JP7286023B1 - 加工不良分析装置、加工システム、加工不良分析方法、および、加工方法 - Google Patents

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Abstract

加工不良分析装置(1)は、工作機械に取り付けられる工具が加工対象物を切削する点であって、工具の先端点の移動経路を示す情報である工具軌跡に含まれる複数の先端点のそれぞれに対応する切削点の位置を示す切削点情報を取得する切削点情報取得部(10)と、複数の先端点のそれぞれに対応して算出され、加工の特徴を示す特徴量を取得する特徴量取得部(20)と、切削点情報と特徴量とに基づいて、加工対象物の加工不良が生じる領域である加工不良領域と、加工不良領域における加工不良の要因とを特定する加工不良分析部(110)と、を備えることを特徴とする。

Description

本開示は、工作機械による加工対象物の加工に生じる加工不良を分析する加工不良分析装置、加工システム、加工不良分析方法、および、加工方法に関する。
工作機械は、モータなどのアクチュエータを駆動して、加工対象物または工具を移動させることによって、工具で加工対象物を加工して所望の形状にする。このとき、工具経路を指令する移動指令が記述された加工プログラムが用いられる。加工プログラムは、工作機械を制御する数値制御装置に入力され、数値制御装置は、加工プログラムを解析して、移動指令から求めた工具経路を予め定められた制御周期毎に補間した駆動軸の指令位置を作成する。数値制御装置は、指令位置をもとに駆動軸の位置を精緻に管理しながら、アクチュエータの駆動制御を行う。
しかしながら、加工後の加工対象物には、加工目標形状に対して様々な要因で加工誤差が生じる。加工誤差は、寸法精度を満たさない、加工面に傷があるといった加工不良につながる。この場合、設計の見直し、再加工といった手戻り作業が発生し、生産効率が低下する。
特許文献1には、工作機械の駆動軸の実送り速度を演算して画像に変換し、画像データを用いて機械学習により加工の良否を判定する技術が開示されている。特許文献1に開示された技術を用いることで、加工不良が発生するか否かを自動的に判定することが可能となる。
特開2021-068225号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、実送り速度に起因して加工不良が発生するか否かを判定することは可能になるが、加工対象物のどの部分に加工不良が発生しているかを特定し、加工不良が発生する要因を特定する分析作業の労力が大きいという問題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、加工不良が発生する要因を特定する分析作業の作業者の労力を低減することが可能な加工不良分析装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の加工不良分析装置は、工作機械に取り付けられる工具が加工対象物を切削する点であって、工具の先端点の移動経路を示す情報である工具軌跡に含まれる複数の先端点のそれぞれに対応する切削点の位置を示す切削点情報を取得する切削点情報取得部と、複数の先端点のそれぞれに対応して算出され、加工の特徴を示す特徴量を取得する特徴量取得部と、切削点情報と特徴量とに基づいて、加工対象物の加工不良が生じる領域である加工不良領域と、加工不良領域における加工不良の要因を示す特徴量の種類とを特定する加工不良分析部と、加工不良領域を、要因毎に異なる表現方法で表示し、1つの加工不良領域について要因の候補が複数存在する場合、要因毎に判定確率を表示する表示部と、を備え、特徴量の種類は、先端点の速度、先端点の加速度、先端点の加加速度、切削点の速度、切削点の加速度、切削点の加加速度、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの位置、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの速度、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの加速度、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの加加速度、および、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの反転位置、のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする。
本開示によれば、加工不良が発生する要因を特定する分析作業の作業者の労力を低減することが可能になるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる加工不良分析装置の機能構成を示す図 図1に示す工具情報記憶部に記憶された工具情報に基づく工具の一例を示す図 図1に示す加工目標形状記憶部に記憶された加工目標形状の一例を示す斜視図 図3に示す加工目標形状の側面図 図3に示す加工目標形状の上面図 図1に示す工具軌跡算出部が生成する工具軌跡の一例を示す斜視図 図1に示す工具軌跡算出部が生成する工具軌跡の一例を示す上面図 工具と加工曲面との配置について説明するための図 工具の先端点と切削点との関係を説明するための図 工具が加工曲面から離れている場合の切削点について説明するための図 工具が加工曲面と干渉する場合の切削点について説明するための図 図8に示す先端点のそれぞれに対応して算出される切削点を示す図 工具軌跡に含まれる任意の先端点に隣接する先端点を求める方法を説明するための第1の図 工具軌跡に含まれる任意の先端点に隣接する先端点を求める方法を説明するための第2の図 工具軌跡に含まれる任意の先端点に隣接する先端点を求める方法を説明するための第3の図 図1に示す加工不良分析装置が表示する表示画面の一例を示す斜視図 図1に示す加工不良分析装置が表示する表示画面の一例を示す上面図 特徴量を示す表示色で加工目標形状の加工曲面を表示した表示結果と、加工不良領域のそれぞれを、加工不良の要因毎に異なる表現方法で表示した表示結果とを重ねて表示した画面の一例を示す図 図1に示す加工不良分析装置の動作を説明するためのフローチャート 実施の形態1の加工不良分析装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図 実施の形態1の変形例の機能構成を示す図 実施の形態2にかかる加工不良分析装置の機能構成を示す図 機械学習を用いるモデル構築部の構成の一例を示す図 図22に示す加工不良分析装置が行う学習処理に関するフローチャート 図22に示す加工不良分析部が備える推論装置の機能構成を示す図 図25に示す推論装置の動作を説明するためのフローチャート 実施の形態3にかかる加工不良分析装置の機能構成を示す図 図27に示すモデル構築部が使用するニューラルネットワークの一例を示す図
以下に、本開示の実施の形態にかかる加工不良分析装置、加工システム、加工不良分析方法、および、加工方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる加工不良分析装置1の機能構成を示す図である。加工不良分析装置1は、運転情報記憶部101と、工具軌跡算出部102と、工具軌跡記憶部103と、工具情報記憶部104と、加工目標形状記憶部105と、切削点算出部106および切削点記憶部107を有する切削点情報取得部10と、特徴量算出部108および特徴量記憶部109を有する特徴量取得部20と、加工不良分析部110と、表示部111と、位置指定部112と、要因パターン記憶部113とを有する。加工不良分析部110は、加工不良領域抽出部114と、加工不良要因判定部115とを有する。
加工不良分析装置1は、工作機械が数値制御装置により制御されて行う加工に生じる加工不良が発生している領域と、加工不良の要因とを特定する分析作業を支援する機能を有する。
はじめに、加工不良分析装置1が用いるデータの一例について図面を用いて説明する。
運転情報記憶部101には、工作機械を運転させた際の工作機械の運転状態を示す情報である運転情報が記憶されている。運転情報は、工作機械、工作機械を制御する数値制御装置、または工作機械に取り付けられたセンサなどから得た情報を含む。より具体的には、運転情報は、例えば、工作機械が有する複数の駆動軸のそれぞれの位置データ、工作機械の主軸の負荷および電流値、工作機械の内部の温度、工作機械を動作させた際に使用する加工プログラムおよび加工条件、数値制御装置のパラメータなどの状態データを含むことができる。上記の位置データ、主軸の負荷、電流値および工作機械の内部の温度は、時刻によって同期された時系列データである。また、駆動軸の位置データは、数値制御装置にて生成した情報であって工作機械の複数の駆動軸のそれぞれに対する予め定められた制御周期毎の指令位置と、複数の駆動軸のそれぞれの位置検出器から制御周期毎に検出した検出位置とのうち少なくとも1つを含む。運転情報は、工作機械を実際に運転させて取得した情報であってもよいし、シミュレーションなどで数値制御装置および工作機械の動作を模擬することによって生成した情報であってもよい。
工具情報記憶部104は、加工対象物を加工するための工具の形状を定義する情報である工具情報が記憶されている。工具情報は、工具の形状を生成することができる情報であって、例えば、工具の種類、工具径、工具長などの情報を含む。エンドミルなどの回転工具の場合、工具情報は、工具中心軸と工具の外形輪郭とを含んでもよいし、旋削工具などの非対称な形状の場合、工具情報は、パラメータ情報を含んでもよい。
図2は、図1に示す工具情報記憶部104に記憶された工具情報に基づく工具T1の一例を示す図である。図2に示す工具T1は、先端が球状のエンドミルであるボールエンドミルである。
加工目標形状記憶部105は、加工対象物の目標の形状である加工目標形状を示す形状情報が記憶されている。加工目標形状は、工具T1により加工すべき曲面である加工曲面を含む。
図3は、図1に示す加工目標形状記憶部105に記憶された加工目標形状M1の一例を示す斜視図である。図4は、図3に示す加工目標形状M1の側面図である。図5は、図3に示す加工目標形状M1の上面図である。加工目標形状M1は、加工曲面S1~S3を含む。なお、加工曲面S1~S3を特に区別する必要がない場合、単に加工曲面Sと称する。
