JP7279343B2 - 微細藻類Botryococcus terribilis TEPMO-26株、炭化水素の製造方法、乾燥藻体及び藻体残渣 - Google Patents

微細藻類Botryococcus terribilis TEPMO-26株、炭化水素の製造方法、乾燥藻体及び藻体残渣 Download PDF

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IPOD FERM P-22360
本発明は、Botryococcus(ボトリオコックス)terribilisに属する微細藻類である黄緑色藻のTEPMO-26株、微細藻類株の培養工程を有する炭化水素の製造方法、微細藻類株を乾燥して得られる乾燥藻体、及び微細藻類株から炭化水素の少なくとも一部を抽出した後に得られる藻体残渣に関する。
微細藻類は既存の油脂植物と比較して生産性が高く、食糧生産に適さない土地でも生産できる可能性を有するため、新たな油脂、炭化水素を含む油分の生産手段として、輸送用燃料、化成品原料、食品、食品添加物生産に応用する研究が国内外で盛んに進められている。微細藻類の増殖は基本的に光合成に依存し、CO2を吸収しながら増殖することから、培養の際にCO2を供給すると生産力が格段に向上する。また、微細藻類を燃料として燃焼させた場合、生成するCO2を再び微細藻類に吸収させることができれば、カーボンニュートラルなバイオ燃料になると言われている。発電等の事業活動から排出されるCO2を微細藻類の培養に利用し、培養した微細藻類を燃料等の化石燃料代替に活用できれば、温暖化対策としても活用できる技術である。
従来、細胞内に油分を蓄積する微細藻類がいくつか知られており、例えば、炭素数30~34程度の炭化水素を蓄積するBotryococcus属に属する微細藻類が開示されている(特許文献1~3)。天然のBotryococcusが化石時代以降大量に増殖・堆積した結果が、現在世界中で産出されるオイルシェールの起源であるという学説もある。このように自然界では時に爆発的に増殖するBotryococcusは、代表的な油分含有微細藻類ではあるが、これまでに報告されているBotryococcusについては、人工培養条件下においてその乾燥重量における油分含有量は必ずしも高くない。
オイルシェールの埋蔵量から見積もると、自然環境下で繁殖するBotryococcusの油分含有量は80質量%に達するとの見方もあるが、近年に報告された学術文献によれば、人工培養されたBotryococcusの油分含有量は多くても50~60質量%程度である。特許文献1に開示されたBotryococcus属sudeticus種AVFF007株は10~25質量%の油分含有量を示し、特許文献2~3のBotryococcus属braunii種の油分含有量は明示されていない。
特開2013-226062号公報 特開平9-9953号公報 特開平9-234055号公報
微細藻類を用いた効率的なエネルギー生産システムを実現するために、人工的な培養系において高い油分含有量若しくは発熱量を示すBotryococcus株が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高発熱量を示すBotryococcus株、このBotryococcus株を使用した炭化水素の製造方法、このBotryococcus株の乾燥藻体、及びこのBotryococcus株から炭化水素を抽出した後に得られる藻体残渣の提供を課題とする。また、Botryococcus株やその他の微細藻類を用いた炭化水素の製造方法を提供する。
[1]微細藻類Botryococcus terribilis TEPMO-26株(FERM P-22360)。
[2]上記[1]に記載の微細藻類を培養する工程を有する炭化水素の製造方法。
[3]微細藻類を培養液中で培養する培養工程と、前記培養工程で培養した前記微細藻類を、前記培養液のpHよりもアルカリ性の培養液中で保持する保持工程と、前記保持工程の後で前記培養液から藻類を回収する回収工程と、を含む炭化水素の製造方法。
[4]前記微細藻類が、微細藻類Botryococcus terribilis TEPMO-26株(FERM P-22360)である、上記[3]に記載の炭化水素の製造方法。
