JP7280950B2 - 制御装置及び駆動機構の制御方法 - Google Patents

制御装置及び駆動機構の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータを動力源とする駆動機構を制御する装置及び制御方法に関する。
インバータを用いて、自動車等車両に搭載され、モータを動力源とする駆動機構を制御する場合、発熱によるコイル及びインバータ等の駆動機構の素子(部品)の劣化や損傷を防止する必要がある。一方、車両の駆動性能も確保する必要がある。前述の課題に対して、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1には、「コイル温度保護部113は、運転履歴記録部112に記憶された履歴情報に基づいて、モータ2のステータコイルの温度上昇を推定し、推定された温度上昇に基づく所定時間経過後の予測温度が予め設定された保護温度に達しているか否かを判定し、保護温度に達していると判定されると、モータ2のトルクを制限する。」ことが記載されている。
特開2008-109816号公報
特許文献1は、連続的に運転可能な領域は固定されており、当該領域以外の車両動作点がある場合、トルク値が固定値より小さくなるようにモータは制御される。しかし、モータの状態によっては、より高いトルク値でモータを駆動させることが可能な場合もある。
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、モータを動力源とする駆動機構を制御する制御装置であって、前記駆動機構には、当該駆動機構を構成する素子の温度を計測する温度センサが設けられ、前記制御装置は、前記駆動機構の状態に基づいて、前記モータのトルク値の上限を制御するための上限トルク値を示す上限トルク値ラインを更新する上限トルク値ライン更新部と、現在から遅延時間が経過した後の前記素子の推定温度に基づいて、前記トルク値を制限する必要があるか否かを判定し、前記トルク値を制限する必要がある場合、前記上限トルク値ラインに基づいて、前記トルク値を制御する駆動制御部と、前記素子の損失及び前記素子の熱流出分出力を算出する熱パラメータ算出部と、前記駆動機構の状態を示す情報を記憶する記憶部と、前記情報に基づいて、前記素子の動作限界温度及び前記遅延時間を更新するパラメータ更新部と、を備え、前記駆動制御部は、前記素子の温度、前記素子の損失、及び前記素子の熱流出分出力に基づいて算出される前記素子の推定温度が前記素子の動作限界温度以上である場合、前記トルク値を制限する必要があると判定する。
本発明によれば、発熱によるモータのコイル及びインバータ等の素子の劣化や損傷を防止し、かつ、高い駆動機構の駆動性能を実現できる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
実施例1の車両に搭載される駆動機構を制御する制御装置の構成例を示すブロック図である。 実施例1のモータのNT特性の一例を示すグラフである。 実施例1の車両に搭載される制御装置が保持する損失マップの構造の一例を示す図である。 実施例1のモード判定部が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。 実施例1の上限トルク値ライン更新部が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。 実施例1の上限トルク値ライン更新部による上限トルク値ラインの更新の一例を示す図である。 実施例1の上限トルク値ライン更新部の動作モードの変更判定の一例を示す図である。 実施例1の熱パラメータ算出部が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。 実施例1のモード判定部が実行する制限解除判定処理の一例を説明するフローチャートである。 実施例1のモード判定部が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。 実施例1の出力上限トルク値決定部が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。 実施例1のパラメータ更新部が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。 実施例1のトルク司令部が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。 実施例1の制御装置によるトルク制御の一例を示す図である。 実施例1の制御装置によるトルク制御の一例を示す図である。 実施例2のモード判定部が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。 実施例2の上限トルク値ライン更新部が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
以下に説明する発明の構成において、同一又は類似する構成又は機能には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、及び範囲等は、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、及び範囲等を表していない場合がある。したがって、本発明では、図面等に開示された位置、大きさ、形状、及び範囲等に限定されない。
図1は、実施例1の車両に搭載される駆動機構を制御する制御装置の構成例を示すブロック図である。図2は、実施例1のモータのNT特性の一例を示すグラフである。図3は、実施例1の車両に搭載される制御装置が保持する損失マップの構造の一例を示す図である。
