JP7275336B1 - アルミニウム合金材の製造方法及びアルミニウム合金材 - Google Patents

アルミニウム合金材の製造方法及びアルミニウム合金材 Download PDF

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Abstract

【課題】クラッド材の製造工程中に生じた屑や廃棄されたアルミニウム製熱交換器を、熱交換器用材料の原料として用い、且つ、ろう付性及びろう付後の耐食性に優れたアルミニウム合金材を製造する方法を提供すること。【解決手段】アルミニウム合金廃材を10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、0.50~1.20質量%のSi、0.05~1.00質量%のFe、0.12~1.00質量%のCu、0.60~1.80質量%のMn、及び0.11~0.60質量%のZnを含有し、Mg含有量が0.50質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなるアルミニウム合金鋳塊Aを鋳造する鋳造工程を有することを特徴とするアルミニウム合金材の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム合金からなる自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器の製造に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを用いるアルミニウム合金材の製造方法に関する。
アルミニウム合金は軽量かつ高熱伝導性を備えており、適切な処理により高耐食性が実現できるため、自動車用熱交換器、例えば、ラジエータ、コンデンサ、エバポレータ、ヒータ、インタークーラなどに用いられている。これら自動車用熱交換器のチューブ材としては、3003合金などのAl-Mn系合金を心材として、一方の面に、Al-Si系合金のろう材又はAl-Zn系合金の犠牲陽極材をクラッドした2層クラッド材や、更に他方の面にAl-Si系合金のろう材をクラッドした3層クラッド材などが使用されている。
熱交換器は、通常、このようなクラッド材を成形したチューブとコルゲート成形したフィンを組み合わせ、600℃程度の温度でろう付することによって接合される。熱交換器として自動車に搭載された後、チューブが破壊することで貫通すれば、内部を循環している冷却水や冷媒の漏洩が生じる。そのため、製品寿命を向上させるために、ろう付後における強度や耐食性に優れたアルミニウム合金が必要不可欠とされている。
従来、このようなアルミニウム合金を作製する場合、ろう付後における良好な強度や耐食性を確保するため、アルミニウム新地金を鋳造原料とし、SiやMnなどの元素を添加することにより化学成分を所望の範囲に調整していた。しかし、アルミニウム新地金は製造時に多量の電力を消費するため、鋳造原料としてアルミニウム新地金を使用すると電力由来のCO排出量が多くなり、環境負荷が高くなるという問題がある。特に近年ではカーボンニュートラルの達成が世界中で社会的課題となっているため、新地金の使用量を減らすことの重要性が増している。
新地金の使用量を削減するための手段としてリサイクルが考えられるが、その際には廃材を、該廃材と同じ製品を作るための原料へと戻す水平リサイクルが合理的であり、その代表例がアルミニウム缶である。例えば、アルミニウム缶廃材を他の製品へリサイクルすると、社会全体ではリサイクル率が低下してしまうという不合理が生じる。
一方、熱交換器においては、上述したクラッド材が用いられ、更に異なる材質同士がろう付されるため、クラッド材の製造工程中に生じた屑や廃棄されたアルミニウム製熱交換器を再び熱交換器用材料の原料としてリサイクルすると、ろう付性や耐食性など所望の特性を損ねてしまうといった問題点がある。
特許文献1では、6000系合金やその他のAl合金スクラップ材、低純度Al地金などを溶解原料として使用した場合に含まれる不純物元素を許容する規定がされている。
特開2008-303405
しかしながら、特許文献1では、クラッド材の製造工程中に生じた屑や廃棄されたアルミニウム製熱交換器を鋳造原料とした場合の課題やその解決方法については考慮されていない。
そこで、本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、クラッド材の製造工程中に生じた屑や廃棄されたアルミニウム製熱交換器を、熱交換器用材料の原料として用い、且つ、ろう付性及びろう付後の耐食性に優れたアルミニウム合金材を製造する方法を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により解決される。
すなわち、本発明(1)は、0.50~1.20質量%のSi、0.05~1.00質量%のFe、0.12~1.00質量%のCu、0.60~1.80質量%のMn、及び0.11~0.60質量%のZnを含有し、Mg含有量が0.50質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金部Aを有するアルミニウム合金材の製造方法であり、
0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、0.50~1.20質量%のSi、0.05~1.00質量%のFe、0.12~1.00質量%のCu、0.60~1.80質量%のMn、及び0.11~0.60質量%のZnを含有し、Mg含有量が0.50質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなるアルミニウム合金鋳塊Aを鋳造する鋳造工程を有し、
5%NaClに酢酸を添加してpH3に調整した液に浸漬し、参照電極をAg/AgClとして自然電極電位を測定したときの該アルミニウム合金部Aの自然電極電位が-670(mV vs Ag/AgCl)以上であること、
を特徴とするアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記鋳造工程を行い得られる前記アルミニウム合金鋳塊Aを心材用のアルミニウム合金鋳塊として用い、1又は2の皮材用のアルミニウム合金鋳塊と組み合わせて、アルミニウム合金クラッド材を得ることを特徴とする(1)のアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記皮材用のアルミニウム合金鋳塊が、2.50~13.00質量%のSi及び0.05~1.00質量%のFeを含有し、Zn含有量が5.50質量%以下、Mn含有量が1.00質量%以下、Cu含有量が1.00質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%、V含有量が0.30質量%以下、Sr含有量が0.10質量%以下、Na含有量が0.10質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなるろう材用アルミニウム合金鋳塊B、又は0.50~6.00質量%のZn、0.05~1.50質量%のSi、及び0.05~2.00質量%のFeを含有し、Mg含有量が3.00質量%以下、Mn含有量が1.80質量%以下、Cu含有量が0.50質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊Cであることを特徴とする(2)のアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、前記アルミニウム合金クラッド材が、ろう材/中間層材/心材/ろう材又は犠牲陽極材の順に積層されている4層材のアルミニウム合金クラッド材であり、
心材用のアルミニウム合金鋳塊として、前記心材用アルミニウム合金鋳塊Aを用い、ろう材用のアルミニウム合金鋳塊として、前記ろう材用アルミニウム合金鋳塊Bを用い、犠牲陽極材用のアルミニウム合金鋳塊として、前記犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊Cを用い、中間層材用のアルミニウム合金鋳塊と組み合わせて、前記アルミニウム合金クラッド材を得ること、
