JP7273208B1 - 鮭鱒類の養殖方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止することができる鮭鱒類の養殖システム及び養殖方法を提供する。【解決手段】水槽内の鮭鱒類に向けて照射光を発する光照射部と、任意の前記光照射部の発光スペクトルと前記鮭鱒類の光受容スペクトルに基づいて得られる、前記照射光の波長帯毎の前記鮭鱒類の吸収効率である光効率スペクトルに基づいてピーク波長が選定・制御された前記照射光を発するように前記光照射部を制御する光照射制御部と、を有することを特徴とする鮭鱒類の養殖システム。【選択図】図1

Description

本発明は、鮭鱒類の養殖方法に関する。
特許文献1には、水中の水生生物の成長を増進する照明システムが記載されている。この照明システムは、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光ドライバと、コントローラとを有している。少なくとも1つの光源は、水に光を放射する少なくとも1つの発光ダイオードを有する。少なくとも1つの光ドライバは、少なくとも1つの光源を駆動させる。コントローラは、少なくとも1日から2週間、好ましくは少なくとも2日から2週間の期間にわたって、少なくとも1つの光源から放射される光の光強度レベルを第1の光強度レベルから第2の光強度レベルまで増加させるための制御信号を光ドライバに提供する。
特許文献2には、魚(サケ(Salmon))の卵を収穫するためのプロセスが記載されている。このプロセスは、以下の工程を含む。
・少なくとも1つのSalmo salar系統からの、性的に未成熟な魚を含む種親を提供すること。
・それが成熟に進行するように、種親の寿命を維持するのに適した水性媒体を含む水生環境において種親を飼育することであって、ここで、飼育することはライフサイクルのステージで行われ、その間に、少なくとも各ライフサイクルステージの光曝露と期間が調整され、ここで、飼育することは、その期間内に種親は、冬の光曝露をシミュレートする光に曝露される、冬のライフサイクルステージと、その期間内に種親は、夏の光曝露をシミュレートする光に曝露される、後続の夏のライフサイクルステージと、を含む少なくとも冬夏期間を包含し、ここで、冬夏期間中の合計累積熱量単位(ATU)は5000以下である、飼育すること。
・成熟した魚から卵を収穫すること。
特表2016-508033号公報 特表2021-503967号公報
ところで、鮭鱒類の養殖においては、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止することが要求されるが、特許文献1、2の技術は、当該要求に応えきれていない。例えば、特許文献1は、第1の光強度レベルから第2の光強度レベルまで増加させることの光照射の具体性に欠けており、特許文献2は、冬のライフサイクルステージと夏のライフサイクルステージの光照射の具体性に欠けており、上記要求に応えた鮭鱒類の養殖に適しているとは言えない。また、特許文献2は、魚の卵を収穫するための技術であって、魚の身を得るという目的・観点に基づく技術ではない。
本発明は、上記の問題意識に基づいてなされたものであり、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止することができる鮭鱒類の養殖方法を提供することを目的とする。
本実施形態の鮭鱒類の養殖方法は、自然界の海と河川を利用せずに養殖プラントを利用して鮭鱒類の養殖を行う鮭鱒類の養殖システムによる鮭鱒類の養殖方法であって、特定の波長の候補毎に異なる、LED(Light Emitting Diode)の発光効率と前記鮭鱒類の平均光吸収効率と、前記LEDの発光効率と前記鮭鱒類の平均光吸収効率とを乗算して得られる発光吸収エネルギー効率に基づいて、前記発光吸収エネルギー効率が最大化されるように、水槽内の前記鮭鱒類に向けて照射光を発するLEDを、前記特定の波長の候補の中から前記特定の波長として決定されたピーク波長の前記照射光を発するように選定・制御し、前記LEDの選定・制御は、前記特定の波長の候補の中から前記特定の波長として決定された前記ピーク波長を持つ波長制御機能を持たないLEDを選定すること、及び/又は、波長制御機能を持つLEDを制御して前記特定の波長の候補の中から前記特定の波長として決定された前記ピーク波長を制御することを含む、ことを特徴とする。