駆動機構は、モータ102及びモータ制御部101から構成される。なお、駆動機構は、モータ102及びモータ制御部101以外の構成を含んでもよい。制御装置は車両制御部100から構成される。なお、制御装置は車両制御部100以外の構成を含んでもよい。
モータ102は、駆動機構の動力源となる装置である。実施例1のモータ102は、例えば、図2に示すようなNT特性を有する。
図2に示すグラフでは、横軸がモータ102の回転数を表し、縦軸がトルク値を表す。ライン200は、モータ102の最大トルク特性を表す。また、ライン201は、モータ102のトルク値を制限する場合のトルク値の上限を表す。以下の説明では、モータ102の最大トルク特性のラインを最大トルク特性ラインと記載し、トルク値の上限のラインを上限トルク値ラインと記載する。
なお、本発明はモータ102の種別、形状、大きさ、及びNT特性等に限定されない。
モータ制御部101は、車両制御部100から出力された出力トルク値に基づいてモータ102の駆動を制御する。モータ制御部101にはインバータ130が含まれる。モータ制御部101は、出力トルク値からモータ102の電流を算出し、インバータ130に電流指示を入力する。インバータ130は、電流指示に基づいて、モータ102を駆動する。
車両には、インバータ130の温度を計測する温度センサ103が設けられる。車両には、モータ102の内部のコイル等の温度を計測する温度センサ104が設けられる。また、車両には、当該車両の速度を計測する速度センサ105が設けられる。以下の説明では、温度センサ103、104、及び速度センサ105を区別しない場合、センサとも記載する。
なお、車両には、トルクセンサ等、前述以外のセンサが設けられてもよい。
以下の説明では、インバータ130及びコイル等、発熱による劣化や損傷の防止対象となる駆動機構の部品を素子と記載する。
温度センサ103及び温度センサ104が計測した温度は、素子温度1及び素子温度2として車両制御部100に入力される。速度センサ105によって計測された速度は、車速として車両制御部100に入力される。また、車両制御部100には、運転手によるアクセルペダルの踏み込み量に応じた開度のアクセルペダル信号が入力される。なお、アクセルペダル信号の開度の代わりに、アクセルペダルの踏み込み量を示す値を含めてもよい。
車両制御部100は駆動機構を制御する。具体的には、車両制御部100は、出力トルク値を決定し、モータ制御部101に当該値を出力する。車両制御部100は、要求トルク値算出部110、保護制御部111、及びトルク司令部112を含む。
要求トルク値算出部110は、アクセルペダル信号、出力トルク値、及び車速に基づいて、ドライバが要求する要求トルク値を算出する。要求トルク値算出部110は、算出された要求トルク値をトルク司令部112に入力する。
保護制御部111は、素子の劣化や損傷を防止する必要があるか否かを判定し、素子の損傷を防止する必要があると判定した場合、トルク値の上限を算出する。保護制御部111は、算出されたトルク値を出力上限トルク値としてトルク司令部112に入力する。
トルク司令部112は、モータ制御部101に入力するトルク値を決定し、決定されたトルク値を出力トルク値としてモータ制御部101に入力する。トルク司令部112が実行する処理は図13を用いて説明する。
ここで、保護制御部111の機能構成について説明する。保護制御部111は、モード判定部120、上限トルク値ライン更新部121、熱パラメータ算出部122、出力上限トルク値決定部123、パラメータ更新部124、及び運転履歴記録部125を含む。また、保護制御部111は、処理で使用するパラメータ(処理パラメータ)及び図3に示すような損失マップを保持する。
損失マップは、横軸がモータ102の回転数を表し、縦軸がモータ102のトルク値を表す。回転数及びトルク値の組合せに対して素子の損失Xiが定義されている。なお、添字iは回転数及びトルク値の組合せを識別する文字である。
なお、素子毎に損失マップを定義してもよいし、駆動機構、特にモータ102の損失マップを定義してもよい。この場合、駆動機構の損失から各素子の損失を見積もればよい。
保護制御部111は、遅延時間、素子の熱容量、及び素子の動作限界温度を処理パラメータとして保持する。素子の動作限界温度の初期値は、素子が正常に稼働する温度の範囲の最大値以下に設定される。
モード判定部120は、車両制御部100の動作モードを判定する。モード判定部120は、上限トルク値ラインに基づいてモータ102のトルク値を制限しないモード1と、上限トルク値ラインに基づいてモータ102のトルク値を制限するモード2と、の二つの動作モードのいずれかで動作する。モード1の場合、最大トルク特性に基づいてモータのトルク値が制限される。
上限トルク値ライン更新部121は、モータ制御部101及びモータ102等、駆動機構の状態に基づいて、上限トルク値ラインを更新する。
熱パラメータ算出部122は、素子の発熱量に関するパラメータ(熱パラメータ)を算出する。
出力上限トルク値決定部123は、駆動機構の状態及び上限トルク値ラインに基づいて、出力上限トルク値を決定する。
パラメータ更新部124は、運転履歴記録部125によって記録された運転情報に基づいて処理パラメータを更新する。
運転履歴記録部125は、車両の運転中における素子の温度、トルク値、及び車速等の履歴データを運転情報として記録する。運転情報には、例えば、タイムスタンプ、動作モード、及び値(温度及びトルク値等)から構成される履歴データが記録される。
なお、車両制御部100が有する各機能部については、複数の機能部を一つの機能部にまとめてもよいし、一つの機能部を機能毎に複数の機能部に分けてもよい。例えば、要求トルク値算出部110、出力上限トルク値決定部123、トルク司令部112、及びモータ制御部101を駆動制御部として実現してもよい。