を特徴とする(3)のアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(5)は、前記アルミニウム合金クラッド材が、ろう材/中間層材/心材/中間層材/ろう材の順に積層されている5層材のアルミニウム合金クラッド材であり、
心材用のアルミニウム合金鋳塊として、前記心材用アルミニウム合金鋳塊Aを用い、ろう材用のアルミニウム合金鋳塊として、前記ろう材用アルミニウム合金鋳塊Bを用い、中間層材用のアルミニウム合金鋳塊と組み合わせて、前記アルミニウム合金クラッド材を得ること、
を特徴とする(3)のアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(6)は、前記中間層材用のアルミニウム合金鋳塊が、0.05~1.50質量%のSi、及び0.05~2.00質量%のFeを含有し、Zn含有量が6.00質量%以下、Mn含有量が1.80質量%以下、Cu含有量が1.00質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる中間層材用アルミニウム合金鋳塊Dであることを特徴とする(4)又は(5)のアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(7)は、0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、前記皮材用のアルミニウム合金鋳塊を鋳造する工程を有することを特徴とする(2)~(6)いずれかのアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(8)は、0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、前記ろう材用アルミニウム合金鋳塊Bを鋳造する工程を有することを特徴とする(3)~(6)いずれかのアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(9)は、0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、前記犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊Cを鋳造する工程を有することを特徴とする(3)~(6)いずれかのアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(10)は、0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、前記中間層材用のアルミニウム合金鋳塊を鋳造する工程を有することを特徴とする(4)~(6)いずれかのアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
また、本発明(11)は、0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、前記中間層材用アルミニウム合金鋳塊Dを鋳造する工程を有することを特徴とする(6)のアルミニウム合金材の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、クラッド材の製造工程中に生じた屑や廃棄されたアルミニウム製熱交換器を再び熱交換器用材料の原料として用いることにより、アルミニウム新地金の使用に由来するCO排出量を削減し、且つ、ろう付性及びろう付後の耐食性に優れたアルミニウム合金材を製造する方法を提供することができる。
本発明のアルミニウム合金材の製造方法は、0.50~1.20質量%のSi、0.05~1.00質量%のFe、0.12~1.00質量%のCu、0.60~1.80質量%のMn、及び0.11~0.60質量%のZnを含有し、Mg含有量が0.50質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金部Aを有するアルミニウム合金材の製造方法であり、
0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなる自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、0.50~1.20質量%のSi、0.05~1.00質量%のFe、0.12~1.00質量%のCu、0.60~1.80質量%のMn、及び0.11~0.60質量%のZnを含有し、Mg含有量が0.50質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなるアルミニウム合金鋳塊Aを鋳造する鋳造工程を有することを特徴とするアルミニウム合金材の製造方法である。
以下、0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなる自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを、アルミニウム合金廃材とも記載する。
本発明のアルミニウム合金材の製造方法は、アルミニウム合金部Aを有するアルミニウム合金材を製造する方法である。本発明のアルミニウム合金材の製造方法において、アルミニウム合金部Aを有するアルミニウム合金材としては、アルミニウム合金部A単体からなるアルミニウム合金材や、アルミニウム合金部Aを心材として有し且つ適宜選択される材料がクラッドされているアルミニウム合金クラッド材が挙げられる。
本発明のアルミニウム合金材の製造方法では、アルミニウム合金鋳塊Aを鋳造する鋳造工程を有する。そして、本発明のアルミニウム合金材の製造方法では、鋳造工程を行った後、鋳造工程を行い得られたアルミニウム合金鋳塊Aを用いて、種々の工程及び処理を経て、アルミニウム合金部Aを有するアルミニウム合金材を得る。つまり、本発明のアルミニウム合金材は、アルミニウム合金部Aを有するアルミニウム合金材である。
アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊Aについて、説明する。
Siは、アルミニウム合金廃材の成分に含まれるため、アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊Aが、Siを含有する必要がある。アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのSiの含有量は、0.50~1.20質量%、好ましくは0.50~1.00質量%、より好ましくは0.65~1.00質量%である。Si含有量が、0.50質量%未満では、アルミニウム合金廃材の配合による新地金削減の効果が小さく、また、1.20質量%を超えると、心材の融点が低下して心材へのろうの侵食が発生する。
Znは、アルミニウム合金廃材の成分に含まれるため、アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊Aが、Znを含有する必要がある。通常、一般的なアルミニウム合金クラッド材の製造工場において生じるアルミニウム合金廃材及び自動車用熱交換器のスクラップの平均Zn含有量は1.10質量%程度以上である。そのため、アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのZnの含有量は、0.11~0.60質量%である。Zn含有量が、0.11質量%未満では、アルミニウム合金廃材の配合による新地金削減の効果が小さく、また、0.60質量%を超えると、心材の孔食電位が卑化して、腐食速度を増大させる恐れがある。そして、アルミニウム合金廃材の使用量を多くし易くなる点や、Zn含有量が高いアルミニウム合金廃材の使用が可能となり、アルミニウム合金廃材の使用の自由度が高くなる点で、アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのZnの含有量は、好ましくは0.20~0.60質量%である。
