JP7279337B2 - アタッチメント式スピンドル装置、及び工作機械用主軸ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、アタッチメント式スピンドル装置、及び工作機械用主軸ユニットに関し、特に、工作機械用主軸ユニットの回転主軸に対して着脱自在なアタッチメント式スピンドル装置、及び工作機械用主軸ユニットに関する。
従来、工作機械の回転主軸に、アタッチメント式スピンドル装置を取り付け、このアタッチメント式スピンドル装置に研削用砥石やエンドミル等のエア駆動による回転工具を装着して、研削や切削等の加工を行うことが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1に記載のアタッチメント主軸装置では、静圧気体軸受のための軸受給気通路に気体を供給するため、ハウジングの外部に軸受供給口を設けることが開示されている。また、特許文献2に記載の加工装置では、工具ホルダが、スピンドル軸のテーパ穴と工具ホルダのテーパシャンク部、及びスピンドル軸の端面と工具ホルダの端面の両面当たりとした二面拘束方式によってスピンドル軸に保持される。そして、回転軸を駆動及び停止させるための駆動用エア通路及び停止用エア通路が、スピンドル軸側の各エア供給路の開口端と、上記両端面にて接離される。
特開2003-11036号公報 特開2002-126963号公報
ところで、特許文献1に記載のアタッチメント主軸装置では、ハウジングの外部にエア配管などの追加部品が必要となるため、構造が複雑となり、コストが嵩むと共に、工具交換の際、別途エア配管を手動で交換する必要がある。また、特許文献2に記載の加工装置では、二面拘束方式を採用し、スピンドル軸と工具ホルダの両端面でエア通路を接離するため、より高精度な加工が要求される。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で、気体を供給する給気通路を工作機械用主軸ユニットの回転主軸の回転主軸側給気通路と連通することができるアタッチメント式スピンドル装置、及び工作機械用主軸ユニットを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 工作機械用主軸ユニットの回転主軸に形成されたテーパ状の装着穴に嵌合可能なテーパシャンク部を有するハウジングと、
該ハウジングに対して、静圧気体軸受を介して相対回転自在で、先端に工具を取り付け可能な回転軸と、
を備え、前記ハウジングには、前記静圧気体軸受に気体を供給する軸受用給気経路と、前記回転軸を気体の噴射によって回転駆動するための駆動用給気経路と、が少なくとも形成されるアタッチメント式スピンドル装置であって、
前記軸受用給気経路、及び前記駆動用給気経路の少なくとも一つの給気経路は、前記テーパシャンク部のテーパ面に開口する、アタッチメント式スピンドル装置。
(2)(1)に記載のアタッチメント式スピンドル装置のテーパシャンク部が嵌合可能なテーパ状の装着穴を有する回転主軸を備え、
該回転主軸の前記装着穴には、前記少なくとも一つの給気経路とそれぞれ連通する少なくとも一つの回転主軸側給気経路が開口する、工作機械用主軸ユニット。
本発明のアタッチメント式スピンドル装置、及び工作機械用主軸ユニットによれば、簡単な構成で、気体を供給する給気通路を工作機械用主軸ユニットの回転主軸の回転主軸側給気通路と連通することができる。これにより、工具交換の際、別途エア配管を手動で交換する必要がなくなり、通常の工具と同様に自動交換が可能となる。
本発明の一実施形態に係るアタッチメント式スピンドル装置が取り付けられた工作機械用主軸ユニットの先端側部分を示す断面図である。 図1のII-II線断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るアタッチメント式スピンドル装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明においては、工作機械用主軸ユニットの軸方向において、アタッチメント式スピンドル装置が取り付けられる先端側を前側、該先端側と反対側を後側とも言う。
図1は、本実施形態のアタッチメント式スピンドル装置が取り付けられる工作機械用主軸ユニットの先端側部分を示す断面図である。図1に示すように、工作機械用主軸ユニット1は、図示しない工作機械の主軸ヘッドに支持筒2が固定され、該支持筒2に対して、中空筒状の回転主軸3が複数の軸受4を介して回転可能に支持される。回転主軸3は、図示しないモータを駆動することで、回転駆動される。