以上説明した運転情報、工具情報、および形状情報は、加工不良分析装置1の外部から取得される。運転情報、工具情報、および加工目標形状M1は、加工不良分析装置1の外部の記憶媒体に記憶された情報を読み込んでもよいし、通信路を介して取得してもよいし、作業者がキーボードなどの入力手段を用いて入力した情報であってもよい。形状情報は、CADデータからのデータ変換を行うことで生成された情報であってもよいし、作業者がキーボードを操作して図形入力することによって生成された情報であってもよい。
工具軌跡算出部102は、運転情報記憶部101に記憶された運転情報に基づいて、工具の先端点の軌跡である工具軌跡を生成し、生成した工具軌跡を工具軌跡記憶部103に記憶する。ここで工具軌跡算出部102は、運転情報に含まれる時系列データの位置データについて座標変換を行うことにより工具の先端点の位置および当該位置における工具方向を求める。なお、位置データは、指令位置であってもよいし、検出位置であってもよい。いずれの位置データを用いるかは、予め定められていてもよいし、作業者に選択させるようにしてもよい。このとき工具軌跡算出部102は、数値制御装置のパラメータに含まれる工作機械の駆動軸の構成、工具長、座標系などの情報と、加工目標形状M1の座標系との相対関係を用いて、位置データを座標変換する。なお、数値制御装置のパラメータに含まれる座標系と加工目標形状M1の座標系との相対関係は、例えばオフセット量を予め記憶させておいてもよいし、作業者に指定させてもよい。このようにして求めた先端点の位置は、時系列データのそれぞれに対応づけるとともに、工具軌跡として記憶される。
図6は、図1に示す工具軌跡算出部102が生成する工具軌跡TP1の一例を示す斜視図である。図7は、図1に示す工具軌跡算出部102が生成する工具軌跡TP1の一例を示す上面図である。図6および図7には、工具軌跡TP1および加工目標形状M1が示されている。また、図8は、工具T1と加工曲面Sとの配置について説明するための図である。図8には、工具軌跡TP1に含まれる先端点P1~P7の位置と、先端点P1~P7のそれぞれに工具T1が位置するときの工具方向V1~V7とが示されている。図8には、工具T1が加工目標形状M1の加工曲面S3上を通過する様子が断面図で示されている。このとき、先端点P1~P7の位置と、当該位置における工具方向V1~V7とに従って、工具T1と加工曲面S3との配置関係が定まる。なお、以下先端点P1~P7のそれぞれを特に区別する必要がない場合、単に先端点Pと称し、工具方向V1~V7のそれぞれを特に区別する必要がない場合、単に工具方向Vと称する。
切削点情報取得部10の切削点算出部106は、工具軌跡記憶部103に記憶された工具軌跡TP1と、工具情報記憶部104に記憶された工具情報と、加工目標形状記憶部105に記憶された加工目標形状M1とに基づいて、工作機械に取り付けられる工具T1が加工対象物Wを切削する点である切削点の位置を算出する。ここで切削点について説明する。図9は、工具T1の先端点Pと切削点CPとの関係を説明するための図である。先端点Pは、工具T1の先端に位置する点であり、工具T1上の位置は変化しない。切削点CPは、工具T1が加工対象物Wを切削する点であり、理想的には工具T1が加工対象物Wの加工曲面Sと接する点である。図9には、切削点CPが加工曲面Sと接している状態が示されている。
切削点算出部106は、工具軌跡TP1に含まれる複数の先端点Pのそれぞれに対応する切削点CPの位置を算出する。具体的には、切削点算出部106は、工具軌跡TP1に含まれる複数の先端点Pのそれぞれについて、先端点Pの位置および工具方向Vから加工目標形状M1の加工曲面S上における工具T1の加工曲面Sに対する切削点CPを算出する。先端点Pの位置および工具方向Vは、加工目標形状M1に対する相対的な位置および方向であることから、先端点Pの位置および工具方向Vに従って工具T1と加工目標形状M1の加工曲面Sとの相対的な位置関係が定まり、この位置関係は、理想的には工具T1と加工曲面Sとが接する状態である。このため、図9に示すように工具T1と加工曲面Sとが接している場合、切削点算出部106は、加工曲面S上において工具T1と加工曲面Sとが接する点を切削点CPとして求める。
しかしながら実際には、工具の先端点Pの位置や工具方向Vには誤差が含まれていることから、工具T1と加工曲面Sとが接しないことがある。例えば、運転情報に基づいて算出された先端点Pの位置に配置した工具T1が加工曲面Sから離れている場合が考えられる。図10は、工具T1が加工曲面Sから離れている場合の切削点CPについて説明するための図である。図10に示すように工具T1が加工曲面Sから離れている場合、切削点算出部106は、工具T1と加工曲面Sとの間の距離が最短となる加工曲面S上の一点を求め、この点を切削点CPとすることができる。
また、運転情報に基づいて算出された先端点Pの位置に配置した工具T1が加工曲面Sと干渉する場合が考えられる。図11は、工具T1が加工曲面Sと干渉する場合の切削点CPについて説明するための図である。図11に示すように工具T1が加工曲面Sと干渉する場合、切削点算出部106は、工具T1が加工曲面Sに接触する状態となるまでオフセットして接触する状態としたオフセット工具T1αと加工曲面Sの接触している点を求め、この点を切削点CPとすることができる。なお、ここでは工具T1がボールエンドミルである例について示しているが、工具T1がラジアスエンドミル、フラットエンドミル、バレル工具、旋削工具などの特殊な形状であっても、同様の方法で切削点CPを算出することができる。
切削点算出部106は、上記のような方法で求めた複数の切削点CPの位置を先端点Pのそれぞれに対応づけた切削点情報を切削点記憶部107に記憶する。なお、工具T1と加工曲面Sとの関係によっては1つの先端点Pに対して複数の切削点CPが算出される場合があり、この場合には1つの先端点Pに対して複数の切削点CPを対応づけて記憶すればよい。
図12は、図8に示す先端点P1~P7のそれぞれに対応して算出される切削点CP1~CP7を示す図である。簡単のため、図12では符号が省略されているが、図12に示す黒丸は図8に示す先端点P1~P7であり、図12に示す矢印は図8に示す工具方向V1~V7である。図12は、工具軌跡TP1に含まれる複数の先端点P1~P7および工具方向V1~V7に従って工具T1が加工目標形状M1の加工曲面S3上を移動した際の、工具T1の加工曲面S3に対する切削点CP1~CP7を示している。先端点P1~P7のそれぞれに対応する切削点CP1~CP7が算出される。
特徴量取得部20の特徴量算出部108は、運転情報記憶部101に記憶された運転情報と、工具軌跡記憶部103に記憶された工具軌跡TP1と、切削点記憶部107に記憶された切削点情報とに基づいて、工具軌跡TP1に含まれる複数の先端点Pのそれぞれに対応する加工の特徴量を算出する。特徴量算出部108は、算出した特徴量を切削点CPに対応づけて特徴量記憶部109に記憶する。特徴量算出部108は、特徴量を直接切削点CPに対応づけてもよいし、先端点Pに対応づけることで、共通の先端点Pに対応づけられた特徴量を切削点CPに対応する特徴量とすることができる。
特徴量は、加工の特徴を表す量である。特徴量は、例えば、加工目標形状M1と先端点Pの位置に配置された工具T1との間の距離である加工誤差量、先端点Pの速度、先端点Pの加速度、先端点Pの加加速度、切削点CPの速度、切削点CPの加速度、切削点CPの加加速度、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの位置、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの速度、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの加速度、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの加加速度、および、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの反転位置の少なくとも1つを含む。
ここで、加工誤差量は、工具T1の先端点Pに対応する切削点CPの位置と、先端点Pの位置および工具方向Vに従って配置された工具T1の形状表面との間の最短距離として算出することができる。
また、工具T1の先端点Pの速度、加速度および加加速度は、それぞれ以下のように算出することができる。ある時刻tにおける先端点Pの位置をPT(t)、時刻tから予め定められた制御周期の時間だけ進んだ時刻t+Δtにおける先端点Pの位置をPT(t+Δt)とした場合、時刻tにおける先端点Pの速度VT(t)は、2つの先端点Pの位置の間の距離を予め定められた制御周期の時間で除算することで求められ、以下の数式(1)で表される。
Figure 0007286023000001
時刻tにおける先端点Pの加速度AT(t)は、数式(2)で表される。
Figure 0007286023000002
時刻tにおける先端点Pの加加速度JT(t)は、数式(3)で表される。
Figure 0007286023000003
また、切削点CPの速度、加速度および加加速度は、それぞれ以下のように算出することができる。ある時刻tにおける先端点Pに対応した切削点CPの位置をPC(t)、時刻tから予め定められた制御周期の時間だけ進んだ時刻t+Δtにおける先端点Pに対応した切削点CPの位置をPC(t+Δt)とした場合、時刻tにおける先端点Pに対応した切削点CPの速度VC(t)は、以下の数式(4)により表される。
Figure 0007286023000004
また、時刻tにおける先端点Pに対応した切削点CPの加速度AC(t)は、数式(5)により表される。
Figure 0007286023000005
また、時刻tにおける先端点Pに対応した切削点CPの加加速度JC(t)は、数式(6)により表される。
Figure 0007286023000006
また、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの位置、速度、加速度、および加加速度は、それぞれ以下のように算出することができる。ある時刻tにおける先端点Pに対応した第1の駆動軸の位置PM1(t)は、運転情報の時系列データから取得することができる。
