JP7274023B1 - キャップ着脱システム - Google Patents

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Abstract

Figure 0007274023000001
【課題】 容器の開口に装着されているキャップを自動で取り外すことができ、かつ容器の開口にキャップを自動で装着することができるキャップ着脱システムを提供する。
【解決手段】 本発明のキャップ着脱システム(1)は、キャップ(A)を容器(200)の開口(210)に着脱できるキャップ着脱システム(1)であって、前記キャップ(A)の形状に嵌合可能な形状のキャップ把持部(2.1)を有する、キャップ把持機構(2)、前記キャップ把持部(2.1)を回転させる回転駆動機構(3)、前記容器(200)の開口(210)の位置を計測することができる計測装置(20)、前記計測装置(20)によって計測した位置まで前記キャップ把持機構(2)を移動させることができる、把持機構提供装置(5)、及びこれらの動作を制御するための制御装置(50)、を具備する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、キャップ着脱システムに関する。特に、本発明は、容器の開口に装着されているキャップを自動で取り外すことができ、かつ容器の開口にキャップを自動で装着することができるキャップ着脱システムに関する。
様々な技術分野の工場等において、タンク、ドラム等の容器から液体を自動で抜き出す装置が用いられている。例えば、半導体製造プロセス等で用いられる研磨スラリー、及び洗浄液、めっき液等の薬液(ケミカル)をドラムから自動で抽出する装置が用いられている。
例えば、特許文献1は、液体を自動で提供できる研磨液供給装置を開示している。
また、特許文献2は、容器の開口にキャップを自動で装着するためのキャッピング装置を開示している。
特開2021-8003号公報 特開2018-127233号公報
近年、無人搬送車(AGV)等を用いて薬液を含む容器を、薬液を抽出する位置まで搬送する場合がある。この場合、容器から薬液を自動で提供するだけではなく、AGV等で搬送してきた容器の開口に装着されているキャップを自動で取り外す工程、及びキャップが取り外された容器の開口に、液体を抜き出すための導管、撹拌翼等の棒状体を挿入する工程も、完全に全自動で行われることが望まれている。
また、薬液を使用する工場において行われる薬液を抽出する工程だけではなく、薬液を製造する工場において行われる、薬液を注入する工程においても、全自動で行われることが好ましく、この場合にも、容器上面の開口に、液体導管等の棒状体を挿入する工程、及び薬液を容器に注入したあとに容器の開口にキャップを装着する工程も、完全に自動で行われることが望まれている。
そこで、本発明は、容器の開口に装着されているキャップを自動で取り外すことができ、かつ容器の開口にキャップを自動で装着することができるキャップ着脱システムを提供することを目的とする。
1つの実施形態において、
キャップ着脱システム(1)は、キャップ(A)を容器(200)の開口(210)に着脱できる(1)であって、
前記キャップ(A)の形状に嵌合可能な形状のキャップ把持部(2.1)を有する、キャップ把持機構(2)、
前記キャップ把持部(2.1)を回転させる回転駆動機構(3)、
前記容器(200)の開口(210)の位置を計測することができる計測装置(20)、
前記計測装置(20)によって計測した位置まで前記キャップ把持機構(2)を移動させることができる、把持機構提供装置(5)、及び
これらの動作を制御するための制御装置(50)、
を具備する。
容器をAGV等で運搬する工程、容器のキャップを取り外す工程、容器の開口に棒状体を提供する工程、及び容器から薬液を提供する工程を全て自動で行おうとする場合、容器のキャップを取り外す工程は、棒状体を提供する工程及び薬液を提供する工程と同じ場所で行われる。
この場合、容器のキャップを取り外す場所では、容器がAGV等で運搬されるために容器の向きを一定にすることができず、容器の開口及びキャップは、その都度、様々な位置となる。仮に、容器の開口及びキャップの位置が常に一定の位置に運搬できるように設定できたとしても、容器が樹脂製のドラムである場合、その成形誤差が大きいため、開口及びキャップの位置は1cm程度ずれることがありうる。
そこで、このキャップ着脱システムにおいては、容器の開口の位置を計測できる計測装置を用いて容器の開口の位置を計測した上で、開口の位置までキャップ把持機構を移動できる把持機構提供装置を組み合わせる。それにより、キャップとキャップ把持機構との位置合わせを高精度で行うことができる。
また、容器のキャップを取り外す工程、容器の開口に棒状体を提供する工程、及び容器から薬液を提供する工程を同一の場所で行うことによって、非常に多くの機械をその場所に配置する必要が出てくる。そのため、これらの工程を行う各装置の構成を簡素化する必要があり、このキャップ着脱システムでは、そもそも使用する容器のキャップ形状とキャップ把持部の形状とを嵌合可能とした。そして、キャップとキャップ把持部の位置合わせさえ精度よくできれば、キャップ把持機構を回転させるだけで、容易にキャップを着脱できるようにした。
1つの実施形態において、キャップ着脱システム(1)は、前記キャップ把持機構(2)が、前記キャップ把持部(2.1)の前記形状の半径方向を拡大及び縮小できる直径可変手段(2.2)を有する。
キャップ着脱システムのキャップ把持機構が直径可変手段を有する場合には、キャップの形状の内周部に対して、キャップ把持部の形状の半径方向を拡大及び縮小させることによって力をかけて、キャップを強固に把持し、またキャップ把持部からのキャップの取り外しを容易に行うことができる。
1つの実施形態において、前記直径可変手段(2.2)は、上下方向に運動するくさび形部材(2.2a)と、くさび形部材(2.2a)が上下することでキャップ把持機構(2)の半径方向に開閉できる開閉部材(2.2b)とを有する。
1つの実施形態において、前記開閉部材(2.2b)は、くさび形部材(2.2a)を挟んで互いに対面する少なくとも2つの対面部材(2.2b)からなり、この対面部材(2.2b)がバネ部材(2.2c)によって連結されている。