本実施形態の鮭鱒類の養殖システムは、水槽内の鮭鱒類に向けて照射光を発する光照射部と、前記照射光のピーク波長が503nm以上かつ527nm以下となり、前記水槽内の任意の位置における前記照射光の強度(とりわけ前記水槽内の底部における前記照射光の強度)が0.016W/m以上となり、前記照射光の明期時間/暗期時間が7/17以上かつ9/15以下となるように、前記照射光を発する前記光照射部を選定・制御する光照射制御部と、を有することを特徴とする。
本実施形態の鮭鱒類の養殖方法は、水槽内の鮭鱒類に向けて光照射部から照射光を発する工程と、前記照射光のピーク波長が503nm以上かつ527nm以下となり、前記水槽内の任意の位置における前記照射光の強度(とりわけ前記水槽内の底部における前記照射光の強度)が0.016W/m以上となり、前記照射光の明期時間/暗期時間が7/17以上かつ9/15以下となるように、前記照射光を発する前記光照射部を選定・制御する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止することができる鮭鱒類の養殖方法を提供することができる。
本実施形態の鮭鱒類の養殖システム及び養殖方法の技術思想の一例を示す概念図である。 LEDのピーク波長毎の発光効率の一例を示す図である。 鮭鱒類の平均光吸収効率の一例を示す図である。 LEDのピーク波長毎の発光効率、平均光吸収効率、発光吸収エネルギー効率の関係の一例を示す図である。 波長帯毎に鮭鱒類の平均光吸収効率とLEDの発光スペクトルを掛け合わせたものの一例を示す図である。 本実施形態の鮭鱒類の養殖システムの概略構成の一例を示す図である。 光照射部から水槽への照射光の照射イメージの一例を示す図である。
<用語の定義>
本明細書において、鮭鱒類の養殖を「陸上養殖」と呼ぶことがある。この「陸上養殖」は、自然界の海や河川それ自体を利用せず、産卵から孵化、稚魚から成魚になるまで一貫して、本実施形態で説明する養殖プラント技術を利用して行う養殖を意味している。従って、本実施形態の鮭鱒類の養殖システム及び養殖方法は、自然界の海や河川それ自体を利用した養殖技術とは一線を画しており、自然界の海や河川それ自体を利用した養殖技術の比較対象外となるものである。但し、自然界の海や河川又はその近傍に本実施形態の養殖プラントを設置する場合を除外しない。
<本発明の技術思想>
鮭鱒類の養殖においては、稚魚の成長速度を増進する(成長率の向上)という要求と、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止する(性成熟の抑制)という要求とが存在している。従来、「成長率の向上」及び「性成熟の抑制」の2つの要求はトレードオフの関係にあり、これらを両立させることは困難であるとされてきた。例えば、従来、成長率の向上を見込んだ様々な方法で鮭鱒類を養殖しても、その1割~3割が性成熟により早期に死亡したり、身の劣化により商品単価が低下したりしていた。
本発明者らは、鮭鱒類の養殖についての鋭意研究を重ねた結果、「成長率の向上」及び「性成熟の抑制」のトレードオフを解消(最適条件で定量化)して、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止することができる鮭鱒類の養殖システム及び養殖方法を着想するに至った。
具体的に、本実施形態の鮭鱒類の養殖システム及び養殖方法では、水槽内の鮭鱒類に向けて照射光を発する光照射部(例えばLED(Light Emitting Diode))を使用する。また、光照射部による照射光の波長帯毎の鮭鱒類の吸収効率である光効率スペクトルに基づいてピーク波長が選定・制御された照射光を発するように、光照射部を制御する。さらに、鮭鱒類の光効率スペクトルは、任意の光照射部の発光スペクトルと、鮭鱒類の光受容スペクトルとに基づいて(これら両スペクトルの掛け合わせにより)得られる(決定される)。
ここで、「任意の」光照射部とは、例えば、光照射部としてLEDを適用する場合、様々な特性を持つLEDを光照射部として選定・使用し得るという意味である。より具体的に、LEDは、波長制御部分(機能)を持つものと持たないものが存在するが、それらを包括して、本実施形態の光照射部として選定・使用し得る。
光照射部による照射光のピーク波長の選定・制御は、例えば、次の(1)~(3)のいずれか又は任意の組み合わせによって実現される。
(1)どのような特性の光照射部(例えばLED)を選定・制御して駆動するか(駆動電流(駆動電圧)を供給するか)。例えば、後述するように波長503nm~527nmにλmax(ピーク波長)を持つ光照射部(例えばLED)を選定するか、あるいは/加えて、波長制御部分(機能)を持つ光照射部(例えばLED)を制御して波長503nm~527nmにλmax(ピーク波長)を持つように駆動するか。
(2)複数の光照射部(例えばLED)を組み合わせて使用する場合、どのような特性の光照射部(例えばLED)をどのように組み合わせて配置するか(例えばアレイ化するか)。