[5]上記[1]に記載の微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体。
[6]上記[1]に記載の微細藻類から炭化水素の少なくとも一部を抽出した後に得られる藻体残渣。
本発明のTEPMO-26株は、人工培養系において高い油分含有量及び発熱量を示すので、前述の効率的なエネルギー生産システムの実現に寄与し得る。
本発明の炭化水素の製造方法によれば、TEPMO-26株又はその他の微細藻類を用いて、アルカリ性の培養液中に微細藻類を保持するという単純な操作によって、微細藻類に蓄積される炭化水素を含む油分量を、高めることができる。
また、本発明の炭化水素の製造方法によれば、TEPMO-26株の培養液の通気ガスに含まれる二酸化炭素濃度を低減するという単純な操作によって、培養中のTEPMO-26株に蓄積される炭化水素を含む油分量を、藻体が液面に浮き上がる程に非常に高めることができる。
本発明の乾燥藻体及び藻体残渣は高い発熱量を有するので、発電等の燃料としての用途に適する。
増殖期における緑色のTEPMO-26株が攪拌培養液中に分散している様子を示す写真である。培養初期の緑色の細胞(藻体)は、表面が滑らかな雨滴型で、細胞同士が近接した群体を形成する。 培養後期のTEPMO-26株の光学顕微鏡写真である。写真中、オレンジ色の細胞は、表面の滑らかさが失われ、細胞間に間隙が生じている。 培養後期に大量の炭化水素を藻体内に蓄積し、オレンジ色を呈したTEPMO-26株が攪拌停止とともに培養液の液面に浮上した様子を示す写真である。写真上部は透明な培養容器であり、写真中央の濃い色に見える帯が浮上した細胞群であり、写真下部は培養液中に散見される少数の細胞群である。 培養後期のオレンジ色のTEPMO-26株の細胞を顕微鏡観察する際、スライドグラスとカバーグラスによって圧搾された細胞群体から油滴が群体外に向かって放出される様子と、圧搾された細胞内に藻油が残留している様子を示す光学顕微鏡写真である。
《TEPMO-26株》
本発明の第一態様である、TEPMO-26株は後述する方法により取得されたBotryococcus属に属する黄緑色藻である。その培養初期における形態は、図1の光学顕微鏡写真に示す様なコロニー状の群体を呈し、概ね従来のBotryococcus brauniiと類似した形態である。二酸化炭素を例えば5~20%で含む通気ガスを供給しながら撹拌し、例えば25~35℃でTEPMO-26株を培養すると、最短2.1日で藻体濃度が倍化する。適当な藻体濃度に達した時点で、通気ガスを純空気に切り換えると、培養液のpHがアルカリ性へ変化し、翌日には藻体が黄色味を帯びはじめ、数日以内にオレンジ色が深まる(図2)。また、培養液の攪拌を停止すると藻体が培養液の液面に浮上する(図3)。藻体が緑色である場合に攪拌を停止すると藻体は培養液の底へ沈降することから、オレンジ色に変色した藻体内には培養液よりも密度が低い物質(高濃度の油分)が蓄積されていることが分かる。
TEPMO-26株と同時に採取した他のBotryococcus株を含め、従来のBotryococcus株の人工培養においては、上記の様な顕著なオレンジ色の発色と液面浮上は見られないことから、TEPMO-26株は従来株よりも高い油分含有量を有するといえる。
一例として、実施例で後述する様に、TEPMO-26株の乾燥固形物は40,680J/g (9,700kcal/kg)の発熱量を示す。
オレンジ色に変色した藻体を、スライドガラスとカバーガラスの間に挟まれた状態で顕微鏡により観察すると、藻体内(細胞内)から油滴が圧搾される様子が観察される。ガラス間の藻体から油滴を積極的に圧搾した後に得られる藻体残渣(搾り滓)には、まだ油分(藻油)が残留している様子が観察される(図4)。
以上の通り、人工培養系により得られたTEPMO-26株には高濃度の油分が蓄積されること、油分を抽出した後の藻体残渣にも光学顕微鏡で観察できるほどの油分が残留していること、が確認される。したがって、常法により乾燥した乾燥藻体及び藻体残渣は、高い油分含量に由来する発熱量を示すことが明らかである。
常法により、TEPMO-26株からDNAを抽出し、18S rDNAのITS-2領域の塩基配列解析を行った。得られた塩基配列を配列表の配列番号1に示す。