直径可変手段が、くさび形部材とそれに対応した開閉部材とによって構成されている場合、非常に簡易的な構成になる。それにより、キャップ着脱システムそのものも非常に簡易な構成とすることができる。また、開閉部材が、バネ部材で連結された2つの対面部材から構成される場合には、さらに直径可変手段を簡易な構成とすることができる。
1つの実施形態において、キャップ着脱システム(1)の前記キャップ把持機構(2)は、
前記キャップ把持部(2.1)と共に回転駆動することができ、かつ前記くさび形部材(2.2a)と共に上下運動することができる円形部材(2.3)と、
前記円形部材(2.3)を上下運動させるための上下運動部材(2.4)と、
を具備する。
キャップ着脱システムが、このような構成を有していることによって、くさび形部材の上下運動と、キャップ把持機構の回転運動とを簡易な構成で分離することができ、それによりそれぞれを独立して運動させることができる。
1つの実施形態において、キャップ着脱システム(1)の前記上下運動部材(2.4)は、
前記キャップ把持機構(2)とは同軸上にはなくかつ上下方向に運動するシリンダー(2.4a)と、
前記シリンダーの上下運動を前記円形部材(2.3)に伝達して前記円形部材(2.3)を上下運動させるためのレバー(2.4b)と
を具備しており、
前記円形部材(2.3)は、その外周部において前記レバー(2.4b)と摺動して回転運動することができる。
上下運動部材をこのような構成とすることによって、テコの原理によって、レバーがシリンダーの上下運動の力を円形部材及びくさび形部材に効果的に伝えることができ、シリンダーを小型化することができる。
1つの実施形態において、前記レバー(2.4b)と円形部材(2.3)の外周部との接触部にローラー(2.4c)が存在している。
レバーが、円形部材との接触部においてローラーを有している場合には、円形部材の回転運動がレバーとの接触部の摩擦にほぼ影響されなくなるため、くさび形部材の上下運動と、キャップ把持機構の回転運動との独立性を高めることができる。
1つの実施形態において、キャップ着脱システム(1)の前記キャップ把持機構(2)は、上下方向に変位して前記キャップ(A)との上下方向の位置合わせをすることができる弾性部材(2.5)を有している。
キャップ着脱システムが、このような弾性部材を有していることによって、仮に容器が樹脂製ドラムで成形精度が悪い結果、上下方向の位置が合わなかったとしても、容易にその位置合わせをすることができる。
1つの実施形態において、前記キャップ(A)の形状は、凹状又は凸状であり、キャップ把持部(2.1)の形状は、前記キャップ(A)の形状に対応した凸状又は凹状である。
1つの実施形態において、キャップ着脱システム(1)は、前記キャップ(A)の向きを計測することができる第2の計測装置(4)を具備する。
キャップ着脱システムが、容器の開口の位置を計測することができる計測装置と、計測装置によって計測した位置まで前記キャップ把持機構を移動させることができる把持機構提供装置とを具備していたとしても、例えばキャップの凹状形状に、キャップ把持部の凸状形状を嵌合させようとすると、それらの周方向の向きが合っていないために嵌合できない場合がある。そのようなことを防止するために、キャップ着脱システムは、第2の計測装置を用いて、キャップの凹状形状と、キャップ把持部の凸状形状との周方向の向きの差を計測すれば、キャップ把持部を回転させる回転駆動機構によって、それらの周方向の向きの差をなくすことができる。その後、把持機構提供装置を使ってキャップ把持部を垂直移動させることで、キャップの凹状形状にキャップ把持部の凸状形状を問題なく嵌合させることができる。
1つの実施形態において、キャップ着脱システム(1)は、前記キャップ(A)の凹状形状に、キャップ把持部(2.1)の凸状形状を嵌合させるために、キャップ把持部(2.1)の周方向の位置を合致させるためのキャップ把持部微調整機構を具備する。
キャップ着脱システムが、容器の開口の位置を計測することができる計測装置と、計測装置によって計測した位置まで前記キャップ把持機構を移動させることができる把持機構提供装置とを具備していたとしても、例えばキャップの凹状形状に、キャップ把持部の凸状形状を嵌合させようとすると、それらの周方向の向きが合っていないために嵌合できない場合がある。この場合、持機構提供装置を使ってキャップ把持部を垂直移動させた後、キャップ把持部を回転させる回転駆動機構とキャップ把持部微調整機構とを用いて、キャップの凹状形状にキャップ把持部の凸状形状を問題なく嵌合させることができる。この際には、キャップ把持部微調整機構がキャップ把持部に掛かるトルクを管理することで、キャップとキャップ把持部との嵌合の有無を観測することができる。
本発明によれば、容器の開口に装着されているキャップを自動で取り外すことができ、かつ容器の開口にキャップを自動で装着することができるキャップ着脱システムを提供することができる。
図1は、本発明のキャップ着脱システムを具備する液体注入及び抽出システムの1つの実施形態の概略図を示している。 図2は、本発明のキャップ着脱システムの1つの実施形態を示している。 図3は、本発明のキャップ着脱システムがキャップの上に位置している状態を示している。 図4は、本発明のキャップ着脱システムのキャップ把持機構がキャップと嵌合し、キャップ把持機構を回転させることでキャップを取り外そうとしている状態を示している。 図5は、本発明のキャップ着脱システムがキャップを取り外した状態を示している。 図6は、本発明のキャップ着脱システムがキャップを取り外した後に、キャップを所定位置まで移動させている状態を示している。 図7は、本発明のキャップ着脱システムの1つの実施形態における、キャップ把持機構2の下側から見た斜視図を示している。 図8は、本発明のキャップ着脱システムの1つの実施形態における、キャップ把持機構2の側面図を示している。 図9は、図8のA-A断面図及びB-B断面図である。 図10は、キャップ把持部2.1を下側から拡大して示した図である。 図11は、本発明の液体注入及び抽出装置の他の1つの実施形態の概略図を示している。 