JP7275876B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本開示は、空調対象空間に送風する送風空気を暖める室内暖房および発熱機器を冷却する機器冷却を実施可能な冷凍サイクル装置に関する。
従来、圧縮機から吐出された冷媒を車室内へ送風する送風空気と熱交換させて、送風空気を加熱する蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の冷凍サイクル装置は、一般的に、圧縮機を潤滑するためのオイルを冷媒に混入させて、オイルを含む冷媒をサイクル内で循環させている。
特開2010-42698号公報
ところで、特許文献1の冷凍サイクル装置は、サイクル内の余剰冷媒を圧縮機の冷媒吸入側に配置されるアキュムレータに貯えるサイクル構成(いわゆるアキュムレータサイクル)になっている。この種のサイクル構成は、圧縮機へオイルを戻しつつ、圧縮機へのガス冷媒を供給することが可能であるが、蒸発器の冷媒出口側での冷媒の状態が把握できず、蒸発器の冷媒出口側の冷媒状態を過熱状態とすることが困難である。このことは、蒸発器の冷却能力低下を招くことになるため、好ましくない。
これに対して、放熱器の冷媒出口側にサイクル内の余剰冷媒を貯留する受液部を設けるサイクル構成(いわゆるレシーバサイクル)とすることが考えられる。このサイクル構成では、蒸発器の冷媒出口側の冷媒状態を過熱状態とすることが可能となる。一方、レシーバサイクルでは、圧縮機から吐出された冷媒によって室内へ送風する送風空気を加熱する場合、蒸発器における冷媒蒸発圧力が低下する。これによると、蒸発器を通過する冷媒の流量が減少するとともに、蒸発器に流入したオイルの粘性が大きくなるので、蒸発器にオイルが滞留し易くなる。
本開示は、圧縮機の冷媒吸入側にアキュムレータを配置することなく、室内暖房時に圧縮機の冷媒吸入側にオイルを戻すことが可能な冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
空調対象空間に送風する送風空気を暖める室内暖房、および発熱機器(BT)を冷却する機器冷却を実施可能な冷凍サイクル装置であって、
オイルを含む冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11A)と、
室内暖房時に圧縮機から吐出された冷媒を熱源として空調対象空間に送風する送風空気を暖める放熱器(12A)と、
放熱器を通過した冷媒を減圧させる減圧部(13A)と、
機器冷却時に減圧部で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して発熱機器を冷却する冷却器として機能し、室内暖房時に吸熱器として機能する蒸発器(14A)と、
減圧部の絞り開度を制御する開度制御部(80a)と、を備え、
放熱器は、冷媒を凝縮させる凝縮部(121A)、凝縮部を通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部(122B)を有し、
開度制御部は、室内暖房時には、蒸発器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または湿り状態に維持されるように減圧部の絞り開度を制御し、
室内暖房時における減圧部の絞り開度の調整域は、機器冷却時における減圧部の絞り開度の調整域に比べて絞り開度の下限が小さくなっている。
これによると、放熱器にサイクル内の余剰冷媒を貯留する受液部が設けられたサイクル構成になっているので、蒸発器の冷媒出口側の冷媒状態を過熱状態とすることが可能になる。
加えて、室内暖房時には、蒸発器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または湿り状態に維持されるように減圧部の絞り開度が制御される。そして、室内暖房時における減圧部の絞り開度の調整域は、機器冷却時における減圧部の絞り開度の調整域に比べて絞り開度の下限が小さくなっている。これにより、室内暖房時には、圧縮機に対して気液二相状態の冷媒が吸入されるので、冷媒とともにサイクル内のオイルが圧縮機に戻り易くなる。
このように、本観点の冷凍サイクル装置によれば、圧縮機の冷媒吸入側にアキュムレータを配置することなく、室内暖房時に圧縮機の冷媒吸入側にオイルを戻すことができる。
ここで、「飽和状態」とは、液冷媒とガス冷媒とが安定してつり合った平衡状態を意味する。換言すれば、「飽和状態」は、冷媒状態がモリエル線図上で飽和蒸気線上に存在している状態である。また、「湿り状態」とは、冷媒が湿り蒸気となっている状態である。換言すれば、「湿り状態」は、冷媒の乾き度が0%を超えるとともに100%以下となる状態である。さらに、「過熱状態」とは、冷媒が乾き蒸気となっている状態である。換言すれば、「過熱状態」は、冷媒が過熱度を有する状態である。
請求項5に記載の発明は、
空調対象空間に送風する送風空気を暖める室内暖房、発熱機器(BT)を冷却する機器冷却、および空調対象空間に送風する送風空気を冷却する室内冷房を実施可能な冷凍サイクル装置であって、
オイルを含む冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
室内暖房時に圧縮機から吐出された冷媒を熱源として空調対象空間に送風する送風空気を暖める放熱器(12)と、
放熱器を通過した冷媒を減圧させる第1減圧部(13)と、
放熱器の冷媒流れ下流側において第1減圧部と並列に配置される第2減圧部(15)と、
機器冷却時に第1減圧部で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して発熱機器を冷却する冷却器として機能し、室内暖房時に吸熱器として機能する機器用冷却器(14)と、
第2減圧部で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して空調対象空間に送風する送風空気を冷却する空調用冷却器(16)と、
第1減圧部および第2減圧部の絞り開度を制御する開度制御部(80a)と、を備え、
放熱器は、冷媒を凝縮させる凝縮部(121)、凝縮部を通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部(122)を有し、
開度制御部は、室内暖房時には、機器用冷却器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または湿り状態に維持されるように第1減圧部の絞り開度を制御し、
室内暖房時における第1減圧部の絞り開度の調整域は、機器冷却時における第1減圧部の絞り開度の調整域に比べて絞り開度の下限が小さくなっている。
これによると、放熱器にサイクル内の余剰冷媒を貯留する受液部が設けられたサイクル構成になっているので、機器用冷却器および空調用冷却器の冷媒出口側の冷媒状態を過熱状態とすることが可能になる。
加えて、室内暖房時には、機器用冷却器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または湿り状態に維持されるように第1減圧部の絞り開度が制御される。そして、室内暖房時における第1減圧部の絞り開度の調整域は、機器冷却時における第1減圧部の絞り開度の調整域に比べて絞り開度の下限が小さくなっている。これにより、室内暖房時には、圧縮機に対して気液二相状態の冷媒が吸入されるので、冷媒とともにサイクル内のオイルが圧縮機に戻り易くなる。
このように、本観点の冷凍サイクル装置によっても、圧縮機の冷媒吸入側にアキュムレータを配置することなく、室内暖房時に圧縮機の冷媒吸入側にオイルを戻すことができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る冷凍サイクル装置を含む空調装置の概略構成図である。 冷凍サイクル装置に用いられる第1膨張弁を示す模式図である。 第1膨張弁の弁体を示す模式図である。 図2の矢印IVで示す方向における弁体の模式図である。 第1膨張弁における絞り開度と開口面積との関係を説明するための説明図である。 冷凍サイクル装置の制御装置の模式的なブロック図である。 第1実施形態に係る冷凍サイクル装置における運転モード毎の各減圧部の制御態様を説明するための説明図である。 機器冷却時および室内暖房時の冷媒状態を説明するためのモリエル線図である。 機器冷却時および室内暖房時のサイクル内の冷媒の高低圧差を説明するための説明図である。 第2実施形態に係る冷凍サイクル装置における運転モード毎の各減圧部の制御態様を説明するための説明図である。 第3実施形態に係る冷凍サイクル装置を含む機器冷却システムの概略構成図である。 第3実施形態に係る冷凍サイクル装置における運転モード毎の各減圧部の制御態様を説明するための説明図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
以下、本実施形態について図1~図9を参照して説明する。本実施形態は、車室内空間を適切な温度に調整する空調装置1に本開示の冷凍サイクル装置10を適用した例について説明する。本実施形態では、車室内空間が空調対象空間となる。
図1に示す冷凍サイクル装置10は、図示しないが、エンジンおよび走行用の電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両に搭載される。このハイブリッド車両は、車両停車時に外部電源から供給された電力を車両に搭載されたバッテリBTに充電可能なプラグインハイブリッド車両として構成されている。エンジンから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるだけでなく、モータジェネレータで発電するためにも用いられることがある。モータジェネレータで発電された電力および外部電源から供給された電力は、バッテリBTに蓄えられる。バッテリBTに蓄えられた電力は、走行用の電動モータだけでなく、冷凍サイクル装置10の構成機器を含む各種車載機器に供給される。
冷凍サイクル装置10は、車室内へ送風する送風空気を加熱する室内暖房、車室内へ送風する送風空気を冷却する室内冷房、およびバッテリBTを冷却する機器冷却を実施可能になっている。