次に、車両制御部100が実行する処理について説明する。以下の説明では、保護対象の素子が一つであるものとする。
なお、保護対象が複数存在する場合、各素子に対して処理を実行してもよい。また、動作限界温度と現在の温度との差が最も小さい素子に対して処理を実行してもよい。
図4は、実施例1のモード判定部120が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。
モード判定部120は、周期的に、以下で説明する処理を実行する。実行周期は予め設定されているものとする。
モード判定部120は、車両制御部100の動作モードがモード1であるか否かを判定する(ステップS101)。
車両制御部100の動作モードがモード1であると判定された場合、モード判定部120は、熱パラメータ算出部122を呼び出し(ステップS102)、素子の損失及び素子の熱流出分出力の算出を指示する。熱パラメータ算出部122が実行する処理の詳細は図8を用いて説明する。
モード判定部120は、熱パラメータ算出部122から出力された素子の損失及び素子の熱流出分出力を受け付けた場合、モード2に変更するか否かを判定する(ステップS103)。
具体的には、モード判定部120は、遅延時間経過後の素子の推定温度が動作限界温度以下であるか否かを判定する。情報処理としては、式(1)を満たすか否かが判定される。式(1)の右辺は素子の推定温度を表す。式(1)を満たさない場合、モード判定部120はモード2に変更すると判定する。
式(1)において、TNOKは素子の動作限界温度を表し、Tnowは現在の素子の温度を表し、現在のアクセルペダル情報をもとにPlossは素子の損失を表し、Pmoveは素子の熱流出分出力を表す。ここで、素子の熱流出分出力は流出する熱の出力を表す。tは現在の時間を表し、tは遅延時間を表す。また、Cは素子の熱容量を表す。なお、素子の損失及び素子の熱流出分出力の単位はW(ワット)である。
Figure 0007280950000001
現在の素子の温度及び熱流出分出力を用いることによって、遅延時間後の素子の温度の推定精度を向上させることができる。
モード2に変更しないと判定された場合、モード判定部120は処理を終了する。
モード2に変更すると判定された場合、モード判定部120は、動作モードをモード1からモード2に変更する(ステップS104)。
次に、モード判定部120は、上限トルク値ライン更新部121を呼び出し(ステップS105)、その後、処理を終了する。
車両制御部100の動作モードがモード1でないと判定された場合、モード判定部120は制限解除判定処理を実行し(ステップS106)、その後、処理を終了する。制限解除判定処理の詳細は図9を用いて説明する。
図5は、実施例1の上限トルク値ライン更新部121が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。図6は、実施例1の上限トルク値ライン更新部121による上限トルク値ラインの更新の一例を示す図である。図7は、実施例1の上限トルク値ライン更新部121の動作モードの変更判定の一例を示す図である。
上限トルク値ライン更新部121は、熱パラメータ算出部122を呼び出し(ステップS201)、素子の熱流出分出力の算出を指示する。熱パラメータ算出部122が実行する処理の詳細は図8を用いて説明する。
なお、モード判定部120から素子の熱流出分出力が入力されている場合、ステップS201の処理を省略することができる。
次に、上限トルク値ライン更新部121は、素子の熱流出分出力及び現在の素子の温度に基づいて、素子の推定損失を算出する(ステップS202)。
具体的には、上限トルク値ライン更新部121は、式(2)を満たすP’lossの最大値を算出する。
Figure 0007280950000002
次に、上限トルク値ライン更新部121は、上限トルク値ラインを算出する(ステップS203)。具体的には、以下のような処理が実行される。
(A1)上限トルク値ライン更新部121は、任意の数だけ回転数のサンプルを抽出する。選択するサンプルの数は2以上であるものとする。なお、本発明はサンプルの選択方法に限定されない。
(A2)上限トルク値ライン更新部121は、サンプルを一つ選択し、サンプル及び素子の推定損失に基づいて素子の損失マップを参照する。上限トルク値ライン更新部121は、サンプルに対応する素子の損失の中から、素子の推定損失及び素子の損失の差が最も小さい素子の損失を特定する。上限トルク値ライン更新部121は、特定された素子の損失に対応するトルク値を、選択されたサンプルに対する上限トルク値に決定する。
上限トルク値ライン更新部121は、抽出された全てのサンプルに対して(A2)の処理を実行する。
(A3)上限トルク値ライン更新部121は、線形補間によってサンプル以外の回転数に対する上限トルク値を算出する。なお、線形補間以外の手法を用いてもよい。
図6に示すように、上限トルク値ラインは、ライン200からライン202に更新される。特許文献1では、ライン200から、必ず高温に達しないライン201に遷移していた。以上が、ステップS203の処理の説明である。
次に、上限トルク値ライン更新部121は、更新された上限トルク値ラインに基づいて、動作モードをモード1に変更するか否かを判定する(ステップS204)。
具体的には、上限トルク値ライン更新部121は、最大トルク特性ラインと上限トルク値ラインとの差(ラインの類似性)を評価する値として、図7の斜線部の面積を算出する。上限トルク値ライン更新部121は、面積が閾値より小さいか否かを判定する。当該面積が閾値より小さい場合、上限トルク値ライン更新部121は、動作モードをモード1に変更すると判定する。閾値は予め設定されているものとする。ただし、閾値は適宜更新することができる。
