JP7270860B1 - 配向方向検出装置 - Google Patents

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Abstract

配向方向検出装置(11)は、検査対象(1)に交流磁界を印加する励磁用コイル(31)と、励磁用コイル(31)との間で一定の位置関係が維持された位置に配置され、誘導磁界を検出し、誘導磁界に対応する電圧を出力する磁界センサ(41a、41b)と、励磁用コイルと磁界センサとを含むセンサ部及び検査対象の少なくとも一方を移動させる搬送装置(10)と、励磁用コイル(31)、磁界センサ(41a、41b)、及び搬送装置(10)を制御する制御部(110)とを有し、制御部(110)は、磁界センサ(41a、41b)から出力される電圧の分布を、磁界センサの大きさと、磁界センサと検査対象との間の距離と、に対応する径方向空間周波数に基づいて帯域制限し、帯域制限された電圧の分布を、径方向空間周波数における空間角度に対する出力強度の波形に変換し、波形のピーク位置となるピーク角度を、配向方向を示す配向角度(θ)として算出する。

Description

本開示は、導電性複合材料を有する検査対象における繊維の配向方向を検出する配向方向検出装置に関する。
導電性の繊維を含む導電性複合材料である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、炭素繊維織布に樹脂を含侵させた繊維シートであるプリプレグの積層過程において、各層の繊維の巨視的又は局所的な配向方向が設計値からずれるミスアライメントが発生することがある。特許文献1は、導電性複合材料における繊維の配列が乱れている部分を検出する検出装置を開示している。
特開2017-72536号公報
しかしながら、上記従来の装置は、磁界センサが磁界を測定することで導電性複合材料の繊維の配列が乱れている部分を検出するが、繊維の配向のずれを示す角度を定量的に求めることは困難である。
本開示は、上記した課題を解決するためになされたものであり、導電性複合材料を有する検査対象の繊維の配向方向を示す角度を定量的に検出することができる配向方向検出装置を提供することを目的とする。
本開示の配向方向検出装置は、導電性の繊維を含む1枚以上の導電性複合材料を有する検査対象における前記繊維の配向方向を検出する装置であって、前記検査対象に交流磁界を印加する励磁用コイルと、前記励磁用コイルとの間で一定の位置関係が維持された位置に配置され、前記交流磁界により生じた誘導磁界を検出し、前記誘導磁界に対応する電圧を出力する1つ以上の磁界センサと、前記励磁用コイルと前記1つ以上の磁界センサとを含むセンサ部及び前記検査対象の少なくとも一方を移動させる搬送装置と、前記励磁用コイル、前記1つ以上の磁界センサ、及び前記搬送装置を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記1つ以上の磁界センサのうちの各磁界センサから出力される前記電圧の分布を、前記各磁界センサの大きさと、前記各磁界センサと前記検査対象との間の距離と、に対応する径方向空間周波数に基づいて帯域制限し、前記帯域制限された前記電圧の分布を、前記径方向空間周波数における空間角度に対する出力強度の波形に変換し、前記波形のピーク位置となるピーク角度を、前記配向方向を示す配向角度として算出することを特徴とする。
本開示によれば、導電性複合材料を有する検査対象の繊維の配向方向を示す角度を定量的に検出することができる。
実施の形態1に係る配向方向検出装置の構成を示す図である。 (A)及び(B)は、導電性複合材料の積層体の構造を概略的に示す斜視図及び分解図である。 実施の形態1に係る配向方向検出装置のプローブ内の励磁用コイルと検出用コイルの例を概略的に示す断面図である。 実施の形態1に係る配向方向検出装置のプローブ内の励磁用コイルと検出用コイルの他の例を概略的に示す断面図である。 実施の形態1に係る配向方向検出装置のプローブ内の励磁用コイルと検出用コイルの他の例を概略的に示す断面図である。 実施の形態1に係る配向方向検出装置の検波処理後の出力であるI信号の強度分布をXY座標に表すコンター図である。 実施の形態1に係る配向方向検出装置の検波処理後の出力であるQ信号の強度分布をXY座標に表すコンター図である。 実施の形態1に係る配向方向検出装置にて実行される信号処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る配向方向検出装置の検波処理後の出力分布を円柱座標で表すコンター図である。 実施の形態1に係る配向方向検出装置のプローブのリフトオフと、配向方向を示すピークの径方向空間周波数fとの関係を示すグラフである。 実施の形態1に係る配向方向検出装置のプローブの検出用コイルの直径と、配向方向を示すピークの径方向空間周波数fとの関係を示すグラフである。 実施の形態1に係る配向方向検出装置の積算処理後の空間角度に対する出力強度を示すグラフである。 実施の形態2に係る配向方向検出装置の構成を示す図である。 実施の形態3に係る配向方向検出装置の構成を示す図である。 実施の形態4に係る配向方向検出装置の構成を示す図である。 実施の形態4に係る配向方向検出装置のプローブ内の励磁用コイルと検出用コイルとを概略的に示す斜視図である。 実施の形態5に係る配向方向検出装置の構成を示す図である。 実施の形態6に係る配向方向検出装置の構成を示す図である。 実施の形態6に係る配向方向検出装置のプローブ内の励磁用コイルと検出用コイルとを概略的に示す斜視図である。 実施の形態6に係る配向方向検出装置のプローブ内の励磁用コイルと検出用コイルとを概略的に示す上面図である。 実施の形態7に係る配向方向検出装置のプローブ内の励磁用コイルと検出用コイルとを概略的に示す斜視図である。
