JP7285242B2 - 既存スレート屋根の改修方法 - Google Patents

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本発明は、建物の勾配屋根の表面に敷設される屋根仕上げ材による既存の平板スレート屋根の改修方法に関するものである。
屋根仕上げ材のシングル(Roofing shingles)は、瓦屋根材や金属屋根材より軽量であり、また、施工現場での加工性が良いことから広く使用されている。特にガラス繊維基材にアスファルトを含浸塗覆し表面に着色砂を圧着させたアスファルトシングル(Asphalt shingles)やガラス繊維基材に無機充填材と樹脂材との混合層を形成した不燃シングル(Incombustible shingles)は、防水性、耐久性に優れることから米国をはじめ日本や他の多くの国々で、屋根仕上げ材として用いられている。
シングルを取り付け施工する方法としては、木質系下地の場合、通常釘打ちと接着剤を併用する。既存の平板スレート屋根の改修工事において、既存屋根へのかぶせ工法においても同様の方法が採られる。
近年、施工者の負担軽減が課題として挙げられており、シングルの施工性を向上させるために様々な考案がなされている。例えば、特許文献1には粘着層と剥離シート材を有することを特徴とするアスファルトシングルが開示されている。また、特許文献2には、釘打ちを効果的に行うための釘打ち領域を備えたアスファルトシングルが開示されている。
また、シングル表面を覆う着色砂は、経年で剥落するため、乾性油で砂を処理し撥水性を付与し、剥落性を改善する考案が特許文献3に開示されている。
さらに、シングル葺きによる屋根は、年を経るに従い表面に藻の発生により、暗緑色に変色現象が生じることがあるため、防藻性を付与する考案が特許文献4に開示されている。
特許文献1に開示される粘着層や、特許文献2に開示される釘打ち領域は、施工性向上に寄与するものの、施工者の負担を軽減し、施工性向上を図るためには、さらなる改善が求められている。また、特許文献3に開示される方法では、砂の剥落を完全に防止することはできず、経年の風雨で砂の剥落が生じる虞があった。さらに、特許文献4に開示される方法ではトリアジン系の防藻剤を添加する必要があった。
一方、戸建て住宅用の屋根材としては、工期が短く意匠性も良いことから、平板スレートが採用されてきたが、経年劣化により退色、漏水が発生する場合があり、既存のスレート屋根の改修手段が求められている。その一つとして、既存のスレート屋根にアスファルトシングルや不燃シングルをかぶせ施工する方法があるが、既存のシングルを用いた場合、葺き足(働き)の違いから、外観上の不具合、凹凸部が生じるという問題があった。
特開2004-156367号公報 特表2009-503309号公報 特開2006-299632号公報 特開2004-162482号公報
そこで、本発明は、既存のシングルの形状を大型化し、施工単位面積当たりの必要部材数および釘打ち数を減らすこと、およびシングル表面に高分子量ポリエチレン粒子を担持した樹脂層を設けることで、位置決めに掛かる時間を短縮することで施工性を向上させ、且つ砂の剥落が無く防藻性を有する屋根材を提供し、さらに既存のスレート屋根(コロニアル屋根)の改修時に、かぶせ工法を採用した際に生じる凹凸の外観不良が生じない、施工方法を提供する。
改修以外に本発明品を用いるとき、すなわち新築時に使用する際は、さらに施工単位面積当たりの必要部数を減らすことが可能である。具体的には、スレート屋根の改修に当たっては、葺き足182mmで5.5枚/mであるのに対し、例えば、短辺485mmでは葺き足を217mmまで拡大し、4.6枚/mまで必要部数を減らすことが出来る。さらに短辺540mmとすると葺き足は254mmまで拡大することが出来る為に必要部数は4.1枚/mまで減じることが可能である。