Cuは、上記Znによる孔食電位卑化の影響を抑制する働きを持つ。アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのCuの含有量は、0.12~1.00質量%、好ましくは0.20~0.90質量%である。Cu含有量が、0.12質量%未満ではアルミニウム合金廃材の配合による新地金削減の効果が小さく、また、1.00質量%を超えると鋳造時に割れが生じ易く、製造の難易度が上がる。
CuとZnは、同時に添加するとアノード反応とカソード反応の両方を加速し、耐食性を悪化させてしまう。一般的にアノード反応は指数関数的に、カソード反応は線形に腐食速度に影響するため、それぞれ%の数値でCu含有量をA質量%、Zn含有量をB質量%、自然対数の底e=2.71828182845904と置いたとき、V=A×eによってよく整理できる。このV値は、1.50以下が好ましく、より好ましくは1.15以下である。
以上で述べたアルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのSi、Zn及びCuの含有量が、アルミニウム合金廃材を配合する上で重要である。
Feは、再結晶核となり得るサイズの金属間化合物を形成し易い。アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのFeの含有量は、0.05~1.00質量%、好ましくは0.10~0.80質量%である。Fe含有量が上記範囲にあることにより、ろう付後の結晶粒径を粗大にしてろう拡散を抑制することができる。一方、Fe含有量が、0.05質量%未満では高純度アルミニウム地金を使用しなければならずコスト高となり、また、1.00質量%を超えるとろう付後の結晶粒径が微細となり、ろう拡散が生じる。
Mnは、SiとともにAl-Mn-Si系の金属間化合物を形成し、分散強化により強度を向上させ、また、アルミニウム母相中に固溶して固溶強化により強度を向上させる。アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのMnの含有量は、0.60~1.80質量%、好ましくは0.70~1.70質量%である。Mn含有量が、0.60質量%未満ではその効果が小さく、また、1.80質量%を超えると鋳造時に巨大金属間化合物が形成され易くなり、塑性加工性を低下させる。
アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊Aは、Mgを含有してもよい。Mgは、MgSiの析出により強度を向上させる。アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのMg含有量は、0.50質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.10~0.40質量%である。Mg含有量が、0.50質量%を超えるとろう付が困難となる場合がある。
アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊Aは、Tiを含有してもよい。Tiは、固溶強化により強度を向上させる。アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのTi含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.10~0.20質量%である。Ti含有量が、0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊Aは、Zrを含有してもよい。Zrは、固溶強化により強度を向上させ、また、Al-Zr系の金属間化合物が析出してろう付後の結晶粒粗大化に作用する。アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのZr含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.10~0.20質量%である。Zr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊Aは、Crを含有してもよい。Crは、固溶強化により強度を向上させ、また、Al-Cr系の金属間化合物が析出してろう付後の結晶粒粗大化に作用する。アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのCr含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Cr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊Aは、Vを含有してもよい。Vは、固溶強化により強度を向上させる。アルミニウム合金部A及びアルミニウム合金鋳塊AのV含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Cr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
本発明のアルミニウム合金材の製造方法に係る鋳造工程では、アルミニウム合金廃材を10.0質量%以上含有する鋳造原料を用い、該鋳造原料を、溶解及び鋳造することにより、アルミニウム合金鋳塊Aを得る。
鋳造工程において、鋳造原料の一部として用いられるアルミニウム合金廃材は、0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなる自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップである。アルミニウム合金廃材に含有される成分は、自動車用熱交換器の材料において、Al-Mn-Si-Cu系合金の心材、Al-Zn系またはAl-Zn-Mg系合金の犠牲陽極材、Al-Si系のろう材等が用いられることに起因する。なお、本発明において、アルミニウム合金クラッド材のスクラップとは、アルミニウム合金クラッド材の製造工程中で生じるアルミニウム合金クラッド材の屑であり、例えば、アルミニウム合金クラッド材の圧延工程やスリット工程などで発生する端材や、熱交換器の部品の成型で発生する端材などを指す。
鋳造工程において、鋳造原料の一部がアルミニウム合金廃材である。そして、鋳造工程において用いられる鋳造原料のうち、アルミニウム合金廃材の配合量は、10.0質量%以上、好ましくは15.0質量%以上である。鋳造原料に占めるアルミニウム合金廃材の配合量が、上記範囲にあることにより、新地金の使用に由来するCO排出量を削減することができる。また、鋳造工程において用いる鋳造原料のうち、アルミニウム合金廃材の配合量が、50.0質量%を超えると、SiやZnの含有量が適切な範囲を超えてしまう可能性があるため、鋳造原料のうちのアルミニウム合金廃材の配合量は、50.0質量%以下が好ましく、45.0質量%以下がより好ましい。
そのため、アルミニウム合金部Aのうち、10.0質量%以上、好ましくは15.0~50.0質量%が、アルミニウム合金廃材に由来する。アルミニウム合金部Aは、鋳造原料として、10.0質量%以上、好ましくは15.0~50.0質量%のアルミニウム合金廃材が配合された鋳造原料を用いて得られたものである。
本発明のアルミニウム合金材の製造方法では、鋳造工程より後の工程及び処理並びのそれらの条件は、製造目的とするアルミニウム合金材により、適宜選択される。
例えば、アルミニウム合金部A単体からなるアルミニウム合金材を製造する場合、アルミニウム合金鋳塊Aの鋳造工程、均質化処理工程、加熱工程を経て、熱間圧延にて所望の板厚にし、熱間圧延の後は、冷間圧延、中間焼鈍、最終焼鈍を組み合わせて、調質H1n、H2n、H3n、Oの板材として、アルミニウム合金部A単体からなるアルミニウム合金材を製造する。均質化処理及び/又は中間焼鈍及び/又は最終焼鈍は、目的の調質によっては省略される場合がある。最終的な板厚は、用途によって適宜選択されるが、0.03mm~5mm程度が通常である。