冷凍サイクル装置10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルで構成されている。冷凍サイクル装置10は、冷媒が循環する冷媒回路100を有する。冷凍サイクル装置10は、冷媒回路100に対して、圧縮機11、放熱器12、第1減圧部13、機器用冷却器14、第2減圧部15、空調用冷却器16、および蒸発圧力調整弁17が設けられている。
冷媒回路100には、冷媒としてフロン系冷媒(例えば、HFO134a)が封入されている。冷媒回路100は、サイクル内の高圧側の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界サイクルになっている。なお、冷媒としては、HFO134a以外のものが採用されていてもよい。
冷媒には、圧縮機11を潤滑するためのオイル(すなわち、冷凍機油)が混入されている。オイルは、例えば、液冷媒に相溶性を有するポリアルキレングリコールオイル(すなわち、PAGオイル)が採用される。オイルは、その一部が冷媒と共にサイクル内を循環する。
冷媒回路100は、冷媒が流れる流路として、第1冷媒流路100a、第2冷媒流路100b、および第3冷媒流路100cを有する。冷媒回路100は、第2冷媒流路100bおよび第3冷媒流路100cは、冷媒が互いに並列に流れるように第1冷媒流路100aに対して接続されている。
第1冷媒流路100aには、圧縮機11および放熱器12が直列に配置されている。具体的には、第1冷媒流路100aには、圧縮機11の下流側に放熱器12が配置されている。
第2冷媒流路100bには、第1減圧部13および機器用冷却器14が直列に配置されている。具体的には、第2冷媒流路100bには、第1減圧部13の下流側に機器用冷却器14が配置されている。
第3冷媒流路100cには、第2減圧部15および空調用冷却器16が直列に配置されている。具体的には、第3冷媒流路100cには、第2減圧部15の下流側に空調用冷却器16が配置されている。
圧縮機11は、冷媒を圧縮して吐出する機器である。圧縮機11は、冷媒を圧縮する圧縮機構部を電動モータによって回転駆動する電動圧縮機で構成されている。圧縮機11は、後述する制御装置80から出力される制御信号によって電動モータの回転数が制御される。
圧縮機11の冷媒吐出側には、放熱器12が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された冷媒を放熱させる。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒(以下、高圧冷媒とも呼ぶ)を、高温熱媒体回路30を循環する高温熱媒体に放熱させる熱交換器である。
放熱器12は、凝縮部121、受液部122、および過冷却部123を有している。凝縮部121は、高圧冷媒を高温熱媒体に放熱させることで凝縮させる。受液部122は、凝縮部121を通過した冷媒の気液を分離するとともに、分離された液冷媒をサイクル内の余剰冷媒として貯留する。過冷却部123は、受液部122に貯留された液冷媒を凝縮部121に流入する前の高温熱媒体に放熱させることで過冷却する。
放熱器12は、圧縮機11から吐出された冷媒を熱源として車室内に送風する送風空気を暖める。具体的には、放熱器12は、高温熱媒体回路30を介して、高圧冷媒を車室内へ送風する送風空気に放熱させて送風空気を加熱することが可能になっている。
ここで、高温熱媒体回路30は、高温熱媒体を循環させる回路である。高温熱媒体は、例えば、エチレングリコールを含む溶液、不凍液等が採用されている。本実施形態では、高温熱媒体が第1熱媒体を構成している。高温熱媒体回路30には、放熱器12、高温側ポンプ31、ヒータコア32、高温側ラジエータ33、高温側流量調整弁34等が配置されている。
高温側ポンプ31は、高温熱媒体回路30において、放熱器12に高温熱媒体を圧送するポンプである。高温側ポンプ31は、制御装置80から出力される制御信号に応じて回転数が制御される電動ポンプで構成されている。
ヒータコア32は、後述する室内空調ユニット60のケーシング61内に配置されている。ヒータコア32は、放熱器12にて加熱された高温熱媒体と後述する空調用冷却器16を通過した送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する熱交換器である。
高温側ラジエータ33は、放熱器12にて加熱された高温熱媒体を外気に放熱させる熱交換器である。高温側ラジエータ33は、車両走行時に走行風が当たる車両の前方側に配置されている。高温側ラジエータ33およびヒータコア32は、高温熱媒体回路30において、高温熱媒体の流れに対して並列的に接続されている。
高温側流量調整弁34は、放熱器12にて加熱された高温熱媒体のうち、ヒータコア32に流入させる高温熱媒体の流量と高温側ラジエータ33に流入させる高温熱媒体の流量との流量比を調整する流量調整弁である。高温側流量調整弁34は、三方弁タイプの流量調整弁で構成されている。高温側流量調整弁34は、高温熱媒体回路30におけるヒータコア32の入口側と高温側ラジエータ33の入口側との接続部に配置されている。
このように構成される高温熱媒体回路30では、高温側流量調整弁34が上述の流量比を調整することで、高圧冷媒の使用態様を変更することができる。高温熱媒体回路30は、例えば、高温側流量調整弁34によりヒータコア32に流入する高温熱媒体の流量を増加させることで、高温熱媒体の熱を送風空気の加熱に使用して車室内を暖房することができる。一方、高温熱媒体回路30は、例えば、高温側流量調整弁34により高温側ラジエータ33に流入する高温熱媒体の流量を増加させることで、高温熱媒体の熱を外気に放出することができる。
放熱器12の冷媒出口側は、第2冷媒流路100bおよび第3冷媒流路100cに分岐している。第2冷媒流路100bには、第1減圧部13および機器用冷却器14が配置されている。第3冷媒流路100cには、第2減圧部15および空調用冷却器16が配置されている。
第1減圧部13は、全閉または全開する第1開閉弁131および第1膨張弁132を有している。第1開閉弁131は、第2冷媒流路100bを開閉する電磁弁である。第1開閉弁131は、後述する制御装置80からの制御信号に応じて開閉動作が制御される。
第1膨張弁132は、第2冷媒流路100bを流れる冷媒を減圧させる膨張弁である。第1膨張弁132は、電気式膨張弁で構成されている。第1膨張弁132は、後述する制御装置80からの制御信号に応じて絞り開度が制御される。第1膨張弁132の詳細については後述する。
機器用冷却器14は、第1減圧部13で減圧された冷媒を、低温熱媒体回路40を循環する低温熱媒体と熱交換させることで、冷媒を蒸発させる蒸発器(すなわち、チラー)である。機器用冷却器14では、冷媒が低温熱媒体から吸熱して蒸発することで、低温熱媒体が冷却される。機器用冷却器14は、冷媒が流通する複数の冷媒流路部および低温熱媒体が流通する複数の熱媒体流路部が交互に積層されて構成される積層型の熱交換器で構成される。
本実施形態の機器用冷却器14は、機器冷却時に第1減圧部13で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用してバッテリBTを冷却する冷却器として機能し、室内暖房時に吸熱器として機能する。具体的には、機器用冷却器14は、機器冷却時に低温熱媒体回路40を介してバッテリBTを冷却し、室内暖房時に外気から吸熱する。
ここで、低温熱媒体回路40は、低温熱媒体を循環させる回路である。低温熱媒体は、例えば、エチレングリコールを含む溶液、不凍液等が採用されている。本実施形態では、低温熱媒体が第2熱媒体を構成している。低温熱媒体回路40には、機器用冷却器14、低温側ポンプ41、バッテリ冷却部42、低温側ラジエータ43、第1流路切替弁44、第2流路切替弁45等が配置されている。
低温側ポンプ41は、低温熱媒体回路40において、機器用冷却器14に低温熱媒体を圧送するポンプである。低温側ポンプ41は、制御装置80から出力される制御信号に応じて回転数が制御される電動ポンプで構成されている。
バッテリ冷却部42は、低温熱媒体回路40を流れる低温熱媒体によってバッテリBTを冷却する。なお、バッテリBTは、図示しないインバータおよび充電器と電気的に接続される。バッテリBTは、インバータに電力を供給するとともに、充電器から供給される電力を蓄える。バッテリBTは、例えば、リチウムイオン電池で構成される。
低温側ラジエータ43は、機器用冷却器14にて冷却された低温熱媒体を外気と熱交換させて外気から吸熱する熱交換器である。低温側ラジエータ43は、高温側ラジエータ33とともに、車両走行時に走行風が当たる車両の前方側に配置されている。低温側ラジエータ43およびバッテリ冷却部42は、低温熱媒体回路40において、低温熱媒体の流れに対して並列的に接続されている。
第1流路切替弁44は、バッテリ冷却部42に低温熱媒体が流れる状態とバッテリ冷却部42に低温熱媒体が流れない状態とを切り替える。第1流路切替弁44は、制御装置80から出力される制御信号に応じて開閉動作が制御される電磁弁で構成されている。
第2流路切替弁45は、低温側ラジエータ43に低温熱媒体が流れる状態と低温側ラジエータ43に低温熱媒体が流れない状態とを切り替える。第2流路切替弁45は、制御装置80から出力される制御信号に応じて開閉動作が制御される電磁弁で構成されている。
このように構成される低温熱媒体回路40では、第1流路切替弁44および第2流路切替弁45によって低温熱媒体の流路を変えることで、低圧冷媒の使用態様を変更することができる。低温熱媒体回路40は、例えば、第1流路切替弁44を開放することで、機器用冷却器14で冷却された低温熱媒体によってバッテリBTを冷却することができる。一方、低温熱媒体回路40は、例えば、第2流路切替弁45を開放して、低温熱媒体を低温側ラジエータ43に流すことで、外気から低温熱媒体に吸熱させることができる。
第2減圧部15は、放熱器12の冷媒流れ下流側において第1減圧部13と並列に配置される。第2減圧部15は、全閉または全開する第2開閉弁151および第2膨張弁152を有している。第2開閉弁151は、第3冷媒流路100cを開閉する電磁弁である。第2開閉弁151は、後述する制御装置80からの制御信号に応じて開閉動作が制御される。