上記課題を解決するために、本発明は、葺き足が182±5mmである既存スレート屋根の改修方法であって、前記方法は、ロ)屋根仕上げ材を、葺き足が182±5mmになるように、配置する工程を含み、前記屋根仕上げ材は、ガラス繊維基材にアスファルトを含浸塗覆し表面に鉱物砂を撒布圧着させたアスファルトシングルおよびガラス繊維基材の両面に無機質充填材と樹脂材との混合層を形成し表面に鉱物砂を撒布圧着させた不燃シングルからなる群から選択され、平面視で、上辺、下辺、左辺および右辺を有する略長方形の形状を有し、上辺および下辺の長さが900~1200mmであり、左辺および右辺の長さが420~540mmであることを特徴とする。
本発明は、次の実施態様を含む。
[1]葺き足が182±5mmである既存スレート屋根の改修方法であって、前記方法は、
)屋根仕上げ材を、葺き足が182±5mmになるように、配置する工程
を含み、
前記屋根仕上げ材は、ガラス繊維基材にアスファルトを含浸塗覆し表面に鉱物砂を撒布圧着させたアスファルトシングルおよびガラス繊維基材の両面に無機質充填材と樹脂材との混合層を形成し表面に鉱物砂を撒布圧着させた不燃シングルからなる群から選択され、平面視で、上辺、下辺、左辺および右辺を有する略長方形の形状を有し、上辺および下辺の長さが900~1200mmであり、左辺および右辺の長さが420~540mmである、既存スレート屋根の改修方法。
]工程ロ)の後に、
ハ)屋根仕上げ材に釘打ちする工程
を含む、[]に記載の既存スレート屋根の改修方法。
]既存スレート屋根のスレート板の3枚重ね部分ではない部分に釘打ちする、[]に記載の既存スレート屋根の改修方法。
]屋根仕上げ材のおもて面に、下辺から上に187mmを超える寸法だけ離れた位置より上に粘着層が設けられ、前記粘着層が設けられた領域よりも上の位置に釘打ちする、[]または[]に記載の既存スレート屋根の改修方法。
]工程ロ)の前に、
イ)下葺材を既存スレート屋根に張り付ける工程
を含む、[]~[]のいずれかに記載の既存スレート屋根の改修方法。
本発明の既存スレート屋根の改修方法は、施工単位面積当たりの部材数、釘打ち数を減らし、施工時間を短縮することができ、かぶせ工法を採用した際に凹凸の外観不良の発生を回避することができる。
図1は、本発明の屋根仕上げ材の一例の平面図である。 図2は、図1の屋根仕上げ材の寸法を表示する図である。 図3は、本発明の屋根仕上げ材の一例の断面図である。 図4は、本発明の屋根仕上げ材の他の例の断面図である。 図5は、本発明の屋根仕上げ材の他の例の平面図である。 図6は、本発明の屋根仕上げ材の他の例の断面図である。 図7は、本発明の屋根仕上げ材の他の例の平面図である。 図8は、本発明の屋根仕上げ材の他の例の平面図である。 図9は、本発明の屋根仕上げ材の他の例の平面図である。 図10は、本発明の屋根仕上げ材の他の例の平面図である。 図11は、従来の屋根仕上げ材の平面図である。 図12は、本発明の屋根改修方法を示す平面図である。 図13は、本発明の屋根改修方法を示す断面図である。 図14は、従来の屋根仕上げ材を用いて改修した屋根の断面図である。 図15は、本発明の屋根仕上げ材を用いて改修した屋根の外観の写真である。 図16は、従来の屋根仕上げ材を用いて改修した屋根の外観の写真である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。また、以下の実施の形態において同一または類似の要素には共通の参照符号を付けて示し、理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。本発明は、図面に示されたものに限定されない。
本発明の屋根仕上げ材は、ガラス繊維基材にアスファルトを含浸塗覆し表面に鉱物砂を撒布圧着させたアスファルトシングルおよびガラス繊維基材の両面に無機質充填材と樹脂材との混合層を形成し表面に鉱物砂を撒布圧着させた不燃シングルからなる群から選択される屋根仕上げ材であって、屋根仕上げ材が、平面視で、上辺、下辺、左辺および右辺を有する略長方形の形状を有し、上辺および下辺の長さが900~1200mmであり、左辺および右辺の長さが420~540mmであることを特徴とする。