(3)光照射部(例えばLED)の駆動態様をどのように設定・制御するか(例えば駆動電流(駆動電圧)をどのように設定・制御するか)。
図1は、本実施形態の鮭鱒類の養殖システム及び養殖方法の技術思想の一例を示す概念図である。
図1A、図1Bに示すように、鮭鱒類は、極大吸収波長(最大吸収波長)の異なる2つの光受容体を網膜に有している。この2つの光受容体を「第1、第2の光受容体」と呼び、第1の光受容体の極大吸収波長を「第1の極大吸収波長」と呼び、第2の光受容体の極大吸収波長を「第2の極大吸収波長」と呼ぶ。図1Cに示すように、第1、第2の光受容体は、鮭鱒類の体内に所定の存在比(割合)で含まれる。
図1A、図1Bに示すように、一例として、鮭鱒類の第1の光受容体の第1の極大吸収波長は503nmであり、鮭鱒類の第2の光受容体の第2の極大吸収波長は527nmである(λmax=503nm、527nm)。あるいは、鮭鱒類の第1、第2の光受容体の第1、第2の極大吸収波長は、季節に応じて507nm~511nmを推移している。
第1の極大吸収波長(λmax=503nm)はロドプシン(A1)と呼ばれ、第2の極大吸収波長(λmax=527nm)はポリフィロプシン(A2)と呼ばれる。海中生活時には前者が優勢だが、川に遡上するために汽水域に入ると後者が優勢(例えば90%)になる。照射光による光刺激は、鮭鱒類の光受容体細胞と松果体細胞で検知され、メラトニン分泌システムが刺激される。
本実施形態では、鮭鱒類の第1の光受容体の第1の極大吸収波長(例えば図1Aの503nm)と、鮭鱒類の第2の光受容体の第2の極大吸収波長(例えば図1Bの527nm)と、鮭鱒類の第1、第2の光受容体の存在比(例えば図1C)とに基づいて、鮭鱒類の光受容スペクトルを決定する。すなわち、鮭鱒類の第1、第2の光受容体の第1、第2の極大吸収波長に基づいて、鮭鱒類の第1、第2の光受容体の存在比が同定可能であり、鮭鱒類の第1、第2の光受容体の存在比に基づいて、鮭鱒類の光受容スペクトルを作成可能である。
図1Dは、照射光を発する光照射部(例えば緑色LED)の発光スペクトルの一例を示している。鮭鱒類の光受容スペクトルは、緑色付近(例えば、広い範囲では波長503nm~527nm、狭い範囲では波長507nm~511nm)に極大吸収波長を持つため、光吸収効率の高い緑色LEDを光照射部として選定することができる。
光照射部(例えば緑色LED)の発光スペクトル(図1D)と、鮭鱒類の光受容スペクトル(鮭鱒類の第1の光受容体の第1の極大吸収波長(図1A)、鮭鱒類の第2の光受容体の第2の極大吸収波長(図1B)、鮭鱒類の第1、第2の光受容体の存在比(図1C)から取得される)とに基づいて(これら両スペクトルの掛け合わせにより)、光照射部(例えば緑色LED)による照射光の波長帯毎の鮭鱒類の吸収効率である光効率スペクトルが算出される。この鮭鱒類の光効率スペクトルは、陸上養殖事業プラントにおける鮭鱒類の光効率スペクトル(光波長帯毎の吸収効率)と読み替えてもよい。
このようにして得た鮭鱒類の光効率スペクトルに基づいて、光照射部(緑色LED)が発する照射光(緑色光)のピーク波長を制御する。これにより、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止することができる。
好ましくは、光照射部(緑色LED)が発する照射光(緑色光)のピーク波長が503nm以上かつ527nm以下となるように制御する。より好ましくは、光照射部(緑色LED)が発する照射光(緑色光)のピーク波長が507nm以上かつ511nm以下となるように制御する。あるいは、光照射部(緑色LED)が発する照射光(緑色光)のピーク波長が515nmとなるように制御してもよい。なお、ピーク波長の最適値は、鮭鱒類の光効率スペクトルを導く際に用いる光照射部(例えばLED)の発光スペクトル次第で変動するため、ここで述べた515nmはあくまで一例にすぎない。503nm以上かつ527nm以下というピーク波長の条件を満足することで、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止するという作用効果をより顕著に得ることができる。光照射部(緑色LED)が発する照射光(緑色光)のピーク波長が503nmを下回っても527nmを上回っても、当該条件を満足する場合と比較して、稚魚の成長速度の増進が不十分になり、且つ/又は、性成熟による早期の死亡や身の劣化が発生するおそれがある。