また、例えば、アルミニウム合金部Aを心材として有するアルミニウム合金クラッド材を製造する場合、皮材用のアルミニウム合金鋳塊の鋳造工程、均質化工程、加熱工程、熱間圧延工程を経て所望の板厚の皮材用のアルミニウム合金鋳塊の熱間圧延物を得る。また、必要に応じて、中間層材用のアルミニウム合金鋳塊の鋳造工程、均質化工程、加熱工程、熱間圧延工程を経て所望の板厚の中間層材用のアルミニウム合金鋳塊の熱間圧延物を得る。また、心材用のアルミニウム合金鋳塊Aの鋳造工程、均質化工程を行い、次いで、心材用のアルミニウム合金鋳塊Aと皮材用のアルミニウム合金鋳塊の熱間圧延物を、必要に応じて更に、中間層材用のアルミニウム合金鋳塊の熱間圧延物を、所望の積層構成となるように、組み合わせる工程、加熱工程、熱間圧延工程を経て、所望の板厚のクラッド物を得る。熱間圧延の後は、冷間圧延、中間焼鈍、最終焼鈍を組み合わせて、調質H1n、H2n、H3n、Oの板材として、アルミニウム合金部Aを心材として有するアルミニウム合金クラッド材を製造する。均質化処理及び/又は中間焼鈍及び/又は最終焼鈍は、目的の調質によっては省略される場合がある。最終的な板厚は、用途によって適宜選択されるが、0.03mm~5mm程度が通常である。
本発明のアルミニウム合金材の製造方法の形態について、説明する。本発明の第一の形態のアルミニウム合金材の製造方法は、アルミニウム合金部A単体からなるアルミニウム合金材の製造方法であり、アルミニウム合金鋳塊Aを鋳造する鋳造工程を有する。また、本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法は、アルミニウム合金部Aを心材として有するアルミニウム合金クラッド材の製造方法であり、アルミニウム合金鋳塊Aを鋳造する鋳造工程を有する。
本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法としては、アルミニウム合金鋳塊Aを得る鋳造工程を有し、鋳造工程を行い得られるアルミニウム合金鋳塊Aを心材用のアルミニウム合金鋳塊として用い、1つ又は2つの皮材用のアルミニウム合金鋳塊と組み合わせて、すなわち、心材用のアルミニウム合金鋳塊Aの一方の面側又は両面側に、皮材用のアルミニウム合金鋳塊を組み合わせて、アルミニウム合金クラッド材を得るアルミニウム合金材の製造方法が挙げられる。2つの皮材用の鋳塊を組み合わせる場合、それらは、同一の組成のものであっても、異なる組成のものであってもよい。また、皮材用のアルミニウム合金鋳塊から形成される皮材の機能としては、特に制限されず、ろう材、犠牲陽極材、拡散防止材(ろう付を阻害する元素がろう付中に材料表面に拡散するのを防止する材料)等の機能を有する皮材が挙げられる。また、本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法では、心材用のアルミニウム合金鋳塊Aに、1つ又は2つの皮材用のアルミニウム合金鋳塊に加えて、更に中間層材用のアルミニウム合金鋳塊を組み合わせてもよい。アルミニウム合金クラッド材の層構成としては、例えば、ろう材/心材の順に積層された2層材、ろう材/心材/ろう材の順に積層された3層材、ろう材/心材/犠牲陽極材の順に積層された3層材、ろう材/中間層材/心材の順に積層された3層材、ろう材/中間層材/心材/ろう材の順に積層された4層材、ろう材/中間層材/心材/犠牲陽極材の順に積層された4層材、ろう材/中間層材/心材/中間層材/ろう材の順に積層された5層材等が挙げられる。ろう材用のアルミニウム合金鋳塊の成分、犠牲陽極材用のアルミニウム合金鋳塊の成分及び中間層材用のアルミニウム合金鋳塊の成分は、本発明の効果であるアルミニウム合金廃材の配合とは無関係であるため、従来知見に基づき適切な範囲を添加すればよい。そして、本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法により、心材としてアルミニウム合金部Aを有し、心材の一方の面側又は両面側に皮材がクラッドされているアルミニウム合金クラッド材を得る。つまり、本発明の第二の形態のアルミニウム合金材としては、心材としてアルミニウム合金部Aを有し、心材の一方の面側又は両面側に皮材がクラッドされているアルミニウム合金クラッド材が挙げられる。なお、心材の一方の面側に皮材がクラッドされているとは、心材の一方の面又は両面に直接皮材がクラッドされている場合と、心材の一方の面又は両面に直接クラッドされている中間材層等を介して、皮材がクラッドされている場合の両方を指す。
本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法において、心材用のアルミニウム合金鋳塊Aに皮材用のアルミニウム合金鋳塊を組み合わせる場合、心材用のアルミニウム合金鋳塊Aに組み合わせる皮材用のアルミニウム合金鋳塊としては、ろう材用アルミニウム合金鋳塊B又は犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊Cが挙げられる。本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法としては、アルミニウム合金鋳塊Aを得る鋳造工程を有し、鋳造工程を行い得られるアルミニウム合金鋳塊Aを心材用のアルミニウム合金鋳塊として用い、1つ又は2つのろう材用アルミニウム合金鋳塊B又は犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊Cと組み合わせて、すなわち、心材用のアルミニウム合金鋳塊Aの一方の面側又は両面側に、ろう材用アルミニウム合金鋳塊B又は犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊Cを組み合わせて、アルミニウム合金クラッド材を得るアルミニウム合金材の製造方法が挙げられる。つまり、本発明の第二の形態のアルミニウム合金材としては、心材としてアルミニウム合金部Aを有し、心材の一方の面側又は両面側に、ろう材B又は犠牲陽極材Cがクラッドされているアルミニウム合金クラッド材、すなわち、ろう材B/アルミニウム合金部Aからなる心材の順に積層された2層材、ろう材B/アルミニウム合金部Aからなる心材/ろう材Bの順に積層された3層材、ろう材B/アルミニウム合金部Aからなる心材/犠牲陽極材Cの順に積層された3層材が挙げられる。
本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法において、心材用のアルミニウム合金鋳塊Aに、皮材用のアルミニウム合金鋳塊に加え、更に中間層材用のアルミニウム合金鋳塊を組み合わせる場合として、ろう材/中間層材/心材/ろう材又は犠牲陽極材の順に積層されている4層材のアルミニウム合金クラッド材の製造方法であり、アルミニウム合金鋳塊Aを得る鋳造工程を有し、心材用のアルミニウム合金鋳塊として、鋳造工程を行い得られるアルミニウム合金鋳塊Aを用い、ろう材用のアルミニウム合金鋳塊として、ろう材用アルミニウム合金鋳塊Bを用い、犠牲陽極材用のアルミニウム合金鋳塊として、犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊Cを用い、中間層材用のアルミニウム合金鋳塊と組み合わせて、アルミニウム合金クラッド材を得るアルミニウム合金材の製造方法が挙げられる。つまり、本発明の第二の形態のアルミニウム合金材としては、ろう材/中間層材/心材/ろう材又は犠牲陽極材の順に積層されている4層材のアルミニウム合金クラッド材であり、心材がアルミニウム合金部Aであり、ろう材がろう材Bであり、犠牲陽極材が犠牲陽極材Cであるアルミニウム合金クラッド材、すなわち、ろう材B/中間層材/アルミニウム合金Aからなる心材/ろう材Bの順に積層された4層材、ろう材B/中間層材/アルミニウム合金Aからなる心材/犠牲陽極材Cの順に積層された4層材が挙げられる。