図1は本願発明の屋根仕上げ材1の一つの実施形態の平面図を示す。図2は、図1の屋根仕上げ材の寸法を表示する図であり、図2中の数字はmm単位の寸法を表す。
図1および図2の(a)はおもて面を示し、(b)は裏面を示す。上辺11および下辺12の長さが1000mm、左辺13および右辺14の長さが485mmの平面視略長方形の形状を有し、上辺11の両端には切り欠き15を有し、左辺13および右辺14の中央から上端の間には位置決めのための20mmの切り込み16を有し、上辺11の中央に20mmの切り込み17を有する。左辺13および右辺14の切り込み16は、上辺から葺き足の長さだけ下の位置に設けられる。すなわち、葺き足が182mmの場合は、切り込み16は上辺から182mm下の位置に設けられる。屋根仕上げ材1は、下辺12から上に177~230mm離れた位置において左右方向に延びる直線18より上の部分である基部19と前記直線18より下の部分であるタブ20からなる。図1の屋根仕上げ材においては、下辺12から上へ195mmまでの部分がタブ20であり、上辺11から下へ290mmまでの部分が基部19である。
屋根仕上げ材1のおもて面には、下辺から187mmを超える寸法だけ上に離れた位置より上に粘着層21が設けられている。図1(a)に図示された粘着層21は、6個の長方形領域に設けられているが、その数はいくつでもよく、1つでもよいし、その形も特に限定されない。粘着層21を形成する材料は、粘着性を有する材料であれば特に限定されないが、改質アスファルト系粘着剤、アクリル系粘着剤、ブチル系粘着剤などが挙げられ、好ましくは改質アスファルト系粘着剤である。なお、粘着剤はプレセメントとも呼ばれる。各粘着層21の上部には釘打ち位置54が配置される。図1(a)には、6つの釘打ち位置54a、54b、54c、54d、54e、54fが図示されているが、必ずしもすべての釘打ち位置に釘を打つ必要はなく、例えば釘2本で固定する場合は54bと54e、釘4本で固定する場合は54a、54c、54d、54fというように釘打ちを行い、下地に固定する。屋根仕上げ材1の裏面には、少なくとも粘着層が設けられた領域に対応する領域に、屋根仕上げ材同士を重ねた際に屋根仕上げ材同士が貼りつくのを防止するための貼りつき防止手段22が設けられている。貼りつき防止手段22は、屋根仕上げ材同士を重ねた際に屋根仕上げ材同士が貼りつくのを防止する機能を有する限り限定されないが、例えば、剥離フィルムもしくは剥離紙、またはシリコーン等の剥離剤の塗布層などであり、好ましくは剥離フィルムまたは剥離紙である。剥離フィルムまたは剥離紙を貼りつき防止手段22として用いる場合は、剥離フィルムまたは剥離紙の剥離面を外側にして屋根仕上げ材の裏面に取り外し不能に貼り付ける。剥離フィルムを貼り付ける位置は、屋根仕上げ材同士を重ねた際に、剥離フィルムまたは剥離紙が粘着層のすべてを覆うような位置とする。図1(a)に図示された貼りつき防止手段(剥離フィルムまたは剥離紙)22は、1個の帯状物であるが、屋根仕上げ材同士を重ねた際に、剥離フィルムまたは剥離紙が粘着層のすべてを覆うことができれば、その数および大きさは限定されない。
図1の屋根仕上げ材では、粘着層は屋根仕上げ材のおもて面に設けられているが、粘着層は屋根仕上げ材の裏面に設けてもよい。粘着層を屋根仕上げ材の裏面に設ける場合は、好ましくは、タブの裏面に設ける。その場合、粘着層はタブの裏面の少なくとも一部に設ける。すなわち、粘着層はタブの裏面の全面に設けてもよいし、タブの裏面の一部に設けてもよい。粘着層をタブの裏面の一部に設ける場合、粘着層は複数の領域に設けてもよいし、1つの領域に設けてもよい。図5は、粘着層をタブの裏面の略全面に設けた屋根仕上げ材の平面図を示す。図5(a)はおもて面を示し、図5(b)は裏面を示す。図6は、図5におけるII-II線断面図を示す。図5に示す屋根仕上げ材1は、タブ20の裏面の略全面に粘着層21が設けられている。屋根仕上げ材同士を重ねた際に屋根仕上げ材同士が貼りつくのを防止するために、粘着層21は剥離フィルムまたは剥離紙23で覆うことが好ましい。剥離フィルムまたは剥離紙23の面積は、粘着層21の面積と同一であってもよいし、粘着層21の面積より若干大きくてもよい。剥離フィルムとしては熱可塑性樹脂等のフィルムにシリコーン等の剥離剤を塗布したものを用いることができ、剥離紙としては紙にシリコーン等の剥離剤を塗工したものを用いることができる。