基本的には、鮭鱒類の光受容スペクトルのピークが波長503nm~527nmの範囲にあるので、発光スペクトルとして波長503nm~527nmにピークを持つ光照射部(例えば緑色LED)と、ピーク波長をその他の範囲に持つ光照射部(例えば赤色LED)とを比べると、前者の方が優れた鮭鱒類の光効率スペクトルを持つことが想定される。そこで、そのようなλmax(ピーク波長)を持つ光照射部(例えばLED)を選定するか、あるいは/加えて、波長制御部分(機能)を持つ光照射部(例えばLED)を制御して波長503nm~527nmにλmax(ピーク波長)を持つように駆動(制御)することができる。
なお、第1、第2の極大吸収波長の具体値、第1、第2の光受容体の存在比(割合)は、鮭鱒類の個体差や環境要因(気候、水温、水質など)に応じて若干の変動はあり得るが、これらの変動要因を考慮した上で、上記の照射光のピーク波長の数値範囲が適用される。
鮭鱒類の光効率スペクトル(陸上養殖事業プラントにおける鮭鱒類の光効率スペクトル)の半値幅は、光照射部(緑色LED)の強度の1/2以上が光刺激として有効に機能する光波長帯であるため、陸上養殖事業プラントにおける最適な光波長幅として設定する。
図2は、LEDのピーク波長(nm)毎の発光効率(%)の一例を示す図である。図2において、発光効率は、LEDパッケージの状態で、入力電力量(W)に対する光出力(W)の差分(割合)によって規定される。また、LED駆動条件は、定格電流、定格雰囲気温度、定格雰囲気湿度、ジャンクション温度を想定する(LEDは熱の影響を受け易いため)。
図2の例では、ピーク波長が280nm、310nm、365nm、385nm、465nm、520nm、570nm、605nm、630nmの場合における発光効率(%)を示している。ピーク波長が280nmの場合の発光効率が3.1%で最も低くなっており、ピーク波長が385nmの場合の発光効率が61.8%で最も高くなっている。
図3は、鮭鱒類の平均光吸収効率(光吸収スペクトル)の一例を示す図である。図3は、鮭鱒類の網膜に存在する第1、第2の光受容体の存在比(図1C)を考慮して、鮭鱒類の第1、第2の光受容体の第1、第2の極大吸収波長(図1A、図1B)を合成したものに相当する。図3で例示するピーク波長λmax=511nmである。上述したように、鮭鱒類の第1の光受容体の第1の極大吸収波長は503nmであり、鮭鱒類の第2の光受容体の第2の極大吸収波長は527nmである。また、鮭鱒類の第1、第2の光受容体の存在比については、全体を1としたとき、第1の光受容体が0.62~0.74を推移し、第2の光受容体が0.26~0.38を推移している。第1の光受容体の平均存在比(割合)は0.68であり、第2の光受容体の平均存在比(割合)は0.32である。
図4は、LEDのピーク波長(nm)毎の発光効率、平均光吸収効率、発光吸収エネルギー効率の関係の一例を示す図である。図4において、発光効率と平均光吸収効率は、最大値を1とした場合の相対値(パーセンテージ)を示しており、発光吸収エネルギー効率は、発光効率と平均光吸収効率を乗算した値となっている。すなわち、図2に示すLEDの発光効率と、図3に示す鮭鱒類の平均光吸収効率(光吸収スペクトル)とを乗算すると、鮭鱒類に対する各光波長帯のエネルギー効率が特定される。
図4の例では、ピーク波長が365nm、385nm、465nm、520nm、570nm、605nm、630nmの場合における発光効率、平均光吸収効率、発光吸収エネルギー効率を示している。図4に示すように、平均光吸収効率の観点からは、ピーク波長が520nmの場合が最も優れていて0.887であり、ピーク波長が465nmの場合が次に優れていて0.660である。一方、発光吸収エネルギー効率の観点からは、ピーク波長が465nmの場合が最も優れていて0.380であり、ピーク波長が520nmの場合が次に優れていて0.353である。
上述したように、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止するという作用効果を追求する場合には、照射光のピーク波長が503nm以上かつ527nm以下となるように制御することが好ましい。つまり、図4の例ではピーク波長が520nmの場合が好ましい。しかし、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止するという作用効果を多少犠牲にしてでも、発光吸収エネルギー効率の追求を優先するという観点からは、ピーク波長が503nm以上かつ527nm以下という条件を満足していないが、図4の例におけるピーク波長が465nmの場合を採用することも可能である。別言すると、鮭鱒類の光吸収効率だけを考慮すれば緑色光(例えば波長520nm)が好ましいが、LEDの発光効率も考慮すれば青色光(例えば波長465nm)も同様に発光吸収エネルギー効率が優れている。以上より、本明細書において、「光照射部による照射光の波長帯毎の鮭鱒類の吸収効率である光効率スペクトルに基づいて、光照射部による照射光のピーク波長を制御する」という場合、当該ピーク波長の範囲は、503nm以上かつ527nm以下を必須とするものではなく、当該範囲の下限をやや下回った青色光(例えば波長465nm)を含み得る。