第2膨張弁152は、第3冷媒流路100cを流れる冷媒を減圧させる膨張弁である。第2膨張弁152は、弁体と電動アクチュエータを有する電気式膨張弁で構成されている。弁体は、冷媒流路の開度である絞り開度を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体を変位させて第2膨張弁152の絞り開度を変化させるステッピングモータを含んでいる。第2膨張弁152は、後述する制御装置80からの制御信号に応じて絞り開度が制御される。
空調用冷却器16は、後述する室内空調ユニット60のケーシング61内に配置されている。空調用冷却器16は、第2減圧部15で減圧された冷媒と車室内へ送風する送風空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる熱交換器である。空調用冷却器16は、第2減圧部15で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して送風空気を冷却する。すなわち、空調用冷却器16は、低圧冷媒が送風空気から吸熱して蒸発することで、送風空気が冷却される。
空調用冷却器16の冷媒出口側には、蒸発圧力調整弁17が配置されている。蒸発圧力調整弁17は、空調用冷却器16の冷媒出口側の冷媒の圧力を機器用冷却器14の冷媒出口側の冷媒の圧力よりも高い圧力に維持するための圧力調整弁である。具体的には、蒸発圧力調整弁17は、空調用冷却器16の冷媒出口側の冷媒の温度が、空調用冷却器16の着霜を抑制可能な温度(例えば、1℃)以上に維持されるように構成されている。
このように構成される冷凍サイクル装置10は、蒸発圧力調整弁17の下流側で、第2冷媒流路100bおよび第3冷媒流路100cが第1冷媒流路100aに接続されている。冷凍サイクル装置10は、機器用冷却器14および空調用冷却器16が受液部を介さずに圧縮機11の冷媒吸入側に接続されるサイクル構成(すなわち、アキュムレータレスサイクル)になっている。具体的には、冷凍サイクル装置10は、サイクル内の高圧側に受液部122が設けられ、サイクル内の低圧側に受液部が設けられていないサイクル構成(すなわち、レシーバサイクル)になっている。
次に、室内空調ユニット60について図1を参照して説明する。図1に示す室内空調ユニット60は、車室内へ送風する送風空気を適温に調整するためのものである。室内空調ユニット60は、車室内の最前部のインストルメントパネルの内側に配置されている。室内空調ユニット60は、外殻を形成するケーシング61の内側に、空調用冷却器16およびヒータコア32等が収容されている。
ケーシング61は、車室内へ送風する送風空気の空気流路を形成する通路形成部である。図示しないが、ケーシング61の空気流れ上流側には、ケーシング61の内側へ導入する内気と外気との導入割合を調整する内外気箱が配置されている。
ケーシング61の内側には、内外気箱から導入される空気を車室内へ送風するための送風機62が配置されている。送風機62は、遠心ファンを電動モータで回転させる電動送風機で構成されている。送風機62は、後述する制御装置80から出力される制御信号に応じて回転数が制御される。
ケーシング61の内側には、送風機62の空気流れ下流側に空調用冷却器16が配置されている。ケーシング61の内側には、空調用冷却器16の空気流れ下流側が、温風流路63および冷風流路64に分けられている。温風流路63には、ヒータコア32が配置されている。冷風流路64は、空調用冷却器16を通過した空気をヒータコア32を迂回して流すための流路である。
ケーシング61の内側には、空調用冷却器16とヒータコア32との間にエアミックスドア65が配置されている。エアミックスドア65は、温風流路63を通過させる空気および冷風流路64を通過させる空気の風量割合を調整するものである。ケーシング61の内側には、温風流路63および冷風流路64の下流側に、温風流路63を通過した温風と冷風流路64を通過した冷風とを混合させるエアミックス空間66が形成されている。図示しないが、ケーシング61の内側には、空気流れの最下流部に、エアミックス空間66で所望の温度に調整された送風空気を車室内へ吹き出すための複数の開口穴が形成されている。
続いて、本実施形態の第1膨張弁132について説明する。図2に示すように、第1膨張弁132は、本体部133、シャフト134、弁体135、およびステッピングモータ136を含んで構成されている。
本体部133は、略中空形状の金属ブロック体で構成されている。本体部133には、冷媒流入部133a、減圧室133b、および冷媒流出部133cが形成されている。冷媒流入部133aは、放熱器12から流出した冷媒を流入させる部位である。減圧室133bは、冷媒流入部133aに流入した冷媒を減圧させる部位である。冷媒流出部133cは、減圧室133bで減圧された冷媒を外部に流出させる部位である。
減圧室133bには、弁体135が接離する弁座133dが形成されている。この弁座133dは、冷媒流出部133c側に形成されている。
ステッピングモータ136は、シャフト134を軸方向DRaに変位させるためのアクチュエータである。ステッピングモータ136は、後述の制御装置80からの制御信号(すなわち、パルス信号)に応じて一定角度ずつ出力軸を回転する。なお、軸方向DRaは、シャフト134の軸心CLが延びる方向である。
シャフト134は、金属製の棒状部材で構成されている。シャフト134は、軸方向DRaの一方側が図示しない直動変換機構に連結されている。直動変換機構は、ステッピングモータ136の出力軸の回転運動を直線運動に変換するものである。これにより、シャフト134は、ステッピングモータ136の出力軸が回転すると軸方向DRaに変位する。
シャフト134は、軸方向DRaの他方側の部位が、減圧室133bに位置付けられている。シャフト134は、軸方向DRaの他方側に弁体135が連結されている。本実施形態のシャフト134および弁体135は、一体の成形物として構成されている。なお、シャフト134は弁体135と別体で構成されていてもよい。
弁体135は、円盤状に形成されている。弁体135は、シャフト134が軸方向DRaに変位することで弁座133dに接離する。第1膨張弁132は、弁体135が弁座133dに近づくと絞り開度が小さくなり、弁体135が弁座133dから離れると絞り開度が大きくなる。なお、絞り開度は、弁座133dと弁体135との距離(すなわち、リフト量)である。
図3および図4に示すように、弁体135には、一定の開口面積を有するブリードポート135aが形成されている。ブリードポート135aは、弁体135が弁座133dに接した状態であっても、冷媒流入部133a側から流入した冷媒を減圧して冷媒流出部133c側に流す連通穴である。
このように構成される第1膨張弁132は、ブリードポート135aが設けられているので、図5に示すように、絞り開度が所定開度を下回ると開口面積がブリードポート135aによって規定される。なお、図5に示す開口面積は、減圧室133bにおける冷媒流路の断面積である。
次に、空調装置1の電子制御部の概要について図6を参照して説明する。制御装置80は、プロセッサ、メモリを含むコンピュータとその周辺回路とで構成されている。制御装置80は、メモリに記憶されたプログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器を制御する。なお、制御装置80のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体で構成されている。
制御装置80の出力側には、冷凍サイクル装置10の構成機器を含む各種機器が接続されている。具体的には、制御装置80の出力側には、圧縮機11、第1減圧部13、第2減圧部15、高温側ポンプ31、高温側流量調整弁34、低温側ポンプ41、各流路切替弁44、45、送風機62、エアミックスドア65等が接続されている。
制御装置80の入力側には、空調制御用のセンサ群81が接続されている。このセンサ群81には、内気温センサ、外気温センサ、日射センサ、各冷却器14、16の冷媒出口側の圧力および温度を検出するPTセンサ等が含まれている。
したがって、制御装置80には、センサ群81の検出信号が入力される。これにより、冷凍サイクル装置10は、センサ群81で検出した物理量に対応して、車室内に送風される送風空気の温度等を調整することができ、快適な空調を実現することができる。
制御装置80の入力側には、種々の入力操作に用いられる操作パネル82が接続されている。操作パネル82は、インストルメントパネル付近に配置されており、各種操作スイッチを有している。制御装置80には、操作パネル82に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
操作パネル82の各種操作スイッチには、オートスイッチ、運転モード切替スイッチ、風量設定スイッチ、温度設定スイッチ、吹出モード切替スイッチ等が含まれている。冷凍サイクル装置10は、操作パネル82による入力を受け付けることで、冷凍サイクル装置10の運転モードを適宜切り替えることができる。
ここで、制御装置80は、出力側に接続された各種機器を制御する制御部が一体に構成されている。本実施形態の制御装置80には、第1減圧部13および第2減圧部15の絞り開度を制御する開度制御部80aが含まれている。なお、開度制御部80aは、制御装置80と別体で構成されていてもよい。
以下、空調装置1の作動について説明する。空調装置1は、運転モードとして、室内冷房、機器冷却、および室内暖房を実行可能に構成されている。このため、本実施形態では、室内冷房、機器冷却、および室内暖房毎に空調装置1の作動を説明する。
<室内冷房>
室内冷房は、室内空調ユニット60で所望の温度に冷却した空気を車室内に吹き出す運転モードである。制御装置80は、室内冷房時における各種機器の作動状態をセンサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