下辺は直線ではなく、端部から3~20mmの巾でランダムな非直線とすることもできる。非直線である方が、隣り合う屋根仕上げ材の配置のずれが目立たず、外観上好まれる形態である。
図3は、本発明の屋根仕上げ材の一例の断面図であり、屋根仕上げ材がガラス繊維基材にアスファルトを含浸塗覆し表面に鉱物砂を撒布圧着させたアスファルトシングルである場合の断面図であり、図1におけるI-I線断面図である。アスファルトシングル31は、ガラス繊維基材32にアスファルト33を含浸塗覆した層34および層34のおもて面側に鉱物砂の層35を有し、好ましくはさらに層34の裏面側に鉱物質粉粒の層36を有し、層35のおもて面側の一部に粘着層21が設けられ、層35のおもて面側の粘着層21が設けられていない領域に樹脂層37を有し、樹脂層37のおもて面側に高分子ポリエチレンパウダー38が担持され、鉱物質粉粒の層36の裏面側の一部に貼りつき防止手段(剥離フィルム)22が設けられている。
鉱物砂として、着色砂を用いてもよい。鉱物質粉粒としては、粘板岩からなる天然スレート砂、玄武岩からなる着色砂などが挙げられる。鉱物砂と鉱物質粉粒は、同一のものでもよいし、異なる組み合わせでもよい。
樹脂層37は、砂の剥落防止と施工時の屋根仕上げ材の位置決めを素早くするために、屋根仕上げ材同士の摩擦を軽減するものであって、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、テフロン(登録商標)樹脂などの樹脂を鉱物砂の層35のおもて面側に、好ましくは2~20μmの厚さで塗布することによって形成することができる。
屋根仕上げ材同士の摩擦抵抗をさらに減ずるために、最表面には高分子量ポリエチレンパウダーを担持することが好ましい。高分子量ポリエチレンパウダーは、平均分子量が1,500,000~2,500,000のポリエチレンからなる粉末であり、その粒径(コールターカウンター法により測定した平均粒径)は、摩擦抵抗を減ずることができる限りにおいて限定されないが、好ましくは5~35μm、より好ましくは7~30μm、さらに好ましくは8~15μmである。高分子量ポリエチレンパウダーは、市販されており、本発明において市販品を使用することができる。高分子量ポリエチレンパウダーの市販品としては、三井化学株式会社製「ミペロン」(登録商標)がある。
図4は、本発明の屋根仕上げ材の他の例の断面図であり、屋根仕上げ材がガラス繊維基材の両面に無機質充填材と樹脂材との混合層を形成し表面に鉱物砂を撒布圧着させた不燃シングルである場合の断面図である。不燃シングル41は、ガラス繊維基材32の両面に無機質充填材と樹脂材との混合層42を有し、おもて面側の混合層42のおもて面側に鉱物砂の層35を有し、好ましくはさらに裏面側の混合層42の裏面側に鉱物質粉粒の層36を有し、層35のおもて面側の一部に粘着層21が設けられ、層35のおもて面側の粘着層21が設けられていない領域に樹脂層37を有し、樹脂層37のおもて面側に高分子ポリエチレンパウダー38が担持され、鉱物質粉粒の層36の裏面側の一部に貼りつき防止手段(剥離フィルム)22が設けられている。
混合層42を構成する無機質充填材としては、炭酸カルシウム、亜鉛華、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。混合層42を構成する樹脂材としては、改質アスファルト、合成ゴム改質剤を含むアスファルトなどが挙げられる。
屋根仕上げ材は、図1に示す形状以外の形状を有することができる。屋根仕上げ材の形状の他の例を、図7、図8、図9および図10に示す。図中、Wは、上辺および下辺の長さを意味し、900~1200mmである。Lは、左辺および右辺の長さを意味し、420~540mmである。短辺が420mmより小さいと釘を最適な位置に打つ事が出来ず、また作業効率を上げることは出来ず、逆に540mmを超えると取り回しが難しくなり施工効率は上がらず、施工仕上がりも低下する。