図5は、波長帯毎に鮭鱒類の平均光吸収効率とLEDの発光スペクトルを掛け合わせたものの一例を示す図である。図5の例では、鮭鱒類の平均光吸収効率とLEDの発光スペクトルを掛け合わせた値が極大値(ピーク値)となるのは波長515nmのときであり、当該値が極大値(ピーク値)の1/2以上となる波長範囲である半値幅は、501nm~534nmとなっている。
光照射部が発する照射光は、上述したピーク波長と、これから述べる光強度との2つの条件の組み合わせによって最適化されてもよい。より具体的に、光照射部が発する照射光の強度が0.16μW/cm以上となるように、光照射部ないし照射光が選定・制御されてもよい。光照射部が発する照射光の強度は、その測定位置に応じて異なり得る。例えば、水槽の上方に光照射部を設けて、水槽内の水に向けて照射光を発する場合、水槽内の水に入る前の照射光、あるいは、水槽内の水中の任意の位置における照射光の強度が0.16μW/cm以上となるように、光照射部ないし照射光を選定・制御してもよい。
代替的に/加えて、水槽内の底部における照射光の強度が0.016W/m以上となり、且つ/又は、水槽内の水の吸光係数をμ1とし、水槽内の水深をLとしたときに、水槽内の水面における照射光の強度が0.016×10(-μ1×L)W/m以上となるように、光照射部ないし照射光が選定・制御されてもよい。
好適水における緑色光の吸光係数をμ1とし、水槽内の水深をLとしたとき、水槽内の底部における光強度は、水面上の光強度の10(-μ1×L)倍となる。ランベルト・ベールの法則によれば、飼育水の吸光係数をμ(1/cm)とし、水槽内の水深をL(cm)としたとき、飼育水に入射した光の強度は、水槽内の底部では、10(-μ×L)倍に減退する。また、飼育水に入射した光の強度Iと、水槽内の底部の光の強度Iは、In(I/I)=-μLを満足する。ここでは、光の波長λ=515nmにおいて、飼育水が海水の場合の吸光係数μ=0.0009であり、飼育水が蒸留水の場合の吸光係数μ=0.0005であり、好適水(好適環境水)の吸光係数μが0.0005<μ<0.0009を満たすものと想定している。
本発明者らは、鮭鱒類の網膜に存在する光受容体の閾値(感知できる光の最低強度)が0.016W/mであることに着目した。そして、水槽内の底部でも0.016W/m以上の光が届くように光照射部の設置位置を決定すること、具体的には、水槽内の水面における照射光の強度が0.016×10(-μ1×L)W/m以上となるように、光照射部ないし照射光を選定・制御するという構成に想到した。
例えば、光照射部の設置位置を決定する場合、放射照度計を使用して水面上の光照度を実測し、条件を満たす水面からの距離WDを特定する。その際、導入する光照射部(例えばLED)の数を最小化してコストを削減するため、光照射部(例えばLED)の指向角を最大限生かせるように、最大の指向角度±10°の地点(仮置き地点)の光強度が0.016×10(-μ1×L)W/m以上となるように距離WDを特定して、その距離WDの位置に光照射部(例えばLED)を設置する。
上述した照射光の光強度の条件を満足することで、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止するという作用効果をより顕著に得ることができる。上述した照射光の光強度の条件を満足しない場合、当該条件を満足する場合と比較して、稚魚の成長速度の増進が不十分になり、且つ/又は、性成熟による早期の死亡や身の劣化が発生するおそれがある。
光照射部が発する照射光の明期時間/暗期時間は、7/17以上かつ9/15以下となるように選定・制御することが好ましく、8/16となるように選定・制御することがより好ましい(日長条件LD=8:16)。例えば、鮭鱒類に照射光を照射する明期時間、及び、鮭鱒類に照射光を照射しない暗期時間を以下のように設定する。第1の例では、ある日の午前9時~午後16時までを明期時間として、午後16時~翌日の午前9時までを暗期時間とする(日長条件LD=7:17)。第2の例では、ある日の午前9時~午後18時までを明期時間として、午後18時~翌日の午前9時までを暗期時間とする(日長条件LD=9:15)。第3の例(最も好ましい例)では、ある日の午前9時~午後17時までを明期時間として、午後17時~翌日の午前9時までを暗期時間とする(日長条件LD=8:16)。なお、明期時間における照射光の照射パターンは連続である(間欠的でない)ことが好ましい。また、照射光を発する光照射部(LED)は、水槽の上方に設置することが好ましい。