データベースと照合した結果、Botryococcus属の既知の微細藻類Botryococcus terribilisのAICB870株と塩基配列が高い相同性を示したことから、TEPMO-26株はBotryococcus属terribilis種に分類される株であることが分かった。
TEPMO-26株は、出願人によって、受託番号FERM P-22360として、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センターに受託された(受託日:2018年3月9日)。
《炭化水素の製造方法》
本発明の第二態様の炭化水素の製造方法は、微細藻類を培養液中で培養する培養工程と、前記培養工程で培養した前記微細藻類を、前記培養液のpHよりもアルカリ性の培養液中で保持する保持工程と、前記保持工程の後で前記培養液から藻類を回収する回収工程と、を含む炭化水素の製造方法。
本態様で培養する微細藻類として、藻体内に油分を蓄積する既知の微細藻類が適用可能であり、例えば、Botryococcus属の既知の微細藻類が挙げられ、中でも、本発明の第一態様のTEPMO-26株が好ましい。前記油分には油脂が含まれていてもよい。
(培養工程)
前記微細藻類を培養する方法は特に限定されず、例えば、従来のBotryococcus属に属する微細藻類を培養可能な公知方法が適用できる。また、例えば培養容器を継代ごとに大きくすることにより、大量培養を行うことができる。培養時には藻体が沈殿しない程度に攪拌しながら、光照射下で通気培養することが好ましい。
培養液の種類は特に限定されず、微細藻類を培養可能な公知の培養液が適用可能であり、例えば、C培地、BG-11培地、BG-11改変培地等が挙げられる。
培養液のpHは、pH6~9が好ましく、pH6~7がより好ましい。
培養温度は、例えば、20~50℃の範囲で、培養する微細藻類の倍化時間が短くなる温度を選定することが好ましい。
培養液に通気するガスには二酸化炭素が含まれていることが好ましい。通気ガス中の二酸化炭素濃度としては、例えば0.5~20体積%が好ましい。また、通気ガスの通気量は0.01~0.03(v/v/min)が好ましい。上記範囲であると良好に増殖し易い。
光照射条件としては、培養液中の藻体濃度や培養槽の深さによって適宜調節すればよく、例えば、10~10000μmol/m/sの自然光又は人工光が適用できる。
培養液中の初期の藻体濃度は特に限定されないが、例えば、0.01~0.5dry‐g/L(乾燥重量g/L)が好ましく、0.03~0.3dry‐g/Lがより好ましい。上記好適な範囲であると盛んに増殖し、倍化時間が比較的短くなり易い。
培養中の微細藻類の藻体内における炭化水素濃度を高める方法として、(i)通気ガス中の二酸化炭素濃度を低下させる、(ii)通気ガスを停止する、(iii)pHを上昇させる等の培養条件を切り替える方法が挙げられる。
培養条件を切り替える時期としては、増殖期の後半が好ましく、例えば、藻体濃度が0.8dry‐g/L以上になった後で培養条件を切り替えることが好ましい。藻体濃度が比較的高くなった後で培養条件を切り替えることにより、炭化水素の製造効率を高めることができる。
(保持工程)
本態様の保持工程では、上記の培養条件(i), (ii), (iii)の切り替えのうち、少なくとも(iii)の条件を切り替える。すなわち、培養工程で培養した微細藻類を、培養工程で用いた培養液のpHよりもアルカリ性の培養液中に保持する。例えば、培養工程で用いた培養液のpHが6.0~6.5である場合、保持工程で用いる培養液のpHは、pH7.0~10.0が好ましく、pH7.5~9.5がより好ましく、pH8.0~9.0がさらに好ましい。また、例えば、培養工程で用いた培養液のpHが6.5超~7.5である場合、保持工程で用いる培養液のpHは、pH8.0~10.0が好ましく、pH8.5~9.5がより好ましく、pH8.0~9.0がさらに好ましい。
保持工程で用いる培養液のpHをアルカリ性に近づける方法としては、例えば、培養工程から保持工程に切り替える際に、培養液中に通気する通気ガス中の二酸化炭素濃度を低下させる上記(i)の方法、培養液への通気を中止する上記(ii)の方法、培養液中にアルカリ性物質を添加する上記(iii)の方法等が挙げられる。また、培養工程の培養液から藻体を分離して、得られた藻体を保持工程で用いるアルカリ性側の培養液に移植する方法も挙げられる。