図7(a)は、単純な長方形の形状を示す。図7(b)は、長方形の左辺および右辺に切り込み16を有する。図7(c)は、左辺および右辺の切り込み16に加え、上辺の左右両端に切り欠き15を有する。図7(d)は、左辺および右辺の切り込み16および上辺の左右両端の切り欠き15に加え、上辺の中央に切り込み17を有する。
図8(a)は、タブを有しない例を示す。図8(b)は、タブ20を1つ有する例を示す。図8(c)は、タブ20を3つ有する例を示す。図8(d)は、タブ20を4つ有する例を示す。
図9(a)は、左辺および右辺の切り込み16、上辺の左右両端の切り欠き15および上辺の中央の切り込み17を有し、タブを有しない例を示す。図9(b)は、左辺および右辺の切り込み16、上辺の左右両端の切り欠き15および上辺の中央の切り込み17を有し、タブ20を1つ有する例を示す。図9(c)は、左辺および右辺の切り込み16、上辺の左右両端の切り欠き15および上辺の中央の切り込み17を有し、タブ20を3つ有する例を示す。図9(d)は、左辺および右辺の切り込み16、上辺の左右両端の切り欠き15および上辺の中央の切り込み17を有し、タブ20を4つ有する例を示す。
図10(a)は、左辺および右辺の切り込み16および上辺の中央の切り込み17を有し、タブ20を1つ有する例を示す。図10(b)は、左辺および右辺の切り込み16および上辺の中央の切り込み17を有し、タブ20を1つ有し、下辺が非直線である例を示す。図10(c)は、左辺および右辺の切り込み16、上辺の中央の切り込み17および上辺の左右両端の切り欠き15を有し、タブ20を1つ有し、下辺が非直線である例を示す。
図11は、従来の屋根仕上げ材1′の形状を示す。図中、W′は、上辺および下辺の長さを意味し、915mmである。L′は、左辺および右辺の長さを意味し、305mmである。図11(a)は、単純な長方形の形状を示す。図11(b)は、タブを1つ有する例を示す。図11(c)は、タブを3つ有する例を示す。図11(d)は、タブを4つ有する例を示す。
本発明の方法は、葺き足が182±5mmである既存スレート屋根の改修方法であって、
ロ)前記屋根仕上げ材を、葺き足が182±5mmになるように、配置する工程
を含む既存スレート屋根の改修方法である。
本発明の方法は、さらに、工程ロ)の後に、
ハ)屋根仕上げ材に釘打ちする工程
を含むことが好ましい。
釘打ちの位置は、既存スレート屋根のスレート板の3枚重ね部分ではない部分に行うことが好ましい。すなわち、既存スレート屋根のスレート板の2枚重ね部分に釘打ちすることが好ましい。3枚重ね部分よりも2枚重ね部分に釘打ちする方が、釘が打ちこみやすい。
また、屋根仕上げ材のおもて面に、下辺から上に187mmを超える寸法だけ離れた位置より上に粘着層が設けられている場合は、前記粘着層が設けられた領域よりも上の位置に釘打ちすることが好ましい。
本発明の方法は、さらに、工程ロ)の前に、
イ)下葺材を既存スレート屋根に張り付ける工程
を含むことが好ましい。
既存スレート屋根と本発明の屋根仕上げ材の間に下葺材を挿入することにより、防水性を向上することができる。下葺材としては、例えば、不織布にアスファルトを含浸したものを用いることができる。下葺材の厚さは、限定されないが、好ましくは0.6~2.0mmである。また、下葺材は、裏面粘着層を有するものが好ましい。