以下に、実施の形態に係る配向方向検出装置を、図面を参照しながら説明する。配向方向検出装置は、導電性の繊維を含む1枚以上の導電性複合材料を有する検査対象における繊維の配向方向を検出する装置である。以下の実施の形態は、例にすぎず、実施の形態を適宜組み合わせること及び各実施の形態を適宜変更することが可能である。
図には、XYZ直交座標系の座標軸が示されている。X軸及びY軸は、検査対象(すなわち、検査対象を構成する導電性複合材料)の表面に平行なX方向(すなわち、第1又は第2の方向)及びY方向(すなわち、第2又は第1の方向)の座標軸である。Z軸は、検査対象からの距離(すなわち、リフトオフ)を示すZ方向の座標軸である。Z方向は、複数の導電性複合材料が積層される方向である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る配向方向検出装置11の構成を示す図である。配向方向検出装置11は、導電性の繊維を含む1枚以上の導電性複合材料を有する検査対象における導電性の繊維の配向方向を検出する装置である。図1では、検査対象は、複数の導電性複合材料(例えば、繊維シート)が積層された積層体1である。配向方向は、繊維が伸びている方向である。
配向方向検出装置11は、積層体1の表面に対向するように配置され、積層体1に交流磁界を印加する励磁用コイル31と、励磁用コイル31との間で一定の位置関係が維持された位置に且つ積層体1に対向するように配置され、交流磁界により生じた誘導磁界を検出し、この誘導磁界に対応する電圧を出力する1つ以上の磁界センサとしての検出用コイル41a(「第1の磁界センサ」ともいう)及び検出用コイル41b(「第2の磁界センサ」ともいう)とを有している。また、配向方向検出装置11は、励磁用コイル31と検出用コイル41a、41bとを含むセンサ部であるプローブ21及び検査対象である積層体1の少なくとも一方を移動させる搬送装置10を有している。また、配向方向検出装置11は、励磁用コイル31、検出用コイル41a、41b、及び搬送装置10を制御する制御部110とを有している。
搬送装置10は、励磁用コイル31と検出用コイル41a、41bとを備えたプローブ21をX方向に移動させる機構であるX方向搬送部10aと、プローブ21をY方向に移動させる機構であるY方向搬送部10bとを有している。なお、X方向搬送部10aのY方向搬送部10bの搬送方向とは、互いに交差する方向であれば、必ずしも直交している必要はない。X方向搬送部10aとY方向搬送部10bの一方を第1の搬送部、他方を第2の搬送部ともいう。
制御部110は、検出用コイル41a、41bから出力される電圧の分布を、検出用コイル41a、41bの大きさ(例えば、円形コイルでは直径、矩形コイルでは短辺長さ)と、検出用コイル41a、41bと導電性複合材料との間の距離と、に対応する径方向空間周波数に基づいて帯域制限する(後述の図8におけるステップST1~ST3)。なお、径方向とは、検出用コイル41a、41bが円形コイルの場合は直径方向、検出用コイル41a、41bが矩形コイルの場合は短辺方向のことである。また、制御部110は、帯域制限された電圧の分布を、径方向空間周波数における空間角度に対する出力強度の波形に変換し(後述の図8におけるステップST4)、この波形のピーク位置となるピーク角度を、配向方向を示す配向角度θとして算出する(後述の図8におけるステップST5)。
制御部110は、例えば、処理回路によって構成される。処理回路は、メモリに記憶されたプログラムと、プログラムを実行するプロセッサであるCPU(中央処理装置)とを有してもよい。図1の例では、制御部110は、差動増幅器101と、信号発振器102と、同期検波器103と、情報処理装置としてのコンピュータ104と、モータ制御器105とを有している。制御部110の構成は、図1に示されるものに限定されない。
図1の例では、導電性複合材料の積層体1の表面の上方に、X方向搬送部10aとY方向搬送部10bに接続されたプローブ21を配置してある。プローブ21内には、励磁用コイル31と検出用コイル41a(「第1の検出用コイル」ともいう。)と検出用コイル41b(「第2の検出用コイル」ともいう。)とが、同じ巻き軸上に配置されている。励磁用コイル31は、信号発振器102に接続されている。検出用コイル41a及び41bは、差動増幅器101に接続されている。検出用コイル41aは、検出用コイル41bより検査対象である積層体1に近い位置に配置されている。検出用コイル41aは、励磁用コイル31より積層体1に近い位置に配置され、検出用コイル41bは、励磁用コイル31より積層体1から遠い位置に配置されている。差動増幅器101と信号発振器102とは、同期検波器103に接続されている。同期検波器103は、コンピュータ104に接続されている。
また、X方向搬送部10aとY方向搬送部10bは駆動力発生部としてのモータと駆動力伝達部としてのギヤなどとを含む駆動機構を備えており、モータはモータ制御器105によって制御される。モータ制御器105は、コンピュータ104からの指令に基づいてX方向搬送部10aとY方向搬送部10bの動作を制御する。
励磁用コイル31は、信号発振器102から出力される高周波電圧(又は高周波電流)を受け、導電性複合材料の積層体1に交流磁界(「高周波磁界」又は「励磁磁界」ともいう。)を印加する。励磁磁界を印加された導電性複合材料には(例えば、表面、内部などには)、電磁誘導の法則にしたがって誘導電流が流れる。