本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法において、心材用のアルミニウム合金鋳塊Aに、皮材用のアルミニウム合金鋳塊に加え、更に中間層材用のアルミニウム合金鋳塊を組み合わせる場合として、ろう材/中間層材/心材/中間層材/ろう材の順に積層されている5層材のアルミニウム合金クラッド材の製造方法であり、アルミニウム合金鋳塊Aを得る鋳造工程を有し、心材用のアルミニウム合金鋳塊として、鋳造工程を行い得られるアルミニウム合金鋳塊Aを用い、ろう材用のアルミニウム合金鋳塊として、ろう材用アルミニウム合金鋳塊Bを用い、中間層材用のアルミニウム合金鋳塊と組み合わせて、アルミニウム合金クラッド材を得るアルミニウム合金材の製造方法が挙げられる。つまり、本発明の第二の形態のアルミニウム合金材としては、ろう材/中間層材/心材/中間層材/ろう材の順に積層されている5層材のアルミニウム合金クラッド材であり、心材がアルミニウム合金部Aであり、ろう材がろう材Bであるアルミニウム合金クラッド材、すなわち、ろう材B/中間層材/アルミニウム合金部Aからなる心材/中間層材/ろう材Bの順に積層された5層材が挙げられる。2つのろう材用アルミニウム合金鋳塊は、同一の組成のものであっても、異なる組成のものであってもよい。また、2つの中間層材は、同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法において、中間層材用のアルミニウム合金鋳塊としては、中間層材用アルミニウム合金鋳塊Dが挙げられる。また、本発明の第二の形態のアルミニウム合金材において、中間層材としては、中間層材Dが挙げられる。
上記本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法に用いられるろう材用アルミニウム合金鋳塊B、犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C、中間層材用アルミニウム合金鋳塊D、及び上記本発明の第二の形態のアルミニウム合金材に係るろう材B、犠牲陽極材C、中間層材Dについて、説明する。
ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材Bは、2.50~13.00質量%のSi及び0.05~1.00質量%のFeを含有し、Zn含有量が5.50質量%以下、Mn含有量が1.00質量%以下、Cu含有量が1.00質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%、V含有量が0.30質量%以下、Sr含有量が0.10質量%以下、Na含有量が0.10質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる。
Siは、融点を低下させて液相を生じ、ろう付けを可能にする。ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのSi含有量は、2.50~13.00質量%、好ましくは3.50~12.50質量%、更に好ましくは4.00~12.50質量%である。Siの含有量が、2.50質量%未満では、生じる液相が僅かであり、ろう付けが機能し難くなり、また、13.00質量%を超えると、例えばフィンなどの相手材へ拡散するSi量が過剰となり、相手材の溶融が発生する。
Feは、Al-Fe系やAl-Fe-Si系の化合物を形成し易い。Al-Fe-Si系化合物の形成によりろう材の有効Si量を低下させ、また、Al-Fe系やAl-Fe-Si系の化合物の形成によりろう付時におけるろうの流動性を低下させ、ろう付性を阻害する。そのため、ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのFeの含有量は、0.05~1.00質量%、好ましくは0.10~0.80質量%である。Fe含有量が1.00質量%を超えると、上述のようにろう付性を阻害してろう付が不十分となり、また、Fe含有量が0.05質量%未満では、高純度アルミニウム地金を使用しなければならなくなってコスト高を招く。
ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材Bは、Znを含有してもよい。Znは、電位を卑にすることができ、心材との電位差を形成することで犠牲陽極効果により耐食性を向上でき、また、Znの含有は、Znを含有するアルミニウム合金廃材の配合許容量を増大させる。ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのZnの含有量は、5.50質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.10~3.00質量%である。Zn含有量が5.50質量%を超えると、例えばフィンなどの相手材との接合部にZnが濃縮し、これが優先腐食して相手材が剥離する場合がある。
ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材Bは、Mnを含有してもよい。Mnの含有は、Mnを含有するアルミニウム合金廃材の配合許容量を増大させる。ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのMnの含有量は、1.00質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.10~0.90質量%である。Mn含有量が1.00質量%を超えると粗大な化合物が生成して冷間加工で割れが発生する可能性があり、製造の難易度が上がる。
ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材Bは、Cuを含有してもよい。Cuの含有は、Cuを含有するアルミニウム合金廃材の配合許容量を増大させる。ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのCuの含有量は、1.00質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.20~0.90質量%である。Cu含有量が1.00質量%を超えると鋳造時に割れが生じやすく、製造の難易度が上がる。
ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材Bは、Tiを含有してもよい。Tiは、固溶強化により強度を向上させる。ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのTi含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Ti含有量が、0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材Bは、Zrを含有してもよい。Zrは、固溶強化により強度を向上させ、また、Al-Zr系の金属間化合物が析出してろう付後の結晶粒粗大化に作用する。ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのZr含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Zr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材Bは、Crを含有してもよい。Crは、固溶強化により強度を向上させ、また、Al-Cr系の金属間化合物が析出してろう付後の結晶粒粗大化に作用する。ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのCr含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Cr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材Bは、Vを含有してもよい。Vは、固溶強化により強度を向上させる。ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのV含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Cr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材Bは、Srを含有してもよい。Srは、Si粒子を微細化してろう付性を向上させる。ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのSr含有量は、0.10質量%以下(0.00質量%を含む)である。Srは鋳造中に酸化しやすいため、Sr含有量が0.10質量%を超えて製造するのは困難である。
ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材Bは、Naを含有してもよい。Naは、Si粒子を微細化してろう付性を向上させる。ろう材用アルミニウム合金鋳塊B及びろう材BのNa含有量は、0.10質量%以下(0.00質量%を含む)である。Naは鋳造中に酸化しやすいため、Na含有量が0.10質量%を超えて製造するのは困難である。
犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材Cは、0.50~6.00質量%のZn、0.05~1.50質量%のSi、及び0.05~2.00質量%のFeを含有し、Mg含有量が3.00質量%以下、Mn含有量が1.80質量%以下、Cu含有量が0.50質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる。
Znは、電位を卑にすることができ、心材との電位差を形成することで犠牲陽極効果により耐食性を向上できる。犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材CのZnの含有量は、0.50~6.00質量%、好ましくは1.00~5.00質量%である。Zn含有量が0.50質量%未満ではその効果が十分ではなく、6.00質量%を超えると腐食速度が速くなり早期に犠牲陽極材が消失し、耐食性が低下する。
Siは、Siを含有するアルミニウム合金廃材の配合許容量を増大させる。犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材CのSi含有量は、0.05~1.50質量%、好ましくは0.05~1.20質量%である。Si含有量が、0.05質量%未満では、高純度アルミニウム地金を使用しなければならずコスト高となり、また、1.50質量%を超えると犠牲陽極材の融点が低下して溶融してしまい、また、犠牲陽極材の電位を貴にするため、犠牲陽極効果を阻害して耐食性を低下させる場合がある。
Feは、Si、MnとともにAl-Fe-Mn-Si系の化合物を形成し、分散強化により強度を向上させる。犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材CのFe含有量は、0.05~2.00質量%、好ましくは0.05~1.50質量%以下である。Fe含有量が、0.05%未満では、高純度アルミニウム地金を使用しなければならずコスト高となり、また、2.00質量%を超えると鋳造時に巨大金属間化合物が形成され易くなり、塑性加工性を低下させる。
犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材Cは、Mn含有することができる。Mnの含有は、Mnを含有するアルミニウム合金廃材の配合許容量を増大させる。犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材CのMn含有量は、1.80質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.10~1.50質量%である。Mn含有量が1.80質量%を超えると粗大な化合物が生成して冷間加工で割れが発生する可能性があり、製造の難易度が上がる。
犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材Cは、Mgを含有することができる。Mgは、MgSiの析出により強度を向上させ、また、犠牲陽極材自身の強度を向上させるだけでなく、ろう付加熱することにより心材へMgが拡散して心材の強度も向上させる。犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材CのMg含有量は、3.00質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.50~2.00質量%である。Mg含有量が3.00質量%を超えると熱間クラッド圧延時の圧着が困難となる場合がある。なお、Mgはノコロックろう付におけるろう付性を阻害するため、犠牲陽極材が0.50質量%以上のMgを含有する場合は、犠牲陽極材にノコロックろう付をすることができない。この場合には、例えばチューブ同士の接合には溶接などの手段を用いる必要がある。
犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材Cは、Cuを含有してもよい。Cuの含有は、Cuを含有するアルミニウム合金廃材の配合許容量を増大させる。犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材CのCuの含有量は、0.50質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.10~0.40質量%である。Cu含有量が0.50質量%を超えると犠牲陽極材の孔食電位が貴化してしまい、犠牲防食の効果を低下させる場合がある。
犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材Cは、Tiを含有してもよい。Tiは、固溶強化により強度を向上させる。犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材CのTi含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Ti含有量が、0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材Cは、Zrを含有してもよい。Zrは、固溶強化により強度を向上させ、また、Al-Zr系の金属間化合物が析出してろう付後の結晶粒粗大化に作用する。犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材CのZr含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Zr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材Cは、Crを含有してもよい。Crは、固溶強化により強度を向上させ、また、Al-Cr系の金属間化合物が析出してろう付後の結晶粒粗大化に作用する。犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材CのCr含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Cr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材Cは、Vを含有してもよい。Vは、固溶強化により強度を向上させる。犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C及び犠牲陽極材CのV含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Cr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材Dは、0.05~1.50質量%のSi、及び0.05~2.00質量%のFeを含有し、Zn含有量が6.00質量%以下、Mn含有量が1.80質量%以下、Cu含有量が1.00質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる。
Siは、Siを含有するアルミニウム合金廃材の配合許容量を増大させる。中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材DのSiの含有量は、0.05~1.50質量%、好ましくは0.05~1.20質量%である。Si含有量が、0.05質量%未満では、高純度アルミニウム地金を使用しなければならずコスト高となり、また、1.50質量%を超えると中間層材の融点が低下して溶融してしまい、また、中間層材の電位を貴にするため、犠牲陽極効果を阻害して耐食性を低下させる場合がある。