図12は、本発明の屋根改修方法を示す平面図であり、より詳しくは、葺き足が182mmである既存スレート屋根の上に、上辺および下辺の長さが1000mmであり左辺および右辺の長さが485mmである本発明の屋根仕上げ材1を、葺き足が182mmになるように配置した例を示す。図中、破線で示された部分は、既存スレート屋根51を示す。既存スレート屋根51の葺き足は182mmである。既存スレート屋根51の軒端52から上に(すなわち棟側に)順次、本発明の屋根仕上げ材1を敷設していく。屋根仕上げ材1は、上下方向は葺き足が182mmになるように下の屋根仕上げ材1と重ねながら、左右方向は半分(すなわち500mm)ずつ下の屋根仕上げ材1と重ね合わせながら、敷設していく。下の屋根仕上げ材1の上端に、その上に重ねる屋根仕上げ材1の右辺の切込み16を合わせることによって、葺き足を182mmにすることができる。既存スレート屋根の段差が改修後に盛り上がり部を発生することがないようにするために、既存スレート屋根51に使用されているスレート板53の下端と本発明の屋根仕上げ材1の下端(すなわち下辺)が一致するように、屋根仕上げ材1を位置決めすることが好ましい。屋根仕上げ材1を固定するために、釘打ちを行うことが好ましい。釘打ちの位置54は、釘が打ちこみやすいように、既存スレート屋根のスレート板2枚重ね部分にすることが好ましい。図12において、Dで示される部分がスレート板2枚重ね部分であり、Tで示される部分がスレート板3枚重ね部分である。屋根仕上げ材1枚当たりの釘の数は、限定されないが、2本の場合は、例えば、図1の54aおよび54fで示される位置に釘打ちするのが好ましい。
図13は、図12におけるII-II線断面図である。図中、53は既存スレート屋根を構成するスレート板であり、56は下葺材であり、1は本発明の屋根仕上げ材であり、55は釘であり、Dはスレート板2枚重ね部分を示し、Tはスレート板3枚重ね部分を示す。
図14は、従来の屋根仕上げ材を用いて改修した屋根の断面図である。従来の屋根仕上げ材1′は、左辺および右辺の長さが305mmであり、葺き足が120~122mmである。既存スレート屋根のスレート板53の葺き足は182mmである。従来の屋根仕上げ材1′の葺き足と既存スレート屋根のスレート板53の葺き足が一致していないため、矢印で示した箇所に盛り上がり部が発生する。
図16は、従来の屋根仕上げ材を用いて改修した屋根の外観の写真である。従来の屋根仕上げ材と既存スレート屋根のスレート板との葺き足の相違に起因する盛り上がり部が見られ、屋根仕上げ材の平面性が損なわれ、外観が良くない。
図15は、本発明の屋根仕上げ材を用いて改修した屋根の外観の写真である。屋根仕上げ材の平面性が保たれ、外観が良好である。
(実施例1)
ガラス繊維からなる柔軟な基材にアスファルトを含浸塗覆し、表裏面に着色砂を撒布し、ロール圧着した後、プレセメント部と剥離フィルムを設け、抜型を用いて図2の形状に裁断し、表面にプレセメント部を、裏面に剥離フィルムを設けた、上辺および下辺が1,000mm、左辺および右辺が485mmのアスファルトシングル(屋根仕上げ材)を製造した。
(実施例2)
実施例1のアスファルトシングルの表面に、プレセメントを除く部分にスプレーコートを用いウレタン系の紫外線硬化塗料を20μmの厚さで塗布し、粒径10μmの高分子量ポリエチレンパウダー(三井化学株式会社製「ミペロン」(登録商標))を、1mあたり5gを散布した後、紫外線照射により樹脂を硬化させ、樹脂層を備えた屋根仕上げ材を製造した。
(比較例1)
実施例1と同様の生産方法で、図11(a)に示す形状(W′=915mm、L′=305mm)のタブ無しのアスファルトシングル(屋根仕上げ材)を製造した。
(実施例3)
葺き足182mmの既存スレート屋根に、実施例1の屋根仕上げ材を用い、葺き足を182mmにして、改修工事を行い、改修後の屋根の外観不良(凹凸)を目視で観察した。改修後の屋根の外観の写真を図15に示す。本発明の屋根仕上げ材を用い、本発明の方法で施工した場合は、屋根仕上げ材の平面性が保たれ、外観が良好であることが分かる。
(比較例2)
葺き足182mmの既存スレート屋根に、比較例1の屋根仕上げ材を用い、葺き足を122~124mmにして、改修工事を行い、改修後の屋根の外観不良(凹凸)を目視で観察した。改修後の屋根の外観の写真を図16に示す。従来の屋根仕上げ材を用いた場合には、従来の屋根仕上げ材と既存スレート屋根のスレート板との葺き足の相違に起因する盛り上がり部が見られ、屋根仕上げ材の平面性が損なわれ、外観が良くないことが分かる。