図2(A)及び(B)は、導電性複合材料の積層体1の構造を概略的に示す斜視図及び分解図である。図2(A)は、導電性複合材料の積層体1の外観を示す。図2(B)は、導電性複合材料が炭素繊維(「炭素複合繊維」ともいう)である複数のプリプレグを示す。プリプレグは、炭素繊維織布に樹脂(例えば、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂)を含侵させた繊維シートである。この場合、導電性複合材料は、炭素繊維強化プラスチックである。図2(B)では、X方向を配向方向とするプリプレグと、Y方向を配向方向とするプリプレグとを、順にn層重ねて形成された積層体1が示されている。図2(B)の例では、n層のプリプレグ(例えば、nは4以上の整数)が積層されて形成された積層体1が示されている。図2(B)の例では、1層のみ、配向方向が基準方向であるX方向に対して5°ずれている。この場合、1層、1層、…(すなわち、(2m+1)番目の層である12m+1層(mは0以上の整数))の奇数層では、誘導電流は、図2(B)における左右方向(すなわち、X方向)に流れ(ただし、1層は、X方向に対して5°傾いた方向に流れ)、図2(B)における上下方向(すなわち、Y方向)には、ほとんど流れない。また、1層、1層、…(すなわち、(2m+2)番目の層である12m+2層(mは0以上の整数))の偶数層では、誘導電流は上下方向に流れる(左右方向には、ほとんど流れない)。積層体1の各層に生じた誘導電流から誘導磁界が生じる。誘導磁界は、検出用コイル41a、41bによって検出され、検出用コイル41a、41bから誘導磁界に対応する電圧が出力される。
図3は、配向方向検出装置11のプローブ21内の励磁用コイル31と検出用コイル41a、41bとの例を概略的に示す断面図である。図3は、励磁用コイル31と検出用コイル41a、41bとの巻き軸AXを中心とした断面形状を示す。検出用コイル41a、41bは、励磁用コイル31と同じ巻き軸上(すなわち、同軸的)に、且つ励磁用コイル31から等距離になる位置に配置されている。そのため、差動増幅器101にて、検出用コイル41a、41bのそれぞれの出力電圧の差分を取ることにより、励磁用コイル31からの交流磁界の影響を受けることなく、誘導磁界成分を取得することができる。検出用コイル41a、41bは、同一構造の2つのコイルの電圧出力の差分を出力する作動型コイルを構成する。
励磁用コイル31と検出用コイル41a、41bの配置は、励磁用コイル31と検出用コイル41a、41bとが同じ巻き軸AX上に配置され且つ励磁用コイル31から検出用コイル41aまでの距離と励磁用コイル31から検出用コイル41bまでの距離とが等しければ、図3の配置に限定されない。
図4は、配向方向検出装置11のプローブ21内の励磁用コイル31と検出用コイル41a、41bとの他の例を概略的に示す断面図である。図4に示されるように、プローブ21内の励磁用コイル31と検出用コイル41a、41bは、励磁用コイル31の内側に検出用コイル41aと検出用コイル41bを配置してもよい。
図5は、配向方向検出装置11のプローブ21内の励磁用コイル31、3bと検出用コイル41a、41bとの他の例を概略的に示す断面図である。図5のように、プローブ21は、励磁用コイルとして2つの励磁用コイル31a(「第1の励磁用コイル」ともいう)及び励磁用コイル31b(「第2の励磁用コイル」ともいう)と、磁界センサとして検出用コイル41a、41bとを有してもよい。この場合、励磁用コイルは、励磁用コイル31aと、これよりも積層体1から遠い位置に配置された励磁用コイル31bとを有している。また、検出用コイル41aは、励磁用コイル31aの内側に配置され、検出用コイル41bは、励磁用コイル31bの内側に配置されている。
また、各コイル(例えば、励磁用コイル31、31a、31b、検出用コイル41a、41b)内にフェライト、電磁鋼板といった磁性体を配置して、感度の増幅をはかってもよい。また、誘導磁界を検出する磁界センサとしては、検出用コイル41a、41bに代えて、異方性磁気抵抗(AMR)センサ、巨大磁気抵抗(GMR)センサ、磁気トンネル抵抗(TMR)センサといった磁気抵抗素子センサ、磁気インピーダンス(MI)センサ、ホールセンサ、フラックスゲート(FG)センサ、磁気光学(MO)センサ、光ポンピング原子磁気センサ、超電導量子干渉計(SQUID)などの検出用センサを用いてもよい。
同期検波器103は、検出用コイル41a、41bによって取得された誘導磁界由来の高周波信号と、信号発振器102から出力された同期信号(励磁磁界の周波数と同じ周波数をもつ)とを受け取り、同期検波することにより、高周波信号の振幅値Aと励磁磁界に対する位相差φからなるI信号(=Acosφ)とQ信号(=Asinφ)を導出する。導出されたI信号とQ信号の値は、コンピュータ104に送信され、配向角度θの検出処理に用いられる。
図6は、配向方向検出装置11の同期検波器103による検波処理後の出力であるI信号の強度分布をXY座標に表すコンター図である。図7は、配向方向検出装置11の同期検波器103による検波処理後の出力であるQ信号の強度分布をXY座標に表すコンター図である。図6及び図7は、コンピュータ104の指令により、モータ制御器105を通して、X方向搬送部10a及びY方向搬送部10bを駆動することにより、導電性複合材料の積層体1の表面上をプローブ21で2次元スキャンしたときのI信号の強度分布(図6)とQ信号の強度分布(図7)を表す。