また、時刻tから予め定められた制御周期の時間だけ進んだ時刻t+Δtにおける先端点Pに対応した第1の駆動軸の位置をPM1(t+Δt)とした場合、時刻tにおける先端点Pに対応した第1の駆動軸の速度VM1(t)は、以下の数式(7)により表される。
Figure 0007286023000007
また、時刻tにおける先端点Pに対応した第1の駆動軸の加速度AM1(t)は、数式(8)により表される。
Figure 0007286023000008
また、時刻tにおける先端点Pに対応した第1の駆動軸の加加速度JM1(t)は、数式(9)により表される。
Figure 0007286023000009
なお、第1の駆動軸以外の駆動軸についても同様の方法で位置、速度、加速度および加加速度を算出することができる。
また、工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの反転位置は、次のように算出することができる。上述の方法により、ある時刻tにおける先端点Pに対応した第1の駆動軸の速度VM1(t)と、時刻tから予め定められた制御周期の時間だけ進んだ時刻t+Δtにおける先端点Pに対応した第1の駆動軸の速度VM1(t+Δt)とが算出される。このとき、速度VM1(t)の符号と速度VM1(t+Δt)の符号とを比較して、符号が反転した時刻に対応する位置を第1の駆動軸の反転位置とすることができる。なお、第1の駆動軸以外の駆動軸についても、同様の方法で反転位置を求めることができる。
さらに、特徴量算出部108は、隣接する2つの先端点Pの特徴量の差分を特徴量とすることもできる。このとき隣接する2つの先端点Pとは、隣接する2つの工具軌跡上において最短距離となる2つの先端点Pの組である。例えば、CAD/CAMシステムにおいて、平面に平行かつ一定ピッチに生成されるいわゆる走査線加工または等高線加工の工具軌跡、加工目標形状M1の加工曲面Sの輪郭に基づいて一定ピッチで生成されるいわゆる面沿い加工などの工具軌跡では、ある先端点Pについて当該ピッチ分だけ離れた位置を通過する隣の工具軌跡上の最も近い先端点Pを選択することで隣接する2つの先端点Pが求められる。
ここで、工具軌跡TP1に含まれる任意の先端点Pに隣接する先端点Pを求める方法について、図13から図15を用いて説明する。図13は、工具軌跡TP1に含まれる任意の先端点Pに隣接する先端点Pを求める方法を説明するための第1の図である。図14は、工具軌跡TP1に含まれる任意の先端点Pに隣接する先端点Pを求める方法を説明するための第2の図である。図15は、工具軌跡TP1に含まれる任意の先端点Pに隣接する先端点Pを求める方法を説明するための第3の図である。図13は、工具軌跡TP1に含まれる先端点P8と、その周辺の工具軌跡の一部分の様子を示している。先端点P8に隣接する先端点Pを求める場合について考える。図14に示すように、まず、先端点P8における進行方向D8を法線ベクトルとする平面PL8を仮定する。ここで進行方向D8は、先端点P8と前後の先端点Pとの関係から求めてもよいし、別途予め定められた方向であってもよい。次に、特徴量算出部108は、仮定した平面PL8と工具軌跡との交点を求める。このとき、先端点P9およびP10の間の交点R1と、先端点P11およびP12の間の交点R2とが求まる。
次に、特徴量算出部108は、図15に示すように、交点R1と先端点P9との間の距離L1aと、交点R1と先端点P10との間の距離L1bとを求める。特徴量算出部108は、距離L1aおよびL1bを比較することで、先端点P9およびP10のうち交点R1との距離が短い方の先端点P10を隣接する先端点Pの候補とする。同様に、特徴量算出部108は、交点R2と先端点P11との間の距離L2aと、交点R2と先端点P12との間の距離L2bとを求める。特徴量算出部108は、距離L2aおよびL2bを比較することで、先端点P11およびP12のうち交点R2との距離が短い方の先端点P11を隣接する先端点Pの候補とする。特徴量算出部108は、ここで求められた複数の候補である先端点P10およびP11のうち、先端点P8との間の距離が近い方を選択してもよいし、進行方向D8に対して特定方向に存在するものを選択してもよい。ここでは、仮に、先端点P8に隣接する先端点P11が選択されたとする。この場合、特徴量算出部108は、先端点P8の特徴量から先端点P11の特徴量を減算した値である特徴量の差分を、先端点P8の新たな特徴量とすることができる。
なお、上記に詳述した特徴量は一例であり、特徴量算出部108は、工作機械の主軸の負荷、電流値、工作機械の内部の温度などの物理情報を先端点Pのそれぞれについて算出して特徴量記憶部109に記憶することができる。また、特徴量算出部108は、1つの種類の特徴量を算出してもよいし、2つ以上の種類の特徴量を同時に算出して記憶してもよい。さらに、特徴量算出部108は、特徴量を画像データまたは時系列データとして出力してもよい。
図1の説明に戻る。加工不良分析部110の加工不良領域抽出部114は、切削点記憶部107に記憶された切削点情報と、特徴量記憶部109に記憶された特徴量とに基づいて、加工対象物Wの加工不良が生じている領域である加工不良領域を抽出する。加工不良領域抽出部114は、1または複数の加工不良領域を抽出することができる。
加工不良分析部110は、切削点情報が示す切削点CPの位置と、切削点CPに対応する先端点Pの特徴量とに基づいて、加工不良領域を抽出する。加工不良領域を抽出する方法は、例えば、予め定められた閾値を超える特徴量に対応する切削点CPを抽出し、抽出した切削点CPのうち加工曲面S上で複数の切削点CPが近接して位置する領域を1つの加工不良領域として抽出する方法が考えられる。なおこのとき複数の加工不良領域が抽出されてもよい。
また、加工不良領域を抽出する他の方法としては、例えば、ある切削点CPと、その周辺の切削点CPとの間の特徴量の変化量を算出し、特徴量が急峻に変化する切削点CPの間の境界を順次求め、求めた境界に囲われた領域の内部に存在する切削点CPの領域を1つの加工不良領域として抽出する方法がある。
このとき特徴量として例えば加工誤差量を用いる場合、加工誤差量が予め定められた閾値を超える領域を加工不良領域として抽出したり、加工誤差量が急峻に変化する境界で囲われた領域を加工不良領域として抽出したりすることができる。また特徴量として例えば先端点Pの加速度を用いる場合、先端点Pの加速度が予め定められた閾値を超える領域を加工不良領域として抽出したり、先端点Pの加速度が急峻に変化する境界で囲われた領域を加工不良領域として抽出したりすることができる。また加工不良領域は1つの特徴量に基づいて抽出してもよいし、複数の特徴量に基づいて抽出してもよい。
加工不良領域を抽出するさらに他の方法としては、例えば、複数の切削点CPのそれぞれを、切削点CPに対応する特徴量を示す表現方法で表示した画像、つまり、特徴量に応じて切削点CPを区別して表示した画像を生成し、生成した画像に対して補正、変換、フィルタ処理、画像の特徴抽出などの画像処理を行うことによって、画像中の範囲を求め、求めた範囲の内部に存在する切削点CPの領域を1つの加工不良領域として抽出する方法がある。例えば、複数の切削点CPのそれぞれを、切削点CPに対応する特徴量の大きさが大きいほど濃い色で表示した画像を使用する場合、画像の色の濃さが閾値以上となる画像中の範囲を求めることで、特徴量の大きさが閾値以上となる領域を抽出することができる。
また加工不良領域抽出部114は、位置指定部112によって指定された指定位置に基づいて、加工不良領域を抽出することもできる。加工不良領域抽出部114は、指定位置の少なくとも一部を含む領域を加工不良領域として抽出することができる。位置指定部112は、作業者がポインティングデバイスのような入力手段を用いて行う位置の指定を受け付け、受け付けた指定位置を加工不良領域抽出部114に出力する。位置指定部112が受け付ける指定位置は、特定の1点であってもよいし、複数の点であってもよいし、連続した領域であってもよい。
続いて加工不良分析部110の加工不良要因判定部115は、切削点記憶部107に記憶された切削点情報と、加工不良領域抽出部114が抽出した加工不良領域とに基づいて、加工不良領域の加工不良が生じた要因を判定する。加工不良要因判定部115は、加工不良領域抽出部114が複数の加工不良領域を抽出した場合、加工不良領域毎に、加工不良が生じた要因を判定することができる。
加工不良要因判定部115は、抽出された加工不良領域と、当該加工不良領域に含まれる切削点CPに対応する特徴量に基づいて、加工不良の要因を判定することができる。加工不良要因判定部115は、例えば、簡便には加工不良領域を抽出するために用いた特徴量の種類を加工不良の要因とすることによって、加工不良の要因を判定することができる。
また、別の方法として、加工不良要因判定部115は、加工不良領域の内部に存在する切削点CPに対応する特徴量について、加工不良領域の内外での値、加工不良領域の境界近傍での特徴量の差分値などを算出し、特徴量毎に加工不良領域との相関を調べることにより、相関の高い特徴量の種類を加工不良の要因とすることができる。例えば、ある加工不良領域について加工不良の要因を判定する場合に、切削点CPの特徴量として当該加工不良領域の内部においては、工作機械の第1の駆動軸の反転位置であり、当該加工不良領域の外部においては工作機械の第1の駆動軸の反転位置でなければ、当該加工不良領域の加工不良の要因は工作機械の第1の駆動軸の反転位置であると判定することができる。
さらに別の方法として、加工不良要因判定部115は、加工不良領域を表示した画像と特徴量を示す表現方法で加工不良領域の内部に存在する切削点CPを表示した画像とを生成し、生成したこれら2つの画像に対して、補正、変換、フィルタ処理、画像の特徴抽出といった画像処理を施した後に、2つの画像の比較を行うことで、加工不良の要因を判定してもよい。この場合、加工不良要因判定部115は、2つの画像の相関が最も高い特徴量を加工不良の要因として判定することができる。
さらに、加工不良の要因と、この要因が存在する際に表出する特徴量のパターンとを対応づけた情報である要因パターンを要因パターン記憶部113に記憶しておき、加工不良要因判定部115は、抽出された加工不良領域と、特徴量と、要因パターンとに基づいて、加工不良領域の加工不良の要因を特定してもよい。要因パターンは、例えば、加工不良域の内部、境界、外部に存在する切削点CPの表出するパターン、複数の特徴量の間に表出するパターンの相関関係、特徴量が予め定められた値以上となる領域と加工不良領域との関係などであり、さらに、加工不良領域の形状や大きさを関連づけてもよい。