(実施例4)
2名の施工技能員により、葺き足182mmの既存スレート屋根に、実施例1の屋根仕上げ材を、葺き足を182mmにして施工し、施工に要する時間を計測し、施工性の評価を行った。結果を表1に示す。表1中、セルフシールとは、予めシングルに工場塗布した接着材を意味する。
(実施例5)
実施例1の屋根仕上げ材に代えて、実施例2の屋根仕上げ材を用いたこと以外は、実施例4と同様に実施した。結果を表1に示す。
(比較例3)
2名の施工技能員により、葺き足182mmの既存スレート屋根に、比較例1の屋根仕上げ材を、葺き足を140mmにして施工し、施工に要する時間を計測し、施工性の評価を行った。結果を表1に示す。表1中、シングルセメントとは、シングル同士を接着するため、施工現場で塗布するシングル用接着剤を意味する。
Figure 0007285242000001
実施例1または実施例2の屋根仕上げ材を用いた場合は、比較例1の屋根仕上げ材を用いた場合と比較すると、施工に要する時間はおよそ三分の一に短縮できることを確認した。
[砂剥落性の評価」
屋根仕上げ材の表面の砂の剥落性について評価したところ、実施例2の屋根仕上げ材は砂の剥落が無いことが確認された。一方、比較例1の屋根仕上げ材は砂の剥落が生じた。
なお、砂剥落性の評価は、日本防水材料協会規格に従い、金ブラシ34往復/分で表面を擦り砂の剥落の有無を目視で観察することにより行った。
[防藻性の評価]
防藻性の評価は特許文献4を参考に実施し、実施例2において発藻が無いことを確認した。
発明の既存スレート屋根の改修方法は、既存スレート屋根の改修に好適に利用することができる。
1 屋根仕上げ材
1′ 従来の屋根仕上げ材
11 上辺
12 下辺
13 左辺
14 右辺
15 切り欠き
16、17 切り込み
18 直線
19 基部
20 タブ
21 粘着層
22 貼りつき防止手段
23 剥離フィルムまたは剥離紙
31 アスファルトシングル
32 ガラス繊維基材
33 アスファルト
34 ガラス繊維基材にアスファルトを含浸塗覆した層
35 鉱物砂の層
36 鉱物質粉粒の層
37 樹脂層
38 高分子ポリエチレンパウダー
41 不燃シングル
42 無機質充填材と樹脂材との混合層
51 既存スレート屋根
52 軒端
53 既存スレート屋根を構成するスレート板
54 釘打ち位置
55 釘
56 下葺材

Claims (5)

  1. 葺き足が182±5mmである既存スレート屋根の改修方法であって、前記方法は、
    ロ)既存スレート屋根の上に、屋根仕上げ材を、葺き足が182±5mmになるように、配置する工程
    を含み、
    前記屋根仕上げ材は、ガラス繊維基材にアスファルトを含浸塗覆し表面に鉱物砂を撒布圧着させたアスファルトシングルおよびガラス繊維基材の両面に無機質充填材と樹脂材との混合層を形成し表面に鉱物砂を撒布圧着させた不燃シングルからなる群から選択され、平面視で、上辺、下辺、左辺および右辺を有する略長方形の形状を有し、上辺および下辺の長さが900~1200mmであり、左辺および右辺の長さが420~540mmである、既存スレート屋根の改修方法。
  2. 工程ロ)の後に、
    ハ)屋根仕上げ材に釘打ちする工程
    を含む、請求項1に記載の既存スレート屋根の改修方法。
  3. 既存スレート屋根のスレート板の3枚重ね部分ではない部分に釘打ちする、請求項2に記載の既存スレート屋根の改修方法。
  4. 屋根仕上げ材のおもて面に、下辺から上に187mmを超える寸法だけ離れた位置より上に粘着層が設けられ、前記粘着層が設けられた領域よりも上の位置に釘打ちする、請求項2または3に記載の既存スレート屋根の改修方法。
  5. 工程ロ)の前に、
    イ)下葺材を既存スレート屋根に張り付ける工程
    を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の既存スレート屋根の改修方法。
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