図8は、I信号の強度分布とQ信号の強度分布とから配向角度θを検出する手順を示すフローチャートである。まず、図8のステップST1において、コンピュータ104は、取得したI信号とQ信号に対してオフセット除去処理を行う。取得されたI信号とQ信号を構成する位相の位相差φには、「各計測器の位相特性」の他に、「導電性複合材料の積層体1の電気導電率」及び、「励磁用コイル31、検出用コイル41a、41bの電気特性」及び、「導電性複合材料の積層体1とプローブ21間の距離であるリフトオフ」、「励磁磁界の周波数」といった要因による位相変動特性が含まれている。位相変動特性は、同一条件の計測においては、一定の定数とみなすことができるが、位相変動特性により、積層体1内の繊維の配向を示す信号成分が、I信号とQ信号に分散する。そこで、ステップST1のオフセット除去処理にて、I信号とQ信号の位相差φに一定値φを加えて、位相変動特性を取り除いたI´信号(=Acosφ´、(φ´=φ+φ))を導出する。
次のステップST2では、座標変換処理が行われる。ステップST2の座標変換処理では、I´信号の強度分布に対して、フーリエ変換処理と、XY座標系から円柱座標系への座標変換処理とが実施される。つまり、コンピュータ104は、磁界センサとしての検出用コイル41a、41bにより取得した導電性複合材料の積層体1の表面上の出力分布を、配向角度θに対する出力強度波形に変換する処理(例えば、ラドン変換)を行う。
図9は、配向方向検出装置11の検波処理後の出力分布を円柱座標で表示するコンター図である。図9のコンター図は、横軸を円柱座標の角度である配向角度θ、縦軸を径方向空間周波数fとしたときのI´信号の強度分布を示す。図では、濃度の高い領域ほど、強度が高い。図9の(b)の領域に注目すると、図2の導電性複合材料の積層体1の左右方向(X方向であり、θ=0°の方向)と上下方向(Y方向であり、θ=±90°の方向)を示すθ=0°、±90°上の強度値が高いことがわかる。さらに、図9の(a)の矢印に注目すると、図2の導電性複合材料の積層体1の1層(配向方向が左右方向から5°ずれている層)と同じ5°の位置にて強度が高いことがわかる。
図10は、配向方向検出装置11のプローブ21のリフトオフ[mm]と、配向方向を示すピークの径方向空間周波数f[1/mm]との関係を示すグラフである。図11は、配向方向検出装置11のプローブ21の検出用コイル41a、41bの直径[mm]と、配向方向を示すピークの径方向空間周波数f[1/mm]との関係を示すグラフである。図10は、θ=5°の強度が最も高くなるときの径方向空間周波数fをf(ピーク)[1/mm]と表記して、プローブ21と導電性複合材料の積層体1との間のリフトオフ[mm]との関係を示している。図11は、θ=5°の強度が最も高くなるときの径方向空間周波数fをf(ピーク)[1/mm]とプローブ21内の検出用コイルの直径[mm]との関係を示している。図10及び図11から、f(ピーク)[1/mm]は、プローブ21のリフトオフ[mm]が大きくなるほど大きくなり、また、検出用コイル41a、41bの直径[mm]が大きくなるほど、大きくなることがわかる。
また、図11においては、検出用コイル41a、41bの形状を円形として、横軸を直径[mm]としているが、検出用コイル41a、41bの形状が矩形の場合は、検出用コイルの短辺長さとしても、同様にf(ピーク)は、短辺長さが大きくなるほど大きくなる。さらに、検出用コイル41a、41bより励磁用コイル31の方が小さい場合は、励磁用コイル31の大きさ(形状が円形の場合は、直径であり、形状が矩形の場合は、短辺長さである。)とf(ピーク)[1/mm]が同じ関係性を持つ。つまり、図11に示される場合と同様に、f(ピーク)[1/mm]は、励磁用コイル31の直径[mm]が大きくなるほど、大きくなる。
図8のステップST3では、コンピュータ104は、座標変換処理の処理結果に対して帯域制限の処理を行う。ステップST3では、コンピュータ104は、図10及び図11をもとに帯域制限の処理を実施し、f(ピーク)の抽出処理(例えば、図9の(a)の角度であるピーク角度の抽出)を実施する。また、帯域制限の処理においては、励磁用コイル31の大きさ(形状が円形の場合は直径であり、形状が矩形の場合は短辺の長さである。)とリフトオフとの和も、f(ピーク)と同じ関係性を持つので、コンピュータ104は、この和をもとに、帯域制限の処理を実施してもよい。例えば、帯域制限における通過帯域を、各検出用コイルの大きさと、各検出用コイルと積層体1との間の距離との和に比例する径方向空間周波数の帯域とすることが可能である。
図8のステップST4では、コンピュータ104は、積算処理を行う。ステップST4では、コンピュータ104は、各配向角度θに対して、径方向空間周波数fの各強度値を積算し、各配向角度θに対する強度波形を導出する。図12は、配向方向検出装置11の積算処理後の空間角度である配向角度θに対する出力強度を示すグラフである。図12は、図9を(b)の領域で帯域制限処理、積算処理した結果を示す。
図8のステップST5では、コンピュータ104は、角度判別処理を行う。ステップST5では、コンピュータ104は、強度波形からピークとなる配向角度θの位置を導出する。導出された配向角度θの値から、図2の導電性複合材料の積層体1が、0°、90°の他に5°方向に配向したプリプレグの積層体であることを検出することができる。
以上に説明したように、実施の形態1に係る配向方向検出装置11によれば、導電性複合材料を有する積層体1の繊維の配向方向を示す角度である配向角度θを定量的に検出(すなわち、計測)することができる。
