JP7275440B2 - ランスパイプ - Google Patents
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Description
ランスパイプは、例えば、特許文献1~3に記載されている。
特許文献3のランスパイプでは、振動などによって金属パイプとの接続部にて、吐出孔パイプが折損する可能性があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、溶湯処理剤が吐出する吐出孔の近傍での損傷が抑えられたランスパイプを提供することを課題とする。
実施形態のランスパイプ1は、先端(図の下方側の端部)を金属溶湯に浸漬して、溶湯処理剤を吹き込むことに用いられる。本形態のランスパイプ1は、例えば、溶銑予備処理に用いられる。
本形態のランスパイプ1は、図1~図2に示す構成を有する。図1は、第1形態のランスパイプ1の構成を示す軸方向断面図である。図2は、吐出孔パイプ3の構成を示す軸方向断面図である。本形態のランスパイプ1は、芯金2、吐出孔パイプ3、耐火物4を有する。
金属管は、その材質が限定されないが、耐熱性金属(例えば、ステンレス鋼などの耐熱鋼)を用いることが好ましい。また、金属管の外径,内径(及び金属管の厚さ)は任意に設定できる。
また、芯金2に接続する軸方向での位置についても限定されず、軸方向での位置が同じであっても、異なっていても、いずれでもよい。本形態では、周方向で隣接する吐出孔パイプ3は、軸方向での位置が同じ位置で設けられている。
吐出孔パイプ3は、吐出孔30、パイプ接続部31、金属パイプ部32、金属パイプ基部33、金属パイプ先端部34、セラミックスパイプ35、耐火物レンガ36を有する。
吐出孔パイプ3の吐出孔30は、ランスパイプ1の外周面に開口する。吐出孔30は、セラミックスパイプ35の先端により形成される。
パイプ接続部31は、その材質が限定されないが、芯金2の金属管と同じ材質で形成することができる。すなわち、耐熱性金属(例えば、ステンレス鋼などの耐熱鋼)を用いることができる。
金属パイプ基部33は、パイプ接続部31の先端部に、同軸状態(軸方向が一致する状態)で一体に設けられている、内径が一定のパイプ状の部材である。金属パイプ基部33は、その内径が、パイプ接続部31の先端部と同じ径となっている。
金属パイプ先端部34は、金属パイプ基部33の先端部に、同軸状態(軸方向が一致する状態)で一体に設けられている、内径が一定のパイプ状の部材である。金属パイプ先端部34は、その内径が、金属パイプ基部33の内径よりも大きな径となっている。
金属パイプ先端部34は、その内部に、セラミックスパイプ35を嵌装する。金属パイプ先端部34は、その内部にセラミックスパイプ35を嵌装可能な内周形状を有する。すなわち、金属パイプ基部33と金属パイプ先端部34の内径は、図2に示すように、階段状に変化するように形成されている。本形態では、金属パイプ先端部34の内周面と、セラミックスパイプ35の外周面との間に、無機接着剤よりなる接着剤層(図示せず)が形成され、セラミックスパイプ35が金属パイプ先端部34に固定されている。なお、金属パイプ先端部34の内径は、セラミックスパイプ35をその内部に固定できる径であればよい。
金属パイプ先端部34は、その長さが、セラミックスパイプ35と同じ長さとなっている。すなわち、金属パイプ部32の金属パイプ先端部34の先端は、セラミックスパイプ35の先端と一致し、先端面が同一平面上に位置している。
金属パイプ部32(金属パイプ基部33と金属パイプ先端部34のそれぞれ)の外径は、限定されない。本形態では、金属パイプ部32(金属パイプ基部33と金属パイプ先端部34のそれぞれ)の外径は、パイプ接続部31の先端部と同じ外径となっている。すなわち、金属パイプ先端部34は、金属パイプ基部33よりも薄肉で形成されている。
セラミックスパイプ35及び金属パイプ部32(金属パイプ基部33と金属パイプ先端部34)のパイプの厚さ(内径と外径の差)は限定されない。
耐火物レンガ36は、外径側が縮径した円錐台形状の外形を有しているが、基端側及び先端側での厚さは限定されない。従来のランスパイプで用いられているものと同等の外周形状とすることができる。
本形態のランスパイプ1は、溶湯処理剤を金属溶湯に供給する処理剤流路20を形成する芯金2と、芯金2に連通して設けられ、芯金2を搬送された溶湯処理剤を金属溶湯に吐出する吐出孔30を形成する筒状の吐出孔パイプ3と、芯金2及び吐出孔パイプ3の外周面を被覆する耐火物4と、を有する。そして、吐出孔パイプ3は、その内部に溶湯処理剤が流れるセラミックスパイプ35を有する。