動作モードをモード1に変更しないと判定された場合、上限トルク値ライン更新部121は処理を終了する。
制御モードをモード1に変更すると判定された場合、上限トルク値ライン更新部121はモード判定部120にモード1への変更を指示し(ステップS205)、その後、処理を終了する。
モード判定部120は、上限トルク値ライン更新部121から指示を受け付けた場合、動作モードをモード2からモード1に変更する。
動作限界温度を超えない上限トルク値ラインを設定することによって、発熱による素子の劣化や損傷を防止できる。また、トルク制限中でも、可能な限り大きい上限トルク値を出力できる。したがって、トルク制限中の車両の動作点を広くすることができる。
図8は、実施例1の熱パラメータ算出部122が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。
熱パラメータ算出部122は、現在の素子の温度、時系列が一つ前の素子の温度、出力トルク値、及び車速を取得する(ステップS301)。
時系列が一つ前の素子の温度は、運転履歴記録部125によって管理される運転情報から取得される値である。現在の素子の温度、出力トルク値、及び車速は、各センサから取得される。
熱パラメータ算出部122は、車速からモータ102の回転数を算出する(ステップS302)。モータ回転数を取得する方法は、直接モータから取得しても構わない。
熱パラメータ算出部122は、回転数及び出力トルク値に基づいて損失マップを参照し、素子の損失を算出する(ステップS303)。
熱パラメータ算出部122は、素子の損失、現在の素子の温度、及び時系列が一つ前の素子の温度を下式(3)に代入することによって、素子の熱流出分出力を算出する(ステップS304)。式(3)において、tは任意の時間であり、積分区間が遅延時間及びセンサの計測間隔より長くなるように設定されている。
Figure 0007280950000003
熱パラメータ算出部122は、応答値を出力し(ステップS305)、その後、処理を終了する。
具体的には、熱パラメータ算出部122は、素子の損失及び熱流出分出力の算出指示を受け付けた場合、素子の損失及び熱流出分出力を応答値として出力し、素子の熱流出分出力の算出指示場合、素子の熱流出分出力を応答値として出力する。
図9は、実施例1のモード判定部120が実行する制限解除判定処理の一例を説明するフローチャートである。
モード判定部120は、熱パラメータ算出部122を呼び出し(ステップS401)、素子の熱流出分出力の算出を指示する。
モード判定部120は、熱パラメータ算出部122から出力された素子の熱流出分出力及び損失を受け付けた場合、上限トルク値ラインを更新するか否かを判定する(ステップS402)。
具体的には、モード判定部120は、式(1)を満たすか否かを判定する。式(1)を満たさない場合、モード判定部120は上限トルク値ラインを更新すると判定する。
上限トルク値ラインを更新しないと判定された場合、モード判定部120は処理を終了する。
上限トルク値ラインを更新すると判定された場合、モード判定部120は、上限トルク値ライン更新部121を呼び出す(ステップS403)。
モード判定部120は、制限解除条件を満たすか否かを判定する(ステップS404)。
具体的には、モード判定部120は、現在の素子の温度が、動作モードがモード2に変更されたときの素子の温度より低いか否かを判定する。
現在の素子の温度が、動作モードがモード2に変更されたときの素子の温度より低い場合、モード判定部120は、更新された上限トルク値ラインに基づいて、動作モードをモード1に変更するか否かを判定する(ステップS405)。
具体的には、上限トルク値ライン更新部121は、最大トルク特性ラインと上限トルク値ラインとの差(ラインの類似性)を評価する値として、図7の斜線部の面積を算出する。上限トルク値ライン更新部121は、面積が閾値より小さいか否かを判定する。当該面積が閾値より小さい場合、上限トルク値ライン更新部121は、動作モードをモード1に変更すると判定する。閾値は予め設定されているものとする。ただし、閾値は適宜更新することができる。
動作モードをモード1に変更しないと判定された場合、上限トルク値ライン更新部121は処理を終了する。
制御モードをモード1に変更すると判定された場合、上限トルク値ライン更新部121はモード判定部120にモード1への変更を指示し(ステップS406)、その後、処理を終了する。
素子の温度が十分低くなった場合、トルク値の制限を解除することによって駆動性能を復帰させることができる。また、動作モードがモード2において、素子の温度が十分下がっていない場合、制御装置は、再度上限トルク値ラインを更新する。更新後の上限トルク値ラインに基づいてトルク値が制御されることによって、素子温度が動作限界温度に達しにくくすることが出来る。
図10は、実施例1のモード判定部120が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。
動作モードがモード2である場合、モード判定部120はアクセルペダル信号の監視を開始する。
モード判定部120は、アクセルペダル信号の開度が増加したかを判定する(ステップS501)。すなわち、モータ102の出力の増加要求を受け付けたか否かが判定される。
例えば、アクセルペダル信号の開度の増加量又は増加率が閾値より大きい場合、モード判定部120は、アクセルペダル信号の開度が増加したと判定する。
アクセルペダル信号の開度が増加していないと判定された場合、モード判定部120は処理を終了する。なお、モード判定部120は、アクセルペダルを踏みまししていないと判定された場合、制限解除判定処理を実行してもよい。