また、導電性複合材料の積層体1は、図2で示す炭素複合繊維の他に、金属細線を織り込んだ繊維布、セラミック基複合材料内の炭化ケイ素(SiC)繊維又は炭素複合繊維、又は、導電性複合材料を基材とした押し出し成型品としてもよく、導電性複合材料の積層体1と同じように繊維の配向(角度)、乱れを計測、判別することができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、導電性複合材料の積層体1からの距離が異なる検出用コイル41aと41bの出力電圧の差分を用いて導電性の繊維の配向方向を定量的に検出している。これに対し、実施の形態2に係る配向方向検出装置は、構造が互いに同じである2つの積層体(検査対象の積層体と比較対象の積層体)からの誘導磁界の差分を用いて配向方向を定量的に検出する。
図13は、実施の形態2に係る配向方向検出装置12の構成を示す図である。図13において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、図1に示される符号と同じ符号が付されている。実施の形態2に係る配向方向検出装置12は、検査対象の積層体1に対向して配置されたプローブ22と、積層体1と同じ構造を持つ比較対象の積層体1aに対向して配置された比較対象用プローブ22aとを有している。なお、積層体1aは、図2(A)及び(B)に示される積層体1と同じ構造を持つが、1層目のみ配向角度θが5°ずれていなくてもよい。プローブ22と比較対象用プローブ22aは、互いに同じ構造を持つ。プローブ22は、同軸的に配置された励磁用コイル32と磁界センサとしての検出用コイル42とを有する。比較対象用プローブ22aは、同軸的に配置された比較対象用励磁用コイル32aと比較対象用磁界センサとしての検出用コイル42aとを有する。
繊維の配向方向の計測に際しては、比較対象用プローブ22aは、比較対象の積層体1a上の一定位置に配置され、プローブ22を検査対象の積層体1上でX方向及びY方向に2次元スキャンさせる。制御部120の差動増幅器101は、検出用コイル42と比較対象用の検出用コイル42aの出力電圧の差分を出力する。以降、実施の形態1の場合と同様の信号処理により、繊維の配向方向(つまり、配向角度)、配向方向の乱れを計測する。つまり、制御部120は、検出用コイル42から出力される電圧の分布を、検出用コイル42の大きさと、検出用コイル42と検査対象との間の距離と、に対応する径方向空間周波数に基づいて帯域制限し(図8のステップST1~ST3)、帯域制限された電圧の分布と比較対象用の検出用コイル42aから出力される電圧(一定の高周波電圧)との差分を、径方向空間周波数における空間角度に対する出力強度の波形に変換し(ステップST4)、波形のピーク位置となるピーク角度を、配向方向を示す配向角度θとして算出する(ステップST5)。
実施の形態1では、導電性複合材料の積層体1からの距離が異なる検出用コイル41aと検出用コイル41bの出力電圧の差分を取得する。つまり、実施の形態1では、誘導磁界の距離による減衰量の差を取得していた。これに対し、実施の形態2では、検査対象の積層体1と比較対象の積層体1aからの誘導磁界の差分を取得している。このため、実施の形態1により、誘導磁界に由来する高周波信号をより高感度(より高い信号雑音比)で取得することができる。したがって、より正確に繊維の配向(角度)、乱れを計測することができる。
なお、配向方向検出装置12に検査対象の積層体1と比較対象の積層体1aとをセットする際に、積層体1と積層体1aのX方向及びY方向の向きを互いに合わせてセットすることが望ましい。ただし、検査対象の積層体1と比較対象の積層体1aとをセットする際に、必ずしも、検査対象の積層体1と比較対象の積層体1aの向きを一致させる必要はない。
実施の形態3.
図14は、実施の形態3に係る配向方向検出装置13の構成を示す図である。図14において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、図1に示される符号と同じ符号が付されている。実施の形態3に係る配向方向検出装置13は、搬送装置10がプローブ23をY方向に移動させるY方向搬送部10bと積層体1を回転させる回転搬送部10cを有する点が、実施の形態1に係る配向方向検出装置11と相違する。つまり、実施の形態3に係る配向方向検出装置13の搬送装置10は、センサ部としてのプローブ23を検査対象としての積層体1の表面に平行な方向に直線移動させるY方向搬送部10bと、積層体1を回転させる回転搬送部10cとを含む。回転搬送部10cは、プローブ23と積層体1とが対向する方向を軸として積層体1を回転させる。また、搬送装置10は、Y方向搬送部10bの代わりに、プローブ23を検査対象としての積層体1の表面に平行な方向に直線移動させるX方向搬送部(図1における10a)を有してもよい。なお、配向方向検出装置13のプローブ23は、図1に示されるプローブ21と同じである。
実施の形態3に係る配向方向検出装置13によれば、回転搬送部10cによって積層体1を回転させ、Y方向搬送部10bによってプローブ23をY方向に移動させて、積層体1をスキャンすることによって、図1における2次元スキャンの場合と同様に、積層体1の全域において、誘導磁界に由来する高周波信号を取得することができる。このため、より積層体1に含まれる導電性複合材料内の繊維の配向方向を示す配向角度を検出することができ。また、導電性複合材料内の繊維の配向方向の乱れの有無及び位置を検出することもできる。
実施の形態3に係る配向方向検出装置13によれば、取得した高周波信号は、円柱座標系での強度分布となっているため、制御部130は、配向角度θを検出する手順(図8のステップST2の座標変換処理)において、XY座標系から円柱座標系への変換作業を省略することができる。このため、より短時間で、より低コストなコンピュータ104で、積層体1に含まれる導電性複合材料内の繊維の配向方向を示す配向角度を検出することができる。また、導電性複合材料内の繊維の配向方向の乱れの有無及び位置を検出することもできる。
実施の形態4.
