JP7271422B2 - ビス(ベンゾイル)ベンゼンを含むモノマー組成物中の金属の濃度を低減させるための方法 - Google Patents

ビス(ベンゾイル)ベンゼンを含むモノマー組成物中の金属の濃度を低減させるための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7271422B2
JP7271422B2 JP2019532117A JP2019532117A JP7271422B2 JP 7271422 B2 JP7271422 B2 JP 7271422B2 JP 2019532117 A JP2019532117 A JP 2019532117A JP 2019532117 A JP2019532117 A JP 2019532117A JP 7271422 B2 JP7271422 B2 JP 7271422B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
monomer composition
monomer
temperature
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019532117A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020502165A (ja
Inventor
シャンタル ルイス,
スコット エー. ハーディング,
Original Assignee
ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー filed Critical ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
Priority claimed from PCT/EP2017/083673 external-priority patent/WO2018115034A1/en
Publication of JP2020502165A publication Critical patent/JP2020502165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7271422B2 publication Critical patent/JP7271422B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/78Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C45/81Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change in the physical state, e.g. crystallisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C49/00Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
    • C07C49/29Saturated compounds containing keto groups bound to rings
    • C07C49/303Saturated compounds containing keto groups bound to rings to a six-membered ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/34Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives
    • C08G65/38Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives derived from phenols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/34Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives
    • C08G65/38Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives derived from phenols
    • C08G65/40Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from hydroxy compounds or their metallic derivatives derived from phenols from phenols (I) and other compounds (II), e.g. OH-Ar-OH + X-Ar-X, where X is halogen atom, i.e. leaving group
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
    • C07C2601/16Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring the ring being unsaturated

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年12月21日に出願された米国仮特許出願第62/437,311号、2017年2月9日に出願された同第62/456,930号および2017年5月3日に出願された欧州特許出願公開第17169169.4号に対する優先権を主張するものであり、これらの出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマー組成物、低い総金属濃度を有するビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマー組成物、低金属モノマーから製造されたジ-ケトンポリマーならびにジ-ケトンポリマーを含むポリマー組成物および成形品中の金属の濃度を低減させる方法に関する。
一般に、補強充填材を含む複合物として調製されたビス(ベンゾイル)ベンゼン部分(「ジ-ケトンポリマー」)を含むポリ(アリールエーテルケトン)(PAEK)ポリマーは、高結晶度および優れた耐薬品性が極めて重要である宇宙空間ならびに石油およびガスの掘削を含むが、それらに限定されない様々な要求の多い用途状況で使用するために適切である。しかし、ポリマーの加工性および機械的性質に重大な衝撃を与えることなく改良された結晶度および耐薬品性を備えるジ-ケトンポリマーに対する継続的な必要性が存在する。
本明細書では、ビス(ベンゾイル)ベンゼンを含むモノマー組成物、低い総金属濃度を有するビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマー組成物、低金属ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーから製造されたジ-ケトンポリマーならびにジ-ケトンポリマーを含むポリマー組成物および成形品中の金属の濃度を低減させる方法が記載される。
本出願人らは、驚くべきことに、低金属ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーからの求核置換により製造されたジ-ケトンポリマーが、従来型モノマーを用いて製造されたジ-ケトンポリマー(「従来のジ-ケトンポリマー」)と比較してより大きい結晶度を示すことを見出した。
明確にするために、用語「低金属モノマー」は、モノマー組成物の重量に対して30wt.ppm(重量によるppm)未満、好ましくは25wt.ppm未満の総金属濃度を有するモノマー組成物を意味する。本明細書で使用する用語「金属」は、アルミニウム、鉄、ナトリウム、カリウムまたはカルシウムを意味し、それらの元素金属、金属イオン、金属塩および金属酸化物を含む。用語「総金属濃度」は、下記の実施例において記載するように、元素分析によって決定されるアルミニウム、鉄、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムの濃度の合計を意味する。
従来、ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーは、相当に低い極性を備える再結晶化溶媒(例えば、誘電率(ε)≦30を備える溶媒)を使用して再結晶化される。一般に、高極性溶媒の使用は、ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーの溶解度が増加し、これに付随してビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーと不純物との間の溶媒選択性が減少するため、低温でも低い再結晶化収率をもたらすであろうと考えられた。
それでもなお、本出願人らは、驚くべきことに、1)溶媒Aの総重量に対して少なくとも10重量%の、30より高い誘電率を有する非プロトン性溶媒、および2)溶媒Aの総重量に対して1重量%未満の無機塩を含む第1溶媒(溶媒A)中のビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマー組成物を再結晶化させる工程が高い再結晶化収率(例えば、≧90%)を生じさせ、同時にモノマー組成物中の金属濃度を有意に低減させることを見出した。さらに、一部の実施形態において、驚くべきことに、モノマーの10重量%を超えるモノマー濃度を使用して再結晶化させ、これにより溶媒使用効率を増加させることも可能であることが見出された。
ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマー
ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーは、式(I)、(II)、(III)および(IV):
Figure 0007271422000001
(式中、R、R、RおよびRは、各場合において、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルキルホスホン酸塩、アミンおよび第4級アンモニウムからなる群から独立して選択され、i、j、kおよびLは、各場合において、0~4の範囲の整数から独立して選択され、好ましくは0であり、およびXは、ハロゲン、好ましくはフッ素または塩素、より好ましくはフッ素である)
の化合物からなる群から選択される。
一部の実施形態において、i、j、kおよびLのそれぞれは、ゼロであり、Xは、ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーが、
1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(1,4,-DFDK)、
1,3-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(1,3-DFDK)、
1,4-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン(1,4-BHBB)、および
1,3-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン(1,3-BHBB)
からなる群から選択されるようにフッ素である。
好ましくは、ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーは、1,4-DFDK、1,4-BHBBおよび1,3-BHBB、より好ましくは1,4-DFDKおよび1,4-BHBBからなる群から選択される。
ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマー組成物中の金属の濃度を低減させる方法
上記で考察したように、本出願人らは、驚くべきことに、溶媒A中でのビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマー組成物を再結晶化させることが高い再結晶化収率(例えば、≧90%)を生じさせ、同時にモノマー組成物中の金属濃度を有意に低減させることを見出した。
本方法は、下記でより詳細に記載する以下の一般的な工程:
a)モノマー溶液を形成するためにモノマー組成物を溶解させる工程、
b)モノマー溶液からモノマー組成物を再結晶化させる工程、および
c)再結晶化モノマー溶液からモノマー組成物を回収する工程
を含む。
a)溶解工程
モノマー組成物を溶解させる工程(本明細書では「溶解工程」と呼ぶ)は、溶媒A中のモノマー組成物を第1温度(T)に加熱することにより、モノマー溶液を形成するためにモノマー組成物を溶解させる工程を含む。本明細書で使用する「溶解させる」とは、モノマー組成物の少なくとも90%が溶解していることを意味する。好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%のモノマー組成物が溶解している。