前記アルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ性側で使用される公知のpH緩衝剤等が挙げられる。
保持工程における培養液の温度は、例えば、20~50℃の範囲で、微細藻類の色が徐々に褐変する温度を選定することが好ましい。
保持工程における培養液への通気ガスには、二酸化炭素が含まれていないことが好ましく、含まれているとしても二酸化炭素濃度は0.1体積%以下であることが好ましい。また、通気ガスの通気量は0.01~0.03(v/v/min)が好ましい。
なお、保持工程においては通気を中止してもよい。
保持工程における光照射は行ってもよいし、行わなくてもよい。培養液に光照射を行う場合の光照射条件としては、例えば、10~10000μmol/m/sが挙げられる。
保持工程における保持日数としては、例えば、0.5~40日程度が挙げられ、3~10日程度が好ましい。保持日数が0.5日以上であれば、藻体内における炭化水素濃度が高まり、40日以内であれば、藻体の損壊を低減できる。
保持工程の完了の目安として、微細藻類の変色が挙げられる。藻体内に油分が蓄積されるとともに、緑色の藻体が黄色を経て橙色又は褐色になる。
(回収工程)
保持工程で保持した藻体の回収方法は特に限定されず、従来の微細藻類の場合と同様の方法が適用可能である。回収工程以降の処理は、後述する第三態様の炭化水素の製造方法と同様に行うことができる。
《炭化水素の製造方法》
本発明の第三態様である、炭化水素の製造方法は、TEPMO-26株を培養し、藻体内に炭化水素を含む油分を蓄積させる工程を有する。前記油分には油脂が含まれていてもよい。
本態様の製造方法は、TEPMO-26株の培養工程と、その培養工程によって増殖させたTEPMO-26株を培養液中から回収する工程と、回収したTEPMO-26株の藻体から炭化水素を抽出する工程を有する。
(培養工程)
TEPMO-26株を培養する方法は特に限定されず、例えば、従来のBotryococcus属に属する微細藻類を培養可能な公知方法が適用できる。また、例えば培養容器を継代ごとに大きくすることにより、大量培養を行うことができる。培養時には藻体が沈殿しない程度に攪拌しながら、光照射下で通気培養することが好ましい。
培養液の種類は特に限定されず、微細藻類を培養可能な公知の培養液が適用可能であり、例えば、C培地、BG-11培地、BG-11改変培地等が挙げられる。
培養液のpHは、pH6~9が好ましく、pH6~7がより好ましい。
培養温度は、20~50℃が好ましく、25~45℃がより好ましく、30~40℃がさらに好ましい。上記好適な範囲であると倍化時間が比較的短くなり易い。
培養液に通気するガスには二酸化炭素が含まれていることが好ましい。通気ガス中の二酸化炭素濃度としては、例えば0.5~20体積%が好ましい。また、通気ガスの通気量は0.01~0.03(v/v/min)が好ましい。上記範囲であると良好に増殖し易い。
光照射条件としては、培養液中の藻体濃度や培養槽の深さによって適宜調節すればよく、例えば、10~10000μmol/m/sの自然光又は人工光が適用できる。
培養液中の初期の藻体濃度は特に限定されないが、例えば、0.01~0.5dry‐g/L(乾燥重量g/L)が好ましく、0.03~0.3dry‐g/Lがより好ましい。上記好適な範囲であると盛んに増殖し、倍化時間が比較的短くなり易い。
TEPMO-26株の藻体内における炭化水素濃度を高める方法として、(i)通気ガス中の二酸化炭素濃度を低下させる、(ii)通気ガスを停止する、(iii)pHを上昇させる等の培養条件を切り替える方法が挙げられる。
培養条件を切り替える時期としては、増殖期の後半が好ましく、例えば、藻体濃度が0.8dry‐g/L以上になった後で培養条件を切り替えることが好ましい。藻体濃度が比較的高くなった後で培養条件を切り替えることにより、炭化水素の製造効率を高めることができる。
(回収工程)
本態様の炭化水素の製造方法においては、TEPMO-26株の藻体がオレンジ色に呈色した後で藻体を回収することが好ましい。
オレンジ色に呈色した藻体には炭化水素が高濃度で含有される。培養条件にもよるが、培養液の液面に浮上する程に高濃度で炭化水素が含有され、例えば乾燥藻体の60質量%以上、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上の炭化水素が含有され得る。