図12は、本発明の液体注入及び抽出装置において、容器の中心軸付近で撹拌を行うために、棒状体である撹拌翼を傾斜させた状態を例示している。 図13は、本発明の液体注入及び抽出装置の1つの実施形態において用いることができるターンテーブルの詳細を示している。 図14は、本発明の液体注入及び抽出装置に容器が運搬された直後の状態を表す斜視図である。 図15は、本発明の液体注入及び抽出システムに容器が運搬された後に、容器配置台で容器の開口の位置を適切化した状態を表す斜視図である。 図16は、本発明の液体注入及び抽出システムに容器が運搬された後に、容器配置台で容器の開口の位置を適切化した状態の側面図である。 図17は、本発明の液体注入及び抽出システムにおいて、棒状体が容器の開口に挿入された状態を表す斜視図である。 図18は、本発明の液体注入及び抽出システムにおいて、棒状体が容器の開口に挿入された状態を表す側面図である。
本発明を以下の実施形態を例として具体的に説明をするが、本発明はこれによって限定されるものではない。本明細書における各装置、機構、手段等について特に詳細な言及がない場合には、これらについては当業者であれば周知の機械的装置、機構、手段等を用いることができる。各実施形態は、当業者が通常の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、各実施形態について特記していない構成については、他の実施形態と同じ構成又はその実施形態に適した構成を有することができる。なお、本明細書において、x方向、y方向、及びz方向を、それぞれ横方向、縦方向、及び上下方向ともいう。
《キャップ着脱システム》
図1は、本発明のキャップ着脱システムを具備する液体注入及び抽出システムの1つの実施形態の概略図を示している。図2は、本発明のキャップ着脱システムの1つの実施形態を示している。
図1に示す液体注入及び抽出システム100は、容器200の上面に有する開口に、液体抽出用の液体導管等である棒状体10を自動で挿入するための装置である。このシステム100は、容器200の開口又はキャップの位置を計測することができる(第1の)計測装置20、棒状体10のための棒状体提供装置30、容器を平面方向及び/又は周方向に移動させることができる随意の容器位置変更装置40、及びこれらの動作を制御するための制御装置50を具備する。液体注入及び抽出システム100は、本発明のキャップ着脱システム1を具備することによって、容器200の開口210に装着されているキャップAを取り外すことができる。ここで、液体注入及び抽出システム100の計測装置20と制御装置50とは、キャップ着脱システム1でも用いることができる。
図2に示すように、キャップ着脱システム1は、キャップAの形状に嵌合可能な形状のキャップ把持部2.1を有する、キャップ把持機構2;キャップ把持部2.1を回転させる回転駆動機構3;及び随意の第2の計測装置4を具備している。図2には図示されていないが、キャップ着脱システム1は、計測装置20によって計測した位置までキャップ把持機構2を移動させることができる把持機構提供装置5、及びこれらの動作を制御するための制御装置50も具備している。
図3~図6は、本発明のキャップ着脱システム1が容器200からキャップAを取り外す一連の動作を示している。
図3は、キャップ着脱システム1の把持機構提供装置5が、容器200のキャップAの上部にキャップ把持機構2を移動させた状態を示している。ここでは、その前段階として、図1に示されるような計測装置20によって、容器200のキャップA又は開口210の位置が計測されており、その後、計測装置20から情報を受けた制御装置50が把持機構提供装置5に信号を与えて、把持機構提供装置5が容器200のキャップAの上部にまでキャップ把持機構2を横方向及び縦方向に移動させている。
図4は、キャップ着脱システム1の回転駆動機構3によってキャップ把持部2.1を回転させている状態を示している。その前段階として、制御装置50からの信号を受けて把持機構提供装置5が、キャップ把持機構2を容器200のキャップAの位置まで下方向に垂直移動させており、そしてキャップAの形状にキャップ把持部2.1の形状を嵌合させている。
図5は、キャップ把持機構2がキャップAを取り外して、容器200の開口210を露出させた後、キャップAを把持したままのキャップ把持機構2を把持機構提供装置5が上方向に垂直に移動させた状態を示している。
図6は、把持機構提供装置5がキャップ把持機構2を、容器200の開口210の位置から横方向及び縦方向に移動させた状態を示している。この位置において、キャップ把持機構2は、キャップAの把持状態を解除してキャップ把持部2.1から取り外すこともでき、又はキャップAの把持状態を維持したままとすることもできる。この後に、液体注入及び抽出システム100は、容器200の開口210に、棒状体10を自動で挿入することができる。
なお、図3~図6では、キャップAを取り外す一連の工程を示したが、この工程を逆の順番で行うことによって、キャップAを容器200の開口210に取り付けることが可能である。
図7~10は、キャップ着脱システム1の1つの実施形態における、キャップ把持機構2の詳細を示している。図7~10(a)は、キャップ把持部2.1の半径方向が拡がっていない状態を示しており、図7~10(b)は、キャップ把持部2.1の半径方向が拡がっている状態を示している。図7は、キャップ把持機構2の下側から見た斜視図であり、図8は、キャップ把持機構2の側面図であり、図9は、図8のA-A断面図及びB-B断面図である。図10は、キャップ把持部2.1を下側から拡大して示した図である。
この実施形態では、キャップAが十字の凹状形状となっており、キャップ把持部2.1は、それに嵌合可能な十字の凸状形状となっているが、この凹状と凸状の形状は、キャップAとキャップ把持部2.1とで入れ替わっていてもよい。また、それらの形状は、キャップ把持部2.1の形状がキャップAの形状に嵌合した後に、キャップ把持部2.1を回転させたときに、キャップが着脱されるのであれば特に限定されない。例えば、それらの形状は、三角型、四角型、星型等の多角形型とすることができる。