溶媒Aは、溶媒Aの総重量に対して少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%の、30超、好ましくは35超、最も好ましくは37以上の誘電率を有する非プロトン性溶媒を含む。非プロトン性溶媒は、90未満、好ましくは80未満、より好ましくは70未満の誘電率を有する。溶媒Aの非プロトン性溶媒は、好ましくは、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、炭酸プロピレン、N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリジノン(NMP)、1,3-ジメチル-2-オキソ-ヘキサヒドロピリミジン(DMPU)、1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン(DMEU)またはそれらの組み合わせを含む。式(I)または(II)のビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーを含むモノマー組成物を溶解させるために、溶媒Aの非プロトン性溶媒は、好ましくは、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、炭酸プロピレンまたはそれらの組み合わせを含む。式(III)または(IV)のビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーを含むモノマー組成物を溶解させるために、溶媒Aの非プロトン性溶媒は、好ましくは、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリジノン(NMP)、1,3-ジメチル-2-オキソ-ヘキサヒドロピリミジン(DMPU)、1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン(DMEU)またはそれらの組み合わせを含む。
溶媒Aは、溶媒Aの総重量に対して1重量%未満、好ましくは0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満の無機塩をさらに含む。無機塩は、好ましくは、周期表のIa族、IIa族、IIIa族もしくはVIII族元素のハロゲン化物もしくは酸化物、例えばNaF、KF、CsF、NaOH、KOH、CsOH、NaCl、KCl、CsCl、FeCl、AlClまたはそれらの組み合わせを含む。
第1温度(T)は、約50~約240℃、好ましくは約50~約200℃、より好ましくは約50~約180℃、最も好ましくは約50~約150℃の範囲である。
モノマー組成物を溶解させる工程は、大気圧、超大気圧または亜大気圧、好ましくは大気圧または超大気圧で実施することができ、ここで、「大気圧」は、101.3キロパスカル(「kPa」)である。
モノマー溶液中のモノマー組成物の濃度は、モノマー組成物および溶媒Aの結合重量に対して約10~約20重量%、好ましくは約10~約15重量%の範囲である。
b)再結晶化工程
モノマー溶液からモノマー組成物を再結晶化させる工程(本明細書では「再結晶化工程」と呼ぶ)は、蒸留工程および冷却工程の少なくとも1つを含む。一部の実施形態において、再結晶化工程は、1つ以上の任意選択的な工程をさらに含むことができる。再結晶化は、
b1)任意選択的な濾過工程(「任意選択的な第1濾過」)、
b2)任意選択的な蒸留工程(「任意選択的な蒸留」)、
b3)任意選択的に第2溶媒を添加する工程(「溶媒Bの任意選択的な添加」)、および
b4)任意選択的な冷却工程(冷却)
であると要約することができる。
工程b1)は、存在する場合、存在する場合には工程b2)、b3)およびb4)の前に実施される。工程b2)、b3)およびb4)は、存在する場合、好ましくは個別に順番に実施される。それでもなお、一部の実施形態において、工程b2)、b3)およびb4)は、存在する場合、順番に実施されるが、これらの工程の少なくとも2つの遂行は、時間的に重複する(例えば、工程b4)の遂行は、工程b2)の遂行が完了する前に始まる可能性がある)。代替実施形態において、工程b2)、b3)およびb4)の少なくとも2つは、同時に実施される。例えば、断熱性晶析装置が使用される場合、蒸留(工程b2))および冷却(工程b4))は、同時に行われる。
以下では、再結晶化サブ工程b1)、b2)、b3)およびb4)について詳細に説明する。
b1)任意選択的な第1濾過
溶解工程後、本方法は、任意選択的に、モノマー溶液が温度Tで第1フィルターを通過する第1濾過をさらに含むことができる。好ましくは、第1フィルターは、約0.45~約10μm、より好ましくは約1~約5μmの範囲の公称細孔径を有する。第1濾過は、工程a)において溶解しないモノマー組成物の部分(例えば、元素金属、金属酸化物など)をモノマー溶液から分離することができる。
b2)任意選択的な蒸留
工程b2)では、溶媒Aの一部分は、任意選択的に第2温度(T)で蒸留により取り除かれ得る。好ましくは、蒸留前のモノマー溶液の総重量に対して少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも30重量%の溶媒Aが蒸留により取り除かれる。
第2温度(T)は、第1温度(T)と同一であるかまたは異なり得、約50~約240℃、好ましくは約50~約200℃、より好ましくは約50~約180℃、最も好ましくは約50~約150℃の範囲の温度から独立して選択される。
蒸留は、大気圧、超大気圧または亜大気圧下、好ましくは大気圧または亜大気圧下で実施することができる。
任意選択的な蒸留は、時間(t)にわたり実施され得る。時間(t)は、好ましくは、5分間~720分間、好ましくは15分間~600分間、より好ましくは60分間~500分間の範囲である。
一部の実施形態において、蒸留は、モノマー、好ましくは低金属モノマーの沈降を引き起こす。
b3)溶媒Bの任意選択的な添加
一部の実施形態において、溶媒Aと混和性である第2溶媒(溶媒B)は、モノマー溶液中のモノマー組成物の溶解度を低下させるためにモノマー溶液に添加される。モノマー溶液中のモノマー組成物の溶解度を減少させると、より高い温度またはより多い溶媒体積での沈降を促進することにより、モノマー組成物の沈降を容易にすることができる。
したがって、一部の実施形態において、溶媒混合物は、モノマー溶液が第3温度(T)にある時点で溶媒Bをモノマー溶液に添加することによって形成される。溶媒Bは、好ましくは、溶媒AおよびBの総重量に対して約5.0~約50重量%、好ましくは約7.0~約40重量%、より好ましくは約10~約30重量%の範囲の濃度でモノマー溶液に添加される。
好ましくは、溶媒B中のモノマー組成物の溶解度は、溶媒混合物中のモノマー組成物の溶解度が溶媒A中のモノマー組成物の溶解度より低いように溶媒A中のモノマー組成物の溶解度より低い。一部の実施形態において、溶媒Bの添加は、モノマー、好ましくは低金属モノマーの沈降を生じさせる。代替実施形態において、溶媒Bの添加は、温度(T)でのモノマー組成物の沈降を生じさせない。
一部の実施形態において、溶媒Bは、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸、アセトニトリル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテルまたはそれらの組み合わせを含む。溶媒Bは、好ましくは、水、エタノール、メタノールまたはイソプロパノールを含む。
第3温度(T)は、第1温度(T)または第2温度(T)と同一であるかまたは異なり得、約50~約240℃、好ましくは約50~約200℃、より好ましくは約50~約180℃、最も好ましくは約50~約150℃の範囲の温度から独立して選択される。
溶媒Bの添加は、大気圧、超大気圧または亜大気圧下、好ましくは大気圧または超大気圧下で実施することができる。
溶媒Bの添加は、時間(t)にわたり実施され得る。時間(t)は、好ましくは、5分間~720分間、好ましくは15分間~600分間、より好ましくは60分間~500分間の範囲である。
b4)冷却
工程b4)では、モノマー溶液は、任意選択的に、第4温度(T)が溶媒Aおよび任意選択的に溶媒Bの融点より高いことを条件として、約-10~約40℃、好ましくは約0~約15℃の範囲の第4温度(T)に冷却され得る。モノマー溶液は、約0.1℃/分~約10℃/分、好ましくは約0.15℃/分~約5℃/分、より好ましくは約0.2℃/分~約3℃/分の範囲の速度で冷却され得る。
一部の実施形態において、冷却は、モノマー、好ましくは低金属モノマーの沈降を引き起こす。
したがって、一部の実施形態において、本方法は、下記の工程:b1)第1濾過、b3)溶媒Bの添加、b4)冷却を順番に含む。代替実施形態において、本方法は、下記の工程:b3)溶媒Bの添加、b4)冷却を順番に含む。代替実施形態において、本方法は、下記の工程:b1)第1濾過、b2)蒸留、b4)冷却を順番に含む。
c)回収工程
本方法は、モノマー溶液から沈降したモノマー組成物を除去することにより、モノマー組成物、好ましくは低金属モノマーを回収する工程をさらに含む。回収工程は、次のサブ工程:
c1)任意選択的な第2濾過、
c2)任意選択的な洗浄
c3)乾燥
を含む。
任意選択的な第2濾過では、モノマー溶液は、第2フィルターを通過され得る。好ましくは、第2フィルターは、約0.45~約10μmの範囲の公称細孔径を有する。
任意選択的に、モノマー組成物は、好ましくは、モノマー組成物が第4温度(T)にある場合、第3溶媒(溶媒C)を用いて洗浄される。溶媒Cは、溶媒A、溶媒Bまたはそれらの組み合わせと同一であり得る。溶媒Cは、溶媒Aおよび任意選択的に溶媒Bと混和性である。
最後に、モノマー組成物は、低金属モノマーを産生するために、加熱してまたは加熱せずに、および真空を使用してまたは使用せずに乾燥させる。低金属モノマーの収率は、本方法の遂行前のモノマー組成物の重量に対して好ましくは少なくとも90重量%である。
本方法は、連続的にまたはバッチモードで遂行することができる。本方法において使用できる典型的な工業装置は、非撹拌式または撹拌式冷却晶析装置、蒸発式晶析装置、真空晶析装置、連続晶析装置、例えば強制循環晶析装置、流動床晶析装置およびドラフトチューブ撹拌式真空晶析装置を含む。
一部の実施形態において、本方法は、下記の実施例において測定されるように、モノマー組成物の総重量に対して30wt.ppm未満、好ましくは25wt.ppm未満の総金属濃度を有するモノマー組成物を生じさせる。
一部の実施形態において、本方法は、総金属濃度における少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%の低減を生じさせる。
したがって、典型的な実施形態は、モノマー組成物、好ましくは本明細書に記載した方法によって再結晶化されたモノマー組成物をさらに含み、ここで、モノマー組成物は、下記の実施例において測定されるように、モノマー組成物の総重量に対して30wt.ppm未満、好ましくは25wt.ppm未満の総金属濃度を有する。
ジ-ケトンポリマー
上記で考察したように、驚くべきことに、低金属モノマーからの求核置換により製造されたジ-ケトンポリマーは、従来型モノマーを用いて製造されたジ-ケトンポリマーと比較してより大きい結晶度を示すことが見出された。
本明細書で使用する「ジ-ケトンポリマー」は、下記の式(V)~(IX):
Figure 0007271422000002
(式中、R、R、RおよびRは、各場合において、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルキルスルホン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アミンおよび第4級アンモニウムからなる群から独立して選択され、m、n、qおよびrは、各場合において、0~4の範囲の整数から独立して選択される)
の単位からなる群から選択される50モル%超の繰り返し単位(RDK)を含むポリマーを意味する。好ましくは、m、n、qおよびrのそれぞれは、0である。
好ましくは、繰り返し単位(RDK)中のフェニレン部分は、1,3-または1,4-結合を有する。
好ましくは、少なくとも60モル%、70モル%、80モル%、90モル%、95モル%、99モル%の繰り返し単位(RDK)は、式(V)、(VI)、(VII)および(VIII)の繰り返し単位からなる群から選択される。
一部の実施形態では、ジ-ケトンポリマーは、ポリ(エーテルケトンケトン)(PEKK)である。本明細書で使用する「ポリ(エーテルケトンケトン)(PEKK)」は、繰り返し単位(RDK)の50モル%超が式(V-A)および(V-B):
Figure 0007271422000003
(式中、R5’およびm’は、各場合において、それぞれRおよびmについて上述した基から独立して選択される)
の繰り返し単位の組み合わせである任意のポリマーを意味する。好ましくは、式(V-A)および(V-B)中の各m’は、ゼロである。
好ましくは、少なくとも60モル%、70モル%、80モル%、90モル%、95モル%、99モル%の繰り返し単位(RDK)は、繰り返し単位(V-A)および(V-B)の組み合わせである。
一部の実施形態において、単位(V-A):(V-B)のモル比は、50:50~85:15、好ましくは55:45~80:20、より好ましくは65:35~75:25の範囲である。
一部の実施形態において、ジ-ケトンポリマーは、ポリ(エーテルエーテルケトンケトン)(PEEKK)である。本明細書で使用する「ポリ(エーテルエーテルケトンケトン)(PEEKK)」は、繰り返し単位(RDK)の50モル%超が式(VI-A):
Figure 0007271422000004
(式中、R6’およびn’は、各場合において、それぞれRおよびnについて上述した基から独立して選択される)
の繰り返し単位である任意のポリマーを意味する。好ましくは、式(VI-A)中の各n’は、ゼロである。
好ましくは、少なくとも60モル%、70モル%、80モル%、90モル%、95モル%、99モル%の繰り返し単位(RDK)は、式(VI-A)の繰り返し単位である。