Feは、Si、MnとともにAl-Fe-Mn-Si系の化合物を形成し、分散強化により強度を向上させる。中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材DのFeの含有量は、0.05~2.00質量%、好ましくは0.05~1.50質量%である。Fe含有量が、0.05質量%未満では、高純度アルミニウム地金を使用しなければならずコスト高となり、また、2.00質量%を超えると鋳造時に巨大金属間化合物が形成され易くなり、塑性加工性を低下させる。
中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材Dは、Znを含有してもよい。Znは、電位を卑にすることができ、また、Znの含有は、Znを含有するアルミニウム合金廃材の配合許容量を増大させる。中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材DのZnの含有量は、6.00質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.10~5.00質量%である。Zn含有量が6.00質量%を超えると腐食速度が速くなり早期に中間層材が消失し、耐食性が低下する場合がある。
中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材Dは、Mnを含有してもよい。Mnの含有は、Mnを含有するアルミニウム合金廃材の配合許容量を増大させる。中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材DのMnの含有量は、1.80質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.10~1.50質量%である。Mn含有量が1.80質量%を超えると粗大な化合物が生成して冷間加工で割れが発生する可能性があり、製造の難易度が上がる。
中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材Dは、Cuを含有してもよい。Cuの含有は、Cuを含有するアルミニウム合金廃材の配合許容量を増大させる。中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材DのCuの含有量は、1.00質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.10~0.90質量%である。Cu含有量が1.00質量%を超えると鋳造時に割れが生じ易く、製造の難易度が上がり、また、中間層材の孔食電位が貴化してしまい、犠牲防食の効果を低下させる場合がある。
中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材Dは、Tiを含有してもよい。Tiは、固溶強化により強度を向上させる。中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材DのTi含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Ti含有量が、0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材Dは、Zrを含有してもよい。Zrは、固溶強化により強度を向上させ、また、Al-Zr系の金属間化合物が析出してろう付後の結晶粒粗大化に作用する。中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材DのZr含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Zr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材Dは、Crを含有してもよい。Crは、固溶強化により強度を向上させ、また、Al-Cr系の金属間化合物が析出してろう付後の結晶粒粗大化に作用する。中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材DのCr含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。Cr含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材Dは、Vを含有してもよい。Vは、固溶強化により強度を向上させる。中間層材用アルミニウム合金鋳塊D及び中間層材DのV含有量は、0.30質量%以下(0.00質量%を含む)、好ましくは0.05~0.20質量%である。V含有量が0.30質量%を超えると巨大金属間化合物を形成し易くなり、塑性加工性を低下させる場合がある。
本発明の第二の形態のアルミニウム合金材の製造方法では、ろう材用アルミニウム合金鋳塊B等のろう材用のアルミニウム合金鋳塊、犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊C等の犠牲陽極材用のアルミニウム合金鋳塊、又は中間層材用アルミニウム合金鋳塊D等の中間層材用のアルミニウム合金鋳塊の調製において、上記アルミニウム合金鋳塊Aの組成に、更に化学成分を加えることにより、成分調節が可能となるのであれば、各アルミニウム合金鋳塊の鋳造原料として、アルミニウム合金廃材を、10.0質量%以上、好ましくは15.0~45.0質量%含有する鋳造原料を用いて、各アルミニウム合金鋳塊を製造してもよい。
本発明のアルミニウム合金材の製造方法を行い得られるアルミニウム合金材及び本発明のアルミニウム合金材の強度や耐食性に関する性能は、全てろう付後のものである。なお、ろう付は、通常、600℃程度まで加熱しその後に空冷することにより行なわれるものであって、加熱の方法、加熱速度や冷却速度、加熱や冷却の保持時間などについては特に限定するものではない。
本発明のアルミニウム合金材の製造方法では、本発明のアルミニウム合金材の製造方法を行い得られるアルミニウム合金材のSi、Cu及びZnの含有量を調節することにより、アルミニウム合金廃材を、鋳造原料に10.0質量%、好ましくは10.0~50.0質量%配合させても、ろう付性及びろう付後の耐食性に優れたアルミニウム合金材が得られるので、アルミニウム新地金の使用に由来するCO排出量を削減することができる。更に詳細に説明すると、本発明のアルミニウム合金材の製造方法では、本発明のアルミニウム合金材の製造方法を行い得られるアルミニウム合金材のSi含有量を0.50~1.20質量%、好ましくは0.50~1.00質量%、より好ましくは0.65~1.00質量%と多くし、且つ、Zn含有量を0.11~0.60質量%、好ましくは0.20~0.60質量%と多くした上で、Cu含有量を0.12~1.00質量%、好ましくは0.20~0.90質量%と規定することにより、ろう付後のアルミニウム合金材の耐食性を制御し、得られるアルミニウム合金材の優れたろう付性及びろう付後の耐食性を維持しつつ、鋳造原料への10.0質量%、好ましくは10.0~50.0質量%のアルミニウム合金廃材の配合を可能としている。
以下に、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
(実施例及び比較例)
表1に示す合金組成を有する心材合金、表2に示す合金組成を有するろう材合金、表3に示す合金組成を有する犠牲陽極材合金をそれぞれDC鋳造により鋳造し、均質化処理を施し、各々両面を面削して仕上げた。ろう材合金及び犠牲陽極材合金を加熱、熱間圧延により所望の板厚とし、心材合金と組み合わせ、再度加熱、熱間圧延によりクラッド板材と成した。その後、H14調質の場合は冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延を経て、O調質の場合は冷間圧延、最終焼鈍を経て、所定の最終板厚の材料を得た。各層の合金、クラッド率、調質、板厚の組み合わせを表4に示す。