また、吐出孔30がセラミックスパイプ35により形成されていることで、高い耐熱性を発揮する。つまり、ランスパイプ1を、より高温の金属溶湯に浸漬しても、吐出孔30近傍の損傷が抑えられる。
さらに、耐火物レンガ36を有することで、吐出孔パイプ3の剛性がより向上し、吐出孔パイプ3が損傷することが抑えられている。この結果、吐出孔パイプ3(及びランスパイプ1)が損傷することが抑えられる。
本形態は、吐出孔パイプ3の構成が異なること以外は、第1形態と同様な構成のランスパイプ1である。本形態において、特に言及しない構成は、第1形態と同様である。本形態のランスパイプ1の吐出孔パイプ3の構成を、図3に示す。
吐出孔パイプ3は、吐出孔30、パイプ接続部31、セラミックスパイプ35、金属パイプ部32、耐火物レンガ36を有する。
セラミックスパイプ35は、その軸方向の長さが、金属パイプ部32(金属パイプ基部33及び金属パイプ先端部34)の全長と同じ長さで形成されている。
金属パイプ部32(金属パイプ基部33及び金属パイプ先端部34)は、その内周面が、セラミックスパイプ35の外周面に対応した形状、すなわち、金属パイプ部32(金属パイプ基部33及び金属パイプ先端部34)の基端側から先端側にかけて、徐々に縮径する内周面を有している。
本形態のランスパイプ1は、吐出孔パイプ3の構成が異なること以外は、第1形態と同様な構成であり、同様な効果を発揮する。
本形態のランスパイプ1によると、セラミックスパイプ35の外周形状及び金属パイプ部32(金属パイプ基部33及び金属パイプ先端部34)の内周形状が、吐出孔パイプ3の基端側から先端側にかけて、徐々に縮径する形状に形成されている。この構成によると、セラミックスパイプ35が金属パイプ部32(金属パイプ先端部34)から外径側に抜けることが抑えられる。
上記の各形態では、芯金2が金属管(単管)により形成されているが、この形態に限定されるものではない。二重管等の複数の管から形成されていてもよい。
金属管や吐出孔パイプ3のパイプ接続部31の接続・固定は、その方法が限定されない。例えば、溶着や溶接等の金属の溶融を伴う方法、ネジ止めやリベット止め、カシメ等の方法、を挙げることができる。
これらの形態においても、上記の各形態と同様な効果を発揮できる。
実施例として、上記の第1形態のランスパイプ1を製造した。実施例のランスパイプ1は、セラミックスパイプ35が99%アルミナセラミックス、金属パイプ部32が耐熱ステンレス鋼、耐火物レンガ36がマグネシア-カーボン質レンガ、耐火物4がアルミナ-カーボン質キャスタブル、よりなる。吐出孔30の内径が21.4mmで形成されている。
実施例及び比較例のランスパイプの評価として、金属溶湯(溶銑)に粉体(平均粒径が約1mmの酸化鉄粉末)の溶湯処理剤を20分間吹き出す処理を、30回繰り返した。
評価試験後の、吐出孔30の内径を測定したところ、実施例では21.4mmであり、比較例では最大24.2mmであった。
すなわち、実施例では、吐出孔30の損傷が生じていなかった。これに対し、比較例では2.8mmと大きな量の摩耗が確認できた。この比較例の摩耗は、内周面の全面に均一に起こっていると仮定すると、{金属パイプの厚み(6.4mm)}-{金属パイプの摩耗量(1.4=2.8/2mm)}=4.8mm(金属パイプの残存厚さ)となります。金属パイプは、およそ、25%の摩耗を生じています。
Claims (2)
- ガスと粉体の少なくとも一方の溶湯処理剤を金属溶湯に供給する通路を形成する芯金と、
前記芯金に連通して設けられ、前記芯金を搬送された前記溶湯処理剤を前記金属溶湯に吐出する吐出孔を形成する筒状の吐出孔パイプと、
前記芯金及び前記吐出孔パイプの外周面を被覆する耐火物と、
を有するランスパイプであって、
前記吐出孔パイプは、その内部に前記溶湯処理剤が流れるセラミックスパイプを有し、
前記セラミックスパイプは、その全体が金属パイプの内部に嵌装されていることを特徴とするランスパイプ。 - 前記セラミックスパイプは、耐火物レンガに覆われている請求項1記載のランスパイプ。
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Family Applications (1)
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Citations (1)
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