一部の実施形態において、ジ-ケトンポリマーは、ポリ(エーテルケトンエーテルケトンケトン)(PEKEKK)である。本明細書で使用する「ポリ(エーテルケトンエーテルケトンケトン)(PEKEKK)」は、繰り返し単位(RDK)の50モル%超が式(VII-A):
Figure 0007271422000005
(式中、R8’およびq’は、各場合において、それぞれRおよびqについて上述した基から独立して選択される)
の繰り返し単位である任意のポリマーを意味する。好ましくは、式(VII-A)中の各q’は、ゼロである。
好ましくは、少なくとも60モル%、70モル%、80モル%、90モル%、95モル%、99モル%の繰り返し単位(RDK)は、式(VII-A)の繰り返し単位である。
一部の実施形態において、ジ-ケトンポリマーは、ポリ(エーテルジフェニルエーテルケトンケトン)(PEDEKK)である。本明細書で使用する「ポリ(エーテルジフェニルエーテルケトンケトン)(PEDEKK)」は、繰り返し単位(RDK)の50モル%超が式(VIII-A):
Figure 0007271422000006
(式中、R9’およびr’は、各場合において、それぞれRおよびrについて上述した基から独立して選択される)
の繰り返し単位である任意のポリマーを意味する。好ましくは、式(VIII-A)中の各r’は、ゼロである。
好ましくは、少なくとも60モル%、70モル%、80モル%、90モル%、95モル%、99モル%の繰り返し単位(RDK)は、式(VIII-A)の繰り返し単位である。
一部の実施形態において、ジ-ケトンポリマーは、ポリ(エーテルジフェニルエーテルケトンメタケトン)(PEDEKmK)である。本明細書で使用する「ポリ(エーテルジフェニルエーテルケトンメタケトン)(PEDEKmK)」は、繰り返し単位(RDK)の50モル%超が式(VIII-B):
Figure 0007271422000007
(式中、R9’’およびr’’は、各場合において、それぞれRおよびqについて上述した基から独立して選択される)
の繰り返し単位である任意のポリマーを意味する。好ましくは、式(VIII-B)中の各r’’は、ゼロである。
好ましくは、少なくとも60モル%、70モル%、80モル%、90モル%、95モル%、99モル%の繰り返し単位(RDK)は、式(VIII-B)の繰り返し単位である。
ジ-ケトンポリマーは、好ましくは、PEKK、PEKEKKまたはPEDEKK、好ましくはPEKKまたはPEKEKK、最も好ましくはPEKKである。
一部の実施形態において、ジ-ケトンポリマーは、少なくとも5、好ましくは少なくとも7、最も好ましくは少なくとも10繰り返し単位(RDK)を含む。
一部の実施形態において、ジ-ケトンポリマーは、ジ-ケトンポリマーの重量に対して30wt.ppm未満の総アルミニウムおよび鉄濃度を有する。
ジ-ケトンポリマーは、ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーを含むモノマーから合成され得、ここで、少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも90モル%、最も好ましくは少なくとも95モル%のビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーは、本明細書に記載した方法に従って再結晶化されたビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーである。
ジ-ケトンポリマーは、ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーを含むモノマーからも合成され得、ここで、少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも90モル%、最も好ましくは少なくとも95モル%のビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーは、低金属モノマーである。
ジ-ケトンポリマー組成物
本明細書に記載したジ-ケトンポリマーは、ポリマー組成物中で使用することができ、携帯用電子機器、医療機器および複合材料を含むが、それらに限定されない成形品に組み込むことができる。さらに、ジ-ケトンポリマーまたはそれらの組成物は、追加の製造用途でも使用することができる。
ジ-ケトンポリマーを含むポリマー組成物(「ジ-ケトンポリマー組成物」)は、補強充填材を含むことができる。補強充填材は、下記に記載する顔料とは別個の繊維充填材および微粒子充填材を含む。微粒子充填材は、タルク、雲母、カオリン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムを含むが、それらに限定されない無機充填材を含む。繊維充填材は、ガラス繊維、炭素繊維、合成ポリマー繊維、アラミド繊維、アルミニウム繊維、チタン繊維、マグネシウム繊維、炭化ホウ素繊維、ロックウール繊維、スチール繊維、ウォラストナイトを含むが、それらに限定されない。好ましくは、補強充填材は、雲母、カオリン、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイトおよびそれらの1つ以上の任意の組み合わせから選択される。
好ましくは、充填材は、繊維充填材である。特定クラスの繊維充填材は、ウィスカー、すなわちAl、SiC、BC、FeおよびNiなどの様々な原材料から製造される単結晶繊維である。1つの実施形態では、補強充填剤は、ウォラストナイトおよびガラス繊維から選択される。繊維充填材の中ではガラス繊維が好ましく、それらは、Additives for Plastics Handbook、2nd edition,John Murphyの第5.2.3章、43~48頁に記載されているような、チョップドストランドA型、E型、C型、D型、S型、T型およびR型ガラス繊維を含む。
ガラス繊維が円形の横断面を有する場合、それらは、好ましくは、3~30μm、特に好ましくは5~12μmの平均ガラス繊維径を有する可能性がある。円形の横断面を備える様々な種類のガラス繊維は、それらがそれから製造されるガラスのタイプに応じて市場で入手することができる。E型またはS型ガラスから製造されたガラス繊維が例である。
一部の実施形態において、補強充填材は、炭素繊維を含む。本明細書で使用する用語「炭素繊維」は、グラファイト化、部分グラファイト化および非グラファイト化炭素強化繊維またはそれらの混合物を含むことが意図されている。炭素繊維は、有利には、例えばレーヨン、ポリアクリロニトリル(PAN)、芳香族ポリアミドまたはフェノール樹脂などの様々なポリマー前駆体の熱処理および熱分解によって得ることができる。炭素繊維は、ピッチの多い材料からも得ることができる。用語「グラファイト繊維」は、炭素繊維の高温熱分解(2000℃超)によって得られる炭素繊維を意味し、炭素原子は、グラファイト構造と類似した方法で位置している。炭素繊維は、好ましくは、PANをベースとする炭素繊維、ピッチをベースとする炭素繊維、グラファイト繊維およびそれらの1つ以上の任意の組み合わせから選択される。
前記補強充填材の重量は、組成物の総重量に基づいて好ましくは80重量%未満、より好ましくは70重量%未満、さらにより好ましくは65重量%未満である。
一部の実施形態において、ジ-ケトンポリマー組成物は、補強充填材に追加してまたはその代わりに、(i)着色剤(例えば、染料)、(ii)顔料(例えば、特に二酸化チタン、硫化亜鉛および酸化亜鉛)、(iii)光安定剤(例えば、UV安定剤)、(iv)熱安定剤、(v)酸化防止剤(例えば、特に有機ホスファイトおよびホスホナイト)、(vi)酸捕捉材、(vii)加工助剤、(viii)核形成剤、(ix)可塑剤、内部潤滑剤および外部潤滑剤、(x)難燃剤、(xi)煙抑制剤、(x)帯電防止剤、(xi)ブロッキング防止剤、(xii)導電性添加剤(例えば、特にカーボンブラックおよびカーボンナノフィブリル)、(xiii)可塑剤、(xiv)流動性改良剤、(xv)増量剤、(xvi)金属不活性化剤ならびにそれらの1つ以上の任意の組み合わせから選択される1つ以上の追加の成分を含むことができる。一部の実施形態において、追加の成分の総濃度は、ポリマー組成物の総重量に基づいて20%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、さらにより好ましくは2%未満である。
一部の実施形態において、本組成物は、ポリ(エーテルエーテルケトン)(「PEEK」)ポリマー、ポリ(エーテルケトン)(「PEK」)ポリマー、スルホンポリマーおよびポリアリールスルファイドポリマーを含むが、それらに限定されないジ-ケトンポリマーと異なるポリアリールエーテルポリマーなどの1つまたは2つ以上の追加のポリマー成分と組み合わせてジ-ケトンポリマーを含む。他の実施形態によると、ジ-ケトンポリマーは、ジ-ケトンポリマー組成物中の唯一のポリマー成分である。表現「ポリマー成分」は、繰り返し結合単位および2000g/モル以上の分子量を有する化合物を含むと理解すべきである。
ジ-ケトンポリマー組成物は、例えば、乾式混合、懸濁またはスラリー混合、溶液混合、溶融混合または乾式混合と溶融混合との組み合わせにより、ジ-ケトンポリマー、任意選択的に補強充填材および任意選択的にジ-ケトンポリマー組成物中で所望の上述の追加の成分を密接に混合する工程を含む様々な方法によって調製することができる。
典型的には、好ましくは粉末状態にあるジ-ケトンポリマー、任意選択的に補強充填材および任意選択的に追加の成分の乾式混合は、物理的混合物、特に少なくとも1種のジ-ケトンポリマー、任意選択的に補強充填材および任意選択的に追加の成分の粉末混合物を得られるように、例えばヘンシェル型ミキサーまたはリボンミキサーなどの高強度ミキサーを用いて実施される。あるいは、ジ-ケトンポリマー、任意選択的に補強充填材および任意選択的にジ-ケトンポリマー組成物中で所望の上述の追加の成分の密接な混合は、物理的混合物が得られるように、単軸または多軸回転機構に基づくタンブル混合によって実施される。
あるいは、ジ-ケトンポリマー、任意選択的に補強充填材および任意選択的に追加の成分のスラリー混合は、最初に粉末状にあるジ-ケトンポリマー、任意選択的に補強充填材および任意選択的に追加の成分を、例えばメタノールなどの適切な液体中で攪拌機を使用してスラリー化し、その後、少なくとも1種のジ-ケトンポリマー、任意選択的に補強充填材および任意選択的に追加の成分の粉末混合物を得られるように、濾過して液体を取り除く工程によって実施される。
別の実施形態では、例えばジフェニルスルホン、ベンゾフェノン、4-クロロフェノール、2-クロロフェノール、メタ-クレゾールなどの適切な溶媒または溶媒ブレンド中における、攪拌機を使用した、上で詳述したジ-ケトンポリマー、任意選択的に補強充填材および任意選択的に追加の成分の溶液混合である。ジフェニルスルホンが最も好ましい。
前述の技術の1つによる物理的混合工程に続いて、少なくとも1種のジ-ケトンポリマー、任意選択的に補強充填材および任意選択的に追加の成分の物理的混合物、特に得られた粉末混合物は、典型的には、成形品を提供するために、例えば圧縮成形、射出成形、押出などの特に溶融製作プロセスを含む当技術分野において公知の方法によって溶融製作される。
そのようにして得られた物理的混合物、特に得られた粉末混合物は、ジ-ケトンポリマー、上記で詳述した補強充填材および任意選択的に上記で詳述した重量比である他の成分を含むことができ、またはマスターバッチとして使用され、上記で詳述したまた別の量にあるジ-ケトンポリマー、上記で詳述した補強充填材および任意選択的にその後の処理工程における他の成分中で希釈される濃縮混合物であり得る。例えば、得られた物理的混合物は、それから最終部品を機械加工できるスラブまたはロッドのようなストック形状に押し出すことができる。あるいは、物理的混合物は、それから完成部品を圧縮成形できるか、またはそれから完成部品を機械加工できるストック形状にすることができる。
上記に記載した粉末混合物をさらに溶融配合することによって本発明の組成物を製造することも可能である。上記のように、溶融配合は、上記で詳述した粉末混合物上または上記で詳述したジ-ケトンポリマー、上記で詳述した補強充填材および任意選択的に他の成分上で直接的に実施することができる。例えば共回転型および反転型押出機、単軸押出機、コニーダー、ディスクパックプロセッサーならびに他の様々なタイプの押出設備などの従来型の溶融配合装置を使用できる。好ましくは、押出機、より好ましくは二軸スクリュー押出機を使用することができる。
必要に応じて、配合用スクリュー、例えばフライトピッチおよび幅、クリアランス、長さならびに運転条件は、上記で詳述した粉末混合物または成分を有利に十分に溶解させ、様々な成分の均質な分布を得るために十分な熱および機械的エネルギーが提供されるように選択されるであろう。バルクポリマーと充填材内容物との間で最適混合が達成されることを条件として、本発明のジ-ケトンポリマー組成物のストランド抽出物を有利に得ることが可能である。ジ-ケトンポリマー組成物のストランド押出物は、散水しながらのコンベヤー上でのある程度の冷却時間後、例えば回転式刃物などを用いて切り刻むことができる。そこで、例えば、ペレットまたはビーズの形態で存在し得るジ-ケトンポリマー組成物は、その後、様々な形状およびサイズの成形品を製造するために使用することができる。
成形品
ジ-ケトンポリマー組成物(またはジ-ケトンポリマー)は、成形品に組み込むことができる。成形品は、押出成形、射出成形および圧縮成形を含むが、それらに限定されない任意の適切な溶融加工技術を使用してジ-ケトンポリマー組成物から製造できる。一部の実施形態において、成形品は、二次元製品の形態にある。二次元製品は、1つの寸法(厚さまたは高さ)が他の2つの特徴的な寸法(幅および長さ)より有意に小さい部品、例えばフィルムおよびシートを含む。一部の実施形態において、成形品は、コーティングであり得る。一部の実施形態において、成形品は、三次元部品である。三次元部品は、複雑な幾何学的部品(場合により逃げ溝、差込み部などを含む、例えば凹形または凸形区間)を含む、類似の方法で空間の3つの次元に伸びる部品を含む。