回転主軸3の先端部には、テーパ状の装着穴5が形成されており、アタッチメント式スピンドル装置20(以下、単に「アタッチメント装置20」とも言う。)のテーパシャンク部21が嵌合する。また、テーパ状の装着穴5から後方に連続する、回転主軸3の内周面内には、プルスタッド式のクランプ機構6を構成するクランプ軸7が軸方向に移動可能に配置されている。クランプ機構6は、クランプ軸7の先端部に形成された支持孔8に配置されたクランプボール9を備える。そして、クランプ軸7は、図示しない皿ばねの付勢力により後方に引かれることで、クランプボール9がアタッチメント装置20のテーパシャンク部21に螺合固定されたプルスタッド22と係合して、アタッチメント装置20が回転主軸3に装着される。なお、皿ばねの付勢力に抗して、クランプ軸7を前方に移動することで、プルスタッド22の係合が解除され、アタッチメント装置20が回転主軸3から脱着される。
また、回転主軸3の軸方向前端面には、軸方向に突出する一対のドライブキー10が180°位相離れて設けられており、テーパシャンク部21には、テーパ面23の前方の外周面に、一対のドライブキー10に嵌合する一対のキー溝24が形成されている。したがって、アタッチメント装置20が回転主軸3に円周方向に位相合わせされて装着される。なお、ドライブキー10及びキー溝24は、それぞれ1箇所でもよい。
アタッチメント装置20は、テーパシャンク部21、及び該テーパシャンク部21に固定されるハウジング本体30を備えるハウジングHと、該ハウジングHに対して、静圧気体軸受40、41、42を介して相対回転自在で、先端に図示しない工具を取り付け可能な回転軸50と、を主に備える。
ハウジング本体30は、テーパシャンク部21の先端面に設けられた嵌合筒部25の外周面に外嵌され、後端部外周面に設けられた外向きフランジ部31をテーパシャンク部21の先端面とボルト締結することで、テーパシャンク部21に固定されている。
回転軸50は、中空筒状に形成されており、軸方向後端部に外径側に延出する外径フランジ部51を有する。また、回転軸50の軸方向中間部の外周面には、それぞれ複数のタービン翼が全周に亘って形成されるタービン羽根車52が、軸方向に2列で形成されている。なお、タービン羽根車52の列数は、任意に設定される。
静圧気体軸受40、41、42は、エアなどの気体が通過可能な多孔質部材から形成される。静圧気体軸受40、41は、回転軸50のタービン羽根車52が形成される軸方向中間部の前側及び後側に配置され、回転軸50のラジアル荷重を支持する。また、静圧気体軸受42は、軸方向において、静圧気体軸受41との間に、回転軸50の外径側フランジ部51を挟むように配置されており、静圧気体軸受41と共に、回転軸50のスラスト荷重を支持する。なお、本実施形態では、静圧気体軸受40、41は、ハウジング本体30の内周面に嵌まり込み、静圧気体軸受42は、テーパシャンク部21の内周面内に嵌まり込んでいる。
また、静圧気体軸受40、41、42としては、他の形式の静圧気体軸受も適用可能であり、例えば、絞り形式を採用したものとして、自成絞り、オリフィス絞り、表面絞り、スロット絞り、給気溝付き自成絞り、制御絞りなどが挙げられる。
図2に示すように、回転軸50のタービン羽根車52の外側で、ハウジング本体30の内部には、3つの駆動用ノズル32とブレーキ用ノズル33とが取り付けられている。ブレーキ用ノズル33は、タービン羽根車52に対する向きが、駆動用ノズル32と逆向きになるように形成されており、タービン羽根車52に気体を噴射することで、回転軸50にブレーキをかけることができる。
また、テーパシャンク部21及びハウジング本体30には、静圧気体軸受40、41、42に気体を供給する軸受用給気経路35と、回転軸50を気体の噴射によって回転駆動するための駆動用給気経路36と、回転軸50を気体の噴射によって停止させるためのブレーキ用給気経路37と、が形成されている。即ち、駆動用給気経路36から供給された気体は、駆動用ノズル32を介してタービン羽根車52に向けて噴射される。また、ブレーキ用給気経路37から供給された気体は、ブレーキ用ノズル33を介してタービン羽根車52に向けて噴射される。
なお、回転軸50の周囲で、ハウジング本体30の先端面には、軸受用給気経路35の開口を塞ぐように前蓋34が取り付けられている。静圧気体軸受40、41、42から排出された気体は、回転軸50の外周面と前蓋34の内周面との間の隙間から外部に排気できる。また、図示していないが、各部材の結合部分に、O-リングなどの部材を設けることで、気体の漏れを防止してもよい。また、ハウジング本体30のタービン羽根車52の近傍には、駆動用ノズル32とブレーキ用ノズル33から排出された気体を外部に排気する排気経路38が径方向に貫通する貫通孔として形成されている。