例えば、制御装置80は、図7に示すように、第1開閉弁131が全閉となるとともに、第2開閉弁151が全開となり、さらに、第2膨張弁152が可変絞り状態となるように各減圧部13、15を制御する。すなわち、制御装置80は、第1減圧部13を全閉状態に制御し、減圧作用が発揮されるように第2減圧部15を制御する。具体的には、制御装置80は、室内冷房時に、空調用冷却器16の冷媒出口側の冷媒状態が過熱度を有する過熱状態となるように、第2膨張弁152の絞り開度を制御する。
また、制御装置80は、放熱器12を通過する高温熱媒体の全量が高温側ラジエータ33に流れるように、高温側流量調整弁34を制御する。さらに、制御装置80は、温風流路63が全閉され、且つ、冷風流路64が全開される位置にエアミックスドア65を制御する。制御装置80は、その他の機器に対する制御信号について、センサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
室内冷房時に冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が放熱器12の凝縮部121に流入する。凝縮部121に流入した冷媒は、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に対して放熱して凝縮する。これにより、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体が加熱されて昇温する。
凝縮部121で加熱された高温熱媒体は、高温側ラジエータ33に流れ、外気に放熱される。すなわち、室内冷房時は、サイクル内の高圧冷媒が高温熱媒体を介して外気に放熱される。
一方、凝縮部121を通過した冷媒は、受液部122に流入して気液が分離される。そして、受液部122で分離された液冷媒が過冷却部123に流入する。過冷却部123に流入した冷媒は、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に放熱して過冷却される。
過冷却部123から流出した冷媒は、第2減圧部15に流入し、第2減圧部15の第2膨張弁152にて減圧される。なお、室内冷房時は、第1開閉弁131が全閉になっているので、冷媒が第1膨張弁132に流入せず、冷媒の全量が第2減圧部15にて減圧される。
第2減圧部15で減圧された冷媒は、空調用冷却器16に流入する。空調用冷却器16に流入した冷媒は、送風機62からの送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風機62からの送風空気が冷却される。
空調用冷却器16を通過した冷媒は、蒸発圧力調整弁17を介して圧縮機11に吸入される。圧縮機11に吸入された冷媒は、圧縮機11にて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
以上の如く、室内冷房時には、空調用冷却器16にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の冷房を行うことができる。
<機器冷却>
機器冷却は、冷媒の蒸発潜熱を利用して発熱機器であるバッテリBTを冷却する運転モードである。制御装置80は、機器冷却時における各種機器の作動状態をセンサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
例えば、制御装置80は、図7に示すように、第2開閉弁151が全閉となるとともに、第1開閉弁131が全開となり、さらに、第1膨張弁132が可変絞り状態となるように各減圧部13、15を制御する。すなわち、制御装置80は、第2減圧部15を全閉状態に制御し、減圧作用が発揮されるように第1減圧部13を制御する。
制御装置80は、機器冷却時に、機器用冷却器14の冷媒出口側の冷媒状態が過熱度を有する過熱状態となるように、第1膨張弁132の絞り開度を制御する。具体的には、制御装置80は、機器冷却時に、図5に示す調整域Xb内で第1膨張弁132の絞り開度を制御する。機器冷却時における第1膨張弁132の絞り開度の調整域Xbは、図5に示すように、ブリードポート135aによって開口面積が規定されない領域に設定されている。すなわち、機器冷却時における第1膨張弁132の絞り開度の調整域Xbは、調整域Xbの下限Xbminがブリードポート135aによって開口面積が規定される規定位置Xsよりも大きくなる範囲に設定される。
また、制御装置80は、放熱器12を通過する高温熱媒体の全量が高温側ラジエータ33に流れるように、高温側流量調整弁34を制御する。さらに、制御装置80は、機器用冷却器14を通過する低温熱媒体の全量がバッテリ冷却部42に流れるように、第1流路切替弁44が全開状態となり、第2流路切替弁45が全閉状態となるように制御する。制御装置80は、その他の機器に対する制御信号について、センサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
機器冷却時に冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が放熱器12の凝縮部121に流入する。凝縮部121に流入した冷媒は、図8の実線に示すように、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に対して放熱して凝縮する(すなわち、図8の点A1→点A2)。これにより、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体が加熱されて昇温する。
凝縮部121で加熱された高温熱媒体は、高温側ラジエータ33に流れ、外気に放熱される。すなわち、機器冷却時は、サイクル内の高圧冷媒が高温熱媒体を介して外気に放熱される。
一方、凝縮部121を通過した冷媒は、受液部122に流入して気液が分離される。そして、受液部122で分離された液冷媒が過冷却部123に流入する。過冷却部123に流入した冷媒は、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に放熱して過冷却される(すなわち、図8の点A2→点A3)。
過冷却部123から流出した冷媒は、第1減圧部13に流入し、第1減圧部13の第1膨張弁132にて減圧される(すなわち、図8の点A3→点A4)。なお、機器冷却時は、第2開閉弁151が全閉になっているので、冷媒が第2膨張弁152に流入せず、冷媒の全量が第1減圧部13にて減圧される。
第1減圧部13で減圧された冷媒は、機器用冷却器14に流入する。機器用冷却器14に流入した冷媒は、低温熱媒体回路40を流れる低温熱媒体から吸熱して蒸発する(すなわち、図8の点A4→点A5)。これにより、低温熱媒体が冷却される。
機器冷却時には機器用冷却器14の冷媒出口側の冷媒状態が過熱状態となるように第1減圧部13の絞り開度が設定される。このため、機器用冷却器14を通過した冷媒は、過熱度を有するガス冷媒となって圧縮機11に吸入される。圧縮機11に吸入された冷媒は、圧縮機11にて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
ここで、機器用冷却器14で冷却された低温熱媒体は、バッテリ冷却部42に流れ、バッテリBTから吸熱する。これにより、バッテリBTが冷却される。すなわち、機器冷却時は、機器用冷却器14における冷媒の蒸発潜熱を利用してバッテリBTが冷却される。
以上の如く、機器冷却時には、機器用冷却器14にて冷却された低温熱媒体をバッテリ冷却部42に供給することで、バッテリBTの冷却を行うことができる。
ここで、上述の機器冷却では、放熱器12を通過する高温熱媒体の全量が高温側ラジエータ33に流れるように、高温側流量調整弁34が制御されるものを例示したが、これに限定されない。例えば、機器冷却時に車室内の暖房が必要となる場合、放熱器12を通過する高温熱媒体がヒータコア32に流れるように制御装置80によって高温側流量調整弁34が制御されてもよい。これによると、機器冷却と室内暖房を同時に実施することが可能となる。
また、上述の機器冷却では、第2開閉弁151が全閉となるとともに、第1開閉弁131が全開となり、さらに、第1膨張弁132の絞り開度が所定開度となるように各減圧部13、15が制御されるものを例示したが、これに限定されない。例えば、機器冷却時に室内冷房が必要となる場合、第2開閉弁151が全開となるとともに、第2膨張弁152の絞り開度が所定開度となるように制御装置80によって第2減圧部15が制御されてもよい。これによると、機器冷却と室内冷房を同時に実施することが可能となる。
<室内暖房>
室内暖房は、室内空調ユニット60で所望の温度に加熱した空気を車室内に吹き出す運転モードである。制御装置80は、室内暖房時における各種機器の作動状態をセンサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
例えば、制御装置80は、図7に示すように、第2開閉弁151が全閉となるとともに、第1開閉弁131が全開となり、さらに、第1膨張弁132が絞り状態となるように各減圧部13、15を制御する。すなわち、制御装置80は、第2減圧部15を全閉状態に制御し、減圧作用が発揮されるように第1減圧部13を制御する。
制御装置80は、室内暖房時に、機器用冷却器14の冷媒出口側の冷媒状態が飽和状態または湿り状態となるように、第1膨張弁132の絞り開度を制御する。具体的には、制御装置80は、室内暖房時に、図5に示す調整域Xh内で第1膨張弁132の絞り開度を制御する。室内暖房時における第1膨張弁132の絞り開度の調整域Xbは、図5に示すように、ブリードポート135aによって開口面積が規定される領域が含まれるように設定されている。すなわち、室内暖房時における第1膨張弁132の絞り開度の調整域Xhは、機器冷却時の調整域Xbよりも下限が小さくなっている。詳しく説明すると、室内暖房時における第1膨張弁132の絞り開度の調整域Xhは、機器冷却時の調整域Xbと重複しないように、その上限Xhmaxが、機器冷却時の調整域Xbの下限Xbminより小さくなっている。
ここで、制御装置80は、室内暖房時における第1膨張弁132の絞り開度の調整頻度が機器冷却時における第1膨張弁132の絞り開度の調整頻度に比べて小さくなるように第1膨張弁132の絞り開度を制御する。具体的には、制御装置80は、絞り開度が固定された固定絞り状態となるように第1膨張弁132を制御する。本実施形態の制御装置80は、調整域Xhのうち所定の絞り開度(例えば、規定位置Xs前後の絞り開度)に第1膨張弁132を制御する。