一部の実施形態において、ジ-ケトンポリマーは、望ましくは、複合物内に組み込むことができる。そのような実施形態において、複合物を形成するために長い繊維がジ-ケトンポリマーと溶液含浸、懸濁液含浸または溶融含浸される。長い繊維は、一般に少なくとも10ミクロン(「μm」)の長さを有する。これらの繊維は、ガラス繊維または炭素繊維であり得る。一部の実施形態において、複合物は、テープまたは織物を形成することができる。
典型的な用途
一部の実施形態において、成形品は、携帯用電子機器の構成要素である。本明細書において使用する「携帯用電子機器」は、様々な場所に輸送され、様々な場所で使用される電子機器を意味する。携帯用電子機器としては、携帯電話、携帯端末(「PDA」)、ラップトップ型コンピューター、タブレット型コンピューター、ウェアラブル・コンピューティング機器(例えば、スマートウォッチおよびスマートグラス)、カメラ、ポータブルオーディオプレーヤー、ポータブルラジオ、衛星利用測位システム受信機およびポータブル型ゲームコンソールを挙げることができるが、これらに限定されない。
一部の実施形態において、携帯用電子機器の構成要素の少なくとも一部分は、携帯用電子機器の外部環境に曝露される(例えば、構成要素の少なくとも一部分は、携帯用電子機器の外部の環境と接触している)。例えば、構成要素の少なくとも一部分は、携帯用電子機器の外側ハウジングの少なくとも一部分を形成する。一部のそのような実施形態において、構成要素は、携帯用電子機器の外周の周りの完全または部分的な「フレーム」、格子細工の形態にあるビームまたはこれらの組み合わせであり得る。別の例として、構成要素の少なくとも一部分は、入力装置の少なくとも一部分を形成し得る。一部のそのような実施形態において、電子機器のボタンは、構成要素を含み得る。一部の実施形態において、構成要素は、電子機器によって完全に囲まれている(例えば、構成要素は、携帯用電子機器の外部の観測点から目視できない)。
一部の実施形態において、構成要素は、回路基材、マイクロホン、スピーカー、ディスプレイ、バッテリー、カバー、ハウジング、電気または電子コネクター、ヒンジ、無線アンテナ、スイッチまたはスイッチパッドを含むが、それらに限定されない携帯用電子機器の別の構成要素とそれ自体との間のスナップフィットコネクターを含むが、それに限定されない取り付け穴を有する取り付け部品またはその他の締結装置であり得る。一部の実施形態において、携帯用電子機器は、少なくとも入力装置の一部分であり得る。
携帯用電子機器の構成要素は、当技術分野において周知の方法を使用してジ-ケトンポリマー組成物から作製することができる。例えば、携帯用電子機器構成要素は、射出成形、ブロー成形または押出成形を含むが、それらに限定されない方法によって製作することができる。一部の実施形態において、ジ-ケトンポリマー組成物は、射出形成を含むが、それに限定されない当技術分野において公知の方法によってペレット(例えば、2つの末端間に実質的に円筒形の本体を有する)に成形することができる。一部のそのような実施形態において、携帯用電子機器構成要素は、ペレットから製作され得る。
本明細書に記載したジ-ケトンポリマーは、例えば、溶融フィラメント製作(FFF)または選択的レーザー焼結(SLS)などの付加製造技術(例えば、3D印刷)において使用できる。付加製造技術は、3Dモデルデータから製品を作製するために材料を結合するプロセスを包含する。製品は、一般に交互積層溶着法を使用して形成される。市販で入手できるFFFタイプの3D印刷加工設備には、一例として、Stratasys、Inc.によって製造され、Fortus(登録商標)の商標を付けて販売されている設備が含まれる。SLS系の3D印刷装置の例は、EOSINT(登録商標)の商標で販売されているものなど、EOS社から入手可能である。そのような実施形態では、製品は、ジ-ケトンポリマー(またはジ-ケトンポリマー組成物)を3D印刷することによって形成することができる。
一部の実施形態において、本明細書に記載した成形品は、医療機器または医療機器の構成要素である。本明細書で使用する「医療機器」は、疾病もしくは疾患の予防、診断もしくは治療において、またはヒトもしくは動物の身体の構造もしくは機能を検出するか、測定するか、回復させるか、矯正するかまたは修正するために使用される製品、器具、装置または機械である。
材料の選択は、医療機器にとって、特にその材料が身体内に埋め込まれるかまたは身体と接触する場合に極めて重要である。その適用設定における医療機器の特定の要件(例えば、耐摩耗性)を満たし、かつまた例えば医療機器から身体内への化学物質の浸出などの身体との望ましくない相互作用を低減または防止する医療機器材料に対して継続的な必要性がある。
本明細書に記載したジ-ケトンポリマーは、例えば、それらの低減された金属含量に反映されているように高純度であるため、医療機器において使用するために特に好適であり得る。
医療機器は、一般に、外科的機器、非外科的機器、人工補装具、インプラントなどを含み得る。
一部の実施形態において、本明細書に記載したジ-ケトンポリマーを含む医療機器は、埋込型医療機器(IMD)である。IMDは、失われた生物学的構造に取って代わるため、損傷した生物学的構造を支持するため、または身体内の既存の生物学的構造を強化するために設計された医療機器である。IMDの例としては、頭蓋顎顔面インプラントなどの頭蓋インプラント、脊柱ケージおよび脊柱円板などの脊柱インプラント、指および趾インプラント、人工膝関節、寛骨臼カップなどの人工股関節、ステント、心臓弁、ペースメーカーならびに骨ねじおよび骨プレートなどの硬質製品が挙げられる。医療機器は、取り外し可能な総義歯および部分義歯フレーム、歯冠、ブリッジ、入れ歯およびインプラントバーなどの歯科器具も含み得る。
例示的な実施形態を下記の非限定的な実施例で説明する。
下記の実施例では、モノマー組成物の調製およびモノマー組成物からのPEKKコポリマーの合成について説明する。
原材料
溶媒:
4-メチル-2-ペンタノン(MIBK、HPLCグレード)、クロロベンゼン(MCB、HPLCグレード)およびエタノール-190プルーフ(USPグレード)、Aldrichから入手可能。
ジメチルスルホキシド(DMSO、HPLCグレード)およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF、HPLCグレード)、Fisher Scientificから入手可能。
エタノール-200プルーフ(99.85%)、Lyondell(Equistar)から入手可能。
1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼンは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,300,693号明細書の実施例1に記載のフルオロベンゼンのフリーデル・クラフツアシル化によって調製した。作製された生成物の分析は、表1に「出発時1,4-DFDK」として詳述した。
1,3-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン、3B Corp,USAから入手可能。生成物の分析は、表2に「出発時1,3-DFDK」として詳述した。
1,4-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼンは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,250,738号明細書の実施例1に記載の手法に従って1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼンの加水分解によって生成した。生成物の分析は、表3に「出発時1,4-BHBB(NaOH)」として詳述した。1,4-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼンも、NaOHをKOHと置換したこと以外には同一手法によって生成した。この生成物の分析は、表3に「出発時1,4-BHBB(KOH)」として詳述した。
1,3-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼンは、米国特許第5,250,738号明細書の実施例1に記載の手法に従って1,3-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼンの加水分解によって生成した。生成物の分析は、表4に「出発時1,3-BHBB(NaOH)」として詳述した。1,3-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼンも、KOHをNaOHと置換したこと以外には同一手法によって生成した。この生成物の分析は、表4に「出発時1,3-BHBB(KOH)」として詳述した。
ジフェニルスルホン(ポリマーグレード)、Provironから入手可能(99.8%純粋)。
炭酸ナトリウム、軽灰、Solvay S.A.,Franceから入手可能、使用前に乾燥させた。
炭酸カリウム、d90<45μmを備える、Armand Productsから入手可能、使用前に乾燥させた。
塩化リチウム(無水粉末)、Acrosから入手可能。
分析方法
ガスクロマトグラフィー(GC)分析
GC分析は、Agilent 7820A機上で実施した。DMSO中のモノマーの1.0重量%溶液を下記の条件下で分析した:
カラム:DB-5MS、30m×0.25mm×0.25μmのコーティング
インジェクター温度:325℃
FID検出器温度:325℃
温度プロファイル:1分間にわたり100℃、20℃/分で325℃に上昇させ、325℃で20分間保持する。
注入量:1μL
分割比:20:1、分流:20mL/分。
流量:1.0mL/分(27.596cm/秒)。
GC純度は、検出されたピークの総面積に対するモノマーのピーク面積率(%)として決定した。
ICP-OES法によるモノマー中の元素不純物の決定
ICP-OES分析のために、清浄な無水白金るつぼを化学天秤上に配置し、天秤をゼロに合わせた。0.5~3gのモノマー試料をボート内に測り入れ、その重量を0.0001gまで記録した。試料を含むるつぼをマッフル炉(Thermo Scientific Thermolyne F6000プログラマブル炉)内に配置した。炉を525℃に徐々に加熱し、その温度で10時間にわたり保持して試料を乾式灰化した。灰化後、炉温を室温に冷却し、炉からるつぼを取り出し、フュームフード内に配置した。灰を希塩酸中に溶解させた。ポリエチレン製ピペットを使用して、この溶液を25mLの容量フラスコに移した。るつぼは、約5mLの超純水(R<18MΩcm)を用いて2回すすぎ洗い、定量的移動を実行するために洗浄液を容量フラスコに添加した。超純水をフラスコ内に計25mLとなるまで添加した。フラスコの上部に栓をして、内容物が確実に混ざるまで振とうした。
ICP-OES分析は、誘導結合プラズマ発光分光器Perkin-Elmer Optima 8300デュアルビューを使用して実施した。発光分光器は、0.0~10.0mg/Lの被分析物濃度を備えるNISTトレーサブル多要素混合標準物質の組を使用して較正した。48検体各々について0.9999より優れた相関係数を備える濃度範囲で線形較正曲線を得た。標準物質は、機器安定性を保証するために試料10片毎の前後にランした。結果は、3回の実験の平均値として報告した。試料中の元素不純物の濃度は、下記の方程式を用いて計算した:
A=(BC)/(D)
(式中、
A=試料中の元素の濃度、mg/kg(=wt.ppm)であり、
B=ICP-OESによって分析された溶液中の元素、mg/Lであり、
C=ICP-OESによって分析された溶液中の体積、mLであり、
D=この手法で使用した試料の重量、gである)。
融点の分析
融点は、ASTM-E-74に従って示差走査熱量測定法(DSC)によって測定した。DSC分析は、TA Instruments Q20上で実施した。5~10mgのモノマーは、5~7mgの高純度インジウム(LGC製の99.99%純度)を用いて計量し、下記の温度プログラムを使用して分析した。
1,3-BHBBに対して:
1:25.00℃で平衡化させる
2:10.00℃/分で205.00℃に上昇させる
3:1.00℃/分で220.00℃に上昇させる
1,4-BHBBに対して:
1:25.00℃で平衡化させる
2:10.00℃/分で290.00℃に上昇させる
3:1.00℃/分で320.00℃に上昇させる
1,4-DFDKに対して:
1:25.00℃で平衡化させる
2:10.00℃/分で210.00℃に上昇させる
3:1.00℃/分で230.00℃に上昇させる
1,3-DFDKに対して:
1:25.00℃で平衡化させる
2:10.00℃/分で165.00℃に上昇させる
3:1.00℃/分で190.00℃に上昇させる
溶融吸熱は、吸熱がベースラインから外れる開始点から吸熱がベースラインに戻る曲線上の最終点までとして規定した。溶融範囲では、総溶融吸熱の1%~90%での溶融留分についての温度をモノマーの溶融範囲であると規定した。温度は、インジウムの溶融開始温度(156.60℃)に基づいて補正した。
固有粘度の決定
固有粘度(IV)は、ASTM D2857に従って、30℃で200サイズのキヤノン-フェンスケキャピラリーを使用して濃HSO(最小96重量%)中の0.5重量/体積%の溶液上で測定した。