軸受用給気経路35、駆動用給気経路36、及びブレーキ用給気経路37は、回転主軸3に形成された回転主軸側軸受用給気経路11、回転主軸側駆動用給気経路12、及び回転主軸側ブレーキ用給気経路13とそれぞれ連通するが、本実施形態では、これらの連通部分が、回転主軸3の装着穴5とテーパシャンク部21のテーパ面23との嵌合面に設けられている。
即ち、軸受用給気経路35、駆動用給気経路36、及びブレーキ用給気経路37は、テーパシャンク部21のテーパ面23に開口しており、回転主軸側軸受用給気経路11、回転主軸側駆動用給気経路12、及び回転主軸側ブレーキ用給気経路13は、回転主軸3の装着穴5に開口している。
また、回転主軸側軸受用給気経路11、回転主軸側駆動用給気経路12、及び回転主軸側ブレーキ用給気経路13は、図示しない回転主軸3の後端部に設置されたロータリジョイントと接続されて、ロータリジョイントを介して気体が供給される。
また、軸受用給気経路35、駆動用給気経路36、及びブレーキ用給気経路37の円周方向位相は、キー溝24の位相と関連付けられてそれぞれ設定されている。このため、所定のドライブキー10とキー溝24が嵌合しない場合には、軸受用給気経路35、駆動用給気経路36、及びブレーキ用給気経路37と、回転主軸側軸受用給気経路11、回転主軸側駆動用給気経路12、及び回転主軸側ブレーキ用給気経路13とが連通しないように設定される。
加えて、テーパシャンク部21のテーパ面22には、4本のOリング60、61、62、63が装着されるOリング溝60a、61a、62a、63aが軸方向に間隔を空けて設けられている。軸受用給気経路35、駆動用給気経路36、及びブレーキ用給気経路37は、隣り合うOリング60、61、62、63間にそれぞれ1つずつ配置されている。これにより、テーパシャンク部21と回転主軸3の装着穴5との嵌合面での気体の漏れ、及び他の給気経路への気体の漏れを防止することができる。
また、軸受用給気経路35、駆動用給気経路36、及びブレーキ用給気経路37上には、テーパシャンク部21のテーパ面22から径方向内側に略円筒状に開口するフィルタ取付溝70a、71a、72aが設けられており、各フィルタ取付溝70a、71a、72aには、気体を清浄化するフィルタ70、71、72が配置される。したがって、フィルタ70、71、72は、アタッチメント装置20が回転主軸3から脱着された際に容易に交換可能であり、また、軸受用給気経路35、駆動用給気経路36、及びブレーキ用給気経路37の上流部に設けられているため、軸受用給気経路35、駆動用給気経路36、及びブレーキ用給気経路37内に異物が侵入するのを防止することができる。
したがって、本実施形態のアタッチメント装置20は、回転主軸3のドライブキー10とテーパシャンク部21のキー溝24とを嵌合させて、クランプ機構6によって、プルスタッド22がクランプボール9と係脱することで、アタッチメント装置20が回転主軸3に着脱可能となる。そして、上記構造によれば、アタッチメント装置20を回転主軸3に装着するだけで、エア配管を別途接続することなく、簡単な構成で、各給気経路35、36、37と、回転主軸3に形成された各回転主軸側給気経路11、12、13とを、テーパシャンク部21のテーパ面22及び回転主軸3の装着穴5を介してそれぞれ連通することができる。
なお、本実施形態のアタッチメント装置20は、研削や切削等の比較的細密な加工を行う場合に使用され、通常の機械加工を行う場合には、回転主軸3の装着穴に大型工具のテーパシャンク部が直接取り付けられる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、本発明のハウジングは、軸受用給気経路と、駆動用給気経路とが少なくとも形成されればよく、本実施形態のブレーキ用給気経路が設けられない構成であってもよい。
また、本実施形態では、軸受用給気経路、駆動用給気経路、及びブレーキ用給気経路の全てが、テーパシャンク部と回転主軸の装着穴との嵌合面で、回転主軸側軸受用給気経路、回転主軸側駆動用給気経路、及び回転主軸側ブレーキ用給気経路とそれぞれ連通する構成としている。しかしながら、本発明は、これに限らず、軸受用給気経路、駆動用給気経路、及びブレーキ用給気経路の少なくとも一つ(好ましくは、2つ)の給気経路が、該嵌合面で、対応する回転主軸側の給気回路と連通すればよい。即ち、例えば、アタッチメント式スピンドル装置側の残りの給気経路が、テーパシャンク部の内部に形成され、プルスタッドを介して、クランプ軸の内部と連通するようにしてもよい。