この実施形態において、キャップ把持機構2は、キャップ把持部2.1において、キャップAの形状に嵌合可能な形状の半径方向を拡大及び縮小できる直径可変手段2.2を有する。キャップ把持部2.1の形状の半径方向を拡大させることによってキャップAに力をかけて、キャップAを強固に把持することができる。また、その半径方向を縮小させることによってキャップ把持部2.1からのキャップAの取り外しを容易に行うことができる。
また、直径可変手段2.2は、キャップA及びキャップ把持部2.1の嵌合状態を締め付ける又は緩めることができれば特に限定されず、キャップA及びキャップ把持部2.1の形状に応じて様々となることができる。
ここでは、直径可変手段2.2は、キャップ把持部2.1の十字形状の一つの方向(Y方向)のみに半径方向を拡大及び縮小できるようになっているが、十字形状の2つの方向(X方向及びY方向)に半径方向を拡大及び縮小できるようになっていてもよい。ここでは、半径方向とは、図面中のZ方向を中心軸とした円筒座標の半径方向をいう。
図9に示すように、この直径可変手段2.2は、上下方向に運動するくさび形部材2.2aと、くさび形部材2.2aが上下することでキャップ把持機構2の半径方向(図9ではX方向)に開閉できる開閉部材2.2bと、を有する。すなわち、くさび形部材2.2aが下方向に動くと、開閉部材が半径方向に押し出されて、キャップ把持部2.1の半径方向の長さが長くなることになる。直径可変手段2.2がこのような構成である場合、キャップ把持機構2が非常に簡易的な構成で、キャップ把持部2.1の直径を変更することができる。すなわち、キャップ把持機構2は、くさび形部材2.2aを上下方向に動かすだけでキャップ把持部2.1の直径を変更することが可能になる。
ここで、開閉部材2.2bは、くさび形部材2.2aを挟んで互いに対面する少なくとも2つの対面部材2.2bからなり、この対面部材2.2bがバネ部材2.2cによって連結されている。したがって、対面部材2.2bは、常にキャップ把持部2.1の直径を小さくするように、バネ部材2.2cから力を受けており、くさび形部材2.2aが上方向に移動することによって、対面部材2.2bが自動的に閉まり、キャップ把持部2.1の直径が小さくなる。
図7及び図10に示すように、直径可変手段2.2は、2つのバネ部材2.2cによって対面部材2.2bを連結しており、くさび形部材2.2aを上方向に動かすことで又はバネ部材2.2cによる復元力によってくさび形部材2.2aが上方向に動くことで、対面部材2.2bが半径方向に容易に縮小できるようになっている。
図7~図9に示すように、キャップ把持機構2は、キャップ把持部2.1と共に回転駆動することができ、かつくさび形部材2.2aと共に上下運動することができる円形部材2.3と、円形部材2.3を上下運動させるための上下運動部材2.4と、を具備することができる。キャップ把持部2.1は回転駆動機構3によって回転させる必要があるが、キャップ把持部2.1がこのような構成を有していることによって、くさび形部材2.2aの上下運動と、キャップ把持機構2の回転運動とを簡易な構成で分離することができ、それによりそれぞれを独立して運動させることができる。
例えば、図9(a)及び(b)に示すように、円形部材2.3はくさび形部材2.2aと共に、上下運動することができる。図8(a)及び(b)に示すように、キャップ着脱システム1の上下運動部材2.4が、円形部材2.3を上下運動させることができる。ここでは、上下運動部材2.4は、キャップ把持機構2とは同軸上にはなくかつZ方向に上下運動するシリンダー2.4aと、シリンダー2.4aの上下運動を円形部材2.3に伝達して円形部材2.3を上下運動させるためのレバー2.4bとを具備している。これにより、シリンダー2.4aの上下運動をレバー2.4bを通じて円形部材2.3に伝え、それがくさび形部材2.2aを上下運動させることができる。上下運動部材2.4をこのような構成とすることによって、テコの原理によって、レバー2.4bがシリンダー2.4aの上下運動の力を円形部材2.3及びくさび形部材2.2aに効果的に伝えることができ、シリンダー2.4aを小型化することができる。
また、この円形部材2.3は、その外周部においてレバー2.4bと摺動して回転運動することができる。それによって、キャップ把持機構2及びその円形部材2.3が回転駆動機構3によって回転運動したとしても、円形部材2.3は、レバー2.4bとの接触部において摺動するのみであり、レバー2.4bは、円形部材2.3の回転運動から影響を受けないため回転運動しない。
図7及び図9に示すように、円形部材2.3は、レバー2.4bとの接触部である外周部に溝が形成されており、円形部材2.3の溝には、ローラー2.4cが存在していることによって、円形部材2.3は、レバー2.4bとの接触部から大きな摩擦を受けずに回転運動をすることができる。
キャップ把持機構2は、キャップ把持部2.1を上下方向に変位してキャップAとの上下方向の位置合わせをすることができる弾性部材2.5を有することができる。キャップ把持機構2が、このような弾性部材2.5を有していることによって、キャップ把持部2.1とキャップAとの上下方向の位置が合わない場合であっても、その位置調整をすることができる。特に、容器200が樹脂製ドラムで成形精度が悪い結果、上下方向の位置が合わなかったとしても、容易にその位置合わせをすることができるため、有用である。弾性部材2.5は、例えば図8に示すように、円形部材2.3よりも上側に位置していてもよいが、特にその位置には限定されない。弾性部材2.5は、キャップ把持部2.1をキャップAに下方向に押し付けるような力を与えられれば特にその構成は限定されず、例えばバネであってもよい。
回転駆動機構3は、キャップ把持機構2を回転させてキャップ把持部2.1で把持したキャップAを回転させることによって、キャップAを容器200の開口210から着脱させることができれば特に限定されない。図2等に示されるように、回転駆動機構3は、キャップ把持機構2の上部に、略同軸上に配置することができる。
回転駆動機構3は、制御装置50によって制御され、例えば回転モーター及びそのための電源を含むことができる。また、回転駆動機構3は、トルク計も有することができ、それによってキャップAの着脱を判定できるようになっていてもよい。