PEKKポリマーのガラス転移温度および溶融温度の決定
ガラス転移温度Tg(中点で)および溶融温度Tmは、次のパラメーターを使用して、ASTM D3418-03、E1356-03、E793-06、E794-06に従ってDSCによる第2回熱走査上で決定した。TA Instruments DSC Q20は、キャリアガスとしての窒素(純度99.998%、50mL/分)を用いて使用した。温度および熱流量の較正は、インジウムを用いて実施した。試料サイズは、5~7mgであった。重量は、±0.01mgまで記録した。熱サイクルは、次の通りであった:
第1熱サイクル:20.00℃/分で30.00℃から400.00℃、400.00℃で1分間等温、
第1冷却サイクル:20.00℃/分で400.00℃から30.00℃、1分間等温、
第2熱サイクル:20.00℃/分で30.00℃から400.00℃、400.00℃で1分間等温。
溶融温度Tmは、第2熱走査における溶融吸熱のピーク温度として決定した。
溶融粘度の決定
溶融粘度は、ASTM D3835に従ってキャピラリーレオメーターを使用して測定した。測定値は、下記の特徴:直径=1.016mm、長さ=20.32mm、円錐角=120°を備えるダイを使用して、10分間のドウェル時間後に380℃および46.3/S-1のせん断速度で読み取った。
実施例および比較例
比較例A:モノクロロベンゼン中の1,4-DFDKの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した2Lフラスコに100gの1,4-DFDKおよび1800mL(=1991g)のモノクロロベンゼンを添加した。混合物を撹拌しながら還流に加熱した。1,4-DFDKは、還流時に溶解していた。高温の間にこの溶液をガラス製品用炉内で125℃に加熱されていたセラミック製ブフナー漏斗内でワットマン541番濾紙に通して濾過した。濾過したら、濾液に撹拌を再開し、濾液を還流に加熱した。溶解したら加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で40℃に冷却させた。加熱マントルを氷/水浴と交換し、スラリーを撹拌しながら10~15℃にさらに冷却し、10~15℃で1時間保持した。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。1時間にわたりケーキを通して空気を吸引し、次に固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり130℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、92.1g(92.1%)が得られた。
生成物の分析は、表1に示した。
比較例B:MIBK中の1,4-DFDKの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した500mLフラスコに1,4-DFDK(20.0g)およびMIBK(305g=244mL)を添加した。この混合物を撹拌しながら、還流に(約115℃)加熱した。加熱のスイッチを切って溶液をごくわずかに冷却させ、この溶液を予備加熱(125℃)したセラミック製ブフナー漏斗内のワットマンGF/Fガラス繊維フィルターパッドに通して濾過し、清浄な500mLの三つ口フラスコ内に入れた。最初のフラスコは、高温MIBK(24g=30mL)を用いてフィルターに通してすすぎ洗いした。固体を再溶解させるために、生じた濾過溶液を還流に再加熱した。加熱を中止し、この溶液を撹拌しながら約0.3℃/分で室温に冷却させた。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。濾過ケーキを低温MIBKで洗浄し、パッドに通して空気を20分間吸引し、その後、アルミ製鍋に移し、64時間にわたり130℃および27’’Hgで真空炉乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、18.3g(90%)が得られた。
生成物の分析は、表1に示した。
実施例1:DMSO中の1,4-DFDKの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した500mLフラスコに1,4-DFDK(20.0g)およびDMSO(132g=120mL)を添加した。この混合物を撹拌しながら130℃に加熱した。加熱のスイッチを切って溶液をごくわずかに冷却させ、この溶液を予備加熱(125℃)したセラミック製ブフナー漏斗内のワットマンGF/Fガラス繊維フィルターパッドに通して濾過し、清浄な500mLの三つ口フラスコ内に入れた。最初のフラスコは、高温DMSO(33g=30mL)を用いてフィルターに通してすすぎ洗いした。固体を再溶解させるために、生じた濾過溶液を再加熱した。加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で40℃に冷却させた。加熱マントルを氷/水浴と交換し、スラリーをさらに撹拌しながら5℃に冷却し、5℃で1時間保持した。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。これらの固体を次に500mLフラスコに移し戻し、水およびエタノール(90:10の250mL)を加え、スラリーを5分間撹拌し、新鮮ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり130℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、18.28g(91%)が得られた。
生成物の分析は、表1に示した。
実施例2:スルホラン中の1,4-DFDKの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した500mLフラスコに1,4-DFDK(20.3g)およびスルホラン(112g=100mL)を添加した。この混合物を撹拌しながら150℃に加熱した。加熱のスイッチを切って溶液をごくわずかに冷却させ、この溶液を予備加熱(125℃)したセラミック製ブフナー漏斗内のワットマンGF/Fガラス繊維フィルターパッドに通して濾過し、清浄な500mLの三つ口フラスコ内に入れた。最初のフラスコは、高温スルホラン(38g=30mL)を用いてフィルターに通してすすぎ洗いした。固体を再溶解させるために、生じた濾過溶液を再加熱した。加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で室温に冷却させた。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。これらの固体を次に500mLフラスコに移し戻し、水およびエタノール(90:10の250mL)を加え、スラリーを5分間撹拌し、新鮮ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり130℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、18.0g(90%)が得られた。
生成物の分析は、表1に示した。
実施例3:炭酸プロピレン中の1,4-DFDKの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した500mLフラスコに1,4-DFDK(37.8g)および炭酸プロピレン(242g=203mL)を添加した。この混合物を撹拌しながら140℃に加熱した。加熱のスイッチを切って溶液をごくわずかに冷却させ、この溶液を予備加熱(125℃)したセラミック製ブフナー漏斗内のワットマンGF/Fガラス繊維フィルターパッドに通して濾過し、清浄な500mLの三つ口フラスコ内に入れた。最初のフラスコは、高温炭酸プロピレン(36g=30mL)を用いてフィルターに通してすすぎ洗いした。固体を再溶解させるために、生じた濾過溶液を再加熱した。加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で室温に冷却させた。加熱マントルを氷/水浴と交換し、スラリーを0~5℃に冷却し、1時間保持した。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。ウェットケーキは、ブフナー漏斗内で低温炭酸プロピレンを用いて直接的に洗浄し、パッドに通して20分間、空気を吸引した。固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり130℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、36.48g(96.5%)が得られた。
生成物の分析は、表1に示した。
比較例C:モノクロロベンゼン中の1,3-DFDKの再結晶化
攪拌器、N注入管、反応媒体中に挿入されている熱電対を備えるクライゼンアダプターおよび還流凝縮器を装備した5Lの三つ口丸底フラスコに805gの1,3-DFDKおよび4075g(=4507mL)のモノクロロベンゼン(MCBを導入した。スラリーを攪拌下で還流に加熱し、固体の全部が溶解した後、還流させながら30分間保持した。混合物を次に撹拌しながら12時間かけて室温に冷却させ、次に少なくとも12時間にわたり0℃の冷凍庫に配置した。この固体を、P8番濾紙を備える低温ブフナー漏斗上で濾過して取り除き、漏斗上の固体ケーキは、450gの低温MCB(0℃)、次に300mLのメタノールを用いてすすぎ洗いした。この固体を120℃の真空(P<100Torr)下で一晩乾燥させると、722gの精製1,3-DFDK(収率90.0%)が得られた。
生成物の分析は、表2に示した。
実施例4:DMSO中の1,3-DFDKの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した500mLフラスコに1,3-DFDK(40.4g)およびDMSO(209g=190mL)を添加した。この混合物を撹拌しながら95℃に加熱した。加熱のスイッチを切って溶液をごくわずかに冷却させ、この溶液を予備加熱(125℃)したセラミック製ブフナー漏斗内のワットマンGF/Fガラス繊維フィルターパッドに通して濾過し、清浄な500mLの三つ口フラスコ内に入れた。最初のフラスコは、高温DMSO(33g=30mL)を用いてフィルターに通してすすぎ洗いした。生じた濾過溶液を95℃に加熱し、水(45g)を飽和点の直下まで緩徐に加えた。加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で室温に冷却させ、1時間保持した。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。これらの固体を次に500mLフラスコに移し戻し、メタノール(200mL)を加え、スラリーを5分間撹拌し、新鮮ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり130℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、38.8g(96%)が得られた。
生成物の分析は、表2に示した。
比較例D:エタノール/水中の1,4-BHBBの再結晶化
加熱マントル内の攪拌器、熱電対および還流凝縮器を装備した2Lの三つ口フラスコに1,4-BHBB(10g)、エタノール(200プルーフ、200mL)および水(1000mL)を加えた。この混合物を還流に加熱し、1時間保持した。室温の場合と比較して、不溶性材料の量における目に見える差はなかった。固体の百分率が低いこと(0.83重量/体積%)および溶解度の顕性欠如を条件として実験を中止した。
比較例E:エタノール(200プルーフ)中の1,4-BHBBの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した2Lフラスコに15gの1,4-BHBB(出発時1,4-BHBB(NaOH))およびエタノール(1500mL=1184g)を添加した。この混合物を撹拌しながら、還流に加熱した(約78℃)。加熱のスイッチを切って溶液を還流の直ぐ下に冷却させ、この溶液を予備加熱(95℃)したセラミック製ブフナー漏斗内のワットマンGF/Fガラス繊維フィルターパッドに通して濾過し、清浄な2Lの三つ口フラスコ内に入れた。最初のフラスコは、高温エタノール(200pf)(100mL=79g)を用いてフィルターに通してすすぎ洗いした。生じた濾過溶液は、撹拌しながら還流に再加熱した。100mLのエタノールを最初の濃度に戻すために大気圧下での蒸留(ストリップ)を介して除去した。加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で40℃に冷却させた。加熱マントルを氷/水浴と交換し、スラリーを撹拌しながら0~5℃にさらに冷却し、0~5℃で1時間保持した。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり120℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、13.2g(88.2%)が得られた。
生成物の分析は、表3に示した。
比較例F:中国特許出願公開第1974631号明細書によるDMSO/水中の加水分解からの1,4-BHBB生成物