照射光の明期時間/暗期時間が7/17以上かつ9/15以下となるように選定・制御することで、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止するという作用効果をより顕著に得ることができる。当該条件を満足しない場合、当該条件を満足する場合と比較して、稚魚の成長速度の増進が不十分になり、且つ/又は、性成熟による早期の死亡や身の劣化が発生するおそれがある。
このように、本実施形態における鮭鱒類への照射光の照射条件を整理すると、次の照射条件(X)、(Y)、(Z)を満足することが好ましい。
(X)照射光のピーク波長が503nm以上かつ527nm以下であること。
(Y)水槽内の任意の位置における照射光の強度(とりわけ水槽内の底部における照射光の強度)が0.016W/m以上であること。
(Z)照射光の明期時間/暗期時間が7/17以上かつ9/15以下であること。
上記の照射条件(X)、(Y)、(Z)を満足することで、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止するという作用効果をより顕著に得ることができる。上記の照射条件(X)、(Y)、(Z)を満足しないと、上記の照射条件(X)、(Y)、(Z)を満足する場合と比較して、稚魚の成長速度の増進が不十分になり、且つ/又は、性成熟による早期の死亡や身の劣化が発生するおそれがある。
本実施形態では、水槽内の水面又は水中における照射光の強度を取得する光強度取得部を設けて、光照射制御部により、光強度取得部が取得した照射光の強度に基づいて、光照射部が照射光を発するための駆動電流(又は駆動電圧)を制御してもよい。例えばLEDの光強度は時間経過に伴って減退するので、フォトンレセプタにて照射光の光強度を常時又は定期的に計測し、計測した照射光の光強度をLEDの駆動回路にフィードバックする。具体的に、照射光の光強度が一定以下であればLEDの駆動電流を上げるように制御して、減退した分の光強度を高める(補う)ことができる。
<鮭鱒類の養殖システムの具体的構成>
図6A、図6Bは、本実施形態の鮭鱒類の養殖システム1の概略構成の一例を示す図である。以下では、図6A、図6Bの上下方向を「高さ方向」と呼び、図6Aの左右方向、図6Bの紙面直交方向を「幅方向」と呼び、図6Aの紙面直交方向、図6Bの左右方向を「長さ方向」と呼ぶことがある。
養殖システム1は、飼育水が入れられた水槽10を有しており、水槽10内(飼育水)に鮭鱒類20が養殖されている。水槽10の幅×長さ×高さで規定されるサイズ(容量)は、養殖事業プラントの規模等に応じて自由度を持って設定され、種々の設計変更が可能である。また、図6A、図6Bにおいて水槽10内に描いた鮭鱒類20の数やサイズは作図の便宜上の理由で簡略化して描いたものにすぎない。また、水槽10内の飼育水は、例えば、光の波長λ=515nmにおいて吸光係数μが0.0005<μ<0.0009を満たすような好適水(好適環境水)とすることができる。また、水槽10のタンクの材質には自由度があるが、例えば、鋼鉄の上に緑色のFRP(Fiber Reinforced Plastics)のライニングを施して、緑色の照射光(例えば波長が503nm以上かつ527nm)の反射の影響を低減したものとすることができる。また、水槽10内における照射光の強度を均一化するために、マイクロバブルの光散乱を活用してもよい。
水槽10の上方には、水槽10内の鮭鱒類20に向けて照射光を発する光照射部(LED)30が設けられている。光照射部30は、幅方向に短く長さ方向に長い基板部31と、基板部31に長さ方向に沿って配置された複数の光源部(LED光源部)32とを有している。図6A、図6Bでは、一列に並んだ10個の光源部32を例示して描いているが、光源部32の数や配置には自由度があり、種々の設計変更が可能である。例えば、光源部32を二列又は三列に配置して各列に複数個を設ける態様も可能である。
光照射部(LED)30の仕様に特に制限はないが、例えば、基板部31や光源部(LED光源部)32の筐体は、アルマイト処理されたアルミニウム製で防水構造を施されたものであることが好ましい。光源部(LED光源部)32は、例えば、波長が503nm以上かつ527nm以下の緑色光を発することができる緑色LEDとすることが好ましい。具体的に、光源部(LED光源部)32は、波長制御部分(機能)を持たずに503nm以上かつ527nm以下にλmax(ピーク波長)を持つものであってもよいし、波長制御部分(機能)を持って503nm以上かつ527nm以下にλmax(ピーク波長)を持つように駆動(制御)されるものであってもよい。