アクセルペダル信号の開度が増加したと判定された場合、モード判定部120は、上限トルク値ライン更新部121を呼び出し(ステップS502)、その後、処理を終了する。上限トルク値ライン更新部121は図5で説明した処理を実行する。
運転手がアクセルペダルを踏みました場合、制御装置は、発熱による素子の劣化や損傷を防止できる範囲内で上限トルク値を更新する。これによって、運転者の要求に応じて、駆動機構の駆動性能の向上が可能となる。
図11は、実施例1の出力上限トルク値決定部123が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。
出力上限トルク値決定部123は、周期的に、又は、アクセルペダル開度信号の増加が検出された場合に以下で説明する処理を実行する。
出力上限トルク値決定部123は、車速センサ、モータ回転数センサから回転数を取得する(ステップS601)。
出力上限トルク値決定部123は、動作モードがモード1であるか否かを判定する(ステップS602)。
動作モードがモード1であると判定された場合、出力上限トルク値決定部123は、取得した回転数をもとに、回転数及び最大トルク特性ラインに基づいて、最大トルク値を算出する(ステップS603)。さらに、出力上限トルク値決定部123は、トルク司令部112に、最大トルク値を出力上限トルク値として出力し(ステップS605)、その後、処理を終了する。
動作モードがモード2であると判定された場合、出力上限トルク値決定部123は、取得した回転数をもとに設定された上限トルク値ラインから、上限トルク値を算出し(ステップS604)、ステップ605へ進む。
ステップS605では、出力上限トルク値決定部123は、トルク司令部112に、上限トルク値を出力上限トルク値として出力し(ステップS605)、その後、処理を終了する。
図12は、実施例1のパラメータ更新部124が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。
パラメータ更新部124は、周期的に、又は、任意のイベントの発生時に以下で説明する処理を実行する。イベントは、例えば、動作モードの変更、及び出力上限トルク値の出力等が考えられる。
パラメータ更新部124は、素子の動作限界温度を更新する(ステップS701)。具体的には、以下のような処理が実行される。
(B1)パラメータ更新部124は、運転情報から動作モードがモード2であるときの素子の最大温度を取得する。なお、モード2である期間が複数存在する場合、各期間について素子の最大温度が取得される。
(B2)パラメータ更新部124は、取得された最大温度と動作限界温度との間のズレの平均値を算出する。以下の説明では、取得された最大温度と動作限界温度との間のズレを温度ズレと記載する。
(B3)パラメータ更新部124は、素子の動作限界温度を、式(4)を用いて算出された値に更新する。式(4)において、TNOK_oldは更新前の素子の動作限界温度を表し、TNOK_newは更新後の素子の動作限界温度を表し、Tgapは温度ズレの平均値を表す。
Figure 0007280950000004
なお、温度ズレの平均値が履歴として管理される場合、パラメータ更新部124は、最新のモード2である期間の最大温度と、温度ズレの平均値とを式(5)に代入すれば、新たな温度ズレの平均値を算出できる。式(5)において、Tgap_oldは更新前の温度ズレの平均値を表し、Tgap_newは更新後の温度ズレの平均値を表し、Tttimeは最新のモード2である期間の最大温度を表し、nは更新回数を表す。
Figure 0007280950000005
以上がステップS701の処理の説明である。
次に、パラメータ更新部124は、遅延時間を更新し(ステップS702)、その後、その後、処理を終了する。具体的には、以下のような処理が実行される。
(C1)パラメータ更新部124は、運転情報から動作モードがモード2であるときの素子の温度の履歴を取得する。なお、モード2である期間が複数存在する場合、各期間について履歴が取得される。
(C2)パラメータ更新部124は、動作モードが変更された時刻と、動作モードが変更された後に動作限界温度に到達した時刻とから、動作限界温度に到達するまでの時間を算出する。以下の説明では、算出された時間を到達時間と記載する。
(C3)パラメータ更新部124は、到達時間及び遅延時間のズレの平均値を算出する。以下の説明では、到達時間及び遅延時間のズレを時間ズレと記載する。
(C4)パラメータ更新部124は、遅延時間を、式(6)を用いて算出された値に更新する。式(6)において、tD_newは更新後の遅延時間を表し、tsoftはソフト遅延時間を表し、tdttimeは時間ズレの平均値を表す。
Figure 0007280950000006
なお、時間ズレの平均値が履歴として管理される場合、パラメータ更新部124は、最新のモード2である期間の時間ズレと、時間ズレの平均値とを式(7)に代入すれば、新たな時間ズレの平均値を算出できる。式(7)において、tdttime_oldは更新前の時間ズレの平均値を表し、tdttime_newは更新後の時間ズレの平均値を表し、τdttimeは最新のモード2である期間の時間ズレを表し、nは更新回数を表す。
Figure 0007280950000007
以上がステップS702の処理の説明である。
処理パラメータを更新することによって、センサの計測精度等のばらつきを抑えることができ、素子の温度の推定精度を向上させることができる。
図13は、実施例1のトルク司令部112が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。
トルク司令部112は、要求トルク値が上限トルク値より小さいか否かを判定する(ステップS801)。