また、本発明のハウジングは、テーパシャンク部とハウジング本体が単一の部材で形成されてもよい。
さらに、本実施形態では、フィルタは、テーパシャンク部に設けられているが、本発明はこれに限定されず、前記テーパシャンク部から前記静圧気体軸受、または前記気体を噴射するノズルまでの間に設けられればよい。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 工作機械用主軸ユニットの回転主軸のテーパ状の装着穴に嵌合可能なテーパシャンク部を有するハウジングと、
該ハウジングに対して、静圧気体軸受を介して相対回転自在で、先端に工具を取り付け可能な回転軸と、
を備え、前記ハウジングには、前記静圧気体軸受に気体を供給する軸受用給気経路と、前記回転軸を気体の噴射によって回転駆動するための駆動用給気経路と、が少なくとも形成されるアタッチメント式スピンドル装置であって、
前記軸受用給気経路、及び前記駆動用給気経路の少なくとも一つの給気経路は、前記テーパシャンク部のテーパ面に開口する、アタッチメント式スピンドル装置。
この構成によれば、簡単な構成で、気体を供給する給気通路を工作機械用主軸ユニットの回転主軸の回転主軸側給気通路と連通することができる。
(2) 前記テーパシャンク部のテーパ面に開口する前記少なくとも一つの給気経路には、前記テーパシャンク部から前記静圧気体軸受、または前記気体を噴射するノズルまでの間に、前記気体を清浄化するフィルタが設けられる、(1)に記載のアタッチメント式スピンドル装置。
この構成によれば、フィルタによって、給気経路を通過する気体を清浄化することができる。
(3) 前記テーパシャンク部のテーパ面には、前記テーパ面に開口する前記少なくとも一つの給気経路の軸方向両側に、Oリングが配置される、(1)又は(2)に記載のアタッチメント式スピンドル装置。
この構成によれば、テーパシャンク部と回転主軸の装着穴との嵌合面での気体の漏れを防止することができる。
(4) (1)~(3)のいずれかに記載のアタッチメント式スピンドル装置のテーパシャンク部が嵌合可能なテーパ状の装着穴を有する回転主軸を備え、
該回転主軸の前記装着穴には、前記少なくとも一つの給気経路とそれぞれ連通する少なくとも一つの回転主軸側給気経路が開口する、工作機械用主軸ユニット。
この構成によれば、上記アタッチメント式スピンドル装置を適用可能な工作機械用主軸ユニットを提供することができる。
1 工作機械用主軸ユニット
3 回転主軸
5 装着穴
20 アタッチメント式スピンドル装置
21 テーパシャンク部
22 テーパ面
30 ハウジング本体
35 軸受用給気経路
36 駆動用給気経路
37 ブレーキ用給気経路
40、41、42 静圧気体軸受
50 回転軸
60、61、62、63 Oリング
70、71、72 フィルタ
H ハウジング

Claims (2)

  1. 工作機械用主軸ユニットの回転主軸に形成されたテーパ状の装着穴に嵌合可能なテーパシャンク部を有するハウジングと、
    該ハウジングに対して、静圧気体軸受を介して相対回転自在で、先端に工具を取り付け可能な回転軸と、
    を備え、前記ハウジングには、前記静圧気体軸受に気体を供給する軸受用給気経路と、前記回転軸を気体の噴射によって回転駆動するための駆動用給気経路と、が少なくとも形成されるアタッチメント式スピンドル装置であって、
    前記軸受用給気経路及び前記駆動用給気経路は、前記テーパシャンク部のテーパ面に開口
    前記軸受用給気経路及び前記駆動用給気経路には、前記テーパシャンク部のテーパ面から径方向内側に円筒状に開口するフィルタ取付溝に配置された、前記気体を清浄化するフィルタがそれぞれ設けられ、
    前記テーパシャンク部のテーパ面には、前記テーパ面に開口する前記軸受用給気経路及び前記駆動用給気経路の軸方向両側に、Oリングが配置される、
    アタッチメント式スピンドル装置。
  2. 請求項1に記載のアタッチメント式スピンドル装置のテーパシャンク部が嵌合可能なテーパ状の装着穴を有する回転主軸を備え、
    該回転主軸の前記装着穴には、前記軸受用給気経路及び前記駆動用給気経路とそれぞれ連通する回転主軸側軸受用給気経路及び回転主軸側駆動用給気経路が開口する、工作機械用主軸ユニット。
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