得られた材料を、600℃3分間のろう付相当の加熱処理に供して試験材とした。引張試験においては、引張速度10mm/分、ゲージ長50mmの条件で、JIS Z2241に従って引張試験に供した。得られた応力-ひずみ曲線から引張強さ(TS)を読み取った。電位測定においては、心材の中央部を面削により露出した面および犠牲材表面を試験面とし、5%NaClに酢酸を添加してpH3に調整した液に浸漬し、参照電極をAg/AgClとして自然電極電位を測定した。なお、実施例6及び比較例11については、犠牲材表面電位としてろう材表面の電位を測定した。これらの評価結果及び心材電位から犠牲材表面電位を引いた電位差について表4に示す。心材電位が-670mV以上且つ電位差90mV以上の場合を耐食性十分として○とし、心材電位が-670mV未満又は電位差90mV未満の場合を耐食性不十分として×とし、その結果を表4に示す。
また、通常、一般的なアルミニウム合金クラッド材の製造工場において生じるアルミニウム合金廃材及び自動車用熱交換器のスクラップの平均Zn含有量は1.10質量%程度以上なので、その含有量に基づいて、鋳造原料として配合するアルミニウム合金廃材の配合可能割合が、10.0質量%以上となる場合を〇、10.0質量%未満の場合を×とし、その結果を表4に示す。
Figure 0007275336000001
Figure 0007275336000002
Figure 0007275336000003
Figure 0007275336000004
実施例1~7は、本発明で規定する条件を満たしており、ろう付後の電位および廃材配合率ともに合格であった。
比較例8及び9は、心材のCu成分が低すぎたため、心材の電位が卑になりすぎ、また犠牲材表面と心材との電位差が不十分であったため、心材の自己耐食性および犠牲材による犠牲防食作用が不十分であった。
比較例10~12は、心材のZn成分が低過ぎたため、廃材配合率が不十分であった。

Claims (11)

  1. 0.50~1.20質量%のSi、0.05~1.00質量%のFe、0.12~1.00質量%のCu、0.60~1.80質量%のMn、及び0.11~0.60質量%のZnを含有し、Mg含有量が0.50質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金部Aを有するアルミニウム合金材の製造方法であり、
    0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、0.50~1.20質量%のSi、0.05~1.00質量%のFe、0.12~1.00質量%のCu、0.60~1.80質量%のMn、及び0.11~0.60質量%のZnを含有し、Mg含有量が0.50質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなるアルミニウム合金鋳塊Aを鋳造する鋳造工程を有し、
    5%NaClに酢酸を添加してpH3に調整した液に浸漬し、参照電極をAg/AgClとして自然電極電位を測定したときの該アルミニウム合金部Aの自然電極電位が-670(mV vs Ag/AgCl)以上であること、
    を特徴とするアルミニウム合金材の製造方法。
  2. 前記鋳造工程を行い得られる前記アルミニウム合金鋳塊Aを心材用のアルミニウム合金鋳塊として用い、1又は2の皮材用のアルミニウム合金鋳塊と組み合わせて、アルミニウム合金クラッド材を得ることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金材の製造方法。
  3. 前記皮材用のアルミニウム合金鋳塊が、2.50~13.00質量%のSi及び0.05~1.00質量%のFeを含有し、Zn含有量が5.50質量%以下、Mn含有量が1.00質量%以下、Cu含有量が1.00質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%、V含有量が0.30質量%以下、Sr含有量が0.10質量%以下、Na含有量が0.10質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなるろう材用アルミニウム合金鋳塊B、又は0.50~6.00質量%のZn、0.05~1.50質量%のSi、及び0.05~2.00質量%のFeを含有し、Mg含有量が3.00質量%以下、Mn含有量が1.80質量%以下、Cu含有量が0.50質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊Cであることを特徴とする請求項2記載のアルミニウム合金材の製造方法。
  4. 前記アルミニウム合金クラッド材が、ろう材/中間層材/心材/ろう材又は犠牲陽極材の順に積層されている4層材のアルミニウム合金クラッド材であり、
    心材用のアルミニウム合金鋳塊として、前記心材用アルミニウム合金鋳塊Aを用い、ろう材用のアルミニウム合金鋳塊として、前記ろう材用アルミニウム合金鋳塊Bを用い、犠牲陽極材用のアルミニウム合金鋳塊として、前記犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊Cを用い、中間層材用のアルミニウム合金鋳塊と組み合わせて、前記アルミニウム合金クラッド材を得ること、
    を特徴とする請求項3記載のアルミニウム合金材の製造方法。
  5. 前記アルミニウム合金クラッド材が、ろう材/中間層材/心材/中間層材/ろう材の順に積層されている5層材のアルミニウム合金クラッド材であり、
    心材用のアルミニウム合金鋳塊として、前記心材用アルミニウム合金鋳塊Aを用い、ろう材用のアルミニウム合金鋳塊として、前記ろう材用アルミニウム合金鋳塊Bを用い、中間層材用のアルミニウム合金鋳塊と組み合わせて、前記アルミニウム合金クラッド材を得ること、
    を特徴とする請求項3記載のアルミニウム合金材の製造方法。
  6. 前記中間層材用のアルミニウム合金鋳塊が、0.05~1.50質量%のSi、及び0.05~2.00質量%のFeを含有し、Zn含有量が6.00質量%以下、Mn含有量が1.80質量%以下、Cu含有量が1.00質量%以下、Cr含有量が0.30質量%以下、Ti含有量が0.30質量%以下、Zr含有量が0.30質量%以下、V含有量が0.30質量%以下であり、残部アルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなる中間層材用アルミニウム合金鋳塊Dであることを特徴とする請求項4又は5記載のアルミニウム合金材の製造方法。
  7. 0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、前記皮材用のアルミニウム合金鋳塊を鋳造する工程を有することを特徴とする請求項2~6いずれか1項記載のアルミニウム合金材の製造方法。
  8. 0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、前記ろう材用アルミニウム合金鋳塊Bを鋳造する工程を有することを特徴とする請求項3~6いずれか1項記載のアルミニウム合金材の製造方法。
  9. 0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、前記犠牲陽極材用アルミニウム合金鋳塊Cを鋳造する工程を有することを特徴とする請求項3~6いずれか1項記載のアルミニウム合金材の製造方法。
  10. 0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、前記中間層材用のアルミニウム合金鋳塊を鋳造する工程を有することを特徴とする請求項4~6いずれか1項記載のアルミニウム合金材の製造方法。
  11. 0.50質量%以上のSi、0.10質量%以上のFe、0.10質量%以上のCu、0.50質量%以上のMn、0.05質量%以上のMg、及び0.10質量%以上のZnからなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含むアルミニウム合金からなり、クラッド材が用いられている自動車用熱交換器のスクラップ及び/又は自動車用熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材のスクラップを10.0質量%以上含有する鋳造原料を用いて、前記中間層材用アルミニウム合金鋳塊Dを鋳造する工程を有することを特徴とする請求項6記載のアルミニウム合金材の製造方法。
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