光照射部30(光源部32)には、光照射制御部40が電気的に接続されている。光照射制御部40は、光照射部30(光源部32)に駆動電流(駆動電圧)を加えることで、光照射部30(光源部32)からの照射光のピーク波長を制御する(ピーク波長が制御された照射光の供給を指示する)。より具体的に、光照射制御部40は、任意の光照射部30(光源部32)の発光スペクトルと鮭鱒類20の光受容スペクトルに基づいて得られる(決定される)、照射光の波長帯毎の鮭鱒類20の吸収効率である光効率スペクトルに基づいて、照射光のピーク波長を制御する(図1A~図1Dを参照)。
ここで、鮭鱒類20の光受容スペクトルは、鮭鱒類20の第1の光受容体の第1の極大吸収波長と、鮭鱒類20の第2の光受容体の第2の極大吸収波長と、鮭鱒類20の第1、第2の光受容体の存在比とに基づいて決定される(図1A~図1Cを参照)。例えば、第1の極大吸収波長は503nmであり、第2の極大吸収波長は527nmである。そして、光照射制御部40は、照射光のピーク波長が503nm以上かつ527nm以下となるように、光照射部30(光源部32)ないし照射光を選定・制御する。また、光照射制御部40は、照射光の明期時間/暗期時間が7/17以上かつ9/15以下となるように、光照射部30(光源部32)ないし照射光を選定・制御する。
水槽10内の底部における照射光の強度が0.016W/m以上となり、且つ/又は、水槽10内の水の吸光係数をμ1とし、水槽10内の水深をLとしたときに、水槽10内の水面における照射光の強度が0.016×10(-μ1×L)W/m以上となるように、光照射部30(光源部32)ないし照射光が選定・制御される。
水槽10内の底部又はその近傍には、水槽10内の水(飼育水)における照射光の強度を取得する光強度取得部(光子レセプタ)50が設置されている。ここでは、水槽10内の底部又はその近傍に光強度取得部50を設置した場合を例示したが、光強度取得部50の設置位置には自由度があり、種々の設計変更が可能である。光強度取得部50は、水槽10内の水面又は水中における照射光の強度を取得できるものであればよい。光照射制御部40は、光強度取得部50が取得した照射光の強度に基づいて、光照射部30(光源部32)が照射光を発するための駆動電流(駆動電圧)を制御する。より具体的に、光照射制御部40は、光強度取得部50が取得した照射光の強度に基づいて、水槽10内の底部における照射光の強度が0.016W/m以上となり、且つ/又は、水槽10内の水の吸光係数をμ1とし、水槽10内の水深をLとしたときに、水槽10内の水面における照射光の強度が0.016×10(-μ1×L)W/m以上となるように、光照射部30(光源部32)が照射光を発するための駆動電流(駆動電圧)を制御する。
なお、光照射部30(光源部32)を水中に設置することも可能ではあるが、鮭鱒類20が光照射部30(光源部32)の真横を通って網膜の損傷が懸念されるため、水槽10内の水面の上方に光照射部30(光源部32)を設置することが好ましい。また、光照射部30(光源部32)による照射光は、水面に対して鋭角又は鈍角(つまり垂直でない)で入射することが好ましい。仮に、光照射部30(光源部32)による照射光が水面に対して垂直に入射すると、照射光による明暗の差(光強度のムラ)が大きくなり、鮭鱒類20が網膜を通じて照射光を受容し難くなってしまうためである。
図7は、光照射部30(光源部32)から水槽10への照射光の照射イメージの一例を示す図である。図7を参照して、水槽10内における照射光の反射率と透過率を検討する。
照射光の反射率を検討するに際し、臨界角θ(全反射となる入射角=Sinθ)を導出して入射エネルギーの割合を求める。空気中の屈折率n0を1.0とし、海水中の屈折率n1を1.339(真水の屈折率は1.335)としたとき、Sinθ=n0/n1(スネルの法則)より、θ=49°と求められる。ここで、光源部(LED光源部)32の指向角を120°とすると、指向半角は60°となるので、実際に水槽10に入射する光の割合は、およそ、49°/60°=82%となる。
照射光の透過率を検討するに際し、水槽10内に入射した光の水深1m=100cmまでの減衰量を算出する。図7の例では、水槽10への入射前における照射光の強度をI0とし、水槽10内の深さL(m)における照射光の強度をIxとしたとき、ランベルト・ベールの法則により減衰量A=-log(Ix/I0)で求められ、水深1mでは約10%の照射光の減衰が見込まれる。