また、制御装置80は、放熱器12を通過する高温熱媒体の全量がヒータコア32に流れるように、高温側流量調整弁34を制御する。さらに、制御装置80は、機器用冷却器14を通過する低温熱媒体の全量が低温側ラジエータ43に流れるように、第1流路切替弁44が全閉状態となり、第2流路切替弁45が全開状態となるように制御する。
制御装置80は、冷風流路64が全閉され、且つ、温風流路63が全開される位置にエアミックスドア65を制御する。制御装置80は、その他の機器に対する制御信号について、センサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
室内暖房時に冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が放熱器12の凝縮部121に流入する。凝縮部121に流入した冷媒は、図8の破線で示すように、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に対して放熱して凝縮する(すなわち、図8のB1→B2)。これにより、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体が加熱されて昇温する。
凝縮部121で加熱された高温熱媒体は、ヒータコア32に流れ、車室内へ送風する送風空気に放熱される。すなわち、室内暖房時は、サイクル内の高圧冷媒が高温熱媒体を介して車室内へ送風する送風空気に放熱される。
一方、凝縮部121を通過した冷媒は、受液部122に流入して気液が分離される。そして、受液部122で分離された液冷媒が過冷却部123に流入する。過冷却部123に流入した冷媒は、高温熱媒体回路30を流れる高温熱媒体に放熱して過冷却される(すなわち、図8のB2→B3)。
過冷却部123から流出した冷媒は、第1減圧部13に流入し、第1減圧部13の第1膨張弁132にて減圧される(すなわち、図8のB3→B4)。なお、室内暖房時は、第2開閉弁151が全閉になっているので、冷媒が第2膨張弁152に流入せず、冷媒の全量が第1減圧部13にて減圧される。
ここで、室内暖房時には、機器冷却時に比べて、第1膨張弁132の絞り開度が小さくなる。これにより、室内暖房時には、図9に示すように、高圧冷媒の圧力Pdが機器冷却時に比べて大きくなり(すなわち、Pd1>Pd2)、且つ、低圧冷媒の圧力Psが機器冷却時に比べて小さくなるようにバランスする(すなわち、Ps1<Ps2)。換言すれば、室内暖房時におけるサイクル内の冷媒の高低圧差ΔP1は、機器冷却時におけるサイクル内の冷媒の高低圧差ΔP2よりも大きくなる。
このため、室内暖房時には、第1減圧部13で減圧された冷媒の温度が極低温となることがある。この場合、サイクル内の低圧側を流れる冷媒の密度が小さくなることで、低圧側の熱交換器を通過する冷媒の流量が小さくなる。加えて、サイクル内の低圧側では、冷媒の温度低下によってオイルの粘性が大きくなる。
第1減圧部13で減圧された冷媒は、機器用冷却器14に流入する。機器用冷却器14に流入した冷媒は、低温熱媒体回路40を流れる低温熱媒体から吸熱して蒸発する(すなわち、図8の点B4→点B5)。これにより、低温熱媒体が冷却される。機器用冷却器14で冷却された低温熱媒体は、低温側ラジエータ43に流れ、外気から吸熱する。
室内暖房時には機器用冷却器14の冷媒出口側の冷媒状態が飽和状態または湿り状態となるように第1膨張弁132の絞り開度が設定される。このため、機器用冷却器14を通過した冷媒は、気液二相状態の冷媒となって圧縮機11に吸入される。圧縮機11に吸入された冷媒は、圧縮機11にて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
以上の如く、室内暖房時には、ヒータコア32にて加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の暖房を行うことができる。室内暖房時には、機器用冷却器14内のオイルが液冷媒とともに圧縮機11に戻される。
ここで、上述の室内暖房時には、低温熱媒体がバッテリ冷却部42を通過しないように第1流路切替弁44が全閉状態に制御されるものを例示したが、これに限定されない。室内暖房時には、低温熱媒体がバッテリ冷却部42を通過するように制御装置80によって第1流路切替弁44が全開状態に制御されてもよい。
これによると、低温熱媒体を介してバッテリBTの排熱を機器用冷却器14で冷媒に吸熱させることができる。したがって、バッテリBTの排熱を車室内へ送風する送風空気を加熱するための熱源として用いることができる。
以上説明した冷凍サイクル装置10は、放熱器12に対してサイクル内の余剰冷媒を貯留する受液部122が設けられたサイクル構成になっている。これによると、室内冷房時および機器冷却時に、機器用冷却器14および空調用冷却器16の冷媒出口側の冷媒状態を過熱状態とすることができる。
加えて、室内暖房時には、機器用冷却器14の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または湿り状態に維持されるように第1膨張弁132の絞り開度が制御される。そして、室内暖房時における第1膨張弁132の絞り開度の調整域Xhは、機器冷却時における第1膨張弁132の絞り開度の調整域Xbに比べて絞り開度の下限が小さくなっている。これにより、室内暖房時には、圧縮機11に対して気液二相状態の冷媒が吸入されるので、冷媒とともにサイクル内のオイルが圧縮機に戻り易くなる。
したがって、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、圧縮機11の冷媒吸入側にアキュムレータを配置することなく、室内暖房時に圧縮機11の冷媒吸入側にオイルを戻すことができる。
本実施形態の冷凍サイクル装置10の第2減圧部15は、第2開閉弁151を含んでおり、全閉可能に構成されている。そして、制御装置80は、室内暖房時に、第2減圧部15を全閉状態に制御し、減圧作用が発揮されるように第1減圧部13を制御する。これによると、室内暖房時に、機器用冷却器14にて吸熱した冷媒を、圧縮機11を介して放熱器12に向けて吐出することで、放熱器12を通過する冷媒を熱源として車室内へ送風する送風空気を加熱することができる。
ところで、本実施形態の冷凍サイクル装置10は、室内暖房時に第1膨張弁132の絞り開度が小さくなる。この際、機器用冷却器14の冷媒出口側における冷媒の乾き度が小さくなり過ぎると、圧縮機11へ吸入される液冷媒の量が増加してしまう。この場合、圧縮機11で液圧縮が生ずることで、圧縮機11の圧縮効率が悪化してしまう。
これに対して、冷凍サイクル装置10の第1減圧部13は、第1膨張弁132にブリードポート135aが設けられており、ブリードポート135aを冷媒が通過すると冷媒が減圧される構成になっている。このように、第1減圧部13の第1膨張弁132にブリードポート135aが設けられていれば、室内暖房時にブリードポート135aを介して冷媒が流れることで、機器用冷却器14の冷媒出口側における冷媒の乾き度が小さくなり過ぎることを抑制できる。
本実施形態の制御装置80は、室内暖房時における第1減圧部13の絞り開度の調整頻度が機器冷却時における第1減圧部13の絞り開度の調整頻度に比べて小さくなるように第1減圧部13の絞り開度を制御する。第1減圧部13の絞り開度の調整頻度を小さくすると、機器用冷却器14の冷媒出口側の冷媒状態が安定し易くなる。このため、室内暖房時における第1減圧部13の絞り開度の調整頻度を小さくすることで、室内暖房時における機器用冷却器14の冷媒出口側の冷媒状態を飽和状態または湿り状態に維持することができる。
また、制御装置80は、機器冷却時には、機器用冷却器14の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように第1減圧部13の絞り開度を制御する。機器用冷却器14の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持される構成とすれば、冷媒状態が湿り状態に維持される場合に比べて、機器用冷却器14の冷媒出口側のエンタルピを増加させることができる。このため、機器冷却時に機器用冷却器14の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように第1減圧部13の絞り開度を制御することで、機器用冷却器14を通過する冷媒によって発熱機器を充分に冷却することができる。
冷凍サイクル装置10の放熱器12は、受液部122に貯留された液冷媒を放熱させる過冷却部123を有している。これによると、放熱器12の冷媒出口側における冷媒状態が過冷却状態となり、放熱器12の冷媒出口側のエンタルピが減少する。このため、室内暖房時には、放熱器12を通過する冷媒によって空調対象空間へ送風する送風空気を充分に加熱することができる。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、第1膨張弁132として、弁体135にブリードポート135aが設けられているものを例示したが、これに限定されない。第1膨張弁132は、例えば、本体部133にブリードポート135aが形成されていてもよい。なお、ブリードポート135aは、連通穴に限らず、連通溝で構成されていてもよい。
第1膨張弁132は、ブリードポート135aが設けられているものが採用されていることが望ましいが、これに限定されない。第1膨張弁132は、ブリードポート135aが設けられていないものが採用されていてもよい。
上述の第1実施形態では、室内暖房時における第1膨張弁132の絞り開度の調整域Xhとして、調整域Xhの上限が機器冷却時の調整域Xbの下限より小さくなっているものを例示したが、これに限定されない。室内暖房時における第1膨張弁132の絞り開度の調整域Xhは、例えば、機器冷却時の調整域Xbと一部が重複するように、その上限Xhmaxが、機器冷却時の調整域Xbの下限Xbminより大きくなっていてもよい。