要求トルク値が上限トルク値より小さいと判定された場合、トルク司令部112は、モータ制御部101に、出力トルク値として要求トルク値に出力し(ステップS802)、その後、処理を終了する。
要求トルク値が上限トルク値以上であると判定された場合、トルク司令部112は、モータ制御部101に、出力トルク値として上限トルク値を出力し(ステップS803)、その後、処理を終了する。
上限トルク値に基づいてモータ102のトルク値が制御されることによって、素子の劣化や損傷を防止することができる。
図14及び図15は、実施例1の制御装置によるトルク制御の一例を示す図である。
図14の一番目のグラフは素子の温度の変化を示し、二番目のグラフはトルク値の上限値を示し、三番目のグラフはアクセルペダル信号の開度を示す。
動作モードがモード1である場合、トルク値の制限は行われないため、出力トルク値の最大値は最大トルク特性ライン上のトルク値となる。
ポイント1201において、遅延時間経過後のポイント1202の素子の推定温度が動作限界温度より大きくなるため、動作モードがモード2に変更される。したがって、出力トルク値は上限トルク値ライン上のトルク値となる。
動作モードがモード2に変更された後に、アクセルペダル信号の開度が増加した場合、上限トルク値ラインが更新される。したがって、出力トルク値は上限トルク値ライン上のトルク値であるが、更新後の上限トルク値は更新前の上限トルク値より大きな値となる。
図15に示すように、モード2において、運動動作点1501は、上限トルク値ライン202ないに動作範囲を制限する。従来はライン201以下の範囲になるように運動動作点が変動していたため、可能な限り大きいトルク値や出力の駆動力を発生させることができる。実施例1に記載の制御装置の制御によれば、トルク制限中でも、可能な限り大きい上限トルク値を出力できる。したがって、発熱による素子の劣化や損傷を防止しつつ、トルク制限中の車両の動作点を広くすることができる。
実施例2では、制御装置は、動作モードがモード1の場合に上限トルク値ラインを更新する。以下、実施例1との差異を中心に実施例2について説明する。
実施例2の制御装置の構成は実施例1と同一である。実施例2では、処理の一部が異なる。
図16は、実施例2のモード判定部120が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。
実施例2では、ステップS103において、動作モードをモード2に変更しないと判定された場合、モード判定部120は上限トルク値ライン更新部121を呼び出す(ステップS105)。その他の処理は実施例1と同一である。
図17は、実施例2の上限トルク値ライン更新部121が実行する処理の一例を説明するフローチャートである。
上限トルク値ライン更新部121は、動作モードがモード1である場合にモード判定部120から呼び出された場合、以下で説明する処理を実行する。
上限トルク値ライン更新部121は、熱パラメータ算出部122を呼び出し(ステップS901)、素子の熱流出分出力の算出を指示する。
次に、上限トルク値ライン更新部121は、素子の損失マップを参照して、現在の上限トルク値ラインと最大トルク特性ラインとの間の運転動作点における素子の損失を算出する(ステップS902)。このとき、素子の損失に対応するトルク値及び回転数の組合せも算出される。
次に、上限トルク値ライン更新部121は、素子の損失のループ処理を開始する(ステップS903)。
具体的には、上限トルク値ライン更新部121は、算出された素子の損失の中から処理対象の処理の損失を選択する。
次に、上限トルク値ライン更新部121は、素子の推定温度が動作限界温度以上となるか否かを判定する(ステップS904)。
具体的には、上限トルク値ライン更新部121は、式(8)を満たすか否かを判定する。式(8)を満たす場合、上限トルク値ライン更新部121は、素子の推定温度が動作限界温度以上となると判定する。
Figure 0007280950000008
lossには選択された素子の損失が代入され、Pmoveには熱パラメータ算出部122によって算出された素子の熱流出分出力が代入される。
素子の推定温度が動作限界温度より小さいと判定された場合、上限トルク値ライン更新部121はステップS906に進む。
素子の推定温度が動作限界温度以上であると判定された場合、上限トルク値ライン更新部121は、選択された素子の損失をリストに登録し(ステップS905)、その後、ステップS906に進む。
ステップS906では、上限トルク値ライン更新部121は、全ての素子の損失について処理が完了したか否かを判定する(ステップS906)。
全ての素子の損失について処理が完了していないと判定された場合、上限トルク値ライン更新部121はステップS903に戻り、同様の処理を実行する。
全ての素子の損失について処理が完了したと判定された場合、上限トルク値ライン更新部121はリストに基づいて上限トルク値ラインを算出する(ステップS907)。
具体的には、上限トルク値ライン更新部121は、回転数が同一の素子の損失のグループを生成し、当該グループの中の素子の最も大きい損失を選択する。さらに、上限トルク値ライン更新部121は、回転数に対する損失から、上限トルク値を算出し、回転数に対して上限トルク値を線形補間し上限トルク値ラインを算出する。
実施例2では、上限トルク値ライン更新部121は、動作モードがモード2である場合にモード判定部120から呼び出された場合、図5に示す処理を実行する。ただし、ステップS203の処理が一部異なる。
上限トルク値ライン更新部121は、(A1)から(A3)の処理を実行し、上限トルク値ラインを算出する。上限トルク値ライン更新部121は、二つの上限トルク値ラインを統合する。具体的には、上限トルク値ライン更新部121は、更新前の上限トルク値ラインと、算出された上限トルク値ラインとを比較し、同一の回転数において小さいトルク値を選択する。