図7において、光照射部30(光源部32)から水面までの距離をWDで表している。例えば、光照射部30(光源部32)の設置位置を決定する場合、放射照度計を使用して水面上の光照度を実測し、条件を満たす水面からの距離WDを特定する。その際、導入する光照射部30(光源部32)の数を最小化してコストを削減するため、光照射部30(光源部32)の指向角を最大限生かせるように、最大の指向角度±10°の地点(仮置き地点)の光強度が0.016×10(-μ1×L)W/m以上となるように距離WDを特定して、その距離WDの位置に光照射部30(光源部32)を設置する。
このように、本実施形態によれば、水槽10内の鮭鱒類20に向けて照射光を発し、任意の光照射部30の発光スペクトルと鮭鱒類20の光受容スペクトルに基づいて得られる、照射光の波長帯毎の鮭鱒類20の吸収効率である光効率スペクトルに基づいてピーク波長が選定・制御された照射光を発するように光照射部30を制御する。これにより、従来の技術課題であった「成長率の向上」及び「性成熟の抑制」のトレードオフを解消(最適条件で定量化)して、稚魚の成長速度を増進しつつ、性成熟による早期の死亡や身の劣化を防止することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、上述の実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
上記の実施形態では、光照射部としてLEDを適用する場合を例示して説明したが、光照射部として他の光源、例えば、低圧水銀ランプを適用することも可能である。すなわち、光照射部としてどのような光源を選定・使用するかには自由度があり、種々の設計変更が可能である。そして、光照射部(光源)の特性に合わせて、光強度取得部(光子レセプタ)50が取得した照射光の強度(照度)が光照射制御部40にフィードバックされて、照射光の強度(照度)が所望の範囲(例えば0.016W/m以上)に維持される。例えば、光照射部がLEDの場合、LEDの特性を活かして駆動電流値(駆動電圧値)を制御してもよいし、光照射部が低圧水銀ランプの場合、低圧水銀ランプの特性を活かして射程距離等のパラメータを制御してもよい。
1 鮭鱒類の養殖システム
10 水槽
20 鮭鱒類
30 光照射部(LED)
31 基板部
32 光源部(LED光源部)
40 光照射制御部
50 光強度取得部(光子レセプタ)

Claims (4)

  1. 自然界の海と河川を利用せずに養殖プラントを利用して鮭鱒類の養殖を行う鮭鱒類の養殖システムによる鮭鱒類の養殖方法であって、
    特定の波長の候補毎に異なる、LED(Light Emitting Diode)の発光効率と前記鮭鱒類の平均光吸収効率と、前記LEDの発光効率と前記鮭鱒類の平均光吸収効率とを乗算して得られる発光吸収エネルギー効率に基づいて、前記発光吸収エネルギー効率が最大化されるように、水槽内の前記鮭鱒類に向けて照射光を発するLEDを、前記特定の波長の候補の中から前記特定の波長として決定されたピーク波長の前記照射光を発するように選定・制御し、
    前記LEDの選定・制御は、前記特定の波長の候補の中から前記特定の波長として決定された前記ピーク波長を持つ波長制御機能を持たないLEDを選定すること、及び/又は、波長制御機能を持つLEDを制御して前記特定の波長の候補の中から前記特定の波長として決定された前記ピーク波長を制御することを含む、
    ことを特徴とする鮭鱒類の養殖方法。
  2. 前記LEDは、前記照射光の明期時間/暗期時間が7/17以上かつ9/15以下となるように選定・制御される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の鮭鱒類の養殖方法。
  3. 前記LEDは、前記水槽内の底部における前記照射光の強度が0.016W/m以上となり、且つ/又は、前記水槽内の水の吸光係数をμ1とし、前記水槽内の水深をLとしたときに、前記水槽内の水面における前記照射光の強度が0.016×10(-μ1×L)W/m以上となるように選定・制御される、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鮭鱒類の養殖方法。
  4. 前記水槽内の水面又は水中における前記照射光の強度を取得し、
    前記LEDの特性に合わせて、取得した前記照射光の強度がフィードバックされる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の鮭鱒類の養殖方法。
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