計測装置20は、上記のような機能を提供できれば特に限定されないが、例えば、計測装置20は、カメラ及びカメラで撮影した画像を処理する画像処理装置を含むことができる。このような計測装置20は、市販されており、周知の計測装置を利用することができる。なお、画像処理装置は、制御装置50と共通していてもよく、独立した部品であってもよい。
計測装置20においては、例えば、カメラで撮影した画像において、容器の開口又はキャップは色が他の部分と異なる円形形状になるため、その円形形状部を、画像処理装置によって容器200の開口又はキャップと画像認識させることができる。
把持機構提供装置5は、制御装置50から制御を受けて、計測装置20によって計測した容器200の開口210又はキャップAの位置の上部まで、キャップ把持機構2を移動させることができる。把持機構提供装置5は、図3~図6のように、水平方向にキャップ把持機構2を移動させることができると共に、キャップ把持機構2を垂直方向に移動させて、キャップ把持部2.1をキャップAの位置まで移動させることができる。
把持機構提供装置5は、上記のような機能を提供できれば特に限定されないが、例えば、ラックアンドピニオン機構によってキャップ把持機構2と共に移動できるように構成することができる。把持機構提供装置5は、上下方向及び水平方向にキャップ把持機構2を移動できるように構成することができる。
キャップ着脱システム1は、キャップAの向きを計測することができる第2の計測装置4を具備することができる。キャップAの位置については、液体注入及び抽出システムにも用いることができる(第1の)計測装置20によって計測をし、キャップ把持機構2をキャップAの上部まで移動させた上で、第2の計測装置4によって、キャップの向きを計測し、その情報をもとに、キャップ把持部2.1とキャップAの周方向の向きを合わせて容易に嵌合できるように回転駆動機構3で微調整することができる。
第2の計測装置4も、(第1の)計測装置20と同様の構成を有することができるが、第2の計測装置4は、(第1の)計測装置20よりも容器の開口又はキャップに近い位置に配置することによって、(第1の)計測装置20よりも精密に開口又はキャップの位置及び向きを計測させることができる。例えば、図2に示すように、第2の計測装置4を、キャップ把持機構2に隣接した位置に配置させることができる。
第2の計測装置4に加えて、又は第2の計測装置4の代わりに、キャップ着脱システム1は、キャップ把持部2.1とキャップAの向きを合わせてこれらを嵌合できるように、キャップ把持部2.1とキャップAの周方向の位置を合致させるためのキャップ把持部微調整機構を具備することができる。例えば、キャップ把持部微調整機構は、把持機構提供装置5によってキャップ把持機構2をキャップAの位置まで降下させた後に、キャップ把持部2.1をキャップAに押し付けながら、キャップ把持部2.1をキャップAに嵌合できるまで、回転駆動機構3によってキャップ把持機構2を回転させるように構成することができる。
制御装置50は、キャップ把持機構2、回転駆動機構3、計測装置20、及び把持機構提供装置5の動作を制御することができれば、特にその構成、位置等については限定されない。制御装置50は、1つ又は複数の装置で、その機能を発揮してもよい。また、制御装置50は、下記の液体注入及び抽出システム100の制御装置と共通していてもよく、又は別の装置であってもよい。
制御装置50は、電子制御ユニット(ECU)であってもよく、これはCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備えることができる。
例えば、制御装置50には、計測装置20から送信された容器200の開口210又はキャップAの位置に関する情報が信号として入力ポートを介して入力される。制御装置50に入力された開口位置に関する信号に基づいて、制御装置50は、容器200の開口210又はキャップAの水平面上の位置と、キャップ把持機構2の水平面上の位置とを近づけるように把持機構提供装置5を動作させるための信号を出力する。場合によって、制御装置50には、第2の計測装置4によって、計測したキャップAの向きの情報が入力され、その情報に基づいて、制御装置50は、キャップ把持部2.1とキャップAの周方向の向きを合わせるように回転駆動機構3に信号を出力する。
《液体注入及び抽出システム》
図11に示す液体注入及び抽出システム100は、容器200の上面に有する開口に、第1及び第2の棒状体11,12を自動で挿入するための装置である。このシステム100は、容器200の開口の位置を計測することができる計測装置20、第1及び第2の棒状体11,12のための第1及び第2の棒状体提供装置31,32、容器を平面方向及び/又は周方向に移動させることができる容器位置変更装置40、及びこれらの動作を制御するための制御装置50を具備する。
棒状体10は、液体注入及び抽出システム100の構成要素ではなくてもよく、液体注入及び抽出システム100によって使用される要素であることができる。図1の実施形態において、棒状体10は、2つ存在しており、少なくとも一方が液体を注入又は抽出するための液体導管であり、他方は、液体導管、気体導管、撹拌翼、温度計等のセンサーであってもよい。例えば、棒状体10は、複数の液体又は気体のための導管、センサー等の棒状体の束であってもよい。
また、例えば、液体注入及び抽出システム100が、何らかの製造プロセスで用いられる処理液の抽出装置である場合、棒状体10は、処理液の抽出のために液体を抽出するための導管と、使用した後の処理液を再利用して容器200に戻すために液体を注入するための導管とであってもよく、またこれらの束であってもよい。
図11の実施形態において、第1の棒状体11は、液体抽出用の液体導管であり、第2の棒状体12は、撹拌翼である。この場合、第1の棒状体11は、処理液の抽出のために液体を抽出するための導管と、使用した後の処理液を再利用して容器200に戻すために液体を注入するための導管との束であってもよい。
図11の実施形態において、液体導管である第1の棒状体11には、液体を注入又は抽出するためのチューブ状配管13がさらに存在している。また、撹拌翼である第2の棒状体12には、撹拌翼を撹拌するための撹拌機14がさらに存在している。