実施例2によれば、制御装置は、現在の上限トルク値ラインより大きいトルク値について素子の推定温度を見積もることによって、予め、上限トルク値ラインを更新することができる。これによって、素子の急激な温度上昇にも素子を保護することができる
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Python、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
上述の実施例において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
100 車両制御部101 モータ制御部102 モータ103 温度センサ104 温度センサ105 速度センサ110 要求トルク値算出部111 保護制御部112 トルク司令部120 モード判定部121 上限トルク値ライン更新部122 熱パラメータ算出部123 出力上限トルク値決定部124 パラメータ更新部125 運転履歴記録部130 インバータ

Claims (12)

  1. モータを動力源とする駆動機構を制御する制御装置であって、
    前記駆動機構には、当該駆動機構を構成する素子の温度を計測する温度センサが設けられ、
    前記制御装置は、
    前記駆動機構の状態に基づいて、前記モータのトルク値の上限を制御するための上限トルク値を示す上限トルク値ラインを更新する上限トルク値ライン更新部と、
    現在から遅延時間が経過した後の前記素子の推定温度に基づいて、前記トルク値を制限する必要があるか否かを判定し、前記トルク値を制限する必要がある場合、前記上限トルク値ラインに基づいて、前記トルク値を制御する駆動制御部と、
    前記素子の損失及び前記素子の熱流出分出力を算出する熱パラメータ算出部と、
    前記駆動機構の状態を示す情報を記憶する記憶部と、
    前記情報に基づいて、前記素子の動作限界温度及び前記遅延時間を更新するパラメータ更新部と、を備え、
    前記駆動制御部は、前記素子の温度、前記素子の損失、及び前記素子の熱流出分出力に基づいて算出される前記素子の推定温度が前記素子の動作限界温度以上である場合、前記トルク値を制限する必要があると判定することを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって
    前記上限トルク値ライン更新部は、
    前記素子の熱流出分出力に基づいて、前記素子の推定損失を算出し、
    前記素子の推定損失に基づいて、任意の回転数における前記トルク値の上限を算出することによって、前記上限トルク値ラインを更新することを特徴とする制御装置。
  3. 請求項2に記載の制御装置であって、
    前記駆動制御部は、
    前記上限トルク値ラインに基づく前記トルク値の制御を行わない第1モード、及び、前記上限トルク値ラインに基づく前記トルク値の制御を行う第2モードのいずれかの動作モードで稼働し、
    前記トルク値を制限する必要があると判定された場合、前記動作モードを前記第2モードに変更し、
    前記上限トルク値ライン更新部は、前記動作モードが前記第2モードに変更された場合、又は、前記駆動制御部が前記第2モードで稼働中に前記モータの出力の増加要求を受け付けた場合、前記上限トルク値ラインを更新することを特徴とする制御装置。
  4. 請求項3に記載の制御装置であって、
    前記駆動制御部は、更新後の前記上限トルク値ラインと前記モータのNT特性を示すラインとの差を評価する値が閾値より小さい場合、又は、前記駆動制御部が前記第2モードで稼働中に現在の前記素子の温度が前記第2モードに変更されたときの前記素子の温度より低い場合、前記動作モードを前記第1モードへ変更することを特徴とする制御装置。
  5. 請求項3に記載の制御装置であって、
    前記駆動制御部は、前記第2モードで稼働している場合、前記トルク値が前記上限トルク値ライン上のトルク値より小さくなるように制御することを特徴とする制御装置。
  6. モータを動力源とする駆動機構を制御する制御装置であって、
    前記駆動機構には、当該駆動機構を構成する素子の温度を計測する温度センサが設けられ、
    前記制御装置は、
    前記駆動機構の状態に基づいて、前記モータのトルク値の上限を制御するための上限トルク値を示す上限トルク値ラインを更新する上限トルク値ライン更新部と、
    現在から遅延時間が経過した後の前記素子の推定温度に基づいて、前記トルク値を制限する必要があるか否かを判定し、前記トルク値を制限する必要がある場合、前記上限トルク値ラインに基づいて、前記トルク値を制御する駆動制御部と、
    前記素子の損失及び前記素子の熱流出分出力を算出する熱パラメータ算出部と、を備え、
    前記駆動制御部は、前記素子の温度、前記素子の損失、及び前記素子の熱流出分出力に基づいて算出される前記素子の推定温度が前記素子の動作限界温度以上である場合、前記トルク値を制限する必要があると判定し、
    前記上限トルク値ライン更新部は、
    前記素子の熱流出分出力に基づいて、前記素子の推定損失を算出し、前記素子の推定損失に基づいて、任意の回転数における前記トルク値の上限を算出することによって、前記上限トルク値ラインを更新し、
    前記上限トルク値ライン上のトルク値より小さいトルク値に対応する前記素子の損失を算出し、前記素子の損失に基づいて算出される前記素子の推定温度が前記素子の動作限界温度より大きくなる前記素子の損失を特定し、前記特定された素子の損失に対応する前記トルク値に基づいて、前記上限トルク値ラインを更新することを特徴とする制御装置。
