JP7272906B2 - 水棲微小生物の培養方法 - Google Patents
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Description
腐朽有機物質などを有用微生物の繁殖基体として使用することが提案されているが(特許第4228074号公報)、雑菌や異種の混入のおそれがあり、又腐朽有機物質は商品としては品質基準を設定できないことなどから商品化には不適切である。これに対し、高温殺菌された有機焼成土又は微生分解性樹脂からなる培養基体を有用微生物を繁殖させる基体として用いると、雑菌や異種の混入のおそれがなく、又品質基準を設定できて商品化に最適である。
また、照明設備を用いたグリーンウォーター(植物プランクトン)の培養方法が示されているが(特許第590975号公報)、グリーンウォーターの濃度は不安定であり、その維持は一般消費者にとっては技術的に困難である。
また、従来の方法では水は懸濁状態にあり、水棲微小生物の観察がし難いが、本発明では培養水を透明に維持することが比較的容易にできるので、水棲微小生物の観察がしやすい。
このミジンコ培養容器は通常は培養容器として利用されるが、ミジンコの収穫の時には、収穫ポット付の黒色の蓋を提供する事により、ミジンコの走光性を利用した収穫が可能となる。このミジンコ培養容器と外掛け式のエアーリフト型容器との組み合わせで自動給餌装置の提供も可能である。
種親ミジンコを飼育し維持する場合、種親の飼育維持と異種の混入防止を目的とし、初期導入時以外は無給餌で1ヶ月以上ミジンコを100mL~2000mL程度の透明プラスチック製の培養容器11と蓋体12で密封し飼育維持する。
培養水100mLに対し、有用微生物の繁殖基体13として焼成土の繁殖基体13を9gならびに生分解性樹脂製の繁殖基体13を1g投入し、さらに有用微生物の素を投入する。有用微生物の素をよくかき混ぜ、均等に溶かし、ミジンコの種親を100mLあたり5~10個体投入する。
有用微生物の繁殖基体13には高温処理されて無菌化された焼成土と生分解性樹脂を用いる。それぞれ単独で使用しても良いが、併用するのがより望ましい。
有用微生物の繁殖基体13としての焼成土は有機物やミネラル類を多く含み、それらの成分が緩やかに培養水14へ溶け出すものが望ましい。
有用微生物の繁殖基体13としての焼成土の特徴は長期間(約半年間)形状が崩れにくく繰り返し使用することができることが望ましい。また、高温焼成で発泡化しており微生物の増殖に最適であることが望ましい。
有用微生物の繁殖基体13としての生分解性樹脂の形状は多孔質又は繊維質で、より分解速度の速いものが望ましい。
有用微生物の繁殖基体13としての生分解性樹脂は微生物と酵素によって、最終的に水と二酸化炭素に分解される。分解過程で増殖する微生物がミジンコの餌料となる。
培養水内の有用微生物は焼成土及び生分解性樹脂を分解しながら繁殖し、それらをミジンコが食し増殖する。しかし、密封飼育容器11内においては溶存酸素量などの制限により、ある一定の密度で増殖が制限され、一部のミジンコは死亡し、それが有用微生物の餌となり、有用微生物がさらにミジンコの餌となり増殖し、食物連鎖が繰り返される。
小規模ミジンコの培養は主として一般消費者向けの提案であり、有用微生物の繁殖基体23としての焼成土と生分解性樹脂を混ぜ合わせたもと有用微生物の素を合わせたものを用いて行う。
培養容器21は1L-100L程度のものを使用できる。エアーリフト方式の容器も培養容器として用いることができる。エアレーションは原則的に必要ないが、より高密度培養を行う場合は使用する。
培養水1Lに対し、有用微生物の基体として焼成土90gと生分解性樹脂10gを投入し、さらに有用微生物の素を培養水1Lに対し1g投入する。有用微生物の素をよくかき混ぜ均等に溶かし、ミジンコの種親を1L当りあたり50個体投入する。
有用微生物の繁殖基体23としての焼成土は有機物、ミネラル類を多く含みそれらの成分が緩やかに培養水へ溶け出すものが望ましい。
有用微生物の繁殖基体23としての焼成土の特徴は長期間(約半年間)形状が崩れにくく繰り返し使用することができることが望ましい。また、高温焼成で発泡化しており微生物の増殖に最適であることが望ましい。
有用微生物の繁殖基体23としての生分解性樹脂の形状は多孔質または繊維質で、より分解速度の速いものが望ましい。
有用微生物の繁殖基体23としての生分解性樹脂は微生物と酵素によって、最終的に水と二酸化炭素に分解される。分解過程で増殖する微生物がミジンコの餌料となる。
培養水24内の有用微生物は焼成土ならびに生分解性樹脂を分解しながら増殖し、それらをミジンコが食し増殖する。ミジンコはある一定の密度までは右肩上がりに増殖するが、培養容器21内においてはミジンコの培養密度と溶存酸素量の制限などにより、ある一定の密度で増殖が制限され、一部のミジンコは死亡し、それが有用微生物の餌となり、有用微生物がさらにミジンコの餌となり増殖し、食物連鎖が繰り返される。
エアーリフト方式の容器を使用する場合はエアーリフトで容器に給水が開始され、オーバフローで自動的にミジンコを給餌することが可能である。
11 培養容器
12、16 蓋体
13 繁殖基体
Claims (5)
- 水棲微小生物を飼育し維持し培養する水棲微小生物の培養装置において、
培養容器、繁殖基体及び上記培養容器の上面を閉じる蓋体とから構成され、
上記培養容器はその上面が開放され、培養水が貯留され、該培養水内に水棲微小生物が投入され、
上記繁殖基体は高温殺菌された有機焼成土及び生分解性樹脂の少なくとも一方からなる多孔質粒片塊状又は繊維質粒片塊状をなし、上記培養容器内に収容されて有機微生物が繁殖されるものであることを特徴とする水棲微小生物の培養装置。 - 種親微小生物を飼育し維持する種親飼育維持装置に適用される水棲微小生物の培養装置であって、
培養容器、繁殖基体及び上記培養容器の上面を閉じる蓋体とから構成され、
上記培養容器はその上面が開放され、培養水が貯留され、該培養水内に水棲微小生物が投入され、
上記繁殖基体が高温殺菌された有機焼成土及び生分解性樹脂の少なくとも一方からなる多孔質粒片状又は繊維質粒片状をなし、上記培養容器内に収容されて有機微生物が繁殖されるものであることを特徴とする水棲微小生物の培養装置。 - 上記蓋体は上記培養容器を密閉し、上記培養容器は培養水の溶存酸素によって有機微生物を繁殖させるようになっている請求項2記載の水棲微小生物の培養装置。
- 微小生物を培養する小規模微小生物培養装置に適用される水棲微小生物の培養装置であって、
培養容器、繁殖基体及び上記培養容器の上面を閉じる蓋体とから構成され、
上記培養容器はその上面が開放され、培養水が貯留され、該培養水内に水棲微小生物が投入され、
上記繁殖基体が高温殺菌された有機焼成土及び生分解性樹脂の少なくとも一方からなる多孔質粒片状又は繊維質粒片状をなし、上記培養容器内に収容されて有機微生物が繁殖されるものであることを特徴とする水棲微小生物の培養装置。 - 上記蓋体が酸素透過性を有する請求項4記載の水棲微小生物の培養装置。
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