より具体的には、例えば、要因パターン#Aは、加工不良領域の内部において加工誤差量と先端点Pの加速度とが予め定められた値以上かつ正の相関関係であるもの、としておき、実際の加工不良領域と特徴量から要因パターン#Aに当てはまるか否かを判定することができる。また、複数の要因パターンに判定され得る場合、加工不良要因判定部115は、要因パターンごとの判定確率を求めてもよい。
表示部111は、加工不良分析部110で抽出した加工不良領域を、当該加工不良領域の加工不良の要因毎に異なる表現方法で表示する。
ここで、表示部111が加工不良領域を、加工不良の要因毎に異なる表現方法で表示する方法について例を挙げて説明する。例えば、表示部111は、加工不良の要因毎に予め色を決定しておき、加工不良領域に含まれる切削点CPを、その加工不良領域の加工不良の要因に対して予め定められた色を用いて表示する。また、表示部111は、加工不良の要因毎に予め表示記号を決定しておき、加工不良領域に含まれる切削点CPを、その加工不良領域の加工不良の要因に対して予め定められた表示記号を用いて表示してもよい。また、表示部111は、加工不良の要因毎に予め表示濃度およびサイズを決定しておいて、加工不良領域に含まれる切削点CPを、その加工不良領域の加工不良の要因に対して予め定められた表示濃度で、予め定められたサイズの点などを用いて表示してもよい。
また表示部111は、加工不良領域の境界を示す線分を生成しておき、当該線分を予め定められた表示色、実線または破線といった表示タイプに従って表示してもよい。さらに、表示部111は、加工不良領域の境界の内部を塗り潰して表示してもよい。これらの表現方法を用いることで、表示部111は、加工不良領域を、加工不良の要因毎に異なる表現方法で表示することができる。
図16は、図1に示す加工不良分析装置1が表示する表示画面の一例を示す斜視図である。図17は、図1に示す加工不良分析装置1が表示する表示画面の一例を示す上面図である。図16および図17には、工具経路TP1に含まれる複数の先端点Pのそれぞれについて求められた切削点CPの集合である切削点群CPS1について、各加工不良領域の加工不良の要因毎に異なる表現方法で加工不良領域内の切削点CPを加工目標形状M1に重畳して表示している。ここでは、表示部111は、加工不良領域Q1の内部に存在する切削点CPの表示色を加工不良領域Q1の外部に存在する切削点CPの表示色と異なる第1の表示色とするとともに、加工不良領域Q1の境界を示す線分を第1の表示色の破線で表示している。また、表示部111は、加工不良領域Q1と異なる加工不良領域Q2の内部に存在する切削点CPの表示色を加工不良領域Q2の外部に存在するCPの表示色と異なる第2の表示色とするとともに、加工不良領域Q2の境界を示す線分を第2の表示色の破線で表示している。例えば、第1の表示色を赤色とし、第2の表示色を緑色とすることができる。ここで、表示部111は、作業者によって加工不良の要因ごとに使用する表現方法を指定させて、指定された表現方法を使用するようにしてもよい。
また、表示部111は、1つの加工不良領域について複数の加工不良の要因の候補が存在する場合、加工不良領域のそれぞれについて判定された加工不良の要因毎に判定確率を表示してもよい。このとき判定確率は、加工不良分析部110において求めた加工不良の要因ごとの判定確率を用いればよい。より具体的には、例えば、ある加工不良領域の加工不良の要因が、要因パターン#Aである確率が70%であり、要因パターン#Bである確率が30%である場合、表示部111は、これらの確率を表示すればよい。さらに、表示部111は、加工不良領域について特定された加工不良の要因の根拠となる特徴量を表示してもよい。
表示部111は、複数の切削点CPのそれぞれに対応する先端点Pの特徴量を示す表現方法で加工目標形状M1の加工曲面Sを表示した表示結果と、加工不良領域を加工不良の要因毎に異なる表現方法で表示した表示結果とを重ねて表示することもできる。
図18は、特徴量を示す表示色で加工目標形状M1の加工曲面Sを表示した表示結果と、加工不良領域Q1,Q2のそれぞれを、加工不良の要因毎に異なる表現方法で表示した表示結果とを重ねて表示した画面の一例を示す図である。
図19は、図1に示す加工不良分析装置1の動作を説明するためのフローチャートである。加工不良分析装置1の工具軌跡算出部102は、運転情報記憶部101に記憶された運転情報に基づいて、工具軌跡TP1を生成し、生成した工具軌跡TP1を工具軌跡記憶部103に記憶する(ステップS101)。切削点算出部106は、工具軌跡記憶部103に記憶された工具軌跡TP1に含まれる複数の先端点Pのそれぞれに対応する切削点CPの位置を算出し、算出した切削点CPの位置を示す切削点情報を切削点記憶部107に記憶する(ステップS102)。特徴量算出部108は、運転情報記憶部101に記憶された運転情報と、工具軌跡記憶部103に記憶された工具軌跡TP1と、切削点記憶部107に記憶された切削点情報とに基づいて、工具軌跡TP1に含まれる複数の先端点Pのそれぞれに対応する特徴量を算出し、算出した特徴量を特徴量記憶部109に記憶する(ステップS103)。
加工不良領域抽出部114は、切削点記憶部107に記憶された切削点情報および特徴量記憶部109に記憶された特徴量に基づいて、加工不良領域を抽出する(ステップS104)。
加工不良要因判定部115は、加工不良領域抽出部114が抽出した加工不良領域の加工不良の要因を特定する(ステップS105)。表示部111は、抽出された加工不良領域を、特定された加工不良の要因毎に異なる表現方法で表示する(ステップS106)。
図20は、実施の形態1の加工不良分析装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図20に示すように、このコンピュータシステムは、制御部81と入力部82と記憶部83と表示部84と通信部85と出力部86とを備え、これらはシステムバス87を介して接続されている。
図20において、制御部81は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等である。制御部81は、加工不良分析装置1が実施する各処理が記述された分析プログラムを実行する。入力部82は、たとえばタッチセンサ、キーボード、マウス等で構成され、コンピュータシステムのユーザが、各種情報の入力を行うために使用する。上記の実施の形態において、作業者の入力を受け付ける場合、作業者の入力は入力部82を用いて行うことができる。記憶部83は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等の各種メモリおよびハードディスク等のストレージデバイスを含み、上記制御部81が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ等を記憶する。また、記憶部83は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部84は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示パネル)等で構成され、コンピュータシステムのユーザに対して各種画面を表示する。通信部85は、通信処理を実施する通信回路等である。通信部85は、複数の通信方式にそれぞれ対応する複数の通信回路で構成されていてもよい。出力部86は、プリンタ、外部記憶装置等の外部の装置へデータを出力する出力インタフェイスである。
なお、図20は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図20の例に限定されない。例えば、コンピュータシステムは出力部86を備えていなくてもよい。また、加工不良分析装置1が複数のコンピュータシステムにより実現される場合、これらの全てのコンピュータシステムが図20に示したコンピュータシステムでなくてもよい。例えば、一部のコンピュータシステムは図20に示した表示部84、出力部86および入力部82のうち少なくとも1つを備えていなくてもよい。
ここで、加工不良分析装置1の処理が記述された分析プログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、加工不良分析装置1の動作が記述された分析プログラムが記憶部83にインストールされる。そして、分析プログラムの実行時に、記憶部83から読み出された分析プログラムが記憶部83の主記憶装置となる領域に格納される。この状態で、制御部81は、記憶部83に格納された分析プログラムに従って、加工不良分析装置1としての処理を実行する。
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、加工不良分析装置1における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量等に応じて、たとえば、通信部85を経由してインターネット等の伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
本実施の形態の分析プログラムは、コンピュータに、工作機械に取り付けられる工具が加工対象物Wを切削する点であって、工具の先端点Pの移動経路を示す情報である工具軌跡に含まれる複数の先端点Pのそれぞれに対応する切削点CPの位置を示す切削点情報を取得するステップと、複数の先端点Pのそれぞれに対応して算出され、加工の特徴を示す特徴量を取得するステップと、切削点情報と特徴量とに基づいて、加工対象物Wの加工不良が生じる領域である加工不良領域と、加工不良領域における加工不良の要因とを特定するステップと、を実行させる。
図1に示す運転情報記憶部101、工具軌跡記憶部103、工具情報記憶部104、加工目標形状記憶部105、切削点記憶部107、および特徴量記憶部109、および要因パターン記憶部113は、図20に示した記憶部83の一部である。図1に示す工具軌跡算出部102、切削点算出部106、位置指定部112、加工不良領域抽出部114、加工不良要因判定部115、および、表示部111のそれぞれは、制御部81と、入力部82と、記憶部83と、表示部84とを用いて実現される。