図12(a)及び(b)に示されるように、撹拌翼である第2の棒状体12には、撹拌翼を傾けるための傾斜機構15によって、撹拌翼12を傾けられるようになっていてもよい。これによって、撹拌翼12の先端を容器200の中心部に近付けることができ、容器200の内部の液体を効率よく混合することができる。
棒状体10は、容器200の開口径よりも小さい径である必要があり、撹拌翼である第2の棒状体12の場合にも径が小さい必要がある。一方で、撹拌翼は通常、径が大きい方が混合性能は高い。そこで、棒状体10として撹拌翼を用いる場合には、撹拌翼がない遠心撹拌機等を使用することが好ましい。また、撹拌翼としては、回転させることで羽が開くことができ、かつ容器200の開口から抜くときには羽が開口に当たって閉じることができる、折りたたみ式の撹拌翼も有用である。
計測装置20は、液体注入及び抽出システム100に搬入されてきた容器200の開口の位置を計測することができる。液体注入及び抽出システム100は、計測装置20が開口の位置を計測し、その情報を制御装置50に送信する。
図1及び図11の実施形態において、計測装置20は、搬入される容器200及び棒状体提供装置30の上部に位置している。ただし、計測装置20は、容器200の開口の位置を計測することができれば、その位置は特に限定されない。図1及び図11に示されるように、計測装置20は、液体注入及び抽出システム100の架台70に取り付けられていてもよいが、このような実施形態に限定されることはなく、計測装置20は、液体注入及び抽出システム100とは別個に場所に設置されていてもよい。
計測装置20は、キャップ着脱システム1のものと共通していてもよく、その構成は、キャップ着脱システム1に関して上述したようなものを用いることができる。
棒状体提供装置30は、制御装置50から制御を受けて、計測装置によって計測した容器200の開口の位置の上部まで、棒状体10を移動させることができる。棒状体提供装置30は、図1又は図11のように、複数存在する場合には、それぞれが独立して制御されて棒状体10を移動させることができる。
棒状体提供装置30が、複数存在する場合は特に、それらが互いに衝突するため、棒状体提供装置30の水平移動距離に制限ができる場合がある。したがって、棒状体提供装置30が、複数ある場合には特に、容器200の開口の位置を移動させることができる容器位置変更装置40を具備する液体注入及び抽出システム100が非常に有利である。
棒状体提供装置30は、搬入される容器200の上部に位置している。図1及び図11に示されるように、棒状体提供装置30は、液体注入及び抽出システム100の架台70に取り付けられていてもよいが、このような実施形態に限定されることはなく、棒状体提供装置30は、液体注入及び抽出システム100とは別個に場所に設置されていてもよい。
棒状体提供装置30は、上記のような機能を提供できれば特に限定されないが、例えば、ラックアンドピニオン機構によって棒状体10と共に移動できるように構成することができる。棒状体提供装置30は、少なくとも上下方向に棒状体10を移動できるように構成されている。例えば、液体注入及び抽出システム100に用いられる容器200が常に同じ形状であり、容器200をその場で回転移動さえすれば、棒状体提供装置30の真下の位置に開口が移動してくるという場合には、棒状体提供装置30は、上下方向のみに棒状体10を移動させればよい。ただし、棒状体提供装置30は、さらに水平方向の一方向又は二方向に移動できるように構成されていてもよい。この場合には、様々な容器の形状に合わせて、液体注入及び抽出システム100を用いることができる。
図11の実施形態においては、第1及び第2の棒状体11,12のための第1及び第2の棒状体提供装置31,32が存在している。第1の棒状体提供装置31は、液体導管である第1の棒状体11のためのチューブ状配管13を、第1の棒状体11と共に移動させることができる。また、第2の棒状体提供装置32は、撹拌翼である第2の棒状体12のための撹拌機14を、第2の棒状体12と共に移動させることができる。
随意の容器位置変更装置40は、計測装置20が計測した容器200の開口の位置の情報に基づいて、制御装置50から制御を受けて、搬入されてきた容器200の位置及び/又は向きを微調整することによって、容器200の開口の水平面上の位置と、棒状体10の水平面上の位置とを近づけることができる。容器200を人力等で運搬する半自動の液体注入及び抽出システム100等の場合には、容器200の開口の位置を一定程度決めてから運搬させることができるため、容器位置変更装置40の設置は必須ではない。
容器位置変更装置40は、容器200の位置及び/又は向きを変更できれば、特にその構成は限定されない。例えば、容器位置変更装置40は、容器200を配置して、その位置及び/又は向きを容器200の底部から変更できる容器配置台であってもよく、容器200を把持してその位置及び/又は向きを変更できる装置であってもよい。例えば、容器位置変更装置40は、容器200の両側面を2つのベルトで挟持してベルトを互いに逆方向に移動させることによって容器200の向きを変更する装置であってもよい。
また、例えば、容器位置変更装置40は、容器を周方向に移動させることができるターンテーブル状の容器配置台であってもよい。例えば、図13は、容器配置台40が、円形プレート状のターンテーブルを含む例を示している。この容器配置台40は、その全外周の約2/3にわたって側壁41を有している。側壁41は、円形プレート状の容器配置台40の外周において垂直に立設されており、容器配置台40には、側壁のない部分42から容器200が無人搬送車又は台車220によって運搬されてくる。
容器配置台40の側壁41には、歯車43が設けられており、モーター44に設けられた歯車(図示せず)と共に、ラックアンドピニオン機構によって、容器配置台40全体が回転運動できるように構成されている。このモーター44が、制御装置50から制御されることによって、搬入されてきた容器200を容器配置台40上で回転運動させて、容器200の開口210の水平面上の位置と棒状体10の水平面上の位置とを近づけることができる。