  7. 制御装置が実行する、モータを動力源とする駆動機構の制御方法であって、
    前記制御装置が、前記駆動機構に設けられた温度センサから当該駆動機構を構成する素子の温度を取得する第1のステップと、
    前記制御装置が、前記素子の損失及び前記素子の熱流出分出力を算出する第2のステップと、
    前記制御装置が、前記駆動機構の状態に基づいて、前記モータのトルク値の上限を制御するための上限トルク値を示す上限トルク値ラインを更新する第3のステップと、
    前記制御装置が、前記駆動機構の状態を示す情報を記憶する第4のステップと、
    前記制御装置が、前記情報に基づいて、前記素子の動作限界温度及び遅延時間を更新する第5のステップと、
    前記制御装置が、現在から前記遅延時間が経過した後の前記素子の推定温度に基づいて、前記トルク値を制限する必要があるか否かを判定する第6のステップと、
    前記制御装置が、前記トルク値を制限する必要があると判定された場合、前記上限トルク値ラインに基づいて、前記トルク値を制御する第7のステップと、を含み、
    前記第6のステップは、前記制御装置が、前記素子の温度、前記素子の損失、及び前記素子の熱流出分出力に基づいて算出される前記素子の推定温度が前記素子の動作限界温度以上である場合、前記トルク値を制限する必要があると判定するステップを含むことを特徴とする駆動機構の制御方法。
  8. 請求項7に記載の駆動機構の制御方法であって、
    前記第3のステップは、
    前記制御装置が、前記素子の熱流出分出力に基づいて、前記素子の推定損失を算出するステップと、
    前記制御装置が、前記素子の推定損失に基づいて、任意の回転数における前記トルク値の上限を算出することによって、前記上限トルク値ラインを更新するステップと、を含むことを特徴とする駆動機構の制御方法。
  9. 請求項8に記載の駆動機構の制御方法であって、
    前記制御装置は、前記上限トルク値ラインに基づく前記トルク値の制御を行わない第1モード、及び、前記上限トルク値ラインに基づく前記トルク値の制御を行う第2モードのいずれかの動作モードで稼働し、
    前記第6のステップは、前記制御装置が、前記トルク値を制限する必要があると判定された場合、前記動作モードを前記第2モードに変更するステップを含み、
    前記第3のステップは、前記制御装置が、前記動作モードが前記第2モードに変更された場合、又は、前記第2モードで稼働中に前記モータの出力の増加要求を受け付けた場合、前記上限トルク値ラインを更新するステップを含むことを特徴とする駆動機構の制御方法。
  10. 請求項9に記載の駆動機構の制御方法であって、
    前記制御装置が、更新後の前記上限トルク値ラインと前記モータのNT特性を示すラインとの差を評価する値が閾値より小さい場合、又は、前記第2モードで稼働中に現在の前記素子の温度が前記第2モードに変更されたときの前記素子の温度より低い場合、前記動作モードを前記第1モードに変更するステップを含むことを特徴とする駆動機構の制御方法。
  11. 請求項9に記載の駆動機構の制御方法であって、
    前記第7のステップは、前記制御装置が、前記トルク値が前記上限トルク値ライン上のトルク値より小さくなるように制御するステップを含むことを特徴とする駆動機構の制御方法。
  12. 制御装置が実行する、モータを動力源とする駆動機構の制御方法であって、
    前記制御装置が、前記駆動機構に設けられた温度センサから当該駆動機構を構成する素子の温度を取得する第1のステップと、
    前記制御装置が、前記素子の損失及び前記素子の熱流出分出力を算出する第2のステップと、
    前記制御装置が、前記駆動機構の状態に基づいて、前記モータのトルク値の上限を制御するための上限トルク値を示す上限トルク値ラインを更新する第3のステップと、
    前記制御装置が、前記駆動機構の状態を示す情報を記憶する第4のステップと、
    前記制御装置が、前記情報に基づいて、前記素子の動作限界温度及び遅延時間を更新する第5のステップと、
    前記制御装置が、現在から前記遅延時間が経過した後の前記素子の推定温度に基づいて、前記トルク値を制限する必要があるか否かを判定する第6のステップと、
    前記制御装置が、前記トルク値を制限する必要があると判定された場合、前記上限トルク値ラインに基づいて、前記トルク値を制御する第7のステップと、を含み、
    前記第6のステップは、前記制御装置が、前記素子の温度、前記素子の損失、及び前記素子の熱流出分出力に基づいて算出される前記素子の推定温度が前記素子の動作限界温度以上である場合、前記トルク値を制限する必要があると判定するステップを含み、
    前記第3のステップは、
    前記制御装置が、前記素子の熱流出分出力に基づいて、前記素子の推定損失を算出するステップと、
    前記制御装置が、前記素子の推定損失に基づいて、任意の回転数における前記トルク値の上限を算出することによって、前記上限トルク値ラインを更新するステップと、を含み、
    さらに、前記駆動機構の制御方法は、
    前記制御装置が、前記上限トルク値ラインのトルク値より小さいトルク値の前記素子の損失を算出するステップと、
    前記制御装置が、前記素子の損失に基づいて算出される前記素子の推定温度が前記素子の動作限界温度より大きくなる前記素子の損失を特定するステップと、
    前記制御装置が、前記特定された素子の損失に対応する前記トルク値に基づいて、前記上限トルク値ラインを更新するステップと、を含むことを特徴とする駆動機構の制御方法。
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