微細藻類Botryococcus属が産生する代表的な炭化水素ボツリオコッセン(C3458)の発熱量が45,070J/gであることから、上記乾燥藻体の例えば60質量%を占める炭化水素の発熱量は27,042 J/g (=45,070 J/g×0.6)であると見積もられる。さらに炭化水素以外の成分がセルロースであると単純に仮定すれば、セルロースの発熱量17,510 J/gであることから、上記乾燥藻体の残部の例えば40質量%を占めるセルロースの発熱量は7,004 J/g (=17,510 J/g×0.4)である。したがって、炭化水素含有量が60質量%の乾燥藻体の発熱量は34,046 J/g (=27,042 J/g + 17,510 J/g)と見積もられる。
同様に、炭化水素含有量が70質量%の上記乾燥藻体の発熱量は約36,800J/gであり、炭化水素含有量が80質量%の上記乾燥藻体の発熱量は約39,600J/gであると見積もられる。
培養した藻体の回収方法は特に限定されず、従来の微細藻類の場合と同様の方法が適用可能であり、例えば、培養液をフィルターに通して藻体を濾過して回収する方法、培養液を遠心分離して藻体を浮上させて回収する方法が挙げられる。さらに、培養液の攪拌を停止し、液面に浮上させた藻体を吸引、濾過、デカンテーション等により回収する方法も挙げられる。藻体を液面に浮上させて回収する方法は極めて効率が良く、工業規模で培養した藻体を回収する方法として特に優れている。
(抽出工程)
藻体内に含まれる炭化水素を含む油分を抽出する方法は特に限定されず、例えば従来の微細藻類から油分や脂質を抽出する公知方法が適用可能であり、例えば、物理的に藻体を圧搾又は圧縮することにより藻体外へ炭化水素を搾り出す方法、藻体を有機溶媒、酸、アルカリ等の抽出溶媒に浸漬して化学的に溶出させる方法等が挙げられる。抽出後の用途に応じて、さらに炭化水素を含む油分を公知方法で精製してもよい。
前記炭化水素の炭素数としては、広い用途に適用可能であることから、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、20以上がさらに好ましく、30以上が特に好ましい。
前記炭化水素の炭素数の上限は特に限定されないが、溶解性を向上させる観点から、例えば50以下が好ましい。
前記炭化水素は、脂肪族炭化水素であってもよいし、芳香族炭化水素であってもよい。前記脂肪族炭化水素は飽和炭化水素であってもよいし、不飽和炭化水素であってもよい。前記脂肪族炭化水素は直鎖状、分岐鎖状、環状の何れの構造であってもよい。
油分を抽出する前に藻体を予め乾燥させてもよいし、乾燥させずに湿潤な藻体から油分を抽出してもよい。乾燥した藻体から油分を抽出する場合は、抽出効率を高める観点から、上記の化学的に溶出させる方法が好ましい。
藻体から抽出して得られた油分は、可燃性であるため、そのまま燃料として使用可能であり、精製した後で燃料、食品、化学工業の原材料として利用することも可能である。
《藻体残渣》
本発明の第四態様は、第一態様の微細藻類であるTEPMO-26株の藻体から炭化水素等の油分の少なくとも一部を抽出した後に得られる藻体残渣である。この藻体残渣は、細胞の骨格となる細胞壁セルロースや、群体同士を結合させているバイオポリマーが少なくとも含まれるので、ボイラー等の燃料として利用することができる。さらに抽出工程における炭化水素の抽出効率が100%未満である場合には、油分が藻体残渣に残留し、残渣の発熱量を上昇させるので、藻体残渣の燃料として利用価値は高い。
前記バイオポリマーは、直鎖状の炭化水素がエーテル結合によりネットワークを形成するポリマーであるため、高発熱量が期待される。
前記バイオポリマーは、細胞群体を光学顕微鏡で観察した際に、細胞群体同士を繋ぐゴム紐の様に観察されることがある。
《乾燥藻体》
本発明の第五態様は、第一態様の微細藻類であるTEPMO-26株の藻体を乾燥して得られる乾燥藻体である。前記回収工程で回収した藻体を乾燥することにより、高い発熱量を示す乾燥藻体が得られる。この乾燥藻体は炭化水素を含む油分を含有するため可燃性であり、そのまま燃料として利用することができる。
回収した藻体を乾燥させる方法は特に限定されず、例えば、フリーズドライ(凍結乾燥)、減圧乾燥、風乾等の常法が適用可能である。ここで例示した乾燥方法は藻体残渣を乾燥する方法としても適用できる。