なお、図1に示した加工不良分析装置1における機能の切り分けは一例であり、加工不良分析装置1が上述した動作を行うことができれば、各機能部の分け方は図1に示した例に限定されない。また、図1では加工不良分析装置1が全ての動作を行うこととしたが、複数の装置を用いて、同様の機能を実現してもよい。例えば、図1では加工不良分析装置1が、加工不良分析部110が使用する情報を生成する機能も併せ持つこととしたが、以下に変形例として示すように、加工不良分析機能を有する装置と、切削点CPや特徴量を算出する機能を有する装置とを分けてもよい。
<変形例>
図21は、実施の形態1の変形例の機能構成を示す図である。変形例において加工不良分析装置1Aは、切削点情報取得部10Aと、特徴量取得部20Aと、加工不良分析部110と、表示部111と、位置指定部112と、要因パターン記憶部113とを有する。情報処理装置2は、加工不良分析装置1Aと異なるサーバなどの装置であり、運転情報記憶部101と、工具軌跡算出部102と、工具軌跡記憶部103と、工具情報記憶部104と、加工目標形状記憶部105と、切削点算出部106と、切削点記憶部107と、特徴量算出部108と、特徴量記憶部109とを有する。
加工不良分析装置1の切削点情報取得部10は、切削点算出部106および切削点記憶部107を有し、切削点情報を生成する機能を有していたのに対して、加工不良分析装置1Aの切削点情報取得部10Aは、情報処理装置2から切削点情報を取得する。また、加工不良分析装置1の特徴量取得部20は、特徴量算出部108および特徴量記憶部109を有し、特徴量を算出する機能を有していたのに対して、加工不良分析装置1Aの特徴量取得部20Aは、情報処理装置2から特徴量を取得する。その他、図1と同じ符号を付した機能部の機能は加工不良分析装置1と同様であるため詳細な説明を省略する。
なお、加工不良分析装置1Aおよび情報処理装置2についても、加工不良分析装置1と同様に、図20に示したようなコンピュータシステムを1つまたは複数使用することにより実現することができる。この場合、切削点情報取得部10Aおよび特徴量取得部20Aのそれぞれは、通信部85を用いて実現することができる。また、図21に示す加工不良分析装置1Aおよび情報処理装置2における機能部の切り分けは一例であり、システム全体として加工不良分析装置1と同様の機能を実現することができれば、各機能部の分け方は図21に示した例に限定されない。例えば、加工不良領域抽出部114の機能と加工不良要因判定部115の機能とが異なるハードウェアで実現されてもよい。情報処理装置2の機能を複数のハードウェアで実現することも可能である。加工不良分析装置1Aの機能の一部および情報処理装置2の機能をクラウドシステムにより実現することもできる。クラウドシステムでは、コンピュータシステムのハードウェアと、機能ごとのサーバ等の装置との切り分けを任意に設定することができる。例えば、1台のコンピュータシステムが複数の装置としての機能を有していてもよいし、複数台のコンピュータシステムで1つの装置としての機能を有していてもよい。
以上説明したように、実施の形態1にかかる加工不良分析装置1,1Aは、工作機械に取り付けられる工具が加工対象物Wを切削する点であって、工具の先端点Pの移動経路を示す情報である工具軌跡に含まれる複数の先端点Pのそれぞれに対応する切削点CPの位置を示す切削点情報を取得する切削点情報取得部10,10Aと、複数の先端点Pのそれぞれに対応して算出され、加工の特徴を示す特徴量を取得する特徴量取得部20,20Aと、切削点情報と特徴量とに基づいて、加工対象物Wの加工不良が生じる領域である加工不良領域と、加工不良領域における加工不良の要因とを特定する加工不良分析部110と、を備えることを特徴とする。加工不良分析部110は、切削点情報と特徴量とに基づいて、加工不良領域を抽出する加工不良領域抽出部114と、特徴量と抽出された加工不良領域とに基づいて、加工不良領域の加工不良の要因を特定する加工不良要因判定部115とを有する。加工不良分析装置1,1Aが上記のような構成を有することによって、加工対象物Wのどの部分に加工不良が発生しているかを特定し、加工不良が発生する要因を特定する分析作業の作業者の労力を低減することが可能になる。したがって、加工不良に対して適切な対策を実施することができ、再加工などの手戻りを低減させ、生産性を向上させることが可能になる。
また、加工不良分析装置1,1Aは、抽出された加工不良領域を、加工不良の要因毎に異なる表現方法で表示する表示部111をさらに備える。これにより、作業者が、加工不良領域に生じている加工不良の要因を把握することが容易になり、作業者の分析作業の労力をさらに低減することができる。なお、加工不良領域が複数抽出された場合、加工不良分析部110は、加工不良領域毎に加工不良の要因を特定し、表示部111は、加工不良領域毎に、加工不良の要因毎に異なる表現方法で加工不良領域を表示する。
表示部111は、抽出された加工不良領域について特定された加工不良の要因の根拠となる特徴量を表示することもできる。表示部111がこのような機能を有することによって、作業者の分析作業の労力をさらに低減することが可能になる。また表示部111は、1つの加工不良領域について加工不良の要因の候補が複数存在する場合、加工不良の要因毎に判定確率を表示することができる。表示部111がこのような機能を有することによって、作業者は、加工不良の要因の候補が複数存在することや、要因毎の判定確率を把握することが可能になり、作業者の分析作業の労力をさらに低減することが可能になる。
また、加工不良分析装置1,1Aは、加工対象物Wの加工目標形状M1上の指定された位置である指定位置を受け付ける位置指定部112をさらに備え、加工不良分析部110は、指定位置を含む領域を加工不良領域として抽出することができる。加工不良分析装置1,1Aが上記のような機能を有することによって、作業者が例えば加工後の加工対象物Wの実物を見て加工不良領域のおよその位置を把握している場合に、その部分を指定して、加工不良の要因を分析することが可能になる。したがって、作業者の意思を表示結果に反映することができるため、作業者の分析作業の労力をさらに低減することが可能になる。
また、加工不良分析装置1,1Aは、加工不良の要因と、この要因が存在する際の特徴量のパターンとを対応づけた情報である要因パターンを記憶する要因パターン記憶部113、をさらに備え、加工不良分析部110は、抽出した加工不良領域と、特徴量と、要因パターンとに基づいて、抽出した加工不良領域の加工不良の要因を特定することができる。加工不良分析装置1,1Aがこのような機能を有することによって、予め過去の分析結果などから加工不良の要因と、特徴量のパターンとの対応が分かっている場合に、この過去の分析結果を利用することが可能になる。したがって、作業者の分析作業の労力をさらに低減することが可能になる。
実施の形態2.
図22は、実施の形態2にかかる加工不良分析装置1Bの機能構成を示す図である。工作機械における加工の目標形状は、使用する機械やユーザによって様々であり、それぞれの目標形状に対して生じる加工不良の要因も異なる。しかしながら、あるユーザでは類似の目標形状を加工するケースも多く、過去の加工結果やシミュレーション結果を加工不良の分析に活用することは有効である。
加工不良分析装置1Bは、運転情報記憶部101と、工具軌跡算出部102と、工具軌跡記憶部103と、工具情報記憶部104と、加工目標形状記憶部105と、切削点算出部106および切削点記憶部107を有する切削点情報取得部10と、特徴量算出部108および特徴量記憶部109を有する特徴量取得部20と、加工不良領域抽出部114Bおよび加工不良要因判定部115Bを有する加工不良分析部110Bと、表示部111と、位置指定部112と、モデル構築部116と、データ蓄積部117とを有する。
加工不良分析装置1Bは、加工不良分析装置1,1Aの要因パターン記憶部113の代わりに、モデル構築部116およびデータ蓄積部117を有し、加工不良分析部110Bは、モデル構築部116が構築する学習済モデルを用いて加工不良の分析を行う点が実施の形態1と異なる。以下、実施の形態1と異なる部分について主に説明し、実施の形態1と同様の部分については詳細な説明を省略する。
データ蓄積部117は、工作機械の加工に関するデータを蓄積する。例えば、切削点CPおよび特徴量は、加工またはシミュレーションの試行1回ごとに算出される。同じ加工目標形状M1の加工対象物Wであっても、異なる機械で加工した場合や、周囲の環境が異なる場合には、異なる特徴量が算出されることになる。データ蓄積部117は、加工目標形状、工具情報、運転情報、さらにそれらから計算された切削点CPおよび特徴量などを関連づけて、過去の加工またはシミュレーションの試行ごとに蓄積情報として記録する。なお、加工目標形状M1、工具情報、運転情報のみを蓄積情報として、切削点CPおよび特徴量を再計算することとしてもよい。切削点CPおよび特徴量も蓄積した場合、再計算する処理時間を短縮することができる。
モデル構築部116は、データ蓄積部117に記録された蓄積情報を用いて、加工不良の要因を判断するための学習済モデルを生成する。モデル構築部116は、加工不良の要因を推定するための推定モデルのモデルパラメータ、ハイパーパラメータ、または予測モデルの変更を行う。ここでは、予測モデルのモデルパラメータを、機械学習を用いて変更する例を説明する。
図23は、機械学習を用いるモデル構築部116の構成の一例を示す図である。モデル構築部116は、学習用データ取得部201と、モデル生成部202と、学習済モデル記憶部203とを有する。
学習用データ取得部201は、データ蓄積部117の蓄積情報に基づいて、少なくとも1つの特徴量を学習用データとして取得する。蓄積情報が特徴量を含む場合、学習用データ取得部201は、データ蓄積部117から特徴量自体を取得する。蓄積情報が特徴量を含まない場合、学習用データ取得部201は、蓄積情報に基づいて特徴量を算出し、算出した特徴量を学習用データとして取得することができる。学習用データ取得部201は、取得した学習用データをモデル生成部202に出力する。