中国特許出願公開第1976431(A)号明細書の実施例1に記載の手法に従った:加熱マントル、熱電対、攪拌器およびコンデンサーを装備した1Lの三つ口フラスコに1,4-DFDK(64.4g、0.2モル)、KOH(56g、1モル、1.25等量/F)、H2O(300mL)およびDMSO(300mL)を加えた。混合物は、水酸化物を完全に溶解させるために5分間撹拌し、その後、30分間かけて100℃に加熱した。温度を105℃に緩徐に増加させると、その時点でコンデンサーから凝縮液が緩徐に落ちるのが見られた。反応をこの温度で8時間保持し、次に加熱を中止し、この混合物を一晩冷却させた。結果として生じた混合物をブフナー漏斗内のワットマンGF/Fフィルターに通して濾過し、この固体を水(1×100mL)で洗浄した。この固体をアルミニウム製鍋に移し、125℃/27’’Hgの真空炉で一晩かけて乾燥させると、56.0g(87%)の未反応1,4-DFDKが得られた。上記からの濾液をHCl水溶液(37%)によりpH=9.5に緩徐に酸性化し、1時間撹拌した。生じた固体をブフナー漏斗内のワットマン4番濾紙上の濾過によって単離し、水を用いてpH=6~7に洗浄し、125℃/27’’Hgの真空炉で一晩かけて乾燥させると、0.68g(1.08%)の白色粉末が得られた。pH=9.5混合物からの濾液をHCl水溶液(37%)によりさらにpH=4に緩徐に酸性化し、1時間撹拌した。生じた固体をブフナー漏斗内のワットマン4番濾紙上の濾過によって単離し、水を用いてpH=6~7に洗浄し、125℃/27’’Hgの真空炉で一晩かけて乾燥させると、3.30g(5.20%)の白色粉末が得られた。
生成物の分析は、表3に示した。
実施例5:DMF/エタノール中の1,4-BHBBの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した5Lフラスコに500gの1,4-BHBB(出発時1,4-BHBB(NaOH))、DMF(1935gg=2050mL)およびエタノール(808g=1025mL)を添加した。この混合物を撹拌しながら、還流に加熱した(約92℃)。加熱のスイッチを切って溶液を還流の直下に冷却させ、この溶液を予備加熱(95℃)したセラミック製ブフナー漏斗内のワットマンGF/Fガラス繊維フィルターパッドに通して濾過し、清浄な5Lの三つ口フラスコ内に入れた。最初のフラスコは、高温の2:1のDMF:エタノール(89g=100mL)を用いてフィルターに通してすすぎ洗いした。結果として生じた濾過溶液を撹拌しながら還流に再加熱し、水(出発時モノマー重量に対して850mL、1.7×)を10分間かけて緩徐に添加し、任意の沈降物を再溶解させた。水添加の終了時に加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で40℃に冷却させた。加熱マントルを氷/水浴と交換し、スラリーを撹拌しながら0~5℃にさらに冷却し、0~5℃で1時間保持した。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。これらの固体を次に5Lフラスコに移し戻し、DI水(2L)を加え、スラリーを5分間撹拌し、新鮮ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり130℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、478g(95.6%)が得られた。
生成物の分析は、表3に示した。
実施例6:DMSO/メタノール中の1,4-BHBBの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した500mLフラスコに45gの1,4-BHBB(出発時1,4-BHBB(NaOH))、DMSO(165g、g=150mL)およびメタノール(87g=110mL)を添加した。この混合物を撹拌しながら、還流に加熱した(約72℃)。加熱のスイッチを切って溶液を還流の直下に冷却させ、この溶液を予備加熱(75℃)したセラミック製ブフナー漏斗内のワットマンGF/Fガラス繊維フィルターパッドに通して濾過し、清浄な500mLの三つ口フラスコ内に入れた。最初のフラスコは、高温の2:1のDMSO:メタノール(30g=30mL)を用いてフィルターに通してすすぎ洗いした。結果として生じた濾過溶液を撹拌しながら還流に再加熱し、水(出発時モノマー重量と比較に対して95mL、2.1×)を10分間かけて緩徐に添加し、任意の沈降物を再溶解させた。水の添加の終了時に加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で40℃に冷却させた。加熱マントルを氷/水浴と交換し、(今度は)スラリーを撹拌しながら10~15℃にさらに冷却し、10~15℃で1時間保持した。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。これらの固体を次に500mLフラスコに移し戻し、メタノール(250mL)を加え、スラリーを5分間撹拌し、新鮮ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり130℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、42.35g(94.1%)が得られた。
生成物の分析は、表3に示した。
実施例7:DMF/エタノール中の1,4-BHBBの再結晶化
実施例5と同一手法に従ったが、出発時1,4-BHBB(KOH)から出発した。
生成物の分析は、表3に示した。
比較例G:エタノール(200プルーフ)中の1,3-BHBBの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した2Lフラスコに280gの1,3-BHBB(出発時1,3-BHBB(KOH))およびエタノール(1000mL=789g)を添加した。この混合物を撹拌しながら還流に加熱すると(約78℃)、目に見える不溶性物質は観察されなかった。加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で40℃に冷却させた。加熱マントルを氷/水浴と交換し、スラリーを撹拌しながら0~5℃にさらに冷却し、0~5℃で1時間保持した。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり120℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、142.5g(52.7%)が得られた。
生成物の分析は、表4に示した。
比較例H:エタノール(190プルーフ)中の1,3-BHBBの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した2Lフラスコに180gの1,3-BHBB(出発時1,3-BHBB(KOH))およびエタノール(1000mL=789g)を添加した。この混合物を撹拌しながら、還流に加熱した(約78.8℃)。この溶液は、75℃では極めてわずかにかすみがかっていたが、還流時には目に見える不溶性物質がなかった。加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で40℃に冷却させた。加熱マントルを氷/水浴と交換し、スラリーを撹拌しながら2~5℃にさらに冷却し、2~5℃で1時間保持した。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。5℃に冷却したエタノール190プルーフ(100mL=79g)を2Lフラスコに添加して、残っている一部の固体を移し、漏斗に通して濾過した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり120℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、175.7g(97.6%)が得られた。
生成物の分析は、表4に示した。
比較例I:中国特許出願公開第1976431号明細書によるDMSO/水中の加水分解からの1,3-BHBB生成物
中国特許出願公開第1976431(A)号明細書の実施10に記載の手法に従った。
生成物の分析は、表4に示した。
実施例8:エタノール/DMF中の1,3-BHBBの再結晶化
加熱マントル、熱電対、温度調節器、攪拌器およびコンデンサーを装備した5Lフラスコに500gの1,3-BHBB(出発時1,3-BHBB(KOH))、エタノール(1830g、g=2320mL)およびDMF(293g=310mL)を添加した。この混合物を撹拌しながら、還流に加熱した(約80℃)。加熱のスイッチを切って溶液を還流の直下に冷却させ、溶液を予備加熱(95℃)したセラミック製ブフナー漏斗内のワットマンGF/Fガラス繊維フィルターパッドに通して濾過し、清浄な5Lの三つ口フラスコ内に入れた。最初のフラスコは、高温の7.5:1のエタノール:DMF(81g=100mL)を用いてフィルターに通してすすぎ洗いした。結果として生じた濾過溶液を撹拌しながら還流に再加熱し、水(300mL、出発時モノマー重量に対して0.6×)を10分間かけて緩徐に添加し、任意の沈降物を再溶解させた。水の添加の終了時に加熱を中止し、この溶液を約0.3℃/分で40℃に冷却させた。加熱マントルを氷/水浴と交換し、スラリーを撹拌しながら0~5℃にさらに冷却し、0~5℃で1時間保持した。再結晶化固体は、ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。漏斗から落下する溶媒がもはや見られなくなるまで、空気をケーキに通して吸引した。これらの固体を次に5Lフラスコに移し戻し、DI水(2L)を加え、スラリーを5分間撹拌し、新鮮ワットマン4番濾紙を備えるブフナー漏斗内での濾過によって単離した。固体をアルミ製の鍋に移し、24時間にわたり130℃および27’’Hgの真空炉内で乾燥させた。固体を室温に冷却させ、風袋計量ジャーに移すと、460g(92.1%)が得られた。
生成物の分析は、表4に示した。
Figure 0007271422000008
Figure 0007271422000009
Figure 0007271422000010
Figure 0007271422000011
上記の表1、2、3および4に示したように、本明細書に記載した方法に従ったビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーの再結晶化は、予想外にも、≧90%の収率を維持しながら金属濃度の低減を生じさせた。
例えば、表1に示したように、実施例E1、E2およびE3についての総金属濃度は、比較例(比較例CE B)の最低総金属濃度より少なくとも64%低かった。同様に、表2(実施例E4対比較例CE C)では、総金属濃度における少なくとも88%の低減が観察され、表3(実施例E6対比較例CE E)では、総金属濃度における少なくとも62%の低減が観察され、および表4(実施例E8対比較例CE H)では、総金属濃度における少なくとも75%の低減が観察された。さらに、総金属濃度におけるこの劇的な低減は、驚くべきことに、実施例1~7の全部について少なくとも90%の収率を維持しながら達成された。
さらに、再結晶化1,4-DFDKおよび1,4-BHBB(表1および3)について、驚くべきことに、10重量%を超えるモノマー濃度で機能することができ、これにより溶媒使用効率が上昇した。
比較例J:比較例AからのMCB中で再結晶化された1,4-DFDKの重合
攪拌機、N注入管、反応媒体中に挿入されている熱電対を備えるクライゼンアダプターならびに凝縮器およびドライアイストラップ付きのディーン・スタークトラップを装備した500mLの4つ口反応フラスコに127.83gのジフェニルスルホン、23.078gの1,3-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン(実施例7から再結晶化された)、7.930gのNaCOおよび0.078gのKCOを導入した。フラスコ内容物を真空下で排出し、次に高純度窒素(10ppm未満のOを含有する)で満たした。反応混合物を次に一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。反応混合物を200℃まで緩徐に加熱した。200℃で23.647gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(比較例Aから再結晶化された)を30分かけて粉末ディスペンサーによって反応混合物に添加した。添加の終了時、反応混合物を1℃/分で240℃に加熱した。240℃で17.124gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(比較例A)、16.712gの1,4-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン(実施例5から再結晶化された)および5.743gのNaCOの混合物を30分間かけて反応混合物に緩徐に加えた。添加の終了時、反応混合物を1℃/分で320℃に加熱した。320℃で26分後、3.223gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(比較例A)を、反応器上で窒素パージを保ちながら反応混合物に添加した。5分後に0.530gの塩化リチウムを反応混合物に添加した。10分後に別の0.403gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(比較例A)を反応器に添加し、反応混合物をその温度で15分間保持した。次に、反応器内容物を反応器からステンレス鋼受皿に注ぎ込み、冷却した。固形物を砕き、2mmスクリーンに通してアトリッションミルで摩砕した。ジフェニルスルホンおよび塩は、1~12のpHでアセトンおよび水の混合物から抽出した。次に、反応器から粉末を取り出し、真空下の120℃で12時間乾燥させ、69gのオフホワイト/黄色の粉末を得た。最終ポリマーは、繰り返し単位を有していた(71/29のテレ/イソ(T/I)比)。