藻体から水分を除去する乾燥処理を行った後においても、藻体内に蓄積された大量の油分が残留しているので、藻体が乾固せずにペースト状になることがある。本発明に係る乾燥藻体には、このようなペースト状の藻体も含まれる。
得られた乾燥藻体は油分を含むので可燃性であり、高発熱量を示す燃料として利用できる。火炎中で燃焼させる場合には、湿った藻体を火炎中に投入してもよい。この場合、火炎中で藻体が乾燥しながら燃焼する。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[株の単離と選抜]
藻類の単離を目的に、静岡県、滋賀県、沖縄県の水田や人工池、ダム湖から表層水をサンプリングした。顕微鏡観察において形態的に黄緑色藻Botryococcus属と思われる細胞群体が確認された。この細胞群体の単離を公知のピペット洗浄法で行った。毛細管ピペットで吸い上げて洗浄した細胞群体をマルチウェルプレートでさらに洗浄し、培養した。その後、培養規模を拡大して50mL試験管内における培養によって、目的の株の増殖及び単離を確認した。得られた複数の単離株の中から増殖力に優れた6株を、500mL培養瓶に移植し、培養容器表面光強度50μmol/m2/s、温度25℃、5%CO2/95%Air-1mL/secで通気して増殖させた。これら6株の中から最も増殖に優れた株としてTEPMO-26株を選抜した。単離から選抜に至る培養にはC培地(Ichimura, 1971)を用いた。
[実施例1]
TEPMO-26株を下記条件で培養した。
緑藻用C培地、ラン色細菌用BG-11培地、BG-11改変培地の3種の液体培地を使用し、TEPMO-26株の増殖の比較を行った。ここで使用したBG-11培地は、C培地よりも窒素濃度が高く窒素要求性の高い株に適し、かつ高価なビタミンを含まない培地である。BG11改変培地はBG-11培地をさらに安価にするため、窒素減としての硝酸塩を、窒素ベースで等モル濃度の尿素に置き換えた培地である。培地各500mLを用意し、初期細胞濃度0.2dry-mg/L、光強度50μmol/m2/s、温度25℃、5%CO2/95%Air-8mL/sec通気で培養を開始した。
ほぼ5日間隔で定期的に培養液をサンプリングし、波長730nmの吸光度測定により細胞濃度(藻体濃度)を求めた。ここで、吸光度として求めた細胞濃度を、乾燥重量としての細胞濃度(dry-g/L)に換算するための換算係数を算出した。培養開始時および培養終了時に吸光度測定したサンプルをろ過乾燥し、吸光度1あたりの乾燥藻体濃度を算出したところ、平均3.42dry-g/Lであった。なお、吸光度と細胞濃度の関係は、群体の大きさに影響されるため、培養期間中に群体サイズが変化していないことを顕微鏡下で確認した。
36日の培養の結果、C培地(pH7.5)、BG-11培地(pH7.5)、BG-11改変培地(pH7.5)の何れの液体培地を使用した場合においても、細胞濃度は約1.3dry-g/Lに到達した。倍化時間は細胞濃度0.3dry-g/L付近で最短5.6日を示した。
次に、BG-11培地及びBG-11改変培地における細胞濃度が約1.3dry-g/Lに到達した時点以後、引き続き5%CO2/95%Air-8mL/sec通気で培養を継続した場合と、100%Air-8mL/sec通気に切り替えて培養を継続した場合を比較した。
その結果、5%CO2/95%Airで培養を継続した場合には、両方の培地において細胞は緑色を保ったままで増殖を続けた。一方、100%Airに切り替えた場合には、培養液のpHはそれぞれBG-11培地(pH8.5)、BG-11改変培地(pH8.5)となり、切り替えた翌日には細胞を含んだ培養液の色調が緑色から黄色味を帯びた緑色に変化した。特にBG-11改変培地において、切り替え7日目には細胞を含んだ培養液の色調が完全にオレンジ色に変化した。
細胞がオレンジ色に変色した段階で通気攪拌を停止すると、オレンジ色の細胞群体は、ほぼ透明な培養液の液面付近に浮上し、固液分離によって二層に分かれた(図3)。オレンジ色の細胞群体を回収し、ナイルレッド染色の後、顕微鏡観察した。オレンジ色の細胞群体は、活発な増殖を示す緑色の細胞群体に比較して、細胞中において赤色発光を伴う葉緑素が減少し、黄色発色を伴う油分が顕著に増加していた。