上述の第1実施形態では、室内暖房時に第1膨張弁132を固定絞り状態とする例について説明したが、これに限定されない。制御装置80は、例えば、室内暖房時に、調整域Xh内で第1膨張弁132の絞り開度を可変させるようになっていてもよい。
上述の第1実施形態では、機器冷却時に第1膨張弁132を可変絞り状態とする例について説明したが、これに限定されない。制御装置80は、例えば、機器冷却時に、調整域Xb内で第1膨張弁132の絞り開度を固定させるようになっていてもよい。この場合には、室内暖房時における第1膨張弁132の絞り開度の調整頻度が機器冷却時における第1膨張弁132の絞り開度の調整頻度と同等なり得る。なお、これらの変形例は、以降の実施形態においても適用される。
上述の第1実施形態では、放熱器12として過冷却部123を有するものを例示したが、これに限定されない。放熱器12は、例えば、過冷却部123を有していないもので構成されていてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
本実施形態は、室内暖房時の第1膨張弁132の制御態様が第1実施形態と相違している。図10に示すように、制御装置80は、第2開閉弁151が全閉となるとともに、第1開閉弁131が全開となり、さらに、第1膨張弁132が固定絞り状態となるように各減圧部13、15を制御する。具体的には、制御装置80は、室内暖房持に、調整域Xhのうち最小となる絞り開度(すなわち、最小開度)に第1膨張弁132を制御する。これによると、第1膨張弁132の開口面積がブリードポート135aの開口面積に一致する。なお、ブリードポート135aの開口面積は、例えば、標準的な環境条件にて室内暖房時を実施する際に、機器用冷却器14の冷媒出口側が飽和状態または湿り状態となる面積に設定される。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の冷凍サイクル装置10は、第1実施形態と共通の構成を有している。このため、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
本実施形態の冷凍サイクル装置10は、制御装置80が、室内暖房持に最小開度となるように第1膨張弁132を制御する。これによっても、室内暖房時に、圧縮機11に対して気液二相状態の冷媒が戻り易くなるので、冷媒とともにサイクル内のオイルを圧縮機11に戻すことができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図11を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
本実施形態では、発熱機器であるバッテリBTを冷却するための機器冷却システムに本開示の冷凍サイクル装置10Aを適用した例について説明する。図11に示す冷凍サイクル装置10Aは、機器冷却および室内暖房を実施可能になっている。
冷凍サイクル装置10Aは、圧縮機11A、放熱器12A、減圧部13A、および機器用冷却器14A、および制御装置80を備えている。冷凍サイクル装置10Aの冷媒回路100には、圧縮機11A、放熱器12A、減圧部13A、および機器用冷却器14Aがこの順序で配置されている。なお、圧縮機11Aは、第1実施形態で説明した圧縮機11と同様に構成される。
放熱器12Aは、圧縮機11Aから吐出された冷媒を放熱させる。放熱器12Aは、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を、高温熱媒体回路30Aを流れる高温熱媒体に放熱させる熱交換器である。具体的には、放熱器12Aは、冷媒を凝縮させる凝縮部121A、凝縮部121Aを通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部122Aを有する。凝縮部121Aおよび受液部122Aは、第1実施形態で説明したものと同様に構成される。
ここで、高温熱媒体回路30Aは、第1実施形態と同様に、放熱器12A、高温側ポンプ31A、ヒータコア32A、高温側ラジエータ33A、高温側流量調整弁34A等を備えている。高温側ポンプ31A、ヒータコア32A、高温側ラジエータ33A、高温側流量調整弁34Aは、第1実施形態で説明したものと同様に構成される。
放熱器12の出口側には減圧部13Aが接続されている。減圧部13Aは、放熱器12を通過した冷媒を減圧する膨張弁である。減圧部13Aは、第1実施形態で説明した第1膨張弁132と同様に構成されている。すなわち、減圧部13Aは、弁体135にブリードポート135aが形成された電気式膨張弁で構成される。
機器用冷却器14Aは、減圧部13Aで減圧された冷媒を、低温熱媒体回路40Aを循環する低温熱媒体と熱交換させることで、冷媒を蒸発させる蒸発器である。機器用冷却器14Aは、機器冷却時に減圧部13Aで減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用してバッテリBTを冷却する冷却器として機能し、室内暖房時に吸熱器として機能する。
ここで、低温熱媒体回路40Aは、第1実施形態と同様に、機器用冷却器14A、低温側ポンプ41A、バッテリ冷却部42A、低温側ラジエータ43A、第1流路切替弁44A、第2流路切替弁45A等を備えている。低温側ポンプ41A、バッテリ冷却部42A、低温側ラジエータ43A、第1流路切替弁44A、および第2流路切替弁45Aは、第1実施形態で説明したものと同様に構成される。
以下、機器冷却システムの作動について説明する。機器冷却システムは、運転モードとして、機器冷却および室内暖房を実行可能に構成されている。
<機器冷却>
機器冷却は、冷媒の蒸発潜熱を利用して発熱機器であるバッテリBTを冷却する運転モードである。制御装置80は、機器冷却時における各種機器の作動状態をセンサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
例えば、制御装置80は、図12に示すように、減圧部13Aが可変絞り状態となるように制御する。すなわち、制御装置80は、機器冷却時に、機器用冷却器14Aの冷媒出口側の冷媒状態が過熱度を有する過熱状態となるように、減圧部13Aの絞り開度を制御する。具体的には、制御装置80は、機器冷却時に、図5に示す調整域Xb内で減圧部13Aの絞り開度を制御する。すなわち、制御装置80は、機器冷却時に、第1実施形態の第1膨張弁132と同様に、減圧部13Aの絞り開度を制御する。
これにより、機器冷却時に冷凍サイクル装置10Aでは、圧縮機11Aから吐出された高圧冷媒が放熱器12Aの凝縮部121Aに流入する。凝縮部121Aに流入した冷媒は、高温熱媒体回路30Aを流れる高温熱媒体に対して放熱して凝縮する。
凝縮部121Aを通過した冷媒は、受液部122Aに流入して気液が分離される。そして、受液部122Aで分離された液冷媒が、減圧部13Aに流入し、減圧部13Aにて減圧される。
減圧部13Aで減圧された冷媒は、機器用冷却器14Aに流入する。機器用冷却器14Aに流入した冷媒は、低温熱媒体回路40Aを流れる低温熱媒体から吸熱して蒸発する。これにより、低温熱媒体が冷却される。
機器冷却時には機器用冷却器14Aの冷媒出口側の冷媒状態が過熱状態となるように減圧部13Aの絞り開度が設定される。このため、機器用冷却器14Aを通過した冷媒は、過熱度を有するガス冷媒となって圧縮機11Aに吸入される。圧縮機11Aに吸入された冷媒は、圧縮機11Aにて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
ここで、機器用冷却器14Aで冷却された低温熱媒体は、バッテリ冷却部42Aに流れ、バッテリBTから吸熱する。これにより、バッテリBTが冷却される。すなわち、機器冷却時は、機器用冷却器14Aにおける冷媒の蒸発潜熱を利用してバッテリBTが冷却される。
以上の如く、機器冷却時には、機器用冷却器14Aにて冷却された低温熱媒体をバッテリ冷却部42Aに供給することで、バッテリBTの冷却を行うことができる。
<室内暖房>
室内暖房は、室内空調ユニット60Aで所望の温度に加熱した空気を車室内に吹き出す運転モードである。制御装置80は、室内暖房時における各種機器の作動状態をセンサ群81の検出信号および操作パネル82の操作信号を用いて適宜決定する。
例えば、制御装置80は、図12に示すように、減圧部13Aが固定絞り状態となるように制御する。すなわち、制御装置80は、機器冷却時に、機器用冷却器14Aの冷媒出口側の冷媒状態が飽和状態または湿り状態となるように、減圧部13Aの絞り開度を制御する。具体的には、制御装置80は、室内暖房時に、図5に示す調整域Xh内で減圧部13Aの絞り開度を制御する。すなわち、制御装置80は、室内暖房時に、第1実施形態の第1膨張弁132と同様に、減圧部13Aの絞り開度を制御する。
これにより、室内暖房時に冷凍サイクル装置10Aでは、圧縮機11Aから吐出された高圧冷媒が放熱器12Aの凝縮部121Aに流入する。凝縮部121Aに流入した冷媒は、高温熱媒体回路30Aを流れる高温熱媒体に対して放熱して凝縮する。これにより、高温熱媒体回路30Aを流れる高温熱媒体が加熱されて昇温する。
凝縮部121Aで加熱された高温熱媒体は、ヒータコア32Aに流れ、車室内へ送風する送風空気に放熱される。すなわち、室内暖房時は、サイクル内の高圧冷媒が高温熱媒体を介して車室内へ送風する送風空気に放熱される。
一方、凝縮部121Aを通過した冷媒は、受液部122Aに流入して気液が分離される。そして、受液部122Aで分離された液冷媒が減圧部13Aに流入し、減圧部13Aにて減圧される。
減圧部13Aで減圧された冷媒は、機器用冷却器14Aに流入する。機器用冷却器14Aに流入した冷媒は、低温熱媒体回路40Aを流れる低温熱媒体から吸熱して蒸発する。これにより、低温熱媒体が冷却される。機器用冷却器14Aで冷却された低温熱媒体は、低温側ラジエータ43Aに流れ、外気から吸熱する。
ここで、室内暖房時には機器用冷却器14Aの冷媒出口側の冷媒状態が飽和状態または湿り状態となるように減圧部13Aの絞り開度が設定される。このため、機器用冷却器14Aを通過した冷媒は、気液二相状態の冷媒となって圧縮機11Aに吸入される。圧縮機11Aに吸入された冷媒は、圧縮機11Aにて再び高圧冷媒となるまで圧縮される。