なお、学習用データ取得部201は、切削点CPごとの特徴量を学習用データとして取得することができる。学習用データは、一部の切削点CPのデータであってもよいし、全ての切削点CPのデータであってもよい。また学習用データは、切削点CP1点の特徴量を1セットとしてもよいし、隣接する複数の点や時系列の前後など、複数点の特徴量を1セットとしてもよい。さらに、学習用データ取得部201は、全ての種類の特徴量を取得してもよいし、一部の特徴量を取得してもよい。また、学習用データ取得部201は、特徴量に加えて、加工目標形状M1の情報、工具情報などを学習用データとして取得することもできる。
モデル生成部202は、学習用データ取得部201から出力される学習用データに基づいて、加工不良の要因を学習する。すなわち、工作機械の運転情報および工具軌跡に基づいて生成される特徴量から加工不良の要因を推定する学習済モデルを生成する。
モデル生成部202が用いる学習アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、強化学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、教師なし学習であるk平均法を適用した場合について説明する。教師なし学習とは、結果を含まない学習用データを学習装置に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習する手法をいう。
モデル生成部202は、例えば、k平均法によるグループ分け手法に従って、いわゆる教師なし学習により、加工不良の要因を学習する。
k平均法とは、非階層型クラスタリングのアルゴリズムであり、クラスタの平均を用い、与えられたクラスタ数をk個に分類する手法である。
具体的に、k平均法は以下のような流れで処理される。まず、各データxiに対してランダムにクラスタを割り振る。次いで、割り振ったデータをもとに各クラスタの中心Vjを計算する。次いで、各xiと各Vjとの距離を求め、xiを最も近い中心のクラスタに割り当てなおす。そして、上記の処理で全てのxiのクラスタの割当が変化しなかった場合、あるいは変化量が事前に設定した一定の閾値を下回った場合に、収束したと判断して処理を終了する。
本実施の形態では、学習用データ取得部201によって取得される少なくとも1つの特徴量に基づいて作成される学習用データに従って、いわゆる教師なし学習により、加工不良の要因を学習する。
モデル生成部202は、以上のような学習を実行することで学習済モデルを生成し、生成した学習済モデルを出力する。ここで、作業者は、学習済モデルの各クラスタに対応する加工不良の要因を示すラベルを各クラスタに対して設定することができる。
学習済モデル記憶部203は、モデル生成部202から出力された学習済モデルを記憶する。学習済モデル記憶部203に記憶された学習済モデルは、加工不良分析部110Bによって利用される。
次に、図24を用いて、モデル構築部116が学習する処理について説明する。図24は、図22に示す加工不良分析装置1Bが行う学習処理に関するフローチャートである。
学習用データ取得部201は、少なくとも1つの特徴量を含む学習用データを取得するデータ取得処理を行う(ステップS201)。なお、学習用データ取得部201が複数の特徴量を取得する場合、複数の特徴量を関連付けて入力できればよく、複数の特徴量のそれぞれを異なるタイミングで取得してもよいし、同時に取得してもよい。
モデル生成部202は、学習用データ取得部201によって取得される少なくとも1つの特徴量を含む学習用データに従って、いわゆる教師なし学習により、加工不良の要因を学習し、学習済モデルを生成する学習処理を行う(ステップS202)。
学習済モデル記憶部203は、モデル生成部202が生成した学習済モデルを記憶する(ステップS203)。
図25は、図22に示す加工不良分析部110Bが備える推論装置204の機能構成を示す図である。加工不良分析部110Bは、学習済モデルを用いて加工不良の要因を推定する推論装置204の機能を有する。
推論装置204は、データ取得部205と、推論部206とを有する。
データ取得部205は、特徴量取得部20から少なくとも1つの特徴量を取得する。ここでデータ取得部205は、推論部206が使用する学習済モデルを生成する際に使用された学習用データと同じ種類の入力データを取得する。
推論部206は、学習済モデル記憶部203に記憶された学習済モデルを利用して得られる加工不良の要因を推論する。すなわち、推論部206は、この学習済モデルにデータ取得部205で取得した少なくとも1つの特徴量を入力することで、特徴量がいずれのクラスタに属するかを推論し、推論結果を加工不良の要因として出力することができる。
なお、本実施の形態では、加工不良分析装置1Bのモデル生成部202で学習した学習済モデルを用いて加工不良の要因を出力するものとして説明したが、加工不良分析装置1B以外の学習装置で生成された学習済モデルを取得し、この学習済モデルに基づいて加工不良の要因を出力するようにしてもよい。
このようにして、推論部206は、少なくとも1つの特徴量に基づいて得られた加工不良の要因を得ることができる。
このような推論装置204を有する加工不良分析部110Bは、推論装置204の機能を使って、加工不良の要因を特定することができる。例えば、加工不良分析部110Bの加工不良領域抽出部114Bは、実施の形態1と同様の方法によって、加工不良領域を抽出し、加工不良要因判定部115Bは、推論装置204の機能を使って、抽出された加工不良領域に含まれる切削点CPにおいて加工不良の要因を判定することができる。このとき、加工不良要因判定部115Bは、抽出された加工不良領域に含まれる複数の切削点CPが最も多く分類されたクラスタに設定された加工不良の要因を、その加工不良領域の加工不良の要因とすることができる。また、加工不良要因判定部115Bは、加工領域内の切削点CPが各クラスタに分類された点数に基づいて、複数の加工不良の要因の候補を抽出し、要因毎に判定確率を求めてもよい。
また、加工不良分析部110Bは、加工不良要因判定部115Bにおいて、推論装置204の機能を利用して、全ての切削点CPを加工不良の要因のクラスタに分類し、加工不良領域抽出部114Bは、分類されたクラスタから、同一のクラスタに分類された隣接する複数の切削点CPを含む領域を1つの加工不良領域としてもよい。この場合、推論装置204が分類するクラスタには、加工不良なしのクラスタも含まれる。
次に、図26を用いて、図25に示す推論装置204が加工不良の要因を得るための処理を説明する。図26は、図25に示す推論装置204の動作を説明するためのフローチャートである。データ取得部205は、特徴量取得部20から少なくとも1つの特徴量を取得するデータ取得処理を行う(ステップS301)。
推論部206は、学習済モデル記憶部203に記憶された学習済モデルに少なくとも1つの特徴量を入力し、加工不良の要因を得る(ステップS302)。推論部206は、学習済モデルにより得られた加工不良の要因を表示部111などに出力するデータ出力処理を行う(ステップS303)。
なお、ここでは、モデル生成部202や推論部206が用いる学習アルゴリズムに教師なし学習を適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。学習アルゴリズムについては、教師なし学習以外にも、強化学習、教師あり学習、又は半教師あり学習等を適用することも可能である。
また、モデル構築部116に用いられる学習アルゴリズムとしては、特徴量そのものの抽出を学習する、深層学習(Deep Learning)を用いることもでき、他の公知の方法でもよい。
本実施の形態における教師なし学習を実現する場合、上記のようなk平均法による非階層型クラスタリングに限らず、クラスタリング可能な他の公知の方法であればよい。例えば、最短距離法等の階層型クラスタリングであってもよい。
本実施の形態において、モデル構築部116および推論部206の機能は、例えば、ネットワークを介して加工不良分析装置1Bに接続され、この加工不良分析装置1Bとは別個の装置で実現されてもよい。また、モデル構築部116および推論部206の機能は、クラウドサーバ上で実現されてもよい。
また、モデル生成部202は、複数の工作機械に対して作成される学習用データに従って、加工不良の要因を学習するようにしてもよい。なお、モデル生成部202は、同一のエリアで使用される複数の工作機械から学習用データを取得してもよいし、異なるエリアで独立して動作する複数の工作機械から収集される学習用データを利用して加工不良の要因を学習してもよい。また、学習用データを収集する工作機械を途中で対象に追加したり、対象から除去したりすることも可能である。さらに、ある工作機械に関して加工不良の要因を学習した学習装置を、これとは別の工作機械の加工不良分析に適用し、当該別の工作機械に関して加工不良の要因を再学習して更新するようにしてもよい。
なお、実施の形態2にかかる加工不良分析装置1Bの機能についても、実施の形態1と同様に、図20に示すコンピュータシステムを用いて実現することができる。また、実施の形態1と同様に、切削点情報を生成する機能および特徴量を算出する機能のそれぞれを、加工不良分析部110Bとは異なる装置で実現してもよい。また、加工不良分析装置1Bの機能の一部をクラウドシステムを用いて実現してもよい。
以上説明したように、実施の形態2にかかる加工不良分析装置1Bは、学習用データを取得する学習用データ取得部201と、学習用データを用いて、少なくとも1つの特徴量から加工不良の要因を推論するための学習済モデルを生成するモデル生成部202とを有する。このため、過去に加工またはシミュレーションしたデータを用いて、加工不良の要因を推定するための学習済モデルを生成することが可能になる。
また、加工不良分析部110Bは、学習済モデルを用いて、加工不良の要因を特定することができる。さらに、加工不良分析部110Bは、学習済モデルを用いて、切削点CPを加工不良の要因に分類し、同一の要因に分類された隣接する複数の切削点CPを1つの加工不良領域とすることができる。加工不良分析装置1Bがこのような構成を有することによって、過去の加工またはシミュレーションの結果を利用して加工不良の要因を特定することが可能になり、より正確な加工不良の要因の判定を行うことができるようになる。また、ユーザ毎に学習用データを取得したり、ユーザが使用する加工目標形状M1と類似する加工目標形状M1の加工またはシミュレーションの結果に基づく学習用データを取得することによって、ユーザに適した加工不良の要因の判定を行うことが可能になる。
実施の形態3.