図15は、実施の形態4に係る配向方向検出装置14の構成を示す図である。図15において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、図1に示される符号と同じ符号が付されている。また、図16は、実施の形態4に係る配向方向検出装置14のプローブ24内の励磁用コイル34と磁界センサとしての検出用コイル44a、…、44a、44b、…、44b(検出用コイル44とも表記する。)とを概略的に示す斜視図である。
実施の形態4に係る配向方向検出装置14は、プローブ24内に、長方形に巻かれた励磁用コイル34と、予め決められた配列方向(図ではY方向)に配列された複数の検出用コイル(第1の磁界センサ)44a、…、44aと、同じ配列方向(図ではY方向)に配列された複数の検出用コイル(第2の磁界センサ)44b、…、44bとを有する点、並びに、プローブ24はX方向に移動しY方向に移動しなくてもよい点において、実施の形態1に係る配向方向検出装置11(図1)と相違する。実施の形態4では、搬送装置10は、プローブ24を積層体1の表面に平行で且つ配列方向に直交する方向に直線移動させる搬送部であるX方向搬送部10aを含む。この点以外に関し、実施の形態4に係る配向方向検出装置14の構成は、実施の形態1のものと同様である。
図16に示されるように、実施の形態4に係る配向方向検出装置14のプローブ24内には、励磁用コイル34と、Y方向に並ぶ複数の検出用コイル44a、…、44aと、Y方向に並ぶ複数の検出用コイル44b、…、44bとが配置されている。検出用コイル44a、…、44aと検出用コイル44b、…、44bとは、互いに同数であり、互いに平行に並んで配置されている。検出用コイル44a、…、44aと検出用コイル44b、…、44bとは、励磁用コイル34の内側に配置されている。また、X方向及びY方向の位置に関し検出用コイル44a、…、44aと検出用コイル44b、…、44bとは、同じ位置に配置されている。また、Z方向の位置に関し検出用コイル44a、…、44aと検出用コイル44b、…、44bとは、励磁用コイル34を挟んで反対側であって、励磁用コイル34から等しい距離の位置に配置されている。複数の検出用コイル44a、…、44aは、複数の検出用コイル44b、…、44bより積層体1に近い位置に配置されている。
なお、検出用コイルの数(又は対の数)は、図16に示されたもの、すなわち、16個(8対)に限定されない。検出用コイルの数(又は対の数)は、10個(5対)、12個(6対)、18個(9対)、又は20個(20対)などの他の数であってもよい。
実施の形態4に係る配向方向検出装置14によれば、制御部140は、X方向搬送部10aによってプローブ24をX方向に移動させて、積層体1をスキャンすることによって、図1における2次元スキャンの場合と同様に、誘導磁界に由来する高周波信号を取得することができる。このため、より短時間で積層体1に含まれる導電性複合材料内の繊維の配向方向を示す配向角度を検出することができる。また、導電性複合材料内の繊維の配向方向の乱れの有無及び位置を検出することもできる。
実施の形態5.
図17は、実施の形態5に係る配向方向検出装置15の構成を示す図である。図17において、図15に示される構成と同一又は対応する構成には、図15に示される符号と同じ符号が付されている。実施の形態5に係る配向方向検出装置15は、搬送装置10が積層体1を回転させる回転搬送部10cを有する点が、積層体1をX方向に移動させる実施の形態4に係る配向方向検出装置14と相違する。配向方向検出装置15のプローブ25は、図15及び図16に示されるものと同じである。
実施の形態5に係る配向方向検出装置15によれば、回転搬送部10cによってプローブ25をX方向に移動させて、積層体1をスキャンすることによって、図1における2次元スキャンの場合と同様に、誘導磁界に由来する高周波信号を取得することができる。このため、より短時間で積層体1に含まれる導電性複合材料内の繊維の配向方向を示す配向角度を検出することができ。また、導電性複合材料内の繊維の配向方向の乱れの有無及び位置を検出することもできる。
実施の形態5に係る配向方向検出装置15によれば、制御部150は、回転搬送部10cによって積層体1を回転させて、一度の回転搬送部10cでのスキャンにより、2次元上の誘導磁界に由来する高周波信号を取得することができる。配向方向検出装置15によれば、取得した高周波信号は、円柱座標系での強度分布となっているため、配向角度θを検出する手順(図8のステップST2の座標変換処理)において、XY座標系から円柱座標系への変換作業を省略することができる。このため、より短時間、より低コストなコンピュータ104で、積層体1に含まれる導電性複合材料内の繊維の配向方向を示す配向角度を検出することができる。また、導電性複合材料内の繊維の配向方向の乱れの有無及び位置を検出することもできる。
実施の形態6.
図18は、実施の形態6に係る配向方向検出装置16の構成を示す図である。図18において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、図1に示される符号と同じ符号が付されている。また、図19及び図20は、実施の形態6に係る配向方向検出装置16のプローブ26内の励磁用コイル36と磁界センサとしての検出用コイル46a~46dとを概略的に示す斜視図及び上面図である。
実施の形態6に係る配向方向検出装置16は、プローブ26内に備えられた励磁用コイル36と複数の検出用コイル46a~46dとを有する点、並びに、励磁用コイル36と複数の検出用コイル46a~46dの配置の点において、実施の形態1に係る配向方向検出装置11(図1)と相違する。この点以外に関し、実施の形態6に係る配向方向検出装置16の構成は、実施の形態1のものと同様である。
図19及び図20に示されるように、実施の形態6に係る配向方向検出装置16のプローブ26内には、励磁用コイル36と、2行2列に並ぶ4個の検出用コイル(「第1から第4の磁界センサ」ともいう)46a~46dとが配置されている。検出用コイル46a~46dは、励磁用コイル36の内側に配置されている。また、Z方向の位置に関し検出用コイル46a~46dは、励磁用コイル36と同じ位置に配置されている。つまり、積層体1から各検出用コイル46a~46dまでのそれぞれの距離は、等距離である。
検出用コイル46aと検出用コイル46dは配列方向(例えば、X方向)に並び、検出用コイル46bと検出用コイル46cは配列方向に交差する交差方向(例えば、Y方向)に並んでいる。検出用コイル46a~46dは、多入力の差動増幅器101aに接続されており、差動増幅器101aは、検出用コイル46a~46dのうちの任意の2つの検出用コイルの出力値の差分を、出力することができる。
制御部160では、配向方向がX方向(θ=0°)である繊維の配向角度、配向方向の乱れを計測する場合は、検出用コイル46bと検出用コイル46cのそれぞれの出力電圧の差分を差動増幅器101aから取得する。配向方向がY方向(θ=90°)である繊維の配向角度、配向方向の乱れを計測する場合は、検出用コイル46aと検出用コイル46bのそれぞれの出力電圧の差分を差動増幅器101aから取得する。また、配向方向がX方向とY方向の中間方向(θ=45°)である繊維の配向角度、配向方向の乱れを計測する場合は、検出用コイル46aと検出用コイル46c、又は、検出用コイル46bと検出用コイル46dのそれぞれの出力電圧の差分を差動増幅器101aから取得し、Y方向(θ=-45°)の繊維の配向(角度)、乱れを計測する場合は、検出用コイル46aと検出用コイル46bの出力電圧の差分、又は、検出用コイル46cと検出用コイル46dの出力電圧の差分を差動増幅器101aから取得する。
実施の形態6では、このように取得した誘導磁界に由来する高周波信号から、それぞれ、45°毎
(θ=-90°では、-90°~-77.5°の範囲、
θ=-45°では、-77.5°~-22.5°の範囲、
θ=0°では、-22.5°~22.5°の範囲、
θ=45°では、22.5°~77.5°の範囲、
θ=90°では、77.5°~90°の範囲。)
の繊維の配向(角度)及び乱れを計測することにより、より高精度に繊維の配向(角度)及び乱れを判別することができる。
実施の形態7.