以上の如く、室内暖房時には、ヒータコア32Aにて加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことによって、車室内の暖房を行うことができる。室内暖房時には、機器用冷却器14A内のオイルが液冷媒とともに圧縮機11に戻される。
本実施形態の冷凍サイクル装置10Aは、第1実施形態と共通の構成を有している。このため、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
具体的には、冷凍サイクル装置10Aは、放熱器12Aにサイクル内の余剰冷媒を貯留する受液部122Aが設けられたサイクル構成になっているので、機器冷却時に機器用冷却器14Aの冷媒出口側の冷媒状態を過熱状態とすることが可能になる。
加えて、室内暖房時には、機器用冷却器14Aの冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または湿り状態に維持されるように減圧部13Aの絞り開度が制御される。そして、室内暖房時における減圧部13Aの絞り開度の調整域Xhは、機器冷却時における減圧部13Aの絞り開度の調整域Xbに比べて絞り開度の下限が小さくなっている。これにより、室内暖房時には、圧縮機11Aに対して気液二相状態の冷媒が吸入されるので、冷媒とともにサイクル内のオイルが圧縮機11Aに戻り易くなる。
また、減圧部13Aは、一定の開口面積を有するブリードポート135aが設けられ、当該ブリードポート135aを冷媒が通過すると冷媒が減圧される構成になっている。これによれば、室内暖房時に減圧部13Aの絞り開度が小さくなったとしても、ブリードポート135aを介して冷媒が流れることで、機器用冷却器14Aの冷媒出口側における冷媒の乾き度が小さくなり過ぎることを抑制できる。
さらに、制御装置80は、室内暖房時における減圧部13Aの絞り開度の調整頻度が機器冷却時における減圧部13Aの絞り開度の調整頻度に比べて小さくなるように減圧部13Aの絞り開度を制御する。これによると、室内暖房時における機器用冷却器14Aの冷媒出口側の冷媒状態を飽和状態または湿り状態に維持することが可能となる。
制御装置80は、機器冷却時には、機器用冷却器14Aの冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように減圧部13Aの絞り開度を制御する。これによれば、冷媒状態が湿り状態に維持されるように減圧部13Aの絞り開度を制御する場合に比べて、機器用冷却器14Aの冷媒出口側のエンタルピを増加させることができる。このため、機器冷却時に機器用冷却器14Aの冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように減圧部13Aの絞り開度を制御することで、機器用冷却器14Aを通過する冷媒によってバッテリBTを充分に冷却することができる。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10として、室内冷房、機器冷却、および室内暖房を実施可能なものを例示したが、これに限定されない。冷凍サイクル装置10は、例えば、車室内の除湿暖房を実施可能に構成されていてもよい。
上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10として、室内冷房、機器冷却、および室内暖房を実施可能なものを例示したが、これに限定されない。冷凍サイクル装置10は、例えば、室内冷房および室内暖房だけを実施可能に構成されていてもよい。また、冷凍サイクル装置10は、車室内の除湿暖房を実施可能に構成されていてもよい。
上述の実施形態で説明した冷凍サイクル装置10の各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。圧縮機11は、例えば、内燃機関により駆動されるものが採用されていてもよい。放熱器12は、例えば、受液部122や過冷却部123が省略され、凝縮部121だけを備える構成になっていてよい。第2膨張弁152は、例えば、機械式膨張弁や固定絞りで構成されていてもよい。第1開閉弁131および第2開閉弁151は、例えば、第1膨張弁132および第2膨張弁152の下流側に配置されていてもよい。第1開閉弁131および第2開閉弁151は、例えば、第1膨張弁132および第2膨張弁152と並列になるように配置されていてもよい。また、第1減圧部13および第2減圧部15は、全閉機能を有する電気式膨張弁で構成されていてもよい。蒸発圧力調整弁17は、例えば、第3冷媒流路100cではなく第2冷媒流路100bに配置されていてもよい。
上述の実施形態では、高温熱媒体および低温熱媒体として不凍液等の液体が用いられる例を説明したが、これに限定されない。高温熱媒体および低温熱媒体は、熱伝導性に優れていれば気体が採用されていてもよい。
上述の実施形態で説明した高温熱媒体回路30の各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。高温熱媒体回路30は、例えば、ヒータコア32および高温側ラジエータ33それぞれに対応して設けられた2つの流量調整弁によってヒータコア32および高温側ラジエータ33に流れる冷媒の流量比が調整される構成になっていてもよい。
上述の実施形態で説明した低温熱媒体回路40の各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。低温熱媒体回路40は、三方弁タイプの流路切替弁によって流路切替がなされる構成になっていてもよい。
また、低温熱媒体回路40を流れる低温熱媒体で冷却する機器は、作動時に発熱を伴う発熱機器であれば、バッテリBT以外の機器であってもよい。
車載される発熱機器は、バッテリBT以外に走行用の駆動力を出力する電動モータ、電動モータに供給させる電力の周波数を変換するインバータ、バッテリBTに電力を充電するための充電器等がある。
このため、低温熱媒体回路40は、バッテリBTだけでなく、電動モータ、インバータ、充電器等を冷却するように構成されていてもよい。このような構成は、各種の発熱機器を低温熱媒体の流れに対して並列的あるいは直列的に接続することで実現可能である。
また、上述の実施形態では、高温側ラジエータ33および低温側ラジエータ43の関係について言及していないが、高温側ラジエータ33および低温側ラジエータ43は、互いに独立した構成に限定されない。例えば、高温側ラジエータ33および低温側ラジエータ43は、高温熱媒体の有する熱と低温熱媒体の有する熱が互いに熱移動可能に一体化されていてもよい。具体的には、高温側ラジエータ33および低温側ラジエータ43の一部の構成部品(例えば、熱交換フィン)を共通化することによって、熱媒体同士が熱移動可能に一体化されていてもよい。
上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10をハイブリッド車両の空調装置1や機器冷却システムに適用したものを例示したが、これに限定されない。冷凍サイクル装置10は、例えば、電動車両の空調装置1や機器冷却システムに適用可能である。また、冷凍サイクル装置10は、車両のような移動体ではなく、定置型の装置やシステムにも適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
上述の実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば車外の湿度)を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。
本開示に記載の制御装置及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御装置及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御装置及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移実態的記憶媒体に記憶されていてもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、冷凍サイクル装置は、圧縮機、放熱器、減圧部、蒸発器、および減圧部の絞り開度を制御する開度制御部を備える。放熱器は、冷媒を凝縮させる凝縮部、凝縮部を通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部を有している。開度制御部は、室内暖房時には、蒸発器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または湿り状態に維持されるように減圧部の絞り開度を制御する。室内暖房時における減圧部の絞り開度の調整域は、機器冷却時における減圧部の絞り開度の調整域に比べて絞り開度の下限が小さくなっている。
第2の観点によれば、減圧部は、一定の開口面積を有するブリードポートが設けられ、ブリードポートを冷媒が通過すると冷媒が減圧される構成になっている。
室内暖房時に、蒸発器の冷媒出口側における冷媒の乾き度が小さくなり過ぎると、圧縮機へ吸入される液冷媒の量が増加してしまう。この場合、圧縮機で液圧縮が生ずることで、圧縮機の圧縮効率が悪化してしまう。
これに対して、減圧部にブリードポートが設けられていれば、室内暖房時に減圧部の絞り開度が小さくなったとしても、ブリードポートを介して冷媒が流れることで、蒸発器の冷媒出口側における冷媒の乾き度が小さくなり過ぎることを抑制できる。
第3の観点によれば、開度制御部は、室内暖房時における減圧部の絞り開度の調整頻度が機器冷却時における減圧部の絞り開度の調整頻度に比べて小さくなるように減圧部の絞り開度を制御する。減圧部の絞り開度の調整頻度を小さくすると、蒸発器の冷媒出口側の冷媒状態が安定し易くなる。このため、室内暖房時における減圧部の絞り開度の調整頻度を小さくすることで、室内暖房時における蒸発器の冷媒出口側の冷媒状態を飽和状態または湿り状態に維持することが可能となる。
第4の観点によれば、開度制御部は、機器冷却時には、蒸発器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように減圧部の絞り開度を制御する。