攪拌停止により液面浮上したオレンジ色の細胞群体を茶漉しネットで回収し、フリーズドライした。得られた固形物の総発熱量を分析したところ、原油及び石油製品‐発熱量試験方法(JIS K 2279)に基づいた測定の結果、TEPMO-26株の乾燥固形物は40,680J/g (9,700kcal/kg)の発熱量を示した。
既知文献よりBotryococcus属が蓄積する炭化水素(ボツリオコッセン:C3458)の発熱量を45,070J/g、細胞壁などを構成するセルロースの発熱量を17,510J/gであることに基づき、TEPMO-26株が炭化水素とセルロースより構成されるという単純な仮定を置けば、TEPMO-26株の乾燥固形物発熱量40,680J/gは、含有率84%の炭化水素と含有率16%のセルロースに由来すると計算される。ここで、含有率Cは、45070×C + 17,510×(1-C) =40,680の式により算出される。
乾燥固形物1.0 dry-gから炭化水素を約70%の効率で抽出した後に得られる藻体残渣は、含有率84%の炭化水素の30%がまだ含まれており、発熱量は、23,885J/g (約5,708kcal/kg) ( =45,070J/g×0.84×0.30+17,510J/g×0.70)と算出される。
同様に、乾燥固形物1.0 dry-gから炭化水素を約90%の効率で抽出した後に得られる藻体残渣の発熱量は、19,545J/g (約4,671 kcal/kg) ( =45,070J/g×0.84×0.10+17,510J/g×0.90)と算出される。
上記のように炭化水素を抽出した後に得られる藻体残渣の高い発熱量は、燃料として有用である。
[実施例2]
BG-11改変培地500mLを用意し、初期細胞濃度0.2dry-mg/L、光強度50μmol/m2/s、5%CO2/95%Air-8mL/sec通気の条件下で、培養温度を20℃、25℃、30℃、35℃の4段階に設定して、TEPMO-26株の増殖を比較した。
その結果、各温度における倍化時間が170日、8.5日、7.5日、13日であったことから、至適増殖温度帯は25~30℃近辺にあり、20℃近辺に温度が低下すると著しく増殖が低下することが判った。
[実施例3]
BG-11改変培地を使用し、培養規模を10Lジャーファメンタ、50Lパンライト水槽、50Lチューブリアクタに拡大し、更に各培養容器表面の光強度をそれぞれ100、270、320μmol/m2/sに設定して、5%CO2/95%Air通気、培養温度25℃で、TEPMO-26株の増殖を比較した。
その結果、細胞濃度は50Lチューブリアクタで最高1dry-g/Lに達し、倍化時間は10Lジャーファメンタで最短の2.1日であった。また、50Lチューブリアクタへの通気を5%CO2から純空気に切り替えることによって、細胞がオレンジに変色し、細胞内で炭化水素が産生されたことを確認することができた。
これらの結果から、本実施例よりも強い光強度を有する太陽光を利用することにより、細胞濃度、細胞内で産生される炭化水素量をさらに高めることができると考えられる。
以上で説明した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されるものではない。
FERM P-22360

Claims (5)

  1. 微細藻類Botryococcus terribilis TEPMO-26株(FERM P-22360)。
  2. 請求項1に記載の微細藻類を培養する工程を有する炭化水素の製造方法。
  3. 微細藻類を培養液中で培養する培養工程と、
    前記培養工程で培養した前記微細藻類を、前記培養液のpHよりもアルカリ性の培養液中で保持する保持工程と、
    前記保持工程の後で前記培養液から藻類を回収する回収工程と、
    を含む炭化水素の製造方法であって、
    前記微細藻類が、微細藻類Botryococcus terribilis TEPMO-26株(FERM P-22360)である、炭化水素の製造方法。
  4. 請求項1に記載の微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体。
  5. 請求項1に記載の微細藻類から炭化水素の少なくとも一部を抽出した後に得られる藻体残渣。
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