容器配置台40の厚みは小さいことが好ましい。例えば、容器配置台40の厚みは、側壁41を除いて、液体注入及び抽出システム100が設置される地面から、10cm以下、5cm以下、3cm以下、2cm以下、又は1cm以下であってもよい。厚みが小さい場合には、比較的重い容器を用いる場合であっても、AGVを用いて容器を移動させることできる。この場合には、地面から容器配置台40の上に容器を配置するためにスロープを設置してもよい。
制御装置50は、液体注入及び抽出システム100の計測装置20、棒状体提供装置30、及び容器位置変更装置40を制御して、上面に開口を有する容器に棒状体を自動で挿入して、容器に液体を注入し又は前記容器から液体を抽出することができる。制御装置50は、そのような機能を発揮できるのであれば、特にその構成は限定されない。
制御装置50は、キャップ着脱システム1のものと共通していてもよく、その構成は、キャップ着脱システム1に関して上述したようなものを用いることができる。
例えば、制御装置50には、計測装置20から送信された容器200の開口210の位置に関する情報を信号として入力ポートを介して入力される。制御装置50に入力された開口位置に関する信号に基づいて、制御装置50は、容器200の開口210の水平面上の位置と、棒状体10の水平面上の位置とを近づけるように、容器位置変更装置40を動作させるための信号を、容器位置変更装置40に対して出力する。棒状体10の初期位置は常に一定であってもよく、この場合、制御装置50は、容器200を新たに入れ替えたタイミング等で、棒状体10を初期位置に戻すための信号を棒状体提供装置30に出力する。また、棒状体10の初期位置が一定ではない場合、制御装置50は、容器200の開口210の水平面上の位置と、棒状体10の水平面上の位置とを近づける際に、棒状体10の現在の位置の情報を取得した上で、容器位置変更装置40を動作させるための信号を、容器位置変更装置40に対して出力する。
その後、制御装置50は、棒状体提供装置30に対して、棒状体10を容器200の開口210の真上の位置にまで移動させるように信号を出力するが、容器位置変更装置40の動作だけで、棒状体10が容器200の開口210の真上に位置させることができれば、その必要はない。棒状体10が容器200の開口210の真上に位置に移動したら、制御装置50は、棒状体提供装置30に対して、棒状体10を容器200の開口210に挿入するように、棒状体10を真下に移動させるように信号を出力する。
液体注入及び抽出システム100において、容器200への液体の注入又は容器200からの液体の抽出が終了したら、制御装置50は、棒状体提供装置30に対して、棒状体10を容器200の開口210から抜き出するように、棒状体10を真上に移動させるように信号を出力する。容器200への液体の注入又は容器200からの液体の抽出の終了は、計量装置60からの容器200の重量の情報に基づいて、制御装置50が判断することができる。また、容器200が液体注入及び抽出システム100に載置され、液体注入及び抽出システム100が動作を開始する判断も、計量装置60からの容器200の重量の情報に基づいて制御装置50が行うことができる。
計量装置60は、容器位置変更装置40の上又は下に位置することができ、容器200の重量を測定することができる。
架台70は、例えば液体注入及び抽出システム100の計測装置20、棒状体提供装置30、及び制御装置50を支持することができる。架台70は、工場内の設備の一部であってもよく、独立した設備であってもよい。
容器200は、無人搬送車又は台車220によって運搬することができれば特に限定されないが、例えばタンク、ドラム等であってもよく、金属製、樹脂製等であってもよい。ただし、上述したように、容器200が樹脂製である場合には、成形誤差に起因して、容器200の開口の位置にばらつきが大きくなるため、樹脂製の容器を用いる場合には、この液体注入及び抽出システム100は特に有用である。
容器200は、例えば、10リットル以上、50リットル以上、100リットル以上、又は200リットル以上の液体を含むことができ、3000リットル以下、2000リットル以下、1000リットル以下、又は500リットル以下の液体を含むことができる。
容器200は、1つ又は2つ以上の開口210を有しており、開口210には蓋を取り付けられてもよい。この場合、液体注入及び抽出システム100には、蓋を自動で取り外す装置を有していてもよい。
容器200に含まれる液体は、例えば、半導体製造プロセス等で用いられる研磨スラリー、及び洗浄液、めっき液等の薬液(ケミカル)であってもよく、液体注入及び抽出システム100もこのような分野で用いることができる。
さらに、本発明は、上記のような液体注入及び抽出システム100を用いた、容器からの液体抽出方法又は容器への液体の注入方法に関する。なお、本発明の方法の各構成については、本発明の液体注入及び抽出システムに関して説明した各構成を参照することができる。
この方法は、開口210を有する容器200を液体注入及び抽出システム100に搬入すること、計測装置20によって容器200の開口210の位置を計測すること、計測装置20によって計測した開口210の位置情報を制御装置50に送信すること、開口210の位置情報及び棒状体10の位置情報に基づいて制御装置50で棒状体提供装置30を作動させて容器の開口210に棒状体10を挿入すること、及び棒状体10によって、容器200から液体を抽出し又は容器200に液体を注入すること、を含む。
容器200を液体注入及び抽出システム100に搬入する工程は、容器200を液体注入及び抽出システム100の容器位置変更装置40に搬入する工程であってもよい。また、この場合、開口210の位置情報に基づいて制御装置50で容器配置台40を制御して作動させて容器の開口210の水平面上の位置と棒状体10の水平面上の位置とを近付ける工程を含めることができる。
液体注入及び抽出システム100に容器200を搬入した後は、計量装置60によって容器200の重量を計測し、その情報を制御装置50に送信すること、本発明の方法はさらに含むことができる。制御装置50が容器200の重量情報を受信した後で、計測装置20による開口210の位置の計測を行うことができる。