図27は、実施の形態3にかかる加工不良分析装置1Cの機能構成を示す図である。加工不良分析装置1Cは、運転情報記憶部101と、工具軌跡算出部102と、工具軌跡記憶部103と、工具情報記憶部104と、加工目標形状記憶部105と、切削点算出部106および切削点記憶部107を有する切削点情報取得部10と、特徴量算出部108および特徴量記憶部109を有する特徴量取得部20と、加工不良領域抽出部114Bおよび加工不良要因判定部115Bを有する加工不良分析部110Bと、表示部111と、位置指定部112と、モデル構築部116Cと、データ蓄積部117と、ラベル生成部118とを有する。
以下、実施の形態2にかかる加工不良分析装置1Bと異なる部分について主に説明し、加工不良分析装置1Bと同様の部分については詳細な説明を省略する。
ラベル生成部118は、モデル構築部116Cが学習済モデルを構築する際に使用するラベルを生成する。ラベルは、加工不良の要因を示し、作業者の入力情報に基づいて生成される。ラベル生成部118は、作業者がキーボード、ボタン、タッチセンサなどを用いて入力する入力情報に基づいて、加工不良の要因に対して付与するラベルを生成する。作業者は、例えば、表示画面に表示された加工対象物Wの加工目標形状M1に対して、加工不良となる領域を指定し、当該領域の加工不良の要因を入力する。入力する加工不良の要因は、予め準備された中から選択されてもよいし、作業者がキーボードなどで文字入力してもよい。ラベル生成部118は、表形式で各切削点に対して入力される加工不良の要因の入力情報を取得してもよい。
ラベル生成部118は、作業者の入力情報に基づいて、ラベルを生成する。例えば、ラベル生成部118は、作業者によって指定された領域に含まれる全ての切削点CPに対して、設定された加工不良の要因に応じた数値を割り当てる。このとき、ラベル生成部118は、同一の加工不良の要因に対しては、同一の数値を割り当てる。さらに、ラベル生成部118は、作業者によって指定された領域に含まれない切削点CPに対しても、加工不良がないことを示す数値を割り当てておいてもよい。作業者の入力情報を用いることで、作業者が判定する加工不良の要因を学習することが可能になる。
モデル構築部116Cは、少なくとも1つの特徴量を入力とし、ラベル生成部118が生成したラベルを出力とする学習済モデルを生成する。
モデル構築部116Cの詳細な機能構成は、実施の形態2と同様に図23を用いて説明する。モデル構築部116Cは、学習用データ取得部201と、モデル生成部202と、学習済モデル記憶部203とを有する。
学習用データ取得部201は、少なくとも1つの特徴量と、ラベル生成部118によって生成されたラベルとを学習用データとして取得する。
モデル生成部202は、学習用データ取得部201から出力される少なくとも1つの特徴量およびラベルの組み合わせに基づいて作成される学習用データに基づいて、加工不良の要因を示すラベルを学習する。すなわち、モデル生成部202は、工作機械の運転情報および工具軌跡に基づいて生成される特徴量から加工不良の要因を示すラベルを推論する学習済モデルを生成する。ここで、学習用データは、少なくとも1つの特徴量と、ラベルとを互いに関連づけたデータである。
モデル生成部202が用いる学習アルゴリズムは教師あり学習、強化学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、ニューラルネットワークを適用した場合について説明する。
モデル生成部202は、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、いわゆる教師あり学習により、加工不良の要因を示すラベルを学習する。ここで、教師あり学習とは、入力と結果とのデータの組を学習装置に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習し、入力から結果を推論する手法をいう。
ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層、および複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、隠れ層とも呼ばれ、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。
図28は、図27に示すモデル構築部116Cが使用するニューラルネットワークの一例を示す図である。図28に示すような3層のニューラルネットワークであれば、複数の入力が入力層X1~X3に入力されると、その値に重みW1(w11~w16)を掛けて中間層Y1-Y2に入力され、その結果にさらに重みW2(w21~w26)を掛けて出力層Z1~Z3から出力される。この出力結果は、重みW1および重みW2の値によって変わる。
本実施の形態において、ニューラルネットワークは、学習用データ取得部201によって取得される特徴量とラベルとの組み合わせに基づいて作成される学習用データに従って、いわゆる教師あり学習により、加工不良の要因を示すラベルを学習する。
すなわち、ニューラルネットワークは、入力層に特徴量を入力して出力層から出力された結果が、加工不良の要因を示すラベルに近づくように重みW1およびW2を調整することで学習する。学習では、ニューラルネットワークは出力層の値が教師データに近づくように、誤差逆伝播法を用いて推定される。ニューラルネットワークの構成は、図28に示す例に限定されない。
モデル生成部202は、以上のような学習を実行することで学習済モデルを生成し、生成した学習済モデルを出力する。
学習済モデル記憶部203は、モデル生成部202から出力された学習済モデルを記憶する。
なお、モデル生成部202に用いられる学習アルゴリズムとしては、特徴量そのものの抽出を学習する深層学習を用いることもでき、他の公知の方法、例えば遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、サポートベクターマシンなどに従って機械学習を実行してもよい。
また、他の例として、モデル構築部116Cは、各特徴量の画像データを生成し、画像データのピクセルの色情報(RGB)など画像データの特徴量と、ラベル生成部118が生成したラベルとを含む学習用データを取得し、このような学習用データを用いて学習を行ってもよい。画像データは白黒画像としてもよい。画像データを用いた学習では、畳み込みニューラルネットワークが一般的に用いられ、誤差伝搬法を用いてパラメータの推定を行う。パラメータの推定は他の公知の方法を用いてもよい。
なお、実施の形態3にかかる加工不良分析装置1Cの機能についても、実施の形態1と同様に、図20に示すコンピュータシステムを用いて実現することができる。また、実施の形態1と同様に、切削点情報を生成する機能および特徴量を算出する機能のそれぞれを、加工不良分析部110Bとは異なる装置で実現してもよい。さらに、ラベル生成部118による入力情報をモデル構築部116Cに送信することができれば、モデル構築部116Cおよびデータ蓄積部117は、加工不良分析装置1Cとは異なる装置で実現されてもよい。また、加工不良分析装置1Cの機能の一部をクラウドシステムを用いて実現してもよい。
以上説明したように、実施の形態3にかかる加工不良分析装置1Cによれば、実施の形態2にかかる加工不良分析装置1Bの機能に加えて、作業者からの入力情報に基づいて、加工不良の要因を示すラベルを生成するラベル生成部118と、ラベル生成部118により生成されたラベルを出力とする学習済モデルを生成するモデル構築部116Cとを有する。このため、作業者の判断が反映された加工不良の要因を推定するための学習済モデルを構築することが可能になる。したがって、加工不良の要因を分析する分析作業の作業者の労力を低減することが可能になる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
例えば、上記では、工作機械による加工に生じる加工不良を分析する加工不良分析装置1,1A~1Cについて説明したが、工具によって加工対象物Wを加工する工作機械と、加工不良分析装置1,1A~1Cとを有する加工システムを提供することもできる。また、切削点情報を取得するステップと、特徴量を取得するステップと、加工不良領域と加工不良領域における加工不良の要因とを特定するステップとを含む加工不良分析方法を提供することもできる。また、加工不良分析方法の各ステップに加えて、工作機械が加工対象物Wを加工するステップをさらに含む加工方法を提供することもできる。なお、加工不良の分析処理は、工作機械による加工対象物Wの加工、または、シミュレーションの実行が終わった後に実行されてもよいし、工作機械による加工対象物Wの加工、または、シミュレーションの実行と並行して行われてもよい。
また、加工不良分析装置1,1A~1Cは、工作機械および工作機械を制御する数値制御装置の傍に設置されていてもよいし、工作機械および数値制御装置とは離れた場所で、工作機械による加工の分析を行う装置であってもよい。さらに、加工不良分析装置1,1A~1Cは、数値制御装置の機能として提供されてもよい。
1,1A,1B,1C 加工不良分析装置、2 情報処理装置、10,10A 切削点情報取得部、20,20A 特徴量取得部、81 制御部、82 入力部、83 記憶部、84 表示部、85 通信部、86 出力部、87 システムバス、101 運転情報記憶部、102 工具軌跡算出部、103 工具軌跡記憶部、104 工具情報記憶部、105 加工目標形状記憶部、106 切削点算出部、107 切削点記憶部、108 特徴量算出部、109 特徴量記憶部、110,110B 加工不良分析部、111 表示部、112 位置指定部、113 要因パターン記憶部、114,114B 加工不良領域抽出部、115,115B 加工不良要因判定部、116,116C モデル構築部、117 データ蓄積部、118 ラベル生成部、201 学習用データ取得部、202 モデル生成部、203 学習済モデル記憶部、204 推論装置、205 データ取得部、206 推論部、CP,CP1~CP7 切削点、CPS1 切削点群、D8 進行方向、L1a,L1b,L2a,L2b 距離、M1 加工目標形状、P,P1~P12 先端点、PL8 平面、Q1,Q2 加工不良領域、R1,R2 交点、S,S1~S3 加工曲面、T1 工具、T1α オフセット工具、TP1 工具軌跡、V,V1~V7 工具方向、W 加工対象物。

Claims (16)

  1. 工作機械に取り付けられる工具が加工対象物を切削する点であって、前記工具の先端点の移動経路を示す情報である工具軌跡に含まれる複数の前記先端点のそれぞれに対応する切削点の位置を示す切削点情報を取得する切削点情報取得部と、
    複数の前記先端点のそれぞれに対応して算出され、加工の特徴を示す特徴量を取得する特徴量取得部と、
    前記切削点情報と前記特徴量とに基づいて、前記加工対象物の加工不良が生じる領域である加工不良領域と、前記加工不良領域における前記加工不良が生じた要因を示す特徴量の種類とを特定する加工不良分析部と、
    前記加工不良領域を、前記要因毎に異なる表現方法で表示し、1つの前記加工不良領域について前記要因の候補が複数存在する場合、前記要因毎に判定確率を表示する表示部と、
    を備え、
    前記特徴量の種類は、