Figure 0007271422000012
試料の分析結果は、表5に提示した。
実施例9:実施例1からDMSO中で再結晶化された1,4-DFDKの重合
実施例1から再結晶化された1,4-DFDKを使用した以外には、比較例Iに記載したものと同一手法に従った。
試料の分析結果は、表5に提示した。
比較例K:非再結晶化1,4-BHBBの重合
実施例1から再結晶化された1,4-DFDKおよび非再結晶化1,4-BHBB(出発時1,4-BHBB(KOH))を使用した以外には、実施例9に記載したものと同一手法に従った。
比較例L:非再結晶化1,3-DFDKの重合
攪拌機、N注入管、反応媒体中に挿入されている熱電対を備えるクライゼンアダプターならびに凝縮器およびドライアイストラップ付きのディーン・スタークトラップを装備した500mLの4つ口反応フラスコに102.27gのジフェニルスルホン、31.833gの1,4-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン(実施例5から再結晶化された)、11.023gのNaCOを導入した。フラスコ内容物を真空下で排出し、次に高純度窒素(10ppm未満のOを含有する)で満たした。反応混合物を次に一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。反応混合物を180℃に緩徐に加熱した。180℃で14.280gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(実施例1から再結晶化された)および18.175の1,3-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(出発時1,3-DFDK、再結晶化させていない)の混合物を30分間かけて反応混合物に粉末ディスペンサーによって添加した。添加の終了時、反応混合物を1℃/分で310℃に加熱した。310℃で127分後、0.645gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(実施例1)を、反応器上で窒素パージを保ちながら反応混合物に添加した。5分後に0.427gの塩化リチウムを反応混合物に添加した。10分後に別の0.322gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(実施例1)を反応器に添加し、反応混合物をその温度で15分間保持した。次に、反応器内容物を反応器からステンレス鋼受皿に注ぎ込み、冷却した。固形物を砕き、2mmスクリーンに通してアトリッションミルで摩砕した。ジフェニルスルホンおよび塩は、1~12のpHでアセトンおよび水の混合物から抽出した。次に、反応器から粉末を取り出し、真空下の120℃で12時間乾燥させ、53gのオフホワイト/黄色の粉末を得た。最終ポリマーは、繰り返し単位(72/28のT/I比)を有していた。
Figure 0007271422000013
試料の分析結果は、表5に提示した。
実施例10:実施例4からのDMSO中で再結晶化された1,3-DFDKの重合
実施例4からの再結晶化された1,3-DFDKを使用した以外には、比較例Lに記載したものと同一手法に従った。
試料の分析結果は、表5に提示した。
比較例M:非再結晶化1,3-BHBBおよび1,4-BHBBの重合
攪拌機、N注入管、反応媒体中に挿入されている熱電対を備えるクライゼンアダプターならびに凝縮器およびドライアイストラップ付きのディーン・スタークトラップを装備した500mLの4つ口反応フラスコに102.27gのジフェニルスルホン、18.897gの1,3-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン(出発時1,3-BHBB(NaOH))、6.363gのNaCOおよび0.024gのKCOを導入した。フラスコ内容物を真空下で排出し、次に高純度窒素(10ppm未満のOを含有する)で満たした。反応混合物を次に一定の窒素パージ(60mL/分)下に置いた。反応混合物を180℃に緩徐に加熱した。180℃で18.918gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(実施例1から再結晶化された)を30分かけて粉末ディスペンサーによって反応混合物に添加した。添加の終了時、反応混合物を1℃/分で220℃に加熱した。220℃で13.699gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(実施例1)、13.415gの1,4-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン(出発時1,4-BHBB(NaOH))、4.607gのNaCOおよび0.018gのKCOの混合物を30分間かけて反応混合物に緩徐に加えた。添加の終了時、反応混合物を1℃/分で320℃に加熱した。320℃で48分後、3.223gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(実施例1)を、反応器上で窒素パージを保ちながら反応混合物に添加した。5分後に0.128gの塩化リチウムを反応混合物に添加した。10分後に別の0.322gの1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(実施例1)を反応器に添加し、反応混合物をその温度で15分間保持した。次に、反応器内容物を反応器からステンレス鋼受皿に注ぎ込み、冷却した。固形物を砕き、2mmスクリーンに通してアトリッションミルで摩砕した。ジフェニルスルホンおよび塩は、1~12のpHでアセトンおよび水の混合物から抽出した。次に、反応器から粉末を取り出し、真空下の120℃で12時間乾燥させ、52gのオフホワイト/黄色の粉末を得た。最終ポリマーは、繰り返し単位(71/29のT/I比)を有していた。
Figure 0007271422000014
試料の分析結果は、表5に提示した。
比較例N:非再結晶化1,3-BHBBおよび1,4-BHBBの重合
下記の量の試薬を用いた以外には、比較例Mと同一手法に従った。
ジフェニルスルホン:102.27g
1,3-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン(出発時1,3-BHBB(NaOH)):18.707g
NaCO:6.363g
CO:0.024g
180℃で添加:
1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(実施例1):18.918g
220℃で添加:
1,4-ビス(4’-ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン(出発時1,4-BHBB(NaOH)):13.370g
1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン(実施例1):13.699g
NaCO:4.607g
CO:0.017g
320℃で21分後、下記を添加した。
1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン:3.223g
塩化リチウム:0.128g
1,4-ビス(4’-フルオロベンゾイル)ベンゼン:0.322g
最終ポリマー重量:51g
試料の分析結果は、表5に提示した。
実施例11:再結晶化1,3-BHBBおよび1,4-BHBBの重合
実施例7に従って再結晶化された1,3-BHBBおよび実施例5に従って再結晶化された1,4-BHBBを使用した以外には、比較例Mと同一手法に従った。
試料の分析結果は、表5に提示した。
Figure 0007271422000015
表5に示したように、本明細書によって再結晶化されたモノマーから調製したポリマーは、予想外にも、それらのより高い溶融温度によって指示されるように結晶度の上昇を示した。
例えば、再結晶化1,4,-DFDK、再結晶化1,4-BHBBおよび再結晶化1,3-BHBBから合成した実施例9のPEKKは、非再結晶化1,4-DFDKおよび非再結晶化1,4-BHBBのそれぞれを組み入れた比較例JおよびKのそれぞれについて観察された338℃の融点と比較して342℃の融点を示した。同様に、4種の再結晶化モノマーから合成した実施例10のPEKKは、非結晶化1,3-DFDKを組み入れた比較例Lについて観察された339℃の融点と比較して340℃の融点を示した。最後に、再結晶化1,4,-DFDK、再結晶化1,4-BHBBおよび再結晶化1,3-BHBBから合成した実施例11のPEKKは、比較例MおよびNそれぞれについて観察された338℃および339℃の融点と比較して340℃の融点を示した。比較例MおよびNは、非結晶化1,4-BHBBおよび非結晶化1,4-BHBBの両方を組み入れた。
さらに、実施例11は、驚くべきことに、比較例MおよびNに対して増加した流量を示した。表5に示したように、実施例11は、期待溶融粘度に対して3Pa・sの減少を示した一方、比較例MおよびNは、同一の測定についてそれぞれ12Pa・sおよび8Pa・sの増加を示した。期待溶融粘度(MVexp)は、下記のように固有粘度から決定した:
MVexp=1490IV3.98
(式中、MVexpの単位は、Pa・sであり、1490は、単位(Pa・s)(g/dL)3.98での定数であり、IVの単位は、dL/gである)。
参照により本明細書に組み込まれる任意の特許、特許出願および刊行物の開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。

Claims (16)

  1. モノマー組成物中の金属の濃度を低減させるための方法であって、
    b)第1溶媒(溶媒A)中の前記モノマー組成物を再結晶化させる工程
    を含み、
    前記第1溶媒(溶媒A)は、前記第1溶媒(溶媒A)の総重量に対して少なくとも10重量%の、30を超える誘電率を有する非プロトン性溶媒を含み、かつ
    前記第1溶媒(溶媒A)は、前記第1溶媒(溶媒A)の前記総重量に対して1重量%未満の無機塩を含み、および
    前記モノマー組成物は、式:
    Figure 0007271422000016
    Figure 0007271422000017
    Figure 0007271422000018
    または
    Figure 0007271422000019
    (式中、Xは、ハロゲンである)
    の化合物を含み、
    さらに、モノマー組成物中の金属の濃度を低減させる前記工程は、低金属モノマーを形成し、
    低金属モノマーは、モノマー組成物の重量に対して30wt.ppm(重量によるppm)未満の総金属濃度を有するモノマー組成物であり、総金属濃度は、アルミニウム、鉄、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムの濃度の合計である、方法。
  2. a)前記再結晶化させる工程前に前記モノマー組成物を溶解させる工程
    をさらに含み、
    前記モノマー組成物を溶解させる前記工程は、モノマー溶液を形成するために前記第1溶媒(溶媒A)中の前記モノマー組成物を第1温度(T)に加熱する工程を含み、
    前記第1溶媒(溶媒A)中の前記モノマー組成物の濃度は、前記モノマー組成物および前記第1溶媒(溶媒A)の重量に対して10~20重量%の範囲であり、および
    前記第1温度(T)は、50~240℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記モノマー組成物を再結晶化させる前記工程は、
    b1)任意選択的に、前記モノマー溶液を第1フィルターに通過させる工程、
    b2)任意選択的に、第2温度(T)で前記第1溶媒(溶媒A)の一部分を蒸留により除去する工程、
    b3)任意選択的に、溶媒混合物を形成するために、前記第1溶媒(溶媒A)が第3温度(T)にある場合に第2溶媒(溶媒B)を前記モノマー溶液に添加する工程であって、前記溶媒混合物中の前記モノマー組成物の溶解度は、前記第1溶媒(溶媒A)中の前記モノマー組成物の溶解度より小さい、工程、および
    b4)任意選択的に、前記モノマー溶液を-10~40℃の範囲の第4温度(T)に冷却する工程であって、ただし、前記第4温度(T)は、前記第1溶媒(溶媒A)および前記任意選択的な第2溶媒(溶媒B)の融点より高いことを条件とする、工程
    を含み、ただし、前記方法は、工程b2)およびb4)の少なくとも1つを含み、および工程b1)は、存在する場合、工程b2)、b3)およびb4)が存在する場合には工程b2)、b3)およびb4)の前に実施されることを条件とし、
    相互に同一であるかまたは異なる前記第1温度(T)、前記第2温度(T)および前記第3温度(T)は、50~240℃の範囲の温度から独立して選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1フィルターは、0.45~10μmの範囲の公称細孔径を有する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第2溶媒(溶媒B)は、前記第1溶媒(溶媒A)および第2溶媒(溶媒B)の総重量に対して5.0~50重量%の範囲の濃度で前記モノマー溶液に添加される、請求項3または4に記載の方法。
  6. c)前記再結晶化させる工程後に前記モノマー組成物を回収する工程