図21は、実施の形態7に係る配向方向検出装置のプローブ27内の励磁用コイル37と磁界センサとしての検出用コイル47a、…、47a、47b、…、47b(検出用コイル47とも表記する。)とを概略的に示す斜視図である。実施の形態7に係る配向方向検出装置は、プローブ27内に備えられた励磁用コイル37と複数の検出用コイル47a、…、47a、47b、…、47bとの配置の点において、実施の形態4に係る配向方向検出装置14(図15)と相違する。この点以外に関し、実施の形態7に係る配向方向検出装置の構成は、実施の形態4のものと同様である。
図21に示されるように、実施の形態7に係る配向方向検出装置のプローブ27内には、励磁用コイル37と、予め決められた配列方向(図21ではY方向)に並ぶ複数の検出用コイル47a、…、47aと、同じ配列方向(図21ではY方向)に並ぶ複数の検出用コイル47b、…、47bとが配置されている。検出用コイル47a、…、47aと検出用コイル47b、…、47bとは、互いに並んで配置されている。検出用コイル47a、…、47aと検出用コイル47b、…、47bとは、励磁用コイル37の内側に配置されている。また、Z方向の位置に関し励磁用コイル37と検出用コイル47a、…、47a、47b、…、47bとは、同じ位置に配置されている。つまり、積層体1から検出用コイル47a、…、47aまでの距離は、積層体1から検出用コイル47b、…、47bまでの距離に等しい。
なお、検出用コイルの数(又は対の数)は、図21に示されたもの、すなわち、16個(8対)に限定されない。検出用コイルの数(又は対の数)は、10個(5対)、12個(6対)、18個(9対)、又は20個(20対)などの他の数であってもよい。
実施の形態7に係る配向方向検出装置によれば、X方向搬送部10aによってプローブ27をX方向に移動させて、積層体1をスキャンすることによって、図1における2次元スキャンの場合と同様に、誘導磁界に由来する高周波信号を取得することができる。このため、より短時間で積層体1に含まれる導電性複合材料内の繊維の配向方向を示す配向角度を検出することができ。また、導電性複合材料内の繊維の配向方向の乱れの有無及び位置を検出することもできる。
なお、実施の形態7に係る配向方向検出装置のプローブ27を、実施の形態5に係る配向方向検出装置15(図17)のプローブ25の代わりに用いてもよい。
変形例.
上記実施の形態では、搬送装置10の2つの直動方向が互いに直交する方向(すなわち、X方向及びY方向)である例を説明したが、搬送装置10の2つの直動方向が成す角度は、90°に限定されない。
1 導電性複合材料の積層体(検査対象)、 1a 導電性複合材料の積層体(比較対象)、 10 搬送装置、 10a X方向搬送部、 10b Y方向搬送部、 10c 回転搬送部、 11~16 配向方向検出装置、 21~27 プローブ(センサ部)、 22a 比較対象用プローブ、 31~37、32a 励磁用コイル、 41a、41b、42、43a、43b、44、44a~44a、44b~44b、46a~46d、47、47a~47a、47b~47b 検出用コイル(磁界センサ)、 110、120、130、140、150、160 制御部、 101 差動増幅器、 101a 差動増幅器、 102 信号発振器、 103 同期検波器、 104 コンピュータ、 105 モータ制御器、 ST1 オフセット除去処理、 ST2 座標変換処理、 ST3 帯域制限処理、 ST4 積算処理、 ST5 角度判別処理。

Claims (20)

  1. 導電性の繊維を含む1枚以上の導電性複合材料を有する検査対象における前記繊維の配向方向を検出する配向方向検出装置であって、
    前記検査対象に交流磁界を印加する励磁用コイルと、
    前記励磁用コイルとの間で一定の位置関係が維持された位置に配置され、前記交流磁界により生じた誘導磁界を検出し、前記誘導磁界に対応する電圧を出力する1つ以上の磁界センサと、
    前記励磁用コイルと前記1つ以上の磁界センサとを含むセンサ部及び前記検査対象の少なくとも一方を移動させる搬送装置と、
    前記励磁用コイル、前記1つ以上の磁界センサ、及び前記搬送装置を制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記1つ以上の磁界センサのうちの各磁界センサから出力される前記電圧の分布を、前記各磁界センサの大きさと、前記各磁界センサと前記検査対象との間の距離と、に対応する径方向空間周波数に基づいて帯域制限し、
    前記帯域制限された前記電圧の分布を、前記径方向空間周波数における空間角度に対する出力強度の波形に変換し、
    前記波形のピーク位置となるピーク角度を、前記配向方向を示す配向角度として算出する
    ことを特徴とする配向方向検出装置。
  2. 前記検査対象は、複数の導電性複合材料を含む積層体である
    ことを特徴とする請求項1に記載の配向方向検出装置。
  3. 前記1つ以上の磁界センサは、第1の磁界センサと第2の磁界センサとを含み、
    前記励磁用コイルと前記第1の磁界センサと前記第2の磁界センサとは、同軸に配置されており、
    前記第1の磁界センサは、前記第2の磁界センサより前記検査対象に近い位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配向方向検出装置。
  4. 前記第1の磁界センサは、前記励磁用コイルより前記検査対象に近い位置に配置され、
    前記第2の磁界センサは、前記励磁用コイルより前記検査対象から遠い位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の配向方向検出装置。
  5. 前記第1の磁界センサ及び前記第2の磁界センサは、前記励磁用コイルの内側に配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の配向方向検出装置。
