮像装置からなる家畜繁殖管理システムであって、
    家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部と、
    家畜を撮像した家畜画像を取得する家畜画像取得部と、
    前記家畜の繁殖工程移行後に取得する前記家畜画像と前記識別情報とに基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成する家畜個体識別部と、
    前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、繁殖機能状態を示す特徴量として外観、活動量、及び、体重を識別して、これらの特徴量から前記雌の家畜の繁殖機能状態を数理モデルを用いて推定し、推定した前記繁殖機能状態を前記雌の家畜に紐づいた繁殖機能情報として前記記憶部に記憶する繁殖機能情報管理部と、
    を備え、
    前記数理モデルは、過去の雌の家畜に紐づく個体家畜画像と、当該個体家畜画像から抽出された前記繁殖機能状態を示す特徴量を説明変数とし、当該個体家畜画像に紐づく繁殖機能状態の判定結果と承認状況を目的変数とするデータセットに基づいて生成され、
    前記繁殖機能状態は前記雌の家畜の発情状態を含み、
    前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の前記繁殖工程移行後の発情発現の回数に応じた回数次を含む、
    家畜繁殖管理システム。
  15. プロセッサと、家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部と、を備えるコンピュータにより実行される家畜繁殖管理方法であって、
    家畜を撮像した家畜画像を取得させる家畜画像取得ステップと、
    前記家畜画像と前記識別情報とに基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成させる家畜識別ステップと、
    前記家畜の繁殖工程移行後に取得する前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、繁殖機能状態を示す特徴量として外観、活動量、及び、体重を識別して、これらの特徴量から前記雌の家畜の繁殖機能状態を数理モデルを用いて推定させる繁殖機能推定ステップと、
    推定した前記繁殖機能状態を前記雌の家畜に紐づいた繁殖機能情報として前記記憶部に記憶させる繁殖機能情報記憶ステップと、
    を含み、
    前記数理モデルは、過去の雌の家畜に紐づく個体家畜画像と、当該個体家畜画像から抽出された前記繁殖機能状態を示す特徴量を説明変数とし、当該個体家畜画像に紐づく繁殖機能状態の判定結果と承認状況を目的変数とするデータセットに基づいて生成され、
    前記繁殖機能状態は前記雌の家畜の発情状態を含み、
    前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の前記繁殖工程移行後の発情発現の回数に応じた回数次を含む、
    家畜繁殖管理方法。
  16. プロセッサと、家畜の識別情報と性別情報と繁殖機能情報とが記憶される記憶部とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記プログラムは、前記プロセッサに、
    家畜を撮像した家畜画像を取得させる家畜画像取得ステップと、
    前記家畜画像と前記識別情報とに基づいて、前記家畜画像に映る各家畜を識別した個体家畜画像を生成させる家畜識別ステップと、
    前記家畜の繁殖工程移行後に取得する前記個体家畜画像に基づいて、前記個体家畜画像に映る雌の家畜について、繁殖機能状態を示す特徴量として外観、活動量、及び、体重を識別して、これらの特徴量から前記雌の家畜の繁殖機能状態を数理モデルを用いて推定させる繁殖機能推定ステップと、
    推定した前記繁殖機能状態を前記雌の家畜に紐づいた繁殖機能情報として前記記憶部に記憶させる繁殖機能情報記憶ステップと、
    を実行させるプログラムであって、
    前記数理モデルは、過去の雌の家畜に紐づく個体家畜画像と、当該個体家畜画像から抽出された前記繁殖機能状態を示す特徴量を説明変数とし、当該個体家畜画像に紐づく繁殖機能状態の判定結果と承認状況を目的変数とするデータセットに基づいて生成され、
    前記繁殖機能状態は前記雌の家畜の発情状態を含み、
    前記繁殖機能情報は、前記雌の家畜の前記繁殖工程移行後の発情発現の回数に応じた回数次を含む、
    家畜繁殖管理プログラム。
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