開口210の位置情報及び棒状体10の位置情報に基づいて制御装置50で棒状体提供装置30を作動させて容器の開口210に棒状体10を挿入する工程において、棒状体10の位置情報は、棒状体10の初期位置が決まっているのであればその情報を使用することができ、初期位置が決まっていない場合には、棒状体10の位置情報を計測して使用することができる。また、棒状体提供装置30の作動は、水平移動及び垂直移動を含むことができる。
容器200から液体を抽出し又は容器200に液体を注入する工程の後に、計量装置60によって容器200の重量を計測し、その情報を制御装置50に送信することを、本発明の方法はさらに含むことができる。これにより、液体を抽出又は液体の注入を止めるタイミングを制御装置50によって制御することができる。
液体を抽出又は液体の注入を止めた後は、制御装置50によって棒状体提供装置30を作動させ、棒状体10を容器200の開口210から抜き出すことを、本発明の方法はさらに含むことができる。この場合において、棒状体提供装置30は、棒状体10を初期位置まで移動させることができ、又は棒状体10が容器の搬出のために邪魔にならない位置まで棒状体10を移動させることができる。
最終的に、使用した後の容器を無人搬送車又は台車220によって、液体注入及び抽出システム100から、特に容器位置変更装置40から運搬することができる。
図14~図18は、液体注入及び抽出システム100が使用されている場合の各工程を示している。
図14は、液体注入及び抽出システム100に容器200が搬送された直後の状態を示している。ここでは、容器200の開口210の位置と、容器200の上部にある棒状体10の位置とが離れている。
容器200が運搬されると、計量装置60が容器200の重量を計測し、制御装置50にその信号が送信される。その後、制御装置50は、容器位置変更装置40を作動させる。
図15及び図16は、制御装置50によって作動された容器位置変更装置40によって、容器200を周方向に移動させて、容器200の開口210の位置を適切化した状態、すなわち容器200の開口210の水平面上の位置と、容器200の上部にある棒状体10の水平面上の位置とを近づけた状態を示している。また、ここでは、さらに制御装置50によって棒状体提供装置30を作動させ、棒状体10を容器200の開口210の真上の位置まで移動させた状態も表している。
図17及び図18は、棒状体提供装置30によって棒状体10を垂直移動させて、容器200の開口210に棒状体10を挿入した状態を表している。
A…キャップ
1…キャップ着脱システム
2…キャップ把持機構
2.1…キャップ把持部
2.2…直径可変手段
2.2a…くさび形部材
2.2b…対面部材
2.2c…バネ部材
2.3…円形部材
2.4…上下運動部材
2.4a…シリンダー
2.4b…レバー
2.4c…ローラー
2.5…弾性部材
3…回転駆動機構
4…第2の計測装置
5…把持機構提供装置
10,11,12…棒状体
13…チューブ状配管
14…撹拌機
15…傾斜機構
20…計測装置
30,31,32…棒状体提供装置
40…容器位置変更装置
41…側壁
42…側壁のない部分
43…歯車
44…モーター
50…制御装置
60…計量装置
70…架台
100…液体注入及び抽出システム
200…容器
210…開口
220…無人搬送車又は台車

Claims (8)

  1. キャップを容器の開口に着脱できるキャップ着脱システムであって、
    前記キャップの形状に嵌合可能な形状のキャップ把持部、及び前記キャップ把持部の前記形状の半径方向を拡大及び縮小できる直径可変手段を有する、キャップ把持機構であって、前記直径可変手段は、上下方向に運動するくさび形部材と、くさび形部材が上下することでキャップ把持機構の半径方向に開閉できる開閉部材とを有し、かつ前記キャップの形状の内周部に対して、前記キャップ把持部の形状の半径方向を拡大及び縮小させることによって力をかけて、前記キャップを把持することができる、キャップ把持機構、
    前記キャップ把持部と共に回転駆動することができ、かつ前記くさび形部材と共に上下運動することができる円形部材と、
    前記円形部材を上下運動させるための上下運動部材と、
    前記キャップ把持部を回転させる回転駆動機構、
    前記容器の開口の位置を計測することができる計測装置、
    前記計測装置によって計測した位置まで前記キャップ把持機構を移動させることができる、把持機構提供装置、及び
    これらの動作を制御するための制御装置、
    を具備する、キャップ着脱システム。
  2. 前記開閉部材は、くさび形部材を挟んで互いに対面する少なくとも2つの対面部材からなり、この対面部材がバネ部材によって連結されている、請求項1に記載のキャップ着脱システム。
  3. 前記上下運動部材は、
    前記キャップ把持機構とは同軸上にはなくかつ上下方向に運動するシリンダーと、
    前記シリンダーの上下運動を前記円形部材に伝達して前記円形部材を上下運動させるためのレバーと
    を具備しており、
    前記円形部材は、その外周部において前記レバーと摺動して回転運動することができる、請求項1に記載のキャップ着脱システム。
  4. 前記レバーと円形部材の外周部との接触部にローラーが存在している、請求項3に記載のキャップ着脱システム。
  5. 前記キャップ把持機構は、上下方向に変位して前記キャップとの上下方向の位置合わせをすることができる弾性部材を有している、請求項1に記載のキャップ着脱システム。
  6. 前記キャップの形状が、凹状であり、キャップ把持部の形状が、前記キャップの形状に対応した凸状である、請求項1に記載のキャップ着脱システム。
  7. 前記キャップの向きを計測することができる第2の計測装置を具備する、請求項6に記載のキャップ着脱システム。
  8. 前記キャップの凹状形状に、キャップ把持部の凸状形状を嵌合させるために、キャップ把持部の周方向の位置を合致させるためのキャップ把持部微調整機構を具備する、請求項6に記載のキャップ着脱システム。
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