    をさらに含み、前記モノマー組成物を回収する工程は、
    c1)前記モノマー溶液を第2フィルターに通過させることにより、前記モノマー溶液から前記モノマー組成物を除去する工程、
    c2)任意選択的に、第3溶媒(溶媒C)を用いて前記モノマー組成物を洗浄する工程であって、前記第3溶媒(溶媒C)は、前記第1溶媒(溶媒A)、前記第2溶媒(溶媒B)またはそれらの組み合わせと同一である、工程、および
    c3)前記モノマー組成物を乾燥させる工程
    を含む、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第2フィルターは、0.45~10μmの範囲の公称細孔径を有する、請求項6に記載の方法。
  8. c2)の任意選択的な洗浄は、前記モノマー組成物が第4温度(T)にある場合に行われる、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記無機塩は、IA族、IIA族、IIIa族もしくはVIII族金属またはそれらの組み合わせのハロゲン化物または酸化物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記第1溶媒(溶媒A)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、炭酸プロピレン、N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリジノン(NMP)、1,3-ジメチル-2-オキソ-ヘキサヒドロピリミジン(DMPU)、1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン(DMEU)またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第2溶媒(溶媒B)は、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸、アセトニトリル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテルまたはそれらの組み合わせを含む、請求項3~8のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記再結晶化させる工程前の前記モノマー組成物の重量に対して90重量%以上の前記モノマー組成物を産生する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーを含むモノマーから求核置換によってジ-ケトンポリマーを合成する方法であって、前記ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーの少なくとも80モル%は、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法に従って再結晶化されたビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーである、方法
  14. 前記ビス(ベンゾイル)ベンゼンモノマーの少なくとも80モル%は、低金属モノマーである、請求項13に記載の方法であって、
    低金属モノマーは、モノマー組成物の重量に対して30wt.ppm(重量によるppm)未満の総金属濃度を有するモノマー組成物であり、総金属濃度は、アルミニウム、鉄、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムの濃度の合計である、方法
  15. 前記ジ-ケトンポリマー中のアルミニウムおよび鉄の濃度の合計は、前記ジ-ケトンポリマーの重量に対して30wt.ppm未満である、請求項13または14に記載の方法
  16. 請求項13~15のいずれか一項に記載の方法に従って合成されたジ-ケトンポリマーを含む成形品を作製する方法であって、前記成形品が携帯用電子機器または医療機器の構成要素である、方法
JP2019532117A 2016-12-21 2017-12-19 ビス(ベンゾイル)ベンゼンを含むモノマー組成物中の金属の濃度を低減させるための方法 Active JP7271422B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662437311P 2016-12-21 2016-12-21
US62/437,311 2016-12-21
US201762456930P 2017-02-09 2017-02-09
US62/456,930 2017-02-09
EP17169169 2017-05-03
EP17169169.4 2017-05-03
PCT/EP2017/083673 WO2018115034A1 (en) 2016-12-21 2017-12-19 Method for decreasing the concentration of a metal in a monomer composition comprising bis(benzoyl)benzene

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020502165A JP2020502165A (ja) 2020-01-23
JP7271422B2 true JP7271422B2 (ja) 2023-05-11

Family

ID=61027679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019532117A Active JP7271422B2 (ja) 2016-12-21 2017-12-19 ビス(ベンゾイル)ベンゼンを含むモノマー組成物中の金属の濃度を低減させるための方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11420920B2 (ja)
EP (1) EP3558918B1 (ja)
JP (1) JP7271422B2 (ja)
CN (1) CN110267935B (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012506472A (ja) 2008-10-24 2012-03-15 ソルベイ・アドバンスト・ポリマーズ・エルエルシー 高純度ジフェニルスルホン、調製、およびポリ(アリールエーテルケトン)の調製のためのその使用
JP5506664B2 (ja) 2007-05-04 2014-05-28 ノボ・ノルデイスク・エー/エス 細胞培養における第viii因子ポリペプチドタイターの改善
JP2015521156A (ja) 2012-03-23 2015-07-27 オキシジーン, インコーポレイテッド カテプシンの阻害のための組成物および方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4861915A (en) * 1985-05-02 1989-08-29 Amoco Corporation Poly (aryl ether ketone) block copolymers
US4891167A (en) * 1985-05-02 1990-01-02 Amoco Corporation Block polymers containing a poly(aryl ether ketone) and methods for their production
US4837284A (en) * 1985-10-15 1989-06-06 Amoco Corporation Novel poly(aryl ether ketone)-polyester block copolymers
GB8623510D0 (en) * 1986-09-30 1986-11-05 Raychem Ltd Aryl carbonyl compounds
DE3921449A1 (de) 1989-06-30 1991-01-03 Hoechst Ag Verfahren zur herstellung von 1,4-bis-(4-hydroxybenzolyl)-benzol
DE4016895A1 (de) 1990-05-25 1991-11-28 Hoechst Ag Verfahren zur herstellung von 1,4-bis-(4-fluorbenzoyl)-benzol
CN1252134C (zh) * 2004-06-13 2006-04-19 吉林大学 含有羧基侧基的聚芳醚类高性能共聚物及制备方法
CN1974631A (zh) * 2006-11-21 2007-06-06 吉林大学 聚醚酮酮类高性能热属性聚合物材料的制备方法
CN1951894A (zh) 2006-11-21 2007-04-25 吉林大学 双-(4-羟基苯甲酰)苯单体的合成方法
CN104326895B (zh) 2014-10-14 2017-01-25 吉林大学 1,4‑二(4‑羟基苯酰基)苯及聚醚酮醚酮酮共聚物的制备方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5506664B2 (ja) 2007-05-04 2014-05-28 ノボ・ノルデイスク・エー/エス 細胞培養における第viii因子ポリペプチドタイターの改善
JP2012506472A (ja) 2008-10-24 2012-03-15 ソルベイ・アドバンスト・ポリマーズ・エルエルシー 高純度ジフェニルスルホン、調製、およびポリ(アリールエーテルケトン)の調製のためのその使用
JP2015521156A (ja) 2012-03-23 2015-07-27 オキシジーン, インコーポレイテッド カテプシンの阻害のための組成物および方法

Also Published As

Publication number Publication date
US11420920B2 (en) 2022-08-23
CN110267935A (zh) 2019-09-20
CN110267935B (zh) 2022-11-25
JP2020502165A (ja) 2020-01-23
EP3558918A1 (en) 2019-10-30
US20190322609A1 (en) 2019-10-24
EP3558918B1 (en) 2021-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7289263B2 (ja) ポリ(エーテルケトンケトン)ポリマー、対応する合成法およびポリマー組成物およびそれらから製造される物品
WO2018115033A1 (en) Poly(ether ketone ketone) polymers, corresponding synthesis methods and polymer compositions and articles made therefrom
JP7187459B2 (ja) ポリ(エーテルケトンケトン)ポリマー、対応する合成法およびポリマー組成物およびそれらから製造される物品
EP2346921B1 (en) High temperature melt processable semi-crystalline poly (aryl ether ketone) containing a (4-hydroxyphenyl) phthalazin-1(2h)-one comonomer unit
JP5797643B2 (ja) ポリアリーレンエーテルブロックコポリマーの製造方法
US11879036B2 (en) Poly(ether ketone ketone) (PEKK) polymer and composites
JP2012522856A (ja) 塩素の少ないポリビフェニルスルホン−ポリマーの製造方法
JP7271422B2 (ja) ビス(ベンゾイル)ベンゼンを含むモノマー組成物中の金属の濃度を低減させるための方法
WO2013079383A1 (en) Polymer composition
WO2018115034A1 (en) Method for decreasing the concentration of a metal in a monomer composition comprising bis(benzoyl)benzene
WO2018115035A1 (en) Poly(ether ketone ketone) polymers, corresponding synthesis methods and polymer compositions and articles made therefrom
JP5599727B2 (ja) ジベンゾジアゾシンとスルホンおよび/またはケトン単位を含有する二官能性モノマーとのコポリマー
JP2019505646A (ja) スルホンポリマーおよび製造方法
CN113166396B (zh) 聚(醚酮酮)(pekk)聚合物及复合材料
JP3126214B2 (ja) 芳香族ポリスルホンフィルム
JP2005120055A (ja) 新規な結晶構造を有する2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシジフェニル)プロパンおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211221

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7271422

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150