    前記先端点の速度、前記先端点の加速度、前記先端点の加加速度、前記切削点の速度、前記切削点の加速度、前記切削点の加加速度、前記工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの位置、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの速度、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの加速度、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの加加速度、および、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの反転位置、のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする加工不良分析装置。
  2. 前記表示部は、前記加工不良領域について特定された前記要因の根拠となる前記特徴量を表示することを特徴とする請求項に記載の加工不良分析装置。
  3. 前記加工対象物の加工目標形状上の指定された位置である指定位置を受け付ける位置指定部、
    をさらに備え、
    前記加工不良分析部は、前記指定位置を含む領域を前記加工不良領域として抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の加工不良分析装置。
  4. 加工不良の要因と、前記要因が存在する際の前記特徴量のパターンとを対応づけた情報である要因パターンを記憶する要因パターン記憶部、
    をさらに備え、
    前記加工不良分析部は、抽出した前記加工不良領域と、前記特徴量と、前記要因パターンとに基づいて、前記加工不良領域の前記要因を特定することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の加工不良分析装置。
  5. 前記加工不良分析部は、
    前記切削点情報と前記特徴量とに基づいて、前記加工不良領域を抽出する加工不良領域抽出部と、
    前記特徴量と抽出された前記加工不良領域とに基づいて、前記加工不良領域の加工不良の要因を特定する加工不良要因判定部と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の加工不良分析装置。
  6. 少なくとも1つの前記特徴量を含む学習用データを取得する学習用データ取得部と、
    前記学習用データを用いて、少なくとも1つの前記特徴量から前記要因を推論するための学習済モデルを生成するモデル生成部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の加工不良分析装置。
  7. 前記切削点または前記加工不良領域毎に、入力情報に基づいて、前記要因を示すラベルを生成するラベル生成部、
    をさらに備え、
    前記モデル生成部は、少なくとも1つの前記特徴量を入力とし、前記要因を示す前記ラベルを出力とする前記学習済モデルを生成することを特徴とする請求項に記載の加工不良分析装置。
  8. 前記加工不良分析部は、少なくとも1つの前記特徴量から前記要因を推論するための学習済モデルを用いて、前記特徴量から前記要因を特定することを特徴とする請求項1に記載の加工不良分析装置。
  9. 前記加工不良分析部は、少なくとも1つの前記特徴量を入力とし、予め定められた前記要因の候補を示す情報であるラベルを出力とする前記学習済モデルを用いて、前記特徴量から前記要因を特定することを特徴とする請求項に記載の加工不良分析装置。
  10. 前記加工不良分析部は、前記学習済モデルを用いて、前記切削点の各々に生じた前記加工不良の要因と特定される前記要因毎に前記切削点を分類し、同一の前記要因に分類された隣接する複数の前記切削点を1つの加工不良領域とすることを特徴とする請求項またはに記載の加工不良分析装置。
  11. 前記特徴量取得部は、前記特徴量を画像データまたは時系列データとして取得することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の加工不良分析装置。
  12. 前記工作機械を運転させた際の前記工作機械の運転状態を示す情報である運転情報から前記工具軌跡を生成する工具軌跡算出部、
    をさらに備え、
    前記切削点情報取得部は、前記工具軌跡と、前記工具の形状を定義する情報である工具情報と、前記加工対象物の加工目標形状とに基づいて、前記工具軌跡に含まれる複数の前記先端点のそれぞれに対応する前記切削点の位置を算出することによって前記切削点情報を生成する切削点算出部を有し、
    前記特徴量取得部は、前記運転情報と前記工具軌跡と、前記切削点情報とに基づいて、前記工具軌跡に含まれる複数の前記先端点のそれぞれに対応する前記特徴量を算出する特徴量算出部を有することを特徴とする請求項1に記載の加工不良分析装置。
  13. 加工対象物を加工する工作機械と、
    前記工作機械による加工に生じる加工不良を分析する加工不良分析装置と、
    を備え、
    前記加工不良分析装置は、
    前記工作機械に取り付けられる工具が前記加工対象物を切削する点であって、前記工具の先端点の移動経路を示す情報である工具軌跡に含まれる複数の前記先端点のそれぞれに対応する切削点の位置を示す切削点情報を取得する切削点情報取得部と、
    複数の前記先端点のそれぞれに対応して算出され、加工の特徴を示す特徴量を取得する特徴量取得部と、
    前記切削点情報と前記特徴量とに基づいて、前記加工対象物の加工不良が生じる領域である加工不良領域と、前記加工不良領域における前記加工不良が生じた要因を示す特徴量の種類とを特定する加工不良分析部と、
    前記加工不良領域を、前記要因毎に異なる表現方法で表示し、1つの前記加工不良領域について前記要因の候補が複数存在する場合、前記要因毎に判定確率を表示する表示部と、
    を備え、
    前記特徴量の種類は、
    前記先端点の速度、前記先端点の加速度、前記先端点の加加速度、前記切削点の速度、前記切削点の加速度、前記切削点の加加速度、前記工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの位置、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの速度、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの加速度、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの加加速度、および、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの反転位置、のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする加工システム。
  14. 工作機械に取り付けられる工具が加工対象物を切削する点であって、前記工具の先端点の移動経路を示す情報である工具軌跡に含まれる複数の前記先端点のそれぞれに対応する切削点の位置を示す切削点情報を取得するステップと、
    複数の前記先端点のそれぞれに対応して算出され、加工の特徴を示す特徴量を取得するステップと、
    前記切削点情報と前記特徴量とに基づいて、前記加工対象物の加工不良が生じる領域である加工不良領域と、前記加工不良領域における前記加工不良が生じた要因を示す特徴量の種類とを特定するステップと、
    前記加工不良領域を、前記要因毎に異なる表現方法で表示し、1つの前記加工不良領域について前記要因の候補が複数存在する場合、前記要因毎に判定確率を表示するステップと、
    を含み、
    前記特徴量の種類は、
    前記先端点の速度、前記先端点の加速度、前記先端点の加加速度、前記切削点の速度、前記切削点の加速度、前記切削点の加加速度、前記工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの位置、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの速度、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの加速度、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの加加速度、および、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの反転位置、のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする加工不良分析方法。
  15. 工作機械が加工対象物を加工するステップと、
    前記工作機械が前記加工対象物を加工する際に前記工作機械に取り付けられる工具が前記加工対象物を切削する点であって、前記工具の先端点の移動経路を示す情報である工具軌跡に含まれる複数の前記先端点のそれぞれに対応する切削点の位置を示す切削点情報を取得するステップと、
    複数の前記先端点のそれぞれに対応して算出され、加工の特徴を示す特徴量を取得するステップと、
    前記切削点情報と前記特徴量とに基づいて、前記加工対象物の加工不良が生じる領域である加工不良領域と、前記加工不良領域における前記加工不良が生じた要因を示す特徴量の種類とを特定するステップと、
    前記加工不良領域を、前記要因毎に異なる表現方法で表示し、1つの前記加工不良領域について前記要因の候補が複数存在する場合、前記要因毎に判定確率を表示するステップと、
    を含み、
    前記特徴量の種類は、
    前記先端点の速度、前記先端点の加速度、前記先端点の加加速度、前記切削点の速度、前記切削点の加速度、前記切削点の加加速度、前記工作機械の複数の駆動軸のそれぞれの位置、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの速度、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの加速度、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの加加速度、および、前記工作機械の複数の前記駆動軸のそれぞれの反転位置、のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする加工方法。
  16. 工作機械に取り付けられる工具が加工対象物を切削する点であって、前記工具の先端点の移動経路を示す情報である工具軌跡に含まれる複数の前記先端点のそれぞれに対応する切削点の位置を示す切削点情報を取得する切削点情報取得部と、
    複数の前記先端点のそれぞれに対応して算出され、加工の特徴を示す特徴量を取得する特徴量取得部と、
    前記切削点情報と前記特徴量とに基づいて、前記加工対象物の加工不良が生じる領域である加工不良領域と、前記加工不良領域における前記加工不良が生じた要因とを特定する加工不良分析部と、
    前記加工不良領域を、前記要因毎に異なる表現方法で表示する表示部と、
    を備え、
    前記表示部は、1つの前記加工不良領域について前記要因の候補が複数存在する場合、前記要因毎に判定確率を表示することを特徴とする加工不良分析装置。
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