  6. 前記励磁用コイルは、第1の励磁用コイルと、前記第1の励磁用コイルよりも前記検査対象から遠い位置に配置された第2の励磁用コイルとを有し、
    前記第1の磁界センサは、前記第1の励磁用コイルの内側に配置され、
    前記第2の磁界センサは、前記第2の励磁用コイルの内側に配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の配向方向検出装置。
  7. 前記励磁用コイルと同じ構造を持ち、前記検査対象と同じ構造を持つ比較対象に交流磁界を印加する比較対象用励磁用コイルと、
    前記磁界センサと同じ構造を持ち、前記比較対象用励磁用コイルにより生じた誘導磁界に対応する電圧を出力する比較対象用磁界センサと、
    をさらに有し、
    前記制御部は、
    前記磁界センサから出力される前記電圧の分布を、前記磁界センサの大きさと、前記磁界センサと前記検査対象との間の距離と、に対応する径方向空間周波数に基づいて帯域制限し、
    前記帯域制限された前記電圧の分布と前記比較対象用磁界センサから出力される電圧との差分を、前記径方向空間周波数における空間角度に対する出力強度の波形に変換し、
    前記波形のピーク位置となるピーク角度を、前記配向方向を示す配向角度として算出する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配向方向検出装置。
  8. 前記1つ以上の磁界センサは、2行2列に並ぶ第1から第4の磁界センサを有し、
    前記検査対象から前記第1から第4の磁界センサまでの距離は、等距離である
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の配向方向検出装置。
  9. 前記搬送装置は、
    前記センサ部を前記検査対象の表面に平行な第1の方向に移動させる第1の搬送部と、
    前記センサ部を前記検査対象の表面に平行であって、前記第1の方向に交差する第2の方向に移動させる第2の搬送部と、
    を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の配向方向検出装置。
  10. 前記搬送装置は、
    前記センサ部を前記検査対象の表面に平行な方向に直線移動させる搬送部と、
    前記検査対象を回転させる回転搬送部と、
    を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の配向方向検出装置。
  11. 前記1つ以上の磁界センサは、
    予め決められた配列方向に配列された複数の第1の磁界センサと、
    前記配列方向に配列され、前記複数の第1の磁界センサと同数である複数の第2の磁界センサと、
    を有し、
    前記複数の第1の磁界センサは、前記複数の第2の磁界センサより前記検査対象に近い位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配向方向検出装置。
  12. 前記1つ以上の磁界センサは、
    予め決められた配列方向に配列された複数の第1の磁界センサと、
    前記配列方向に配列され、前記複数の第1の磁界センサと同数である複数の第2の磁界センサと、
    を有し、
    前記検査対象から前記複数の第1の磁界センサまでの距離は、前記検査対象から前記複数の第2の磁界センサまでの距離に等しい
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の配向方向検出装置。
  13. 前記搬送装置は、前記センサ部を前記検査対象の表面に平行で且つ前記配列方向に直交する方向に直線移動させる搬送部を含む
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の配向方向検出装置。
  14. 前記搬送装置は、前記検査対象を回転させる回転搬送部を含む
    ことを特徴とする請求項11又は12のいずれか1項に記載の配向方向検出装置。
  15. 前記1つ以上の磁界センサは、1つ以上の検出用コイルを含み、
    前記制御部は、前記帯域制限における通過帯域を、前記1つ以上の検出用コイルの各検出用コイルの大きさと、前記各検出用コイルと前記検査対象との間の距離との和に比例する径方向空間周波数の帯域とする
    ことを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の配向方向検出装置。
  16. 前記検出用コイルの大きさは、直径又は短辺長さである
    ことを特徴とする請求項15に記載の配向方向検出装置。
  17. 前記検出用コイルは、同一構造の2つのコイルの電圧出力の差分を出力する作動型コイルを含む
    ことを特徴とする請求項15に記載の配向方向検出装置。
  18. 前記制御部は、前記配向角度に対する出力強度波形とする信号処理としてラドン変換を用いる
    ことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の配向方向検出装置。
  19. 前記磁界センサは、検出用コイル、磁気抵抗素子センサ、磁気インピーダンスセンサ、ホールセンサ、フラックスゲートセンサ、磁気光学センサ、光ポンピング原子磁気センサ、及び超電導量子干渉計のうちの1つを少なくとも含む
    ことを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の配向方向検出装置。
  20. 前記繊維は、炭素繊維、又は金属細線、又は炭化ケイ素繊維である
    ことを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の配向方向検出装置。
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