蒸発器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように減圧部の絞り開度を制御すれば、冷媒状態が湿り状態に維持されるように減圧部の絞り開度を制御する場合に比べて、蒸発器の冷媒出口側のエンタルピを増加させることができる。このため、機器冷却時に蒸発器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように減圧部の絞り開度を制御することで、蒸発器を通過する冷媒によって発熱機器を充分に冷却することができる。
第5の観点によれば、冷凍サイクル装置は、圧縮機、放熱器、第1減圧部、第2減圧部、機器用冷却器、空調用冷却器、および第1減圧部および第2減圧部の絞り開度を制御する開度制御部を備える。放熱器は、冷媒を凝縮させる凝縮部、凝縮部を通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部を有する。開度制御部は、室内暖房時には、機器用冷却器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または湿り状態に維持されるように第1減圧部の絞り開度を制御する。室内暖房時における第1減圧部の絞り開度の調整域は、機器冷却時における第1減圧部の絞り開度の調整域に比べて絞り開度の下限が小さくなっている。
第6の観点によれば、第2減圧部は、全閉可能に構成されている。開度制御部は、室内暖房時には、第2減圧部を全閉状態に制御し、減圧作用が発揮されるように第1減圧部を制御する。これによると、機器用冷却器にて吸熱した冷媒を、圧縮機を介して放熱器に向けて吐出することで、放熱器を通過する冷媒を熱源として空調対象空間へ送風する送風空気を加熱することができる。
第7の観点によれば、第1減圧部は、一定の開口面積を有するブリードポートが設けられ、ブリードポートを冷媒が通過すると冷媒が減圧される構成になっている。このように、第1減圧部にブリードポートが設けられていれば、室内暖房時にブリードポートを介して冷媒が流れることで、機器用冷却器の冷媒出口側における冷媒の乾き度が小さくなり過ぎることを抑制できる。
第8の観点によれば、開度制御部は、室内暖房時における第1減圧部の絞り開度の調整頻度が機器冷却時における第1減圧部の絞り開度の調整頻度に比べて小さくなるように第1減圧部の絞り開度を制御する。
第1減圧部の絞り開度の調整頻度を小さくすると、機器用冷却器の冷媒出口側の冷媒状態が安定し易くなる。このため、室内暖房時における第1減圧部の絞り開度の調整頻度を小さくすることで、室内暖房時における機器用冷却器の冷媒出口側の冷媒状態を飽和状態または湿り状態に維持することが可能となる。
第9の観点によれば、開度制御部は、機器冷却時には、機器用冷却器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように第1減圧部の絞り開度を制御する。
機器用冷却器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように構成とすれば、冷媒状態が湿り状態に維持される場合に比べて、機器用冷却器の冷媒出口側のエンタルピを増加させることができる。このため、機器冷却時に機器用冷却器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように第1減圧部の絞り開度を制御することで、機器用冷却器を通過する冷媒によって発熱機器を充分に冷却することができる。
第10の観点によれば、放熱器は、受液部に貯留された液冷媒を放熱させる過冷却部を有している。これによると、放熱器の冷媒出口側における冷媒状態が過冷却状態となり、放熱器の冷媒出口側のエンタルピが減少する。このため、室内暖房時には、放熱器を通過する冷媒によって空調対象空間へ送風する送風空気を充分に加熱することができる。なお、「過冷却状態」とは、冷媒が過冷却液となっている状態である。
11 圧縮機
12 放熱器
121 凝縮部
122 受液部
13 第1減圧部
14 機器用冷却器
15 第2減圧部
16 空調用冷却器
80 制御装置
80a 開度制御部

Claims (10)

  1. 空調対象空間に送風する送風空気を暖める室内暖房、および発熱機器(BT)を冷却する機器冷却を実施可能な冷凍サイクル装置であって、
    オイルを含む冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11A)と、
    前記室内暖房時に前記圧縮機から吐出された冷媒を熱源として前記送風空気を暖める放熱器(12A)と、
    前記放熱器を通過した冷媒を減圧させる減圧部(13A)と、
    前記機器冷却時に前記減圧部で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して前記発熱機器を冷却する冷却器として機能し、前記室内暖房時に吸熱器として機能する蒸発器(14A)と、
    前記減圧部の絞り開度を制御する開度制御部(80a)と、を備え、
    前記放熱器は、冷媒を凝縮させる凝縮部(121A)、前記凝縮部を通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部(122B)を有し、
    前記開度制御部は、前記室内暖房時には、前記蒸発器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または湿り状態に維持されるように前記減圧部の絞り開度を制御し、
    前記室内暖房時における前記減圧部の絞り開度の調整域は、前記機器冷却時における前記調整域に比べて絞り開度の下限が小さくなっている、冷凍サイクル装置。
  2. 前記減圧部は、一定の開口面積を有するブリードポート(135a)が設けられ、前記ブリードポートを冷媒が通過すると冷媒が減圧される構成になっている、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記開度制御部は、前記室内暖房時における前記減圧部の絞り開度の調整頻度が前記機器冷却時における前記調整頻度に比べて小さくなるように前記減圧部の絞り開度を制御する、請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記開度制御部は、前記機器冷却時には、前記蒸発器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように前記減圧部の絞り開度を制御する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  5. 空調対象空間に送風する送風空気を暖める室内暖房、発熱機器(BT)を冷却する機器冷却、および前記送風空気を冷却する室内冷房を実施可能な冷凍サイクル装置であって、
    オイルを含む冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記室内暖房時に前記圧縮機から吐出された冷媒を熱源として前記空調対象空間に送風する送風空気を暖める放熱器(12)と、
    前記放熱器を通過した冷媒を減圧させる第1減圧部(13)と、
    前記放熱器の冷媒流れ下流側において前記第1減圧部と並列に配置される第2減圧部(15)と、
    前記機器冷却時に前記第1減圧部で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して前記発熱機器を冷却する冷却器として機能し、前記室内暖房時に吸熱器として機能する機器用冷却器(14)と、
    前記第2減圧部で減圧された冷媒の蒸発潜熱を利用して前記送風空気を冷却する空調用冷却器(16)と、
    前記第1減圧部および前記第2減圧部の絞り開度を制御する開度制御部(80a)と、を備え、
    前記放熱器は、冷媒を凝縮させる凝縮部(121)、前記凝縮部を通過した冷媒の気液を分離するとともに、サイクル内で余剰となる液冷媒を貯留する受液部(122)を有し、
    前記開度制御部は、前記室内暖房時には、前記機器用冷却器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または湿り状態に維持されるように前記第1減圧部の絞り開度を制御し、
    前記室内暖房時における前記第1減圧部の絞り開度の調整域は、前記機器冷却時における前記調整域に比べて絞り開度の下限が小さくなっている、冷凍サイクル装置。
  6. 前記第2減圧部は、全閉可能に構成されており、
    前記開度制御部は、前記室内暖房時には、前記第2減圧部を全閉状態に制御し、減圧作用が発揮されるように前記第1減圧部を制御する、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記第1減圧部は、一定の開口面積を有するブリードポート(135a)が設けられ、前記ブリードポートを冷媒が通過すると冷媒が減圧される構成になっている、請求項5または6に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記開度制御部は、前記室内暖房時における前記第1減圧部の絞り開度の調整頻度が前記機器冷却時における前記調整頻度に比べて小さくなるように前記第1減圧部の絞り開度を制御する、請求項5ないし7のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記開度制御部は、前記機器冷却時には、前記機器用冷却器の冷媒出口側における冷媒状態が飽和状態または過熱状態に維持されるように前記第1減圧部の絞り開度を制御する、請求項5ないし8のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  10. 前記放熱器は、前記受液部に貯留された冷媒を放熱させる過冷却部(123)を有している、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
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